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JPH09227892A - 液体脂肪酸および水素添加脂肪酸の製造方法 - Google Patents

液体脂肪酸および水素添加脂肪酸の製造方法

Info

Publication number
JPH09227892A
JPH09227892A JP3767396A JP3767396A JPH09227892A JP H09227892 A JPH09227892 A JP H09227892A JP 3767396 A JP3767396 A JP 3767396A JP 3767396 A JP3767396 A JP 3767396A JP H09227892 A JPH09227892 A JP H09227892A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fatty acid
oil
liquid
hydrogenated
hue
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP3767396A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Oda
洋 小田
Kuniaki Tsuruoka
邦昭 鶴岡
Ryuichi Narukawa
隆一 成川
Takeshi Matsuo
武 松尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NOF Corp
Original Assignee
NOF Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NOF Corp filed Critical NOF Corp
Priority to JP3767396A priority Critical patent/JPH09227892A/ja
Publication of JPH09227892A publication Critical patent/JPH09227892A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies
    • Y02W30/74Recovery of fats, fatty oils, fatty acids or other fatty substances, e.g. lanolin or waxes

Landscapes

  • Fats And Perfumes (AREA)
  • Catalysts (AREA)
  • Anti-Oxidant Or Stabilizer Compositions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 油脂、特に食品工業、外食産業や家庭などで
使用されたフライ油、テンプラ油などの劣化した油脂か
ら、液体脂肪酸および水素添加脂肪酸を製造するのに好
適な方法を提供する。 【解決手段】次の工程(1)よりなる液体脂肪酸の製造
方法。 工程(1):油脂を加水分解して得られた脂肪酸に10
ppm〜5000ppmのフェノール系の抗酸化剤を添
加して液体脂肪酸と固体脂肪酸に分別し、該液体脂肪酸
を20mmHg以下、100℃〜280℃で蒸留し留出
分を取得する工程。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、油脂から液体脂肪
酸および水素添加脂肪酸を製造する方法に関する。更に
詳しくは、特に食品工業、外食産業や家庭などで使用さ
れたフライ油、テンプラ油などの劣化した油脂から、液
体脂肪酸及び水素添加脂肪酸を製造するのに好適な方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】脂肪酸は、石鹸、アルコール、アミン、
アミド、脂肪酸クロライド、金属石鹸などの工業原料と
して広く用いられている。脂肪酸の原料としては、油
脂、パラフィン、オレフィンなどが挙げられるが、特に
牛脂、豚脂、魚油、ヤシ油、大豆油、パーム油、パーム
核油、ナタネ油、ヒマシ油、サフラワー油、米糠油など
の動植物油脂が多く使用されている。ところが、これら
の動植物油脂は、近年の東南アジア諸国、中国の経済活
動の活発化や世界的な食習慣の変化により不足気味であ
り、他の油脂原料の利用が必要となってきている。脂肪
酸工業において、これまであまり利用が進んでいなかっ
た油脂として、食品工業、外食産業あるいは家庭などで
使用された加工油、フライ油、テンプラ油などの廃油を
回収した油脂(以下、回収油と記す。)が挙げられる。
これら回収油は、熱履歴により激しく酸化劣化している
ため、得られる脂肪酸は、色相が悪い、過酸化物価が高
いなどの品質上の問題がある。
【0003】一般にオレイン酸などの不飽和脂肪酸は、
油脂を加水分解し、グリセリンと分離した後、ヘンケル
法や、エマゾール法などの方法により分別を行い、蒸留
して得られる。この脂肪酸は、不飽和脂肪酸を主成分と
するが、飽和脂肪酸をも含み、常温で液体であるため、
液体脂肪酸と呼ばれることがある。これに対して、分別
時に得られる常温で固体の脂肪酸を固体脂肪酸という。
固体脂肪酸はさらに、他の脂肪酸原料と混合して、ある
いは単独で水素添加され、ついで蒸留によって精製され
ることが多い。
【0004】これまでに知られた製造方法によって、回
収油のような熱履歴により酸化劣化した油脂から液体脂
肪酸および固体脂肪酸を製造した場合、色相が良好で酸
化安定性の高い脂肪酸を得ることはできなかった。ま
た、未劣化の油脂、即ち上述した動植物油脂などから、
通常の方法によって製造された液体脂肪酸や固体脂肪酸
は、劣化した油脂から製造されたものと比べると品質は
良いが、医薬品などのより厳しい品質が要求される分野
の原料としては、十分満足できるほどの良好な色相を有
し、高い酸化安定性を有するものはなかった。これまで
にも脂肪酸の製造方法を改良することによって、得られ
る脂肪酸の色相や、酸化安定性を高める試みがなされて
きた。例えば、特公昭57−25598号公報では、水
素添加時に重質フェノールを添加し、さらに蒸留時にホ
ウ酸化合物を添加する方法が開示されている。しかし、
この方法では、液体脂肪酸は製造できず、また固体脂肪
酸においては酸化安定性が良くないなどの問題がある。
また、特公昭57−25597号公報では、蒸留時、フ
ェノール系酸化禁止剤と還元剤を添加する方法が開示さ
れている。しかし、この方法では、色相が悪くなるなど
の問題が生じることがある。このように、色相が良好で
酸化安定性の高い液体脂肪酸や固体脂肪酸を油脂、特に
劣化した油脂から製造する方法は存在しないのが現状で
ある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、色相
が良好で酸化安定性の高い液体脂肪酸や水素添加脂肪酸
を油脂、特に劣化した油脂から製造する方法を提供する
ことにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる問
題に鑑み鋭意検討した結果、分別時にフェノール系の抗
酸化剤を添加することによって、色相が極めて良好でか
つ酸化安定性が極めて高い液体脂肪酸および水素添加脂
肪酸を製造できることを見いだし、本発明を完成させる
に至った。即ち、本発明は、次の工程(1)よりなる油
脂より液体脂肪酸を製造する方法である。 工程(1):油脂を加水分解して得られた脂肪酸に10
ppm〜5000ppmのフェノール系の抗酸化剤を添
加して液体脂肪酸と固体脂肪酸に分別し、該液体脂肪酸
を20mmHg以下、100℃〜280℃で蒸留し留出
分を取得する工程。また、次の工程(2)によりなる油
脂より水素添加脂肪酸を製造する方法である。 工程(2):油脂を加水分解して得られた脂肪酸に10
ppm〜5000ppmのフェノール系の抗酸化剤を添
加して液体脂肪酸と固体脂肪酸に分別し、該固体脂肪酸
に対し0.1重量%〜5重量%の水素添加触媒の存在
下、水素圧0.5kg/cm2〜40kg/cm2、温度
80℃〜250℃の条件で水素添加し、得られた水素添
加脂肪酸を20mmHg以下、100℃〜280℃で蒸
留し留出分を取得する工程。なお、本発明における、液
体脂肪酸とは、分別した後に、通常凝固点は10℃以下
であり、不飽和脂肪酸を主体としている室温において液
体の脂肪酸を言う。また、固体脂肪酸とは、前記のよう
に分別した後に通常凝固点は10℃を越え、一部不飽和
脂肪酸も含む室温において固体の脂肪酸を言う。また、
水素添加脂肪酸とは、前記の固体脂肪酸を水素添加して
得られる室温で固体の脂肪酸を言う。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の油脂の加水分解は、高圧
分解、中圧分解、酵素分解などの一般的な方法で行うこ
とができる。脂肪酸原料の油脂としては、牛脂、豚脂、
魚油、鯨油、骨油、皮脂などの動物油、またヤシ油、大
豆油、パーム油、パーム核油、ナタネ油、ヒマシ油、サ
フラワー油、米糠油、トウモロコシ油、オリーブ油、綿
実油、ミツバ種子油などの植物油、あるいは回収油など
の熱履歴により劣化した油脂などが挙げられる。回収油
とは前記のように、食品工業、外食産業あるいは家庭な
どで使用された加工油、フライ油、テンプラ油などの廃
油を回収した油脂を意味する。場合によって、これらの
油脂は、酸処理・脱ガム・白土処理・脱臭・蒸留・微水
添などによって精製してもよい。熱履歴により劣化した
油脂のヨウ素価は45〜150であることが好ましい。
ヨウ素価が45未満となると液体脂肪酸の歩留まりが悪
くなり、150を越えると得られる脂肪酸の色相が悪化
し、酸化安定性が低くなる。本発明に用いる劣化した油
脂としては、前記の回収油などが挙げられる。前記の動
植物油脂や劣化した油脂は単独で用いても、複数を混合
して用いてもよい。
【0008】本発明の製造方法の工程(1)または工程
(2)に用いるフェノール系の抗酸化剤としては、2,
6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(以下、BHTと
言う)、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、2,4−
ジ−メチル−6−t−ブチルフェノール、ブチルヒドロ
キシアニソール、2,2’−メチレンビス(4−メチル
−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデン
ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、テト
ラキス[メチレン−3(3,5−ジ−t−ブチル−4−
ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、1,
1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t
−ブチルフェニル)ブタン、α−トコフェロール、β−
トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロ
ールなどが挙げられる。これらのフェノール系抗酸化剤
は、単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよ
い。本発明の製造方法の工程(1)または工程(2)の
分別に用いるフェノール系の抗酸化剤の添加量は、10
〜5000ppmである。フェノール系の抗酸化剤の添
加量が10ppm未満となると、色相、酸化安定性共に
良好な脂肪酸を得ることができない。5000ppmを
越えると、効果があまりあがらずコストが高くなるので
好ましくない。
【0009】本発明の製造工程(2)で用いる水素添加
触媒の仕込み量は、脂肪酸に対し0.1重量%〜5重量
%である。触媒量が多いほど反応時間は短縮されるが、
0.1重量%未満となると十分水素添加が行えず、5重
量%を越えると反応時間の短縮はそれほど期待できなく
なり、むしろ触媒のコストが高くなる。水素添加触媒の
種類としては、ニッケル、パラジウム、白金、ロジウ
ム、ルテニウム、レニウム、銅、銅クロム酸化物、酸化
モリブデンなどが挙げられるが、特にニッケル触媒が好
ましい。
【0010】本発明の製造方法の工程(1)または工程
(2)の液体脂肪酸と固体脂肪酸との分別は、ヘンケル
法、エマゾール法と同様な方法で行うことができる。特
にヘンケル法が好ましい。フェノール系抗酸化剤は分別
前、もしくは分別中に脂肪酸に加えるが、分別中に加え
る場合脂肪酸温度が30℃〜60℃の時に加えるのが好
ましい。また、この時、フェノール系の抗酸化剤と共に
クエン酸、リン酸などの相乗剤を添加しても良い。ヘン
ケル法において、分別開始時の脂肪酸の温度は、融点よ
り5〜30℃高いのが好ましく、冷却終了時の温度は1
0〜0℃が好ましい。また温度の降下は二段階に分けて
行うのが好ましく、降下速度は一段目が0.1〜0.7
℃/分、二段目が0.2〜1℃/分が好ましい。この時
用いる湿潤剤は硫酸マグネシウムとアルキルベンゼンス
ルホン酸の水溶液が好ましく、湿潤剤添加後、遠心分離
により上層の液体酸と下層の固体酸とを分離する。
【0011】本発明の製造方法の工程(1)または工程
(2)の蒸留は、圧力20mmHg以下、好ましくは8
mmHg以下、温度100〜280℃で行われる。圧力
が20mmHgを越えると留出しにくくなる。また、蒸
留時の温度が100℃未満となると効率が悪くなり、2
80℃を越えると得られる脂肪酸の酸化安定性が低下す
る。このとき、前記のフェノール系の抗酸化剤を添加し
ても良い。添加量は、5000ppm以下が好ましく、
5000ppmを越えると、効果があまりあがらずコス
トが高くなる。特に、熱劣化した油脂から液体脂肪酸を
得る場合に、フェノール系抗酸化剤添加による酸化安定
性向上の効果が大きく現れることがある。蒸留は、バッ
チ蒸留、連続蒸留、薄膜蒸留、分子蒸留何れでも可能で
ある。
【0012】本発明の工程(2)の固体脂肪酸の水素添
加の方法は、固体脂肪酸に対し0.1重量%〜5重量%
の水素添加触媒の存在下、水素圧0.5kg/cm2
40kg/cm2、温度80℃〜250℃の条件で行わ
れる。水素圧が0.5kg/cm2未満となると水素添
加が十分行われず、40kg/cm2を越えるとコスト
が増大するのみで水素添加速度はあまり上がらない。ま
た、温度が80℃未満となると水素添加が十分行われ
ず、250℃を越えると得られる脂肪酸の酸化安定性が
低下する。水素添加時に、他の脂肪酸と混合して水添す
ることもでき、また工程(1)の分別工程と同様のフェ
ノール系の抗酸化剤を加えることもできる。この時のフ
ェノール系の抗酸化剤の添加量は、5ppm以上が好ま
しく、より好ましくは10〜5000ppmである。水
素添加はバッチ式、連続式何れも可能である。
【0013】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、フェノール
系の抗酸化剤の使用により色相が良好で、また酸化安定
性に優れているため、特に熱劣化した油脂から脂肪酸を
製造するのに有効である。
【0014】
【実施例】以下、本発明を具体的な実施例を挙げて更に
詳細に説明する。 参考例1;劣化大豆油の調製; 精製大豆油{過酸化物価(以下、POVと言う)1.
4}1500gを2リットル容量のビーカーに仕込み、
170℃のオイルバス中でPOVが2.2になるまで攪
拌して、劣化大豆油とした。 実施例1 参考例1の熱劣化大豆油(ヨウ素価73)1260g、
蒸留水840gを3リットル容量のオートクレーブに仕
込み、265℃、50kg/cm2の条件で3時間加水
分解した。60℃まで冷却後、30分間静置し水層を除
去し脂肪酸1100gを得た。撹拌用のかきとり羽根を
とりつけた2リットル容量のトールビーカーに、40℃
の脂肪酸550gおよびBHT0.55g(999pp
m)を仕込み、かきとり羽根を100rpmの速度で回
転させながら0.2℃/分の速度で冷却した。脂肪酸の
温度が17℃になった時点で、湿潤剤水溶液(1重量%
硫酸マグネシウムと0.3重量%ドデシルベンゼンスル
ホン酸の水溶液)770gを仕込み攪拌後、3000r
pmで遠心分離し液体層と固体層に分離させた。次に、
液体層より得られた脂肪酸450gを、かきとり羽根を
つけた2リットルビーカーに仕込み、かきとり羽根を1
00rpmの速度で回転しながら0.3℃/分の速度で
冷却した。3℃になった時点で上記の湿潤剤水溶液63
0gを仕込み攪拌後、遠心分離し液体層と固体層に分離
し、液体層360gを得た。得られた液体層300gに
BHT0.3g(999ppm)を1リットル容量の四
つ口フラスコに仕込み、窒素雰囲気下、180〜230
℃、2〜4mmHgの条件で蒸留を行った。仕込み脂肪
酸に対し5重量%の初留のカットを、また10重量%の
後留およびピッチのカットを行って、255gの液体脂
肪酸を得た。この脂肪酸の色相、酸化安定性の評価を表
1に、脂肪酸組成を表2にそれぞれ示した。
【0015】実施例2 実施例1で二段階に分け冷却した際に得られた固体層2
種を混合したもの130gを1リットル容量のビーカに
仕込み、80℃で窒素バブリングを1時間行い乾燥し
た。乾燥された脂肪酸とニッケル触媒{SO−350、
堺化学工業(株)製}0.52g(0.4重量%/対原
料脂肪酸)を1リットル容量のオートクレーブに仕込
み、200℃、水素圧20kg/cm2の条件で1時間
水素添加した。冷却後、脂肪酸を1リットル容量の四つ
口フラスコに仕込み、窒素雰囲気下、180〜230
℃、2〜4mmHgの条件で蒸留を行った。仕込み脂肪
酸に対し5重量%の初留のカットを、また10重量%の
後留およびピッチのカットを行って、110gの水素添
加脂肪酸を得た。この脂肪酸の色相、酸化安定性の評価
を表1に、脂肪酸組成を表2にそれぞれ示した。
【0016】参考例2;劣化豚脂の調製; 精製豚脂(POV 0.2)1500gを2リットル容
量のビーカーに仕込み、170℃のオイルバス中でPO
Vが14.1になるまで攪拌して劣化豚脂とした。 実施例3 参考例2の劣化豚脂(ヨウ素価73)1260g、蒸留
水840gを3リットル容量のオートクレーブに仕込
み、265℃、50kg/cm2の条件で3時間加水分
解した。60℃まで冷却後、30分間静置し水層を除去
し脂肪酸1100gを得た。撹拌用のかきとり羽根を取
り付けた2リットル容量のトールビーカーに、60℃の
脂肪酸450gおよび2,6−ジ−t−ブチルフェノー
ル0.0225g(50ppm)を仕込み、かきとり羽
根を100rpmの速度で回転させながら0.2℃/分
の速度で冷却した。脂肪酸の温度が30℃になった時点
で、湿潤剤水溶液(1重量%硫酸マグネシウムと0.3
重量%ドデシルベンゼンスルホン酸の水溶液)630g
を仕込み、攪拌した後、3000rpmで遠心分離し液
体層と固体層に分離させた。次に、液体層より得られた
脂肪酸315gを、かきとり羽根をつけた2リットルビ
ーカーに仕込み、かきとり羽根を100rpmの速度で
回転しながら0.3℃/分の速度で冷却した。5℃にな
った時点で前記の湿潤剤水溶液441gを仕込み攪拌
後、遠心分離し液体層と固体層に分離し、液体層220
gを得た。得られた液体層200gに2,6−ジ−t−
ブチルフェノール0.01g(50ppm/対仕込み脂
肪酸)を1リットル容量の四つ口フラスコに仕込み、窒
素雰囲気下、180〜230℃、2〜4mmHgの条件
で蒸留を行った。仕込み脂肪酸に対し5重量%の初留を
カットし、また仕込み脂肪酸に対し10重量%の後留お
よびピッチをカットし、170gの液体脂肪酸を得た。
この脂肪酸の色相、酸化安定性の評価を表1に、脂肪酸
組成を表2にそれぞれ示した。
【0017】実施例4 実施例3で得られた固体層から実施例2と同様にして水
素添加脂肪酸を得た。この脂肪酸の色相、酸化安定性の
評価を表1に、脂肪酸組成を表2にそれぞれ示した。
【0018】実施例5 牛脂(POV 0.3、ヨウ素価51)を用い、実施例
3と同様にして、4000ppmのδ−トコフェロール
を添加し、分別、蒸留を行い液体脂肪酸を得た。この脂
肪酸の色相、酸化安定性の評価を表1に、脂肪酸組成を
表2にそれぞれ示した。
【0019】実施例6 実施例5で得られた固体層から実施例2と同様にして水
素添加脂肪酸を得た。この脂肪酸の色相、酸化安定性の
評価を表1に、脂肪酸組成を表2にそれぞれそれぞれ示
した。
【0020】実施例7 ヨウ素価75、POV2.9の回収油に999ppmの
BHTを添加し、実施例3と同様の方法で分別、蒸留を
行い液体脂肪酸を得た。この脂肪酸の色相、酸化安定性
の評価を表1に、脂肪酸組成を表2にそれぞれ示した。
【0021】実施例8 実施例7で得られた固体層から実施例2と同様にして水
素添加脂肪酸を得た。この脂肪酸の色相、酸化安定性の
評価を表1に、脂肪酸組成を表2にそれぞれ示した。
【0022】実施例9 ヨウ素価120、POV2.5の回収油に999ppm
のBHTを添加し、実施例1と同様の方法で分別、蒸留
を行い液体脂肪酸を得た。この脂肪酸の色相、酸化安定
性の評価を表1に、脂肪酸組成を表2にそれぞれ示し
た。
【0023】実施例10 実施例9で得られた固体層から実施例2と同様にして水
素添加脂肪酸を得た。この脂肪酸の色相、酸化安定性の
評価を表1に、脂肪酸組成を表2にそれぞれ示した。
【0024】比較例1 前記で得た劣化豚脂を原料として用い、分別時にBHT
を添加しないこと以外は実施例3と全く同様にして分
別、蒸留を行い液体脂肪酸を得た。この脂肪酸の色相、
酸化安定性の評価を表1に、脂肪酸組成を表2にそれぞ
れ示した。
【0025】比較例2 前記で得た劣化豚脂を原料として用い、分別時、及び蒸
留時にBHTを添加しないこと以外は実施例3と全く同
様にして分別、蒸留を行い液体脂肪酸を得た。この脂肪
酸の色相、酸化安定性の評価を表1に、脂肪酸組成を表
2にそれぞれ示した。
【0026】比較例3 参考例2で得た劣化豚脂を原料として用い、分別時にB
HTを添加しないこと以外は実施例3と全く同様にして
分別を行い固体層を得た。この固体層に水添時にBHT
を50ppm添加すること以外は実施例2と全く同様にし
て水添、蒸留を行い、水素添加脂肪酸を得た。この脂肪
酸の色相、酸化安定性の評価を表1に、脂肪酸組成を表
2にそれぞれ示した。
【0027】比較例4 実施例5で使用した牛脂と同ロットの原料牛脂を用い、
分別時、蒸留時にBHTを添加しないこと以外は実施例
5と全く同様にして分別、蒸留を行い液体脂肪酸を得
た。この脂肪酸の色相、酸化安定性の評価を表1に、脂
肪酸組成を表2にそれぞれに示した。
【0028】比較例5 比較例4で得られた固体層から実施例2と同様にして水
素添加脂肪酸を得た。この脂肪酸の色相、酸化安定性の
評価を表1に、脂肪酸組成を表2にそれぞれ示した。
【0029】比較例6 実施例9で使用した回収油と同一ロットの回収油を用
い、分別時にBHTを添加しないこと以外は実施例9と
全く同様にして分別、蒸留を行い液体脂肪酸を得た。こ
の脂肪酸の色相、酸化安定性の評価を表1に、脂肪酸組
成を表2にそれぞれ示した。
【0030】比較例7 比較例6で得られた固体層から実施例2と同様にして水
素添加脂肪酸を得た。この脂肪酸の色相、酸化安定性の
評価を表1に、脂肪酸組成を表2にそれぞれ示した。
【0031】色相評価方法 APHA法で、得られた液体脂肪酸、水素添加脂肪酸の
色相を測定した。評価は液体脂肪酸、水素添加脂肪酸そ
れぞれ別々に次の4段階で行った。 液体脂肪酸の色相評価 ───────────────────── 評価 ;記号;APHA ───────────────────── 非常によい; ◎ ;100未満 良い ; ○ ;100以上〜200未満 普通 ; △ ;200以上〜300未満 悪い ; × ;300以上〜 ───────────────────── 水素添加脂肪酸の色相評価 ───────────────────── 評価 ; 記号 ;APHA ───────────────────── 非常によい; ◎ ; 20未満 良い ; ○ ; 20以上〜 80未満 普通 ; △ ; 80以上〜150未満 悪い ; × ;150以上〜 ─────────────────────
【0032】熱・酸化安定性評価の方法 試料18.2gにジエタノールアミン6.8g、エタノ
ール25ミリリットルを混合し、90℃で20分間加熱
した。色相をAPHA法で評価した。評価は液体脂肪
酸、水素添加脂肪酸それぞれ別々に次の4段階で行っ
た。 液体脂肪酸の評価 ───────────────────── 評価 ; 記号 ;APHA ───────────────────── 非常によい; ◎ ;150未満 良い ; ○ ;150以上〜300未満 普通 ; △ ;300以上〜400未満 悪い ; × ;400以上〜 ───────────────────── 水素添加脂肪酸の評価 ───────────────────── 評価 ; 記号 ;APHA ───────────────────── 非常によい; ◎ ;100未満 良い ; ○ ;100以上〜150未満 普通 ; △ ;150以上〜300未満 悪い ; × ;300以上〜 ─────────────────────
【0033】なお、測定方法は次の方法に従って行っ
た。 凝固点の測定:(社)日本油化学協会制定の基準油脂分
析試験法4.3.3.1−81に従い行った。 過酸化物価の測定方法:基準油脂分析試験法2.4.1
2(1986)に準じて測定した。 ヨウ素価の測定方法:基準油脂分析試験法2.4.5.
1(1971)(ウィイス法)に準じて測定した。 APHA法よる色相の測定:基準油脂分析試験法4.
3.1.2(1981)に準じて測定した。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】上記から明らかなように、本発明の製造方
法によって得られる液体脂肪酸、水素添加脂肪酸の色相
は良好であり、かつ酸化安定性も高いことが分かる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C11C 1/04 C11C 3/12 3/12 C09K 15/08 // C09K 15/08 B01J 23/74 321Z

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次の工程(1)よりなる液体脂肪酸の製造
    方法。 工程(1):油脂を加水分解して得られた脂肪酸に10
    ppm〜5000ppmのフェノール系の抗酸化剤を添
    加して液体脂肪酸と固体脂肪酸に分別し、該液体脂肪酸
    を20mmHg以下、100℃〜280℃で蒸留し留出
    分を取得する工程。
  2. 【請求項2】次の工程(2)よりなる水素添加脂肪酸の
    製造方法。 工程(2):油脂を加水分解して得られた脂肪酸に10
    ppm〜5000ppmのフェノール系の抗酸化剤を添
    加して液体脂肪酸と固体脂肪酸に分別し、該固体脂肪酸
    に対し0.1重量%〜5重量%の水素添加触媒の存在
    下、水素圧0.5kg/cm2〜40kg/cm2、温度
    80℃〜250℃の条件で水素添加し、得られた水素添
    加脂肪酸を20mmHg以下、100℃〜280℃で蒸
    留し留出分を取得する工程。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011078328A (ja) * 2009-10-05 2011-04-21 Kao Corp 不飽和脂肪酸類の製造方法
JPWO2021172151A1 (ja) * 2020-02-28 2021-09-02

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