JPH09306102A - ディジタル信号復号装置 - Google Patents
ディジタル信号復号装置Info
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- JPH09306102A JPH09306102A JP12461396A JP12461396A JPH09306102A JP H09306102 A JPH09306102 A JP H09306102A JP 12461396 A JP12461396 A JP 12461396A JP 12461396 A JP12461396 A JP 12461396A JP H09306102 A JPH09306102 A JP H09306102A
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Landscapes
- Signal Processing For Digital Recording And Reproducing (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】磁気記録再生装置において,高密度および高速
化に伴う非線形的な波形歪による等化誤差が小さく,し
かもパラメータの設定が容易な非線形等化回路を備える
デジタル信号復号回路を提供する。 【解決手段】PRML方式によるデジタル信号復号回路
において,非線形等化回路は入力層,中間層,出力層の
3つの階層から構成され,中間層は複数の積和演算回路
602と複数の非線形関数器603とを備え,出力層は
1つの積和演算回路604と1つの非線形写像関数器6
05ととを備え,入力層からの再生信号は複数の積和演
算回路602で複数の積和演算が行われた後,複数の非
線形関数器603で非線形な写像が行われ,出力層へ送
られるもので,入力層と中間層との結合に係るパラメー
タを再生信号の自己相関行列の固有ベクトルに基づいて
決定し,中間層と出力層との結合に係るパラメータだけ
を学習によって決定する。
化に伴う非線形的な波形歪による等化誤差が小さく,し
かもパラメータの設定が容易な非線形等化回路を備える
デジタル信号復号回路を提供する。 【解決手段】PRML方式によるデジタル信号復号回路
において,非線形等化回路は入力層,中間層,出力層の
3つの階層から構成され,中間層は複数の積和演算回路
602と複数の非線形関数器603とを備え,出力層は
1つの積和演算回路604と1つの非線形写像関数器6
05ととを備え,入力層からの再生信号は複数の積和演
算回路602で複数の積和演算が行われた後,複数の非
線形関数器603で非線形な写像が行われ,出力層へ送
られるもので,入力層と中間層との結合に係るパラメー
タを再生信号の自己相関行列の固有ベクトルに基づいて
決定し,中間層と出力層との結合に係るパラメータだけ
を学習によって決定する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,データチャネル
(伝送路)でのディジタル信号復号装置に係り,より詳
しくは,チャネルを介して送信されるコード化2進デー
タを表わすアナログ信号を元の2進データに復号するデ
ジタル信号復号装置に関する。
(伝送路)でのディジタル信号復号装置に係り,より詳
しくは,チャネルを介して送信されるコード化2進デー
タを表わすアナログ信号を元の2進データに復号するデ
ジタル信号復号装置に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気記録の記録密度は年々高密度化の一
途をたどっている。1ビット毎にアナログ信号処理する
ピーク検出方式が,現在の磁気記録再生装置において広
く用いられている。記録密度および転送速度の増加にと
もなって,通常のピーク検出方式における1ビット検出
ウィンドウは非常に小さくなり,検出信頼性が低下して
いる。これに代わり,検出信頼性を高めるための部分応
答最大尤度(PRML)復号方法が,以下の論文で論じ
られている。
途をたどっている。1ビット毎にアナログ信号処理する
ピーク検出方式が,現在の磁気記録再生装置において広
く用いられている。記録密度および転送速度の増加にと
もなって,通常のピーク検出方式における1ビット検出
ウィンドウは非常に小さくなり,検出信頼性が低下して
いる。これに代わり,検出信頼性を高めるための部分応
答最大尤度(PRML)復号方法が,以下の論文で論じ
られている。
【0003】(1) Forney, "Maximum-Likelihood Sequen
ce Estimation of DigitalSequences in the Presence
of Intersymbol Interference," IEEE Trans. onInfo.
Theory, vol. IT-18, No. 3, 1972年 5月 (2) Kobayashi, "Application of Probabilistic Decod
ing to DigitalMagnetic Recording Systems," IBM J.
Res. Develop., 1971年 1月 (3) Cideciyan et al., "A PRML System for Digital M
agnetic Recording,"IEEE J. on Selected Areas in Co
mmunications, Vol. 10, No.1, 1992年1月 PRML復号方法では,再生信号に含まれる周波数成分
を調整する処理(波形等化処理)によって,多項式(1
−D)(1+D)で特徴づけられる信号系列の推定値
(等化値)を計算し,すべての起こりうる信号系列の中
から,最大尤度のビット列を再生信号として検出する。
この検出は,ビタビ・アルゴリズムと呼ばれる方法を用
いることによって効率的に行なわれる。PRML復号方
法によれば,従来のピーク検出方式に比較して,1.3
〜1.5倍の面記録密度を実現することができるが,高
密度化によって1ビットの情報を書き込む間隔が非常に
狭くなり,書き込みタイミングの微少な変動(ジッタ)
による再生波形の非線形な歪みが,等化値の誤差として
検出される。
ce Estimation of DigitalSequences in the Presence
of Intersymbol Interference," IEEE Trans. onInfo.
Theory, vol. IT-18, No. 3, 1972年 5月 (2) Kobayashi, "Application of Probabilistic Decod
ing to DigitalMagnetic Recording Systems," IBM J.
Res. Develop., 1971年 1月 (3) Cideciyan et al., "A PRML System for Digital M
agnetic Recording,"IEEE J. on Selected Areas in Co
mmunications, Vol. 10, No.1, 1992年1月 PRML復号方法では,再生信号に含まれる周波数成分
を調整する処理(波形等化処理)によって,多項式(1
−D)(1+D)で特徴づけられる信号系列の推定値
(等化値)を計算し,すべての起こりうる信号系列の中
から,最大尤度のビット列を再生信号として検出する。
この検出は,ビタビ・アルゴリズムと呼ばれる方法を用
いることによって効率的に行なわれる。PRML復号方
法によれば,従来のピーク検出方式に比較して,1.3
〜1.5倍の面記録密度を実現することができるが,高
密度化によって1ビットの情報を書き込む間隔が非常に
狭くなり,書き込みタイミングの微少な変動(ジッタ)
による再生波形の非線形な歪みが,等化値の誤差として
検出される。
【0004】また,記録密度の一層の向上を図るため
に,記録信号再生のための磁気信号検出ヘッドは,磁界
の変化を検出する薄膜ヘッドから,磁気抵抗効果(magn
etoresistive effect(MR効果))と呼ばれる,磁界
の変化により電気抵抗が変化する現象を利用した磁気ヘ
ッド(MRヘッド)へと移行しつつある。ところが,M
Rヘッドでは,磁界の変化に対する電気抵抗の変化の非
線形性から,再生信号に非線形な波形歪が含まれる。
に,記録信号再生のための磁気信号検出ヘッドは,磁界
の変化を検出する薄膜ヘッドから,磁気抵抗効果(magn
etoresistive effect(MR効果))と呼ばれる,磁界
の変化により電気抵抗が変化する現象を利用した磁気ヘ
ッド(MRヘッド)へと移行しつつある。ところが,M
Rヘッドでは,磁界の変化に対する電気抵抗の変化の非
線形性から,再生信号に非線形な波形歪が含まれる。
【0005】以上述べた如くの書き込みタイミングのず
れ(ジッタ)による波形歪や,MRヘッドによる非線形
波形歪などに対応するため,等化回路として非線形等化
回路用いる方法が以下の論文で論じられている。
れ(ジッタ)による波形歪や,MRヘッドによる非線形
波形歪などに対応するため,等化回路として非線形等化
回路用いる方法が以下の論文で論じられている。
【0006】(4) S. K. Nair and J. Moon, "Improved
Equalization for DigitalRecording Using Nonlinear
Filtering and Error Confinement," IEEE Trans.on Ma
gnetics, Vol. 30, No. 6, pp. 4221-4223 Nov. 1994
Equalization for DigitalRecording Using Nonlinear
Filtering and Error Confinement," IEEE Trans.on Ma
gnetics, Vol. 30, No. 6, pp. 4221-4223 Nov. 1994
【0007】
【発明が解決しようとする課題】磁気記録において,P
RML復号方法およびMRヘッドの使用によって,従来
のピーク検出方式に対して一層の面記録密度の向上を実
現することができる。しかしながら,既に述べた如く,
信号書き込みタイミングの微少な変動やMRヘッドの非
線形な特性に起因する再生波形の非線形な変動により,
等化値に含まれる誤差が大きくなり,性能の向上を阻害
してしまうという問題が生じる。
RML復号方法およびMRヘッドの使用によって,従来
のピーク検出方式に対して一層の面記録密度の向上を実
現することができる。しかしながら,既に述べた如く,
信号書き込みタイミングの微少な変動やMRヘッドの非
線形な特性に起因する再生波形の非線形な変動により,
等化値に含まれる誤差が大きくなり,性能の向上を阻害
してしまうという問題が生じる。
【0008】この問題に対処し,再生信号の非線形的な
波形変動を吸収するために,先に述べた論文(4)では,
入力層,中間層,および出力層からなる階層回路網を用
いた等化回路が提案されている。しかしながら,この論
文が提案している回路網では,そこに含まれる決定すべ
きパラメータが多いために,学習に多大な時間を要する
という問題があった。また,中間層の演算ユニット数
等,回路網の構造を決定する有効な方法が無いため,試
行錯誤的に探索を行わねばならないという問題があっ
た。
波形変動を吸収するために,先に述べた論文(4)では,
入力層,中間層,および出力層からなる階層回路網を用
いた等化回路が提案されている。しかしながら,この論
文が提案している回路網では,そこに含まれる決定すべ
きパラメータが多いために,学習に多大な時間を要する
という問題があった。また,中間層の演算ユニット数
等,回路網の構造を決定する有効な方法が無いため,試
行錯誤的に探索を行わねばならないという問題があっ
た。
【0009】そこで,先験的に得られる情報を用いるこ
とにより,階層回路網をできるだけ簡素にするととも
に,パラメータの決定に必要な演算量と学習回数をでき
るだけ削減できる非線形等化回路が求められている。
とにより,階層回路網をできるだけ簡素にするととも
に,パラメータの決定に必要な演算量と学習回数をでき
るだけ削減できる非線形等化回路が求められている。
【0010】本発明は上記問題を鑑みてなされたもの
で,その目的は,等化誤差の少ない等化回路を備えるデ
ジタル信号復号装置及び該装置を備える磁気記録装置を
提供することにある。
で,その目的は,等化誤差の少ない等化回路を備えるデ
ジタル信号復号装置及び該装置を備える磁気記録装置を
提供することにある。
【0011】より具体的には,従来は線形等化回路が平
均的な等化値を求めるのに対し,再生信号の自己相関行
列の固有値に相当する周波数成分を抽出する積和演算回
路を複数個設け,これらの出力の一次結合で最終的な等
化値を決定することによって,再生波形に含まれる非線
形な波形歪による等化誤差を低減することができるデジ
タル信号復号装置を提供することを目的としている。
均的な等化値を求めるのに対し,再生信号の自己相関行
列の固有値に相当する周波数成分を抽出する積和演算回
路を複数個設け,これらの出力の一次結合で最終的な等
化値を決定することによって,再生波形に含まれる非線
形な波形歪による等化誤差を低減することができるデジ
タル信号復号装置を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するべ
く,本発明では,コード化2進データを表わす入力アナ
ログ信号をディジタル化した再生信号をパーシャルレス
ポンス方法を適用して等化する等化手段と,該等化され
た再生信号についてビタビ復号を行ない復号結果を得る
復号手段とを有するディジタル信号復号装置において,
前記等化手段は,入力層,出力層,および両層の間に位
置する1以上の中間層から構成された,非線形な等化を
行う手段であり,前記1以上の中間層のうち少なくとも
1つは,複数の演算部から構成され,前記入力層,前記
出力層,および前記1以上の中間層のうち少なくとも1
つの層に関して決定すべきパラメータのうち少なくとも
1部は,予め定めた値に固定されている。
く,本発明では,コード化2進データを表わす入力アナ
ログ信号をディジタル化した再生信号をパーシャルレス
ポンス方法を適用して等化する等化手段と,該等化され
た再生信号についてビタビ復号を行ない復号結果を得る
復号手段とを有するディジタル信号復号装置において,
前記等化手段は,入力層,出力層,および両層の間に位
置する1以上の中間層から構成された,非線形な等化を
行う手段であり,前記1以上の中間層のうち少なくとも
1つは,複数の演算部から構成され,前記入力層,前記
出力層,および前記1以上の中間層のうち少なくとも1
つの層に関して決定すべきパラメータのうち少なくとも
1部は,予め定めた値に固定されている。
【0013】また,上記目的を達成するために本発明で
は,磁気記憶媒体に記録されたコード化2進データを読
み取る磁気信号検出ヘッドと,該ヘッドにより検出され
たアナログ信号をデジタル化した再生信号を等化・復号
するディジタル信号復号回路とを備える磁気記録再生装
置において,前記磁気信号検出ヘッドとして電気抵抗効
果を利用したMRヘッドを備え,前記デジタル信号復号
回路として前記アナログ信号として前記MRヘッドから
の検出信号を受け入れる,上記本発明によるディジタル
信号復号装置を備える。
は,磁気記憶媒体に記録されたコード化2進データを読
み取る磁気信号検出ヘッドと,該ヘッドにより検出され
たアナログ信号をデジタル化した再生信号を等化・復号
するディジタル信号復号回路とを備える磁気記録再生装
置において,前記磁気信号検出ヘッドとして電気抵抗効
果を利用したMRヘッドを備え,前記デジタル信号復号
回路として前記アナログ信号として前記MRヘッドから
の検出信号を受け入れる,上記本発明によるディジタル
信号復号装置を備える。
【0014】
【発明の実施の形態】以下,本発明によるデジタル信号
復号装置の一実施形態について,図面を参照して説明す
る。
復号装置の一実施形態について,図面を参照して説明す
る。
【0015】本発明の適用対象となる磁気記録・再生装
置1の概略構成を,図1を参照して説明する。なお,本
実施形態では磁気データの記録及び再生が可能な装置に
含まれるデジタル信号復号装置について説明するが,本
発明はこれに限定されるものではなく,例えば磁気デー
タの再生専用装置等に含まれるデジタル信号復号装置に
も同様に適用することができる。
置1の概略構成を,図1を参照して説明する。なお,本
実施形態では磁気データの記録及び再生が可能な装置に
含まれるデジタル信号復号装置について説明するが,本
発明はこれに限定されるものではなく,例えば磁気デー
タの再生専用装置等に含まれるデジタル信号復号装置に
も同様に適用することができる。
【0016】磁気記録・再生装置1は,コンピュータ等
のホスト装置2から出力されたデータを記録媒体100
に記録すると共に,該記録媒体100に記録された磁気
データを読み出しホスト装置2へ出力する。磁気記録・
再生装置1は,例えば図1に示すように,データを記録
媒体100に書き込むための主要な構成として,エンコ
ーダ120,アンプ130,及び書き込みヘッド140
を備え,さらに,データ読み出しのための主要な構成と
して,読み取りヘッド101,デジタル信号復号装置1
0,及びエラー訂正回路110を備えている。
のホスト装置2から出力されたデータを記録媒体100
に記録すると共に,該記録媒体100に記録された磁気
データを読み出しホスト装置2へ出力する。磁気記録・
再生装置1は,例えば図1に示すように,データを記録
媒体100に書き込むための主要な構成として,エンコ
ーダ120,アンプ130,及び書き込みヘッド140
を備え,さらに,データ読み出しのための主要な構成と
して,読み取りヘッド101,デジタル信号復号装置1
0,及びエラー訂正回路110を備えている。
【0017】本発明が適用されるデジタル信号復号装置
10において,磁気ディスク等の記録媒体100から読
み取りヘッド101によって読み出された信号は,プレ
アンプ102によって増幅されたあと,フィルタ103
によって高周波ノイズが除去される。高周波ノイズが除
去された再生信号は,ADC(アナログ/ディジタル変
換器)104によってディジタル信号に変換されたあ
と,等化回路105によって復号のための等化が行われ
る。ここで,等化とは,再生された信号の振幅特性およ
び位相特性を整形し,アナログ的な値を持つディジタル
信号を元の”1”あるいは”0”のディジタル信号に識
別しやすくすることを指す。
10において,磁気ディスク等の記録媒体100から読
み取りヘッド101によって読み出された信号は,プレ
アンプ102によって増幅されたあと,フィルタ103
によって高周波ノイズが除去される。高周波ノイズが除
去された再生信号は,ADC(アナログ/ディジタル変
換器)104によってディジタル信号に変換されたあ
と,等化回路105によって復号のための等化が行われ
る。ここで,等化とは,再生された信号の振幅特性およ
び位相特性を整形し,アナログ的な値を持つディジタル
信号を元の”1”あるいは”0”のディジタル信号に識
別しやすくすることを指す。
【0018】等化された信号は,復号回路106によっ
てディジタル信号に識別再生される。VCO107は,
等化回路105の出力を用いて,各部の動作タイミング
を決めるクロック信号CLK108を生成する。
てディジタル信号に識別再生される。VCO107は,
等化回路105の出力を用いて,各部の動作タイミング
を決めるクロック信号CLK108を生成する。
【0019】本実施形態では,上述したデジタル信号復
号装置10において,従来の等化回路105に代えて,
以下に説明するような,等化誤差の少ない等化回路を用
いることで上述した本発明の目的を達成するものであ
る。
号装置10において,従来の等化回路105に代えて,
以下に説明するような,等化誤差の少ない等化回路を用
いることで上述した本発明の目的を達成するものであ
る。
【0020】次に,磁気記録における例を用いて,本実
施形態で用いられるPRML復号方法の説明を簡単にし
ておく。図2に,記憶データと,媒体に書き込まれるデ
ータ,復号時の各部のデータ,およびサンプル値のシー
ケンスを示す。
施形態で用いられるPRML復号方法の説明を簡単にし
ておく。図2に,記憶データと,媒体に書き込まれるデ
ータ,復号時の各部のデータ,およびサンプル値のシー
ケンスを示す。
【0021】記録すべき8ビット(1バイト)のコード
は,例えば特許出願公告平3−6699号公報に記載さ
れているような8/9GCRコードの変換ルールに従っ
て,9ビットの記録符号に変換される。図2(a)は,
記録媒体に記録される符号シーケンスを,ビット情報を
2つの状態に対応させて記録する符号化方式であるNR
Z符号で表現した例を示す。実際に記録媒体100に書
き込まれる波形は,図2(b)に示すように,記録符号
に以下の数1の処理を行なったINRZI符号(インタ
リーブドNRZI符号)と呼ばれる中間符号である。
は,例えば特許出願公告平3−6699号公報に記載さ
れているような8/9GCRコードの変換ルールに従っ
て,9ビットの記録符号に変換される。図2(a)は,
記録媒体に記録される符号シーケンスを,ビット情報を
2つの状態に対応させて記録する符号化方式であるNR
Z符号で表現した例を示す。実際に記録媒体100に書
き込まれる波形は,図2(b)に示すように,記録符号
に以下の数1の処理を行なったINRZI符号(インタ
リーブドNRZI符号)と呼ばれる中間符号である。
【0022】
【数1】
【0023】ただし, a(i):記録符号 b(i):中間符号 である。
【0024】この符号が磁気記録媒体から読み出された
場合には,当該データチャネルの持つ微分特性と符号間
の干渉によって,図2(c)に示すような波形となる。
なお,ここでいうデータチャンネルの持つ微分特性と
は,磁気記録媒体に磁気的に書き込まれるデータと,当
該磁気記録媒体の磁界変化を検出することで読み出され
たデータとの関係を指す。
場合には,当該データチャネルの持つ微分特性と符号間
の干渉によって,図2(c)に示すような波形となる。
なお,ここでいうデータチャンネルの持つ微分特性と
は,磁気記録媒体に磁気的に書き込まれるデータと,当
該磁気記録媒体の磁界変化を検出することで読み出され
たデータとの関係を指す。
【0025】図2(d)に,さらに(1+D)処理を行
なった波形を示す。図2(e)は(1+D)演算後の波
形に等化処理を行なった結果である。インタリーブドN
RZI符号を用いた符号化を行なうことにより,記録側
の1ビットの孤立したデータに対するデータチャネルの
インパルス応答は(1,0,−1)という応答となる。
このように,各1ビットの影響は,そのビットおよび2
ビット遅れたビットに対してのみ現われる。したがっ
て,PRML方式による復号回路106では,偶数ビッ
トの系列と奇数ビットの系列が独立した2つの系列とし
て並列に処理される。図2(f)は偶数ビットと奇数ビ
ットの系列について,図2(e)の等化結果に対してビ
タビ復号法を用いて最大尤度の復号結果を求めた結果で
ある。この復号結果の1および−1を1に変換し,0は
0に変換することによって,元の記録符号(NRZ符
号)を得ることができる。
なった波形を示す。図2(e)は(1+D)演算後の波
形に等化処理を行なった結果である。インタリーブドN
RZI符号を用いた符号化を行なうことにより,記録側
の1ビットの孤立したデータに対するデータチャネルの
インパルス応答は(1,0,−1)という応答となる。
このように,各1ビットの影響は,そのビットおよび2
ビット遅れたビットに対してのみ現われる。したがっ
て,PRML方式による復号回路106では,偶数ビッ
トの系列と奇数ビットの系列が独立した2つの系列とし
て並列に処理される。図2(f)は偶数ビットと奇数ビ
ットの系列について,図2(e)の等化結果に対してビ
タビ復号法を用いて最大尤度の復号結果を求めた結果で
ある。この復号結果の1および−1を1に変換し,0は
0に変換することによって,元の記録符号(NRZ符
号)を得ることができる。
【0026】以上述べたPRML方式の復号手順から容
易に推察されるように,等化回路105における等化値
の精度が復号誤り率に大きな影響を与える。従来の薄膜
ヘッドを用いたシステムで記録密度が低い場合は,再生
信号に含まれるノイズは白色ノイズに近い特性を示し,
等化の後の復号手順である最尤復号(ビタビアルゴリズ
ム)が非常に有効に動作した。
易に推察されるように,等化回路105における等化値
の精度が復号誤り率に大きな影響を与える。従来の薄膜
ヘッドを用いたシステムで記録密度が低い場合は,再生
信号に含まれるノイズは白色ノイズに近い特性を示し,
等化の後の復号手順である最尤復号(ビタビアルゴリズ
ム)が非常に有効に動作した。
【0027】しかしながら,MRヘッドの場合では,図
3に示すようなヘッドの感度特性から,再生信号の上下
が非対称となる波形歪が生ずる。また,記録密度の向上
に伴い,図4(a)のような記録するビット位置のタイ
ミングのずれや,図4(b)のような波形の変動に伴う
非線形的な波形歪が増加する。
3に示すようなヘッドの感度特性から,再生信号の上下
が非対称となる波形歪が生ずる。また,記録密度の向上
に伴い,図4(a)のような記録するビット位置のタイ
ミングのずれや,図4(b)のような波形の変動に伴う
非線形的な波形歪が増加する。
【0028】本発明では,上記のような非線形な波形歪
に対応するために,従来の線形等化回路に代えて非線形
な等化回路を用い,さらに,この非線形な等化回路での
各種パラメータを設定するための構成を備えている。図
5(b)に従来のFIR型線形等化回路を示し,図6及
び図7に本発明による階層演算回路網を用いた非線形等
化回路とその周辺の回路構成を示す。
に対応するために,従来の線形等化回路に代えて非線形
な等化回路を用い,さらに,この非線形な等化回路での
各種パラメータを設定するための構成を備えている。図
5(b)に従来のFIR型線形等化回路を示し,図6及
び図7に本発明による階層演算回路網を用いた非線形等
化回路とその周辺の回路構成を示す。
【0029】図5を用いて,従来のFIR(Finite Imp
ulse Response)型線形等化回路の構成と,その基本構
成要素である積和演算回路とを説明する。積和演算回路
501は,図5(a)に示すように,複数個の乗算器5
02と各乗算器502の出力の総和を求める加算器50
3とから成る。各乗算器502はそれぞれ,後述される
パラメータレジスタ505から与えられる演算パラメー
タと入力データとの乗算を行う。
ulse Response)型線形等化回路の構成と,その基本構
成要素である積和演算回路とを説明する。積和演算回路
501は,図5(a)に示すように,複数個の乗算器5
02と各乗算器502の出力の総和を求める加算器50
3とから成る。各乗算器502はそれぞれ,後述される
パラメータレジスタ505から与えられる演算パラメー
タと入力データとの乗算を行う。
【0030】従来のFIR型線形等化回路は,例えば図
5(b)に示す構成を有し,上述したような構成を備え
る積和演算回路506において,遅延素子504により
タイミングを調整された再生信号と,パラメータレジス
タ505に格納された演算パラメータとの積和演算が実
行される。結果が等化値として復号回路106に送られ
る。ここで,パラメータレジスタに格納されている演算
パラメータは,後で述べる演算(数2参照)によって,
例えば出荷前の調整時に学習的に決定される。
5(b)に示す構成を有し,上述したような構成を備え
る積和演算回路506において,遅延素子504により
タイミングを調整された再生信号と,パラメータレジス
タ505に格納された演算パラメータとの積和演算が実
行される。結果が等化値として復号回路106に送られ
る。ここで,パラメータレジスタに格納されている演算
パラメータは,後で述べる演算(数2参照)によって,
例えば出荷前の調整時に学習的に決定される。
【0031】次に,本発明による非線形等化回路の一実
施形態における構成例を,図6を参照して説明する。
施形態における構成例を,図6を参照して説明する。
【0032】本実施形態による非線形等化回路は以下に
述べるように,入力層,中間層,出力層の3つの階層で
構成される。入力層は再生信号のタイミングを調整する
複数の遅延素子601で構成される。中間層は複数の積
和演算器602と複数の非線形関数器603で構成され
る。入力層からの再生信号は,複数の積和演算回路60
2で複数の積和演算が行われた後,複数の非線形関数器
603で非線形な写像が行われ,出力層に送られる。出
力層は一つの積和演算回路604と一つの非線形写像関
数器605とで構成される。
述べるように,入力層,中間層,出力層の3つの階層で
構成される。入力層は再生信号のタイミングを調整する
複数の遅延素子601で構成される。中間層は複数の積
和演算器602と複数の非線形関数器603で構成され
る。入力層からの再生信号は,複数の積和演算回路60
2で複数の積和演算が行われた後,複数の非線形関数器
603で非線形な写像が行われ,出力層に送られる。出
力層は一つの積和演算回路604と一つの非線形写像関
数器605とで構成される。
【0033】すなわち,図5(b)に示した従来のFI
R型線形等化回路と,本実施形態による非線形等化回路
との大きな相違点の一つは,中間層として複数の積和演
算回路602と複数の非線形関数器603とが加えられ
た点にある。中間層に含まれる積和演算回路602およ
び非線形関数器603の数は,本発明では原則的に限定
されるものではないが,後述する理由により,例えば対
応する線形FIRフィルタのタップ数の1/2とすると
良い。
R型線形等化回路と,本実施形態による非線形等化回路
との大きな相違点の一つは,中間層として複数の積和演
算回路602と複数の非線形関数器603とが加えられ
た点にある。中間層に含まれる積和演算回路602およ
び非線形関数器603の数は,本発明では原則的に限定
されるものではないが,後述する理由により,例えば対
応する線形FIRフィルタのタップ数の1/2とすると
良い。
【0034】また,本実施形態では,非線形等化回路の
階層の数を入力層,中間層,出力層の3層とした上で,
後述するように,入力層と中間層との対応関係を示すパ
ラメータを予め求めておいた値に固定し,中間層と出力
層との対応関係を示すパラメータ等の他のパラメータを
学習する構成とする。このような構成によれば,非線形
等化回路でのパラメータの設定に伴う学習を非常に簡単
に実行することができるようになる。入力層と中間層と
の対応関係を示すパラメータとしては,例えば再生信号
の自己相関行列の固有ベクトルとする。この詳細につい
ては後述する。
階層の数を入力層,中間層,出力層の3層とした上で,
後述するように,入力層と中間層との対応関係を示すパ
ラメータを予め求めておいた値に固定し,中間層と出力
層との対応関係を示すパラメータ等の他のパラメータを
学習する構成とする。このような構成によれば,非線形
等化回路でのパラメータの設定に伴う学習を非常に簡単
に実行することができるようになる。入力層と中間層と
の対応関係を示すパラメータとしては,例えば再生信号
の自己相関行列の固有ベクトルとする。この詳細につい
ては後述する。
【0035】なお,本発明において,非線形等化回路の
階層の数は3つに限定されるものではなく,例えば4層
以上の階層構造を備える構成としても良い。ただし,こ
のように非線形等化回路の階層数を増加する場合には,
例えば第1の中間層,第2の中間層・・・等のうちいく
つかの中間層に係るパラメータを予め定めておく。すな
わち,固定しておくパラメータのセットを増やし、学習
すべきパラメータの数を大きく増加させないようにする
ことで,非線形等化回路全体としての学習量の増加を抑
えることができる。
階層の数は3つに限定されるものではなく,例えば4層
以上の階層構造を備える構成としても良い。ただし,こ
のように非線形等化回路の階層数を増加する場合には,
例えば第1の中間層,第2の中間層・・・等のうちいく
つかの中間層に係るパラメータを予め定めておく。すな
わち,固定しておくパラメータのセットを増やし、学習
すべきパラメータの数を大きく増加させないようにする
ことで,非線形等化回路全体としての学習量の増加を抑
えることができる。
【0036】本実施形態の非線形等化回路の詳細な説明
を行う前に,本発明の数学的な背景を説明しておく。ま
ず,従来のFIR型線形等化器のタップ係数の持つ性質
について述べる。ここで,タップ係数とは,積和演算を
行うための定数であり,例えば図5(b)に示すような
構成の場合には,パラメータレジスタ505に格納され
ている。このタップ係数は,等化誤差の2乗平均が最小
になるように,以下の数2に従って学習が行われ決定さ
れる。
を行う前に,本発明の数学的な背景を説明しておく。ま
ず,従来のFIR型線形等化器のタップ係数の持つ性質
について述べる。ここで,タップ係数とは,積和演算を
行うための定数であり,例えば図5(b)に示すような
構成の場合には,パラメータレジスタ505に格納され
ている。このタップ係数は,等化誤差の2乗平均が最小
になるように,以下の数2に従って学習が行われ決定さ
れる。
【0037】
【数2】
【0038】ここで, w(k):FIRフィルタのタップ係数 x(i):再生信号 y(i):等化出力 z(i):復号結果 C:学習係数 である。
【0039】このタップ係数を用いて,等化出力y(i)は
以下の数3によって求められる。
以下の数3によって求められる。
【0040】
【数3】
【0041】上記数2と上記数3とから,収束したとき
の最終的なタップ係数は,
の最終的なタップ係数は,
【0042】
【数4】
【0043】となっていることが分かる。ここに, [Φ]:受信(再生)信号の相関行列 [w]:タップ係数のベクトル [h]:送信(記録)信号と受信信号の相互相関ベクトル である。
【0044】タップ係数を決定する上記数2は次のよう
に理解すると分かりやすい。等化の目標は次の式で表現
される。
に理解すると分かりやすい。等化の目標は次の式で表現
される。
【0045】
【数5】
【0046】ここに,x(i)は再生信号であり,q(i)は送
信信号である。数5の両辺にx(i+τ)を乗じて平均操作
を行うと,
信信号である。数5の両辺にx(i+τ)を乗じて平均操作
を行うと,
【0047】
【数6】
【0048】を得る。ここで,r(τ)は受信信号の自己
相関係数であり,r(τ)=r(-τ)であることに注意する
と,上記数6は上記数4となる。すなわち,上記数2は
送信信号の最も確からしい推定値である復号値を用いて
タップ係数の学習をしていることを表している。
相関係数であり,r(τ)=r(-τ)であることに注意する
と,上記数6は上記数4となる。すなわち,上記数2は
送信信号の最も確からしい推定値である復号値を用いて
タップ係数の学習をしていることを表している。
【0049】以上述べた,線形等化回路のタップ係数に
は次のような性質がある。いま,上記数4の右辺の相互
相関ベクトル[h]が固有ベクトルの線形結合で表現でき
たとする。すなわち,
は次のような性質がある。いま,上記数4の右辺の相互
相関ベクトル[h]が固有ベクトルの線形結合で表現でき
たとする。すなわち,
【0050】
【数7】
【0051】ここに, [v(i)]:i番目の固有ベクトル α(i):i番目の固有ベクトルに対する重み係数 と表す。
【0052】固有値および固有ベクトルの定義;
【0053】
【数8】
【0054】と上記数7から,
【0055】
【数9】
【0056】となる。
【0057】上記数4と上記数9とから,結局FIRフ
ィルタのタップ係数[w]は固有ベクトルの線形結合;
ィルタのタップ係数[w]は固有ベクトルの線形結合;
【0058】
【数10】
【0059】として求められる。ここで,係数α(i)は
上記数7から次のようにして求める。固有ベクトルは一
次独立であるから,
上記数7から次のようにして求める。固有ベクトルは一
次独立であるから,
【0060】
【数11】
【0061】が成り立つ。ここに,[・]tは転置ベクトル
を表す。固有ベクトルは[v(i)]t[v(i)]=1を満足する
ように正規化されているとすると,係数α(i)は上記数
7から,
を表す。固有ベクトルは[v(i)]t[v(i)]=1を満足する
ように正規化されているとすると,係数α(i)は上記数
7から,
【0062】
【数12】
【0063】により求められる。ここに,[V]tは固有ベ
クトルを列ベクトルとする行列[V]の転置行列である。
上記数10から分かるようにFIRフィルタのタップ係
数は再生信号の自己相関行列の固有ベクトルの線形一次
結合で表される。
クトルを列ベクトルとする行列[V]の転置行列である。
上記数10から分かるようにFIRフィルタのタップ係
数は再生信号の自己相関行列の固有ベクトルの線形一次
結合で表される。
【0064】以上が本発明の数学的な背景である。再生
波形の等化が再生波形の周波数成分の調整によって行わ
れ,周波数成分は再生信号の自己相関行列の固有ベクト
ルの組み合わせとして調整される。しかしながら,数4
の導出で説明したように,上記の手順で決定されるFI
Rフィルタは,再生波形の変化に対して平均的な値が求
められ,非線形的な波形歪を伴う場合は平均的な値であ
るが故に,等化誤差が大きくなってしまうという問題が
ある。
波形の等化が再生波形の周波数成分の調整によって行わ
れ,周波数成分は再生信号の自己相関行列の固有ベクト
ルの組み合わせとして調整される。しかしながら,数4
の導出で説明したように,上記の手順で決定されるFI
Rフィルタは,再生波形の変化に対して平均的な値が求
められ,非線形的な波形歪を伴う場合は平均的な値であ
るが故に,等化誤差が大きくなってしまうという問題が
ある。
【0065】本発明はこれに鑑みて成されたものであっ
て,線形等化回路が平均的な等化値を求めるのに対し,
再生信号の自己相関行列の固有値に相当する周波数成分
を抽出する積和演算回路を複数個設け,これらの出力の
一次結合で最終的な等化値を決定することにより再生波
形に含まれる非線形な波形歪による等化誤差を低減する
ものである。
て,線形等化回路が平均的な等化値を求めるのに対し,
再生信号の自己相関行列の固有値に相当する周波数成分
を抽出する積和演算回路を複数個設け,これらの出力の
一次結合で最終的な等化値を決定することにより再生波
形に含まれる非線形な波形歪による等化誤差を低減する
ものである。
【0066】以下,本発明による非線形等化回路の各種
パラメータの設定方法を図7を参照して説明する。本実
施形態のデジタル信号復号装置10は,例えば図1の構
成において等化回路105および復号回路106を,図
7の構成すなわち等化回路701,復号回路105,自
己相関演算回路702,固有ベクトル演算回路703,
およびパラメータ学習回路704に代えることで実現さ
れる。
パラメータの設定方法を図7を参照して説明する。本実
施形態のデジタル信号復号装置10は,例えば図1の構
成において等化回路105および復号回路106を,図
7の構成すなわち等化回路701,復号回路105,自
己相関演算回路702,固有ベクトル演算回路703,
およびパラメータ学習回路704に代えることで実現さ
れる。
【0067】ここで,等化回路701は,図6に示した
本発明による非線形等化回路であり,復号回路106は
図1におけるものと同一である。自己相関演算回路70
2では,再生データの自己相関ベクトルが以下の数13
に従って計算される。
本発明による非線形等化回路であり,復号回路106は
図1におけるものと同一である。自己相関演算回路70
2では,再生データの自己相関ベクトルが以下の数13
に従って計算される。
【0068】
【数13】
【0069】固有ベクトル演算回路703では,自己相
関演算回路702で求まった自己相関ベクトルをもと
に,例えば上記数8に従い再生信号の自己相関行列の固
有ベクトルを演算する。
関演算回路702で求まった自己相関ベクトルをもと
に,例えば上記数8に従い再生信号の自己相関行列の固
有ベクトルを演算する。
【0070】パラメータ学習回路704では,固有ベク
トル演算回路703で求まった固有ベクトルが非線形等
化回路701の入力層と中間層との結合係数として決定
されると共に,その他の回路網パラメータが学習により
決定される。本実施形態では,中間層にあるすべての積
和演算回路602に係るパラメータが上記固有ベクトル
に応じて決定・固定され,それ以外のパラメータである
出力層の積和演算回路604に係るパラメータ等が学習
によって決定されるものとする。学習されたパラメータ
は,等化回路701のパラメータレジスタ606に設定
され,非線形等化処理が実行される。
トル演算回路703で求まった固有ベクトルが非線形等
化回路701の入力層と中間層との結合係数として決定
されると共に,その他の回路網パラメータが学習により
決定される。本実施形態では,中間層にあるすべての積
和演算回路602に係るパラメータが上記固有ベクトル
に応じて決定・固定され,それ以外のパラメータである
出力層の積和演算回路604に係るパラメータ等が学習
によって決定されるものとする。学習されたパラメータ
は,等化回路701のパラメータレジスタ606に設定
され,非線形等化処理が実行される。
【0071】復号回路106には復号誤りが含まれる
が,等化器701のパラメータ初期値が正しいパラメー
タに十分に良く近似されていれば,復号誤り率は非常に
小さく抑えることができる。このため,パラメータの学
習にはほとんど影響を与えることがない。
が,等化器701のパラメータ初期値が正しいパラメー
タに十分に良く近似されていれば,復号誤り率は非常に
小さく抑えることができる。このため,パラメータの学
習にはほとんど影響を与えることがない。
【0072】非線形等化器701のパラメータ学習を行
う間,等化回路701のパラメータは従来通りの線形等
化器のパラメータに設定しておく。すなわち,積和演算
回路602の一つに対する演算パラメータを従来の線形
等化回路のパラメータに設定し,その他の積和演算回路
と非線形関数器603との結合係数は0.0として,中
間層を線形等化回路として動作させる。また,非線形演
算素子603および605の出力は,入力をそのまま出
力するようにしておく。また,積和演算回路604の演
算パラメータはすべて1.0に設定しておく。
う間,等化回路701のパラメータは従来通りの線形等
化器のパラメータに設定しておく。すなわち,積和演算
回路602の一つに対する演算パラメータを従来の線形
等化回路のパラメータに設定し,その他の積和演算回路
と非線形関数器603との結合係数は0.0として,中
間層を線形等化回路として動作させる。また,非線形演
算素子603および605の出力は,入力をそのまま出
力するようにしておく。また,積和演算回路604の演
算パラメータはすべて1.0に設定しておく。
【0073】線形等化回路として動作する積和演算回路
602の内部のパラメータ(線形FIRフィルタのタッ
プ係数)は以下に示す式により逐次的に修正学習される
(数2と同一の式を再掲する)。
602の内部のパラメータ(線形FIRフィルタのタッ
プ係数)は以下に示す式により逐次的に修正学習される
(数2と同一の式を再掲する)。
【0074】
【数14】
【0075】ここに, w(k):FIRフィルタのタップ係数 x(i):再生信号 y(i):等化出力 z(i):復号結果 C:学習係数 である。
【0076】パラメータ学習回路704における学習
は,一般にバックプロパゲーション法として知られる方
法を用いる。この方法は,例えば,S. Haykin, "Neural
Networks - A Comprehensive Foundation," IEEE Pres
s, 1994などに詳述されている。まず,具体的な手順を
数式を用いて説明する。学習は前向きの演算と後ろ向き
の演算とから成る。
は,一般にバックプロパゲーション法として知られる方
法を用いる。この方法は,例えば,S. Haykin, "Neural
Networks - A Comprehensive Foundation," IEEE Pres
s, 1994などに詳述されている。まず,具体的な手順を
数式を用いて説明する。学習は前向きの演算と後ろ向き
の演算とから成る。
【0077】[前向きの演算] (1)中間層での演算 積和演算回路602の出力は以下の数15により表され
る。
る。
【0078】
【数15】
【0079】ここに, m:中間層の積和演算回路602の個数 x(i):入力データ(再生信号) u(i,j):j番目の積和演算回路602の入力データx(i)
に対する結合係数 r(j):j番目の積和演算回路602の出力 である。
に対する結合係数 r(j):j番目の積和演算回路602の出力 である。
【0080】非線形関数器603の出力は以下の数16
により表される。
により表される。
【0081】
【数16】
【0082】ここに, θ(j):j番目の非線形関数器603のスレシホルド s(j):j番目の非線形関数器603の出力 f( ):非線形関数 である。
【0083】(2)出力層での演算 積和演算回路604の出力は以下の数17により表され
る。
る。
【0084】
【数17】
【0085】ここに, v(j):中間層のj番目の非線形関数器603と出力層の
積和演算回路604との結合係数 非線形演算回路605の出力は以下の数18により表さ
れる。
積和演算回路604との結合係数 非線形演算回路605の出力は以下の数18により表さ
れる。
【0086】
【数18】
【0087】ここに, γ:出力層の非線形演算回路605のスレシホルド y:出力層からの等化出力 である。
【0088】[後ろ向きの演算]ここでは,非線形関数
として,その出力が[0,1]の範囲内で単調非減少の
シグモイド関数を用いて説明する。シグモイド関数は,
その微分がもとのシグモイド関数で表現できるという特
徴をもつ。すなわち,
として,その出力が[0,1]の範囲内で単調非減少の
シグモイド関数を用いて説明する。シグモイド関数は,
その微分がもとのシグモイド関数で表現できるという特
徴をもつ。すなわち,
【0089】
【数19】
【0090】ここで, β:定数 である。
【0091】上記数19を微分すると,
【0092】
【数20】
【0093】となる。
【0094】出力層における教師信号(復号値)との誤
差をδ(=z-y)とおき,その2乗誤差Eを最小化すること
を考える。
差をδ(=z-y)とおき,その2乗誤差Eを最小化すること
を考える。
【0095】
【数21】
【0096】
【数22】
【0097】そこで,出力層ユニットの内部ポテンシャ
ルを S(=Σv(j)・s(j)+γ) と書き直すと,その出力は y
=f(S) となり,結合係数v(j)の微少変化に対する出力y
への影響であるδy/δv(j)は,上記数20により,
ルを S(=Σv(j)・s(j)+γ) と書き直すと,その出力は y
=f(S) となり,結合係数v(j)の微少変化に対する出力y
への影響であるδy/δv(j)は,上記数20により,
【0098】
【数23】
【0099】ここで, η1:定数 と表される。したがって,結合係数v(j)の2乗誤差Eへ
の影響δE/δv(j)は,上記数22と上記数23により,
の影響δE/δv(j)は,上記数22と上記数23により,
【0100】
【数24】
【0101】となる。
【0102】2乗誤差Eを減少させるための結合係数の
更新値Δv(j)は最急降下法を使うと,以下の数25から
得られる。
更新値Δv(j)は最急降下法を使うと,以下の数25から
得られる。
【0103】
【数25】
【0104】η2:定数 となる。また,誤差Δ0として
【0105】
【数26】
【0106】とおくと,
【0107】
【数27】
【0108】となる。
【0109】同様にして,入力層から中間層への結合係
数u(i,j)の更新値Δu(i,j)を求める。まず,中間層ユニ
ットjの内部ポテンシャルをU(j)(=Σu(i,j)・x(i)+θ
(j))とすると,その出力s(j)はs(j)=f(U(j))と表され,
結合係数u(i,j)の微少変化に対する2乗誤差Eへの影響
は,
数u(i,j)の更新値Δu(i,j)を求める。まず,中間層ユニ
ットjの内部ポテンシャルをU(j)(=Σu(i,j)・x(i)+θ
(j))とすると,その出力s(j)はs(j)=f(U(j))と表され,
結合係数u(i,j)の微少変化に対する2乗誤差Eへの影響
は,
【0110】
【数28】
【0111】となる。上記数26と同様に中間層ユニッ
トjの誤差をσ(j)とすると,上記数28は,
トjの誤差をσ(j)とすると,上記数28は,
【0112】
【数29】
【0113】ただし, σ(j)=-δE/δU(j)=Δ0・v(j)・s(j)・(1-s(j)) と表される。
【0114】したがって,結合係数の更新値Δu(i,j)は
上記数29より,
上記数29より,
【0115】
【数30】
【0116】ここで, η3:定数 と書き表せる。
【0117】以上,一般的なパラメータの学習方法につ
いて述べた。次に,本実施形態の非線形等化器701に
おけるパラメータの学習手順の一例を,図8を参照して
説明する。学習の手順は以下のステップからなる。
いて述べた。次に,本実施形態の非線形等化器701に
おけるパラメータの学習手順の一例を,図8を参照して
説明する。学習の手順は以下のステップからなる。
【0118】ステップ801:自己相関回路702を起
動し,上記数11に従って再生信号の自己相関ベクトル
を演算する。
動し,上記数11に従って再生信号の自己相関ベクトル
を演算する。
【0119】ステップ802:固有ベクトル演算回路7
03を起動し,再生信号の自己相関行列の固有ベクトル
を計算する。
03を起動し,再生信号の自己相関行列の固有ベクトル
を計算する。
【0120】ステップ803:パラメータ学習回路70
4を起動する。
4を起動する。
【0121】ステップ804:ネットワークパラメータ
を上記数21〜数30の手順を繰り返して学習する。た
だし,数28乃至数30の手順において,積和演算回路
602のパラメータはステップ802で求められた固有
ベクトルに固定しておく。また,出力層の非線形関数器
605のスレシホルドは,常に出力が1.0の中間層と
結合していると考え,上記数27から,
を上記数21〜数30の手順を繰り返して学習する。た
だし,数28乃至数30の手順において,積和演算回路
602のパラメータはステップ802で求められた固有
ベクトルに固定しておく。また,出力層の非線形関数器
605のスレシホルドは,常に出力が1.0の中間層と
結合していると考え,上記数27から,
【0122】
【数31】
【0123】により学習する。また,中間層の非線形関
数器603のスレシホルドは,常に出力が1.0の入力
層と結合していると考え,上記数30から,
数器603のスレシホルドは,常に出力が1.0の入力
層と結合していると考え,上記数30から,
【0124】
【数32】
【0125】から求める。
【0126】ステップ805:学習結果をパラメータレ
ジスタ606に設定する。
ジスタ606に設定する。
【0127】なお,上記パラメータの学習は,例えばユ
ーザデータを用いてリアルタイムで行っても良く,ある
いは,当該装置の出荷前調整時や可能であれば他のタイ
ミングで実施しても構わない。
ーザデータを用いてリアルタイムで行っても良く,ある
いは,当該装置の出荷前調整時や可能であれば他のタイ
ミングで実施しても構わない。
【0128】本実施形態によれば,再生信号の自己相関
行列の固有値に相当する周波数成分を抽出する積和演算
回路を複数個設け,これらの出力の一次結合で最終的な
等化値を決定することによって,再生波形に含まれる非
線形な波形歪による等化誤差を低減することができるデ
ジタル信号復号装置を提供することができる。
行列の固有値に相当する周波数成分を抽出する積和演算
回路を複数個設け,これらの出力の一次結合で最終的な
等化値を決定することによって,再生波形に含まれる非
線形な波形歪による等化誤差を低減することができるデ
ジタル信号復号装置を提供することができる。
【0129】なお,本発明において,非線形等化回路の
パラメータ学習回路704はソフトウェアによって実現
しても良く,あるいは,LSI等によるハードロジック
回路として実現できることは勿論である。
パラメータ学習回路704はソフトウェアによって実現
しても良く,あるいは,LSI等によるハードロジック
回路として実現できることは勿論である。
【0130】また,パラメータの学習においては,学習
時には線形等化回路として動作する等化回路701の出
力を用いるが,この出力に含まれる等化誤差が一定の値
以上のビットに対してのみ,パラメータ学習回路704
での学習を実行させることにより,等化誤差の一層の低
減を図ることも可能である。
時には線形等化回路として動作する等化回路701の出
力を用いるが,この出力に含まれる等化誤差が一定の値
以上のビットに対してのみ,パラメータ学習回路704
での学習を実行させることにより,等化誤差の一層の低
減を図ることも可能である。
【0131】次に,実際の再生波形に対する固有ベクト
ルを用いて,図6の非線形等化回路における積和演算回
路のパラメータ設定について説明する。磁気記録媒体か
ら読み出される孤立した波形を,数33で表されるロー
レンツ波形で近似する。
ルを用いて,図6の非線形等化回路における積和演算回
路のパラメータ設定について説明する。磁気記録媒体か
ら読み出される孤立した波形を,数33で表されるロー
レンツ波形で近似する。
【0132】
【数33】
【0133】ここで,PW50は規格化線密度と呼ばれ
るもので,孤立波形の振幅が1/2となる時の波形の広
がりをサンプリング周期で正規化したものである。
るもので,孤立波形の振幅が1/2となる時の波形の広
がりをサンプリング周期で正規化したものである。
【0134】規格化線密度PW50=2.5として2値
の一様な乱数を記録した場合の,再生波形の自己相関行
列から求めた固有値,固有ベクトル,および線形なFI
Rフィルタを構成した場合の比率(上記数10のα/
λ)を図10に示す。また,それぞれの固有ベクトルの
周波数特性と線形FIRフィルタの周波数特性を図11
に示す。
の一様な乱数を記録した場合の,再生波形の自己相関行
列から求めた固有値,固有ベクトル,および線形なFI
Rフィルタを構成した場合の比率(上記数10のα/
λ)を図10に示す。また,それぞれの固有ベクトルの
周波数特性と線形FIRフィルタの周波数特性を図11
に示す。
【0135】ここで,等化はパーシャルレスポンス・ク
ラス4(PR4)等化を行い,タップ数は8としている
が,本発明ではこれらに限定されるものではなく,等化
には拡張パーシャルレスポンス・クラス4を適用しても
良く,また,8以外のタップ数でも可能である。
ラス4(PR4)等化を行い,タップ数は8としている
が,本発明ではこれらに限定されるものではなく,等化
には拡張パーシャルレスポンス・クラス4を適用しても
良く,また,8以外のタップ数でも可能である。
【0136】固有ベクトルはそれぞれ固有の通過周波数
を持つ帯域通過フィルタであり,その組み合わせによっ
てFIRフィルタが構成される。図10に示した比率か
ら分かる通り,ローレンツ波形ではのようにタ
ップ係数が偶関数となる固有ベクトルの比率が大きく,
のように奇関数の固有ベクトルの比率は非常に
小さくなる。よって,等化のために再生波形から抽出さ
れる周波数成分の個数はタップ係数の1/2で良いこと
が分かる。
を持つ帯域通過フィルタであり,その組み合わせによっ
てFIRフィルタが構成される。図10に示した比率か
ら分かる通り,ローレンツ波形ではのようにタ
ップ係数が偶関数となる固有ベクトルの比率が大きく,
のように奇関数の固有ベクトルの比率は非常に
小さくなる。よって,等化のために再生波形から抽出さ
れる周波数成分の個数はタップ係数の1/2で良いこと
が分かる。
【0137】以上説明した如く,本発明によればMRヘ
ッドによる波形の非線形な歪や高密度化に伴うデータの
書き込み周期や孤立波形の形状変動に伴う非線形なノイ
ズに対して高精度な等化を行うことができる。その結
果,従来の線形なFIR型の線形等化器と比較してビッ
ト誤り率の低いディジタル信号復号装置を提供すること
ができる。
ッドによる波形の非線形な歪や高密度化に伴うデータの
書き込み周期や孤立波形の形状変動に伴う非線形なノイ
ズに対して高精度な等化を行うことができる。その結
果,従来の線形なFIR型の線形等化器と比較してビッ
ト誤り率の低いディジタル信号復号装置を提供すること
ができる。
【0138】本発明を適用したデジタル信号復号装置で
のビット誤り率の低減効果の例を図9に示す。図9は記
録密度を規格化線密度(孤立波形の振幅が1/2での広
がりとビット間隔との比)で2.5とし,読み出し点の
信号(A/D変換前の信号)のS/N比を変化させてビ
ットエラー率を求めたものである。図中A,Bはそれぞ
れ従来の線形等化器と本発明による非線形等化器とを用
いて復号した結果のビットエラー率であり,最尤復号の
方式はPRMLを用いている。これらを比較すると,本
発明によりビットエラー率を従来の1/10以下に低減
できることが分かる。
のビット誤り率の低減効果の例を図9に示す。図9は記
録密度を規格化線密度(孤立波形の振幅が1/2での広
がりとビット間隔との比)で2.5とし,読み出し点の
信号(A/D変換前の信号)のS/N比を変化させてビ
ットエラー率を求めたものである。図中A,Bはそれぞ
れ従来の線形等化器と本発明による非線形等化器とを用
いて復号した結果のビットエラー率であり,最尤復号の
方式はPRMLを用いている。これらを比較すると,本
発明によりビットエラー率を従来の1/10以下に低減
できることが分かる。
【0139】本発明によれば,PRMLチャネルにおい
て,再生波形の非線形な波形歪に対して性能劣化(ビッ
ト誤り率上昇)の少ない等化回路を提供できる。さら
に,非線形等化回路の入力部分を再生信号の自己相関行
列の固有ベクトルとすることにより,パラメータの設定
に伴う学習を非常に簡単に行うことができる。ひいて
は,復号誤りが少なく,しかも高密度な磁気記録を実現
することができる。
て,再生波形の非線形な波形歪に対して性能劣化(ビッ
ト誤り率上昇)の少ない等化回路を提供できる。さら
に,非線形等化回路の入力部分を再生信号の自己相関行
列の固有ベクトルとすることにより,パラメータの設定
に伴う学習を非常に簡単に行うことができる。ひいて
は,復号誤りが少なく,しかも高密度な磁気記録を実現
することができる。
【0140】
【発明の効果】本発明によれば,従来は線形等化回路が
平均的な等化値を求めるのに対し,再生信号の自己相関
行列の固有値に相当する周波数成分を抽出する積和演算
回路を複数個設け,これらの出力の一次結合で最終的な
等化値を決定することによって,再生波形に含まれる非
線形な波形歪による等化誤差を低減することができるデ
ジタル信号復号装置,およびその装置を備える磁気記録
装置を提供することができる。
平均的な等化値を求めるのに対し,再生信号の自己相関
行列の固有値に相当する周波数成分を抽出する積和演算
回路を複数個設け,これらの出力の一次結合で最終的な
等化値を決定することによって,再生波形に含まれる非
線形な波形歪による等化誤差を低減することができるデ
ジタル信号復号装置,およびその装置を備える磁気記録
装置を提供することができる。
【図1】磁気記録再生装置の概略構成を示すブロック図
である。
である。
【図2】PRML方式による復号手順を説明する説明図
である。
である。
【図3】MRヘッドによる再生信号の非線形歪を説明す
る説明図である。
る説明図である。
【図4】図4(a):高密度化に伴うビット位置の変動
を示す説明図である。 図4(b):高密度化に伴う波形の変化を示す説明図で
ある。
を示す説明図である。 図4(b):高密度化に伴う波形の変化を示す説明図で
ある。
【図5】図5(a):積和演算回路の構成を示すブロッ
ク図である。 図5(b):従来の線形等化回路の構成を示すブロック
図である。
ク図である。 図5(b):従来の線形等化回路の構成を示すブロック
図である。
【図6】本発明による非線形等化回路の構成を示すブロ
ック図である。
ック図である。
【図7】非線形等化回路のパラメータを決定するための
回路群の構成を示すブロック図である。
回路群の構成を示すブロック図である。
【図8】本発明によるパラメータ学習回路における演算
手順の一例を示すフローチャートである。
手順の一例を示すフローチャートである。
【図9】本発明による非線形等化回路(B)と従来技術
による線形等化回路(A)によるビットエラー率を示す
グラフである。
による線形等化回路(A)によるビットエラー率を示す
グラフである。
【図10】固有値と固有ベクトルおよびFIRフィルタ
における比率の一例を示す説明図である。
における比率の一例を示す説明図である。
【図11】図11(a):図10に示す各固有ベクトル
の通過特性を示すグラフである。 図11(b):図10の比率によるFIRフィルタの通
過特性を示すグラフである。
の通過特性を示すグラフである。 図11(b):図10の比率によるFIRフィルタの通
過特性を示すグラフである。
102…プレアンプ,103…フィルタ,104…AD
C,105…等化回路,106…復号回路,107…V
CO,108…CLK(クロック)。
C,105…等化回路,106…復号回路,107…V
CO,108…CLK(クロック)。
Claims (13)
- 【請求項1】コード化2進データを表わす入力アナログ
信号をディジタル化した再生信号をパーシャルレスポン
ス方法を適用して等化する等化手段と,該等化された再
生信号についてビタビ復号を行ない復号結果を得る復号
手段とを有するディジタル信号復号装置において,前記
等化手段は,入力層,出力層,および両層の間に配置さ
れる1以上の中間層から構成された,非線形な等化を行
う手段であり,前記1以上の中間層のうち少なくとも1
つは,複数の演算部から構成され,前記入力層,前記出
力層,および前記1以上の中間層のうち少なくとも1つ
の層に関して決定すべきパラメータの少なくとも1部
は,予め定めた値に固定されていることを特徴とするデ
ィジタル信号復号装置。 - 【請求項2】請求項1に記載のディジタル信号復号装置
において,前記入力層に隣合って配置されている最下位
の中間層は,前記複数の演算部から構成されるものであ
り,前記固定されたパラメータとは,前記入力層と前記
最下位の中間層との結合係数であり,前記固定されたパ
ラメータの予め定められた値は,前記再生信号に応じて
決定されるものであることを特徴とするディジタル信号
復号装置。 - 【請求項3】請求項2に記載のディジタル信号復号装置
において,前記入力層と前記最下位の中間層との結合係
数を,前記再生信号の自己相関行列の固有ベクトルに応
じて決定する固有ベクトル演算手段をさらに具備するこ
とを特徴とするディジタル信号復号装置。 - 【請求項4】請求項1〜3のいずれかに記載のディジタ
ル信号復号装置において,前記予め定めた値に固定され
たパラメータ以外のパラメータを,前記等化手段の出力
および前記復号手段の出力に応じて,学習的に決定する
学習手段をさらに具備することを特徴とするディジタル
信号復号装置。 - 【請求項5】請求項4に記載のディジタル信号復号装置
において,前記学習手段が学習的に決定するパラメータ
とは,前記出力層と該出力層に隣合って配置された最上
位の中間層との結合係数を少なくとも含むものであり,
前記学習手段は,前記結合係数を前記等化手段の出力と
前記復号手段の出力とを比較することにより,学習的に
決定することを特徴とするディジタル信号復号装置。 - 【請求項6】請求項5に記載のディジタル信号復号装置
において,前記学習手段が学習的に決定するパラメータ
には,前記結合係数に加えて,前記最後の中間層を構成
する演算部に係る演算定数がさらに含まれることを特徴
とするディジタル信号復号装置。 - 【請求項7】請求項4に記載のディジタル信号復号装置
において,前記学習手段は,前記等化手段の出力と前記
復号手段の出力との差を学習データとして用いるもの
で,当該学習データがある特定の値以上の場合にだけ学
習を実行することを特徴とするディジタル信号復号装
置。 - 【請求項8】請求項4に記載のディジタル信号復号装置
において,前記学習手段は,入力されるユーザデータを
用いてリアルタイムに学習するものであり,前記等化手
段は,前記非線形な等化処理および線形な等化処理のう
ちいずれかを実行すると共に一方の等化処理から他方へ
と切り換え可能な構成を備え,前記学習手段が学習して
いる間は前記線形な等化処理を実行し,当該学習が終了
した後は学習したパラメータを用いた非線形な等化処理
を実行することを特徴とするディジタル信号復号装置。 - 【請求項9】請求項1に記載のディジタル信号復号装置
において,前記等化手段は,入力層,出力層,および1
つの中間層の3層で構成され,前記1つの中間層は,当
該等化手段のタップ数の1/2の個数の演算部から構成
されることを特徴とするディジタル信号復号装置。 - 【請求項10】請求項9に記載のディジタル信号復号装
置において,前記等化手段のタップ数が8であり,前記
1つの中間層を構成する演算部の個数が4であることを
特徴とするディジタル信号復号装置。 - 【請求項11】請求項1に記載のディジタル信号復号装
置において,前記等化手段の等化目標信号が,再生波形
のパーシャルレスポンス・クラス4および拡張パーシャ
ルレスポンス・クラス4のいずれかに属することを特徴
とするディジタル信号復号装置。 - 【請求項12】請求項1に記載のディジタル信号復号装
置において,前記ディジタル化された再生信号が,8/
9GCRコードによって符号化された信号の再生信号で
あることを特徴とするディジタル信号復号装置。 - 【請求項13】磁気記憶媒体に記録されたコード化2進
データを読み取る磁気信号検出ヘッドと,該ヘッドによ
り検出されたアナログ信号をデジタル化した再生信号を
等化・復号するディジタル信号復号回路とを備える磁気
記録再生装置において,前記磁気信号検出ヘッドが,電
気抵抗効果を利用したMRヘッドであり,前記デジタル
信号復号回路が,前記アナログ信号として前記MRヘッ
ドからの検出信号を受け入れる,前記請求項1乃至請求
項12のいずれかに記載のディジタル信号復号装置であ
ることを特徴とする磁気記録再生装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12461396A JPH09306102A (ja) | 1996-05-20 | 1996-05-20 | ディジタル信号復号装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12461396A JPH09306102A (ja) | 1996-05-20 | 1996-05-20 | ディジタル信号復号装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09306102A true JPH09306102A (ja) | 1997-11-28 |
Family
ID=14889764
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12461396A Pending JPH09306102A (ja) | 1996-05-20 | 1996-05-20 | ディジタル信号復号装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09306102A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR19990061966A (ko) * | 1997-12-31 | 1999-07-26 | 윤종용 | 부분응답최우계열추정을 위한 비선형 부채널등화기 |
JP2001119372A (ja) * | 1999-10-12 | 2001-04-27 | Mitsubishi Electric Inf Technol Center America Inc | 符号分割多重アクセスネットワークにおいて多重伝送された信号を検出するための装置及び方法 |
US6789226B2 (en) | 2000-06-08 | 2004-09-07 | Nec Corporation | Decoder and method of decoding block codes |
US7584157B2 (en) | 2001-04-18 | 2009-09-01 | Nec Corporation | Method, device and computer program product for learning correlation matrix |
JP2010277650A (ja) * | 2009-05-28 | 2010-12-09 | Victor Co Of Japan Ltd | 等化器、等化方法、及びプログラム |
-
1996
- 1996-05-20 JP JP12461396A patent/JPH09306102A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR19990061966A (ko) * | 1997-12-31 | 1999-07-26 | 윤종용 | 부분응답최우계열추정을 위한 비선형 부채널등화기 |
JP2001119372A (ja) * | 1999-10-12 | 2001-04-27 | Mitsubishi Electric Inf Technol Center America Inc | 符号分割多重アクセスネットワークにおいて多重伝送された信号を検出するための装置及び方法 |
JP4673471B2 (ja) * | 1999-10-12 | 2011-04-20 | バイナリー サービシーズ リミテッド ライアビリティー カンパニー | 符号分割多重アクセスネットワークにおいて多重伝送された信号を検出するための装置及び方法 |
US6789226B2 (en) | 2000-06-08 | 2004-09-07 | Nec Corporation | Decoder and method of decoding block codes |
US7584157B2 (en) | 2001-04-18 | 2009-09-01 | Nec Corporation | Method, device and computer program product for learning correlation matrix |
JP2010277650A (ja) * | 2009-05-28 | 2010-12-09 | Victor Co Of Japan Ltd | 等化器、等化方法、及びプログラム |
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