JPH0925189A - 被覆粒状肥料の製造方法 - Google Patents
被覆粒状肥料の製造方法Info
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- JPH0925189A JPH0925189A JP7177311A JP17731195A JPH0925189A JP H0925189 A JPH0925189 A JP H0925189A JP 7177311 A JP7177311 A JP 7177311A JP 17731195 A JP17731195 A JP 17731195A JP H0925189 A JPH0925189 A JP H0925189A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 被覆粒状肥料を製造するに際し、粒状肥料に
粉状の熱可塑性樹脂または粉状の無機物質を付着させた
後、該熱可塑性樹脂または該無機物質の融点以上の温度
帯域に存在せしめ、次いで冷却することを特徴とする。 【効果】 この方法によれば、有機溶剤などを使用する
ことなく製造を行うことができ、また比較的広い範囲の
被膜形成材料を用い得るので、多種多様な被覆粒状肥料
を製造することも可能である。
粉状の熱可塑性樹脂または粉状の無機物質を付着させた
後、該熱可塑性樹脂または該無機物質の融点以上の温度
帯域に存在せしめ、次いで冷却することを特徴とする。 【効果】 この方法によれば、有機溶剤などを使用する
ことなく製造を行うことができ、また比較的広い範囲の
被膜形成材料を用い得るので、多種多様な被覆粒状肥料
を製造することも可能である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、粒状肥料を熱可塑性樹
脂または無機物質で被覆してなる、被覆粒状肥料の製造
方法に関する。
脂または無機物質で被覆してなる、被覆粒状肥料の製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、施肥の省力化、肥料利用率の向上
および作物の成育に応じて肥効を発現させるなどを目的
とし、粒状肥料の表面が樹脂などの被膜で覆われた被覆
粒状肥料が注目され、その製造も種々の方法が提案され
ている。たとえば、ポリエチレンなどのオレフィン重合
体をテトラクロルエチレンのような塩素化炭化水素に、
固形分濃度5重量%程度に溶解または分散させ、この高
温にした液を粒状肥料に噴霧し、同時に熱風を当てて塩
素化炭化水素を蒸発させ乾燥することにより肥料粒子表
面に被膜を形成させる方法(特開昭62−197385号公報、
同62−216984号公報)、または、特開平3-232788号公報
に記載されるように、粒状肥料に直接、溶融した硫黄を
霧状に噴霧し被膜を形成させる方法、などが公知であ
る。
および作物の成育に応じて肥効を発現させるなどを目的
とし、粒状肥料の表面が樹脂などの被膜で覆われた被覆
粒状肥料が注目され、その製造も種々の方法が提案され
ている。たとえば、ポリエチレンなどのオレフィン重合
体をテトラクロルエチレンのような塩素化炭化水素に、
固形分濃度5重量%程度に溶解または分散させ、この高
温にした液を粒状肥料に噴霧し、同時に熱風を当てて塩
素化炭化水素を蒸発させ乾燥することにより肥料粒子表
面に被膜を形成させる方法(特開昭62−197385号公報、
同62−216984号公報)、または、特開平3-232788号公報
に記載されるように、粒状肥料に直接、溶融した硫黄を
霧状に噴霧し被膜を形成させる方法、などが公知であ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記特
開昭62−197385号または特開昭62−216984号公報に記載
される製造法では、塩素化炭化水素のごとき有機溶剤を
大量に必要とすることから原料費の高くなることはもち
ろん、このものは環境汚染物質であるために、使用され
た有機溶剤を全量回収するための設備が必須である。こ
のため、製造にかかるコストが高くなることは避け得な
い。またこの場合において、塩素化炭化水素に溶解させ
ることなく水などを分散剤として用い、エマルションと
して粒状肥料に噴霧し被膜を形成させる場合は、分散し
ている個々のオレフィン重合体粒子どうしを融着させて
均一な連続被膜を形成させることが非常に難しいという
問題がある。さらに、被膜のガラス転移温度が比較的低
い場合は、被膜生成過程において、被覆される粒状肥料
どうしが非常に付着を起こしやすいという大きな問題点
を有している。
開昭62−197385号または特開昭62−216984号公報に記載
される製造法では、塩素化炭化水素のごとき有機溶剤を
大量に必要とすることから原料費の高くなることはもち
ろん、このものは環境汚染物質であるために、使用され
た有機溶剤を全量回収するための設備が必須である。こ
のため、製造にかかるコストが高くなることは避け得な
い。またこの場合において、塩素化炭化水素に溶解させ
ることなく水などを分散剤として用い、エマルションと
して粒状肥料に噴霧し被膜を形成させる場合は、分散し
ている個々のオレフィン重合体粒子どうしを融着させて
均一な連続被膜を形成させることが非常に難しいという
問題がある。さらに、被膜のガラス転移温度が比較的低
い場合は、被膜生成過程において、被覆される粒状肥料
どうしが非常に付着を起こしやすいという大きな問題点
を有している。
【0004】また、特開平3-232788号公報に示されてい
るような、溶融物を肥料粒子表面に直接噴霧し、固着さ
せて被膜を形成させる方法においては、溶融物を霧状と
して噴霧することが必須であることから、溶融物質は粘
度が十分に低いものであること、したがって、使用可能
な物質が限定される方法であるとともに、特に被膜生成
過程において、被覆される粒状肥料どうしが非常に付着
を起こしやすいという大きな問題点を有している。
るような、溶融物を肥料粒子表面に直接噴霧し、固着さ
せて被膜を形成させる方法においては、溶融物を霧状と
して噴霧することが必須であることから、溶融物質は粘
度が十分に低いものであること、したがって、使用可能
な物質が限定される方法であるとともに、特に被膜生成
過程において、被覆される粒状肥料どうしが非常に付着
を起こしやすいという大きな問題点を有している。
【0005】以上のように、従来知られる被覆粒状肥料
の製造においては、環境汚染の原因となるような有機溶
剤が使用されたり、被膜生成過程において被覆される粒
状肥料どうしが付着を起こし、大塊を生じる方法であっ
たり、あるいは被膜形成に使用される物質が狭い範囲に
限定されたりする方法のものであった。
の製造においては、環境汚染の原因となるような有機溶
剤が使用されたり、被膜生成過程において被覆される粒
状肥料どうしが付着を起こし、大塊を生じる方法であっ
たり、あるいは被膜形成に使用される物質が狭い範囲に
限定されたりする方法のものであった。
【0006】本発明では、このような従来の製法のもつ
欠点を解決した、新規な被覆粒状肥料の製造方法を提供
する。すなわち、何らの有機溶剤などを使用することな
く製造することができ、比較的広い範囲の被膜形成材料
を使用可能とし、被膜生成過程において大塊が生じたり
することもなく、使用目的に応じ十分な肥効性能の得ら
れる被覆粒状肥料の製造方法を提供することが本発明の
目的である。
欠点を解決した、新規な被覆粒状肥料の製造方法を提供
する。すなわち、何らの有機溶剤などを使用することな
く製造することができ、比較的広い範囲の被膜形成材料
を使用可能とし、被膜生成過程において大塊が生じたり
することもなく、使用目的に応じ十分な肥効性能の得ら
れる被覆粒状肥料の製造方法を提供することが本発明の
目的である。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、有機溶剤
などを使用することなく、しかも粒状肥料に均一な被膜
の厚みを有した被覆粒状肥料の製造を種々の方法で鋭意
試みているうちに、溶融した熱可塑性樹脂を被膜形成材
料として用いる場合はその取り扱いが非常に難しいもの
であるが、粉状の熱可塑性樹脂ではそのようなことがな
いこと、粉状の熱可塑性樹脂は粒状肥料に容易に付着さ
せ得ること、さらには、粒状肥料の温度をほとんど上昇
させることなく、この付着させた熱可塑性樹脂のみを溶
融し、次いで冷却することにより、容易に均一な熱可塑
性樹脂の厚みをもった被覆粒状肥料の得られることを見
出した。またこの場合、熱可塑性樹脂ばかりではなく、
硫黄のような熱溶融性のある無機物質でも容易に用い得
ることを見出し、本発明に至った。
などを使用することなく、しかも粒状肥料に均一な被膜
の厚みを有した被覆粒状肥料の製造を種々の方法で鋭意
試みているうちに、溶融した熱可塑性樹脂を被膜形成材
料として用いる場合はその取り扱いが非常に難しいもの
であるが、粉状の熱可塑性樹脂ではそのようなことがな
いこと、粉状の熱可塑性樹脂は粒状肥料に容易に付着さ
せ得ること、さらには、粒状肥料の温度をほとんど上昇
させることなく、この付着させた熱可塑性樹脂のみを溶
融し、次いで冷却することにより、容易に均一な熱可塑
性樹脂の厚みをもった被覆粒状肥料の得られることを見
出した。またこの場合、熱可塑性樹脂ばかりではなく、
硫黄のような熱溶融性のある無機物質でも容易に用い得
ることを見出し、本発明に至った。
【0008】本発明は、樹脂または無機物質を粒状肥料
に被覆し、被覆粒状肥料を製造するに際し、粒状肥料に
粉状の熱可塑性樹脂または粉状の無機物質を付着させた
後、該熱可塑性樹脂または該無機物質の融点以上の温度
帯域に存在せしめ、次いで冷却することを特徴とする被
覆粒状肥料の製造方法である。
に被覆し、被覆粒状肥料を製造するに際し、粒状肥料に
粉状の熱可塑性樹脂または粉状の無機物質を付着させた
後、該熱可塑性樹脂または該無機物質の融点以上の温度
帯域に存在せしめ、次いで冷却することを特徴とする被
覆粒状肥料の製造方法である。
【0009】本発明に使用可能な粒状肥料として、その
種類は特に限定されなく、粒状尿素のような単種からな
る粒状品はもとより、燐硝安加里のごとく、窒素、リン
酸およびカリウム成分などが含まれた一般的な複合化成
肥料など、広い範囲のものを用いることができる。また
その粒径も特に限定されるようなことはなく、たとえば
1mmのように小粒径のものから20mmのように大粒径のも
のまで、非常に広い範囲の粒状肥料をほぼ均一な厚さに
被覆することが可能である。
種類は特に限定されなく、粒状尿素のような単種からな
る粒状品はもとより、燐硝安加里のごとく、窒素、リン
酸およびカリウム成分などが含まれた一般的な複合化成
肥料など、広い範囲のものを用いることができる。また
その粒径も特に限定されるようなことはなく、たとえば
1mmのように小粒径のものから20mmのように大粒径のも
のまで、非常に広い範囲の粒状肥料をほぼ均一な厚さに
被覆することが可能である。
【0010】本発明で被膜物の材料として用いる熱可塑
性樹脂または無機物質は、加熱されることにより溶融す
る合成樹脂の粉状物若しくは無機物質の粉状物である。
用い得る熱可塑性樹脂または無機物質としては、たとえ
ば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポ
リ乳酸、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリア
クリロニトリル、ポリカーボネート、熱可塑性ポリエス
テル、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、または硫黄などの、それぞれの粉状物を挙げること
ができる。
性樹脂または無機物質は、加熱されることにより溶融す
る合成樹脂の粉状物若しくは無機物質の粉状物である。
用い得る熱可塑性樹脂または無機物質としては、たとえ
ば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポ
リ乳酸、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリア
クリロニトリル、ポリカーボネート、熱可塑性ポリエス
テル、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、または硫黄などの、それぞれの粉状物を挙げること
ができる。
【0011】本発明における粒状肥料に粉状の熱可塑性
樹脂または無機物質を付着させる方法は、通常、粒状肥
料に熱可塑性樹脂または無機物質の粉状物を接触させる
ことにより可能である。一例として、横型回転円筒式コ
ーティングドラム内で粒状肥料を転動させながら、これ
に熱可塑性の樹脂粉末または粉状無機物質を添加してい
くことにより表面に付着させることができる。
樹脂または無機物質を付着させる方法は、通常、粒状肥
料に熱可塑性樹脂または無機物質の粉状物を接触させる
ことにより可能である。一例として、横型回転円筒式コ
ーティングドラム内で粒状肥料を転動させながら、これ
に熱可塑性の樹脂粉末または粉状無機物質を添加してい
くことにより表面に付着させることができる。
【0012】また、粒状肥料に熱可塑性の樹脂粉末また
は粉状無機物質を添加する前に、転動中の粒状肥料に、
展着剤として適量の液状油脂類または界面活性剤などを
添加することもよい方法である。このようにした場合
は、なおいっそう均一に、しかもよりむらなく熱可塑性
樹脂粉末または粉状無機物質を粒状肥料の表面に付着さ
せることができる。
は粉状無機物質を添加する前に、転動中の粒状肥料に、
展着剤として適量の液状油脂類または界面活性剤などを
添加することもよい方法である。このようにした場合
は、なおいっそう均一に、しかもよりむらなく熱可塑性
樹脂粉末または粉状無機物質を粒状肥料の表面に付着さ
せることができる。
【0013】次に本発明では、上記粉末の付着した粒状
肥料を、該樹脂のまたは無機物質の融点以上の温度帯域
に存在せしめ、粒状肥料の表面に付着している樹脂のま
たは無機物質の溶融条件下においた後、次いで冷却を行
う。これを行う態様として、熱可塑性の樹脂または熱溶
融性の無機物質の付着した粒状肥料を、たとえばプロパ
ンのような、ガスの燃焼する高温域中に自由落下させて
通過させることにより熱可塑性の樹脂または熱溶融性の
無機物質を溶融せしめ、次いで、下部に落下してきた粒
子を空気気流などにより流動状態で冷却することにより
被膜を形成せしめる方法は良い方法である(この代表的
な装置例を図1に示す)。
肥料を、該樹脂のまたは無機物質の融点以上の温度帯域
に存在せしめ、粒状肥料の表面に付着している樹脂のま
たは無機物質の溶融条件下においた後、次いで冷却を行
う。これを行う態様として、熱可塑性の樹脂または熱溶
融性の無機物質の付着した粒状肥料を、たとえばプロパ
ンのような、ガスの燃焼する高温域中に自由落下させて
通過させることにより熱可塑性の樹脂または熱溶融性の
無機物質を溶融せしめ、次いで、下部に落下してきた粒
子を空気気流などにより流動状態で冷却することにより
被膜を形成せしめる方法は良い方法である(この代表的
な装置例を図1に示す)。
【0014】すなわち、上記した方法を採用する場合
は、極めて短時間のうちに付着樹脂または付着無機物質
を溶融状態になし得るとともに、溶融状態になったそれ
らを急速に固化せしめることができ、粒子どうしが付着
しあったりしてしまうようなことはなく、非常に均一な
厚さの皮膜を形成し得ることを可能とするばかりか、内
部の肥料自体に与える熱影響はほとんどなく、その変質
することをも防止できるからである。
は、極めて短時間のうちに付着樹脂または付着無機物質
を溶融状態になし得るとともに、溶融状態になったそれ
らを急速に固化せしめることができ、粒子どうしが付着
しあったりしてしまうようなことはなく、非常に均一な
厚さの皮膜を形成し得ることを可能とするばかりか、内
部の肥料自体に与える熱影響はほとんどなく、その変質
することをも防止できるからである。
【0015】また、本発明の方法では、上記により得ら
れる一層のみの皮膜からなる粒状肥料とするばかりでは
なく、再度、得られた被覆粒状肥料に、さらに熱可塑性
の樹脂または熱溶融性の無機物質を付着させ、以下、同
様に高温度域に存在せしめた後に冷却するという操作を
繰り返すことにより、任意な厚さの皮膜をもった被覆粒
状肥料とすることができ、肥効目的に応じて多用途的な
ものを製造することが可能である。
れる一層のみの皮膜からなる粒状肥料とするばかりでは
なく、再度、得られた被覆粒状肥料に、さらに熱可塑性
の樹脂または熱溶融性の無機物質を付着させ、以下、同
様に高温度域に存在せしめた後に冷却するという操作を
繰り返すことにより、任意な厚さの皮膜をもった被覆粒
状肥料とすることができ、肥効目的に応じて多用途的な
ものを製造することが可能である。
【0016】
【実施例】以下、本発明による被覆粒状肥料の製造方法
を、実施例を挙げてさらに詳細に説明する。以下におい
て、%は全て重量基準である。
を、実施例を挙げてさらに詳細に説明する。以下におい
て、%は全て重量基準である。
【0017】実施例1 直径15cm、長さ20cmの横型回転円筒式コーティングドラ
ム内に、粒子の直径が7〜9mmにある複合粒状化成肥料
100gを入れ、転動させながら #150 NHオイル(日本サ
ン石油(株)製、商品名)2gを均一にスプレーし添加
した。次いで、これに粉状ポリエチレンであるフローセ
ンUF-20(住友精化(株)製、商品名)10gを添加し、複
合粒状化成肥料に付着させた。次に、要部を図1に示す
直径20cm、高さ2mの上部および下部の開口した、内部
がプロパンガスの燃焼により約 800℃の温度に保持され
た円筒状の加熱器の上部より、上記粉状ポリエチレンの
付着した複合粒状化成肥料を1分かけて定量的に供給、
自由落下させ、該加熱器の下部より1m下に設けられた
ネット上で、その下部より送風される冷却用空気により
流動状態で常温まで冷却した。これにより得られた製品
は、核である複合粒状化成肥料のまわりにほぼ均一厚さ
のポリエチレン膜をもつものであり、重量値より樹脂被
膜量5%をもつ被覆粒状肥料であった(これを製品1A
とする)。次いで、上記で得られた製品1Aを、前記横
型回転円筒式コーティングドラム内に再度投入し、以下
全く同様に操作して、さらにポリエチレンを被覆した被
覆粒状肥料(これを製品1Bとする)、この製品1Bを
用い、さらに同様に繰り返して被覆粒状肥料(これを製
品1Cとする)を得た。これらの製品の樹脂被膜量にお
いては、製品1Bが8%、製品1Cが12%を有するもの
であった。また得られた製品を用い、初期溶出率(全窒
素に対し、30℃の水中において24時間の間に溶出する窒
素の割合)を調査した結果は以下のとおりであった。 製品1A・・・・73% 製品1B・・・・28% 製品1C・・・・8% 以上のように、本実施例1により得られる製品は、被覆
粒状肥料として十分な性能を有するものであることが確
認された。
ム内に、粒子の直径が7〜9mmにある複合粒状化成肥料
100gを入れ、転動させながら #150 NHオイル(日本サ
ン石油(株)製、商品名)2gを均一にスプレーし添加
した。次いで、これに粉状ポリエチレンであるフローセ
ンUF-20(住友精化(株)製、商品名)10gを添加し、複
合粒状化成肥料に付着させた。次に、要部を図1に示す
直径20cm、高さ2mの上部および下部の開口した、内部
がプロパンガスの燃焼により約 800℃の温度に保持され
た円筒状の加熱器の上部より、上記粉状ポリエチレンの
付着した複合粒状化成肥料を1分かけて定量的に供給、
自由落下させ、該加熱器の下部より1m下に設けられた
ネット上で、その下部より送風される冷却用空気により
流動状態で常温まで冷却した。これにより得られた製品
は、核である複合粒状化成肥料のまわりにほぼ均一厚さ
のポリエチレン膜をもつものであり、重量値より樹脂被
膜量5%をもつ被覆粒状肥料であった(これを製品1A
とする)。次いで、上記で得られた製品1Aを、前記横
型回転円筒式コーティングドラム内に再度投入し、以下
全く同様に操作して、さらにポリエチレンを被覆した被
覆粒状肥料(これを製品1Bとする)、この製品1Bを
用い、さらに同様に繰り返して被覆粒状肥料(これを製
品1Cとする)を得た。これらの製品の樹脂被膜量にお
いては、製品1Bが8%、製品1Cが12%を有するもの
であった。また得られた製品を用い、初期溶出率(全窒
素に対し、30℃の水中において24時間の間に溶出する窒
素の割合)を調査した結果は以下のとおりであった。 製品1A・・・・73% 製品1B・・・・28% 製品1C・・・・8% 以上のように、本実施例1により得られる製品は、被覆
粒状肥料として十分な性能を有するものであることが確
認された。
【0018】実施例2 直径15cm、長さ20cmの横型回転円筒式コーティングドラ
ム内に、粒子の直径が2〜4mmにある複合粒状化成肥料
100gを入れ、転動させながら70℃に加温させた後、平
均粒径50μmの粉状硫黄10gを加え、複合粒状化成肥料
に付着させた(粒状肥料を予め55〜80℃程度に加温して
おくことにより、硫黄粉の付着率を非常に向上させるこ
とが可能である)。次いで、実施例1に記載と同様の加
熱器および冷却装置を用い、内部が約 800℃に保持され
た加熱器の内部に、上記硫黄粉の付着された複合粒状化
成肥料を1分かけて定量的に供給、自由落下させ、被覆
粒状肥料を得た。得られた製品は、複合粒状化成肥料の
まわりにほぼ均一厚さの硫黄膜をもつものであって、硫
黄分としては7%を有する被覆粒状肥料であった(これ
を製品2Aとする)。次いで、上記で得られた製品2A
を、前記横型回転円筒式コーティングドラム内に再度投
入し、転動させながら #150 NHオイル(日本サン石油
(株)製、商品名)1gを均一にスプレーし添加した
後、前記と同量および同種類の粉状硫黄を使用し、同様
に操作してさらに硫黄の被覆された被覆粒状肥料(これ
を製品2Bとする)、この製品2Bを用い、さらに同様
に繰り返して被覆粒状肥料(これを製品2Cとする)を
得た。これらの製品の硫黄被膜量においては、製品2B
が12%、製品2Cが16%を有するものであった。得られ
た製品を用い、初期溶出率を調査した結果は以下のとお
りである。 製品2A・・・・91% 製品2B・・・・64% 製品2C・・・・28% 以上のように、本実施例2により得られる製品において
も、被覆粒状肥料としては十分な性能を有するものであ
ることが確認された。
ム内に、粒子の直径が2〜4mmにある複合粒状化成肥料
100gを入れ、転動させながら70℃に加温させた後、平
均粒径50μmの粉状硫黄10gを加え、複合粒状化成肥料
に付着させた(粒状肥料を予め55〜80℃程度に加温して
おくことにより、硫黄粉の付着率を非常に向上させるこ
とが可能である)。次いで、実施例1に記載と同様の加
熱器および冷却装置を用い、内部が約 800℃に保持され
た加熱器の内部に、上記硫黄粉の付着された複合粒状化
成肥料を1分かけて定量的に供給、自由落下させ、被覆
粒状肥料を得た。得られた製品は、複合粒状化成肥料の
まわりにほぼ均一厚さの硫黄膜をもつものであって、硫
黄分としては7%を有する被覆粒状肥料であった(これ
を製品2Aとする)。次いで、上記で得られた製品2A
を、前記横型回転円筒式コーティングドラム内に再度投
入し、転動させながら #150 NHオイル(日本サン石油
(株)製、商品名)1gを均一にスプレーし添加した
後、前記と同量および同種類の粉状硫黄を使用し、同様
に操作してさらに硫黄の被覆された被覆粒状肥料(これ
を製品2Bとする)、この製品2Bを用い、さらに同様
に繰り返して被覆粒状肥料(これを製品2Cとする)を
得た。これらの製品の硫黄被膜量においては、製品2B
が12%、製品2Cが16%を有するものであった。得られ
た製品を用い、初期溶出率を調査した結果は以下のとお
りである。 製品2A・・・・91% 製品2B・・・・64% 製品2C・・・・28% 以上のように、本実施例2により得られる製品において
も、被覆粒状肥料としては十分な性能を有するものであ
ることが確認された。
【0019】実施例3 直径15cm、長さ20cmの横型回転円筒式コーティングドラ
ム内に、粒子の直径が7〜9mmにある複合粒状化成肥料
100gを入れ、転動させながら #150 NHオイル(日本サ
ン石油(株)製、商品名)2gを均一にスプレーし添加
した。次いで、これに分子量約5万を有する粉状ポリ乳
酸(三井東圧化学(株)製)10gを添加し、複合粒状化
成肥料に付着させた。次いで、実施例1に記載と同様の
加熱器および冷却装置を用い、内部が約 900℃に保持さ
れた加熱器の内部に、上記粉状ポリ乳酸の付着された複
合粒状化成肥料を1分かけて定量的に供給、自由落下さ
せ、被覆粒状肥料を得た。得られた製品は、複合粒状化
成肥料のまわりにほぼ均一厚さのポリ乳酸膜をもつもの
であって、ポリ乳酸分としては5%を有する被覆粒状肥
料であった(これを製品3Aとする)。次いで、上記で
得られた製品3Aを、前記横型回転円筒式コーティング
ドラム内に再度投入し、以下全く同様に操作して、さら
にポリ乳酸を被覆した被覆粒状肥料(これを製品3Bと
する)、この製品3Bを用い、さらに同様に繰り返して
被覆粒状肥料(これを製品3Cとする)を得た。これら
の製品の樹脂被膜量においては、製品3Bが9%、製品
3Cが15%を有するものであった。得られた製品を用
い、初期溶出率を調査した結果は以下のとおりである。 製品3A・・・・95% 製品3B・・・・57% 製品3C・・・・23% 以上のように、本実施例3により得られる製品において
も、被覆粒状肥料としては十分な性能を有するものであ
ることが確認された。
ム内に、粒子の直径が7〜9mmにある複合粒状化成肥料
100gを入れ、転動させながら #150 NHオイル(日本サ
ン石油(株)製、商品名)2gを均一にスプレーし添加
した。次いで、これに分子量約5万を有する粉状ポリ乳
酸(三井東圧化学(株)製)10gを添加し、複合粒状化
成肥料に付着させた。次いで、実施例1に記載と同様の
加熱器および冷却装置を用い、内部が約 900℃に保持さ
れた加熱器の内部に、上記粉状ポリ乳酸の付着された複
合粒状化成肥料を1分かけて定量的に供給、自由落下さ
せ、被覆粒状肥料を得た。得られた製品は、複合粒状化
成肥料のまわりにほぼ均一厚さのポリ乳酸膜をもつもの
であって、ポリ乳酸分としては5%を有する被覆粒状肥
料であった(これを製品3Aとする)。次いで、上記で
得られた製品3Aを、前記横型回転円筒式コーティング
ドラム内に再度投入し、以下全く同様に操作して、さら
にポリ乳酸を被覆した被覆粒状肥料(これを製品3Bと
する)、この製品3Bを用い、さらに同様に繰り返して
被覆粒状肥料(これを製品3Cとする)を得た。これら
の製品の樹脂被膜量においては、製品3Bが9%、製品
3Cが15%を有するものであった。得られた製品を用
い、初期溶出率を調査した結果は以下のとおりである。 製品3A・・・・95% 製品3B・・・・57% 製品3C・・・・23% 以上のように、本実施例3により得られる製品において
も、被覆粒状肥料としては十分な性能を有するものであ
ることが確認された。
【0020】
【発明の効果】以上のように、本発明による被覆粒状肥
料の製造方法によれば、均一な被膜の厚みをもち、十分
な性能を有する肥料が容易に得られる。そして、特に有
機溶剤などは必要としないので、原料費および装置費の
低廉化ができることはもちろん、環境汚染をするような
ことも懸念されないのである。また、本発明によれば、
比較的広い範囲の種類の被膜形成材料を容易に使用する
ことができるので、肥効目的および用途に応じ、従来技
術ではなし得なかった多様の種類の被覆粒状肥料を製造
することが可能である。
料の製造方法によれば、均一な被膜の厚みをもち、十分
な性能を有する肥料が容易に得られる。そして、特に有
機溶剤などは必要としないので、原料費および装置費の
低廉化ができることはもちろん、環境汚染をするような
ことも懸念されないのである。また、本発明によれば、
比較的広い範囲の種類の被膜形成材料を容易に使用する
ことができるので、肥効目的および用途に応じ、従来技
術ではなし得なかった多様の種類の被覆粒状肥料を製造
することが可能である。
【図1】 本発明の方法での被覆粒状肥料の製造を実施
する際に用いられる、代表的な一例の装置を説明した概
略図である。
する際に用いられる、代表的な一例の装置を説明した概
略図である。
1・・・熱可塑性樹脂または無機物質の付着した粒状肥
料 2・・・加熱器 3・・・バーナー 4・・・燃焼用ガス 5・・・導管 6・・・温度計 7・・・加熱された被覆粒状肥料 8・・・冷却装置 9・・・ネット 10・・・冷却用空気 11・・・被覆粒状肥料の出口
料 2・・・加熱器 3・・・バーナー 4・・・燃焼用ガス 5・・・導管 6・・・温度計 7・・・加熱された被覆粒状肥料 8・・・冷却装置 9・・・ネット 10・・・冷却用空気 11・・・被覆粒状肥料の出口
Claims (2)
- 【請求項1】 樹脂または無機物質を粒状肥料に被覆
し、被覆粒状肥料を製造するに際し、粒状肥料に粉状の
熱可塑性樹脂または粉状の無機物質を付着させた後、該
熱可塑性樹脂または該無機物質の融点以上の温度帯域に
存在せしめ、次いで冷却することを特徴とする被覆粒状
肥料の製造方法。 - 【請求項2】 粒状肥料に粉状の熱可塑性樹脂または粉
状の無機物質を付着させた後、該粒子を該熱可塑性樹脂
または該無機物質の融点以上の温度に保持した帯域中に
落下させて通過せしめ、次いで流動床で空気流により冷
却する請求項1記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7177311A JPH0925189A (ja) | 1995-07-13 | 1995-07-13 | 被覆粒状肥料の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7177311A JPH0925189A (ja) | 1995-07-13 | 1995-07-13 | 被覆粒状肥料の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0925189A true JPH0925189A (ja) | 1997-01-28 |
Family
ID=16028769
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7177311A Pending JPH0925189A (ja) | 1995-07-13 | 1995-07-13 | 被覆粒状肥料の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0925189A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2000036045A1 (fr) * | 1998-12-14 | 2000-06-22 | Chisso Corporation | Grains enrobes biologiquement actifs |
CN102366867A (zh) * | 2011-09-20 | 2012-03-07 | 谢利荣 | 一种角边焊接夹具 |
JP5014554B2 (ja) * | 2000-06-14 | 2012-08-29 | ジェイカムアグリ株式会社 | 被覆生物活性粒状物の製造方法 |
-
1995
- 1995-07-13 JP JP7177311A patent/JPH0925189A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2000036045A1 (fr) * | 1998-12-14 | 2000-06-22 | Chisso Corporation | Grains enrobes biologiquement actifs |
JP4642238B2 (ja) * | 1998-12-14 | 2011-03-02 | ジェイカムアグリ株式会社 | 被覆生物活性粒状物 |
JP5014554B2 (ja) * | 2000-06-14 | 2012-08-29 | ジェイカムアグリ株式会社 | 被覆生物活性粒状物の製造方法 |
CN102366867A (zh) * | 2011-09-20 | 2012-03-07 | 谢利荣 | 一种角边焊接夹具 |
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