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JPH09221666A - 赤色発光蛍光体および蛍光ランプ - Google Patents

赤色発光蛍光体および蛍光ランプ

Info

Publication number
JPH09221666A
JPH09221666A JP3046696A JP3046696A JPH09221666A JP H09221666 A JPH09221666 A JP H09221666A JP 3046696 A JP3046696 A JP 3046696A JP 3046696 A JP3046696 A JP 3046696A JP H09221666 A JPH09221666 A JP H09221666A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
phosphor
fluorescent lamp
fluorescent substance
europium
red
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP3046696A
Other languages
English (en)
Inventor
Yohei Shimizu
洋平 清水
Nobuyuki Sudo
伸行 須藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Toshiba Development and Engineering Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Toshiba Electronic Engineering Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp, Toshiba Electronic Engineering Co Ltd filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP3046696A priority Critical patent/JPH09221666A/ja
Publication of JPH09221666A publication Critical patent/JPH09221666A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Luminescent Compositions (AREA)
  • Vessels And Coating Films For Discharge Lamps (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】蛍光体層を形成する際の分散性が良好で、薄く
均一な蛍光体層を形成でき、また初期発光強度が高く、
かつ点灯中における発光強度の劣化が少ない赤色発光蛍
光体を提供するとともに、この蛍光体を用いることによ
り、発光色度や発光強度の経時劣化が少なく光束維持率
が高い蛍光ランプを提供する。 【解決手段】一般式(Y1-x Eux 2 3 (但し0.
01≦x≦0.20)で表わされるユーロピウム付活酸
化イットリウム蛍光体表面にポリエチレンポリオキシプ
ロピレン縮合物から成る被覆層を形成したことを特徴と
する。またポリエチレンポリオキシプロピレン縮合物か
ら成る被覆層の重量割合は、ユーロピウム付活酸化イッ
トリウム蛍光体に対して0.01〜0.5重量%,より
好ましくは0.1〜0.3重量%の範囲にすることが望
ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、赤色発光蛍光体お
よびそれを用いた蛍光ランプに係り、特に蛍光体層を形
成する際の分散性が良好であり、また初期発光強度が高
く、かつ点灯中における発光強度の劣化が少ない赤色発
光蛍光体およびその蛍光体を用いることにより、発光色
度や発光強度の経時劣化を抑制し光束維持率を向上させ
た蛍光ランプに関する。
【0002】
【従来の技術】周知のように、ユーロピウム付活酸化イ
ットリウム蛍光体(Y2 3 :Eu)は、電子線や紫外
線励起による発光輝度,発光色等の蛍光体特性が優れて
いることから、カラーブラウン管用赤色成分蛍光体や三
波長発光型蛍光ランプ用赤色成分蛍光体として広く使用
されている。
【0003】また上記のようなユーロピウム付活酸化イ
ットリウム蛍光体の発光効率の向上を図る目的で、従来
から種々の化合物から成る融剤を添加する研究がなされ
ている。この融剤の具体例としては、例えば特開昭55
−161883号公報に開示されるようなアルカリ土類
金属ほう酸塩、特公昭55−161883号公報に開示
されるようなリン酸リチウム、特開昭58−52382
号公報に記載されるようなリン酸アルミニウム、特開昭
55−152248号公報に開示されるようなほう酸ア
ルミニウム、特開昭59−45384号公報に開示され
るようなほう酸バリウム、特開昭58−127777号
公報に開示されるようなアルカリ土類金属酸化物,特開
昭61−266488号公報に開示されるようなふっ化
バリウム・ふっ化マグネシウム等の化合物が融剤として
提案されている。
【0004】これらの融剤を蛍光体に添加することによ
り、蛍光体粒子の結晶を大きく成長させることが可能に
なるとともに、蛍光体粒子の形状もある程度丸く均一に
制御することも可能になった。その結果、このような蛍
光体を用いた蛍光ランプの初期発光効率を向上させるこ
とができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
(Y1-x Eux 2 3 蛍光体は比較的に凝集作用が強
いという粉体的性質を有しており、蛍光体層を形成する
際にバインダー中での均一分散性が不良となる傾向があ
った。一方、上記赤色発光蛍光体の結晶形状を均一化す
ると、分散性が却って悪化する傾向もあった。そのた
め、酢酸ブチル,キシレン等の有機溶剤またはポリエチ
レンオキサイドなどの水溶性バインダー中に、上記(Y
1-x Eux 2 3 蛍光体を分散させ、さらに結着剤を
添加して蛍光体スラリーとし、この蛍光体スラリーをガ
ラス管(ガラスバルブ)の内壁面に塗布した場合に、蛍
光体の分散性や伸びが悪く、蛍光体層(蛍光膜)の表面
が荒れたり、不均一になり、またガラス管内面とのなじ
み性が悪く、いずれにしても蛍光体層を均一に形成する
ことが困難となる問題点があった。
【0006】特に円環型の蛍光ランプを製造する場合に
は、蛍光体スラリーを塗布した後にガラス管を曲げ加工
する必要があり、蛍光体層が不均一である場合には、蛍
光体層にひび割れを生じたり、剥離・脱落を生じたり、
蛍光体層表面が鮫肌状となり蛍光ランプの光束維持率が
低下してしまう問題点があった。
【0007】本発明は上記のような問題点を解決するた
めになされたものであり、蛍光体層を形成する際の分散
性が良好で、薄く均一な蛍光体層を形成でき、また初期
発光強度が高く、かつ点灯中における発光強度の劣化が
少ない赤色発光蛍光体を提供するとともに、この蛍光体
を用いることにより、発光色度や発光強度の経時劣化が
少なく光束維持率が高い蛍光ランプを提供することを目
的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記ユーロピ
ウム付活酸化イットリウム蛍光体の分散性を向上させる
とともに経時劣化を防止する目的で、蛍光体表面に種々
の化合物を付着させてその化合物の種類および付着量が
ランプ特性に及ぼす影響を実験により比較検討した。
【0009】その結果、特にポリエチレンポリオキシプ
ロピレン縮合物を(Y1-x Eux 2 3 蛍光体粉末に
添加し表面処理を行い、上記縮合物から成る被覆層を蛍
光体表面に形成することにより、蛍光体の分散性および
蛍光体層の均一性が向上するとともに、、蛍光体の発光
強度の経時劣化を、より効果的に防止できることを見出
した。特に蛍光体の分散性が向上し、蛍光体層を形成す
るに際して蛍光体粉末の凝集作用が効果的に抑制され
る。そのため蛍光体層を厚くしたり、結着剤などの添加
量を増加させることなく、少量の結着剤が有効に働き、
均一性に優れた薄い蛍光体層が得られることが判明し
た。本発明は上記知見に基づいて完成されたものであ
る。
【0010】すなわち本発明に係る赤色発光蛍光体は、
一般式(Y1-x Eux 2 3 (但し0.01≦x≦
0.20)で表わされるユーロピウム付活酸化イットリ
ウム蛍光体表面にポリエチレンポリオキシプロピレン縮
合物から成る被覆層を形成したことを特徴とする。
【0011】また本発明に係る蛍光ランプは、一般式
(Y1-x Eux 2 3 (但し0.01≦x≦0.2
0)で表わされるユーロピウム付活酸化イットリウム蛍
光体表面にポリエチレンポリオキシプロピレン縮合物か
ら成る被覆層を形成した赤色発光蛍光体と、青色発光蛍
光体と、緑色発光蛍光体との混合体をガラス管内壁面に
塗布し焼成して成る蛍光体層を有することを特徴とす
る。
【0012】さらにポリエチレンポリオキシプロピレン
縮合物から成る被覆層の重量割合は、ユーロピウム付活
酸化イットリウム蛍光体に対して0.01〜0.5重量
%,より好ましくは0.1〜0.3重量%の範囲にする
とよい。
【0013】また、ガラス管の形状が円環状であること
を特徴とする。
【0014】ここでユーロピウム付活酸化イットリウム
蛍光体((Y1-x Eux 2 3 )は電子線や紫外線の
照射を受けることにより赤色光を発する蛍光体であり、
三波長発光型蛍光ランプ用の赤色成分蛍光体として使用
される。
【0015】Eu(ユーロピウム)は蛍光体の発光効率
を高める活性体(付活剤)として作用し、Y(イットリ
ウム)に対して原子比で0.01〜0.20の割合で添
加される。添加割合が0.01未満では発光効率の改善
効果が少ない。一方、添加割合が0.20を超えると、
着色を生じ易くなり、ランプの発光効率を却って阻害す
ることになる。
【0016】被覆層を構成するポリエチレンポリオキシ
プロピレン縮合物は、蛍光体の分散性を向上させ、蛍光
体の凝集作用を抑制して均一な蛍光体層を形成する物質
である。この被覆層を蛍光体粉末表面に形成することに
より、少量の結着剤を使用した場合においても結着剤が
有効に働き、ガラスバルブ内壁面に均一性が良好な薄い
蛍光体層を形成することができる。
【0017】上記被覆層を構成するポリエチレンポリオ
キシプロピレン縮合物の添加量はユーロピウム付活イッ
トリウム蛍光体に対して0.01〜0.5重量%の範囲
が好ましい。上記縮合物の添加量が蛍光体に対して0.
01重量%未満の場合には蛍光体の分散性を改善し、ま
た劣化を防止する効果が不十分であり、蛍光体の発光特
性および蛍光体層の均一性を向上させる効果が少ない。
一方、縮合物の添加量が0.5重量%を超える範囲で
は、ランプ製造工程の焼成後においても蛍光体層中に縮
合物が僅かに残留し易くなり、ランプの光束維持率が低
下してしまう。
【0018】本発明に係る赤色発光蛍光体は、例えば以
下の操作手順に従って製造される。すなわち化学量論的
に組成調整された前記一般式(Y1-x Eux 2
3 (但し0.01≦x≦0.20)で表わされるユーロ
ピウム付活酸化イットリウム蛍光体に対して所定量のポ
リエチレンポリオキシプロピレン縮合物を秤量し、この
縮合物を分散させたスラリーを用いて蛍光体粉末を表面
処理し、これを濾過,乾燥後、乾燥物を篩分することに
より製造される。
【0019】また本発明に係る蛍光ランプは、上記のよ
うに調製した赤色発光蛍光体と他の青色発光蛍光体と緑
色発光蛍光体とを所定の色温度となるような配合割合で
混合し、さらに得られた混合体をポリエチレンオキサイ
ド等を溶解したバインダー中に均一に分散させて蛍光体
スラリーとし、この蛍光体スラリーをガラス管(バル
ブ)内壁面に塗布し、乾燥・焼成することにより発光層
(蛍光体層)を一体に形成するという通常のランプ製造
工程に準拠して製造される。
【0020】上記蛍光体スラリーをガラス管内壁面に塗
布した段階で、蛍光体スラリーの伸びが良好であり、厚
さが均一で凝集塊がない薄い塗膜が形成される。この塗
膜をガラス管と共に焼成することにより、縮合物成分は
完全燃焼し、所定組成を有する均一な蛍光体層が形成さ
れる。
【0021】上記構成に係る赤色発光蛍光体および蛍光
ランプによれば、(Y1-x Eux 2 3 蛍光体表面に
ポリエチレンポリオキシプロピレン縮合物から成る被覆
層が一体に形成されているため、蛍光体層を形成する際
の蛍光体の分散性が良好であり、凝集塊などの発生が少
なく均一性に優れた薄い蛍光体層が形成されるととも
に、蛍光体の経時劣化が効果的に防止でき、高い発光輝
度を呈する赤色発光蛍光体が得られる。
【0022】また、この赤色発光蛍光体を三波長発光型
蛍光ランプ等の赤色発光成分として使用することによ
り、高い発光輝度を呈し光束維持率が高い蛍光ランプを
実現することができる。
【0023】さらに、蛍光体粒子の分散性が良好であ
り、均一性に優れた薄い蛍光体層が得られるため、蛍光
体層を形成したガラス管を円環状に曲げ加工した場合に
おいても、蛍光体層にひび割れを生じたり、剥離や脱落
を生じるおそれが少なく、ランプ特性に優れた環形蛍光
ランプを高い製造歩留りで量産することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施形態について、
以下の実施例を参照してより具体的に説明する。
【0025】実施例1および比較例1 0.94モルのY2 3 と0.06モルのEu2 3
末とを秤量し、これらの粉末をボールミルにより十分に
粉砕・混合し、得られた混合体をるつぼに収容して、空
気中にて温度1100℃で3時間焼成した。得られた焼
成物に、融剤としてのほう酸バリウムを酸化物原料1モ
ルに対して0.3モル添加混合した後に、温度1250
℃で焼成し、得られた焼成物を粉砕し、さらに水洗処理
を行うことにより、(Y0.94Eu0.062 3 なる組成
を有する実施例1用の蛍光体を調製した。
【0026】次に調製した蛍光体を水中に懸濁せしめて
蛍光体スラリーとし、蛍光体重量に対して0.3重量%
のポリエチレンポリオキシプロピレン縮合物を蛍光体ス
ラリー中に添加し、15分間撹拌して表面処理を実施し
た後に乾燥することにより、上記縮合物から成る被覆層
を形成した実施例1に係る赤色発光蛍光体を調製した。
【0027】次にバインダー溶液中に上記赤色発光蛍光
体を懸濁させた塗布液を作成し、ガラス管内面に塗布し
て乾燥した。しかる後に、図1に示すように温度400
℃で焼成して蛍光体層2をガラス管1の内面に付着せし
め、さらにガラス管を600℃以上の温度に加熱して円
環状に曲げ加工し、電極3やソケットを取り付けて図1
に示すような実施例1に係る環形蛍光ランプを製造し
た。
【0028】一方、実施例1においてポリエチレンポリ
オキシプロピレン縮合物を使用した表面処理を実施せ
ず、縮合物から成る被覆層を形成しない(Y0.94Eu
0.962 3 蛍光体を使用した点以外は実施例1と同様
に処理して同一寸法を有する比較例1に係る環形蛍光ラ
ンプを製造した。
【0029】実施例2〜5 実施例1においてポリエチレンポリオキシプロピレン縮
合物の添加量を表1に示すように、蛍光体重量に対して
0.01〜0.7重量%の範囲に変化させた点以外は実
施例1と同一条件で蛍光体の表面処理等を実施してそれ
ぞれ実施例2〜5に係る環形蛍光ランプを製造した。
【0030】こうして製造した実施例1〜5および比較
例1に係る蛍光ランプについて、製造直後における初期
発光強度aを測定するとともに、1000時間点灯後に
おける発光強度bをそれぞれ測定し、さらに発光強度比
(b/a)で表わされる光束維持率を算出し、表1に示
す結果を得た。なお発光強度は、ポリエチレンポリオキ
シプロピレン縮合物で表面処理を実施していない比較例
1に係る(Y0.94Eu0.062 3 蛍光体を使用した蛍
光ランプの初期発光強度を基準値(100%)として相
対的に示している。
【0031】
【表1】
【0032】表1に示す結果から明らかなように、実施
例に係る蛍光ランプの初期発光強度は、ポリエチレンポ
リオキシプロピレン縮合物で表面処理を実施していない
比較例1の蛍光ランプを基準値(100%)とした場合
の相対値で100.2〜100.7%となり、発光効率
が改善されていることが判明した。
【0033】また、1000時間点灯後における発光強
度は、従来例を示す比較例1の蛍光ランプにおいて84
%であるのに対して実施例においては86.5〜91.
6%と改善されており、発光強度の経時劣化が減少して
いる。すなわち光束維持率で比較すると、比較例1にお
いて0.84であるのに対して、実施例においては0.
86〜0.91と向上している。すなわち、縮合物で表
面処理した蛍光体粉末を使用することにより、初期発光
強度および光束維持率が共に向上した蛍光ランプが得ら
れることが判明した。
【0034】さらに各実施例の蛍光ランプは外観におい
ても比較例1のランプと比較して向上している。図2お
よび図3はそれぞれ実施例1および比較例1に係るガラ
ス管内壁部を拡大して示す部分断面図である。図2に示
すように各実施例の蛍光ランプにおいては、蛍光体層2
aのひび割れや鮫肌等の欠陥は観察されず、ガラス管1
aの内壁面に蛍光体層2aが均一に形成されていた。
【0035】一方、図3に示すように比較例1に係る蛍
光ランプにおいては、縮合物による表面処理を実施して
いないため、蛍光体の分散性が悪化し、ガラス管1b内
壁面に形成された蛍光体層2bには多くの凝集部が形成
されていた。
【0036】実施例6〜8および比較例2〜4 ポリエチレンポリオキシプロピレン縮合物を使用して表
面処理を行なって得られた実施例1に係る赤色発光蛍光
体粉末と、青色発光蛍光体としての(Sr,Ca,B
a,Eu)10(PO4 6 Cl2 蛍光体粉末と、緑色発
光蛍光体としての(La,Ce,Tb)PO4 蛍光体粉
末とを、表2に示すように、相対色温度がそれぞれ29
00,5000,6500℃となるような混合比で均一
に混合して、それぞれ実施例6〜8用の三波長型混合蛍
光体を調製した。
【0037】一方、縮合物による表面処理を実施しない
赤色発光蛍光体粉末を使用した以外は、実施例6〜8と
同様に青色、緑色発光蛍光体粉末と混合処理して実施例
6〜8に対応する比較例2〜4に係る三波長型混合蛍光
体を調製した。
【0038】次に各三波長型混合蛍光体をバインダー中
に均一に分散せしめて蛍光体スラリーとし、この蛍光体
スラリーを、図1に示すように、ガラス管(ガラスバル
ブ)1内面に塗布して乾燥・焼成することにより蛍光体
層2を形成した後に、通常のランプ製造工程に準拠して
放電用の電極3およびソケットを付設した口金をガラス
管の両端に装着するなどの工程を経てそれぞれ実施例6
〜8および比較例2〜4に係る環形蛍光ランプを製造し
た。
【0039】こうして製造した実施例6〜8および比較
例2〜4に係る環形蛍光ランプについて、実施例1〜5
と同様に製造直後における初期発光強度を測定するとと
もに、1000時間点灯後における発光強度をそれぞれ
測定し、さらに光束維持率を算出して下記表2に示す結
果を得た。
【0040】なお表2に示す発光強度は、縮合物による
表面処理を実施しないユーロピウム付活酸化イットリウ
ム蛍光体を用いて形成した各比較例2〜4に係る蛍光ラ
ンプの初期発光強度を基準値(100%)として相対的
に表示した。
【0041】
【表2】
【0042】表2に示す結果から明らかなように、実施
例6〜8に係る蛍光ランプの初期発光強度は、ポリエチ
レンポリオキシプロピレン縮合物で表面処理を実施して
いない比較例2〜4の蛍光ランプを基準値(100%)
とした場合の相対値で100.3〜100.5%とな
り、発光効率が改善されていることが判明した。
【0043】また、1000時間点灯後における発光強
度は、従来例を示す比較例2〜4の蛍光ランプにおいて
86.1〜87.7%であるのに対して実施例において
は91.2〜92.5%と改善されており、発光強度の
経時劣化が減少している。すなわち光束維持率で比較す
ると、比較例2〜4において0.86〜0.88である
のに対して、実施例6〜8においては0.91〜0.9
2と向上している。すなわち、縮合物で表面処理した蛍
光体粉末を使用することにより、初期発光強度および光
束維持率が共に向上した蛍光ランプが得られることが判
明した。
【0044】実施例6〜8のように三波長型混合蛍光体
を使用した場合においても、実施例1〜5のように赤色
発光蛍光体を単色成分として使用した場合と同様に、発
光効率および光束維持率の改善効果が得られた。
【0045】なお実施例6〜8に係る蛍光ランプの管端
色差を測定したところ、平均値で0.0011であり、
比較例2〜4の蛍光ランプの管端色差の平均値0.00
24と比較して半減しており、管端色差を改善する効果
も発揮されることが確認できた。これは縮合物で表面処
理した蛍光体を使用することにより、均一な蛍光体層が
得られたことに起因する効果であると考えられる。
【0046】
【発明の効果】以上説明の通り、本発明に係る赤色発光
蛍光体および蛍光ランプによれば、(Y1-x Eux 2
3 蛍光体表面にポリエチレンポリオキシプロピレン縮
合物から成る被覆層が一体に形成されているため、蛍光
体相を形成する際の蛍光体の分散性が良好であり、凝集
塊などの発生が少なく均一性に優れた薄い蛍光体層が形
成されるとともに、蛍光体の経時劣化が効果的に防止で
き、高い発光輝度を呈する赤色発光蛍光体が得られる。
【0047】また、この赤色発光蛍光体を三波長発光型
蛍光ランプ等の赤色発光成分として使用することによ
り、高い発光輝度を呈し光束維持率が高い蛍光ランプを
実現することができる。
【0048】さらに、蛍光体粒子の分散性が良好であ
り、均一性に優れた薄い蛍光体層が得られるため、蛍光
体層を形成したガラス管を円環状に曲げ加工した場合に
おいても、蛍光体層にひび割れを生じたり、剥離や脱落
を生じるおそれが少なく、ランプ特性に優れた環形蛍光
ランプを高い製造歩留りで量産することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る赤色発光蛍光体を使用した蛍光ラ
ンプを一部破断して示す正面図。
【図2】実施例1に係る蛍光ランプのガラス管内壁部を
拡大して示す部分断面図。
【図3】比較例1に係る蛍光ランプのガラス管内壁部を
拡大して示す部分断面図。
【符号の説明】
1 ガラス管(ガラスバルブ) 2,2a,2b 蛍光体層(蛍光膜) 3 電極

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(Y1-x Eux 2 3 (但し
    0.01≦x≦0.20)で表わされるユーロピウム付
    活酸化イットリウム蛍光体表面にポリエチレンポリオキ
    シプロピレン縮合物から成る被覆層を形成したことを特
    徴とする赤色発光蛍光体。
  2. 【請求項2】 ポリエチレンポリオキシプロピレン縮合
    物から成る被覆層の重量割合がユーロピウム付活酸化イ
    ットリウム蛍光体に対して0.01〜0.5重量%であ
    ることを特徴とする請求項1記載の赤色発光蛍光体。
  3. 【請求項3】 ポリエチレンポリオキシプロピレン縮合
    物から成る被覆層の重量割合がユーロピウム付活酸化イ
    ットリウム蛍光体に対して0.1〜0.3重量%である
    ことを特徴とする請求項1記載の赤色発光蛍光体。
  4. 【請求項4】 一般式(Y1-x Eux 2 3 (但し
    0.01≦x≦0.20)で表わされるユーロピウム付
    活酸化イットリウム蛍光体表面にポリエチレンポリオキ
    シプロピレン縮合物から成る被覆層を形成した赤色発光
    蛍光体と、青色発光蛍光体と、緑色発光蛍光体との混合
    体をガラス管内壁面に塗布し焼成して成る蛍光体層を有
    することを特徴とする蛍光ランプ。
  5. 【請求項5】 ポリエチレンポリオキシプロピレン縮合
    物から成る被覆層の重量割合がユーロピウム付活酸化イ
    ットリウム蛍光体に対して0.01〜0.5重量%であ
    ることを特徴とする請求項4記載の蛍光ランプ。
  6. 【請求項6】 ガラス管の形状が円環状であることを特
    徴とする請求項4記載の蛍光ランプ。
JP3046696A 1996-02-19 1996-02-19 赤色発光蛍光体および蛍光ランプ Pending JPH09221666A (ja)

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JP3046696A JPH09221666A (ja) 1996-02-19 1996-02-19 赤色発光蛍光体および蛍光ランプ

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JP3046696A JPH09221666A (ja) 1996-02-19 1996-02-19 赤色発光蛍光体および蛍光ランプ

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JP (1) JPH09221666A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004349259A (ja) * 2003-05-22 2004-12-09 General Electric Co <Ge> 蛍光ランプ

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