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JPH09294589A - 牛のマクロファージの膜タンパク質をコードするdna、該dnaを含むベクターおよび形質転換体 - Google Patents

牛のマクロファージの膜タンパク質をコードするdna、該dnaを含むベクターおよび形質転換体

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Publication number
JPH09294589A
JPH09294589A JP8129236A JP12923696A JPH09294589A JP H09294589 A JPH09294589 A JP H09294589A JP 8129236 A JP8129236 A JP 8129236A JP 12923696 A JP12923696 A JP 12923696A JP H09294589 A JPH09294589 A JP H09294589A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
leu
bovine
dna
amino acid
ala
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP8129236A
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English (en)
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JP2857748B2 (ja
Inventor
Mayumi Komatsu
真由美 小松
Michiko Uchiyama
美智子 内山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NORIN SUISANSYO KACHIKU KAIRIY
NORIN SUISANSYO KACHIKU KAIRIYOU CENTER SHOCHO
Original Assignee
NORIN SUISANSYO KACHIKU KAIRIY
NORIN SUISANSYO KACHIKU KAIRIYOU CENTER SHOCHO
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Publication date
Application filed by NORIN SUISANSYO KACHIKU KAIRIY, NORIN SUISANSYO KACHIKU KAIRIYOU CENTER SHOCHO filed Critical NORIN SUISANSYO KACHIKU KAIRIY
Priority to JP8129236A priority Critical patent/JP2857748B2/ja
Publication of JPH09294589A publication Critical patent/JPH09294589A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 牛の細胞内侵襲性細菌に対する抵抗性に関与
するマクロファージのイオン透過性に関わる膜タンパク
質をコードする遺伝子を提供し、これを利用して細胞内
侵襲性細菌に対して抵抗性を有する牛を作出すること。 【解決手段】 牛のマクロファージの膜タンパク質であ
り、そのアミノ酸配列中に配列表の配列番号2に記載の
アミノ酸番号1から548までのアミノ酸配列を含むタ
ンパク質をコードするDNA、当該DNAを含む組換え
ベクターおよび当該ベクターで形質転換された大腸菌。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、牛のマクロファー
ジの膜タンパク質をコードするDNA、該DNAを含む
ベクターおよび形質転換体に関し、詳しくは牛の細胞内
侵襲性細菌(例えばサルモネラ菌)に対して有効なマク
ロファージのイオン透過性に関わる膜蛋白質をコードす
るDNA、該DNAを含むベクターおよび該ベクターで
形質転換された大腸菌に関する。本発明により、細胞内
侵襲性細菌に対して有効なマクロファージのイオン透過
性に関わる膜タンパク質の構造が解明され、この膜蛋白
質をコードするDNAを利用することにより、細胞内侵
襲性細菌に対して抵抗性を有する牛を作出することが可
能である。
【0002】
【従来の技術】畜産業者等にとって、牛におけるサルモ
ネラ菌等の細胞内侵襲性細菌に対する防御対策は重要な
課題である。細胞内侵襲性細菌に対する従来の防御対策
は、抗生物質やワクチンなどの薬剤による方法が主流で
あるが、この方法では、牛体内からのこれら細菌の完全
な排除は困難である。また、牛の育種において、細胞内
侵襲性細菌に対して十分な耐性を有する品種は未だ作出
されていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】牛のサルモネラ菌等へ
の抗病性は、菌を殺す能力を有するマクロファージの活
性度に依存する。このマクロファージの活性度は、DN
Aが支配しており、抗病性を有する牛は、マクロファー
ジを活性化させるDNAを有することが予想される。こ
のようなマクロファージの活性化に関与するDNAとし
て、マクロファージのイオン透過性に関わる膜タンパク
質をコードする遺伝子が挙げられ、これに関する研究が
行われている。例えば、マウスにおいては細胞内侵襲性
細菌に対して有効であるマクロファージのイオン透過性
に関わる膜タンパク質(Natural Resistence-Associate
d Macrophage Protein、以下Nrampと略記する。)
をコードする遺伝子が解明されている(Vidal et al.,C
ell, 73, 469-485 (1993))。また、羊においても当該遺
伝子のクローニングが行われ、Nrampの一部が解明
された(Pitel et al.,第24回国際動物遺伝学会、199
4年)。
【0004】しかし、牛では当該遺伝子の存在や機能に
ついては未だ明らかにされていない。そこで、牛におい
てNramp遺伝子のような細胞内侵襲性細菌に対して
有効な当該遺伝子を見出すことができれば、それがコー
ドするマクロファージの膜タンパク質が、細胞内侵襲性
細菌に対して抵抗性であるか感受性であるかの判別がで
き、これを選抜時の指標として抵抗性膜タンパク質をコ
ードする当該遺伝子を持つ牛を選び出し、細胞内侵襲性
細菌に対して抵抗性を有する牛を作出することが可能で
ある。したがって、本発明は牛の細胞内侵襲性細菌に対
する抵抗性に関与するマクロファージのイオン透過性に
関わる膜タンパク質をコードする遺伝子を提供すること
を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明者らは、羊Nramp遺伝子のうち、塩基配
列が解明されている部分を参考にしてプライマーを作製
し、該プライマーを用いてポリメラーゼ連鎖反応法(Sa
iki et al., Science, 230, 1350 (1985))により、牛N
ramp様遺伝子の一部を作出した。この牛Nramp
様遺伝子の一部をプローブとして用いて、牛の脾臓より
作成したcDNAライブラリーからのハイブリダイゼー
ションにより、牛の細胞内侵襲性細菌に対する抵抗性に
関与するマクロファージのイオン透過性に関わる膜タン
パク質をコードする遺伝子の全長を単離し、該遺伝子の
塩基配列を解析し、対応するアミノ酸配列を解明するこ
とにより、本発明を完成するに至った。
【0006】すなわち、請求項1に記載の発明は、牛の
マクロファージの膜タンパク質であり、そのアミノ酸配
列中に配列表の配列番号2に記載のアミノ酸番号1から
548までのアミノ酸配列を含むタンパク質をコードす
るDNAである。また、請求項2に記載の発明は、請求
項1記載のDNAを含む組換えベクターであり、請求項
3に記載の発明は請求項2記載のベクターで形質転換さ
れた大腸菌である。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。まず、牛のマクロファージのイオン透過性に関与
する膜タンパク質をコードする遺伝子の単離・同定につ
いて述べる。 (1)牛の脾臓cDNAライブラリーの作製 牛の脾臓cDNAライブラリーは、牛の脾臓からmRN
Aを抽出し、これを鋳型として常法に従って作製する。
なお、本発明で用いるmRNAは、Poly(A)を含
むmRNA(Poly(A)+RNA)と同様である。
【0008】この方法について、より具体的に説明する
と、前記の牛の脾臓からmRNAを得た後、このmRN
Aを鋳型とし、オリゴ(dT)と random hexamer をプ
ライマーとしてcDNAを合成する。次いで、このcD
NAを、例えばファージのDNAであるλZAPII等の
ベクターに組み込み、これをインビトロパッケージング
(Kretz,P.L., et al. Nucleic Acids Res. 17: 5409
(1989))してcDNAライブラリーを作製する。λZA
PIIは、ファージからプラスミド(Bluescrip
tSK(−))に転換する機能を有しており、この機能
を利用して容易にプラスミドを作製することができる。
【0009】(2)牛Nramp遺伝子のプローブの作
出 羊Nramp遺伝子のうち、塩基配列が解明されている
部分を参考にしてプライマーを作製し、該プライマーを
用いてポリメラーゼ連鎖反応法(Saiki et al., Scienc
e, 230, 1350 (1985))により、牛Nramp様遺伝子の
一部を作出する。この牛Nramp様遺伝子の一部をプ
ローブとして、以下のスクリーニングに用いる。
【0010】(3)スクリーニング 上記のcDNAライブラリーを大腸菌とともに適当な培
地プレートに撒いてプラークを形成させた後、牛Nra
mp様遺伝子の一部をプローブとして、プラークハイブ
リダイゼーション(Benton,W.D. and Davis,R.W., Scie
nce, 196, 180(1977)) を行って、ポジティブなファー
ジを単離する。本発明の場合、このようなスクリーニン
グの結果、得られたファージは7個である。これらのフ
ァージをプラスミドに転換する。すなわち、E.col
iXL1−BlueにλZAPIIとヘルパーファージを
感染させると、λZAPIIよりBluescriptS
K(−)が切り出されるので、これを用いて大腸菌、例
えばE.coli XL1−Blue等を形質転換す
る。こうして、牛Nramp遺伝子と相同性のあると思
われるプラスミドをスクリーニングし、1.8kb程度
のフラグメントを有するプラスミドから目的の牛Nra
mp遺伝子と類似性のあるDNA断片を得る。
【0011】次に、上記のようにして単離した牛のマク
ロファージのイオン透過性に関与する膜蛋白質をコード
する遺伝子の塩基配列を決定する。 (4)DNAの塩基配列決定 スクリーニングされたcDNAの塩基配列の分析は常法
により行うことができる。例えば、得られたcDNAか
らいくつかのcDNAフラグメントを作製し、一般に広
く使用されているジデオキシ法(Sanger et al., Proc.
Natl. Acad. Sci. USA., 74, 5463-5467 (1977)) やマ
クサム・ギルバート法(Maxam et al., Proc. Natl. Aca
d. Sci. USA., 74, 560-564 (1977)) 等によって各々の
塩基配列を解析し、総合的に分析することで全配列を決
定することができる。
【0012】この構造解析によって、得られた牛cDN
Aは全長1787塩基対であり、マウスNramp遺伝
子のコード領域を含み、547アミノ酸を有するタンパ
ク質をコードしている。得られた牛cDNAをマウスN
ramp遺伝子と比較したところ、類似性のあることが
明らかとなり、そのアミノ酸レベルの相同性は98.7
%である(図1参照)。マウスNrampは、95番目
のアミノ酸がトリプトファンであるが、牛Nramp
は、配列表の配列番号2に記載したようにアミノ酸番号
95番目のアミノ酸が翻訳終止となっている。このため
翻訳領域が分断され、実際の翻訳開始はアミノ酸番号1
47番目のメチオニンからであり、牛Nrampは10
個の膜貫通領域を有することが予想される。なお、マウ
スNrampは12個の膜貫通領域を有することが報告
されている(Govoni et al.,Genomics, 27, 9-19 (199
5))。
【0013】
【実施例】次に、本発明を実施例により詳しく説明す
る。 実施例1 mRNAの調製 摘出後、氷上に保存した牛脾臓250mgをISOGE
N(株式会社ニッポンジーン製)とともにホモジナイザ
ー(Polytron、スイス国 KINEMATIC
A AG製)でホモジナイズした。その後、室温で5分
間放置し、クロロホルムを加えて激しく振とう後、室温
で2分間放置した。次いで、4℃で10分間、3500
rpmで遠心分離した。上層を他の容器に移し、イソプ
ロパノールを加え、室温で5分間放置し、4℃で10分
間、3500rpmで遠心分離し、得られた沈澱に75
%エタノールを加えて激しく振とうした後、4℃で6分
間、3500rpmで遠心分離した。得られた沈澱を3
分間乾燥させた後、滅菌水2mlに溶解し、−20℃で
保存した。このようにして、250mgの組織より約1
mgの総RNAが得られた。
【0014】上記の方法で得られた総RNA500μg
に最終濃度で0.5M NaClとなるように5M N
aClを加えた。さらに、オリゴ(dT)セルロース
(Collaborative Res.) を50mg加え、20分間振と
うし、室温で6分間、3000rpmで遠心分離して上
清を除いた。これに、10mlの binding buffer (2
0mM Tris−HCl(pH7.6)/0.5M
NaCl/1mM EDTA(pH8.0)/0.1%
Sodium lauryl sarcosinate) を加えて上下に攪拌し、
室温で4分間、3000rpmで遠心分離した後、上清
を除いた(これを2回行った)。
【0015】次に、0.8mlの low salt wash buffe
r ( 20mM Tris−HCl(pH7.6)/0.
1M NaCl/1mM EDTA(pH8.0)) を
加え、スピンカラムに0.4ml入れ、4℃で10秒
間、14000rpmで遠心分離し、下の水層を除いた
(これを2回行った)。さらに low salt wash buffer
を加え、4℃で10秒間、14000rpmで遠心分離
し、下層を除去した(これを3回行った)。
【0016】その後、スピンカラムを新しいチューブへ
移し、200μlの滅菌水を加えて4℃で10秒間、1
4000rpmで遠心分離した(これを2回行った)。
このことにより、Poly(A)+RNA画分を集め
た。この画分をエタノール沈澱させ、滅菌水50μlに
溶解し、−20℃に保存した。このようにして、500
μgの総RNAから約7.2μgのPoly(A)+R
NAが得られた。
【0017】実施例2 牛の脾臓cDNAライブラリーの作製 実施例1で得られたPoly(A)+RNA(mRN
A)を鋳型とし、オリゴ(dT)12-18 (ファルマシア
社製)と random hexamer をプライマーとして、cDN
Aを合成させた。次に、これをベクターλZAPII(St
ratagene社製) に組み込み、これをインビトロパッケー
ジングしてcDNAライブラリーを作製した。λZAP
IIは、制限酵素EcoRIによる切断サイトを1ヶ所も
つ41kbのDNAである。これに、上記のcDNAを
T4DNAリガーゼ(Stratagene社製) によって、4℃
で42時間のDNA鎖の連結反応を行い、インビトロパ
ッケージングをギガパックIIゴールド(Stratagene社
製) を使用して行った。これにより、cDNA100n
gより5×109 個のファージが得られた。
【0018】実施例3 牛のマクロファージのイオン透過性に関わる膜タンパク
質(Nramp)をコードする遺伝子の単離 (1)牛Nramp様遺伝子のプローブの作出 羊Nramp遺伝子のうち、塩基配列が解明されている
部分を参考にしてプライマーを作製し、該プライマーを
用いてポリメラーゼ連鎖反応法(Saiki et al., Scienc
e, 230, 1350 (1985))により、牛Nramp様遺伝子の
一部(1kb)を作出し、以下のスクリーニングに用い
る。
【0019】(2)スクリーニング 実施例2で作製したcDNAライブラリーを大腸菌XL
1−Blueとともに下記の組成をもつNZY寒天培地
に撒いて培養し、プラークを形成させた後、ナイロンメ
ンブレンフィルターにレプリカをとり、フィルターを
0.5M NaOH/1.5M NaClで湿めらせア
ルカリ処理した後、0.5M Tris−HCl(pH
7.5)/1.5M NaClで処理し、さらに2×S
SCで処理して風乾させた後、紫外線を照射してDNA
をナイロンメンブレンフィルターに固定した。
【0020】NZY培地(pH7.5) NZアミン 10g 塩化ナトリウム 5g イーストエキストラクト 5g 硫酸マグネシウム 2g 蒸留水 1000ml NZY寒天培地:NZY培地にバクトアガーを1.5%
有する。
【0021】このナイロンメンブレンフィルターを5×
SSPE/20%ホルムアミド/0.1×Denhardt溶液
/0.1mg/mlサケ精子DNA/1%SDSを含む
溶液中で40℃で2時間プレハイブリダイゼーションを
行った。既に得ている牛Nramp様遺伝子の1.0k
bをニックトランスレーション法キット(ファルマシア
社製)を用いて〔α−32P〕dCTPで標識し、これを
ハイブリダイゼーション液に加え、40℃で2日間ハイ
ブリダイゼーションを行った。この後、ナイロンメンブ
レンフィルターは1×SSPE/0.5%SDSを含む
溶液中で室温にて20分間で2回、45℃、20分間で
2回洗浄後、フィルターを風乾させ、オートラジオグラ
フィー(Laskey,R.A., FEBS Letters, 82, 314(1977))
を行った。
【0022】このようにしてスクリーニングした結果、
上記プローブにポジティブなファージを7個単離した。
これらのファージをプラスミドに変換し、これを用いて
大腸菌XL1−Blueを形質転換した。本菌は工業技
術院生命工学工業技術研究所に寄託されており、その受
託番号はFERM BP−5434である。次いで、こ
の大腸菌をアンピシリンを含む下記組成のLB寒天培地
(pH7.5)で37℃で1日培養することにより、ア
ンピシリン耐性を示すコロニーを取得した。
【0023】LB培地(pH7.5) ペプトン 10g 塩化ナトリウム 10g イーストエキストラクト 5g 蒸留水 1000ml LB寒天培地:LB培地にバクトアガーを1.5%有す
る。
【0024】(3)塩基配列の解析 アルカリ−SDS法(Birnboim,H.C. and Doly,J., Nuc
leic Acids Research,7, 1513 (1979))により、上記の
取得したコロニーからプラスミドを調製した。プラスミ
ド1μgを50mM トリス塩酸(pH7.5)/10
0mM NaCl/10mM MgCl2 /1mM D
DT中で制限酵素EcoRI(2ユニット)で37℃で
60分間処理して切断し、得られたDNA断片を電気泳
動にかけて分画した。このうち1.8kbの分画を持つ
ものについてジデオキシ法により塩基配列の解析を行
い、マウスNramp遺伝子と類似性のあることを確認
した。また、他のDNA断片の構造解析を行った結果、
該1.8kbの分画を持つものが牛のNramp遺伝子
に相当する塩基配列の全長を有することが明らかになっ
た。
【0025】配列表の配列番号1に該1.8kbの分画
の塩基配列を記載した。全長は1787塩基対であり、
配列表の配列番号1に記載の核酸番号27〜1670番
目の塩基配列に対応するアミノ酸配列を配列表の配列番
号2に記載した。なお、配列表の配列番号2のアミノ酸
配列のうち、95番目の***の記号は、対応する塩基
配列が翻訳終止で対応するアミノ酸が存在しないことを
示す。この構造解析によって、得られた牛cDNAは全
長1787塩基対であり、マウスNramp遺伝子のコ
ード領域を含み、547アミノ酸を有するタンパク質を
コードしている。得られた牛Nrampのアミノ酸配列
を、マウスNrampのアミノ酸配列と比較したとこ
ろ、そのアミノ酸レベルの相同性は98.7%であった
(図1参照)。特に、マウスNrampは、95番目の
アミノ酸がトリプトファンであるが、牛Nrampは、
配列表の配列番号2に記載したようにアミノ酸番号95
番目のアミノ酸が翻訳終止となっている。このため翻訳
領域が分断され、実際の翻訳開始はアミノ酸番号147
番目のメチオニンからであり、牛Nrampは10個の
膜貫通領域を有することが予想される。
【0026】
【発明の効果】本発明により、牛の細胞内侵襲性細菌に
対する抵抗性に関与するマクロファージのイオン透過性
に関わる膜タンパク質をコードする遺伝子が提供され、
これを利用して細胞内侵襲性細菌に対して抵抗性を有す
る牛を作出することが可能となる。
【0027】
【配列表】
【0028】配列番号:1 配列の長さ:1787 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA to mRNA 直接の起源:牛脾臓cDNAライブラリー 配列の特徴 特徴を表す記号:domain 存在位置:27..1673 特徴を決定した方法:S 配列 CAGAGTATCC TGCCGCCTGC GTCCTC ATG ATT AGT GAC AAG AGC CCC CCG AGG 53 CTG AGC AGG CCC AGT TAT GGC TCC ATT TCC AGC CTG CCT GGC CCA GCA 101 CCT CAG CCA GCG CCT TGC CTG GAG ACC TAC CTG AGT GAG AAG ATC CCC 149 ATT CCC AGC GCA GAC CAG GGT ACA TTC AGC CTG AGG AAG CTG TGG GCG 197 TTC ACG GGG CCT GGT TTC CTC ATG AGC ATC GCT TTC CTT GAC CCG GGA 245 AAC ATT GAG TCC GAC CTT CAA GCT GGC GCT GTG GCT GGG TTC AAA CTC 293 CTC TGG GTG CTG CTC TGA GCG ACT GTG CTA GGT TTG CTG TGC CAG CGG 341 CTG GCT GCC CGG CTG GGC GTG GTA ACA GGC AAG GAC TTG GGT GAA GTC 389 TGC CAT CTC TAC TAC CCC AAG GTG CCC CGC ATC CTC CTC TGG CTG ACC 437 ATT GAG CTG GCC ATT GTG GGC TCA GAT ATG CAG GAA GTC ATC GGG ACG 485 GCT ATC TCC TTC AAT CTG CTC TCC GCT GGA CGC ATC CCG CTG TGG GAC 533 GGT GTA CTG ATC ACC ATT GTG GAC ACC TTC TTC TTC CTC TTC TTG GAT 581 AAC TAT GGT TTG CGC AAG CTG GAA GCT TTC TTC GGT CTC CTC ATT ACC 629 ATA ATG GCT TTG ACC TTC GGC TAT GAG TAT GTG GTA GCA CAC CCT TCC 677 CAG GGA GCG CTC CTT AAG GGC CTG GTG CTG CCC ACC TGT CCG GGC TGT 725 GGG CAG CCC GAG CTG CTG CAG GCA GTG GGC ATC GTC GGT GCC ATC ATC 773 ATG CTC CAT AAC ATC TAC CTG CAC TCA GCC TTG GTC AAG TCT AGA GAA 821 GTA GAC AGA ACC CGC CGG GTG GAT GTT CGA GAA GCC AAC ATG TAC TTC 869 CTG ATT GAG GCC ACC ATC GCC CTA TCG GTG TCC TTC ATC GTC AAC CTC 917 TTC GTC ATG GCT GTT TTT GGT CAG GCC TTC TAC CAG CAA GCC AAT GAG 965 GAA GCG TTC AAC ATC TGT GCC AAC AGC AGC CTC CAG AAC TAT GCT AAG 1013 ATC TTC CCC AGG GAC AAT AAC ACT GTG TCA GTG GAT ATT TAT CAA GGA 1061 GGT GTG ATC CTA GGC TGT CTC TTT GGC CCT GCG GCC CTC TAC ATC TGG 1109 GCA GTA GGT CTC CTG GCA GCG GGG CAG AGT TCT ACT ATG ACC GGC ACC 1157 TAT GCA GGA CAG TTC GTG ATG GAG GGT TTC CTT AAG CTG CGG TGG TCC 1205 CGC TTC GCT CGG GTC CTT CTC ACG CGC TCT TGC GCC ATC CTG CCC ACT 1253 GTG TTG GTG GCT GTC TTC CGA GAC CTG AAG GAC CTG TCC GGC CTC AAC 1301 GAA CTA CTC AAT GTT CTG CAG AGT CTA CTG CTG CCC TTC GCT GTA CTG 1349 CCC ATT TTG ACT TTC ACC AGC ATG CCA GCT GTC ATG CAG GAG TTC GCC 1397 AAC GGC CGG ATG AGC AAA GCC ATC ACT TCG TGC ATC ATG GCG CTA GTC 1445 TGC GCC ATC AAC CTG TAC TTT GTG ATC AGC TAC CTG CCC AGC CTC CCG 1493 CAC CCT GCC TAC TTC GGC CTT GTG GCT CTG TTC GCA ATA GGT TAC TTG 1541 GGC CTG ACT GCT TAT CTG GCC TGG ACC TGT TGC ATC GCC CAC GGA GCC 1589 ACC TTC CTG ACC CAC AGC TCC CAC AAG CAC TTC TTA TAT GGG CTC CCT 1637 AAC GAG GAG CAG GGA GGC GTG CAG GGT TCC TGG TGA CCGCGGCATC 1683 CAGCAAGCAA AGAGGCAACA GGGCAGACAC AGCAGAGCAA TTGGAGGTCC CCTACTGGCT 1743 TTCTGGATTA CCGGTTTCCA GTTTGGACAA GTGCTTTACC TCGG 1787
【0029】配列番号:2 配列の長さ:548 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Met Ile Ser Asp Lys Ser Pro Pro Arg Leu Ser Arg Pro Ser Tyr Gly 1 5 10 15 Ser Ile Ser Ser Leu Pro Gly Pro Ala Pro Gln Pro Ala Pro Cys Leu 20 25 30 Glu Thr Tyr Leu Ser Glu Lys Ile Pro Ile Pro Ser Ala Asp Gln Gly 35 40 45 Thr Phe Ser Leu Arg Lys Leu Trp Ala Phe Thr Gly Pro Gly Phe Leu 50 55 60 Met Ser Ile Ala Phe Leu Asp Pro Gly Asn Ile Glu Ser Asp Leu Gln 65 70 75 80 Ala Gly Ala Val Ala Gly Phe Lys Leu Leu Trp Val Leu Leu *** Ala 85 90 95 Thr Val Leu Gly Leu Leu Cys Gln Arg Leu Ala Ala Arg Leu Gly Val 100 105 110 Val Thr Gly Lys Asp Leu Gly Glu Val Cys His Leu Tyr Tyr Pro Lys 115 120 125 Val Pro Arg Ile Leu Leu Trp Leu Thr Ile Glu Leu Ala Ile Val Gly 130 135 140 Ser Asp Met Gln Glu Val Ile Gly Thr Ala Ile Ser Phe Asn Leu Leu 145 150 155 160 Ser Ala Gly Arg Ile Pro Leu Trp Asp Gly Val Leu Ile Thr Ile Val 165 170 175 Asp Thr Phe Phe Phe Leu Phe Leu Asp Asn Tyr Gly Leu Arg Lys Leu 180 185 190 Glu Ala Phe Phe Gly Leu Leu Ile Thr Ile Met Ala Leu Thr Phe Gly 195 200 205 Tyr Glu Tyr Val Val Ala His Pro Ser Gln Gly Ala Leu Leu Lys Gly 210 215 220 Leu Val Leu Pro Thr Cys Pro Gly Cys Gly Gln Pro Glu Leu Leu Gln 225 230 235 240 Ala Val Gly Ile Val Gly Ala Ile Ile Met Leu His Asn Ile Tyr Leu 245 250 255 His Ser Ala Leu Val Lys Ser Arg Glu Val Asp Arg Thr Arg Arg Val 260 265 270 Asp Val Arg Glu Ala Asn Met Tyr Phe Leu Ile Glu Ala Thr Ile Ala 275 280 285 Leu Ser Val Ser Phe Ile Val Asn Leu Phe Val Met Ala Val Phe Gly 290 295 300 Gln Ala Phe Tyr Gln Gln Ala Asn Glu Glu Ala Phe Asn Ile Cys Ala 305 310 315 320 Asn Ser Ser Leu Gln Asn Tyr Ala Lys Ile Phe Pro Arg Asp Asn Asn 325 330 335 Thr Val Ser Val Asp Ile Tyr Gln Gly Gly Val Ile Leu Gly Cys Leu 340 345 350 Phe Gly Pro Ala Ala Leu Tyr Ile Trp Ala Val Gly Leu Leu Ala Ala 355 360 365 Gly Gln Ser Ser Thr Met Thr Gly Thr Tyr Ala Gly Gln Phe Val Met 370 375 380 Glu Gly Phe Leu Lys Leu Arg Trp Ser Arg Phe Ala Arg Val Leu Leu 385 390 395 400 Thr Arg Ser Cys Ala Ile Leu Pro Thr Val Leu Val Ala Val Phe Arg 405 410 415 Asp Leu Lys Asp Leu Ser Gly Leu Asn Glu Leu Leu Asn Val Leu Gln 420 425 430 Ser Leu Leu Leu Pro Phe Ala Val Leu Pro Ile Leu Thr Phe Thr Ser 435 440 445 Met Pro Ala Val Met Gln Glu Phe Ala Asn Gly Arg Met Ser Lys Ala 450 455 460 Ile Thr Ser Cys Ile Met Ala Leu Val Cys Ala Ile Asn Leu Tyr Phe 465 470 475 480 Val Ile Ser Tyr Leu Pro Ser Leu Pro His Pro Ala Tyr Phe Gly Leu 485 490 495 Val Ala Leu Phe Ala Ile Gly Tyr Leu Gly Leu Thr Ala Tyr Leu Ala 500 505 510 Trp Thr Cys Cys Ile Ala His Gly Ala Thr Phe Leu Thr His Ser Ser 515 520 525 His Lys His Phe Leu Tyr Gly Leu Pro Asn Glu Glu Gln Gly Gly Val 530 535 540 Gln Gly Ser Trp 545
【図面の簡単な説明】
【図1】 牛のマウスNramp様遺伝子のアミノ酸配
列とマウスNramp遺伝子のアミノ酸配列との比較を
示す。図中の上段は、マウスNramp遺伝子のアミノ
酸配列を、下段は牛のマウスNramp様遺伝子のアミ
ノ酸配列を示す。なお、図中の──はアミノ酸が存在し
ていないことを示し、また、アミノ酸が同一であれば
*、類似していれば .印で示す。一文字表記したアミノ
酸名の対照表を以下に示す。 一文字表記 アミノ酸 G グリシン A アラニン V バリン L ロイシン I イソロイシン S セリン T トレオニン D アスパラギン酸 E グルタミン酸 N アスパラギン Q グルタミン K リジン R アルギニン C システイン M メチオニン F フェニルアラニン Y チロシン W トリプトファン H ヒスチジン P プロリン

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 牛のマクロファージの膜蛋白質であり、
    そのアミノ酸配列中に配列表の配列番号2に記載のアミ
    ノ酸番号1から548までのアミノ酸配列を含むタンパ
    ク質をコードするDNA。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のDNAを含む組換えベク
    ター。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のベクターで形質転換され
    た大腸菌。
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