JPH09296012A - 両親媒性重合体 - Google Patents
両親媒性重合体Info
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- JPH09296012A JPH09296012A JP11231396A JP11231396A JPH09296012A JP H09296012 A JPH09296012 A JP H09296012A JP 11231396 A JP11231396 A JP 11231396A JP 11231396 A JP11231396 A JP 11231396A JP H09296012 A JPH09296012 A JP H09296012A
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- C08F—MACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
- C08F8/00—Chemical modification by after-treatment
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 膜蛋白質の抽出手段として有用な水中でミセ
ル形成能を有する両親媒性重合体を提供する。 【解決手段】 一般式 【化1】 (式中、R1は低級アルキレン基を示し、mはゼロ又は
1の数を示す)で表される繰返し構造単位を有し、その
数平均重合度nが100〜1000の範囲にある重合体
において、その重合体中に含まれるアミノ基の一部が一
般式 【化2】 (式中、Xは親水基を示し、R2は低級アルキレン基を
示し、pは数平均重合度を示し、15〜100の数を示
す)で表される親水性置換アミノ基に変換され、その重
合体中に含まれるアミノ基の一部が一般式 【化3】 −NHCOR3 (3) (式中、R3は炭素数6以上の脂肪族炭化水素基を示
す)で表される疎水性置換アミノ基に変換され、水中に
おいてミセル形成能を有することを特徴とする両親媒性
重合体。
ル形成能を有する両親媒性重合体を提供する。 【解決手段】 一般式 【化1】 (式中、R1は低級アルキレン基を示し、mはゼロ又は
1の数を示す)で表される繰返し構造単位を有し、その
数平均重合度nが100〜1000の範囲にある重合体
において、その重合体中に含まれるアミノ基の一部が一
般式 【化2】 (式中、Xは親水基を示し、R2は低級アルキレン基を
示し、pは数平均重合度を示し、15〜100の数を示
す)で表される親水性置換アミノ基に変換され、その重
合体中に含まれるアミノ基の一部が一般式 【化3】 −NHCOR3 (3) (式中、R3は炭素数6以上の脂肪族炭化水素基を示
す)で表される疎水性置換アミノ基に変換され、水中に
おいてミセル形成能を有することを特徴とする両親媒性
重合体。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、分子中に親水性部
と疎水性部の両方を含有する両親媒性重合体に関するも
のである。
と疎水性部の両方を含有する両親媒性重合体に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】アセチルコリンやγ−アミノ酪酸は生体
における神経伝達物質として知られており、その受容体
は、医薬やセンサー等の技術開発への応用が期待されて
いる。アセチルコリン受容体を初めとする膜蛋白質を工
学的に利用するためには、生体からその活性を保持し、
高純度で抽出、精製しなければならない。膜蛋白質の抽
出、精製は、従来、組織中の膜蛋白質を可溶化材により
可溶化し、得られる可溶化膜蛋白質中の対象蛋白質を、
アフィニティークロマトグラフィー法、電気泳動法等に
より精製している。これらの手法は手順が煩雑であり、
精製途中での蛋白質の変性の恐れがあるのみでなく、ア
フィニティークロマトグラフィー法においては、溶離液
に種々の組成の溶液を用いることから、経済性の面で満
足できるものでないばかりか、環境汚染の懸念ももたれ
る。
における神経伝達物質として知られており、その受容体
は、医薬やセンサー等の技術開発への応用が期待されて
いる。アセチルコリン受容体を初めとする膜蛋白質を工
学的に利用するためには、生体からその活性を保持し、
高純度で抽出、精製しなければならない。膜蛋白質の抽
出、精製は、従来、組織中の膜蛋白質を可溶化材により
可溶化し、得られる可溶化膜蛋白質中の対象蛋白質を、
アフィニティークロマトグラフィー法、電気泳動法等に
より精製している。これらの手法は手順が煩雑であり、
精製途中での蛋白質の変性の恐れがあるのみでなく、ア
フィニティークロマトグラフィー法においては、溶離液
に種々の組成の溶液を用いることから、経済性の面で満
足できるものでないばかりか、環境汚染の懸念ももたれ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、膜蛋白質の
抽出手段として有用な水中でミセル形成能を有する両親
媒性重合体を提供することをその課題とする。
抽出手段として有用な水中でミセル形成能を有する両親
媒性重合体を提供することをその課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成する
に至った。即ち、本発明によれば、一般式
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成する
に至った。即ち、本発明によれば、一般式
【化1】 (式中、R1は低級アルキレン基を示し、mはゼロ又は
1の数を示す)で表される繰返し構造単位を有し、その
数平均重合度nが100〜1000の範囲にある重合体
において、その重合体中に含まれるアミノ基の一部が一
般式
1の数を示す)で表される繰返し構造単位を有し、その
数平均重合度nが100〜1000の範囲にある重合体
において、その重合体中に含まれるアミノ基の一部が一
般式
【化2】 (式中、Xは親水基を示し、R2は低級アルキレン基を
示し、pは数平均重合度を示し、15〜100の数を示
す)で表される親水性置換アミノ基に変換され、その重
合体中に含まれるアミノ基の一部が一般式
示し、pは数平均重合度を示し、15〜100の数を示
す)で表される親水性置換アミノ基に変換され、その重
合体中に含まれるアミノ基の一部が一般式
【化3】 −NHCOR3 (3) (式中、R3は炭素数6以上の脂肪族炭化水素基を示
す)で表される疎水性置換アミノ基に変換され、水中に
おいてミセル形成能を有することを特徴とする両親媒性
重合体が提供される。
す)で表される疎水性置換アミノ基に変換され、水中に
おいてミセル形成能を有することを特徴とする両親媒性
重合体が提供される。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の両親媒性重合体は、下記
一般式(1)で表される繰返し構造単位を有する側鎖に
アミノ基を持つ重合体を基材として用いて製造される。
一般式(1)で表される繰返し構造単位を有する側鎖に
アミノ基を持つ重合体を基材として用いて製造される。
【化1】 前記式中、R1は低級アルキレン基を示し、その炭素数
は1〜6、好ましくは1〜4である。mはゼロ又は1を
示す。mがゼロを示す場合、NH2は主鎖の炭素原子に
直接結合する。前記繰返し構造単位を有する重合体は、
従来公知のものである。このような重合体は、アリルア
ミン、ビニルアミン等の側鎖にアミノ基を有するビニル
モノマーを重合させることにより製造される。前記側鎖
アミノ基を有する重合体において、その数平均重合度
は、100〜1000、好ましくは150〜600であ
る。また、その重合体中の窒素原子数と炭素原子数の比
N/Cは、0.07〜0.5、好ましくは0.2〜0.
5である。
は1〜6、好ましくは1〜4である。mはゼロ又は1を
示す。mがゼロを示す場合、NH2は主鎖の炭素原子に
直接結合する。前記繰返し構造単位を有する重合体は、
従来公知のものである。このような重合体は、アリルア
ミン、ビニルアミン等の側鎖にアミノ基を有するビニル
モノマーを重合させることにより製造される。前記側鎖
アミノ基を有する重合体において、その数平均重合度
は、100〜1000、好ましくは150〜600であ
る。また、その重合体中の窒素原子数と炭素原子数の比
N/Cは、0.07〜0.5、好ましくは0.2〜0.
5である。
【0006】本発明の両親媒性重合体は、親水性部を得
るために、前記側鎖アミノ基を有する重合体のその側鎖
アミノ基の一部を、下記一般式(2)で表される親水性
置換アミノ基に変換させる。
るために、前記側鎖アミノ基を有する重合体のその側鎖
アミノ基の一部を、下記一般式(2)で表される親水性
置換アミノ基に変換させる。
【化2】 前記式中、R2は低級アルキレン基を示し、Xは親水基
を示し、pは数平均重合度を示す。低級アルキレン基R
2において、その炭素数は、通常1〜4である。親水基
Xとしては、カルボキシル基、水酸基、チオール基、ア
ミノ基(置換アミノ基を含む)等が挙げられる。数平均
重合度pは、15〜100、好ましくは15〜30であ
る。
を示し、pは数平均重合度を示す。低級アルキレン基R
2において、その炭素数は、通常1〜4である。親水基
Xとしては、カルボキシル基、水酸基、チオール基、ア
ミノ基(置換アミノ基を含む)等が挙げられる。数平均
重合度pは、15〜100、好ましくは15〜30であ
る。
【0007】前記一般式(2)で表される親水性置換ア
ミノ基は、前記一般式(1)の繰返し構造単位を有する
重合体の側鎖アミノ基の一部に、親水基Xを有するα−
アミノ酸を重合反応させることにより形成させることが
できる。この場合の反応方法としては、ポリペプチド合
成に慣用されている方法を用いることができる。
ミノ基は、前記一般式(1)の繰返し構造単位を有する
重合体の側鎖アミノ基の一部に、親水基Xを有するα−
アミノ酸を重合反応させることにより形成させることが
できる。この場合の反応方法としては、ポリペプチド合
成に慣用されている方法を用いることができる。
【0008】前記アミノ酸としては、グルタミン酸やア
スパラギン酸等の酸性アミノ酸、セリンやトレオニン等
のオキシアミノ酸、リシンやアルギニン等の塩基性アミ
ノ酸の他、システィン等が挙げられる。
スパラギン酸等の酸性アミノ酸、セリンやトレオニン等
のオキシアミノ酸、リシンやアルギニン等の塩基性アミ
ノ酸の他、システィン等が挙げられる。
【0009】前記一般式(2)の親水性置換アミノ基の
割合は、前記一般式(1)の繰返し構造単位を有する重
合体中に含まれる全アミノ基の50〜95%、好ましく
は70〜95%である。
割合は、前記一般式(1)の繰返し構造単位を有する重
合体中に含まれる全アミノ基の50〜95%、好ましく
は70〜95%である。
【0010】本発明の両親媒性重合体は、疎水性部を得
るために、前記側鎖アミノ基を有する重合体のその側鎖
アミノ基の一部を、下記一般式(3)で表される疎水性
置換アミノ基に変換させる。 −NHCOR3 (3) 前記式中、R3は炭素数6以上、好ましくは7〜17、
より好ましくは13〜15の脂肪族炭化水素基を示す。
脂肪族炭化水素基には、アルキル基及びアルケニル基が
包含される。脂肪族炭化水素基としては、例えば、ヘキ
シル基、オクチル基、ドデシル基、テトラデシル基、ペ
ンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オク
タデシル基、エイコシル基、テトラデセニル基、ヘキサ
デセニル基、オクタデセニル基等が挙げられる。
るために、前記側鎖アミノ基を有する重合体のその側鎖
アミノ基の一部を、下記一般式(3)で表される疎水性
置換アミノ基に変換させる。 −NHCOR3 (3) 前記式中、R3は炭素数6以上、好ましくは7〜17、
より好ましくは13〜15の脂肪族炭化水素基を示す。
脂肪族炭化水素基には、アルキル基及びアルケニル基が
包含される。脂肪族炭化水素基としては、例えば、ヘキ
シル基、オクチル基、ドデシル基、テトラデシル基、ペ
ンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オク
タデシル基、エイコシル基、テトラデセニル基、ヘキサ
デセニル基、オクタデセニル基等が挙げられる。
【0011】前記一般式(3)の疎水性置換アミノ基
は、前記一般式(1)の繰返し構造単位を有する重合体
の側鎖アミノ基の一部に、脂肪族カルボン酸もしくはそ
のハライドを反応させることにより形成させることがで
きる。この場合の反応は従来周知の反応であり、慣用の
方法により行うことができる。前記一般式(3)の疎水
性置換アミノ基の割合は、前記側鎖アミノ基を有する重
合体中に含まれる全アミノ基の5〜30%、好ましくは
6〜10%である。
は、前記一般式(1)の繰返し構造単位を有する重合体
の側鎖アミノ基の一部に、脂肪族カルボン酸もしくはそ
のハライドを反応させることにより形成させることがで
きる。この場合の反応は従来周知の反応であり、慣用の
方法により行うことができる。前記一般式(3)の疎水
性置換アミノ基の割合は、前記側鎖アミノ基を有する重
合体中に含まれる全アミノ基の5〜30%、好ましくは
6〜10%である。
【0012】本発明の両親媒性重合体は、必要に応じ、
チオール基を含有することができる。このチオール基
は、膜蛋白質の選択的抽出に対して有効に作用する。チ
オール基を有する重合体は、前記側鎖アミノ基を有する
重合体のそのアミノ基の一部を、下記一般式で表される
チオール基を有する置換アミノ基に変換させることによ
り形成させることができる。
チオール基を含有することができる。このチオール基
は、膜蛋白質の選択的抽出に対して有効に作用する。チ
オール基を有する重合体は、前記側鎖アミノ基を有する
重合体のそのアミノ基の一部を、下記一般式で表される
チオール基を有する置換アミノ基に変換させることによ
り形成させることができる。
【化4】 前記式中、R4は低級アルキレン基を示し、qはゼロ又
は1を示す。qがゼロの場合には、R4は直接アミノ基
に結合する。低級アルキレン基R4の炭素数は1〜6、
好ましくは1〜4である。
は1を示す。qがゼロの場合には、R4は直接アミノ基
に結合する。低級アルキレン基R4の炭素数は1〜6、
好ましくは1〜4である。
【0013】前記一般式(4)のチオール基を有する置
換アミノ基は、前記一般式(1)の繰返し構造単位を有
する重合体の側鎖アミノ基の一部に、チオール基を有す
るアルキルモノハロゲン化物又はチオール基を有する脂
肪族カルボン酸もしくはそのハライドを反応させること
により形成させることができる。この場合の反応は周知
であり、慣用の方法により行うことができる。前記一般
式(4)のチオール基を有する置換アミノ基の割合は、
前記側鎖アミノ基を有する重合体中に含まれる全アミノ
基の0.5〜10%、好ましくは1〜5%である。
換アミノ基は、前記一般式(1)の繰返し構造単位を有
する重合体の側鎖アミノ基の一部に、チオール基を有す
るアルキルモノハロゲン化物又はチオール基を有する脂
肪族カルボン酸もしくはそのハライドを反応させること
により形成させることができる。この場合の反応は周知
であり、慣用の方法により行うことができる。前記一般
式(4)のチオール基を有する置換アミノ基の割合は、
前記側鎖アミノ基を有する重合体中に含まれる全アミノ
基の0.5〜10%、好ましくは1〜5%である。
【0014】本発明の両親媒性重合体においては、その
親水性置換アミノ基におけるポリアミノ酸鎖部分に有機
色素を導入することが好ましい。有機色素を導入したポ
リアミノ酸は、その二次構造転移を光により制御可能で
あることが知られており(Ciardeliら、Bio
polymer,23,1423−1437(198
4)、木下ら、J.Am.Chem.Soc.,10
8,6339−6400(1986))、有機色素をポ
リアミノ酸鎖部分に導入した本発明の両親媒性重合体の
場合にも、同様に、そのポリアミノ酸部分の二次構造転
移を光により制御することが可能になる。
親水性置換アミノ基におけるポリアミノ酸鎖部分に有機
色素を導入することが好ましい。有機色素を導入したポ
リアミノ酸は、その二次構造転移を光により制御可能で
あることが知られており(Ciardeliら、Bio
polymer,23,1423−1437(198
4)、木下ら、J.Am.Chem.Soc.,10
8,6339−6400(1986))、有機色素をポ
リアミノ酸鎖部分に導入した本発明の両親媒性重合体の
場合にも、同様に、そのポリアミノ酸部分の二次構造転
移を光により制御することが可能になる。
【0015】ポリアミノ酸鎖部分に対する有機色素の導
入は、ポリアミノ酸鎖部分に含まれている親水基Xの反
応性を利用して行うことができる。ポリアミノ酸鎖部分
に色素を導入するには、例えば、ポリアミノ酸部分に含
まれる親水基Xが、カルボキシル基の場合には、カルボ
キシル基と反応性を示す官能基、例えば、アミノ基や、
ハロゲン等を有する色素を反応させればよい。親水基X
がアミノ基の場合には、アミノ基と反応性を示す官能
基、例えば、カルボキシル基やスルホン酸基等を有する
色素を反応させればよい。親水基Xが水酸基やチオール
基の場合には、それらの官能基と反応性を示す官能基、
例えば、カルボキシル基、スルホン酸基、ハロゲン等を
有する色素を反応させればよい。
入は、ポリアミノ酸鎖部分に含まれている親水基Xの反
応性を利用して行うことができる。ポリアミノ酸鎖部分
に色素を導入するには、例えば、ポリアミノ酸部分に含
まれる親水基Xが、カルボキシル基の場合には、カルボ
キシル基と反応性を示す官能基、例えば、アミノ基や、
ハロゲン等を有する色素を反応させればよい。親水基X
がアミノ基の場合には、アミノ基と反応性を示す官能
基、例えば、カルボキシル基やスルホン酸基等を有する
色素を反応させればよい。親水基Xが水酸基やチオール
基の場合には、それらの官能基と反応性を示す官能基、
例えば、カルボキシル基、スルホン酸基、ハロゲン等を
有する色素を反応させればよい。
【0016】有機色素としては、従来公知の各種のもの
が用いられるが、特に、アゾ色素や、ロイコ系色素の使
用が好ましい。有機色素の導入率は、ポリアミノ酸部分
に含まれる親水基Xの5〜100%、好ましくは10〜
50%程度である。
が用いられるが、特に、アゾ色素や、ロイコ系色素の使
用が好ましい。有機色素の導入率は、ポリアミノ酸部分
に含まれる親水基Xの5〜100%、好ましくは10〜
50%程度である。
【0017】
【実施例】次に本発明を実施例によりさらに詳細に説明
する。
する。
【0018】実施例1 ポリアリルアミン塩酸塩(日東紡績株式会社製、数平均
分子量10000)18.7gを1Mの水酸化ナトリウ
ム水溶液200mLに溶解させた。この溶液に塩化パル
ミトイル5.5gを徐々に滴下し、室温で6時間撹拌し
た。反応後、反応液のpHを水酸化ナトリウムによりp
H10.0とし、透析膜スペクトラポアー(スペクトラ
ムメディカルインスツルメンツ製MWCO:3500)
を用い、50℃で1日透析し、パルミトイル基を側鎖に
有するポリアリルアミン(PAAPA7)を得た。パル
ミトイル基の置換率は、PAAPA7中の未反応アミノ
基の定量より見積もった。具体的には、第一アミンと特
異的に反応し、強い蛍光を発する4−フルオロ−7−ニ
トロベンゾフラザンを用い、その蛍光強度から置換度7
%を得た。次に、PAAPA7、10gを200mLの
イオン交換水に溶解し、水酸化ナトリウムを用いpH
8.0に調整した。この溶液にN−スクシンイミジル−
3−(2−ピリジルジチオ)プロピオネート0.3gを
加え、室温で3時間反応させた。反応後、先と同様に室
温で1日透析し、側鎖に2−ピリジル−ジスルフィド基
を有するPAAPA7(SSPAAPA7)を得た。2
−ピリジル−ジスルフィド基の置換率は、ピリジル基の
吸光度より0.9%を得た。側鎖へのポリアミノ酸鎖の
導入は、SSPAAPA7の側鎖アミノ基を開始点とし
たポリアミノ酸重合により行った。脱水処理したN,N
−ジメチルホルムアミド100mLにN−カルボキシ−
γ−メチルL−グルタメート2gを溶解させ、SSPA
APA7を40mg加えた。室温で24時間反応させた
後、反応液を500mLのイオン交換水中に注ぎ沈殿を
濾別した。この沈殿をイオン交換水を用い再沈精製し、
側鎖にポリメチルグルタメートを有するSPAAPA7
(SSPAAPA7PMG)を得た。側鎖ポリメチルグ
ルタメートの数平均重合度は、4−フルオロ−7−ニト
ロベンゾフラザンを用いた末端アミノ基の定量より、3
1.7を得た。また、そのポリメチルグルタメート鎖を
有する置換アミノ基の置換率は92.1%であった。
分子量10000)18.7gを1Mの水酸化ナトリウ
ム水溶液200mLに溶解させた。この溶液に塩化パル
ミトイル5.5gを徐々に滴下し、室温で6時間撹拌し
た。反応後、反応液のpHを水酸化ナトリウムによりp
H10.0とし、透析膜スペクトラポアー(スペクトラ
ムメディカルインスツルメンツ製MWCO:3500)
を用い、50℃で1日透析し、パルミトイル基を側鎖に
有するポリアリルアミン(PAAPA7)を得た。パル
ミトイル基の置換率は、PAAPA7中の未反応アミノ
基の定量より見積もった。具体的には、第一アミンと特
異的に反応し、強い蛍光を発する4−フルオロ−7−ニ
トロベンゾフラザンを用い、その蛍光強度から置換度7
%を得た。次に、PAAPA7、10gを200mLの
イオン交換水に溶解し、水酸化ナトリウムを用いpH
8.0に調整した。この溶液にN−スクシンイミジル−
3−(2−ピリジルジチオ)プロピオネート0.3gを
加え、室温で3時間反応させた。反応後、先と同様に室
温で1日透析し、側鎖に2−ピリジル−ジスルフィド基
を有するPAAPA7(SSPAAPA7)を得た。2
−ピリジル−ジスルフィド基の置換率は、ピリジル基の
吸光度より0.9%を得た。側鎖へのポリアミノ酸鎖の
導入は、SSPAAPA7の側鎖アミノ基を開始点とし
たポリアミノ酸重合により行った。脱水処理したN,N
−ジメチルホルムアミド100mLにN−カルボキシ−
γ−メチルL−グルタメート2gを溶解させ、SSPA
APA7を40mg加えた。室温で24時間反応させた
後、反応液を500mLのイオン交換水中に注ぎ沈殿を
濾別した。この沈殿をイオン交換水を用い再沈精製し、
側鎖にポリメチルグルタメートを有するSPAAPA7
(SSPAAPA7PMG)を得た。側鎖ポリメチルグ
ルタメートの数平均重合度は、4−フルオロ−7−ニト
ロベンゾフラザンを用いた末端アミノ基の定量より、3
1.7を得た。また、そのポリメチルグルタメート鎖を
有する置換アミノ基の置換率は92.1%であった。
【0019】次に、前記のようにして得られたSSPA
APA7PMG側鎖メトキシ基の脱離を次のようにして
行った。SSPAAPA7PMGの1gを1,2−ジク
ロロエタン20mLに溶解し、0.3gの水酸化ナトリ
ウムを含む体積比1:2:2のイオン交換水、メタノー
ル、イソプロパノールの混合溶液36mLを15分間か
けゆっくり滴下し、室温で10時間撹絆した。酢酸でp
Hを7にし、反応を停止した。析出した沈殿を濾別後、
メタノールで十分洗浄した後、100mLのイオン交換
水に分散させた。さらに、1.4mLの10N塩酸をゆ
っくり滴下し、3日間室温で攪拌した。得られた沈殿を
濾別し、側鎖にポリグルタミン酸鎖を有するSSPAA
PA7(SSPAAPA7PGA)を得た。メトキシ基
の脱離は、SSPAAPA7PGAの1H−NMR測定
より、メトキシ基のプロトンに帰属される3.88pp
mのピークが消失したことより、メトキシ基の100%
が脱離したことを確認した。次に、SSPAAPA7P
GAの側鎖チオール基の保護基である2−ピリジル−ス
ルフィド基の脱離を行った。即ち、SSPAAPA7P
GA0.5gをpH4.5に調整した25mMのジチオ
スレイトール水溶液50mLに溶解し、1日攪拌するこ
とで行った。反応後透析により、ジチオスレトール及び
ピリジン−2−チオールを除去し、側鎖に疎水性のパル
ミトイル基、親水性のポリグルタミン酸鎖及びチオール
基を有する両親媒性重合体(SPAAPA7PGA)を
得た。この両親媒性重合体の構造式を示すと、次の通り
である。
APA7PMG側鎖メトキシ基の脱離を次のようにして
行った。SSPAAPA7PMGの1gを1,2−ジク
ロロエタン20mLに溶解し、0.3gの水酸化ナトリ
ウムを含む体積比1:2:2のイオン交換水、メタノー
ル、イソプロパノールの混合溶液36mLを15分間か
けゆっくり滴下し、室温で10時間撹絆した。酢酸でp
Hを7にし、反応を停止した。析出した沈殿を濾別後、
メタノールで十分洗浄した後、100mLのイオン交換
水に分散させた。さらに、1.4mLの10N塩酸をゆ
っくり滴下し、3日間室温で攪拌した。得られた沈殿を
濾別し、側鎖にポリグルタミン酸鎖を有するSSPAA
PA7(SSPAAPA7PGA)を得た。メトキシ基
の脱離は、SSPAAPA7PGAの1H−NMR測定
より、メトキシ基のプロトンに帰属される3.88pp
mのピークが消失したことより、メトキシ基の100%
が脱離したことを確認した。次に、SSPAAPA7P
GAの側鎖チオール基の保護基である2−ピリジル−ス
ルフィド基の脱離を行った。即ち、SSPAAPA7P
GA0.5gをpH4.5に調整した25mMのジチオ
スレイトール水溶液50mLに溶解し、1日攪拌するこ
とで行った。反応後透析により、ジチオスレトール及び
ピリジン−2−チオールを除去し、側鎖に疎水性のパル
ミトイル基、親水性のポリグルタミン酸鎖及びチオール
基を有する両親媒性重合体(SPAAPA7PGA)を
得た。この両親媒性重合体の構造式を示すと、次の通り
である。
【化5】
【0020】前記式5において、チオール基を含む置換
アミノ基の置換率aは0.9%、ポリアミノ酸鎖を有す
る置換アミノ基の置換率bは92.1%及びパルミトイ
ル基を有する置換アミノ基の置換率cは7%であった。
また、ポリアミノ酸鎖の数平均重合度dは31.7であ
った。
アミノ基の置換率aは0.9%、ポリアミノ酸鎖を有す
る置換アミノ基の置換率bは92.1%及びパルミトイ
ル基を有する置換アミノ基の置換率cは7%であった。
また、ポリアミノ酸鎖の数平均重合度dは31.7であ
った。
【0021】さらに、SPAAPA7PGAが水溶液中
で形成するミセルの表面極性を評価するために、媒体の
極性に応じその蛍光特性(蛍光波長・蛍光強度)が変化
するアニリノナフタレンをSPAAPA7PGAに導入
した。この場合の反応は、0.1gのSPAAPA7P
GAをpH7.5に調整した水溶液100mLに溶解さ
せ、10-3MのN−(1−アニリノナフチル−4)マレ
イミドの10-3Mエタノール溶液20μLを加え、氷冷
下一時間反応させた。反応後、透析により精製し、アニ
リノナフチル基を有するSPAAPA7PGA(ANS
PAAPA7PGA)を得た。この場合のアニリノナフ
チル基は、側鎖チオール基と反応し、そのイオウ原子に
結合している。アニリノナフチル基の導入率はその蛍光
強度より、ポリアリルアミン中に含まれる全アミノ基に
対し、0.04%であった。
で形成するミセルの表面極性を評価するために、媒体の
極性に応じその蛍光特性(蛍光波長・蛍光強度)が変化
するアニリノナフタレンをSPAAPA7PGAに導入
した。この場合の反応は、0.1gのSPAAPA7P
GAをpH7.5に調整した水溶液100mLに溶解さ
せ、10-3MのN−(1−アニリノナフチル−4)マレ
イミドの10-3Mエタノール溶液20μLを加え、氷冷
下一時間反応させた。反応後、透析により精製し、アニ
リノナフチル基を有するSPAAPA7PGA(ANS
PAAPA7PGA)を得た。この場合のアニリノナフ
チル基は、側鎖チオール基と反応し、そのイオウ原子に
結合している。アニリノナフチル基の導入率はその蛍光
強度より、ポリアリルアミン中に含まれる全アミノ基に
対し、0.04%であった。
【0022】両親媒性共重合体SPAAPA7PGAの
ミセル形成能を評価するため、SPAAPA7PGA1
mgを50mMの塩化ナトリウム溶液に加え、超音波照
射により分散させた。SPPAPA7PGAはpH3以
上の溶液中で分散可溶化し、直径0.05μm程度の粒
子として存在することを原子間力顕微鏡観察より確認し
た。この粒子がミセルであること、すなわち疎水場を形
成していることを確認するために、疎水性色素であるア
ニリノナフタレンの取り込み実験を行った。アニリノナ
フタレンの濃度はl0-5Mとした。pH3.0から1
1.0のすべての測定範囲において、アニリノナフタレ
ンはアセトンとへキサンの間に相当する疎水場に取り込
まれたことがわかる(図1)。すなわち、SPAAPA
7PGAはこのpH範囲内においてミセルを形成するこ
とがわかった。なお、図1に示した波線は、それぞれ、
ヘキサン、アセトン、N,N−ジメチルホルムアミド、
及び水中でのアニリノナフタレンの最大蛍光波長を示す
ものである。一方、白丸はSPAAPA7PGAミセル
を含む水溶液中でのアニリノナフタレンの最大蛍光波長
を示すものである。
ミセル形成能を評価するため、SPAAPA7PGA1
mgを50mMの塩化ナトリウム溶液に加え、超音波照
射により分散させた。SPPAPA7PGAはpH3以
上の溶液中で分散可溶化し、直径0.05μm程度の粒
子として存在することを原子間力顕微鏡観察より確認し
た。この粒子がミセルであること、すなわち疎水場を形
成していることを確認するために、疎水性色素であるア
ニリノナフタレンの取り込み実験を行った。アニリノナ
フタレンの濃度はl0-5Mとした。pH3.0から1
1.0のすべての測定範囲において、アニリノナフタレ
ンはアセトンとへキサンの間に相当する疎水場に取り込
まれたことがわかる(図1)。すなわち、SPAAPA
7PGAはこのpH範囲内においてミセルを形成するこ
とがわかった。なお、図1に示した波線は、それぞれ、
ヘキサン、アセトン、N,N−ジメチルホルムアミド、
及び水中でのアニリノナフタレンの最大蛍光波長を示す
ものである。一方、白丸はSPAAPA7PGAミセル
を含む水溶液中でのアニリノナフタレンの最大蛍光波長
を示すものである。
【0023】SPPAPA7PGAミセル表面のポリグ
ルタミン酸鎖の二次構造を円偏光二色性スペクトルより
評価した。図2に各pHにおけるスペクトルを示した。
pHの増加に伴いα−へリックス構造に帰属される20
8nmおよび222nmのモル楕円率が減少し、ランダ
ムコイル構造に転移していることがわかる。この二次構
造転移に伴うミセル表面の極性変化を評価するために、
側鎖にアニリノナフタレンを導入したANSPAAPA
7PGAを用い同様にミセルを形成し、その蛍光測定を
行った。ANSPAAPA7PGAの最大蛍光波長をp
Hに対しプロットしたところ、pH8付近を変曲点とし
て高波長側にシフトし、ミセル表面が親水化したことが
わかる(図3)。この変化は、ポリグルタミン酸鎖の二
次構造転移に依存し、ランダムコイル含率が増加するこ
とでミセル表面の極性が増加するものである。さらに、
この極性の変化を定量化するために、側鎖にアニリノナ
フタレンを有するポリアリルアミン(ANPAA)を合
成し、種々の体積分率のアセトニトリル水溶液中でのA
NPAAの最大蛍光波長とアセトニトリル含率とを対応
づけた(図3)。この結果、SPAAPA7PGAミセ
ル表面の極性はpHを変えることにより、アセトニトリ
ル含率で10から60%程度の範囲の極性を制御できる
ことが示された。
ルタミン酸鎖の二次構造を円偏光二色性スペクトルより
評価した。図2に各pHにおけるスペクトルを示した。
pHの増加に伴いα−へリックス構造に帰属される20
8nmおよび222nmのモル楕円率が減少し、ランダ
ムコイル構造に転移していることがわかる。この二次構
造転移に伴うミセル表面の極性変化を評価するために、
側鎖にアニリノナフタレンを導入したANSPAAPA
7PGAを用い同様にミセルを形成し、その蛍光測定を
行った。ANSPAAPA7PGAの最大蛍光波長をp
Hに対しプロットしたところ、pH8付近を変曲点とし
て高波長側にシフトし、ミセル表面が親水化したことが
わかる(図3)。この変化は、ポリグルタミン酸鎖の二
次構造転移に依存し、ランダムコイル含率が増加するこ
とでミセル表面の極性が増加するものである。さらに、
この極性の変化を定量化するために、側鎖にアニリノナ
フタレンを有するポリアリルアミン(ANPAA)を合
成し、種々の体積分率のアセトニトリル水溶液中でのA
NPAAの最大蛍光波長とアセトニトリル含率とを対応
づけた(図3)。この結果、SPAAPA7PGAミセ
ル表面の極性はpHを変えることにより、アセトニトリ
ル含率で10から60%程度の範囲の極性を制御できる
ことが示された。
【0024】
【発明の効果】本発明の両親媒性重合体は、親水性部と
疎水性部の両方を有し、水中においてミセルを形成する
ものである。水中において形成されたこの重合体のミセ
ルは、そのミセル表面に存在するポリアミノ酸鎖の外部
刺激による二次構造転移に伴い、ミセル表面の極性が可
逆的に変化する。本発明の両親媒性重合体は、その水中
に形成されるミセルが、前記のように、表面極性を外部
刺激により制御可能という特徴を有するものである。従
って、本発明の重合体のミセルを用いることにより、特
定蛋白質の抽出・放出を簡便に行うことができる。
疎水性部の両方を有し、水中においてミセルを形成する
ものである。水中において形成されたこの重合体のミセ
ルは、そのミセル表面に存在するポリアミノ酸鎖の外部
刺激による二次構造転移に伴い、ミセル表面の極性が可
逆的に変化する。本発明の両親媒性重合体は、その水中
に形成されるミセルが、前記のように、表面極性を外部
刺激により制御可能という特徴を有するものである。従
って、本発明の重合体のミセルを用いることにより、特
定蛋白質の抽出・放出を簡便に行うことができる。
【図1】図1は、アニリノナフタレンを10-5M含むS
PAAPA7PGAミセル水溶液の最大蛍光波長のpH
に対するプロットを示す。図中、波線は、それぞれ、ヘ
キサン、アセトン、N,N−ジメチルホルムアミド及び
水中でのアニリノナフタレンの最大蛍光波長を示すもの
である。
PAAPA7PGAミセル水溶液の最大蛍光波長のpH
に対するプロットを示す。図中、波線は、それぞれ、ヘ
キサン、アセトン、N,N−ジメチルホルムアミド及び
水中でのアニリノナフタレンの最大蛍光波長を示すもの
である。
【図2】図2は、SPAAPA7PGAミセル表面のポ
リグルタミン酸鎖の各pHにおける円偏光二色性スペク
トルを示したものである。
リグルタミン酸鎖の各pHにおける円偏光二色性スペク
トルを示したものである。
【図3】図3は、ANSPAAPA7PGAミセル水溶
液の最大蛍光波長のpHに対するプロット(白丸)と、
ANPAAアセトニトリル水溶液の最大蛍光波長のアセ
トニトリル体積分率に対するプロット(黒丸)を示す。
液の最大蛍光波長のpHに対するプロット(白丸)と、
ANPAAアセトニトリル水溶液の最大蛍光波長のアセ
トニトリル体積分率に対するプロット(黒丸)を示す。
Claims (3)
- 【請求項1】 一般式 【化1】 (式中、R1は低級アルキレン基を示し、mはゼロ又は
1の数を示す)で表される繰返し構造単位を有し、その
数平均重合度nが100〜1000の範囲にある重合体
において、その重合体中に含まれるアミノ基の一部が一
般式 【化2】 (式中、Xは親水基を示し、R2は低級アルキレン基を
示し、pは数平均重合度を示し、15〜100の数を示
す)で表される親水性置換アミノ基に変換され、その重
合体中に含まれるアミノ基の一部が一般式 【化3】 −NHCOR3 (3) (式中、R3は炭素数6以上の脂肪族炭化水素基を示
す)で表される疎水性置換アミノ基に変換され、水中に
おいてミセル形成能を有することを特徴とする両親媒性
重合体。 - 【請求項2】 一般式(2)で表される親水性置換アミ
ノ基の割合が重合体中に含まれる全アミノ基の50〜9
5%であり、一般式(3)で表される疎水性置換アミノ
基の割合が重合体中に含まれる全アミノ基の5〜30%
である請求項1の両親媒性重合体。 - 【請求項3】 一般式(1)で表される繰返し構造単位
を有する重合体における側鎖アミノ基の一部が、一般式 【化4】 (式中、R4は低級アルキレン基を示し、qはゼロ又は
1を示す)で表されるチオール基を有する置換アミノ基
に変換されている請求項1又は2の両親媒性重合体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8112313A JP2884063B2 (ja) | 1996-05-07 | 1996-05-07 | 両親媒性重合体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8112313A JP2884063B2 (ja) | 1996-05-07 | 1996-05-07 | 両親媒性重合体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09296012A true JPH09296012A (ja) | 1997-11-18 |
JP2884063B2 JP2884063B2 (ja) | 1999-04-19 |
Family
ID=14583550
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8112313A Expired - Lifetime JP2884063B2 (ja) | 1996-05-07 | 1996-05-07 | 両親媒性重合体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2884063B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001278914A (ja) * | 2000-03-28 | 2001-10-10 | Japan Organo Co Ltd | 蛍光標識化ポリカルボン酸及びその製造方法 |
JP2010053354A (ja) * | 2008-07-28 | 2010-03-11 | Canon Inc | 新規高分子化合物及び該新規高分子化合物を有する蛍光プローブ |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN117295945A (zh) * | 2021-03-31 | 2023-12-26 | 三洋化成工业株式会社 | 交联聚合物、分离物质的方法、分离物质的试剂盒、检测疾病的试剂盒及分离物质的装置 |
-
1996
- 1996-05-07 JP JP8112313A patent/JP2884063B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001278914A (ja) * | 2000-03-28 | 2001-10-10 | Japan Organo Co Ltd | 蛍光標識化ポリカルボン酸及びその製造方法 |
JP4600613B2 (ja) * | 2000-03-28 | 2010-12-15 | オルガノ株式会社 | 蛍光標識化ポリカルボン酸及びその製造方法 |
JP2010053354A (ja) * | 2008-07-28 | 2010-03-11 | Canon Inc | 新規高分子化合物及び該新規高分子化合物を有する蛍光プローブ |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JP2884063B2 (ja) | 1999-04-19 |
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Date | Code | Title | Description |
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