[go: up one dir, main page]

JPH09288205A - 光導波路グレーティングの製造方法 - Google Patents

光導波路グレーティングの製造方法

Info

Publication number
JPH09288205A
JPH09288205A JP8098880A JP9888096A JPH09288205A JP H09288205 A JPH09288205 A JP H09288205A JP 8098880 A JP8098880 A JP 8098880A JP 9888096 A JP9888096 A JP 9888096A JP H09288205 A JPH09288205 A JP H09288205A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
grating
optical fiber
ultraviolet light
refractive index
core
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8098880A
Other languages
English (en)
Inventor
Michihiro Nakai
道弘 中居
Kensuke Shima
研介 島
Hiromi Hidaka
啓▲視▼ 日高
Satoshi Okude
聡 奥出
Masaaki Sudo
正明 須藤
Tetsuya Sakai
哲弥 酒井
Akira Wada
朗 和田
Ryozo Yamauchi
良三 山内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujikura Ltd
Original Assignee
Fujikura Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujikura Ltd filed Critical Fujikura Ltd
Priority to JP8098880A priority Critical patent/JPH09288205A/ja
Priority to CA002319769A priority patent/CA2319769C/en
Priority to CA002202308A priority patent/CA2202308C/en
Priority to CA002319776A priority patent/CA2319776C/en
Priority to US08/837,958 priority patent/US5996375A/en
Priority to DE69739682T priority patent/DE69739682D1/de
Priority to EP97400859A priority patent/EP0805365B1/en
Publication of JPH09288205A publication Critical patent/JPH09288205A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Diffracting Gratings Or Hologram Optical Elements (AREA)
  • Optical Fibers, Optical Fiber Cores, And Optical Fiber Bundles (AREA)
  • Optical Couplings Of Light Guides (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 光導波路グレーティングを製造する際に、グ
レーティング特性を精密に、かつ容易に制御できるよう
にする。 【解決手段】 コアが酸化ゲルマニウム添加石英ガラス
からなる光ファイバ1に、所定の間隔のスリット3aを
有するマスク3を介して紫外光2を照射して、グレーテ
ィング部4を形成する。この後グレーティング部4全体
に紫外光2を照射することによってコアの実効屈折率を
変化させ、これによってグレーティングの阻止帯域の中
心波長を調整する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光導波路グレーティ
ングの製造方法に係り、特にグレーティング特性を容易
に制御できるようにした光導波路グレーティングの製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】光導波路グレーティングは、光ファイバ
又は平面型光導波路の長さ方向に、一定の周期的な変
化、例えばコア屈折率の周期的な変化を形成することに
よって得られる。一般にグレーティングには、放射モー
ド結合型と反射モード結合型があり、放射モード結合型
グレーティングは、コアを伝搬するモードとクラッドを
伝搬するモードとを結合させることによって、特定波長
の光を光導波路外に放射して減衰させる特性が得られる
ようにしたものである。また反射モード結合型グレーテ
ィングは、コアを正の方向に伝搬するモードと、コアを
これとは反対の方向(負の方向)に伝搬するモードとを
結合させることによって、特定波長の光を反射させる特
性が得られるようにしたものである。
【0003】例えば、光ファイバにおいて実現されてい
るグレーティングの場合、放射型グレーティングはコア
の屈折率変化の周期(以下、グレーティングピッチとい
うことがある)を数百μmにすることによって得られ、
反射型グレーティングは、グレーティングピッチを1μ
m程度とすることによって得られている。
【0004】放射モード結合型グレーティングにあって
は、例えば図4に示すような波長−透過損失特性(透過
スペクトル)が得られ、特定の波長帯の光の透過損失が
選択的に大きくなっている。この透過損失が増加してい
る波長帯の幅を阻止帯域幅、その中心の波長を阻止帯域
の中心波長、透過損失の変化の大きさを阻止率という。
また反射モード結合型グレーティングにあっても、例え
ば図4と同様な波長−透過損失特性(透過スペクトル)
が得られ、放射モード結合型グレーティングの場合と同
様に、反射光強度が選択的に増加している波長帯の幅を
阻止帯域幅、その中心の波長を阻止帯域の中心波長、反
射光強度の変化の大きさを阻止率という。
【0005】そして、これらのグレーティング特性は、
グレーティングの各パラメータ、すなわちコア屈折率の
変化量、グレーティングピッチ、グレーティング形状
(コア屈折率変化のプロファイル)、光ファイバ長さ方
向におけるグレーティング長、実効屈折率などによって
変化することが知られている。下記表1はグレーティン
グにおける各パラメータがグレーティング特性に及ぼす
影響を表にまとめたものである。表中、×は影響なし、
○は影響あり、△は影響が小さいことをそれぞれ示して
いる。また↑(↓)はパラメータの値が増大すると、そ
れに応じてグレーティング特性の値が増大(減少)する
ことを示している。特に、光導波路グレーティングを光
部品として光通信システム等に用いる場合にはその中心
波長と阻止率の精密な制御が重要である。
【0006】
【表1】
【0007】ところで、光導波路にコア屈折率の周期的
変化を生じさせてグレーティングを作製する方法として
は、ゲルマニウムが添加された石英ガラスに強い紫外光
を照射すると、その照射量に応じて屈折率が上昇する現
象を利用する方法が知られている。例えば、コアに酸化
ゲルマニウムが添加された石英系光ファイバを、水素加
圧容器中(100atm)で水素添加処理した後、これ
に、一定間隔で光を透過するスリットが形成されたホト
マスクを介して紫外光を照射する方法が、比較的効率の
良い方法として知られている。これによれば、光ファイ
バのうちスリット直下の紫外光が照射された部分のみ、
コアの屈折率が上昇するので、コア屈折率が周期的に変
化しているグレーティング部が形成される。
【0008】しかしながら、この従来の製造方法におい
てはマスクの形状と紫外光の照射条件によってグレーテ
ィング特性を制御しなければならないが、中心波長と阻
止率とをそれぞれ独立に制御することができないことか
ら、これらの制御は複雑であった。例えば、上記の製造
方法においてはグレーティング部形成に先立って、好適
なマスクの形状(グレーティングピッチ、グレーティン
グ形状)および紫外光の照射条件(紫外光強度、照射時
間)を割り出す必要があった。そして、使用するマスク
の形状を決めるのにも、1つのマスクに対していくつか
の照射条件で試作してみて、得ようとする中心波長と阻
止率とが同時に得られなければ、マスクの形状を変えて
照射条件の試行を行うといった作業を繰り返さなければ
ならず、マスクの選定および照射条件の割り出し作業に
多くの時間を費やしていた。特に放射モード結合型のグ
レーティングにおいては、コアの屈折率変化量に対する
中心波長の変化量が大きいため、中心波長および阻止率
をそれぞれ所望の値に制御するためには、何枚かのマス
クを使用する必要があるなど、容易ではなかった。ま
た、添加された水素の脱水素化処理を行うまでは屈折率
変化量が経時的に変化するため、すなわち透過特性(中
心波長および阻止率)が経時的に変化するため、紫外光
照射作業中の透過特性のモニター制御が困難であった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】よって、この発明にお
ける課題は、光導波路グレーティングを製造する際に、
グレーティング特性を精密に、かつ容易に制御できるよ
うにすることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に請求項1に係る発明は、コアが紫外光照射によって屈
折率が変化する材料からなる光導波路に、所定の間隔で
紫外光を照射してグレーティング部を形成するグレーテ
ィング形成工程と、グレーティング部形成後にグレーテ
ィング部全体に対して紫外光を照射する全体露光工程を
有することを特徴とする光導波路グレーティングの製造
方法である。また請求項2に係る発明は、前記グレーテ
ィング形成工程に先立って、前記光導波路に水素添加処
理を行い、かつ該グレーティング形成工程後、前記全体
露光工程前に脱水素処理を行うことを特徴とする請求項
1記載の光導波路グレーティングの製造方法である。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳しく説明する。
図1は、本発明の光導波路グレーティングの製造方法の
一実施例を工程順に示した説明図である。また図2は本
発明に係るグレーティング部のコア屈折率プロファイル
の例を模式的に示したグラフであり、(a)はグレーテ
ィング形成直後のコア屈折率プロファイル、(b)は製
造された光導波路グレーティングのコア屈折率プロファ
イルをそれぞれ示す。ここでは光導波路の例として光フ
ァイバを用い、放射モード結合型光ファイバグレーティ
ングを製造する例を挙げて説明する。図中符号1は光フ
ァイバ、2は紫外光、3はマスクをそれぞれ示してい
る。
【0012】光ファイバ1は、コアと、コアよりも低屈
折率のクラッドとからなるものである。光ファイバ1の
コアは、紫外線が照射されたときに、その紫外線強度お
よび照射時間に応じて屈折率が変化する材料で構成さ
れ、好ましくは、少なくとも酸化ゲルマニウムが添加さ
れた石英ガラスからなっている。光ファイバ1のコアに
は酸化ゲルマニウム以外にアルミニウム、エルビニウ
ム、チタン等が適宜添加されていてもよい。光ファイバ
1のクラッドは石英系ガラスからなり、例えば純石英ガ
ラス、あるいはフッ素添加石英ガラス等が好ましく用い
られる。光ファイバ1のコアおよびクラッドは所定の比
屈折率差および屈折率プロファイルを有するように、周
知の各種手法を用いて製造される。一般に光ファイバグ
レーティングに用いられる光ファイバ1の場合、コアに
は酸化ゲルマニウムが3〜40%程度添加されており、
コア−クラッド比屈折率差は0.3〜6%程度に設定さ
れる。光ファイバ1としては、例えば光ファイバ心線等
の被覆層を必要に応じて除去したものでもよく、あるい
は線引により製造された光ファイバであって被覆層が形
成される前段階のものを用いてもよい。
【0013】紫外光2の波長は200〜300nm程度
が好ましく、光源としては、例えばKrFレーザ(波長
248nm)が好適に用いられる。ここから出射される
紫外光は適宜の光学系(図示せず)を用いてスポット径
を調整した後、マスク3および光ファイバ1に対して照
射されるように構成されている。
【0014】マスク3は、紫外光2を透過せず、かつ紫
外光2によって損傷を受け難い材質からなり、例えばス
テンレス等の金属が好適に用いられる。マスク3には、
一定幅の複数のスリット3aが一定間隔で平行に形成さ
れている。マスク3におけるスリット3aの幅および隣
り合うスリット3a間の間隔は、これによってグレーテ
ィングピッチが変化するので、得ようとするグレーティ
ング特性に応じて適宜設定される。本実施例では放射モ
ード結合型としての特性を得るために、グレーティング
ピッチは数十〜数百μm程度の範囲内で好ましく設定さ
れる。またグレーティング長は5〜20mm程度に好ま
しく設定される。
【0015】さて、光ファイバグレーティングを製造す
るには、まず光ファイバ1を用意し、好ましくは、紫外
光2の照射に先立って水素添加処理を行う。コア中のゲ
ルマニウム濃度がせいぜい数%以下である光ファイバに
あっては、紫外光照射によるコア屈折率変化を十分に得
るためには予め水素添加処理を行うことが好ましい。こ
の水素添加処理は、例えば光ファイバ1を、100at
m、50℃程度に調整された水素加圧容器中に48時間
程度保持することによって達成される。ただしこの水素
添加処理は必須ではなく、コア中のゲルマニウム濃度が
30%程度で、光ファイバグレーティングの阻止率が比
較的低くてもよい場合等には、これを行わない構成とす
ることもできる。
【0016】次いで図1(a)に示すように、光ファイ
バ1をマスク3の直下に設置する。このとき、光ファイ
バ1の長さ方向とマスク3のスリット3aの幅方向とが
正確に平行になるように設置する。また光ファイバ1と
マスク3との距離は0〜1mm程度に好ましく設定され
る。次にマスク3の上方から、紫外光2をマスク3およ
び光ファイバ1に対して照射する。これにより紫外線2
が照射された部分のみ光ファイバ1のコアの屈折率が増
大するので、図2(a)に示すように、コア屈折率が周
期的に変化しているグレーティング部4が形成される。
このときマスク3および光ファイバ1に対して照射され
る紫外光2のスポット径は、これによってグレーティン
グ長が変化するので、好適な帯域幅が得られるように設
定される。またマスク3および光ファイバ1に対して照
射される紫外光2の強度および照射時間は、これによっ
て光ファイバ1におけるコア屈折率の変化量(図2中、
Aで示す)が変化する。本発明においては、後述するよ
うにグレーティング部4形成後に中心波長を調整するこ
とができるので、ここでは、光ファイバ1の透過特性を
モニターしながら、所望の阻止率が得られるように紫外
光2の強度および照射時間を設定することができる。こ
こで阻止率は、後述するように脱水素工程まで経時的に
変化するが、その変化率は中心波長の経時変化に比べて
充分小さく、又脱水素工程がすぐ次の工程で行われるた
め、阻止率の実効的な経時変化は無視できる。従って上
記の、グレーティング部形成時のモニター制御は有効な
ものとなる。
【0017】このようにしてグレーティング部4を形成
した後、好ましくは光ファイバ1中の水素を脱離させ
る。この脱水素工程は、例えば光ファイバ1を常温〜1
00℃の温度条件下に数日間放置することによって行わ
れる。この脱水素工程は、紫外光照射に先立って光ファ
イバに添加された水素自体に起因して屈折率変化が生
じ、グレーティング部4作製後に阻止率が経時的に変化
するのを防止するのに有効である。
【0018】この後、図1(b)に示すようにマスクを
用いず、グレーティング部4全体に対して紫外光2を直
接照射する。これにより、紫外線2が照射された部分の
コアの屈折率が全体的に増大するので、図2(b)に示
すように、グレーティング部4のコア屈折率が全体的に
ほぼ一様に増大し、かつグレーティング部4内における
コア屈折率変化量Aは全体露光前と変わらないコア屈折
率プロファイルが得られる。そして、このようにグレー
ティング部4におけるコア屈折率を全体的に変化させる
ことによって、グレーティング部4におけるコアの実効
屈折率を変化させることができるので、これにより中心
波長特性を調整することができる。実効屈折率を増大さ
せれば、中心波長は長波長側へと変化する。
【0019】このとき光ファイバ1に対して照射される
紫外光2のスポット径は、グレーティング部4全体にほ
ぼ均一に紫外光を照射できればよいが、好ましくはグレ
ーティング部4作製時のスポット径と等しく設定され
る。またグレーティング部4全体に照射される紫外光2
の強度および照射時間は、これによってグレーティング
部4全体における一様なコア屈折率の変化量(図2中、
Bで示す)が変化する。したがって、光ファイバ1の透
過特性をモニターしながら、所望の中心波長が得られる
ように紫外光2の照射条件を設定することができる。ま
たこのとき、グレーティング部4全体に対して紫外光2
を照射することによって、グレーティング部4内に既に
形成されていたコア屈折率変化量Aの大きさは変化しな
いので、阻止率が変化することはない。
【0020】ここで、上記したように、ゲルマニウムが
添加された石英系光ファイバに紫外光を照射することに
よって屈折率を十分に変化させるためには、予めコアに
水素を添加しておくことが必要である。したがって、通
常は、脱水素工程により水素を脱離した後では紫外光を
照射しても屈折率変化が生じなくなるが、本実施例のよ
うに、一旦、紫外光が照射されて屈折率変化を生じたゲ
ルマニウム添加光ファイバについては、水素脱離後も紫
外光照射によって屈折率を変化させることができる。こ
れまでの実験結果では、数分間のレーザ光照射により、
中心波長を+20nm以上変化させることができる程、
十分にコア屈折率を増大させることができることが認め
られている。
【0021】本実施例の製造方法によれば、グレーティ
ング部4の作製時に阻止率を、またその後の全体露光時
に中心波長を、それぞれ独立に調整することができるの
で、グレーティング特性を精密に、かつ容易に制御する
ことができる。またグレーティング部4形成後に脱水素
工程を行い、この後にグレーティング部4全体に対する
紫外光照射による中心波長の制御を行えば、脱水素工程
を経た後に全体露光工程が行われるので、全体露光工程
後にコアの屈折率の経時的変化は生じず、光ファイバグ
レーティングの透過特性が変化することはない。従っ
て、全体露光工程でモニターした透過特性は経時的に変
化しないので、全体露光時の紫外光照射条件による中心
波長のモニター制御が有効となる。よってグレーティン
グ部形成時に阻止率のモニター制御を行い、全体露光時
に中心波長のモニター制御を行うことが可能となり、阻
止率と中心波長とを独立にかつリアルタイムで制御する
ことが可能となるので、高精度の透過特性を有する光フ
ァイバグレーティングが得られる。さらに、光ファイバ
グレーティングの阻止率および中心波長が、光ファイバ
グレーティング製造後に経時的に変化するのを防止する
ことができ、信頼性に優れた光ファイバグレーティング
が得られる。
【0022】また従来は、中心波長および阻止率を調整
するために複数のマスクを使用して複数回紫外光を照射
する必要があったが、本実施例の製造方法によれば、グ
レーティング部4作製時に1枚のマスクを使用して紫外
光を照射するだけで済む。またグレーティング部4形成
時には、同一のマスクを用いてグレーティング部4を大
量に作製することも可能であるので、製造コストの低減
および製造時間の短縮を達成することができる。さら
に、従来は使用するマスクの形状を決めるのに、1つの
マスクに対していくつかの照射条件で試作してみて、得
ようとする中心波長と阻止率とが同時に得られることが
かどうかを確かめる必要があり、マスクの選定および照
射条件の割り出し作業に多くの時間を費やしていたが、
本実施例の製造方法では、この作業を省略することがで
きる。したがって本実施例の製造方法では、グレーティ
ング部4に対する全体露光工程が新たに必要になるもの
の、条件割りだしに要する時間に比べて、全体露光工程
は非常に短くて済むので、製造時間の大幅な短縮を達成
できる。
【0023】
【実施例】
(実施例1)図1に示した方法を用いて放射モード結合
型光ファイバグレーティングを製造した。ここで得よう
とするグレーティング特性は、中心波長1555.9n
m、阻止率1.2dB、阻止帯域幅10nmである。ま
ず、コアが、GeO2が4mol%添加された石英ガラ
スからなり、クラッドが石英ガラスからなる光ファイバ
を用意した。次に、この光ファイバを、100atm、
50℃程度に調整された水素加圧容器中に68時間保持
して水素添加処理を行った。次いで図1(a)に示すよ
うに、光ファイバをマスクの直下に設置し、光源として
KrFレーザを用いて、マスクの上から波長248nm
の紫外光を照射してグレーティング部を形成した。グレ
ーティングピッチΛは383μmとし、グレーティング
長は11mmとした。この紫外光の照射は、光ファイバ
の透過特性をモニターしながら行った。レーザ光のエネ
ルギー密度を1mJ/mm2とし、20分間照射したと
ころで、中心波長1553.89で阻止率が1.2dB
となった。このとき得られた透過スペクトルを図3に実
線で示す。ここでの阻止帯域幅は10nmであった。こ
の後、この光ファイバを80℃の温度下に48時間保持
して脱水素を行った。続いて、図1(b)に示すよう
に、光ファイバのグレーティング部が形成されている部
分全体に波長248nmの紫外光を照射した。この紫外
光の照射は、光ファイバの透過特性をモニターしながら
行った。レーザ光のエネルギー密度を2mJ/mm2
し、6分間照射したところで、中心波長が1555.9
nmとなった。このようにして得られた光ファイバグレ
ーティングの透過スペクトルを図3に破線で示す。この
図に示されるように、放射モード結合型グレーティング
としての特性を有しており、最終的な阻止率は1.3d
B、阻止帯域幅は10nmであった。
【0024】尚、上記の実施例では、グレーティング部
を形成する方法として、マスクを使用して紫外光を照射
する方法を用いたが、グレーティング部の形成工程はこ
れに限られない。すなわち、コアが紫外光照射によって
屈折率変化が変化する材料からなる光導波路に対して、
紫外光を照射してグレーティング部を形成する方法であ
れば、任意の方法を用いることができる。例えば、光導
波路に対して、グレーティングピッチに合わせて小さい
スポットサイズに絞った紫外光を、一定間隔で順次照射
していくことによってグレーティング部を形成する方法
を用いることもできる。そして本実施例と同様に、グレ
ーティング部形成時に帯域幅と阻止率を調整し、グレー
ティング部形成後に、グレーティング部全体に紫外光を
照射して中心波長を調整することによって、グレーティ
ング特性を精密に、かつ容易に制御することができる。
【0025】また上記の実施例では、放射モード結合型
の光ファイバグレーティングを製造する方法を例に挙げ
て説明したが、放射モード結合型のグレーティングに限
らず、反射モード結合型のグレーティングを製造する場
合にも、本発明の方法は同様に適用可能である。ただ
し、放射型グレーティングにおいては、コアの屈折率変
化に対する中心波長の変化の度合いが大きいので、従来
の方法におけるグレーティング作製時の特性制御の困難
さは反射モード結合型グレーティングより大きく、した
がって本発明の製造方法によってこれを解決することに
よる効果も大きい。また光ファイバグレーティングに限
らず、光導波路として平面型光導波路を用いる場合で
も、本発明の製造方法を同様に適用することが可能であ
る。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように本発明の請求項1記
載の発明は、コアが紫外光照射によって屈折率が変化す
る材料からなる光導波路に、所定の間隔で紫外光を照射
してグレーティング部を形成するグレーティング形成工
程と、グレーティング部形成後に該グレーティング部全
体に対して紫外光を照射する全体露光工程を有すること
を特徴とする光導波路グレーティングの製造方法であ
る。したがって、グレーティング部形成後に全体露光す
ることによって、グレーティング部の実効屈折率を変化
させ、これにより阻止率を変化させずに中心波長のみを
調整することができる。よって、グレーティング特性を
精密に、かつ容易に制御することができる。また、グレ
ーティング形成後に、中心波長の調整が可能できるの
で、グレーティング形成前に時にすべての特性を制御し
ていた従来の方法に比べて、グレーティング形成前に決
める製造条件の精度が緩和される。したがって、従来は
非常に多くの時間を費やしていた製造条件の割り出し作
業を大幅に短縮することができ、製造効率の向上、製造
コストの削減を図ることができる。
【0027】また請求項2記載の発明は、前記グレーテ
ィング形成工程に先立って、前記光導波路に水素添加処
理を行い、かつ該グレーティング形成工程後、前記全体
露光工程前に脱水素処理を行うことを特徴とする請求項
1記載の光導波路グレーティングの製造方法である。し
たがって、グレーティング部を効率良く形成できるとと
もに、グレーティングの阻止率および中心波長がともに
高精度に制御でき、かつ光導波路グレーティング製造後
に経時的に変化するのを防止することができ、信頼性に
優れた光導波路グレーティングが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の製造方法の一実施例を示すもので、
(a)はグレーティング形成工程、(b)は全体露光工
程をそれぞれ示す。
【図2】 本発明に係るグレーティング部のコア屈折率
プロファイルであり、(a)はグレーティング形成工程
後、(b)は全体露光工程後をそれぞれ示す。
【図3】 本発明の実施例に係る透過スペクトルを示す
グラフである。
【図4】 放射モード結合型光導波路グレーティングの
特性を示すグラフである。
【符号の説明】
1…光ファイバ、2…紫外光、3…マスク、3a…スリ
ット、4…グレーティング部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 奥出 聡 千葉県佐倉市六崎1440番地 株式会社フジ クラ佐倉工場内 (72)発明者 須藤 正明 千葉県佐倉市六崎1440番地 株式会社フジ クラ佐倉工場内 (72)発明者 酒井 哲弥 千葉県佐倉市六崎1440番地 株式会社フジ クラ佐倉工場内 (72)発明者 和田 朗 千葉県佐倉市六崎1440番地 株式会社フジ クラ佐倉工場内 (72)発明者 山内 良三 千葉県佐倉市六崎1440番地 株式会社フジ クラ佐倉工場内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コアが紫外光照射によって屈折率が変化
    する材料からなる光導波路に、所定の間隔で紫外光を照
    射してグレーティング部を形成するグレーティング形成
    工程と、グレーティング部形成後にグレーティング部全
    体に対して紫外光を照射する全体露光工程を有すること
    を特徴とする光導波路グレーティングの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記グレーティング形成工程に先立っ
    て、前記光導波路に水素添加処理を行い、かつ該グレー
    ティング形成工程後、前記全体露光工程前に脱水素処理
    を行うことを特徴とする請求項1記載の光導波路グレー
    ティングの製造方法。
JP8098880A 1996-04-19 1996-04-19 光導波路グレーティングの製造方法 Pending JPH09288205A (ja)

Priority Applications (7)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8098880A JPH09288205A (ja) 1996-04-19 1996-04-19 光導波路グレーティングの製造方法
CA002319769A CA2319769C (en) 1996-04-19 1997-04-10 Optical waveguide grating and production method therefor
CA002202308A CA2202308C (en) 1996-04-19 1997-04-10 Optical waveguide grating and production method therefor
CA002319776A CA2319776C (en) 1996-04-19 1997-04-10 Optical waveguide grating and production method therefor
US08/837,958 US5996375A (en) 1996-04-19 1997-04-14 Method of making an optical waveguide grating with two dissimilar irradiating steps
DE69739682T DE69739682D1 (de) 1996-04-19 1997-04-16 Optische Wellenleiter-Gitter-Anordnung und deren Herstellungsmethode
EP97400859A EP0805365B1 (en) 1996-04-19 1997-04-16 Optical waveguide grating and production method therefor

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8098880A JPH09288205A (ja) 1996-04-19 1996-04-19 光導波路グレーティングの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09288205A true JPH09288205A (ja) 1997-11-04

Family

ID=14231481

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8098880A Pending JPH09288205A (ja) 1996-04-19 1996-04-19 光導波路グレーティングの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09288205A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999027399A1 (fr) * 1997-11-26 1999-06-03 Mitsubishi Cable Industries, Ltd. Reseau de fibres, son procede et son dispositif de fabrication
US6522809B1 (en) 1999-08-19 2003-02-18 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha Waveguide grating device and method of controlling Bragg wavelength of waveguide grating

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999027399A1 (fr) * 1997-11-26 1999-06-03 Mitsubishi Cable Industries, Ltd. Reseau de fibres, son procede et son dispositif de fabrication
US6751380B1 (en) 1997-11-26 2004-06-15 Mitsubishi Cable Industries, Ltd. Fiber grating and method and apparatus for fabricating the same
US6522809B1 (en) 1999-08-19 2003-02-18 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha Waveguide grating device and method of controlling Bragg wavelength of waveguide grating

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5996375A (en) Method of making an optical waveguide grating with two dissimilar irradiating steps
DE69317285T2 (de) Lichtinduziertes gitter in glas, das b2o3 enthaelt
EP0569182B1 (en) Photoinduced refractive index change in hydrogenated germano-silicate waveguide
KR100351218B1 (ko) 복사선유도굴절율변화를이용한광소자,복사선유도굴절율변화를이용한광소자제조방법및광소자안정화방법
KR20010102214A (ko) 수소 또는 중수소로 유리를 감광화하는 방법 및 이로부터제조된 도파관
JPH09236720A (ja) 光信号整形装置
US7680375B2 (en) Production device and production method for an optical device component having a grating structure
US6201911B1 (en) Apparatus for manufacturing long-period fiber gratings and apparatus for manufacturing two-band long-period fiber gratings using the same
JP3426154B2 (ja) グレーティング付き光導波路の製造方法
JPH10142412A (ja) 光ファイバ長周期グレーティングデバイスの製造方法
JPH11119040A (ja) 長周期格子フィルター製造のためのジグ、これを用いた長周期格子フィルターの製造装置及び方法
JPH09288205A (ja) 光導波路グレーティングの製造方法
JPH09288204A (ja) 光導波路グレーティングの製造方法
US7704682B2 (en) Optical fiber having bragg grating and method of manufacturing the same
JP2982786B2 (ja) 光導波路グレーティングの形成方法
JP4063914B2 (ja) 複数波長阻止型光導波路グレーティングの製造方法
CA2319769C (en) Optical waveguide grating and production method therefor
KR20010055638A (ko) 진폭 마스크 및 이를 이용한 광섬유 격자 제작장치
JPH09297233A (ja) 光導波路グレーティングおよびその製造方法
JPH10339821A (ja) 光導波路型グレーティングの製造方法
JP4329173B2 (ja) 光導波路グレーティング素子製造方法
JP2000155225A (ja) グレーティング付き光ファイバーの製造方法
KR100313461B1 (ko) 분극의존성 손실을 줄이기 위한 장주기 광섬유 격자의 제조 방법
JPH09304638A (ja) 光導波路グレーティングおよびその製造方法
JPH10133039A (ja) 屈折率分布の形成方法

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050308

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050509

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20051115