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JPH09281085A - レーザー超音波検査装置及びレーザー超音波検査方法 - Google Patents

レーザー超音波検査装置及びレーザー超音波検査方法

Info

Publication number
JPH09281085A
JPH09281085A JP8095082A JP9508296A JPH09281085A JP H09281085 A JPH09281085 A JP H09281085A JP 8095082 A JP8095082 A JP 8095082A JP 9508296 A JP9508296 A JP 9508296A JP H09281085 A JPH09281085 A JP H09281085A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
subject
ultrasonic
laser
diffraction grating
laser beam
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP8095082A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasuaki Nagata
泰昭 永田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP8095082A priority Critical patent/JPH09281085A/ja
Publication of JPH09281085A publication Critical patent/JPH09281085A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の利点を維持したまま欠陥位置を決定す
る際の距離分解能が向上するレーザー超音波検査装置及
びレーザー超音波検査方法を提供する。 【解決手段】 回転機構30は、被検体16の矢印の方
向における傾きの角度を変えるためのものである。被検
体16を傾けると、回折格子15おいて回折された光
は、ある程度の角度をもって被検体16に照射される。
レーザー光の中心軸に対して被検体16が傾いている
と、被検体16の上部は回折格子15に近づき、被検体
16の下部は回折格子15から離れる。被検体16の表
面において生じる干渉縞のピッチは、上部では短く、下
部では長くなる。このようなレーザービームによって発
生する超音波の波形はチャープ波形となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被検体にレーザー
光を照射して超音波を発生させ、被検体を伝播した超音
波を検出することによって被検体の状態を検査するレー
ザー超音波検査装置及びレーザー超音波検査方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】各種材料の内部や表面の欠陥等を検出す
る方法の一つとして、いわゆるレーザー超音波法と呼ば
れる検査方法がある。この方法については、例えば超音
波TECHNO5月号(vol.5, No.5, p38(1993)日本工
業出版)等を参照することができる。この方法は、レー
ザー光を用いて超音波を発生させるとともに、別のレー
ザー光を用いてこの超音波を検出するので、検査対象に
接触することができない状況での検査に有利であり、種
々の分野での利用が検討されている。
【0003】また、J. Huang, S. Krishnaswamy and J.
D. Achenbach による「Laser Generation of narrow-b
and surface waves 」(J. Acoust. Soc. Am. 92(5) 19
92,p2527-2531)には、レーザー超音波法の他の例が記
載されている。この論文では、図9に示す構成のレーザ
ー超音波発生装置が記載されている。図9の装置は、単
一のレーザー光50を回折格子51に照射し、回折格子
51における回折によって多数に分岐したレーザービー
ム52を被検体であるアルミニウムのブロック53にほ
ぼ垂直に照射することによって、被検体53の表層部分
に超音波を発生させる。このような方法で多数に分岐し
たレーザービームを照射する目的は、単一の強力なレー
ザー光を直接照射することによって生じる被検体表面の
損傷を避けるために、被検体に損傷を与えない熱弾性領
域で超音波を発生させるとともに、その超音波の強度を
検出に十分なSN比が確保できる程度に高めるためであ
る。
【0004】回折格子51によって回折されたレーザー
ビーム52は、図10に示すような縞状の強度分布をも
って被検体53に照射される。同図において、斜線の部
分は強度の高い部分、その間の白の部分は強度の低い部
分を模式的に示している。図10に示すように、各縞の
間隔は、レーザービーム52を被検体に垂直に照射した
ために、等間隔となっている。前掲論文によると、この
強度分布のピークの間隔が適当な値となるように回折格
子の格子間隔その他を調整することによって、図11に
示すようなトーンバースト状の超音波、すなわちほぼ一
定の周波数及び振幅が一定期間にわたって持続する超音
波が発生する。
【0005】被検体にクラックその他の欠陥が存在する
と、被検体中を伝播する超音波は欠陥部において反射さ
れ、エコーが生じる。このエコーは、被検体の他の位置
においてヘテロダインレーザー干渉計54によって検出
され、位相検波その他の処理が行われる。この処理後の
信号から、被検体に欠陥が存在するか否かを知ることが
でき、また欠陥が存在する場合には、既知である被検体
の音速及び観測された到達時間から、その位置を知るこ
とができる。図11に示すような狭帯域のトーンバース
ト信号を発生させることによって、従来のように広帯域
の超音波しか発生できなかった装置に比べて、欠陥検出
のSN比が数十倍程度向上する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、トーン
バースト状の超音波は、図11に示すように、ある時間
的な幅を持っている。このため、このトーンバースト信
号を用いて欠陥の位置を決定しようとした場合、この時
間幅分だけ距離分解能が低下するという問題がある。
【0007】そこで、本発明は、従来の利点を維持した
まま欠陥位置を決定する際の距離分解能が向上するレー
ザー超音波検査装置及びレーザー超音波検査方法を提供
することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、請求項1記載の発明であるレーザー超音波走査装
置は、超音波励起用のレーザー光を発生し、所定の部位
に照射するレーザー光源手段と、前記レーザー光を回折
してレーザービームを複数に分岐させる回折格子と、複
数に分岐された前記レーザービームが被検体に照射され
ることにより発生する超音波の周波数が、時間的に変化
するように、前記被検体を前記回折格子に対して所定の
角度に傾ける被検体傾斜手段と、前記被検体を伝播する
前記超音波を検出する超音波検出手段と、前記超音波検
出手段によって検出された超音波信号に対して所定の処
理を施し、前記被検体における欠陥の存在及びその位置
を検出する信号処理手段と、を具備することを特徴とす
る。
【0009】請求項2記載の発明の発明であるレーザー
超音波検査方法は、超音波励起用のレーザー光源からの
レーザー光を回折格子に照射して複数に分岐したレーザ
ービームを生成し、これらを、前記回折格子に対して所
定の角度だけ傾けて配置した被検体に照射することによ
り、周波数が時間的に変化する超音波を前記被検体に発
生させ、前記被検体を伝播する前記超音波を検出し、こ
の超音波信号に対して所定の信号処理を行うことによっ
て、前記被検体における欠陥の存在及びその位置を検査
することを特徴とするものである。
【0010】
【作用】回折を利用して複数に分岐させたレーザービー
ムを被検体に垂直に照射すると、前記の論文に記載され
ているように、いわゆるトーンバースト状の超音波が発
生する。この超音波は、その周波数及び振幅がほぼ一定
であり、一定の時間にわたり持続する。これに対し、上
記のように回折格子に対して被検体を傾け、回折格子か
ら分岐したそれぞれのレーザービームが、場所によって
異なる入射角で被検体に入射するように配置すると、被
検体に照射されるレーザービームの縞状のパターンの幅
が序々に変化する。このため、これら複数のレーザービ
ームによって発生する超音波は、その周波数が時間的に
変化する、いわゆるチャープ波となる。この超音波が被
検体の表層部を伝播して欠陥に当たると、ここで反射さ
れる。チャープ波を利用して、高い分解能で目標物を観
測する技術は、レーダー技術の分野において知られてい
る。レーダーに使用する電磁波も固体中を伝播する超音
波も、どちらも波動である点では共通し、数学的に同様
の取扱いが可能である。したがって、レーダー技術にお
いて用いられているのと同様の信号処理を超音波信号に
対して行うことによって、高い分解能で被検体中の欠陥
の存在及びその位置を検出することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に図面を参照して、本発明の
実施形態について説明する。図1は、本発明の一実施形
態のレーザー超音波検査装置の概略構成図であり、従来
装置を示した図9に対応する。超音波を発生させるため
のレーザー光源10には、Nd:YAGレーザーを使用
する。光源10から発せられたレーザー光は、ミラー1
1,12、拡散用レンズ13、フォーカス用レンズ14
を経て、回折格子15に到達する。拡散用レンズ13
は、ビーム幅を広げるためのレンズであり、フォーカス
用レンズ14は、レーザービームを被検体に焦点合わせ
するためのレンズである。回折格子15に到達したレー
ザー光は、ここで様々な方向に回折されるが、そのうち
一定の光路差をもつもの同士が被検体16の表面におい
て干渉し、強め合う。これによって、被検体16の表面
における強度分布は、回折格子15の格子方向と垂直な
方向において波状に変化する。
【0012】被検体のうち、レーザー光の強度が高い部
分では、超音波が励起され、被検体を媒体として、その
表面の約2〜3mmの領域を伝播する。このとき、レー
ザー光の強度は、回折格子15の格子方向と平行な方向
においてはほぼ一定であるため、超音波は、回折格子1
5の格子の方向と垂直な方向に伝播しやすくなり、伝播
方向に指向性が現れる。
【0013】図2は、この超音波が被検体の表層部を伝
播する経路を模式的に描いた図である。同図において、
40で示す領域で発生された超音波は、矢印a1 ,a2
で示す方向に伝播する。a1 方向に伝播する超音波が欠
陥41で反射され、その反射波がa3 で示す方向に伝播
し、42で示す超音波検出領域に達すると、ここでその
反射波が検出される。超音波発生領域40及び超音波検
出領域42の相対的な位置関係は予め分かっており、ま
た、被検体中における超音波の音速も既知であるから、
レーザーを照射してから超音波を検出するまでの時間を
観測すれば、簡単な計算によって欠陥41の位置を特定
することができる。そして、超音波発生領域40と超音
波検出領域42の相対的な位置関係を保ったまま、被検
体16を図2の上下方向に走査させることによって、被
検体16の表層部全体の欠陥検査を行うことが可能とな
る。
【0014】被検体を伝播する超音波の検出には、図1
に示すレーザー干渉計20を用いる。レーザー干渉計2
0としては、超音波振動の存在によって被検体16の表
面に照射したプローブ用レーザー光の反射光の位相変化
を検出するヘテロダイン型干渉計やホモダイン型干渉
計、或いは被検体表面の超音波振動によってプローブ用
レーザー光の反射光が受けるドップラーシフトを検出す
るファブリペロー型干渉計を使用することができる。レ
ーザー干渉計20の出力信号は、コンピュータ21に送
られ、ここで計算等の処理が行われ、その結果は必要に
応じて記憶される。また、処理の結果はCRT22に表
示することができる。
【0015】図1のレーザー超音波検査装置には、回転
機構30及び31が設けられている。回転機構30,3
1の制御は、コンピュータ21によって行われる。回転
機構30は、被検体16の矢印Aの方向における傾きの
角度を変えるためのものである。被検体16を傾ける
と、回折格子15おいて回折された光は、ある程度の角
度をもって被検体16に照射される。この点が、回折後
のレーザービームを被検体に垂直に照射する図9の従来
装置と大きく異なる点である。また、回転機構30によ
って被検体の角度が変わると、回転機構31がこれに連
動し、レーザー干渉計20から発生されたプローブ用レ
ーザー光を反射するミラー23の角度を変える。これ
は、プロープ用レーザー光が、常に被検体16に垂直に
照射されるようにするためである。
【0016】図1に示すようにレーザー光に対して被検
体16が傾いていると、被検体16の上部は回折格子1
5に近づき、被検体16の下部は回折格子15から離れ
る。図3は、レーザー光に対して被検体を傾けたときに
どのようにビームが当たるかを拡大して示した図であ
る。同図において、m=0,±1,±2,・・・は、回
折の次数、θm はm次の回折ビームの角度、αは被検体
の傾きを垂直方向から計った角度、L0 は回折格子と被
検体との距離、yは被検体表面におけるビームの当たる
位置(y=0の位置をm=0のビームが当たる点とす
る)、Δyはビームとビームの間隔を示す。このように
傾いた被検体に回折格子回折したレーザー光を照射した
ときの干渉縞のパターンを模式的に示すと、図4のよう
になる。すなわち、被検体16の表面において生じる干
渉縞の間隔は、上部では短く、下部では長くなる。この
点が、干渉縞の間隔がほぼ等しい図10とは異なる。被
検体16の傾きと、干渉縞の間隔との関係は、次のよう
になる。
【0017】 y=L0 tanθm { cosα+ sinα・ tan(α+θm )} (m≧0) y=L0 tanθm /{ cosα+ sinα・ tanθm )} (m<0) θm ≪1のときは、m≧0の場合には、 Δy=L0 A{ cosα+α sinα}+L0 2 (2m+1) sinα =C1 +C1 m となる。
【0018】このように、間隔が徐々に変化する干渉縞
を被検体16に照射すると、これによって被検体16に
生じる超音波の周波数は、図5に示すように変化する。
この図において、右側の周波数の高い部分は、干渉縞の
間隔が短い被検体16の上部(図4の上部)において発
生した波に対応し、左側の周波数の低い部分は、干渉縞
の間隔が長い下部(図4の下部)において発生した波に
対応する。そして、この間における周波数の変化をグラ
フで示すと、図6のように直線的となる。尚、同図の横
軸は時間、縦軸は周波数である。このように周波数が直
線的に変化する波は、一般にチャープ波と呼ばれる。こ
のような波形の超音波を被検体16の表層部において伝
播さたとき、この超音波が被検体の欠陥(もし存在すれ
ば)に当たると、そこで反射を受ける。そして、この反
射波の超音波の波形もやはりチャープ波形である。
【0019】レーダー技術の分野において、このような
チャープ波を目標に向けて送信し、その反射波を受信し
た後、所定の信号処理(パルス圧縮という)を行うこと
によって、高い距離分解能で目標の位置を特定する方法
が知られている。これについては、例えば「計測・セン
サにおけるディジタル信号処理」(近藤倫正、大橋由
昌、実森彰郎共著、昭晃堂)の44ページ以降に記載さ
れている。同書によれば、チャープ波の信号をs1(t)と
すると、
【0020】
【数1】 と書くことができる。ここで、f0 は中心周波数、kは
1(t)の瞬時周波数
【0021】
【数2】 の時間に対する変化率、Tはs1(t)の持続時間であり、
rect関数は、次式で定義される。
【0022】
【数3】 式(1)及び式(2)から明らかなように、s1(t)の瞬
時周波数の変化量Bは、kTとなる。s1(t)のスペクト
ルはs1(t)をフーリエ変換することにより得られ、
【0023】
【数4】 となる。ここにZ(y) は複素フレネル積分で、
【0024】
【数5】 により表せる。そして、y1 ,y2 はそれぞれ次式によ
り定義される。
【0025】
【数6】
【0026】
【数7】 式(4)で表されるスペクトルS1(f)の振幅及び位相
は、TBが約100とすれば、図7(a)(b)に示す
ようになる。ここで、パルス圧縮のフィルタのインパル
スレスポンスとして、次式で与えられるものを考える。
【0027】
【数8】 式(8)から分かるように、入力信号s1(t)の瞬時周波
数が(f0 −kT/2)から(f0 +kT/2)に変化
するのに対し、h(t) の瞬時周波数は(f0 +kT/
2)から(f0 −kT/2)に変化する。すなわち、瞬
時周波数の特性が逆になっている。このフィルタの伝達
特性はh(t) をフーリエ変換することにより、
【0028】
【数9】 で表される。パルス圧縮フィルタに信号s1(t)が入力さ
れれば、時間領域におけるその出力はs1(t)とh(t) の
コンボリューション積分によって与えられ、
【0029】
【数10】 となる。ここで、sinc関数は、次式で定義される。
【0030】
【数11】 式(10)で表される出力信号s2(t)は,入力信号s
1(t)に比べて、振幅において電圧で(TB)1/2 倍、電
力においてTBとなり、パルス幅は約1/TB倍となる
ことがわかる(s1(t)のパルス幅がTであり、s2(t)の
パルス幅が約1/Bとなる)。TBで表されるこの量を
圧縮率という。パルス圧縮フィルタの周波数領域におけ
る出力は、s2(t)のフーリエ変換又はS1(f)とH(f) の
積で表され、
【0031】
【数12】 となる。次に、パルス圧縮フィルタがマッチドフィルタ
として構成されている場合を考える。マッチドフィルタ
とは、そのフィルタの入力におけるSN比(ピーク信号
電力対平均雑音電力)を固定したとき出力のSN比が最
大となるフィルタをいう。但し、ここでは雑音はホワイ
トガウシアンとする。このときマッチドフィルタの伝達
関数は、出力信号の遅延を無視すれば、
【0032】
【数13】 で与えられる。ここに、アスタリスク「*」は、共役複
素数を表す。また、フィルタのインパルスレスポンス
は、
【0033】
【数14】 で表される。したがって、時間領域における出力信号s
1(t)とhM (t) のコンボリューション積分により得ら
れ、
【0034】
【数15】 となる。式(10)との比較を容易にするために、式
(15)を正規化すれば、最終的に得られる波形の振幅
【0035】
【数16】 となる。式(16)において、振幅のピークが生じるt
=0より時間軸方向に離れるにしたがって分子の第2項
は小さくなるので、式(16)は、式(10)で表され
る波形の振幅とほぼ同じになる。式(10)の波形を図
示すると、図8のようになる。この図から、周波数偏移
Bを大きくする程、図8の波形のパルス幅は狭くなり、
高さは高くなることがわかる。このことは、目標から反
射されて返ってきたチャープ波を上記のように信号処理
することによって、距離分解能を高めることができるこ
とを意味する。
【0036】以上の議論は、主としてレーダー技術にお
ける電磁波に対する信号処理を対象としているが、レー
ザー超音波検査装置における超音波信号に対する信号処
理にも同様の議論がそのまま適用できる。図1の装置の
被検体16において発生させるチャープ波の超音波につ
いてBを大きくするには、被検体16の傾きを大きくす
ればよい。もっとも、上記の説明では、図1に示した被
検体16を傾ける角度が大きくなればなる程、位置分解
能は高くなるが、一方で、被検体を傾けることによる超
音波を発生させるためのレーザー光の単位面積当たりの
強度が低下して、十分な強度の超音波が発生できなくな
るという問題がある。したがって、被検体16を傾ける
角度には、位置分解能とレーザー光の強度との兼ね合い
で、適当な角度とする必要がある。
【0037】本発明は上記実施の形態に限定されるもの
ではなく、その要旨の範囲内で種々の変形が可能であ
る。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
被検体を所定の角度に傾けて配置し、これに、回折格子
を利用して多数分岐させたレーザービームを照射するこ
とによって、多数のレーザービームの照射によって被検
体中に生じる超音波を、時間的に直線的に変化する波
形、すわなちチャープ波形とすることができるため、こ
の超音波を検出し、レーダー技術の分野において知られ
ている所定の信号処理を行うことによって、トーンバー
スト状の超音波を発生させた場合に問題となる欠陥の位
置分解能の低下という問題を回避して、高い分解能で欠
陥の位置を検出することが可能となり、同時に、回折格
子で多数に分岐したレーザービームで超音波を発生させ
ることによって高いSN比が得られるという従来の利点
を維持することも可能となるレーザー超音波検査装置及
びレーザー超音波検査方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態のレーザー超音波検査装置
の概略構成図である。
【図2】レーザーの照射によって発生された超音波が被
検体の表層部を伝播する経路を模式的に描いた図であ
る。
【図3】レーザー光に対して被検体を傾けたときにどの
ようにビームが当たるかを拡大して示した図である。
【図4】傾いた被検体に回折格子で回折したレーザー光
を照射したときの干渉縞のパターンを模式的に示す図で
ある。
【図5】間隔が徐々に変化する干渉縞を被検体に照射し
たときに発生する超音波の波形を示す図である。
【図6】間隔が徐々に変化する干渉縞を被検体に照射し
たときに発生する超音波の周波数の時間的な変化を示す
図である。
【図7】チャープ波のスペクトルの位相及び振幅の様子
を示す図である。
【図8】チャープ波に対する信号処理の結果得られた信
号の波形を示す図である。
【図9】従来のレーザー超音波装置の概略構成図であ
る。
【図10】回折格子によって回折されたレーザービーム
を被検体に垂直に照射したときの縞状の強度分布を示す
図である。
【図11】多数分岐したレーザービームを被検体にほぼ
垂直に照射したときに生じるトーンバースト状の超音波
の波形を示す図である。
【符号の説明】
10 レーザー光源 11,12 ミラー 13 拡散用レンズ 14 フォーカス用レンズ 15,51 回折格子 16 被検体 20 レーザー干渉計 21 コンピュータ 22 CRT 30,31 回転機構 40 超音波発生領域 41 欠陥 42 超音波検出領域 52 レーザービーム 53 アルミニウムブロック

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超音波励起用のレーザー光を発生し、所
    定の部位に照射するレーザー光源手段と、 前記レーザー光を回折してレーザービームを複数に分岐
    させる回折格子と、 複数に分岐された前記レーザービームが被検体に照射さ
    れることにより発生する超音波の周波数が、時間的に変
    化するように、前記被検体を前記回折格子に対して所定
    の角度に傾ける被検体傾斜手段と、 前記被検体を伝播する前記超音波を検出する超音波検出
    手段と、 前記超音波検出手段によって検出された超音波信号に対
    して所定の処理を施し、前記被検体における欠陥の存在
    及びその位置を検出する信号処理手段と、 を具備することを特徴とするレーザー超音波検査装置。
  2. 【請求項2】 超音波励起用のレーザー光源からのレー
    ザー光を回折格子に照射して複数に分岐したレーザービ
    ームを生成し、これらを、前記回折格子に対して所定の
    角度だけ傾けて配置した被検体に照射することにより、
    周波数が時間的に変化する超音波を前記被検体に発生さ
    せ、前記被検体を伝播する前記超音波を検出し、この超
    音波信号に対して所定の信号処理を行うことによって、
    前記被検体における欠陥の存在及びその位置を検査する
    ことを特徴とするレーザー超音波検査方法。
JP8095082A 1996-04-17 1996-04-17 レーザー超音波検査装置及びレーザー超音波検査方法 Withdrawn JPH09281085A (ja)

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JP8095082A JPH09281085A (ja) 1996-04-17 1996-04-17 レーザー超音波検査装置及びレーザー超音波検査方法

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JP8095082A JPH09281085A (ja) 1996-04-17 1996-04-17 レーザー超音波検査装置及びレーザー超音波検査方法

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ID=14128032

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JP8095082A Withdrawn JPH09281085A (ja) 1996-04-17 1996-04-17 レーザー超音波検査装置及びレーザー超音波検査方法

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN100446181C (zh) * 2001-09-25 2008-12-24 株式会社半导体能源研究所 激光照射方法和激光照射器件以及制造半导体器件的方法
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WO2011140911A1 (zh) * 2010-05-14 2011-11-17 Wang Bo 探伤系统及探伤方法

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