JPH09239371A - エタノールアミン含有希塩酸廃液の処理法 - Google Patents
エタノールアミン含有希塩酸廃液の処理法Info
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- JPH09239371A JPH09239371A JP8080798A JP8079896A JPH09239371A JP H09239371 A JPH09239371 A JP H09239371A JP 8080798 A JP8080798 A JP 8080798A JP 8079896 A JP8079896 A JP 8079896A JP H09239371 A JPH09239371 A JP H09239371A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 発電所の復水工程等から排出されるエタノー
ルアミン含有希塩酸廃液を、簡便に且つ安価に処理する
方法の提供。 【解決手段】 エタノールアミン含有希塩酸廃液を、微
酸性で無隔膜電解処理してエタノールアミンを除去する
ことを特徴とするエタノールアミン含有希塩酸廃液の処
理法。微酸性がpH5〜7であり、電解処理を無隔膜電
解室にエタノールアミン含有希塩酸廃液を循環供給して
連続的に行なうことが好ましい。
ルアミン含有希塩酸廃液を、簡便に且つ安価に処理する
方法の提供。 【解決手段】 エタノールアミン含有希塩酸廃液を、微
酸性で無隔膜電解処理してエタノールアミンを除去する
ことを特徴とするエタノールアミン含有希塩酸廃液の処
理法。微酸性がpH5〜7であり、電解処理を無隔膜電
解室にエタノールアミン含有希塩酸廃液を循環供給して
連続的に行なうことが好ましい。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エタノールアミン
含有希塩酸廃液の処理法に関し、詳しくは電解処理によ
り希薄塩酸廃液中のエタノールアミンを効率的に酸化分
解して除去するエタノールアミン含有希塩酸廃液の処理
法に関する。
含有希塩酸廃液の処理法に関し、詳しくは電解処理によ
り希薄塩酸廃液中のエタノールアミンを効率的に酸化分
解して除去するエタノールアミン含有希塩酸廃液の処理
法に関する。
【0002】
【従来の技術】原子力発電や火力発電の復水工程では、
冷却効率を高めるためエタノールアミンを含有する希塩
酸を使用することが公知である。この使用済廃液は高濃
度の化学的酸素要求量(COD)を含んでおり、そのま
ま処理することなく流出廃棄することはできない。その
ため、この廃液は、従来、微生物を利用するいわゆる活
性汚泥法またはオゾンを使用する化学酸化法で処理する
のが一般であった。
冷却効率を高めるためエタノールアミンを含有する希塩
酸を使用することが公知である。この使用済廃液は高濃
度の化学的酸素要求量(COD)を含んでおり、そのま
ま処理することなく流出廃棄することはできない。その
ため、この廃液は、従来、微生物を利用するいわゆる活
性汚泥法またはオゾンを使用する化学酸化法で処理する
のが一般であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、発明者らによ
れば、従来の活性汚泥法を用いる処理では、下記の問題
があること知見された。即ち、(1)活性汚泥法で処理
するためには塩濃度を希薄にする必要があり、廃液をそ
のまま処理することができず希釈して処理することが通
常であることから、処理液量が増大となり大規模な設備
が必要であること、また、(2)活性汚泥法は処理にお
いては水分を多量に含有する汚泥を生成し、その汚泥を
そのまま廃棄することは新たな環境上の問題を生じさせ
ることになるため、生成汚泥の処理が必要となること、
更に(3)活性汚泥法で処理するためには廃液に微生物
の栄養源を添加する必要があり、運転経費が嵩む等の問
題がある。また、従来のオゾンを用いる処理では下記の
問題のあることが知見された。即ち、(1)オゾンは廃
液中の有機物と選択的に反応せず、自己分解反応や塩化
物イオンと反応するといった目的以外の副反応が起こり
やすいこと、また、(2)オゾンを生成する無声放電方
式は電流効率が低く、オゾンを製造するのに大量の電力
が必要なため、運転経費が嵩むこと等である。発明者ら
は、上記エタノールアミン含有希塩酸廃液の従来の活性
汚泥法及びオゾン酸化法による処理の問題に鑑み、活性
汚泥、オゾンを用いることなく、簡便に、安価に、且
つ、効率よくエタノールアミンを除去する方法を新たに
見出すことを目的に鋭意検討した。その結果、エタノー
ルアミンが電解により酸化分解すること、また電解を隔
膜のない同一電解室に陽極及び陰極を配置して行うこと
により効果的な酸化が行われることを見出し、本発明に
到達した。
れば、従来の活性汚泥法を用いる処理では、下記の問題
があること知見された。即ち、(1)活性汚泥法で処理
するためには塩濃度を希薄にする必要があり、廃液をそ
のまま処理することができず希釈して処理することが通
常であることから、処理液量が増大となり大規模な設備
が必要であること、また、(2)活性汚泥法は処理にお
いては水分を多量に含有する汚泥を生成し、その汚泥を
そのまま廃棄することは新たな環境上の問題を生じさせ
ることになるため、生成汚泥の処理が必要となること、
更に(3)活性汚泥法で処理するためには廃液に微生物
の栄養源を添加する必要があり、運転経費が嵩む等の問
題がある。また、従来のオゾンを用いる処理では下記の
問題のあることが知見された。即ち、(1)オゾンは廃
液中の有機物と選択的に反応せず、自己分解反応や塩化
物イオンと反応するといった目的以外の副反応が起こり
やすいこと、また、(2)オゾンを生成する無声放電方
式は電流効率が低く、オゾンを製造するのに大量の電力
が必要なため、運転経費が嵩むこと等である。発明者ら
は、上記エタノールアミン含有希塩酸廃液の従来の活性
汚泥法及びオゾン酸化法による処理の問題に鑑み、活性
汚泥、オゾンを用いることなく、簡便に、安価に、且
つ、効率よくエタノールアミンを除去する方法を新たに
見出すことを目的に鋭意検討した。その結果、エタノー
ルアミンが電解により酸化分解すること、また電解を隔
膜のない同一電解室に陽極及び陰極を配置して行うこと
により効果的な酸化が行われることを見出し、本発明に
到達した。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、エタノ
ールアミン含有希塩酸廃液を、微酸性で無隔膜電解処理
してエタノールアミンを除去することを特徴とするエタ
ノールアミン含有希塩酸廃液の処理法が提供される。本
発明のエタノールアミン含有希塩酸廃液の処理法におい
て、前記微酸性がpH5〜7であることが好ましい。ま
た、前記電解処理が、無隔膜電解室にエタノールアミン
含有希塩酸廃液を循環供給して連続的に行なわれること
が好ましい。
ールアミン含有希塩酸廃液を、微酸性で無隔膜電解処理
してエタノールアミンを除去することを特徴とするエタ
ノールアミン含有希塩酸廃液の処理法が提供される。本
発明のエタノールアミン含有希塩酸廃液の処理法におい
て、前記微酸性がpH5〜7であることが好ましい。ま
た、前記電解処理が、無隔膜電解室にエタノールアミン
含有希塩酸廃液を循環供給して連続的に行なわれること
が好ましい。
【0005】本発明は、上記のように構成され、エタノ
ールアミンを含有する希塩酸廃液を微酸性で無隔膜電解
処理することにより、陽極においてエタノールアミンが
電解酸化されると同時に、希塩酸廃液中からの塩素分が
酸化されて生じる次亜塩素酸イオンにより化学的にも酸
化されることから、コンパクトな装置でエタノールアミ
ン含有塩酸廃液から簡便且つ効率的にエタノールアミン
を分解除去することができる。しかも、分解により生成
する炭酸ガス、水、窒素ガスは、いずれもそのまま放出
することができ二次的な追加処理も不要であり、活性汚
泥法やオゾン酸化法に比し設備費及びランニングコスト
の削減が著しく、工業的実用性に優れるものである。
ールアミンを含有する希塩酸廃液を微酸性で無隔膜電解
処理することにより、陽極においてエタノールアミンが
電解酸化されると同時に、希塩酸廃液中からの塩素分が
酸化されて生じる次亜塩素酸イオンにより化学的にも酸
化されることから、コンパクトな装置でエタノールアミ
ン含有塩酸廃液から簡便且つ効率的にエタノールアミン
を分解除去することができる。しかも、分解により生成
する炭酸ガス、水、窒素ガスは、いずれもそのまま放出
することができ二次的な追加処理も不要であり、活性汚
泥法やオゾン酸化法に比し設備費及びランニングコスト
の削減が著しく、工業的実用性に優れるものである。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明において、被電解エタノールアミン含有廃
液は、微酸性状態で無隔膜で電解処理される。例えば、
発電所の復水工程から排出される廃液には、5〜7重量
%の塩酸と1〜2重量%のエタノールアミンが含まれ、
通常、pH値が約0以下の強酸性を呈している。この酸
性廃液をそのまま電解処理した場合は、電解時に塩素ガ
スが発生し、その塩素ガス処理対策を要する。また、電
解処理装置の各種機材を著しく腐食するおそれがある。
これらを防止するため、被電解処理廃液を微酸性状態で
電解処理することにより、電解処理を長期間に亘り安定
させることができ、且つ、後処理や機材の腐食防止や腐
食による交換等の設備費の増大を防止することができ
る。上記したように、本発明において、例えば発電所の
復水工程からの酸性状態のエタノールアミン含有希塩酸
廃液は、電解処理に先立ち、予め微酸性とする。本発明
において、微酸性化は、一般に、アルカリ化合物を添加
して約pH5〜7に中和した状態であり、より好ましく
はpH6〜7とするのがよい。被電解処理廃液のpH値
が5未満の場合は、電解中に塩素ガスが多く発生し、後
処理が必要になるので好ましくない。一方、pH値が7
より高い場合は、エタノールアミンの一部が気体となっ
て電解槽外に排出されるため好ましくない。また、被処
理廃液を微酸性状態として電解処理するに従い電解室内
での液pHが下がる傾向があり、微酸性を保持するため
に電解時に適宜アルカリ化合物を添加してpH5〜7の
範囲となるようにする。
する。本発明において、被電解エタノールアミン含有廃
液は、微酸性状態で無隔膜で電解処理される。例えば、
発電所の復水工程から排出される廃液には、5〜7重量
%の塩酸と1〜2重量%のエタノールアミンが含まれ、
通常、pH値が約0以下の強酸性を呈している。この酸
性廃液をそのまま電解処理した場合は、電解時に塩素ガ
スが発生し、その塩素ガス処理対策を要する。また、電
解処理装置の各種機材を著しく腐食するおそれがある。
これらを防止するため、被電解処理廃液を微酸性状態で
電解処理することにより、電解処理を長期間に亘り安定
させることができ、且つ、後処理や機材の腐食防止や腐
食による交換等の設備費の増大を防止することができ
る。上記したように、本発明において、例えば発電所の
復水工程からの酸性状態のエタノールアミン含有希塩酸
廃液は、電解処理に先立ち、予め微酸性とする。本発明
において、微酸性化は、一般に、アルカリ化合物を添加
して約pH5〜7に中和した状態であり、より好ましく
はpH6〜7とするのがよい。被電解処理廃液のpH値
が5未満の場合は、電解中に塩素ガスが多く発生し、後
処理が必要になるので好ましくない。一方、pH値が7
より高い場合は、エタノールアミンの一部が気体となっ
て電解槽外に排出されるため好ましくない。また、被処
理廃液を微酸性状態として電解処理するに従い電解室内
での液pHが下がる傾向があり、微酸性を保持するため
に電解時に適宜アルカリ化合物を添加してpH5〜7の
範囲となるようにする。
【0007】本発明において、微酸性化のために添加す
るアルカリ化合物としては、苛性ソーダ等のナトリウム
化合物を用いて中和することが好ましい。希塩酸廃液中
に苛性ソーダを添加することにより、廃液中に塩化ナト
リウム(NaCl)を生成することができる。NaCl
含有電解液の無隔膜での電解は、酸化力の強い次亜塩素
酸イオンを生成させることができる。本発明のエタノー
ルアミン含有希塩酸廃液の電解処理は無隔膜で行われ、
エタノールアミンを電解酸化分解できると共に、微酸性
化の中和で生じるNaClから生成する次亜塩素酸イオ
ンによってもエタノールアミンを酸化分解することがで
き特に好ましい。電解処理において隔膜を使用した場合
は次亜塩素酸及び次亜塩素酸ソーダの生成が困難となり
好ましくない。上記のように、本発明は希塩酸廃液中の
エタノールアミンを次亜塩素酸イオンの酸化作用と電解
酸化の双方により効果的に分解除去することができる。
希塩酸廃液中のエタノールアミンを電解処理して除去す
ることは、本発明により初めて提案されたものである。
更に、電解処理時の電解液を微酸性しNaClを共存さ
せて電解することにより効果的なエタノールアミンの除
去が好適に行うことができることも、従来は全く知られ
ておらず、発明者らが初めて見いだしたことである。
るアルカリ化合物としては、苛性ソーダ等のナトリウム
化合物を用いて中和することが好ましい。希塩酸廃液中
に苛性ソーダを添加することにより、廃液中に塩化ナト
リウム(NaCl)を生成することができる。NaCl
含有電解液の無隔膜での電解は、酸化力の強い次亜塩素
酸イオンを生成させることができる。本発明のエタノー
ルアミン含有希塩酸廃液の電解処理は無隔膜で行われ、
エタノールアミンを電解酸化分解できると共に、微酸性
化の中和で生じるNaClから生成する次亜塩素酸イオ
ンによってもエタノールアミンを酸化分解することがで
き特に好ましい。電解処理において隔膜を使用した場合
は次亜塩素酸及び次亜塩素酸ソーダの生成が困難となり
好ましくない。上記のように、本発明は希塩酸廃液中の
エタノールアミンを次亜塩素酸イオンの酸化作用と電解
酸化の双方により効果的に分解除去することができる。
希塩酸廃液中のエタノールアミンを電解処理して除去す
ることは、本発明により初めて提案されたものである。
更に、電解処理時の電解液を微酸性しNaClを共存さ
せて電解することにより効果的なエタノールアミンの除
去が好適に行うことができることも、従来は全く知られ
ておらず、発明者らが初めて見いだしたことである。
【0008】本発明で使用する電解処理装置は、その型
式は特に制限されるものでなく、タンク式電解槽やフィ
ルタープレス式電解槽が使用できる。タンク式としては
箱型や円筒型のものが好適に使用される。また、本発明
の電解処理装置における電極の接続法は、複極式及び単
極式の双方を適用できる。陽極としては、チタンやタン
タルの基体上に白金族金属や白金族金属酸化物で被覆し
たいわゆる金属陽極が使用できる。陽極の形状は、特に
制限されるものでなく、板、棒、エキスパンドメタル、
穿孔板、メッシュ等すべて使用可能である。また、陰極
としては、チタン、ステンレス、ニッケル、チタンの基
体上に白金族金属や白金族金属酸化物で被覆したものが
使用できる。陰極の形状は、陽極と同様に特に制限され
ず、板、棒、エキスパンドメタル、穿孔板、メッシュ等
すべて使用可能である。
式は特に制限されるものでなく、タンク式電解槽やフィ
ルタープレス式電解槽が使用できる。タンク式としては
箱型や円筒型のものが好適に使用される。また、本発明
の電解処理装置における電極の接続法は、複極式及び単
極式の双方を適用できる。陽極としては、チタンやタン
タルの基体上に白金族金属や白金族金属酸化物で被覆し
たいわゆる金属陽極が使用できる。陽極の形状は、特に
制限されるものでなく、板、棒、エキスパンドメタル、
穿孔板、メッシュ等すべて使用可能である。また、陰極
としては、チタン、ステンレス、ニッケル、チタンの基
体上に白金族金属や白金族金属酸化物で被覆したものが
使用できる。陰極の形状は、陽極と同様に特に制限され
ず、板、棒、エキスパンドメタル、穿孔板、メッシュ等
すべて使用可能である。
【0009】本発明において、電解処理の条件は、被処
理エタノールアミン含有希塩酸廃液のエタノールアミン
含量や処理量等により適宜選択することができる。好ま
しくは、電流密度は1〜50A/dm2 、温度20〜7
0℃がよい。電流密度が1A/dm2 より小さい場合
は、一定の廃液を処理するのに必要な電解槽が大規模に
なり設備費が嵩み好ましくなく、電流密度が50A/d
m2 より大きい場合には陽極の寿命が短くなったり、電
解での発熱が増え温度制御性が悪くなるので好ましくな
い。また、温度が20℃より低い場合は、冷却に必要な
熱交換機が大規模になり設備費が嵩み好ましくなく、温
度が70℃より高い場合は陽極の寿命が短くなったり、
電解槽構成材の腐食が増えるため好ましくない。また、
電解処理時間は、廃液組成、電解条件等により変わるの
で一概には定められないが、所望のエタノールアミンの
分解率が達成できる時間だけ電解すればよい。また、本
発明の被処理エタノールアミン含有希塩酸廃液の電解処
理は、連続法、バッチ法のいずれも採用できる。バッチ
法においては、所定量の被処理希塩酸廃液を所定の微酸
性とした後、電解工程に導入し所定時間電解処理して、
エタノールアミンを電解酸化除去して処理完了後に電解
工程から電解処理液を抜き出し排出する。一方、連続法
においては、電解工程に、所定流量の被処理エタノール
アミン含有希塩酸廃液を連続的に供給すると同時に、電
解処理液を電解工程から抜き出し、抜き出した電解処理
液の一部を排出し、残部を電解工程に循環して供給させ
ることができる。循環する電解処理液は、電解工程に供
給される被処理エタノールアミン含希塩酸廃液に混合し
て循環することができ、新たな被処理廃液の微酸性化と
同時に電解処理により低下したpH値を所定のpH値に
調整することができる。
理エタノールアミン含有希塩酸廃液のエタノールアミン
含量や処理量等により適宜選択することができる。好ま
しくは、電流密度は1〜50A/dm2 、温度20〜7
0℃がよい。電流密度が1A/dm2 より小さい場合
は、一定の廃液を処理するのに必要な電解槽が大規模に
なり設備費が嵩み好ましくなく、電流密度が50A/d
m2 より大きい場合には陽極の寿命が短くなったり、電
解での発熱が増え温度制御性が悪くなるので好ましくな
い。また、温度が20℃より低い場合は、冷却に必要な
熱交換機が大規模になり設備費が嵩み好ましくなく、温
度が70℃より高い場合は陽極の寿命が短くなったり、
電解槽構成材の腐食が増えるため好ましくない。また、
電解処理時間は、廃液組成、電解条件等により変わるの
で一概には定められないが、所望のエタノールアミンの
分解率が達成できる時間だけ電解すればよい。また、本
発明の被処理エタノールアミン含有希塩酸廃液の電解処
理は、連続法、バッチ法のいずれも採用できる。バッチ
法においては、所定量の被処理希塩酸廃液を所定の微酸
性とした後、電解工程に導入し所定時間電解処理して、
エタノールアミンを電解酸化除去して処理完了後に電解
工程から電解処理液を抜き出し排出する。一方、連続法
においては、電解工程に、所定流量の被処理エタノール
アミン含有希塩酸廃液を連続的に供給すると同時に、電
解処理液を電解工程から抜き出し、抜き出した電解処理
液の一部を排出し、残部を電解工程に循環して供給させ
ることができる。循環する電解処理液は、電解工程に供
給される被処理エタノールアミン含希塩酸廃液に混合し
て循環することができ、新たな被処理廃液の微酸性化と
同時に電解処理により低下したpH値を所定のpH値に
調整することができる。
【0010】上記した通り、本発明のエタノールアミン
含有希塩酸廃液の処理法は、被処理廃液を無隔膜で電解
処理するものであり、電解室内に隔膜を配備することな
く電解液のpH値を微酸性に維持する。本発明の方法に
よると、希塩酸廃液中のエタノールアミンが直接陽極で
電解的に酸化される機構により分解でき、更に、電解室
内に次亜塩素酸及び次亜塩素酸ソーダの混合液が生成さ
せ、電解酸化と同時にエタノールアミンを酸化させるこ
とができる。即ち、本発明の処理法は、次亜塩素酸及び
次亜塩素酸ソーダによる化学的酸化と陽極による電解的
酸化の双方を利用してエタノールアミンを分解する極め
て効率のよい方法である。
含有希塩酸廃液の処理法は、被処理廃液を無隔膜で電解
処理するものであり、電解室内に隔膜を配備することな
く電解液のpH値を微酸性に維持する。本発明の方法に
よると、希塩酸廃液中のエタノールアミンが直接陽極で
電解的に酸化される機構により分解でき、更に、電解室
内に次亜塩素酸及び次亜塩素酸ソーダの混合液が生成さ
せ、電解酸化と同時にエタノールアミンを酸化させるこ
とができる。即ち、本発明の処理法は、次亜塩素酸及び
次亜塩素酸ソーダによる化学的酸化と陽極による電解的
酸化の双方を利用してエタノールアミンを分解する極め
て効率のよい方法である。
【0011】
【実施例】本発明について実施例に基づき更に詳細に説
明する。但し、本発明は、下記の実施例に制限されるも
のではない。 実施例1〜2 陽極及び陰極として共に電極寸法10cm×10cmの
白金めっきしたチタンエキスパンドメタルを使用し、電
解室のセル枠には耐熱塩化ビニール樹脂を使用し、隔膜
を用いない電解槽を組み立てた。硝子製ビーカーに、塩
酸5重量%及びエタノールアミン1重量%を含有する水
溶液400ミリリットルを疑似廃液として調製した。調
製した疑似廃液のpH値は0以下で、ガラス電極式pH
メーターを用いて測定した。液中の全炭素濃度(TO
C)は4.04g/リットルであった。疑似廃液に20
重量%苛性ソーダ水溶液を添加し中和し、pH値が表1
に示した値の微酸性状態にした。その後、微酸性化した
廃液を保持したビーカを恒温槽に入れ温度を60±5℃
に加温維持した。恒温槽のビーカから、加温廃液を上記
で組立てた電解槽に4リットル/時間の流量で供給し且
つ抜き出して、恒温槽ビーカと電解槽と間を循環させる
と同時に、20アンペアの電流で3時間電解した。電解
中、電解液の酸性度を上記pH値に維持するため苛性ソ
ーダの添加続けた。電解後の液をサンプリングし、液中
のTOCを測定した。得られた測定結果を表1に示し
た。
明する。但し、本発明は、下記の実施例に制限されるも
のではない。 実施例1〜2 陽極及び陰極として共に電極寸法10cm×10cmの
白金めっきしたチタンエキスパンドメタルを使用し、電
解室のセル枠には耐熱塩化ビニール樹脂を使用し、隔膜
を用いない電解槽を組み立てた。硝子製ビーカーに、塩
酸5重量%及びエタノールアミン1重量%を含有する水
溶液400ミリリットルを疑似廃液として調製した。調
製した疑似廃液のpH値は0以下で、ガラス電極式pH
メーターを用いて測定した。液中の全炭素濃度(TO
C)は4.04g/リットルであった。疑似廃液に20
重量%苛性ソーダ水溶液を添加し中和し、pH値が表1
に示した値の微酸性状態にした。その後、微酸性化した
廃液を保持したビーカを恒温槽に入れ温度を60±5℃
に加温維持した。恒温槽のビーカから、加温廃液を上記
で組立てた電解槽に4リットル/時間の流量で供給し且
つ抜き出して、恒温槽ビーカと電解槽と間を循環させる
と同時に、20アンペアの電流で3時間電解した。電解
中、電解液の酸性度を上記pH値に維持するため苛性ソ
ーダの添加続けた。電解後の液をサンプリングし、液中
のTOCを測定した。得られた測定結果を表1に示し
た。
【0012】
【表1】
【0013】比較例1 電解液のpH値を4〜4.5とした以外は実施例1と同
一条件及び装置で、同様に疑似廃液を電解処理した。そ
の結果、電解開始直後から塩素ガスが発生し、塩素ガス
の後処理が必要な明白であった。
一条件及び装置で、同様に疑似廃液を電解処理した。そ
の結果、電解開始直後から塩素ガスが発生し、塩素ガス
の後処理が必要な明白であった。
【0014】比較例2 電解液のpH値を8.5〜9.0とした以外は実施例1
と同一条件及び装置で、同様に疑似廃液を電解処理し
た。電解槽より発生するガスを分析した結果、エタノー
ルアミンが4000〜5000容量ppm含有されてい
ること明らかとなった。これは電解液のpH値が高いた
め、エタノールアミンが非解離型となりガス側に揮発し
たものと推定される。
と同一条件及び装置で、同様に疑似廃液を電解処理し
た。電解槽より発生するガスを分析した結果、エタノー
ルアミンが4000〜5000容量ppm含有されてい
ること明らかとなった。これは電解液のpH値が高いた
め、エタノールアミンが非解離型となりガス側に揮発し
たものと推定される。
【0015】
【発明の効果】本発明のエタノールアミン含有希塩酸廃
液の処理法は、隔膜を使用せずに所定に微酸性とした廃
液を電解処理するものであり、イオン交換膜等の高価な
部材を必要とすることがない。その上、微酸性化と同時
に塩化ナトリウムを生成共存させて無隔膜で電解処理す
ることから、電解液中に次亜塩素酸及び次亜塩素酸ソー
ダを生成させることができ、エタノールアミンは次亜塩
素酸イオンによる化学的酸化と、電解陽極による電気的
酸化の双方で分解されることになり効率的に廃液中から
除去することができる。また、従来の活性汚泥法に比
し、運転管理が容易であり、二次処理を要す副生物を生
成しないため処理コストが低減され、簡便に、安価に、
且つ、効率よくエタノールアミンを除去できる。しか
も、電解処理設備はコンパクトであり、処理設備が従来
の活性汚泥法に比し著しく小型化され設備経費の削減も
できるという利点もある。
液の処理法は、隔膜を使用せずに所定に微酸性とした廃
液を電解処理するものであり、イオン交換膜等の高価な
部材を必要とすることがない。その上、微酸性化と同時
に塩化ナトリウムを生成共存させて無隔膜で電解処理す
ることから、電解液中に次亜塩素酸及び次亜塩素酸ソー
ダを生成させることができ、エタノールアミンは次亜塩
素酸イオンによる化学的酸化と、電解陽極による電気的
酸化の双方で分解されることになり効率的に廃液中から
除去することができる。また、従来の活性汚泥法に比
し、運転管理が容易であり、二次処理を要す副生物を生
成しないため処理コストが低減され、簡便に、安価に、
且つ、効率よくエタノールアミンを除去できる。しか
も、電解処理設備はコンパクトであり、処理設備が従来
の活性汚泥法に比し著しく小型化され設備経費の削減も
できるという利点もある。
Claims (3)
- 【請求項1】 エタノールアミン含有希塩酸廃液を、微
酸性で無隔膜電解処理してエタノールアミンを除去する
ことを特徴とするエタノールアミン含有希塩酸廃液の処
理法。 - 【請求項2】 前記微酸性が、pH5〜7である請求項
1記載のエタノールアミン含有希塩酸廃液の処理法。 - 【請求項3】 前記電解処理が、無隔膜電解室にエタノ
ールアミン含有希塩酸廃液を循環供給して連続的に行な
われる請求項1または2記載のエタノールアミン含有希
塩酸廃液の処理法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8080798A JPH09239371A (ja) | 1996-03-07 | 1996-03-07 | エタノールアミン含有希塩酸廃液の処理法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8080798A JPH09239371A (ja) | 1996-03-07 | 1996-03-07 | エタノールアミン含有希塩酸廃液の処理法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09239371A true JPH09239371A (ja) | 1997-09-16 |
Family
ID=13728488
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8080798A Pending JPH09239371A (ja) | 1996-03-07 | 1996-03-07 | エタノールアミン含有希塩酸廃液の処理法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09239371A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7081194B2 (en) | 2004-02-19 | 2006-07-25 | Mge Engineering Corporation | Method for treating ETA-containing wastewater |
WO2011065222A1 (ja) | 2009-11-25 | 2011-06-03 | 栗田工業株式会社 | 窒素化合物含有酸性液の処理装置および処理方法 |
JP2013141614A (ja) * | 2012-01-06 | 2013-07-22 | Sumitomo Osaka Cement Co Ltd | 排水のセレン除去処理方法 |
JP2019120480A (ja) * | 2018-01-05 | 2019-07-22 | 優章 荒井 | 製氷装置 |
-
1996
- 1996-03-07 JP JP8080798A patent/JPH09239371A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7081194B2 (en) | 2004-02-19 | 2006-07-25 | Mge Engineering Corporation | Method for treating ETA-containing wastewater |
WO2011065222A1 (ja) | 2009-11-25 | 2011-06-03 | 栗田工業株式会社 | 窒素化合物含有酸性液の処理装置および処理方法 |
JP2013141614A (ja) * | 2012-01-06 | 2013-07-22 | Sumitomo Osaka Cement Co Ltd | 排水のセレン除去処理方法 |
JP2019120480A (ja) * | 2018-01-05 | 2019-07-22 | 優章 荒井 | 製氷装置 |
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A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20040301 |
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A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040309 |
|
A02 | Decision of refusal |
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