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JPH09329781A - 光散乱型液晶デバイス及びその製造方法 - Google Patents

光散乱型液晶デバイス及びその製造方法

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Publication number
JPH09329781A
JPH09329781A JP25607196A JP25607196A JPH09329781A JP H09329781 A JPH09329781 A JP H09329781A JP 25607196 A JP25607196 A JP 25607196A JP 25607196 A JP25607196 A JP 25607196A JP H09329781 A JPH09329781 A JP H09329781A
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JP
Japan
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liquid crystal
light
crystal device
temperature
scattering
Prior art date
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Granted
Application number
JP25607196A
Other languages
English (en)
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JP3750219B2 (ja
Inventor
Noburu Fujisawa
宣 藤澤
Hidetoshi Nakada
秀俊 中田
Masao Aizawa
政男 相澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd filed Critical Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
Priority to JP25607196A priority Critical patent/JP3750219B2/ja
Publication of JPH09329781A publication Critical patent/JPH09329781A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液晶材料と透明性高分子物質を含有する調光
層を有する光散乱型液晶デバイスにおいて、駆動電圧の
温度依存性が小さい光散乱型液晶デバイスを提供するこ
と。 【解決手段】 電極層を有する少なくとも一方が透明な
2枚の基板と、これらの基板間に支持された調光層とを
有し、前記調光層が、(I)(1)温度上昇にともない
駆動電圧が低下する液晶デバイスの調光層を構成する透
明性高分子物質を形成する重合性化合物及び(2)温度
上昇にともない駆動電圧が上昇する液晶デバイスの調光
層を構成する透明性高分子物質を形成する重合性化合物
を含有する重合性組成物から成る透明性高分子物質、及
び(II)液晶材料を含有する液晶デバイス。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、大面積になし得る
光散乱型液晶デバイスの製造方法に関し、更に詳しく
は、光の遮断、透過を電気的叉は熱的に操作し得るもの
であって、文字や図形を表示し、高速応答を以って電気
的に表示を切り換えることによって、広告板、案内板、
装飾表示板等の表示体、OA器材などのディスプレイ等
のハイインフォメーション表示体として利用される光散
乱型液晶デバイスに関する。
【0002】
【従来の技術】偏光板や配向処理を要さず、明るくコン
トラストの良い、大型で廉価な液晶デバイスとして、特
表昭58−501631号公報、米国特許第44350
47号明細書には、液晶のカプセル化により、ポリマー
中に液晶滴を分散させ、そのポリマーをフィルム化する
方法が開示されている。ここでカプセル化物質として
は、ゼラチン、アラビアゴム、ポリビニルアルコール等
が提案されている。
【0003】ポリビニルアルコールでカプセル化された
液晶分子は、それが薄層中で正の誘電異方性を有するも
のであれば、電界の存在下でその液晶分子が電界の方向
に配列し、液晶の屈折率n0とポリマーの屈折率npが
等しいときには、透明性を発現する。電界が除かれる
と、液晶はランダム配列に戻り、液晶滴の屈折率n0よ
りずれるため、液晶滴は、その境界面で光を散乱し、光
の透過を遮断するので、薄層体は白濁する。
【0004】このように、液晶滴を分散包蔵したポリマ
ーを薄膜としている技術は、上記のもの以外にもいくつ
か知られており、例えば、特表昭61−502128号
公報には、液晶エポキシ樹脂中に分散したもの、特開昭
62−2231号公報には、特殊な紫外線硬化ポリマー
中に液晶が分散したもの、特開昭63−271233号
公報には、光硬化性ビニル系化合物と液晶との溶解物に
おいて、上記光硬化性ビニル系化合物の光硬化に伴う液
晶物質の相分離を利用し調光層を形成させたものがそれ
ぞれ開示されている。
【0005】また、光散乱型液晶デバイスの実用化に要
求される重要な特性である低電圧駆動特性、高コントラ
ストを可能にするために、特開平1−198725号公
報には、液晶材料の連続層中に透明性高分子物質を三次
元網目状構造に形成せしめ、液晶デバイスの低電圧駆動
を可能にした技術が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、液晶材
料の連続層中に三次元網目構造を有する透明性高分子物
質を形成して成る調光層を有する光散乱型液晶デバイス
をはじめとして、液晶材料と透明性高分子物質とから成
る光散乱型液晶デバイスにおいては、駆動電圧の温度依
存性が大きく、使用温度により駆動電圧が異なるという
問題があった。
【0007】本発明が解決しようとする課題は、液晶材
料及び透明性高分子物質を含有する調光層を有する光散
乱型液晶デバイスにおいて、駆動電圧の温度依存性が小
さい光散乱型液晶デバイスを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成す
るに至った。
【0009】即ち、本発明は上記課題を解決するため
に、電極層を有する少なくとも一方が透明な2枚の基板
と、これらの基板間に支持された調光層とを有し、前記
調光層が、液晶材料及び透明性高分子物質を含有する光
散乱型液晶デバイスにおいて、前記透明性高分子物質が
(1)温度上昇に伴ない駆動電圧が低下する光散乱型液
晶デバイスの調光層を構成する透明性高分子物質を形成
する重合性化合物及び(2)温度上昇に伴ない駆動電圧
が上昇する光散乱型液晶デバイスの調光層を構成する透
明性高分子物質を形成する重合性化合物を含有する重合
性組成物から成る透明性高分子物質であることを特徴と
する光散乱型液晶デバイスを提供する。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の液晶デバイスは、例え
ば、以下の製造方法に従って、製造することができる。
【0011】即ち、電極層を有する少なくとも一方が透
明な2枚の基板間に、(A)液晶材料と(B)(1)温
度上昇に伴ない駆動電圧が低下する光散乱型液晶デバイ
スの調光層を構成する透明性高分子物質を形成する重合
性化合物及び(2)温度上昇に伴ない駆動電圧が上昇す
る光散乱型液晶デバイスの調光層を構成する透明性高分
子物質を形成する重合性化合物、及び(3)重合開始剤
を含有する重合性組成物から成る調光層形成材料を介在
させ、紫外線を照射することによって、重合性化合物を
重合させることにより、2枚の基板間に液晶材料及び透
明性固体物質を含有する調光層を形成する光散乱型液晶
デバイスの製造方法。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明で使用する基板は、堅固な
材料、例えば、ガラス、金属等であっても良く、柔軟性
を有する材料、例えば、プラスチックフィルムの如きも
のであっても良い。そして、基板は2枚が対向して適当
な間隔を隔てるものであり、その少なくとも一方は透明
性を有し、その2枚の間に挟持される液晶材料及び透明
性高分子物質を含有する調光層を外界から視覚させるも
のでなければならない。但し、完全な透明性を必須とす
るものではない。
【0013】もし、この光散乱型液晶デバイスが、デバ
イスの一方の側から他方の側へ通過する光に対して作用
させるために使用される場合は、共に適宜な透明性が与
えられる。この基板には、目的に応じて透明、不透明の
適宜な電極が、その前面叉は部分的に配置されても良
い。但し、プラスチックの如き柔軟性を有する材料の場
合には、堅固な材料、例えば、ガラス、金属等に固定し
たうえで本発明の液晶デバイスに用いることができる。
【0014】また、2枚の基板間には、通常、周知の光
散乱型液晶デバイスと同様、間隔保持用のスペーサーを
介在させることもできる。
【0015】スペーサーとしては、例えば、マイラー、
アルミナ、ロッドタイプのガラスファイバー、ガラスビ
ーズ、ポリマービーズ等種々の液晶セル用のものを用い
ることができる。
【0016】本発明で使用する液晶材料は、単一の液晶
性化合物であることを要しないのは勿論で、2種以上の
液晶化合物や液晶化合物以外の物質も含んだ混合物であ
っても良く、通常この技術分野で液晶材料として認識さ
れるものであれば良く、そのうちの正の誘電異方性を有
するものが好ましい。用いる液晶としては、ネマチック
液晶、スメクチック液晶、コレステリック液晶が好まし
く、ネマチック液晶が特に好ましい。その性能を改善す
るために、コレステリック液晶、カイラルネマチック液
晶、カイラルスメクチック液晶等やカイラル化合物が適
宜含まれていてもよい。
【0017】本発明で使用する液晶材料は、以下に示し
た化合物群から選ばれる1種類以上の化合物から成る配
合組成物が好ましく、液晶材料の特性、即ち、抵抗値、
等方性液体と液晶の相転移温度、融点、粘度、屈折率異
方性(Δn)、誘電率異方性(Δε)及び重合性組成物
等との溶解性等を改善することを目的として適宜選択、
配合して用いることができる。
【0018】そのような液晶材料には、安息香酸エステ
ル系、シクロヘキシルカルボン酸エステル系、ビフェニ
ル系、ターフェニル系、フェニルシクロヘキサン系、ビ
フェニルシクロヘキサン系、ピリミジン系、ピリジン
系、ジオキサン系、シクロヘキサンシクロヘキサンエス
テル系、シクロヘキシルエタン系、トラン系、アルケニ
ル系等の各種液晶化合物が使用される。
【0019】液晶化合物の具体例としては、4−置換安
息香酸4’−置換フェニルエステル、4−置換シクロヘ
キサンカルボン酸4’−置換フェニルエステル、4−置
換シクロヘキサンカルボン酸4’−置換ビフェニルエス
テル、4−(4−置換シクロヘキサンカルボニルオキ
シ)安息香酸4’−置換フェニルエステル、4−(4−
置換シクロヘキシル)安息香酸4’−シクロヘキシルエ
ステル、4−置換4’−置換ビフェニル、4−置換フェ
ニル4’置換シクロヘキサン、4−置換4”−置換ター
フェニル、4−置換ビフェニル4’−置換シクロヘキサ
ン、2−(4−置換フェニル)5−置換ピリジン、4−
置換(4−置換フェニルエチニル)フェニル等を挙げる
ことができる。
【0020】調光層形成材料中の液晶材料の含有率は、
60〜98重量%の範囲が好ましく、70〜90重量%
の範囲が特に好ましい。
【0021】前記調光層中に形成される透明性高分子物
質は、その中に液晶材料を分散する構造のものでもよい
が、三次元網目状構造を有するものがより好ましい。
【0022】この透明性高分子物質の三次元網目状構造
には液晶材料が充填され、かつ、液晶材料が連続層を形
成することが好ましく、液晶材料の無秩序な状態を形成
することにより光学境界面を形成し、光の散乱を発現さ
せる。
【0023】この透明性高分子物質は、堅固なものに限
らず、目的に応じ得る限り可撓性、柔軟性、弾性を有す
るものであっても良い。
【0024】本発明で使用する重合性組成物は、重合体
形成モノマー、オリゴマーであって、これらのモノマー
及びオリゴマーは2種類以上併用することができるが、
少なくとも、温度上昇に伴ない駆動電圧が低下する光散
乱型液晶デバイスの調光層を構成する透明性高分子物質
を形成する重合性化合物、及び温度上昇に伴ない駆動電
圧が上昇する光散乱型液晶デバイスの調光層を構成する
透明性高分子物質を形成する重合性化合物を必須成分と
して含有する。この駆動電圧の温度依存性が異なる2種
類の重合性化合物を、その温度特性、さらには電圧透過
率特性を考慮し混合比を調節することによって、コント
ラストが高く、駆動電圧が低く、さらには駆動電圧の温
度依存性が小さい光散乱型液晶デバイスを作製すること
ができる。
【0025】本発明で使用する温度上昇に伴ない駆動電
圧が低下する光散乱型液晶デバイスの調光層を構成する
透明性高分子物質を形成する重合性化合物としては、例
えば、2−オクチルデシルアクリレート、2−ヘプチル
ノニルアクリレート、2−ノニルウンデシルアクリレー
ト、2−デシルドデシルアクリレート、(1,2−ヒド
ロキシオクチル−3−オクチル−4−ヘチシル)シクロ
ヘキサンと9−ノニル−10−オクチルノナデカンジオ
ールの混合物のジアクリレートエステル等が挙げられ
る。
【0026】本発明で使用する温度上昇に伴ない駆動電
圧が上昇する光散乱型液晶デバイスの調光層を構成する
透明性高分子物質を形成する重合性化合物としては、例
えば、2−(3−メチルブチル)−7−メチルオクチル
アクリレート、2−(1−メチルブチル)−5−メチル
オクチルアクリレート、2−(1−メチル−3−ジメチ
ル)−5−メチル−7−ジメチルオクチルアクリレート
等が挙げられる。
【0027】また、温度上昇に伴い駆動電圧が上昇する
性質を示す重合性化合物の市販品としては、例えば、イ
ソミリスチルアクリレートIMA(共栄油脂社製)、イ
ソステアリルアクリレートISA(共栄油脂社製)、ラ
ウリルアクリレートLA(共栄油脂社製)、アクリル酸
2−エチルヘキシル(東京化成社製)、ダイマージアク
リレートA−OCD(新中村化学社製)等が挙げられ
る。更に、二種類の組み合わせにより温度上昇に伴い駆
動電圧が上昇する性質を示す重合性化合物は、例えば、
ネオペンチルグリコールジアクリレートA−NPG(新
中村化学社製)又はC9A(第一工業製薬社製)と、T
O−1338(東亜合成社製)又はTO−1336(東
亜合成社製)との組み合わせ等が挙げられる。
【0028】これら温度上昇に伴ない駆動電圧が低下す
る光散乱型液晶デバイスの調光層を構成する透明性高分
子物質を形成する重合性化合物、及び温度上昇に伴ない
駆動電圧が上昇する光散乱型液晶デバイスの調光層を構
成する透明性高分子物質を形成する重合性化合物は、各
々2種類以上併用して用いることもできる。
【0029】具体的な重合性組成物の調整方法として
は、まず、最適網目の透明性高分子物質を作製し、か
つ、高コントラストの光散乱型液晶デバイスを得る要素
として、(1,2−ヒドロキシオクチル−3−オクチ
ル−4−ヘキシル)シクロヘキサンと9−ノニル−10
−オクチルノナデカンジオールの混合物のジアクリレー
トエステル等の2官能アクリレートを用い、次いで、光
散乱型液晶デバイスの駆動電圧を下げるため、2−オ
クチルデシルアクリレート、2−ヘプチルノニルアクリ
レート、2−ノニルウンデシルアクリレート、2−デシ
ルドデシルアクリレート等の単官能アクリレートを加え
た重合性組成物を調製する。この重合性組成物を用いて
も、高コントラストで低電圧駆動の光散乱型液晶デバイ
スが得られるが、重合性組成物が、、とも、温度上
昇に伴なって駆動電圧が低下する光散乱型液晶デバイス
の調光層を構成する透明性高分子物質を形成する重合性
化合物であるので、得られた光散乱型液晶デバイスは温
度が高くなるにつれ駆動電圧は上昇減少する特性を示
す。
【0030】そこで、さらに、温度特性を調整する要素
として、2−(3−メチルブチル)−7−メチルオク
チルアクリレート、2−(1−メチルブチル)−5−メ
チルオクチルアクリレート及び2−(1−メチル−3−
ジメチル)−5−メチル−7−ジメチルオクチルアクリ
レート等の、温度上昇に伴なって駆動電圧が上昇する光
散乱型液晶デバイスの調光層を構成する透明性高分子物
質を形成する重合性化合物を加えることにより、高コン
トラスト、低駆動電圧で駆動電圧の温度特性が小さい光
散乱型液晶デバイスを得ることができる。
【0031】上記の調整方法において使用する重合性組
成物の駆動電圧に対する温度特性、電圧透過率特性によ
っては、ととの組み合わせによって同様の効果を得
ることもできる。
【0032】温度上昇に伴なって駆動電圧が上昇する光
散乱型液晶デバイスにおいて、駆動電圧の温度依存性
は、温度に対して駆動電圧の極小値を持ち、この極小値
を示す温度以下では本発明の温度特性の調整方法でも駆
動電圧の温度特性は降温で増加してしまい所望の温度特
性を得るのが難しい。駆動電圧の極小値温度以上では温
度上昇に伴い駆動電圧が上昇する温度範囲がありその範
囲で温度特性を調整して駆動電圧の温度依存性を小さく
することができる。そのため駆動電圧の極小値温度が重
要になり、必要に応じて液晶材料と重合性化合物との組
み合わせを適宜選択して駆動電圧の極小値温度を調整す
ることが必要になる。また、駆動電圧の極小値を示す温
度は、使用する液晶材料の種類及び光散乱型液晶デバイ
スを構成する透明性高分子物質を形成する重合性化合物
の種類により異なる。
【0033】分子構造と駆動電圧の極小値温度の関係を
見ると、側鎖に炭素鎖を有する重合性化合物を重合性組
成物に用いた場合において、駆動電圧の極小値が温度変
化に対して発現する。また、駆動電圧の低電圧効果及び
光散乱性を考慮すると、直鎖型重合性化合物を重合性組
成物に用いた場合では、炭素原子数5以上の炭素鎖を有
する材料が好ましく、炭素鎖が長くなると駆動電圧の極
小値温度が高くなる傾向が見られる。例えば、炭素原子
数7の直鎖型炭素鎖を有する重合性化合物を重合性組成
物に用いた場合では、極小値温度は0℃になり、炭素原
子数9の直鎖型炭素鎖を有する重合性化合物を重合性組
成物に用いた場合では、極小値温度が25℃、炭素原子
数12の直鎖型炭素鎖を有する重合性化合物を重合性組
成物に用いた場合では、極小値温度は50℃に達する。
特に、炭素原子数7〜9の直鎖型炭素鎖を有する重合性
化合物を重合性組成物に用いた場合において、駆動電圧
の極小値が、他の化合物を用いた場合と比較して、小さ
くなることからより好ましい。
【0034】一方、分岐型の側鎖を有する重合性化合物
を重合性組成物に用いた場合では、直鎖型の重合性化合
物のような炭素鎖の長さと極小値温度との関係は確認さ
れないが、室温以下での駆動電圧の上昇を押さえる効
果、又は、温度上昇に伴い駆動電圧を上昇させる効果が
認められる。
【0035】本発明の液晶デバイスでは、駆動電圧の温
度特性を調整するためには、温度上昇に伴い駆動電圧が
上昇する効果を有する分岐型の側鎖の重合性化合物を用
いることが好ましい。また、二種類の異なる極小値温度
を示す重合性化合物を用いると両者の極小値温度の中間
に駆動電圧の極小値が見られる。また、単体では駆動電
圧の極小値温度を発現しない重合性化合物を使用した場
合、他の同様な性質の側鎖を有する重合性化合物と組み
合わせることによって、駆動電圧の極小値を発現するこ
とがあり、共重合体における側鎖の形態、長さ、側鎖比
率等に影響される。更に、光散乱型デバイスを構成する
調光層において、液晶材料の含有量及び調光層を構成す
る透明性高分子物質に含まれる駆動電圧の極小値を示す
重合性化合物の濃度からも駆動電圧の極小値温度は影響
される。例えば、液晶濃度が70%で極小値温度が20
℃を示す場合、液晶濃度を75%にすると極小値温度は
25℃に上昇する。また、駆動電圧の極小値温度を示す
重合性化合物濃度が17.5%で極小値温度が25℃を
示す場合、前記重合性化合物濃度を12.5%にすると
極小値温度は5℃に低下する。
【0036】このように駆動電圧の極小値温度の調整す
るためには、1)液晶濃度、2)駆動電圧の極小値を示
す重合性化合物濃度、3)液晶材料との駆動電圧の極小
値を示す重合性化合物の種類及びその組み合わせ等を変
えることにより極小値温度の調整が可能であり、必要に
応じて適宜これらの手段を選択して極小値温度を調整す
ることができる。
【0037】液晶材料と駆動電圧の極小値との関係を見
ると、液晶材料の極性に影響される。例えば、シアノ系
液晶の如き極性の高い液晶を用いた場合、駆動電圧が温
度上昇に伴なって単調に減少するだけで、駆動電圧の温
度特性において極小値が認められない。一方、極性の小
さいフッ素系液晶を用いた場合、駆動電圧の温度特性に
おいて極小値が認められ、液晶材料の垂直成分の誘電率
ε⊥が小さいと温度に対する駆動電圧の極小値を下げる
効果が大きくなり、低電圧駆動で温度特性を調整できる
ようになる。そのため、少なくとも誘電率ε⊥が5.5
以下である液晶を用いた場合、駆動電圧の温度特性に小
さく極小値が現われるので好ましい。また、極小値温度
を示す液晶材料を添加しても駆動電圧の極小値温度を調
整することができる。
【0038】駆動電圧が極小値を示し温度上昇に伴い駆
動電圧が増加する要因の一つは、液晶分子と調光層に使
用される透明性高分子物質との相互作用に起因してお
り、特に、調光層の透明性高分子物質と液晶材料との界
面で誘起されるプレチルト角の温度変化に強く影響され
ている。温度に対して駆動電圧が極小値を示す温度付近
では、プレチルト角が最大となり、この時、液晶のしき
い値電圧が最小になり駆動電圧の極小値が見られる。駆
動電圧の極小値温度から温度が上昇すると誘起されるプ
レチルト角がしだいに減少してゆき、この減少に伴ない
液晶のしきい値が増加して駆動電圧が増加する。プレチ
ルト角の温度変化の現象は、温度に対する液晶しきい値
電圧以下の静電容量測定と透過率の測定から観測され
る。また、重合性化合物を配向膜として用いた平行配向
セルの静電容量の温度変化からも見ることもできる。液
晶デバイスにおいて、液晶デバイスの容量は、駆動電圧
の極小値温度に向けて降温に伴なって僅かづつ増加し、
駆動電圧の極小値温度近傍で急激に増加する。これは、
調光層中で液晶分子が任意に配向した状態において、液
晶分子の配向が電極間の電界方向に対して平行になる成
分が増大し、透明性高分子物質界面からの影響で液晶分
子の配向方向が変化したことに由来する。また、最小透
過率の温度特性と比較すると、静電容量が急激に増加す
る付近で最小透過率も同時に増加する。
【0039】これらの点から、透明性高分子界面上での
液晶配向変化に起因する変化が最小透過率の温度変化及
びしきい値電圧以下の静電容量の温度変化に現れてお
り、更に、液晶しきい値電圧以下の静電容量が同様に降
温に伴なって増加する同様な現象が同一の透明性高分子
物質を配向膜として用いた平行配向セルにおいても観測
されることから、何れもプレチル角の誘起に伴なう配向
変化に起因していることが理解できる。
【0040】即ち、温度上昇に伴ない駆動電圧が上昇す
る光散乱型液晶デバイスの調光層を構成する透明性高分
子物質を形成する重合性化合物には、降温に伴い液晶と
の界面で誘起するプレチルト角が増加するものであれば
良く、誘起するプレチルト角が最大になる温度を液晶デ
バイスの実用動作温度範囲の下限値以下に設定するよう
に重合性化合物及び液晶材料を調整すれば良い。また、
駆動電圧の極小値温度以下では、電圧透過率特性のヒス
テリシス幅が増加し光散乱性が低下するので極小値温度
以上で本発明の液晶デバイスを駆動させることが好まし
い。
【0041】重合開始剤としては、例えば、2−ヒドロ
キシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン
(メルク社製「ダロキュア1173」)、1−ヒドロキ
シシクロヘキシルフェニルケトン(チバ・ガイギー社製
「イルガキュア184」)、1−(4−イソプロピルフ
ェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−
オン(メルク社製「ダロキュア1116」)、2−メチ
ル−1−[メチルチオ)フェニル]−2−モリホリノプ
ロパン−1(チバ・ガイギー社製「イルガキュア90
7」)、ベンジルジメチルケタール(チバ・ガイギー社
製「イルガキュア651」)、2,4−ジエチルチオキ
サントン(日本化薬社製「カヤキュアDETX」)、と
p−ジメチルアミノ安息香酸エチル(日本化薬社製「カ
ヤキュアEPA」)との混合物、イソプロピルチオキサ
ントン(ワードプレキンソツプ社製「カンタキュア−I
TX」)とp−ジメチルアミノ安息香酸エチルとの混合
物、アシルフォスフィンオキシド(BASF社製「ルシ
リンTPO」)等が挙げられる。
【0042】重合開始剤の使用割合は、重合性組成物総
量の0.1〜10.0重量%範囲が好ましい。
【0043】調光層形成材料を2枚の基板間に介在させ
るには、この調光層形成材料を基板間に注入しても良い
が、一方の基板上に適当な溶液塗布機やスピンコーター
等を用いて均一に塗布し、ついで他方の基板を重ね合わ
せ圧着させても良い。
【0044】また、一方の基板上に調光層形成材料を均
一な厚さに塗布し、重合用エネルギーを供給することに
よって重合性組成物を重合硬化させて調光層を形成した
後、他方の基板を貼り合わせる光散乱型液晶デバイスの
製造方法も、また有効である。
【0045】重合用エネルギーとしては、重合性組成物
が適切に重合できるものであれば良く、例えば、紫外
線、可視光線、電子線等の放射線や熱等が挙げられる。
【0046】特に、紫外線による方法は好適である。ま
た、調光層形成材料の等方性液体状態を保持しながら紫
外線を照射することは、均一な調光層を形成する上で好
ましい。
【0047】液晶材料中で重合性組成物を重合させるに
は、一定の強さ以上の光強度及び照射量を必要とする
が、それは重合性組成物の反応性及び光重合開始剤の種
類、濃度によって左右され、適切な光強度の選択により
三次元網目状構造の形成、及びその網目の大きさを均一
にすることができる。
【0048】更に、時間的、平面的に均一に照射するこ
とは、基板間に介在する重合性組成物に瞬間的に強い光
を照射して重合を進行させ、これによって網目の大きさ
を均一にする上で効果的である。即ち、適切な強度でパ
ルス上に紫外線を照射することにより、均一な三次元網
目状構造を有する透明性高分子物質を液晶中に形成する
ことができる。
【0049】
【実施例】以下、実施例及び比較例を用いて本発明を更
に詳細に説明する。しかしながら、本発明はこれらの実
施例に限定されるものではない。
【0050】以下の実施例において、評価特性の各々は
以下の記号及び内容を意味する。 T0 :白濁度;印加電圧0の時の光透過率(%) T100 :透明度;印加電圧を増加させていき光透過率が
ほとんど増加しなくなった時の光透過率(%) V90 :駆動電圧;T0を0%、T100を100%とした
とき光透過率が90%となる印加電圧(Vrms)
【0051】<実施例1> (液晶材料) 下記組成から成る液晶組成物A 76.0重量% (重合性化合物) 「KU−760」 11.76重量% (荒川化学社製の(1,2−ヒドロキシオクチル−3−オクチル−4−ヘ チシル)シクロヘキサンと9−ノニル−10−オクチルノナデカンジオールの混 合物のジアクリレート) 「TO1338」 9.41重量% (東亜合成化学社製の2−ノニルウンデシルアクリレート) 「IS−A」 2.35重量% (共栄化学社製の2−(1−メチル−3−ジメチル)−5−メチル−7 −ジメチルオクチルアクリレート = イソステアリルアクリレート) (重合開始剤) 「イルガキュア651」 0.48重量% (チバガイギー社製ベンジルジメチルケタール) からなる調光層形成材料を、11.0μmのガラスファ
イバー製スペーサーが塗布された2枚のITO電極ガラ
ス基板に挟み込み、調光層形成材料が等方性液体状態と
なる温度を保ちながら、 20mW/cm2の紫外線を60
秒間照射して重合性化合物を硬化させて液晶材料と透明
性高分子物質から成る厚さ11.0μmの調光層を有す
る光散乱型液晶デバイスを得た。
【0052】このようにして得た光散乱型液晶デバイス
の調光層を電子顕微鏡で観察したところ、三次元網目状
の透明性固体物質を確認することができた。
【0053】次に、このようにして得た光散乱型液晶デ
バイスの25℃、30℃及び40℃における電圧透過率
特性を測定した結果、各測定温度で以下のような特性を
示した。 25℃ T0=2.7%、 T100=90.0%、 V90
=4.7Vrms 30℃ T0=2.7%、 T100=89.5%、 V90
=4.7Vrms 40℃ T0=3.1%、 T100=89.4%、 V90
=4.7Vrms
【0054】(液晶組成物Aの組成)
【化1】
【0055】<比較例1> (液晶材料) 実施例1で使用した液晶組成物A 76.0重量% (重合性化合物) 「KU−760」(荒川化学社製のジアクリレート) 23.52重量% (重合開始剤) 「イルガキュア651」(チバガイギー社製) 0.48重量% からなる調光層形成材料を11.0μmのガラスファイ
バー製スペーサーが塗布された2枚のITO電極ガラス
基板に挟み込み、調光層形成材料が等方性液体状態とな
るよう温度を保ちながら、 20mW/cm2の紫外線を6
0秒間照射して重合性化合物を硬化させて液晶材料と透
明性高分子物質から成る厚さ11.0μmの調光層を有
する光散乱型液晶デバイスを得た。
【0056】このようにして得た光散乱型液晶デバイス
の調光層を電子顕微鏡で観察したところ、三次元網目状
の透明性固体物質を確認することができた。
【0057】次に、このようにして得た光散乱型液晶デ
バイスの25℃、30℃及び40℃における電圧透過率
特性を測定した結果、各測定温度で以下のような特性を
示した。 25℃ T0=1.8%、 T100=84.5%、 V90
=25.5Vrms 30℃ T0=1.8%、 T100=85.3%、 V90
=24.3Vrms 40℃ T0=2.0%、 T100=85.3%、 V90
=22.2Vrms
【0058】<比較例2> (液晶材料) 実施例1で使用した液晶組成物A 76.0重量% (重合性化合物) 「KU−760」(荒川化学社製のジアクリレート) 11.76重量% 「TO1338」 11.76重量% (東亜合成化学社製の2−ノニルウンデシルアクリレート) (重合開始剤) 「イルガキュア651」(チバガイギー社製) 0.48重量% からなる調光層形成材料を11.0μmのガラスファイ
バー製スペーサーが塗布された2枚のITO電極ガラス
基板に挟み込み、調光層形成材料が等方性液体状態とな
るよう温度を保ちながら、 20mW/cm2の紫外線を6
0秒間照射して重合性化合物を硬化させて液晶材料と透
明性高分子物質から成る厚さ11.0μmの調光層を有
する光散乱型液晶デバイスを得た。
【0059】このようにして得た光散乱型液晶デバイス
の調光層を電子顕微鏡で観察したところ、三次元網目状
の透明性固体物質を確認することができた。
【0060】次に、このようにして得た光散乱型液晶デ
バイスの25℃、30℃及び40℃における電圧透過率
特性を測定した結果、各測定温度で以下のような特性を
示した。 25℃ T0=2.5%、 T100=89.4%、 V90
=5.3Vrms 30℃ T0=2.5%、 T100=88.6%、 V90
=5.1Vrms 40℃ T0=3.0%、 T100=89.4%、 V90
=4.8Vrms
【0061】以上の実施例1及び比較例1〜2で得た液
晶デバイスと、その評価結果を以下の表1にまとめて示
した。
【0062】
【表1】
【0063】表1に示した結果から、駆動電圧に対する
温度特性が異なる重合性化合物の混合比を調整すること
により、得られる光散乱型液晶デバイスの駆動電圧の温
度依存性を小さくすることができることが理解できる。
【0064】以下の実施例2以降に、上記のような調整
方法で駆動電圧の温度依存性を解消した例を示す。
【0065】<実施例2> (液晶材料) 実施例1で使用した液晶組成物A 75.0重量% (重合性化合物) 「KU−760」(荒川化学社製のジアクリレート) 11.03重量% 「TO1338」 9.80重量% (東亜合成化学社製の2−ノニルウンデシルアクリレート) 「IM−A」 3.68重量% (共栄化学社製の2−(3−メチルブチル)−7−メチルオクチルアク リレート = イソミリスチルアクリレート) (重合開始剤) 「イルガキュア651」(チバガイギー社製) 0.49重量% からなる調光層形成材料を、11.0μmのガラスファ
イバー製スペーサーが塗布された2枚のITO電極ガラ
ス基板に挟み込み、調光層形成材料が等方性液体状態と
なる温度を保ちながら、 20mW/cm2の紫外線を60
秒間照射して重合性化合物を硬化させて液晶材料と透明
性高分子物質から成る厚さ11.0μmの調光層を有す
る光散乱型液晶デバイスを得た。
【0066】このようにして得た光散乱型液晶デバイス
の調光層を電子顕微鏡で観察したところ、三次元網目状
の透明性固体物質を確認することができた。
【0067】次に、このようにして得た光散乱型液晶デ
バイスの25℃、30℃及び40℃における電圧透過率
特性を測定した結果、各測定温度で以下のような特性を
示した。 25℃ T0=3.1%、 T100=90.1%、 V90
=4.6Vrms 30℃ T0=3.2%、 T100=90.2%、 V90
=4.6Vrms 40℃ T0=3.5%、 T100=89.5%、 V90
=4.6Vrms
【0068】<実施例3> (液晶材料) 実施例1で使用した液晶組成物A 75.0重量% (重合性化合物) 「KU−760」(荒川化学社製のジアクリレート) 11.03重量% 「TO1336」 12.25重量% (東亜合成社製の2−ヘプチルノニルアクリレート) 「IM−A」 1.23重量% (共栄化学社製のイソミリスチルアクリレート) (重合開始剤) 「イルガキュア651」(チバガイギー社製) 0.49重量% からなる調光層形成材料を、11.0μmのガラスファ
イバー製スペーサーが塗布された2枚のITO電極ガラ
ス基板に挟み込み、調光層形成材料が等方性液体状態と
なる温度を保ちながら、 20mW/cm2の紫外線を60
秒間照射して重合性化合物を硬化させて液晶材料と透明
性高分子物質から成る厚さ11.0μmの調光層を有す
る光散乱型液晶デバイスを得た。
【0069】このようにして得た光散乱型液晶デバイス
の調光層を電子顕微鏡で観察したところ、三次元網目状
の透明性固体物質を確認することができた。
【0070】次に、このようにして得た光散乱型液晶デ
バイスの25℃、30℃及び40℃における電圧透過率
特性を測定した結果、各測定温度で以下のような特性を
示した。 25℃ T0=2.0%、 T100=90.2%、 V90
=4.8Vrms 30℃ T0=2.0%、 T100=90.2%、 V90
=4.8Vrms 40℃ T0=2.4%、 T100=90.0%、 V90
=4.8Vrms
【0071】<比較例3> (液晶材料) 実施例1で使用した液晶組成物A 76.0重量% (重合性化合物) 「KU−760」(荒川化学社製のジアクリレート) 14.12重量% 「TO1336」(東亜合成社製のモノアクリレート) 9.41重量% (重合開始剤) 「イルガキュア651」(チバガイギー社製) 0.47重量% からなる調光層形成材料を、11.0μmのガラスファ
イバー製スペーサーが塗布された2枚のITO電極ガラ
ス基板に挟み込み、調光層形成材料が等方性液体状態と
なる温度を保ちながら、 20mW/cm2の紫外線を60
秒間照射して重合性化合物を硬化させて液晶材料と透明
性高分子物質から成る厚さ11.0μmの調光層を有す
る光散乱型液晶デバイスを得た。
【0072】このようにして得た光散乱型液晶デバイス
の調光層を電子顕微鏡で観察したところ、三次元網目状
の透明性固体物質を確認することができた。
【0073】次に、このようにして得た光散乱型液晶デ
バイスの25℃、30℃及び40℃における電圧透過率
特性を測定した結果、各測定温度で以下のような特性を
示した。 25℃ T0=2.0%、 T100=89.2%、 V90
=10.3Vrms 30℃ T0=2.0%、 T100=90.0%、 V90
= 9.9Vrms 40℃ T0=2.4%、 T100=89.7%、 V90
= 9.3Vrms
【0074】<実施例4> (液晶材料) 実施例1で使用した液晶組成物A 75.0重量% (重合性化合物) 「KU−760」(荒川化学社製のジアクリレート) 11.03重量% 「ISA」 12.25重量% (新中村化学社製2−オクリルデシルアクリレート) 「IM−A」 1.23重量% (共栄化学社製のイソミリスチルアクリレート) (重合開始剤) 「イルガキュア651」(チバガイギー社製) 0.49重量% からなる調光層形成材料を、11.0μmのガラスファ
イバー製スペーサーが塗布された2枚のITO電極ガラ
ス基板に挟み込み、調光層形成材料が等方性液体状態と
なる温度を保ちながら、 20mW/cm2の紫外線を60
秒間照射して重合性化合物を硬化させて液晶材料と透明
性高分子物質から成る厚さ11.0μmの調光層を有す
る光散乱型液晶デバイスを得た。
【0075】このようにして得た光散乱型液晶デバイス
の調光層を電子顕微鏡で観察したところ、三次元網目状
の透明性固体物質を確認することができた。
【0076】次に、このようにして得た光散乱型液晶デ
バイスの25℃、30℃及び40℃における電圧透過率
特性を測定した結果、各測定温度で以下のような特性を
示した。 25℃ T0=2.0%、 T100=90.1%、 V90
=4.5Vrms 30℃ T0=2.0%、 T100=90.2%、 V90
=4.5Vrms 40℃ T0=2.3%、 T100=90.0%、 V90
=4.5Vrms
【0077】<比較例4> (液晶材料) 実施例1で使用した液晶組成物A 75.0重量% (重合性化合物) 「KU−760」(荒川化学社製のジアクリレート) 11.03重量% 「ISA」 13.48重量% (新中村化学社製2−オクチルデシルアクリレート) (重合開始剤) 「イルガキュア651」(チバガイギー社製) 0.49重量% からなる調光層形成材料を、11.0μmのガラスファ
イバー製スペーサーが塗布された2枚のITO電極ガラ
ス基板に挟み込み、調光層形成材料が等方性液体状態と
なる温度を保ちながら、 20mW/cm2の紫外線を60
秒間照射して重合性化合物を硬化させて液晶材料と透明
性高分子物質から成る厚さ11.0μmの調光層を有す
る光散乱型液晶デバイスを得た。
【0078】このようにして得た光散乱型液晶デバイス
の調光層を電子顕微鏡で観察したところ、三次元網目状
の透明性固体物質を確認することができた。
【0079】次に、このようにして得た光散乱型液晶デ
バイスの25℃、30℃及び40℃における電圧透過率
特性を測定した結果、各測定温度で以下のような特性を
示した。 25℃ T0=2.5%、 T100=89.5%、 V90
=4.1Vrms 30℃ T0=2.6%、 T100=89.9%、 V90
=4.0Vrms 40℃ T0=3.0%、 T100=89.9%、 V90
=3.8Vrms
【0080】<実施例5> (液晶材料) 実施例1で使用した液晶組成物A 74.0重量% (重合性化合物) 「KU−760」(荒川化学社製のジアクリレート) 11.47重量% 「TO1339」 8.92重量% (東亜合成化学社製の2−ノニルウンデシルアクリレート) 「IM−A」 5.10重量% (共栄化学社製のイソミリスチルアクリレート) (重合開始剤) 「イルガキュア651」(チバガイギー社製) 0.51重量% からなる調光層形成材料を、11.0μmのガラスファ
イバー製スペーサーが塗布された2枚のITO電極ガラ
ス基板に挟み込み、調光層形成材料が等方性液体状態と
なる温度を保ちながら、 20mW/cm2の紫外線を60
秒間照射して重合性化合物を硬化させて液晶材料と透明
性高分子物質から成る厚さ11.0μmの調光層を有す
る光散乱型液晶デバイスを得た。
【0081】このようにして得た光散乱型液晶デバイス
の調光層を電子顕微鏡で観察したところ、三次元網目状
の透明性固体物質を確認することができた。
【0082】次に、このようにして得た光散乱型液晶デ
バイスの25℃、30℃及び40℃における電圧透過率
特性を測定した結果、各測定温度で以下のような特性を
示した。 25℃ T0=2.3%、 T100=90.0%、 V90
=4.9Vrms 30℃ T0=2.3%、 T100=89.7%、 V90
=4.9Vrms 40℃ T0=2.7%、 T100=90.1%、 V90
=4.9Vrms
【0083】<比較例7> (液晶材料) 実施例1で使用した液晶組成物A 76.0重量% (重合性化合物) 「KU−760」(荒川化学社製のジアクリレート) 14.12重量% 「TO1339」(東亜合成社製のモノアクリレート))9.41重量% (重合開始剤) 「イルガキュア651」(チバガイギー社製) 0.47重量% からなる調光層形成材料を、11.0μmのガラスファ
イバー製スペーサーが塗布された2枚のITO電極ガラ
ス基板に挟み込み、調光層形成材料が等方性液体状態と
なる温度を保ちながら、 20mW/cm2の紫外線を60
秒間照射して重合性化合物を硬化させて液晶材料と透明
性高分子物質から成る厚さ11.0μmの調光層を有す
る光散乱型液晶デバイスを得た。
【0084】このようにして得た光散乱型液晶デバイス
の調光層を電子顕微鏡で観察したところ、三次元網目状
の透明性固体物質を確認することができた。
【0085】次に、このようにして得た光散乱型液晶デ
バイスの25℃、30℃及び40℃における電圧透過率
特性を測定した結果、各測定温度で以下のような特性を
示した。 25℃ T0=2.1%、 T100=90.0%、 V90
=11.0Vrms 30℃ T0=2.1%、 T100=90.1%、 V90
=10.5Vrms 40℃ T0=2.4%、 T100=89.6%、 V90
= 9.7Vrms
【0086】<実施例6>重合性化合物「IS−A」
(共栄化学社製の2−(1−メチル−3−ジメチル)−
5−メチル−7−ジメチルオクチルアクリレート =
イソステアリルアクリレート)97.0重量%及び重合
開始剤「イルガキュア651」(チバガイギー社製)3
%から成る溶液を二枚のITOガラス基板上に滴下した
後、30秒700回転、1分5000回転の条件でスピ
ンコートした。スピンコート後、直ちにスピンコートし
たガラス基板を窒素パージしたガラス容器の中に入れ、
50mw/cm2 の紫外線を60秒間照射して、約0.3
μmの厚さの透明性高分子薄膜を基板上に形成した。こ
の透明性高分子薄膜が向かい合うように予め8μmのガ
ラスファイバー製スペーサーを散布された二枚の基板を
張り合わせて液晶空セルを作製した。これに下記液晶組
成物Bを真空注入して静電容量測定用に用いた。
【0087】比較のために、「IS−A」に代えてポリ
イミド(日立化成社製の「PIX−5000」)を用い
た以外は、上記と同様にして、ポリイミドから成る透明
性高分子薄膜を有する静電容量測定用液晶セルを作製し
た。
【0088】温度を10〜60℃範囲で変化させ、これ
らの二つの液晶セルの静電容量を測定した。静電容量の
測定条件は、1kHzのサイン波で、液晶材料のしきい
値電圧以下の電圧0.4Vでホモジニアス配向の静電容
量を測定した。ホメオトロピック配向の静電容量は電圧
10Vを印加して測定した。
【0089】求めた静電容量から誘電率を算出し、その
結果を図1に示した。ポリイミド膜を用いた液晶セルに
おける誘電率の温度変化は、一般に知られている誘電率
の温度変化と一致して液晶のホメオトロピック配向の誘
電率ε//及びホモジニアス配向の誘電率ε⊥の値が得ら
れている。一方、イソステアリルアクリレートから成る
膜を用いた液晶セルでは、ホメオトロピック配向の誘電
率ε//は、ポリイミド膜を用いた液晶セルと同様な傾向
であるが、ホモジニアス配向の誘電率ε⊥は、イソステ
アリルアクリレートから成る膜を用いた液晶セルのホモ
ジニアス配向のポリイミド膜を用いた液晶セルとは異な
る動向を示す。例えば、温度60℃では、すでにポリイ
ミド膜を用いた液晶セルよりもイソステアリルアクリレ
ートから成る膜を用いた液晶セルの方がホモジニアス配
向の誘電率ε⊥の値が大きい。温度が下がると、イソス
テアリルアクリレートから成る膜を用いた液晶セルのホ
モジニアス配向の誘電率ε⊥は次第に増加し、40〜3
0℃の間では急激に大きくなり、30℃以下ではホメオ
トロピック配向の誘電率ε//と完全に一致する。これ
は、イソステアリルアクリレートから成る膜の作用によ
り高分子界面上の液晶分子の配向状態が温度変化により
ホモジニアス配向からホメオトロピック配向に変化した
ことを意味している。60℃でポリイミド膜を用いた液
晶セルとイソステアリルアクリレートから成る膜を用い
た液晶セルのホモジニアス配向の誘電率ε⊥が異なるの
は、この温度で液晶分子がイソステアリルアクリレート
から成る膜の界面でプレチルトが誘起されているためで
あると考えられる。温度が下がるとこの誘起されたプレ
チルトの角度が増加していることがイソステアリルアク
リレートから成る膜を用いた液晶セルのホモジニアス配
向の誘電率ε⊥変化から理解できる。
【0090】(液晶組成物Bの組成)
【化2】
【0091】<実施例7〜11>実施例6で検証したプ
レチルトを誘起するイソステアリルアクリレートを透明
性高分子物質を構成する重合性化合物として液晶デバイ
スに用いて駆動電圧の温度特性を調整した。
【0092】<実施例7> (液晶材料) 実施例6で使用した液晶組成物B 75.0重量% (重合性化合物) 「A−OCD」 12.1重量% (新中村化学社製のダイマーアクリレート) 「TO1338」 12.1重量% (東亜合成化学社製の2−ノニルウンデシルアクリレート) (重合開始剤) 「イルガキュア651」(チバガイギー社製) 0.8重量% からなる調光層形成材料を、11.0μmのガラスファ
イバー製スペーサーが塗布された2枚のITO電極ガラ
ス基板に挟み込み、調光層形成材料が等方性液体状態と
なる温度を保ちながら、 20mW/cm2の紫外線を60
秒間照射して重合性化合物を硬化させて液晶材料と透明
性高分子物質から成る厚さ11.0μmの調光層を有す
る光散乱型液晶デバイスを得た。
【0093】このようにして得た光散乱型液晶デバイス
の調光層を電子顕微鏡で観察したところ、三次元網目状
の透明性固体物質を確認することができた。
【0094】<実施例8> (液晶材料) 実施例6で使用した液晶組成物B 75.0重量% (重合性化合物) 「A−OCD」 12.1重量% (新中村化学社製のダイマーアクリレート) 「IS−A」 12.1重量% (共栄化学社製の2−(1−メチル−3−ジメチル)−5−メチル−7− ジメチルオクチルアクリレート=イソステアリルアクリレート) (重合開始剤) 「イルガキュア651」(チバガイギー社製) 0.8重量% からなる調光層形成材料を、11.0μmのガラスファ
イバー製スペーサーが塗布された2枚のITO電極ガラ
ス基板に挟み込み、調光層形成材料が等方性液体状態と
なる温度を保ちながら、 20mW/cm2の紫外線を60
秒間照射して重合性化合物を硬化させて液晶材料と透明
性高分子物質から成る厚さ11.0μmの調光層を有す
る光散乱型液晶デバイスを得た。
【0095】このようにして得た光散乱型液晶デバイス
の調光層を電子顕微鏡で観察したところ、三次元網目状
の透明性固体物質を確認することができた。
【0096】<実施例9> (液晶材料) 実施例6で使用した液晶組成物B 75.0重量% (重合性化合物) 「A−OCD」 12.1重量% (新中村化学社製のダイマーアクリレート) 「IS−A」 6.05重量% (共栄化学社製の2−(1−メチル−3−ジメチル)−5−メチル−7− ジメチルオクチルアクリレート=イソステアリルアクリレート) 「TO1338」 6.05重量% (東亜合成化学社製の2−ノニルウンデシルアクリレート) (重合開始剤) 「イルガキュア651」(チバガイギー社製) 0.8重量% からなる調光層形成材料を、11.0μmのガラスファ
イバー製スペーサーが塗布された2枚のITO電極ガラ
ス基板に挟み込み、調光層形成材料が等方性液体状態と
なる温度を保ちながら、 20mW/cm2の紫外線を60
秒間照射して重合性化合物を硬化させて液晶材料と透明
性高分子物質から成る厚さ11.0μmの調光層を有す
る光散乱型液晶デバイスを得た。
【0097】このようにして得た光散乱型液晶デバイス
の調光層を電子顕微鏡で観察したところ、三次元網目状
の透明性固体物質を確認することができた。
【0098】<実施例10> (液晶材料) 実施例6で使用した液晶組成物B 75.0重量% (重合性化合物) 「A−OCD」 12.1重量% (新中村化学社製のダイマーアクリレート) 「IS−A」 2.42重量% (共栄化学社製の2−(1−メチル−3−ジメチル)−5−メチル−7− ジメチルオクチルアクリレート=イソステアリルアクリレート) 「TO1338」 9.68重量% (東亜合成化学社製の2−ノニルウンデシルアクリレート) (重合開始剤) 「イルガキュア651」(チバガイギー社製) 0.8重量% からなる調光層形成材料を、11.0μmのガラスファ
イバー製スペーサーが塗布された2枚のITO電極ガラ
ス基板に挟み込み、調光層形成材料が等方性液体状態と
なる温度を保ちながら、 20mW/cm2の紫外線を60
秒間照射して重合性化合物を硬化させて液晶材料と透明
性高分子物質から成る厚さ11.0μmの調光層を有す
る光散乱型液晶デバイスを得た。
【0099】このようにして得た光散乱型液晶デバイス
の調光層を電子顕微鏡で観察したところ、三次元網目状
の透明性固体物質を確認することができた。
【0100】<実施例11> (液晶材料) 実施例6で使用した液晶組成物B 75.0重量% (重合性化合物) 「A−OCD」 24.2重量% (新中村化学社製のダイマーアクリレート) (重合開始剤) 「イルガキュア651」(チバガイギー社製) 0.8重量% からなる調光層形成材料を、11.0μmのガラスファ
イバー製スペーサーが塗布された2枚のITO電極ガラ
ス基板に挟み込み、調光層形成材料が等方性液体状態と
なる温度を保ちながら、 20mW/cm2の紫外線を60
秒間照射して重合性化合物を硬化させて液晶材料と透明
性高分子物質から成る厚さ11.0μmの調光層を有す
る光散乱型液晶デバイスを得た。
【0101】このようにして得た光散乱型液晶デバイス
の調光層を電子顕微鏡で観察したところ、三次元網目状
の透明性固体物質を確認することができた。
【0102】次に、実施例7〜11で得た各光散乱型液
晶デバイスの15℃、25℃、30℃及び40℃におけ
る電圧透過率特性を測定した結果を以下の表2に示し
た。
【0103】
【表2】
【0104】<実施例12> (液晶材料) 実施例6で使用した液晶組成物B 75.0重量% (重合性化合物) 「C9A」 11.9重量% (第一工業製薬社製の2−エチル−2−ブチルプロパンジアクリレート) 「TO1338」 13.3重量% (東亜合成化学社製の2−ノニルウンデシルアクリレート) (重合開始剤) 「イルガキュア651」(チバガイギー社製) 0.8重量% からなる調光層形成材料を、11.0μmのガラスファ
イバー製スペーサーが塗布された2枚のITO電極ガラ
ス基板に挟み込み、調光層形成材料が等方性液体状態と
なる温度を保ちながら、 20mW/cm2の紫外線を60
秒間照射して重合性化合物を硬化させて液晶材料と透明
性高分子物質から成る厚さ11.0μmの調光層を有す
る光散乱型液晶デバイスを得た。
【0105】このようにして得た光散乱型液晶デバイス
の調光層を電子顕微鏡で観察したところ、三次元網目状
の透明性固体物質を確認することができた。
【0106】次に、このようにして得た光散乱型液晶デ
バイスの25℃、30℃及び40℃における電圧透過率
特性を測定した結果、各測定温度で以下のような特性を
示した。 25℃ T0=2.1%、 T100=89.0%、 V90
=4.2Vrms 30℃ T0=2.1%、 T100=89.7%、 V90
=4.5Vrms 40℃ T0=2.5%、 T100=90.1%、 V90
=4.9Vrms
【0107】<実施例13〜16>垂直成分の誘電率ε
⊥の異なる液晶材料を用いて光散乱型液晶デバイスを作
成した (液晶材料) 下記の液晶組成物1〜4のいずれか 75.0重量% (重合性化合物) 「A−OCD」 7.2重量% (新中村化学社製のダイマーアクリレート) 「IS−A」 17.0重量% (共栄化学社製の2−(1−メチル−3−ジメチル)−5−メチル−7− ジメチルオクチルアクリレート = イソステアリルアクリレート) (重合開始剤) 「イルガキュア651」(チバガイギー社製) 0.8重量% からなる調光層形成材料を、11.0μmのガラスファ
イバー製スペーサーが塗布された2枚のITO電極ガラ
ス基板に挟み込み、調光層形成材料が等方性液体状態と
なる温度を保ちながら、 20mW/cm2の紫外線を6
0秒間照射して重合性化合物を硬化させて液晶材料と透
明性高分子物質から成る厚さ11.0μmの調光層を有
する光散乱型液晶デバイスを得た。
【0108】このようにして得た光散乱型液晶デバイス
の調光層を電子顕微鏡で観察したところ、三次元網目状
の透明性固体物質を確認することができた。
【0109】(液晶組成物1の組成)
【化3】
【0110】(液晶組成物2の組成)
【化4】
【0111】(液晶組成物3の組成)
【化5】
【0112】(液晶組成物4の組成)
【化6】
【0113】使用した液晶材料1〜4の物性と実施例1
3〜16で得た液晶デバイスの駆動電圧の極小値の関係
を以下の表3に示した。
【0114】
【表3】
【0115】このように、ε⊥の小さい液晶材料を用い
て光散乱型液晶デバイスを作製すると駆動電圧の極小値
を小さくすることができる。
【0116】<実施例18>液晶材料3を用いて駆動電
圧の温度特性を以下の組成で調整した。 (液晶材料) 液晶材料3 75.0重量% (ε⊥:3.44;ε//:11.77;Vth:2.05;Δn:0.24) (重合性化合物) 「A−OCD」 12.1重量% (新中村化学社製のダイマーアクリレート) 「IS−A」 12.1重量% (共栄化学社製の2−(1−メチル−3−ジメチル)−5−メチル−7− ジメチルオクチルアクリレート = イソステアリルアクリレート) (重合開始剤) 「イルガキュア651」(チバガイギー社製) 0.8重量% からなる調光層形成材料を、11.0μmのガラスファ
イバー製スペーサーが塗布された2枚のITO電極ガラ
ス基板に挟み込み、調光層形成材料が等方性液体状態と
なる温度を保ちながら、 20mW/cm2の紫外線を60
秒間照射して重合性化合物を硬化させて液晶材料と透明
性高分子物質から成る厚さ11.0μmの調光層を有す
る光散乱型液晶デバイスを得た。
【0117】このようにして得た光散乱型液晶デバイス
の調光層を電子顕微鏡で観察したところ、三次元網目状
の透明性固体物質を確認することができた。
【0118】次に、このようにして得た光散乱型液晶デ
バイスの25℃、30℃及び40℃における電圧透過率
特性を測定した結果、各測定温度で以下のような特性を
示した。 25℃ T0=1.4%、 T100=89.0%、 V90
=4.8Vrms 30℃ T0=1.5%、 T100=89.2%、 V90
=4.8Vrms 40℃ T0=1.7%、 T100=90.1%、 V90
=4.6Vrms
【0119】
【発明の効果】本発明の製造方法により得られた光散乱
型液晶デバイスは、偏光板が不要で明るい表示画面のも
のであり、大面積で薄膜型のものである。また、駆動電
圧の温度依存性が小さく、使用温度による表示特性の変
化が少ない光散乱型液晶デバイスである。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例6で使用した静電容量測定用液晶セルに
おける温度変化に伴なう誘電率の変化を示した図表であ
る。
【符号の説明】
▲−▲ イソステアリルアクリレート膜を有する液晶セ
ルを用いた場合のホモジニアス配向の誘電率(ε⊥) ◆−◆ イソステアリルアクリレート膜を有する液晶セ
ルを用いた場合のホメオトロピック配向の誘電率(ε/
/) ■−■ ポリイミド膜を有する液晶セルを用いた場合の
ホモジニアス配向の誘電率(ε⊥) ●−● ポリイミド膜を有する液晶セルを用いた場合の
ホメオトロピック配向の誘電率(ε//)

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電極層を有する少なくとも一方が透明な
    2枚の基板と、これらの基板間に支持された調光層とを
    有し、前記調光層が、液晶材料及び透明性高分子物質を
    含有する光散乱型液晶デバイスにおいて、前記透明性高
    分子物質が(1)温度上昇に伴ない駆動電圧が低下する
    光散乱型液晶デバイスの調光層を構成する透明性高分子
    物質を形成する重合性化合物、及び(2)温度上昇に伴
    ない駆動電圧が上昇する光散乱型液晶デバイスの調光層
    を構成する透明性高分子物質を形成する重合性化合物を
    含有する重合性組成物から成る透明性高分子物質である
    ことを特徴とする光散乱型液晶デバイス。
  2. 【請求項2】温度上昇に伴い駆動電圧が上昇する光散乱
    型液晶デバイスの調光層を構成する透明性高分子物質を
    形成する重合性化合物が、アルキルアクリレートであっ
    て、分子中のアルキル基の最も長い炭化水素鎖の炭素数
    が7〜12の範囲にあるアルキルアクリレートから成る
    群から選ばれる化合物である請求項1記載の光散乱型液
    晶デバイス。
  3. 【請求項3】 温度上昇に伴ない駆動電圧が上昇する光
    散乱型液晶デバイスの調光層を構成する透明性高分子物
    質を形成する重合性化合物が、2−(3−メチルブチ
    ル)−7−メチルオクチルアクリレート、2−(1−メ
    チルブチル)−5−メチルオクチルアクリレート及び2
    −(1−メチル−3−ジメチル)−5−メチル−7−ジ
    メチルオクチルアクリレートから成る群から選ばれる化
    合物である請求項1記載の光散乱型液晶デバイス。
  4. 【請求項4】温度上昇に伴い駆動電圧が上昇する光散乱
    型液晶デバイスの調光層を構成する透明性高分子物質を
    形成する重合性化合物が、ネオペンチルグリコールジア
    クリレート、2-エチル-2-ブチル-プロパンジオールジ
    アクリレート、から成る群から選ばれる化合物及び請求
    項2記載の群から選ばれた化合物を含有する請求項1記
    載の光散乱型液晶デバイス。
  5. 【請求項5】 温度上昇に伴ない駆動電圧が低下する光
    散乱型液晶デバイスの調光層を構成する透明性高分子物
    質を形成する重合性化合物が、2−オクチルデシルアク
    リレート、2−ヘプチルノニルアクリレート、2−ノニ
    ルウンデシルアクリレート、2−デシルドデシルアクリ
    レート、及び(1,2−ヒドロキシオクチル−3−オク
    チル−4−ヘチシル)シクロヘキサンと9−ノニル−1
    0−オクチルノナデカンジオールの混合物のジアクリレ
    ートエステルから成る群から選ばれる化合物である請求
    項1又は2記載の光散乱型液晶デバイス。
  6. 【請求項6】 温度上昇に伴い駆動電圧が上昇する光散
    乱型液晶デバイスの調光層を構成する透明性高分子物質
    を形成する重合性化合物が、液晶分子に対しプレチルト
    を誘起させる化合物である請求項1記載の光散乱型液晶
    デバイス。
  7. 【請求項7】 温度上昇に伴い駆動電圧が上昇する光散
    乱型液晶デバイスの調光層を構成する透明性高分子物質
    を形成する重合性化合物が、液晶分子に対してプレチル
    トを発現させ、温度0℃〜70℃に於いて、降温に伴い
    プレチルト角が5度以上から40度以下に増加させる化
    合物を含有する請求項1記載の光散乱型液晶デバイス。
  8. 【請求項8】 液晶材料がフッ素置換基を有する液晶化
    合物を含有し、垂直成分の誘電率(ε⊥)が5.5以下
    であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6
    又は7記載の光散乱型液晶デバイス。
  9. 【請求項9】 電極層を有する少なくとも一方が透明な
    2枚の基板間に、(A)液晶材料と(B)重合性化合物
    及び重合開始剤を含有する重合性組成物から成る調光層
    形成材料を介在させ、紫外線を照射することによって、
    重合性化合物を重合させることにより、2枚の基板間に
    液晶材料及び透明性固体物質を含有する調光層を形成す
    る光散乱型液晶デバイスの製造方法において、 重合性組成物として、(1)温度上昇に伴ない駆動電圧
    が低下する光散乱型液晶デバイスの調光層を構成する透
    明性高分子物質を形成する重合性化合物、及び(2)温
    度上昇に伴ない駆動電圧が上昇する光散乱型液晶デバイ
    スの調光層を構成する透明性高分子物質を形成する重合
    性化合物、を含有する重合性組成物を用いることを特徴
    とする光散乱型液晶デバイスの製造方法。
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JP2007009070A (ja) * 2005-06-30 2007-01-18 Dainippon Ink & Chem Inc 高分子分散型液晶表示素子用組成物及び高分子分散型液晶表示素子
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WO2020095511A1 (ja) * 2018-11-06 2020-05-14 Jnc株式会社 液晶調光素子

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