JPH09205799A - インバータ装置 - Google Patents
インバータ装置Info
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- JPH09205799A JPH09205799A JP8010134A JP1013496A JPH09205799A JP H09205799 A JPH09205799 A JP H09205799A JP 8010134 A JP8010134 A JP 8010134A JP 1013496 A JP1013496 A JP 1013496A JP H09205799 A JPH09205799 A JP H09205799A
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- inverter
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- voltage
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 モータの軸受部での油膜絶縁破壊の原因であ
る軸電圧を低減させ、軸受の損傷を防止して長寿命化が
得られることができるようにしたインバータ装置を提供
すること。 【解決手段】 電源1とPWM制御インバータ2、それ
にモータ3からなる装置において、PWM制御インバー
タ2の出力と、このインバータで駆動されるモータ3の
入力の間に直列に共通リアクトル5を設けると共に、共
通リアクトル5のモータ3の入力端子側の接続点と、共
通電位点の間に共通コンデンサ6を設けたもの。 【効果】 軸受に油膜の破壊や損傷が発生するのを防止
することができるので、モータの長寿命化が確実に得ら
れると共に、PWM制御インバータのスイッチング周波
数を上げることによるモータの高効率化と低騒音化を充
分に図ることができる。
る軸電圧を低減させ、軸受の損傷を防止して長寿命化が
得られることができるようにしたインバータ装置を提供
すること。 【解決手段】 電源1とPWM制御インバータ2、それ
にモータ3からなる装置において、PWM制御インバー
タ2の出力と、このインバータで駆動されるモータ3の
入力の間に直列に共通リアクトル5を設けると共に、共
通リアクトル5のモータ3の入力端子側の接続点と、共
通電位点の間に共通コンデンサ6を設けたもの。 【効果】 軸受に油膜の破壊や損傷が発生するのを防止
することができるので、モータの長寿命化が確実に得ら
れると共に、PWM制御インバータのスイッチング周波
数を上げることによるモータの高効率化と低騒音化を充
分に図ることができる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高周波スイッチン
グ技術を利用したPWM制御インバータに係り、特に電
動機駆動用の多相交流電力を発生するインバータに関す
る。
グ技術を利用したPWM制御インバータに係り、特に電
動機駆動用の多相交流電力を発生するインバータに関す
る。
【0002】
【従来の技術】誘導電動機などの交流電動機を可変速駆
動するための電力用インバータとしては、従来から、パ
ルス幅変調方式による可変電圧可変周波数インバータ、
すなわち、PWM制御インバータが主として用いられて
いるが、半導体スイッチング素子の高周波数特性が向上
するにつれ、さらに近年は、このPWM制御インバータ
におけるPWMのためのスイッチング周波数(搬送周波
数)を高くして出力波形の改善を図るようにした、いわ
ゆる高周波スイッチング技術を利用したインバータが使
用されるようになり、これにより被駆動側電動機の効率
向上と低騒音化が得られるようにしている。
動するための電力用インバータとしては、従来から、パ
ルス幅変調方式による可変電圧可変周波数インバータ、
すなわち、PWM制御インバータが主として用いられて
いるが、半導体スイッチング素子の高周波数特性が向上
するにつれ、さらに近年は、このPWM制御インバータ
におけるPWMのためのスイッチング周波数(搬送周波
数)を高くして出力波形の改善を図るようにした、いわ
ゆる高周波スイッチング技術を利用したインバータが使
用されるようになり、これにより被駆動側電動機の効率
向上と低騒音化が得られるようにしている。
【0003】図4は、このようなPWM制御インバータ
を用いたシステムの従来例を示したもので、電源(商用
交流電源)1から供給される交流電力をPWM制御イン
バータ2により可変電圧可変周波数の交流電力に変換
し、モータ(電動機)3を駆動するようになっている。な
お、この図4において、0’はインバータの仮想中性点
を、そして0はモータ巻線の中性点を夫々表わしたもの
であり、さらにPとNは、直流部での正負の極性を表わ
している。
を用いたシステムの従来例を示したもので、電源(商用
交流電源)1から供給される交流電力をPWM制御イン
バータ2により可変電圧可変周波数の交流電力に変換
し、モータ(電動機)3を駆動するようになっている。な
お、この図4において、0’はインバータの仮想中性点
を、そして0はモータ巻線の中性点を夫々表わしたもの
であり、さらにPとNは、直流部での正負の極性を表わ
している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来技術は、被駆動側
の電動機で発生する軸電圧についての配慮がされておら
ず、被駆動側電動機の軸受寿命短縮の問題があった。す
なわち、高周波スイッチング技術を利用したインバータ
による電動機駆動システムでは、電動機に過大な軸電圧
が誘起され、この結果、その軸受部での油膜破壊の虞
れ、及びそれによる短絡電流の繰返し流通による軸受自
体での損傷発生の虞れを防止することができず、軸受寿
命短縮の問題を生じてしまうのである。
の電動機で発生する軸電圧についての配慮がされておら
ず、被駆動側電動機の軸受寿命短縮の問題があった。す
なわち、高周波スイッチング技術を利用したインバータ
による電動機駆動システムでは、電動機に過大な軸電圧
が誘起され、この結果、その軸受部での油膜破壊の虞
れ、及びそれによる短絡電流の繰返し流通による軸受自
体での損傷発生の虞れを防止することができず、軸受寿
命短縮の問題を生じてしまうのである。
【0005】以下、この軸電圧をVB とし、これの発生
について、更に詳しく説明する。図4に示すように、P
WM制御インバータ2によりモータ3を駆動した場合に
は、インバータの仮想中性点0’とモータ巻線の中性点
0の間に零相電圧VZが誘起されるという基本的な特性
がある。
について、更に詳しく説明する。図4に示すように、P
WM制御インバータ2によりモータ3を駆動した場合に
は、インバータの仮想中性点0’とモータ巻線の中性点
0の間に零相電圧VZが誘起されるという基本的な特性
がある。
【0006】この零相電圧VZ は、例えば図4のモータ
3などの一般的なモータでは、等価的には、図5に示す
ように、モータの電機子巻線(一次コイル)3Aと接地点
(共通電位点)の間に現われる。
3などの一般的なモータでは、等価的には、図5に示す
ように、モータの電機子巻線(一次コイル)3Aと接地点
(共通電位点)の間に現われる。
【0007】なお、この図5(a)で、3Bは固定子コ
ア、3Cはロータ(回転子)、3Dはモータの回転軸、そ
して3Eはモータのエンドブラケットであり、周知のよ
うに、電機子巻線(一次コイル)3Aは固定子コア3Bに
巻回され、回転軸3Dはエンドブラケット3Eに設けて
あるボールベアリングなどの軸受3Fにより回転自在に
支承されている。そして、エンドブラケット3Eがアー
スされ、接地点に接続されるようになっている。
ア、3Cはロータ(回転子)、3Dはモータの回転軸、そ
して3Eはモータのエンドブラケットであり、周知のよ
うに、電機子巻線(一次コイル)3Aは固定子コア3Bに
巻回され、回転軸3Dはエンドブラケット3Eに設けて
あるボールベアリングなどの軸受3Fにより回転自在に
支承されている。そして、エンドブラケット3Eがアー
スされ、接地点に接続されるようになっている。
【0008】従って、これらモータの各部には、種々の
浮遊静電容量が現われる。そこで、いま、電機子巻線3
Aと固定子コア3Bの間の静電容量をCS 、電機子巻線
3Aとロータ3Cの間の静電容量をCE 、固定子コア3
Bロータ3Cの間の静電容量をCG 、そして軸受3Fの
油膜による静電容量をCB とすると、零相電圧VZ に関
するモータの等価回路は図5(b)に示すようになり、こ
の結果、PWM制御インバータ2を含めた等価回路は図
6に示すようになる。なお、この図6で、C0’はイン
バータの浮遊静電容量を表わす。
浮遊静電容量が現われる。そこで、いま、電機子巻線3
Aと固定子コア3Bの間の静電容量をCS 、電機子巻線
3Aとロータ3Cの間の静電容量をCE 、固定子コア3
Bロータ3Cの間の静電容量をCG 、そして軸受3Fの
油膜による静電容量をCB とすると、零相電圧VZ に関
するモータの等価回路は図5(b)に示すようになり、こ
の結果、PWM制御インバータ2を含めた等価回路は図
6に示すようになる。なお、この図6で、C0’はイン
バータの浮遊静電容量を表わす。
【0009】そして、このときPWM制御インバータ2
から発生する零相電圧VZ は、図7に示すように、イン
バータの仮想中性点0’に対してPとNを最大値として
交番する波形となる。例えば、電源電圧が三相200V
の商用電源の場合には、このP−N電圧はDC270V
にもなる。
から発生する零相電圧VZ は、図7に示すように、イン
バータの仮想中性点0’に対してPとNを最大値として
交番する波形となる。例えば、電源電圧が三相200V
の商用電源の場合には、このP−N電圧はDC270V
にもなる。
【0010】そこで、この零相電圧VZ は、こられイン
バータ2とモータ3の各部位間及び各部位と接地点間に
存在する浮遊静電容量により分割され、軸受3Fに印加
されるようになり、この結果、軸電圧VB が生じてしま
うのである。
バータ2とモータ3の各部位間及び各部位と接地点間に
存在する浮遊静電容量により分割され、軸受3Fに印加
されるようになり、この結果、軸電圧VB が生じてしま
うのである。
【0011】この軸電圧VB の大きさは、インバータと
モータ各部位間に存在する浮遊容量によるインピーダン
スに依存し、その周波数はPWM制御インバータのスイ
ッチング周波数そのものとなる。そして、この軸電圧V
B が過大になり、例えば数V以上にもなると、軸受3F
のグリース油膜が絶縁破壊を起こし、これが繰返される
ことによって軸受に磨耗が発生し、寿命が短縮されてし
まうことになる。
モータ各部位間に存在する浮遊容量によるインピーダン
スに依存し、その周波数はPWM制御インバータのスイ
ッチング周波数そのものとなる。そして、この軸電圧V
B が過大になり、例えば数V以上にもなると、軸受3F
のグリース油膜が絶縁破壊を起こし、これが繰返される
ことによって軸受に磨耗が発生し、寿命が短縮されてし
まうことになる。
【0012】なお、スイッチング周波数を比較的低周波
にしてやれば、短絡電流流通の繰返し頻度が低下するの
で、油膜破壊による短絡電流の平均値を抑えることがで
き、この結果、軸受損傷までの時間(寿命)を長くするこ
とができるが、しかし、この場合には、モータ効率が犠
牲になり、騒音の抑圧も困難になってしまう。
にしてやれば、短絡電流流通の繰返し頻度が低下するの
で、油膜破壊による短絡電流の平均値を抑えることがで
き、この結果、軸受損傷までの時間(寿命)を長くするこ
とができるが、しかし、この場合には、モータ効率が犠
牲になり、騒音の抑圧も困難になってしまう。
【0013】本発明の目的は、モータの軸受部での油膜
絶縁破壊の原因である軸電圧を低減させ、軸受の損傷を
防止して長寿命化が得られることができるようにしたイ
ンバータ装置を提供することにある。
絶縁破壊の原因である軸電圧を低減させ、軸受の損傷を
防止して長寿命化が得られることができるようにしたイ
ンバータ装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的は、PWM制御
インバータの出力端子と、このインバータで駆動される
モータの入力端子の間に直列に接続された誘導リアクタ
ンス素子を設け、この誘導リアクタンス素子のインピー
ダンスを、上記インバータとモータ各部位間に存在する
浮遊容量によるインピーダンスに対して所定の値に設定
することにより達成される。
インバータの出力端子と、このインバータで駆動される
モータの入力端子の間に直列に接続された誘導リアクタ
ンス素子を設け、この誘導リアクタンス素子のインピー
ダンスを、上記インバータとモータ各部位間に存在する
浮遊容量によるインピーダンスに対して所定の値に設定
することにより達成される。
【0015】また、同じく上記目的は、PWM制御イン
バータの出力端子と、このインバータで駆動されるモー
タの入力端子の間に直列に接続された誘導リアクタンス
素子と、この誘導リアクタンス素子のモータ入力端子側
の接続点と、共通電位点の間に接続された静電容量リア
クタンス素子とを設け、これらの素子によるインピーダ
ンスを、上記インバータとモータ各部位間に存在する浮
遊容量によるインピーダンスに対して所定の値に設定す
ることにより達成される。
バータの出力端子と、このインバータで駆動されるモー
タの入力端子の間に直列に接続された誘導リアクタンス
素子と、この誘導リアクタンス素子のモータ入力端子側
の接続点と、共通電位点の間に接続された静電容量リア
クタンス素子とを設け、これらの素子によるインピーダ
ンスを、上記インバータとモータ各部位間に存在する浮
遊容量によるインピーダンスに対して所定の値に設定す
ることにより達成される。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明によるインバータ装
置について、図示の実施例により詳細に説明する。図1
は、本発明の一実施例で、図において、5は共通リアク
トルで、6は共通コンデンサであり、その他、電源1と
PWM制御インバータ2、それにモータ3は、図4で説
明した従来例と同じであり、インバータの仮想中性点
0’、モータ巻線の中性点0についても、同じである。
置について、図示の実施例により詳細に説明する。図1
は、本発明の一実施例で、図において、5は共通リアク
トルで、6は共通コンデンサであり、その他、電源1と
PWM制御インバータ2、それにモータ3は、図4で説
明した従来例と同じであり、インバータの仮想中性点
0’、モータ巻線の中性点0についても、同じである。
【0017】共通リアクトル5は、3組の同じ巻数のコ
イルを共通の鉄心に巻回したコイル装置で作られ、その
3組のコイルを、PWM制御インバータ2とモータ3を
接続している三相の各線路にそれぞれ直列に接続するこ
とにより、PWM制御インバータ2の出力と、このイン
バータで駆動されるモータ3の入力の間に直列に接続さ
れた誘導リアクタンス素子を構成している。
イルを共通の鉄心に巻回したコイル装置で作られ、その
3組のコイルを、PWM制御インバータ2とモータ3を
接続している三相の各線路にそれぞれ直列に接続するこ
とにより、PWM制御インバータ2の出力と、このイン
バータで駆動されるモータ3の入力の間に直列に接続さ
れた誘導リアクタンス素子を構成している。
【0018】共通コンデンサ6は、3個の同一静電容量
を有するコンデンサで、その3個のコンデンサを、PW
M制御インバータ2とモータ3を接続している三相の各
線路と接地点の間にそれぞれ並列に接続することによ
り、共通リアクトル5のモータ3の入力端子側の接続点
と、共通電位点の間に接続された静電容量リアクタンス
素子を構成している。
を有するコンデンサで、その3個のコンデンサを、PW
M制御インバータ2とモータ3を接続している三相の各
線路と接地点の間にそれぞれ並列に接続することによ
り、共通リアクトル5のモータ3の入力端子側の接続点
と、共通電位点の間に接続された静電容量リアクタンス
素子を構成している。
【0019】モータ3の零相等価回路は、上記したよう
に、図5の通りに表わすことができるので、共通リアク
トル5のインダクタンスをLZ1 、共通コンデンサ6の
キャパシタンスをCZ2 とすると、図1の実施例の零相
分等価回路は、図2に示すようになる。
に、図5の通りに表わすことができるので、共通リアク
トル5のインダクタンスをLZ1 、共通コンデンサ6の
キャパシタンスをCZ2 とすると、図1の実施例の零相
分等価回路は、図2に示すようになる。
【0020】つまり、この実施例では、インバータ2で
発生された零相電圧VZ が、図6の従来例のようにその
ままモータ巻線の中性点0に印加されるのではなく、共
通リアクトル5のインダクタンスLZ1 と共通コンデン
サ6のキャパシタンスCZ2 、及びモータ3内の等価回
路によって分圧されてモータ巻線の中性点0に現われる
ように構成してある。
発生された零相電圧VZ が、図6の従来例のようにその
ままモータ巻線の中性点0に印加されるのではなく、共
通リアクトル5のインダクタンスLZ1 と共通コンデン
サ6のキャパシタンスCZ2 、及びモータ3内の等価回
路によって分圧されてモータ巻線の中性点0に現われる
ように構成してある。
【0021】そして、この結果、図1の実施例では、ま
ず、中性点0に印加される電圧V0は、次の(数1)式の
ようになる。
ず、中性点0に印加される電圧V0は、次の(数1)式の
ようになる。
【0022】
【数1】
【0023】従って、モータ3の軸受3Fに印加される
軸電圧VB は、この(数1)式による電圧V0 と、モータ
の等価回路から、以下の(数2)式で求めることができ
る。
軸電圧VB は、この(数1)式による電圧V0 と、モータ
の等価回路から、以下の(数2)式で求めることができ
る。
【0024】
【数2】
【0025】一方、この軸電圧VB が、例えば数V程度
の軸受油膜の絶縁破壊電圧以下であれば、油膜の破壊、
及び軸受の損傷は起こらない。そこで、この実施例で
は、上記(数2)式で求めた軸電圧VB が、次の条件を満
足するように、すなわち、(数2)式で求めた軸電圧VB
が、予め設定してある予想破壊電圧VBB 以下になるよ
うに、共通リアクトル5のインダクタンスLZ1 と共通
コンデンサ6のキャパシタンスCZ2 を規定したもので
ある。
の軸受油膜の絶縁破壊電圧以下であれば、油膜の破壊、
及び軸受の損傷は起こらない。そこで、この実施例で
は、上記(数2)式で求めた軸電圧VB が、次の条件を満
足するように、すなわち、(数2)式で求めた軸電圧VB
が、予め設定してある予想破壊電圧VBB 以下になるよ
うに、共通リアクトル5のインダクタンスLZ1 と共通
コンデンサ6のキャパシタンスCZ2 を規定したもので
ある。
【0026】VB <VBB 但しVBB :数V以下の所定電圧 従って、この図1の実施例によれば、運転中、モータ3
の軸受3Fに印加される軸電圧VB は、常に確実に予想
破壊電圧VBB 以下に抑えられ、この結果、軸受3Fに
油膜の破壊や損傷が発生するのを防止することができ
る。
の軸受3Fに印加される軸電圧VB は、常に確実に予想
破壊電圧VBB 以下に抑えられ、この結果、軸受3Fに
油膜の破壊や損傷が発生するのを防止することができ
る。
【0027】次に、本発明の他の実施例について説明す
る。図3は、本発明の他の一実施例で、この実施例が図
1の実施例と異なる点は、共通コンデンサを用いずに、
共通リアクトル5だけで中性点0に印加される電圧V0
を抑え、軸電圧VB を予想破壊電圧VBB 以下にするこ
とができるようにした点だけで、その他の構成は同じで
ある。
る。図3は、本発明の他の一実施例で、この実施例が図
1の実施例と異なる点は、共通コンデンサを用いずに、
共通リアクトル5だけで中性点0に印加される電圧V0
を抑え、軸電圧VB を予想破壊電圧VBB 以下にするこ
とができるようにした点だけで、その他の構成は同じで
ある。
【0028】この図3の実施例におけるモータ巻線中性
点0の電圧V0 と、モータ3の軸受に印加される電圧、
すなわち、軸電圧VB は、各々上記した(数1)式と(数
2)式において、Cz2=0(Zz2=∞)とおくことに
より得ることができ、共通リアクトル5のインダクタン
スLz1(Zz1=jωLz1)の値を調整することにより、同
じく、軸電圧VB と予想破壊電圧VBB について、 VB <VBB という条件を満足させることができ、この結果、モータ
3の軸受に油膜の破壊や損傷が発生するのを確実に防止
することができる。
点0の電圧V0 と、モータ3の軸受に印加される電圧、
すなわち、軸電圧VB は、各々上記した(数1)式と(数
2)式において、Cz2=0(Zz2=∞)とおくことに
より得ることができ、共通リアクトル5のインダクタン
スLz1(Zz1=jωLz1)の値を調整することにより、同
じく、軸電圧VB と予想破壊電圧VBB について、 VB <VBB という条件を満足させることができ、この結果、モータ
3の軸受に油膜の破壊や損傷が発生するのを確実に防止
することができる。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、PWM制御インバータ
で発生された零相電圧がそのままモータ巻線の中性点に
印加されるのではなく、共通リアクトルのインダクタン
ス及びモータ内の等価回路、又はこのインダクタンスと
共通コンデンサのキャパシタンス及びモータ内の等価回
路によって分圧されてモータ巻線の中性点に現われるよ
うにしたので、モータ巻線の中性点に現われる電圧を抑
え、モータの軸受に印加される軸電圧を容易に予想破壊
電圧以下にすることができ、この結果、軸受に油膜の破
壊や損傷が発生するのを防止することができる。
で発生された零相電圧がそのままモータ巻線の中性点に
印加されるのではなく、共通リアクトルのインダクタン
ス及びモータ内の等価回路、又はこのインダクタンスと
共通コンデンサのキャパシタンス及びモータ内の等価回
路によって分圧されてモータ巻線の中性点に現われるよ
うにしたので、モータ巻線の中性点に現われる電圧を抑
え、モータの軸受に印加される軸電圧を容易に予想破壊
電圧以下にすることができ、この結果、軸受に油膜の破
壊や損傷が発生するのを防止することができる。
【0030】そして、この結果、モータの長寿命化が確
実に得られると共に、PWM制御インバータのスイッチ
ング周波数を上げることによるモータの高効率化と低騒
音化を充分に図ることができる。
実に得られると共に、PWM制御インバータのスイッチ
ング周波数を上げることによるモータの高効率化と低騒
音化を充分に図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるインバータ装置の第一の実施例を
示す回路構成図である。
示す回路構成図である。
【図2】本発明によるインバータ装置の第一の実施例に
おける零相分についての等価回路図である。
おける零相分についての等価回路図である。
【図3】本発明によるインバータ装置の第二の実施例を
示す回路構成図である。
示す回路構成図である。
【図4】インバータ装置の従来例を示す回路構成図であ
る。
る。
【図5】モータの等価回路図である。
【図6】インバータ装置の従来例における零相分につい
ての等価回路図である。
ての等価回路図である。
【図7】零相電圧の波形図である。
1 電源(商用多相交流電源) 2 PWM制御インバータ 3 モータ 3B 固定子コア 3C ロータ(回転子) 3D モータの回転軸 3E モータのエンドブラケット あり、周知のよう
に、電機子巻線(一次コ 3F 軸受(ベアリング) 5 共通リアクトル 6 共通コンデンサ 0 モータ巻線中性点 0’ インバータ仮想接地点 VBB 軸受油膜の予想絶縁破壊電圧 VB 軸受に印加される電圧(軸電圧) V0 モータ巻線中性点0の電圧 Vz 零相電圧 CS 巻線−ステータコア間静電容量 CE 巻線−ロータ間静電容量 CG ステータ−ロータ間静電容量 CB 軸受−エンドブラケット間静電容量 Lz1 共通リアクトル5のインダクタンス Cz2 解決手段コンデンサのキャパシタンス C0’ インバータの浮遊静電容量
に、電機子巻線(一次コ 3F 軸受(ベアリング) 5 共通リアクトル 6 共通コンデンサ 0 モータ巻線中性点 0’ インバータ仮想接地点 VBB 軸受油膜の予想絶縁破壊電圧 VB 軸受に印加される電圧(軸電圧) V0 モータ巻線中性点0の電圧 Vz 零相電圧 CS 巻線−ステータコア間静電容量 CE 巻線−ロータ間静電容量 CG ステータ−ロータ間静電容量 CB 軸受−エンドブラケット間静電容量 Lz1 共通リアクトル5のインダクタンス Cz2 解決手段コンデンサのキャパシタンス C0’ インバータの浮遊静電容量
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉富 達夫 新潟県北蒲原郡中条町大字富岡46番地1 株式会社日立製作所産業機器事業部内 (72)発明者 千田 信一 千葉県習志野市東習志野7丁目1番1号 習和産業株式会社内
Claims (2)
- 【請求項1】 主回路スイッチング素子のパルス幅変調
制御により、直流電力を多相交流電力に変換して電動機
に供給する方式のインバータ装置において、 上記インバータの出力端子と、上記電動機の入力端子の
間に直列に接続された誘導リアクタンス素子を設け、こ
の誘導リアクタンス素子のインピーダンス値を、上記イ
ンバータと上記電動機の各部位間に存在する浮遊容量に
よるインピーダンスに対して所定の値に設定することに
より、 上記電動機の巻線の中性点に現われる零相電圧を抑える
ように構成したことを特徴とするインバータ装置。 - 【請求項2】 主回路スイッチング素子のパルス幅変調
制御により、直流電力を多相交流電力に変換して電動機
に供給する方式のインバータ装置において、 上記インバータの出力端子と、上記電動機の入力端子の
間に直列に接続された誘導リアクタンス素子と、 この誘導リアクタンス素子のモータ入力端子側の接続点
と、共通電位点の間に接続された静電容量リアクタンス
素子とを設け、 これらの素子によるインピーダンスを、上記インバータ
とモータ各部位間に存在する浮遊容量によるインピーダ
ンスに対して所定の値に設定することにより、 上記電動機の巻線の中性点に現われる零相電圧を抑える
ように構成したことを特徴とするインバータ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8010134A JPH09205799A (ja) | 1996-01-24 | 1996-01-24 | インバータ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8010134A JPH09205799A (ja) | 1996-01-24 | 1996-01-24 | インバータ装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09205799A true JPH09205799A (ja) | 1997-08-05 |
Family
ID=11741827
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8010134A Pending JPH09205799A (ja) | 1996-01-24 | 1996-01-24 | インバータ装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09205799A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
1996
- 1996-01-24 JP JP8010134A patent/JPH09205799A/ja active Pending
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