JPH09269804A - 自動制御系の安定制御装置 - Google Patents
自動制御系の安定制御装置Info
- Publication number
- JPH09269804A JPH09269804A JP8104032A JP10403296A JPH09269804A JP H09269804 A JPH09269804 A JP H09269804A JP 8104032 A JP8104032 A JP 8104032A JP 10403296 A JP10403296 A JP 10403296A JP H09269804 A JPH09269804 A JP H09269804A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- band
- transfer function
- standard
- post
- frequency transfer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Classifications
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B62—LAND VEHICLES FOR TRAVELLING OTHERWISE THAN ON RAILS
- B62D—MOTOR VEHICLES; TRAILERS
- B62D7/00—Steering linkage; Stub axles or their mountings
- B62D7/06—Steering linkage; Stub axles or their mountings for individually-pivoted wheels, e.g. on king-pins
- B62D7/14—Steering linkage; Stub axles or their mountings for individually-pivoted wheels, e.g. on king-pins the pivotal axes being situated in more than one plane transverse to the longitudinal centre line of the vehicle, e.g. all-wheel steering
- B62D7/15—Steering linkage; Stub axles or their mountings for individually-pivoted wheels, e.g. on king-pins the pivotal axes being situated in more than one plane transverse to the longitudinal centre line of the vehicle, e.g. all-wheel steering characterised by means varying the ratio between the steering angles of the steered wheels
- B62D7/159—Steering linkage; Stub axles or their mountings for individually-pivoted wheels, e.g. on king-pins the pivotal axes being situated in more than one plane transverse to the longitudinal centre line of the vehicle, e.g. all-wheel steering characterised by means varying the ratio between the steering angles of the steered wheels characterised by computing methods or stabilisation processes or systems, e.g. responding to yaw rate, lateral wind, load, road condition
-
- G—PHYSICS
- G05—CONTROLLING; REGULATING
- G05B—CONTROL OR REGULATING SYSTEMS IN GENERAL; FUNCTIONAL ELEMENTS OF SUCH SYSTEMS; MONITORING OR TESTING ARRANGEMENTS FOR SUCH SYSTEMS OR ELEMENTS
- G05B17/00—Systems involving the use of models or simulators of said systems
- G05B17/02—Systems involving the use of models or simulators of said systems electric
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Physics & Mathematics (AREA)
- Mathematical Physics (AREA)
- Theoretical Computer Science (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Combustion & Propulsion (AREA)
- Transportation (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- General Physics & Mathematics (AREA)
- Automation & Control Theory (AREA)
- Steering Control In Accordance With Driving Conditions (AREA)
- Feedback Control In General (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 現代制御を利用した自動制御系の安定制御装
置において、簡単な構成で迅速に演算処理を行ない、確
実に安定性を確保する。 【解決手段】 制御対象CTの応答特性を測定し、その
測定結果に基づき周波数応答演算手段FRにより標準的
周波数伝達関数と変動後周波数伝達関数を演算する。こ
れらを、帯域分割手段BDによって複数の帯域に分割
し、モデル近似手段SMにより帯域毎に、標準的及び変
動後周波数伝達関数に対し夫々数学的に近似させて標準
的及び変動後近似モデルを演算する。帯域別変動量演算
手段VRにて標準的近似モデルに対する変動後近似モデ
ルの変動量を演算し、帯域別現代制御器設定手段BHに
よって、帯域別変動量毎に現代制御器を設定する。そし
て、並列処理手段PCにより複数の帯域別現代制御器を
並列的に処理し、その処理結果に応じて制御対象駆動手
段DMにより制御対象CTを駆動する。
置において、簡単な構成で迅速に演算処理を行ない、確
実に安定性を確保する。 【解決手段】 制御対象CTの応答特性を測定し、その
測定結果に基づき周波数応答演算手段FRにより標準的
周波数伝達関数と変動後周波数伝達関数を演算する。こ
れらを、帯域分割手段BDによって複数の帯域に分割
し、モデル近似手段SMにより帯域毎に、標準的及び変
動後周波数伝達関数に対し夫々数学的に近似させて標準
的及び変動後近似モデルを演算する。帯域別変動量演算
手段VRにて標準的近似モデルに対する変動後近似モデ
ルの変動量を演算し、帯域別現代制御器設定手段BHに
よって、帯域別変動量毎に現代制御器を設定する。そし
て、並列処理手段PCにより複数の帯域別現代制御器を
並列的に処理し、その処理結果に応じて制御対象駆動手
段DMにより制御対象CTを駆動する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動制御系の安定
制御装置に関し、特に現代制御を利用して自動制御系の
追従性、安定性を確保する安定制御装置に係る。
制御装置に関し、特に現代制御を利用して自動制御系の
追従性、安定性を確保する安定制御装置に係る。
【0002】
【従来の技術】周知のように、自動制御系は、所定の目
的に適合するように制御対象に対し自動的に操作を加え
ることを基本とし、制御対象と、これに対する目標値を
設定する目標設定部と、設定目標値に基づき所定の制御
を行なう制御装置から成る。この制御装置で行なわれる
最も一般的な制御として、PID(比例・積分・微分)
制御があり、古典制御として知られている。これは周波
数領域の特性に基づく制御であり、物理量として把握で
きる等の理由により、これまで長期に亘って活用されて
いる。
的に適合するように制御対象に対し自動的に操作を加え
ることを基本とし、制御対象と、これに対する目標値を
設定する目標設定部と、設定目標値に基づき所定の制御
を行なう制御装置から成る。この制御装置で行なわれる
最も一般的な制御として、PID(比例・積分・微分)
制御があり、古典制御として知られている。これは周波
数領域の特性に基づく制御であり、物理量として把握で
きる等の理由により、これまで長期に亘って活用されて
いる。
【0003】上記古典制御に対し、時間領域の特性に基
づいて数理的に制御を把握する現代制御が注目されてい
る。これは状態空間法に立脚したもので、制御系の安定
性に関連してハーディ空間(H)が提案されると共に、
この「H」が距離の尺度に対応する「∞」と組み合わさ
れた「H∞制御」(エイチインフィニティ制御、エイチ
無限大制御)が提案されている。ここで、例えば平面
(x,y)の距離(x2+y2 )1/2 が「2ノルム」と
して2番目の尺度とされ、|x|+|y|が「1ノル
ム」とされるが、上記「∞」は「∞ノルム」を意味し、
平面ではmax(|x|,|y|)、即ち、x座標の絶
対値とy座標の絶対値のうち、大きいほうを尺度にする
ことに対応している。(「省力と自動化」、オーム社発
行、1991年12月号、第82頁乃至83頁参照)。
而して、H∞制御は、例えば外乱等の状態変動があって
も制御系を安定した状態で制御するロバスト安定制御へ
の適用が検討されている。
づいて数理的に制御を把握する現代制御が注目されてい
る。これは状態空間法に立脚したもので、制御系の安定
性に関連してハーディ空間(H)が提案されると共に、
この「H」が距離の尺度に対応する「∞」と組み合わさ
れた「H∞制御」(エイチインフィニティ制御、エイチ
無限大制御)が提案されている。ここで、例えば平面
(x,y)の距離(x2+y2 )1/2 が「2ノルム」と
して2番目の尺度とされ、|x|+|y|が「1ノル
ム」とされるが、上記「∞」は「∞ノルム」を意味し、
平面ではmax(|x|,|y|)、即ち、x座標の絶
対値とy座標の絶対値のうち、大きいほうを尺度にする
ことに対応している。(「省力と自動化」、オーム社発
行、1991年12月号、第82頁乃至83頁参照)。
而して、H∞制御は、例えば外乱等の状態変動があって
も制御系を安定した状態で制御するロバスト安定制御へ
の適用が検討されている。
【0004】更に、上記H∞制御とPID制御を組み合
わせた例として、例えば、第17回Dynamical System T
heory シンポジウム(1994・11・30〜12・
2千葉)の前刷集の第201頁乃至第204頁に、「周
波数領域でのモデルマッチングによるPID制御系の設
計」が提案されている。同資料においては、設計された
制御器の次数がPID制御などに比べて高次元となると
いった点が実装時の問題となっていたことに鑑み、制御
装置の信頼性や再チューニングなどのメンテナンス、実
装コストの面からは動作原理の簡単な制御装置が好まし
いとして、高次元制御器の低次元化手法の重要性が高ま
っていると記載されている。この課題に対し、同資料に
は一巡伝達関数の周波数特性を規範モデルとして指定
し、PID制御系の一巡伝達関数を規範モデルにマッチ
ングさせることによってPID制御ゲインを設計する方
法が開示されている。そして、規範モデルとなる一巡伝
達関数としてはH∞制御などによって得られる一巡伝達
関数を用いることができるとし、結局高次元制御器のP
ID制御への低次元化手法となると記載されている。ま
た、マッチングさせる周波数帯域を指定することができ
るので、周波数重み付きの制御器の低次元化手法となる
と記載されている。
わせた例として、例えば、第17回Dynamical System T
heory シンポジウム(1994・11・30〜12・
2千葉)の前刷集の第201頁乃至第204頁に、「周
波数領域でのモデルマッチングによるPID制御系の設
計」が提案されている。同資料においては、設計された
制御器の次数がPID制御などに比べて高次元となると
いった点が実装時の問題となっていたことに鑑み、制御
装置の信頼性や再チューニングなどのメンテナンス、実
装コストの面からは動作原理の簡単な制御装置が好まし
いとして、高次元制御器の低次元化手法の重要性が高ま
っていると記載されている。この課題に対し、同資料に
は一巡伝達関数の周波数特性を規範モデルとして指定
し、PID制御系の一巡伝達関数を規範モデルにマッチ
ングさせることによってPID制御ゲインを設計する方
法が開示されている。そして、規範モデルとなる一巡伝
達関数としてはH∞制御などによって得られる一巡伝達
関数を用いることができるとし、結局高次元制御器のP
ID制御への低次元化手法となると記載されている。ま
た、マッチングさせる周波数帯域を指定することができ
るので、周波数重み付きの制御器の低次元化手法となる
と記載されている。
【0005】具体的には、第1ステップとして「H∞制
御やH2 制御を用いて安定化制御器を設計し、その制御
器によって得られる一巡伝達関数を規範モデルとす
る」、第2ステップとして「PID制御器の構造を仮定
する」、そして第3ステップとして「規範モデルのゲイ
ン交点周波数、位相交点周波数を求め、PID制御系の
一巡伝達関数をマッチングさせる周波数帯域を指定す
る」と記載されている(尚、以後のステップ4乃至9に
ついては記載を省略する)。そして、振動系制御対象に
適用した例を示し、マッチング周波数帯域をうまく設定
すればH∞制御器の性能をある程度保存したPID制御
器が設計できると結論されている。
御やH2 制御を用いて安定化制御器を設計し、その制御
器によって得られる一巡伝達関数を規範モデルとす
る」、第2ステップとして「PID制御器の構造を仮定
する」、そして第3ステップとして「規範モデルのゲイ
ン交点周波数、位相交点周波数を求め、PID制御系の
一巡伝達関数をマッチングさせる周波数帯域を指定す
る」と記載されている(尚、以後のステップ4乃至9に
ついては記載を省略する)。そして、振動系制御対象に
適用した例を示し、マッチング周波数帯域をうまく設定
すればH∞制御器の性能をある程度保存したPID制御
器が設計できると結論されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前述のように、H∞制
御はハーディ空間という複素関数空間において定義され
る無限大ノルムの最小化問題となり、複雑な演算を繰り
返して行なう必要があるため、制御器(コントローラ)
は必然的に高次となる。これに対しては、近時の設計ア
ルゴリズムの簡略化によって低次元化が可能となった
が、特異点の多い制御対象に対しては演算処理時間が長
くなり、実装が困難となる。
御はハーディ空間という複素関数空間において定義され
る無限大ノルムの最小化問題となり、複雑な演算を繰り
返して行なう必要があるため、制御器(コントローラ)
は必然的に高次となる。これに対しては、近時の設計ア
ルゴリズムの簡略化によって低次元化が可能となった
が、特異点の多い制御対象に対しては演算処理時間が長
くなり、実装が困難となる。
【0007】確かに、前掲の資料に記載の方法によれば
低次元化が可能であるが、同方法は所定のH∞制御に対
してモデルマッチングさせる周波数帯域を不安定因子の
存在しない領域に限定したものであり、同資料において
はシステムの同定手段、即ちH∞制御器自体を求める手
段が論じられている訳ではない。従って、当然乍ら同資
料にも記載されているように、当該領域から外れた部分
を含む制御は不可能であり、当該領域を拡大すると、そ
れだけ外れることになり、ロバスト安定性の改善のため
に進み遅れ補償器を併用した制御が必要となる。このた
め、複数の共振点及び反共振点をもつ制御対象に対して
は必ずしも適切な対応ということはできない。
低次元化が可能であるが、同方法は所定のH∞制御に対
してモデルマッチングさせる周波数帯域を不安定因子の
存在しない領域に限定したものであり、同資料において
はシステムの同定手段、即ちH∞制御器自体を求める手
段が論じられている訳ではない。従って、当然乍ら同資
料にも記載されているように、当該領域から外れた部分
を含む制御は不可能であり、当該領域を拡大すると、そ
れだけ外れることになり、ロバスト安定性の改善のため
に進み遅れ補償器を併用した制御が必要となる。このた
め、複数の共振点及び反共振点をもつ制御対象に対して
は必ずしも適切な対応ということはできない。
【0008】結局、前掲の資料に記載の方法においては
H∞制御器が用いられているものの、通常の処理時間に
対する制限を考慮すると制御対象が限定され、用途は極
めて狭いものとなる。例えば処理時間の短縮を優先すれ
ば、近似精度が犠牲となり、両者を調和する対応は容易
ではない。
H∞制御器が用いられているものの、通常の処理時間に
対する制限を考慮すると制御対象が限定され、用途は極
めて狭いものとなる。例えば処理時間の短縮を優先すれ
ば、近似精度が犠牲となり、両者を調和する対応は容易
ではない。
【0009】そこで、本発明は、H∞制御を含む現代制
御を利用して自動制御系の追従性、安定性を確保する安
定制御装置において、簡単な構成で迅速に演算処理を行
ない、制御対象の特性に影響されることなく確実に安定
性を確保し得る安定制御装置を提供することを課題とす
る。
御を利用して自動制御系の追従性、安定性を確保する安
定制御装置において、簡単な構成で迅速に演算処理を行
ない、制御対象の特性に影響されることなく確実に安定
性を確保し得る安定制御装置を提供することを課題とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明は、請求項1に記載し図1に示したように、
制御対象CTと、この制御対象CTの応答特性を測定す
る応答特性測定手段DCと、この応答特性測定手段DC
の測定結果に基づき、標準的な周波数特性を有する標準
的周波数伝達関数、及び該標準的周波数伝達関数に対し
許容変動の周波数特性を有する変動後周波数伝達関数を
演算する周波数応答演算手段FRと、この周波数応答演
算手段FRの演算結果に応じて標準的周波数伝達関数及
び変動後周波数伝達関数を複数の帯域に分割する帯域分
割手段BDと、この帯域分割手段BDが分割した複数の
帯域毎に、標準的周波数伝達関数に対し数学的に近似さ
せて標準的近似モデルを演算すると共に、変動後周波数
伝達関数に対し数学的に近似させて変動後近似モデルを
演算するモデル近似手段SMと、複数の帯域毎に順次標
準的近似モデルに対する変動後近似モデルの変動量を演
算する帯域別変動量演算手段VRと、この帯域別変動量
演算手段VRが演算した帯域別変動量毎に現代制御器を
設定する帯域別現代制御器設定手段BHと、この帯域別
現代制御器設定手段BHが設定した複数の帯域別現代制
御器を並列的に処理する並列処理手段PCと、この並列
処理手段PCの処理結果に応じて制御対象CTを駆動す
る制御対象駆動手段DMとを備えることとしたものであ
る。ここで、現代制御器とは、周波数領域における現代
制御手法で得られる制御器であり、換言すると、ハーデ
ィ空間上におけるインフィニティノルムを用いる最適化
問題で得られる制御器である。具体的には、H∞制御
器、H2 制御器、μシンセシス等が挙げられる。
め、本発明は、請求項1に記載し図1に示したように、
制御対象CTと、この制御対象CTの応答特性を測定す
る応答特性測定手段DCと、この応答特性測定手段DC
の測定結果に基づき、標準的な周波数特性を有する標準
的周波数伝達関数、及び該標準的周波数伝達関数に対し
許容変動の周波数特性を有する変動後周波数伝達関数を
演算する周波数応答演算手段FRと、この周波数応答演
算手段FRの演算結果に応じて標準的周波数伝達関数及
び変動後周波数伝達関数を複数の帯域に分割する帯域分
割手段BDと、この帯域分割手段BDが分割した複数の
帯域毎に、標準的周波数伝達関数に対し数学的に近似さ
せて標準的近似モデルを演算すると共に、変動後周波数
伝達関数に対し数学的に近似させて変動後近似モデルを
演算するモデル近似手段SMと、複数の帯域毎に順次標
準的近似モデルに対する変動後近似モデルの変動量を演
算する帯域別変動量演算手段VRと、この帯域別変動量
演算手段VRが演算した帯域別変動量毎に現代制御器を
設定する帯域別現代制御器設定手段BHと、この帯域別
現代制御器設定手段BHが設定した複数の帯域別現代制
御器を並列的に処理する並列処理手段PCと、この並列
処理手段PCの処理結果に応じて制御対象CTを駆動す
る制御対象駆動手段DMとを備えることとしたものであ
る。ここで、現代制御器とは、周波数領域における現代
制御手法で得られる制御器であり、換言すると、ハーデ
ィ空間上におけるインフィニティノルムを用いる最適化
問題で得られる制御器である。具体的には、H∞制御
器、H2 制御器、μシンセシス等が挙げられる。
【0011】上記自動制御系の安定制御装置において、
請求項2に記載のように、周波数応答演算手段FRが、
標準的周波数伝達関数の振幅成分及び位相成分を演算す
ると共に、変動後周波数伝達関数の振幅成分及び位相成
分を演算し、帯域分割手段BDが、標準的周波数伝達関
数の振幅成分及び変動後周波数伝達関数の振幅成分を第
1の複数の帯域に分割すると共に、標準的周波数伝達関
数の位相成分及び変動後周波数伝達関数の位相成分を第
2の複数の帯域に分割し、モデル近似手段SMが、標準
的周波数伝達関数の振幅成分及び位相成分に対し数学的
に近似させて各々の標準的近似モデルを演算すると共
に、変動後周波数伝達関数の振幅成分及び位相成分に対
し数学的に近似させて各々の変動後近似モデルを演算
し、帯域別現代制御器設定手段BHが、第1の複数の帯
域及び第2の複数の帯域の何れか一方の帯域における標
準的近似モデルに対する変動後近似モデルの変動量に基
づき帯域別現代制御器を設定するように構成することが
望ましい。
請求項2に記載のように、周波数応答演算手段FRが、
標準的周波数伝達関数の振幅成分及び位相成分を演算す
ると共に、変動後周波数伝達関数の振幅成分及び位相成
分を演算し、帯域分割手段BDが、標準的周波数伝達関
数の振幅成分及び変動後周波数伝達関数の振幅成分を第
1の複数の帯域に分割すると共に、標準的周波数伝達関
数の位相成分及び変動後周波数伝達関数の位相成分を第
2の複数の帯域に分割し、モデル近似手段SMが、標準
的周波数伝達関数の振幅成分及び位相成分に対し数学的
に近似させて各々の標準的近似モデルを演算すると共
に、変動後周波数伝達関数の振幅成分及び位相成分に対
し数学的に近似させて各々の変動後近似モデルを演算
し、帯域別現代制御器設定手段BHが、第1の複数の帯
域及び第2の複数の帯域の何れか一方の帯域における標
準的近似モデルに対する変動後近似モデルの変動量に基
づき帯域別現代制御器を設定するように構成することが
望ましい。
【0012】また、請求項3に記載のように、帯域別現
代制御器設定手段BHが、第1の複数の帯域の各帯域と
第2の複数の帯域の各帯域のうちの狭い方の帯域におけ
る標準的近似モデルに対する変動後近似モデルの変動量
に基づき帯域別現代制御器を設定するように構成しても
よい。
代制御器設定手段BHが、第1の複数の帯域の各帯域と
第2の複数の帯域の各帯域のうちの狭い方の帯域におけ
る標準的近似モデルに対する変動後近似モデルの変動量
に基づき帯域別現代制御器を設定するように構成しても
よい。
【0013】更に、請求項4に記載のように、制御対象
駆動手段DMが、PID制御器を含み、このPID制御
器を並列処理手段PCの処理結果に応じて制御するよう
に構成してもよい。
駆動手段DMが、PID制御器を含み、このPID制御
器を並列処理手段PCの処理結果に応じて制御するよう
に構成してもよい。
【0014】尚、請求項5に記載のように、車両の後輪
の舵角を制御する後輪操舵制御装置は、上記の制御対象
CTとして好適である。
の舵角を制御する後輪操舵制御装置は、上記の制御対象
CTとして好適である。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の自動制御系の安定
制御装置の実施形態について図面を参照しながら説明す
る。本実施形態は、車両の前輪の操舵に応じて後輪を操
舵する後輪操舵制御装置に係り、制御対象のプラントに
相当するアクチュエータの性能を十分発揮させて位置決
め制御を行なうと共に、外乱に対して位置決め性能を維
持することが肝要である。図2は操舵制御装置を搭載し
た車両の全体構成を示すもので、前輪13,14は前輪
操舵機構10によりステアリングホイール19の回動操
作に応じて操舵される。前輪操舵機構10には、前輪1
3,14の舵角量に対応するラック軸10aの軸方向の
位置を検出する検出器、例えばポテンショメータの前輪
舵角センサ17が設けられており、その出力信号が、車
両に設置された電子制御ユニットECUに供給される。
また、ステアリングホイール19の操舵軸にはロータリ
エンコーダの操舵角センサ20が設けられており、その
出力信号が電子制御ユニットECUに供給される。
制御装置の実施形態について図面を参照しながら説明す
る。本実施形態は、車両の前輪の操舵に応じて後輪を操
舵する後輪操舵制御装置に係り、制御対象のプラントに
相当するアクチュエータの性能を十分発揮させて位置決
め制御を行なうと共に、外乱に対して位置決め性能を維
持することが肝要である。図2は操舵制御装置を搭載し
た車両の全体構成を示すもので、前輪13,14は前輪
操舵機構10によりステアリングホイール19の回動操
作に応じて操舵される。前輪操舵機構10には、前輪1
3,14の舵角量に対応するラック軸10aの軸方向の
位置を検出する検出器、例えばポテンショメータの前輪
舵角センサ17が設けられており、その出力信号が、車
両に設置された電子制御ユニットECUに供給される。
また、ステアリングホイール19の操舵軸にはロータリ
エンコーダの操舵角センサ20が設けられており、その
出力信号が電子制御ユニットECUに供給される。
【0016】更に、車両にはヨーレイトセンサ24が設
けられており、これにより車両重心を通る鉛直軸回りの
車両回転角(ヨー角)の変化速度、即ちヨー角速度(ヨ
ーレイト)が検出され、ヨーレイトγとして電子制御ユ
ニットECUに供給される。また、車輪の回転速度を検
出する車輪速センサ22、及び変速機(図示せず)に連
結された車輪の平均車輪速度に相当する速度を検出する
変速機車速センサ23が設けられており、これらから夫
々速度Vw,Vmを表す信号が電子制御ユニットECU
に供給される。
けられており、これにより車両重心を通る鉛直軸回りの
車両回転角(ヨー角)の変化速度、即ちヨー角速度(ヨ
ーレイト)が検出され、ヨーレイトγとして電子制御ユ
ニットECUに供給される。また、車輪の回転速度を検
出する車輪速センサ22、及び変速機(図示せず)に連
結された車輪の平均車輪速度に相当する速度を検出する
変速機車速センサ23が設けられており、これらから夫
々速度Vw,Vmを表す信号が電子制御ユニットECU
に供給される。
【0017】後輪15,16には後輪操舵機構11が接
続されており、アクチュエータを構成する電動モータ1
2の回転に応じて操舵される。本実施形態の後輪操舵機
構11はサーボユニットSVU、電動モータ12、磁極
センサ18、及び後輪舵角センサ21を有する。電動モ
ータ12は三相のブラシレスモータで、その軸方向端部
には、電動モータ12の回転角度を検出する相対舵角セ
ンサとして磁極センサ18が設けられており、電動モー
タ12の出力軸に固着された永久磁石(図示せず)の回
転に伴う磁極の変化に応じて磁極信号を出力するように
構成されている。尚、例えば二組の磁極センサを設け、
一方が故障したときにも操舵制御を継続することができ
るように構成してもよい。あるいは、これに替え、一般
的なロータリエンコーダを用いることとしてもよい。
続されており、アクチュエータを構成する電動モータ1
2の回転に応じて操舵される。本実施形態の後輪操舵機
構11はサーボユニットSVU、電動モータ12、磁極
センサ18、及び後輪舵角センサ21を有する。電動モ
ータ12は三相のブラシレスモータで、その軸方向端部
には、電動モータ12の回転角度を検出する相対舵角セ
ンサとして磁極センサ18が設けられており、電動モー
タ12の出力軸に固着された永久磁石(図示せず)の回
転に伴う磁極の変化に応じて磁極信号を出力するように
構成されている。尚、例えば二組の磁極センサを設け、
一方が故障したときにも操舵制御を継続することができ
るように構成してもよい。あるいは、これに替え、一般
的なロータリエンコーダを用いることとしてもよい。
【0018】また、後輪15,16の絶対舵角量を検出
する手段として、ラック軸25の移動を検出する後輪舵
角センサ21が設けられている。後輪舵角センサ21は
ホールICを有し、ラック軸25に装着された永久磁石
(図示せず)の移動量に応じて転舵位置を表す信号が出
力される。而して、後輪舵角センサ21の検出信号によ
り後輪舵角の中立点が設定された後、磁極センサ18に
よって相対舵角が求められ、結局磁極センサ18及び後
輪舵角センサ21によって後輪15,16の実舵角が求
められる。
する手段として、ラック軸25の移動を検出する後輪舵
角センサ21が設けられている。後輪舵角センサ21は
ホールICを有し、ラック軸25に装着された永久磁石
(図示せず)の移動量に応じて転舵位置を表す信号が出
力される。而して、後輪舵角センサ21の検出信号によ
り後輪舵角の中立点が設定された後、磁極センサ18に
よって相対舵角が求められ、結局磁極センサ18及び後
輪舵角センサ21によって後輪15,16の実舵角が求
められる。
【0019】上記サーボユニットSVUにおいては、図
3に示す機能ブロック図に従って目標舵角に応じて、電
動モータ12のサーボ制御が行なわれる。先ず、電子制
御ユニットECUの目標設定部S1にて目標舵角θaが
設定される(この演算については周知の方法と同様であ
るので説明を省略する)。一方、磁極センサ18によっ
て電動モータ12の回転角θmが検出され、舵角変換部
S44を介して実舵角θrとして出力され、これが減算
部S2に供給される。磁極センサ18の出力は相対的な
舵角であり、実舵角を表すものではないが、舵角変換部
S44にて後輪舵角センサ21の出力に基づき補正され
るように構成されているので、舵角変換部S44からは
実舵角θrが出力される。
3に示す機能ブロック図に従って目標舵角に応じて、電
動モータ12のサーボ制御が行なわれる。先ず、電子制
御ユニットECUの目標設定部S1にて目標舵角θaが
設定される(この演算については周知の方法と同様であ
るので説明を省略する)。一方、磁極センサ18によっ
て電動モータ12の回転角θmが検出され、舵角変換部
S44を介して実舵角θrとして出力され、これが減算
部S2に供給される。磁極センサ18の出力は相対的な
舵角であり、実舵角を表すものではないが、舵角変換部
S44にて後輪舵角センサ21の出力に基づき補正され
るように構成されているので、舵角変換部S44からは
実舵角θrが出力される。
【0020】而して、減算部S2においては、目標舵角
θaから実舵角θrが減算され、舵角偏差θdが求めら
れる。この偏差θdは制御部S3に供給される。制御部
S3は比例部S31、積分部S32及び微分部S33の
PID機能を有し、これらがH∞コントローラS34に
よって制御されるように構成され、結局複数のH∞コン
トローラC H∞i(S)(i=1〜n)が構成されている。比例部
S31では偏差θdに所定の比例ゲインが乗算される。
また、積分部S32では偏差θdが積分され、更に微分
部S33では偏差θdが微分される。尚、H∞コントロ
ーラS34の機能については後述する。
θaから実舵角θrが減算され、舵角偏差θdが求めら
れる。この偏差θdは制御部S3に供給される。制御部
S3は比例部S31、積分部S32及び微分部S33の
PID機能を有し、これらがH∞コントローラS34に
よって制御されるように構成され、結局複数のH∞コン
トローラC H∞i(S)(i=1〜n)が構成されている。比例部
S31では偏差θdに所定の比例ゲインが乗算される。
また、積分部S32では偏差θdが積分され、更に微分
部S33では偏差θdが微分される。尚、H∞コントロ
ーラS34の機能については後述する。
【0021】そして、これらが加算部S35にて加算さ
れ、舵角制御量、即ち舵角値θcが得られ、制御対象S
4に供給される。制御対象S4においては、舵角値θc
が偏差−デューティ変換部S41にてデューティDyに
変換され、パルス幅変調(PWM)部S42に供給され
る。このパルス幅変調部S42においてはデューティD
yに応じたパルス信号Pwが形成され、モータドライバ
S43に出力される。而して、モータドライバS43に
より、これに供給されるパルス信号Pwに応じて、電動
モータ12がサーボ制御され回転駆動される。尚、舵角
偏差不感帯付与部(図示せず)を設け、偏差θdの絶対
値が所定値以下の場合には出力の偏差θdを0とし、偏
差θdの値が小さいときには制御を停止するように構成
することとしてもよい。また、舵角値θcに対し舵角偏
差リミッタ(図示せず)によって舵角制限をかけ、舵角
値θcに比例した制御量を設定すると共に、この制御量
が所定の上限値以上または所定の下限値以下にならない
ように設定することとしてもよい。
れ、舵角制御量、即ち舵角値θcが得られ、制御対象S
4に供給される。制御対象S4においては、舵角値θc
が偏差−デューティ変換部S41にてデューティDyに
変換され、パルス幅変調(PWM)部S42に供給され
る。このパルス幅変調部S42においてはデューティD
yに応じたパルス信号Pwが形成され、モータドライバ
S43に出力される。而して、モータドライバS43に
より、これに供給されるパルス信号Pwに応じて、電動
モータ12がサーボ制御され回転駆動される。尚、舵角
偏差不感帯付与部(図示せず)を設け、偏差θdの絶対
値が所定値以下の場合には出力の偏差θdを0とし、偏
差θdの値が小さいときには制御を停止するように構成
することとしてもよい。また、舵角値θcに対し舵角偏
差リミッタ(図示せず)によって舵角制限をかけ、舵角
値θcに比例した制御量を設定すると共に、この制御量
が所定の上限値以上または所定の下限値以下にならない
ように設定することとしてもよい。
【0022】上記の構成になる本実施形態の後輪操舵制
御装置においては、電子制御ユニットECUにて図4の
ステップ300が実行され、上記の舵角制御が行なわれ
る。尚、図4のステップ102乃至200及び図5のフ
ローチャートの処理は別途オフラインで実行され、その
処理結果が電子制御ユニットECUのプログラムに予め
組み込まれている。以下、これらの処理を図4及び図5
に示した一連のステップに沿って説明する。
御装置においては、電子制御ユニットECUにて図4の
ステップ300が実行され、上記の舵角制御が行なわれ
る。尚、図4のステップ102乃至200及び図5のフ
ローチャートの処理は別途オフラインで実行され、その
処理結果が電子制御ユニットECUのプログラムに予め
組み込まれている。以下、これらの処理を図4及び図5
に示した一連のステップに沿って説明する。
【0023】先ず、ステップ102においてプラント
(図2の実施形態でいえば電動モータ12)に関し、標
準時と変動後(外乱時)の応答特性が測定される。例え
ば、車両の走行状態に応じてタイヤ、サスペンションを
介してアクチュエータに対して種々の態様の外力が加わ
り、これが外乱負荷となる。また、タイヤの摩耗等によ
りタイヤの特性が変化し、あるいはワイドタイヤ、テン
パタイヤ等、タイヤの種類によってもタイヤの特性が異
なり、外乱の態様も異なる。而して、ベンチ試験におい
て上記の種々の負荷が加えられ、標準時と変動後の応答
特性が測定される。これにより、例えば図6に示すよう
な目標舵角θaに対する実舵角θrの時間応答特性が得
られる。
(図2の実施形態でいえば電動モータ12)に関し、標
準時と変動後(外乱時)の応答特性が測定される。例え
ば、車両の走行状態に応じてタイヤ、サスペンションを
介してアクチュエータに対して種々の態様の外力が加わ
り、これが外乱負荷となる。また、タイヤの摩耗等によ
りタイヤの特性が変化し、あるいはワイドタイヤ、テン
パタイヤ等、タイヤの種類によってもタイヤの特性が異
なり、外乱の態様も異なる。而して、ベンチ試験におい
て上記の種々の負荷が加えられ、標準時と変動後の応答
特性が測定される。これにより、例えば図6に示すよう
な目標舵角θaに対する実舵角θrの時間応答特性が得
られる。
【0024】続いて、ステップ103にて周波数応答演
算が行なわれる。即ち、例えば高速フーリエ変換(FF
T)によって周波数領域に変換され、標準時と変動後の
周波数伝達関数が求められる。而して、例えば図7のゲ
イン線図及び位相線図に示した周波数特性を有する周波
数伝達関数Gi(S),Qi(S)が得られる。即ち、ノミナル
プラント(標準的プラント。例えば、通常の走行状態の
プラント)に対し図7に実線で示す周波数伝達関数Gi
(S)が標準的周波数伝達関数として求められると共に、
最大変動のマキシマムプラント(例えば、想定し得る最
悪の状態で走行時に外乱が加わった状態)に対し図7に
破線で示す周波数伝達関数Qi(S)が変動後周波数伝達関
数として求められる。この「最大」乃至「最悪」の程度
は制御対象、制御条件等に応じて個々に設定される。ま
た、この場合の外乱は、従前のLQG理論のような統計
的な性質を必要とするものではなく、設計仕様に応じて
設定される許容範囲内で最悪の外乱とすることができ
る。
算が行なわれる。即ち、例えば高速フーリエ変換(FF
T)によって周波数領域に変換され、標準時と変動後の
周波数伝達関数が求められる。而して、例えば図7のゲ
イン線図及び位相線図に示した周波数特性を有する周波
数伝達関数Gi(S),Qi(S)が得られる。即ち、ノミナル
プラント(標準的プラント。例えば、通常の走行状態の
プラント)に対し図7に実線で示す周波数伝達関数Gi
(S)が標準的周波数伝達関数として求められると共に、
最大変動のマキシマムプラント(例えば、想定し得る最
悪の状態で走行時に外乱が加わった状態)に対し図7に
破線で示す周波数伝達関数Qi(S)が変動後周波数伝達関
数として求められる。この「最大」乃至「最悪」の程度
は制御対象、制御条件等に応じて個々に設定される。ま
た、この場合の外乱は、従前のLQG理論のような統計
的な性質を必要とするものではなく、設計仕様に応じて
設定される許容範囲内で最悪の外乱とすることができ
る。
【0025】次に、ステップ104にて、後述する複数
の帯域(サブバンド)の制御開始からの順序を表すiが
1とされ、ステップ105にて周波数伝達関数Gi(S)
(但し、このときはi=1)に対し低周波領域から順次
モデル近似が行なわれる。同様に、周波数伝達関数Qi
(S)についてもステップ106においてモデル近似が行
なわれる。即ち、H∞制御に必要な、制御対象のプラン
トの応答特性を数学的モデルに近似させるため、上記の
周波数伝達関数Gi(S),Qi(S)に対し、例えば最小二乗
法等の数学的手法によって、図9に示すように、B/
(S+A)の一次遅れ系や、C/(S2 +AS+B)の
二次遅れ系の数学的モデルへの近似が行なわれる。
の帯域(サブバンド)の制御開始からの順序を表すiが
1とされ、ステップ105にて周波数伝達関数Gi(S)
(但し、このときはi=1)に対し低周波領域から順次
モデル近似が行なわれる。同様に、周波数伝達関数Qi
(S)についてもステップ106においてモデル近似が行
なわれる。即ち、H∞制御に必要な、制御対象のプラン
トの応答特性を数学的モデルに近似させるため、上記の
周波数伝達関数Gi(S),Qi(S)に対し、例えば最小二乗
法等の数学的手法によって、図9に示すように、B/
(S+A)の一次遅れ系や、C/(S2 +AS+B)の
二次遅れ系の数学的モデルへの近似が行なわれる。
【0026】このように、周波数特性を数学的モデルに
近似させる場合において、共振点及び反共振点を有する
プラントの応答特性に対しては高次の数学的モデルとな
るので、これをH∞制御に応用すると高次の多項式にな
り、実装が困難となる。これに対し、図7に示すよう
に、複数の周波数帯域iに分割し、低次の数学的モデル
で近似可能な帯域とすれば全体として低次の対応が可能
となる。例えば、ある周波数帯域で図8に示すような積
分器や微分器によって近似させ、ズレが発生した時点で
次の帯域とし、別の積分器や微分器によって近似させる
というように順次繰り返せば全体として低次となる。こ
のとき、前述のように最小二乗法等の数学的手法を用い
ることができる。マキシマムプラントの周波数伝達関数
Qi(S)についても同様に行われる。尚、Gi(S),Qi(S)
は個々の帯域i(i=1〜n)における周波数伝達関数
G(S) ,Q(S) の値を示す。
近似させる場合において、共振点及び反共振点を有する
プラントの応答特性に対しては高次の数学的モデルとな
るので、これをH∞制御に応用すると高次の多項式にな
り、実装が困難となる。これに対し、図7に示すよう
に、複数の周波数帯域iに分割し、低次の数学的モデル
で近似可能な帯域とすれば全体として低次の対応が可能
となる。例えば、ある周波数帯域で図8に示すような積
分器や微分器によって近似させ、ズレが発生した時点で
次の帯域とし、別の積分器や微分器によって近似させる
というように順次繰り返せば全体として低次となる。こ
のとき、前述のように最小二乗法等の数学的手法を用い
ることができる。マキシマムプラントの周波数伝達関数
Qi(S)についても同様に行われる。尚、Gi(S),Qi(S)
は個々の帯域i(i=1〜n)における周波数伝達関数
G(S) ,Q(S) の値を示す。
【0027】そして、ステップ107にて周波数伝達関
数Gi(S)と周波数伝達関数Qi(S)の帯域幅が比較され、
図10に示すように周波数伝達関数Gi(S)と周波数伝達
関数Qi(S)の帯域幅が異なる場合には小さい方の帯域幅
に設定され、安定した精度が確保される。即ち、後者の
方が小であればステップ108に進み周波数伝達関数G
i(S)の帯域幅に決定され、前者の方が小であればステッ
プ109に進み周波数伝達関数Qi(S)の帯域幅に決定さ
れる。仮に、図10に示すように周波数伝達関数Q(S)
の帯域幅が0.5HzでG(S) の帯域幅が1Hzであれ
ば、前者の狭い方の帯域幅が選択される。これは、後段
のステップにて変動率(Δi(S))を求めるためには同じ
帯域幅とする必要があるからである。
数Gi(S)と周波数伝達関数Qi(S)の帯域幅が比較され、
図10に示すように周波数伝達関数Gi(S)と周波数伝達
関数Qi(S)の帯域幅が異なる場合には小さい方の帯域幅
に設定され、安定した精度が確保される。即ち、後者の
方が小であればステップ108に進み周波数伝達関数G
i(S)の帯域幅に決定され、前者の方が小であればステッ
プ109に進み周波数伝達関数Qi(S)の帯域幅に決定さ
れる。仮に、図10に示すように周波数伝達関数Q(S)
の帯域幅が0.5HzでG(S) の帯域幅が1Hzであれ
ば、前者の狭い方の帯域幅が選択される。これは、後段
のステップにて変動率(Δi(S))を求めるためには同じ
帯域幅とする必要があるからである。
【0028】尚、周知のように周波数伝達関数のボード
線図と位相線図という二種類の周波数特性が形成される
が、同じ周波数帯域を指定して両者を正確にモデル近似
することはできない。従って、一般的には、制御形態に
応じて何れか一方を選択してモデル近似することが望ま
しいとされており、H∞制御においては、通常ゲイン線
図が選択される。
線図と位相線図という二種類の周波数特性が形成される
が、同じ周波数帯域を指定して両者を正確にモデル近似
することはできない。従って、一般的には、制御形態に
応じて何れか一方を選択してモデル近似することが望ま
しいとされており、H∞制御においては、通常ゲイン線
図が選択される。
【0029】而して、ステップ110にて最終帯域Lb
まで達したか否かが判定され、達していれば(i=L
b)ステップ112以降に進むが、未達であればステッ
プ111にて帯域iがインクリメントされ、ステップ1
05乃至109の処理が繰り返される。以上により、周
波数伝達関数Gi(S),Qi(S)が複数の帯域iに区切ら
れ、各帯域において、H∞制御に必要な全ての関数の初
期設定が行なわれる。この後、ステップ112に進みそ
のときの帯域(i=Lb)が一旦Nに格納されホールド
された後、ステップ200に進みH∞処理が行なわれ
る。
まで達したか否かが判定され、達していれば(i=L
b)ステップ112以降に進むが、未達であればステッ
プ111にて帯域iがインクリメントされ、ステップ1
05乃至109の処理が繰り返される。以上により、周
波数伝達関数Gi(S),Qi(S)が複数の帯域iに区切ら
れ、各帯域において、H∞制御に必要な全ての関数の初
期設定が行なわれる。この後、ステップ112に進みそ
のときの帯域(i=Lb)が一旦Nに格納されホールド
された後、ステップ200に進みH∞処理が行なわれ
る。
【0030】ステップ200のH∞処理は図5に示すフ
ローチャートに従って行なわれ、ステップ201におい
て帯域iが1とされた後、ステップ202にてその帯域
i(ここではi=1)における周波数伝達関数Qi(S)と
周波数伝達関数Gi(S)の変動率Δi(S)が(Qi(S)−Gi
(S))/Gi(S)として演算される。即ち、ノミナルプラ
ントに対するマキシマムプラントの変動の幅が求められ
る。尚、本実施形態では、変動率Δi(S)が乗法的摂動に
より演算されているが、加法的摂動により変動量を演算
しても良い。
ローチャートに従って行なわれ、ステップ201におい
て帯域iが1とされた後、ステップ202にてその帯域
i(ここではi=1)における周波数伝達関数Qi(S)と
周波数伝達関数Gi(S)の変動率Δi(S)が(Qi(S)−Gi
(S))/Gi(S)として演算される。即ち、ノミナルプラ
ントに対するマキシマムプラントの変動の幅が求められ
る。尚、本実施形態では、変動率Δi(S)が乗法的摂動に
より演算されているが、加法的摂動により変動量を演算
しても良い。
【0031】そして、ステップ203に進み、相補感度
関数の重み付け関数Wci(S) が設定される。具体的に
は、|Δi(jω) |≦|Wci(jω)|を満足し且つWci
(S) ・Gi(S)がプロパーな伝達関数となるように、相補
感度関数の重み付け関数Wci(S) が設定される。続い
て、ステップ204にて感度関数の重み付け関数Wsi
(S)が設定される。この感度関数の重み付け関数Wsi(S)
は、追従性の尺度であり、所望の周波数領域までの追
従性に応じて設定される。
関数の重み付け関数Wci(S) が設定される。具体的に
は、|Δi(jω) |≦|Wci(jω)|を満足し且つWci
(S) ・Gi(S)がプロパーな伝達関数となるように、相補
感度関数の重み付け関数Wci(S) が設定される。続い
て、ステップ204にて感度関数の重み付け関数Wsi
(S)が設定される。この感度関数の重み付け関数Wsi(S)
は、追従性の尺度であり、所望の周波数領域までの追
従性に応じて設定される。
【0032】上記のノミナルプラント及びマキシマムプ
ラントの周波数伝達関数Gi(S),Qi(S)、感度関数の重
み付け関数Wsi(S) 及び相補感度関数の重み付け関数W
ci(S) に基づき、グローバー・ドイルの仮定条件を満足
するようにリカッチ(Riccati) の方程式が演算され、H
∞制御器(以下、H∞コントローラという)が求められ
る。つまり、最適レギュレータに重み付けを行なった評
価関数を最小にする解がH∞として求められる。尚、こ
の演算は市販のCADパッケージ、例えばロバストコン
トロールツールボックス(Robust Control Toolbox Ver
sion 2.0, TheMath Works, Inc., サイバネット株式会
社発行) 等によって行なわれ、周知であるので詳細な説
明は省略する。尚、これらの演算はリアルタイムで行な
われるものではなく、予めプログラムに組み込まれてい
る。
ラントの周波数伝達関数Gi(S),Qi(S)、感度関数の重
み付け関数Wsi(S) 及び相補感度関数の重み付け関数W
ci(S) に基づき、グローバー・ドイルの仮定条件を満足
するようにリカッチ(Riccati) の方程式が演算され、H
∞制御器(以下、H∞コントローラという)が求められ
る。つまり、最適レギュレータに重み付けを行なった評
価関数を最小にする解がH∞として求められる。尚、こ
の演算は市販のCADパッケージ、例えばロバストコン
トロールツールボックス(Robust Control Toolbox Ver
sion 2.0, TheMath Works, Inc., サイバネット株式会
社発行) 等によって行なわれ、周知であるので詳細な説
明は省略する。尚、これらの演算はリアルタイムで行な
われるものではなく、予めプログラムに組み込まれてい
る。
【0033】上記のH∞コントローラは高次元系である
が、周波数伝達関数Gi(S),Qi(S)の数学的モデルへの
近似に際しては実務上、低次元系にする必要があり、適
切な具現化(balanced realization)が行なわれ、例えば
双一次変換によって低次元化が行なわれる。しかし、こ
れではモデル化誤差が必至であり、保守的なコントロー
ラとなる。そこで、本実施形態では前述のように、H∞
コントローラを求める前の段階で周波数伝達関数Gi
(S),Qi(S)に対し複数の帯域(サブバンド)に分割
し、夫々の帯域における複数のH∞コントローラ(夫々
C H∞i(S)とする)を求めることとしている。
が、周波数伝達関数Gi(S),Qi(S)の数学的モデルへの
近似に際しては実務上、低次元系にする必要があり、適
切な具現化(balanced realization)が行なわれ、例えば
双一次変換によって低次元化が行なわれる。しかし、こ
れではモデル化誤差が必至であり、保守的なコントロー
ラとなる。そこで、本実施形態では前述のように、H∞
コントローラを求める前の段階で周波数伝達関数Gi
(S),Qi(S)に対し複数の帯域(サブバンド)に分割
し、夫々の帯域における複数のH∞コントローラ(夫々
C H∞i(S)とする)を求めることとしている。
【0034】即ち、ステップ205において各帯域のH
∞コントローラたるC H∞i(S)が演算される。この後、
帯域iが所定の帯域Nに到達したか否かが判定され、未
達であればステップ207にて帯域iがインクリメント
され、ステップ202乃至205の処理が繰り返され
る。ステップ206で帯域iがNに達したと判定される
と、ステップ208において複数のH∞コントローラた
るC H∞i(S)に対し並列的処理が行われる。即ち、第1
の帯域(i=1)ではG1(S),Q1(S)に基づきΔ1(S)が
求められ、各々の重み付け関数Ws1(S) ,Wc1(S) が設
定される。そして、第2の帯域(i=2)ではG2(S),
Q2(S)に基づきΔ2(S)が求められ、各々の重み付け関数
Ws2(S) ,Wc2(S) が求められる。而して、各帯域に対
応するH∞コントローラであるC H∞1(S),C H∞2(S)
等が求められる。
∞コントローラたるC H∞i(S)が演算される。この後、
帯域iが所定の帯域Nに到達したか否かが判定され、未
達であればステップ207にて帯域iがインクリメント
され、ステップ202乃至205の処理が繰り返され
る。ステップ206で帯域iがNに達したと判定される
と、ステップ208において複数のH∞コントローラた
るC H∞i(S)に対し並列的処理が行われる。即ち、第1
の帯域(i=1)ではG1(S),Q1(S)に基づきΔ1(S)が
求められ、各々の重み付け関数Ws1(S) ,Wc1(S) が設
定される。そして、第2の帯域(i=2)ではG2(S),
Q2(S)に基づきΔ2(S)が求められ、各々の重み付け関数
Ws2(S) ,Wc2(S) が求められる。而して、各帯域に対
応するH∞コントローラであるC H∞1(S),C H∞2(S)
等が求められる。
【0035】そして、例えば図11に示すように、i=
1乃至nの一例として、i=1乃至4に設定したときの
各帯域のH∞コントローラC H∞1(S)乃至C H∞4(S)が
並列結合され、これらに基づき並列処理される。而し
て、図12及び図13に実線で示した特性が得られ、プ
ラントの特性を正確に反映した最適なH∞コントローラ
が形成される。本実施形態ではプラントS4が図3の制
御対象S4に対応し、S1乃至S3も図3に記載のもの
に対応し、制御部S3は視点を変えて表現したものであ
る。尚、図11は図2の後輪操舵制御装置に限らず、種
々の装置に適用し得る構成となっている。
1乃至nの一例として、i=1乃至4に設定したときの
各帯域のH∞コントローラC H∞1(S)乃至C H∞4(S)が
並列結合され、これらに基づき並列処理される。而し
て、図12及び図13に実線で示した特性が得られ、プ
ラントの特性を正確に反映した最適なH∞コントローラ
が形成される。本実施形態ではプラントS4が図3の制
御対象S4に対応し、S1乃至S3も図3に記載のもの
に対応し、制御部S3は視点を変えて表現したものであ
る。尚、図11は図2の後輪操舵制御装置に限らず、種
々の装置に適用し得る構成となっている。
【0036】この後、図4のルーチンに戻り、ステップ
300のPID制御が行なわれる。ステップ300にお
いては、図12及び図13の特性に近似するようにPI
Dコントローラが形成される。このときの処理も、前述
の複数のH∞コントローラを形成する場合の帯域設定時
と同様、プログラム容量、演算処理時間を総合的に判断
し、最適な低次元化処理が行なわれる。
300のPID制御が行なわれる。ステップ300にお
いては、図12及び図13の特性に近似するようにPI
Dコントローラが形成される。このときの処理も、前述
の複数のH∞コントローラを形成する場合の帯域設定時
と同様、プログラム容量、演算処理時間を総合的に判断
し、最適な低次元化処理が行なわれる。
【0037】図4のフローチャートのステップ107乃
至109においては、ゲイン線図における周波数伝達関
数Gi(S)とQi(S)の帯域幅が異なる場合の処理を示して
いるが、図7に示すようなゲイン線図と位相線図との間
で夫々独立して複数の帯域に分割し、帯域幅が異なるよ
うに構成してもよい。この場合には、ゲイン線図と位相
線図との間で、順次、両者の帯域幅を比較し、何れか狭
い方を選択するように構成することができる。これによ
り、処理時間の短縮と高精度化のバランスを考慮した近
似が可能となる。
至109においては、ゲイン線図における周波数伝達関
数Gi(S)とQi(S)の帯域幅が異なる場合の処理を示して
いるが、図7に示すようなゲイン線図と位相線図との間
で夫々独立して複数の帯域に分割し、帯域幅が異なるよ
うに構成してもよい。この場合には、ゲイン線図と位相
線図との間で、順次、両者の帯域幅を比較し、何れか狭
い方を選択するように構成することができる。これによ
り、処理時間の短縮と高精度化のバランスを考慮した近
似が可能となる。
【0038】図14は図7と同一の特性を示すものであ
るが、上述のようにゲイン線図と位相線図とで、分割す
る帯域幅が異なる場合における帯域幅設定状況を示して
いる。図14に明らかなように、i=1ではゲイン線図
の方が帯域幅が狭いので、これに従って帯域幅が設定さ
れ、以下同様に設定される。結局、図14の例ではゲイ
ン線図のみに基づいて帯域幅が設定されたことになる
が、仮にi=3で位相線図の方の帯域幅が狭ければ、こ
れに基づいて帯域幅が設定される。あるいは、i=3で
位相線図側の帯域幅が広くても、その帯域幅に設定し、
i=5で再度ゲイン線図側の帯域幅に設定することとし
てもよい。このように、設計条件に応じて帯域幅を適宜
設定することができる。
るが、上述のようにゲイン線図と位相線図とで、分割す
る帯域幅が異なる場合における帯域幅設定状況を示して
いる。図14に明らかなように、i=1ではゲイン線図
の方が帯域幅が狭いので、これに従って帯域幅が設定さ
れ、以下同様に設定される。結局、図14の例ではゲイ
ン線図のみに基づいて帯域幅が設定されたことになる
が、仮にi=3で位相線図の方の帯域幅が狭ければ、こ
れに基づいて帯域幅が設定される。あるいは、i=3で
位相線図側の帯域幅が広くても、その帯域幅に設定し、
i=5で再度ゲイン線図側の帯域幅に設定することとし
てもよい。このように、設計条件に応じて帯域幅を適宜
設定することができる。
【0039】プラントの一部を設計変更すると、プラン
トの応答波形の一部が変わり、所定の帯域における周波
数伝達関数が変わる場合があるが、その場合、その帯域
のH∞コントローラのみを再設計すれば良い。これによ
り、H∞コントローラの再設計を早く行なうことができ
る。尚、本実施形態は車両の後輪操舵制御装置に適用し
たものであるが、図11に示す構成から明らかなよう
に、本発明はこれに限ることなく種々の分野に適用する
ことができる。例えば、共振点及び反共振点の多い制御
対象の例として、片持梁などの無限次元系は高次の対応
となるのが必至であったが、本実施形態によれば複数の
H∞コントローラを用いることにより低次の処理とする
ことができ、演算が容易で処理時間を大幅に短縮するこ
とができる。また、複数のH∞コントローラの古典制御
との結合に際しても、上述のPID制御に限らず種々の
制御に結合させることができる。
トの応答波形の一部が変わり、所定の帯域における周波
数伝達関数が変わる場合があるが、その場合、その帯域
のH∞コントローラのみを再設計すれば良い。これによ
り、H∞コントローラの再設計を早く行なうことができ
る。尚、本実施形態は車両の後輪操舵制御装置に適用し
たものであるが、図11に示す構成から明らかなよう
に、本発明はこれに限ることなく種々の分野に適用する
ことができる。例えば、共振点及び反共振点の多い制御
対象の例として、片持梁などの無限次元系は高次の対応
となるのが必至であったが、本実施形態によれば複数の
H∞コントローラを用いることにより低次の処理とする
ことができ、演算が容易で処理時間を大幅に短縮するこ
とができる。また、複数のH∞コントローラの古典制御
との結合に際しても、上述のPID制御に限らず種々の
制御に結合させることができる。
【0040】
【発明の効果】本発明は前述のように構成されているの
で以下に記載の効果を奏する。即ち、請求項1に係る自
動制御系の安定制御装置は、帯域分割手段によって周波
数応答演算手段の演算結果に応じて標準的周波数伝達関
数及び変動後周波数伝達関数を複数の帯域に分割し、こ
の帯域分割手段が分割した複数の帯域毎に、モデル近似
手段により標準的周波数伝達関数に対し数学的に近似さ
せて標準的近似モデルを演算すると共に、変動後周波数
伝達関数に対し数学的に近似させて変動後近似モデルを
演算し、帯域別変動量演算手段により複数の帯域毎に順
次標準的近似モデルに対する変動後近似モデルの変動量
を演算し、帯域別現代制御器設定手段によって、帯域別
変動量毎に現代制御器を設定し、並列処理手段により複
数の帯域別現代制御器を並列的に処理し、その処理結果
に応じて制御対象駆動手段により制御対象を駆動するよ
うに構成されているので、簡単な構成で低次元化し、近
似誤差が小さい最適な現代制御器を構成することがで
き、短い処理時間で確実且つ安定的に現代制御を行なう
ことができる。
で以下に記載の効果を奏する。即ち、請求項1に係る自
動制御系の安定制御装置は、帯域分割手段によって周波
数応答演算手段の演算結果に応じて標準的周波数伝達関
数及び変動後周波数伝達関数を複数の帯域に分割し、こ
の帯域分割手段が分割した複数の帯域毎に、モデル近似
手段により標準的周波数伝達関数に対し数学的に近似さ
せて標準的近似モデルを演算すると共に、変動後周波数
伝達関数に対し数学的に近似させて変動後近似モデルを
演算し、帯域別変動量演算手段により複数の帯域毎に順
次標準的近似モデルに対する変動後近似モデルの変動量
を演算し、帯域別現代制御器設定手段によって、帯域別
変動量毎に現代制御器を設定し、並列処理手段により複
数の帯域別現代制御器を並列的に処理し、その処理結果
に応じて制御対象駆動手段により制御対象を駆動するよ
うに構成されているので、簡単な構成で低次元化し、近
似誤差が小さい最適な現代制御器を構成することがで
き、短い処理時間で確実且つ安定的に現代制御を行なう
ことができる。
【0041】また、請求項2に記載の安定制御装置は、
帯域別現代制御器設定手段が、第1の複数の帯域及び第
2の複数の帯域の何れか一方の各帯域における標準的近
似モデルに対する変動後近似モデルの変動量に基づき帯
域別現代制御器を設定するように構成されているので、
標準的周波数伝達関数及び変動後周波数伝達関数の振幅
成分と位相成分を有効に活用し、処理時間の短縮と高精
度化のバランスを考慮した近似が可能となる。
帯域別現代制御器設定手段が、第1の複数の帯域及び第
2の複数の帯域の何れか一方の各帯域における標準的近
似モデルに対する変動後近似モデルの変動量に基づき帯
域別現代制御器を設定するように構成されているので、
標準的周波数伝達関数及び変動後周波数伝達関数の振幅
成分と位相成分を有効に活用し、処理時間の短縮と高精
度化のバランスを考慮した近似が可能となる。
【0042】更に、請求項3に記載の安定制御装置は、
帯域別現代制御器設定手段が、第1の複数の帯域の各帯
域と第2の複数の帯域の各帯域のうちの狭い方の帯域に
おける標準的近似モデルに対する変動後近似モデルの変
動量に基づき帯域別現代制御器を設定するように構成さ
れているので、標準的周波数伝達関数及び変動後周波数
伝達関数の振幅成分と位相成分を有効に活用し、高精度
の近似が可能となる。
帯域別現代制御器設定手段が、第1の複数の帯域の各帯
域と第2の複数の帯域の各帯域のうちの狭い方の帯域に
おける標準的近似モデルに対する変動後近似モデルの変
動量に基づき帯域別現代制御器を設定するように構成さ
れているので、標準的周波数伝達関数及び変動後周波数
伝達関数の振幅成分と位相成分を有効に活用し、高精度
の近似が可能となる。
【0043】更に、請求項4に記載の安定制御装置にお
いては、制御対象駆動手段がPID制御器を並列処理手
段の処理結果に応じて制御するように構成されているの
で、古典制御であるPID制御とのマッチングを円滑に
行なうことができる。
いては、制御対象駆動手段がPID制御器を並列処理手
段の処理結果に応じて制御するように構成されているの
で、古典制御であるPID制御とのマッチングを円滑に
行なうことができる。
【0044】更に、請求項5に記載の安定制御装置にお
いては、車両の後輪の舵角を制御する後輪操舵制御装置
を制御対象としているので、小型で高精度の後輪操舵制
御装置を提供することができる。
いては、車両の後輪の舵角を制御する後輪操舵制御装置
を制御対象としているので、小型で高精度の後輪操舵制
御装置を提供することができる。
【図1】本発明の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る車両の操舵制御装置
の全体構成図である。
の全体構成図である。
【図3】本発明の一実施形態におけるアクチュエータの
サーボ制御に係る機能ブロック図である。
サーボ制御に係る機能ブロック図である。
【図4】本発明の一実施形態の後輪操舵制御装置の制御
に係るフローチャートである。
に係るフローチャートである。
【図5】図4のフローチャートにおけるH∞処理の処理
内容を示すフローチャートである。
内容を示すフローチャートである。
【図6】本発明の一実施形態の後輪操舵制御装置の制御
における目標舵角に対する実舵角の時間応答特性を示す
グラフである。
における目標舵角に対する実舵角の時間応答特性を示す
グラフである。
【図7】本発明の一実施形態の後輪操舵制御装置の制御
における周波数特性を示すグラフである。
における周波数特性を示すグラフである。
【図8】本発明の構成を説明するためのゲイン線図であ
る。
る。
【図9】本発明の構成を説明するための位相線図であ
る。
る。
【図10】本発明の構成における周波数特性に対する帯
域幅の決定を説明するためのグラフである。
域幅の決定を説明するためのグラフである。
【図11】本発明における帯域別H∞制御器の構成を示
すブロック図である。
すブロック図である。
【図12】図11の帯域別H∞制御器及び並列処理後の
ゲイン線図である。
ゲイン線図である。
【図13】図11の帯域別H∞制御器及び並列処理後の
位相線図である。
位相線図である。
【図14】本発明の一実施形態における周波数特性に対
する帯域幅の決定を説明するためのグラフである。
する帯域幅の決定を説明するためのグラフである。
2 バッテリ 3 リレー 10 前輪操舵機構 11 後輪操舵機構 12 電動モータ 13,14 前輪 15,16 後輪 17 前輪舵角センサ 18 磁極センサ 19 ステアリングホイール 20 操舵角センサ 21 後輪舵角センサ 22 車輪速センサ 23 変速機車速センサ 24 ヨーレイトセンサ 25 ラック軸 ECU 電子制御ユニット SVU サーボユニット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B62D 113:00 137:00
Claims (5)
- 【請求項1】 制御対象と、該制御対象の応答特性を測
定する応答特性測定手段と、該応答特性測定手段の測定
結果に基づき、標準的な周波数特性を有する標準的周波
数伝達関数、及び該標準的周波数伝達関数に対し許容変
動の周波数特性を有する変動後周波数伝達関数を演算す
る周波数応答演算手段と、該周波数応答演算手段の演算
結果に応じて前記標準的周波数伝達関数及び変動後周波
数伝達関数を複数の帯域に分割する帯域分割手段と、該
帯域分割手段が分割した複数の帯域毎に、前記標準的周
波数伝達関数に対し数学的に近似させて標準的近似モデ
ルを演算すると共に、前記変動後周波数伝達関数に対し
数学的に近似させて変動後近似モデルを演算するモデル
近似手段と、前記複数の帯域毎に順次前記標準的近似モ
デルに対する前記変動後近似モデルの変動量を演算する
帯域別変動量演算手段と、該帯域別変動量演算手段が演
算した帯域別変動量毎に現代制御器を設定する帯域別現
代制御器設定手段と、該帯域別現代制御器設定手段が設
定した複数の帯域別現代制御器を並列的に処理する並列
処理手段と、該並列処理手段の処理結果に応じて前記制
御対象を駆動する制御対象駆動手段とを備えたことを特
徴とする自動制御系の安定制御装置。 - 【請求項2】 前記周波数応答演算手段が、前記標準的
周波数伝達関数の振幅成分及び位相成分を演算すると共
に、前記変動後周波数伝達関数の振幅成分及び位相成分
を演算し、前記帯域分割手段が、前記標準的周波数伝達
関数の振幅成分及び前記変動後周波数伝達関数の振幅成
分を第1の複数の帯域に分割すると共に、前記標準的周
波数伝達関数の位相成分及び前記変動後周波数伝達関数
の位相成分を第2の複数の帯域に分割し、前記モデル近
似手段が、前記標準的周波数伝達関数の振幅成分及び位
相成分に対し数学的に近似させて各々の標準的近似モデ
ルを演算すると共に、前記変動後周波数伝達関数の振幅
成分及び位相成分に対し数学的に近似させて各々の変動
後近似モデルを演算し、前記帯域別現代制御器設定手段
が、前記第1の複数の帯域及び第2の複数の帯域の何れ
か一方の帯域における前記標準的近似モデルに対する前
記変動後近似モデルの変動量に基づき前記帯域別現代制
御器を設定するように構成したことを特徴とする請求項
1記載の自動制御系の安定制御装置。 - 【請求項3】 前記帯域別現代制御器設定手段が、前記
第1の複数の帯域の各帯域と前記第2の複数の帯域の各
帯域のうちの狭い方の帯域における前記標準的近似モデ
ルに対する前記変動後近似モデルの変動量に基づき前記
帯域別現代制御器を設定するように構成したことを特徴
とする請求項2記載の自動制御系の安定制御装置。 - 【請求項4】 前記制御対象駆動手段が、PID制御器
を含み、該PID制御器を前記並列処理手段の処理結果
に応じて制御するように構成したことを特徴とする請求
項3記載の自動制御系の安定制御装置。 - 【請求項5】 前記制御対象が、車両の後輪の舵角を制
御する後輪操舵制御装置であることを特徴とする請求項
4記載の自動制御系の安定制御装置。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8104032A JPH09269804A (ja) | 1996-03-29 | 1996-03-29 | 自動制御系の安定制御装置 |
DE19713055A DE19713055A1 (de) | 1996-03-29 | 1997-03-27 | Stabilitätsregelungssystem für ein automatisches Regelungssystem |
US08/828,777 US5859774A (en) | 1996-03-29 | 1997-03-27 | Stability control system for an automatic control system |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8104032A JPH09269804A (ja) | 1996-03-29 | 1996-03-29 | 自動制御系の安定制御装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09269804A true JPH09269804A (ja) | 1997-10-14 |
Family
ID=14369903
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8104032A Pending JPH09269804A (ja) | 1996-03-29 | 1996-03-29 | 自動制御系の安定制御装置 |
Country Status (3)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US5859774A (ja) |
JP (1) | JPH09269804A (ja) |
DE (1) | DE19713055A1 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008257348A (ja) * | 2007-04-02 | 2008-10-23 | Tokyo Institute Of Technology | 振動低減装置のコントローラの設計方法、振動低減装置のコントローラ及び振動低減装置 |
CN107193218A (zh) * | 2016-03-14 | 2017-09-22 | 欧姆龙株式会社 | 仿真装置、仿真方法、控制程序以及记录介质 |
WO2022044329A1 (ja) * | 2020-08-31 | 2022-03-03 | 国立大学法人 東京大学 | 制御システム、制御方法、コンピュータ、および制御プログラム |
Families Citing this family (22)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5929699A (en) * | 1997-12-15 | 1999-07-27 | National Semiconductor Corporation | Integrated active integrator filter with compensated unity gain bandwidth |
DE19828753B4 (de) * | 1998-06-27 | 2010-04-15 | Daimler Ag | Verfahren zur Optimierung der Kraftschlußregelung von elektrischen Schienenfahrzeugen |
US7308322B1 (en) * | 1998-09-29 | 2007-12-11 | Rockwell Automation Technologies, Inc. | Motorized system integrated control and diagnostics using vibration, pressure, temperature, speed, and/or current analysis |
US7539549B1 (en) | 1999-09-28 | 2009-05-26 | Rockwell Automation Technologies, Inc. | Motorized system integrated control and diagnostics using vibration, pressure, temperature, speed, and/or current analysis |
US7092856B1 (en) | 1999-10-05 | 2006-08-15 | Yamatake Corporation | H-infinity controller design using control object models |
US6293366B1 (en) | 2000-02-16 | 2001-09-25 | Ford Global Technologies, Inc. | Vehicle electric power assist steering system and method using angle based torque estimation |
US6250419B1 (en) | 2000-02-16 | 2001-06-26 | Ford Global Technologies, Inc. | Vehicle electric power assist steering system and method using H-infinity control |
US6425454B1 (en) | 2000-02-16 | 2002-07-30 | Ford Global Technologies, Inc. | Vehicle electric power assist steering system and method using velocity based torque estimation |
WO2002005042A2 (en) * | 2000-07-12 | 2002-01-17 | Aspen Technology, Inc. | Automated closed loop step testing of process units |
US7209793B2 (en) | 2000-07-12 | 2007-04-24 | Aspen Technology, Inc. | Automated closed loop step testing of process units |
DE10065010A1 (de) * | 2000-12-23 | 2002-07-04 | Bosch Gmbh Robert | Verfahren und Vorrichtung zum Stabilisieren eines Fahrzeugs |
US6651771B2 (en) * | 2001-10-20 | 2003-11-25 | Ford Global Technologies, Llc | H-infinity control and gain scheduling method for electric power assist steering system |
US6942057B2 (en) * | 2001-11-21 | 2005-09-13 | Delphi Technologies, Inc. | Feel control for active steering |
US7087335B2 (en) * | 2003-01-13 | 2006-08-08 | General Motors Corporation | H-infinity control with integrator compensation for anode pressure control in a fuel cell stack |
KR20060131849A (ko) * | 2004-01-23 | 2006-12-20 | 지에스아이 그룹 코포레이션 | 가상 레이저 마킹 시스템 및 방법 |
US7502675B2 (en) * | 2004-04-01 | 2009-03-10 | Delphi Technologies, Inc. | Feedforward control of motor vehicle roll angle |
US7191047B2 (en) * | 2004-09-27 | 2007-03-13 | Delphi Technologies, Inc. | Motor vehicle control using a dynamic feedforward approach |
US7464466B2 (en) * | 2005-10-11 | 2008-12-16 | Silverbrook Research Pty Ltd | Method of fabricating inkjet nozzle chambers having filter structures |
FR2941311B1 (fr) * | 2009-01-16 | 2012-10-26 | Messier Bugatti | Procede de gestion de la commande d'orientation d'un atterrisseur d'aeronef |
DE102012219507B4 (de) * | 2012-10-25 | 2024-10-02 | Robert Bosch Gmbh | Verfahren zum Abgleich von Drehratensensoren |
JP6409803B2 (ja) * | 2016-03-14 | 2018-10-24 | オムロン株式会社 | シミュレーション装置、シミュレーション方法、制御プログラム、および記録媒体 |
US11279356B2 (en) | 2019-09-23 | 2022-03-22 | Robert Bosch Gmbh | Vehicle dynamics control system utilizing heading error and derivative |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US4720790A (en) * | 1984-05-21 | 1988-01-19 | Kabushiki Kaisha Toyota Chuo Kenkyusho | Apparatus for controlling steer angle of rear wheels of vehicle |
DE4028320A1 (de) * | 1990-09-06 | 1992-03-12 | Deutsche Forsch Luft Raumfahrt | Verfahren zum lenken von strassenfahrzeugen mit vorder- und hinterradlenkung |
US5388658A (en) * | 1991-12-02 | 1995-02-14 | Imra America, Inc. | Integrated torque and steering control system |
JP3211434B2 (ja) * | 1991-12-18 | 2001-09-25 | アイシン精機株式会社 | 車輛誘導制御装置 |
JP2936162B2 (ja) * | 1992-02-14 | 1999-08-23 | 本田技研工業株式会社 | 車両の操安制御装置 |
-
1996
- 1996-03-29 JP JP8104032A patent/JPH09269804A/ja active Pending
-
1997
- 1997-03-27 US US08/828,777 patent/US5859774A/en not_active Expired - Fee Related
- 1997-03-27 DE DE19713055A patent/DE19713055A1/de not_active Ceased
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008257348A (ja) * | 2007-04-02 | 2008-10-23 | Tokyo Institute Of Technology | 振動低減装置のコントローラの設計方法、振動低減装置のコントローラ及び振動低減装置 |
CN107193218A (zh) * | 2016-03-14 | 2017-09-22 | 欧姆龙株式会社 | 仿真装置、仿真方法、控制程序以及记录介质 |
US10909278B2 (en) | 2016-03-14 | 2021-02-02 | Omron Corporation | Simulation device, simulation method, control program and recording medium |
WO2022044329A1 (ja) * | 2020-08-31 | 2022-03-03 | 国立大学法人 東京大学 | 制御システム、制御方法、コンピュータ、および制御プログラム |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
DE19713055A1 (de) | 1997-11-06 |
US5859774A (en) | 1999-01-12 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JPH09269804A (ja) | 自動制御系の安定制御装置 | |
CN103003133B (zh) | 转向系统中方向盘扭振的补偿方法和装置 | |
EP3213979B1 (en) | Steering control system | |
CN106515849B (zh) | 基于模型的驾驶员转矩估计 | |
KR101684513B1 (ko) | Mdps 시스템의 복원 제어장치 | |
US5198981A (en) | Closed-loop torque control for electric power steering | |
US11110956B2 (en) | Quadrant based friction compensation for tire load estimation in steering systems | |
EP2913248B1 (en) | Inertia compensation to remove or reduce effects of torque compensation in electric power steering | |
JP4868397B2 (ja) | 電動可変ギア伝達装置と電動パワーステアリング装置の制御装置 | |
EP3072784A1 (en) | Motor-driven power steering apparatus | |
CN104428187B (zh) | 用于控制车辆路线的装置 | |
EP3733481B1 (en) | Turning control system | |
EP2567881A2 (en) | Inertia compensation with frequency dependent damping | |
US20210229739A1 (en) | Control apparatus for steering system | |
EP3730383B1 (en) | Turning control system | |
US20140244113A1 (en) | Velocity signal filter with reduced lag | |
JP7314636B2 (ja) | 転舵制御装置 | |
EP2497697B1 (en) | Damping methods and systems for electric power steering | |
EP3843259A1 (en) | Motor control device and electro-mechanical brake device including same | |
EP3878714B1 (en) | Steering control device | |
JP2552329B2 (ja) | 車両用後輪舵角制御装置 | |
Salem | Mechatronics motion control design of electric machines for desired deadbeat response specifications, supported and verified by new matlab built-in function and simulink model | |
US20250115294A1 (en) | Steering control device and steering control method | |
Lu et al. | Achieving automated vehicle path following with blend path curvature control | |
EP4393793A1 (en) | Steering control device |