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JPH09263379A - エスカレーターの安全装置 - Google Patents

エスカレーターの安全装置

Info

Publication number
JPH09263379A
JPH09263379A JP7502096A JP7502096A JPH09263379A JP H09263379 A JPH09263379 A JP H09263379A JP 7502096 A JP7502096 A JP 7502096A JP 7502096 A JP7502096 A JP 7502096A JP H09263379 A JPH09263379 A JP H09263379A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rail
spring
safety device
escalator
supporting means
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7502096A
Other languages
English (en)
Inventor
Manabu Ogura
学 小倉
Kiyoshi Funai
潔 船井
Yasumasa Haruta
康雅 治田
Yoshio Kamiya
代詞男 神谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP7502096A priority Critical patent/JPH09263379A/ja
Publication of JPH09263379A publication Critical patent/JPH09263379A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Escalators And Moving Walkways (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 エスカレーターの他の構造物の配置との兼ね
合いで必ずしも両圧縮ばね15a,15bのほぼ中央に
押さえレール21の変位検出用のマイクロスイッチ19
を配置できるとは限らず、安全装置の効果を発揮させる
ことができない場合が生じるなどの課題があった。 【解決手段】 両圧縮ばね15a,15bのばね定数の
比aとマイクロスイッチ19の位置pとの間に、ap−
a+P=0という関係が成り立つように設計することに
より、追従ローラ8による持ち上げ力Fの作用位置Cを
示す持ち上げ作動位置bによらず、マイクロスイッチ1
9が動作する時に追従ローラ8が押さえレールを持ち上
げる力(動作力)を一定に保つようにしたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はエスカレーターの
安全装置に関し、特にエスカレーターの降り口側の曲部
において、相隣接する踏段間の段差が縮小方向に変化し
ている時に前記踏段間の段差隙間にゴム靴の爪先等が喰
い込んだ時にこれを検出し、エスカレーターを停止する
等してエスカレーターの安全性を確保するエスカレータ
ーの安全装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図6は、例えば実公昭63−46456
号公報に示された従来のエスカレーターの安全装置を示
す側面図、図7はエスカレーター全体の概略構成図であ
り、図において、1は建造物の上層階と下層階に掛け渡
されたエスカレーターの主枠、2および3は主枠1の上
下端部内に設置されたスプロケット装置、2aは上端部
のスプロケット装置2を駆動する駆動部、4はこの上下
のスプロケット装置2,3間に無端状に巻掛けされた踏
段鎖、5は支持軸6によって踏段鎖4に無端状に連結さ
れた踏段であり、この踏段5の支持軸6には図8,図9
に示す様に一対の駆動ローラ7が回転自在に取り付けら
れ、さらに踏段5の階下側両端には追従ローラ8が取り
付けられ、そしてこれら駆動ローラ7および追従ローラ
8は主枠1内にその長さ方向に沿って配設された駆動レ
ール9および追従レール10にそれぞれ係合されており
踏段5の移動をガイドする構造となっている。また、踏
段5は踏板5aとライザ5b、ブラケット5cとからな
り、規制がなければ踏段5は支持軸6を支点に図8のu
方向に回動自在であるよう構成されている。
【0003】従来のエスカレーターの安全装置を示した
図6において、追従レール10の上曲部Mには所望間隔
離して一対の支持部材11,12が一体に固着されてお
り、この支持部材11,12の垂下部分にはL字状に曲
げ加工された金具13a,13bが一体に取り付けられ
ている。そして連結部材17a,17bの概略水平片と
前記金具13a,13bの概略水平片を貫通する形で支
持ボルト14a,14bが上下方向にスライド可能に取
り付けられ、この各支持ボルト14a,14bにはそれ
ぞれボルトの上方向への移動に対してのみその変位に対
応した力を発生する等しいばね定数の圧縮ばね15a,
15bがナットと座金による係止部材16a,16bに
より予圧がほぼ0の状態で取り付けられている。
【0004】また、支持ボルト14a,14bの上端に
下端の概略水平片が連結された連結部材17a,17b
の上端には、追従レール10の湾曲形状部に沿い配置し
たアングル材からなる押さえレール21の概略両端が固
着されており、図9に示すように、この押さえレール2
1は追従レール10上を転動する追従ローラ8に対しそ
の上面側から覆い被さるように配置されている。
【0005】さらに、押さえレール21の中間部分には
マイクロスイッチの操作部材20が固着され、この操作
部材20の下端に対向してマイクロスイッチ19が上記
一方の支持部材12に取付金具18を介して取り付けら
れている。マイクロスイッチ19のピンプランジヤ19
aは、弱いばねにより操作部材20に付勢され、押さえ
レールの上方への動きに合わせて変位可能となってお
り、押さえレール21に一定量の上方への変位が生じた
ときマイクロスイッチ19がオンあるいはオフされる構
成となっている。
【0006】次に動作について説明する。踏段5上に乗
った客の靴の位置が踏面の進行方向中央部分に位置し、
靴先等が一段上の踏段5’のライザ5bに押圧されるこ
とのない正常な乗り状態では、踏段5が駆動部2aによ
り駆動レール9および追従レール10に沿って図7の矢
印方向に駆動され、上曲部Mを通過する際に相隣接する
踏段5,5’間の段差が縮小方向に変化しても踏段5,
5’間の隙間への靴喰い込みが生じないため、踏段5,
5’間の相対運動はロックされず、一段上の踏段5’が
浮き上がるようなことはない。従って、図9および図1
0に示すように、踏段5’の追従ローラ8が追従レール
10上を転動する状態が維持され、押さえレール21が
追従ローラ8に持ち上げられることはなく、マイクロス
イッチ19が動作すること、すなわち安全装置の作動は
ない。
【0007】しかるに図11に示すように、踏段5上に
乗った客の靴22の先端部が一段上の踏段5’のライザ
5bに不用意または故意に押し付けられたままの状態で
上曲部Mにさしかかり踏段5,5’の段差が縮小方向に
変化した場合、靴22の先端部が踏段5の踏面前縁部と
踏段5’のライザ5bの間の隙間に喰い込み、踏段5,
5’間の相対運動をロックすることとなる。このため、
一段上の踏段5’のライザ5b側が支持軸6を支点にし
て浮き上がる。これに伴い踏段5’の追従ローラ8が図
12および図13に示す様に追従レール10から離れる
とともに、押さえレール21に当接して圧縮ばね15
a、15bのばね力に抗して押さえレール21を図13
の矢印方向に力Fで持ち上げる。これにより操作部材2
0が上方へ変位し、マイクロスイッチ19のピンプラン
ジヤ19aの付勢力が逃がされてマイクロスイッチ19
が動作し、その動作信号によりエスカレーターが急停止
される等して乗客の安全が図られる。
【0008】以上の従来の安全装置においては、押さえ
レール21の両端付近に利用される等しいばね定数の圧
縮ばね15a,15bの予圧をほぼ0とすること、およ
び両圧縮ばね15a,15bのほぼ中央に変位検出用の
マイクロスイッチ19を配置することにより、図14に
示すように、踏段5’の追従ローラ8が押さえレール2
1を持ち上げるレール長手方向の位置(持ち上げ作動位
置)に関係なくマイクロスイッチ19が動作するときの
押さえレール21の持ち上げ力(動作力)Fを一定にす
ることができる。従って、適当なばね定数の圧縮ばね1
5a,15bを用いることにより靴喰い込み時には安全
装置を確実に動作させ、かついたずらに対しては動作し
ないように動作力を設定できる上、圧縮ばね15a,1
5bの予圧調整が不要になるという効果があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従来のエスカレーター
の安全装置は以上のように構成されているので、上記の
ように押さえレール21の両端付近の圧縮ばね15a,
15bの予圧をほぼ0として、両圧縮ばね15a,15
bのほぼ中央に変位検出用のマイクロスイッチ19を配
置すれば上記効果を発揮させることができたが、実際の
エスカレーターにおいては、圧縮ばね15a,15bの
位置やマイクロスイッチ19の位置はエスカレーターの
他の構造物の配置との兼ね合いで必ずしも所望の位置に
配置できない場合がある。すなわち、変位検出手段とし
てのマイクロスイッチ19を圧縮ばね15a,15bの
中央以外に配置する場合や、圧縮ばね15a,15bの
ばね定数が異なる場合、圧縮ばね15a,15bに予圧
を与えて動作させる場合等の種々の場合において一貫し
て上記効果を発揮させることができないという課題があ
った。
【0010】この発明は上記のような課題を解決するた
めになされたもので、変位検出手段の位置が両圧縮ばね
の中央に位置しない場合、両圧縮ばねのばね定数が等し
くない場合,圧縮ばねに予圧を与えて動作させる場合等
を含めた幅広い状況の下で、浮き上がった踏段の追従ロ
ーラによる押さえレールの持ち上げ作動位置に関係なく
変位検出手段が動作するときの動作力を一定にすること
ができるエスカレーターの安全装置を得ることを目的と
する。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明に係
るエスカレーターの安全装置は、追従ローラによる押さ
えレールの持ち上げ位置によらず変位検出手段動作時の
前記追従ローラによる前記押さえレールの持ち上げ力が
ほぼ一定となるように、支持手段のばねのばね定数と前
記変位検出手段の位置を決定したものである。
【0012】請求項2記載の発明に係るエスカレーター
の安全装置は、一対の支持手段のばねのばね定数の比a
と前記一対の支持手段のばね間における変位検出手段の
位置を示すpとの関係をap−a+p=0を満たすよう
に調節したものである。
【0013】請求項3記載の発明に係るエスカレーター
の安全装置は、支持手段のばねへの予圧の付与をほぼ0
としたものである。
【0014】請求項4記載の発明に係るエスカレーター
の安全装置は、少なくとも一方の支持手段のばねに予圧
を付与したものである。
【0015】請求項5記載の発明に係るエスカレーター
の安全装置は、少なくとも一方の支持手段のばねの近傍
において、追従ローラによる押さえレールの持ち上げを
防止したものである。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の一形態を
説明する。 実施の形態1.図1はこの発明の実施の形態1によるエ
スカレーターの安全装置を示す側面図、図2はこのエス
カレーターの安全装置を簡略化して表したモデル図であ
る。なお、エスカレーターの構成は、従来例において図
7〜図9に示したものと同様であり、再度説明せず符号
の引用を行う。エスカレーターの安全装置の基本構成は
従来例において図6に示したものとほぼ同様であり再度
説明すると、図1において、11および12は追従レー
ル10の上曲部Mに所望間隔離して固着された一対の支
持部材(支持手段)、13aおよび13bはL字状に曲
げ加工され、前記支持部材11,12の垂下部分に取り
付けられた金具(支持手段)、14aおよび14bは後
述の連結部材17a,17bの概略水平片と前記金具1
3a,13bの概略水平片を貫通する形で上下方向にス
ライド可能に取り付けられた支持ボルト(支持手段)、
15aおよび15bは各支持ボルト14a,14bに取
り付けられた圧縮ばね(支持手段,ばね)であり、従来
例と異なり両圧縮ばねのばね定数は特に等しくする必要
はない。16aおよび16bは支持ボルト14a,14
bに螺合するナットと座金による係止部材(支持手段)
であり、この係止部材16a,16bと前記金具13
a,13bとの間に配置された圧縮ばね15a,15b
の予圧を調節する働きを有している。17aおよび17
bは支持ボルト14a,14bの上端と押さえレール2
1の概略両端とを連結する連結部材(支持手段)であ
り、押さえレール21が上方に変位した際の連結部材1
7a,17bの概略水平片と前記金具13a,13bの
概略水平片の間にできる空隙の広がりを圧縮ばね15
a,15bが抑制する形で押さえレールの上方変位の抑
制が行われる。
【0017】19は前記一方の支持部材12に取付金具
18を介して取り付けられたマイクロスイッチ(変位検
出手段)、19aはマイクロスイッチ19のピンプラン
ジャ、20はマイクロスイッチ19のピンプランジャ1
9aに対向して押さえレール21の中間部分に固着され
たマイクロスイッチの操作部材であり、正常時にはマイ
クロスイッチ19のピンプランジャ19aが弱いばねに
より操作部材20に付勢した形となっており、押さえレ
ール21の上方への動きに合わせて変位可能な操作部材
20に一定量の上方への変位が生じたときにピンプラン
ジャ19aの付勢力が逃がされてマイクロスイッチ19
がオンあるいはオフされる構成となっている。
【0018】21は追従レール10の湾曲形状部に沿っ
て配置されたアングル材からなる押さえレールであり、
図9に示したように、この押さえレール21は追従レー
ル10上を転動する追従ローラ8に対しその上面側から
覆い被さるように配置されている。なお、図2には上記
の圧縮ばね15a,圧縮ばね15b,および押さえレー
ル21を示している。
【0019】次に動作について説明する。図2におい
て、最初押さえレール21の支持手段としての圧縮ばね
15a,15bは、図中一点鎖線で示す自由長にあり、
係止部材16a,16bのナットを締めて予圧を加える
ことにより圧縮ばね15aがyA 、圧縮ばね15bがy
B だけ圧縮され、押さえレール21は図中破線で示す線
分A’B’の位置にくる。この状態で追従ローラ8の持
ち上げ力Fが押さえレール21に作用し、圧縮ばね15
a,15bのそれぞれに予圧力を越えるような持ち上げ
力が加わると圧縮ばね15a,15bはさらにy1 ,y
2 だけ圧縮され、押さえレール21は図中実線で示す線
分ABの位置にくる。
【0020】圧縮ばね15a,15b間の距離をl、圧
縮ばね15aから追従ローラ8による持ち上げ力Fの作
用位置Cまでの距離をl1 、圧縮ばね15aから変位検
出手段としてのマイクロスイッチ19の位置Dまでの距
離をxとすれば、この時の力とモーメントの釣り合いか
ら、式(1),(2)が成立する。 k1 (y1 +yA )+k2 (y2 +yB )=F ・・・(1) lk1 (y1 +yA )=(l−l1 )F ・・・(2)
【0021】ここで、k1 、k2 は圧縮ばね15a,1
5bのばね定数である。式(1)および式(2)からy
1 ,y2 は、
【数1】
【数2】 であるから、y1 ,y2 が正、すなわち、押さえレール
21が予圧力に打ち勝って線分ABまで持ち上がるため
に必要な動作力Fの条件は、0≦l1 ≦1とすれば、そ
れぞれ、
【数3】
【数4】 となる。
【0022】よって、式(5),(6)の両条件が満足
されている場合、予圧のみ付加されている状態から持ち
上げ力Fが作用した状態に変化する時の、押さえレール
21のマイクロスイッチ19位置での移動量DD’を動
作ストロークyx とすれば、
【数5】 という関係が成り立つ。
【0023】ここで諸量を扱い易くするため、図3に示
すように無次元の係数a,b,pを用いて、 k2 =ak1 ,l1 =bl,x=pl ・・・(8) と置き、式(7)をFを表す式に変形すると、
【数6】 となる。ただし、この関係が成り立つbの値の範囲は、
各パラメータの値を一般に用いられる値F≧0,yx
0,yA ≧0,yB ≧0,a≧0,0≦b≦1,0≦p
≦1に限定すれば式(5),(6),(8),(9)よ
り、
【数7】 の範囲である。
【0024】そして式(9)は、aとpとの間に、 ap−a+P=0 a=p/(1−p) ・・・(11) という関係が成り立つように設計することにより、追従
ローラ8による持ち上げ力Fの作用位置Cを示す持ち上
げ作動位置bによらず、マイクロスイッチ19が動作す
る時に追従ローラ8が押さえレールを持ち上げる力(動
作力F)を一定に保つことができることを示している。
【0025】図4は、yA =yB =0すなわち予圧が0
である場合に、aの値をパラメータとして持ち上げ作動
位置bと動作力Fとの関係を求めた一例である(但し、
x,k1 ,pには適当な定数を使用した)。式(1
0)から0≦b≦1であり、b=0の場合Fはaの値に
よらず一定値F0 =k1 x /(1−p)となる。aの
値が異なるとFはbの値の変化に伴い別の軌跡をたどる
が、aとpが式(11)の関係を満足する場合、bの値
によらずF=F0 の一定値となる。
【0026】以上のように、この実施の形態1によれ
ば、圧縮ばね15a,15bへの予圧を付与しない安全
装置の運用において、変位検出手段としてのマイクロス
イッチ19を圧縮ばね15a,15bの中央に限らず様
々な位置に配置する場合や、圧縮ばね15a,15bの
ばね定数が等しくない場合等を含む幅広い状況の下で、
追従ローラ8による押さえレール21の持ち上げ作動位
置に関係なくマイクロスイッチ19が動作するときの動
作力Fを一定にすることができる。
【0027】実施の形態2.前記実施の形態1において
は、圧縮ばね15a,15bへの予圧を0とした場合に
ついて示したが、yA >0,yB >0すなわち予圧を付
与した場合にも、aとpが式(11)の関係を満足すれ
ば、式(10)の範囲内のbに対して、動作力Fを式
(12)に示すF1 の一定値とすることができる。 F1 =k1 {yx +(1−p)yA +pyB )}/(1−p) ・・・(12)
【0028】ただしこの場合、式(10)のbの範囲
が、予圧を付与しないyA =yB =0の場合と異なり0
および1付近が含まれなくなり、bの0および1付近に
おいては、たとえaとpが式(11)の関係を満たして
いても、Fを前記一定値F1 と等しく保つことができな
くなる。このように圧縮ばね15a,15b付近が追従
ローラ8の持ち上げ作動位置となった場合には、両側の
圧縮ばね15a,15bのうちどちらか一方の圧縮ばね
にしか予圧力を越える荷重が加わらないため、式(1
1)が満足されている場合、小さな動作力Fでマイクロ
スイッチ19が動作することになり、誤動作が発生しや
すくなる。この式(10)の範囲の両端部の欠けは、動
作力Fと圧縮ばね15a,15bへの予圧力との差が小
さい場合、すなわち動作ストロークyx が小さい場合ほ
ど大きくなるため、予圧力と比較して動作力Fが十分大
きくなるように設定することが望ましい。
【0029】以上のように、この実施の形態2によれ
ば、圧縮ばね15a,15bへの予圧を付与した安全装
置の運用において、変位検出手段としてのマイクロスイ
ッチ19を圧縮ばね15a,15bの中央に限らず様々
な位置に配置する場合や、圧縮ばね15a,15bのば
ね定数が等しくない場合等を含む幅広い状況の下で、圧
縮ばね15a,15b付近を除き、追従ローラ8による
押さえレール21の持ち上げ作動位置に関係なくマイク
ロスイッチ19が動作するときの動作力Fを一定にする
ことができる。
【0030】また、圧縮ばね15a,15bへの予圧を
付与しているため、圧縮ばね15a,15bを交換する
ことなく予圧を付与することにより動作力Fの調整を実
行することができ、マイクロスイッチ19の小さな動作
ストロークで、動作力Fを大きく設定することが可能と
なる。また、これにより、外乱による誤動作が起こりに
くいエスカレーターの安全装置とすることができる。
【0031】実施の形態3.図5はこの発明の実施の形
態3によるエスカレーターの安全装置を示す側面図であ
り、図においてPおよびQは高感度領域、10aおよび
10bは追従レール10に対向して主枠1に固定された
押さえ追従レール、21aは押さえレール21の追従ロ
ーラ8との当接面に固着されたスペーサーである。な
お、図1に示したものと同一または相当の部分について
は同一符号を付して重複説明を省略する。
【0032】追従ローラ8はスペーサー21aを介して
押さえレール21に当接するように設計しているため、
押さえレール21は前記実施の形態1において図1に示
した押さえレール21より高い位置に設けられており、
押さえ追従レール10aおよび10bの追従ローラ8と
の当接面の高さはスペーサー21aの追従ローラ8との
当接面の高さとほぼ等しくしている。
【0033】次に動作について説明する。予圧を付与す
るyA >0,yB >0の場合には前述のように、bが0
または1に近い圧縮ばね15a,15b付近の領域が追
従ローラ8の持ち上げ作動位置となると小さな動作力F
でマイクロスイッチ19が動作することになり、誤動作
が発生しやすくなる。従って、この動作力Fを一定にで
きない高感度領域P,Qを放置したまま本安全装置を使
用することは装置の特性上好ましくない。
【0034】図5において、押さえレール21の高感度
領域P,Qとオーバーラップする形に追従レール10に
対向する押さえ追従レール10a,10bを配置すると
ともに、押さえレール21の追従ローラ8との当接面に
スペーサー21aを固着しているため、圧縮ばね15
a,15b付近の高感度領域P,Qでは追従ローラ8が
押さえレール21に当接することがなく、高感度領域
P,Qにおいて小さな動作力Fにより安全装置が誤動作
することがなくなり、また、高感度領域P,Q以外の部
分では、一定の動作力Fが得られる。
【0035】また図示はしないが、高感度領域P,Qで
安全装置を動作させない簡易的な手法として、図1に示
した安全装置において、押さえレール21の追従ローラ
との当接面のうち高感度領域にあたる部分のみ切り欠く
という方法も可能である。
【0036】以上のように、この実施の形態3によれ
ば、圧縮ばね15a,15b付近の高感度領域P,Qに
おいて、追従ローラ8による押さえレール21の持ち上
げを防止しており、予圧を付与した場合の高感度領域
P,Qにおける小さな動作力Fによる安全装置の誤動作
を防止しながら、高感度領域P,Q以外の部分では一定
の動作力Fを得ることができ、動作の正確性および安全
性を向上したエスカレーターの安全装置とすることがで
きる。
【0037】なお、上記各実施の形態においては、押さ
えレール21の支持手段として圧縮ばね15aおよび1
5bを用いたが、支持手段が引っ張りばねにより構成さ
れている場合も同様に考えることができる。また、この
発明における支持手段の位置やそのばね定数,予圧力,
変位検出手段の位置や動作ストロークの組み合わせは無
数に存在する。また、式(9)が成り立つbの範囲を求
める際、F≧0,yx≧0,yA ≧0,yB ≧0,a≧
0,0≦b≦1,0≦p≦1と仮定したが、支持手段と
変位検出手段の配置によっては、この条件以外の場合で
も式(9)が成り立つbの範囲は存在し得る。また、本
発明がエスカレーターの上曲部のみならず下曲部にも適
用可能であることはいうまでもなく、本実施の形態では
単純化のため押さえレールが真っ直ぐであるとしたモデ
ルを用いて説明を行ったが、短い区間の押さえレール2
1の湾曲の度合いは小さく実用精度上問題ない。また、
押さえレール21の湾曲を考慮した設計も当然適宜可能
である。また、上記各実施の形態においては変位検出手
段としてマイクロスイッチを用いたが、例えば接触式マ
イクロメーター,容量変位計,フォトニックセンサ等の
他の変位検出手段を用いることも任意であり、同様の効
果を得ることができる。
【0038】
【発明の効果】以上のように、請求項1記載の発明によ
れば、追従ローラによる押さえレールの持ち上げ位置に
よらず変位検出手段動作時の前記追従ローラによる前記
押さえレールの持ち上げ力がほぼ一定となるように、支
持手段のばねのばね定数と前記変位検出手段の位置を決
定するように構成したので、変位検出手段の位置が一対
の支持手段の一対のばねの中央に位置しない場合、両圧
縮ばねのばね定数が等しくない場合等の幅広い状況の下
で、追従ローラによる押さえレールの持ち上げ作動位置
に関係なく変位検出手段が動作するときの動作力を一定
にすることができ、エスカレーターの他の構造物の配置
に合わせて支持手段や変位検出手段を配置・構成するこ
とが可能な設計余裕度の高いエスカレーターの安全装置
とすることができる効果がある。
【0039】請求項2記載の発明によれば、一対の支持
手段のばねのばね定数の比aと前記一対の支持手段のば
ね間における変位検出手段の位置を示すpとの関係をa
p−a+p=0を満たすように調節するように構成した
ので、変位検出手段の位置が一対の支持手段の一対のば
ねの中央に位置しない場合、両圧縮ばねのばね定数が等
しくない場合等の幅広い状況の下で、追従ローラによる
押さえレールの持ち上げ作動位置に関係なく変位検出手
段が動作するときの動作力を一定にすることができ、エ
スカレーターの他の構造物の配置に合わせて支持手段や
変位検出手段を配置・構成することが可能な設計余裕度
の高いエスカレーターの安全装置とすることができる効
果がある。
【0040】請求項3記載の発明によれば、支持手段の
ばねへの予圧の付与をほぼ0とするように構成したの
で、押さえレール上の一対のばね間の全範囲において動
作力を一定にすることができる効果がある。
【0041】請求項4記載の発明によれば、少なくとも
一方の支持手段のばねに予圧を付与するように構成した
ので、支持手段のばねを交換することなく予圧を付与す
ることにより動作力の調整を実行することができ、変位
検出手段の小さな動作ストロークで、大きな動作力の設
定が可能となる効果がある。また、これにより、外乱に
よる誤動作が起こりにくいエスカレーターの安全装置と
することができる効果がある。
【0042】請求項5記載の発明によれば、少なくとも
一方の支持手段のばねの近傍において、追従ローラによ
る押さえレールの持ち上げを防止するように構成したの
で、支持手段のばね付近の高感度領域において小さな動
作力により安全装置が誤動作することを防止しながら、
高感度領域以外の部分では一定の動作力を得ることがで
き、動作の正確性および安全性を向上したエスカレータ
ーの安全装置とすることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1によるエスカレータ
ーの安全装置を示す側面図である。
【図2】 図1のエスカレーターの安全装置を簡略化し
て表したモデル図である。
【図3】 図2中の各パラメータを係数を用いて表した
モデル図である。
【図4】 図1のエスカレーターの安全装置における持
ち上げ作動位置と動作力との関係の一例を無次元化して
表したグラフ図である。
【図5】 この発明の実施の形態3によるエスカレータ
ーの安全装置を示す側面図である。
【図6】 従来のエスカレーターの安全装置を示す側面
図である。
【図7】 エスカレーター全体の概略構成図である。
【図8】 踏段の縦断側面図である。
【図9】 図8の矢印z方向から見た安全装置非動作時
における踏段の正面図である。
【図10】 エスカレーターの安全装置の非動作時の側
面図である。
【図11】 靴の踏段段差隙間への靴喰い込み状況を示
す説明図である。
【図12】 図8の矢印z方向から見た安全装置動作時
における踏段の正面図である。
【図13】 エスカレーターの安全装置の動作時の側面
図である。
【図14】 エスカレーターの安全装置の持ち上げ作動
位置と動作力との関係を示す図である。
【符号の説明】
5 踏段、8 追従ローラ、10 追従レール、M 上
曲部、N 下曲部、11,12 支持部材(支持手
段)、13a,13b 金具(支持手段)、14a,1
4b 支持ボルト(支持手段)、15a,15b 圧縮
ばね(支持手段,ばね)、16a,16b 係止部材
(支持手段)、17a,17b 連結部材(支持手
段)、19 マイクロスイッチ(変位検出手段)、21
押さえレール。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 神谷 代詞男 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 踏段の両側に設けられた追従ローラの移
    動を案内する追従レールの上曲部または下曲部の少なく
    とも一箇所において前記追従ローラの上面の軌跡にほぼ
    沿う形に配置された押さえレールと、前記押さえレール
    の前記追従ローラの移動方向の2箇所に離間して設けら
    れ前記押さえレールの上方への変位を抑制するばねを有
    して前記押さえレールを上下動可能に支持する一対の支
    持手段と、前記押さえレールの上下方向の変位を検出す
    る変位検出手段とを備え、前記上曲部あるいは前記下曲
    部における前記踏段の相対動作の際の乗客の靴先の前記
    踏段間への喰い込み等により生じる前記追従ローラの浮
    き上がりを前記追従ローラの前記押さえレールの持ち上
    げによる前記押さえレールの上方向変位として検出する
    エスカレータの安全装置において、前記追従ローラによ
    る前記押さえレールの持ち上げ位置によらず前記変位検
    出手段動作時の前記追従ローラによる前記押さえレール
    の持ち上げ力がほぼ一定となるように、前記支持手段の
    ばねのばね定数と前記変位検出手段の位置を決定したこ
    とを特徴とするエスカレーターの安全装置。
  2. 【請求項2】 一対の支持手段のばねのばね定数の比a
    と前記一対の支持手段のばね間における変位検出手段の
    位置を示すpとの関係をap−a+p=0を満たすよう
    に調節したことを特徴とする請求項1記載のエスカレー
    ターの安全装置。
  3. 【請求項3】 支持手段のばねへの予圧の付与をほぼ0
    としたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の
    エスカレーターの安全装置。
  4. 【請求項4】 少なくとも一方の支持手段のばねに予圧
    を付与したことを特徴とする請求項1または請求項2記
    載のエスカレーターの安全装置。
  5. 【請求項5】 少なくとも一方の支持手段のばねの近傍
    において、追従ローラによる押さえレールの持ち上げを
    防止したことを特徴とする請求項4記載のエスカレータ
    ーの安全装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008012866A1 (fr) * 2006-07-25 2008-01-31 Mitsubishi Electric Corporation Convoyeur de passagers
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JP2008189419A (ja) * 2007-02-02 2008-08-21 Hitachi Ltd エスカレーター装置

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