JPH09258263A - 液晶表示装置およびその製造方法 - Google Patents
液晶表示装置およびその製造方法Info
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- JPH09258263A JPH09258263A JP6503196A JP6503196A JPH09258263A JP H09258263 A JPH09258263 A JP H09258263A JP 6503196 A JP6503196 A JP 6503196A JP 6503196 A JP6503196 A JP 6503196A JP H09258263 A JPH09258263 A JP H09258263A
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- electrode
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 下部電極のエッチング端を使用しないMIM
素子において、不可避的に発生する付加容量を最小限に
し、かつパターニングしやすい形状のMIM素子を実現
する。 【解決手段】 信号配線5から分岐した部分または一部
を下部電極5aとして、そのエッチング端の近傍の上方
にのみ第2の絶縁体24を設ける。第2の絶縁体24は
コンタクトスリット25を形成しており、コンタクトス
リット25に対応する位置の下部電極5a、非線形な電
圧−電流特性を有する第1の絶縁体8および上部電極6
がMIM素子として機能する。これにより、付加的な容
量が形成されてしまう部分の面積を幾何学的に最小限に
抑える。
素子において、不可避的に発生する付加容量を最小限に
し、かつパターニングしやすい形状のMIM素子を実現
する。 【解決手段】 信号配線5から分岐した部分または一部
を下部電極5aとして、そのエッチング端の近傍の上方
にのみ第2の絶縁体24を設ける。第2の絶縁体24は
コンタクトスリット25を形成しており、コンタクトス
リット25に対応する位置の下部電極5a、非線形な電
圧−電流特性を有する第1の絶縁体8および上部電極6
がMIM素子として機能する。これにより、付加的な容
量が形成されてしまう部分の面積を幾何学的に最小限に
抑える。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は液晶表示装置に関す
るもので、特に2端子非線形素子の製造方法に使用され
るものである。
るもので、特に2端子非線形素子の製造方法に使用され
るものである。
【0002】
【従来の技術】近年、液晶表示装置はその低消費電力、
薄型、軽量である特徴から、パーソナルコンピュータ
ー、ワードプロセッサ、オフィスオートメーション用の
端末表示装置、テレビジョンなどの表示用途に使用され
てきており、より大容量表示、高画質が求められてい
る。
薄型、軽量である特徴から、パーソナルコンピュータ
ー、ワードプロセッサ、オフィスオートメーション用の
端末表示装置、テレビジョンなどの表示用途に使用され
てきており、より大容量表示、高画質が求められてい
る。
【0003】従来の液晶表示装置は、TN(Twisted Ne
matic)方式あるいはSTN(SuperTwisted Nematic)
方式の電圧平均化法による単純マトリクス駆動を行って
いたが、この方式では走査線の増加によってコントラス
ト比が十分に得られなくなるため、大容量表示に適さな
い。
matic)方式あるいはSTN(SuperTwisted Nematic)
方式の電圧平均化法による単純マトリクス駆動を行って
いたが、この方式では走査線の増加によってコントラス
ト比が十分に得られなくなるため、大容量表示に適さな
い。
【0004】そこで、表示画面を構成している個々の画
素にスイッチング素子を設けたアクティブ駆動が開発さ
れている。上記スイッチング素子としては、薄膜トラン
ジスタや2端子非線形素子が用いられているが、構造が
簡単で、製造コストの面で有利な2端子非線形素子を用
いた液晶表示装置が有望視されており、金属−絶縁体−
金属(Metal-Insulator-Metal,以降MIMと呼称す
る。)構造を有するものは実用化がなされている。
素にスイッチング素子を設けたアクティブ駆動が開発さ
れている。上記スイッチング素子としては、薄膜トラン
ジスタや2端子非線形素子が用いられているが、構造が
簡単で、製造コストの面で有利な2端子非線形素子を用
いた液晶表示装置が有望視されており、金属−絶縁体−
金属(Metal-Insulator-Metal,以降MIMと呼称す
る。)構造を有するものは実用化がなされている。
【0005】このMIM素子は、入力信号の電圧が小さ
い時に高抵抗となる特性を持ち、また入力信号の電圧が
液晶を駆動させるために十分に大きい時には低抵抗とな
るいわゆるPoole-Frenkel則に従った電圧−電流特性を
示す。
い時に高抵抗となる特性を持ち、また入力信号の電圧が
液晶を駆動させるために十分に大きい時には低抵抗とな
るいわゆるPoole-Frenkel則に従った電圧−電流特性を
示す。
【0006】MIM素子を形成した液晶表示装置は、こ
のような非線形電流−電圧特性をON/OFFのスイッ
チングに応用したものである。
のような非線形電流−電圧特性をON/OFFのスイッ
チングに応用したものである。
【0007】図10は、従来のMIM素子を用いた液晶
表示装置1の平面図である。図中ではMIM素子が形成
されている基板(素子側基板)2が紙面の向こう側にあ
り、対向側電極が形成されている基板(対向側基板)3
が紙面手前側にあるように示されている。この液晶表示
装置1は、480ドット(H)×320ドット(V)の
いわゆるH−VGAの画素配列を持ち、反射型でモノク
ロ表示を行う。
表示装置1の平面図である。図中ではMIM素子が形成
されている基板(素子側基板)2が紙面の向こう側にあ
り、対向側電極が形成されている基板(対向側基板)3
が紙面手前側にあるように示されている。この液晶表示
装置1は、480ドット(H)×320ドット(V)の
いわゆるH−VGAの画素配列を持ち、反射型でモノク
ロ表示を行う。
【0008】図11は、液晶表示装置1の表示領域内の
任意の位置Aにおける素子側基板2に形成されている1
画素を示す平面図である。図12は、素子側基板2に向
かい合わせられる対向側基板3の平面図である。図13
は、図11のB−B’線に沿った液晶表示装置1の断面
図である。
任意の位置Aにおける素子側基板2に形成されている1
画素を示す平面図である。図12は、素子側基板2に向
かい合わせられる対向側基板3の平面図である。図13
は、図11のB−B’線に沿った液晶表示装置1の断面
図である。
【0009】1つの画素は、ガラス基板2の表面2a上
に形成された画素電極7、信号配線5、およびMIM素
子4から構成される。
に形成された画素電極7、信号配線5、およびMIM素
子4から構成される。
【0010】信号配線5の各々は、素子側基板端に形成
された素子側端子15に接続される。また、信号配線に
直交する向きになるように、対向側基板3の表面3a上
にストライプ状に形成された対向側電極9は、対向側基
板端に形成された対向側端子16に接続されている。液
晶表示装置1を駆動させるときは、上記の素子側端子1
5と対向側端子16の間に信号波形を印加して行う。
された素子側端子15に接続される。また、信号配線に
直交する向きになるように、対向側基板3の表面3a上
にストライプ状に形成された対向側電極9は、対向側基
板端に形成された対向側端子16に接続されている。液
晶表示装置1を駆動させるときは、上記の素子側端子1
5と対向側端子16の間に信号波形を印加して行う。
【0011】また、図11の斜線部で示されるMIM素
子4は、後述するように、MIM素子4の容量と液晶の
容量とが適正な容量比となるように設計する必要があ
る。一般的な目安としては、液晶の容量/素子の容量が
10前後となるように設計される。
子4は、後述するように、MIM素子4の容量と液晶の
容量とが適正な容量比となるように設計する必要があ
る。一般的な目安としては、液晶の容量/素子の容量が
10前後となるように設計される。
【0012】MIM素子4を構成する材料に関しては、
例えば下部電極としてタンタル(Ta)、上部電極とし
てチタン(Ti)、アルミニウム(Al)あるいはクロ
ム(Cr)が用いられ、絶縁体には酸化タンタル(Ta
Ox)が用いられる。
例えば下部電極としてタンタル(Ta)、上部電極とし
てチタン(Ti)、アルミニウム(Al)あるいはクロ
ム(Cr)が用いられ、絶縁体には酸化タンタル(Ta
Ox)が用いられる。
【0013】素子側基板を作製する方法の例を、図14
に従って説明する。図14は、MIM素子4の断面を示
している。
に従って説明する。図14は、MIM素子4の断面を示
している。
【0014】まず、ガラス基板2の表面2a上にタンタ
ル(Ta)薄膜をスパッタリング法によって堆積し、こ
れをフォトリソグラフィー法によってパターニングする
ことにより信号配線5および下部電極5aを形成する
(図14(a))。
ル(Ta)薄膜をスパッタリング法によって堆積し、こ
れをフォトリソグラフィー法によってパターニングする
ことにより信号配線5および下部電極5aを形成する
(図14(a))。
【0015】次に、例えば陽極酸化法によってTa薄膜
上に酸化タンタル(TaOx)からなる絶縁体8を形成
する(図14(b))。
上に酸化タンタル(TaOx)からなる絶縁体8を形成
する(図14(b))。
【0016】次に、上部電極6として例えばチタン(T
i)をTa同様に、基板上に薄膜形成し、上部電極6の
パターンを形成する(図14(c))。
i)をTa同様に、基板上に薄膜形成し、上部電極6の
パターンを形成する(図14(c))。
【0017】さらに透明導電材、例えばITO(Indium
Tin Oxide)を薄膜形成し、フォトリソグラフィー法に
よって画素電極7を形成する(図14(d))。
Tin Oxide)を薄膜形成し、フォトリソグラフィー法に
よって画素電極7を形成する(図14(d))。
【0018】MIM素子4が各画素に設けられたガラス
基板(素子側基板)2は、液晶分子14の配向制御のた
めに、ポリイミド膜などの配向膜10の形成とラビング
処理が行われる。
基板(素子側基板)2は、液晶分子14の配向制御のた
めに、ポリイミド膜などの配向膜10の形成とラビング
処理が行われる。
【0019】また、基板表面3aに対向側電極9が形成
された対向側基板3にも同様に配向膜11を形成し、素
子側基板のラビング方向と例えば90°ねじった方向に
ラビング処理が行われる。
された対向側基板3にも同様に配向膜11を形成し、素
子側基板のラビング方向と例えば90°ねじった方向に
ラビング処理が行われる。
【0020】上記素子側基板2と対向側基板3は、配向
膜が向かい合わせになり、かつ10μm前後の間隔を保
持するようにシール材17を介して貼り合わせられ、液
晶が注入・封止され液晶セルを構成する。
膜が向かい合わせになり、かつ10μm前後の間隔を保
持するようにシール材17を介して貼り合わせられ、液
晶が注入・封止され液晶セルを構成する。
【0021】そして、この液晶セルの外側表面に偏光軸
を90°ねじった形で偏光板12および13を配置する
ことによって液晶表示装置1が構成される。ここで偏光
板12としては反射板付きのものが用いられる。
を90°ねじった形で偏光板12および13を配置する
ことによって液晶表示装置1が構成される。ここで偏光
板12としては反射板付きのものが用いられる。
【0022】なお、偏光板12として、透過タイプの偏
光板を貼り付け、バックライトを使用すれば透過型の液
晶表示装置になるのはいうまでも無い。もちろん対向側
基板3にマイクロカラーフィルターを形成すれば、カラ
ー表示を行うことも可能である。
光板を貼り付け、バックライトを使用すれば透過型の液
晶表示装置になるのはいうまでも無い。もちろん対向側
基板3にマイクロカラーフィルターを形成すれば、カラ
ー表示を行うことも可能である。
【0023】ところで、上述したような反射型液晶表示
装置1は、外部からの入射光を反射させて表示を行うも
のである。したがって、バックライトが不用となり、消
費電力が低くかつ薄型軽量化が可能となるために、例え
ば携帯情報端末のディスプレイとして期待されている。
特にこのディスプレイとしては、高解像度・大容量で、
ぺ一パーホワイトと呼ばれる明るい反射型液晶表示装置
が適している。
装置1は、外部からの入射光を反射させて表示を行うも
のである。したがって、バックライトが不用となり、消
費電力が低くかつ薄型軽量化が可能となるために、例え
ば携帯情報端末のディスプレイとして期待されている。
特にこのディスプレイとしては、高解像度・大容量で、
ぺ一パーホワイトと呼ばれる明るい反射型液晶表示装置
が適している。
【0024】しかしながら、このような反射型液晶表示
装置1では、入射光が偏光板13で吸収されてしまうた
めに、通常、反射率は50%以下となってしまい、明る
さについては十分な明るさとは言えない。
装置1では、入射光が偏光板13で吸収されてしまうた
めに、通常、反射率は50%以下となってしまい、明る
さについては十分な明るさとは言えない。
【0025】このような問題に対して、偏光板を用いず
に全ての入射光を有効に利用する表示モードの液晶表示
装置が提案されている。このような液晶表示装置として
は、例えば相転移型ゲスト・ホスト方式の液晶表示装置
が挙げられる。
に全ての入射光を有効に利用する表示モードの液晶表示
装置が提案されている。このような液晶表示装置として
は、例えば相転移型ゲスト・ホスト方式の液晶表示装置
が挙げられる。
【0026】図15は、相転移型ゲスト・ホスト(G
H)方式の液晶表示装置の素子側基板2の平面図であ
る。また、図16はその対向側基板3の平面図であり、
図17は図15中C−C’における断面図である。
H)方式の液晶表示装置の素子側基板2の平面図であ
る。また、図16はその対向側基板3の平面図であり、
図17は図15中C−C’における断面図である。
【0027】なお、この液晶表示装置の基本的な平面図
は図10と同じであり、H−VGAの画素配列を有すの
で省略する。しかし、図16に示すように、この液晶表
示装置では、カラー表示を行わせるために、対向側基板
3にシアン18aとレッド18bのマイクロカラーフィ
ルターが交互に設けてある。したがって、素子側端子の
数は、480本の2倍の数を必要とするので、960本
設けている。
は図10と同じであり、H−VGAの画素配列を有すの
で省略する。しかし、図16に示すように、この液晶表
示装置では、カラー表示を行わせるために、対向側基板
3にシアン18aとレッド18bのマイクロカラーフィ
ルターが交互に設けてある。したがって、素子側端子の
数は、480本の2倍の数を必要とするので、960本
設けている。
【0028】この液晶表示装置では、画素電極7は反射
板の機能を兼ねており、輝度およびコントラスト比を向
上させるために、凹凸(図15中において実線で示され
た大小の円)を形成した有機絶縁層19の上面に形成さ
れ、高反射率を有する拡散反射面となっている。すなわ
ち、図10に示す従来の反射型液晶表示装置では液晶セ
ルの外側表面に形成されていた反射板を、このゲスト・
ホスト方式の液晶表示装置では液晶セル内部に形成して
いる。この画素電極兼反射板の材料としては、例えばア
ルミニウム(Al)が用いられる。
板の機能を兼ねており、輝度およびコントラスト比を向
上させるために、凹凸(図15中において実線で示され
た大小の円)を形成した有機絶縁層19の上面に形成さ
れ、高反射率を有する拡散反射面となっている。すなわ
ち、図10に示す従来の反射型液晶表示装置では液晶セ
ルの外側表面に形成されていた反射板を、このゲスト・
ホスト方式の液晶表示装置では液晶セル内部に形成して
いる。この画素電極兼反射板の材料としては、例えばア
ルミニウム(Al)が用いられる。
【0029】また、MIM素子4の上部電極6と画素電
極7との電気的接続は、有機絶縁層19に設けたスルー
ホール20を通じて行う。
極7との電気的接続は、有機絶縁層19に設けたスルー
ホール20を通じて行う。
【0030】表示のON/0FFは、画素電極7と対向
側電極9との間に印加される電圧によって、2色性色素
を含んだゲストホスト液晶の配向状態を制御することに
よって行う。2色性色素の分子(図17の21)は液晶
分子(図17の22)に沿って配向する性質を有してい
る。したがって、電圧印加時には、液晶分子および2色
性色素の分子が基板表面に対してほぽ垂直方向に配列す
るので、対向側基板方向から入射した光は、2色性色素
に吸収されずに液晶層を通過して、反射板を兼ねた画素
電極7で反射して再度液晶層1を通過して出射する。ま
た電圧無印加時には、液晶分子および2色性色素の分子
が不規則に配列しているので、入射した光は2色性色素
に吸収され、遮断される。このようにして、入射光の反
射による明るい表示(白表示)と、入射光の遮断による
暗い表示(黒表示)が行われる為、偏光板が不要であり
明るい表示が得られる。
側電極9との間に印加される電圧によって、2色性色素
を含んだゲストホスト液晶の配向状態を制御することに
よって行う。2色性色素の分子(図17の21)は液晶
分子(図17の22)に沿って配向する性質を有してい
る。したがって、電圧印加時には、液晶分子および2色
性色素の分子が基板表面に対してほぽ垂直方向に配列す
るので、対向側基板方向から入射した光は、2色性色素
に吸収されずに液晶層を通過して、反射板を兼ねた画素
電極7で反射して再度液晶層1を通過して出射する。ま
た電圧無印加時には、液晶分子および2色性色素の分子
が不規則に配列しているので、入射した光は2色性色素
に吸収され、遮断される。このようにして、入射光の反
射による明るい表示(白表示)と、入射光の遮断による
暗い表示(黒表示)が行われる為、偏光板が不要であり
明るい表示が得られる。
【0031】このような相転移型の液晶表示装置であっ
ても、基本的な等価回路は図10に示した液晶表示装置
と同一である。このため、液晶とMIM素子との容量比
は、適切な値(約10)になるように設計される。
ても、基本的な等価回路は図10に示した液晶表示装置
と同一である。このため、液晶とMIM素子との容量比
は、適切な値(約10)になるように設計される。
【0032】図18(a)はこうしたMIM素子を用い
た液晶表示装置の1画素の等価回路図である。MIM素
子は、非線形抵抗(RMIM)と容量(CMIM)の並列回路
で表記される。また液晶は抵抗(RLC)と容量(CLC)
の並列回路である。
た液晶表示装置の1画素の等価回路図である。MIM素
子は、非線形抵抗(RMIM)と容量(CMIM)の並列回路
で表記される。また液晶は抵抗(RLC)と容量(CLC)
の並列回路である。
【0033】図18(b)から(e)は基本的な駆動信
号波形および液晶に印加される電圧の時間変化を示した
ものである。
号波形および液晶に印加される電圧の時間変化を示した
ものである。
【0034】例えば、走査線(対向側電極)には周期T
毎に振幅Vpの選択波形がTONの長さの期間印加され
(図18(b))、信号配線(下部電極)には液晶の表
示状態を決定するデータ信号が印加される(図18
(c))。実際に印加される電圧は、(b)と(c)と
の合成になるので(d)のような波形となる。
毎に振幅Vpの選択波形がTONの長さの期間印加され
(図18(b))、信号配線(下部電極)には液晶の表
示状態を決定するデータ信号が印加される(図18
(c))。実際に印加される電圧は、(b)と(c)と
の合成になるので(d)のような波形となる。
【0035】一般には、液晶の信頼性を保持するため
に、交互に極性を反転させ交流駆動を行う。
に、交互に極性を反転させ交流駆動を行う。
【0036】いま、ある走査線(対向側電極)に選択波
形が印加された時を考える。このとき、選択された画素
に加わる電圧(VP±VD)は、容量分割されMIM素子
に印加される電圧VMIMは、 VMIM=CLC/(CLC+CMIM)・(VP±VD) である。
形が印加された時を考える。このとき、選択された画素
に加わる電圧(VP±VD)は、容量分割されMIM素子
に印加される電圧VMIMは、 VMIM=CLC/(CLC+CMIM)・(VP±VD) である。
【0037】ここで、MIM素子の容量CMIMを十分小
さく、つまりCMIM<<CLCとしておけば、ほとんどの
電圧はMIM素子に印加されることになる。このとき、
MIM素子は電圧が高いときに低抵抗となる非線形性の
電圧−電流特性を有しているのでON状態となり、表示
状態に対応した電荷が液晶の容量CLCに書き込まれる。
さく、つまりCMIM<<CLCとしておけば、ほとんどの
電圧はMIM素子に印加されることになる。このとき、
MIM素子は電圧が高いときに低抵抗となる非線形性の
電圧−電流特性を有しているのでON状態となり、表示
状態に対応した電荷が液晶の容量CLCに書き込まれる。
【0038】このような選択時間(TON)が終了して選
択波形が立ち下がるとき、液晶に印加される電圧VLCは
CLCとCMIMの容量結合により、以下に示す△Vだけ急
減し、次に選択されるまでMIM素子のOFF抵抗を介
して放電し続ける。
択波形が立ち下がるとき、液晶に印加される電圧VLCは
CLCとCMIMの容量結合により、以下に示す△Vだけ急
減し、次に選択されるまでMIM素子のOFF抵抗を介
して放電し続ける。
【0039】 △V=CMIM/(CLC+CMIM)・(VP±VD) 以後も同様の信号の繰り返すことにより表示を行うが、
液晶の容量CLCとMIM素子の容量CMIMの比CLC/C
MIMはできるだけ大きいほうが望ましい。なぜならば、
この比の値が小さいと、選択時にMIM素子へ十分な電
圧が加わらないので不完全なON状態になる。あるいは
選択波形が立ち下がる時、液晶に加わる電圧の急減(△
V)が大きくなるので、液晶に印加される実効電圧が低
下する等の問題が生じるからである。したがって、良好
な表示を行うためには、目安としてCLC/CMIMは10
前後を確保することが望ましいとされている。
液晶の容量CLCとMIM素子の容量CMIMの比CLC/C
MIMはできるだけ大きいほうが望ましい。なぜならば、
この比の値が小さいと、選択時にMIM素子へ十分な電
圧が加わらないので不完全なON状態になる。あるいは
選択波形が立ち下がる時、液晶に加わる電圧の急減(△
V)が大きくなるので、液晶に印加される実効電圧が低
下する等の問題が生じるからである。したがって、良好
な表示を行うためには、目安としてCLC/CMIMは10
前後を確保することが望ましいとされている。
【0040】また、画素毎に素子と液晶の容量比が異な
ると表示ムラとなるため、MIM素子の容量がばらつく
ことも避けねばならない。非線形性を有する薄い絶縁体
を、陽極酸化法で形成した場合は、膜厚の仕上がりが良
好な絶縁体が得られるので、MIM素子の容量のばらつ
きは実質的に素子の面積の仕上がりに左右されることに
なる。このため、表示ムラを防ぐためには、寸法の均一
な素子を作ることが重要である。
ると表示ムラとなるため、MIM素子の容量がばらつく
ことも避けねばならない。非線形性を有する薄い絶縁体
を、陽極酸化法で形成した場合は、膜厚の仕上がりが良
好な絶縁体が得られるので、MIM素子の容量のばらつ
きは実質的に素子の面積の仕上がりに左右されることに
なる。このため、表示ムラを防ぐためには、寸法の均一
な素子を作ることが重要である。
【0041】図19は、液晶の容量/MIM素子の容量
の比と、液晶表示装置のコントラスト比との関係を示し
た図である。図19には例として、相転移型のGHモ一
ドを利用した反射型液晶表示装置を測定した結果を示
す。容量比は、画素の電極面積(すなわち液晶の容量)
は一定として故意に素子の寸法面積を変えた液晶表示装
置を作製し、値を5.98、7.82、10.84、1
2.88および21.68とした。
の比と、液晶表示装置のコントラスト比との関係を示し
た図である。図19には例として、相転移型のGHモ一
ドを利用した反射型液晶表示装置を測定した結果を示
す。容量比は、画素の電極面積(すなわち液晶の容量)
は一定として故意に素子の寸法面積を変えた液晶表示装
置を作製し、値を5.98、7.82、10.84、1
2.88および21.68とした。
【0042】コントラスト比は、液晶と素子との容量比
が10前後で飽和し、容量比が小さくなると低下する傾
向を示す。特に容量比が8に満たないとコントラストの
低下が大きくなるため、容量比は8以上、好ましくは1
0を確保するのが望ましい。
が10前後で飽和し、容量比が小さくなると低下する傾
向を示す。特に容量比が8に満たないとコントラストの
低下が大きくなるため、容量比は8以上、好ましくは1
0を確保するのが望ましい。
【0043】また容量比が小さい程、駆動電圧を高くし
ないと素子が充分ONにならないため、駆動LSIの耐
圧や消費電力を考慮すると低い駆動電圧が望まれる。し
たがって、液晶と素子との容量比は大きいことが好まし
い。
ないと素子が充分ONにならないため、駆動LSIの耐
圧や消費電力を考慮すると低い駆動電圧が望まれる。し
たがって、液晶と素子との容量比は大きいことが好まし
い。
【0044】
【発明が解決しようとする課題】ここで、前記MIM素
子4の絶縁体8の厚さは40〜70nm程度であるた
め、電気的耐圧が低く、工程中で生じる静電気によって
容易に絶縁破壊され得る。この結果、MIM素子の上下
電極が短絡し、MIM素子がスイッチング素子として機
能しなくなった画素は、画面上に点欠陥として現れるた
めに表示品位を落とし、液晶表示装置を製造する上で歩
留まりが悪化する。
子4の絶縁体8の厚さは40〜70nm程度であるた
め、電気的耐圧が低く、工程中で生じる静電気によって
容易に絶縁破壊され得る。この結果、MIM素子の上下
電極が短絡し、MIM素子がスイッチング素子として機
能しなくなった画素は、画面上に点欠陥として現れるた
めに表示品位を落とし、液晶表示装置を製造する上で歩
留まりが悪化する。
【0045】特に、携帯情報端末などに使用される液晶
表示装置には、高解像度で大容量表示のものが必要とさ
れるため、画素数すなわち素子の数は必然的に多くな
る。加えてカラー表示を行う場合には、モノクロ表示の
画素配列数と同じ画素の表示であっても、マイクロカラ
ーフィルターを設ける分だけ、さらに素子の数は増加す
る。
表示装置には、高解像度で大容量表示のものが必要とさ
れるため、画素数すなわち素子の数は必然的に多くな
る。加えてカラー表示を行う場合には、モノクロ表示の
画素配列数と同じ画素の表示であっても、マイクロカラ
ーフィルターを設ける分だけ、さらに素子の数は増加す
る。
【0046】また、マイクロカラーフィルターを形成し
た場合は、点欠陥部分は着色して見え、より点欠陥が目
立ち見苦しくなる。したがって、点欠陥の抑制は重要な
課題となっている。
た場合は、点欠陥部分は着色して見え、より点欠陥が目
立ち見苦しくなる。したがって、点欠陥の抑制は重要な
課題となっている。
【0047】このため、静電気対策として工程中の湿度
管理、作業者にアースを設けたり、イオナイザーなど、
液晶表示装置製造下での環境の制御が行われているが、
完全こMIM素子の絶縁破壊を防止することはできてい
ない。
管理、作業者にアースを設けたり、イオナイザーなど、
液晶表示装置製造下での環境の制御が行われているが、
完全こMIM素子の絶縁破壊を防止することはできてい
ない。
【0048】そこで、MIM素子の耐圧性そのものを改
善する試みも検討されている。絶縁体8の膜厚を厚くし
て電気的耐圧を向上させることはできるが、スイッチン
グ素子としての特性が悪くなり、電圧−電流特性の急峻
性が悪くなってしまうので、素子の構造的な面から検討
が行われている。
善する試みも検討されている。絶縁体8の膜厚を厚くし
て電気的耐圧を向上させることはできるが、スイッチン
グ素子としての特性が悪くなり、電圧−電流特性の急峻
性が悪くなってしまうので、素子の構造的な面から検討
が行われている。
【0049】一般にMIM素子においては、下部電極パ
ターンのエッチング端上に位置する絶縁体には電界が集
中し易いため、あるいは絶縁体の形成時のステップカバ
レッジ性の悪さのために絶縁破壊が引き起こされ易い。
従来の構造のMIM素子においては、下部電極の平垣部
上に位置する絶縁体だけでなく、必然的にエッチング端
上に位置する絶縁体もMIM素子の絶縁体として使用さ
れるため、MIM素子自体の絶縁破壊が引き起こされ易
くなっている。
ターンのエッチング端上に位置する絶縁体には電界が集
中し易いため、あるいは絶縁体の形成時のステップカバ
レッジ性の悪さのために絶縁破壊が引き起こされ易い。
従来の構造のMIM素子においては、下部電極の平垣部
上に位置する絶縁体だけでなく、必然的にエッチング端
上に位置する絶縁体もMIM素子の絶縁体として使用さ
れるため、MIM素子自体の絶縁破壊が引き起こされ易
くなっている。
【0050】そこで、絶縁破壊され易い下部電極のエッ
チング端部の絶縁体を、さらに絶縁性を有する中間層で
覆うことが提案されている。これは、下部電極の平坦部
上の絶縁体のみをMIM素子の絶縁体として使用するこ
とにより、素子の絶縁破壊を低減するものである。この
ようなMIM素子は、例えば特開平1−270027
号、特開平3−160420号、特開平4−36782
7号および特開平5−119353号に記載されてい
る。
チング端部の絶縁体を、さらに絶縁性を有する中間層で
覆うことが提案されている。これは、下部電極の平坦部
上の絶縁体のみをMIM素子の絶縁体として使用するこ
とにより、素子の絶縁破壊を低減するものである。この
ようなMIM素子は、例えば特開平1−270027
号、特開平3−160420号、特開平4−36782
7号および特開平5−119353号に記載されてい
る。
【0051】このような中間絶縁層を備えたMIM素子
は、一般的には、下部電極を形成する工程と、非線形性
を有する絶縁体(第1の絶縁体)を形成する工程と、中
間絶縁層(第2の絶縁体)を形成する工程と、上部電極
を形成する工程とを経て作製され、中間絶縁層の一部に
設けられた孔伏の開口部(コンタクトホール)を介し
て、上部電極と非線形性を有する絶縁体および下部電極
とが接続された、いわゆるトップコンタクト構造がとら
れる。
は、一般的には、下部電極を形成する工程と、非線形性
を有する絶縁体(第1の絶縁体)を形成する工程と、中
間絶縁層(第2の絶縁体)を形成する工程と、上部電極
を形成する工程とを経て作製され、中間絶縁層の一部に
設けられた孔伏の開口部(コンタクトホール)を介し
て、上部電極と非線形性を有する絶縁体および下部電極
とが接続された、いわゆるトップコンタクト構造がとら
れる。
【0052】図20(a)はこのような中間絶縁層にコ
ンタクトホールを設けて形成したMIM素子の平面図で
ある。また、図20(b)から(d)は、図20(a)
のD−D’線に沿った素子側基板の断面図である。この
断面は、素子の形成方法により種々の層構造をとるが、
いずれの場合でも下部電極5aのエッチング端を素子と
して使用していないことが特徴である。
ンタクトホールを設けて形成したMIM素子の平面図で
ある。また、図20(b)から(d)は、図20(a)
のD−D’線に沿った素子側基板の断面図である。この
断面は、素子の形成方法により種々の層構造をとるが、
いずれの場合でも下部電極5aのエッチング端を素子と
して使用していないことが特徴である。
【0053】例えば、図20(b)の素子は、以下の工
程で形成することができる。
程で形成することができる。
【0054】まず、素子側基板2の表面に下部電極5a
を形成した後、下部電極5aの表面を陽極酸化し、非線
形を有する絶縁体8を成膜する。
を形成した後、下部電極5aの表面を陽極酸化し、非線
形を有する絶縁体8を成膜する。
【0055】次に中間絶縁層24を基板2の表面に成膜
し、コンタクトホールとなる開口部分23を開ける。ー
般には中間絶縁層24としては金属酸化物あるいは窒化
物が用いられることが多い。ただし、中間絶縁層24
は、低温で成膜する必要がある。先に成膜した絶縁体8
が、中間絶縁層24を成膜するための熱プロセスにおい
て高温にさらされると、MIM素子の特性が悪化してし
まうからである。
し、コンタクトホールとなる開口部分23を開ける。ー
般には中間絶縁層24としては金属酸化物あるいは窒化
物が用いられることが多い。ただし、中間絶縁層24
は、低温で成膜する必要がある。先に成膜した絶縁体8
が、中間絶縁層24を成膜するための熱プロセスにおい
て高温にさらされると、MIM素子の特性が悪化してし
まうからである。
【0056】このコンタクトホールを開けた状態で上部
電極6を形成してMIM素子を構成し、次いで画素電極
7を形成して、これを上部電極6に接続する。したがっ
て、MIM素子は、下部電極5a−絶縁体8−上部電極
6からなり、素子の面積はコンタクトホール23の面積
となる。
電極6を形成してMIM素子を構成し、次いで画素電極
7を形成して、これを上部電極6に接続する。したがっ
て、MIM素子は、下部電極5a−絶縁体8−上部電極
6からなり、素子の面積はコンタクトホール23の面積
となる。
【0057】ここで、中間絶縁層24を成膜する際の熱
によるMIM素子の特性の劣化を避けるために、絶縁体
8と中間絶縁層24とを形成する順番を変えることもで
きる。例えば図20(c)に示すMIM素子は、以下の
工程で形成することができる。
によるMIM素子の特性の劣化を避けるために、絶縁体
8と中間絶縁層24とを形成する順番を変えることもで
きる。例えば図20(c)に示すMIM素子は、以下の
工程で形成することができる。
【0058】まず、素子側基板2の表面に下部電極5a
を形成した後、中間絶縁層24を成膜し、コンタクトホ
ールとなる開口部23を開ける。次に、非線形性を示す
絶縁体8を基板2の表面にスパッタリング法などにより
成膜し、所定の形状にパターニングする。さらに、上部
電極6および画素電極7を、上述した中間絶縁層24の
形成に先立って絶縁体8を形成する場合と同様にして形
成する。
を形成した後、中間絶縁層24を成膜し、コンタクトホ
ールとなる開口部23を開ける。次に、非線形性を示す
絶縁体8を基板2の表面にスパッタリング法などにより
成膜し、所定の形状にパターニングする。さらに、上部
電極6および画素電極7を、上述した中間絶縁層24の
形成に先立って絶縁体8を形成する場合と同様にして形
成する。
【0059】このようにして得られる図20(c)に示
すMIM素子においても、素子の面積はコンタクトホー
ル23の面積となる。
すMIM素子においても、素子の面積はコンタクトホー
ル23の面積となる。
【0060】ただし、絶縁体8をスパッタリング法を用
いて成膜した場合は、ピンホールが生じ易く、また膜厚
の均一性が劣るために素子の容量がばらつくという問題
がある。したがって、図20(c)に図示するMIM素
子の形成工程において、非線形性を有する絶縁体8を他
の方法で成膜することにより、膜厚の均一性を図ること
もできる。例えば、スパッタリング法に代えて、陽極酸
化法あるいは熱酸化法を用いることができる。この場
合、絶縁体8はコンタクトホール23に対応する下部電
極5aの部分の表面のみに成膜されるので、MIM素子
の断面は、図20(d)に示す構造を取る。
いて成膜した場合は、ピンホールが生じ易く、また膜厚
の均一性が劣るために素子の容量がばらつくという問題
がある。したがって、図20(c)に図示するMIM素
子の形成工程において、非線形性を有する絶縁体8を他
の方法で成膜することにより、膜厚の均一性を図ること
もできる。例えば、スパッタリング法に代えて、陽極酸
化法あるいは熱酸化法を用いることができる。この場
合、絶縁体8はコンタクトホール23に対応する下部電
極5aの部分の表面のみに成膜されるので、MIM素子
の断面は、図20(d)に示す構造を取る。
【0061】このように、コンタクトホールを利用した
構造のMIM素子は、絶縁破壊されやすい下部電極のエ
ッチング端を素子として使わないので、絶縁破壊の確率
を抑制することができ、それ故に欠陥対策として行われ
る。しかし、このようなMIM素子でも場合によっては
問題が生じる。
構造のMIM素子は、絶縁破壊されやすい下部電極のエ
ッチング端を素子として使わないので、絶縁破壊の確率
を抑制することができ、それ故に欠陥対策として行われ
る。しかし、このようなMIM素子でも場合によっては
問題が生じる。
【0062】既述したように、携帯情報端末に使われる
液晶表示装置は小型画面でありながら大容量表示を求め
られる為、必然的に画素ピッチが小さくなる。したがっ
て、1画素の液晶の容量が小さくなる。
液晶表示装置は小型画面でありながら大容量表示を求め
られる為、必然的に画素ピッチが小さくなる。したがっ
て、1画素の液晶の容量が小さくなる。
【0063】前述したように、液晶とMIM素子との容
量比は10前後を確保する必要があるので、必然的にM
IM素子の寸法(容量)を小さくする必要がある。場合
によっては数μmの寸法が要求され、露光上の限界に近
付くこともある。
量比は10前後を確保する必要があるので、必然的にM
IM素子の寸法(容量)を小さくする必要がある。場合
によっては数μmの寸法が要求され、露光上の限界に近
付くこともある。
【0064】ここで、このような小さい寸法が素子とし
て要求された、コンタクトホールを用いた構造のMIM
素子を考える。
て要求された、コンタクトホールを用いた構造のMIM
素子を考える。
【0065】従来、コンタクトホールを設計する場合に
は、下部電極・コンタクトホールおよび上部電極のパタ
ーンの重ね合わせずれやエッチングによる線幅の細りを
考慮して、コンタクトホールの寸法(すなわち素子の寸
法)よりも下部電極および上部電極の線幅を太くした露
光マスクを作製する。
は、下部電極・コンタクトホールおよび上部電極のパタ
ーンの重ね合わせずれやエッチングによる線幅の細りを
考慮して、コンタクトホールの寸法(すなわち素子の寸
法)よりも下部電極および上部電極の線幅を太くした露
光マスクを作製する。
【0066】前述したように液晶と素子の容量比が重要
であると述べた通り、素子の寸法(容量)が大きくなる
ことは避けねばならない。しかし、従来の構造のMIM
素子の場合、下部電極5a−絶縁体8−上部電極6で構
成される素子の容量とは別に、図20(a)に図示した
斜線部分Eに付加容量が生じてしまう。この付加容量
は、コンタクトホールを設ける場合、不可避的に発生し
0にすることはできない。
であると述べた通り、素子の寸法(容量)が大きくなる
ことは避けねばならない。しかし、従来の構造のMIM
素子の場合、下部電極5a−絶縁体8−上部電極6で構
成される素子の容量とは別に、図20(a)に図示した
斜線部分Eに付加容量が生じてしまう。この付加容量
は、コンタクトホールを設ける場合、不可避的に発生し
0にすることはできない。
【0067】この容量体の構造は、図20(b)や図2
0(c)の素子断面であれば、下部電極5a−絶縁体8
−中間絶縁層24−上部電極6から構成され、図20
(d)の素子断面であれば下部電極5a−中間絶縁層2
4−上部電極6からなる。
0(c)の素子断面であれば、下部電極5a−絶縁体8
−中間絶縁層24−上部電極6から構成され、図20
(d)の素子断面であれば下部電極5a−中間絶縁層2
4−上部電極6からなる。
【0068】この容量体はダイオードとして機能はしな
いが、本来の素子容量CMIMに並列に接続された容量体
(Cadd)であり、結果的に素子の容量を大きくしてし
まう(図18(a)の等価回路において破線で示してい
る)。したがって、液晶と素子との容量比が小さくなり
不具合である。
いが、本来の素子容量CMIMに並列に接続された容量体
(Cadd)であり、結果的に素子の容量を大きくしてし
まう(図18(a)の等価回路において破線で示してい
る)。したがって、液晶と素子との容量比が小さくなり
不具合である。
【0069】具体的に液晶と素子との容量比の低下を計
算してみる。例として、以下の数値を用いる。
算してみる。例として、以下の数値を用いる。
【0070】 素子の構造: :図20(a) 下部電極の仕上がり線幅 :10μm 上部電極の仕上がり線幅 :10μm スルーホール(素子)の仕上がり面積 :4μm×4μm 絶縁体8(Ta2O5)の膜厚(dTa205)および比誘電率(εTa205) :60nm、20 中間絶縁層(Si3N4)の膜厚(dSi3N4)および比誘電率(εSi3N4) :300nm、8 上記の数値を用いると本来のMIM素子の面積
(SMIM)は16μm2、付加の容量体の面積(斜線部
E、Sadd)は10×10−16=84μm2となる。
(SMIM)は16μm2、付加の容量体の面積(斜線部
E、Sadd)は10×10−16=84μm2となる。
【0071】容量Cは、面積Sおよび比誘電率ε膜厚の
逆数1/dに比例するので、CaddとCMIMとの関係は算
出でき、 Cadd=CMIM×(εSi3N4Sadd/dSi3N4)/(εTa205SMIM/dTa205) ≒CMIM×0.42 となる。
逆数1/dに比例するので、CaddとCMIMとの関係は算
出でき、 Cadd=CMIM×(εSi3N4Sadd/dSi3N4)/(εTa205SMIM/dTa205) ≒CMIM×0.42 となる。
【0072】すなわち付加の容量Caddは本来の素子の
容量CMIMの約42%となる。したがって、液晶と素子
との容量比は、当初設定した値CLC/CMIM=10が、
実質的に10/(1+0.42)≒7.04まで小さく
なってしまうことが判る。画素ピッチが小さくCLC/C
MIMの容量比が10に満たないような場合には、益々こ
のような付加容量の存在が問題となる。
容量CMIMの約42%となる。したがって、液晶と素子
との容量比は、当初設定した値CLC/CMIM=10が、
実質的に10/(1+0.42)≒7.04まで小さく
なってしまうことが判る。画素ピッチが小さくCLC/C
MIMの容量比が10に満たないような場合には、益々こ
のような付加容量の存在が問題となる。
【0073】この結果、任意の素子(画素)に選択波形
が印加されても十分にON状態にならず、コントラスト
比が小さくなってしまうので問題である。
が印加されても十分にON状態にならず、コントラスト
比が小さくなってしまうので問題である。
【0074】加えて、コンタクトホールの寸法が小さい
ために、パターンがきれず、接続不良が生じ、素子の形
成そのものが困難になる問題もある。
ために、パターンがきれず、接続不良が生じ、素子の形
成そのものが困難になる問題もある。
【0075】本発明はこのような現状に鑑みてなされた
ものであり、中間絶縁層を用いた構造のMIM素子の形
成において不可避的に発生する素子への付加容量を最小
限にし、かつパターニングしやすい形状としたMIM素
子を実現し、点欠陥を抑制した液晶表示装置を提供する
ことを目的とする。
ものであり、中間絶縁層を用いた構造のMIM素子の形
成において不可避的に発生する素子への付加容量を最小
限にし、かつパターニングしやすい形状としたMIM素
子を実現し、点欠陥を抑制した液晶表示装置を提供する
ことを目的とする。
【0076】
【課題を解決するための手段】本発明の液晶表示装置
は、一対の基板と、該一対の基板の間に挟まれた液晶層
とを備えており、該一対の基板の少なくとも一方の該液
晶層側の表面にはマトリクス状に配置された複数の画素
電極のそれぞれと該複数の信号配線のうちの対応する1
つに接続された2端子非線形素子が形成されている液晶
表示装置であって、該2端子非線形素子は、該対応する
信号配線に接続された下部電極と、該下部電極を覆うよ
うに形成された非線形性を有する絶縁体と、対応する画
素電極に接続された上部電極とを有しており、該絶縁体
は、非線形性を有する第1の絶縁体と、該下部電極のエ
ッチング端を覆うように形成されており、該上部電極を
該第1の絶縁体に電気的に接続するためのスリットを有
している第2の絶縁体とで構成され、それにより該2端
子非線形素子のサイズが該第2の絶縁体の該スリットの
開口幅および該上部電極の線幅によって決定され、その
ことにより上記目的を達成する。
は、一対の基板と、該一対の基板の間に挟まれた液晶層
とを備えており、該一対の基板の少なくとも一方の該液
晶層側の表面にはマトリクス状に配置された複数の画素
電極のそれぞれと該複数の信号配線のうちの対応する1
つに接続された2端子非線形素子が形成されている液晶
表示装置であって、該2端子非線形素子は、該対応する
信号配線に接続された下部電極と、該下部電極を覆うよ
うに形成された非線形性を有する絶縁体と、対応する画
素電極に接続された上部電極とを有しており、該絶縁体
は、非線形性を有する第1の絶縁体と、該下部電極のエ
ッチング端を覆うように形成されており、該上部電極を
該第1の絶縁体に電気的に接続するためのスリットを有
している第2の絶縁体とで構成され、それにより該2端
子非線形素子のサイズが該第2の絶縁体の該スリットの
開口幅および該上部電極の線幅によって決定され、その
ことにより上記目的を達成する。
【0077】前記2端子非線形素子の前記上部電極は、
前記対応する信号配線の一部であり、該対応する信号配
線の直上に該2端子非線形素子が形成されてもよい。
前記対応する信号配線の一部であり、該対応する信号配
線の直上に該2端子非線形素子が形成されてもよい。
【0078】前記下部電極、前記第1の絶縁体および前
記上部電極から形成される容量体の容量CMIMと、該下
部電極、前記第2の絶縁体(あるいは該第2の絶縁体と
該第1の絶縁体との積層体)および上部電極から形成さ
れる容量体Caddとの関係が、Cadd≦CMIM×0.25
であると好ましい。
記上部電極から形成される容量体の容量CMIMと、該下
部電極、前記第2の絶縁体(あるいは該第2の絶縁体と
該第1の絶縁体との積層体)および上部電極から形成さ
れる容量体Caddとの関係が、Cadd≦CMIM×0.25
であると好ましい。
【0079】前記2端子非線形素子の前記第2の絶縁体
は、金属窒化物、金属酸化物および有機絶縁膜のいずれ
か1つでよいが、これらの積層物であってもかまわな
い。
は、金属窒化物、金属酸化物および有機絶縁膜のいずれ
か1つでよいが、これらの積層物であってもかまわな
い。
【0080】本発明の液晶表示装置の製造方法は、
(a) 信号配線に接続された下部電極を形成する工程
と、(b) スリットを有する中間絶縁層を該下部電極
の上面に形成する工程であって、該中間絶縁層は直線状
にエッチングされた該下部電極の両端を覆うように形成
され、該スリットを該下部電極の上面に、かつ直線状に
形成された下部電極に平行な方向に設ける工程と、
(c) 非線形性を有する絶縁体を少なくとも下部電極
の表面を陽極酸化することにより形成する工程と、
(d) 上部電極を該中間絶縁層の該スリットと交差す
る向きに直線状に形成する工程とを包含しており、その
ことにより上記目的を達成する。
(a) 信号配線に接続された下部電極を形成する工程
と、(b) スリットを有する中間絶縁層を該下部電極
の上面に形成する工程であって、該中間絶縁層は直線状
にエッチングされた該下部電極の両端を覆うように形成
され、該スリットを該下部電極の上面に、かつ直線状に
形成された下部電極に平行な方向に設ける工程と、
(c) 非線形性を有する絶縁体を少なくとも下部電極
の表面を陽極酸化することにより形成する工程と、
(d) 上部電極を該中間絶縁層の該スリットと交差す
る向きに直線状に形成する工程とを包含しており、その
ことにより上記目的を達成する。
【0081】前記液晶表示装置の製造方法において、前
記中間絶縁層を窒化ケイ素から形成し、前記下部電極の
表面を陽極酸化する際の化成電圧を20V以上35V以
下とすると好ましい。
記中間絶縁層を窒化ケイ素から形成し、前記下部電極の
表面を陽極酸化する際の化成電圧を20V以上35V以
下とすると好ましい。
【0082】また、本発明の液晶表示装置の製造方法
は、(a) 信号配線に接続された下部電極を形成する
工程と、(b) 少なくとも該下部電極の表面上に、陽
極酸化法により非線形性を有する絶縁体を形成する工程
と、(c) スリットを有する中間絶縁層を該下部電極
の上面に形成する工程であって、該中間絶縁層は、上記
絶縁体の非線形性に影響を与えないような温度で形成さ
れ、直線状にエッチングされた該下部電極の両端を覆う
ように配置され、該スリットを該下部電極の上面にかつ
直線状に形成された下部電極に平行な方向に設ける工程
と、(d) 上部電極を、該中間絶縁層の該スリットを
交差する向きに直線状に形成する工程とを包含してもよ
い。
は、(a) 信号配線に接続された下部電極を形成する
工程と、(b) 少なくとも該下部電極の表面上に、陽
極酸化法により非線形性を有する絶縁体を形成する工程
と、(c) スリットを有する中間絶縁層を該下部電極
の上面に形成する工程であって、該中間絶縁層は、上記
絶縁体の非線形性に影響を与えないような温度で形成さ
れ、直線状にエッチングされた該下部電極の両端を覆う
ように配置され、該スリットを該下部電極の上面にかつ
直線状に形成された下部電極に平行な方向に設ける工程
と、(d) 上部電極を、該中間絶縁層の該スリットを
交差する向きに直線状に形成する工程とを包含してもよ
い。
【0083】また、前記工程(c)における中間絶縁層
の成膜温度は、約250℃以下で行うと好ましい。
の成膜温度は、約250℃以下で行うと好ましい。
【0084】以下作用について説明する。
【0085】本発明の液晶表示装置では、下部電極のエ
ッチング端を素子として使用しない素子構造において、
必然的に生じ、かつ液晶とMIM素子との容量比を減少
させてしまう付加容量を最小限に抑えた構造のMIM素
子を得られるので、素子サイズが小さくても適正な容量
比を確保しやすく、接続不良の少ないMIM素子を得る
ことができる。
ッチング端を素子として使用しない素子構造において、
必然的に生じ、かつ液晶とMIM素子との容量比を減少
させてしまう付加容量を最小限に抑えた構造のMIM素
子を得られるので、素子サイズが小さくても適正な容量
比を確保しやすく、接続不良の少ないMIM素子を得る
ことができる。
【0086】したがって、大容量表示で画素ピッチの小
さい液晶表示装置であっても、点欠陥対策としての素子
構造をとることが可能となり、点欠陥を抑えた液晶表示
装置を提供することができる。
さい液晶表示装置であっても、点欠陥対策としての素子
構造をとることが可能となり、点欠陥を抑えた液晶表示
装置を提供することができる。
【0087】
【発明の実施の形態】以下、本発明の液晶表示装置を図
面を参照しながら説明する。
面を参照しながら説明する。
【0088】(実施例1)図1は、本発明の液晶表示装
置の実施例1における素子側基板2の平面図であり、1
画素周辺に相当する。本実施例の液晶表示装置は、図1
に示すような構成の素子側基板2と、図12に示すよう
な構成の対向側基板とを有しており、両基板を貼り合わ
せた状態での平面図は、図10と同一であるので説明を
省略する。
置の実施例1における素子側基板2の平面図であり、1
画素周辺に相当する。本実施例の液晶表示装置は、図1
に示すような構成の素子側基板2と、図12に示すよう
な構成の対向側基板とを有しており、両基板を貼り合わ
せた状態での平面図は、図10と同一であるので説明を
省略する。
【0089】図2は、図1のMIM素子4近傍部の平面
図である。なお、見やすくするために画素電極7は省略
している。図3(a)、(b)は、それぞれ、図1のE
−E’線およびF−F’線に沿った断面図である。
図である。なお、見やすくするために画素電極7は省略
している。図3(a)、(b)は、それぞれ、図1のE
−E’線およびF−F’線に沿った断面図である。
【0090】本実施例の素子側基板2の表面には、マト
リクス状に配置された画素電極7、各画素電極7に対し
て設けられたMIM素子4、および互いに平行に配置さ
れた複数の信号配線5が形成されている。各信号配線5
は、対応する1列の画素電極7にMIM素子4を介して
電気的に接続されている。MIM素子4は、下部電極5
a、非線形性を有する第1の絶縁体8および上部電極6
からなる2端子素子である。下部電極5aのエッチング
端の上方には第2の絶縁体24が設けられており、この
MIM素子4は下部電極5aのエッチング端を素子とし
て使用していない。ここで、図1に示す下部電極5aの
3つの端部のうちで信号配線5に対向する端部を単に先
端と呼び、残りの2つの端部、つまり信号配線5に平行
な方向における両端部をエッチング端と呼ぶことにす
る。
リクス状に配置された画素電極7、各画素電極7に対し
て設けられたMIM素子4、および互いに平行に配置さ
れた複数の信号配線5が形成されている。各信号配線5
は、対応する1列の画素電極7にMIM素子4を介して
電気的に接続されている。MIM素子4は、下部電極5
a、非線形性を有する第1の絶縁体8および上部電極6
からなる2端子素子である。下部電極5aのエッチング
端の上方には第2の絶縁体24が設けられており、この
MIM素子4は下部電極5aのエッチング端を素子とし
て使用していない。ここで、図1に示す下部電極5aの
3つの端部のうちで信号配線5に対向する端部を単に先
端と呼び、残りの2つの端部、つまり信号配線5に平行
な方向における両端部をエッチング端と呼ぶことにす
る。
【0091】第2の絶縁体24は、下部電極5aが信号
配線5から張り出している方向(図1におけるF−F’
線に沿った方向)に平行になるように、かつ下部電極5
aのエッチング端の上方にストライプ状に形成され、そ
れにより図2に示すように下部電極5aのエッチング端
に挟まれる領域の上方にスリット25を形成している。
配線5から張り出している方向(図1におけるF−F’
線に沿った方向)に平行になるように、かつ下部電極5
aのエッチング端の上方にストライプ状に形成され、そ
れにより図2に示すように下部電極5aのエッチング端
に挟まれる領域の上方にスリット25を形成している。
【0092】上部電極6は、ストライプ状に形成した第
2の絶縁体24に直交する向き(図1におけるE−E’
線に沿った方向)に直線状に形成される。
2の絶縁体24に直交する向き(図1におけるE−E’
線に沿った方向)に直線状に形成される。
【0093】したがって、本実施例では、MIM素子4
として機能するのは図1中の斜線で示した部分であり、
この部分の面積は、第2の絶縁体24であるストライプ
間の距離(つまり、スリット25の幅)と上部電極6の
線幅とで決定されることになる。
として機能するのは図1中の斜線で示した部分であり、
この部分の面積は、第2の絶縁体24であるストライプ
間の距離(つまり、スリット25の幅)と上部電極6の
線幅とで決定されることになる。
【0094】以下、本実施例における素子側基板2の製
造工程を図4に従って説明する。図4は、図1のE−
E’線に沿った断面図を示している。
造工程を図4に従って説明する。図4は、図1のE−
E’線に沿った断面図を示している。
【0095】まず、ガラス基板2の表面2aに、信号配
線5および下部電極5aとなる金属薄膜、例えばTa薄
膜を形成し、所定の形状にパターニングずる(図4
(a))。本実施例では、ガラス基板2としてコーニン
グ社製#7059のフュージョンパイレックスガラスを
用いた。また、図示してはいないが、Ta薄膜を形成す
る前にガラス基板2の表面2a上に、五酸化タンタルな
どの絶縁性を有するベースコート膜を形成しても良い。
ベースコート膜は省略することもできるが、ガラス基板
からの不純物による汚染を防止でき、良好な素子特性を
得ることができる。
線5および下部電極5aとなる金属薄膜、例えばTa薄
膜を形成し、所定の形状にパターニングずる(図4
(a))。本実施例では、ガラス基板2としてコーニン
グ社製#7059のフュージョンパイレックスガラスを
用いた。また、図示してはいないが、Ta薄膜を形成す
る前にガラス基板2の表面2a上に、五酸化タンタルな
どの絶縁性を有するベースコート膜を形成しても良い。
ベースコート膜は省略することもできるが、ガラス基板
からの不純物による汚染を防止でき、良好な素子特性を
得ることができる。
【0096】Ta薄膜は、窒素を約2〜10mol%含
有するTaの焼結体ターゲットを使用したDCスパッタ
リング法により、300nmの厚さを有するように堆積
し、これをCF4とO2を用いたドライエッチング法を用
いて所定の形状にパターニングした。
有するTaの焼結体ターゲットを使用したDCスパッタ
リング法により、300nmの厚さを有するように堆積
し、これをCF4とO2を用いたドライエッチング法を用
いて所定の形状にパターニングした。
【0097】なお、本発明によれば、上述したようにM
IM素子4の容量CMIMは下部電極5aの線幅に左右さ
れず、第2絶縁体24のスリット25の幅と、上部電極
6の線幅とによって決定される。したがって、本実施例
のようにエッチング精度の高いドライエッチング法を用
いる必要は必ずしもない。弗硝酸などを用いたウエット
エッチング法によってTa薄膜のパターニングを行って
もよい。この場合には、処理速度が向上するのでスルー
プットを考える上で好ましい。
IM素子4の容量CMIMは下部電極5aの線幅に左右さ
れず、第2絶縁体24のスリット25の幅と、上部電極
6の線幅とによって決定される。したがって、本実施例
のようにエッチング精度の高いドライエッチング法を用
いる必要は必ずしもない。弗硝酸などを用いたウエット
エッチング法によってTa薄膜のパターニングを行って
もよい。この場合には、処理速度が向上するのでスルー
プットを考える上で好ましい。
【0098】次に、基板2の表面2aに、中間絶縁層と
なる第2の絶縁体24を成膜し、下部電極5aのエッチ
ング端周辺部の上方に中間絶縁層24が残るように、下
部電極5aの張り出し方向に平行にストライプ状にパタ
ーニングし、スリット25を設ける(図4(b))。本
実施例では、第2の絶縁体24として、P−CVD法で
窒化ケイ素膜を350℃で厚み300nmで形成し、緩
衝弗酸を用いたウエットエッチング法により所定の形状
にパターニングした。絶縁体24のパターニングは、ウ
エットエッチング法でなくドライエッチング法を用いて
も良い。
なる第2の絶縁体24を成膜し、下部電極5aのエッチ
ング端周辺部の上方に中間絶縁層24が残るように、下
部電極5aの張り出し方向に平行にストライプ状にパタ
ーニングし、スリット25を設ける(図4(b))。本
実施例では、第2の絶縁体24として、P−CVD法で
窒化ケイ素膜を350℃で厚み300nmで形成し、緩
衝弗酸を用いたウエットエッチング法により所定の形状
にパターニングした。絶縁体24のパターニングは、ウ
エットエッチング法でなくドライエッチング法を用いて
も良い。
【0099】次に、第1の絶縁体8を、陽極酸化法を用
いて、第2の絶縁体24に覆われていない下部電極5a
上に形成した(図4(c))。本実施例では、陽極酸化
に用いる電解液として1%酒石酸アンモニウム溶液を用
い、温度を25℃、化成電流を陽極酸化される部分の面
積に対し0.18mA/cm2として陽極酸化を行った。
いて、第2の絶縁体24に覆われていない下部電極5a
上に形成した(図4(c))。本実施例では、陽極酸化
に用いる電解液として1%酒石酸アンモニウム溶液を用
い、温度を25℃、化成電流を陽極酸化される部分の面
積に対し0.18mA/cm2として陽極酸化を行った。
【0100】ここで、MIM素子の絶縁膜として用いる
陽極酸化膜を形成する際の化成電圧とMIM素子の欠陥
について説明する。
陽極酸化膜を形成する際の化成電圧とMIM素子の欠陥
について説明する。
【0101】MIM素子として使われる陽極酸化膜の膜
厚は、一般的には40〜70nmである。この厚さは、
上述した陽極酸化条件下では、約20〜37Vの化成電
圧を印加しながら陽極酸化を行うことにより得られる陽
極酸化膜の厚さである。本実施例では、化成電圧を31
Vとして陽極酸化を行い、厚み約60nmの陽極酸化膜
を得た。
厚は、一般的には40〜70nmである。この厚さは、
上述した陽極酸化条件下では、約20〜37Vの化成電
圧を印加しながら陽極酸化を行うことにより得られる陽
極酸化膜の厚さである。本実施例では、化成電圧を31
Vとして陽極酸化を行い、厚み約60nmの陽極酸化膜
を得た。
【0102】ここで、陽極酸化膜(絶縁体8)の厚みは
化成電圧に比例する。一般には、絶縁体8の膜厚が厚い
ほうが電気的耐圧は高くなるので、静電気による絶縁破
壊を受けにくくなり、MIM素子の欠陥の発生を抑制す
ることができるという点で好ましい。しかし、一般的に
素子の電圧−電流特性のしきい値付近の急峻性は、絶縁
体8の膜厚の値に逆比例するため、絶縁体8の膜厚を厚
くすると急峻性が悪化するので、好ましくない。
化成電圧に比例する。一般には、絶縁体8の膜厚が厚い
ほうが電気的耐圧は高くなるので、静電気による絶縁破
壊を受けにくくなり、MIM素子の欠陥の発生を抑制す
ることができるという点で好ましい。しかし、一般的に
素子の電圧−電流特性のしきい値付近の急峻性は、絶縁
体8の膜厚の値に逆比例するため、絶縁体8の膜厚を厚
くすると急峻性が悪化するので、好ましくない。
【0103】しかしながら、本願発明者は、本実施例に
おけるMIM素子の構造では、陽極酸化により絶縁体を
形成する際の化成電圧が低くても、MIM素子の欠陥の
発生を抑制できることを見いだした。
おけるMIM素子の構造では、陽極酸化により絶縁体を
形成する際の化成電圧が低くても、MIM素子の欠陥の
発生を抑制できることを見いだした。
【0104】表1に、本願発明者の実験により得られた
化成電圧を変えた場合の点欠陥発生数の分布を示す。こ
こで使用した液晶表示装置は、図16〜図18に図示し
た画素(素子)数が480×CR×320のカラー表示
を行う液晶セルであり、1パネル毎にショート欠陥の発
生数をカウントした。また比較のために、図11に示す
ような従来のMIM素子の構造を採用し、絶縁体を形成
するための陽極酸化を35Vで実施したパネルについて
の欠陥の発生数も、併せて記載する。
化成電圧を変えた場合の点欠陥発生数の分布を示す。こ
こで使用した液晶表示装置は、図16〜図18に図示し
た画素(素子)数が480×CR×320のカラー表示
を行う液晶セルであり、1パネル毎にショート欠陥の発
生数をカウントした。また比較のために、図11に示す
ような従来のMIM素子の構造を採用し、絶縁体を形成
するための陽極酸化を35Vで実施したパネルについて
の欠陥の発生数も、併せて記載する。
【0105】
【表1】
【0106】表1に示すように、従来のMIM素子の構
造を採用した場合、1パネルあたりの点欠陥の数が5個
以下のパネルの存在割合は約54%であった。これに対
して、本実施例のMIM素子の構造では、パネルあたり
の点欠陥数が5個以下であるパネルの存在割合を90%
前後にまで高めることができ、良好な結果を得た。
造を採用した場合、1パネルあたりの点欠陥の数が5個
以下のパネルの存在割合は約54%であった。これに対
して、本実施例のMIM素子の構造では、パネルあたり
の点欠陥数が5個以下であるパネルの存在割合を90%
前後にまで高めることができ、良好な結果を得た。
【0107】特に表1から、本実施例のMIM素子の構
造では化成電圧が低いほど欠陥の発生数が少なく、化成
電圧は35V以下、好ましくは31Vとして陽極酸化を
実施することが好ましいことがわかる。
造では化成電圧が低いほど欠陥の発生数が少なく、化成
電圧は35V以下、好ましくは31Vとして陽極酸化を
実施することが好ましいことがわかる。
【0108】また、35V以下の化成電圧をかけて陽極
酸化を行うことにより得られる絶縁体8は上述した陽極
酸化条件下では約65nm以下となり、この程度の厚さ
であればMIM素子の電圧−電流特性のしきい値付近の
急峻性を悪化させることがない。このため、本実施例の
MIM素子では、素子特性を悪化させることなく、素子
の絶縁破壊に対処することができる。
酸化を行うことにより得られる絶縁体8は上述した陽極
酸化条件下では約65nm以下となり、この程度の厚さ
であればMIM素子の電圧−電流特性のしきい値付近の
急峻性を悪化させることがない。このため、本実施例の
MIM素子では、素子特性を悪化させることなく、素子
の絶縁破壊に対処することができる。
【0109】このようにして下部電極5aの表面を陽極
酸化することにより絶縁体8を形成後、基板2の表面2
a上に、例えばTiからなる薄膜を形成し、これをパタ
ーニングして上部電極6を得る(図4(d))。こうし
て、下部電極5a、第1の絶縁体8および上部電極6か
らなる2端子非線形素子としてのMIM素子4が得られ
る。
酸化することにより絶縁体8を形成後、基板2の表面2
a上に、例えばTiからなる薄膜を形成し、これをパタ
ーニングして上部電極6を得る(図4(d))。こうし
て、下部電極5a、第1の絶縁体8および上部電極6か
らなる2端子非線形素子としてのMIM素子4が得られ
る。
【0110】このMIM素子4では、上述したようにコ
ンタクトスリット25を介して第1の絶縁体8に下部電
極5aと上部電極6とを接続させている。このため、従
来のMIM素子の構造で問題となっていた不可避的に発
生する付加の容量Caddを形成する部分の面積を、図2
にGで示すように幾何学的に最小とすることができる。
ンタクトスリット25を介して第1の絶縁体8に下部電
極5aと上部電極6とを接続させている。このため、従
来のMIM素子の構造で問題となっていた不可避的に発
生する付加の容量Caddを形成する部分の面積を、図2
にGで示すように幾何学的に最小とすることができる。
【0111】本実施例のMIM素子に関して、具体的に
素子容量および付加容量を計算する。従来のコンタクト
ホールを有する構造のMIM素子と比較するために、素
子容量(面積SMIMは4μm×4μm)は同一として、
既述した定数を用い以下の数値とする。
素子容量および付加容量を計算する。従来のコンタクト
ホールを有する構造のMIM素子と比較するために、素
子容量(面積SMIMは4μm×4μm)は同一として、
既述した定数を用い以下の数値とする。
【0112】 素子の構造 :図3(a) 下部電極の仕上がり線幅 :10μm 上部電極の仕上がり線幅 :4μm スリットの仕上がり幅 :4μm 絶縁体8(Ta2O5)の膜厚(dTa205)および比誘電率(εTa205) :60nm、20 中間絶縁層(Si3N4)の膜厚(dSi3N4)および比誘電率(εSi3N4) :300nm、8 上記の数値を用いると本来のMIM素子の面積
(SMIM)は16μm2、付加の容量体の面積(斜線部
G、Sadd)は、4×3+4×3=24μm2となるの
で、 Cadd =CMIM×(εSi3N4・Sadd/dSi3N4)/(εTa205・SMIM/dTa205) ≒ CMIM×0.120 となる。
(SMIM)は16μm2、付加の容量体の面積(斜線部
G、Sadd)は、4×3+4×3=24μm2となるの
で、 Cadd =CMIM×(εSi3N4・Sadd/dSi3N4)/(εTa205・SMIM/dTa205) ≒ CMIM×0.120 となる。
【0113】すなわち付加の容量は本来の素子の容量C
MIMの約12%となる。したがって、液晶と素子の容量
比は、当初設定した値CLC/CMIM=10が、10/
(1+0.12)≒8.9となり、液晶表示装置のコン
トラスト比の低下を最小限に抑えることができる。
MIMの約12%となる。したがって、液晶と素子の容量
比は、当初設定した値CLC/CMIM=10が、10/
(1+0.12)≒8.9となり、液晶表示装置のコン
トラスト比の低下を最小限に抑えることができる。
【0114】前述したように、液晶と素子との容量比は
8まで許容することができるので、CaddはCMIMの25
%まで許容できる(10/(1+0.25)=8)。
8まで許容することができるので、CaddはCMIMの25
%まで許容できる(10/(1+0.25)=8)。
【0115】したがってこの場合には、Cadd≦CMIM×
0.25である限り、下部電極と中間絶縁層の重ね合わ
せマージンを大きくしたり、上部電極の線幅を太くする
ことが可能であるため、MIM素子をより作り易くする
ことができる。
0.25である限り、下部電極と中間絶縁層の重ね合わ
せマージンを大きくしたり、上部電極の線幅を太くする
ことが可能であるため、MIM素子をより作り易くする
ことができる。
【0116】加えて、第2の絶縁体24の形状をストラ
イプ状にし、上部電極との接続部分をスリットとしてい
るので、パターニングが行い易く接続不良が無い構造と
することができる。また、本実施例では第2の絶縁体2
4の形状を2本のストライプで形成したが、図5(a)
から(c)に図示した形状でコンタクトスリットを設け
ても良い。例えば、第2の絶縁体24として窒化ケイ素
を用いた場合には、フォトリソ工程で使用するレジスト
材との密着性が弱く、パターニングの際にレジストがず
れたり剥がれたりするので、MIM素子のサイズがばら
つき易い。そこで、パターンずれが起きないようにする
為に、図5(a)あるいは(b)のように、ストライプ
の一方を結んで互いに補強する形にしても良い。
イプ状にし、上部電極との接続部分をスリットとしてい
るので、パターニングが行い易く接続不良が無い構造と
することができる。また、本実施例では第2の絶縁体2
4の形状を2本のストライプで形成したが、図5(a)
から(c)に図示した形状でコンタクトスリットを設け
ても良い。例えば、第2の絶縁体24として窒化ケイ素
を用いた場合には、フォトリソ工程で使用するレジスト
材との密着性が弱く、パターニングの際にレジストがず
れたり剥がれたりするので、MIM素子のサイズがばら
つき易い。そこで、パターンずれが起きないようにする
為に、図5(a)あるいは(b)のように、ストライプ
の一方を結んで互いに補強する形にしても良い。
【0117】また上部電極6は、絶縁体24のエッチン
グ端の部分の段差で断線する恐れがあるので、少なくと
も上部電極6のパターンより広い面積に絶縁体24を形
成しても良い。例えば、図5(c)に示すように、画素
全体に絶縁体24を形成しスリットのみを下部電極上に
設けても構わない。
グ端の部分の段差で断線する恐れがあるので、少なくと
も上部電極6のパターンより広い面積に絶縁体24を形
成しても良い。例えば、図5(c)に示すように、画素
全体に絶縁体24を形成しスリットのみを下部電極上に
設けても構わない。
【0118】また、コンタクトスリットとしたことによ
り以下の効果も得られる。これを図21および図22を
用いて説明する。
り以下の効果も得られる。これを図21および図22を
用いて説明する。
【0119】通常、TFT(Thin Film Transistor)や
MIM素子などのアクティブ素子を用いた液晶表示装置
では、素子を作り込むために露光精度を確保できるステ
ッパー露光装置を用いることが多い。
MIM素子などのアクティブ素子を用いた液晶表示装置
では、素子を作り込むために露光精度を確保できるステ
ッパー露光装置を用いることが多い。
【0120】ステッパー露光の概略を図21に示す。干
渉フィルターを通して超高圧水銀灯から集光されたg線
およびh線は、必要な露光範囲に光が照射されるように
レチクルブラインド26を通り、光学ミラー27でコン
デンサレンズ28に導光され、必要なパターンが描画さ
れているレチクル29と投影レンズ30とを通して、レ
ジストが塗布されているガラス基板31に達する。
渉フィルターを通して超高圧水銀灯から集光されたg線
およびh線は、必要な露光範囲に光が照射されるように
レチクルブラインド26を通り、光学ミラー27でコン
デンサレンズ28に導光され、必要なパターンが描画さ
れているレチクル29と投影レンズ30とを通して、レ
ジストが塗布されているガラス基板31に達する。
【0121】同一基板に複数のパターンを露光する場合
には、基板31を逐次移動させて繰り返して露光する。
には、基板31を逐次移動させて繰り返して露光する。
【0122】さて、露光する際は、出射した光線は、複
数の光学ミラーやレンズを用いた光学系を通して基板に
達するので、調整不良や異常がある場合には基板31に
投影されたパターン像がひずんでしまうことがある。例
えばポジのレジストとマスクとを用いた場合には、図2
2(a)に図示するように画素領域の中央Kと周囲Lに
位置する素子の寸法が異なり、中央の素子の線幅が太く
仕上がり、周囲の素子の線幅が細く仕上がることがあ
る。従来のMIM素子の構造の場合では、下部電極5a
の線幅の細りと上部電極6の細りが相乗して素子の面積
を小さくさせ、結果として点灯ムラとなるので特に問題
になりやすい。
数の光学ミラーやレンズを用いた光学系を通して基板に
達するので、調整不良や異常がある場合には基板31に
投影されたパターン像がひずんでしまうことがある。例
えばポジのレジストとマスクとを用いた場合には、図2
2(a)に図示するように画素領域の中央Kと周囲Lに
位置する素子の寸法が異なり、中央の素子の線幅が太く
仕上がり、周囲の素子の線幅が細く仕上がることがあ
る。従来のMIM素子の構造の場合では、下部電極5a
の線幅の細りと上部電極6の細りが相乗して素子の面積
を小さくさせ、結果として点灯ムラとなるので特に問題
になりやすい。
【0123】また、同様な現象はコンタクトホール型の
構造の素子でも発生する恐れがある(図22(b))。
この場合、周囲のコンタクトホールの面積(素子の面
積)が大きくなるので、やはり点灯ムラが発生する。
構造の素子でも発生する恐れがある(図22(b))。
この場合、周囲のコンタクトホールの面積(素子の面
積)が大きくなるので、やはり点灯ムラが発生する。
【0124】ところが、このような素子の仕上がりのば
らつきは非常に小さく工程途中の検査によって発見する
のは困難で、点灯検査によってはじめて判明することも
ある。
らつきは非常に小さく工程途中の検査によって発見する
のは困難で、点灯検査によってはじめて判明することも
ある。
【0125】しかしながら、本実施例のMIM素子のよ
うに、スリットを介して上部電極6と非線形性を有する
絶縁体8とを接続し、絶縁体8と下部電極5aとを接続
する構成では、上述したような素子面積のばらつきを緩
和する効果がある。すなわち、露光を行う際、素子面積
を決定する第2の絶縁体24のスリット25の幅の仕上
がり特性と、上部電極6の線幅の仕上がり特性とは逆で
ある。したがって、スリット25の幅が設計値よりも大
きくなれば、上部電極6の線幅は設計値よりも小さくな
る。幅が広くなったスリット25を介して線幅が細くな
った上部電極6が第1の絶縁体8と接続されるので、画
素領域の最終的に形成されるMIM素子の中央と周囲と
で素子面積の差が緩和されるからである。したがって、
露光時の投影異常を原因とする素子面積のばらつきを抑
制することができる。
うに、スリットを介して上部電極6と非線形性を有する
絶縁体8とを接続し、絶縁体8と下部電極5aとを接続
する構成では、上述したような素子面積のばらつきを緩
和する効果がある。すなわち、露光を行う際、素子面積
を決定する第2の絶縁体24のスリット25の幅の仕上
がり特性と、上部電極6の線幅の仕上がり特性とは逆で
ある。したがって、スリット25の幅が設計値よりも大
きくなれば、上部電極6の線幅は設計値よりも小さくな
る。幅が広くなったスリット25を介して線幅が細くな
った上部電極6が第1の絶縁体8と接続されるので、画
素領域の最終的に形成されるMIM素子の中央と周囲と
で素子面積の差が緩和されるからである。したがって、
露光時の投影異常を原因とする素子面積のばらつきを抑
制することができる。
【0126】こうして下部電極5a、絶縁体24、絶縁
体8および上部電極6を形成した後に画素電極7として
例えばIT0を所定の形状にパターニングし1画素を形
成する。
体8および上部電極6を形成した後に画素電極7として
例えばIT0を所定の形状にパターニングし1画素を形
成する。
【0127】この後、配向膜(図示せず)を形成し、そ
れにラビング処理を行った素子側基板に、対向側電極お
よび配向膜を形成し、配向膜にラビング処理を行った対
向側基板を貼り合わせ、さらに両基板間に液晶材料を封
入することにより液晶層を形成する。以上で液晶セルが
完成する。この液晶セルの両面に偏光板を貼り付けるこ
とによって液晶表示装置が得られる。
れにラビング処理を行った素子側基板に、対向側電極お
よび配向膜を形成し、配向膜にラビング処理を行った対
向側基板を貼り合わせ、さらに両基板間に液晶材料を封
入することにより液晶層を形成する。以上で液晶セルが
完成する。この液晶セルの両面に偏光板を貼り付けるこ
とによって液晶表示装置が得られる。
【0128】(実施例2)実施例1では、第2の絶縁体
24をパターニングしてスリット25を形成した後に、
スリット25に対応する位置の下部電極5aの表面を陽
極酸化を実施して第1の絶縁体8を形成したが、第2の
絶縁体24および第1の絶縁体8を形成する順序を逆に
しても、スリットを用いた構造のMIM素子を作製する
ことができる。
24をパターニングしてスリット25を形成した後に、
スリット25に対応する位置の下部電極5aの表面を陽
極酸化を実施して第1の絶縁体8を形成したが、第2の
絶縁体24および第1の絶縁体8を形成する順序を逆に
しても、スリットを用いた構造のMIM素子を作製する
ことができる。
【0129】図6(a)、(b)は、それぞれ、第1の
絶縁体8をまず形成してから第2の絶縁体24を形成し
た場合の素子側基板のE−E’線およびF−F’線に沿
った断面図である。本実施例では、実施例1とは異な
り、下部電極5aのエッチング端が、第2の絶縁体24
だけでなく、第1の絶縁体8および第2の絶縁体24の
2層の絶縁体で覆われている。
絶縁体8をまず形成してから第2の絶縁体24を形成し
た場合の素子側基板のE−E’線およびF−F’線に沿
った断面図である。本実施例では、実施例1とは異な
り、下部電極5aのエッチング端が、第2の絶縁体24
だけでなく、第1の絶縁体8および第2の絶縁体24の
2層の絶縁体で覆われている。
【0130】図6の素子側基板の製造工程を、図7を参
照しながら説明する。
照しながら説明する。
【0131】まず、ガラス基板2の表面2aに、信号配
線5および下部電極5aとなる金属薄膜、例えばTaを
成膜し、所定の形状にパターニングする(図7
(a))。本実施例では、ガラス基板2として、実施例
1と同様に、コーニング社製#7059のフュージョン
パイレックスガラスを用いた。
線5および下部電極5aとなる金属薄膜、例えばTaを
成膜し、所定の形状にパターニングする(図7
(a))。本実施例では、ガラス基板2として、実施例
1と同様に、コーニング社製#7059のフュージョン
パイレックスガラスを用いた。
【0132】また、図示してはいないが、Taを成膜す
る前にガラス基板表面に五酸化タンタルなどの絶縁性を
有するベースコート膜を形成しても良い。
る前にガラス基板表面に五酸化タンタルなどの絶縁性を
有するベースコート膜を形成しても良い。
【0133】Ta薄膜は、窒素を約2〜10mol%含
有するTaの焼結体ターゲットを使用したDCスパッタ
リング法により厚み300nmで形成し、CF4とO2を
用いたドライエッチング法を用いて所定の形状にパター
ニングした。
有するTaの焼結体ターゲットを使用したDCスパッタ
リング法により厚み300nmで形成し、CF4とO2を
用いたドライエッチング法を用いて所定の形状にパター
ニングした。
【0134】なお、MIM素子の容量CMIMは下部電極
5aの線幅に左右されないので、エッチングは精度が高
いドライエッチング法を用いる必要は必ずしもない。弗
硝酸などを用いたウエットエッチング法を用いてもよ
い。ウェットエッチング法は処理速度を向上させること
ができるので、スループットを考える上で好ましい。
5aの線幅に左右されないので、エッチングは精度が高
いドライエッチング法を用いる必要は必ずしもない。弗
硝酸などを用いたウエットエッチング法を用いてもよ
い。ウェットエッチング法は処理速度を向上させること
ができるので、スループットを考える上で好ましい。
【0135】次に、第1の絶縁体8を、下部電極5aの
表面を陽極酸化することにより形成した(図7
(b))。本実施例では、陽極酸化に用いる電解液とし
て1%酒石酸アンモニウム溶液を用い、温度を25℃、
化成電流を陽極酸化される面積に対し0.18mA/c
m2とし、化成電圧を31Vとして陽極酸化を行い、厚
み約60nmの陽極酸化膜を得た。
表面を陽極酸化することにより形成した(図7
(b))。本実施例では、陽極酸化に用いる電解液とし
て1%酒石酸アンモニウム溶液を用い、温度を25℃、
化成電流を陽極酸化される面積に対し0.18mA/c
m2とし、化成電圧を31Vとして陽極酸化を行い、厚
み約60nmの陽極酸化膜を得た。
【0136】次に、中間絶縁層となる第2の絶縁体24
を成膜し、下部電極5aのエッチング端周辺部の絶縁体
8上に、下部電極5aの張り出し方向に平行にストライ
プ状にパターニングし、スリット状のコンタクト部分2
5を設ける(図7(c))。第2の絶縁体24の成膜
は、第1の絶縁体8がMIM素子の絶縁膜として機能す
ることができる程度の温度下で行われる。本願発明者の
実験では、本実施例のような構造のMIM素子では、第
1の絶縁体8であるTa2O5薄膜が250℃以上の温度
にさらされると、MIM素子の特性、特に非線形性が、
実用上使いものにならなくなる程度まで落ちてしまうこ
とがわかっている。このため、下部電極5aのエッチン
グ端を保護するための第2の絶縁体24の形成に先立っ
て第1の絶縁体8を形成する場合には、第2の絶縁体2
4の成膜温度は第1の絶縁体8の機能を損なわない程度
の温度(本実施例のように第1の絶縁体8がTa2O5か
ら形成されるときには約250℃以下)にしなければな
らない。なお、第2の絶縁体24の成膜は、温度さえ上
述したように設定されていさえすれば、どのような方法
を用いてもよい。
を成膜し、下部電極5aのエッチング端周辺部の絶縁体
8上に、下部電極5aの張り出し方向に平行にストライ
プ状にパターニングし、スリット状のコンタクト部分2
5を設ける(図7(c))。第2の絶縁体24の成膜
は、第1の絶縁体8がMIM素子の絶縁膜として機能す
ることができる程度の温度下で行われる。本願発明者の
実験では、本実施例のような構造のMIM素子では、第
1の絶縁体8であるTa2O5薄膜が250℃以上の温度
にさらされると、MIM素子の特性、特に非線形性が、
実用上使いものにならなくなる程度まで落ちてしまうこ
とがわかっている。このため、下部電極5aのエッチン
グ端を保護するための第2の絶縁体24の形成に先立っ
て第1の絶縁体8を形成する場合には、第2の絶縁体2
4の成膜温度は第1の絶縁体8の機能を損なわない程度
の温度(本実施例のように第1の絶縁体8がTa2O5か
ら形成されるときには約250℃以下)にしなければな
らない。なお、第2の絶縁体24の成膜は、温度さえ上
述したように設定されていさえすれば、どのような方法
を用いてもよい。
【0137】本実施例では、第2の絶縁体24としてス
パッタリング法で二酸化ケイ素からなる膜を200℃で
形成し、緩衝弗酸を用いたウエットエッチング法により
所定形状にパターニングした。絶縁体24のパターニン
グは、ウエットエッチング法に代えてドライエッチング
法を用いても良い。
パッタリング法で二酸化ケイ素からなる膜を200℃で
形成し、緩衝弗酸を用いたウエットエッチング法により
所定形状にパターニングした。絶縁体24のパターニン
グは、ウエットエッチング法に代えてドライエッチング
法を用いても良い。
【0138】また、下部電極5aのエッチング端は、絶
縁体8と絶縁体24とで2重に保護されるので、絶縁体
24をピンホールの生じやすいスパッタリング法を用い
て成膜することができる。
縁体8と絶縁体24とで2重に保護されるので、絶縁体
24をピンホールの生じやすいスパッタリング法を用い
て成膜することができる。
【0139】こうしてパターニングして絶縁体24を形
成した後に、例えばTi薄膜を基板2の表面2a上に形
成し、これをパターニングして上部電極6を得る(図7
(d))。このようにして、下部電極5a、第1の絶縁
体8および上部電極6からなる2端子非線形素子として
のMIM素子が得られる。
成した後に、例えばTi薄膜を基板2の表面2a上に形
成し、これをパターニングして上部電極6を得る(図7
(d))。このようにして、下部電極5a、第1の絶縁
体8および上部電極6からなる2端子非線形素子として
のMIM素子が得られる。
【0140】本実施例のMIM素子4では、実施例1と
同様に、スリット25を介して上部電極6と第1の絶縁
体8とを接続している。このため、不可避的に発生する
付加容量Caddとなる部分の面積が幾何学的に最小とな
る。具体的に、素子容量および付加容量を計算するため
に、下記の条件を用いる。
同様に、スリット25を介して上部電極6と第1の絶縁
体8とを接続している。このため、不可避的に発生する
付加容量Caddとなる部分の面積が幾何学的に最小とな
る。具体的に、素子容量および付加容量を計算するため
に、下記の条件を用いる。
【0141】 素子の構造 :図6(a) 下部電極の仕上がり線幅 :10μm 上部電極の仕上がり線幅 :4μm スリットの仕上がり幅 :4μm 絶縁体8(Ta2O5)の膜厚(dTa205)および比誘電率(εTa205) :60nm、20 中間絶縁層24(SiO2)の膜厚(dSiO2)および比誘電率(εSiO2) :200nm、4 上記の数値を用いると本来のMIM素子の面積
(SMIM)は16μm2、付加の容量体の面積(斜線部
E、Sadd))は、4×3+4×3=24μm2となり、
付加容量Caddは五酸化タンタルと二酸化ケイ素の2重
構造であることに注意すれば、 Cadd=CMIM×((Sadd・εTa205・εSiO2)/(εSiO2・dTa205+εTa205 ・dSiO2)}/{(εTa205・SMIM)/dTa205) ≒ CMIM×0.0849となる。
(SMIM)は16μm2、付加の容量体の面積(斜線部
E、Sadd))は、4×3+4×3=24μm2となり、
付加容量Caddは五酸化タンタルと二酸化ケイ素の2重
構造であることに注意すれば、 Cadd=CMIM×((Sadd・εTa205・εSiO2)/(εSiO2・dTa205+εTa205 ・dSiO2)}/{(εTa205・SMIM)/dTa205) ≒ CMIM×0.0849となる。
【0142】すなわち、付加の容量は本来の素子容量C
MIMの約8%で済み、もともと10で設計した液晶と素
子の容量比は、10/(1+0.08)≒9.3の減少
で済む。
MIMの約8%で済み、もともと10で設計した液晶と素
子の容量比は、10/(1+0.08)≒9.3の減少
で済む。
【0143】上部電極の仕上がり幅=10μm、コンタ
クトホールの仕上がり面積を4μm×4μmとした従来
のMIM素子では、上式のSadd=84μm2で計算すれ
ばよいので、 Cadd≒CMIM×0.297 である。すなわち、もともと液晶と素子の容量比が10
で設計したものが、10/(1+0.30)≒7.7と
容量比の低下が大きくなってしまうものが、本実施例の
MIM素子では、7.7から9.3に改善できる。
クトホールの仕上がり面積を4μm×4μmとした従来
のMIM素子では、上式のSadd=84μm2で計算すれ
ばよいので、 Cadd≒CMIM×0.297 である。すなわち、もともと液晶と素子の容量比が10
で設計したものが、10/(1+0.30)≒7.7と
容量比の低下が大きくなってしまうものが、本実施例の
MIM素子では、7.7から9.3に改善できる。
【0144】本実施例においても、実施例1と同様に、
Cadd≦CMIM×0.25である限り、下部電極5aと中
間絶縁層24との重ね合わせマージンを大きくしたり、
上部電極6の線幅を太くして、より素子の形成を容易に
しても構わない。
Cadd≦CMIM×0.25である限り、下部電極5aと中
間絶縁層24との重ね合わせマージンを大きくしたり、
上部電極6の線幅を太くして、より素子の形成を容易に
しても構わない。
【0145】また、本実施例では第2の絶縁体24の形
状を2本のストライプで形成したが、図5(a)から
(c)に図示した形状でスリットを設けて、絶縁体24
のパターニング精度や断線を改善することも可能であ
る。
状を2本のストライプで形成したが、図5(a)から
(c)に図示した形状でスリットを設けて、絶縁体24
のパターニング精度や断線を改善することも可能であ
る。
【0146】このようにして上部電極6を形成した後
に、基板2の表面2a上に、例えばITO等の透明導電
膜を形成し、所定の形状にパターニングして、マトリク
ス状に配置された複数の画素電極7を形成する(図7
(e))。
に、基板2の表面2a上に、例えばITO等の透明導電
膜を形成し、所定の形状にパターニングして、マトリク
ス状に配置された複数の画素電極7を形成する(図7
(e))。
【0147】この後、配向膜(図示せず)を形成し、こ
れにラビング処理を行った素子側基板に、対向側電極お
よび配向膜を形成し、配向膜にラビング処理を行った対
向側基板を貼り合わせ、さらに両基板間に液晶材料を封
入することにより液晶層を形成する。これで液晶セルが
完成する。この液晶セルの両面に偏光板を貼り付けるこ
とによって、液晶表示装置が得られる。
れにラビング処理を行った素子側基板に、対向側電極お
よび配向膜を形成し、配向膜にラビング処理を行った対
向側基板を貼り合わせ、さらに両基板間に液晶材料を封
入することにより液晶層を形成する。これで液晶セルが
完成する。この液晶セルの両面に偏光板を貼り付けるこ
とによって、液晶表示装置が得られる。
【0148】以上説明したように、本実施例の液晶表示
装置においても、上記実施例1と同様に、スリットを介
して上部電極と非線形な電圧−電流特性を有する第1の
絶縁体とを接続しているので、付加的な容量体となる部
分の面積を幾何学的に最小にすることができる。したが
って、付加容量が発生することに起因して液晶と素子と
の容量比が設計値から減少するのを防ぐことができる。
また、MIM素子の寸法はスリットの幅と上部電極の線
幅とによって決定され、しかも露光の際の仕上がり特性
はスリットと上部電極とでは逆なので、MIM素子の面
積が設計値よりも減少する程度を緩和することができ
る。さらに、同様の理由で、露光の際の投影異常により
同一基板上においてMIM素子の寸法にばらつきが生じ
るのも緩和することができ、その結果、液晶表示装置の
点灯ムラを抑えることができる。
装置においても、上記実施例1と同様に、スリットを介
して上部電極と非線形な電圧−電流特性を有する第1の
絶縁体とを接続しているので、付加的な容量体となる部
分の面積を幾何学的に最小にすることができる。したが
って、付加容量が発生することに起因して液晶と素子と
の容量比が設計値から減少するのを防ぐことができる。
また、MIM素子の寸法はスリットの幅と上部電極の線
幅とによって決定され、しかも露光の際の仕上がり特性
はスリットと上部電極とでは逆なので、MIM素子の面
積が設計値よりも減少する程度を緩和することができ
る。さらに、同様の理由で、露光の際の投影異常により
同一基板上においてMIM素子の寸法にばらつきが生じ
るのも緩和することができ、その結果、液晶表示装置の
点灯ムラを抑えることができる。
【0149】(実施例3)図8は、実施例3における素
子側基板の平面図である。また、図9(a)、(b)
は、それぞれ、図8のH−H’線およびI−I’線に沿
った素子側基板の断面図である。
子側基板の平面図である。また、図9(a)、(b)
は、それぞれ、図8のH−H’線およびI−I’線に沿
った素子側基板の断面図である。
【0150】上記実施例1および2では、MIM素子4
の下部電極5aとして、信号配線5から張り出させた分
岐部分を用いた。しかしながら、下部電極のエッチング
端を使用しない構造の素子を形成する際には、下部電極
の線幅は、パターンの重なり誤差やエッチングの仕上が
りを見込んで、あらかじめ太くしておく必要がある。し
たがって、信号配線5の線幅と下部電極5aの線幅がほ
ぼ同等であれば、もはや信号配線の分岐部を下部電極と
して用いる必要はなくなり、信号配線5の一部を下部電
極とすることができる。
の下部電極5aとして、信号配線5から張り出させた分
岐部分を用いた。しかしながら、下部電極のエッチング
端を使用しない構造の素子を形成する際には、下部電極
の線幅は、パターンの重なり誤差やエッチングの仕上が
りを見込んで、あらかじめ太くしておく必要がある。し
たがって、信号配線5の線幅と下部電極5aの線幅がほ
ぼ同等であれば、もはや信号配線の分岐部を下部電極と
して用いる必要はなくなり、信号配線5の一部を下部電
極とすることができる。
【0151】結果として、MIM素子を作るために表示
部のスペースの一部を割く必要は無くなる。このため各
画素電極7の面積を大きくすることができ、開口率を向
上させることができる。したがって、反射型液晶表示装
置の場合では明るい表示が得られる。また透過型液晶表
示装置の場合では、バックライトの輝度を下げることが
可能となり、消費電力を少なくすることができる。
部のスペースの一部を割く必要は無くなる。このため各
画素電極7の面積を大きくすることができ、開口率を向
上させることができる。したがって、反射型液晶表示装
置の場合では明るい表示が得られる。また透過型液晶表
示装置の場合では、バックライトの輝度を下げることが
可能となり、消費電力を少なくすることができる。
【0152】図8は、信号配線5の一部をMIM素子4
の下部電極として用いた場合の素子側基板の平面図であ
る。図8に示すように、本実施例では分岐部分5aを設
けず、MIM素子4を信号配線5の直上に設けている。
絶縁体24は、信号配線5と平行になるように、信号配
線5のエッチング端近傍の上方にストライプ状に形成さ
れている。また、上部電極6は、信号配線5に直交する
向きに(すなわち絶縁体24のストライプと直交する方
向)形成されており、上部電極6の一端に画素電極7が
接続されている。
の下部電極として用いた場合の素子側基板の平面図であ
る。図8に示すように、本実施例では分岐部分5aを設
けず、MIM素子4を信号配線5の直上に設けている。
絶縁体24は、信号配線5と平行になるように、信号配
線5のエッチング端近傍の上方にストライプ状に形成さ
れている。また、上部電極6は、信号配線5に直交する
向きに(すなわち絶縁体24のストライプと直交する方
向)形成されており、上部電極6の一端に画素電極7が
接続されている。
【0153】この素子側基板は、実施例1と同一の工程
で得られる(図示せず)。
で得られる(図示せず)。
【0154】まず、ガラス基板2の表面2aに信号配線
5となる金属薄膜、例えばTa薄膜を形成し、所定の形
状にパターニングする。本実施例では、ガラス基板2と
してコーニング社製#7059のフュージョンパイレッ
クスガラスを用いた。また、図示してはいないが、Ta
を成膜する前にガラス基板表面に五酸化タンタルなどの
絶縁成を有するベースコート膜を形成しても良い。
5となる金属薄膜、例えばTa薄膜を形成し、所定の形
状にパターニングする。本実施例では、ガラス基板2と
してコーニング社製#7059のフュージョンパイレッ
クスガラスを用いた。また、図示してはいないが、Ta
を成膜する前にガラス基板表面に五酸化タンタルなどの
絶縁成を有するベースコート膜を形成しても良い。
【0155】Ta薄膜は、窒素を2〜10mol%含有
するTaの焼結体ターゲットを使用したDCスパッタリ
ング法により厚み300nmに形成し、CF4と02を用
いたドライエッチング法を用いて所定の形状にパターニ
ングし、これにより信号配線5を得た。
するTaの焼結体ターゲットを使用したDCスパッタリ
ング法により厚み300nmに形成し、CF4と02を用
いたドライエッチング法を用いて所定の形状にパターニ
ングし、これにより信号配線5を得た。
【0156】また、実施例1および2で述べたように、
本実施例においても必ずしも精度が高いドライエッチン
グ法を用いなくてもよい。弗硝酸などを用いたウエット
エッチング法でもよい。ウェットエッチング法は処理速
度を向上させるので、スループットを考えると好まし
い。
本実施例においても必ずしも精度が高いドライエッチン
グ法を用いなくてもよい。弗硝酸などを用いたウエット
エッチング法でもよい。ウェットエッチング法は処理速
度を向上させるので、スループットを考えると好まし
い。
【0157】次に、中間絶縁層となる第2の絶縁体24
を成膜し、素子を形成する近傍の信号配線5のエッチン
グ端周辺部の上方に、ストライプ状にパターニングし、
スリット状のコンタクト部分25を設ける。
を成膜し、素子を形成する近傍の信号配線5のエッチン
グ端周辺部の上方に、ストライプ状にパターニングし、
スリット状のコンタクト部分25を設ける。
【0158】本実施例では、第2の絶縁体24としてP
−CVD法で窒化ケイ素を350℃で厚み300nmで
成膜し、緩衝弗酸を用いたウエットエッチング法により
所定の形法にパターニングした。絶縁体24のパターニ
ングは、ウエットエッチング法でなくドライエッチング
法を用いても良い。
−CVD法で窒化ケイ素を350℃で厚み300nmで
成膜し、緩衝弗酸を用いたウエットエッチング法により
所定の形法にパターニングした。絶縁体24のパターニ
ングは、ウエットエッチング法でなくドライエッチング
法を用いても良い。
【0159】次に、第1の絶縁体8を陽極酸化法を用い
て第2の絶縁体24に覆われていない信号配線5上に形
成した。本実施例では、陽極酸化に用いる電解液として
1%酒石酸アンモニウム溶液を用い、温度を25℃、化
成電流を陽極酸化される面積に対し0.18mA/cm2
とし、化成電圧を31Vとして陽極酸化を行い、厚み約
60nmの陽極酸化膜を得た。
て第2の絶縁体24に覆われていない信号配線5上に形
成した。本実施例では、陽極酸化に用いる電解液として
1%酒石酸アンモニウム溶液を用い、温度を25℃、化
成電流を陽極酸化される面積に対し0.18mA/cm2
とし、化成電圧を31Vとして陽極酸化を行い、厚み約
60nmの陽極酸化膜を得た。
【0160】こうして陽極酸化を実施した後に、上部電
極6を例えばTiで形成し、信号配線5(下部電極を兼
ねている)、第1の絶縁体8および上部電極6からなる
2端子非線形素子が得られる。
極6を例えばTiで形成し、信号配線5(下部電極を兼
ねている)、第1の絶縁体8および上部電極6からなる
2端子非線形素子が得られる。
【0161】本実施例のMIM素子4においても、コン
タクトスリット25を介して第1の絶縁体8に下部電極
5aと上部電極6とが接続されている。したがって、不
可避的に発生する付加の容量Caddとなる部分の面積は
幾何学的に最小となり、図8に示す領域Jとなる。すな
わち、本実施例のMIM素子では、従来のコンタクトホ
ールを介して上部電極と絶縁体とが接続されている構造
と比較して付加容量が小さく、液晶表示装置のコントラ
スト比を落とし、駆動電圧を高くする原因となる液晶と
素子との容量比の低下を最小限に抑えることができる。
タクトスリット25を介して第1の絶縁体8に下部電極
5aと上部電極6とが接続されている。したがって、不
可避的に発生する付加の容量Caddとなる部分の面積は
幾何学的に最小となり、図8に示す領域Jとなる。すな
わち、本実施例のMIM素子では、従来のコンタクトホ
ールを介して上部電極と絶縁体とが接続されている構造
と比較して付加容量が小さく、液晶表示装置のコントラ
スト比を落とし、駆動電圧を高くする原因となる液晶と
素子との容量比の低下を最小限に抑えることができる。
【0162】加えて、第2の絶縁体24の形状をストラ
イプ状にし、それによりスリットを形成しているので、
パターニング時の膜残り等による接続不良が無い構造と
することができる。
イプ状にし、それによりスリットを形成しているので、
パターニング時の膜残り等による接続不良が無い構造と
することができる。
【0163】また、本実施例では第2の絶縁体24の形
状を2本のストライプで形成したが、図5(a)から
(c)に図示した形状に準じてコンタクトスリットを設
けても良い。
状を2本のストライプで形成したが、図5(a)から
(c)に図示した形状に準じてコンタクトスリットを設
けても良い。
【0164】こうして上部電極6を形成した後に、基板
2の表面2aに、例えばITO等の透明導電膜を形成
し、これをパターニングして、マトリクス状に配置され
た画素電極7を形成する。
2の表面2aに、例えばITO等の透明導電膜を形成
し、これをパターニングして、マトリクス状に配置され
た画素電極7を形成する。
【0165】この後、配向膜(図示せず)を形成し、こ
れにラビング処理を行った素子側基板に、対向側電極お
よび配向膜を形成し、配向膜にラビング処理を行った対
向側基板を貼り合わせ、さらに両基板間に液晶材料を封
入することにより、液晶層を形成する。以上で液晶セル
が完成する。この液晶セルの両面に偏光板を貼り付ける
ことによって液晶表示装置が得られる。
れにラビング処理を行った素子側基板に、対向側電極お
よび配向膜を形成し、配向膜にラビング処理を行った対
向側基板を貼り合わせ、さらに両基板間に液晶材料を封
入することにより、液晶層を形成する。以上で液晶セル
が完成する。この液晶セルの両面に偏光板を貼り付ける
ことによって液晶表示装置が得られる。
【0166】本実施例では、上記実施例1と同様に、第
2の絶縁体(中間絶縁層)24を形成した後に、第1の
絶縁体8を形成するための陽極酸化を実施したが、プロ
セスの順番を変え、実施例2と同様に、陽極酸化により
第1の絶縁体8を形成した後に第2の絶縁体(中間絶縁
層)24を形成してもよい。この場合には、信号配線の
一部を利用した下部電極のエッチング端を、第1の絶縁
体8および第2の絶縁体24で二重に保護することがで
きる。なお、この場合には、第2の絶縁体24を形成す
る温度は、上記実施例2で述べたように、第1の絶縁体
8の機能を損なわない程度の温度に設定する必要があ
る。
2の絶縁体(中間絶縁層)24を形成した後に、第1の
絶縁体8を形成するための陽極酸化を実施したが、プロ
セスの順番を変え、実施例2と同様に、陽極酸化により
第1の絶縁体8を形成した後に第2の絶縁体(中間絶縁
層)24を形成してもよい。この場合には、信号配線の
一部を利用した下部電極のエッチング端を、第1の絶縁
体8および第2の絶縁体24で二重に保護することがで
きる。なお、この場合には、第2の絶縁体24を形成す
る温度は、上記実施例2で述べたように、第1の絶縁体
8の機能を損なわない程度の温度に設定する必要があ
る。
【0167】なお、実施例1、2および3とも、TNモ
ードの液晶表示装置を例として説明したが、反射板をセ
ル内に作った相転移型のGHモードの液晶表示装置にお
いても同じように、本発明の2端子非線形素子を形成す
ることができる。さらに、2端子非線形素子を用いた、
他の光学モード、例えば1枚偏光板方式や高分子分散型
の液晶表示装置にも適用できることはいうまでもない。
ードの液晶表示装置を例として説明したが、反射板をセ
ル内に作った相転移型のGHモードの液晶表示装置にお
いても同じように、本発明の2端子非線形素子を形成す
ることができる。さらに、2端子非線形素子を用いた、
他の光学モード、例えば1枚偏光板方式や高分子分散型
の液晶表示装置にも適用できることはいうまでもない。
【0168】また、第2の絶縁体(中間絶縁層)24の
材料として金属酸化物や金属窒化物を挙げたが、誘電率
が小さく電気的耐圧のある材料でありさえすればよく、
上記材科には限定されない。例えば絶縁性を有する有機
材料であっても構わない。また、実施例では中間絶縁層
として単層の絶縁体膜を用いたが、単層である必要は必
ずしもない。例えば、下地との密着性の優れた材料(絶
縁性は劣っていてもよい)と耐圧の優れた絶縁体との積
層物であってもよい。
材料として金属酸化物や金属窒化物を挙げたが、誘電率
が小さく電気的耐圧のある材料でありさえすればよく、
上記材科には限定されない。例えば絶縁性を有する有機
材料であっても構わない。また、実施例では中間絶縁層
として単層の絶縁体膜を用いたが、単層である必要は必
ずしもない。例えば、下地との密着性の優れた材料(絶
縁性は劣っていてもよい)と耐圧の優れた絶縁体との積
層物であってもよい。
【0169】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の液晶表示
装置は、コンタクトスリットを介して、下部電極、非線
形な電圧−電流特性を有する絶縁体、および上部電極を
接続し、絶縁破壊の生じやすい下部電極のエッチング端
の上方は素子として使用しない。このため、点欠陥を抑
制することができる。
装置は、コンタクトスリットを介して、下部電極、非線
形な電圧−電流特性を有する絶縁体、および上部電極を
接続し、絶縁破壊の生じやすい下部電極のエッチング端
の上方は素子として使用しない。このため、点欠陥を抑
制することができる。
【0170】また、コンタクトスリットを用いることに
より、MIM素子に不可避的に付加される容量を最小限
にすることができる。したがって、液晶と素子との容量
比を支障なく表示を行うことができる程度の値に確保し
やすくなる。また、コンタクトホールを介して絶縁体と
上部電極とを接続する構造のMIM素子において生じや
すい膜残り等の接続不良も抑制することができる。
より、MIM素子に不可避的に付加される容量を最小限
にすることができる。したがって、液晶と素子との容量
比を支障なく表示を行うことができる程度の値に確保し
やすくなる。また、コンタクトホールを介して絶縁体と
上部電極とを接続する構造のMIM素子において生じや
すい膜残り等の接続不良も抑制することができる。
【0171】さらに、信号配線の一部を下部電極とし
て、信号配線の直上にMIM素子を形成することができ
る。これにより液晶表示装置の輝度を上げることができ
る。
て、信号配線の直上にMIM素子を形成することができ
る。これにより液晶表示装置の輝度を上げることができ
る。
【0172】加えて、露光時の投影像のひずみによる素
子面積のばらつきが、コンタクトスリットを用いること
により、コンタクトスリットの幅と上部電極の線幅が相
互に補正して仕上がるので、点灯ムラを抑制できる。
子面積のばらつきが、コンタクトスリットを用いること
により、コンタクトスリットの幅と上部電極の線幅が相
互に補正して仕上がるので、点灯ムラを抑制できる。
【図1】 本発明の液晶表示装置の実施例1における素
子側基板の平面図である。
子側基板の平面図である。
【図2】 図1の素子側基板におけるMIM素子近傍を
示す平面図である。
示す平面図である。
【図3】 実施例1における素子側基板の断面図であ
り、(a)は図1のE−E’線に沿った断面図、(b)
はF−F’線に沿った断面図である。
り、(a)は図1のE−E’線に沿った断面図、(b)
はF−F’線に沿った断面図である。
【図4】 図1の素子側基板の製造工程を示す断面図で
ある。
ある。
【図5】 (a)から(c)は、いずれも、本発明の液
晶表示装置の変形例を示す平面図である。
晶表示装置の変形例を示す平面図である。
【図6】 本発明の液晶表示装置の実施例2における素
子側基板の断面図である。
子側基板の断面図である。
【図7】 図6の素子側基板の製造工程を示す断面図で
ある。
ある。
【図8】 本発明の液晶表示装置の実施例3における素
子側基板の平面図である。
子側基板の平面図である。
【図9】 実施例3における素子側基板の断面図であ
り、(a)は図8のH−H’線に沿った断面図、(b)
はI−I’線に沿った断面図である。
り、(a)は図8のH−H’線に沿った断面図、(b)
はI−I’線に沿った断面図である。
【図10】 液晶表示装置の平面図である。
【図11】 従来のMIM素子が形成された素子側基板
の平面図である。
の平面図である。
【図12】 対向側基板の平面図である。
【図13】 従来のMIM素子が形成された液晶表示装
置の断面図である。
置の断面図である。
【図14】 図11の素子側基板の製造工程を示す断面
図である。
図である。
【図15】 MIM素子をスイッチング素子として用い
た反射型カラー液晶表示装置の素子側基板の平面図であ
る。
た反射型カラー液晶表示装置の素子側基板の平面図であ
る。
【図16】 反射型カラー液晶表示装置の対向側基板の
平面図である。
平面図である。
【図17】 反射型カラー液晶表示装置の断面図であ
る。
る。
【図18】 (a)はMIM素子の等価回路を示す図で
あり、(b)および(c)はそれぞれ素子側端子および
対向側端子に印加される波形例であり、(d)は(b)
と(c)とによって得られる駆動波形、(e)は(d)
の駆動波形によって液晶に加わる電圧の時間変化を示す
図である。
あり、(b)および(c)はそれぞれ素子側端子および
対向側端子に印加される波形例であり、(d)は(b)
と(c)とによって得られる駆動波形、(e)は(d)
の駆動波形によって液晶に加わる電圧の時間変化を示す
図である。
【図19】 液晶/素子の容量比とコントラスト比との
関係を示すグラフである。
関係を示すグラフである。
【図20】 (a)は従来のコンタクトホール型MIM
素子を形成した素子側基板の平面図であり、(b)から
(d)は(a)のD−D’線に沿った断面図である。
素子を形成した素子側基板の平面図であり、(b)から
(d)は(a)のD−D’線に沿った断面図である。
【図21】 ステッパー露光の概略図である。
【図22】 MIM素子の寸法仕上がりの分布例を示す
図である。
図である。
2 素子側基板 2a 表面 4 MIM素子 5 信号配線 5a 下部電極 6 上部電極 7 画素電極 8 第1の絶縁体 9 対向電極 24 第2の絶縁体 25 コンタクトスリット
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年5月17日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0070
【補正方法】変更
【補正内容】
【0070】 素子の構造: :図20(d) 下部電極の仕上がり線幅 :10μm 上部電極の仕上がり線幅 :10μm スルーホール(素子)の仕上がり面積 :4μm×4μm 絶縁体8(Ta2O5)の膜厚(dTa205)および比誘電率(εTa205) :60nm、20 中間絶縁層(Si3N4)の膜厚(dSi3N4)および比誘電率(εSi3N4) :300nm、8 上記の数値を用いると本来のMIM素子の面積
(SMIM)は16μm2、付加の容量体の面積(斜線部
E、Sadd)は10×10−16=84μm2となる。
(SMIM)は16μm2、付加の容量体の面積(斜線部
E、Sadd)は10×10−16=84μm2となる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4
【補正方法】変更
【補正内容】
【図4】
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図10
【補正方法】変更
【補正内容】
【図10】
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図22
【補正方法】変更
【補正内容】
【図22】
Claims (10)
- 【請求項1】 一対の基板と、該一対の基板の間に挟ま
れた液晶層とを備えており、該一対の基板の少なくとも
一方の該液晶層側の表面にはマトリクス状に配置された
複数の画素電極と、複数の信号配線と、該複数の画素電
極のそれぞれと該複数の信号配線のうちの対応する1つ
に接続された2端子非線形素子とが形成されている液晶
表示装置であって、 該2端子非線形素子は、該対応する信号配線に接続され
た下部電極と、該下部電極を覆うように形成された非線
形性を有する絶縁体と、対応する画素電極に接続された
上部電極とを有しており、 該絶縁体は、非線形性を示す第1の絶縁体と、該下部電
極のエッチング端を覆うように形成されており、該上部
電極を該第1の絶縁体に電気的に接続するためのスリッ
トを有している第2の絶縁体とで構成され、それにより
該2端子非線形素子のサイズが該第2の絶縁体の該スリ
ットの開口幅および該上部電極の線幅によって決定され
る、液晶表示装置。 - 【請求項2】 前記2端子非線形素子の前記下部電極
は、前記対応する信号配線の一部であり、該対応する信
号配線の直上に該2端子非線形素子が形成されている、
請求項1に記載の2端子非線形素子。 - 【請求項3】 前記2端子非線形素子の前記第2の絶縁
体は、金属窒化物、金属酸化物および有機絶縁膜のいず
れか1つあるいは積層物からなる膜である、請求項1ま
たは2に記載の液晶表示装置。 - 【請求項4】 一対の基板と、該一対の基板の間に挟ま
れた液晶層とを備えており、該一対の基板の少なくとも
一方の該液晶層側の表面にはマトリクス状に配置された
複数の画素電極と、複数の信号配線と、該複数の画素電
極のそれぞれと該複数の信号配線のうちの対応する1つ
とに接続された2端子非線形素子とが形成されている液
晶表示素子の製造方法であって、該2端子非線形素子を
形成する工程が、 (a) 該対応する信号配線に接続された下部電極を形
成する工程と、 (b) スリットを有する中間層絶縁層を該下部電極の
上に形成する工程であって、該中間層絶縁層は直線状に
エッチングされた該下部電極の両端を覆うように形成さ
れ、該スリットを該下部電極の上面に、かつ直線状に形
成された該下部電極に平行な方向に設ける工程と、 (c) 非線形性を有する絶縁体を少なくとも該下部電
極の表面を陽極酸化することにより形成する工程と、 (d) 上部電極を該中間絶縁層の該スリットと交差す
る向きに直線状に形成する工程と、を包含する、液晶表
示装置の製造方法。 - 【請求項5】 前記中間絶縁層を窒化ケイ素から形成
し、前記下部電極の表面を陽極酸化する際の化成電圧を
20V以上35V以下とする、請求項4に記載の液晶表
示装置の製造方法。 - 【請求項6】 前記下部電極、前記非線形性を有する絶
縁体および前記上部電極から形成される容量体の容量C
MIMと、該下部電極、前記中間絶縁層および該上部電極
から形成される容量体の容量Caddとの関係が、 Cadd≦0.25×CMIM である、請求項4または5に記載の液晶表示装置の製造
方法。 - 【請求項7】 一対の基板と、該一対の基板の間に挟ま
れた液晶層とを備えており、該一対の基板の少なくとも
一方の該液晶層側表面にはマトリクス状に配置された複
数の画素電極と、複数の信号配線と、該複数の画素電極
のそれぞれと該複数の信号配線のうちの対応する1つと
に接続された2端子非線形素子とが形成されている液晶
表示装置の製造方法であって、該2端子非線形素子の製
造工程は、 (a) 該対応する信号配線に接続された下部電極を形
成する工程と、 (b) 少なくとも該下部電極の表面上に、陽極酸化法
により非線形性を有する絶縁体を形成する工程と、 (c) スリットを有する中間絶縁層を該下部電極の上
面に形成する工程であって、該中間絶縁層は、該絶縁体
の非線形性に影響を与えないような温度で形成され、直
線状にエッチングされた該下部電極の両端を覆うように
配置され、該スリットを該下部電極の上面にかつ直線状
に形成された該下部電極に平行な方向に設ける工程と、 (d) 上部電極を、該中間絶縁層の該スリットと交差
する向きに直線状に形成する工程と、を包含する液晶表
示装置の製造方法。 - 【請求項8】 前記下部電極、前記非線形性を有する絶
縁体および前記上部電極から形成される容量体の容量C
MIMと、該下部電極、前記絶縁体と前記中間絶縁層、お
よび該上部電極から形成される容量体の容量Caddとの
関係が、 Cadd≦0.25×CMIM である、請求項7に記載の液晶表示装置の製造方法。 - 【請求項9】 前記中間絶縁層として、金属窒化物、金
属酸化物および有機絶縁膜のいずれか1つ、もしくはこ
れらの積層物を形成する、請求項4、6、7および8の
いずれか1つに記載の液晶表示装置の製造方法。 - 【請求項10】 前記中間絶縁層は約250℃以下で形
成される、請求項7に記載の液晶表示装置の製造方法。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6503196A JPH09258263A (ja) | 1996-03-21 | 1996-03-21 | 液晶表示装置およびその製造方法 |
TW086103336A TW408243B (en) | 1996-03-21 | 1997-03-18 | Switching element, liquid crystal display device and method for fabricating the same |
US08/825,671 US5909264A (en) | 1996-03-21 | 1997-03-20 | LCD device having a switching element with reduced size and capacitance and method for fabricating the same |
KR1019970009782A KR100233317B1 (ko) | 1996-03-21 | 1997-03-21 | 스위칭 소자, 액정 표시 장치 및 그 제조 방법 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6503196A JPH09258263A (ja) | 1996-03-21 | 1996-03-21 | 液晶表示装置およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09258263A true JPH09258263A (ja) | 1997-10-03 |
Family
ID=13275212
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6503196A Withdrawn JPH09258263A (ja) | 1996-03-21 | 1996-03-21 | 液晶表示装置およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09258263A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009175705A (ja) * | 2008-01-21 | 2009-08-06 | Beijing Boe Optoelectronics Technology Co Ltd | 薄膜トランジスタ液晶ディスプレイ |
KR100951359B1 (ko) * | 2003-10-29 | 2010-04-09 | 삼성전자주식회사 | 박막 다이오드 표시판 및 그 제조 방법 |
-
1996
- 1996-03-21 JP JP6503196A patent/JPH09258263A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100951359B1 (ko) * | 2003-10-29 | 2010-04-09 | 삼성전자주식회사 | 박막 다이오드 표시판 및 그 제조 방법 |
US7839463B2 (en) | 2003-10-29 | 2010-11-23 | Samsung Electronics Co., Ltd. | Thin film diode panel and manufacturing method of the same |
JP2009175705A (ja) * | 2008-01-21 | 2009-08-06 | Beijing Boe Optoelectronics Technology Co Ltd | 薄膜トランジスタ液晶ディスプレイ |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20030603 |