JPH09296179A - 石炭液化方法 - Google Patents
石炭液化方法Info
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- JPH09296179A JPH09296179A JP8108319A JP10831996A JPH09296179A JP H09296179 A JPH09296179 A JP H09296179A JP 8108319 A JP8108319 A JP 8108319A JP 10831996 A JP10831996 A JP 10831996A JP H09296179 A JPH09296179 A JP H09296179A
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- Japan
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- solvent
- coal
- coal liquefaction
- hydrogenation
- liquefaction
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- Catalysts (AREA)
- Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 石炭液化により生成した液化油に水素を添加
して石炭液化用溶剤として循環使用する石炭液化プロセ
スにおいて、石炭液化用溶剤の芳香族炭素分率の変動幅
を減少させ、石炭液化反応を安定的に行う方法を提供す
る。 【解決手段】 石炭液化により生成した中質油の一部と
または全部と重質油とからなる水素化前溶剤の溶剤水素
化工程への供給量を制御することにより、溶剤水素化工
程で生成する石炭液化用溶剤中の芳香族炭素分率を安定
させることができる。
して石炭液化用溶剤として循環使用する石炭液化プロセ
スにおいて、石炭液化用溶剤の芳香族炭素分率の変動幅
を減少させ、石炭液化反応を安定的に行う方法を提供す
る。 【解決手段】 石炭液化により生成した中質油の一部と
または全部と重質油とからなる水素化前溶剤の溶剤水素
化工程への供給量を制御することにより、溶剤水素化工
程で生成する石炭液化用溶剤中の芳香族炭素分率を安定
させることができる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、石炭液化方法、更
に詳しくは石炭液化用溶剤の芳香族炭素分率を自動制御
する石炭液化方法に関するものである。
に詳しくは石炭液化用溶剤の芳香族炭素分率を自動制御
する石炭液化方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】石炭液化の原理は、石炭と溶剤を混合し
て調製したスラリーに、高温、高圧下で触媒の存在下あ
るいは非存在下において水素を添加させて水素化分解を
行い、軽質油、中質油、重質油等の液化油を製造するも
のである。その代表的な方法は、特開平7−30507
1号公報にある通り、微粉砕した石炭を石炭液化用溶
剤、石炭液化用触媒と混合してスラリー化した後、水素
存在下で高温、高圧の運転条件で液化し、得られた液化
油のうち、中質油留分の一部とまたは全部と重質油を溶
剤水素化工程で水素化処理し、得られる水素化溶剤を前
記の石炭液化用溶剤として循環使用する方法である。
て調製したスラリーに、高温、高圧下で触媒の存在下あ
るいは非存在下において水素を添加させて水素化分解を
行い、軽質油、中質油、重質油等の液化油を製造するも
のである。その代表的な方法は、特開平7−30507
1号公報にある通り、微粉砕した石炭を石炭液化用溶
剤、石炭液化用触媒と混合してスラリー化した後、水素
存在下で高温、高圧の運転条件で液化し、得られた液化
油のうち、中質油留分の一部とまたは全部と重質油を溶
剤水素化工程で水素化処理し、得られる水素化溶剤を前
記の石炭液化用溶剤として循環使用する方法である。
【0003】図1は石炭液化プロセスを表すフロー図で
ある。石炭1、石炭液化用触媒2、石炭液化用溶剤3を
混合してスラリー4を調製する。原料の石炭は、石炭液
化用として使用される亜炭、褐炭、亜瀝青炭、瀝青炭を
粒径150μm以下の割合が90重量%以上、水分2重
量%以下になるように粉砕乾燥したものである。石炭液
化用触媒には、使い捨ての鉄系触媒を石炭量に対し1.
0〜4.0重量%使用する。また、石炭スラリーは溶剤
/石炭の比が1.0〜3.0の範囲となるように調製す
る。該石炭スラリーに水素ガス5を加え、高温、高圧下
の石炭液化工程6にて石炭液化反応をする。石炭液化反
応は、温度430〜470℃、圧力150〜190kg
/cm2 Gで反応させるもので、原料石炭を油などに転
換する。
ある。石炭1、石炭液化用触媒2、石炭液化用溶剤3を
混合してスラリー4を調製する。原料の石炭は、石炭液
化用として使用される亜炭、褐炭、亜瀝青炭、瀝青炭を
粒径150μm以下の割合が90重量%以上、水分2重
量%以下になるように粉砕乾燥したものである。石炭液
化用触媒には、使い捨ての鉄系触媒を石炭量に対し1.
0〜4.0重量%使用する。また、石炭スラリーは溶剤
/石炭の比が1.0〜3.0の範囲となるように調製す
る。該石炭スラリーに水素ガス5を加え、高温、高圧下
の石炭液化工程6にて石炭液化反応をする。石炭液化反
応は、温度430〜470℃、圧力150〜190kg
/cm2 Gで反応させるもので、原料石炭を油などに転
換する。
【0004】液化生成物は、液化油蒸留工程7にて生成
ガス8、生成水9、生成油、液化残渣13に分離する。
生成油はさらに軽質油10、中質油11、重質油12に
分類する。通常、製品油として沸点260℃以下の軽質
油と中質油を得る。中質油の一部とまたは全量と重質油
を、供給ポンプ14により水素15とともに溶剤水素化
反応塔16に送り、水素添加反応を行うことにより水素
供与性を高め、石炭液化用溶剤3として循環使用する。
溶剤水素化反応塔には固定床の触媒が充填されており、
この触媒には、Ni−Mo、Ni−V、Co−Mo等の
水素添加能を持つ触媒が用いられる。溶剤水素化反応
は、温度280〜380℃、圧力50〜150kg/c
m2 Gで反応させるもので、多環芳香族化合物等を水素
化芳香族化合物に転換する。
ガス8、生成水9、生成油、液化残渣13に分離する。
生成油はさらに軽質油10、中質油11、重質油12に
分類する。通常、製品油として沸点260℃以下の軽質
油と中質油を得る。中質油の一部とまたは全量と重質油
を、供給ポンプ14により水素15とともに溶剤水素化
反応塔16に送り、水素添加反応を行うことにより水素
供与性を高め、石炭液化用溶剤3として循環使用する。
溶剤水素化反応塔には固定床の触媒が充填されており、
この触媒には、Ni−Mo、Ni−V、Co−Mo等の
水素添加能を持つ触媒が用いられる。溶剤水素化反応
は、温度280〜380℃、圧力50〜150kg/c
m2 Gで反応させるもので、多環芳香族化合物等を水素
化芳香族化合物に転換する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の方法では、溶剤
の芳香族炭素分率の目標値のみが設定されており、芳香
族炭素分率の変動に関しては考慮されていなかった。従
って、芳香族炭素分率の変動にともなう溶剤の水素供与
性の差の影響により、液化生成物の収率および性状が安
定しないという問題点があった。溶剤水素化工程におけ
る芳香族炭素分率の調整は、石炭液化反応を安定的に行
う上で重要な管理指標であり、必要不可欠である。本発
明は、石炭液化用溶剤の芳香族炭素分率の変動幅を減少
させ、石炭液化反応を安定的に行うことを目的としてい
る。
の芳香族炭素分率の目標値のみが設定されており、芳香
族炭素分率の変動に関しては考慮されていなかった。従
って、芳香族炭素分率の変動にともなう溶剤の水素供与
性の差の影響により、液化生成物の収率および性状が安
定しないという問題点があった。溶剤水素化工程におけ
る芳香族炭素分率の調整は、石炭液化反応を安定的に行
う上で重要な管理指標であり、必要不可欠である。本発
明は、石炭液化用溶剤の芳香族炭素分率の変動幅を減少
させ、石炭液化反応を安定的に行うことを目的としてい
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に安定的な石炭液化用溶剤の芳香族炭素分率を自動制御
する方法について研究した結果、溶剤水素化反応塔へ供
給する原料となる油の供給量を制御することによって、
石炭液化用溶剤の芳香族炭素分率の変動を大幅に減少で
きることを見いだした。すなわち、第1工程として、石
炭、石炭液化用溶剤、および石炭液化用触媒を混合して
スラリー化し、石炭スラリーを調製する調製工程、第2
工程として、第1工程で得られた石炭スラリーを水素の
存在下で加熱かつ加圧し、熱分解および水素化分解反応
により液化油を生成させる石炭液化工程、第3工程とし
て、第2工程で得られた液化油を常圧および減圧条件下
で蒸留し、各種製品油と液化残渣とに分離する液化油蒸
留工程、並びに、第4工程として、第3工程で得られた
中質油の一部とまたは全部と重質油を水素の存在下で加
熱かつ加圧し、溶剤水素化用触媒を用いて水素添加し、
石炭液化用溶剤を生成させる溶剤水素化工程、の4工程
からなり、第4工程で得られた石炭液化用溶剤を第1工
程に循環使用する石炭液化プロセスによって石炭を液化
する方法において、溶剤水素化工程で生成する石炭液化
用溶剤の芳香族炭素分率(fa)が一定になるように、
中質油の一部とまたは全部と重質油とからなる水素化前
溶剤の溶剤水素化工程への供給量を制御することを特徴
とする石炭液化方法であり、水素化前溶剤のfaが目標
値よりも大きいときには溶剤水素化工程供給量を下げ、
faが目標値よりも小さいときには溶剤水素化工程供給
量を上げることによって調整する方法である。特に、溶
剤水素化工程供給量の制御を溶剤水素化反応塔への入り
側に設けた供給ポンプの出力を調整することによって行
うものである。
に安定的な石炭液化用溶剤の芳香族炭素分率を自動制御
する方法について研究した結果、溶剤水素化反応塔へ供
給する原料となる油の供給量を制御することによって、
石炭液化用溶剤の芳香族炭素分率の変動を大幅に減少で
きることを見いだした。すなわち、第1工程として、石
炭、石炭液化用溶剤、および石炭液化用触媒を混合して
スラリー化し、石炭スラリーを調製する調製工程、第2
工程として、第1工程で得られた石炭スラリーを水素の
存在下で加熱かつ加圧し、熱分解および水素化分解反応
により液化油を生成させる石炭液化工程、第3工程とし
て、第2工程で得られた液化油を常圧および減圧条件下
で蒸留し、各種製品油と液化残渣とに分離する液化油蒸
留工程、並びに、第4工程として、第3工程で得られた
中質油の一部とまたは全部と重質油を水素の存在下で加
熱かつ加圧し、溶剤水素化用触媒を用いて水素添加し、
石炭液化用溶剤を生成させる溶剤水素化工程、の4工程
からなり、第4工程で得られた石炭液化用溶剤を第1工
程に循環使用する石炭液化プロセスによって石炭を液化
する方法において、溶剤水素化工程で生成する石炭液化
用溶剤の芳香族炭素分率(fa)が一定になるように、
中質油の一部とまたは全部と重質油とからなる水素化前
溶剤の溶剤水素化工程への供給量を制御することを特徴
とする石炭液化方法であり、水素化前溶剤のfaが目標
値よりも大きいときには溶剤水素化工程供給量を下げ、
faが目標値よりも小さいときには溶剤水素化工程供給
量を上げることによって調整する方法である。特に、溶
剤水素化工程供給量の制御を溶剤水素化反応塔への入り
側に設けた供給ポンプの出力を調整することによって行
うものである。
【0007】
【発明の実施の形態】石炭液化反応とは、石炭に熱を加
えることにより石炭を構成している各縮合芳香環同士の
結合を切断する熱分解と、結合を切断された部位と水素
を反応させる水素化分解とにより芳香環(ベンゼン環)
が1〜4個の縮合芳香環にまで分解し、液体とするもの
であり、石炭から常温〜538℃の留分をもつ油が得ら
れる。結合を切断された部位と水素を反応させる水素化
分解においては、反応塔内の気相の水素に加えて溶剤が
保有している水素も反応に用いられる。このため、溶剤
水素化工程において溶剤に水素を添加し、石炭液化反応
における水素化分解反応に用いられる溶剤中の水素量を
高め、水素化分解反応を効率的に進めることを考慮して
いる。
えることにより石炭を構成している各縮合芳香環同士の
結合を切断する熱分解と、結合を切断された部位と水素
を反応させる水素化分解とにより芳香環(ベンゼン環)
が1〜4個の縮合芳香環にまで分解し、液体とするもの
であり、石炭から常温〜538℃の留分をもつ油が得ら
れる。結合を切断された部位と水素を反応させる水素化
分解においては、反応塔内の気相の水素に加えて溶剤が
保有している水素も反応に用いられる。このため、溶剤
水素化工程において溶剤に水素を添加し、石炭液化反応
における水素化分解反応に用いられる溶剤中の水素量を
高め、水素化分解反応を効率的に進めることを考慮して
いる。
【0008】すなわち、石炭液化用溶剤中には多くの水
素が含まれているが、この全量が水素化分解反応に供与
されるわけではなく、例えば芳香族水素はほとんどこの
反応には供与されない。この反応に供与される水素とし
ては例えばナフテン型構造をしたものがある。水素供与
性の低い溶剤を使用した場合には、水素化分解反応が低
下し、液化油収率が減少する。逆に、水素供与性の高い
溶剤を使用した場合には、水素化分解反応が向上し、液
化油収率が増加する。発明者らは、溶剤の水素供与性を
表す指標として芳香族炭素分率(fa)を用いており、
この値が変動することにより液化油収率をはじめ、操業
の安定性が低下する。
素が含まれているが、この全量が水素化分解反応に供与
されるわけではなく、例えば芳香族水素はほとんどこの
反応には供与されない。この反応に供与される水素とし
ては例えばナフテン型構造をしたものがある。水素供与
性の低い溶剤を使用した場合には、水素化分解反応が低
下し、液化油収率が減少する。逆に、水素供与性の高い
溶剤を使用した場合には、水素化分解反応が向上し、液
化油収率が増加する。発明者らは、溶剤の水素供与性を
表す指標として芳香族炭素分率(fa)を用いており、
この値が変動することにより液化油収率をはじめ、操業
の安定性が低下する。
【0009】溶剤水素化反応工程における溶剤水素化反
応は、溶剤水素化工程に供給する中質油の一部とまたは
全部と重質油とからなる水素化前溶剤中の多環芳香族化
合物等を水素供与性を有する水素化芳香族化合物に転換
するもので、溶剤が水素と共に触媒部を通過することに
より進行する。図2に示すように溶剤水素化工程に供給
する水素化前溶剤の供給量と水素化前後におけるfaの
差には非常に良好な関係がある。さらに、水素化前溶剤
のfaは、図3、図4に示すように比重および屈折率と
非常に良好な相関があり、供給ポンプの前に取り付けら
れたオンライン計の比重計または屈折率計の測定値より
各時点での水素化前溶剤のfaを求めることができ、水
素化前溶剤のfaの変動はオンライン計の比重計または
屈折率計の測定値より即時に得ることができる。この水
素化前溶剤のfaの変動は石炭液化用溶剤のfaの変動
に直結する。
応は、溶剤水素化工程に供給する中質油の一部とまたは
全部と重質油とからなる水素化前溶剤中の多環芳香族化
合物等を水素供与性を有する水素化芳香族化合物に転換
するもので、溶剤が水素と共に触媒部を通過することに
より進行する。図2に示すように溶剤水素化工程に供給
する水素化前溶剤の供給量と水素化前後におけるfaの
差には非常に良好な関係がある。さらに、水素化前溶剤
のfaは、図3、図4に示すように比重および屈折率と
非常に良好な相関があり、供給ポンプの前に取り付けら
れたオンライン計の比重計または屈折率計の測定値より
各時点での水素化前溶剤のfaを求めることができ、水
素化前溶剤のfaの変動はオンライン計の比重計または
屈折率計の測定値より即時に得ることができる。この水
素化前溶剤のfaの変動は石炭液化用溶剤のfaの変動
に直結する。
【0010】そこで、水素化前溶剤のfaが上昇した場
合には、石炭液化用溶剤のfaが目標値よりも上昇する
ため、溶剤水素化工程に供給する水素化前溶剤の供給量
を下げる。その結果、水素化前後におけるfaの差が大
きくなり、石炭液化用溶剤のfaが目標値に達する。逆
に、水素化前溶剤のfaが低下した場合には、石炭液化
用溶剤のfaが目標値よりも低下するため、溶剤水素化
工程供給量を大きくする。その結果、水素化前後におけ
るfaの差が小さくなり、石炭液化用溶剤のfaを目標
値で保つことができる。
合には、石炭液化用溶剤のfaが目標値よりも上昇する
ため、溶剤水素化工程に供給する水素化前溶剤の供給量
を下げる。その結果、水素化前後におけるfaの差が大
きくなり、石炭液化用溶剤のfaが目標値に達する。逆
に、水素化前溶剤のfaが低下した場合には、石炭液化
用溶剤のfaが目標値よりも低下するため、溶剤水素化
工程供給量を大きくする。その結果、水素化前後におけ
るfaの差が小さくなり、石炭液化用溶剤のfaを目標
値で保つことができる。
【0011】石炭液化用溶剤のfaの目標値は、例えば
溶剤の水素供与性を基準として決めることができる。溶
剤のfaが大きい場合には、供与性を持った水素の量が
少なく、水素供与性が低い。逆に、溶剤のfaが小さい
場合には、水素化芳香族化合物の安定性が高まり、水素
を供与しにくくなる。さらに、溶剤のfaを低下させる
ためにコストが必要となる。そこで、石炭液化用溶剤の
faの目標値として、水素供与性が高く、コストの低
い、0.5が多く用いられる。
溶剤の水素供与性を基準として決めることができる。溶
剤のfaが大きい場合には、供与性を持った水素の量が
少なく、水素供与性が低い。逆に、溶剤のfaが小さい
場合には、水素化芳香族化合物の安定性が高まり、水素
を供与しにくくなる。さらに、溶剤のfaを低下させる
ためにコストが必要となる。そこで、石炭液化用溶剤の
faの目標値として、水素供与性が高く、コストの低
い、0.5が多く用いられる。
【0012】
【実施例】図1のフローにしたがって、表1のA炭を用
いて石炭液化試験を実施した場合に本発明を適用した例
を図5に示す。溶剤水素化反応塔温度を340℃で一定
に保ちながら、石炭液化用溶剤のfaの目標値を0.5
0に定めて実施した。はじめに、水素化前溶剤のfaの
変動を考慮せず、溶剤水素化工程供給量を66kg/h
rに固定して実施した。この従来の方法では、水素化前
溶剤のfaの変動が拡大されてしまい、石炭液化用溶剤
のfaの変動幅は0.04程度と大きかった。その後、
本発明を適用し、供給ポンプ前に取り付けたオンライン
比重計の測定値から水素化前溶剤のfaを求め、水素化
前溶剤のfaの変動にあわせて溶剤水素化工程供給量を
55〜77kg/hrの範囲で供給ポンプの出力を制御
した。本発明適用後は、石炭液化用溶剤のfaの変動幅
を0.01以下にすることができた。
いて石炭液化試験を実施した場合に本発明を適用した例
を図5に示す。溶剤水素化反応塔温度を340℃で一定
に保ちながら、石炭液化用溶剤のfaの目標値を0.5
0に定めて実施した。はじめに、水素化前溶剤のfaの
変動を考慮せず、溶剤水素化工程供給量を66kg/h
rに固定して実施した。この従来の方法では、水素化前
溶剤のfaの変動が拡大されてしまい、石炭液化用溶剤
のfaの変動幅は0.04程度と大きかった。その後、
本発明を適用し、供給ポンプ前に取り付けたオンライン
比重計の測定値から水素化前溶剤のfaを求め、水素化
前溶剤のfaの変動にあわせて溶剤水素化工程供給量を
55〜77kg/hrの範囲で供給ポンプの出力を制御
した。本発明適用後は、石炭液化用溶剤のfaの変動幅
を0.01以下にすることができた。
【0013】
【表1】
【0014】
【発明の効果】本発明により、最適な芳香族炭素指数を
持つ石炭液化用溶剤を安定的に供給することができるよ
うになった。その結果、高い液化油収率を保ちながら安
定した石炭液化運転を継続することができるようになっ
た。
持つ石炭液化用溶剤を安定的に供給することができるよ
うになった。その結果、高い液化油収率を保ちながら安
定した石炭液化運転を継続することができるようになっ
た。
【図1】石炭液化プロセスのフローを表す図である。
【図2】溶剤水素化工程における滞留時間と水素化前後
における芳香族炭素分率の差の関係を表す図である。
における芳香族炭素分率の差の関係を表す図である。
【図3】石炭液化用溶剤における比重と芳香族炭素分率
の関係を示す図である。
の関係を示す図である。
【図4】石炭液化用溶剤における屈折率と芳香族炭素分
率の関係を表す図である。
率の関係を表す図である。
【図5】本発明の効果を表す図であり、石炭液化用溶剤
の原料である水素化前溶剤と石炭液化用溶剤の芳香族炭
素指数の経時変化を表した図である。
の原料である水素化前溶剤と石炭液化用溶剤の芳香族炭
素指数の経時変化を表した図である。
1 石炭 2 石炭液化用触媒 3 石炭液化用溶剤 4 スラリー 5 水素 6 石炭液化工程 7 液化油蒸留工程 8 生成ガス 9 生成水 1 0 軽質油 1 1 中質油 1 2 重質油 1 3 液化残渣 1 4 供給ポンプ 1 5 水素 1 6 溶剤水素化工程
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 糸永 真須美 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内 (72)発明者 井口 憲二 千葉県千葉市花見川区幕張本郷7−26−1 (72)発明者 野上 義信 千葉県木更津市清見台南3−3−14
Claims (3)
- 【請求項1】 第1工程として、石炭、石炭液化用溶
剤、および石炭液化用触媒を混合してスラリー化し、石
炭スラリーを調製する調製工程、第2工程として、第1
工程で得られた石炭スラリーを水素の存在下で加熱かつ
加圧し、熱分解および水素化分解反応により液化油を生
成させる石炭液化工程、第3工程として、第2工程で得
られた液化油を常圧および減圧条件下で蒸留し、各種製
品油と液化残渣とに分離する液化油蒸留工程、並びに、
第4工程として、第3工程で得られた中質油の一部とま
たは全部と重質油を水素の存在下で加熱かつ加圧し、溶
剤水素化用触媒を用いて水素添加し、石炭液化用溶剤を
生成させる溶剤水素化工程、の4工程からなり、第4工
程で得られた石炭液化用溶剤を第1工程に循環使用する
石炭液化プロセスによって石炭を液化する方法におい
て、溶剤水素化工程で生成する石炭液化用溶剤の芳香族
炭素分率(fa)が一定になるように、中質油の一部と
または全部と重質油とからなる水素化前溶剤の溶剤水素
化工程への供給量を制御することを特徴とする石炭液化
方法。 - 【請求項2】 水素化前溶剤のfaが目標値よりも大き
いときには溶剤水素化工程供給量を下げ、faが目標値
よりも小さいときには溶剤水素化工程供給量を上げるこ
とを特徴とする請求項1記載の石炭液化方法。 - 【請求項3】 溶剤水素化工程供給量の制御を、溶剤水
素化反応塔への入り側に設けた供給ポンプの出力を調整
することによって行うことを特徴とする請求項1または
2記載の石炭液化方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8108319A JPH09296179A (ja) | 1996-04-30 | 1996-04-30 | 石炭液化方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8108319A JPH09296179A (ja) | 1996-04-30 | 1996-04-30 | 石炭液化方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09296179A true JPH09296179A (ja) | 1997-11-18 |
Family
ID=14481706
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8108319A Withdrawn JPH09296179A (ja) | 1996-04-30 | 1996-04-30 | 石炭液化方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09296179A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101324482B1 (ko) * | 2011-02-07 | 2013-11-01 | 구자숭 | 석탄을 이용한 연료유 생성 장치 |
CN105602601A (zh) * | 2015-12-30 | 2016-05-25 | 金先奎 | 一种催化萃取煤制油工艺及其专用装置 |
-
1996
- 1996-04-30 JP JP8108319A patent/JPH09296179A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101324482B1 (ko) * | 2011-02-07 | 2013-11-01 | 구자숭 | 석탄을 이용한 연료유 생성 장치 |
CN105602601A (zh) * | 2015-12-30 | 2016-05-25 | 金先奎 | 一种催化萃取煤制油工艺及其专用装置 |
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