JPH09301710A - 低酸素ケイ素造粒物及びその製造方法並びに窒化ケイ素の製造方法 - Google Patents
低酸素ケイ素造粒物及びその製造方法並びに窒化ケイ素の製造方法Info
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- JPH09301710A JPH09301710A JP8142285A JP14228596A JPH09301710A JP H09301710 A JPH09301710 A JP H09301710A JP 8142285 A JP8142285 A JP 8142285A JP 14228596 A JP14228596 A JP 14228596A JP H09301710 A JPH09301710 A JP H09301710A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 直接窒化法によりα型の比率が高い窒化ケイ
素を効率良く生産することができ、直接窒化法の原料と
して好適な低酸素ケイ素造粒物及びその製造方法並びに
この低酸素ケイ素造粒物を用いた窒化ケイ素の製造方法
を開発する。 【解決手段】 平均粒径4〜10μmのケイ素粉末に該
ケイ素粉末に対して0.3〜3重量%の有機バインダー
を添加して混合、造粒した後、得られた造粒物を窒素を
除いた不活性ガスの流通下、1320〜1400℃の温
度で0.5〜5時間加熱処理することにより、比表面積
が0.5m2/g以上、酸素含有量が0.4重量%以
下、炭素含有量が1重量%未満である低酸素ケイ素造粒
物を得る。上記低酸素ケイ素造粒物を水素を含有する窒
素雰囲気にて窒化して窒化ケイ素を製造する。
素を効率良く生産することができ、直接窒化法の原料と
して好適な低酸素ケイ素造粒物及びその製造方法並びに
この低酸素ケイ素造粒物を用いた窒化ケイ素の製造方法
を開発する。 【解決手段】 平均粒径4〜10μmのケイ素粉末に該
ケイ素粉末に対して0.3〜3重量%の有機バインダー
を添加して混合、造粒した後、得られた造粒物を窒素を
除いた不活性ガスの流通下、1320〜1400℃の温
度で0.5〜5時間加熱処理することにより、比表面積
が0.5m2/g以上、酸素含有量が0.4重量%以
下、炭素含有量が1重量%未満である低酸素ケイ素造粒
物を得る。上記低酸素ケイ素造粒物を水素を含有する窒
素雰囲気にて窒化して窒化ケイ素を製造する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、直接窒化法により
α型の比率の高い窒化ケイ素を効率良く生産することが
でき、このため直接窒化法による窒化ケイ素の製造原料
として好適に使用することができる低酸素ケイ素造粒物
及びその製造方法並びにこの低酸素ケイ素造粒物を用い
た窒化ケイ素の製造方法に関する。
α型の比率の高い窒化ケイ素を効率良く生産することが
でき、このため直接窒化法による窒化ケイ素の製造原料
として好適に使用することができる低酸素ケイ素造粒物
及びその製造方法並びにこの低酸素ケイ素造粒物を用い
た窒化ケイ素の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】窒化ケ
イ素は、その優れた耐熱性、耐衝撃性、機械的強度等の
特性が注目されており、この製品化の際には、これら特
性を損なわずに焼結して各種形状に成形する必要があ
る。この場合、窒化ケイ素には、結晶型としてα型とβ
型があり、このうちβ型は焼結性がα型より劣るとされ
ていることから、窒化ケイ素の特性を損なわずに焼結す
るにはできるだけα型の比率が高いことが望まれる。
イ素は、その優れた耐熱性、耐衝撃性、機械的強度等の
特性が注目されており、この製品化の際には、これら特
性を損なわずに焼結して各種形状に成形する必要があ
る。この場合、窒化ケイ素には、結晶型としてα型とβ
型があり、このうちβ型は焼結性がα型より劣るとされ
ていることから、窒化ケイ素の特性を損なわずに焼結す
るにはできるだけα型の比率が高いことが望まれる。
【0003】上記窒化ケイ素粉末の製造方法としては、
金属ケイ素の直接窒化法、シリカ還元法、イミドの熱分
解法が知られている。この場合、α型窒化ケイ素を得る
には、これら方法の中でもシリカ還元法、イミドの熱分
解法が好適であると言われているが、これら両方法は、
いずれも量産には適さないという難点がある。
金属ケイ素の直接窒化法、シリカ還元法、イミドの熱分
解法が知られている。この場合、α型窒化ケイ素を得る
には、これら方法の中でもシリカ還元法、イミドの熱分
解法が好適であると言われているが、これら両方法は、
いずれも量産には適さないという難点がある。
【0004】一方、金属ケイ素の直接窒化法は、量産に
適しているが、金属ケイ素粉末をトレイに仕込み静置し
たまま窒化を行うか、ブロック形状で静置したまま窒化
を行うので、蓄熱し易く、しかも窒化ケイ素1モル当た
り176kcalという大きな反応熱が伴われるので、
反応が高温になり、高温安定型で、高温になるほど生成
し易いβ型窒化ケイ素の割合が多くなる上、反応炉の温
度上昇や反応炉内の温度のバラツキによりα化率にバラ
ツキが生じるという問題がある。
適しているが、金属ケイ素粉末をトレイに仕込み静置し
たまま窒化を行うか、ブロック形状で静置したまま窒化
を行うので、蓄熱し易く、しかも窒化ケイ素1モル当た
り176kcalという大きな反応熱が伴われるので、
反応が高温になり、高温安定型で、高温になるほど生成
し易いβ型窒化ケイ素の割合が多くなる上、反応炉の温
度上昇や反応炉内の温度のバラツキによりα化率にバラ
ツキが生じるという問題がある。
【0005】このため、窒化ケイ素の製造方法として、
反応炉としてトンネル式連続炉を用いる方法が提案され
ている(特開昭58−88107号公報参照)。しか
し、この方法は、炉内の温度分布を十分にコントロール
することが難しく、α型窒化ケイ素の含有率のバラツキ
に関する問題点を十分に改善することができないもので
あった。
反応炉としてトンネル式連続炉を用いる方法が提案され
ている(特開昭58−88107号公報参照)。しか
し、この方法は、炉内の温度分布を十分にコントロール
することが難しく、α型窒化ケイ素の含有率のバラツキ
に関する問題点を十分に改善することができないもので
あった。
【0006】そこで、α型の比率の高い窒化ケイ素をバ
ラツキを少なく、効率的に生産するために流動層反応炉
又はロータリーキルン炉のような回転炉を用いる方法が
検討されているが、この方法では、10μm以下の金属
ケイ素粉末が反応炉内に付着するために安定運転が不可
能になるという不利があった。
ラツキを少なく、効率的に生産するために流動層反応炉
又はロータリーキルン炉のような回転炉を用いる方法が
検討されているが、この方法では、10μm以下の金属
ケイ素粉末が反応炉内に付着するために安定運転が不可
能になるという不利があった。
【0007】更に、この金属ケイ素粉末の直接窒化にお
いては、金属ケイ素粉末を有機バインダーで造粒するこ
とも行われている。しかしながら、この場合は有機バイ
ンダーが造粒物内に残留したり、造粒物が破壊されるの
で、事前に仮焼して流動性のよい造粒物とする必要があ
るが、造粒物中の酸素含有量が多いと管内閉塞の原因と
なる上、仮焼すると微粉状金属ケイ素の融解で比表面積
が小さくなり、結果として流動性はよいが、反応性の悪
い造粒物となってしまうという問題点があった。
いては、金属ケイ素粉末を有機バインダーで造粒するこ
とも行われている。しかしながら、この場合は有機バイ
ンダーが造粒物内に残留したり、造粒物が破壊されるの
で、事前に仮焼して流動性のよい造粒物とする必要があ
るが、造粒物中の酸素含有量が多いと管内閉塞の原因と
なる上、仮焼すると微粉状金属ケイ素の融解で比表面積
が小さくなり、結果として流動性はよいが、反応性の悪
い造粒物となってしまうという問題点があった。
【0008】従って、これら問題が生じることなく高品
質の窒化ケイ素を得ることができる技術の開発が望まれ
る。
質の窒化ケイ素を得ることができる技術の開発が望まれ
る。
【0009】本発明は、上記事情に鑑みなされたもの
で、直接窒化法によりα型の比率が高い窒化ケイ素を効
率良く生産することができ、このため直接窒化法による
窒化ケイ素の製造原料として好適な低酸素ケイ素造粒物
及びその製造方法並びにこの低酸素ケイ素造粒物を用い
た窒化ケイ素の製造方法を提供することを目的とする。
で、直接窒化法によりα型の比率が高い窒化ケイ素を効
率良く生産することができ、このため直接窒化法による
窒化ケイ素の製造原料として好適な低酸素ケイ素造粒物
及びその製造方法並びにこの低酸素ケイ素造粒物を用い
た窒化ケイ素の製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結
果、平均粒子径が4〜10μmのケイ素粉末に対して
0.5〜3重量%の有機バインダーを添加して混合、造
粒した後、得られた造粒物を1320〜1400℃の温
度で0.5〜5時間、窒素を除いた不活性ガスを流しつ
つ加熱処理することにより、比表面積が0.5m2/g
以上、酸素含有量が0.4重量%以下、炭素含有量が1
重量%未満である低酸素ケイ素造粒物を得ることがで
き、この低酸素ケイ素造粒物を流動層反応炉、回転炉等
を使用して水素を含有する窒素雰囲気にて直接窒化する
ことにより、ケイ素粉末の反応炉内への付着、管内閉塞
等が生じることがなく、α型比率の高い高品質の窒化ケ
イ素を効率良く安定的に製造することができること、そ
れ故、上記特性を有する低酸素ケイ素造粒物は、直接窒
化による窒化ケイ素の原料として好適に使用し得ること
を知見し、本発明をなすに至った。
発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結
果、平均粒子径が4〜10μmのケイ素粉末に対して
0.5〜3重量%の有機バインダーを添加して混合、造
粒した後、得られた造粒物を1320〜1400℃の温
度で0.5〜5時間、窒素を除いた不活性ガスを流しつ
つ加熱処理することにより、比表面積が0.5m2/g
以上、酸素含有量が0.4重量%以下、炭素含有量が1
重量%未満である低酸素ケイ素造粒物を得ることがで
き、この低酸素ケイ素造粒物を流動層反応炉、回転炉等
を使用して水素を含有する窒素雰囲気にて直接窒化する
ことにより、ケイ素粉末の反応炉内への付着、管内閉塞
等が生じることがなく、α型比率の高い高品質の窒化ケ
イ素を効率良く安定的に製造することができること、そ
れ故、上記特性を有する低酸素ケイ素造粒物は、直接窒
化による窒化ケイ素の原料として好適に使用し得ること
を知見し、本発明をなすに至った。
【0011】従って、本発明は、(1)比表面積が0.
5m2/g以上、酸素含有量が0.4重量%以下、炭素
含有量が1重量%未満であることを特徴とする低酸素ケ
イ素造粒物、(2)平均粒径4〜10μmのケイ素粉末
に該ケイ素粉末に対して0.3〜3重量%の有機バイン
ダーを添加して混合、造粒した後、得られた造粒物を1
320〜1400℃の温度で窒素を除いた不活性ガスの
流通下、0.5〜5時間加熱処理することを特徴とする
上記低酸素ケイ素造粒物の製造方法、及び(3)上記低
酸素ケイ素造粒物を水素を含有する窒素雰囲気にて窒化
することを特徴とする窒化ケイ素の製造方法を提供す
る。
5m2/g以上、酸素含有量が0.4重量%以下、炭素
含有量が1重量%未満であることを特徴とする低酸素ケ
イ素造粒物、(2)平均粒径4〜10μmのケイ素粉末
に該ケイ素粉末に対して0.3〜3重量%の有機バイン
ダーを添加して混合、造粒した後、得られた造粒物を1
320〜1400℃の温度で窒素を除いた不活性ガスの
流通下、0.5〜5時間加熱処理することを特徴とする
上記低酸素ケイ素造粒物の製造方法、及び(3)上記低
酸素ケイ素造粒物を水素を含有する窒素雰囲気にて窒化
することを特徴とする窒化ケイ素の製造方法を提供す
る。
【0012】以下、本発明につき更に詳細に説明する
と、本発明の低酸素ケイ素造粒物は、前記したように比
表面積が0.5m2/g以上、好ましくは0.5〜3m2
/g、更に好ましくは0.5〜2m2/gであり、酸素
含有量が0.4重量%以下、好ましくは0.3重量%以
下、更に好ましくは0.2重量%以下であり、炭素含有
量が1重量%未満、好ましくは0.5重量%以下、更に
好ましくは0.4重量%以下のものである。
と、本発明の低酸素ケイ素造粒物は、前記したように比
表面積が0.5m2/g以上、好ましくは0.5〜3m2
/g、更に好ましくは0.5〜2m2/gであり、酸素
含有量が0.4重量%以下、好ましくは0.3重量%以
下、更に好ましくは0.2重量%以下であり、炭素含有
量が1重量%未満、好ましくは0.5重量%以下、更に
好ましくは0.4重量%以下のものである。
【0013】ここで、低酸素ケイ素造粒物の比表面積が
0.5m2/g未満では、造粒物の管内付着が無く、流
動性は良好であるが、反応性が悪くなり、収率及び製品
品質等に問題が生じる。酸素含有量が0.4重量%を超
えると反応性が悪くなるだけでなく、管内付着が著しく
なり、管内閉塞のため流動が不可能となる。炭素含有量
が1重量%以上では反応性が悪くなるだけでなく、製品
品質に悪影響を及ぼす。
0.5m2/g未満では、造粒物の管内付着が無く、流
動性は良好であるが、反応性が悪くなり、収率及び製品
品質等に問題が生じる。酸素含有量が0.4重量%を超
えると反応性が悪くなるだけでなく、管内付着が著しく
なり、管内閉塞のため流動が不可能となる。炭素含有量
が1重量%以上では反応性が悪くなるだけでなく、製品
品質に悪影響を及ぼす。
【0014】上記低酸素ケイ素造粒物は、金属ケイ素を
有機バインダーを用いて造粒し、窒素を除く不活性ガス
中で特定条件で加熱処理して脱酸素することにより製造
することができる。
有機バインダーを用いて造粒し、窒素を除く不活性ガス
中で特定条件で加熱処理して脱酸素することにより製造
することができる。
【0015】ここで、使用される金属ケイ素粉末として
は、純度が98%以上、特に酸素含有量が0.2〜2重
量%、特に0.5〜1.5重量%のものが好適である。
は、純度が98%以上、特に酸素含有量が0.2〜2重
量%、特に0.5〜1.5重量%のものが好適である。
【0016】また、上記金属ケイ素粉末は、平均粒子径
が4〜10μm、好ましくは4〜6μmである必要があ
る。平均粒子径が4μm未満では微粉とするときの粉砕
コストが高くなり、10μmを超えると難反応性とな
り、造粒も難しくなる。
が4〜10μm、好ましくは4〜6μmである必要があ
る。平均粒子径が4μm未満では微粉とするときの粉砕
コストが高くなり、10μmを超えると難反応性とな
り、造粒も難しくなる。
【0017】上記製造方法においては、造粒時に金属ケ
イ素粉末に有機バインダーを添加、混合する。この場
合、有機バインダーとしては、例えばポリビニルアルコ
ール(以下PVAと略す)、ポリブチルアルコール等の
アルコール系やアクリル系樹脂などを水溶液(濃度は好
ましくは5〜30重量%、より好ましくは10重量%程
度)として使用することが好ましい。
イ素粉末に有機バインダーを添加、混合する。この場
合、有機バインダーとしては、例えばポリビニルアルコ
ール(以下PVAと略す)、ポリブチルアルコール等の
アルコール系やアクリル系樹脂などを水溶液(濃度は好
ましくは5〜30重量%、より好ましくは10重量%程
度)として使用することが好ましい。
【0018】更に、上記有機バインダーの使用量は、金
属ケイ素粉末に対して0.5〜3重量%、好ましくは1
〜2重量%の範囲とするもので、有機バインダーの添加
量が0.5重量%未満では造粒時に造粒不可能になるば
かりでなく、造粒されたとしても窒化時に壊れて管内付
着の原因になり、3重量%を超えると造粒時に造粒物の
高密度化が生じ、脱酸素化が起こり難くなる。
属ケイ素粉末に対して0.5〜3重量%、好ましくは1
〜2重量%の範囲とするもので、有機バインダーの添加
量が0.5重量%未満では造粒時に造粒不可能になるば
かりでなく、造粒されたとしても窒化時に壊れて管内付
着の原因になり、3重量%を超えると造粒時に造粒物の
高密度化が生じ、脱酸素化が起こり難くなる。
【0019】上記方法では、金属ケイ素粉末と有機バイ
ンダーとをシェルミキサーなどで数分間混合した後、こ
れを押し出し式や攪拌式の造粒機又はスプレードライヤ
ーで造粒し、乾燥すればよいが、この乾燥は通風下に1
00〜150℃で10〜20時間程度行えばよい。
ンダーとをシェルミキサーなどで数分間混合した後、こ
れを押し出し式や攪拌式の造粒機又はスプレードライヤ
ーで造粒し、乾燥すればよいが、この乾燥は通風下に1
00〜150℃で10〜20時間程度行えばよい。
【0020】次に、このようにして得られる金属ケイ素
造粒物は、通常酸素含有量が0.6重量%以上のもので
あるので、窒素を除く不活性雰囲気中、加熱処理するこ
とによって脱酸素して低酸素ケイ素造粒物とする。
造粒物は、通常酸素含有量が0.6重量%以上のもので
あるので、窒素を除く不活性雰囲気中、加熱処理するこ
とによって脱酸素して低酸素ケイ素造粒物とする。
【0021】この場合、不活性ガス雰囲気は、窒素が含
有されていると金属ケイ素造粒物が窒化されてしまうの
で、窒素を除いた不活性ガス雰囲気、具体的にはヘリウ
ム、アルゴンガス雰囲気などとする。
有されていると金属ケイ素造粒物が窒化されてしまうの
で、窒素を除いた不活性ガス雰囲気、具体的にはヘリウ
ム、アルゴンガス雰囲気などとする。
【0022】また、上記加熱処理は、通常加熱炉を用い
て行われ、加熱炉には特に制限はないが、例えばボック
ス炉タイプ、トンネル炉タイプ、回転炉タイプ等のもの
が好適である。
て行われ、加熱炉には特に制限はないが、例えばボック
ス炉タイプ、トンネル炉タイプ、回転炉タイプ等のもの
が好適である。
【0023】上記脱酸素反応における加熱条件は、13
20℃〜1400℃、好ましくは1350〜1380℃
で0.5〜5時間、好ましくは1〜3時間とする。加熱
時間が1320℃未満では、得られる造粒物中の酸素含
有量が0.4重量%以上、炭素含有量も1重量%以上の
ものとなって、流動性に悪影響を及ぼすだけでなく、反
応性にも影響を及ぼすようになり、1400℃を超える
温度領域では比表面積が0.5m2/g未満となり、反
応性に悪影響を及ぼしてしまう。また、加熱時間が0.
5時間未満では、脱酸素と微粉発生率に悪影響が生じ、
5時間を超えると比表面積に悪影響が生じる。
20℃〜1400℃、好ましくは1350〜1380℃
で0.5〜5時間、好ましくは1〜3時間とする。加熱
時間が1320℃未満では、得られる造粒物中の酸素含
有量が0.4重量%以上、炭素含有量も1重量%以上の
ものとなって、流動性に悪影響を及ぼすだけでなく、反
応性にも影響を及ぼすようになり、1400℃を超える
温度領域では比表面積が0.5m2/g未満となり、反
応性に悪影響を及ぼしてしまう。また、加熱時間が0.
5時間未満では、脱酸素と微粉発生率に悪影響が生じ、
5時間を超えると比表面積に悪影響が生じる。
【0024】なお、この脱酸素のメカニズムは、下記反
応式の通りである。 SiO2 + Si → 2SiO 即ち、加熱処理で金属ケイ素粉末粒子表面に存在する酸
素は、その界面のケイ素と上記のように反応して除去さ
れるもので、この脱酸素反応により表面酸素による反応
時造粒物の管内付着が防止でき、流動性が向上する。こ
の際、副生するSiOはガスとして系外に排出される。
応式の通りである。 SiO2 + Si → 2SiO 即ち、加熱処理で金属ケイ素粉末粒子表面に存在する酸
素は、その界面のケイ素と上記のように反応して除去さ
れるもので、この脱酸素反応により表面酸素による反応
時造粒物の管内付着が防止でき、流動性が向上する。こ
の際、副生するSiOはガスとして系外に排出される。
【0025】このような処理によって得られる造粒物
は、上述した通り、比表面積が0.5m2/g以上で、
酸素含有量が0.4重量%以下、炭素含有量が1重量%
未満のものである。なお、形状は球状又はL/D(長径
/粒子径)が10以下の円柱状であり、粒子径又は長径
が5mm以下、気孔率が30%以上のものを得ることが
できる。
は、上述した通り、比表面積が0.5m2/g以上で、
酸素含有量が0.4重量%以下、炭素含有量が1重量%
未満のものである。なお、形状は球状又はL/D(長径
/粒子径)が10以下の円柱状であり、粒子径又は長径
が5mm以下、気孔率が30%以上のものを得ることが
できる。
【0026】このような低酸素ケイ素造粒物は、これを
流動層反応炉、ロータリーキルン炉等の回転炉に仕込
み、水素を好ましくは雰囲気中5〜20容積%の範囲で
含む窒素雰囲気で1200〜1500℃で窒化反応させ
ると、その酸素含有量が0.4重量%以下、比表面積が
0.5m2/g以上であることから、これが反応管に付
着することがなく、反応性が高いので、高い窒化率で窒
化ケイ素を得ることができ、この窒化ケイ素はα型の比
率の高いものになるという有利性が与えられる。
流動層反応炉、ロータリーキルン炉等の回転炉に仕込
み、水素を好ましくは雰囲気中5〜20容積%の範囲で
含む窒素雰囲気で1200〜1500℃で窒化反応させ
ると、その酸素含有量が0.4重量%以下、比表面積が
0.5m2/g以上であることから、これが反応管に付
着することがなく、反応性が高いので、高い窒化率で窒
化ケイ素を得ることができ、この窒化ケイ素はα型の比
率の高いものになるという有利性が与えられる。
【0027】
【発明の効果】本発明の低酸素ケイ素造粒物を用いれ
ば、回転炉における窒化反応において、管内の付着がな
く、反応性が高くなり、良質の窒化ケイ素を得ることが
できる。また、本発明の低酸素ケイ素造粒物の製造方法
によれば、上記低酸素ケイ素造粒物を効率良く工業的に
有利に製造することができる。更に、上記低酸素ケイ素
造粒物を用いた本発明の窒化ケイ素の製造方法によれ
ば、高品質のα型比率の高い窒化ケイ素を簡単に製造す
ることができる。
ば、回転炉における窒化反応において、管内の付着がな
く、反応性が高くなり、良質の窒化ケイ素を得ることが
できる。また、本発明の低酸素ケイ素造粒物の製造方法
によれば、上記低酸素ケイ素造粒物を効率良く工業的に
有利に製造することができる。更に、上記低酸素ケイ素
造粒物を用いた本発明の窒化ケイ素の製造方法によれ
ば、高品質のα型比率の高い窒化ケイ素を簡単に製造す
ることができる。
【0028】
【実施例】以下、実施例及び比較例を示して本発明を具
体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるも
のではない。
体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるも
のではない。
【0029】〔実施例1〕純度が98%で平均粒子径が
5μm、酸素含有量が0.6重量%である金属ケイ素粉
末5kgと、濃度10重量%のPVA水溶液1kgとを
ヘンシェルミキサーで3分間混合し(PVA添加率はケ
イ素に対して1重量%)、押し出し造粒機で造粒した
後、窒素通風下に150℃で20時間乾燥した。
5μm、酸素含有量が0.6重量%である金属ケイ素粉
末5kgと、濃度10重量%のPVA水溶液1kgとを
ヘンシェルミキサーで3分間混合し(PVA添加率はケ
イ素に対して1重量%)、押し出し造粒機で造粒した
後、窒素通風下に150℃で20時間乾燥した。
【0030】次いで、この乾燥物100gをボックス炉
を用いて、流量が3リットル/分のアルゴン雰囲気下、
1350℃で1時間熱処理した。得られた造粒物の物性
は表1に示すとおりであった。
を用いて、流量が3リットル/分のアルゴン雰囲気下、
1350℃で1時間熱処理した。得られた造粒物の物性
は表1に示すとおりであった。
【0031】次に、このようにして作られた造粒物をア
ルミナボートに10g仕込み、管状炉中において水素を
15容積%含有する窒素の雰囲気下に1250℃で5時
間保持して窒化反応させたところ、表2に示したとおり
の結果が得られ、これにより窒化率98%で窒化ケイ素
が得られた。
ルミナボートに10g仕込み、管状炉中において水素を
15容積%含有する窒素の雰囲気下に1250℃で5時
間保持して窒化反応させたところ、表2に示したとおり
の結果が得られ、これにより窒化率98%で窒化ケイ素
が得られた。
【0032】〔実施例2,3〕実施例1におけるPVA
の添加率を2重量%(実施例2)、0.5重量%(実施
例3)とし、乾燥物の1350℃での処理時間を両者共
に3時間にする以外は実施例1と同様に処理し、ケイ素
造粒物を作製したところ、表1に示す物性を有するもの
が得られ、これら造粒物を実施例1と同じ方法で窒化さ
せたところ、表2に示したとおりの結果が得られた。
の添加率を2重量%(実施例2)、0.5重量%(実施
例3)とし、乾燥物の1350℃での処理時間を両者共
に3時間にする以外は実施例1と同様に処理し、ケイ素
造粒物を作製したところ、表1に示す物性を有するもの
が得られ、これら造粒物を実施例1と同じ方法で窒化さ
せたところ、表2に示したとおりの結果が得られた。
【0033】〔比較例1〕アルゴンガスの流通下におけ
る加熱処理温度を1250℃に変更する以外は実施例1
と同様に処理してケイ素造粒物を作製したところ、表1
に示すような物性を有するものが得られ、酸素量が0.
92重量%と高いものとなった。更に、この造粒物を実
施例1と同じ方法で窒化したところ、表2に示したとお
りの結果が得られた。
る加熱処理温度を1250℃に変更する以外は実施例1
と同様に処理してケイ素造粒物を作製したところ、表1
に示すような物性を有するものが得られ、酸素量が0.
92重量%と高いものとなった。更に、この造粒物を実
施例1と同じ方法で窒化したところ、表2に示したとお
りの結果が得られた。
【0034】〔比較例2〕PVA添加率を0.2重量%
とする以外は実施例1と同じように処理してケイ素造粒
物の作製を試みたが、この場合には造粒ができず、造粒
物を得ることができなかった。
とする以外は実施例1と同じように処理してケイ素造粒
物の作製を試みたが、この場合には造粒ができず、造粒
物を得ることができなかった。
【0035】〔比較例3〕PVA添加量を4重量%とす
る以外は実施例1と同様に処理してケイ素造粒物を作製
したところ、表1に示したとおりの結果が得られ、この
造粒物を実施例1と同じ方法で窒化させたところ、表2
に示したとおりの結果が得られた。
る以外は実施例1と同様に処理してケイ素造粒物を作製
したところ、表1に示したとおりの結果が得られ、この
造粒物を実施例1と同じ方法で窒化させたところ、表2
に示したとおりの結果が得られた。
【0036】〔比較例4〕金属ケイ素粉末を平均粒子径
が15μmで酸素含有量が0.15重量%であるものと
する以外は実施例1と同様に処理してケイ素造粒物を作
製したが、この場合には造粒物を得ることができなかっ
た。
が15μmで酸素含有量が0.15重量%であるものと
する以外は実施例1と同様に処理してケイ素造粒物を作
製したが、この場合には造粒物を得ることができなかっ
た。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福平 正憲 群馬県安中市磯部2丁目13番1号 信越化 学工業株式会社精密機能材料研究所内
Claims (3)
- 【請求項1】 比表面積が0.5m2/g以上、酸素含
有量が0.4重量%以下、炭素含有量が1重量%未満で
あることを特徴とする低酸素ケイ素造粒物。 - 【請求項2】 平均粒径4〜10μmのケイ素粉末に該
ケイ素粉末に対して0.3〜3重量%の有機バインダー
を添加して混合、造粒した後、得られた造粒物を窒素を
除いた不活性ガスの流通下、1320〜1400℃の温
度で0.5〜5時間加熱処理することを特徴とする請求
項1記載の低酸素ケイ素造粒物の製造方法。 - 【請求項3】 請求項1記載の低酸素ケイ素造粒物を水
素を含有する窒素雰囲気にて窒化することを特徴とする
窒化ケイ素の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8142285A JPH09301710A (ja) | 1996-05-13 | 1996-05-13 | 低酸素ケイ素造粒物及びその製造方法並びに窒化ケイ素の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8142285A JPH09301710A (ja) | 1996-05-13 | 1996-05-13 | 低酸素ケイ素造粒物及びその製造方法並びに窒化ケイ素の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09301710A true JPH09301710A (ja) | 1997-11-25 |
Family
ID=15311822
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8142285A Pending JPH09301710A (ja) | 1996-05-13 | 1996-05-13 | 低酸素ケイ素造粒物及びその製造方法並びに窒化ケイ素の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09301710A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN112295717A (zh) * | 2020-10-14 | 2021-02-02 | 宁波江丰电子材料股份有限公司 | 一种破碎制作高纯低氧硅粉的装置及其方法 |
CN115650183A (zh) * | 2022-10-28 | 2023-01-31 | 福建新航凯材料科技有限公司 | 一种氮化硅生产工艺及设备 |
CN117043101A (zh) * | 2021-03-19 | 2023-11-10 | 阿莫技术有限公司 | 基板制造用氮化硅粉末制备方法及由此制备的氮化硅粉末 |
-
1996
- 1996-05-13 JP JP8142285A patent/JPH09301710A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN112295717A (zh) * | 2020-10-14 | 2021-02-02 | 宁波江丰电子材料股份有限公司 | 一种破碎制作高纯低氧硅粉的装置及其方法 |
CN112295717B (zh) * | 2020-10-14 | 2022-05-03 | 宁波江丰电子材料股份有限公司 | 一种破碎制作高纯低氧硅粉的装置及其方法 |
CN117043101A (zh) * | 2021-03-19 | 2023-11-10 | 阿莫技术有限公司 | 基板制造用氮化硅粉末制备方法及由此制备的氮化硅粉末 |
CN115650183A (zh) * | 2022-10-28 | 2023-01-31 | 福建新航凯材料科技有限公司 | 一种氮化硅生产工艺及设备 |
CN115650183B (zh) * | 2022-10-28 | 2023-12-19 | 福建新航凯材料科技有限公司 | 一种氮化硅生产工艺及设备 |
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