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JPH09232190A - 電気二重層キャパシタ - Google Patents

電気二重層キャパシタ

Info

Publication number
JPH09232190A
JPH09232190A JP8034023A JP3402396A JPH09232190A JP H09232190 A JPH09232190 A JP H09232190A JP 8034023 A JP8034023 A JP 8034023A JP 3402396 A JP3402396 A JP 3402396A JP H09232190 A JPH09232190 A JP H09232190A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
stainless steel
electrode
double layer
layer capacitor
electric double
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8034023A
Other languages
English (en)
Inventor
Manabu Kazuhara
学 数原
Takeshi Morimoto
剛 森本
Kazuya Hiratsuka
和也 平塚
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Glass Co Ltd filed Critical Asahi Glass Co Ltd
Priority to JP8034023A priority Critical patent/JPH09232190A/ja
Publication of JPH09232190A publication Critical patent/JPH09232190A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/13Energy storage using capacitors

Landscapes

  • Electric Double-Layer Capacitors Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】高使用電圧、急速充放電性、耐充放電サイクル
性であって高エネルギ密度の電気二重層キャパシタを提
供する。 【解決手段】分極性電極材料にステンレス鋼繊維の集電
体が混在状態で組み合わされて正極1とされ、分極性電
極又はリチウムイオンを吸蔵しうる炭素材料にリチウム
イオンを吸蔵させた炭素質材料に金属の集電体を組み合
わせて負極5とされ、両電極間にセパレータ8を挟んだ
素子に非水系電解液7を含浸する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はエネルギ密度が大き
く、急速充放電でき、耐充放電サイクル性に優れた電気
二重層キャパシタに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の電気二重層キャパシタは、例えば
板状又は箔状の金属集電体に活性炭粉末を主体とする膜
状の分極性電極材料を担持してなる対向する一対の分極
性電極の間、又はシート状に形成された活性炭繊維から
なる対向する一対の分極性電極の間にセパレータを配置
して素子とし、又は一対のシート状分極性電極の間にセ
パレータを挟んだ状態で巻回して素子とし、これらの素
子に電解液を含浸した状態で容器中に収容し、この容器
の開口部から電解液が蒸発しないように開口部を封口部
材等で封じて構成している。
【0003】また、米国特許5096663号、米国特
許5080963号及び米国特許5102745号に
は、ステンレス鋼繊維と活性炭繊維及びセルロース繊維
からなる混合物をステンレス鋼箔上に配置し、ステンレ
ス鋼繊維を加熱焼結せしめてステンレス鋼繊維、活性炭
繊維及びステンレス鋼箔からなる複合分極性電極とし、
この分極性電極に水系電解液又は有機溶媒系(非水系)
電解液を含浸させた電気二重層キャパシタが提案されて
いる。活性炭繊維はある程度導電性がよいが必ずしも充
分でなく、電極の密度を大きくできないため単位体積当
たりの容量を大きくできないという欠点がある。
【0004】特開昭60−161610号には、活性炭
粉末の粒子より細かい気孔を有するステンレス鋼繊維の
マットに、活性炭粉末を含む層を積層した複合分極性電
極が提案されている。しかしこの複合分極性電極は、粉
末粒子間の結合強度が弱く、内部抵抗が大きいという欠
点がある。また、特開昭61−36920号及び特開昭
61−59716号には、活性炭繊維と金属短繊維から
なる複合分極性電極が提案されている。特開平2−16
710号及び特開平2−16711号には、シート状に
成形された活性炭層と金属の集電板の中間にステンレス
鋼繊維のフェルトを配置した複合分極性電極が提案され
ている。
【0005】さらに、特開平4−154106号には、
大電流大容量化を目的としてシート状の分極性電極とセ
パレータを多数積層した素子が組み込まれた電気二重層
キャパシタが提案されている。この素子は、例えば矩形
に成形されたシート状分極性電極の間にセパレータを配
置して交互に多数積み重ねたものからなり、その正極と
負極の端部に正極リード部材及び負極リード部材をかし
めて接続した素子を容器中に収納し、電解液を含浸して
蓋で密閉している。
【0006】これらの電気二重層キャパシタの電極は、
正極と負極の両方が大きな比表面積を有する活性炭を主
体とする分極性電極で構成されている。また、内部抵抗
を小さくして大きな放電電流が得られるように、特開平
6−236829号には活性炭粉末を主体とする分極性
電極の集電体に多孔質ニッケルを用いたものが提案され
ている。また、電気二重層キャパシタの容量を大きくす
るため、比表面積の大きな活性炭を用いているが、活性
炭の比表面積は通常3000m2 /g程度が最大であ
り、大比表面積の活性炭粉末は気孔率が大きく(嵩高
く)なることから、大比表面積の活性炭粉末を用いて得
られる電気二重層キャパシタの単位重量当たりの容量も
ほぼ限界に達している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】10A以上の大電流で
充放電しうるエネルギ密度の大きい電気二重層キャパシ
タは、電気自動車の電源や、自動車の回生制動エネルギ
の貯蔵等に有望とされている。本発明は、これらの目的
に使用できる、高い使用電圧と大きいエネルギ密度を有
するとともに、急速充放電が可能な低い内部抵抗を備
え、耐充放電サイクル性に優れた電気二重層キャパシタ
の提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を達成
すべくなされたものであり、本発明による第1の電気二
重層キャパシタは、活性炭粉末、導電材粉末及び結合剤
を含む分極性電極材料にステンレス鋼繊維の集電体が混
在状態で組み合わされて正極とされ、活性炭粉末、導電
材粉末及び結合剤を含む分極性電極材料に金属の集電体
が組み合わされて負極とされ、正極と負極の間にセパレ
ータが配置され、正極、負極及びセパレータに非水系電
解液が含浸されていることを特徴とする。
【0009】活性炭粉末は、分極性電極の主要構成材料
であり、活性炭粉末が保有する大きな表面と接する電解
液中に電気二重層を形成して大きい電荷を貯める働きを
する。活性炭としては、やしがら系活性炭、フェノール
樹脂系活性炭、石油コークス系活性炭等がある。大きな
容量を得られる点でフェノール樹脂系活性炭粉末、石油
コークス系活性炭粉末の使用が好ましい。活性炭の賦活
処理法には、水蒸気賦活処理法、溶融KOH賦活処理等
がある。より大きな容量を得られる点で溶融KOH賦活
処理法による活性炭粉末が好ましい。活性炭粉末は、比
表面積が大きい方が好ましいが、余り大きいと嵩高くな
るため1000〜2500m2 /gのものを選ぶのが好
ましい。また、活性炭粉末の粒子が大きすぎると粒子が
ステンレス鋼繊維の狭い隙間に入り込みにくく、活性炭
粉末が分極性電極中に均等に分布しにくい。しかし、活
性炭粉末を細かくするにはそれなりのコストと手間が必
要で、細かすぎると粉末が扱いにくくなるため、活性炭
粉末の粒径は1〜30μmとするのが好ましい。
【0010】導電材は分極性電極の導電性を高めて内部
抵抗を下げる目的で配合されるもので、活性炭粉末と比
べて桁違いに(2桁以上)高い導電性を示す粉末材料で
ある。導電材には、カーボンブラック、天然黒鉛、人造
黒鉛、酸化チタン、酸化ルテニウム等の粉末がある。こ
れらのうち、少量でも導電性を向上させる効果が大きい
ことから、カーボンブラックの1種であるケッチェンブ
ラック又はアセチレンブラックを使用するのが好まし
い。分極性電極中のカーボンブラック等の導電材の配合
量は、導電性を向上させられるように、活性炭粉末との
合量中5重量%以上、特には10重量%以上配合するの
が好ましく、活性炭粉末の配合割合が減ると分極性電極
の容量が減るため分極性電極中の導電材の配合量は40
重量%以下、特には30重量%以下とするのが好まし
い。
【0011】本発明の電気二重層キャパシタでは、分極
性電極である正極の内部抵抗をさらに小さくするため、
分極性電極中にステンレス鋼繊維を混在せしめてある。
ステンレス鋼繊維は、正極側の使用条件下で安定した集
電体として機能し、正極側の分極性電極をある程度厚く
しても、ステンレス鋼繊維が電極内部に混在していれば
内部抵抗の小さい分極性電極が得られ、分極性電極を厚
くすれば容量の大きい分極性電極が得られる。ステンレ
ス鋼繊維は電極に組み合わされるたときに電気化学的、
化学的に耐食性がある。
【0012】ステンレス鋼繊維は、細い繊維の方が内部
抵抗を小さくできるが、繊維径1μm以下の細いものは
製造が難しく、繊維の隙間が狭くなって繊維の隙間に活
性炭粉末を入り込ませにくくなる。また、繊維径が50
μm以上であると分極性電極全体から均等に集電するこ
とが難しくなる。ステンレス鋼繊維は、粉末が入り込め
る適度の大きさの隙間を形成でき、良好な集電性能が得
られるように、繊維径1〜50μm、長さが1mm以上
のものを使用するのが好ましい。ステンレス鋼繊維の材
質は、市販品が入手できることもあり、ステンレス30
4又はステンレス316Lとするのが特に好ましい。ま
た、耐食性と安定性が高いので正極に組み合わせるステ
ンレス鋼繊維はステンレス316とするのが好ましく、
負極にはより安価なステンレス304の繊維を組み合わ
せるのが好ましい。ステンレス鋼繊維は、あらかじめ焼
結して繊維の接点が結合した状態であるものを使用する
と、分極性電極の内部抵抗がさらに減少する。この種の
ステンレス鋼繊維は、例えば日本精線社(商品名ナスロ
ン)や米国チャコール・クロス社から入手できる。ステ
ンレス鋼繊維の繊維径は特に好ましくは1〜15μmで
ある。
【0013】正極の集電体とするステンレス鋼繊維のマ
ットは、好ましくは金属の集電板と接合して電気的に接
続される。ステンレス鋼繊維のマット又はウエブは、例
えば、1000℃以上の不活性ガス雰囲気中、又は還元
性ガス雰囲気中で加熱することによって焼結させること
ができ、焼結によって繊維相互の交点が結合するとステ
ンレス鋼繊維からなる集電体の強度が向上し、分極性電
極の電気抵抗を低減できる。ステンレス鋼繊維マット又
はウエブそれ自体の電気抵抗が大きい場合は、金属の集
電板を併用するのが好ましい。金属の集電板は、ステン
レス鋼繊維と電気的に接合できるものであればよく、
箔、エキスパンドメタル、パンチングした箔等を使用で
きる。
【0014】ステンレス鋼繊維と金属の集電板は、電気
溶接、コールドウエルド、超音波溶接、又はステンレス
鋼繊維のマットを金属の集電板上に置いた状態で金属の
融点近くまで還元雰囲気下で加熱してステンレス鋼繊維
を集電板に接合したり、ステンレス鋼繊維のマットを導
電性接着剤で集電板と接合して電気的に接続したりす
る。ステンレス鋼繊維のマットと金属の集電板を接合し
た後、活性炭粉末を主体とする分極性電極材料を担持し
てもよいが、あらかじめ分極性電極材料をステンレス鋼
繊維と複合した複合体を金属の集電板に電気溶接等で電
気的に接合してもよい。
【0015】結合剤は、分極性電極中の活性炭粉末と導
電材を一体に保つための結合成分であり、結合剤には、
例えばPTFE、ポリフッ化ビニリデン、フルオロオレ
フィン共重合体架橋ポリマー、フルオロオレフィン/ビ
ニルエーテル共重合体架橋ポリマー、カルボキシメチル
セルロ−ス、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコ
ール及びポリアクリル酸、ポリイミド等が使用できる。
分極性電極中の結合剤の含有量は、少ないと有効な結合
強度を発現できず、充放電時に結合が緩んで内部抵抗が
増加する傾向を示し、多すぎると分極性電極の内部抵抗
が大きくなるので、1〜20重量%とするのが好まし
い。
【0016】分極性電極の厚さは、薄いと単位面積当た
りの容量を大きくできず、厚すぎると均質で高密度の電
極とするのが難しく、内部抵抗が高くなるので0.1〜
3mm以下、特には0.2〜2mmとするのが好まし
い。また、分極性電極の空隙率は、電解液が分極性電極
の内部に浸透して内部の分極性電極の表面がすべて電荷
の蓄積に寄与しうるように10%以上とするのが好まし
い。しかし、分極性電極の空隙率があまり大きいと分極
性電極の容量が小さくなるので、空隙率は60%以下と
するのが好ましい。負極の分極性電極についてもステン
レス鋼繊維の集電体を分極性電極材料の粉末と混在状態
で組み合わせて正極と同じ構成とするのが好ましいが、
多孔質ニッケル等の多孔質金属の集電体を分極性電極の
粉末との混在状態で組み合わた負極も同様に好ましい。
【0017】非水系電解液は、R4+ 、R4+ (た
だし、Rはアルキル基)等の第4級オニウムカチオンと
BF4 -、N(CF3 SO22 -、PF6 -、ClO4 -等の
アニオンとを組み合わせた塩を有機溶媒に溶解させた低
水分の非水系電解液を使用するのが好ましい。特に、4
個のアルキル基の全てが同じでない、非対称第4級オニ
ウムカチオン例えば(C253 (CH3 )N+
(C253 (CH3)P+ の塩は、塩の溶媒中への
溶解度が高いため電解液の電気伝導度を高くできるので
好ましい。
【0018】本発明による第2の電気二重層キャパシタ
は、活性炭粉末、導電材粉末及び結合剤を含む分極性電
極材料にステンレス鋼繊維の集電体が混在状態で組み合
わされて正極とされ、リチウムイオンを吸蔵、脱離しう
る炭素材料に化学的方法及び/又は電気化学的方法であ
らかじめリチウムイオンを吸蔵させた炭素質材料に多孔
質金属又は繊維状金属の集電体が組み合わされて負極と
され、正極と負極の間にセパレータが配置され、正極、
負極及びセパレータにリチウム塩を含む非水系電解液が
含浸されていることを特徴とする。
【0019】この第2の電気二重層キャパシタでは正極
が分極性電極であるのに対し、負極は非分極性電極であ
り、この構成では使用電圧を高くできるという特徴があ
る。この電気二重層キャパシタでは、電解液の電解質は
カチオンがリチウムイオンであるリチウム塩に限られ
る。使用できるリチウム塩としては、LiClO4 、L
iCF3 SO3 、LiBF4 、LiPF6 、LiAsF
6 、LiSbF6 、LiCF3 CO2 及びLiN(CF
3 SO22 がある。これらのうち、LiClO4 、L
iN(CF3 SO22 、LiBF4 及びLiPF6
安定性と電気伝導度の点で特に好ましいリチウム塩であ
る。
【0020】本発明の電気二重層キャパシタに使用でき
る非水系電解液の有機溶媒には、いずれの構成の電気二
重層キャパシタについても、プロピレンカーボネート、
エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、γ−ブ
チロラクトン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、ホ
ルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジオキソラン、リ
ン酸トリエステル、無水マレイン酸、無水コハク酸、無
水フタル酸、1,3−プロパンスルトン、プロピレンカ
ーボネート誘導体、エチレンカーボネート誘導体、4,
5−ジヒドロピラン誘導体、ラクトン誘導体、スルホラ
ン誘導体、ニトロベンゼン、1,3−ジオキサン、1,
4−ジオキサン、3−メチル−2−オキサゾリジノン、
1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、テト
ラヒドロフラン誘導体、シドノン化合物、2−メチルテ
トラヒドロフラン、ジメチルカーボネート、ジエチルカ
ーボネート、アセトニトリル、ニトロメタン、アルコキ
シエタン及びジメチルアセトアミドから選ばれる1種以
上からなる有機溶媒を好ましく使用できる。
【0021】これらの有機溶媒のうち、プロピレンカー
ボネート、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネー
ト、ジメトキシエタン、ブチレンカーボネート、スルホ
ラン、メチルスルホラン、ジメチルカーボネート及びエ
チルメチルカーボネートから選ばれる1種以上からなる
有機溶媒が、化学的及び電気化学的な安定性、電気伝導
度及び低温特性の点で特に好ましい有機溶媒である。
【0022】本発明の第2の電気二重層キャパシタの正
極は、本発明の第1の電気二重層キャパシタの正極と同
じ構成である。この種の分極性電極は、例えば以下のよ
うにして形成できる。活性炭粉末、カーボンブラック及
び結合剤に溶媒を混合して分極性電極材料のスラリーと
し、ステンレス鋼繊維のマット又はステンレス鋼繊維の
マットと金属の集電板の接合体にこのスラリーを塗布又
は含浸し、乾燥後必要に応じて圧密化し、分極性電極材
料とステンレス鋼繊維が混在して集電体と分極性電極材
料とが一体化した複合電極とする。分極性電極の正極
は、導電性接着剤を介して、又は電気溶接等によって電
気的に端子又は金属容器と接合される。
【0023】ステンレス鋼繊維のマット又はウエブに活
性炭粉末、導電材及び結合剤に溶媒を混合したスラリー
を注入し、乾燥後圧縮して圧密化すれば、分極性電極の
空隙率を調整できる。圧密化して電極の空隙率を好まし
い値に調節すれば、電気二重層キャパシタの性能を向上
させられる。分極性電極の空隙率は、好ましくは10〜
80%とされる。空隙率が10%未満であると、電解液
が電極内部に浸透し難くて電極内部の分極性電極材料の
一部が有効に働かない。また、空隙率が80%を超える
と、分極性電極が嵩高くなってエネルギ密度が小さくな
る。分極性電極の空隙率は、特に好ましくは15〜60
%とされる。また分極性電極の厚みは0.1〜3mm、
特には0.2〜2.0mmとするのが好ましい。
【0024】ステンレス鋼繊維のマット又はウエブと金
属の集電板の接合体に分極性電極材料を混在させるもう
1つの方法としては、例えば、活性炭粉末、導電材粉末
及び結合剤であらかじめシートを形成し、アルコール等
の溶媒で固さを調節して該シートをロールプレス等によ
りステンレス鋼繊維のマットに圧入すると複合電極が得
られる。
【0025】第2の電気二重層キャパシタの負極の集電
体に使用する多孔質金属は、電気化学的、化学的に耐食
性のある金属であればよい。多孔質金属は、その気孔率
が80〜99.5%の多孔質ニッケルが好ましく使用で
きる。また、その厚さは、0.3〜5mmのシート状の
ものを使用するのが好ましい。特には、その気孔率が8
5〜99%で、長さ1cm当たりの平均孔数(多孔質金
属を貫く長さ1cmの直線が横切る平均の孔数をいう)
が5以上の多孔質ニッケルを用いるのが好ましい。
【0026】多孔質ニッケル等の多孔質金属のシート中
に、炭素材料粉末と結合剤に溶媒を混合したスラリーを
注入し、乾燥後プレスして圧密化し、電極の空隙率を調
整する。この圧密化によって電極の空隙率を適量に調節
することが電気二重層キャパシタの性能を高めるために
重要である。この負極の空隙率は、好ましくは10〜8
0%とされる。空隙率が10%未満であると、電解液が
電極内部に侵入しにくくなって内部の電極材料の一部が
有効に働かない。また、空隙率が80%超であると、容
量の割りに電極が嵩高くなって負極の単位体積当たりの
容量が小さくなる。電極の空隙率は、特に好ましくは1
5〜60%とされる。負極の厚さは0.1〜3mm、特
には0.2〜2.0mmとするのが好ましい。
【0027】コイン型の電気二重層キャパシタとするに
は、例えば、ステンレス鋼繊維の集電体を混在状態で組
み合わせた分極性電極である正極を導電性接着剤又は溶
接等でステンレス鋼、アルミニウム等からなる容器の蓋
又はケースに電気的に接続する。次に正極と同じ構成の
ステンレス鋼繊維の集電体を混在状態で組み合わせた分
極性電極を、ステンレス鋼、ニッケル等からなる容器の
ケース又は蓋に電気的に接続して負極とする。又は、リ
チウムを吸蔵、脱離しうる炭素材料及び結合剤からなる
負極材料をステンレス鋼、ニッケル等からなる容器のケ
ース又は蓋に電気的に接続して負極とする。このように
して得られた正極と負極の間にセパレータを配置し、正
極、負極及びセパレータに電解液を含浸して容器中に収
容すれば電気二重層キャパシタを形成できる。
【0028】分極性電極材料又は負極材料のスラリーを
使用して分極性電極材料又は負極を製造するときの結合
剤には、ポリフッ化ビニリデン、フルオロオレフィン共
重合体架橋ポリマー、フルオロオレフィン/ビニルエー
テル共重合体架橋ポリマー、カルボキシメチルセルロ−
ス、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポ
リアクリル酸又はポリイミドを用いるのが好ましい。
【0029】スラリーの溶媒は、これらの結合剤を溶解
するものが好ましく、N−メチルピロリドン、水、ジメ
チルホルムアミド、トルエン、キシレン、メチルエチル
ケトン、酢酸エチル、酢酸メチル、フタル酸ジメチル、
エタノール、メタノール、ブタノール又は水が選択され
る。また、上記架橋ポリマーの架橋剤には、アミン類、
ポリアミン類、ポリイソシアネート類、ビスフェノール
類、パーオキシド類を好ましく使用できる。
【0030】本発明の電気二重層キャパシタに使用する
好ましい活性炭粉末としては、やしがら系活性炭、フェ
ノール樹脂系活性炭、石油コークス系活性炭の粉末があ
る。これらの活性炭粉末のうち、大容量を得られる点で
フェノール樹脂系活性炭粉末又は石油コークス系活性炭
粉末を使用するのが特に好ましい。また、活性炭の賦活
処理法としては、水蒸気賦活処理法、溶融KOH賦活処
理等がある。より大きな容量を得られる点で溶融KOH
賦活処理法によるものが特に好ましい。また、分極性電
極中のカーボンブラック等の導電材粉末の配合量は、内
部抵抗を小さくする効果が得られるように、活性炭粉末
との合量中5重量%以上とするのが好ましく、活性炭粉
末の配合量が少ないと製品の容量が減るため40重量%
以下とするのが好ましい。導電材粉末の配合量は、10
〜30重量%とするのが特に好ましい。
【0031】分極性電極に使用する活性炭粉末は、平均
粒径が30μm以下で比表面積が1000〜3000m
2 /gのものを使用すると電気二重層キャパシタの容量
を大きくでき、かつ内部抵抗を低くできるので好まし
い。
【0032】負極の主材料であるリチウムイオンを吸
蔵、脱離しうる炭素材料としては、天然黒鉛、人造黒
鉛、黒鉛化メソカーボン小球体、易黒鉛化性炭素材料、
黒鉛化ウィスカ、気相成長炭素繊維、フェノール樹脂の
焼成品、フルフリルアルコール樹脂の焼成品又はノボラ
ック樹脂の焼成品を使用できる。これらのうち、リチウ
ムイオンの吸蔵、脱離容量が大きいことから、天然黒
鉛、人造黒鉛、黒鉛化メソカーボン小球体又は易黒鉛化
性炭素材料(樹脂の焼成品)を使用するのが好ましい。
【0033】天然黒鉛は、結晶構造が発達した、不純物
の少ないものを使用するのが好ましい。ここで、結晶構
造の発達した天然黒鉛とは、X線回折により測定される
面間隔d002 が0.336nm未満であり、結晶子サイ
ズLC が150nm以上であるものをいう。結晶構造が
発達した炭素材料はリチウムイオンの吸蔵、脱離能力が
大きく、不純物の少ないものを使用すれば、優れた耐充
放電サイクル性を付与できる。
【0034】天然黒鉛中の不純物を減らすには、通常硝
酸、硫酸、フッ酸等の酸による洗浄を行うが、灰分を効
果的に取り除けることから、最終的にフッ酸処理を行っ
た炭素の純度が99重量%以上の天然黒鉛を使用するの
が好ましい。
【0035】人造黒鉛としては、結晶構造が発達した、
不純物の少ないものを使用するのが好ましい。ここで結
晶構造が発達したものとは、前記d002 が0.3365
nm以下であり、前記LC が50nm以上のものをい
う。人造黒鉛は出発物質を選択すれば高純度のものがあ
るので、炭素の純度が99.5重量%以上のものを使用
するのが好ましい。
【0036】黒鉛化メソカーボン小球体としては、25
00℃以上の高温で熱処理された黒鉛の結晶構造が発達
した、不純物の少ないものを使用するのが好ましい。こ
こで結晶構造の発達したものとは、前記d002 が0.3
37nm以下であり、前記LC が20nm以上のものを
いう。
【0037】黒鉛化ウィスカとしては、結晶構造が発達
した不純物の少ないものを使用するのが好ましい。ここ
で結晶構造が発達したものとは、前記d002 が0.33
65nm以下であり、前記LC が10nm以上であるも
のをいう。
【0038】黒鉛化炭素繊維としては、アクリロニトリ
ル樹脂繊維等を2500℃以上の温度で熱処理した黒鉛
の結晶構造が発達した、不純物の少ないものを使用する
のが好ましい。ここで結晶構造の発達したものとは、前
記d002 が0.3365nm以下であり、前記LC が1
0nm以上であるものをいう。
【0039】フルフリルアルコール樹脂焼成品として
は、フルフリルアルコール樹脂を1000〜1500℃
で熱処理した不純物の少ないものを使用するのが好まし
い。好ましくはこの熱処理によって前記d002 を0.3
75〜0.39nmとしたものを使用する。
【0040】ノボラック樹脂焼成品としては、ノボラッ
ク樹脂を700℃以下の温度で熱処理したH/C原子比
が0.25〜0.28の炭素材料を使用するのが好まし
い。この焼成品は、前記d002 が0.38nm以上のも
のが好ましい。
【0041】負極に使用するリチウムイオンを吸蔵、脱
離しうる炭素材料の粉末は、電気二重層キャパシタの容
量を大きくでき、その内部抵抗を小さくできるので、平
均粒径が30μm以下のものを使用するのが好ましい。
また電極に含まれる結合剤の量は、結合剤が1重量%未
満であると電極の結合強度が小さく、20重量%超であ
ると電気二重層キャパシタの電気抵抗が増大するととも
に容量が減少するので、炭素材料との合量中1〜20重
量%とするのが好ましい。容量と強度のバランスを考慮
すると、より好ましい結合剤の配合量は1.5〜10重
量%である。また、負極は、結合剤入りの厚膜状、シー
ト状、板状のいずれでもよく、好ましくは集電体と電極
材料が混在した複合体とする。
【0042】また、リチウムイオンを吸蔵、離脱しうる
炭素材料にあらかじめリチウムイオンを吸蔵させる方法
には、あらかじめ粉末状のリチウムをリチウムイオンを
吸蔵、離脱しうる炭素材料の粉末に混ぜておいたり、リ
チウムイオンを吸蔵、脱離しうる炭素材料と結合剤の成
形体に箔状のリチウムを電気的に接触させた状態で電解
液中に浸漬することによりリチウムをイオン化させ、リ
チウムイオンを吸蔵、脱離しうる炭素材料中に取り込ま
せる化学的方法、リチウム塩を電解質とする非水(有
機)溶媒の電解液中の、一方にリチウムイオンを吸蔵、
離脱しうる炭素材料と結合剤により形成された電極を置
き、他方にリチウム金属の電極を置いて電流を印加し、
炭素材料中にリチウムイオンを吸蔵させる電気化学的方
法がある。
【0043】これらの方法のうち、工程が簡易であるこ
とからリチウムイオンを吸蔵、脱離しうる炭素材料と結
合剤も成形体に箔状のリチウムを電気的に接触させた状
態で電解液中に浸漬することによりリチウムをイオン化
させ、炭素材料中に取り込ませる方法を採用するのが好
ましい。
【0044】正極の単極容量をb(ファラッド)とし、
この正極と対向せしめた負極が脱離しうるリチウムイオ
ン量をd(ミリアンペア時)とし、降下電圧をv(ボル
ト)としたときの比率bv/3.6dの値は、電気二重
層キャパシタの急速充放電特性と充放電サイクル耐久性
に影響するので、この比率を所定の範囲の値に設定する
のが好ましい。ここで、正極の単極容量bは、一対の正
極と同じ構成の電極をセパレータを挟んで対向させて電
解液中で直流電圧を印加したのち定電流放電させたとき
の電圧低下勾配から求められる。
【0045】本発明において、負極にリチウムイオンを
吸蔵・脱離しうる炭素材料を用いた場合の電気二重層キ
ャパシタの作動電圧は、例えば2.0〜3.3V、2.
0〜4.0V、3.3V〜4.5Vに設定できる。
【0046】また、負極が脱離しうるリチウムイオン量
dは、リチウムイオンを化学的方法又は電気化学的方法
で吸蔵させた負極をLi+ /Li電極基準の電位で+
1.0Vまで1mA/cm2 の電流密度で放電、すなわ
ち離脱させたときの積算電気量(mAh)に相当する。
したがって、比率bv/3.6dは電気二重層キャパシ
タの構成が同一であっても、キャパシタの作動電圧範囲
により異なる。
【0047】比率bv/3.6dは、好ましくは0.0
5〜0.90の範囲とされる。比率bv/3.6dが
0.05未満であると電気二重層キャパシタのエネルギ
密度が減少するので好ましくない。一方、比率bv/
3.6dが0.90超であると初期エネルギ密度は高く
なるが急速充放電が困難となり、充放電サイクル耐久性
が低下する。エネルギ密度及び急速充放電特性及び充放
電サイクル耐久性の見地から、比率bv/3.6dは
0.1〜0.8とするのが特に好ましい。
【0048】
【実施例】以下、本発明を実施例によって具体的に説明
するが、本発明はこれらによって限定されない。
【0049】[例1]フェノール樹脂系の溶融KOH賦
活処理された活性炭粉末(比表面積2000m2 /g、
平均粒径5μm)76重量%、ケッチェンブラックEC
(三菱化学社製品)14重量%及びポリフッ化ビニリデ
ン10重量%にN−メチルピロリドンを混合して分極性
電極材料のスラリーとした。厚さ約2mmのステンレス
316L繊維のマット(目付量500g/ m2 、平均繊
維径約12μm、平均繊維長さ10mm以上)を4cm
×4cmに切り取り、このマットを厚さ50μm、幅4
cm、長さ7cmのステンレス316Lの箔に1cm2
当たり20カ所電気溶接したものを集電体とし、この集
電体に前記スラリーを含浸後、200℃で30分間乾燥
して溶媒を除去した。次いで乾燥後のシートをロールプ
レスで厚さ0.87mmに圧密化し、分極性電極材料に
ステンレス316L繊維の集電体が混在状態で組み合わ
された分極性電極を得た。この分極性電極は、寸法が
4. 3cm×4. 3cmに拡大しており、空隙率は35
%であった。一対の分極性電極の間にガラス繊維のセパ
レータを挟んで対向させ、有効電極面積が4. 3cm×
4. 3cmの素子を得た。
【0050】この素子を200℃の減圧下で3時間乾燥
し、素子をポリプロピレンの容器中に入れ、1.4mo
l/lの(C253 (CH3 )NBF4 を溶かした
水分含有量10ppmのプロピレンカーボネートを溶媒
とする非水系電解液を含浸した。この電気二重層キャパ
シタを2. 8Vで充電し、10mAで定電流放電させ
て、電気二重層キャパシタの初期容量と内部抵抗を求め
た。得られた電気二重層キャパシタの初期容量は27.
5F、内部抵抗は1. 1Ωであった。
【0051】[例2]例1で使用したステンレス316
L繊維のマットを円形に打ち抜き、これに例1で使用し
た分極性電極材料のスラリーを含浸し、乾燥後プレスで
圧密化して直径12. 5mmφ、厚さ0. 65mm、空
隙率35%の分極性電極を得た。この分極性電極を、内
側にアルミニウムをクラッドしたコイン型容器のステン
レス304からなるケースの内側に黒鉛系導電性接着材
で接着した。次に、厚さ2mm、気孔率97%、直線1
cm当たりの平均気孔数25の多孔質ニッケルのシート
を集電体とし、この集電体に例1で用いた分極性電極材
料のスラリーを含浸し、乾燥後プレスで圧密化して直径
12.5mm、厚さ0.65mm、空隙率30%の負極
とする分極性電極を得た。
【0052】この分極性電極をコイン型容器のステンレ
ス304からなる蓋の内側に電気溶接し、両電極の間に
ポリプロピレン製セパレータを挟み、容器中に1. 5m
ol/lの(C253 (CH3 )PBF4 をプロピ
レンカーボネートに溶解した電解液を注入してコイン型
電気二重層キャパシタを組み立てた。2.8Vで充電し
て10mAで定電流放電して電気二重層キャパシタの初
期容量と内部抵抗を測定したところ、初期容量は2.2
F、内部抵抗は3.3Ωであった。また、このコイン型
電気二重層キャパシタを70℃の高温槽に入れ、2.8
Vの電圧を1000時間印加した後の容量は1. 8F、
内部抵抗は9Ωであった。図1は、このコイン型電気二
重層キャパシタの縦断面図であり、図において、1は正
極、2は導電性接着剤、3はコイン型容器の蓋、4はコ
イン型容器のケース、5は負極、7は電解液、8はセパ
レータ、9は絶縁ガスケットである。
【0053】[例3]例2において、電解液に1mol
/lの(C253 (CH3 )PBF4 をスルホラン
とメチルエチルカーボネートの混合溶媒(容積比4:
1)に溶解したものを用いた他は例2と同様にしてコイ
ン型電気二重層キャパシタを組み立てた.この電気二重
層キャパシタの使用電圧は3.3V、2mAで定電流放
電したときの初期容量は2.2F、内部抵抗は4.1Ω
であった。このコイン型電気二重層キャパシタを70℃
の恒温槽に入れ、3.3Vの電圧を1000時間した後
の容量は1.9F、内部抵抗は10Ωであった。
【0054】[例4]例1において分極性電極材料のス
ラリーの含浸条件と圧密化条件を変え、分極性電極の空
隙率を5%とした以外は例1と同様にして4. 3cm×
4.3cmの素子を組み立て、ポリプロピレン容器に入
れたこの素子に例1と同じ電解液を含浸した。この電気
二重層キャパシタを2.8Vで充電し、10mA/cm
2 で放電したときの初期容量は25. 5F、内部抵抗は
1. 8Ωであった。
【0055】[例5]繊維径約8μm、平均長さ10m
m以上のステンレス316L繊維(目付量500g/m
2 )のウエブ(繊維が縮れて互いに絡まっている)を焼
結し、厚さ1mm、幅4cm、長さ6cmの板状の焼結
体を2枚得た。この焼結体の片端部2cmを圧縮してリ
ード端子とし、残りの4cm×4cmの部分に例1で使
用した分極性電極材料のスラリーを含浸し、180℃で
乾燥後ロールプレスで圧密化して厚さ0. 54mm、空
隙率25%の分極性電極を得た。ガラス繊維のセパレー
タを一対の分極性電極の間に挟んで対向させ、200℃
の減圧下で3時間乾燥して素子を得た。この素子をポリ
プロピレンの容器中に入れ、1.4mol/lの(C2
53 (CH3 )NBF4 を溶かしたプロピレンカー
ボネートを溶媒とする電解液を注入して電気二重層キャ
パシタを組み立てた。この電気二重層キャパシタの使用
電圧は2.8V、初期容量は21. 4F、内部抵抗は
1. 0Ωであった。
【0056】[例6]正極に例5と同じ構成の分極性電
極を使用し、負極は次のようにして調製した。天然黒鉛
の粉末(純度99.3%、前記d002 =0.3355n
m、前記LC=200nm以上、平均粒径10μm)9
0重量%とポリフッ化ビニリデン10重量%にN−メチ
ルピロリドンを重量比で3倍量加え、超音波を与えつつ
撹拌混合し、ポリフッ化ビニリデンがN−メチルピロリ
ドンに溶解した負極材料のスラリーを得た。
【0057】この負極材料のスラリーを、寸法4cm×
4cm、厚さ2.0mm、気孔率97%、目付け量55
0g/m2 、直線1cm当たりの平均孔数25の多孔質
ニッケルに含浸し、200℃の減圧下で30分間乾燥後
ロールプレスで圧密化したところ、厚さ0.5mm、空
隙率35%、天然黒鉛の担持量36mg/cm2 の負極
を得た。この負極の端部に厚さ20μm、幅4cm、長
さ3cmのニッケル箔を電気溶接して端子とした。
【0058】190℃の減圧下で1時間乾燥したこの電
極を、ポリプロピレン製のセパレータを隔てて寸法4.
5cm×4. 5cm、厚さ0.5mmの金属リチウム板
と対向させ、1mol/lのLiN(CF3 SO22
をエチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートの
4:1混合溶媒に溶かした電解液に浸し、金属リチウム
極に0. 01Vの電圧を10時間印加して負極の炭素材
料にリチウムイオンを電気化学的に吸蔵させた。この吸
蔵させたリチウムイオン中、脱離しうるリチウムイオン
量は160mAhであった。
【0059】次いで、金属リチウム板を取り除き、前記
分極性電極の正極とリチウムイオンを吸蔵させた負極の
間に厚さ180μmのポリプロピレンのセパレータを挟
んで対向させ、リチウムイオンの吸蔵に用いたのと同組
成の電解液を入れたポリプロピレン容器中に電気二重層
キャパシタを組み立てた。この正極の単極容量bは43
Fであった。また、比率bv/3.6dは0.15であ
り、素子の体積、すなわち正極、セパレータ及び負極の
体積の合計は1. 952cm3 であった。この電気二重
層キャパシタを4Vで充電し、10mAで4Vから2V
まで定電流放電して、その容量と内部抵抗を求めた。得
られた電気二重層キャパシタの初期容量は38F、内部
抵抗は1. 7Ωであり、エネルギ密度は32Wh/リッ
トルと計算された。
【0060】[例7]例6の負極に使用した炭素材料
に、前記面間隔d002 が0. 37nm、LC が100n
m、平均粒径7μmのフルフリルアルコール樹脂の焼成
品の粉末を用い、1 mol/lのLiBF4 をプロピレ
ンカーボネートの溶媒に溶かした電解液を用いた他は例
6と同様にして有効素子面積4cm×4cmの電気二重
層キャパシタをポリプロピレン容器中に組み立てた。こ
の正極の単極容量bは43Fであり、比率bv/3.6
dは0.13であった。この素子の体積は1. 952c
3 であり、電気二重層キャパシタを4Vで充電後4V
から2Vに10mAで定電流放電したときの初期容量は
39. 5F、内部抵抗は1. 7Ωであり、エネルギ密度
は33. 7Wh/リットルと計算された。
【0070】[例8(比較例)]例1において、ステン
レス鋼繊維のマットの代わりに厚さ50μm、寸法4.
3cm×4. 3cmのステンレス316L箔を集電体に
用い、例1で用いた分極性電極材料のスラリーをステン
レス箔上に塗工し、180℃で乾燥後プレスして2枚の
分極性電極を得た。プレス後の塗工膜の厚さは70μ
m、空隙率は29%であった。この塗工膜は70μm以
上の厚さにするとステンレス箔から脱落する傾向を示し
た。得られた2枚の分極性電極の間にガラス繊維とポリ
プロピレン繊維を混抄したセパレータを挟んで対向させ
て素子とし、例1と同様にしてポリプロピレン容器中で
電気二重層キャパシタを組み立てた。得られた電気二重
層キャパシタを2.8Vで充電し、10mAで定電流放
電したときの初期容量は3. 1F、内部抵抗は1. 0Ω
であった。
【0071】[例9(比較例)]例6において、ステン
レス鋼繊維のマットの代わりに厚さ50μmのステンレ
ス316L箔を集電体に用い、例1で用いた分極性電極
のスラリーをステンレス316L箔上に塗工した。18
0℃で乾燥後プレスした塗工膜の厚さは70μmであ
り、空隙率は29%であった。この分極性電極を正極と
し、例6で負極に使用した多孔質ニッケルの代わりに厚
さ50μmのニッケル箔を用い、例6で用いた負極材料
のスラリーをニッケル箔上に塗工した。塗工膜を180
℃で乾燥後プレスしたところ、膜の厚さ約70μm、空
隙率29%となった。この膜厚を70μmより厚くする
と、塗工膜がニッケル箔から離脱する傾向を認めた。
【0072】次いで、例6のときと同様にポリプロピレ
ンのセパレータを間に挟んでこの電極を金属リチウム板
と対向させ、負極にリチウムイオンを電気化学的に吸蔵
させた。天然黒鉛にリチウムイオンを吸蔵させた負極と
分極性電極の正極及びセパレータからなる素子をポリプ
ロピレン容器中に入れ、例6で使用した電解液を注入し
て電気二重層キャパシタを組み立てた。この正極の単極
容量bは5. 40Fであった。この電気二重層キャパシ
タを4Vで充電し、4Vから2Vまで10mAで定電流
放電させたときの容量は4. 7F、内部抵抗は1. 3Ω
であった。また、比率bv/3.6dは0.17であ
り、素子の体積は0.672ccであり、エネルギ密度
は7. 4Wh/リットルと計算された。
【0073】例1、2、3、4を例8と較べることによ
り、また、例6、7を例9と比べることにより、初期容
量及び電圧印加時の耐久性、内部抵抗及びエネルギ密度
において本発明の電気二重層キャパシタが顕著に優れる
ことが分かる。
【0074】
【発明の効果】本発明の構成による電気二重層キャパシ
タでは、使用電圧が高く、容量が大きく、内部抵抗が低
いのでエネルギ密度が大きく、急速充放電が可能な電気
二重層キャパシタを提供できる。本発明の電気二重層キ
ャパシタは、コイン型のような比較的小さなサイズのも
のにも有効であるが、静電容量が100〜10000フ
ァラッド、又は充放電電流が5〜1000アンペアの、
超大容量、大電流向けの電気二重層キャパシタに特に好
適である。したがって、本発明の電気二重層キャパシタ
を使用すればメモリーバックアップの他、今後有望とさ
れているエンジン/電気二重層キャパシタハイブリッド
自動車や電気自動車の動力性能を顕著に向上させられ、
ハイブリッド自動車や電気自動車の回生制動エネルギを
有効利用できるので、その産業上の利用価値は多大であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるコイン型電気二重層キャパシタの
一例を示す断面図
【符号の説明】
1:正極 2:導電性接着剤(黒鉛系) 3:コイン型容器蓋 4:コイン型容器ケース 5:負極 7:電解液 8:セパレータ 9:絶縁ガスケット

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】活性炭粉末、導電材粉末及び結合剤を含む
    分極性電極材料にステンレス鋼繊維の集電体が混在状態
    で組み合わされて正極とされ、活性炭粉末、導電性粉末
    及び結合材を含む分極性電極材料に金属の集電体が組み
    合わされて負極とされ、正極と負極の間にセパレータが
    配置され、正極、負極及びセパレータに非水系電解液が
    含浸されていることを特徴とする電気二重層キャパシ
    タ。
  2. 【請求項2】非水系電解液の溶質が、R4+ 又はR4
    + (ただし、Rはアルキル基)で表される第4級オニ
    ウムカチオンと、BF4 -、N(CF3 SO22 -、PF
    6 -及びClO4 -から選ばれる1種以上のアニオンの塩で
    ある請求項1記載の電気二重層キャパシタ。
  3. 【請求項3】活性炭粉末、導電材粉末及び結合剤を含む
    分極性電極材料にステンレス鋼繊維の集電体が混在状態
    で組み合わされて正極とされ、リチウムイオンを吸蔵、
    脱離しうる炭素材料に化学的方法及び/又は電気化学的
    方法であらかじめリチウムイオンを吸蔵させた炭素質材
    料に多孔質金属又は繊維状金属の集電体が組み合わされ
    て負極とされ、正極と負極の間にセパレータが配置さ
    れ、正極、負極及びセパレータにリチウム塩を含む非水
    系電解液が含浸されていることを特徴とする電気二重層
    キャパシタ。
  4. 【請求項4】非水系電解液の溶質が、リチウムイオン
    と、BF4 -、N(CF3 SO22 -、PF6 -及びClO
    4 -から選ばれる1種以上のアニオンの塩である請求項3
    記載の電気二重層キャパシタ。
  5. 【請求項5】正極の集電体として、ステンレス鋼繊維の
    他にステンレス鋼板が組み合わされている請求項1〜4
    のいずれか記載の電気二重層キャパシタ。
  6. 【請求項6】ステンレス鋼繊維の集電体が、焼結によっ
    て繊維が相互に結合された状態の直径1〜50μm、長
    さ1mm以上の繊維からなり、分極性電極が厚さ0.1
    〜3mmで10〜60%の空隙率を有するものである請
    求項1〜5のいずれか記載の電気二重層キャパシタ。
  7. 【請求項7】正極に組み合わされるステンレス鋼繊維が
    ステンレス316Lからなるものである請求項1〜6の
    いずれか記載の電気二重層キャパシタ。
  8. 【請求項8】正極がステンレス鋼板又はアルミニウムと
    ステンレス鋼の積層板からなるボタン型容器のケース側
    又は蓋側に配置され、負極がステンレス鋼からなるボタ
    ン型容器の蓋側又はケース側に配置され、正極と負極が
    それぞれ蓋側又はケース側に導電性接着剤又は溶接によ
    って接合されている請求項1〜7のいずれか記載の電気
    二重層キャパシタ。
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