JPH09257927A - 車両用レーダ装置 - Google Patents
車両用レーダ装置Info
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- JPH09257927A JPH09257927A JP8060780A JP6078096A JPH09257927A JP H09257927 A JPH09257927 A JP H09257927A JP 8060780 A JP8060780 A JP 8060780A JP 6078096 A JP6078096 A JP 6078096A JP H09257927 A JPH09257927 A JP H09257927A
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Landscapes
- Traffic Control Systems (AREA)
- Radar Systems Or Details Thereof (AREA)
- Measurement Of Velocity Or Position Using Acoustic Or Ultrasonic Waves (AREA)
- Optical Radar Systems And Details Thereof (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】車間距離警報装置に適用した場合に、相対速度
の誤差振動による警報安定性の問題を解消し、かつ警報
の時間遅れの問題も解消することの出来る車両用レーダ
装置を提供する。 【解決手段】電磁波、光または音波のパルスを送出し、
目標物体による反射波をサンプリング・加算し、その出
力を時系列的に配列して、サンプリング点と、その前後
または他のサンプリング点とを結ぶ直線の交点を求め、
この交点に対応する時刻を距離算出に用いる車両用レー
ダ装置において、連続して検出される距離から相対速度
を算出する相対速度算出手段10と、目標物体との距離
がレーダの最大検知距離以下に設定した所定距離以下の
範囲において前記相対速度算出手段を作動させる選択手
段9と、を備えた車両用レーダ装置。
の誤差振動による警報安定性の問題を解消し、かつ警報
の時間遅れの問題も解消することの出来る車両用レーダ
装置を提供する。 【解決手段】電磁波、光または音波のパルスを送出し、
目標物体による反射波をサンプリング・加算し、その出
力を時系列的に配列して、サンプリング点と、その前後
または他のサンプリング点とを結ぶ直線の交点を求め、
この交点に対応する時刻を距離算出に用いる車両用レー
ダ装置において、連続して検出される距離から相対速度
を算出する相対速度算出手段10と、目標物体との距離
がレーダの最大検知距離以下に設定した所定距離以下の
範囲において前記相対速度算出手段を作動させる選択手
段9と、を備えた車両用レーダ装置。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パルス幅がサンプ
リング周期よりも長い波を用いることにより受信信号の
処理装置を安価に構成しながら、パルス波が長いことに
よる測距精度の低下を抑制した車両用レーダ装置に関
し、特に車間距離警報装置に適用した場合における警報
安定性と警報の時間遅れの問題を解決する技術に関す
る。
リング周期よりも長い波を用いることにより受信信号の
処理装置を安価に構成しながら、パルス波が長いことに
よる測距精度の低下を抑制した車両用レーダ装置に関
し、特に車間距離警報装置に適用した場合における警報
安定性と警報の時間遅れの問題を解決する技術に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来の車両用レーダ装置としては、例え
ば、特開平7−84031号公報(本出願人の先願)に
記載されたものがある。これは、パルス波がサンプリン
グ周期よりも長い波を用いて、目標物体からの反射波を
サンプリング・加算した出力を時系列的に配列し、サン
プリング点とその前後または他のサンプリング点とを結
ぶ直線の交点を求め、その交点に対応する時刻を距離算
出に用いるものである。このように構成することによ
り、回路を高速化することなしにサンプリング周期以上
の高い距離分解能を得ることが可能になる。
ば、特開平7−84031号公報(本出願人の先願)に
記載されたものがある。これは、パルス波がサンプリン
グ周期よりも長い波を用いて、目標物体からの反射波を
サンプリング・加算した出力を時系列的に配列し、サン
プリング点とその前後または他のサンプリング点とを結
ぶ直線の交点を求め、その交点に対応する時刻を距離算
出に用いるものである。このように構成することによ
り、回路を高速化することなしにサンプリング周期以上
の高い距離分解能を得ることが可能になる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の車両用レーダ装置にあっては、以下のような
問題点があった。車両用レーダ装置にあっては、車間距
離警報装置などに適用することを考えると、なるべく遠
方の物体まで検出できることが望ましい。従って、この
ような車両用レーダ装置では、必要な最大検知距離を決
め、その距離まで算出できるように、最も遅いサンプリ
ング点の時刻を定めている。例えば、120mまで距離
算出するためには、最も遅いサンプリング点の時刻は、
120mに対応した時刻となるように設定される。この
ように設定することにより、0〜120mの範囲にある
目標物体までの距離を検出することが可能となる。ま
た、このような車両用レーダ装置の場合、路面反射や外
乱光などによる誤検出を防ぐため、サンプリングデータ
の値が所定値以上の場合のみ検出物体が存在するという
判断を下しているため、一般的には最大検知距離以下で
の目標物体(車両)による反射波のレベルが、上記所定
値以上となるように、送出するパルスのレベルまたは検
出する素子の感度を設定する。
うな従来の車両用レーダ装置にあっては、以下のような
問題点があった。車両用レーダ装置にあっては、車間距
離警報装置などに適用することを考えると、なるべく遠
方の物体まで検出できることが望ましい。従って、この
ような車両用レーダ装置では、必要な最大検知距離を決
め、その距離まで算出できるように、最も遅いサンプリ
ング点の時刻を定めている。例えば、120mまで距離
算出するためには、最も遅いサンプリング点の時刻は、
120mに対応した時刻となるように設定される。この
ように設定することにより、0〜120mの範囲にある
目標物体までの距離を検出することが可能となる。ま
た、このような車両用レーダ装置の場合、路面反射や外
乱光などによる誤検出を防ぐため、サンプリングデータ
の値が所定値以上の場合のみ検出物体が存在するという
判断を下しているため、一般的には最大検知距離以下で
の目標物体(車両)による反射波のレベルが、上記所定
値以上となるように、送出するパルスのレベルまたは検
出する素子の感度を設定する。
【0004】ところが、最大検知距離(例えば120
m)よりも遠方に目標物体がある場合であっても、先行
車両の反射レベルが非常に高い場合には、最大検知距離
(120m)位置でのサンプリングデータが最大値を示
し、かつその値が検出のための所定値以上となるため、
目標物体までの距離が算出されてしまう。そして120
m以上の時刻にはサンプリング点が存在しないため、そ
の算出値は120mを示す。
m)よりも遠方に目標物体がある場合であっても、先行
車両の反射レベルが非常に高い場合には、最大検知距離
(120m)位置でのサンプリングデータが最大値を示
し、かつその値が検出のための所定値以上となるため、
目標物体までの距離が算出されてしまう。そして120
m以上の時刻にはサンプリング点が存在しないため、そ
の算出値は120mを示す。
【0005】したがって、図10に示すように、反射レ
ベルの非常に高い目標物体が最大検知距離以遠より一定
の相対速度で接近している場面では、目標物体までの真
の距離が最大検知距離以上の場面(領域1)において、
検出される距離は最大検知距離の値を連続して示し、そ
の後、真の距離が最大検知距離未満となった場面(領域
2)に進入後、正しい距離を出力する。この出力される
距離の値を元にして目標物体の相対速度を算出すると、
領域1では距離の変化がないので相対速度がゼロにな
り、領域2に進入後に正しい相対速度の値を出力する。
ベルの非常に高い目標物体が最大検知距離以遠より一定
の相対速度で接近している場面では、目標物体までの真
の距離が最大検知距離以上の場面(領域1)において、
検出される距離は最大検知距離の値を連続して示し、そ
の後、真の距離が最大検知距離未満となった場面(領域
2)に進入後、正しい距離を出力する。この出力される
距離の値を元にして目標物体の相対速度を算出すると、
領域1では距離の変化がないので相対速度がゼロにな
り、領域2に進入後に正しい相対速度の値を出力する。
【0006】このような車両用レーダ装置を車間距離警
報装置などに適用することを考えると、以下のような問
題が生じる。一般的に車両用レーダ装置で計測される先
行車までの車間距離は、ノイズによる変動が乗りやす
い。そして警報判断のために必要な相対速度を算出する
ためには検出された車間距離の時間微分を取る操作を行
なうが、このような時間微分を取ると、上記車間距離の
ノイズのために、算出される相対速度にもノイズが乗っ
てしまう。このようなノイズの乗った相対速度をそのま
ま用いて警報距離を算出すると、警報距離の値が不安定
となり、実際の車間距離との大小関係が不安定化するこ
とにより、警報の発生が不安定となってしまう可能性が
ある。
報装置などに適用することを考えると、以下のような問
題が生じる。一般的に車両用レーダ装置で計測される先
行車までの車間距離は、ノイズによる変動が乗りやす
い。そして警報判断のために必要な相対速度を算出する
ためには検出された車間距離の時間微分を取る操作を行
なうが、このような時間微分を取ると、上記車間距離の
ノイズのために、算出される相対速度にもノイズが乗っ
てしまう。このようなノイズの乗った相対速度をそのま
ま用いて警報距離を算出すると、警報距離の値が不安定
となり、実際の車間距離との大小関係が不安定化するこ
とにより、警報の発生が不安定となってしまう可能性が
ある。
【0007】このような警報の不安定性を防止するた
め、一般的には算出される相対速度を低周波数域通過型
フィルタ(ローパスフィルタ)に通し、ノイズによる相
対速度の変動を小さくする方法が用いられる。このロー
パスフィルタは、入力される信号の或る遮断周波数(カ
ットオフ周波数)以上の高周波の変動成分を遮断し、そ
れ以下の低周波の変動成分のみを通過させるという効果
があるため、必要な信号成分の周波数以上の高周波の変
動成分を遮断するように遮断周波数を決め、それを元に
ローパスフィルタを設計することにより、効果的に相対
速度のノイズを除去することが出来る。
め、一般的には算出される相対速度を低周波数域通過型
フィルタ(ローパスフィルタ)に通し、ノイズによる相
対速度の変動を小さくする方法が用いられる。このロー
パスフィルタは、入力される信号の或る遮断周波数(カ
ットオフ周波数)以上の高周波の変動成分を遮断し、そ
れ以下の低周波の変動成分のみを通過させるという効果
があるため、必要な信号成分の周波数以上の高周波の変
動成分を遮断するように遮断周波数を決め、それを元に
ローパスフィルタを設計することにより、効果的に相対
速度のノイズを除去することが出来る。
【0008】しかし、一般的にローパスフィルタには、
位相遅れという特性がある。これは、ローパスフィルタ
によって高周波の信号成分を遮断してしまうことによ
り、必要な信号の変化自体もやや時間的に遅れてしまう
という問題である。この位相遅れの問題により、前述し
たような、反射レベルの高い目標物体に対して最大検知
距離よりも遠方から接近する場面においては、目標物体
までの真の距離が最大検知距離以上の場面(領域1)で
算出される誤った相対速度の値(=ゼロ)が、目標物体
までの距離が最大検知距離未満(領域2)となってもし
ばらく保持されるので、算出される相対速度の値が実際
の値よりも小さい値を示し、それに応じて算出される警
報距離も小さくなるため、警報発令が遅れてしまう。
位相遅れという特性がある。これは、ローパスフィルタ
によって高周波の信号成分を遮断してしまうことによ
り、必要な信号の変化自体もやや時間的に遅れてしまう
という問題である。この位相遅れの問題により、前述し
たような、反射レベルの高い目標物体に対して最大検知
距離よりも遠方から接近する場面においては、目標物体
までの真の距離が最大検知距離以上の場面(領域1)で
算出される誤った相対速度の値(=ゼロ)が、目標物体
までの距離が最大検知距離未満(領域2)となってもし
ばらく保持されるので、算出される相対速度の値が実際
の値よりも小さい値を示し、それに応じて算出される警
報距離も小さくなるため、警報発令が遅れてしまう。
【0009】このローパスフィルタによる位相遅れの問
題は、このようなサンプリング・加算する方式の車両用
レーダ装置に対して、特徴的に発生する。その理由は、
サンプリング・加算方式のレーダ装置は、サンプリング
周期が長く、その長いサンプリング周期よりも精度よく
距離検出するために、統計算術的な手法を用いてピーク
点の位置を推定しているため、検出距離の誤差に周期的
ノイズが乗りやすく、これによる相対速度の誤差変動を
抑えるためには比較的小さなカットオフ周波数を持つロ
ーパスフィルタを用いることが必須となるからである。
題は、このようなサンプリング・加算する方式の車両用
レーダ装置に対して、特徴的に発生する。その理由は、
サンプリング・加算方式のレーダ装置は、サンプリング
周期が長く、その長いサンプリング周期よりも精度よく
距離検出するために、統計算術的な手法を用いてピーク
点の位置を推定しているため、検出距離の誤差に周期的
ノイズが乗りやすく、これによる相対速度の誤差変動を
抑えるためには比較的小さなカットオフ周波数を持つロ
ーパスフィルタを用いることが必須となるからである。
【0010】以下に、このようなサンプリング・加算方
式の車両用レーダ装置における特徴的なローパスフィル
タに関する問題について詳しく説明する。図11は、前
記従来例(特願平5−233091号)の第1、第3実
施例における検出距離精度を示す図(前記従来例の図1
1と同じ図)である。従来例の第1実施例の特性を見る
と、検出距離の誤差は最大4m程度であり、30〜40
mという1つのサンプリング間隔(10m)の中で、実
際の距離に対して4m近く大きめに出ている点(約38
m付近)と、4m近く小さめに出ている点(約34m付
近)が存在し、この10mの中で周期的な変動を示して
いる。第3実施例においては、誤差の最大値は最大0.
5m程度と第1実施例よりも小さくなっているが、第1
実施例と同様にこの10mの中で周期的な変動を示して
いる。
式の車両用レーダ装置における特徴的なローパスフィル
タに関する問題について詳しく説明する。図11は、前
記従来例(特願平5−233091号)の第1、第3実
施例における検出距離精度を示す図(前記従来例の図1
1と同じ図)である。従来例の第1実施例の特性を見る
と、検出距離の誤差は最大4m程度であり、30〜40
mという1つのサンプリング間隔(10m)の中で、実
際の距離に対して4m近く大きめに出ている点(約38
m付近)と、4m近く小さめに出ている点(約34m付
近)が存在し、この10mの中で周期的な変動を示して
いる。第3実施例においては、誤差の最大値は最大0.
5m程度と第1実施例よりも小さくなっているが、第1
実施例と同様にこの10mの中で周期的な変動を示して
いる。
【0011】この最大0.5mという検出誤差は、その
データを単に距離として判断に用いるためならば特に問
題のない精度である。しかし、このように実際の距離に
対して周期的な誤差変動を生じる場合、これを相対速度
算出に用いると問題が生じる。つまり、時刻と共に距離
が変化するにしたがって、検出誤差の値が周期的に変動
するため、これを用いて算出される相対速度も周期的な
変動を持ってしまう。またこの相対速度の変動振幅は比
較的大きなものとなる。
データを単に距離として判断に用いるためならば特に問
題のない精度である。しかし、このように実際の距離に
対して周期的な誤差変動を生じる場合、これを相対速度
算出に用いると問題が生じる。つまり、時刻と共に距離
が変化するにしたがって、検出誤差の値が周期的に変動
するため、これを用いて算出される相対速度も周期的な
変動を持ってしまう。またこの相対速度の変動振幅は比
較的大きなものとなる。
【0012】図12には、検出距離の誤差の最大振幅が
0.5mで10mの周期で振動した場合(従来例の第3
実施例に相当)の相対速度の誤差振幅を、その時の真の
相対速度に対して示したものである。相対速度の誤差振
幅は、真の相対速度の値に比例し、真の相対速度の30
%以上の誤差振幅、例えば相対速度が100km/hの
場合には31.4km/hの誤差振幅を持つようにな
る。
0.5mで10mの周期で振動した場合(従来例の第3
実施例に相当)の相対速度の誤差振幅を、その時の真の
相対速度に対して示したものである。相対速度の誤差振
幅は、真の相対速度の値に比例し、真の相対速度の30
%以上の誤差振幅、例えば相対速度が100km/hの
場合には31.4km/hの誤差振幅を持つようにな
る。
【0013】このような周期的な距離誤差による、真の
相対速度に比例する振幅を持つ相対速度誤差を小さくす
るためには、ローパスフィルタが有効である。その理由
は、ローパスフィルタは入力周波数が高いほど振幅減衰
効果が高くなるからである。検出距離誤差による相対速
度誤差変動の周波数は、真の相対速度をサンプリング間
隔(10m)で割った値となるため、真の相対速度が大
きいほど入力周波数が高くなり、誤差振幅の減衰効果が
大きくなる。
相対速度に比例する振幅を持つ相対速度誤差を小さくす
るためには、ローパスフィルタが有効である。その理由
は、ローパスフィルタは入力周波数が高いほど振幅減衰
効果が高くなるからである。検出距離誤差による相対速
度誤差変動の周波数は、真の相対速度をサンプリング間
隔(10m)で割った値となるため、真の相対速度が大
きいほど入力周波数が高くなり、誤差振幅の減衰効果が
大きくなる。
【0014】図13には、カットオフ周波数を0.4H
zに設定した場合の相対速度誤差振幅の減衰効果を示
す。このように設定すれば、検出距離の周期的なノイズ
による相対速度の振動を真の相対速度の値によらずに小
さく抑えることが出来る。例えば相対速度誤差の最大値
は、真の相対速度が15km/h程度の時に3km/h
程度の値を示す。このように、サンプリング・加算方式
のレーダ装置を用いて、目標物体の相対速度を精度よく
算出するためには、ローパスフィルタが必須である。ま
た、ローパスフィルタのカットオフ周波数は、想定され
る入力周波数に対してなるべく小さい方が望ましい。
zに設定した場合の相対速度誤差振幅の減衰効果を示
す。このように設定すれば、検出距離の周期的なノイズ
による相対速度の振動を真の相対速度の値によらずに小
さく抑えることが出来る。例えば相対速度誤差の最大値
は、真の相対速度が15km/h程度の時に3km/h
程度の値を示す。このように、サンプリング・加算方式
のレーダ装置を用いて、目標物体の相対速度を精度よく
算出するためには、ローパスフィルタが必須である。ま
た、ローパスフィルタのカットオフ周波数は、想定され
る入力周波数に対してなるべく小さい方が望ましい。
【0015】しかし、一方で、小さなカットオフ周波数
を持つローパスフィルタを用いた場合には、前述した位
相遅れの問題はより顕著となる。図14には、100k
m/hで停止車両へ接近している場合に、0.4Hzの
カットオフ周波数を持つローパスフィルタを施して相対
速度を算出した場合の出力結果を示す。図に示すよう
に、初期値0km/hから真の相対速度100km/h
まで収束するために必要な時間遅れは、1.3秒であ
り、車間距離警報装置に適用するには、非常に大きな時
間遅れとなってしまう。
を持つローパスフィルタを用いた場合には、前述した位
相遅れの問題はより顕著となる。図14には、100k
m/hで停止車両へ接近している場合に、0.4Hzの
カットオフ周波数を持つローパスフィルタを施して相対
速度を算出した場合の出力結果を示す。図に示すよう
に、初期値0km/hから真の相対速度100km/h
まで収束するために必要な時間遅れは、1.3秒であ
り、車間距離警報装置に適用するには、非常に大きな時
間遅れとなってしまう。
【0016】以上のように、サンプリング・加算方式の
車両用レーダの場合には、その距離検出方法に起因して
独特の距離誤差が生じるために、単にローパスフィルタ
の設定を変更するだけでは、相対速度の誤差振動による
警報安定性の問題と、警報の時間遅れの問題を両立させ
ることが難しいという問題があった。
車両用レーダの場合には、その距離検出方法に起因して
独特の距離誤差が生じるために、単にローパスフィルタ
の設定を変更するだけでは、相対速度の誤差振動による
警報安定性の問題と、警報の時間遅れの問題を両立させ
ることが難しいという問題があった。
【0017】本発明は、上記のごとき問題を解決するた
めになされたものであり、車間距離警報装置に適用した
場合に、相対速度の誤差振動による警報安定性の問題を
解消し、かつ警報の時間遅れの問題も解消することの出
来る車両レーダ装置を提供することを目的とする。
めになされたものであり、車間距離警報装置に適用した
場合に、相対速度の誤差振動による警報安定性の問題を
解消し、かつ警報の時間遅れの問題も解消することの出
来る車両レーダ装置を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明においては、特許請求の範囲に記載するよう
に構成している。すなわち、請求項1に記載の発明にお
いては、目標物体による反射波をサンプリング・加算
し、その出力を時系列的に配列して、サンプリング点
と、その前後または他のサンプリング点とを結ぶ直線の
交点を求め、この交点に対応する時刻を距離算出に用い
る車両用レーダ装置において、連続して検出される距離
から相対速度を算出する相対速度算出手段と、目標物体
との距離がレーダの最大検知距離以下の値に設定した所
定距離以下の範囲にあるとき前記相対速度算出手段を作
動させる選択手段と、を設けたものである。
め、本発明においては、特許請求の範囲に記載するよう
に構成している。すなわち、請求項1に記載の発明にお
いては、目標物体による反射波をサンプリング・加算
し、その出力を時系列的に配列して、サンプリング点
と、その前後または他のサンプリング点とを結ぶ直線の
交点を求め、この交点に対応する時刻を距離算出に用い
る車両用レーダ装置において、連続して検出される距離
から相対速度を算出する相対速度算出手段と、目標物体
との距離がレーダの最大検知距離以下の値に設定した所
定距離以下の範囲にあるとき前記相対速度算出手段を作
動させる選択手段と、を設けたものである。
【0019】上記のように本発明においては、目標物体
との距離がレーダの最大検知距離以下に設定した所定距
離以下の範囲でのみ相対速度を算出するので、算出され
る相対速度は真の値と同じ値を示すため、ローパスフィ
ルタを施した後もほぼ同じ値となる。そのため警報距離
は相対速度を算出し始めた以降は真の値とほぼ同じ値を
示し、その後も一定であるため、警報発令も適切なタイ
ミングで行うことが出来る。
との距離がレーダの最大検知距離以下に設定した所定距
離以下の範囲でのみ相対速度を算出するので、算出され
る相対速度は真の値と同じ値を示すため、ローパスフィ
ルタを施した後もほぼ同じ値となる。そのため警報距離
は相対速度を算出し始めた以降は真の値とほぼ同じ値を
示し、その後も一定であるため、警報発令も適切なタイ
ミングで行うことが出来る。
【0020】また、請求項2に記載の発明は、上記選択
手段の所定距離を可変にするように構成したものであ
る。このように構成することにより、車両の走行状態等
に応じて、より適切な計測を行なうことが出来る。上記
の可変にする手段は、例えば、請求項3に記載のよう
に、車両の走行状態(例えば車速)や請求項4に記載の
ようにサンプリング・加算した出力の状態の変化(例え
ば飽和の有無)に応じて上記所定距離を変化させる。
手段の所定距離を可変にするように構成したものであ
る。このように構成することにより、車両の走行状態等
に応じて、より適切な計測を行なうことが出来る。上記
の可変にする手段は、例えば、請求項3に記載のよう
に、車両の走行状態(例えば車速)や請求項4に記載の
ようにサンプリング・加算した出力の状態の変化(例え
ば飽和の有無)に応じて上記所定距離を変化させる。
【0021】また、請求項5に記載の発明においては、
選択手段における上記所定距離を変更するのではなく、
サンプリング・加算した出力の状態の変化に応じて前記
相対速度算出手段を選択的に作動させるように選択手段
を構成したものである。例えばサンプリング・加算した
出力の状態が飽和している場合には、最も遅いサンプリ
ング点のサンプリング・加算出力が、第1、第2ピーク
ではなくなったことを検出して、相対速度算出手段を作
動させるように構成すればよい(詳細は実施の形態で後
述)。
選択手段における上記所定距離を変更するのではなく、
サンプリング・加算した出力の状態の変化に応じて前記
相対速度算出手段を選択的に作動させるように選択手段
を構成したものである。例えばサンプリング・加算した
出力の状態が飽和している場合には、最も遅いサンプリ
ング点のサンプリング・加算出力が、第1、第2ピーク
ではなくなったことを検出して、相対速度算出手段を作
動させるように構成すればよい(詳細は実施の形態で後
述)。
【0022】
【発明の効果】本発明によれば、目標物体が最大検知距
離よりも遠方から接近しているような状況において、誤
って相対速度がゼロと算出されることがなくなり、ノイ
ズ除去のためのローパスフィルタを施しても、所定距離
よりも近い距離においては正しい相対速度が算出され、
警報発令が遅れることなく、適切なタイミングで行うこ
とが可能になる、という効果が得られる。
離よりも遠方から接近しているような状況において、誤
って相対速度がゼロと算出されることがなくなり、ノイ
ズ除去のためのローパスフィルタを施しても、所定距離
よりも近い距離においては正しい相対速度が算出され、
警報発令が遅れることなく、適切なタイミングで行うこ
とが可能になる、という効果が得られる。
【0023】また、請求項2、請求項3に記載のよう
に、自車両の走行状況に応じて選択手段の所定距離を変
更するように構成した場合には、走行車速が高いほど大
きく、走行速度が低いほど小さくなるように設定するこ
とにより、車間距離警報の警報距離が長くなる高速走行
時に、最大検知距離とあまり変わらない遠い距離から警
報することができると共に、警報距離が短い低速走行時
には、誤った相対速度出力が発生する確率を小さくする
ことが出来る、という効果が得られる。
に、自車両の走行状況に応じて選択手段の所定距離を変
更するように構成した場合には、走行車速が高いほど大
きく、走行速度が低いほど小さくなるように設定するこ
とにより、車間距離警報の警報距離が長くなる高速走行
時に、最大検知距離とあまり変わらない遠い距離から警
報することができると共に、警報距離が短い低速走行時
には、誤った相対速度出力が発生する確率を小さくする
ことが出来る、という効果が得られる。
【0024】また、請求項2、請求項4に記載のよう
に、サンプリング・加算した出力の状態の変化に応じて
選択手段の所定距離を変化させる構成した場合には、目
標物体からの反射が強くサンプリング・加算した出力に
飽和が生じるような場合でも正確な計測を行なうことが
出来る。
に、サンプリング・加算した出力の状態の変化に応じて
選択手段の所定距離を変化させる構成した場合には、目
標物体からの反射が強くサンプリング・加算した出力に
飽和が生じるような場合でも正確な計測を行なうことが
出来る。
【0025】また、請求項5に記載のように、サンプリ
ング・加算した出力の状態の変化に応じて直接に前記相
対速度算出手段の作動を制御するように選択手段を構成
しても上記請求項4と同様の効果が得られる。
ング・加算した出力の状態の変化に応じて直接に前記相
対速度算出手段の作動を制御するように選択手段を構成
しても上記請求項4と同様の効果が得られる。
【0026】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の第1の実施の形
態を示すブロック図である。まず、構成を説明すると、
図1において、3はレーダ装置であり、パルス信号送出
手段1と反射パルス信号受信手段2からなる。また、4
はパルス信号の送出タイミングを制御する制御手段、6
はサンプリング・加算手段、8はサンプリング・加算信
号のピーク検出手段、7はマイクロコンピュータなどを
用いた距離算出手段、10は距離から相対速度を算出す
る相対速度算出手段、9は相対速度算出手段を選択的に
作動させる選択手段である。すなわち選択手段9は距離
算出手段7の検出距離等に応じて或る条件の場合にのみ
相対速度算出手段10を作動させる。
態を示すブロック図である。まず、構成を説明すると、
図1において、3はレーダ装置であり、パルス信号送出
手段1と反射パルス信号受信手段2からなる。また、4
はパルス信号の送出タイミングを制御する制御手段、6
はサンプリング・加算手段、8はサンプリング・加算信
号のピーク検出手段、7はマイクロコンピュータなどを
用いた距離算出手段、10は距離から相対速度を算出す
る相対速度算出手段、9は相対速度算出手段を選択的に
作動させる選択手段である。すなわち選択手段9は距離
算出手段7の検出距離等に応じて或る条件の場合にのみ
相対速度算出手段10を作動させる。
【0027】図2は、図1に示した本レーダ装置を車間
距離警報装置に適用したシステムの構成を示すブロック
図である。図2の装置は、先行車との車間距離Rおよび
相対速度Vrを検出するレーダ装置11と、自車速Vfを
検出する車速センサ12と、レーダ装置11からの車間
距離R、相対速度Vrと車速センサ12からの自車速Vf
に応じて警報の発生判断を行い、警報信号を発生する情
報処理回路13と、その警報信号を受けて警報を発生さ
せる警報発生装置14とで構成されている。
距離警報装置に適用したシステムの構成を示すブロック
図である。図2の装置は、先行車との車間距離Rおよび
相対速度Vrを検出するレーダ装置11と、自車速Vfを
検出する車速センサ12と、レーダ装置11からの車間
距離R、相対速度Vrと車速センサ12からの自車速Vf
に応じて警報の発生判断を行い、警報信号を発生する情
報処理回路13と、その警報信号を受けて警報を発生さ
せる警報発生装置14とで構成されている。
【0028】次に作用を説明する。レーダ装置11で
は、前方の目標物体(先行車)までの距離Rと、先行車
の相対速度Vrとを検出し、車速センサ12によって自
車速Vfを検出する。これら3種類の信号値は、情報処
理回路13へ入力され、情報処理回路13では、相対速
度Vr、自車速Vfに応じて警報距離Rsを算出する。そ
の後、警報距離Rsと車間距離Rを比較することによ
り、先行車への接近程度を判断し、過剰接近と判断した
場合に警報を発するように警報信号を出力する。この警
報信号を受けて警報発生装置14では、警報を発生す
る。この警報の発生方法は、例えば、警報ランプ等によ
る視覚的な呈示、警報音の発生等の聴覚的な呈示を行な
う。
は、前方の目標物体(先行車)までの距離Rと、先行車
の相対速度Vrとを検出し、車速センサ12によって自
車速Vfを検出する。これら3種類の信号値は、情報処
理回路13へ入力され、情報処理回路13では、相対速
度Vr、自車速Vfに応じて警報距離Rsを算出する。そ
の後、警報距離Rsと車間距離Rを比較することによ
り、先行車への接近程度を判断し、過剰接近と判断した
場合に警報を発するように警報信号を出力する。この警
報信号を受けて警報発生装置14では、警報を発生す
る。この警報の発生方法は、例えば、警報ランプ等によ
る視覚的な呈示、警報音の発生等の聴覚的な呈示を行な
う。
【0029】次に、図3に示す処理フローに基づいてレ
ーダ装置11の詳細な作用を説明する。まず、ステップ
101において、車間距離Rを検出する。ここでの車間
距離Rの検出方法は、前記従来例に記載されている方法
と同様であり、図1の距離算出手段7において、サンプ
リング加算出力のピーク値とその前後を直線で結んで交
点を求め、これを反射波受信時刻として、測距用の波を
送出してから目標物体からの反射波を受信するまでの所
要時間Tを算出する。さらにこの所要時間Tから目標物
体までの距離Rを検出する。次にステップ102では今
回の検出距離があるか否かを判断し、今回の検出距離R
が無い場合には、今回の処理を終了するが、検出距離R
がある場合にはステップ103以降へと進む。
ーダ装置11の詳細な作用を説明する。まず、ステップ
101において、車間距離Rを検出する。ここでの車間
距離Rの検出方法は、前記従来例に記載されている方法
と同様であり、図1の距離算出手段7において、サンプ
リング加算出力のピーク値とその前後を直線で結んで交
点を求め、これを反射波受信時刻として、測距用の波を
送出してから目標物体からの反射波を受信するまでの所
要時間Tを算出する。さらにこの所要時間Tから目標物
体までの距離Rを検出する。次にステップ102では今
回の検出距離があるか否かを判断し、今回の検出距離R
が無い場合には、今回の処理を終了するが、検出距離R
がある場合にはステップ103以降へと進む。
【0030】ステップ103では、検出距離Rの値を判
断し、図1の選択手段9により、相対速度算出手段10
を作動させるべきかどうかを決める。つまり、レーダ装
置の最大検知距離をRmaxとすると、Rmax以下に設定し
た所定値Rlimitと、現在の検出距離Rを比較し、現在
の検出距離Rの方が所定値Rlimitよりも小さい場合に
は、ステップ104以降で相対速度算出手段10を作動
させ、そうでない場合には相対速度算出手段10を作動
させずに今回の処理を終了する。ここで、最大検知距離
Rmaxは、最も速いサンプリング点に対応している。最
後のサンプリング点の時刻が測距用の波の送出からT
max秒後であるとすれば、最大検知距離Rm axはRmax=
C×Tmax/2となる(但し、Cは測距波の速度、光の
場合は光速)。
断し、図1の選択手段9により、相対速度算出手段10
を作動させるべきかどうかを決める。つまり、レーダ装
置の最大検知距離をRmaxとすると、Rmax以下に設定し
た所定値Rlimitと、現在の検出距離Rを比較し、現在
の検出距離Rの方が所定値Rlimitよりも小さい場合に
は、ステップ104以降で相対速度算出手段10を作動
させ、そうでない場合には相対速度算出手段10を作動
させずに今回の処理を終了する。ここで、最大検知距離
Rmaxは、最も速いサンプリング点に対応している。最
後のサンプリング点の時刻が測距用の波の送出からT
max秒後であるとすれば、最大検知距離Rm axはRmax=
C×Tmax/2となる(但し、Cは測距波の速度、光の
場合は光速)。
【0031】レーダ装置本来の目的である、なるべく遠
方の目標物体まで検出できるようにするためには、所定
値Rlimitはなるべく大きい方がよいが、相対速度算出
精度を確保するためには、最大検知距離Rmaxと所定値
Rlimitとの差を或る程度確保する必要がある。例えば
最大検知距離Rmaxが120mの場合には、所定値Rlim
itを110m程度に定めればよい。
方の目標物体まで検出できるようにするためには、所定
値Rlimitはなるべく大きい方がよいが、相対速度算出
精度を確保するためには、最大検知距離Rmaxと所定値
Rlimitとの差を或る程度確保する必要がある。例えば
最大検知距離Rmaxが120mの場合には、所定値Rlim
itを110m程度に定めればよい。
【0032】ステップ104では、検出距離Rの時間変
化を求めることにより、相対速度Vr0を算出する。この
算出方法としては、安定性や精度の高い最小二乗法など
を用いる。但し、算出のためには、現在の検出距離以外
に、例えば過去3つのデータが必要となり、過去の検出
距離データが揃っていない場合には、相対速度の算出が
できない。また、過去の検出距離データが揃っている場
合でも、前回の距離データに対して今回の検出距離デー
タが著しく変化している場合(例えば、100msecの計
測周期dtの間に10m以上変化している場合)には、
前回とは別の目標物体を検出し始めた可能性が高いの
で、今まで記録されている過去3回の距離データをリセ
ットし、今回から新たにメモリする様にする。このよう
に、相対速度Vr0を算出できない場合には、ステップ1
05で今回の処理は終了し、始めへ戻る。
化を求めることにより、相対速度Vr0を算出する。この
算出方法としては、安定性や精度の高い最小二乗法など
を用いる。但し、算出のためには、現在の検出距離以外
に、例えば過去3つのデータが必要となり、過去の検出
距離データが揃っていない場合には、相対速度の算出が
できない。また、過去の検出距離データが揃っている場
合でも、前回の距離データに対して今回の検出距離デー
タが著しく変化している場合(例えば、100msecの計
測周期dtの間に10m以上変化している場合)には、
前回とは別の目標物体を検出し始めた可能性が高いの
で、今まで記録されている過去3回の距離データをリセ
ットし、今回から新たにメモリする様にする。このよう
に、相対速度Vr0を算出できない場合には、ステップ1
05で今回の処理は終了し、始めへ戻る。
【0033】上記の相対速度Vrの算出式としては、例
えば最小二乗法を用いた下記(数1)式を用いることが
出来る。
えば最小二乗法を用いた下記(数1)式を用いることが
出来る。
【0034】
【数1】
【0035】ただし、R0:現在の検出距離Rの値 R1〜R3:過去1〜3周期前の検出距離Rの値 dt:計測周期 相対速度Vr0が算出できた場合には、ステップ106へ
と進み、相対速度Vr0の算出値に対して、下記(数2)
式のようなローパスフィルタを施し、補正後の相対速度
Vr0Lを得る。
と進み、相対速度Vr0の算出値に対して、下記(数2)
式のようなローパスフィルタを施し、補正後の相対速度
Vr0Lを得る。
【0036】
【数2】
【0037】ただし、Vr0〜Vr2:ローパスフィルタを
施さない現在および過去2周期分の相対速度 Vr1L〜Vr2L:ローパスフィルタを施した後の過去2周
期分の相対速度 A1、A2、B0〜B2:ローパスフィルタの設定によって
決まる定数 上記の各定数A1、A2、B0〜B2の値は、例えば計測周
期dtが0.1秒で、ローパスフィルタの遮断周波数
(カットオフ周波数)fcを1.5Hzに設定する場合に
は、下記(数3)式に示す様になる。 A1=−0.823865 A2= 0.294220 B0= 0.117589 …(数3) B1= 0.235177 B2= 0.117589 また、このローパスフィルタは、上記(数2)式で分か
るように、過去2周期分のローパスフィルタを施した後
の相対速度の値が必要となるため、(数2)式を用いる
のは検出し始めから3周期目以降となる。検出し始めか
ら2周期の間で過去の相対速度データがない場合には、
ローパスフィルタを施す前の値をそのまま使用すればよ
い。その後、ステップ107で情報処理回路13に対し
て、検出距離Rおよび補正後の相対速度Vr0Lを出力
し、今回の処理を終了する。情報処理回路13では、警
報を発生させるかどうかの警報判断を行うが、この詳細
について、以下に説明する。
施さない現在および過去2周期分の相対速度 Vr1L〜Vr2L:ローパスフィルタを施した後の過去2周
期分の相対速度 A1、A2、B0〜B2:ローパスフィルタの設定によって
決まる定数 上記の各定数A1、A2、B0〜B2の値は、例えば計測周
期dtが0.1秒で、ローパスフィルタの遮断周波数
(カットオフ周波数)fcを1.5Hzに設定する場合に
は、下記(数3)式に示す様になる。 A1=−0.823865 A2= 0.294220 B0= 0.117589 …(数3) B1= 0.235177 B2= 0.117589 また、このローパスフィルタは、上記(数2)式で分か
るように、過去2周期分のローパスフィルタを施した後
の相対速度の値が必要となるため、(数2)式を用いる
のは検出し始めから3周期目以降となる。検出し始めか
ら2周期の間で過去の相対速度データがない場合には、
ローパスフィルタを施す前の値をそのまま使用すればよ
い。その後、ステップ107で情報処理回路13に対し
て、検出距離Rおよび補正後の相対速度Vr0Lを出力
し、今回の処理を終了する。情報処理回路13では、警
報を発生させるかどうかの警報判断を行うが、この詳細
について、以下に説明する。
【0038】図4は、警報判断の処理を示すフローチャ
ートである。まず、ステップ121で、レーダ装置11
によって検出された検出距離Rと相対速度Vr0L、車速
センサ12によって検出された自車速Vfといった各デ
ータを読み込む。次にステップ122で警報距離を算出
する。警報距離は1次警報用の警報距離Rs1と、2次警
報用の警報距離Rs2をそれぞれ算出する。なお、1次警
報用の警報距離Rs1とは、多少余裕を持った警報距離で
あり、2次警報用の警報距離Rs2とは、緊急警報用の警
報距離である。これらの警報距離は、例えば、下記(数
4)式、(数5)式に基づいて計算される。 (1次警報距離)
ートである。まず、ステップ121で、レーダ装置11
によって検出された検出距離Rと相対速度Vr0L、車速
センサ12によって検出された自車速Vfといった各デ
ータを読み込む。次にステップ122で警報距離を算出
する。警報距離は1次警報用の警報距離Rs1と、2次警
報用の警報距離Rs2をそれぞれ算出する。なお、1次警
報用の警報距離Rs1とは、多少余裕を持った警報距離で
あり、2次警報用の警報距離Rs2とは、緊急警報用の警
報距離である。これらの警報距離は、例えば、下記(数
4)式、(数5)式に基づいて計算される。 (1次警報距離)
【0039】
【数4】
【0040】(2次警報距離)
【0041】
【数5】
【0042】ただし、 Va:先行車の速度 α1、α2:減速度 Td1、Td2:空走時間 Tx1、Tx2:余裕時間 なお、上記の先行車の速度Vaは、ステップ121で読
み込んだ相対速度Vr0Lと自車速Vfから下記(数
6)式で求められる。 Va=Vr0L+Vf …(数6) ただし、(数6)式において、相対速度Vr0Lの値は、
車間距離拡大時は正の値、車間距離減少時は負の値とす
る。また、上記空走時間とは、一般的な運転者が過剰接
近と判断してから実際に減速または制動が作動するまで
の時間であり、統計的に求められた値を用いる。
み込んだ相対速度Vr0Lと自車速Vfから下記(数
6)式で求められる。 Va=Vr0L+Vf …(数6) ただし、(数6)式において、相対速度Vr0Lの値は、
車間距離拡大時は正の値、車間距離減少時は負の値とす
る。また、上記空走時間とは、一般的な運転者が過剰接
近と判断してから実際に減速または制動が作動するまで
の時間であり、統計的に求められた値を用いる。
【0043】次に、ステップ123では車間距離Rと1
次警報距離Rs1を比較し、下記(数7)式で過剰接近の
程度を判別する。 R≦Rs1 …(数7) 上記(数7)式が成立する場合には1次警報距離以下で
あるということになり、ステップ124以降で1次警報
もしくは2次警報を発生させる。(数7)式が成立しな
い場合には警報は発生させず、次の処理へと戻る。
次警報距離Rs1を比較し、下記(数7)式で過剰接近の
程度を判別する。 R≦Rs1 …(数7) 上記(数7)式が成立する場合には1次警報距離以下で
あるということになり、ステップ124以降で1次警報
もしくは2次警報を発生させる。(数7)式が成立しな
い場合には警報は発生させず、次の処理へと戻る。
【0044】ステップ124では、さらに2次警報距離
Rs2と車間距離Rを比較し、下記(数8)式で緊急警報
の必要性を判別する。 R≦Rs2 …(数8) 上記(数8)式が成立する場合には、車間距離Rが2次
警報距離Rs2以下であるということになり、ステップ1
25へと進み緊急用の2次警報を発生させる。2次警報
距離Rs2よりも車間距離Rが大きい場合には、ステップ
127へと進み、1次警報を発生させる。
Rs2と車間距離Rを比較し、下記(数8)式で緊急警報
の必要性を判別する。 R≦Rs2 …(数8) 上記(数8)式が成立する場合には、車間距離Rが2次
警報距離Rs2以下であるということになり、ステップ1
25へと進み緊急用の2次警報を発生させる。2次警報
距離Rs2よりも車間距離Rが大きい場合には、ステップ
127へと進み、1次警報を発生させる。
【0045】1次警報と2次警報は、例えば次のごとき
警報である。まず、1次警報では、ステップ127で現
在の時刻Tnと警報発生時点TF1から、警報時間Δtが
経過したかどうかを判断して、警報時間Δt以内であれ
ば、ステップ128で1次警報用の警報音を発生し、ス
テップ129で1次警報用の警報ランプを点灯するよう
に警報発生装置14へ指令信号を出力する。警報時間Δ
tを越えていれば、ステップ130で1次警報用の警報
音は停止され、警報ランプのみ点灯されることになる。
すなわち、1次警報は、1次警報に該当する状態が継続
していても警報音は所定時間後に停止させ、警報ランプ
のみを点灯させ続けるものである。
警報である。まず、1次警報では、ステップ127で現
在の時刻Tnと警報発生時点TF1から、警報時間Δtが
経過したかどうかを判断して、警報時間Δt以内であれ
ば、ステップ128で1次警報用の警報音を発生し、ス
テップ129で1次警報用の警報ランプを点灯するよう
に警報発生装置14へ指令信号を出力する。警報時間Δ
tを越えていれば、ステップ130で1次警報用の警報
音は停止され、警報ランプのみ点灯されることになる。
すなわち、1次警報は、1次警報に該当する状態が継続
していても警報音は所定時間後に停止させ、警報ランプ
のみを点灯させ続けるものである。
【0046】また、ステップ125では、2次警報用の
警報音を発生し、ステップ126で2次警報用の警報ラ
ンプを点灯するように警報発生装置14へ指令信号を出
力する。すなわち、2次警報においては、2次警報に該
当する状態が継続しているあいだ警報音と警報ランプと
を作動させ続けるものである。1次警報、2次警報とも
に警報発生後は、始めへと戻り、次回の処理を繰り返
す。
警報音を発生し、ステップ126で2次警報用の警報ラ
ンプを点灯するように警報発生装置14へ指令信号を出
力する。すなわち、2次警報においては、2次警報に該
当する状態が継続しているあいだ警報音と警報ランプと
を作動させ続けるものである。1次警報、2次警報とも
に警報発生後は、始めへと戻り、次回の処理を繰り返
す。
【0047】以上のような処理とすることにより、例え
ば、最大検知距離Rmax=120mに対して所定値R
limit=110mに設定した場合において、算出される
相対速度、警報距離の変化、および警報発令の状況は、
図5に示したようになる。図5において、まず、目標物
体までの真の距離が所定値Rlimit=110mよりも大
きい場合には、相対速度算出手段が作動されないため、
相対速度の値が算出されない。従来の場合には、最大検
知距離Rmax=120m以上の場合で、相対速度がゼロ
という誤った値を示していた。
ば、最大検知距離Rmax=120mに対して所定値R
limit=110mに設定した場合において、算出される
相対速度、警報距離の変化、および警報発令の状況は、
図5に示したようになる。図5において、まず、目標物
体までの真の距離が所定値Rlimit=110mよりも大
きい場合には、相対速度算出手段が作動されないため、
相対速度の値が算出されない。従来の場合には、最大検
知距離Rmax=120m以上の場合で、相対速度がゼロ
という誤った値を示していた。
【0048】次に、所定値Rlimit未満となった時点か
ら、相対速度の算出を開始する。そこで算出される相対
速度は真の値(例えば100km/h)と同じ値を示す
ため、ローパスフィルタを施した後もほぼ同じ値(10
0km/h)となる。従来は始めの相対速度がゼロであ
ったため、ローパスフィルタ後の相対速度は遅れを持っ
て立ち上がり、真の値(100km/h)になるまでに
は時間を要していた。従って、警報距離の立ち上がりも
遅れ、警報発令も遅れていたが、本実施の形態によれ
ば、警報距離は相対速度を算出し始めた以降は真の値と
ほぼ同じ値を示し、その後も一定であるため、警報発令
も適切なタイミングで行うことが出来る。
ら、相対速度の算出を開始する。そこで算出される相対
速度は真の値(例えば100km/h)と同じ値を示す
ため、ローパスフィルタを施した後もほぼ同じ値(10
0km/h)となる。従来は始めの相対速度がゼロであ
ったため、ローパスフィルタ後の相対速度は遅れを持っ
て立ち上がり、真の値(100km/h)になるまでに
は時間を要していた。従って、警報距離の立ち上がりも
遅れ、警報発令も遅れていたが、本実施の形態によれ
ば、警報距離は相対速度を算出し始めた以降は真の値と
ほぼ同じ値を示し、その後も一定であるため、警報発令
も適切なタイミングで行うことが出来る。
【0049】また、本実施の形態では、相対速度算出手
段10を選択的に作動させるための所定値Rlimitにつ
いて、一定の値を用いるものとして説明したが、自車両
の走行状況を検出する手段を設け、その状況に応じて所
定値Rlimitを変更することにより、装置の目的により
合致した作用を得ることが出来る。例えば、自車両の走
行状況として、走行速度を検出する構成とした場合に
は、Rlimitの値を走行車速が高いほど大きく、走行速
度が低いほど小さくなるように設定することにより、車
間距離警報の警報距離が長くなる高速走行時に、最大検
知距離とあまり変わらない遠い距離から警報することが
できると共に、警報距離が短い低速走行時には、誤った
相対速度出力が発生する確率を小さくすることが出来
る。
段10を選択的に作動させるための所定値Rlimitにつ
いて、一定の値を用いるものとして説明したが、自車両
の走行状況を検出する手段を設け、その状況に応じて所
定値Rlimitを変更することにより、装置の目的により
合致した作用を得ることが出来る。例えば、自車両の走
行状況として、走行速度を検出する構成とした場合に
は、Rlimitの値を走行車速が高いほど大きく、走行速
度が低いほど小さくなるように設定することにより、車
間距離警報の警報距離が長くなる高速走行時に、最大検
知距離とあまり変わらない遠い距離から警報することが
できると共に、警報距離が短い低速走行時には、誤った
相対速度出力が発生する確率を小さくすることが出来
る。
【0050】次に、第2の実施の形態について説明す
る。この実施の形態は、第1の実施の形態に対し、選択
手段9の作用が異なるものである。すなわち、第1の実
施の形態が検出距離Rの値に応じて相対速度算出手段1
0を選択的に作動させるものであったのに対し、本実施
の形態では、サンプリング・加算された結果に基づいて
相対速度算出手段10を選択的に作動させるものであ
る。
る。この実施の形態は、第1の実施の形態に対し、選択
手段9の作用が異なるものである。すなわち、第1の実
施の形態が検出距離Rの値に応じて相対速度算出手段1
0を選択的に作動させるものであったのに対し、本実施
の形態では、サンプリング・加算された結果に基づいて
相対速度算出手段10を選択的に作動させるものであ
る。
【0051】図6は、第2の実施の形態の構成を示すブ
ロック図である。構成は、図1に示した第1の実施の形
態とほぼ同一であるが、相対速度算出手段10を選択的
に作動させる選択手段9は、サンプリング・加算手段6
におけるサンプリング加算出力に基づいて行う点が異な
っている。
ロック図である。構成は、図1に示した第1の実施の形
態とほぼ同一であるが、相対速度算出手段10を選択的
に作動させる選択手段9は、サンプリング・加算手段6
におけるサンプリング加算出力に基づいて行う点が異な
っている。
【0052】次に、作用について説明する。まず、図7
と図8に基づいてサンプリング・加算出力と距離計測精
度との関係について説明する。図7は、最大検知距離よ
りも遠方から目標物体が接近してきた場面での、サンプ
リング・加算出力の変化を示した図であり、サンプリン
グ・加算出力に飽和を生じていない場合を示す。図7に
おいては、(1)から(4)の順に目標物体までの距離
が近くなっている。ここで、レーダ装置の最も遅いサン
プリング点は、目標物体までの距離で120mに相当し
ており、10m毎にサンプリング点が配置されている。
また、(1)〜(4)において、数字、は、それぞ
れ、サンプリング・加算出力の第1、第2ピークを示し
ており、これらの2つの出力の両側の出力を直線で結
び、その交点の位置から目標物体までの距離を算出す
る。
と図8に基づいてサンプリング・加算出力と距離計測精
度との関係について説明する。図7は、最大検知距離よ
りも遠方から目標物体が接近してきた場面での、サンプ
リング・加算出力の変化を示した図であり、サンプリン
グ・加算出力に飽和を生じていない場合を示す。図7に
おいては、(1)から(4)の順に目標物体までの距離
が近くなっている。ここで、レーダ装置の最も遅いサン
プリング点は、目標物体までの距離で120mに相当し
ており、10m毎にサンプリング点が配置されている。
また、(1)〜(4)において、数字、は、それぞ
れ、サンプリング・加算出力の第1、第2ピークを示し
ており、これらの2つの出力の両側の出力を直線で結
び、その交点の位置から目標物体までの距離を算出す
る。
【0053】(1)、(2)の場合のように、最も遅い
サンプリング点での出力値が、第1もしくは第2ピーク
となっている場合には、最も遅いサンプリング点より遠
い点のサンプリング・加算値出力が無いため、直接的に
は直線を結ぶことが出来ず、距離算出が出来ない。しか
し、直接的に直線を結ぶのではなく、例えば、ピークの
逆側の傾き〔(1)では側の傾き〕に基づいて、最も
遠いサンプリング点での傾きを推定することによって破
線で示すような直線を引くことは可能であるので、距離
を検出することは可能である。ただし、この場合には
(3)、(4)の場面と比べて検出される距離の精度は
悪くなる。
サンプリング点での出力値が、第1もしくは第2ピーク
となっている場合には、最も遅いサンプリング点より遠
い点のサンプリング・加算値出力が無いため、直接的に
は直線を結ぶことが出来ず、距離算出が出来ない。しか
し、直接的に直線を結ぶのではなく、例えば、ピークの
逆側の傾き〔(1)では側の傾き〕に基づいて、最も
遠いサンプリング点での傾きを推定することによって破
線で示すような直線を引くことは可能であるので、距離
を検出することは可能である。ただし、この場合には
(3)、(4)の場面と比べて検出される距離の精度は
悪くなる。
【0054】上記のような場合には、第1の実施の形態
のように、最大検知距離よりも小さな所定値R
limit(例えば110m)を設定し、その所定値Rlimit
と検出距離との大小関係に応じて選択的に相対速度算出
手段10を作動させれば、正しい相対速度出力を得るこ
とが出来る。
のように、最大検知距離よりも小さな所定値R
limit(例えば110m)を設定し、その所定値Rlimit
と検出距離との大小関係に応じて選択的に相対速度算出
手段10を作動させれば、正しい相対速度出力を得るこ
とが出来る。
【0055】一方、図8には、目標物体の反射レベルが
高いことにより、サンプリング・加算出力に飽和を生じ
ている場面を示す。(1)、(2)は飽和が1つ生じて
いる場合、(3)、(4)は飽和が2つ生じている場合
を、それぞれ示す。飽和が1つの場合、(1)のように
最も遠いサンプリング点が、第1もしくは第2ピークに
なっている場合には、検出距離の誤差が大きい。(2)
のようになって、第1、第2ピークでなくなると検出距
離精度が良くなるので、この場合、所定値Rlimitは、
110mよりも小さい値(例えば、105m)に設定す
る必要がある。
高いことにより、サンプリング・加算出力に飽和を生じ
ている場面を示す。(1)、(2)は飽和が1つ生じて
いる場合、(3)、(4)は飽和が2つ生じている場合
を、それぞれ示す。飽和が1つの場合、(1)のように
最も遠いサンプリング点が、第1もしくは第2ピークに
なっている場合には、検出距離の誤差が大きい。(2)
のようになって、第1、第2ピークでなくなると検出距
離精度が良くなるので、この場合、所定値Rlimitは、
110mよりも小さい値(例えば、105m)に設定す
る必要がある。
【0056】同様に、飽和が2つの場合、(3)のよう
に最も遠いサンプリング点が、第1もしくは第2ピーク
になっている場合には、検出距離の誤差が大きく、
(4)のようになって、第1、第2ピークでなくなると
検出距離精度が良くなるので、この場合、所定値R
limitは、飽和が1つの場合よりもさらに小さい値(例
えば、100m)に設定する必要がある。
に最も遠いサンプリング点が、第1もしくは第2ピーク
になっている場合には、検出距離の誤差が大きく、
(4)のようになって、第1、第2ピークでなくなると
検出距離精度が良くなるので、この場合、所定値R
limitは、飽和が1つの場合よりもさらに小さい値(例
えば、100m)に設定する必要がある。
【0057】上記のように、サンプリング・加算出力に
おける飽和の状態に応じて所定値Rlimitを変えること
により、検出精度を向上させることが出来る。本実施の
形態は上記のごとき処理を行なうものである。
おける飽和の状態に応じて所定値Rlimitを変えること
により、検出精度を向上させることが出来る。本実施の
形態は上記のごとき処理を行なうものである。
【0058】以下、図9に示す処理フローに基づいて詳
細な作用を説明する。図9において、まず、ステップ2
01において、車間距離Rを検出する。そしてステップ
202では、今回の検出距離Rの有無を判別し、今回の
検出距離Rが無い場合には、今回の処理は終了するが、
検出距離Rがある場合にはステップ203以降へと進
む。
細な作用を説明する。図9において、まず、ステップ2
01において、車間距離Rを検出する。そしてステップ
202では、今回の検出距離Rの有無を判別し、今回の
検出距離Rが無い場合には、今回の処理は終了するが、
検出距離Rがある場合にはステップ203以降へと進
む。
【0059】ステップ203では、サンプリング・加算
出力の状態に応じて所定値Rlimitを決める。具体的に
は、前述したように、サンプリング・加算出力の飽和が
生じているかどうかを検出し、飽和が生じていない場合
には、通常通りの所定値110mとし、飽和が生じてい
る場合、その飽和が生じているサンプリング点の個数に
応じて、飽和点が多いほど所定値Rlimitを小さくする
ように設定する。例えば、飽和点が1つの場合105m
に、2つの場合100mにそれぞれ設定すればよい。
出力の状態に応じて所定値Rlimitを決める。具体的に
は、前述したように、サンプリング・加算出力の飽和が
生じているかどうかを検出し、飽和が生じていない場合
には、通常通りの所定値110mとし、飽和が生じてい
る場合、その飽和が生じているサンプリング点の個数に
応じて、飽和点が多いほど所定値Rlimitを小さくする
ように設定する。例えば、飽和点が1つの場合105m
に、2つの場合100mにそれぞれ設定すればよい。
【0060】ステップ204以降の処理内容は、前記図
3におけるステップ103以降の処理と同様であるた
め、省略する。また、相対速度算出後、警報出力までの
処理内容は、前記図4で説明した、第1の実施の形態と
同様であるので、説明は省略する。
3におけるステップ103以降の処理と同様であるた
め、省略する。また、相対速度算出後、警報出力までの
処理内容は、前記図4で説明した、第1の実施の形態と
同様であるので、説明は省略する。
【0061】以上のような処理とすることにより、相対
速度算出手段10を選択的に作動させるための所定値R
limitを、サンプリング・加算出力の状態に応じて適切
な値に変更することにより、例えば、目標物体の反射レ
ベルが異なり、非常に高くなったことによってサンプリ
ング・加算出力に飽和が生じた場合でも、正しい相対速
度のみを算出し、適切なタイミングで警報発令を行うこ
とが出来る。
速度算出手段10を選択的に作動させるための所定値R
limitを、サンプリング・加算出力の状態に応じて適切
な値に変更することにより、例えば、目標物体の反射レ
ベルが異なり、非常に高くなったことによってサンプリ
ング・加算出力に飽和が生じた場合でも、正しい相対速
度のみを算出し、適切なタイミングで警報発令を行うこ
とが出来る。
【0062】また、本実施の形態では、サンプリング・
加算出力の状態に基づいて、相対速度算出手段10を選
択的に作動させるための所定値Rlimitを変更する構成
としたが、例えば、相対速度算出手段10を作動させる
かどうかの判断を、サンプリング・加算出力の結果から
直接的に行う構成としても、同様の効果が得られる。例
えば、最も遅いサンプリング点のサンプリング・加算出
力が、第1、第2ピークではなくなったこと、すなわ
ち、図7において(2)の状況から(3)の状況に変化
したことを検出して、相対速度算出手段10を作動させ
るように構成すればよい。
加算出力の状態に基づいて、相対速度算出手段10を選
択的に作動させるための所定値Rlimitを変更する構成
としたが、例えば、相対速度算出手段10を作動させる
かどうかの判断を、サンプリング・加算出力の結果から
直接的に行う構成としても、同様の効果が得られる。例
えば、最も遅いサンプリング点のサンプリング・加算出
力が、第1、第2ピークではなくなったこと、すなわ
ち、図7において(2)の状況から(3)の状況に変化
したことを検出して、相対速度算出手段10を作動させ
るように構成すればよい。
【図1】本発明の第1の実施の形態の構成を示すブロッ
ク図。
ク図。
【図2】本発明を車間距離警報装置に適用した場合の構
成を示すブロック図。
成を示すブロック図。
【図3】第1の実施の形態における距離算出処理を示す
フローチャート。
フローチャート。
【図4】第1の実施の形態における警報処理を示すフロ
ーチャート。
ーチャート。
【図5】第1の実施の形態における計測と警報状態を示
す動作図。
す動作図。
【図6】本発明の第2の実施の形態の構成を示すブロッ
ク図。
ク図。
【図7】サンプリング・加算出力に飽和を生じていない
場合におけるサンプリング・加算出力の変化の一例を示
す図。
場合におけるサンプリング・加算出力の変化の一例を示
す図。
【図8】サンプリング・加算出力に飽和を生じている場
合におけるサンプリング・加算出力の変化の一例を示す
図。
合におけるサンプリング・加算出力の変化の一例を示す
図。
【図9】第2の実施の形態における距離算出処理を示す
フローチャート。
フローチャート。
【図10】従来例における計測と警報状態の一例を示す
動作図。
動作図。
【図11】従来例における検出距離精度の一例を示す特
性図。
性図。
【図12】従来例における相対速度の誤差振幅と真の相
対速度との関係の一例を示す特性図。
対速度との関係の一例を示す特性図。
【図13】ローパスフィルタのカットオフ周波数を0.
4Hzに設定した場合の相対速度誤差振幅の減衰効果を
示す特性図。
4Hzに設定した場合の相対速度誤差振幅の減衰効果を
示す特性図。
【図14】所定速度で停止車両へ接近している場合に、
0.4Hzのカットオフ周波数を持つローパスフィルタ
を施して相対速度を算出した場合の出力結果を示す特性
図。
0.4Hzのカットオフ周波数を持つローパスフィルタ
を施して相対速度を算出した場合の出力結果を示す特性
図。
1…パルス信号送出手段 2…反射パル
ス信号受信手段 3…レーダ装置 4…パルス信号の送出タイミングを制御する制御手段 6…サンプリング・加算手段 7…距離算出
手段 8…サンプリング・加算信号のピーク検出手段 9…選択手段 10…相対速度
算出手段 11…レーダ装置 12…車速セ
ンサ 13…情報処理回路 14…警報発
生装置
ス信号受信手段 3…レーダ装置 4…パルス信号の送出タイミングを制御する制御手段 6…サンプリング・加算手段 7…距離算出
手段 8…サンプリング・加算信号のピーク検出手段 9…選択手段 10…相対速度
算出手段 11…レーダ装置 12…車速セ
ンサ 13…情報処理回路 14…警報発
生装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G08G 1/16 G08G 1/16 E
Claims (5)
- 【請求項1】電磁波、光または音波のパルスを送出し、
その送出した電磁波、光または音波の目標物体による反
射波をサンプリング・加算し、そのサンプリング・加算
した出力を時系列的に配列して、サンプリング点と、そ
の前後または他のサンプリング点とを結ぶ直線の交点を
求め、この交点に対応する時刻を距離算出に用いる車両
用レーダ装置において、 連続して検出される距離から相対速度を算出する相対速
度算出手段と、 目標物体との距離がレーダの最大検知距離以下の値に設
定した所定距離以下の範囲にあるとき前記相対速度算出
手段を作動させる選択手段と、 を備えたことを特徴とする車両用レーダ装置。 - 【請求項2】前記選択手段の所定距離を可変にする手段
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の車両用レー
ダ装置。 - 【請求項3】前記所定距離を可変にする手段は、自車両
の走行状態に応じて前記所定距離を変化させることを特
徴とする請求項2に記載の車両用レーダ装置。 - 【請求項4】前記所定距離を可変にする手段は、サンプ
リング・加算した出力の状態の変化に応じて前記所定距
離を変化させることを特徴とする請求項2に記載の車両
用レーダ装置。 - 【請求項5】電磁波、光または音波のパルスを送出し、
その送出した電磁波、光または音波の目標物体による反
射波をサンプリング・加算し、そのサンプリング・加算
した出力を時系列的に配列して、サンプリング点と、そ
の前後または他のサンプリング点とを結ぶ直線の交点を
求め、この交点に対応する時刻を距離算出に用いる車両
用レーダ装置において、 連続して検出される距離から相対速度を算出する相対速
度算出手段と、 サンプリング・加算した出力の状態の変化に応じて前記
相対速度算出手段を選択的に作動させる選択手段と、 を備えたことを特徴とする車両用レーダ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8060780A JPH09257927A (ja) | 1996-03-18 | 1996-03-18 | 車両用レーダ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8060780A JPH09257927A (ja) | 1996-03-18 | 1996-03-18 | 車両用レーダ装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09257927A true JPH09257927A (ja) | 1997-10-03 |
Family
ID=13152157
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8060780A Pending JPH09257927A (ja) | 1996-03-18 | 1996-03-18 | 車両用レーダ装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09257927A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006098099A (ja) * | 2004-09-28 | 2006-04-13 | Secom Co Ltd | 移動体検知装置 |
JP2007022498A (ja) * | 2005-07-21 | 2007-02-01 | Nissan Motor Co Ltd | 車両用運転操作補助装置および車両用運転操作補助装置を備えた車両 |
WO2017110417A1 (ja) * | 2015-12-21 | 2017-06-29 | 株式会社小糸製作所 | 車両用画像取得装置、制御装置、車両用画像取得装置または制御装置を備えた車両および車両用画像取得方法 |
US11187805B2 (en) | 2015-12-21 | 2021-11-30 | Koito Manufacturing Co., Ltd. | Image acquiring apparatus for vehicle, control device, vehicle having image acquiring apparatus for vehicle or control device, and image acquiring method for vehicle |
US11204425B2 (en) | 2015-12-21 | 2021-12-21 | Koito Manufacturing Co., Ltd. | Image acquisition device for vehicles and vehicle provided with same |
US11249172B2 (en) | 2015-12-21 | 2022-02-15 | Koito Manufacturing Co., Ltd. | Image acquiring apparatus for vehicle, control device, vehicle having image acquiring apparatus for vehicle or control device, and image acquiring method for vehicle |
-
1996
- 1996-03-18 JP JP8060780A patent/JPH09257927A/ja active Pending
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006098099A (ja) * | 2004-09-28 | 2006-04-13 | Secom Co Ltd | 移動体検知装置 |
JP4485892B2 (ja) * | 2004-09-28 | 2010-06-23 | セコム株式会社 | 移動体検知装置 |
JP2007022498A (ja) * | 2005-07-21 | 2007-02-01 | Nissan Motor Co Ltd | 車両用運転操作補助装置および車両用運転操作補助装置を備えた車両 |
WO2017110417A1 (ja) * | 2015-12-21 | 2017-06-29 | 株式会社小糸製作所 | 車両用画像取得装置、制御装置、車両用画像取得装置または制御装置を備えた車両および車両用画像取得方法 |
JPWO2017110417A1 (ja) * | 2015-12-21 | 2018-10-04 | 株式会社小糸製作所 | 車両用画像取得装置、制御装置、車両用画像取得装置または制御装置を備えた車両および車両用画像取得方法 |
US11187805B2 (en) | 2015-12-21 | 2021-11-30 | Koito Manufacturing Co., Ltd. | Image acquiring apparatus for vehicle, control device, vehicle having image acquiring apparatus for vehicle or control device, and image acquiring method for vehicle |
US11194023B2 (en) | 2015-12-21 | 2021-12-07 | Koito Manufacturing Co., Ltd. | Image acquiring apparatus for vehicle, control device, vehicle having image acquiring apparatus for vehicle or control device, and image acquiring method for vehicle |
US11204425B2 (en) | 2015-12-21 | 2021-12-21 | Koito Manufacturing Co., Ltd. | Image acquisition device for vehicles and vehicle provided with same |
US11249172B2 (en) | 2015-12-21 | 2022-02-15 | Koito Manufacturing Co., Ltd. | Image acquiring apparatus for vehicle, control device, vehicle having image acquiring apparatus for vehicle or control device, and image acquiring method for vehicle |
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