JPH09216356A - インクジェットプリンタのインク噴射装置及び方法 - Google Patents
インクジェットプリンタのインク噴射装置及び方法Info
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- JPH09216356A JPH09216356A JP1447297A JP1447297A JPH09216356A JP H09216356 A JPH09216356 A JP H09216356A JP 1447297 A JP1447297 A JP 1447297A JP 1447297 A JP1447297 A JP 1447297A JP H09216356 A JPH09216356 A JP H09216356A
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- ink
- agitator
- pumping chamber
- channel
- ink jet
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- Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 熱エネルギー及び液体金属が不要なインクジ
ェットプリンタのインク噴射装置及び方法を提供する。 【解決手段】 インク貯蔵タンク(202)からノズル
プレートの各開口部(210)に至るインク流通路を形
成するインクチャネル(203)と,インクチャネルに
連通してインクチャネル内を流通するインクにポンピン
グ圧を加えるポンピング室(211)と,ポンピング室
の壁面の少なくとも一部を成し可撓性を有する導電性膜
から成るアジテータ(205)と,磁場形成手段(20
1)により所定の磁場が形成された空間内において,所
定の電気的接続手段を介して,アジテータに電気信号を
印加することにより,ポンピング室内の容積が変化する
ように,アジテータをポンピング室内に対して凹凸に変
化させるような電磁気力を形成する電磁気力形成手段と
を備えている。
ェットプリンタのインク噴射装置及び方法を提供する。 【解決手段】 インク貯蔵タンク(202)からノズル
プレートの各開口部(210)に至るインク流通路を形
成するインクチャネル(203)と,インクチャネルに
連通してインクチャネル内を流通するインクにポンピン
グ圧を加えるポンピング室(211)と,ポンピング室
の壁面の少なくとも一部を成し可撓性を有する導電性膜
から成るアジテータ(205)と,磁場形成手段(20
1)により所定の磁場が形成された空間内において,所
定の電気的接続手段を介して,アジテータに電気信号を
印加することにより,ポンピング室内の容積が変化する
ように,アジテータをポンピング室内に対して凹凸に変
化させるような電磁気力を形成する電磁気力形成手段と
を備えている。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,インクジェットプ
リンタに係り,より詳細には,インクに熱エネルギーを
全く加えないで,導電性の液体もを利用しないで,イン
クチャネル上に電導性材料を設置して,電流供給をオン
オフ制御することにより発生するポンピング動作によ
り,インクに衝撃と体積変化を加え,インクを噴射でき
る装置及び方法に関するものである。
リンタに係り,より詳細には,インクに熱エネルギーを
全く加えないで,導電性の液体もを利用しないで,イン
クチャネル上に電導性材料を設置して,電流供給をオン
オフ制御することにより発生するポンピング動作によ
り,インクに衝撃と体積変化を加え,インクを噴射でき
る装置及び方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】まず,一般的なインクジェットプリンタ
の構成及び動作原理を,図6を参照しながら説明すれば
次のようである。
の構成及び動作原理を,図6を参照しながら説明すれば
次のようである。
【0003】一般的なインクジェットプリンタは,不図
示のコンピュータからプリンタインタフェースを介して
伝達される信号に受けて,プリンタ動作に必要な初期設
定値及びシステムに必要な所定値を記憶しているEPR
OM(11)内のシステムプログラムを読取り・解析・
実行して,プログラム内容に応じた制御信号を出力する
CPU(10)と,制御に必要なプログラム及び様々な
フォントを内蔵しているROM(12)と,システム動
作時,データを一時的に保管するように動作するRAM
(13)と,CPU(10)の制御に必要な大部分の論
理回路がASICとして実装され,CPU(10)周辺
の大部分の素子に対して,CPU(10)とのデータ電
送を実行するASIC回路部(20)と,ASIC回路
(20)から伝達されるCPU(10)の制御信号に応
じて,インクカートリッジ(31)の駆動を制御するヘ
ッド駆動回路(30)と,メインモータ(41)の動作
を制御するメインモータ駆動回路(40)と,キャリジ
リターン駆動モータ(51)の動作を制御するキャリジ
モータ駆動回路(50)と,ステッピングモータを主に
使用して,紙の給紙及び排出を行う,ラインフィードモ
ータ(61)の駆動を制御するラインフィードモータ駆
動回路(60)とから主に構成されている。
示のコンピュータからプリンタインタフェースを介して
伝達される信号に受けて,プリンタ動作に必要な初期設
定値及びシステムに必要な所定値を記憶しているEPR
OM(11)内のシステムプログラムを読取り・解析・
実行して,プログラム内容に応じた制御信号を出力する
CPU(10)と,制御に必要なプログラム及び様々な
フォントを内蔵しているROM(12)と,システム動
作時,データを一時的に保管するように動作するRAM
(13)と,CPU(10)の制御に必要な大部分の論
理回路がASICとして実装され,CPU(10)周辺
の大部分の素子に対して,CPU(10)とのデータ電
送を実行するASIC回路部(20)と,ASIC回路
(20)から伝達されるCPU(10)の制御信号に応
じて,インクカートリッジ(31)の駆動を制御するヘ
ッド駆動回路(30)と,メインモータ(41)の動作
を制御するメインモータ駆動回路(40)と,キャリジ
リターン駆動モータ(51)の動作を制御するキャリジ
モータ駆動回路(50)と,ステッピングモータを主に
使用して,紙の給紙及び排出を行う,ラインフィードモ
ータ(61)の駆動を制御するラインフィードモータ駆
動回路(60)とから主に構成されている。
【0004】コンピュータからプリンタインタフェース
を介して伝達される印刷指令信号に応じて,CPU(1
0)は所定の制御信号を出力し,各モータ(40,5
0,60)等を駆動して印字を実行する。すなわち,イ
ンクカートリッジ(31)は,多数の開口部を備えたノ
ズルから微細な液滴状のインクを噴射してドットを形成
する。
を介して伝達される印刷指令信号に応じて,CPU(1
0)は所定の制御信号を出力し,各モータ(40,5
0,60)等を駆動して印字を実行する。すなわち,イ
ンクカートリッジ(31)は,多数の開口部を備えたノ
ズルから微細な液滴状のインクを噴射してドットを形成
する。
【0005】次に,図7及び図8を参照しながら,上記
インクカートリッジの構成についてさらに詳細に説明す
る。なお,図7は,インクカートリッジの構造を表す断
面図であり,容器外面を成すケース(1)内に貯蔵され
ているスポンジに吸入されているインク(2)と,ヘッ
ド部(3)とから主に構成されている。
インクカートリッジの構成についてさらに詳細に説明す
る。なお,図7は,インクカートリッジの構造を表す断
面図であり,容器外面を成すケース(1)内に貯蔵され
ているスポンジに吸入されているインク(2)と,ヘッ
ド部(3)とから主に構成されている。
【0006】図8は,図7に図示されたヘッド部の拡大
断面図である。図8に示すように,ヘッド部(3)は,
ヘッドインク内に混合された不純物を除去するためのフ
ィルタ(32)と,フィルタ(32)により濾過された
インクを貯蔵するインクスタンバイチャンバ(33)
と,インクスタンバイチャンバ(33)を介して伝達さ
れるインクをインク加熱ヒータ部及びインクチャンバが
形成されたチップ(35)に供給するためのインクヴィ
ア(INK VIA)(34)と,インクヴィア(3
4)から伝達されるインクを所定の印刷媒体に噴射する
ための多数の開口部に設置されたノズルプレート(3
6)とから主に構成される。
断面図である。図8に示すように,ヘッド部(3)は,
ヘッドインク内に混合された不純物を除去するためのフ
ィルタ(32)と,フィルタ(32)により濾過された
インクを貯蔵するインクスタンバイチャンバ(33)
と,インクスタンバイチャンバ(33)を介して伝達さ
れるインクをインク加熱ヒータ部及びインクチャンバが
形成されたチップ(35)に供給するためのインクヴィ
ア(INK VIA)(34)と,インクヴィア(3
4)から伝達されるインクを所定の印刷媒体に噴射する
ための多数の開口部に設置されたノズルプレート(3
6)とから主に構成される。
【0007】図9は,図8のE−E軸を断面でA側から
見た平断面図である。図9に示すように,多数の開口部
を持ったノズルプレート(36)は,インクをチップ
(35)間のインクチャンバ(不図示)に供給するため
のインクヴィア(34)と,インクヴィア(34)から
ノズルプレート(36)の各開口部にインクを伝達する
ための多数のインクチャネル(37)と,インクチャネ
ル(37)を介して供給されたインクを噴射する多数の
チップ(35)と,多数のチップ(35)に電力を供給
するための多数の電気的な連結手段(38)とから主に
構成される。
見た平断面図である。図9に示すように,多数の開口部
を持ったノズルプレート(36)は,インクをチップ
(35)間のインクチャンバ(不図示)に供給するため
のインクヴィア(34)と,インクヴィア(34)から
ノズルプレート(36)の各開口部にインクを伝達する
ための多数のインクチャネル(37)と,インクチャネ
ル(37)を介して供給されたインクを噴射する多数の
チップ(35)と,多数のチップ(35)に電力を供給
するための多数の電気的な連結手段(38)とから主に
構成される。
【0008】さらに,図10は,図9のF−F軸を断面
でB軸から見た拡大断面図である。図10に示すよう
に,シリコン基板層(101)上に酸化膜処理によって
生成された酸化膜(SiO2)(102)の上部に形成
され,電気的エネルギーによって加熱動作するレジスタ
層(103)と,レジスタ層(103)の上部に形成さ
れて電気的接続を供給する一対の電極層(104)(1
04’)と,一対の電極層(104)(104’)の上
部とレジスタ層(103)の間に形成される加熱部(1
05)が,インクとの化学作用によって腐食及び変形さ
れるのを防止するためのマルチレーヤ保護層(106)
と,加熱部(105)において発生する熱によってイン
ク内にバブルを生成させるインクチャンバ(107)
と,インクヴィアから供給されるインクをインクチャン
バ(107)に伝達するための流路の役割をするインク
チャネル(108)と,インクチャネル(108)を通
じて伝達されるインクをインクチャンバ(107)内に
到達させるための空間を形成するための壁の役割をする
インクバリア(109)と,インクチャンバ(107)
において形成されるバブルの体積変化によって押し出さ
れるインクを噴射させるための多数の開口部(110)
を持つノズルプレート(111)とから主に構成されて
いる。
でB軸から見た拡大断面図である。図10に示すよう
に,シリコン基板層(101)上に酸化膜処理によって
生成された酸化膜(SiO2)(102)の上部に形成
され,電気的エネルギーによって加熱動作するレジスタ
層(103)と,レジスタ層(103)の上部に形成さ
れて電気的接続を供給する一対の電極層(104)(1
04’)と,一対の電極層(104)(104’)の上
部とレジスタ層(103)の間に形成される加熱部(1
05)が,インクとの化学作用によって腐食及び変形さ
れるのを防止するためのマルチレーヤ保護層(106)
と,加熱部(105)において発生する熱によってイン
ク内にバブルを生成させるインクチャンバ(107)
と,インクヴィアから供給されるインクをインクチャン
バ(107)に伝達するための流路の役割をするインク
チャネル(108)と,インクチャネル(108)を通
じて伝達されるインクをインクチャンバ(107)内に
到達させるための空間を形成するための壁の役割をする
インクバリア(109)と,インクチャンバ(107)
において形成されるバブルの体積変化によって押し出さ
れるインクを噴射させるための多数の開口部(110)
を持つノズルプレート(111)とから主に構成されて
いる。
【0009】なお,ノズルプレート(111)や加熱部
(105)などは,隣接する部材相互の正常動作を保障
するために一定の距離を置いて付着されている。また一
対の電極(104)(104’)は,外部と電気的接続
するための端子バンパ(不図示)と連結されており,こ
のバンパは,ヘッド制御器(不図示)と電気的に接続さ
れており,各ノズル開口部の所定位置からインクが噴射
されるように構成されている。
(105)などは,隣接する部材相互の正常動作を保障
するために一定の距離を置いて付着されている。また一
対の電極(104)(104’)は,外部と電気的接続
するための端子バンパ(不図示)と連結されており,こ
のバンパは,ヘッド制御器(不図示)と電気的に接続さ
れており,各ノズル開口部の所定位置からインクが噴射
されるように構成されている。
【0010】さらに,各加熱部(105)の側面には,
インクを供給するためのインクバリア(109)が形成
されており,このインクバリア(109)は,インクヴ
ィアと連結されており,インクスタンバイチャンバから
のインク流入を案内するように構成されている。
インクを供給するためのインクバリア(109)が形成
されており,このインクバリア(109)は,インクヴ
ィアと連結されており,インクスタンバイチャンバから
のインク流入を案内するように構成されている。
【0011】次に,上記のように構成された従来のイン
ク噴射装置の噴射方法を,図11を参照にしながら説明
する。まず,印刷指令信号がプリンタインタフェースを
介して伝達されたCPU(10)から出力される制御命
令によって,ヘッド駆動回路(30)は所定の信号を出
力して,印字を行う位置に対応する一対の電極(10
4)(104’)に対して電気的エネルギーを供給す
る。必要な電気的エネルギーは,一対の電極(104)
(104’)を介して供給され,加熱部(105)を電
気的抵抗熱,すなわち,P=I2Rに基づいて単位時間
あたり発生するジュール熱で加熱する。すると,加熱部
(105)の表面は,概ね500℃〜550℃にまで加
熱され,その上部に形成された複数のマルチレーヤ保護
層(106)に熱が伝導される。
ク噴射装置の噴射方法を,図11を参照にしながら説明
する。まず,印刷指令信号がプリンタインタフェースを
介して伝達されたCPU(10)から出力される制御命
令によって,ヘッド駆動回路(30)は所定の信号を出
力して,印字を行う位置に対応する一対の電極(10
4)(104’)に対して電気的エネルギーを供給す
る。必要な電気的エネルギーは,一対の電極(104)
(104’)を介して供給され,加熱部(105)を電
気的抵抗熱,すなわち,P=I2Rに基づいて単位時間
あたり発生するジュール熱で加熱する。すると,加熱部
(105)の表面は,概ね500℃〜550℃にまで加
熱され,その上部に形成された複数のマルチレーヤ保護
層(106)に熱が伝導される。
【0012】すると,マルチレーヤ保護層(106)の
各層に湿着されているインクに熱が伝達される。なお,
加熱部(105)において,蒸気圧バブル及び蒸気圧の
分布(C)は,加熱部(105)の中心を対称軸として
中心部が一番高く表れるが,この熱によりインクが加熱
されて蒸気圧バブルが形成され,この蒸気圧バブルによ
って加熱部(105)上部のインクに体積変化が生じ
る。そして,この体積変化によって押し出されたインク
が,多数の開口部を持ったノズルプレート(111)の
開口部(110)を介して押し出される。
各層に湿着されているインクに熱が伝達される。なお,
加熱部(105)において,蒸気圧バブル及び蒸気圧の
分布(C)は,加熱部(105)の中心を対称軸として
中心部が一番高く表れるが,この熱によりインクが加熱
されて蒸気圧バブルが形成され,この蒸気圧バブルによ
って加熱部(105)上部のインクに体積変化が生じ
る。そして,この体積変化によって押し出されたインク
が,多数の開口部を持ったノズルプレート(111)の
開口部(110)を介して押し出される。
【0013】この時,上記一対の電極(104)(10
4’)に伝達される電気的エネルギーの供給を遮断する
と,瞬間的に加熱部(105)が冷却され,これにより
膨張したバブルが収縮し,インクは再び定常形態に復元
しようとする。
4’)に伝達される電気的エネルギーの供給を遮断する
と,瞬間的に加熱部(105)が冷却され,これにより
膨張したバブルが収縮し,インクは再び定常形態に復元
しようとする。
【0014】一方,膨張しノズルプレート(111)の
開口部(110)の外部に排出されたインクは,表面張
力などの原理によって液滴状に所定の印刷媒体に噴射さ
れ,像を形成する。そして,そのバブルに該当する体積
に応じて内部圧力が降下し,インクが貯蔵筒からインク
ヴィアを経て再充電される。
開口部(110)の外部に排出されたインクは,表面張
力などの原理によって液滴状に所定の印刷媒体に噴射さ
れ,像を形成する。そして,そのバブルに該当する体積
に応じて内部圧力が降下し,インクが貯蔵筒からインク
ヴィアを経て再充電される。
【0015】上記のような従来の技術によるインク噴射
装置を利用した噴射方法には次のような問題点がある。
装置を利用した噴射方法には次のような問題点がある。
【0016】第一に,インクを噴射させるために,高熱
を利用し,バブルを形成するので,インク成分が熱的に
変化し,バブルによる衝撃波により内部寿命が低下する
おそれがあり,これは高品質の印刷を要求するユーザの
不満の原因にもなる。
を利用し,バブルを形成するので,インク成分が熱的に
変化し,バブルによる衝撃波により内部寿命が低下する
おそれがあり,これは高品質の印刷を要求するユーザの
不満の原因にもなる。
【0017】第二に,インクとレジスタ層(103)及
び一対の電極(104)(104’)とが保護層(10
6)を中間媒体に接合されることにより電気的に相互反
応し,これによって加熱部部(105)と一対の電極
(104)(104’)との境界層において,イオンの
相互移動による腐食が発生し,ヘッドの寿命が短縮され
るおそれがある。
び一対の電極(104)(104’)とが保護層(10
6)を中間媒体に接合されることにより電気的に相互反
応し,これによって加熱部部(105)と一対の電極
(104)(104’)との境界層において,イオンの
相互移動による腐食が発生し,ヘッドの寿命が短縮され
るおそれがある。
【0018】第三に,インクを含んでいるインクバリア
(109)でバブルが発生すると,その衝撃によって,
再充電のために要するサイクル時間が長くなるおそれが
ある。
(109)でバブルが発生すると,その衝撃によって,
再充電のために要するサイクル時間が長くなるおそれが
ある。
【0019】第四に,インクの液滴形状がバブルの形状
に依存するため,直進性,円形性,液滴量の均一性など
に影響を及ぼすようになり,印刷の品質に影響を及ぼす
おそれがある。
に依存するため,直進性,円形性,液滴量の均一性など
に影響を及ぼすようになり,印刷の品質に影響を及ぼす
おそれがある。
【0020】第五に,構造が複雑になるにつれて,製造
が難しくなり,さらに製造のための環境条件が厳しくな
り,結果的に製造効率が低下するなどの問題点がある。
が難しくなり,さらに製造のための環境条件が厳しくな
り,結果的に製造効率が低下するなどの問題点がある。
【0021】一方、上記のようなバブル方式の噴射方法
とは異なって、図12に示すような,液状金属を利用し
た噴射方式で使用されるヘッドの構成が提案されてい
る。
とは異なって、図12に示すような,液状金属を利用し
た噴射方式で使用されるヘッドの構成が提案されてい
る。
【0022】図示のように,液状金属を利用した噴射方
式では,インクチャネル(113)内に水銀やカリウム
などのような液状金属(112)が貯蔵される。このよ
うな液状金属(112)は電気的に導電性を有してお
り、磁場領域に置かれると,電磁気力によって,所定方
向に移動及び変形が可能である。図示のように,磁石
(114)を介してインクチャネル(113)上の直径
方向の両端に電流を加えると,ローレンツの法則による
電磁気力が作用する。すると,インクチャネル(11
3)内で液状金属(112)が変形し,インクに衝撃を
与えて,インクに体積変化を引き起こす。そして,この
体積変化に応じてインクが開口部に沿って噴射される。
式では,インクチャネル(113)内に水銀やカリウム
などのような液状金属(112)が貯蔵される。このよ
うな液状金属(112)は電気的に導電性を有してお
り、磁場領域に置かれると,電磁気力によって,所定方
向に移動及び変形が可能である。図示のように,磁石
(114)を介してインクチャネル(113)上の直径
方向の両端に電流を加えると,ローレンツの法則による
電磁気力が作用する。すると,インクチャネル(11
3)内で液状金属(112)が変形し,インクに衝撃を
与えて,インクに体積変化を引き起こす。そして,この
体積変化に応じてインクが開口部に沿って噴射される。
【0023】このような噴射方式では,液状金属とイン
クとが直接接触するため,境界面での分離及び吸収によ
る損失がある。また、インクの液滴形成が不安定であ
り,液状金属が作動中に電極位置から離脱しないよう
に,ソリッドコンダクティブ(Solid Condu
ctive)とピボット設置が難しい点に問題点があ
る。また、液状金属が液体であるため,運動の伝達効率
が低く、正確な動作を伝達できないおそれがあり,また
液状金属を注入するための方法及び構造が大変複雑であ
るという問題点を有している。さらに、液状金属は重金
属の一種で人体に害を及ぼす危険があり、環境に悪影響
を及ぼす物質であるのも問題点の一つである。
クとが直接接触するため,境界面での分離及び吸収によ
る損失がある。また、インクの液滴形成が不安定であ
り,液状金属が作動中に電極位置から離脱しないよう
に,ソリッドコンダクティブ(Solid Condu
ctive)とピボット設置が難しい点に問題点があ
る。また、液状金属が液体であるため,運動の伝達効率
が低く、正確な動作を伝達できないおそれがあり,また
液状金属を注入するための方法及び構造が大変複雑であ
るという問題点を有している。さらに、液状金属は重金
属の一種で人体に害を及ぼす危険があり、環境に悪影響
を及ぼす物質であるのも問題点の一つである。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】本発明は,従来のイン
クジェットプリンタの噴射装置が有する上記問題点に鑑
みてなされたものであり,熱エネルギーを利用したり,
液状金属を使用しない,新規かつ改良されたインクジェ
ットプリンタの噴射装置を提供することを目的としてい
る。
クジェットプリンタの噴射装置が有する上記問題点に鑑
みてなされたものであり,熱エネルギーを利用したり,
液状金属を使用しない,新規かつ改良されたインクジェ
ットプリンタの噴射装置を提供することを目的としてい
る。
【0025】本発明の別の目的は,インクチャネル上に
異なる一つのベースを設け,このベースを柔軟性のある
電導性の材料で遮断し,磁場中に正電流または逆電流を
加えた際,インクに伝わる衝撃を利用し,インクを噴射
させる,新規かつ改良された方法を提供することにあ
る。
異なる一つのベースを設け,このベースを柔軟性のある
電導性の材料で遮断し,磁場中に正電流または逆電流を
加えた際,インクに伝わる衝撃を利用し,インクを噴射
させる,新規かつ改良された方法を提供することにあ
る。
【0026】本発明のさらに別の目的は,正電流を加え
インクを噴射し,逆電流を加えインクの再充填を迅速に
行うことにより,することによりインクジェットプリン
タの噴射速度を促進させることにある。
インクを噴射し,逆電流を加えインクの再充填を迅速に
行うことにより,することによりインクジェットプリン
タの噴射速度を促進させることにある。
【0027】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に,本発明の第1の観点によれば,ノズルプレートに形
成された複数の開口部(210)から液滴状のインクを
噴射するインクジェットプリンタのインク噴射装置が提
供される。そして,このインク噴射装置は,請求項1に
よれば,インク貯蔵タンク(202)からノズルプレー
トの各開口部(210)に至るインク流通路を形成する
インクチャネル(203)と,インクチャネル(20
3)に連通してインクチャネル(203)内を流通する
インクにポンピング圧を加えるポンピング室(211)
と,ポンピング室(211)の壁面の少なくとも一部を
成し可撓性を有する導電性膜から成るアジテータ(20
5)と,磁場形成手段(201),例えば磁石により所
定の磁場が形成された空間内において,所定の電気的接
続手段を介して,アジテータ(205)に電気信号(例
えば,周期的パルス)を印加することにより,ポンピン
グ室(211)内の容積が変化するように,アジテータ
(205)をポンピング室(211)内に対して凹凸に
変化させるような電磁気力を形成する電磁気力形成手段
とを備えたことを特徴としている。
に,本発明の第1の観点によれば,ノズルプレートに形
成された複数の開口部(210)から液滴状のインクを
噴射するインクジェットプリンタのインク噴射装置が提
供される。そして,このインク噴射装置は,請求項1に
よれば,インク貯蔵タンク(202)からノズルプレー
トの各開口部(210)に至るインク流通路を形成する
インクチャネル(203)と,インクチャネル(20
3)に連通してインクチャネル(203)内を流通する
インクにポンピング圧を加えるポンピング室(211)
と,ポンピング室(211)の壁面の少なくとも一部を
成し可撓性を有する導電性膜から成るアジテータ(20
5)と,磁場形成手段(201),例えば磁石により所
定の磁場が形成された空間内において,所定の電気的接
続手段を介して,アジテータ(205)に電気信号(例
えば,周期的パルス)を印加することにより,ポンピン
グ室(211)内の容積が変化するように,アジテータ
(205)をポンピング室(211)内に対して凹凸に
変化させるような電磁気力を形成する電磁気力形成手段
とを備えたことを特徴としている。
【0028】さらに,請求項2によれば,ポンピング室
(211)は,オリフィス(204)を介してインクチ
ャネル(203)に連通している。このオリフィス(2
04)は,インクチャネル(203)内のインクに衝撃
(インパルス)と体積変化を効果的に与えるためのもの
であり,テーパ形状に構成しても良い。
(211)は,オリフィス(204)を介してインクチ
ャネル(203)に連通している。このオリフィス(2
04)は,インクチャネル(203)内のインクに衝撃
(インパルス)と体積変化を効果的に与えるためのもの
であり,テーパ形状に構成しても良い。
【0029】さらに,請求項3によれば,アジテータ
(205)は,その凹凸動作が外部の干渉を受けないよ
うに,保護カバー(206)により覆われていることが
好ましい。また,保護カバー(206)に,請求項4に
記載のように,カバー内部と外部とを連通する貫通孔
(207)を形成すれば,アジテータ(205)の凹凸
動作により,カバー内部に真空状態が発生し,アジテー
タ(205)の円滑な動作が妨げられるような事態を回
避することができる。
(205)は,その凹凸動作が外部の干渉を受けないよ
うに,保護カバー(206)により覆われていることが
好ましい。また,保護カバー(206)に,請求項4に
記載のように,カバー内部と外部とを連通する貫通孔
(207)を形成すれば,アジテータ(205)の凹凸
動作により,カバー内部に真空状態が発生し,アジテー
タ(205)の円滑な動作が妨げられるような事態を回
避することができる。
【0030】さらに,請求項5によれば,電磁気力形成
手段は,インクの噴射を行うときには,第1電流(正電
流)が印加されて,アジテータ(205)をポンピング
室(211)側に凸に膨らませるような電磁気力を形成
し,インクの噴射が終了して,前記インクチャネル(2
03)内にインクを充填するときには,第2電流(逆電
流)が印加されて,アジテータ(205)をポンピング
室(211)に対して凹に膨らませるような電磁気力を
形成するものである。かかる構成によれば,インクの噴
射と充填を迅速に反復することが可能である。
手段は,インクの噴射を行うときには,第1電流(正電
流)が印加されて,アジテータ(205)をポンピング
室(211)側に凸に膨らませるような電磁気力を形成
し,インクの噴射が終了して,前記インクチャネル(2
03)内にインクを充填するときには,第2電流(逆電
流)が印加されて,アジテータ(205)をポンピング
室(211)に対して凹に膨らませるような電磁気力を
形成するものである。かかる構成によれば,インクの噴
射と充填を迅速に反復することが可能である。
【0031】さらに,請求項6によれば,ポンピング室
(211)は,インクチャネル(203)内のインク流
通方向に対して角度を有する方向にポンピング圧を加え
るように構成される。例えば,各開口部(210)から
のインクの噴射方向に対して略垂直方向にポンピング圧
を加えるように構成することができる。その場合には,
インク噴射方向に対して略垂直方向にアジテータ(20
5)の凹凸動作が生じるように構成することができる。
(211)は,インクチャネル(203)内のインク流
通方向に対して角度を有する方向にポンピング圧を加え
るように構成される。例えば,各開口部(210)から
のインクの噴射方向に対して略垂直方向にポンピング圧
を加えるように構成することができる。その場合には,
インク噴射方向に対して略垂直方向にアジテータ(20
5)の凹凸動作が生じるように構成することができる。
【0032】さらに,請求項7によれば,電気的接続手
段は,同一列のアジテータを相互に電気的に接続する共
通電極と,相互に異なるレーヤから各行のアジテータに
電気的に接続される個別電極とから構成され,各個別電
極を介して対応するアジテータの動作を制御することに
より,対応する各開口部からのインクの噴射を制御する
ように構成することができる。
段は,同一列のアジテータを相互に電気的に接続する共
通電極と,相互に異なるレーヤから各行のアジテータに
電気的に接続される個別電極とから構成され,各個別電
極を介して対応するアジテータの動作を制御することに
より,対応する各開口部からのインクの噴射を制御する
ように構成することができる。
【0033】さらに,請求項8によれば,電気的接続手
段は,同一レーヤ上において行と列に配列されたマトリ
ックス電極から構成され,行と列の交差部に位置するア
ジテータの動作を個別に制御することにより,各開口部
からのインクの噴射をマトリックス状に制御するように
構成することができる。
段は,同一レーヤ上において行と列に配列されたマトリ
ックス電極から構成され,行と列の交差部に位置するア
ジテータの動作を個別に制御することにより,各開口部
からのインクの噴射をマトリックス状に制御するように
構成することができる。
【0034】また本発明の第2の観点によれば,ノズル
プレートに形成された複数の開口部(210)に連通す
るインクチャネル(203)に連通するベースを形成
し,このベースを可撓性を有する導電体(205)で遮
断して成るインクジェットプリンタのインク噴射方法が
提供される。このインク噴射方法は,請求項9に記載の
ように,所定の磁場が形成された状態で,導電体(20
5)に第1電流(正電流)を印加して,導電体(20
5)を伸張動作させることにより,インクチャネル(2
03)内を流通するインクに伝達される衝撃及び体積変
化を生じさせて,各開口部(210)から液滴状のイン
クを噴射させる第1工程と,所定の磁場が形成された状
態で,導電体(205)に第2電流(逆電流)を印加し
て,導電体(205)を収縮動作させることにより,イ
ンクチャネル(203)内への新規インクの流入を促進
する第2工程とから成り,第1工程と第2工程を反復す
ることにより,各開口部(210)から液滴状のインク
を噴射することを特徴としている。
プレートに形成された複数の開口部(210)に連通す
るインクチャネル(203)に連通するベースを形成
し,このベースを可撓性を有する導電体(205)で遮
断して成るインクジェットプリンタのインク噴射方法が
提供される。このインク噴射方法は,請求項9に記載の
ように,所定の磁場が形成された状態で,導電体(20
5)に第1電流(正電流)を印加して,導電体(20
5)を伸張動作させることにより,インクチャネル(2
03)内を流通するインクに伝達される衝撃及び体積変
化を生じさせて,各開口部(210)から液滴状のイン
クを噴射させる第1工程と,所定の磁場が形成された状
態で,導電体(205)に第2電流(逆電流)を印加し
て,導電体(205)を収縮動作させることにより,イ
ンクチャネル(203)内への新規インクの流入を促進
する第2工程とから成り,第1工程と第2工程を反復す
ることにより,各開口部(210)から液滴状のインク
を噴射することを特徴としている。
【0035】
【発明の実施の形態】以下に,添付図面を参照しなが
ら,本発明にかかるインクジェットプリンタの噴射装置
の好適な実施形態について詳細に説明する。
ら,本発明にかかるインクジェットプリンタの噴射装置
の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0036】図1に,本実施の形態にかかるインクジェ
ットプリンタの噴射装置の概略的な構成を示す。図示の
通り,インクジェット噴射装置の下段部には,所定の磁
場を形成するための磁石(201)が配置されている。
さらに,インク貯留タンクの一部を成すインクヴィア
(202)とノズルプレートの複数の開口部(210)
との間には,インク流路として機能するインクチャネル
(203)が形成されている。さらに,このインクチャ
ネル(203)には,加圧部として形成されたオリフィ
ス(204)が連通しており,ポンピング室(211)
において形成される衝撃及び体積変化を増幅してインク
チャネル(203)内のインクに伝達することができ
る。そして,ポンピング室(211)の壁面の少なくと
も一部は,可撓性(柔軟性)を有する電導性材料から成
るアジテータ(205)から構成されている。このアジ
テータ(205)は,所定の電気信号(例えば,周期パ
ルス)が印加されると,それ自体の伸張収縮動作(凹凸
動作)により,ポンピング室(211)内に衝撃(イン
パルス)及び体積変化を生じさせ,オリフィス(20
4)を介してインクチャネル(203)内のインクに所
定の圧力を伝達するものである。さらに,アジテータ
(205)は,その伸張収縮動作(凹凸動作)が外部と
の干渉により妨害されることを防止するためのアジテー
タ保護用カバー(206)により囲まれている。
ットプリンタの噴射装置の概略的な構成を示す。図示の
通り,インクジェット噴射装置の下段部には,所定の磁
場を形成するための磁石(201)が配置されている。
さらに,インク貯留タンクの一部を成すインクヴィア
(202)とノズルプレートの複数の開口部(210)
との間には,インク流路として機能するインクチャネル
(203)が形成されている。さらに,このインクチャ
ネル(203)には,加圧部として形成されたオリフィ
ス(204)が連通しており,ポンピング室(211)
において形成される衝撃及び体積変化を増幅してインク
チャネル(203)内のインクに伝達することができ
る。そして,ポンピング室(211)の壁面の少なくと
も一部は,可撓性(柔軟性)を有する電導性材料から成
るアジテータ(205)から構成されている。このアジ
テータ(205)は,所定の電気信号(例えば,周期パ
ルス)が印加されると,それ自体の伸張収縮動作(凹凸
動作)により,ポンピング室(211)内に衝撃(イン
パルス)及び体積変化を生じさせ,オリフィス(20
4)を介してインクチャネル(203)内のインクに所
定の圧力を伝達するものである。さらに,アジテータ
(205)は,その伸張収縮動作(凹凸動作)が外部と
の干渉により妨害されることを防止するためのアジテー
タ保護用カバー(206)により囲まれている。
【0037】さらに,アジテータ保護用カバー(20
6)には,アジテータ(205)の動作によりカバー内
部に真空状態が発生し,アジテータ(205)の円滑な
動作が妨げられることを防止するための貫通孔(20
7)が形成されている。
6)には,アジテータ(205)の動作によりカバー内
部に真空状態が発生し,アジテータ(205)の円滑な
動作が妨げられることを防止するための貫通孔(20
7)が形成されている。
【0038】次に,以上のような構成を有する本実施の
形態にかかるインクジェットプリンタのインク噴射動作
について説明する。
形態にかかるインクジェットプリンタのインク噴射動作
について説明する。
【0039】図2は,アジテータ(205)に正電流を
印加した場合の動作状態図である。磁石(201)によ
り所定の磁場が形成された空間において,アジデータ
(205)に正電流を加えると,電磁気力により,アジ
テータ(205)は撓んで,所定の方向に膨らむように
移動する。アジテータ(205)の移動方向はフレミン
グ左手の法則により決定され,インクを噴射したい場合
には,アジテータ(205)をオリフィス(204)方
向に移動して,ポンピング室(211)内の圧力を高め
る。
印加した場合の動作状態図である。磁石(201)によ
り所定の磁場が形成された空間において,アジデータ
(205)に正電流を加えると,電磁気力により,アジ
テータ(205)は撓んで,所定の方向に膨らむように
移動する。アジテータ(205)の移動方向はフレミン
グ左手の法則により決定され,インクを噴射したい場合
には,アジテータ(205)をオリフィス(204)方
向に移動して,ポンピング室(211)内の圧力を高め
る。
【0040】その際,アジテータ(205)が移動する
距離は,電気磁気力とインクチャネル(203)内の圧
力との平衡状態に依存している。すなわち,アジテータ
(205)が,図2において,Dで示すように変化する
と,ポンピング室(211)内のインクがオリフィス
(204)を介して,インクチャネル(203)方向に
移動する。その際に,インクはオリフィス(204)に
よりさらに加圧されて,インクチャネル(203)内の
インクが,D’で示すように,大気に連通する開口部
(210)から押し出される。
距離は,電気磁気力とインクチャネル(203)内の圧
力との平衡状態に依存している。すなわち,アジテータ
(205)が,図2において,Dで示すように変化する
と,ポンピング室(211)内のインクがオリフィス
(204)を介して,インクチャネル(203)方向に
移動する。その際に,インクはオリフィス(204)に
よりさらに加圧されて,インクチャネル(203)内の
インクが,D’で示すように,大気に連通する開口部
(210)から押し出される。
【0041】一方,アジテータ(205)に,図3に示
すように,逆電流を印加すると,正電流を加えた時と反
対方向にアジテータ(205)が移動し,図3におい
て,Eで示すような体積変化を起こす。これにより,開
口部(210)から押し出されたインクは,アジテータ
(205)の移動によりもたらされた吸引力により,
E’に示すような液滴を形成し,紙などの印刷媒体方向
に噴射されて,所望のドットを形成する。
すように,逆電流を印加すると,正電流を加えた時と反
対方向にアジテータ(205)が移動し,図3におい
て,Eで示すような体積変化を起こす。これにより,開
口部(210)から押し出されたインクは,アジテータ
(205)の移動によりもたらされた吸引力により,
E’に示すような液滴を形成し,紙などの印刷媒体方向
に噴射されて,所望のドットを形成する。
【0042】要するに,本実施の形態にかかるインク噴
射装置では,アジテータ(205)に対して,正電流
(D−D’)及び逆電流(E−E’)を反復的に印加す
ることによりアジテータ(205)を凹凸動作させて,
ポンピング室(211)内に体積変化を反復的に生じさ
せる。このようなポンピング動作を繰り返すことで,イ
ンクチャネル(203)内のインクを大気に連通する開
口部(210)から液滴状に噴射させるのである。その
際に,本実施の形態によれば,アジテータ(205)の
運動方向(凹凸動作方向)は,開口部(210)を介し
て噴射されるインクの噴射方向と略垂直を成すように構
成されている。
射装置では,アジテータ(205)に対して,正電流
(D−D’)及び逆電流(E−E’)を反復的に印加す
ることによりアジテータ(205)を凹凸動作させて,
ポンピング室(211)内に体積変化を反復的に生じさ
せる。このようなポンピング動作を繰り返すことで,イ
ンクチャネル(203)内のインクを大気に連通する開
口部(210)から液滴状に噴射させるのである。その
際に,本実施の形態によれば,アジテータ(205)の
運動方向(凹凸動作方向)は,開口部(210)を介し
て噴射されるインクの噴射方向と略垂直を成すように構
成されている。
【0043】ここで,アジテータ(205)の保護用カ
バー(206)は,アジテータ(205)の動作が外部
と干渉しないように,堅い材料を使用し,アジテータ
(205)を保護している。さらに,この保護用カバー
(206)には小さい貫通孔(207)が形成されてお
り,大気圧と連結されている。これは,保護用カバー
(206)内部に真空状態が発生し,アジテータ(20
5)の動作が不能になることを防止するためである。
バー(206)は,アジテータ(205)の動作が外部
と干渉しないように,堅い材料を使用し,アジテータ
(205)を保護している。さらに,この保護用カバー
(206)には小さい貫通孔(207)が形成されてお
り,大気圧と連結されている。これは,保護用カバー
(206)内部に真空状態が発生し,アジテータ(20
5)の動作が不能になることを防止するためである。
【0044】図4は,アジテータ(205)の構成を詳
しく観察するために,図1でのアジテータ(205)を
A−A’方向から見た断面図である。一般電極(共通電
極)を同一列に相互に電気的接続し,各行のアジテータ
に連結されている個別電極の電気的接続により各開口部
(210)からのインクの噴射を制御している。
しく観察するために,図1でのアジテータ(205)を
A−A’方向から見た断面図である。一般電極(共通電
極)を同一列に相互に電気的接続し,各行のアジテータ
に連結されている個別電極の電気的接続により各開口部
(210)からのインクの噴射を制御している。
【0045】一方,図5は,本発明の異なる実施形態で
あり,アジテータ(205)に供給される電気的エネル
ギーの供給源の構成を異にする例である。
あり,アジテータ(205)に供給される電気的エネル
ギーの供給源の構成を異にする例である。
【0046】図5に示す実施形態では,同一レーヤ上に
列と行を成すように導電性のアジテータ(205)を接
続し,各電極に正(+)・負(−)の極性を印加するこ
とにより,マトリックス状に各開口部(205)を制御
するように構成している。
列と行を成すように導電性のアジテータ(205)を接
続し,各電極に正(+)・負(−)の極性を印加するこ
とにより,マトリックス状に各開口部(205)を制御
するように構成している。
【0047】例えば,A11の開口部からインクを噴射
させるためには,+極性を帯びる第一列の電極と−極性
を帯びる第一行の二つの電極に電力を印加することによ
り,両電極の交差部に位置するアジテータ(205)を
動作させ,所望の開口部であるA11からインクを噴射
させることが可能である。
させるためには,+極性を帯びる第一列の電極と−極性
を帯びる第一行の二つの電極に電力を印加することによ
り,両電極の交差部に位置するアジテータ(205)を
動作させ,所望の開口部であるA11からインクを噴射
させることが可能である。
【0048】かかるマトリックス状にインクの噴射を制
御する方式は,特に多色素を必要とするカラー印刷の場
合により効果的に適用することができる。
御する方式は,特に多色素を必要とするカラー印刷の場
合により効果的に適用することができる。
【0049】以上,添付図面を参照しながら本発明の好
適な実施形態について説明したが,本発明はかかる例に
限定されないことは言うまでもない。当業者であれば,
特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内におい
て各種の変更例又は修正例に想到しうることは明らかで
あり,それらについても当然に本発明の技術的範囲に属
するものと了解される。
適な実施形態について説明したが,本発明はかかる例に
限定されないことは言うまでもない。当業者であれば,
特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内におい
て各種の変更例又は修正例に想到しうることは明らかで
あり,それらについても当然に本発明の技術的範囲に属
するものと了解される。
【0050】
【発明の効果】以上,説明した通りに本発明にかかるイ
ンクジェットプリンタのインク噴射装置及び方法によれ
ば,液状金属を使用しないので,液状金属の注入の難し
さや液状金属の損失などの問題点を解決することができ
る。さらに,正電流と逆電流を使用してインク噴射を制
御することにより,高周波数によるインク噴射が可能に
なり,確実な動力伝達が可能になる。
ンクジェットプリンタのインク噴射装置及び方法によれ
ば,液状金属を使用しないので,液状金属の注入の難し
さや液状金属の損失などの問題点を解決することができ
る。さらに,正電流と逆電流を使用してインク噴射を制
御することにより,高周波数によるインク噴射が可能に
なり,確実な動力伝達が可能になる。
【0051】さらにまた,本発明にかかるインクジェッ
トプリンタのインク噴射装置によれば,構造が簡単にな
り,さらにインク噴射制御をマトリックス状に行うこと
ことが可能なので,生産費を節減する効果がある。
トプリンタのインク噴射装置によれば,構造が簡単にな
り,さらにインク噴射制御をマトリックス状に行うこと
ことが可能なので,生産費を節減する効果がある。
【図1】本発明にかかるインクジェットプリンタの噴射
装置の実施の一形態の構成を示す断面図である。
装置の実施の一形態の構成を示す断面図である。
【図2】本発明にかかるインクジェットプリンタの噴射
装置の実施の一形態の動作状態図である。
装置の実施の一形態の動作状態図である。
【図3】本発明にかかるインクジェットプリンタの噴射
装置の実施の一形態の動作状態図である。
装置の実施の一形態の動作状態図である。
【図4】図1に示すインクジェットプリンタの噴射装置
のアジテータ部分の拡大断面図である。
のアジテータ部分の拡大断面図である。
【図5】本発明にかかるインクジェットプリンタの噴射
装置の別の実施の形態にかかるノズルの構成状態図であ
る。
装置の別の実施の形態にかかるノズルの構成状態図であ
る。
【図6】一般的なインクジェットプリンタの構成を示し
たブロック図である。
たブロック図である。
【図7】一般的なインクジェットプリンタのインクカー
トリッジ部分の概略的な断面図である。
トリッジ部分の概略的な断面図である。
【図8】従来のインクジェットプリンタのヘッド部の拡
大断面図である。
大断面図である。
【図9】図8に示すインクジェットプリンタのヘッド部
を,E−E軸に沿って切断し,A側から見た平断面図で
ある。
を,E−E軸に沿って切断し,A側から見た平断面図で
ある。
【図10】図9に示すインクジェットプリンタのヘッド
部を,F−F軸に沿って切断し,B側から見た拡大断面
図である。
部を,F−F軸に沿って切断し,B側から見た拡大断面
図である。
【図11】従来のインクジェットプリンタのインク噴射
装置によるインク噴射方式を示す説明図である。
装置によるインク噴射方式を示す説明図である。
【図12】液状金属を利用したインクジェットプリンタ
のインク噴射装置によるインク噴射方式を示す説明図で
ある。
のインク噴射装置によるインク噴射方式を示す説明図で
ある。
201:磁石 202:インクヴィア 203:インクチャンネル 204:オリフィス 205:アジテータ 206:カバー 207:穴(ホール) 210:開口部 211:ポンピング室
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年2月10日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図 1】
【図 2】
【図 3】
【図 4】
【図 5】
【図 7】
【図 8】
【図 9】
【図10】
【図 6】
【図11】
【図12】
Claims (9)
- 【請求項1】 ノズルプレートに形成された複数の開口
部から液滴状のインクを噴射するインクジェットプリン
タのインク噴射装置において;インク貯蔵タンクからノ
ズルプレートの前記各開口部に至るインク流通路を形成
するインクチャネルと;前記インクチャネルに連通し
て,前記インクチャネル内を流通するインクにポンピン
グ圧を加えるポンピング室と;前記ポンピング室の壁面
の少なくとも一部を成し,可撓性を有する導電性膜から
成るアジテータと;磁場形成手段により所定の磁場が形
成された空間内において,所定の電気的接続手段を介し
て,前記アジテータに電気信号を印加することにより,
前記ポンピング室内の容積が変化するように,前記アジ
テータを前記ポンピング室内に対して凹凸に変化させる
ような電磁気力を形成する電磁気力形成手段と;を備え
たことを特徴とするインクジェットプリンタのインク噴
射装置。 - 【請求項2】 前記ポンピング室は,オリフィスを介し
て前記インクチャネルに連通していることを特徴とす
る,請求項1に記載のインクジェットプリンタのインク
噴射装置。 - 【請求項3】 前記アジテータは,その凹凸動作が外部
の干渉を受けないように,保護カバーにより覆われてい
ることを特徴とする,請求項1又は2に記載のインクジ
ェットプリンタのインク噴射装置。 - 【請求項4】 前記保護カバーには,カバー内部と外部
とを連通する貫通孔が形成されていることを特徴とす
る,請求項3に記載のインクジェットプリンタのインク
噴射装置。 - 【請求項5】 前記電磁気力形成手段は,インクの噴射
を行うときには,第1電流が印加されて,前記アジテー
タを前記ポンピング室内に対して凸に膨らませるような
電磁気力を形成し,インクの噴射が終了して,前記イン
クチャネル(203)内にインクを充填するときには,
第2電流が印加されて,前記アジテータを前記ポンピン
グ室内に対して凹に膨らませるような電磁気力を形成す
るものであることを特徴とする,請求項1,2,3又は
4のいずれかに記載のインクジェットプリンタのインク
噴射装置。 - 【請求項6】 前記ポンピング室は,前記インクチャネ
ル内のインク流通方向に対して角度を有する方向にポン
ピング圧を加えるものであることを特徴とする,請求項
1,2,3,4又は5のいずれかに記載のインクジェッ
トプリンタのインク噴射装置。 - 【請求項7】 前記電気的接続手段は,同一列のアジテ
ータを相互に電気的に接続する共通電極と,相互に異な
るレーヤから各行のアジテータに電気的に接続される個
別電極とから成り,前記各個別電極を介して対応するア
ジテータの動作を制御することにより,対応する各開口
部からのインクの噴射を制御するものであることを特徴
とする,請求項1,2,3,4,5又は6のいずれかに
記載のインクジェットプリンタのインク噴射装置。 - 【請求項8】 前記電気的接続手段は,同一レーヤ上に
おいて行と列に配列されたマトリックス電極から成り,
行と列の交差部に位置するアジテータの動作を個別に制
御することにより,各開口部からのインクの噴射をマト
リックス状に制御するものであることを特徴とする,請
求項1,2,3,4,5又は6のいずれかに記載のイン
クジェットプリンタのインク噴射装置。 - 【請求項9】 ノズルプレートに形成された複数の開口
部に連通するインクチャネルに連通するベースを形成
し,このベースを可撓性を有する導電体で遮断して成る
インクジェットプリンタのインク噴射方法であって:所
定の磁場が形成された状態で,上記導電体に第1電流を
印加して,前記導電体を伸張動作させることにより,前
記インクチャネル内を流通するインクに伝達される衝撃
及び体積変化を生じさせて,前記各開口部から液滴状の
インクを噴射させる第1工程と;所定の磁場が形成され
た状態で,上記導電体に第2電流を印加して,前記導電
体を収縮動作させることにより,前記インクチャネル内
への新規インクの流入を促進する第2工程と;とから成
り,前記第1工程と前記第2工程を反復することによ
り,前記各開口部から液滴状のインクを噴射することを
特徴とする,インクジェットプリンタのインク噴射方
法。
Applications Claiming Priority (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
KR19960000258 | 1996-01-09 | ||
KR1996P258 | 1997-01-03 | ||
KR1997P25 | 1997-01-03 | ||
KR1019970000025A KR100209522B1 (ko) | 1996-01-09 | 1997-01-03 | 잉크젯 프린터의 분사장치 및 분사방법 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09216356A true JPH09216356A (ja) | 1997-08-19 |
Family
ID=26631592
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1447297A Withdrawn JPH09216356A (ja) | 1996-01-09 | 1997-01-09 | インクジェットプリンタのインク噴射装置及び方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09216356A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2018121530A1 (zh) * | 2016-12-27 | 2018-07-05 | 北京梦之墨科技有限公司 | 一种液态金属喷墨阀 |
-
1997
- 1997-01-09 JP JP1447297A patent/JPH09216356A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2018121530A1 (zh) * | 2016-12-27 | 2018-07-05 | 北京梦之墨科技有限公司 | 一种液态金属喷墨阀 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20040406 |