JPH09304363A - オーステナイト系ステンレス鋳物の超音波探傷方法 - Google Patents
オーステナイト系ステンレス鋳物の超音波探傷方法Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 組織の結晶成長方向に左右されずに任意の超
音波入射方向での探傷を可能とするオーステナイト系ス
テンレス鋳物の超音波探傷方法を提供する。 【解決手段】 広帯域周波数を含む縦波超音波を探傷対
象物の探傷面に対して垂直に入射させる探触子1を使用
し、内部欠陥3を探傷する。又、このときの反射波の受
信波形から求めた距離振幅特性曲線図に基づいて欠陥評
価し、内部欠陥3の有無判定を行なう。探触子1の周波
数は少なくとも周波数0.5〜4MHzを含む方が好まし
い。探傷限界距離は、探傷面から少なくとも60mm以
内、あるいは、前記探傷対象物の上面2aと底面2bが
平行な場合には少なくとも120mm以内とした。欠陥評
価での内部欠陥3の有無判定は、感度46dBで、内部欠
陥3の大きさがφ6のときに所定探傷距離での受信レベ
ルを80%とした前記距離振幅特性曲線図に基づいて判
定する。
音波入射方向での探傷を可能とするオーステナイト系ス
テンレス鋳物の超音波探傷方法を提供する。 【解決手段】 広帯域周波数を含む縦波超音波を探傷対
象物の探傷面に対して垂直に入射させる探触子1を使用
し、内部欠陥3を探傷する。又、このときの反射波の受
信波形から求めた距離振幅特性曲線図に基づいて欠陥評
価し、内部欠陥3の有無判定を行なう。探触子1の周波
数は少なくとも周波数0.5〜4MHzを含む方が好まし
い。探傷限界距離は、探傷面から少なくとも60mm以
内、あるいは、前記探傷対象物の上面2aと底面2bが
平行な場合には少なくとも120mm以内とした。欠陥評
価での内部欠陥3の有無判定は、感度46dBで、内部欠
陥3の大きさがφ6のときに所定探傷距離での受信レベ
ルを80%とした前記距離振幅特性曲線図に基づいて判
定する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オーステナイト系
ステンレス鋳物の超音波探傷方法に関する。
ステンレス鋳物の超音波探傷方法に関する。
【0002】
【従来の技術】オーステナイト系ステンレス鋳物の超音
波探傷による内部欠陥検出は従来から重要な課題として
取り上げられて来たが、これまでは、以下のような問題
点によってこの超音波探傷による内部欠陥検出は不可能
であるとされている。 1)探傷箇所によって超音波の減衰のバラツキが大きく、
安定した測定結果が得られない。 2)探傷面の違い、すなわち、超音波を入射する方向によ
って超音波の減衰及び音速の相違が著しい。 3)探傷対象物内部における音響異方性(音速の違い)が
あり、このためエコー(反射波)が入れ替わる現象が見
られ、減衰や林状エコーが大きくて測定が困難である。 そして、上記問題点は、組織内の結晶粒界等の散乱因子
による超音波の散乱や減衰がその主要な原因であると言
われている。
波探傷による内部欠陥検出は従来から重要な課題として
取り上げられて来たが、これまでは、以下のような問題
点によってこの超音波探傷による内部欠陥検出は不可能
であるとされている。 1)探傷箇所によって超音波の減衰のバラツキが大きく、
安定した測定結果が得られない。 2)探傷面の違い、すなわち、超音波を入射する方向によ
って超音波の減衰及び音速の相違が著しい。 3)探傷対象物内部における音響異方性(音速の違い)が
あり、このためエコー(反射波)が入れ替わる現象が見
られ、減衰や林状エコーが大きくて測定が困難である。 そして、上記問題点は、組織内の結晶粒界等の散乱因子
による超音波の散乱や減衰がその主要な原因であると言
われている。
【0003】従来から、上記の問題に対して色々な研究
機関やメーカー等で研究がなされており、オーステナイ
ト系ステンレス鋳物の結晶組織と超音波特性との関連性
について確認する必要性が指摘され、そして、この問題
を解決したいくつかの探傷方法が提案されている。例え
ば特公昭57−1788号公報では、特定の条件の下で
オーステナイト系ステンレス鋳物の探傷を可能とした超
音波探傷方法が提案されている。同公報によると、周波
数0.3〜2MHzの縦波を出射する超音波探触子を用
い、被検査対象物に超音波パルスの伝播方向が組織の結
晶成長方向に対して40°〜50°の交差角度をなすよ
うに超音波を入射することによって、斜角探傷を行なう
ようにしている。このとき、エコーの受信信号の高さが
交差角度45°付近で最大となることが確認されてお
り、これにより交差角度40°〜50°の範囲内であれ
ばエコー信号の高さは探傷方法として十分に実用可能と
している。
機関やメーカー等で研究がなされており、オーステナイ
ト系ステンレス鋳物の結晶組織と超音波特性との関連性
について確認する必要性が指摘され、そして、この問題
を解決したいくつかの探傷方法が提案されている。例え
ば特公昭57−1788号公報では、特定の条件の下で
オーステナイト系ステンレス鋳物の探傷を可能とした超
音波探傷方法が提案されている。同公報によると、周波
数0.3〜2MHzの縦波を出射する超音波探触子を用
い、被検査対象物に超音波パルスの伝播方向が組織の結
晶成長方向に対して40°〜50°の交差角度をなすよ
うに超音波を入射することによって、斜角探傷を行なう
ようにしている。このとき、エコーの受信信号の高さが
交差角度45°付近で最大となることが確認されてお
り、これにより交差角度40°〜50°の範囲内であれ
ばエコー信号の高さは探傷方法として十分に実用可能と
している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来の探傷方法においては、被検査対象物に入射
する超音波パルスの伝播方向と組織の結晶成長方向との
交差角度が、測定結果からの内部欠陥検出精度の良否を
左右する非常に重要な要因となっているので、オーステ
ナイト系ステンレス鋳物製品を製造する際に、組織の結
晶成長方向の規則性に関する厳密な工程管理が要求され
ている。すなわち、製品製造時に組織の結晶成長方向
が、例えば板状の製品の場合には製品全体にわたって表
面に垂直な方向になるようにしたり、管状の製品の場合
には管の中心軸に向かう方向になるようにすることによ
り、一定の規則性を持たせている。このような工程管理
作業は非常に煩雑なものになり、このために超音波探傷
を可能とするオーステナイト系ステンレス鋳物製品の製
造工程の能率化が困難となっている。
ような従来の探傷方法においては、被検査対象物に入射
する超音波パルスの伝播方向と組織の結晶成長方向との
交差角度が、測定結果からの内部欠陥検出精度の良否を
左右する非常に重要な要因となっているので、オーステ
ナイト系ステンレス鋳物製品を製造する際に、組織の結
晶成長方向の規則性に関する厳密な工程管理が要求され
ている。すなわち、製品製造時に組織の結晶成長方向
が、例えば板状の製品の場合には製品全体にわたって表
面に垂直な方向になるようにしたり、管状の製品の場合
には管の中心軸に向かう方向になるようにすることによ
り、一定の規則性を持たせている。このような工程管理
作業は非常に煩雑なものになり、このために超音波探傷
を可能とするオーステナイト系ステンレス鋳物製品の製
造工程の能率化が困難となっている。
【0005】本発明は、上記の問題点に着目してなされ
たものであり、組織の結晶成長方向に左右されずに任意
の超音波入射方向での探傷を可能とするオーステナイト
系ステンレス鋳物の超音波探傷方法を提供することを目
的としている。
たものであり、組織の結晶成長方向に左右されずに任意
の超音波入射方向での探傷を可能とするオーステナイト
系ステンレス鋳物の超音波探傷方法を提供することを目
的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】上記の目
的を達成するために、請求項1に記載の発明は、探触子
を用いて超音波をオーステナイト系ステンレス鋳物に入
射して内部欠陥3を探傷するオーステナイト系ステンレ
ス鋳物の超音波探傷方法において、広帯域周波数を含む
縦波超音波を探傷対象物の探傷面に対して垂直に入射さ
せる方法としている。
的を達成するために、請求項1に記載の発明は、探触子
を用いて超音波をオーステナイト系ステンレス鋳物に入
射して内部欠陥3を探傷するオーステナイト系ステンレ
ス鋳物の超音波探傷方法において、広帯域周波数を含む
縦波超音波を探傷対象物の探傷面に対して垂直に入射さ
せる方法としている。
【0007】請求項1に記載の発明によると、広帯域周
波数を含む縦波超音波を出射する広帯域用探触子を使用
しているので、従来の超音波探傷方法に比べて組織の結
晶成長方向に左右されずに、どの探傷方向によっても林
状エコー等のノイズに対するS/N比が改善される。よ
って、組織の結晶成長方向に左右されることなく、結晶
方向に対して任意の超音波入射方向での探傷が可能とな
る。又、超音波入射方向が結晶成長方向によって影響を
受けなくなるので、超音波入射方向を探傷面に対して垂
直にすることが可能となる。したがって、上記広帯域用
探触子を探傷面に接続する作業が容易となり、探傷時の
作業性が改善される。この結果、オーステナイト系ステ
ンレス鋳物製品製造時に、製品の組織の結晶成長方向の
規則性を管理する必要が無くなり、製造工程及び探傷工
程の作業能率が改善される。
波数を含む縦波超音波を出射する広帯域用探触子を使用
しているので、従来の超音波探傷方法に比べて組織の結
晶成長方向に左右されずに、どの探傷方向によっても林
状エコー等のノイズに対するS/N比が改善される。よ
って、組織の結晶成長方向に左右されることなく、結晶
方向に対して任意の超音波入射方向での探傷が可能とな
る。又、超音波入射方向が結晶成長方向によって影響を
受けなくなるので、超音波入射方向を探傷面に対して垂
直にすることが可能となる。したがって、上記広帯域用
探触子を探傷面に接続する作業が容易となり、探傷時の
作業性が改善される。この結果、オーステナイト系ステ
ンレス鋳物製品製造時に、製品の組織の結晶成長方向の
規則性を管理する必要が無くなり、製造工程及び探傷工
程の作業能率が改善される。
【0008】請求項2に記載の発明は、探触子を用いて
超音波をオーステナイト系ステンレス鋳物に入射して内
部欠陥3を探傷するオーステナイト系ステンレス鋳物の
超音波探傷方法において、広帯域周波数を含む縦波超音
波を探傷対象物の探傷面に対して垂直に入射させ、この
反射波の受信波形から求めた距離振幅特性曲線図に基づ
いて欠陥評価し、内部欠陥3の有無判定を行なう方法と
している。
超音波をオーステナイト系ステンレス鋳物に入射して内
部欠陥3を探傷するオーステナイト系ステンレス鋳物の
超音波探傷方法において、広帯域周波数を含む縦波超音
波を探傷対象物の探傷面に対して垂直に入射させ、この
反射波の受信波形から求めた距離振幅特性曲線図に基づ
いて欠陥評価し、内部欠陥3の有無判定を行なう方法と
している。
【0009】請求項2に記載の発明によると、広帯域周
波数を含む縦波超音波を出射する広帯域用探触子を使用
しているので、従来の超音波探傷方法に比べて組織の結
晶成長方向に左右されずに、どの探傷方向によっても林
状エコー等のノイズに対するS/N比が改善される。よ
って、組織の結晶成長方向に左右されることなく、結晶
方向に対して任意の超音波入射方向での探傷が可能とな
る。又、超音波入射方向が結晶成長方向によって影響を
受けなくなるので、超音波入射方向を探傷面に対して垂
直にすることが可能となる。したがって、上記広帯域用
探触子を探傷面に接続する作業が容易となり、探傷時の
作業性が改善される。この結果、オーステナイト系ステ
ンレス鋳物製品製造時に、製品の組織の結晶成長方向の
規則性を管理する必要が無くなり、製造工程及び探傷工
程の作業能率が改善される。又、内部欠陥の大きさと探
傷距離とその受信レベルとの関係を表す距離振幅特性曲
線図に基づいて、欠陥評価時の内部欠陥の有無判定を行
なう。このとき、実際の反射波の受信レベルをプロット
し、このプロットした点と上記距離振幅特性曲線との比
較に基づいて判定するので、欠陥評価時に内部欠陥の大
きさ(面積)が推定可能となり、合否判定が容易とな
る。したがって、探傷作業性が向上される。
波数を含む縦波超音波を出射する広帯域用探触子を使用
しているので、従来の超音波探傷方法に比べて組織の結
晶成長方向に左右されずに、どの探傷方向によっても林
状エコー等のノイズに対するS/N比が改善される。よ
って、組織の結晶成長方向に左右されることなく、結晶
方向に対して任意の超音波入射方向での探傷が可能とな
る。又、超音波入射方向が結晶成長方向によって影響を
受けなくなるので、超音波入射方向を探傷面に対して垂
直にすることが可能となる。したがって、上記広帯域用
探触子を探傷面に接続する作業が容易となり、探傷時の
作業性が改善される。この結果、オーステナイト系ステ
ンレス鋳物製品製造時に、製品の組織の結晶成長方向の
規則性を管理する必要が無くなり、製造工程及び探傷工
程の作業能率が改善される。又、内部欠陥の大きさと探
傷距離とその受信レベルとの関係を表す距離振幅特性曲
線図に基づいて、欠陥評価時の内部欠陥の有無判定を行
なう。このとき、実際の反射波の受信レベルをプロット
し、このプロットした点と上記距離振幅特性曲線との比
較に基づいて判定するので、欠陥評価時に内部欠陥の大
きさ(面積)が推定可能となり、合否判定が容易とな
る。したがって、探傷作業性が向上される。
【0010】請求項3に記載の発明は、請求項1又は2
に記載のオーステナイト系ステンレス鋳物の超音波探傷
方法において、前記探触子の広帯域周波数は少なくとも
周波数0.5〜4MHzを含んでいることが好ましい。
に記載のオーステナイト系ステンレス鋳物の超音波探傷
方法において、前記探触子の広帯域周波数は少なくとも
周波数0.5〜4MHzを含んでいることが好ましい。
【0011】請求項3に記載の発明によると、広帯域用
探触子の周波数は少なくとも周波数0.5〜4MHzを含
むようにしている。これにより、オーステナイト系ステ
ンレス鋳物の組織の結晶成長方向に左右されずに、任意
の探傷方向での超音波透過性が改善され、林状エコーが
少なく内部欠陥や底面からの鮮明なエコーが得られる。
この結果、S/N比が改善され、内部欠陥の有無判定が
容易となる。
探触子の周波数は少なくとも周波数0.5〜4MHzを含
むようにしている。これにより、オーステナイト系ステ
ンレス鋳物の組織の結晶成長方向に左右されずに、任意
の探傷方向での超音波透過性が改善され、林状エコーが
少なく内部欠陥や底面からの鮮明なエコーが得られる。
この結果、S/N比が改善され、内部欠陥の有無判定が
容易となる。
【0012】請求項4に記載の発明は、請求項1又は2
に記載のオーステナイト系ステンレス鋳物の超音波探傷
方法において、前記内部欠陥3の探傷可能な限界距離は
探傷面から少なくとも60mm以内としている。
に記載のオーステナイト系ステンレス鋳物の超音波探傷
方法において、前記内部欠陥3の探傷可能な限界距離は
探傷面から少なくとも60mm以内としている。
【0013】請求項4に記載の発明によると、オーステ
ナイト系ステンレス鋳物製品の厚さが少なくとも60mm
以内であれば、広帯域周波数を含む縦波超音波を出射す
る広帯域用探触子を使用して垂直探傷することにより、
超音波入射角度が組織の結晶成長方向に影響を受けるこ
と無く探傷が可能となる。よって、オーステナイト系ス
テンレス鋳物製品製造時に、製品の組織の結晶成長方向
の規則性を管理する必要が無くなり、作業能率が改善さ
れる。
ナイト系ステンレス鋳物製品の厚さが少なくとも60mm
以内であれば、広帯域周波数を含む縦波超音波を出射す
る広帯域用探触子を使用して垂直探傷することにより、
超音波入射角度が組織の結晶成長方向に影響を受けるこ
と無く探傷が可能となる。よって、オーステナイト系ス
テンレス鋳物製品製造時に、製品の組織の結晶成長方向
の規則性を管理する必要が無くなり、作業能率が改善さ
れる。
【0014】請求項5に記載の発明は、請求項1又は2
に記載のオーステナイト系ステンレス鋳物の超音波探傷
方法において、前記探傷対象物の上面2aと底面2bが
平行な場合には、かつ、前記内部欠陥3の探傷可能な限
界距離は少なくとも120mm以内としている。
に記載のオーステナイト系ステンレス鋳物の超音波探傷
方法において、前記探傷対象物の上面2aと底面2bが
平行な場合には、かつ、前記内部欠陥3の探傷可能な限
界距離は少なくとも120mm以内としている。
【0015】請求項5に記載の発明によると、オーステ
ナイト系ステンレス鋳物製品の上面と底面が平行で、か
つ厚さが少なくとも120mm以内であれば、広帯域周波
数を含む縦波超音波を出射する広帯域用探触子を上記の
上面及び底面に垂直探傷することにより、超音波入射角
度が組織の結晶成長方向に影響を受けること無く探傷が
可能となる。よって、オーステナイト系ステンレス鋳物
製品製造時に、製品の組織の結晶成長方向の規則性を管
理する必要が無くなり、作業能率が改善される。
ナイト系ステンレス鋳物製品の上面と底面が平行で、か
つ厚さが少なくとも120mm以内であれば、広帯域周波
数を含む縦波超音波を出射する広帯域用探触子を上記の
上面及び底面に垂直探傷することにより、超音波入射角
度が組織の結晶成長方向に影響を受けること無く探傷が
可能となる。よって、オーステナイト系ステンレス鋳物
製品製造時に、製品の組織の結晶成長方向の規則性を管
理する必要が無くなり、作業能率が改善される。
【0016】請求項6に記載の発明は、請求項2に記載
のオーステナイト系ステンレス鋳物の超音波探傷方法に
おいて、前記欠陥評価での内部欠陥3の有無判定は、感
度46dBで、内部欠陥3の大きさがφ6のときに所定探
傷距離での受信レベルを80%とした前記距離振幅特性
曲線図に基づいて判定する方法としている。
のオーステナイト系ステンレス鋳物の超音波探傷方法に
おいて、前記欠陥評価での内部欠陥3の有無判定は、感
度46dBで、内部欠陥3の大きさがφ6のときに所定探
傷距離での受信レベルを80%とした前記距離振幅特性
曲線図に基づいて判定する方法としている。
【0017】請求項6に記載の発明によると、感度46
dBで、内部欠陥の大きさがφ6のときに所定探傷距離で
の受信レベルを80%としたときに作成された前記距離
振幅特性曲線図に基づいて、欠陥評価時の内部欠陥の有
無判定が行われる。このとき、実際の反射波の受信レベ
ルをプロットし、このプロットした点と上記φ6の距離
振幅特性曲線との比較に基づいて判定するので、欠陥評
価時に内部欠陥3の大きさ(面積)が推定可能となる。
したがって、欠陥評価の合否判定が容易となり、探傷作
業性が向上される。
dBで、内部欠陥の大きさがφ6のときに所定探傷距離で
の受信レベルを80%としたときに作成された前記距離
振幅特性曲線図に基づいて、欠陥評価時の内部欠陥の有
無判定が行われる。このとき、実際の反射波の受信レベ
ルをプロットし、このプロットした点と上記φ6の距離
振幅特性曲線との比較に基づいて判定するので、欠陥評
価時に内部欠陥3の大きさ(面積)が推定可能となる。
したがって、欠陥評価の合否判定が容易となり、探傷作
業性が向上される。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら、実施
形態を説明する。図1は、本発明に係わるオーステナイ
ト系ステンレス鋳物の超音波探傷方法の説明図である。
探傷対象鋼材2はオーステナイト系ステンレス鋳物で構
成され、例えばSCS14材等である。この探傷対象鋼
材2の上面2a及び底面2bのいずれか一方を探傷のた
めの測定面(以後、探傷面と呼ぶ)とし、この探傷面に
超音波を出射する探触子1が接続される。この探触子1
としては広帯域用探触子が使用され、その超音波は少な
くとも周波数0.5〜4MHzを含む縦波である。そし
て、この探触子1は探傷対象鋼材2の探傷面に対して垂
直に超音波を入射するように接続される。更に、この探
傷面は探傷対象鋼材2の結晶成長方向に係わらずに、ど
の方向から探傷してもよい。ここで、図1に示すよう
に、探傷面を上面2aとする。探触子1から出射された
超音波は探傷対象鋼材2内を音速で直進し、内部欠陥3
によって反射したり、あるいは探傷面と対向する底面2
bによって反射する。この反射波を探触子1により受信
し、この受信信号の受信時間(出射時からの経過時間)
に基づいて探傷面からの内部欠陥3の深さや底面2bま
での高さを測定できる。ここで、探傷対象鋼材2内の伝
播音速Vは、探傷対象鋼材2内の組織の結晶粒度及び結
晶成長方向等によって左右されるものである。
形態を説明する。図1は、本発明に係わるオーステナイ
ト系ステンレス鋳物の超音波探傷方法の説明図である。
探傷対象鋼材2はオーステナイト系ステンレス鋳物で構
成され、例えばSCS14材等である。この探傷対象鋼
材2の上面2a及び底面2bのいずれか一方を探傷のた
めの測定面(以後、探傷面と呼ぶ)とし、この探傷面に
超音波を出射する探触子1が接続される。この探触子1
としては広帯域用探触子が使用され、その超音波は少な
くとも周波数0.5〜4MHzを含む縦波である。そし
て、この探触子1は探傷対象鋼材2の探傷面に対して垂
直に超音波を入射するように接続される。更に、この探
傷面は探傷対象鋼材2の結晶成長方向に係わらずに、ど
の方向から探傷してもよい。ここで、図1に示すよう
に、探傷面を上面2aとする。探触子1から出射された
超音波は探傷対象鋼材2内を音速で直進し、内部欠陥3
によって反射したり、あるいは探傷面と対向する底面2
bによって反射する。この反射波を探触子1により受信
し、この受信信号の受信時間(出射時からの経過時間)
に基づいて探傷面からの内部欠陥3の深さや底面2bま
での高さを測定できる。ここで、探傷対象鋼材2内の伝
播音速Vは、探傷対象鋼材2内の組織の結晶粒度及び結
晶成長方向等によって左右されるものである。
【0019】そして、欠陥評価時には、図2に示すよう
な距離振幅特性曲線図を利用して評価する。同図におい
て、横軸は探傷距離を表し、縦軸は探触子1からの出射
波の振幅に対する反射波の受信レベルを表している。こ
の距離振幅特性曲線20は、直径6mm(以後、φ6と言
う)の大きさの内部欠陥3に対して探傷した場合の反射
波の受信レベルと探傷距離の関係を示しており、図2に
おける斜線部内が探傷の有効範囲を表している。実際に
欠陥評価する際は、検査対象となるオーステナイト系ス
テンレス鋳物のワークに対して、まず、おおよその欠陥
のある位置を仮探傷するために、上記距離振幅特性曲線
20を作成時の探傷測定装置の感度よりも大きな、例え
ば46dBよりも大きな感度58dBで探傷する。次に、本
欠陥評価時は、上記距離振幅特性曲線20の作成時と同
じ感度で、例えば探傷距離20mmの位置にあるφ6の内
部欠陥3が感度46dB、レベル80%で受信される条件
の下で探傷を行ない、このときの反射波の受信レベルを
図2の距離振幅特性曲線図内にプロットして判定する。
この探傷結果に基づいて、φ6の距離振幅特性曲線20
上にプロットされたときは、このプロット点に相当する
探傷距離にφ6程度の大きさ(面積)の内部欠陥3があ
ると判定でき、φ6の距離振幅特性曲線20よりも上方
にプロットされたときは、相当する探傷距離にφ6より
も大きい内部欠陥3があると判定できる。又、図2の斜
線部内で、かつ、φ6の距離振幅特性曲線20よりも下
方にプロットされたときは、φ6よりも小さい内部欠陥
3がある可能性があることが分かる。
な距離振幅特性曲線図を利用して評価する。同図におい
て、横軸は探傷距離を表し、縦軸は探触子1からの出射
波の振幅に対する反射波の受信レベルを表している。こ
の距離振幅特性曲線20は、直径6mm(以後、φ6と言
う)の大きさの内部欠陥3に対して探傷した場合の反射
波の受信レベルと探傷距離の関係を示しており、図2に
おける斜線部内が探傷の有効範囲を表している。実際に
欠陥評価する際は、検査対象となるオーステナイト系ス
テンレス鋳物のワークに対して、まず、おおよその欠陥
のある位置を仮探傷するために、上記距離振幅特性曲線
20を作成時の探傷測定装置の感度よりも大きな、例え
ば46dBよりも大きな感度58dBで探傷する。次に、本
欠陥評価時は、上記距離振幅特性曲線20の作成時と同
じ感度で、例えば探傷距離20mmの位置にあるφ6の内
部欠陥3が感度46dB、レベル80%で受信される条件
の下で探傷を行ない、このときの反射波の受信レベルを
図2の距離振幅特性曲線図内にプロットして判定する。
この探傷結果に基づいて、φ6の距離振幅特性曲線20
上にプロットされたときは、このプロット点に相当する
探傷距離にφ6程度の大きさ(面積)の内部欠陥3があ
ると判定でき、φ6の距離振幅特性曲線20よりも上方
にプロットされたときは、相当する探傷距離にφ6より
も大きい内部欠陥3があると判定できる。又、図2の斜
線部内で、かつ、φ6の距離振幅特性曲線20よりも下
方にプロットされたときは、φ6よりも小さい内部欠陥
3がある可能性があることが分かる。
【0020】次に、上述の探傷方法による作用を詳細に
説明する。まず、結晶成長方向に係わらずに任意の方向
からでも探傷が可能な理由を説明する。図3は、上記の
受信した反射波形の例を示している。同図はオーステナ
イト系ステンレス鋳物の組織の結晶成長方向が超音波入
射方向に対して平行になっている場合、すなわち、探傷
面に対して垂直になっている場合の反射波形例である。
同図において、横軸は前述の受信時間tを表し、縦軸は
反射波の受信レベル(信号強度)を表している。本発明
者は、従来のオーステナイト系ステンレス鋳物の探傷に
使用されている特定周波数の通常用探触子では、反射波
の受信信号とノイズ信号とが同等レベルで混在して観測
されるので、底面2bからの反射波(以後、底面エコー
と言う)を明確に区別できないことを確認した。この確
認の後、広帯域用の、例えば周波数0.5〜4MHzの探
触子1を使用するとS/N比が改善され、後述するよう
にある測定条件の下で非常に鮮明に底面エコーが観測さ
れることを確認した。このときの波形は、オーステナイ
ト系ステンレス鋳物以外の一般的な金属部材を超音波探
傷した場合と同じような反射波形となり、すなわち、図
3のように底面エコーを表す波形Bが鮮明に観測され
る。もし、探傷対象鋼材2内に内部欠陥3がある場合
は、受信時間t=0の位置(探傷面に対応)と上記波形
Bの位置との間に、内部欠陥3からの反射波を表す波形
Aが観測される。このように、波形Aが観測された場合
は内部欠陥3があると判定でき、波形Aの受信時間Ta
や波形Bの受信時間Tb と前述の伝播音速Vとから、そ
れぞれ内部欠陥3までの距離や底面2bまでの距離を算
出することができる。
説明する。まず、結晶成長方向に係わらずに任意の方向
からでも探傷が可能な理由を説明する。図3は、上記の
受信した反射波形の例を示している。同図はオーステナ
イト系ステンレス鋳物の組織の結晶成長方向が超音波入
射方向に対して平行になっている場合、すなわち、探傷
面に対して垂直になっている場合の反射波形例である。
同図において、横軸は前述の受信時間tを表し、縦軸は
反射波の受信レベル(信号強度)を表している。本発明
者は、従来のオーステナイト系ステンレス鋳物の探傷に
使用されている特定周波数の通常用探触子では、反射波
の受信信号とノイズ信号とが同等レベルで混在して観測
されるので、底面2bからの反射波(以後、底面エコー
と言う)を明確に区別できないことを確認した。この確
認の後、広帯域用の、例えば周波数0.5〜4MHzの探
触子1を使用するとS/N比が改善され、後述するよう
にある測定条件の下で非常に鮮明に底面エコーが観測さ
れることを確認した。このときの波形は、オーステナイ
ト系ステンレス鋳物以外の一般的な金属部材を超音波探
傷した場合と同じような反射波形となり、すなわち、図
3のように底面エコーを表す波形Bが鮮明に観測され
る。もし、探傷対象鋼材2内に内部欠陥3がある場合
は、受信時間t=0の位置(探傷面に対応)と上記波形
Bの位置との間に、内部欠陥3からの反射波を表す波形
Aが観測される。このように、波形Aが観測された場合
は内部欠陥3があると判定でき、波形Aの受信時間Ta
や波形Bの受信時間Tb と前述の伝播音速Vとから、そ
れぞれ内部欠陥3までの距離や底面2bまでの距離を算
出することができる。
【0021】一方、オーステナイト系ステンレス鋳物の
組織の結晶成長方向に対して直交する方向に超音波を入
射した場合は、図3のように上記波形A及び波形Bが容
易に判別可能な受信信号とはならずに、ノイズ信号がか
なり多く観測される波形となる。図4にこの場合の受信
反射波形の例を示しており、このときの探触子1も、上
記と同じ例えば周波数0.5〜4MHzの広帯域用探触子
を使用している。同図でも分かるように、受信波形の中
にはノイズ信号波形が乱立して観測されるが、このよう
なノイズ信号波形は従来から林状エコーと呼ばれてい
る。この林状エコーは、前述のように探傷対象鋼材2の
組織を構成する結晶粒界によって超音波が散乱したため
に発生するものである。したがって、林状エコーが観測
された受信波形によって内部欠陥3や底面エコーを特定
することは非常に困難となる。
組織の結晶成長方向に対して直交する方向に超音波を入
射した場合は、図3のように上記波形A及び波形Bが容
易に判別可能な受信信号とはならずに、ノイズ信号がか
なり多く観測される波形となる。図4にこの場合の受信
反射波形の例を示しており、このときの探触子1も、上
記と同じ例えば周波数0.5〜4MHzの広帯域用探触子
を使用している。同図でも分かるように、受信波形の中
にはノイズ信号波形が乱立して観測されるが、このよう
なノイズ信号波形は従来から林状エコーと呼ばれてい
る。この林状エコーは、前述のように探傷対象鋼材2の
組織を構成する結晶粒界によって超音波が散乱したため
に発生するものである。したがって、林状エコーが観測
された受信波形によって内部欠陥3や底面エコーを特定
することは非常に困難となる。
【0022】上述のように、オーステナイト系ステンレ
ス鋳物の組織の結晶成長方向と超音波入射方向とのなす
角度によって反射波の受信波形の様子が非常に異なって
おり、この受信波形の状態が内部欠陥検出精度の良否に
影響を与えている。したがって、超音波入射方向に左右
されずに、安定した検出精度を得ることが可能な探傷方
法が求められており、本発明者は、幾つかの試験結果を
基にして、特定条件の下においてこのような安定した検
出精度を得られる探傷方法を提案している。以下に、こ
れを詳述する。
ス鋳物の組織の結晶成長方向と超音波入射方向とのなす
角度によって反射波の受信波形の様子が非常に異なって
おり、この受信波形の状態が内部欠陥検出精度の良否に
影響を与えている。したがって、超音波入射方向に左右
されずに、安定した検出精度を得ることが可能な探傷方
法が求められており、本発明者は、幾つかの試験結果を
基にして、特定条件の下においてこのような安定した検
出精度を得られる探傷方法を提案している。以下に、こ
れを詳述する。
【0023】本発明者は、上記のようなオーステナイト
系ステンレス鋳物の組織の結晶成長方向と超音波入射方
向と内部欠陥との関連性を確認するために、一定の結晶
成長方向を有する試験片を幾つか製作した。すなわち、
図5に示すようなSCS14材のステンレス鋼の湯の鋳
入方向14によって、一定の結晶成長方向を有する供試
材10を作り、この供試材10から、上記鋳入方向14
に対して直交する2面と鋳入方向14に平行な4面とを
有する立方体状の試験片11を製作した。この試験片1
1において、鋳入方向14に対して直交する面の一つを
面P、又鋳入方向14に平行な面の内、互いに直交し、
かつ面Pに直交する面をそれぞれ面Q、面Rと呼ぶ。こ
こで、試験片11の一辺の長さは70mmである。この試
験片11の面P、面Q及び面Rのそれぞれを探傷面にし
て前述の探触子1を接続し、このときの反射波の受信波
形を観測した。面Pを探傷面とした場合は前述の図4で
示したような林状エコーが発生した波形となり、底面エ
コーである波形Bの観測が困難であった。又、面Qを探
傷面とした場合は図3で示したような鮮明な底面エコー
の確認ができ、このときの林状エコーは非常に小さい
(大きくても受信レベルが20%以下)状態であった。
更に、面Rを探傷面とした場合は上記のQ面探傷に比べ
て20%程度の林状エコーが観測されたものの、底面エ
コーが鮮明であり、確認が容易にできた。
系ステンレス鋳物の組織の結晶成長方向と超音波入射方
向と内部欠陥との関連性を確認するために、一定の結晶
成長方向を有する試験片を幾つか製作した。すなわち、
図5に示すようなSCS14材のステンレス鋼の湯の鋳
入方向14によって、一定の結晶成長方向を有する供試
材10を作り、この供試材10から、上記鋳入方向14
に対して直交する2面と鋳入方向14に平行な4面とを
有する立方体状の試験片11を製作した。この試験片1
1において、鋳入方向14に対して直交する面の一つを
面P、又鋳入方向14に平行な面の内、互いに直交し、
かつ面Pに直交する面をそれぞれ面Q、面Rと呼ぶ。こ
こで、試験片11の一辺の長さは70mmである。この試
験片11の面P、面Q及び面Rのそれぞれを探傷面にし
て前述の探触子1を接続し、このときの反射波の受信波
形を観測した。面Pを探傷面とした場合は前述の図4で
示したような林状エコーが発生した波形となり、底面エ
コーである波形Bの観測が困難であった。又、面Qを探
傷面とした場合は図3で示したような鮮明な底面エコー
の確認ができ、このときの林状エコーは非常に小さい
(大きくても受信レベルが20%以下)状態であった。
更に、面Rを探傷面とした場合は上記のQ面探傷に比べ
て20%程度の林状エコーが観測されたものの、底面エ
コーが鮮明であり、確認が容易にできた。
【0024】これらのことから、湯の鋳入方向によって
試験片11の結晶粒界の方向が異なり、この結晶粒界の
方向性の差によって超音波の透過度が異なることが判明
した。一般的に、湯の鋳入方向と凝固方向は直交し、こ
の凝固方向に結晶粒が成長することは良く知られてい
る。したがって、面Q及び面Rではこの結晶成長方向が
探傷面に直交しているので、超音波入射方向は結晶成長
方向と平行となって超音波の透過度が良好となる。よっ
て、Q面探傷及びR面探傷では、70mm厚さの試験片1
1の底面エコーを鮮明に観測できるので探傷は可能であ
る。又、面Pでは上記結晶成長方向が探傷面と平行にな
るので、超音波入射方向は結晶成長方向に垂直となって
超音波の透過度にバラツキが生じている。よって、P面
探傷では、70mm厚さの試験片11においては、底面エ
コーを観測できないので探傷は不可能である。この結
果、探傷方向に関して言うと、結晶成長方向に垂直な方
向が最悪条件となることが理解できる。
試験片11の結晶粒界の方向が異なり、この結晶粒界の
方向性の差によって超音波の透過度が異なることが判明
した。一般的に、湯の鋳入方向と凝固方向は直交し、こ
の凝固方向に結晶粒が成長することは良く知られてい
る。したがって、面Q及び面Rではこの結晶成長方向が
探傷面に直交しているので、超音波入射方向は結晶成長
方向と平行となって超音波の透過度が良好となる。よっ
て、Q面探傷及びR面探傷では、70mm厚さの試験片1
1の底面エコーを鮮明に観測できるので探傷は可能であ
る。又、面Pでは上記結晶成長方向が探傷面と平行にな
るので、超音波入射方向は結晶成長方向に垂直となって
超音波の透過度にバラツキが生じている。よって、P面
探傷では、70mm厚さの試験片11においては、底面エ
コーを観測できないので探傷は不可能である。この結
果、探傷方向に関して言うと、結晶成長方向に垂直な方
向が最悪条件となることが理解できる。
【0025】そこで、本発明者は、上記最悪条件におけ
る探傷可能な距離の限界値を試験的に求めている。図6
はこの試験用の供試材の製作要領を示し、図7は、この
供試材を使用して結晶成長方向に垂直な方向に超音波を
入射した場合の、すなわち、P面探傷による探傷距離と
底面エコーの受信レベルとの関係を示している。図6に
おいて、供試材12は湯の鋳入方向14に対して直交す
る2面を有し、かつこの鋳入方向に少なくとも100mm
以上の長さを有する四角柱状の供試材である。上記鋳入
方向14に対して直交する2面の内の一方を前述同様に
面Pと呼ぶと、P面探傷は結晶成長方向に垂直な探傷方
向となる。この面Pを基準にして例えば60mm、70m
m、80mm、90mm…のように供試材12を切断し、1
0mm間隔で長さの異なる試験片を作成する。そして、こ
の各試験片のP面探傷による底面エコーの観測を行な
い、探傷可能な距離を測定した。この結果が図7に示さ
れており、同図において、横軸は探傷距離(ここでは、
底面までの距離に相当する)を表し、縦軸は出射波の信
号レベルを100%とした場合の底面エコーの受信レベ
ルを表している。同図における曲線23は、以下のよう
にして作成する。すなわち、上記の10mm間隔毎の各試
験片に対して底面エコーの受信レベルを観測し、このと
きの試験片の長さとこの受信レベルとの関係を、同図の
各探傷距離と受信レベルとの関係でプロットして作成す
る。この結果、底面エコーを鮮明に観測可能な探傷距離
の限界は60mm以内であると推定できる。よって、最悪
条件での探傷方向、すなわち、P面探傷における探傷可
能な距離の限界値は60mm以内であると判断した。逆に
言うと、60mm以内であれば、結晶成長方向が任意の場
合の探傷が可能となる。
る探傷可能な距離の限界値を試験的に求めている。図6
はこの試験用の供試材の製作要領を示し、図7は、この
供試材を使用して結晶成長方向に垂直な方向に超音波を
入射した場合の、すなわち、P面探傷による探傷距離と
底面エコーの受信レベルとの関係を示している。図6に
おいて、供試材12は湯の鋳入方向14に対して直交す
る2面を有し、かつこの鋳入方向に少なくとも100mm
以上の長さを有する四角柱状の供試材である。上記鋳入
方向14に対して直交する2面の内の一方を前述同様に
面Pと呼ぶと、P面探傷は結晶成長方向に垂直な探傷方
向となる。この面Pを基準にして例えば60mm、70m
m、80mm、90mm…のように供試材12を切断し、1
0mm間隔で長さの異なる試験片を作成する。そして、こ
の各試験片のP面探傷による底面エコーの観測を行な
い、探傷可能な距離を測定した。この結果が図7に示さ
れており、同図において、横軸は探傷距離(ここでは、
底面までの距離に相当する)を表し、縦軸は出射波の信
号レベルを100%とした場合の底面エコーの受信レベ
ルを表している。同図における曲線23は、以下のよう
にして作成する。すなわち、上記の10mm間隔毎の各試
験片に対して底面エコーの受信レベルを観測し、このと
きの試験片の長さとこの受信レベルとの関係を、同図の
各探傷距離と受信レベルとの関係でプロットして作成す
る。この結果、底面エコーを鮮明に観測可能な探傷距離
の限界は60mm以内であると推定できる。よって、最悪
条件での探傷方向、すなわち、P面探傷における探傷可
能な距離の限界値は60mm以内であると判断した。逆に
言うと、60mm以内であれば、結晶成長方向が任意の場
合の探傷が可能となる。
【0026】次に、本発明者は、上記のような60mm以
内という条件の下での検出が可能な内部欠陥の大きさの
最小値を求めている。すなわち、林状エコーとの識別が
可能な内部欠陥の大きさがどの程度かを確認するため
に、内部欠陥の大きさとその時の受信レベルと探傷距離
との関係を調べている。図8にこの関係を示しており、
同図において横軸は探傷面からの距離を表し、縦軸は出
射波の振幅の大きさに対する反射波の振幅の受信レベル
の比を表している。本発明は前述の最悪条件、すなわ
ち、P面探傷で探傷距離60mm以内の内部欠陥が検知可
能なことを前提としているが、この確認のために60mm
以内での受信レベルと同様に60mm以上での受信レベル
も測定し、この測定結果に基づいて検出可能な最小の内
部欠陥に関する図8の曲線21を作成している。したが
って、図8では、探傷距離60mm以上での受信レベルも
測定するために、鋳入方向に対して直交する方向からの
探傷(前述のQ面探傷)によって内部欠陥の受信レベル
を測定している。なお、本発明者は、60mm以内での受
信レベルに関しては、上記のP面探傷とQ面探傷とで同
様になることを確認している。
内という条件の下での検出が可能な内部欠陥の大きさの
最小値を求めている。すなわち、林状エコーとの識別が
可能な内部欠陥の大きさがどの程度かを確認するため
に、内部欠陥の大きさとその時の受信レベルと探傷距離
との関係を調べている。図8にこの関係を示しており、
同図において横軸は探傷面からの距離を表し、縦軸は出
射波の振幅の大きさに対する反射波の振幅の受信レベル
の比を表している。本発明は前述の最悪条件、すなわ
ち、P面探傷で探傷距離60mm以内の内部欠陥が検知可
能なことを前提としているが、この確認のために60mm
以内での受信レベルと同様に60mm以上での受信レベル
も測定し、この測定結果に基づいて検出可能な最小の内
部欠陥に関する図8の曲線21を作成している。したが
って、図8では、探傷距離60mm以上での受信レベルも
測定するために、鋳入方向に対して直交する方向からの
探傷(前述のQ面探傷)によって内部欠陥の受信レベル
を測定している。なお、本発明者は、60mm以内での受
信レベルに関しては、上記のP面探傷とQ面探傷とで同
様になることを確認している。
【0027】図8において、曲線21は、φ6の円形状
穴からの反射波受信レベルを探傷距離毎に表したもので
ある。又、図9はこのとき使用される試験片を示してお
り、上記のように探傷距離60mm以上での受信レベルも
測定するために、Q面探傷が可能な試験片を用いてい
る。この試験片の底面から例えばφ6等の所定の大きさ
の穴25を開け、かつ、穴25の端面と試験片の上面と
の距離が所定の探傷距離になるように加工している。こ
の試験片の上面を探傷面とし、所定の探傷距離に設けら
れたφ6等の穴25からの反射波の受信レベルを各探傷
距離毎にプロットし、各プロット点を接続して曲線21
を作成している。ここで、図8には林状エコーの受信レ
ベルも示されているが、この林状エコーの受信レベルが
所定の大きさ以上にならないように探傷測定装置の受信
感度を調整する。図8では、この林状エコーの受信レベ
ルが例えば30%以上にならないように感度が46dBに
設定されており、このとき探傷距離20mmの位置におけ
る上記φ6等の穴25からの受信レベルが80%になる
ように調整されている。このような曲線21を、例えば
φ3、4、5、6等の所定の大きさの穴毎に作成した。
なお、図8にはこの内でφ6の穴に関する曲線のみを示
している。そして、これらの曲線21に基づいて林状エ
コーと各穴25の反射波との受信レベルの差を考慮する
と、探傷距離60mm以内の穴25の有無を判定するため
には、φ6以上の面積の穴25が必要であることが判明
した。このことから、探傷距離60mm以内を探傷限界と
した場合の検出可能な内部欠陥の大きさの最小値はφ6
としている。なお、前述の欠陥評価時に使用する距離振
幅特性曲線20は、このようにして作成されたものであ
る。
穴からの反射波受信レベルを探傷距離毎に表したもので
ある。又、図9はこのとき使用される試験片を示してお
り、上記のように探傷距離60mm以上での受信レベルも
測定するために、Q面探傷が可能な試験片を用いてい
る。この試験片の底面から例えばφ6等の所定の大きさ
の穴25を開け、かつ、穴25の端面と試験片の上面と
の距離が所定の探傷距離になるように加工している。こ
の試験片の上面を探傷面とし、所定の探傷距離に設けら
れたφ6等の穴25からの反射波の受信レベルを各探傷
距離毎にプロットし、各プロット点を接続して曲線21
を作成している。ここで、図8には林状エコーの受信レ
ベルも示されているが、この林状エコーの受信レベルが
所定の大きさ以上にならないように探傷測定装置の受信
感度を調整する。図8では、この林状エコーの受信レベ
ルが例えば30%以上にならないように感度が46dBに
設定されており、このとき探傷距離20mmの位置におけ
る上記φ6等の穴25からの受信レベルが80%になる
ように調整されている。このような曲線21を、例えば
φ3、4、5、6等の所定の大きさの穴毎に作成した。
なお、図8にはこの内でφ6の穴に関する曲線のみを示
している。そして、これらの曲線21に基づいて林状エ
コーと各穴25の反射波との受信レベルの差を考慮する
と、探傷距離60mm以内の穴25の有無を判定するため
には、φ6以上の面積の穴25が必要であることが判明
した。このことから、探傷距離60mm以内を探傷限界と
した場合の検出可能な内部欠陥の大きさの最小値はφ6
としている。なお、前述の欠陥評価時に使用する距離振
幅特性曲線20は、このようにして作成されたものであ
る。
【0028】上記のような探傷方法としたので、オース
テナイト系ステンレス鋳物の探傷面の結晶成長方向に左
右されずに任意の方向から探傷可能となり、又、そのと
きの探傷限界の距離は60mm以内とすることができる。
この結果、オーステナイト系ステンレス鋳物の製品製造
時に、この製品の組織の結晶成長方向に一定の規則性を
持たせるように特別の工程管理を必要とせず、製造工程
が簡略化されて能率的になる。又、上記のような特別な
工程を省略できるので、製造コストの面でも有利とな
る。更に、実際の探傷作業時には、製品の結晶成長方向
に左右されない任意の面を探傷面にできると共に、探触
子1からの超音波入射方向を探傷面に垂直にする、いわ
ゆる垂直探傷方法を用いることが可能なので、作業性を
向上させることができる。
テナイト系ステンレス鋳物の探傷面の結晶成長方向に左
右されずに任意の方向から探傷可能となり、又、そのと
きの探傷限界の距離は60mm以内とすることができる。
この結果、オーステナイト系ステンレス鋳物の製品製造
時に、この製品の組織の結晶成長方向に一定の規則性を
持たせるように特別の工程管理を必要とせず、製造工程
が簡略化されて能率的になる。又、上記のような特別な
工程を省略できるので、製造コストの面でも有利とな
る。更に、実際の探傷作業時には、製品の結晶成長方向
に左右されない任意の面を探傷面にできると共に、探触
子1からの超音波入射方向を探傷面に垂直にする、いわ
ゆる垂直探傷方法を用いることが可能なので、作業性を
向上させることができる。
【0029】これまでの説明では、探傷対象鋼材2の探
傷限界の厚さを60mmとしているが、これに限定され
ず、例えば探傷対象鋼材2の上面2aと底面2bが平行
に構成された場合には、上面2aと底面2bとから上述
と同様の方法で探傷することにより探傷限界の厚さを1
20mmとすることが可能となる。この場合の作用及び効
果が同じになることは容易に分かる。
傷限界の厚さを60mmとしているが、これに限定され
ず、例えば探傷対象鋼材2の上面2aと底面2bが平行
に構成された場合には、上面2aと底面2bとから上述
と同様の方法で探傷することにより探傷限界の厚さを1
20mmとすることが可能となる。この場合の作用及び効
果が同じになることは容易に分かる。
【図1】本発明に係わるオーステナイト系ステンレス鋳
物の超音波探傷方法の説明図である。
物の超音波探傷方法の説明図である。
【図2】本発明に係わる超音波探傷方法の距離振幅特性
曲線図である。
曲線図である。
【図3】本発明に係わる超音波探傷方法での超音波入射
方向と結晶成長方向とが平行な場合の受信波形例を示
す。
方向と結晶成長方向とが平行な場合の受信波形例を示
す。
【図4】本発明に係わる超音波探傷方法での超音波入射
方向と結晶成長方向とが垂直な場合の受信波形例を示
す。
方向と結晶成長方向とが垂直な場合の受信波形例を示
す。
【図5】供試材製作時の湯の鋳入方向と試験片の各面と
の関連図を示す。
の関連図を示す。
【図6】最悪条件での探傷距離限界値を求める試験での
供試材製作要領を示す。
供試材製作要領を示す。
【図7】P面探傷による探傷距離と底面エコーの受信レ
ベルとの関係を示す。
ベルとの関係を示す。
【図8】内部欠陥の大きさとその受信レベルと探傷距離
との関係を示す。
との関係を示す。
【図9】図8の関係図を作成するための試験片を示す。
1 探触子 2 探傷対象鋼材 2a 上面 2b 底面 3 内部欠陥 10、12 供試材 11 試験片 14 鋳入方向 20 距離振幅特性曲線 21、23 曲線 25 穴 A 内部欠陥エコー波形 B 底面エコー波形 P 鋳入方向に直交する面 Q 鋳入方向に平行な面 R 鋳入方向に平行な面
Claims (6)
- 【請求項1】 探触子を用いて超音波をオーステナイト
系ステンレス鋳物に入射して内部欠陥(3) を探傷するオ
ーステナイト系ステンレス鋳物の超音波探傷方法におい
て、 広帯域周波数を含む縦波超音波を探傷対象物の探傷面に
対して垂直に入射させることを特徴とするオーステナイ
ト系ステンレス鋳物の超音波探傷方法。 - 【請求項2】 探触子を用いて超音波をオーステナイト
系ステンレス鋳物に入射して内部欠陥(3) を探傷するオ
ーステナイト系ステンレス鋳物の超音波探傷方法におい
て、 広帯域周波数を含む縦波超音波を探傷対象物の探傷面に
対して垂直に入射させ、この反射波の受信波形から求め
た距離振幅特性曲線図に基づいて欠陥評価し、内部欠陥
(3) の有無判定を行なうことを特徴とするオーステナイ
ト系ステンレス鋳物の超音波探傷方法。 - 【請求項3】 請求項1又は2に記載のオーステナイト
系ステンレス鋳物の超音波探傷方法において、 前記探触子の広帯域周波数は少なくとも周波数0.5〜
4MHzを含んだことを特徴とするオーステナイト系ステ
ンレス鋳物の超音波探傷方法。 - 【請求項4】 請求項1又は2に記載のオーステナイト
系ステンレス鋳物の超音波探傷方法において、 前記内部欠陥(3) の探傷可能な限界距離は探傷面から少
なくとも60mm以内としたことを特徴とするオーステナ
イト系ステンレス鋳物の超音波探傷方法。 - 【請求項5】 請求項1又は2に記載のオーステナイト
系ステンレス鋳物の超音波探傷方法において、 前記探傷対象物の上面(2a)と底面(2b)が平行な場合に
は、かつ、前記内部欠陥(3) の探傷可能な限界距離は少
なくとも120mm以内としたことを特徴とするオーステ
ナイト系ステンレス鋳物の超音波探傷方法。 - 【請求項6】 請求項2に記載のオーステナイト系ステ
ンレス鋳物の超音波探傷方法において、 前記欠陥評価での内部欠陥(3) の有無判定は、感度46
dBで、内部欠陥(3) の大きさがφ6のときに所定探傷距
離での受信レベルを80%とした前記距離振幅特性曲線
図に基づいて判定することを特徴とするオーステナイト
系ステンレス鋳物の超音波探傷方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8147932A JPH09304363A (ja) | 1996-05-17 | 1996-05-17 | オーステナイト系ステンレス鋳物の超音波探傷方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8147932A JPH09304363A (ja) | 1996-05-17 | 1996-05-17 | オーステナイト系ステンレス鋳物の超音波探傷方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09304363A true JPH09304363A (ja) | 1997-11-28 |
Family
ID=15441335
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8147932A Pending JPH09304363A (ja) | 1996-05-17 | 1996-05-17 | オーステナイト系ステンレス鋳物の超音波探傷方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09304363A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001318085A (ja) * | 2000-05-08 | 2001-11-16 | Daido Steel Co Ltd | 肉盛管の検査方法 |
JP4686648B1 (ja) * | 2010-09-02 | 2011-05-25 | 株式会社日立製作所 | 超音波検査方法 |
JP2012053027A (ja) * | 2010-11-30 | 2012-03-15 | Hitachi Ltd | 超音波検査方法 |
JP2012053026A (ja) * | 2010-11-30 | 2012-03-15 | Hitachi Ltd | 超音波検査方法 |
CN103543201A (zh) * | 2013-10-17 | 2014-01-29 | 清华大学 | 轴类零件径向超声自动探伤缺陷识别方法 |
CN104777225A (zh) * | 2015-04-30 | 2015-07-15 | 南京迪威尔高端制造股份有限公司 | 一种钢锭内部缺陷的超声波a扫描识别方法 |
CN114674922A (zh) * | 2022-03-07 | 2022-06-28 | 江苏联峰能源装备有限公司 | 一种大规格连铸圆坯的超声波检测低倍评估方法 |
-
1996
- 1996-05-17 JP JP8147932A patent/JPH09304363A/ja active Pending
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN114674922A (zh) * | 2022-03-07 | 2022-06-28 | 江苏联峰能源装备有限公司 | 一种大规格连铸圆坯的超声波检测低倍评估方法 |
CN114674922B (zh) * | 2022-03-07 | 2024-04-30 | 江苏联峰能源装备有限公司 | 一种大规格连铸圆坯的超声波检测低倍评估方法 |
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