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JPH09295806A - メソポーラス無機高分子の製造方法 - Google Patents

メソポーラス無機高分子の製造方法

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Publication number
JPH09295806A
JPH09295806A JP8176662A JP17666296A JPH09295806A JP H09295806 A JPH09295806 A JP H09295806A JP 8176662 A JP8176662 A JP 8176662A JP 17666296 A JP17666296 A JP 17666296A JP H09295806 A JPH09295806 A JP H09295806A
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Japan
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inorganic polymer
mcm
mesoporous inorganic
chloride
solvent
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JP8176662A
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Masakazu Iwamoto
正和 岩本
Shiyuuichi Kagawa
修一 鹿川
Yasutake Teraoka
靖剛 寺岡
Yukako Setoguchi
由加子 瀬戸口
Nariyuki Tomonaga
成之 朝長
Jun Izumi
順 泉
Akinori Yasutake
昭典 安武
Hiroyuki Tsutaya
博之 蔦谷
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Publication date
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    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/54Improvements relating to the production of bulk chemicals using solvents, e.g. supercritical solvents or ionic liquids

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ミセルを形成する有機テンプレートを使用す
るメソポーラス無機高分子の製造方法において、シリカ
ネットワークの破壊を起こすことなく、容易に有機テン
プレートの除去が可能で、しかも除去した有機テンプレ
ートを回収再使用することにより、有機テンプレートの
使用量を削減することができるメソポーラス無機高分子
の製造方法を提供すること。 【解決手段】 ゾル状態のシリカ源又はシリカ源とアル
ミナ源との混合物に有機物を添加した混合物をゲル化し
た後、水熱合成により格子定数が18オングストローム
以上のメソポーラス無機高分子を製造する方法におい
て、水熱合成後の有機物を含有するメソポーラス無機高
分子の前駆物質を溶剤と接触させて有機物を抽出除去す
ることを特徴とするメソポーラス無機高分子の製造方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は触媒や吸着剤等とし
て有用なメソポーラス無機高分子を安価に製造すること
ができるメソポーラス無機高分子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】MCM−41、MCM−9、MCM−2
2等のメソポーラス無機高分子は8〜40オングストロ
ームの内径の中空を有する柱状構造物の集合体であり、
その表面積は最大1500m2 /gに達する多孔質体で
ある。この多孔質体はモービル社の国際公開WO第91
/11390号(特開平5−503499号公報参照)
で最初に公開されたものであり、シリカゾルに、水酸化
ナトリウム水溶液に溶解したn−ドデシルトリメチルア
ンモニウムクロリド及び硫酸を少量交互に加えた後、p
Hを13.5程度に調整してゲル化し、これを室温で2
時間攪拌した後、オートクレーブ中で140℃、48時
間静置して水熱合成を行い生成物をろ過水洗、乾燥した
後、550℃で数時間焼成して残留する有機物を除去す
ることによってして得られる。該刊行物によるとpHを
13.5程度に調整されたゲルの中ではn−ドデシルト
リメチルアンモニウムクロリドが棒状のミセルを形成
し、その表面に珪酸が配位し、140℃の温度条件下で
表面の珪酸が脱水、縮重合してSi−O−Siのネット
ワークが形成するとされている。形成されたn−ドデシ
ルトリメチルアンモニウムクロリドのミセルは550℃
の昇温に伴い焼成除去されて外表面に配位し水熱合成で
形成されたシリカネットワークはそのまま残るため、1
8オングストローム以上の中空を有するシリカ多孔質体
が得られることとなる。この多孔質体はn−ドデシルト
リメチルアンモニウムクロリドのような形状決定剤(有
機テンプレートとも呼ぶ)の大きさを調整することによ
りその中空内表面積を変更することも可能である。
【0003】また、1993年以降珪素の一部をアルミ
ニウムに置換することも可能となっている。これはアル
ミニウムの導入により、これに対応する結合として水酸
基が生成することも可能であり、水酸基の部位には触媒
活性点となるキーメタル、吸着活性点となる交換カチオ
ンがはいると非常に活性の高い触媒能、吸着能を示すこ
とか予想される。従来無機系の多孔質体としてはA、
X、Y、ペンタシル等のゼオライトが良く知られている
が、これらゼオライト系の多孔質体では細孔内表面積は
600m2 /g程度であり、活性炭系の吸着剤の150
0−2000m2/gに対し1/3程度に留まり、これ
らが活性炭に比べて吸着剤として性能の差異につながる
場合が多かった。この点でMCM−41等のメソポーラ
ス無機高分子は活性炭に匹敵する内表面積を有し、珪
素、アルミニウム等の酸化物から構成されるため、活性
炭系の多孔質体に比べて化学的に極めて安定と考えられ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】以上述べたように、こ
れらのメソポーラス無機高分子は優れた触媒能、吸着能
を有する無機高分子として各分野での利用が期待される
が、なお次のような課題がある。
【0005】1)有機テンプレートとして使用するn−
ドデシルトリメチルアンモニウムクロリドは非常に高価
であり、このため、製造されるメソポーラス無機高分子
の価格は先述したA,X,Y型ゼオライトに比較して1
0倍程度のコストが予想され、そのコストの80%以上
が有機テンプレートに関する部分である。しかも、従来
の方法では、この有機テンプレートのミセルの表面にシ
リカを配位して水熱合成によるネットワークの形成をは
かることによりメソポーラス無機高分子を製造している
ため有機テンプレートの使用量を大幅に削減することは
難しく、また、化学構造から考えて近い将来コストを低
減し得るとも考えにくい。このためこのような有機テン
プレートを使用する限り、これらのメソポーラス無機高
分子の触媒、吸着剤等の工業用素材としての採用は難し
いこととなる。
【0006】2)ミセルを形成する有機テンプレートの
除去には現在550℃程度での焼成が必要であるが、ミ
セルの表面に生成したシリカのネットワークは不安定で
あり、過度な焼成では生成した中空のシリカネットワー
クが破壊され、また焼成が不十分な場合にはテンプレー
トが中空の中に残存して細孔容積の減少をきたすと共
に、熱分解生成物の残存により内表面の吸着活性点が減
少してメソポーラスな多孔質体としての機能は期待でき
ないこととなる。工業的には大量の素材を対象として精
度の高い均一な熱処理条件でシリカ多孔質体の中空から
有機テンプレートを除去することは難しく、シリカネッ
トワークが破壊されない効率的な有機テンプレートの除
去が必要となる。
【0007】本発明は上記従来技術における問題点を解
決し、ミセルを形成する有機テンプレートを使用するメ
ソポーラス無機高分子の製造方法において、シリカネッ
トワークの破壊を起こすことなく、容易に有機テンプレ
ートの除去が可能で、しかも除去した有機テンプレート
を回収再使用することにより、有機テンプレートの使用
量を削減することができるメソポーラス無機高分子の製
造方法を提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するため、次の(1)〜(5)の構成を採るものであ
る。 (1)ゾル状態のシリカ源又はシリカ源とアルミナ源と
の混合物に有機物を添加した混合物をゲル化した後、水
熱合成により格子定数が18オングストローム以上のメ
ソポーラス無機高分子を製造する方法において、水熱合
成後の有機物を含有するメソポーラス無機高分子の前駆
物質を溶剤と接触させて有機物を抽出除去することを特
徴とするメソポーラス無機高分子の製造方法。
【0009】(2)前記有機物を抽出除去する溶剤が超
臨界状態の流体であることを特徴とする前記(1)のメ
ソポーラス無機高分子の製造方法。 (3)前記有機物を抽出除去する溶剤がアルコールであ
ることを特徴とする前記(1)のメソポーラス無機高分
子の製造方法。
【0010】(4)水熱合成後の有機物を含有するメソ
ポーラス無機高分子の前駆物質を溶剤と接触させて有機
物を抽出除去した後、さらに残留する微量の有機物を高
温焼成で除去することを特徴とする前記(1)〜(3)
のいずれかのメソポーラス無機高分子の製造方法。
【0011】(5)前記溶剤で抽出された有機物をメソ
ポーラス無機高分子の原料として再利用することを特徴
とする前記(1)〜(4)のいずれかのメソポーラス無
機高分子の製造方法。
【0012】一般にメソポーラス無機高分子は孔径が約
2〜50nmの空孔を有するシリカを骨格とし、一部ア
ルミナを含む場合もある。本発明の方法によって得られ
るメソポーラス無機高分子は格子定数(結晶構造の繰り
返し間隔の長さ)が18〜200オングストロームの無
機高分子物質で、表面積1000m2 /g以上であって
空気中で800℃まで安定な耐熱性を有するものであ
る。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の方法において、シリカ源
としてはシリカゾル、珪酸ソーダが、アルミナ源として
はアルミナゾル、アルミン酸ソーダが好適に使用でき
る。また、有機物(有機テンプレート)の抽出に使用す
る溶剤としては使用する有機テンプレートに対し溶解力
を有する溶剤であればよいが、超臨界状態の流体又はア
ルコール類が好適である。
【0014】有機物(有機テンプレート)の抽出に使用
する超臨界状態の流体としては、超臨界状態のCO2
あるいはR−22、R−123等の各種フロン類などが
使用できるが、特にCO2 が好ましい。
【0015】有機物(有機テンプレート)の抽出に使用
するアルコール類としては炭素数5程度までの低級脂肪
族アルコールが好ましく、炭素数の少ないメタノール及
びエタノールが特に好ましい。これらのアルコール類へ
の溶解度は有機テンプレートの種類により異なるが、例
えばヘキサデシルピリジニウムクロリドの場合の場合の
溶解度は表1に示す通りであり、優れた溶解力を有して
いることがわかる。
【0016】
【表1】
【0017】本発明の方法において、有機テンプレート
として使用する有機物としては直線的な構造を有しミセ
ルを形成する化合物が好ましく、その例としては、オク
チルトリメチルアンモニウムクロリド、オクチルトリメ
チルアンモニウムブロミド、デシルトリメチルアンモニ
ウムクロリド、デシルトリメチルアンモニウムブロミ
ド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド、ドデシ
ルトリメチルアンモニウムブロミド、テトラデシルトリ
メチルアンモニウムクロリド、テトラデシルトリメチル
アンモニウムブロミド、ヘキサデシルトリメチルアンモ
ニウムクロリド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム
ブロミド、オクタデシルトリメチルアンモニウムクロリ
ド、オクタデシルトリメチルアンモニウムブロミド、ヘ
キサデシルピリジニウムクロリド、ヘキサデシルピリジ
ニウムブロミド、ドデシル硫酸ナトリウム、ラウリル酸
ナトリウム、ホスホリックアシッドモノ−n−ドデシル
エステルナトリウム塩、メシチレンなどが挙げられる。
【0018】メソポーラス無機高分子の工業規模での製
造においては、n−ドデシルトリメチルアンモニウムク
ロリド等の有機テンプレートの使用量の削減とメソポー
ラスな中空を得るためのこれら有機テンプレートのSi
−O−Si、Si−O−Al等のネットワークを破壊し
ない効率的な除去が必要である。本発明者等はメソポー
ラス無機高分子の製造コストの大幅な低減を検討する中
で、有機テンプレートの除去に超臨界状態の流体あるい
はアルコール類などの溶剤の使用が極めて効果的である
ことを見出した。
【0019】本発明の製造方法を代表的なメソポーラス
無機高分子であるMCM−41で例示すると次のとおり
である。先ず、シリカゾルに水酸化ナトリウム水溶液に
溶解したn−ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド
及び硫酸を少量交互に加えた後pHを13.5程度に調
整してゲル化しこれを室温で2時間攪拌する。次いで、
オートクレーブ中で140℃、48時間静置して水熱合
成を行った後、従来は生成物を濾過水洗、乾燥した後5
50℃で数時間焼成して残留する有機物を除去してメソ
ポーラス無機高分子を得ていたが、本発明の方法では1
40℃の水熱合成で得られたゲル状物質を濾過水洗し、
必要により乾燥した後、溶剤を用いて有機物を抽出除去
する。
【0020】すなわち、溶剤として超臨界状態のCO2
を使用する場合には、有機物を含むメソポーラス無機高
分子の前駆物質を高圧容器に装架し高圧、高温の超臨界
圧CO2 を溶媒としてゲル状物質と接触させる。これに
よりn−ドデシルトリメチルアンモニウムクロリドの大
部分は超臨界圧のCO2 によって抽出される。
【0021】この後、抽出したn−ドデシルトリメチル
アンモニウムクロリドを含有するCO2 を低温低圧状態
に導くと超臨界圧のCO2 に溶解したn−ドデシルトリ
メチルアンモニウムクロリドは液相として再析出し、回
収される。
【0022】溶剤としてアルコール類を使用する場合に
は高圧容器は必要なく、通常の抽出を行うカラム内に前
記有機物を含むメソポーラス無機高分子前駆物質を充填
し、適当に加温したアルコール類を供給してn−ドデシ
ルトリメチルアンモニウムクロリドを包蔵するMCM−
41の結晶と接触させる。これによりn−ドデシルトリ
メチルアンモニウムクロリドの大部分はアルコール類に
よって抽出される。この後、抽出したn−ドデシルトリ
メチルアンモニウムクロリドが溶解したアルコール類か
ら蒸留などの手段によりアルコール類を分離し、n−ド
デシルトリメチルアンモニウムクロリドを回収すること
ができる。
【0023】有機物を含むメソポーラス無機高分子前駆
物質から溶剤により抽出回収したn−ドデシルトリメチ
ルアンモニウムクロリド及び水熱合成の母液中に残存す
るn−ドデシルトリメチルアンモニウムクロリドを液液
抽出などにより回収したn−ドデシルトリメチルアンモ
ニウムクロリドをメソポーラス無機高分子の原料として
再利用することによりn−ドデシルトリメチルアンモニ
ウムクロリドの使用量を1/3から1/4に低減するこ
とができる。
【0024】また、本発明の超臨界流体やアルコール類
などの溶剤による抽出によりメソポーラス無機高分子前
駆物質に含有されるn−ドデシルトリメチルアンモニウ
ムクロリドの大部分が溶剤相に移行するので、その後の
熱処理としては長時間の精密な熱処理は必要なく、ま
た、従来の550℃よりも低温側(400℃程度以上)
での熱処理でよいため、加熱の際のシリカネットワーク
の破壊を最低限に抑制することができる。
【0025】以上のように、本発明の採用により有機テ
ンプレートの使用量が1/4−1/5に低減できるの
で、メソポーラス無機高分子のコストを従来の1/3程
度に低減できる。また、熱処理温度を従来と同一の55
0℃とすれば従来の焼成時間6時間に対し1時間程度で
有機テンプレートの除去が達成でき、従来と同一の6時
間であれば焼成温度は従来の550℃よりかなり低い4
00℃でテンプレートの完全な除去が達成できる。な
お、この溶剤抽出後のメソポーラス無機高分子を吸着剤
として使用する場合には、テンプレートの残存の影響は
少なく、若干の吸着量の低下につながる程度である。溶
剤抽出後の熱処理を行っていないメソポーラス無機高分
子の吸着量を熱処理を行ったものと比較したところ、シ
クロヘキサノン5000ppmの室温での吸着において
吸着量の低下は20%程度に留まり、敢えて熱処理を行
わなくとも実用に供せられることがわかった。
【0026】
【実施例】本発明の有効性を実証するためメソポーラス
無機高分子の前駆物質に溶剤を接触させて有機テンプレ
ートを除去し、除去後のメソポーラス無機高分子の性状
及び吸着性能を評価し、また、溶剤で抽出した有機テン
プレートを再利用してメソポーラス無機高分子を製造
し、この方法で得られたシリケートを評価した。
【0027】(実施例1)先ずSiO2 換算で20重量
%を含有するシリカゾル溶液13gと純水5gを混合し
た溶液(溶液A)、水酸化ナトリウム1.2gとn−ド
デシルトリメチルアンモニウムクロリド8gを純水22
gに混合した溶液(溶液B)及び硫酸0.6gを純水1
0gに溶解した溶液(溶液C)を調製した。溶液Aに溶
液B及び溶液Cを交互に少量ずつ加えた後pHを13.
5程度に調整してゲル化し、これを室温で2時間攪拌し
た。次いで、オートクレーブで140℃、48時間静置
して水熱合成を行い生成物を濾過水洗し、n−ドデシル
トリメチルアンモニウムクロリドを含有するMCM−4
1の前駆物質1.5gを得た。このものの格子定数は3
1.44オングストロームであった。この前駆物質か
ら、超臨界状態のCO2 を用いてn−ドデシルトリメチ
ルアンモニウムクロリドの抽出回収を行った。図1にこ
の抽出回収に用いた装置の概略構成を示す。
【0028】前記MCM−41の前駆物質を、図1に示
す高圧のカラム1に充填して上流から400atmのC
2 を加熱器2で温度80℃に加熱し流路3から100
mlN/分の流量で30分流過した。CO2 は25℃、
25atmが臨界点なので80℃、400atmは超臨
界条件であり、この条件ではCO2 は有機物に対して非
常に大きな溶解度を示す。そのため、前駆物質に含有さ
れているn−ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド
は効率良く除去され、1時間の流過で含有されたn−ド
デシルトリメチルアンモニウムクロリドの95%以上が
超臨界状態のCO2 相に移動する。この後超臨界状態の
CO2 は流路4から減圧弁5を経てフラッシュドラム6
に入りCO2 に溶解したn−ドデシルトリメチルアンモ
ニウムクロリドは再凝縮する。流路7から回収されたn
−ドデシルトリメチルアンモニウムクロリドをFTI
R、NMR、ガスクロマトグラフでフレッシュ品と比較
したが高温による熱変質及びCO2 への溶解に伴う変質
等の劣化は認められなかった。
【0029】また、n−ドデシルトリメチルアンモニウ
ムクロリドの20%程度は水熱合成時にミセルを形成す
ること無く液相に溶解しているが、これはシリカゾル又
はゲルを含有する水溶液からn−ヘキサンを抽出溶剤と
して液/液抽出で回収した。n−ドデシルトリメチルア
ンモニウムクロリドを放出したCO2 は流路8を経て混
合槽9から圧縮機10で再び400atmまで加圧され
て高圧カラム1に供給される。なお、符号11はCO2
のリザーバータンクであり超臨界抽出に伴い回収有機テ
ンプレートへの随伴による系外への流出、リーク等で不
足するCO2 を補充するためのものである。
【0030】有機テンプレートを抽出後の物質をX−線
回折で計測した結果、図3に示すようなMCM−41特
有の中空構造を示唆するX−線回折パターンが得られ、
MCM−41が生成していることがわかった。この未焼
成MCM−41を450℃で焼成し残留するn−ドデシ
ルトリメチルアンモニウムクロリドを除去して有機物質
がほぼ完全に除去されたMCM−41を得た。ここで再
びX−線回折により熱処理前のMCM−41との構造の
差異を比較したがX−線回折パターンには大きな差異は
認められなかった。このことから超臨界抽出直後にMC
M−41特有の構造は形成されており、その後の熱処理
では大きな変化のないことを示している。
【0031】この後、超臨界CO2 抽出で得られたn−
ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド及び水熱合成
時の母液に溶解し液一液抽出で回収したn−ドデシルト
リメチルアンモニウムクロリドを原料の一部として、こ
れに不足のn−ドデシルトリメチルアンモニウムクロリ
ド及び他の原料のシリカゾル、水酸化ナトリウム、硫酸
等を加えて、前記の操作によりMCM−41を作製し
た。得られた熱処理前のMCM−41及び熱処理後のM
CM−41についても同じくX−線回折パターンを計測
して比較したが1回目に得られたMCM−41と大きな
差異は認められなかった。
【0032】上記の操作で得られたMCM−41として
次のa)〜e)の5サンプルに参照として現在揮発性有
機物吸着に多用されているUSY(サンプルf)を加え
た6サンプルについて、シクロヘキサノンを5000p
pm含有する空気と接触させて25℃での平衡吸着量を
比較した。結果を表2に示す。 a)従来法である550℃焼成で得られたMCM−4
1。 b)本発明の方法でCO2 超臨界圧抽出でn−ドデシル
トリメチルアンモニウムクロリドを抽出し、熱処理を行
わないままのMCM−41。 c)本発明の方法でCO2 超臨界圧抽出でn−ドデシル
トリメチルアンモニウムクロリドを抽出し、その後40
0℃、6時間熱処理を行って得られたMCM−41。 d)本発明の方法でCO2 超臨界圧抽出により得られた
n−ドデシルトリメチルアンモニウムクロリドを原料の
1部として再利用して水熱合成を行い、熱処理を行わな
いままのMCM−41。 e)本発明の方法でCO2 超臨界圧抽出により得られた
n−ドデシルトリメチルアンモニウムクロリドを原料の
1部として再利用して水熱合成を行い、その後400
℃、6時間熱処理を行ったMCM−41。
【0033】
【表2】
【0034】(実施例2)水酸化ナトリウム1.2gと
n−ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド8gを純
水22gに混合した溶液(溶液B)の代わりに水酸化ナ
トリウム1.2gとn−ヘキサデシルトリメチルアンモ
ニウムクロリド8gを純水22gに混合した溶液(溶液
B−2)を使用したほかは実施例1と同様に操作し、M
CM−41のサンプルを得た。このものの格子定数は3
8.8オングストロームであった。実施例1の場合と同
様に、流路7から回収されたn−ヘキサデシルトリメチ
ルアンモニウムクロリドをFTIR、NMR、ガスクロ
マトグラフでフレッシュ品と比較したが高温による熱変
質及びCO2 への溶解に伴う変質等の劣化は認められな
かった。また、n−ヘキサデシルトリメチルアンモニウ
ムクロリドの20%程度は水熱合成時にミセルを形成す
ること無く液相に溶解しているが、これはシリカゾル又
はゲルを含有する水溶液からn−ヘキサンを抽出溶剤と
して液/液抽出で回収した。
【0035】また、有機テンプレートを抽出後の物質を
X−線回折で計測した結果、図4に示すようなMCM−
41特有の中空構造を示唆するX−線回折パターンを得
た。この未焼成MCM−41を450℃で焼成し、残留
するn−ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリド
を除去して有機物が完全に除去されたMCM−41を得
た。ここで再びX−線回折により前記未焼成のMCM−
41との構造の差異を比較したがX−線回折パターンに
は大きな差異は認められなかった。さらに、回収したn
−ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリドを用い
て作製したサンプルについても同様のX−線回折パター
ンが得られた。
【0036】実施例1と同様の操作で得られた6種類の
サンプル(a-2〜e-2及びf)について、シクロヘキサ
ノンを5000ppm含有する空気と接触させて25℃
での平衡吸着量を比較した。結果を表3に示す。 a-2)従来法である550℃焼成で得られたMCM−4
1。 b-2)本発明の方法でCO2 超臨界圧抽出でn−ヘキサ
デシルトリメチルアンモニウムクロリドを抽出し、熱処
理を行わないままのMCM−41。 c-2)本発明の方法でCO2 超臨界圧抽出でn−ヘキサ
デシルトリメチルアンモニウムクロリドを抽出し、その
後400℃、6時間熱処理を行って得られたMCM−4
1。 d-2)本発明の方法でCO2 超臨界圧抽出により得られ
たn−ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリドを
原料の1部として再利用して水熱合成を行い、熱処理を
行わないままのMCM−41。 e-2)本発明の方法でCO2 超臨界圧抽出により得られ
たn−ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリドを
原料の1部として再利用して水熱合成を行い、その後4
00℃、6時間熱処理を行ったMCM−41。
【0037】
【表3】
【0038】(実施例3)実施例1と同様にして作製し
たn−ドデシルトリメチルアンモニウムクロリドを含有
するMCM−41の前駆物質からメタノールを用いてT
PAブロミドの抽出回収を行った。図2はこの抽出回収
に用いた装置の概略構成図である。
【0039】前記MCM−41前駆物質を、図2に示す
装置のカラム21に充填して上流側から加熱器22で温
度50℃に加熱したメタノールを100ml/分の流量
で30分流過した。この条件ではメタノールは有機物に
対して非常に大きな溶解度を示す。そのため、MCM−
41の前駆物質に含有されているn−ドデシルトリメチ
ルアンモニウムクロリドは効率よく除去されて1時間の
流過で含有されたn−ドデシルトリメチルアンモニウム
クロリドの95%以上がメタノール相に移動した。この
後メタノールは流路24からテンプレート回収ドラム2
6に入り、メタノールに溶解したn−ドデシルトリメチ
ルアンモニウムクロリドが回収される。流路27から回
収されたn−ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド
をFTIR、NMR、ガスクロマトグラフでフレッシュ
品と比較したが加熱による変質及びメタノールへの溶解
に伴う変質等の劣化は認められなかった。
【0040】また、n−ドデシルトリメチルアンモニウ
ムクロリドの20%程度は水熱合成時にミセルを形成す
ることなく液相に溶解しているが、これはシリカゾル又
はゲルを含有する水溶液からn−ヘキサンを抽出溶剤と
して液/液抽出で回収した。n−ドデシルトリメチルア
ンモニウムクロリドが分離されたメタノールは流路28
を経て混合機29から再びカラム21に供給される。な
お、符号31は抽出に伴い回収有機テンプレートへの随
伴による系外への流出、リーク等で不足するメタノール
を補充するためあるこーるタンク、符号30はメタノー
ルを送液するためのポンプである。
【0041】有機テンプレートであるn−ドデシルトリ
メチルアンモニウムクロリドを抽出後の生成物をX−線
回折で計測した結果、図3に示したものと同じMCM−
41特有の中空構造を示唆するX線回折パターンが得ら
れ、MCM−41が得られていることがわかった。この
未焼成MCM−41を450℃で焼成し、僅かに残留す
るn−ドデシルトリメチルアンモニウムクロリドを除去
して有機物がほぼ完全に除去されたMCM−41を得
た。ここで再びX−線回折により熱処理前のMCM−4
1との構造の差異を比較したがX−線回折パターンには
大きな差異は認められなかった。このことからメタノー
ル抽出直後にMCM−41特有の構造は形成されてお
り、その後の熱処理では大きな変化のないことを示して
いる。
【0042】この後メタノール抽出で得られたn−ドデ
シルトリメチルアンモニウムクロリド及び水熱合成時の
母液に溶解し液一液抽出で回収したn−ドデシルトリメ
チルアンモニウムクロリドを原料の一部として、これに
不足のn−ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド及
び他の原料のシリカゾル、水酸化ナトリウム、硫酸等を
加えて前記の方法でMCM−41の製造を行った。得ら
れた熱処理前及び熱処理後のMCM−41についても同
じくX線回折パターンを計測して比較したが1回目に得
られたMCM−41と大きな差異は認められなかった。
【0043】上記の操作で得られたMCM−41として
次のa-3)〜e-3)の5サンプルにUSY(サンプル
f)を加えた6サンプルについて、シクロヘキサノンを
5000ppm含有する空気と接触させて25℃での平
衡吸着量を比較した。結果を表4に示す。 a-3)従来法である550℃焼成で得られたMCM−4
1。 b-3)本発明の方法により、メタノールでn−ドデシル
トリメチルアンモニウムクロリドを抽出し、熱処理を行
わないままのMCM−41。 c-3)本発明の方法により、メタノールでn−ドデシル
トリメチルアンモニウムクロリドを抽出し、その後40
0℃、6時間熱処理を行って得られたMCM−41。 d-3)本発明の方法でメタノール抽出により得られたn
−ドデシルトリメチルアンモニウムクロリドを原料の1
部として再利用して水熱合成を行い、熱処理を行わない
ままのMCM−41。 e-3)本発明の方法でメタノール抽出により得られたn
−ドデシルトリメチルアンモニウムクロリドを原料の1
部として再利用して水熱合成を行い、その後400℃、
6時間熱処理を行なったMCM−41。
【0044】
【表4】
【0045】(実施例4)実施例2と同様にしてMCM
−41のサンプルを得た。実施例3の場合と同様に、流
路27から回収されたn−ヘキサデシルトリメチルアン
モニウムクロリドをFTIR、NMR、ガスクロマトグ
ラフでフレッシュ品と比較したが高温による熱変質及び
メタノールへの溶解に伴う変質等の劣化は認められなか
った。また、n−ヘキサデシルトリメチルアンモニウム
クロリドの20%程度は水熱合成時にミセルを形成する
ことなく液相に溶解しているが、これはシリカゾル又は
ゲルを含有する水溶液からn−ヘキサンを抽出溶剤とし
て液/液抽出で回収した。
【0046】また、有機テンプレートを抽出後の生成物
をX線回折で計測した結果、図4に示したものと同じM
CM−41特有の中空構造を示唆するX線回折パターン
を得た。この熱処理前のMCM−41を450℃で焼成
し、僅かに残留するn−ヘキサデシルトリメチルアンモ
ニウムクロリドを除去して有機物が完全に除去されたM
CM−41を得た。ここで再びX線回折により熱処理前
の未焼成MCM−41との構造の差異を比較したがX線
回折パターンには大きな差異は認められなかった。さら
に、回収したn−ヘキサデシルトリメチルアンモニウム
クロリドを用いて作製したサンプルについても同様のX
線回折パターンが得られた。
【0047】実施例4と同様の操作で得られた5種類の
サンプル(a-4〜e-4)について、シクロヘキサノンを
5000ppm含有する空気と接触させて25℃での平
衡吸着量を比較した。結果を前記サンプルf(参照用U
SY)についてのデータと併せて表5に示す。 a-4)従来法である550℃焼成で得られたMCM−4
1。 b-4)本発明の方法により、メタノールでn−ヘキサデ
シルトリメチルアンモニウムクロリドを抽出し、熱処理
を行わないままのMCM−41。 c-4)本発明の方法により、メタノールでn−ヘキサデ
シルトリメチルアンモニウムクロリドを抽出し、その後
400℃、3時間熱処理を行って得られたMCM−4
1。 d-4)本発明の方法でメタノール抽出により得られたn
−ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリドを原料
の1部として再利用して水熱合成を行い、熱処理を行わ
ないままのMCM−41。 e-4)本発明の方法でメタノール抽出により得られたn
−ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリドを原料
の1部として再利用して水熱合成を行い、その後400
℃、3時間熱処理を行なったMCM−41。
【0048】
【表5】
【0049】表2ないし表5に示すように、n−ドデシ
ルトリメチルアンモニウムクロリド又はn−ヘキサデシ
ルトリメチルアンモニウムクロリドを再利用してもX線
回折パターンの比較から有る程度予想されていたことだ
が、得られたMCM−41の吸着性能に差異はないこと
がわかる。また、溶剤抽出後、従来通り熱処理を行った
場合と熱処理を行わない場合とを比較すると吸着量に関
して熱処理を行った場合の方が20%程度大きい。これ
はメソポーラス内に残留するn−ドデシルトリメチルア
ンモニウムクロリド又はn−ヘキサデシルトリメチルア
ンモニウムクロリドにより細孔容量が減少しているため
と思われる。しかし、実用的には微妙な熱処理工程を実
施して20%吸着量の大きな吸着剤を得るのと熱処理を
行わずに使用する場合の得失は僅かであると思われた。
また、参照となるUSYと比較するとMCM−41の吸
着量は2.5倍程度大きくMCM−41が吸着剤として
非常に優れた性能を有することがわかった。
【0050】(実施例5)SiO2 換算で20重量%を
含有するシリカゾル溶液13gと純水5gを混合した溶
液(溶液A)の代わりにSiO2 換算で20重量%を含
有するシリカゾル溶液10gとアルミン酸ナトリウム1
gと純水5gを混合した溶液(溶液A−3)を使用し、
水酸化ナトリウム1.2gとn−ドデシルトリメチルア
ンモニウムクロリド8gを純水22gに混合した溶液
(溶液B)の代わりに水酸化ナトリウム1.2gとn−
デシルトリメチルアンモニウムクロリド7gを純水22
gに混合した溶液(溶液B−3)を使用したほかは実施
例1と同様に操作し、n−デシルトリメチルアンモニウ
ムクロリドを含有するMCM−41の前駆物質を作製し
た。この前駆物質から、超臨界状態のCO2 を用いてn
−デシルトリメチルアンモニウムクロリドを抽出除去し
MCM−41のサンプルを得た。このものの格子定数は
29.5オングストロームであった。実施例1の場合と
同様に、流路7から回収されたn−デシルトリメチルア
ンモニウムクロリドをFTIR、NMR、ガスクロマト
グラフでフレッシュ品と比較したが高温による熱変質及
びCO2 への溶解に伴う変質等の劣化は認められなかっ
た。また、n−デシルトリメチルアンモニウムクロリド
の20%程度は水熱合成時にミセルを形成すること無く
液相に溶解しているが、これはシリカゾル又はゲルを含
有する水溶液からn−ヘキサンを抽出溶剤として液/液
抽出で回収した。
【0051】また、有機テンプレートを抽出後の物質を
X線回折で計測した結果、図5に示すようなMCM−4
1特有の中空構造を示唆するX−線回折パターンを得
た。この未焼成MCM−41を450℃で焼成し、残留
するn−デシルトリメチルアンモニウムクロリドを除去
して有機物が完全に除去されたMCM−41を得た。こ
こで再びX線回折により未焼成MCM−41との構造の
差異を比較したがX線回折パターンには大きな差異は認
められなかった。さらに、回収したn−デシルトリメチ
ルアンモニウムクロリドを用いて作製したサンプルにつ
いても同様のX線回折パターンが得られた。
【0052】(実施例6)実施例5と同様にして得られ
たn−デシルトリメチルアンモニウムクロリドを含有す
るMCM−41の前駆物質から、メタノールを用いてn
−デシルトリメチルアンモニウムクロリドを抽出除去し
MCM−41のサンプルを得た。このものの格子定数は
29.5オングストロームであった。実施例3の場合と
同様に、流路27から回収されたn−デシルトリメチル
アンモニウムクロリドをFTIR、NMR、ガスクロマ
トグラフでフレッシュ品と比較したが高温による熱変質
及びメタノールへの溶解に伴う変質等の劣化は認められ
なかった。また、n−デシルトリメチルアンモニウムク
ロリドの20%程度は水熱合成時にミセルを形成するこ
と無く液相に溶解しているが、これはシリカゾル又はゲ
ルを含有する水溶液からn−ヘキサンを抽出溶剤として
液/液抽出で回収した。
【0053】また、有機テンプレートを抽出後の物質を
X線回折で計測した結果、図5に示したものと同じMC
M−41特有の中空構造を示唆するX−線回折パターン
が得られた。この未焼成MCM−41を450℃で焼成
し、残留するn−デシルトリメチルアンモニウムクロリ
ドを除去して有機物が完全に除去されたMCM−41を
得た。ここで再びX線回折により未焼成MCM−41と
の構造の差異を比較したがX線回折パターンには大きな
差異は認められなかった。さらに、回収したn−デシル
トリメチルアンモニウムクロリドを用いて作製したサン
プルについても同様のX線回折パターンが得られた。
【0054】実施例3、4、6で使用したメタノールの
代わりにエタノールを使用してもほぼ同様の結果が得ら
れた。
【0055】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、ミセルを形
成する有機テンプレートを使用するメソポーラス無機高
分子の製造方法において、シリカネットワークの破壊を
起こすことなく、容易に有機テンプレートの除去を行う
ことができ、品質の安定したメソポーラス無機高分子を
得ることができる。しかも除去した有機テンプレートは
回収再使用することができるので、有機テンプレートの
使用量を削減することができる。これにより触媒、吸着
剤として優れた品質のメソポーラス無機高分子を安価に
製造することができるので、その工業的価値は大きいも
のがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1、2、5で使用した超臨界抽出を行う
装置の概略構成図。
【図2】実施例3、4、6で使用したメタノール抽出を
行う装置の概略構成図。
【図3】実施例1で得られた超臨界抽出後の未焼成MC
M−41のX−線回折パターンを示す図。
【図4】実施例2で得られた超臨界抽出後の未焼成MC
M−41のX−線回折パターンを示す図。
【図5】実施例5で得られた超臨界抽出後の未焼成MC
M−41のX−線回折パターンを示す図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 瀬戸口 由加子 長崎県西彼杵郡長与町丸田郷10 三菱AP 6棟309号 (72)発明者 朝長 成之 長崎県長崎市深堀町五丁目717番1号 三 菱重工業株式会社長崎研究所内 (72)発明者 泉 順 長崎県長崎市深堀町五丁目717番1号 三 菱重工業株式会社長崎研究所内 (72)発明者 安武 昭典 長崎県長崎市深堀町五丁目717番1号 三 菱重工業株式会社長崎研究所内 (72)発明者 蔦谷 博之 長崎県長崎市深堀町五丁目717番1号 三 菱重工業株式会社長崎研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゾル状態のシリカ源又はシリカ源とアル
    ミナ源との混合物に有機物を添加した混合物をゲル化し
    た後、水熱合成により格子定数が18オングストローム
    以上のメソポーラス無機高分子を製造する方法におい
    て、水熱合成後の有機物を含有するメソポーラス無機高
    分子の前駆物質を溶剤と接触させて有機物を抽出除去す
    ることを特徴とするメソポーラス無機高分子の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 前記有機物を抽出除去する溶剤が超臨界
    状態の流体であることを特徴とする請求項1に記載のメ
    ソポーラス無機高分子の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記有機物を抽出除去する溶剤がアルコ
    ールであることを特徴とする請求項1に記載のメソポー
    ラス無機高分子の製造方法。
  4. 【請求項4】 水熱合成後の有機物を含有するメソポー
    ラス無機高分子の前駆物質を溶剤と接触させて有機物を
    抽出除去した後、さらに残留する微量の有機物を高温焼
    成で除去することを特徴とする請求項1〜3のいずれか
    に記載のメソポーラス無機高分子の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記溶剤で抽出された有機物をメソポー
    ラス無機高分子の原料として再利用することを特徴とす
    る請求項1〜4のいずれかに記載のメソポーラス無機高
    分子の製造方法。
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