JPH09213895A - 高耐圧横型半導体装置 - Google Patents
高耐圧横型半導体装置Info
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- JPH09213895A JPH09213895A JP8019217A JP1921796A JPH09213895A JP H09213895 A JPH09213895 A JP H09213895A JP 8019217 A JP8019217 A JP 8019217A JP 1921796 A JP1921796 A JP 1921796A JP H09213895 A JPH09213895 A JP H09213895A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】接合分離基板に形成された高耐圧の横型MOS
デバイスの耐圧が配線の影響で低下することを防止し、
且つ、半導体チップの小型化と低コスト化を図る。 【解決手段】p基板1上にp埋め込み層3およびn埋め
込層4が形成され、その上にn形のエピタキシャル層を
形成した後、エピタキシャル層の表面から選択的にpア
イソレーション領域5とnドレイン領域6が形成され、
各埋め込み層とつながり、素子形成領域となるnエピ層
2と分離領域となるnエピ層2aとが形成され、nエピ
層2aの表面層にp低濃度領域20が形成され、nドレ
イン領域6とpアイソレーション領域5の上にLOCO
S酸化膜16を介してフィールドプレートA15、B1
9とが形成され、各フィールドプレートはドレイン電極
11またはグランド電極12と接続される。
デバイスの耐圧が配線の影響で低下することを防止し、
且つ、半導体チップの小型化と低コスト化を図る。 【解決手段】p基板1上にp埋め込み層3およびn埋め
込層4が形成され、その上にn形のエピタキシャル層を
形成した後、エピタキシャル層の表面から選択的にpア
イソレーション領域5とnドレイン領域6が形成され、
各埋め込み層とつながり、素子形成領域となるnエピ層
2と分離領域となるnエピ層2aとが形成され、nエピ
層2aの表面層にp低濃度領域20が形成され、nドレ
イン領域6とpアイソレーション領域5の上にLOCO
S酸化膜16を介してフィールドプレートA15、B1
9とが形成され、各フィールドプレートはドレイン電極
11またはグランド電極12と接続される。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、主として半導体
スイッチング素子の耐圧設計に係わるもので、特に電極
配線等の影響を低減した構造をもつ高耐圧横型半導体装
置に関する。
スイッチング素子の耐圧設計に係わるもので、特に電極
配線等の影響を低減した構造をもつ高耐圧横型半導体装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】高耐圧の出力回路とこれを駆動するため
の制御回路(一般的に,制御回路の印加電圧はグランド
電位に対して5Vである)を、一つの半導体チップ上に
集積化したいわゆる「パワーIC」の分野において、出
力段の素子耐圧が100〜200Vの範囲では、埋め込
み層を配したエピタキシャルウエハに接合分離技術を適
用した半導体基板が広く採用されている。(ここで説明
する半導体基板は,ケイ素(シリコンSi)であるが、
炭化ケイ素(SiC)等でもよい)。また出力段の素子
耐圧が100V程度である場合には安価で最も単純なC
Zウエハ上に接合分離技術を用いた半導体基板が多用さ
れている。一方、出力段の素子耐圧が200V以上の場
合にはSOIウエハを用い誘電体分離技術で各素子間を
分離した半導体基板を用いると理想的ではあるが、SO
Iウエハの価格がCZウエハーの3倍強、エピタキシャ
ルウエハの2倍程度であり、かつ、誘電体分離技術にか
かる製造コストは,接合分離の場合の約5倍であり、そ
の出力電流が250mAを越えるような特殊用途でのみ
採用されている。
の制御回路(一般的に,制御回路の印加電圧はグランド
電位に対して5Vである)を、一つの半導体チップ上に
集積化したいわゆる「パワーIC」の分野において、出
力段の素子耐圧が100〜200Vの範囲では、埋め込
み層を配したエピタキシャルウエハに接合分離技術を適
用した半導体基板が広く採用されている。(ここで説明
する半導体基板は,ケイ素(シリコンSi)であるが、
炭化ケイ素(SiC)等でもよい)。また出力段の素子
耐圧が100V程度である場合には安価で最も単純なC
Zウエハ上に接合分離技術を用いた半導体基板が多用さ
れている。一方、出力段の素子耐圧が200V以上の場
合にはSOIウエハを用い誘電体分離技術で各素子間を
分離した半導体基板を用いると理想的ではあるが、SO
Iウエハの価格がCZウエハーの3倍強、エピタキシャ
ルウエハの2倍程度であり、かつ、誘電体分離技術にか
かる製造コストは,接合分離の場合の約5倍であり、そ
の出力電流が250mAを越えるような特殊用途でのみ
採用されている。
【0003】前記の埋め込みエピタキシャルウエハに接
合分離技術を用いて製作される「パワーIC」の具体的
な応用例として、プラズマディスプレイ用のスキャン側
ドライバIC(ディスプレイ上の画素に画像データを書
き込むためのIC)が有り、定格電圧150V/最大出
力電流40mAである。図5は一般的な高耐圧横型半導
体装置の要部断面図である。同図は埋め込みエピタキシ
ャルウエハと接合分離技術による素子分離をした半導体
基板(p基板)にnチャネルのMOS−FET(以下、
n-ch MOSFET と記す)を作り込んだ場合の、特に拡散層
及び電極配置に着目して描写した断面図である。
合分離技術を用いて製作される「パワーIC」の具体的
な応用例として、プラズマディスプレイ用のスキャン側
ドライバIC(ディスプレイ上の画素に画像データを書
き込むためのIC)が有り、定格電圧150V/最大出
力電流40mAである。図5は一般的な高耐圧横型半導
体装置の要部断面図である。同図は埋め込みエピタキシ
ャルウエハと接合分離技術による素子分離をした半導体
基板(p基板)にnチャネルのMOS−FET(以下、
n-ch MOSFET と記す)を作り込んだ場合の、特に拡散層
及び電極配置に着目して描写した断面図である。
【0004】素子分離耐圧を考慮して比抵抗を設定した
p基板1の上部に、高比抵抗のnエピタキシャル層があ
る。また各部の名称の前に記したpもしくはnは、該当
部分の導電型を示している。p基板1とn形のエピタキ
シャル層の境界部には,部分的にp埋め込み層3および
n埋め込層4があり、これらの上部にはエピタキシャル
層の表面から選択的にpアイソレーション領域5とnド
レイン領域6がそれぞれ熱拡散により形成され、各埋め
込み層とつながり、このエピタキシャル層は素子を形成
するnエピ層2と分離領域となるnエピ層2aに分かれ
る。ここではエピ層とはnドレイン領域6とpアイソレ
ーション領域5を拡散した後のエピタキシャル層のこと
をいう。この熱拡散工程でp埋め込み層3およびn埋め
込層4からエピタキシャル層にp形およびn形不純物が
拡散して埋め込み層が拡大する。結果的に素子を形成す
るnエピ層2は、pアイソレーション領域5とp埋め込
み層3で分断された構造となる。nドレイン領域6で周
囲を取り囲まれたnエピ層2の表面には、pウェル領域
7が設けられ、さらにpウェル領域7を突き抜けること
無しにnソース領域8が形成されている。またnエピ層
2とnソース領域8を挟む半導体上部には、図示されて
いない薄いゲート絶縁膜を介してゲート電極9が配置さ
れ、pウェル領域7とnソース領域8を同時にコンタク
トをしたソース電極10およびnドレイン領域6とコン
タクトをしたドレイン電極11がそれぞれ配置されてい
る。またp基板1の電位を固定するために、pアイソレ
ーション領域5にはグランド電極12がコンタクトして
いる。
p基板1の上部に、高比抵抗のnエピタキシャル層があ
る。また各部の名称の前に記したpもしくはnは、該当
部分の導電型を示している。p基板1とn形のエピタキ
シャル層の境界部には,部分的にp埋め込み層3および
n埋め込層4があり、これらの上部にはエピタキシャル
層の表面から選択的にpアイソレーション領域5とnド
レイン領域6がそれぞれ熱拡散により形成され、各埋め
込み層とつながり、このエピタキシャル層は素子を形成
するnエピ層2と分離領域となるnエピ層2aに分かれ
る。ここではエピ層とはnドレイン領域6とpアイソレ
ーション領域5を拡散した後のエピタキシャル層のこと
をいう。この熱拡散工程でp埋め込み層3およびn埋め
込層4からエピタキシャル層にp形およびn形不純物が
拡散して埋め込み層が拡大する。結果的に素子を形成す
るnエピ層2は、pアイソレーション領域5とp埋め込
み層3で分断された構造となる。nドレイン領域6で周
囲を取り囲まれたnエピ層2の表面には、pウェル領域
7が設けられ、さらにpウェル領域7を突き抜けること
無しにnソース領域8が形成されている。またnエピ層
2とnソース領域8を挟む半導体上部には、図示されて
いない薄いゲート絶縁膜を介してゲート電極9が配置さ
れ、pウェル領域7とnソース領域8を同時にコンタク
トをしたソース電極10およびnドレイン領域6とコン
タクトをしたドレイン電極11がそれぞれ配置されてい
る。またp基板1の電位を固定するために、pアイソレ
ーション領域5にはグランド電極12がコンタクトして
いる。
【0005】図5に示したn-ch MOSFET は、電気回路の
上ではハイサイド側に用いられるもので、ドレイン電極
11とグランド電極12は、それぞれ電源電位VdHとグ
ランド電位(アース)に固定される(p基板1の露出し
た面に電極を設け、グランド電位に落とす場合もあ
る)。ソース電極10は他の分離領域に形成された回路
などへと接続され、同様に、ゲート電極9は、他の分離
領域に形成された制御回路と電気的に接続される。ゲー
ト電極およびソース電極の電位は接続された回路構成に
もよるが、グランド電位から電源電位VdHの間をゲート
信号の切り換えにより変化しうる(当然、ゲート・ソー
ス間電圧は薄いゲート絶縁膜の性能を劣化させることの
ない様に配慮されなければならない)。説明を明確にす
るために、低い電位の状態をLレベル、高い電位の状態
をHレベルと呼ぶこととする。
上ではハイサイド側に用いられるもので、ドレイン電極
11とグランド電極12は、それぞれ電源電位VdHとグ
ランド電位(アース)に固定される(p基板1の露出し
た面に電極を設け、グランド電位に落とす場合もあ
る)。ソース電極10は他の分離領域に形成された回路
などへと接続され、同様に、ゲート電極9は、他の分離
領域に形成された制御回路と電気的に接続される。ゲー
ト電極およびソース電極の電位は接続された回路構成に
もよるが、グランド電位から電源電位VdHの間をゲート
信号の切り換えにより変化しうる(当然、ゲート・ソー
ス間電圧は薄いゲート絶縁膜の性能を劣化させることの
ない様に配慮されなければならない)。説明を明確にす
るために、低い電位の状態をLレベル、高い電位の状態
をHレベルと呼ぶこととする。
【0006】ドレイン電極11が電源電位VdHに印加さ
れたHレベルの場合、pアイソレーション領域5とp埋
め込み層3とp基板1およびnエピ層2aとn埋め込み
層4からなるpn接合部は逆バイアスされた状態となる
ので、半導体内部で空乏層が形成され、耐圧が確保され
る。またゲート電極9およびソース電極10がLレベル
の場合にも、nドレイン領域6とn埋め込層4に囲まれ
るnエピ層2とpウェル領域7からなるpn接合部は逆
バイアスされた状態となる。従って、耐圧設計する場合
にはこれら各部分の導電形を決めている不純物濃度や間
隔、形状および半導体表面部分の耐圧構造に留意する必
要がある。
れたHレベルの場合、pアイソレーション領域5とp埋
め込み層3とp基板1およびnエピ層2aとn埋め込み
層4からなるpn接合部は逆バイアスされた状態となる
ので、半導体内部で空乏層が形成され、耐圧が確保され
る。またゲート電極9およびソース電極10がLレベル
の場合にも、nドレイン領域6とn埋め込層4に囲まれ
るnエピ層2とpウェル領域7からなるpn接合部は逆
バイアスされた状態となる。従って、耐圧設計する場合
にはこれら各部分の導電形を決めている不純物濃度や間
隔、形状および半導体表面部分の耐圧構造に留意する必
要がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】同一チップ内に形成さ
れた素子同士は、それぞれの分離領域(pアイソレーシ
ョン領域5とnエピ層2a)の上部をこえて配線材によ
って接続される。当然、半導体部分と配線材が不用意に
接触しない様に層間絶縁膜が配置されている。この様な
分離領域の上部を越えて配線材が配置される部分の耐圧
構造について各種考慮して図5に示す素子を含む「パワ
ーIC」を設計・試作し、180Vの耐圧を得ることが
できた。
れた素子同士は、それぞれの分離領域(pアイソレーシ
ョン領域5とnエピ層2a)の上部をこえて配線材によ
って接続される。当然、半導体部分と配線材が不用意に
接触しない様に層間絶縁膜が配置されている。この様な
分離領域の上部を越えて配線材が配置される部分の耐圧
構造について各種考慮して図5に示す素子を含む「パワ
ーIC」を設計・試作し、180Vの耐圧を得ることが
できた。
【0008】しかしながら、試作したICを125℃の
高温状態での加速試験すると、約300時間で、20V
程度低下することがわかった。この耐圧低下現象を様々
な観点から調査した結果、所謂、「ゲートコントロール
ダイオード構造による劣化現象」であることが判った。
この現象については、エレクトロニクス技術全書3「M
OSデバイス」(徳山 巍 著 1973年8月20日
初版 (株) 工業調査会出版)の第7章「pn接合とM
OS構造」に詳しく報告されている。この報告内容は次
の通りである。pn接合の表面上部にMOS構造を形成
した場合、ゲート電位の影響で、例えばp領域表面部に
反転層が形成された状態でpn接合に長時間逆バイアス
を印加すると、リーク電流の増加がみられるというもの
である(逆電流の大きさで、耐圧を規定するので、リー
ク電流が増えると耐圧低下と判断される)。試作した素
子では、ゲートおよびソースの引き出し配線が、分離領
域の上部に配置される部分が「ゲートコントロールダイ
オード構造」に類似することが分かった。
高温状態での加速試験すると、約300時間で、20V
程度低下することがわかった。この耐圧低下現象を様々
な観点から調査した結果、所謂、「ゲートコントロール
ダイオード構造による劣化現象」であることが判った。
この現象については、エレクトロニクス技術全書3「M
OSデバイス」(徳山 巍 著 1973年8月20日
初版 (株) 工業調査会出版)の第7章「pn接合とM
OS構造」に詳しく報告されている。この報告内容は次
の通りである。pn接合の表面上部にMOS構造を形成
した場合、ゲート電位の影響で、例えばp領域表面部に
反転層が形成された状態でpn接合に長時間逆バイアス
を印加すると、リーク電流の増加がみられるというもの
である(逆電流の大きさで、耐圧を規定するので、リー
ク電流が増えると耐圧低下と判断される)。試作した素
子では、ゲートおよびソースの引き出し配線が、分離領
域の上部に配置される部分が「ゲートコントロールダイ
オード構造」に類似することが分かった。
【0009】図6は高耐圧横型半導体装置で耐圧低下を
招く問題となる箇所の要部構成図で、同図(a)は平面
図、同図(b)は同図(a)のA−A線で切断した断面
図である。図6において、通常ゲート電極9は、導電性
の良いpoly−Si(シート抵抗にして30〜80Ω
/□)からなり、これとコンタクトホール13eを介し
て電気的に接続されたゲート配線14が、pアイソレー
ション領域5の上部を横断し制御回路と接続される。p
アイソレーション領域5とnドレイン領域6もそれぞれ
のコンタクトホール13b、13cを介してグランド電
極12及びドレイン電極11と接続されている。またド
レイン電極11は、耐圧を得るために設けられたドレイ
ン側のフィールドプレートA15にもコンタクトホール
13dを介して接続されている。このフィールドプレー
トA15は、通常、ゲート電極9と同時に形成されるの
で同じ材料で同じ厚さである。またドレイン電極11と
グランド電極12とゲート配線14は、通常Al−Si
等の金属からなりこれら3つの電極等も同時に形成す
る。同図(b)の断面図はA−A線に沿ってカットした
様子を示している。半導体の表面には、LOCOS酸化
膜16が配置され、次にドレイン側のフィールドプレー
トA15、さらに層間絶縁膜17(通常、減圧CVD装
置を用いてBPSG膜を形成する)、ゲート配線14が
積層されている。実際の素子はさらにファイナルパッシ
ベーション膜で覆われるが、ここでは直接関係がないの
で省略している。半導体表面層には、pアイソレーショ
ン領域5に重なる様にpオフセット領域18が設けられ
ている。これも、耐圧を確保する目的で導入したもので
ある。LOCOS酸化膜16を形成する以前にレジスト
マスクで選択的にイオン注入法で不純物を導入するもの
である。この工程は、図示されていない別の箇所のpア
イソレーション領域5で囲まれたnエピ層2a上に形成
する高耐圧のpチャネルMOS−FETを構成するため
にも必要なので、必ずしも製造コストの増加にはならな
いが、兼用すると、耐圧設計に最適な不純物導入量及び
拡散深さを選べない。ここでは、表面のホール(正孔)
濃度が1×1016〔atm/cm3 〕で深さを2.0μmとし
た。従って、設計要素はpアイソレーション領域からの
はみ出した寸法のみである。
招く問題となる箇所の要部構成図で、同図(a)は平面
図、同図(b)は同図(a)のA−A線で切断した断面
図である。図6において、通常ゲート電極9は、導電性
の良いpoly−Si(シート抵抗にして30〜80Ω
/□)からなり、これとコンタクトホール13eを介し
て電気的に接続されたゲート配線14が、pアイソレー
ション領域5の上部を横断し制御回路と接続される。p
アイソレーション領域5とnドレイン領域6もそれぞれ
のコンタクトホール13b、13cを介してグランド電
極12及びドレイン電極11と接続されている。またド
レイン電極11は、耐圧を得るために設けられたドレイ
ン側のフィールドプレートA15にもコンタクトホール
13dを介して接続されている。このフィールドプレー
トA15は、通常、ゲート電極9と同時に形成されるの
で同じ材料で同じ厚さである。またドレイン電極11と
グランド電極12とゲート配線14は、通常Al−Si
等の金属からなりこれら3つの電極等も同時に形成す
る。同図(b)の断面図はA−A線に沿ってカットした
様子を示している。半導体の表面には、LOCOS酸化
膜16が配置され、次にドレイン側のフィールドプレー
トA15、さらに層間絶縁膜17(通常、減圧CVD装
置を用いてBPSG膜を形成する)、ゲート配線14が
積層されている。実際の素子はさらにファイナルパッシ
ベーション膜で覆われるが、ここでは直接関係がないの
で省略している。半導体表面層には、pアイソレーショ
ン領域5に重なる様にpオフセット領域18が設けられ
ている。これも、耐圧を確保する目的で導入したもので
ある。LOCOS酸化膜16を形成する以前にレジスト
マスクで選択的にイオン注入法で不純物を導入するもの
である。この工程は、図示されていない別の箇所のpア
イソレーション領域5で囲まれたnエピ層2a上に形成
する高耐圧のpチャネルMOS−FETを構成するため
にも必要なので、必ずしも製造コストの増加にはならな
いが、兼用すると、耐圧設計に最適な不純物導入量及び
拡散深さを選べない。ここでは、表面のホール(正孔)
濃度が1×1016〔atm/cm3 〕で深さを2.0μmとし
た。従って、設計要素はpアイソレーション領域からの
はみ出した寸法のみである。
【0010】LOCOS酸化膜16と層間絶縁膜17の
厚さは、それぞれ0.7μm、1.3μmである。pオ
フセット領域18の上部にもこれらの絶縁膜を介してゲ
ート配線14が配置されており、この部分がMOS構造
をしている。しかも、ドレイン電極11−グランド電極
12間に高い逆バイアス電圧が印加された状態でも、ゲ
ート配線9は、LレベルとHレベルの電位をくりかえす
ので、劣化現象がおこると考えられる。
厚さは、それぞれ0.7μm、1.3μmである。pオ
フセット領域18の上部にもこれらの絶縁膜を介してゲ
ート配線14が配置されており、この部分がMOS構造
をしている。しかも、ドレイン電極11−グランド電極
12間に高い逆バイアス電圧が印加された状態でも、ゲ
ート配線9は、LレベルとHレベルの電位をくりかえす
ので、劣化現象がおこると考えられる。
【0011】劣化の対策として、先ず、LOCOS酸化
膜16と層間絶縁膜17の厚さを厚くすることが考えら
れるが、定格電圧150Vの3分の2である100Vで
の加速試験でも劣化が観測されることから、単純には、
トータル膜厚を3μmよりも大きくしなければならな
く、事実上、量産レベルでの製造は不可能である。次の
対策として、グランド側にもフィールドプレートB19
を設けた場合を想定した。
膜16と層間絶縁膜17の厚さを厚くすることが考えら
れるが、定格電圧150Vの3分の2である100Vで
の加速試験でも劣化が観測されることから、単純には、
トータル膜厚を3μmよりも大きくしなければならな
く、事実上、量産レベルでの製造は不可能である。次の
対策として、グランド側にもフィールドプレートB19
を設けた場合を想定した。
【0012】図7はドレイン電極側とグランド電極側の
双方にフィールドプレートを設けた断面図である。フィ
ールドプレートB19は、図示されていないグランド電
極12およびpアイソレーション領域5と接続してお
り、pアイソレーション領域5と常に同じ電位であり、
MOS構造による反転層の形成はない(上部のゲート配
線14から半導体表面がフィールドプレートA、Bによ
りシールドされている)。この構造で、改めて耐圧設計
を行い条件を絞り込んで、2次試作をした。
双方にフィールドプレートを設けた断面図である。フィ
ールドプレートB19は、図示されていないグランド電
極12およびpアイソレーション領域5と接続してお
り、pアイソレーション領域5と常に同じ電位であり、
MOS構造による反転層の形成はない(上部のゲート配
線14から半導体表面がフィールドプレートA、Bによ
りシールドされている)。この構造で、改めて耐圧設計
を行い条件を絞り込んで、2次試作をした。
【0013】図8は耐圧計算に用いたデバイスシミュレ
ーションの基本モデルと計算結果の例で、同図(a)は
計算に用いた素子の断面図、同図(b)は計算による電
子濃度分布、同図(c)は計算による正孔濃度分布であ
る。同図(a)は計算領域を表しており、全体の半導体
領域の大きさを幅30μm、厚さ35μmとし、nエピ
層2の表面部からは、pアイソレーション領域5とnド
レイン領域6が15.2μmの間隔を隔てて配置され、
それぞれには、グランド電位(アース電位)とVdHの電
位を与える電極を設けた。また半導体表面には厚さ2μ
mの絶縁膜(シリコン酸化膜を想定)を介してゲート電
極9を設けた。これは実際の素子ではゲート配線を模し
ており、このゲート電極9の電位VGLは、自由に設定で
きる様にした。またnエピ層2aの厚さを14μm、内
部に各埋め込み層を配置した。p基板1の厚さは、21
μmで、この値は実際と大きく異なるが、空乏層がこれ
ほど広がらないことがすでに分かっており、耐圧計算に
与える影響はない。図8(b)、(c)は、B視野方向
から見た熱平衡状態(温度300K)の電子およびホー
ル密度分布を表している。電子の最大密度は5.0×1
019〔atm/cm3〕でホールの最大密度は5.0×10
19[atm/cm3] とした。またnエピ層2、2aの電子密度
は1. 0×1015[atm/cm3] 、またp基板1の正孔密度
は5.5×10 14[atm/cm3] とした。p基板1の厚さ以
外は,試作した素子と同じである。
ーションの基本モデルと計算結果の例で、同図(a)は
計算に用いた素子の断面図、同図(b)は計算による電
子濃度分布、同図(c)は計算による正孔濃度分布であ
る。同図(a)は計算領域を表しており、全体の半導体
領域の大きさを幅30μm、厚さ35μmとし、nエピ
層2の表面部からは、pアイソレーション領域5とnド
レイン領域6が15.2μmの間隔を隔てて配置され、
それぞれには、グランド電位(アース電位)とVdHの電
位を与える電極を設けた。また半導体表面には厚さ2μ
mの絶縁膜(シリコン酸化膜を想定)を介してゲート電
極9を設けた。これは実際の素子ではゲート配線を模し
ており、このゲート電極9の電位VGLは、自由に設定で
きる様にした。またnエピ層2aの厚さを14μm、内
部に各埋め込み層を配置した。p基板1の厚さは、21
μmで、この値は実際と大きく異なるが、空乏層がこれ
ほど広がらないことがすでに分かっており、耐圧計算に
与える影響はない。図8(b)、(c)は、B視野方向
から見た熱平衡状態(温度300K)の電子およびホー
ル密度分布を表している。電子の最大密度は5.0×1
019〔atm/cm3〕でホールの最大密度は5.0×10
19[atm/cm3] とした。またnエピ層2、2aの電子密度
は1. 0×1015[atm/cm3] 、またp基板1の正孔密度
は5.5×10 14[atm/cm3] とした。p基板1の厚さ以
外は,試作した素子と同じである。
【0014】図9はフィールドプレートがない場合のキ
ャリア濃度分布図で、同図(a)はVGL=0のLレベル
での電位の鳥瞰図、同図(b)VGL=0のLレベルでの
等電位線図、同図(c)はVGL=VdHのHレベルでの電
位の鳥瞰図、同図(d)はVGL=VdHのHレベルでの等
電位線図である。尚、鳥瞰図で示された電位の範囲は0
〜200Vであり、一本あたりの等電位線は20Vであ
る。同図(a)、(b)はVGL=0Vに固定しVdHを1
Vきざみで上昇させ、アバランシェ電流が流れ出す直前
の様子である。この時VdH=113Vであり、この値を
分離耐圧の設計値とした。 同様に、同図(c)、
(d)はVGL=VdHの場合で、VdH=118Vが設計耐
圧である。鳥瞰図から、VGLがVdHと同様に上昇してい
ることが分かる。また等電位線が詰まっている箇所がn
エピ層2aとnドレイン領域6の表面境界部からnエピ
層2とpアイソレーション領域5の表面境界部へと移動
している事がわかる。
ャリア濃度分布図で、同図(a)はVGL=0のLレベル
での電位の鳥瞰図、同図(b)VGL=0のLレベルでの
等電位線図、同図(c)はVGL=VdHのHレベルでの電
位の鳥瞰図、同図(d)はVGL=VdHのHレベルでの等
電位線図である。尚、鳥瞰図で示された電位の範囲は0
〜200Vであり、一本あたりの等電位線は20Vであ
る。同図(a)、(b)はVGL=0Vに固定しVdHを1
Vきざみで上昇させ、アバランシェ電流が流れ出す直前
の様子である。この時VdH=113Vであり、この値を
分離耐圧の設計値とした。 同様に、同図(c)、
(d)はVGL=VdHの場合で、VdH=118Vが設計耐
圧である。鳥瞰図から、VGLがVdHと同様に上昇してい
ることが分かる。また等電位線が詰まっている箇所がn
エピ層2aとnドレイン領域6の表面境界部からnエピ
層2とpアイソレーション領域5の表面境界部へと移動
している事がわかる。
【0015】図10は図7に相当したフィールドプレー
トA、Bを設置した場合での計算例で、同図(a)は素
子断面図とVGL=0のLレベルでの2次元の電位分布
図、同図(b)は素子断面図とVGL=VdHのHレベルで
の2次元の電位分布図である。等電位線の本数が増え,
またnエピ層2a表面に移動していることが分かる。ま
たフィールドプレートAは主にVGLがLレベルの場合
に、フィールドプレートBはVGLがHレベルの場合に効
果を発揮する事が分かる。
トA、Bを設置した場合での計算例で、同図(a)は素
子断面図とVGL=0のLレベルでの2次元の電位分布
図、同図(b)は素子断面図とVGL=VdHのHレベルで
の2次元の電位分布図である。等電位線の本数が増え,
またnエピ層2a表面に移動していることが分かる。ま
たフィールドプレートAは主にVGLがLレベルの場合
に、フィールドプレートBはVGLがHレベルの場合に効
果を発揮する事が分かる。
【0016】図11はフィールドプレートA、Bの長さ
と分離耐圧の関係を示す図である。前記の様な計算か
ら、フィールドプレートの長さは、図7の様にnドレイ
ン領域6からnエピ側2aへ突き出た長さをLFPD 、p
アイソレーション領域5から突き出た長さをLFPI とし
た。条件として、LFPD =4μm,VGL=VdHの場合
で、横軸にLFPI 、縦軸に分離耐圧をとり、計算結果を
○印で示した。参考までにフィールドプレートBが無い
場合と、最初の試作の様にpオフセット領域を設けた場
合の結果も示している。LFPI =3〜6μmでは、ほぼ
VdH=180Vの値を示し、最初の試作のレベルが得ら
れる事が計算結果から分かった。フィールドプレートB
を設けることにより、図9の等電位線からも分かる様に
pn接合部に反転層が出来ないので、耐圧低下も防止す
る事が期待出来る。そこで前記結果に基づいて、LFPI
=4μm、LFPD =4μmのフィールドプレートを持つ
2次試作を行っい、その結果を図10中の×印(平均
値)と最大値、最小値をエラーバーで示した。同図から
分かるように、平均値はほぼ設計値通りであるが,ばら
つきが最初の試作と比べ大きいことが分かった。160
V以上を良品としているので約10%が不良品となり、
この時点で歩留りが低下することが判明した。ばらつき
に違いがでた理由として、p基板1の比抵抗のばらつき
によって、同基板内の空乏層の拡がり方に違いを来た
し、結果として微妙に表面の電圧分布に影響したと考え
られる。pオフセット領域18を設けた場合は、この揺
らぎに対して冗長性が高いと考えられる。
と分離耐圧の関係を示す図である。前記の様な計算か
ら、フィールドプレートの長さは、図7の様にnドレイ
ン領域6からnエピ側2aへ突き出た長さをLFPD 、p
アイソレーション領域5から突き出た長さをLFPI とし
た。条件として、LFPD =4μm,VGL=VdHの場合
で、横軸にLFPI 、縦軸に分離耐圧をとり、計算結果を
○印で示した。参考までにフィールドプレートBが無い
場合と、最初の試作の様にpオフセット領域を設けた場
合の結果も示している。LFPI =3〜6μmでは、ほぼ
VdH=180Vの値を示し、最初の試作のレベルが得ら
れる事が計算結果から分かった。フィールドプレートB
を設けることにより、図9の等電位線からも分かる様に
pn接合部に反転層が出来ないので、耐圧低下も防止す
る事が期待出来る。そこで前記結果に基づいて、LFPI
=4μm、LFPD =4μmのフィールドプレートを持つ
2次試作を行っい、その結果を図10中の×印(平均
値)と最大値、最小値をエラーバーで示した。同図から
分かるように、平均値はほぼ設計値通りであるが,ばら
つきが最初の試作と比べ大きいことが分かった。160
V以上を良品としているので約10%が不良品となり、
この時点で歩留りが低下することが判明した。ばらつき
に違いがでた理由として、p基板1の比抵抗のばらつき
によって、同基板内の空乏層の拡がり方に違いを来た
し、結果として微妙に表面の電圧分布に影響したと考え
られる。pオフセット領域18を設けた場合は、この揺
らぎに対して冗長性が高いと考えられる。
【0017】フィールドプレート構造では、間隔を拡げ
ることで、この不具合を回避可能であるが、チップ面積
が増加するので不利である。また、特開平3−2117
71号公報などで開示されているように、フィールドプ
レートにもpオフセット領域18を配置した場合と同様
な効果を持たせるために,高抵抗のpoly−Siで、
これを成す例が示されており、この構造を応用すること
も考えられが、この場合はゲート電極9と同時に作製す
ることが出来ないので、製造コストの増加につながると
いう不具合が生じる。
ることで、この不具合を回避可能であるが、チップ面積
が増加するので不利である。また、特開平3−2117
71号公報などで開示されているように、フィールドプ
レートにもpオフセット領域18を配置した場合と同様
な効果を持たせるために,高抵抗のpoly−Siで、
これを成す例が示されており、この構造を応用すること
も考えられが、この場合はゲート電極9と同時に作製す
ることが出来ないので、製造コストの増加につながると
いう不具合が生じる。
【0018】この発明は,前記の課題を解決して、製造
コストの増加なしに、高耐圧で、且つ、劣化の無い高耐
圧横型半導体装置を提供することを目的としている。ま
た、場合によっては、高耐圧横型半導体装置の小型化を
図ることも目的の一つである。
コストの増加なしに、高耐圧で、且つ、劣化の無い高耐
圧横型半導体装置を提供することを目的としている。ま
た、場合によっては、高耐圧横型半導体装置の小型化を
図ることも目的の一つである。
【0019】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めに、第1導電形の第1半導体層の一主面に第1半導体
層より高濃度の第1導電形の第1領域および第2導電形
の第2領域が所定の間隔を隔て形成され、第1半導体
層、第1領域および第2領域のそれぞれの表面に一括し
て第2導電形の第2半導体層が積層され、第2半導体層
の表面から第1領域に達する第1導電形の分離領域およ
び第2領域に達する第2導電形の第3領域が形成され、
第1半導体層、分離領域および第3領域に囲まれる第4
領域および第2領域、第3領域に囲まれる第5領域が形
成される接合分離基板の第2領域、第3領域および第5
領域にMOSデバイスが形成される横型半導体装置にお
いて、該接合分離基板の表面に絶縁膜が選択的に形成さ
れ、第4領域上の絶縁膜の表面に金属配線が形成され、
分離領域および第3領域上の絶縁膜内に第1導電膜およ
び第2導電膜がそれぞれ埋め込まれ、第1導電膜が絶縁
膜を貫通して分離領域と選択的に固着され、第2導電膜
が絶縁膜を貫通して第3領域と選択的に固着され、且つ
少なくとも前記金属配線の下の第4領域の表面層に第1
導電形の第6領域が形成される構成とする。この第6領
域が第4領域全周に亘って形成されるとよい。また第5
領域に複数個のMOSデバイスが形成される場合には、
第6領域が分離して形成されると効果的である。さらに
この第6領域の電位を浮遊電位とすることで第4領域で
の電界強度を弱めることができる。
めに、第1導電形の第1半導体層の一主面に第1半導体
層より高濃度の第1導電形の第1領域および第2導電形
の第2領域が所定の間隔を隔て形成され、第1半導体
層、第1領域および第2領域のそれぞれの表面に一括し
て第2導電形の第2半導体層が積層され、第2半導体層
の表面から第1領域に達する第1導電形の分離領域およ
び第2領域に達する第2導電形の第3領域が形成され、
第1半導体層、分離領域および第3領域に囲まれる第4
領域および第2領域、第3領域に囲まれる第5領域が形
成される接合分離基板の第2領域、第3領域および第5
領域にMOSデバイスが形成される横型半導体装置にお
いて、該接合分離基板の表面に絶縁膜が選択的に形成さ
れ、第4領域上の絶縁膜の表面に金属配線が形成され、
分離領域および第3領域上の絶縁膜内に第1導電膜およ
び第2導電膜がそれぞれ埋め込まれ、第1導電膜が絶縁
膜を貫通して分離領域と選択的に固着され、第2導電膜
が絶縁膜を貫通して第3領域と選択的に固着され、且つ
少なくとも前記金属配線の下の第4領域の表面層に第1
導電形の第6領域が形成される構成とする。この第6領
域が第4領域全周に亘って形成されるとよい。また第5
領域に複数個のMOSデバイスが形成される場合には、
第6領域が分離して形成されると効果的である。さらに
この第6領域の電位を浮遊電位とすることで第4領域で
の電界強度を弱めることができる。
【0020】この構成にすると、少なくともpn接合の
上部に位置する領域まで、電位がある固定電位であるフ
ィールドプレートを配置することで、更に上部に位置し
電位が大きく変化する配線等の影響を遮断するととも
に、pn接合部に例えば反転層が形成される等の現象が
無くなるので、劣化を防ぐことが可能である。またnエ
ピ層表面部の電圧分布を均等にする為に、浮遊電位とな
るp−領域を設けた。フィールドプレートとp−領域の
両方の働きにより高耐圧に適用可能な分離間距離を縮め
る効果がある。
上部に位置する領域まで、電位がある固定電位であるフ
ィールドプレートを配置することで、更に上部に位置し
電位が大きく変化する配線等の影響を遮断するととも
に、pn接合部に例えば反転層が形成される等の現象が
無くなるので、劣化を防ぐことが可能である。またnエ
ピ層表面部の電圧分布を均等にする為に、浮遊電位とな
るp−領域を設けた。フィールドプレートとp−領域の
両方の働きにより高耐圧に適用可能な分離間距離を縮め
る効果がある。
【0021】またp−領域を分離領域に円形上に不連続
に配置することで、常に該当する部分の電圧分布が自然
と自己整合する様に決定されるので、冗長性に優れたも
のとなる。またこの特性を利用することで、高耐圧素子
でも一つの分離領域に複数の素子を形成することが可能
となり、全体的に分離領域の面積を小さくすることが可
能になった。
に配置することで、常に該当する部分の電圧分布が自然
と自己整合する様に決定されるので、冗長性に優れたも
のとなる。またこの特性を利用することで、高耐圧素子
でも一つの分離領域に複数の素子を形成することが可能
となり、全体的に分離領域の面積を小さくすることが可
能になった。
【0022】
【発明の実施の形態】図1はこの発明の第1の実施例の
要部構成図で、同図(a)は平面図、同図(b)は同図
(a)のA−A線で切断した断面図である。図中の番号
は,従来の構造と同じものについては,同じ番号を用
い、また同図(a)では層間絶縁膜は省略されている。
図7の従来構造と異なる主な点はp低濃度領域20をn
ドレイン領域6とpアイソレーション領域とに挟まれる
nエピ層2の表面層に形成し、p低濃度領域20上をゲ
ート配線が横切るようにしたことと、フィールドプレー
トA15とフィールドプレートB19を、nドレイン領
域6の上部とpアイソレーション領域5の上部から分離
領域のnエピ層2aにはみ出さないようにしてそれぞれ
配置した点である。またグランド電極12はコンタクト
ホール13aでpアイソレーション領域6と接続され、
コンタクトホール13bでフィールドプレートBと接続
される。尚、この実施例ではp低濃度領域がnエピ層2
の全周に亘って配置されているがゲート配線14下にの
みにp低濃度領域20を設けた場合はゲート配線14下
以外に配置されるフィールドプレートA15とフィール
ドプレートB19とは図7のようにnエピ層2aにはみ
出すよう配置してその長さの最適化を図る必要がある。
また当然、p低濃度領域をnエピ層2aの全周に亘って
配置し、且つフィールドプレートA15とフィールドプ
レートB19とを図7のようにnエピ層2aにはみ出す
よう配置してその長さを最適化しても勿論よい。またゲ
ート電極9のあるnエピ層2aにはMOSデバイスの図
示されていないpウエル領域やソース領域が形成され
る。
要部構成図で、同図(a)は平面図、同図(b)は同図
(a)のA−A線で切断した断面図である。図中の番号
は,従来の構造と同じものについては,同じ番号を用
い、また同図(a)では層間絶縁膜は省略されている。
図7の従来構造と異なる主な点はp低濃度領域20をn
ドレイン領域6とpアイソレーション領域とに挟まれる
nエピ層2の表面層に形成し、p低濃度領域20上をゲ
ート配線が横切るようにしたことと、フィールドプレー
トA15とフィールドプレートB19を、nドレイン領
域6の上部とpアイソレーション領域5の上部から分離
領域のnエピ層2aにはみ出さないようにしてそれぞれ
配置した点である。またグランド電極12はコンタクト
ホール13aでpアイソレーション領域6と接続され、
コンタクトホール13bでフィールドプレートBと接続
される。尚、この実施例ではp低濃度領域がnエピ層2
の全周に亘って配置されているがゲート配線14下にの
みにp低濃度領域20を設けた場合はゲート配線14下
以外に配置されるフィールドプレートA15とフィール
ドプレートB19とは図7のようにnエピ層2aにはみ
出すよう配置してその長さの最適化を図る必要がある。
また当然、p低濃度領域をnエピ層2aの全周に亘って
配置し、且つフィールドプレートA15とフィールドプ
レートB19とを図7のようにnエピ層2aにはみ出す
よう配置してその長さを最適化しても勿論よい。またゲ
ート電極9のあるnエピ層2aにはMOSデバイスの図
示されていないpウエル領域やソース領域が形成され
る。
【0023】図2はこの発明の耐圧計算結果を示し、同
図(a)はVGL=0〔V〕の場合の電位の鳥瞰図、同図
(b)はVGL=0〔V〕の場合の等電位線図、同図
(c)はVGL=0〔V〕の場合のアバランシェキャリア
の生成量の分布図、同図(d)はVGL=VdHの場合の電
位の鳥瞰図、同図(e)はVGL=VdHの場合の等電位線
図、同図(f)はVGL=VdHの場合のアバランシェキャ
リアの生成量の分布図である。尚、ここで鳥瞰図で示し
た電位の範囲は0〜200Vであり、一本当たりの等電
位線は20Vであり、キャリアの生成量の範囲は1017
〜1022 [atm/cm3]である。
図(a)はVGL=0〔V〕の場合の電位の鳥瞰図、同図
(b)はVGL=0〔V〕の場合の等電位線図、同図
(c)はVGL=0〔V〕の場合のアバランシェキャリア
の生成量の分布図、同図(d)はVGL=VdHの場合の電
位の鳥瞰図、同図(e)はVGL=VdHの場合の等電位線
図、同図(f)はVGL=VdHの場合のアバランシェキャ
リアの生成量の分布図である。尚、ここで鳥瞰図で示し
た電位の範囲は0〜200Vであり、一本当たりの等電
位線は20Vであり、キャリアの生成量の範囲は1017
〜1022 [atm/cm3]である。
【0024】図2において、同図(a)〜同図(c)の
VGL=0〔V〕の場合は、従来のpオフセット領域を設
け最適化した場合とほとんど違いが無く、浮遊電位でも
同様な効果があることが分かった。これは、例えば縦型
素子に於ける耐圧構想に広く用いられるガードリングと
同じである。アバランシェキャリアの発生箇所はnドレ
イン領域6とnエピ層2aの表面部およびn埋め込み層
4とp基板1の各境界部分の2箇所であることが分か
り、表面構造が最適化されている。尚、このときの分離
耐圧の設計値は192Vである。
VGL=0〔V〕の場合は、従来のpオフセット領域を設
け最適化した場合とほとんど違いが無く、浮遊電位でも
同様な効果があることが分かった。これは、例えば縦型
素子に於ける耐圧構想に広く用いられるガードリングと
同じである。アバランシェキャリアの発生箇所はnドレ
イン領域6とnエピ層2aの表面部およびn埋め込み層
4とp基板1の各境界部分の2箇所であることが分か
り、表面構造が最適化されている。尚、このときの分離
耐圧の設計値は192Vである。
【0025】次に、同図(d)〜同図(f)のVGL=V
dHの場合は、アバランシェキャリアの発生箇所が、pア
イソレーション領域5とnエピ層2の表面部およびn埋
め込み層4とp基板1の各境界部分になっている。この
時の分離耐圧の設計値は189Vであった。詳しくみる
と,表面部のピーク箇所は、nエピ層2aに当たり、フ
ィールドプレートB19を配置することで、pアイソレ
ーション領域5の部分の電界強度は弱められていること
が分かる。一方、p低濃度領域20はおよそ120Vか
ら180Vの間の電位になっている。従って、上部にあ
るゲート配線9との電位差は9〜69Vである。これで
は2μmの絶縁膜を通してpアイソレーション領域の表
面層に充分な反転層を形成させることは出来ないと考え
られる。ちなみに、従来のpオフセット領域を有する構
造の様にpオフセット領域18がpアイソレーション領
域5と連続していれば、電位差は大きいものとなり、何
処かで反転層が形成されると推測できる。
dHの場合は、アバランシェキャリアの発生箇所が、pア
イソレーション領域5とnエピ層2の表面部およびn埋
め込み層4とp基板1の各境界部分になっている。この
時の分離耐圧の設計値は189Vであった。詳しくみる
と,表面部のピーク箇所は、nエピ層2aに当たり、フ
ィールドプレートB19を配置することで、pアイソレ
ーション領域5の部分の電界強度は弱められていること
が分かる。一方、p低濃度領域20はおよそ120Vか
ら180Vの間の電位になっている。従って、上部にあ
るゲート配線9との電位差は9〜69Vである。これで
は2μmの絶縁膜を通してpアイソレーション領域の表
面層に充分な反転層を形成させることは出来ないと考え
られる。ちなみに、従来のpオフセット領域を有する構
造の様にpオフセット領域18がpアイソレーション領
域5と連続していれば、電位差は大きいものとなり、何
処かで反転層が形成されると推測できる。
【0026】この実施例に示す構造は、p低濃度領域2
0の幅とpアイソレーション領域5からの距離が設計ポ
イントであり、p低濃度領域20の幅を4.5μm〜
5.5μmの範囲で変化させて試作した場合、p低濃度
領域20の幅が5μmで、拡散の位置がpアイソレーシ
ョン領域の端から11μmに設計したものが総合的に特
性を満足することが出来た。先ず、素子の平均耐圧がL
レベルの時に195V、Hレベルの時に187Vであっ
た。また1ロット内での素子耐圧の範囲は165V〜2
05Vで、ばらつき具合は最初の試作(従来のpオフセ
ット構造品)程度であり問題がないことが判った。
0の幅とpアイソレーション領域5からの距離が設計ポ
イントであり、p低濃度領域20の幅を4.5μm〜
5.5μmの範囲で変化させて試作した場合、p低濃度
領域20の幅が5μmで、拡散の位置がpアイソレーシ
ョン領域の端から11μmに設計したものが総合的に特
性を満足することが出来た。先ず、素子の平均耐圧がL
レベルの時に195V、Hレベルの時に187Vであっ
た。また1ロット内での素子耐圧の範囲は165V〜2
05Vで、ばらつき具合は最初の試作(従来のpオフセ
ット構造品)程度であり問題がないことが判った。
【0027】図3は125℃の高温状態での加速試験
を、従来構造品と本発明品で比較した結果を示してい
る。各試作品とも、初期耐圧が180V程度のものを5
個用意し試験時間による耐圧の平均値をプロットしたも
のである(試験中は,VdH=150Vを印加したままL
レベルとHレベルを繰り返し、耐圧測定は室温でLレベ
ルにした時の耐圧をプロットした)。最初の試作品(×
印)では前述した様に300時間で約20Vの耐圧低下
が見られる。これに対して、フィールドプレートにより
「ゲートコントロールダイオード構造」を阻害した2次
試作品(LFLI =4μm、△印)と本発明品(LFPI =
0μm,○印)では、1000時間後も顕著な耐圧低下
は見られなかった。しかし2次試作品では初期耐圧のば
らつきが大きいので不可である。また、設計諸元をL
FPI =0.5μmとしpアイソレーション領域5とnド
レイン領域6の距離を拡散マスク上24μmで拡散後1
4.2μm(LFPI =0μmでは拡散マスク上25μm
で拡散後15.2μm)、p低濃度領域の幅を4μm
(LFPI =0μmでは5μm)に変更し小型化を図った
素子を試作して同様の加速試験を試みた結果、素子耐圧
の低下は全くみられなかった。尚、素子を製作するとき
のマスク精度は±0.3以下である。
を、従来構造品と本発明品で比較した結果を示してい
る。各試作品とも、初期耐圧が180V程度のものを5
個用意し試験時間による耐圧の平均値をプロットしたも
のである(試験中は,VdH=150Vを印加したままL
レベルとHレベルを繰り返し、耐圧測定は室温でLレベ
ルにした時の耐圧をプロットした)。最初の試作品(×
印)では前述した様に300時間で約20Vの耐圧低下
が見られる。これに対して、フィールドプレートにより
「ゲートコントロールダイオード構造」を阻害した2次
試作品(LFLI =4μm、△印)と本発明品(LFPI =
0μm,○印)では、1000時間後も顕著な耐圧低下
は見られなかった。しかし2次試作品では初期耐圧のば
らつきが大きいので不可である。また、設計諸元をL
FPI =0.5μmとしpアイソレーション領域5とnド
レイン領域6の距離を拡散マスク上24μmで拡散後1
4.2μm(LFPI =0μmでは拡散マスク上25μm
で拡散後15.2μm)、p低濃度領域の幅を4μm
(LFPI =0μmでは5μm)に変更し小型化を図った
素子を試作して同様の加速試験を試みた結果、素子耐圧
の低下は全くみられなかった。尚、素子を製作するとき
のマスク精度は±0.3以下である。
【0028】この実施例1では,一つの分離領域に一個
のハイサイド側のn-ch MOSFET を形成した場合で、nド
レイン領域6を取り囲む様にpアイソレーション領域5
を配置しなくてはならず、従って、nドレイン領域6−
pアイソレーション領域5間の占める面積も大きくな
る。一般に、5V駆動のロジック回路では比較的大きな
pアイソレーション領域5を確保しその中に複数の素子
を形成することで、面積を極力小さくしている。この場
合、5V程度と電圧が低いために、特別な配慮をしなく
ても分離領域で「ゲートコントロールダイオード構造に
よる劣化現象」は観測されていない。これと同様な構造
を高耐圧横型半導体装置に適用した実施例を次に示す。
のハイサイド側のn-ch MOSFET を形成した場合で、nド
レイン領域6を取り囲む様にpアイソレーション領域5
を配置しなくてはならず、従って、nドレイン領域6−
pアイソレーション領域5間の占める面積も大きくな
る。一般に、5V駆動のロジック回路では比較的大きな
pアイソレーション領域5を確保しその中に複数の素子
を形成することで、面積を極力小さくしている。この場
合、5V程度と電圧が低いために、特別な配慮をしなく
ても分離領域で「ゲートコントロールダイオード構造に
よる劣化現象」は観測されていない。これと同様な構造
を高耐圧横型半導体装置に適用した実施例を次に示す。
【0029】図4はこの発明の第2の実施例の要部平面
図である。図中の番号は前記と同じものについては同一
番号とした。また図を見やすくするために、フィールド
プレートAおよびBを描写していないが、実際には配置
されている。図面の上下に二つのn-ch MOSFET を組み込
んでいるが、ハイサイド側に用いるので、ドレイン電極
11とnドレイン領域6は共通でかまわない。nドレイ
ン領域6を取り囲むようにpアイソレーション領域5が
配置され、nドレイン領域6とpアイソレーション領域
5の間のnエピ層2aの表面部分には、p低濃度領域2
0が配置されている。第1の実施例との違いは、p低濃
度領域20が連続して周囲を取り囲むのではなく、上部
に位置する配線の電位が実際にどの様に変化するのかを
考慮して断続的に設けた点である。尚、nドレイン領域
6および図示されていないフィールドプレートA15と
ドレイン電極11とを接続するコンタクトホール13g
は図1(a)のコンタクトホール13c、13dを兼ね
ている。またコンタクトホール13hも同様に13a、
13bを兼ねている。
図である。図中の番号は前記と同じものについては同一
番号とした。また図を見やすくするために、フィールド
プレートAおよびBを描写していないが、実際には配置
されている。図面の上下に二つのn-ch MOSFET を組み込
んでいるが、ハイサイド側に用いるので、ドレイン電極
11とnドレイン領域6は共通でかまわない。nドレイ
ン領域6を取り囲むようにpアイソレーション領域5が
配置され、nドレイン領域6とpアイソレーション領域
5の間のnエピ層2aの表面部分には、p低濃度領域2
0が配置されている。第1の実施例との違いは、p低濃
度領域20が連続して周囲を取り囲むのではなく、上部
に位置する配線の電位が実際にどの様に変化するのかを
考慮して断続的に設けた点である。尚、nドレイン領域
6および図示されていないフィールドプレートA15と
ドレイン電極11とを接続するコンタクトホール13g
は図1(a)のコンタクトホール13c、13dを兼ね
ている。またコンタクトホール13hも同様に13a、
13bを兼ねている。
【0030】当初、実施例1の様に連続したp低濃度領
域20を設けたが、これでは次の様な不具合が生じた。
上下二つのn-ch MOSFET のゲート配線14及びソース電
極10を,すべてLレベルあるいはHレベルの状態で平
均分離耐圧を測定したところ、それぞれの状態で、19
5V及び187Vと実施例1と同じ結果を得ることが出
来た。しかしながら実際には、上下二つのn-ch MOSFET
は別々のスイッチング状態をとる。1個のn-ch MOSFET
内のゲート配線及びソース電極を同じレベルとして、上
下の各n-ch MOSFET でLレベル/Hレベルを違えて分離
耐圧を測定した結果、設計値の187Vに対して181
Vと約6V低くなる場合がある。これは、隣接して2個
のn-ch MOSFET を配置した場合でも、pアイソレーショ
ン領域5をそれぞれのn-ch MOSFET に設けた場合は、完
全に隣の素子の影響は遮断でき、耐圧低下は起こらない
ことから、2個のn-ch MOSFET でできたp低濃度領域2
0内の電位が相互干渉するためと考えられる。
域20を設けたが、これでは次の様な不具合が生じた。
上下二つのn-ch MOSFET のゲート配線14及びソース電
極10を,すべてLレベルあるいはHレベルの状態で平
均分離耐圧を測定したところ、それぞれの状態で、19
5V及び187Vと実施例1と同じ結果を得ることが出
来た。しかしながら実際には、上下二つのn-ch MOSFET
は別々のスイッチング状態をとる。1個のn-ch MOSFET
内のゲート配線及びソース電極を同じレベルとして、上
下の各n-ch MOSFET でLレベル/Hレベルを違えて分離
耐圧を測定した結果、設計値の187Vに対して181
Vと約6V低くなる場合がある。これは、隣接して2個
のn-ch MOSFET を配置した場合でも、pアイソレーショ
ン領域5をそれぞれのn-ch MOSFET に設けた場合は、完
全に隣の素子の影響は遮断でき、耐圧低下は起こらない
ことから、2個のn-ch MOSFET でできたp低濃度領域2
0内の電位が相互干渉するためと考えられる。
【0031】そこで図4のように、p低濃度領域20内
の電位の相互干渉を抑えるために、分離した構造とする
と、分離耐圧の低下を防止できた。このとき、電位の高
いドレイン電極11の下のp低濃度領域20と電位の低
いソース電極10およびゲート配線14の下のp低濃度
領域20を分離すると効果がある。さらにドレイン電極
11、ソース電極10およびゲート配線の下のp低濃度
領域20をそれぞれ分離しても勿論よい。この場合、p
低濃度領域20同士の間隔も重要で、最も不純物濃度が
低いnエピ層2aの部分に電位が大きく変化する部分を
分担させるとよい。試作した結果、この間隔が5μmと
すると良好な結果が得られた。こうすることで、上下の
各n-ch MOSFET でLレベルおよびHレベルを違えて分離
耐圧を測定したところ、185Vとなり前回より分離耐
圧が改善した。この第2の実施例で分かるように、複数
個の素子を集積する場合でもpアイソレーション領域5
の占める面積を大幅に低減することができ、半導体チッ
プの小型化が図れる。
の電位の相互干渉を抑えるために、分離した構造とする
と、分離耐圧の低下を防止できた。このとき、電位の高
いドレイン電極11の下のp低濃度領域20と電位の低
いソース電極10およびゲート配線14の下のp低濃度
領域20を分離すると効果がある。さらにドレイン電極
11、ソース電極10およびゲート配線の下のp低濃度
領域20をそれぞれ分離しても勿論よい。この場合、p
低濃度領域20同士の間隔も重要で、最も不純物濃度が
低いnエピ層2aの部分に電位が大きく変化する部分を
分担させるとよい。試作した結果、この間隔が5μmと
すると良好な結果が得られた。こうすることで、上下の
各n-ch MOSFET でLレベルおよびHレベルを違えて分離
耐圧を測定したところ、185Vとなり前回より分離耐
圧が改善した。この第2の実施例で分かるように、複数
個の素子を集積する場合でもpアイソレーション領域5
の占める面積を大幅に低減することができ、半導体チッ
プの小型化が図れる。
【0032】実施例1,2では、100〜200Vの横
型素子の特に分離耐圧の設計に言及して示したが、より
高耐圧の素子にも適用可能である。この様な場合、耐圧
設計部分の幅は100μmを越える事もある。従って、
上部配線の下部に沿って複数個のp低濃度領域20を配
置する応用も考えられる。このとき、留意すべき設計上
のポイントは、(1)上部配線の電位変動幅(別電源の
場合は、設計する耐圧より高い場合や電位がプラス・マ
イナス反転する場合等もあり得る)に応じてp低濃度領
域20の幅、間隔および個数を決定すること、(2)必
要な箇所には、p低濃度領域と同電位を有するフィール
ドプレートを配置し劣化現象を回避することである。こ
れは、従来の縦型素子用いられているガードリング設計
の様に常にp低濃度領域20の一方の縁において、電界
が高くなるような設計方針とは異なるものである。また
pアイソレーション領域5、nエピ層2aおよびp低濃
度領域20などの分離領域の設計に限らず、将来、積層
構造を有する3次元デバイス等に置いても、その配置が
耐圧構造上部に位置する場合などは、部分的にp低濃度
領域を設ける(座蒲団の様に)などの発展・応用が類推
できる。
型素子の特に分離耐圧の設計に言及して示したが、より
高耐圧の素子にも適用可能である。この様な場合、耐圧
設計部分の幅は100μmを越える事もある。従って、
上部配線の下部に沿って複数個のp低濃度領域20を配
置する応用も考えられる。このとき、留意すべき設計上
のポイントは、(1)上部配線の電位変動幅(別電源の
場合は、設計する耐圧より高い場合や電位がプラス・マ
イナス反転する場合等もあり得る)に応じてp低濃度領
域20の幅、間隔および個数を決定すること、(2)必
要な箇所には、p低濃度領域と同電位を有するフィール
ドプレートを配置し劣化現象を回避することである。こ
れは、従来の縦型素子用いられているガードリング設計
の様に常にp低濃度領域20の一方の縁において、電界
が高くなるような設計方針とは異なるものである。また
pアイソレーション領域5、nエピ層2aおよびp低濃
度領域20などの分離領域の設計に限らず、将来、積層
構造を有する3次元デバイス等に置いても、その配置が
耐圧構造上部に位置する場合などは、部分的にp低濃度
領域を設ける(座蒲団の様に)などの発展・応用が類推
できる。
【0033】
【発明の効果】この発明によれば、フィールドプレート
A、Bには、主として半導体表面上の電位が大きく変動
しない様な働きを担わすことで、信頼性の向上を図り、
また浮遊電位であるp低濃度領域には、主に電界集中を
自動的に緩和する働きを担わすことで、製造上のばらつ
きを軽減させた。またこれらの組合せにより、耐圧構造
部の占有幅(面積)を小さくすることが可能となった。
A、Bには、主として半導体表面上の電位が大きく変動
しない様な働きを担わすことで、信頼性の向上を図り、
また浮遊電位であるp低濃度領域には、主に電界集中を
自動的に緩和する働きを担わすことで、製造上のばらつ
きを軽減させた。またこれらの組合せにより、耐圧構造
部の占有幅(面積)を小さくすることが可能となった。
【0034】これらの構成の素子を製作する場合に、新
たなプロセス導入は必要なく、設計変更のみで対応可能
であるので安価な高耐圧横型半導体装置を供給できる。
たなプロセス導入は必要なく、設計変更のみで対応可能
であるので安価な高耐圧横型半導体装置を供給できる。
【図1】この発明の第1の実施例の高耐圧横型半導体装
置の要部構成図で、(a)は平面図、(b)は(a)の
A−A線で切断した断面図
置の要部構成図で、(a)は平面図、(b)は(a)の
A−A線で切断した断面図
【図2】この発明により最適化された耐圧設計の計算例
を示す図
を示す図
【図3】この発明により改善された特性例を示す図
【図4】この発明第2の実施例の高耐圧横型半導体装置
の平面図
の平面図
【図5】一般的な高耐圧横型半導体装置を説明するため
の断面図
の断面図
【図6】従来の高耐圧横型半導体装置において問題とな
った部分の図で、(a)は平面図、(b)は(a)のA
−A線で切断した断面図
った部分の図で、(a)は平面図、(b)は(a)のA
−A線で切断した断面図
【図7】従来技術による別の耐圧構造を示す断面図
【図8】耐圧計算に用いた基本モデルで、(a)は断面
図、(b)は電子濃度分布図、(c)は正孔濃度分布図
図、(b)は電子濃度分布図、(c)は正孔濃度分布図
【図9】従来技術でフィールドプレートがない場合の耐
圧設計の計算例で、(a)および(b)はVGL=0Vの
場合(c)および(d)はVGL=VdHの場合を示す図
圧設計の計算例で、(a)および(b)はVGL=0Vの
場合(c)および(d)はVGL=VdHの場合を示す図
【図10】従来技術でフィールドプレートを最適化した
場合の耐圧設計の計算例で、(a)はVGL=0Vの場合
の電位分布図、(b)はVGL=VdHの場合の電位分布図
場合の耐圧設計の計算例で、(a)はVGL=0Vの場合
の電位分布図、(b)はVGL=VdHの場合の電位分布図
【図11】従来技術による不具合を示す図で、フィール
ドプレート長(LFPI )と分離耐圧(VdH)の関係図
ドプレート長(LFPI )と分離耐圧(VdH)の関係図
1 p基板 2 nエピ層 2a nエピ層 3 p埋め込み層 4 n埋め込み層 5 pアイソレーション領域 6 nドレイン領域 7 pウェル領域 8 nソース領域 9 ゲート電極 10 ソース電極 11 ドレイン電極 12 グランド電極 13a コンタクトホール 13b コンタクトホール 13c コンタクトホール 13d コンタクトホール 13e コンタクトホール 13f コンタクトホール 13g コンタクトホール 13g コンタクトホール 14 ゲート配線 15 フィールドプレートA(ドレイン側) 16 LOCOS酸化膜 17 層間絶縁膜 18 pオフセット領域 19 フィールドプレートB(グランド側) 20 p低濃度領域
Claims (4)
- 【請求項1】第1導電形の第1半導体層の一主面に第1
半導体層より高濃度の第1導電形の第1領域および第2
導電形の第2領域が所定の間隔を隔て形成され、第1半
導体層、第1領域および第2領域のそれぞれの表面に一
括して第2導電形の第2半導体層が積層され、第2半導
体層の表面から第1領域に達する第1導電形の分離領域
および第2領域に達する第2導電形の第3領域が形成さ
れ、第1半導体層、分離領域および第3領域に囲まれる
第4領域および第2領域、第3領域に囲まれる第5領域
が形成される接合分離基板の第2領域、第3領域および
第5領域にMOSデバイスが形成される横型半導体装置
において、該接合分離基板の表面に絶縁膜が選択的に形
成され、第4領域上の絶縁膜の表面に複数個の金属配線
が形成され、分離領域および第3領域上の絶縁膜内に第
1導電膜および第2導電膜がそれぞれ埋め込まれ、第1
導電膜が絶縁膜を貫通して分離領域と選択的に固着さ
れ、第2導電膜が絶縁膜を貫通して第3領域と選択的に
固着され、且つ、少なくとも金属配線の下の第4領域の
表面層に第1導電形の第6領域が形成されることを特徴
とする高耐圧横型半導体装置。 - 【請求項2】第6領域が第4領域全周に亘って形成され
ることを特徴とする請求項1記載の高耐圧横型半導体装
置。 - 【請求項3】第6領域が分離して形成されることを特徴
とする請求項1記載の高耐圧横型半導体装置。 - 【請求項4】第6領域の電位が浮遊電位であることを特
徴とする請求項1記載の高耐圧横型半導体装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP01921796A JP3334027B2 (ja) | 1996-02-06 | 1996-02-06 | 高耐圧横型半導体装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP01921796A JP3334027B2 (ja) | 1996-02-06 | 1996-02-06 | 高耐圧横型半導体装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09213895A true JPH09213895A (ja) | 1997-08-15 |
JP3334027B2 JP3334027B2 (ja) | 2002-10-15 |
Family
ID=11993211
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP01921796A Expired - Fee Related JP3334027B2 (ja) | 1996-02-06 | 1996-02-06 | 高耐圧横型半導体装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3334027B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8525175B2 (en) | 2010-07-08 | 2013-09-03 | Canon Kabushiki Kaisha | Electronic device having an isolating element and display apparatus including the electronic device |
JP2015012020A (ja) * | 2013-06-26 | 2015-01-19 | ローム株式会社 | 半導体装置 |
JP2018011089A (ja) * | 2017-10-23 | 2018-01-18 | ローム株式会社 | 半導体装置 |
-
1996
- 1996-02-06 JP JP01921796A patent/JP3334027B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8525175B2 (en) | 2010-07-08 | 2013-09-03 | Canon Kabushiki Kaisha | Electronic device having an isolating element and display apparatus including the electronic device |
JP2015012020A (ja) * | 2013-06-26 | 2015-01-19 | ローム株式会社 | 半導体装置 |
US9887187B2 (en) | 2013-06-26 | 2018-02-06 | Rohm Co., Ltd. | Semiconductor device for preventing field inversion |
US10236284B2 (en) | 2013-06-26 | 2019-03-19 | Rohm Co., Ltd. | Semiconductor device for preventing field inversion |
JP2018011089A (ja) * | 2017-10-23 | 2018-01-18 | ローム株式会社 | 半導体装置 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3334027B2 (ja) | 2002-10-15 |
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Legal Events
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