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JPH09257058A - 多板摩擦係合装置 - Google Patents

多板摩擦係合装置

Info

Publication number
JPH09257058A
JPH09257058A JP8068665A JP6866596A JPH09257058A JP H09257058 A JPH09257058 A JP H09257058A JP 8068665 A JP8068665 A JP 8068665A JP 6866596 A JP6866596 A JP 6866596A JP H09257058 A JPH09257058 A JP H09257058A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
plate
plates
drive
driven
clutch
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8068665A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazutaka Amakata
一貴 天方
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Subaru Corp
Original Assignee
Fuji Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Heavy Industries Ltd filed Critical Fuji Heavy Industries Ltd
Priority to JP8068665A priority Critical patent/JPH09257058A/ja
Publication of JPH09257058A publication Critical patent/JPH09257058A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Mechanical Operated Clutches (AREA)
  • Hydraulic Clutches, Magnetic Clutches, Fluid Clutches, And Fluid Joints (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 プレート間クリアランス及びプレート姿勢等
を適正化して、変速ショックを低減すること。 【解決手段】 ドライブプレート3a,3b,…は、周
方向に複数のうねりを有する波形状に形成され、これに
より、ばね性が付与されて、また、各ドライブプレート
3a,3b,…の両面にはフェーシング材4が張設され
ている。そして、これら各ドライブプレート3a,3
b,…のセット荷重を、ピストン173に近い方から順
に、小さくなるように設定することにより、クラッチ締
結時には、クラッチの伝達トルクが徐々に立ち上がって
くるため、変速ショックを防止することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば自動変速機
等に用いられる摩擦係合装置に関し、特に交互に配設さ
れた複数枚のドライブプレート及びドリブンプレートの
摩擦係合力を利用する多板摩擦係合装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来技術による自動変速機では、例えば
油圧多板クラッチ、フォワードクラッチ、リバースクラ
ッチ、ハイクラッチ、ローアンドリーバスブレーキ等の
複数のドライブプレート及びドリブンプレートを交互に
配設してなる種々の多板摩擦係合装置を利用して変速を
行っている。
【0003】そこで、図10〜図12によって従来の多
板摩擦係合装置を説明する。
【0004】図10は特開平3−135841号公報に
開示される縦置きトランスアクスル型の駆動系を示し、
この駆動系はトルクコンバータケース100、ディファ
レンシャルケース102の後部にトランスミッションケ
ース104を接合している。また、トランスミッション
ケース104の後部にはトランスファーケース106が
接合されており、トランスミッションケース104の下
部にはオイルパン108が取り付けられている。
【0005】トルクコンバータケース100内に設けら
れたトルクコンバータ110は、ロックアップクラッチ
112を備えており、エンジンのクランク軸(図示せ
ず)に連結されている。そして、このトルクコンバータ
110からの回転力は、入力軸114を介してトランス
ミッションケース104内の自動変速機116に伝達さ
れる。この自動変速機116からの出力軸118は、入
力軸114と同軸上に回転力を出力するもので、この出
力軸118はトランスファーケース106内のセンター
ディファレンシャル装置120に同軸上に連結されてい
る。
【0006】また、トランスミッションケース104の
内部では、フロントドライブ軸122が入力軸114及
び出力軸118に対して平行に配置されている。このフ
ロントドライブ軸122の後端は一対のリダクションギ
ヤ124,126を介してセンターディファレンシャル
装置120に連結されており、フロントドライブ軸12
2の前端はディファレンシャルケース102内のフロン
トディファレンシャル装置128を介して前輪に連結さ
れている。一方、センターディファレンシャル装置12
0からはリヤドライブ軸130に回転力が出力され、こ
のリヤドライブ軸130はプロペラ軸及びリヤディファ
レンシャル装置等を介して後輪に連結されている。
【0007】上記自動変速機116は、フロントプラネ
タリギヤ132,リヤプラネタリギヤ134を有してい
る。これらフロントプラネタリギヤ132,リヤプラネ
タリギヤ134に対して、ハイクラッチ136、リバー
スクラッチ138、ブレーキバンド140、フォワード
クラッチ142、オーバランニングクラッチ144、ロ
ーアンドリバースブレーキ146、各ワンウエイクラッ
チ148,150が設けられている。そして、これらの
各摩擦係合装置を選択的に係合することにより、前進4
段後進1段の変速段を得るようになっている。
【0008】また、自動変速機116の前方には、オイ
ルポンプ152がトルクコンバータ110のインペラス
リーブ110a及びドライブ軸154を連結して常に駆
動するように設けられている。一方、電子油圧制御装置
156は、オイルパン108内に収容されたコントロー
ルバルブボディ等から構成されており、このコントロー
ルバルブボディを介して前記各摩擦係合装置に油圧を給
排することにより、選択的な係合を実現するようになっ
ている。
【0009】センターディファレンシャル装置120
は、出力軸118に接続された第1サンギヤ160と、
リヤドライブ軸130に接続された第2サンギヤ162
と、第1サンギヤ160に噛合する第1ピニオン164
と、第2サンギヤ162に噛合する第2ピニオン166
と、キャリア168とを備えている。そして、このキャ
リア168と第2サンギヤ162との間には、差動制限
を行うための油圧多板クラッチ(LSD)170がセン
ターディファレンシャル装置120に対して並列に配置
されている。この油圧多板クラッチ170によってトル
ク配分制御、差動制限制御が行われるようになってい
る。
【0010】例えば油圧多板クラッチ170、フォワー
ドクラッチ142、リバースクラッチ138、ハイクラ
ッチ136、ローアンドリーバスブレーキ146等の多
板摩擦係合装置は、例えば図11に示す摩擦回転板、即
ち、ドリブンプレート181,182,…、ドライブプ
レート191,192,…を有している。
【0011】ドリブンプレート181,182,…の外
周側には、例えばクラッチドラム等の入力軸に接続され
る部材に形成された溝(図示せず)にスプライン結合す
るための突起が複数個設けられている。また、ドライブ
プレート191,192,…の内周側には、例えばクラ
ッチハブ等の出力軸に接続される部材に形成された溝
(図示せず)にスプライン結合するための突起が複数個
設けられている。また、ドライブプレート191,19
2,…の両側面には、フェーシング部材(ライニング)
200が設けられている。
【0012】次に、図12より、多板摩擦係合装置の一
例として、ハイクラッチ136の構造を説明する。
【0013】入力軸136に接続されるクラッチドラム
171の内周側には軸方向に延びる複数のスプライン溝
171aが刻設されており、これらスプライン溝171
aを介して複数のドリブンプレート181,182,…
がクラッチドラム171にスプライン嵌合されている。
一方、フロントプラネタリギヤ132に接続されるクラ
ッチハブ172の外周側にも、複数のスプライン溝17
2aが軸方向に刻設されており、これらスプライン溝1
72aを介して複数のドライブプレート191,19
2,…がクラッチハブ172にスプライン嵌合されてい
る。ここで、ドリブンプレート181,182,…とド
ライブプレート191,192,…とは、同軸上に1枚
ずつ交互に配設され、それぞれ軸方向に移動可能となっ
ている。
【0014】クラッチドラム171の一端側には、ピス
トン173が軸方向に移動可能に設けられている。ま
た、ピストン173と、クラッチドラム171に固着さ
れたスプリングリテーナ174との間には、周方向に離
間して複数のスプリング175が配設されており、これ
らスプリング175のばね力によってピストン173は
クラッチ開放方向に付勢されている。そして、ピストン
173の背面とクラッチドラム171との間に形成され
た油圧室176内に作動油が供給されると、ピストン1
73はばね力に抗して前進し、プレッシャプレート17
7を介して各ドリブンプレート181,182,…及び
ドライブプレート191,192,…を押圧するように
なっている。
【0015】なお、178は最終段のドリブンプレート
185側に設けられ、スラスト荷重を受承するリテーニ
ングプレート、179はスナップリングである。
【0016】多板クラッチ装置は上述の如き構成を有す
るもので、クラッチドラム171とクラッチハブ172
との間で駆動力の伝達を行う場合には、油圧室176に
作動油を供給する。これにより、ピストン173は他端
側に向けて前進し、プレッシャプレート177を介して
ドリブンプレート181を軸方向に押圧する。そして、
ドリブンプレート181、ドライブプレート191、ド
リブンプレート182、ドライブプレート192、ドリ
ブンプレート183、ドライブプレート193、ドリブ
ンプレート184、ドライブプレート194、ドリブン
プレート185、ドライブプレート195の順に圧接す
ることにより、駆動力の伝達が行われる。
【0017】上記のような多板クラッチ装置では、クラ
ッチを接続するときに変速ショックを生じ易いため、例
えば自動車の自動変速機に用いた場合には、乗り心地が
低下するおそれがある。
【0018】要因としては、まず、交互に配設される各
ドリブンプレート181,182,…と各ドライブプレ
ート191,192,…との間のクリアランス、例えば
湿式クラッチの場合の油膜厚さは、配設場所によってそ
れぞれ異なり、不均一であることが挙げられる。また、
ピストンの押圧力は、専らプレートの片側からのみ作用
する。さらに、プレートの配置姿勢は軸方向に対し必ず
しも垂直でなく、多少の傾きや倒れがあるため、クラッ
チ接続時にいわゆるドラッグと称する引きずりが部分的
に発生することがある。
【0019】従って、これらのプレート間のクリアラン
スの不均一、クラッチ接続時のプレート姿勢の変動によ
って、フェーシング材200の摩擦係数特性も不均一と
なり、クラッチ接続時に締結ショック、即ち、変速ショ
ックが発生して、使用感、操作性の低下を招く可能性が
ある。
【0020】このような変速ショックを緩和させるた
め、例えば特開平4−366031号公報に記載の先行
技術がある。この先行技術では、それぞれ隣接するアウ
タープレート間に円周方向に離間させて複数のスプリン
グを配設し、これら各アウタープレート間の各スプリン
グの合計セット荷重を、低荷重から段階的にアウタープ
レート間で増加するように設定し、これにより、変速シ
ョックを低減せんとしている。
【0021】さらに、他の先行技術として、例えば特開
平4−366032号公報がある。この先行技術では、
ドライブプレート間またはドリブンプレート間の少なく
ともいずれか一方に環状皿ばねを配設し、これら環状皿
ばねのセット荷重を複数種類として、低荷重から段階的
に増加させることにより、クラッチ接続時の変速ショッ
クの低減を図っている。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】上記特開平4−366
031号公報、特開平4−366032号公報等に記載
の先行技術では、プレート間に設けるばね要素のセット
荷重を、低荷重から段階的に増加するように構成してい
るため、クラッチ接続時の伝達トルクを徐々に立ち上げ
て変速ショックを緩和することができる。
【0023】しかし、いずれの先行技術も、プレートと
は別個独立のばね要素、即ち、周方向に等配されたスプ
リング、環状皿ばねをプレート間に介装する構成のた
め、クラッチが断接するたびに、これらのスプリングや
環状皿ばねを受け止めているプレートの特定の部分のみ
がスプリング等の端部と接触する。従って、クラッチが
接続、開放を繰り返すごとに、プレート全表面のうちス
プリング等のばね受けとなる特定の領域が次第に磨耗
し、耐久性等が低下するおそれがある。また、プレート
とは別体のスプリングまたは環状皿ばねを各プレート間
に追加して設ける構成のため、クラッチ構成部品の点数
が増大し、組立作業の作業性も低下する。さらに、スプ
リングや環状皿ばねの分だけ、重量も増大し、慣性モー
メントも大きくなるという欠点がある。
【0024】従って、本発明の目的は、構成部品の増大
を招くことなく、締結ショックの低減が得られる多板摩
擦係合装置を提供することにある。また、本発明の他の
目的は、締結ショックを低減しつつプレート間の温度不
均一を改善できる多板摩擦係合装置を提供することにあ
る。
【0025】
【課題を解決するための手段】上記目的達成のため、本
発明に係る多板摩擦係合装置は、それぞれ軸方向に移動
可能に設けられたドライブプレートとドリブンプレート
とを交互に配設してなる多板摩擦係合装置において、前
記各ドライブプレートとドリブンプレートのいずれか一
方をばね性を有するばね性プレートとして形成したこと
を特徴とするものであり、この構成により、別体のばね
要素を用いることなく、プレート間のクリアランスを一
定に保持することができ、プレートに傾きや倒れが生じ
るのを防止することができる。
【0026】また、前記ばね性を有するプレートを、周
方向に複数のうねりを有する波形状に形成することによ
り、比較的簡易な構成で所望のばね特性を備えたばね性
プレートを製造することができる。
【0027】さらに、前記各ばね性を有するプレートの
セット荷重を、各ばね性を有するプレートの配設順序に
従って小さくなるように設定することにより、クラッチ
締結時には、セット荷重の小さい順序でプレート間が接
続されるため、接続トルクを徐々に立ち上げて締結ショ
ック、即ち、変速ショックを低減することができる。
【0028】また、前記各ばね性を有するプレートのセ
ット荷重を、各ばね性プレートの配設位置における温度
が低くなるに従って小さくなるように設定することによ
り、セット荷重の小さいプレートから順に接続させて変
速ショックを低減できる共に、プレート温度の高いプレ
ートほどセット荷重が大となって接触面積及び接触時間
が小さくなるため、過度の温度上昇を抑制してプレート
同士の温度不均一を改善することができる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、図面によって本発明の実施
の形態について詳細に説明する。なお、以下の各実施の
形態では、上記従来技術と同一の構成要素に同一の符号
を付し、その説明を省略するものとする。
【0030】まず、図1は、本発明の第1の実施の形態
に係る多板クラッチ装置の要部を拡大して示す断面図で
あって、このクラッチ装置は、クラッチドラム171、
クラッチハブ172、ピストン173等を備えた摩擦式
の多板クラッチとして構成されている。また、クラッチ
ドラム171の内周側には、複数枚のドリブンプレート
1a,1b,…がスプライン嵌合され、これら各ドリブ
ンプレート1a,1b,…のスラスト荷重はリテーニン
グプレート2によって受け止められるようになってい
る。
【0031】一方、クラッチハブ172の外周側にスプ
ライン嵌合された複数枚のドライブプレート3a,3
b,…は、それぞれ両面側にフェーシング材4が張設さ
れており、各ドリブンプレート1a,1b,…の間に挿
入されている。
【0032】ここで、ドライブプレート3a,3b,…
は、図2の斜視図に示すように、円周方向に複数のうね
りを有する波形状に形成されており、その両面にフェー
シング材4が接着剤等によって張設されている。これら
各ドライブプレート3a,3b,…は、このうねりによ
ってばね性を与えられ、別体のばね要素を必要としない
単一のばね性を有するプレートとして形成されている。
そして、各ドライブプレート3a,3b,…は、接触の
初期段階では、図3に示すように、うねりの凸状部分
P,P,…で対向するドリブンプレート1a,1b,に
点接触あるいは線接触し、接触の終期段階になると、図
4に示すように、波形状から平板な環状体に弾性変形し
て、対向するドリブンプレート1a,1b,…に面接触
するようになっている。
【0033】ここで、各ドライブプレート3a,3b,
…のセット荷重は、図5に示すように、ドライブプレー
ト3a,3b,…の配設順序に従って設定されている。
即ち、駆動機構となるピストン173側に移行するに従
ってセット荷重が小さくなるように設定されている。よ
り具体的には、ピストン173側に近いドライブプレー
ト3a,3bは比較的小さな低荷重にセットされ、中間
に位置するドライブプレート3c,3dは比較的中程度
の荷重にセットされ、リテーニングプレート2に近い最
後のドライブプレート3eは、最も高い荷重にセットさ
れている。
【0034】クラッチを接続するべくピストン173が
前進し、プレッシャプレート177を付勢すると、ドラ
イブプレート3a,3bのセット荷重が最も小さいた
め、ドリブンプレート1aによってドライブプレート3
aが押圧され、ドライブプレート3aが次のドリブンプ
レート1bを押圧する。そして、このドリブンプレート
1bがセット荷重の小さいドライブプレート3bを押圧
し、ドライブプレート3bはドリブンプレート1cを押
圧する。
【0035】次に、中程度のセット荷重を有するドライ
ブプレート3cが、ドリブンプレート1cによって押圧
されると、このドライブプレート3cはドリブンプレー
ト1dを押圧する。これにより、ドリブンプレート1d
は、中程度のセット荷重を有するドライブプレート3d
を押圧し、このドライブプレート3dはドリブンプレー
ト1eを押圧する。
【0036】最後に、最終段のドリブンプレート1e
は、最もセット荷重の大きいドライブプレート3eを押
圧し、このドライブプレート3eはリテーニングプレー
ト2を押圧する。
【0037】つまり、セット荷重の小さい順にプレート
の接触は開始されていき、徐々にプレート間の相対回転
速度差が少なくなって締結される。また、各ドライブプ
レート3a,3b,…の形状変化に起因して、接触の初
期段階では、図3に示すように、波形状を維持してうね
りの凸状部分Pでドリブンプレート1a,1b,…に点
接触あるいは線接触しているが、相対回転差が解消して
一体化する最終段階では、図4に示すように、波形状か
ら平板な環状体に弾性変形してドリブンプレート1a,
1b,…に全面で接触する。
【0038】このように構成される本実施の形態によれ
ば、各ドライブプレート3a,3b,…をばね性を有す
るプレートとして形成する構成のため、先行技術のよう
な別個独立のばね要素を用いることなく、プレート自身
のばね力によってクラッチ開放時におけるプレート間ク
リアランスを略一定に保持できると共に、プレートが傾
いたり倒れたりするのを防止することができる。従っ
て、別体のばね要素を用いる先行技術に比較して、部品
点数、組立工数、製品重量及び慣性モーメントの増大を
招来することなく、変速ショックを緩和することができ
る。さらに、プレート間のクリアランス及びプレートの
姿勢を適切に保持できるため、フェーシング材4の摩擦
係数特性を各プレート間で均一化、安定化できるため、
長期にわたって変速ショックを安定化することができ、
経時変化による変速ショックの変動を防止することがで
きる。
【0039】また、各ドライブプレート3a,3b,…
を、図2に示すように、周方向に複数のうねりを有する
波形状に形成する構成のため、これら複数のうねりによ
って、容易にばね性を備えたプレートを得ることができ
る。また、別体のばね要素を用いずにドライブプレート
3a,3b,…自体にばね性を持たせているため、従来
のドライブプレートを本ドライブプレート3a,3b,
…に交換するだけで、変速ショックの低減等を実現する
ことができる。
【0040】更に、各ドライブプレート3a,3b,…
のセット荷重を各ドライブプレート3a,3b,…の配
設順序に従って小さくなるように設定する構成のため、
セット荷重の小さいプレートから順に接続を開始して、
クラッチ伝達トルクを徐々に立ち上げることができ、変
速ショックを低減することができる。
【0041】各ドライブプレート3a,3b,…を、周
方向に複数のうねりを有するとともに両面にフェーシン
グ材4を張設してなる波形状のばね性プレートとして形
成したため、ドリブンプレート1a,1b,…とドライ
ブプレート3a,3b,…とは、接触初期時に、ドライ
ブプレート3a,3b,…のうねりの凸状部分P,P,
…におけるフェーシング材4を介して点ないし線接触し
つつ、相対回転することになる。従って、プレートの地
肌に直接スプリングや環状皿ばねの端部が接触する前記
各先行技術とは異なり、締結完了までの間、プレート間
の接触点は、フェーシング材4によって保護されながら
円周方向に移動しているため、ドリブンプレート1a,
1b,…が異常に磨耗するのを防止することができ、耐
久性や信頼性等を向上することができる。
【0042】なお、前記実施の形態では、図5に示すよ
うに、ピストン173に近い方のドライブプレート3
a,3bのセット荷重を小さくし、中間位置のドライブ
プレート3c,3dのセット荷重を中程度に設定し、ピ
ストン173から最も離れたドライブプレート3eのセ
ット荷重を大きくするものとして、即ち、ドライブプレ
ート3a,3b,…のグループ毎にセット荷重を設定す
る場合を述べたが、本発明はこれに限らず、例えば図6
のように、各ドライブプレート3a,3b,…毎に個別
に段階的にセット荷重を大きくする構成でも良い。
【0043】次に、図7により、本発明の第2の実施の
形態を説明する。
【0044】即ち、本クラッチ装置の各ドリブンプレー
ト11a,11b,…は、前記第1の実施の形態で述べ
たドリブンプレート1a,1b,…と同様に、クラッチ
ドラム171の内周側にスプライン嵌合され、リテーニ
ングプレート12によってスラスト荷重が受け止められ
るようになっている。
【0045】一方、各ドライブプレート13a,13
b,…も、前記第1の実施の形態で述べたドライブプレ
ート3a,3b,…と同様に、円周方向に複数のうねり
を有する波形状に形成されてばね性を付与されており、
両面側にはフェーシング材4がそれぞれ張設されてい
る。
【0046】そして、図8に示すように、従来、プレー
ト温度が高くなり易い高温部に配置されるドライブプレ
ート13c,13dのセット荷重を最も大きくし、中程
度のプレート温度となる中温部に配置されるドライブプ
レート13a,13bのセット荷重を中程度の値とし、
従来プレート温度が低くなり易い低温部に配置されるド
ライブプレート13eのセット荷重を最も小さくしてい
る。より具体的には、ピストン173側に近い中温部に
位置するドライブプレート13a,13bのセット荷重
は中程度に設定され、ピストン173から最も遠い低温
部に位置するドライブプレート13eのセット荷重は小
さく設定され、略中間の高温部に位置するドライブプレ
ート13c,13dのセット荷重が最も大きく設定され
ている。
【0047】従って、クラッチ接続時には、最もセット
荷重の小さい従来低温だったドライブプレート13eが
他のプレートに先行してドリブンプレート11eと当接
し、全面滑り接触が開始される。つまり、このドライブ
プレート13eは、セット荷重が小さいため、ドリブン
プレート11eとの接触によって波形状から平板な環状
体に弾性変形し、ドリブンプレート11eと全面にわた
って接触しながら相対回転する。そして、この全面にわ
たる滑り接触は、クラッチ締結が完了するまで続行され
る。
【0048】次に、中程度のセット荷重を有するドライ
ブプレート13a,13bが対向するドリブンプレート
11a,11bに接触し、最後に、クラッチ締結の終期
付近になって初めて、セット荷重の高いドライブプレー
ト13c,13dがドリブンプレート11c,11dに
接触する。ここで、クラッチ締結の初中期において、プ
レートへの押し付け力は次第に大きくなっていくが、低
荷重にセットされたドライブプレート13eはドリブン
プレート11eに全面で滑り接触しているのに対し、最
も高荷重にセットされたドライブプレート13c,13
dは、うねりの凸状部分P,P,…で点接触あるいは線
接触している。
【0049】つまり、セットされた荷重が小さいほど、
接触面積及び接触時間が長くなるため、接触面積と接触
時間との積の関数である摩擦熱量は、セット荷重が小さ
くなるにつれて増大する。
【0050】このように構成される本実施の形態でも、
各ドライブプレート13a,13b…を円周方向に複数
のうねりを有する波形状に形成し、複数のセット荷重に
設定したため、プレート間クリアランス及びプレート姿
勢の維持、クラッチ伝達トルクの略滑らかな立ち上げ
等、上述した第1の実施の形態とほぼ同様の効果を得る
ことができる。
【0051】これに加えて、本実施の形態では、各ドラ
イブプレート13a,13b,…のセット荷重を、該各
プレート13a,13b,…の配設位置における温度が
低くなるに従って小さくなるように設定しているため、
従来温度の低かった箇所、即ち、低温部における摩擦熱
量を増大して温度上昇を促進するとともに、従来温度の
高かった高温部で発生する摩擦熱量を減少させて温度上
昇を抑制することができる。従って、プレート間の温度
差を少なくして温度不均一を改善することができ、実働
状態におけるフェーシング材4の摩擦係数特性のばらつ
きを抑制して均一化することができる。これにより、長
期にわたって変速ショックを防止することができる。
【0052】また図9に示すように、各プレート間に介
在する潤滑油Fは、図中二点鎖線で示すように、ドライ
ブプレートのうねりによって狭まった領域Rに、いわゆ
るくさび効果によって油膜が保持され易くなる。従っ
て、ドリブンプレートとの接触点となるうねりの凸状部
分Pの近傍に油膜を維持して、接触による磨耗を一層効
果的に防止することができる。
【0053】なお、上述した各実施の形態では、潤滑油
を伴なう湿式のクラッチで説明したが、本発明はこれに
限らず乾式クラッチにも適用できる。また、前記各実施
の形態では、ドライブプレートを波形状のばね性プレー
トとして形成する場合を述べたが、ドリブンプレートを
波形状のばね性プレートとして形成してもよい。
【0054】なお、前記各実施の形態では、多板摩擦係
合装置としてハイクラッチ136に適用する場合を例示
したが、これに限らず、例えばフォワードクラッチ、リ
バースクラッチ等の他の多板摩擦係合装置にも適用する
ことができる。また、ローアンドリバースブレーキ等の
多板ブレーキ装置と形式的に称されるものにも適用する
ことができる。
【0055】また、当業者であれば、プレートの数を変
更したり、ドリブンプレート側にフェーシング材を張設
したりする等の如く、種々の追加、変更等が可能であ
る。
【0056】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明に係る多板ク
ラッチ装置によれば、別個独立のばね要素を用いずに、
プレート自身にばね性を付与するため、部品点数及び重
量の増大等を招来することなく、プレート間クリアラン
ス及びプレート姿勢を適正に保持することができ、変速
ショックを低減することができ、また、周方向に複数の
うねりを有する波形状に形成することにより、容易にば
ね性プレートを得ることができる。
【0057】さらに、プレート配設順序に従って小さく
なるようにばね性プレートのセット荷重を設定したた
め、クラッチの伝達トルクを徐々に大きくして略滑らか
に締結することができる。
【0058】また、プレート配設位置における温度が低
くなるに従ってばね性を有するプレートのセット荷重が
小さくなるように設定することにより、従来低温となり
易いプレートでの摩擦熱量を増大させ、従来比較的高温
となり易いプレートでの摩擦熱量を少なくすることがで
きる。これにより、プレート間の温度不均一を改善して
変速ショックを長期にわたって低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による多板クラッチ
装置の要部を拡大して示す断面図である。
【図2】ばね性を有するプレートを拡大して示す外観図
である。
【図3】ばね性を有するプレートと対向する相手側プレ
ートとの締結初期における接触状態を示す断面図であ
る。
【図4】ばね性を有するプレートと対向する相手側プレ
ートとの締結終期における接触状態を示す断面図であ
る。
【図5】プレート配設位置とセット荷重との関係を示す
特性図である。
【図6】プレート配設位置とセット荷重との関係を示す
特性図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態による多板クラッチ
装置の要部を拡大して示す断面図である。
【図8】プレート配設位置とセット荷重との関係を示す
特性図である。
【図9】本発明の湿式多板摩擦係合装置のプレート間の
接触状態を示す断面図である。
【図10】従来技術による多板クラッチ装置が適用され
る縦置き配置の自動変速機のスケルトン図である。
【図11】ドリブンプレート及びドライブプレートの外
観図である。
【図12】従来技術による多板クラッチ装置の要部を示
す断面図である。
【符号の説明】
1a,1b,… ドリブンプレート 3a,3b,… ドライブプレート 4 フェーシング材 11a,11b,… ドリブンプレート 13a,13b,… ドライブプレート 171… クラッチドラム 172… クラッチハブ 173… ピストン

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 それぞれ軸方向に移動可能に設けられた
    ドライブプレートとドリブンプレートとを交互に配設し
    てなる多板摩擦係合装置において、 前記各ドライブプレートとドリブンプレートのいずれか
    一方をばね性を有するプレートとして形成したことを特
    徴とする多板摩擦係合装置。
  2. 【請求項2】 前記ばね性を有するプレートを、周方向
    に複数のうねりを有する波形状に形成する請求項1に記
    載の多板摩擦係合装置。
  3. 【請求項3】 前記各ばね性を有するプレートのセット
    荷重を、各プレートの配設順序に従って小さくなるよう
    に設定する請求項1または2のいずれか1つに記載の多
    板摩擦係合装置。
  4. 【請求項4】 前記各ばね性を有するプレートのセット
    荷重を、各プレートの配設位置における温度が低くなる
    に従って小さくなるように設定する請求項1または2の
    いずれか1つに記載の多板摩擦係合装置。
  5. 【請求項5】 入力軸に接続されるドラム部材と、この
    ドラム部材の内周側に軸方向に移動可能に設けられた複
    数枚のドリブンプレートと、出力軸に接続されるハブ部
    材と、このハブ部材の外周側に軸方向に移動可能に設け
    られた複数枚のドライブプレートと、同軸上に交互に配
    設される前記各ドライブプレート及びドリブンプレート
    を押圧することにより各プレートを接触させて接続する
    駆動機構とを備えた多板クラッチ装置において、 前記各ドライブプレートとドリブンプレートのいずれか
    一方を、周方向に複数のうねりを有するとともに両面に
    フェーシング材を張設してなる波形状のばね性を有する
    プレートとして形成し、 前記各ばね性を有するプレートのセット荷重を、各プレ
    ートの配設順序に従って小さくなるように設定したこと
    を特徴とする多板摩擦係合装置。
  6. 【請求項6】 入力軸に接続されるドラム部材と、この
    ドラム部材の内周側に軸方向に移動可能に設けられた複
    数枚のドリブンプレートと、出力軸に接続されるハブ部
    材と、このハブ部材の外周側に軸方向に移動可能に設け
    られた複数枚のドライブプレートと、同軸上に交互に配
    設される前記各ドライブプレート及びドリブンプレート
    を押圧することにより各プレートを接触させて接続する
    駆動機構とを備えた多板クラッチ装置において、 前記各ドライブプレートとドリブンプレートのいずれか
    一方を、周方向に複数のうねりを有するとともに両面に
    フェーシング材を張設してなる波形状のばね性を有する
    プレートとして形成し、 前記各ばね性を有するプレートのセット荷重を、各プレ
    ートの配設位置における温度が低くなるに従って小さく
    なるように設定したことを特徴とする多板摩擦係合装
    置。
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