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JPH09265878A - ガス遮断器 - Google Patents

ガス遮断器

Info

Publication number
JPH09265878A
JPH09265878A JP7450096A JP7450096A JPH09265878A JP H09265878 A JPH09265878 A JP H09265878A JP 7450096 A JP7450096 A JP 7450096A JP 7450096 A JP7450096 A JP 7450096A JP H09265878 A JPH09265878 A JP H09265878A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
exhaust hole
puffer
rod
compression chamber
hole
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7450096A
Other languages
English (en)
Inventor
Tadashi Mori
正 森
Hitoshi Mizoguchi
均 溝口
Katsumi Suzuki
克巳 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP7450096A priority Critical patent/JPH09265878A/ja
Publication of JPH09265878A publication Critical patent/JPH09265878A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 パッファシリンダの駆動力の低減を図って、
消費エネルギーの省力化と機器の小形化に貢献するガス
遮断器を提供する。 【解決手段】 パッファシリンダ2内にはその空間を蓄
圧室15と圧縮室16とに区切る区切り板10が設けら
れる。区切り板10には蓄圧室15および圧縮室16を
連通させる連通穴11が形成される。また操作ロッド1
の側面には蓄圧室15と操作ロッド1内とを連通させる
第1排気穴13と、容器内の空間25と操作ロッド1内
とを連通させる第2排気穴14とが形成される。さらに
操作ロッド1に対して摺動自在な摺動円筒部9が設けら
れる。摺動円筒部9は、遮断動作初期に第2排気穴14
を塞ぐと共に第1排気穴13を開け、遮断動作後期に第
1排気穴13を塞ぐと共に第2排気穴14を開けるよう
に構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アークエネルギー
を利用してアークへの吹付けガスの圧力を上昇させ、ア
ークの消弧を行うガス遮断器に改良を加えたものであ
る。
【0002】
【従来の技術】電力需要が増加傾向にある現在、送電系
統の高電圧化が進められており、これに伴って、事故電
流の迅速且つ安全確実な遮断が要求されている。そのた
め、近年では優れた消弧能力を有するパッファ形のガス
遮断器が広く用いられており、ガス遮断器における小形
化や信頼性の向上が期待されている。ここで図10を参
照してガス遮断器の従来例を説明する。なお、図10は
遮断動作の後期を示している。
【0003】図中の符号1は、中空部1aを有する操作
ロッドである。操作ロッド1は絶縁ロッドなどを介して
操作機構部に連結され、消弧性ガスを封入した容器(図
示せず)内に設けられており、操作機構部からの駆動力
を受けて直線的に動作するように構成されている。ま
た、操作ロッド1にはパッファシリンダ2が固定されて
いる。パッファシリンダ2は操作ロッド1と同軸状に配
置されており、操作ロッド1を包囲するようにして構成
されている。さらに、操作ロッド1の先端部には可動電
極部の構成要素である可動アーク接触子3が設けられて
いる。可動アーク接触子3に対向して固定アーク接触子
4が配置されている。固定アーク接触子4は固定電極部
の構成要素であり、容器側に固定されている。
【0004】パッファシリンダ2の固定アーク接触子4
側の端部には絶縁ノズル7が設けられている。絶縁ノズ
ル7は可動通電接触子5によってパッファシリンダ2端
部に固定されており、可動アーク接触子3を包囲するよ
うに配置されている。絶縁ノズル7と可動アーク接触子
3との間にはガス流路が保持されている。また、可動通
電接触子5と接離するように固定通電接触子6が配置さ
れている。固定通電接触子6は固定アーク接触子4と同
様、容器側に固定されている。
【0005】さらに、操作ロッド1とパッファシリンダ
2との間には絶縁物12を挟んでパッファピストン8が
摺動自在に挿入されている。パッファピストン8は容器
側に支持されている。パッファピストン8の先端面とパ
ッファシリンダ2の前面とで囲まれたパッファシリンダ
2の空間により圧縮室16が構成されている。また、操
作ロッド1の側面には排気穴27が形成されている。排
気穴27は遮断動作の中期までは圧縮室16側に位置し
ており、圧縮室16と操作ロッド1の中空部1aとを連
通させるようになっている。但し、図10に示した遮断
動作の後期ではパッファシリンダ2の移動が進み、パッ
ファピストン8が排気穴27を越えて固定アーク接触子
4側へ摺動するようになる。この状態では排気穴27を
通る消弧性ガスが圧縮室16内へではなく、容器内の空
間へ流入するようになる。
【0006】以上のようなガス遮断器が遮断動作を行う
とき、可動アーク接触子3および固定アーク接触子4間
にはアーク17が発生する。上記のガス遮断器はこのア
ーク17の熱エネルギーを利用してアークへの吹付けガ
スの圧力を上昇させ、アーク17の消弧性能を高めてい
る。具体的にはガス遮断器の遮断動作は次のようにして
行われる。
【0007】まず、図示されない操作機構部の動作によ
り操作ロッド1およびパッファシリンダ2が図10の右
方向に移動し、可動アーク接触子3は固定アーク接触子
4から離れる方向に移動する。このとき、パッファシリ
ンダ2の移動に伴ってパッファピストン8が固定アーク
接触子4側へ摺動し、圧縮室16内の消弧性ガスを圧縮
する。これにより、圧縮室16内のガス圧が上昇する。
【0008】また、既に述べたように、可動アーク接触
子3が固定アーク接触子4から離れるとき、両アーク接
触子3,4間にアーク17が発生する。アーク17は周
囲の消弧性ガスを加熱し、加熱されたガスは絶縁ノズル
7と可動アーク接触子3との間のガス流路を通って圧縮
室16内に流入する。ところで、遮断動作の途中までは
排気穴27が圧縮室16側に位置しており、圧縮室16
と操作ロッド1の中空部1aとは連通しているので、ア
ーク17により加熱された消弧性ガスは操作ロッド1の
中空部1aから排気穴27を通って圧縮室16内に流入
する。
【0009】こうして圧縮室16内に入った熱ガスによ
って圧縮室16のガス圧は急速に上昇していく。さら
に、パッファシリンダ2が移動してパッファピストン8
が圧縮室16を圧縮することにより、絶縁ノズル7が高
圧の消弧性ガスを強い勢いでアーク17に噴射する。こ
の消弧性ガスがアーク17を確実に消弧することができ
る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】以上のような従来のガ
ス遮断器には次のような課題があった。すなわち近年の
送電系統の高電圧化に伴ってガス遮断器にはさらなる遮
断性能の向上が求められているが、そのためには高出力
の駆動力供給機構を用いてパッファシリンダ2のほぼ全
体積を極めて高速で圧縮しなくてはならない。しかし高
出力の駆動力供給機構を用いると、消費エネルギーが増
大し、しかも機器の大形化を招くといった不具合が生じ
た。
【0011】また、遮断動作を行っている間、アーク1
7により加熱された消弧性ガスが圧縮室16内に流入し
過ぎると、圧縮室16内のガス圧が過度に上昇すること
になる。この結果、遮断動作方向に移動するパッファシ
リンダ2への負荷が増大することになり、パッファシリ
ンダ2に対して大きな駆動力を与える必要があった。
【0012】さらに、遮断性能を向上させるためには、
アークに向って噴射される消弧性ガスの圧力を急速に高
めると共に、高圧の消弧性ガスを十分に長くアークに噴
射することが有効である。そこで従来より、アークへ噴
射される消弧性ガスの迅速な圧力上昇を行い、且つ、消
弧性ガスの噴射時間を延長化したガス遮断器が待たれて
いた。
【0013】本発明は、このような問題を解決するため
に提案されたものであり、その主たる目的は、パッファ
シリンダの駆動力の低減を図って、消費エネルギーの省
力化と機器の小形化に貢献するガス遮断器を提供するこ
とにある。
【0014】また本発明の他の目的は、圧縮室内のガス
圧が過度に上昇することを抑えてパッファシリンダをス
ムーズに移動させることにより優れた遮断性能を確保す
るガス遮断器を提供することにある。
【0015】さらに本発明の他の目的としては、アーク
へ噴射される消弧性ガスの圧力を迅速に上昇させ、且
つ、消弧性ガスの噴射時間を延ばして遮断性能の信頼性
を向上させる優れたガス遮断器を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の発明は、消弧性ガスを封入した容器内に
は操作機構部からの駆動力を受けて可動する中空の操作
ロッドが設けられ、この操作ロッドには該操作ロッドと
同軸状で且つ操作ロッドを包囲するようにしてパッファ
シリンダが固定され、前記操作ロッドの先端部には可動
電極部が取付けられ、この可動電極部に対向して固定電
極部が配置され、前記パッファシリンダの前記固定電極
部側の端部にはガス流路を保持しつつ前記可動電極部を
包囲するようにして絶縁ノズルが固定され、前記絶縁ノ
ズルのガス流路と前記パッファシリンダ内とが連通さ
れ、さらに前記操作ロッドと前記パッファシリンダとの
間には前記容器側に支持されたパッファピストンが摺動
自在に挿入され、前記操作ロッドの動作により前記可動
電極部が前記固定電極部に接触する投入動作と、前記可
動電極部が前記固定電極部から離れる遮断動作を行うよ
うに構成されたガス遮断器において、前記パッファシリ
ンダ内には該パッファシリンダ内の空間を蓄圧室と圧縮
室とに区切る区切り板が設けられ、前記蓄圧室は前記操
作ロッドの先端部側に配置され、前記圧縮室は前記操作
ロッドの基端部側に配置されて前記パッファピストンが
挿入され、前記操作ロッドの側面において前記蓄圧室側
には該蓄圧室と前記操作ロッドの中空部とを連通させる
ための第1排気穴が形成され、前記操作ロッドの側面に
おいて前記区切り板よりも前記操作ロッドの基端部側に
は前記容器内の空間と前記操作ロッドの中空部とを連通
させるための第2排気穴が形成され、前記容器側には前
記操作ロッドに対して摺動自在な摺動円筒部が支持さ
れ、前記摺動円筒部は、遮断動作の初期には前記第2排
気穴を塞ぐと共に前記第1排気穴を開け、遮断動作の後
期には前記第1排気穴を塞ぐと共に前記第2排気穴を開
けるように構成され、前記区切り板には前記圧縮室およ
び前記蓄圧室を連通させるための連通穴と前記摺動円筒
部が通過可能な通過穴とが形成されたことを特徴とす
る。
【0017】請求項2の発明では、前記摺動円筒部は、
遮断動作の初期において前記絶縁ノズル内に前記固定電
極部が位置するとき、前記区切り板の通過穴を塞ぐよう
に構成されたことを特徴とする。
【0018】請求項3の発明では、請求項2の発明にお
いて、前記区切り板は前記パッファピストン側の外周部
よりも前記操作ロッド側の内周部の方が前記操作ロッド
の基端部側に近い形状に構成されたことを特徴とする。
【0019】請求項4の発明は、消弧性ガスを封入した
容器内には操作機構部からの駆動力を受けて可動する中
空の操作ロッドが設けられ、この操作ロッドには該操作
ロッドと同軸状で且つ操作ロッドを包囲するようにして
パッファシリンダが固定され、前記操作ロッドの先端部
には可動電極部が取付けられ、この可動電極部に対向し
て固定電極部が配置され、前記パッファシリンダの前記
固定電極部側の端部にはガス流路を保持しつつ前記可動
電極部を包囲するようにして絶縁ノズルが固定され、前
記絶縁ノズルのガス流路と前記パッファシリンダ内とが
連通され、さらに前記操作ロッドと前記パッファシリン
ダとの間には前記容器側に支持されたパッファピストン
が摺動自在に挿入され、前記操作ロッドの動作により前
記可動電極部が前記固定電極部に接触する投入動作と、
前記可動電極部が前記固定電極部から離れる遮断動作を
行うように構成されたガス遮断器において、前記パッフ
ァシリンダ内には該パッファシリンダ内の空間を内側の
蓄圧室と外側の圧縮室とに区切る区切り円筒部が前記パ
ッファシリンダと同軸状に設けられ、前記圧縮室には前
記パッファピストンが挿入され、前記区切り円筒部には
前記蓄圧室および前記圧縮室を連通させるための連通穴
が形成され、前記操作ロッドの側面には前記蓄圧室と前
記操作ロッドの中空部とを連通させるための第1排気穴
と、前記容器内の空間と前記操作ロッドの中空部とを連
通させるための第2排気穴とが形成され、前記容器側に
は前記操作ロッドに対して摺動自在な摺動円筒部が支持
され、前記摺動円筒部は、遮断動作の初期には前記第2
排気穴を塞ぐと共に前記第1排気穴を開け、遮断動作の
後期には前記第1排気穴を塞ぐと共に前記第2排気穴を
開けるように構成されたことを特徴とする。
【0020】請求項5の発明では、前記摺動円筒部は、
前記第1排気穴および前記第2排気穴との間の距離より
も長く設定されており、且つ遮断動作の後期にのみ前記
第2排気穴と重なる通気穴が形成されたことを特徴とす
る。
【0021】請求項6の発明は、前記パッファピストン
が遮断動作の後期にて位置する部分の前記パッファシリ
ンダの内面に、前記圧縮室と前記容器内の空間とを連通
させる調圧溝が設けられたことを特徴とする。
【0022】請求項7の発明では、前記調圧溝は前記操
作ロッドの先端部側に向ってその断面積が連続的に増加
していくように設けられたことを特徴とする。
【0023】請求項8の発明は、前記パッファピストン
の外周に沿って凹部が設けられ、前記パッファシリンダ
の内周面には前記凹部を塞ぐための凸部が設けられ、前
記凸部において前記パッファピストンが遮断動作の後期
にて位置する部分には、前記凹部を開放して前記圧縮室
と前記容器内の空間とを連通させる調圧用切欠部が形成
されたことを特徴とする。
【0024】請求項9の発明は、前記パッファピストン
に貫通穴が設けられ、前記パッファシリンダ内に前記貫
通穴を塞ぐための閉塞棒が設けられ、前記閉塞棒におい
て前記パッファピストンが遮断動作の後期にて位置する
部分には、前記貫通穴を開放して前記圧縮室と前記容器
内の空間と連通させる調圧用切欠部が形成されたことを
特徴とする。
【0025】請求項10の発明は、前記調圧用切欠部は
前記操作ロッドの先端部側に向ってその断面積が連続的
に減少していくように設けられたことを特徴とする。
【0026】以上のような構成を有する本発明の作用は
次の通りである。請求項1の発明において、遮断動作の
初期には摺動円筒部が蓄圧室と反対側(操作ロッドの基
端部側)に位置した第2排気穴を塞ぎ、蓄圧室側(操作
ロッドの先端部側)に位置した第1排気穴を開放してい
る。つまり遮断動作の初期では第2排気穴が塞がれて容
器内の空間と操作ロッドの中空部とは連通しておらず、
第1排気穴により蓄圧室と操作ロッドの中空部とが連通
している。この状態でアークによって加熱された消弧性
ガスが操作ロッドの中空部に入ると、このガスは第2排
気穴から容器内の空間へ逃げることなく、第1排気穴を
通って蓄圧室内に流入する。
【0027】また、アークによって加熱された消弧性ガ
スは絶縁ノズルと可動電極部との間のガス流路を通って
も蓄圧室内に流入する。さらに、遮断動作時のパッファ
シリンダの移動に伴ってパッファピストンが固定電極部
側へ摺動し、圧縮室内の消弧性ガスを圧縮するが、圧縮
された消弧性ガスは連通穴を通って蓄圧室に流入する。
このため、蓄圧室内の消弧性ガスの圧力は急速に上昇す
る。
【0028】遮断動作が進むにつれて、パッファピスト
ンと同じように容器側に支持されている摺動円筒部は、
パッファシリンダの移動に伴って固定電極部側へと摺動
していき、遮断動作が後期に至る時点では、摺動円筒部
が蓄圧室側(操作ロッドの先端部側)に位置した第1排
気穴を塞ぐと共に、蓄圧室と反対側(操作ロッドの基端
部側)に位置した第2排気穴を開ける。つまり遮断動作
の後期では動作の初期とは逆に、第1排気穴が塞がれて
蓄圧室と操作ロッドの中空部とは連通しておらず、第2
排気穴により容器内の空間と操作ロッドの中空部とが連
通する。
【0029】そのため、第1排気穴から蓄圧室内への消
弧性ガスの流入がなくなる一方、パッファシリンダの移
動に伴いパッファピストンが圧縮室を圧縮することにな
り、圧縮室内の消弧性ガスは区切り板の連通穴を通って
蓄圧室側に流入し、蓄圧室内の高圧の消弧性ガスは絶縁
ノズルと可動電極部との間のガス流路へと押出される。
したがって、絶縁ノズルが消弧性ガスを電極部間に発生
したアークに噴射する。アークに吹付けられる消弧性ガ
スは、絶縁ノズルから固定電極部側へ流れると共に、操
作ロッドの中空部側へと流れる。このような2方向へ流
れる消弧性ガスによってアークを確実に消弧することが
できる。
【0030】請求項2の発明では、遮断動作の初期にお
いて絶縁ノズル内に固定電極部が位置するとき、つまり
絶縁ノズルが固定電極部によって塞がれている状態で区
切り板の通過穴を塞ぐように摺動円筒部を構成したの
で、蓄圧室は第1排気穴によって操作ロッドの中空部と
連通するだけとなる。したがって消弧性ガスが絶縁ノズ
ルから固定電極部側に向って漏れたり、蓄圧室に流入し
た消弧性ガスが区切り板の通過穴から圧縮室側に漏れた
りすることがなく、アークによって加熱された消弧性ガ
スは操作ロッドの中空部から第1排気穴を通って蓄圧室
にのみ流入することになる。これにより蓄圧室のガス圧
を急速に高めることができる。
【0031】ところで、区切り板によってパッファシリ
ンダ内の空間を蓄圧室と圧縮室とに区切る場合、摺動円
筒部は操作ロッドに対して摺動するように設けるので、
区切り板に形成される摺動円筒部の通過穴は操作ロッド
側の内周部側に形成されることになる。請求項3の発明
においては、区切り板をパッファピストン側の外周部よ
りも操作ロッド側の内周部の方が操作ロッドの基端部側
に近い形状に構成したので、摺動円筒部は短いストロー
クで操作ロッド側の内周部に達することができる。した
がって、摺動円筒部の長さを短くしても、摺動円筒部に
よって区切り板の通過穴を塞ぐことができ、上記請求項
2の作用を実現した上に摺動円筒部の短縮化を図ること
ができる。
【0032】請求項4の発明においては、上記請求項1
の発明と同様な作用を得ることができると同時に、次の
ような作用がある。すなわち請求項4の発明では、区切
り円筒部によってパッファシリンダ内の空間をパッファ
シリンダと同軸状に区切っているので、上記請求項1の
発明のように操作ロッドの先端部側に蓄圧室が位置する
ということがない。したがって、パッファピストンはパ
ッファシリンダの先端部まで摺動することが可能とな
り、その分だけ、遮断動作方向に機器の小形化を進める
ことができる。
【0033】請求項5の発明においては、摺動円筒部を
第1排気穴および第2排気穴との間の距離よりも長く設
定しても、遮断動作の後期には第2排気穴と摺動円筒部
の通気穴とが重なるため、遮断動作が後期に至ると、摺
動円筒部は第1排気穴を塞ぐと同時に第2排気穴を確実
に開けることができる。したがって上記請求項1の発明
と同様な作用を得ることができる。
【0034】請求項6の発明においては、遮断動作の後
期に至る時点で、パッファシリンダ内面の調圧溝が圧縮
室と容器内の空間とを連通させるので、パッファピスト
ンにより圧縮された消弧性ガスを調圧溝から容器内の空
間に逃がることができる。したがって、遮断動作の後期
にて圧縮室のガス圧が過度に高まることを防止すること
ができる。
【0035】請求項7の発明では、調圧溝の断面積が操
作ロッドの先端部に向って連続的に増加していくように
設けられているので、遮断動作の後期において調圧溝が
徐々に開いていくことになる。そのため、圧縮室内のガ
ス圧は緩やかに減圧され、ガス圧が急激に下がることが
ない。したがって、遮断動作の完了まで高圧の消弧性ガ
スを圧縮室から蓄圧室へと確実に送ることが可能とな
る。
【0036】請求項8の発明においては、遮断動作の初
期から中期まではパッファピストン外周の凹部はパッフ
ァシリンダ内周面の凸部に塞がれているため、パッファ
ピストンが圧縮室を強く圧縮することができる。そして
遮断動作の後期に至ると、凸部に形成された調圧用切欠
部が圧縮室と容器内の空間とを連通させる。そのため、
前記請求項6の発明と同様、遮断動作の後期に圧縮室の
ガス圧の過度の上昇を防止するという作用を得ることが
できる。
【0037】請求項9の発明においては、遮断動作の初
期から中期まではパッファピストンの貫通穴は閉塞棒に
よって塞がれているため、パッファピストンが圧縮室を
強く圧縮することができる。そして遮断動作の後期に至
ると、閉塞棒に形成された調圧用切欠部が圧縮室と容器
内の空間とを連通させる。そのため、前記請求項6およ
び8の発明の作用と同様、遮断動作の後期に圧縮室のガ
ス圧が過度の上昇を防止することができる。
【0038】請求項10の発明では、前記請求項8およ
び9の発明において前記請求項7の発明と同様の作用を
得ることができる。すなわち、パッファシリンダ内周面
の凸部または閉塞棒に形成された調圧用切欠部の断面積
が操作ロッドの先端部に向って連続的に減少していくよ
うに設けられているため、遮断動作の後期において調圧
用切欠部が徐々に開いていくことになり、圧縮室内のガ
ス圧を緩やかに減圧する。したがって、遮断動作の完了
まで高圧の消弧性ガスを圧縮室から蓄圧室へと確実に送
ることができる。
【0039】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明の実施
の形態を具体的に説明する。なお、実施の形態において
図10にて示した従来例と同一の部材に関しては同一符
号を付し、説明は省略する。
【0040】(1)第1の実施の形態 [構成]第1の実施の形態について図1〜図3を用いて
説明する。第1の実施の形態は請求項1および2を包含
するものである。なお、図1は遮断動作の初期、図2は
遮断動作の後期、図3は投入状態を示している。
【0041】パッファシリンダ2内にはパッファシリン
ダ2の軸方向に直交して区切り板10が設けられてい
る。この区切り板10によりパッファシリンダ2内の空
間は蓄圧室15と圧縮室16という2つの空間に区切ら
れる。蓄圧室15は操作ロッド1の先端部側に配置され
ており、圧縮室16は操作ロッド1の基端部側に配置さ
れている。また、圧縮室16にはパッファピストン8が
摺動自在に挿入されている。区切り板10には圧縮室1
6および蓄圧室15を連通させるための連通穴11が設
けられている。また、区切り板10において操作ロッド
1側の内周部には後述する摺動円筒部9が通過可能な通
過穴10aが形成されている。
【0042】操作ロッド1の側面において蓄圧室15側
には第1排気穴13が形成されている。第1排気穴13
は蓄圧室15と操作ロッド1の中空部1aとを連通させ
るようになっている。また、操作ロッド1の側面におい
て区切り板10よりも操作ロッド1の基端部側つまり区
切り板10から見て蓄圧室15と反対側には第2排気穴
14が形成されている。第2排気穴14はパッファピス
トン8の背面に位置する容器内の空間25と操作ロッド
1の中空部1aとを連通させるようになっている。
【0043】さらに、操作ロッド1に対して摺動自在に
摺動円筒部9が設けられている。摺動円筒部9はパッフ
ァピストン8の前面に取付けられており、パッファピス
トン8と同じく、容器側に支持されている。摺動円筒部
9は、遮断動作の初期には第2排気穴14を塞ぐと共に
第1排気穴13を開け、遮断動作の後期には第1排気穴
13を塞ぐと共に第2排気穴14を開けるように構成さ
れている。また、摺動円筒部9は、遮断動作の初期にお
いて絶縁ノズル7内に固定アーク接触子4が位置すると
き、区切り板10の通過穴10aを塞ぐように構成され
ている。
【0044】[作用]以上のような構成を有する第1の
実施の形態の作用は次の通りである。 投入状態 すなわち、図3の投入状態では、摺動円筒部9は圧縮室
16内に位置しており、第2排気穴14を塞いでいる。
つまり投入状態では第2排気穴14が塞がれて容器内の
空間25と操作ロッド1の中空部1aとは連通していな
い。一方、蓄圧室15側の第1排気穴13は開放された
状態にあり、第1排気穴13は蓄圧室15と操作ロッド
1の中空部1aとを連通している。
【0045】遮断動作の初期 このような状態から遮断動作を開始すると、操作ロッド
1およびパッファシリンダ2は図示されない操作機構か
らの駆動力を受けて、図3に示した状態から図1に示し
たように図中の右方向に移動し、アーク接触子3,4は
離れて、その間にアーク17が発生する。アーク17に
より加熱された消弧性ガスは操作ロッド1の中空部1a
に入り、第1排気穴13を通って蓄圧室15内に流入す
る。このとき、摺動円筒部9が第2排気穴14を塞いだ
ままである。そのため、第2排気穴14から容器内の空
間25側へ消弧性ガスが逃げることがない。また、アー
ク17によって加熱された消弧性ガスは絶縁ノズル7と
可動アーク接触子3との間のガス流路を通っても蓄圧室
15内に流入する。
【0046】ところで、パッファシリンダ2の移動に伴
ってパッファピストン8は固定アーク接触子4側へ摺動
する。そのため、パッファピストン8は圧縮室16内の
消弧性ガスを圧縮し、圧縮された圧縮室16内の消弧性
ガスは区切り板10の連通穴11を通って蓄圧室15内
に流入する。このようにして蓄圧室15内に消弧性ガス
が供給されるため、蓄圧室15のガス圧は急速に上昇し
ていく。
【0047】また、パッファピストン8に取付けられた
摺動円筒部9も、パッファシリンダ2の移動に伴って固
定アーク接触子4側へと摺動していき、図1に示した遮
断動作の初期、つまり可動アーク接触子3と固定アーク
接触子4とが開離したストロークと近いストロークの時
点で、摺動円筒部9の先端部が区切り板10の通過穴1
0aに達してこれを塞ぐようになる。しかも、この時点
で絶縁ノズル7のスロート部に固定アーク接触子4が位
置している。
【0048】すなわち、絶縁ノズル7が固定アーク接触
子4によって塞がれ、区切り板10の通過穴10aが摺
動円筒部9によって塞がれることになる。したがって、
蓄圧室15は第1排気穴13によって操作ロッド1の中
空部1aと連通するだけとなり、消弧性ガスが絶縁ノズ
ル7から固定アーク接触子4側に向って漏れたり、蓄圧
室15に流入した消弧性ガスが区切り板10の通過穴1
0aから圧縮室16側に漏れたりすることがない。
【0049】この状態の期間は、絶縁ノズル7のスロー
ト部が固定アーク接触子4先端を通過し、第1排気穴1
3が閉じられ、かつ第2排気穴14が開けられ始める時
期まで続く。この期間は、アーク17によって加熱され
た消弧性ガスが操作ロッド1の中空部1aから第1排気
穴13を通って蓄圧室15にのみ流入することになる。
したがって蓄圧室15のガス圧を極めて急速、且つ効率
的に高めることができる。
【0050】遮断動作の後期 図2に示すように遮断動作が後期に至ると、固定アーク
接触子4側へ摺動した摺動円筒部9が第1排気穴13を
塞ぐと共に、第2排気穴14を開ける。つまり遮断動作
の後期では、第1排気穴13が塞がれて蓄圧室15と操
作ロッド1の中空部1aとが連通していない。一方、第
2排気穴14は開放状態になり、容器内の空間25と操
作ロッド1の中空部1aとが連通する。なお、第1排気
穴13が摺動円筒部9によって完全に覆われるストロー
クと第2排気穴14を通じて操作ロッド1の中空部1a
と容器内の空間25とが連通するストロークとの差は、
遮断動作におけるパッファシリンダ2の全ストロークの
20%以内が好適である。また、第2排気穴14を通じ
て操作ロッド1の中空部1aと容器内の空間25とが連
通するストロークと絶縁ノズル7のスロート部が固定ア
ーク接触子4の先端部を通過するストロークとの差も、
遮断動作におけるパッファシリンダ2の全ストロークの
20%以内が好適である。
【0051】第1排気穴13が塞がれて蓄圧室15内へ
消弧性ガスの流入がなくなる一方、パッファシリンダ2
の移動に伴いパッファピストン8が圧縮室16を圧縮す
ることにより、圧縮された圧縮室16内の消弧性ガスが
区切り板10の連通穴11を通って蓄圧室15内に流入
する。そして、蓄圧室15内の高圧の消弧性ガスは絶縁
ノズル7と可動アーク接触子3との間のガス流路へと押
出される。したがって、絶縁ノズル7が消弧性ガスをア
ーク17に噴射する。アーク17に吹付けられる消弧性
ガスは、絶縁ノズル7から固定アーク接触子4側へ流れ
ると共に、操作ロッド1の中空部1a側へと流れる。こ
のような2方向へ流れる消弧性ガスによって効率良くア
ーク17を消弧することができる。
【0052】さらに、パッファピストン8が圧縮室16
の圧縮が完了した後にも、蓄圧室15に高圧の消弧性ガ
スが残っているため、アーク17へのガス吹付けを長く
続けることができる。これにより、長時間点弧されるよ
うなアーク17も確実に消弧することができる。
【0053】[効果]以上のような第1の実施の形態に
よれば、摺動円筒部9を用いてアーク17へ吹付ける消
弧性ガスの圧力を効率的に上昇させ、高圧の消弧性ガス
によりアーク17を確実に消弧できる。そのため、パッ
ファシリンダ2に与える駆動力を低減させつつ、遮断性
能の向上を実現することが可能である。したがって、高
出力の駆動力供給機構を使用する必要がなく、消費エネ
ルギーの省力化と機器の小形化に貢献することができ
る。また、遮断動作の初期において蓄圧室15と操作ロ
ッド1の中空部1aとだけを連通させることにより蓄圧
室15内のガス圧を迅速に上昇させることができ、しか
も、蓄圧室15を備えたことにより消弧性ガスの噴射時
間を延ばすことができるため、遮断性能の信頼性を一層
向上させることが可能である。
【0054】(2)第2の実施の形態 [構成]第2の実施の形態について図4を用いて説明す
る。第2の実施の形態は請求項3を包含するものであ
る。なお、図4は遮断動作の後期を示している。
【0055】第2の実施の形態は、上記第1の実施の形
態において区切り板10に関してのみ改良を施したもの
である。すなわち、区切り板10は操作ロッド1側の内
周部の方がパッファピストン2側の外周部よりも操作ロ
ッド1の基端部側に近い形状に構成されている。
【0056】[作用効果]以上のような構成を有する第
2の実施の形態においては、摺動円筒部9は短いストロ
ークで操作ロッド1側の内周部に達することができる。
そのため、摺動円筒部9の長さを短くしても、摺動円筒
部9によって区切り板10の通過穴10aを塞ぐことが
できる。これにより、第2の実施の形態によれば、上記
第1の実施の形態と同様な作用効果に加えて、摺動円筒
部9の短縮化を図ることができる。
【0057】(3)第3の実施の形態 [構成]第3の実施の形態について図5を用いて説明す
る。第3の実施の形態は請求項4および5を包含するも
のである。なお、図5は遮断動作の初期を示している。
【0058】第3の実施の形態は、パッファシリンダ2
内の空間を区切る部材として区切り円筒部20を備えた
点と、第1排気穴13および第2排気穴14との間の距
離よりも長く設定された摺動円筒部18を備えた点とを
特徴としている。区切り円筒部20はパッファシリンダ
2内の空間を内側の蓄圧室15と外側の圧縮室16とに
区切るようにパッファシリンダ2と同軸状に設けられて
いる。区切り円筒部20には圧縮室16および蓄圧室1
5を連通させるための連通穴11が形成されている。な
お、パッファピストン8は圧縮室16に挿入されるよう
に構成されている。また、摺動円筒部18はパッファピ
ストン8とは別に容器側に支持されており、遮断動作の
後期にのみ第2排気穴14と重なるような位置に通気穴
19が形成されている。
【0059】[作用効果]以上のような構成を有する第
3の実施の形態によれば、遮断動作の後期になれば、摺
動円筒部18は第1排気穴13を塞ぐと共に、摺動円筒
部18の通気穴19が第2排気穴14に重なって、第2
排気穴14を確実に開けることができる。したがって上
記第1の実施の形態と同様な作用効果を得ることができ
る。これに加えて第3の実施の形態には次のような作用
効果がある。
【0060】すなわち、区切り円筒部20によってパッ
ファシリンダ2内の空間を同軸状に2つの空間に区切っ
ているので、上記第1の実施の形態のように操作ロッド
1の先端部側に蓄圧室15が位置することがない。した
がって、パッファピストン8はパッファシリンダ2の先
端部まで摺動することができ、その分だけ、遮断動作方
向に機器の小形化を進めることができる。
【0061】(4)第4の実施の形態 [構成]第4の実施の形態について図6を用いて説明す
る。第4の実施の形態は請求項6および7を包含するも
のである。なお、第4の実施の形態の基本的な構成は第
1の実施の形態と同様である。また、図6は遮断動作の
後期を示している。
【0062】第4の実施の形態は、パッファピストン8
が遮断動作の後期にて位置する部分のパッファシリンダ
2の内面に、圧縮室16と容器内の空間25とを連通さ
せる調圧溝24が設けられたことを構成上の特徴として
いる。調圧溝24には操作ロッド1の先端部に向ってそ
の断面積が連続的に増加していくようなテーパ部24a
が形成されている。すなわちテーパ部24aは区切り板
10に近い部分は深く、区切り板10から離れるに従っ
て浅くなるように構成されている。なお、調圧溝24が
形成されるパッファシリンダ2の内面の位置としては、
遮断動作時のパッファシリンダ2の全ストロークの60
%以上のストロークに相当する位置が好適である。
【0063】[作用効果]以上のような第4の実施の形
態においては、遮断動作の後期に至る時点で、パッファ
シリンダ2内面の調圧溝24が圧縮室16と容器内の空
間25とを連通させることができるので、パッファピス
トン8により圧縮された消弧性ガスを調圧溝24から容
器内の空間25側へ逃がすことができる。したがって、
遮断動作の後期にて圧縮室16のガス圧が過度に高まる
ことを防止することができる。しかも、調圧溝24はテ
ーパ部24aを形成しているため、圧縮室16と容器内
の空間25との隙間は徐々に開いていくことになる。そ
の結果、圧縮室16内のガス圧は緩やかに減圧され、ガ
ス圧が急激に下がることがなく、遮断動作の完了まで高
圧の消弧性ガスを圧縮室16から蓄圧室15へと確実に
送ることができる。
【0064】このような第4の実施の形態によれば、圧
縮室16内のガス圧が過度に上昇することを抑えること
ができ、パッファシリンダ2をスムーズに移動させるこ
とが可能となる。これにより、パッファシリンダ2への
駆動力を低減させつつ優れた遮断性能を確保することが
できる。
【0065】(5)第5の実施の形態 [構成]第5の実施の形態について図7を用いて説明す
る。第5の実施の形態は請求項8および10を包含する
ものである。なお、第5の実施の形態の基本的な構成は
第1の実施の形態と同様である。また、図7は遮断動作
の後期を示している。
【0066】第5の実施の形態では、パッファピストン
8の外周に沿って凹部23aが設けられている。またパ
ッファシリンダ2の内周面には凹部23aを塞ぐための
凸部26が設けられている。凸部26においてパッファ
ピストン8が遮断動作の後期にて位置する部分には、前
記凹部23aを開放して圧縮室16と容器内の空間25
とを連通させる調圧用切欠部26aが形成されている。
調圧用切欠部26aは操作ロッド1の先端部に向ってそ
の断面積が連続的に減少していくようなテーパ面から構
成されている。なお、凸部26において調圧用切欠部2
6aが形成される位置としては、遮断動作時のパッファ
シリンダ2の全ストロークの60%以上のストロークに
相当する位置が好適である。
【0067】[作用効果]以上のような第5の実施の形
態においては、遮断動作の初期から中期まではパッファ
ピストン8外周の凹部23aはパッファシリンダ2内周
面の凸部26に塞がれているため、パッファピストン8
が圧縮室16を強く圧縮していくことができる。そして
遮断動作の後期に至ると、凸部26に形成された調圧用
切欠部26aが圧縮室16と容器内の空間25とを連通
させる。
【0068】これにより、パッファピストン8により圧
縮された消弧性ガスが調圧用切欠部26aから容器内の
空間25側へ逃げることができる。その結果、遮断動作
の後期にて圧縮室16のガス圧が過度に高まることを防
止することができる。しかも、調圧用切欠部26aはテ
ーパ面であるため、遮断動作の後期において圧縮室16
と容器内の空間25との隙間は徐々に開いていくことに
なる。したがって、圧縮室16内のガス圧は緩やかに減
圧され、ガス圧が急激に下がることがなく、遮断動作の
完了まで高圧の消弧性ガスを圧縮室16から蓄圧室15
へと確実に送ることができる。
【0069】このような第5の実施の形態によれば、上
記第4の実施の形態と同様、圧縮室16内のガス圧が過
度に上昇することを抑えて、パッファシリンダ2をスム
ーズに移動させることができる。これにより、パッファ
シリンダ2への駆動力を低減させつつ優れた遮断性能を
確保できるといった効果がある。
【0070】(6)第6の実施の形態 [構成]第6の実施の形態について図8を用いて説明す
る。第6の実施の形態は請求項9および10を包含する
ものである。なお、第6の実施の形態の基本的な構成は
第1の実施の形態と同様である。また、図8は遮断動作
の初期を示している。
【0071】第6の実施の形態では、パッファピストン
8に貫通穴23bが設けられ、区切り板10には貫通穴
23bを塞ぐための閉塞棒22が固定されている。閉塞
棒22においてパッファピストン8が遮断動作の後期に
て位置する部分、すなわち区切り板10付近の閉塞棒2
2基端部には貫通穴23bを開放して圧縮室16と容器
内の空間25と連通させる調圧用切欠部22aが形成さ
れている。調圧用切欠部22aの断面積は区切り板10
に向って連続的に減少していくように構成されている。
【0072】また、調圧用切欠部22aの断面積は貫通
穴23bの面積の60%以下が好適であり、閉塞棒22
において調圧用切欠部22aが形成される位置として
は、遮断動作時のパッファシリンダ2の全ストロークの
60%以上のストロークに相当する位置が好適である。
なお、区切り板10の連通穴11には所定のガス圧に達
することによって開く逆止弁21が設置されている。
【0073】[作用効果]以上のような第6の実施の形
態においては、遮断動作の初期から中期まではパッファ
ピストン8の貫通穴23bは閉塞棒22によって塞がれ
ているため、パッファピストン8が圧縮室16を強く圧
縮していくことができる。そして遮断動作の後期に至る
と、閉塞棒22に形成された調圧用切欠部22aが圧縮
室16と容器内の空間25とを連通させる。したがっ
て、パッファピストン8により圧縮された消弧性ガスを
調圧用切欠部22aから容器内の空間25側へ逃がすこ
とができ、遮断動作の後期にて圧縮室16のガス圧が過
度に高まることを防止することができる。
【0074】しかも、調圧用切欠部22aは区切り板1
0に向って連続的に減少していくように構成されている
ので、遮断動作の後期において圧縮室16と容器内の空
間25との隙間は徐々に開いていくことになる。その結
果、圧縮室16内のガス圧は緩やかに減圧され、ガス圧
が急激に下がることがなく、遮断動作の完了まで高圧の
消弧性ガスを圧縮室16から蓄圧室15へと確実に送る
ことができる。
【0075】このような第6の実施の形態によれば、上
記第5の実施の形態と同様の作用効果を得ることができ
る。また、第6の実施の形態においては、区切り板10
の連通穴11に逆止弁21が設置されているため、蓄圧
室15が所定のガス圧に達するまではこれが開くことが
なく、蓄圧室15のガス圧を確実に上昇させることがで
きる。
【0076】(7)他の実施の形態 なお、本発明は以上のような実施の形態に限定されるも
のではなく、例えば、図9に示すような他の実施の形態
も包含する。なお、図9は遮断動作の初期を示してい
る。
【0077】この他の実施の形態は、上記第6の実施の
形態における閉塞棒22に代えて、圧縮室16内のガス
圧が所定値を越えると開き、所定値以下の時には閉じる
逆止弁21を、パッファピストン8の貫通穴23bに設
置したことを特徴としている。このような他の実施の形
態によれば、上記第6の実施の形態と同様の作用効果を
得ることが可能である。
【0078】
【発明の効果】以上述べたように本発明のガス遮断器に
よれば、遮断動作の初期には第1排気穴を開けて蓄圧室
と前記操作ロッドの中空部とを連通させ、遮断動作の後
期には第1排気穴を塞ぐと共に第2排気穴を開けて容器
内の空間と操作ロッドの中空部とを連通させる摺動円筒
部を備えるといった簡単に構成により、アークへ吹付け
る消弧性ガスの圧力を効率的に上昇させてアークを確実
に消弧できるため、パッファシリンダに与える駆動力を
低減させつつ、遮断性能の向上を実現することが可能で
あり、消費エネルギーの省力化と機器の小形化に貢献す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の遮断動作の初期を
示す断面図。
【図2】第1の実施の形態の遮断動作の後期を示す断面
図。
【図3】第1の実施の形態の投入状態を示す断面図。
【図4】本発明の第2の実施の形態の遮断動作の後期を
示す断面図。
【図5】本発明の第3の実施の形態の遮断動作の初期を
示す断面図。
【図6】本発明の第4の実施の形態の遮断動作の後期を
示す断面図。
【図7】本発明の第5の実施の形態の遮断動作の後期を
示す断面図。
【図8】本発明の第6の実施の形態の遮断動作の初期を
示す断面図。
【図9】本発明の他の実施の形態の遮断動作の初期を示
す断面図。
【図10】従来のガス遮断器の遮断動作の初期を示す断
面図。
【符号の説明】
1…操作ロッド 1a…中空部 2…パッファシリンダ 3…可動アーク接触子 4…固定アーク接触子 5…可動通電接触子 6…固定通電接触子 7…絶縁ノズル 8…パッファピストン 9,18…摺動円筒部 10…区切り板 11…連通穴 12…絶縁物 13…第1排気穴 14…第2排気穴 15…蓄圧室 16…圧縮室 17…アーク 19…通気穴 20…区切り円筒部 21…逆止弁 22…閉塞棒 22a,26a…調圧用切欠部 23a…凹部 23b…貫通穴 24…調圧溝 25…容器内の空間 26…凸部 27…排気穴

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 消弧性ガスを封入した容器内には操作機
    構部からの駆動力を受けて可動する中空の操作ロッドが
    設けられ、この操作ロッドには該操作ロッドと同軸状で
    且つ操作ロッドを包囲するようにしてパッファシリンダ
    が固定され、前記操作ロッドの先端部には可動電極部が
    取付けられ、この可動電極部に対向して固定電極部が配
    置され、前記パッファシリンダの前記固定電極部側の端
    部にはガス流路を保持しつつ前記可動電極部を包囲する
    ようにして絶縁ノズルが固定され、前記絶縁ノズルのガ
    ス流路と前記パッファシリンダ内とが連通され、さらに
    前記操作ロッドと前記パッファシリンダとの間には前記
    容器側に支持されたパッファピストンが摺動自在に挿入
    され、前記操作ロッドの動作により前記可動電極部が前
    記固定電極部に接触する投入動作と、前記可動電極部が
    前記固定電極部から離れる遮断動作を行うように構成さ
    れたガス遮断器において、 前記パッファシリンダ内には該パッファシリンダ内の空
    間を蓄圧室と圧縮室とに区切る区切り板が設けられ、 前記蓄圧室は前記操作ロッドの先端部側に配置され、前
    記圧縮室は前記操作ロッドの基端部側に配置されて前記
    パッファピストンが挿入され、 前記操作ロッドの側面において前記蓄圧室側には該蓄圧
    室と前記操作ロッドの中空部とを連通させるための第1
    排気穴が形成され、 前記操作ロッドの側面において前記区切り板よりも前記
    操作ロッドの基端部側には前記容器内の空間と前記操作
    ロッドの中空部とを連通させるための第2排気穴が形成
    され、 前記容器側には前記操作ロッドに対して摺動自在な摺動
    円筒部が支持され、 前記摺動円筒部は、遮断動作の初期には前記第2排気穴
    を塞ぐと共に前記第1排気穴を開け、遮断動作の後期に
    は前記第1排気穴を塞ぐと共に前記第2排気穴を開ける
    ように構成され、 前記区切り板には前記蓄圧室および前記圧縮室を連通さ
    せるための連通穴と前記摺動円筒部が通過可能な通過穴
    とが形成されたことを特徴とするガス遮断器。
  2. 【請求項2】 前記摺動円筒部は、遮断動作の初期にお
    いて前記絶縁ノズル内に前記固定電極部が位置すると
    き、前記区切り板の通過穴を塞ぐように構成されたこと
    を特徴とする請求項1記載のガス遮断器。
  3. 【請求項3】 前記区切り板は、前記パッファピストン
    側の外周部よりも前記操作ロッド側の内周部の方が前記
    操作ロッドの基端部側に近い形状に構成されたことを特
    徴とする請求項2記載のガス遮断器。
  4. 【請求項4】 消弧性ガスを封入した容器内には操作機
    構部からの駆動力を受けて可動する中空の操作ロッドが
    設けられ、この操作ロッドには該操作ロッドと同軸状で
    且つ操作ロッドを包囲するようにしてパッファシリンダ
    が固定され、前記操作ロッドの先端部には可動電極部が
    取付けられ、この可動電極部に対向して固定電極部が配
    置され、前記パッファシリンダの前記固定電極部側の端
    部にはガス流路を保持しつつ前記可動電極部を包囲する
    ようにして絶縁ノズルが固定され、前記絶縁ノズルのガ
    ス流路と前記パッファシリンダ内とが連通され、さらに
    前記操作ロッドと前記パッファシリンダとの間には前記
    容器側に支持されたパッファピストンが摺動自在に挿入
    され、前記操作ロッドの動作により前記可動電極部が前
    記固定電極部に接触する投入動作と、前記可動電極部が
    前記固定電極部から離れる遮断動作を行うように構成さ
    れたガス遮断器において、 前記パッファシリンダ内には該パッファシリンダ内の空
    間を内側の蓄圧室と外側の圧縮室とに区切る区切り円筒
    部が前記パッファシリンダと同軸状に設けられ、 前記圧縮室には前記パッファピストンが挿入され、 前記区切り円筒部には前記蓄圧室および前記圧縮室を連
    通させるための連通穴が形成され、 前記操作ロッドの側面には前記蓄圧室と前記操作ロッド
    の中空部とを連通させるための第1排気穴と、前記容器
    内の空間と前記操作ロッドの中空部とを連通させるため
    の第2排気穴とが形成され、 前記容器側には前記操作ロッドに対して摺動自在な摺動
    円筒部が支持され、 前記摺動円筒部は、遮断動作の初期には前記第2排気穴
    を塞ぐと共に前記第1排気穴を開け、遮断動作の後期に
    は前記第1排気穴を塞ぐと共に前記第2排気穴を開ける
    ように構成されたことを特徴とするガス遮断器。
  5. 【請求項5】 前記摺動円筒部は、前記第1排気穴およ
    び前記第2排気穴との間の距離よりも長く設定されてお
    り、且つ遮断動作の後期にのみ前記第2排気穴と重なる
    通気穴が形成されたことを特徴とする請求項1、2、3
    または4記載のガス遮断器。
  6. 【請求項6】 前記パッファピストンが遮断動作の後期
    にて位置する部分の前記パッファシリンダの内面に、前
    記圧縮室と前記容器内の空間とを連通させる調圧溝が設
    けられたことを特徴とする請求項1、2、3、4または
    5記載のガス遮断器。
  7. 【請求項7】 前記調圧溝は前記操作ロッドの先端部側
    に向ってその断面積が連続的に増加していくように設け
    られたことを特徴とする請求項6記載のガス遮断器。
  8. 【請求項8】 前記パッファピストンの外周に沿って凹
    部が設けられ、 前記パッファシリンダの内周面には前記凹部を塞ぐため
    の凸部が設けられ、 前記凸部において前記パッファピストンが遮断動作の後
    期にて位置する部分には、前記凹部を開放して前記圧縮
    室と前記容器内の空間とを連通させる調圧用切欠部が形
    成されたことを特徴とする請求項1、2、3、4、5、
    6または7記載のガス遮断器。
  9. 【請求項9】 前記パッファピストンに貫通穴が設けら
    れ、 前記パッファシリンダ内に前記貫通穴を塞ぐための閉塞
    棒が設けられ、 前記閉塞棒において前記パッファピストンが遮断動作の
    後期にて位置する部分には、前記貫通穴を開放して前記
    圧縮室と前記容器内の空間と連通させる調圧用切欠部が
    形成されたことを特徴とする請求項1、2、3、4、
    5、6、7または8記載のガス遮断器。
  10. 【請求項10】 前記調圧用切欠部は前記操作ロッドの
    先端部側に向ってその断面積が連続的に減少していくよ
    うに設けられたことを特徴とする請求項8または9記載
    のガス遮断器。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010056021A (ja) * 2008-08-29 2010-03-11 Toshiba Corp ガス遮断器
JP2013033749A (ja) * 2012-10-05 2013-02-14 Toshiba Corp ガス遮断器
KR20230173889A (ko) * 2022-06-20 2023-12-27 일진전기 주식회사 퍼퍼 방식 가스 차단장치

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