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JPH09217779A - 油圧緩衝器 - Google Patents

油圧緩衝器

Info

Publication number
JPH09217779A
JPH09217779A JP5226596A JP5226596A JPH09217779A JP H09217779 A JPH09217779 A JP H09217779A JP 5226596 A JP5226596 A JP 5226596A JP 5226596 A JP5226596 A JP 5226596A JP H09217779 A JPH09217779 A JP H09217779A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oil
cylinder
seal
chamber
piston rod
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5226596A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiromi Machida
博美 町田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Tokico Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokico Ltd filed Critical Tokico Ltd
Priority to JP5226596A priority Critical patent/JPH09217779A/ja
Priority to US08/683,419 priority patent/US5797594A/en
Priority to DE19629501A priority patent/DE19629501C2/de
Publication of JPH09217779A publication Critical patent/JPH09217779A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ピストンロッドの摺動特性を犠牲にすること
なくロッドシールを確実にする。 【解決手段】 油液が封入されるシリンダ11をケーシン
グ13内に収めて、両者の間に油液とガスとが封入される
リザーバ室12を形成し、リザーバ室12の上部開口をロッ
ドガイド31とシールブロック65にて封止し、シールブロ
ック65にリザーバ室12からのガス漏れを防ぐOリング66
と、シリンダ11内のピストンから延ばしたピストンロ
ッド30の摺動部をシールする二段のシール部材67、68と
を支持させ、一段目のシール部材67はポリテトラフルオ
ロエチレン製リングから、二段目のシール部材68はゴム
製のオイルシールからそれぞれ形成し、ポリテトラフル
オロエチレンのシール部材67でピストンロッド30の円滑
な摺動を保証する共に、該シール部材67から漏れ出た油
の外部への漏出をオイルシール68で防止し、シール部材
67から多量に油が漏れ出た場合は、逃し通路75内のチェ
ック弁69を開いてリザーバ室12へ逃す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車等の懸架装
置に装着される油圧緩衝器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種の油圧緩衝器としては、油液が封
入されるシリンダ内を、減衰力発生機構を備えたピスト
ンにより上下二室に区画し、ピストンに一端が連結され
たピストンロッドの他端部を前記シリンダの上端開口部
に装着したロッドガイドを挿通してシリンダ外まで延ば
し、前記シリンダの周りに、ケーシングと共働して油液
とガスとが封入されたリザーバ室を設けると共に、該リ
ザーバ室の底部を前記シリンダ下室に連通し、ピストン
ロッドの伸縮に応じて前記減衰力発生機構を作動させ、
かつシリンダ内の油液の増減を前記リザーバ室で補償す
るようにした、いわゆるガス入り複筒式のものがある。
【0003】ところで、このようなガス入り複筒式の油
圧緩衝器においては、ピストンロッドの摺動部のシール
(ロッドシール)に加え、リザーバ室からのガス漏れを
防ぐガスシールが必要で、その上、ガス圧の影響でシリ
ンダの内部圧力が大きくなっているため、ロッドシール
を確実にしなければならないという制約がある。このた
め、従来一般には、ゴム製のリング状シール部材をケー
シングの開口部内にカシメ止めして、該シール部材をロ
ッドシールとガスシールとに共用するようにしていた。
しかし、このようなシール構造では、シール部材がピス
トンロッドに強圧されるため、ピストンロッドの摺動特
性が悪化するという問題があり、そこで、最近は、図8
に示すようなシール構造を採用していた。
【0004】図8において、1はシリンダ、2はシリン
ダの上端開口に装着したロッドガイド、3はシリンダ1
内のピストン(図示略)から前記ロッドガイド2を挿通
して延ばしたピストンロッド、4はシリンダ1を囲むケ
ーシングで、シリンダ1とケーシング4との間にはリザ
ーバ室Rが形成されている。リザーバ室Rの上部開口
は、ロッドガイド2とケーシング4との間に嵌合した環
状のシールブロック5により閉じられており、このシー
ルブロック5には、その内周側にロッドシールとしての
一対のシール部材6a,6bが二段に配設されると共
に、その外周側にガスシールとしてのOリング7が支持
されている。ロッドシールとしてのシール部材6a,6
bは、特に摺動特性を重視してポリテトラフルオロエチ
レン製(フッ素樹脂製)リングから形成されており、そ
れぞれの背面側に配置したOリング8a,8bによりピ
ストンロッド3の周面に押圧されている。なお、9はリ
ザーバ室Rから通路10を介してシリンダ上室Sへのガ
スの流入を規制するチェック弁である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
たシール構造によれば、ロッドシールとしてポリテトラ
フルオロエチレン製のシール部材6a,6bを用いてい
るため、特にピストンロッドの作動速度が速くなった場
合等、シリンダ上室S側(高圧側)に位置する一段目の
シール部材6aから油漏れを起こし易く、その油漏れの
量が多くなると、一段目と二段目の間も高圧となって二
段目のシール部材6bから油液がシリンダ1外へ漏れ出
る虞があった。
【0006】なお最近は、懸架装置からピストンロッド
に伝わる振動に応じてピストンロッドの伸長長さを所定
範囲に制御し、積載荷重によらずに車高を一定に維持す
るセルフポンピング機構を設けた油圧緩衝器があり(例
えば特開昭60−261713号公報参照)、このよう
な油圧緩衝器では、ポンピング作用によりシリンダの内
部圧力がより一層大きくなるため、外部への油漏れの可
能性がより一層増大することになる。
【0007】本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなさ
れたもので、その目的とするところは、ピストンロッド
の摺動特性を犠牲にすることなく、ロッドシールから外
部への油漏れを確実に防止することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は、シールブロックに設けたロッドシールと
しての二段のシール部材のうち、シリンダ上室側に位置
する一段目のシール部材をフッ素樹脂製リングから、シ
リンダ外側に位置する二段目のシール部材をオイルシー
ルからそれぞれ形成し、さらに前記シールブロックに、
前記一段目のシール部材と二段目のシール部材との間に
漏れた油を前記リザーバ室に逃がす逃し通路を設けると
共に、該逃し通路の漏れ油の圧力が所定値以上になった
時に開弁するチェック弁を介装する構成としたことを特
徴とする。
【0009】このように構成したことにより、高圧側に
位置する一段目のシール部材がフッ素樹脂からなってい
るので、ピストンロッドの摺動特性が保証される。ま
た、この高圧側のシール部材が油漏れを起こしても、二
段目のシール部材としてのオイルシールがシリンダ外へ
の油液の漏れを防止し、しかも、一段目のシール部材か
らの油漏れの量が多くなって一段目と二段目のシール部
材間の圧力が大きくなる場合には、逃し通路内のチェッ
ク弁が開いてリザーバ室に油液が逃げ、同様にシリンダ
外への油液の漏れが防止される。
【0010】本発明は、一段目のシール部材と二段目の
シール部材との間に油溜り部を設け、逃し通路を該油溜
り部に開口させるようにするのが望ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面に基いて説明する。
【0012】図1ないし図6は、本発明の第1実施形態
を示したものである。本第1実施形態は、セルフポンピ
ング機構を備えた構造となっており、シリンダ11を囲
み該シリンダ11との間にリザーバ室12を形成するケ
ーシング13は、シリンダ11の下端よりも下方向へ延
長されている。ケーシング13内は、その途中に嵌着し
た仕切部材14により上下2室に仕切られており、シリ
ンダ11は、前記ケーシング13の上室に配置されて、
その下端を前記仕切部材14に突き当てている。ケーシ
ング13の延長部分13aの先端は閉じられており、こ
の延長部分13aに対応するケーシング13の下室に
は、ケーシング13との間に環状室15(図4)を形成
する内筒16が配置されている。内筒16内には、フリ
ーピストン17が摺動可能に嵌装されており、このフリ
ーピストン17より上側は油液を封入したオイル室18
として、それより下側は高圧ガスを封入したガス室19
としてそれぞれ構成されている。なお、ガス室19は、
内筒16の下端部に設けた通路20(図2)によって前
記環状室15に連通されており、この環状室15にも高
圧ガスが封入されている。
【0013】シリンダ11の下端部にはベースバルブ2
1が取付けられており、図4に示すようにベースバルブ
21に設けた油通路22によって、シリンダ11内とリ
ザーバ室12とが連通されている。ベースバルブ21に
は、油通路22を通じてリザーバ室12からシリンダ1
1内への油液の流通を許容する逆止弁23および油通路
22を常時連通させるオリフィス24が設けられてい
る。
【0014】シリンダ11内には、環状のピストン25
が摺動可能に嵌装されており、このピストン25によっ
てシリンダ11内がシリンダ上室26とシリンダ下室2
7とに画成されている。ピストン25には、図3に良く
示されるように略円筒状のピストンボルト28が挿通さ
れ、その先端部にピストンナット29を螺着させて固定
されている。ピストンボルト28の基端側のねじ部28
aには、中空のピストンロッド30の下端部が螺着され
ており、ピストンロッド30の上端側は、シリンダ11
の上端開口部に装着したロッドガイド31、およびリザ
ーバ室12の上部開口を閉じかつピストンロッド30を
シールする後述のシール装置32を挿通して、シリンダ
11およびケーシング13の外部へ延出されている。そ
して、シリンダ11内には油液が封入され、リザーバ室
12には油液と高圧ガスとが封入されている。
【0015】ピストン25には、シリンダ上室26とシ
リンダ下室27とを連通させる油通路33および34
と、シリンダ上室26側の所定圧力によって撓んで開弁
して一方の油通路33の油液の流通を許容して減衰力を
発生させる常閉のディスクバルブ35(減衰力発生機
構)とが設けられている。ディスクバルブ35の弁座部
には、オリフィス通路(減衰力発生機構)を形成する切
欠36が設けられており、この切欠36によってシリン
ダ上・下室26,27間は常時連通している。また、ピ
ストン25には、シリンダ下室27側の所定圧力によっ
て撓んで開弁して縮み側通路34の油液の流通を許容し
て減衰力を発生させる常閉のディスクバルブ37(減衰
力発生機構)が設けられている。
【0016】ピストンロッド30内には、その中空部3
0aよりもやや小径の大径部38aと小径部38bとか
らなる段付のポンプチューブ38が挿入されている。ピ
ストンロッド30の上端は閉じられており、ポンプチュ
ーブ38は、その小径部38b側の端部がピストンロッ
ド30の閉じ端付近で保持ばね39に押圧されて(図
6)、その大径部38a側の端部をピストンボルト28
に当接させて(図3)位置固定されている。そして、ピ
ストンロッド30の内面とポンプチューブ38との間に
環状の油通路40が形成され、ピストンロッド30の側
壁に設けられた通路41(図3)を介してシリンダ上室
26に連通されている。
【0017】前記した仕切部材14およびベースバルブ
21には、図4に示すようにリテーナ42を介して管状
のポンプロッド43の基端が連結されている。ポンプロ
ッド43とリテーナ42との結合部は球面状に形成さ
れ、互いに摺接可能となっており、油圧緩衝器の作動に
ともなうポンプロッド43の傾きを許容して位置ずれを
吸収できるようになっている。ポンプロッド43の先端
側は、シリンダ11の軸線に沿って延ばされ、ピストン
ボルト28を挿通してポンプチューブ38の大径部38
aに遊挿され、さらに小径部38b内に摺動可能に嵌入
されている。そして、ポンプロッド43の先端部によっ
てポンプチューブ38の小径部38b内の上部側にポン
プ室44が形成されており、このポンプ室44は、ポン
プロッド43内の通路43aおよびリテーナ42内の通
路42aによって構成される油通路45によって前記オ
イル室18に連通されている(図4)。
【0018】ポンプチューブ38の小径部38bの上端
部には、ポンプ室44から油通路40への油液の流通の
みを許容する逆止弁46が設けられており、また、ポン
プロッド43の先端部には、油通路45を通じてオイル
室18からポンプ室44への油液の流通のみを許容する
逆止弁47が設けられている。逆止弁46は、図6に示
すように、ポンプチューブ38の小径部38bの先端部
に固定した略U字形のリテーナ48に一端が係止された
弁ばね49により小径部38bの開口端に押えられた弁
体50を備えており、ポンプ室44側の圧力によって、
弁体50が弁ばね49の弾性力に抗して小径部38bの
開口端から押上げられて開弁するようになっている。な
お、図中、51は弁体50の移動を規制するストッパで
ある。一方、ポンプロッド43の先端の逆止弁47は、
図5に示すように、ポンプロッド43の先端部に固定し
た略U字形のリテーナ52に一端が係止された弁ばね5
3によりポンプロッド43の開口端に押えられた弁体5
4を備えており、前記オイル室18に通じる油通路45
側の圧力によって、弁体54が弁ばね53の弾性力に抗
してポンプロッド43の開口端から押上げられて開弁す
るようになっている。
【0019】ピストンボルト28およびポンプチューブ
38の大径部38aとポンプロッド43との間には、シ
リンダ下室27に連通する環状通路55が形成されてい
る(図3)。また、ポンプロッド43には、ポンプチュ
ーブ38に嵌合された先端部から軸方向に所定部位まで
延びる切欠56が形成されており、この切欠56によっ
てポンプロッド43とポンプチューブ38の小径部38
bとの間に液通路57が形成されている。切欠56は、
ピストンロッド30の伸長長さが所定の標準範囲よりも
短いとき(標準範囲の下限となる第1所定位置より短い
とき)、ポンプチューブ38の小径部38bのみと重な
り、大径部38aとは重ならない位置にあって液通路5
7と環状通路55との連通が遮断される。また、ピスト
ンロッド30が所定の標準範囲まで伸長したとき(標準
範囲の下限となる第1所定位置まで伸長したとき)、ポ
ンプチューブ38がピストンロッド30とともに移動し
て大径部38aが切欠56に重なって、液通路57が環
状通路55に連通されてシリンダ上・下室26,27に
連通されるようになっている。
【0020】また、ポンプロッド43の側壁には、油通
路45から壁面に貫通するオリフィス通路58が設けら
れている(図3)。このオリフィス通路58は、切欠5
6の下側終端に対してポンプ室44寄りの部位に配置さ
れており、ピストンロッド30の伸長長さが所定の標準
範囲以下のとき、ポンプチューブ38の小径部38bと
重なる位置にあり、オリフィス通路58と環状通路55
との連通が遮断されている。また、ピストンロッド30
の伸長長さが所定の標準範囲を越えたとき、オリフィス
通路58は、ポンプチューブ38の大径部38aと重な
って、オリフィス通路58が環状通路55に連通されて
シリンダ上・下室26,27と連通されるようになって
いる。なお、59はピストンロッド30に外装されたリ
バウンドストッパである。
【0021】本油圧緩衝器は、ピストンロッド30の上
端部を車体側(図示せず)に、ケーシング13の下端部
を車輪側(図示せず)にそれぞれ連結させることによっ
て、車両の懸架装置として装着されるようになってお
り、ケーシング13の下端部には車輪側への取付用ブラ
ケット60が、その上端部には懸架ばね(図示せず)を
受けるばね受け61がそれぞれ固定されている。
【0022】ここで、上記シール装置32は、ロッドガ
イド31からケーシング13の上端開口側へ順に重ねた
第1、第2、第3のリング体62、63、64からなる
シールブロック65と、このシールブロック65の外周
側に支持されたガスシール用のOリング66と、シール
ブロック65の内周側に二段に支持されたロッドシール
用の第1および第2のシール部材67、68と、シール
ブロック65の中間に配置されたオイル逃し用のチェッ
ク弁69とから概略構成されている。シールブロック6
5を構成する各リング体は、第3のリング体64をケー
シング13の開口端部に設けたねじ部70に螺合させる
ことによりロッドガイド31に対して締付け固定されて
いる。なお、ロッドガイド31の内周にはピストンロッ
ド30を摺動自在に案内するための軸受スリーブ71が
嵌装されている。
【0023】シールブロック65を構成する各リング体
62、63、64のうち、ロッドガイド31側に位置す
る第1のリング体62は、ロッドガイド31に形成され
た環状突起31aを受入れる凹部62aを下面内周側に
有し、この凹部62の周りの外径部分の先端をロッドガ
イド31の上面に当接させて位置固定されている。ま
た、この第1のリング体62は、その上面の中央に環状
突起62bを有し、この環状突起62bの内側の凹部を
前記ロッドシール用第1のシール部材67を納める収納
部として提供すると共に、この環状突起62bの外周面
を前記チェック弁69を装着(外嵌)させる嵌合面とし
て提供している。なお、環状突起62bの内側の凹部に
は、第1のシール部材67の外側に配置され該第1のシ
ール部材67をピストンロッド30側に押圧付勢するO
リング72も配置されている。また、ロッドガイド31
の環状突起31aには、前記第1のリング体62の凹部
62aの内周をシール面として作動するチェック弁73
が外嵌されているが、このチェック弁73は、リザーバ
室12内のガスがシリンダ上室26に侵入するのを防止
する役割をなすものである。
【0024】一方、シールブロック65を構成する各リ
ング体62、63、64のうち、中間の第2のリング体
63は、カップ形状をなし、そのカップ壁63aの先端
を第1のリング体62の上面に当接させて位置固定され
ている。そして、この固定状態において第2のリング体
63のカップ底63bが前記第1のシール部材67およ
びOリング72軸方向の移動を押えるストッパとして機
能する。また、第2のリング体63のカップ壁63aの
内周面は前記オイル逃し用のチェック弁69のシール面
として提供されており、また、そのカップ底63bに
は、第3のリング体64の内径側の油溜り部74から前
記チェック弁69に通じる逃し通路75が設けられてい
る。逃し通路75は、第1のリング体62の外周面に形
成された副逃し通路75aおよびロッドガイド31の外
周面に同じく形成された副逃し通路76を介してリザー
バ室12に連通されている。また、この第2のリング体
63の上側隅角は、斜めに面取りされており、前記ガス
シール用のOリング66がこの面取り部分に配置されて
第3のリング体64により抜け止めされている。一方、
ロッドシールとしての第2のシール部材68は、第3の
リング体64の内面に嵌着され、第3のリング体64の
内面に設けた段差64aにより抜け止めされている。
【0025】しかして、ロッドシールとしての第1のシ
ール部材(一段目のシール部材)67はポリテトラフル
オロエチレン製リングから、第2のシール部材(二段目
のシール部材)68はゴム製のオイルシールからそれぞ
れ形成されている。第2のシール部材68は、ピストン
ロッド30に接触する上・下2つのリップ部30a,3
0bを有すると共に、各リップ部30a,30bをピス
トンロッド30に対して押圧付勢するスプリング77を
有している。
【0026】以下、上記のように構成した第1実施形態
の作用について説明する。
【0027】ピストンロッド30の伸び行程時には、ピ
ストン25の移動にともないシリンダ上室26側の油液
が加圧され、この圧油が油通路33を通ってシリンダ下
室27側へ流れ、切欠36が形成するオリフィスによっ
て減衰力が発生する。このとき、ピストンロッド30が
シリンダ11から退出した分の油液がガスの膨張により
リザーバ室12からベースバルブ21の油通路22を通
り、逆止弁23を開いてシリンダ下室27に補給され
る。また、ピストン速度が速くなり、シリンダ上室26
側の油圧が所定圧力に達すると、ディスクバルブ35が
開いて減衰力の過度の上昇を抑制する。
【0028】ピストンロッド30の縮み行程時には、ピ
ストン25の移動にともないシリンダ下室27側の油液
が加圧され、この圧油が油通路33を通ってシリンダ上
室26側へ流れ、切欠36が形成するオリフィスによっ
て減衰力が発生する。このとき、ピストンロッド30が
シリンダ11内に侵入した分の油液がベースバルブ21
のオリフィス24および油通路22を通ってリザーバ室
12内に流入してガスを圧縮する。また、ピストン速度
が速くなり、シリンダ下室27の油圧が所定圧力に達す
ると、ディスクバルブ37が開いて縮み側通路34に油
液を流通させることによって減衰力の過度の上昇を抑制
する。
【0029】次に、油圧緩衝器1の自動車高調整機能に
ついて説明する。空車時(標準車高時)において、底部
側のガス室19とリザーバ室12とは同圧になってお
り、ピストンロッド30の伸長長さは所定の標準範囲内
にある。この状態では、ポンプロッド43の切欠56が
ポンプチューブ38の大径部38aと重なっており、ポ
ンプ室44が液通路57および環状通路55を介してシ
リンダ上下室26,27に連通されいてるので、ポンピ
ング作用は行われない。
【0030】車両の積載荷重が増加して車高が標準車高
よりも低くなり、ピストンロッド30の伸長長さが標準
範囲よりも短くなると、ポンプロッド43の切欠56が
ポンプチューブ38の小径部38bと重なって閉鎖され
る。この状態では、走行時の懸架装置の振動によってピ
ストンロッド30が伸縮すると、伸び行程時には、ポン
プチューブ38の小径部38b内のポンプロッド43が
後退することによりポンプ室44内の圧力が低下し、逆
止弁47が開いて油通路45を通してオイル室18内の
油液がポンプ室44に導入され、また、縮み行程時に
は、ポンプロッド43が前進してポンプ室44内が加圧
され、逆止弁46が開いてポンプ室44内の油液が油通
路40および通路41を通ってシリンダ上室26に供給
されて、シリンダ上下室26,27およびリザーバ室1
2を加圧してピストンロッド30を伸長させる。このよ
うにして、走行時の振動を利用してポンピング動作を繰
り返すことによって車高を上げる。そして、車高が標準
車高に達して、ピストンロッドの伸長長さが標準範囲内
になると、ポンプロッド43の切欠56がポンプチュー
ブ38の大径部38aと重なってポンプ室44がシリン
ダ上下室26,27に連通されてポンピング動作が解除
される。
【0031】また、車両の積載荷重が減少して車高が標
準車高よりも高くなり、ピストンロッド30の伸長長さ
が標準範囲よりも長くなると、ポンプロッド43の切欠
56およびオリフィス通路58がポンプチューブ38の
大径部38aと重なり、ポンプ室44がシリンダ上下室
26,27に連通されてポンピング動作が解除されると
ともに、シリンダ上下室26,27が環状通路55およ
びオリフィス通路58を介して油通路45に連通され、
シリンダ上下室26,27内の圧油がオイル室18に戻
されて、シリンダ上下室26,27およびリザーバ室1
2が減圧されて車高が下がる。車高が標準車高まで下が
ってピストンロッド30の伸長長さが標準範囲内になる
と、ポンプロッド43のオリフィス通路58がポンプチ
ューブ38の小径部38bと重なって閉鎖され、シリン
ダ上下室26,27内の圧油の戻し動作が停止する。
【0032】以上のようにして、走行時の懸架装置の振
動を利用して、ポンピング作用および戻し作用を繰り返
すことによって、積載荷重にかかわらず車高を一定に調
整することができる。
【0033】ところで、ピストンロッド30の伸び行程
時およびポンピング作用時には、シリンダ上室26内の
油圧が上り、油液がロッドシールとしての第1のシール
部材67から漏れ出ようとするが、この油漏れは一段目
(高圧側)の第1のシール部材67によって防止され
る。しかし、ピストンロッド30の伸びが比較的急速で
ある場合、あるいはポンピング作用の繰返し数が多い場
合は、シリンダ上室26内がさらに高圧となり、摺動特
性を重視したポリテトラフルオロエチレン製の第1のシ
ール部材67からわずか油漏れが生じる。そして、漏れ
た油液はゴム製のオイルシールからなる二段目(低圧
側)の第2のシール部材68によって外部への漏出が防
止されて油溜り74に溜るが、漏れ量が次第に多くなっ
て油溜り部74の油圧が上昇し、所定圧となると、逃し
通路75内のチェック弁69が開いて、油溜り部74内
の油液が逃し通路75および副逃し通路75a、76を
通ってリザーバ室12に流入し、したがって外部への油
液の流出が完全に防止される。しかも、この油液の逃し
により油溜り部74内の油圧は所定圧以上にならず、オ
イルシール(第2のシール部材)のシール性は恒久的に
維持される。本第1実施形態では特に、オイルシール6
8のリップ30a,30bの背面をスプリング77によ
りロッドガイド30に付勢しているので、ストラット等
の高い横荷重が加わった場合でもオイルシール68が追
従し、シール性が確保される。
【0034】図7は、本発明の第2実施形態を示したも
のである。本第2実施形態の特徴とするところは、上記
第1実施形態におけるオイル逃し用のチェック弁69
(図1)を省略して、第2のシール部材68にチェック
弁部80を一体に設け、さらにシールブロック65を構
成する第1および第2のリング体62および63を一体
のリング体81として構成し、このリング体81に逃し
通路75と前記チェック弁部80の先端部が当接するシ
ール面82を設けた点にある。本第2実施形態の作用は
上記第1実施形態と同一であるが、部品点数が第1実施
形態に比べて削減されるので、コスト低減を達成でき
る。
【0035】なお、上記2つの実施形態において、二段
目のシール部材(第2のシール部材)68をゴム製とし
たが、本発明はその材質を限定するものでなく、例えば
プラスチック製とすることができる。
【0036】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の油圧緩衝
器によれば、ポリテトラフルオロエチテフロン(フッ素
樹脂)にて形成した一段目のシール部材でピストンロッ
ドの摺動特性を保証できるばかりか、オイルシールから
なる二段目のシール部材で外部への油液の漏出を防止す
ることができる。しかも、一段目のシール部材からの油
漏れの量が多くなって一段目と二段目のシール部材間の
圧力が大きくなる場合には、逃し通路内のチェック弁が
開いてリザーバ室に油液が逃げるので、シリンダ外への
油液の漏れを確実にが防止できる。さらに、一段目のシ
ール部材と二段目のシール部材との間に油溜り部を設
け、逃し通路を該油溜り部に開口させた場合は、一旦油
溜り部に油液を溜めることで、チェック弁の作動回数が
可及的に減じ、その寿命が延長する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態である油圧緩衝器の要部
構造を示す断面図である。
【図2】第1実施形態である油圧緩衝器の全体構造を示
す断面図である。
【図3】図2に示した油圧緩衝器のピストン部分とその
周りの構造を示す断面図である。
【図4】図2に示した油圧緩衝器のベースバルブとその
周りの構造を示す断面図であるである。
【図5】図2に示した油圧緩衝器のポンプロッドの逆止
弁とその周りの構造を示す断面図である。
【図6】図2に示した油圧緩衝器のポンプチューブの逆
止弁とその周りの構造を示す断面図である。
【図7】本発明の第2実施形態である油圧緩衝器の要部
構造を示す断面図である。
【図8】従来の油圧緩衝器のシール構造を示す断面図で
ある。
【符号の説明】
11 シリンダ 12 リザーバ室 13 ケーシング 18 オイル室 19 ガス室 21 ベースバルブ 25 ピストン 26 シリンダ上室 27 シリンダ下室 30 ピストンロッド 31 ロッドガイド 35 ディスクバルブ(減衰力発生機構) 38 ポンプチューブ 43 ポンプロッド 44 ポンプ室 65 シールガイド 66 ガスシール用Oリング 67 第1のシール部材(ポリテトラフルオロエチテフ
ロン製リング) 68 第2のシール部材(オイルシール) 69 チェック弁 75 逃し通路

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油液が封入されるシリンダ内を、減衰力
    発生機構を備えたピストンにより上下二室に区画し、ピ
    ストンに一端が連結されたピストンロッドの他端部を前
    記シリンダの上端開口部に装着したロッドガイドを挿通
    してシリンダ外まで延ばし、前記シリンダの周りに、ケ
    ーシングと共働して油液とガスとが封入されたリザーバ
    室を設けると共に、該リザーバ室の底部を前記シリンダ
    下室に連通し、前記ピストンロッドをシールするシール
    ブロックにシール部材を軸方向に二段に配設し、ピスト
    ンロッドの伸縮に応じて前記減衰力発生機構を作動さ
    せ、かつシリンダ内の油液の増減を前記リザーバ室で補
    償するようにした油圧緩衝器において、前記シール部材
    のうち、軸方向のシリンダ室側に位置する一段目のシー
    ル部材をフッ素樹脂製リングから、該一段目のシール部
    材よりも上方に位置する二段目のシール部材をオイルシ
    ールからそれぞれ形成し、さらに前記シールブロック
    に、前記一段目のシール部材と二段目のシール部材との
    間に漏れた油を前記リザーバ室に逃がす逃し通路を設け
    ると共に、該逃し通路の漏れ油の圧力が所定値以上にな
    った時に開弁するチェック弁を介装したことを特徴とす
    る油圧緩衝器。
  2. 【請求項2】 一段目のシール部材と二段目のシール部
    材との間に油溜り部を設け、逃し通路を該油溜り部に開
    口させたことを特徴とする請求項1に記載の油圧緩衝
    器。
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