JPH09205781A - 圧電体発電装置及びこれを備えた携帯型電力供給装置、携帯型電子機器 - Google Patents
圧電体発電装置及びこれを備えた携帯型電力供給装置、携帯型電子機器Info
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- JPH09205781A JPH09205781A JP8004362A JP436296A JPH09205781A JP H09205781 A JPH09205781 A JP H09205781A JP 8004362 A JP8004362 A JP 8004362A JP 436296 A JP436296 A JP 436296A JP H09205781 A JPH09205781 A JP H09205781A
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Classifications
-
- H—ELECTRICITY
- H02—GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
- H02N—ELECTRIC MACHINES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- H02N2/00—Electric machines in general using piezoelectric effect, electrostriction or magnetostriction
- H02N2/18—Electric machines in general using piezoelectric effect, electrostriction or magnetostriction producing electrical output from mechanical input, e.g. generators
- H02N2/186—Vibration harvesters
-
- H—ELECTRICITY
- H10—SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- H10N—ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- H10N30/00—Piezoelectric or electrostrictive devices
- H10N30/30—Piezoelectric or electrostrictive devices with mechanical input and electrical output, e.g. functioning as generators or sensors
- H10N30/304—Beam type
- H10N30/306—Cantilevers
Landscapes
- General Electrical Machinery Utilizing Piezoelectricity, Electrostriction Or Magnetostriction (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 歪みを加えることにより発電する圧電素子を
含む発電装置において、歪みエネルギから電気エネルギ
に変換する変換効率を向上させることにより、実際に使
用可能な小型で充電能力を備えた発電装置と、これを用
いた小型の携帯用電子機器を提供する。 【解決手段】 支持層26の両側を圧電体部22aおよ
び22bで挟んだサンドイッチ構造で、自由端23に比
べて支持端24の側の方が幅の広い振動片21を発電装
置として用いる。この振動片21の根元の部分まで圧電
体部22aおよび22bが延びているので、歪みのエネ
ルギを効率良く電気エネルギに変換できる。また、それ
ぞれの圧電体部22aおよび22bに積層構造を採用し
ているので、充電に最適な静電容量と起電圧を備えた発
電装置を実現できる。
含む発電装置において、歪みエネルギから電気エネルギ
に変換する変換効率を向上させることにより、実際に使
用可能な小型で充電能力を備えた発電装置と、これを用
いた小型の携帯用電子機器を提供する。 【解決手段】 支持層26の両側を圧電体部22aおよ
び22bで挟んだサンドイッチ構造で、自由端23に比
べて支持端24の側の方が幅の広い振動片21を発電装
置として用いる。この振動片21の根元の部分まで圧電
体部22aおよび22bが延びているので、歪みのエネ
ルギを効率良く電気エネルギに変換できる。また、それ
ぞれの圧電体部22aおよび22bに積層構造を採用し
ているので、充電に最適な静電容量と起電圧を備えた発
電装置を実現できる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、機械的な振動を用
いて発電する発電装置に関し、特に、時計などの小型・
携帯用機器に搭載可能であり、重りなどの運動エネルギ
を振動片を介して電気エネルギに変換する発電装置およ
びこれを備えた携帯型電子機器に関するものである。
いて発電する発電装置に関し、特に、時計などの小型・
携帯用機器に搭載可能であり、重りなどの運動エネルギ
を振動片を介して電気エネルギに変換する発電装置およ
びこれを備えた携帯型電子機器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】携帯時計用の小型電源装置として、回転
錘の運動により圧電素子に歪みを加え発電する携帯用小
型電源装置が特公昭51−17393号公報に記載され
ている。この携帯用小型電源装置は、バネ性レバーに圧
電素子が取付固定されており、レバーの振動により圧電
素子に繰り返し歪みが加えられ、これにより圧電素子に
発生した電力を電源として用いることが記載されてい
る。
錘の運動により圧電素子に歪みを加え発電する携帯用小
型電源装置が特公昭51−17393号公報に記載され
ている。この携帯用小型電源装置は、バネ性レバーに圧
電素子が取付固定されており、レバーの振動により圧電
素子に繰り返し歪みが加えられ、これにより圧電素子に
発生した電力を電源として用いることが記載されてい
る。
【0003】圧電素子を振動させることによって得られ
る電力を用いる発電装置においては、バネ性レバーおよ
び圧電素子に加えられるエネルギ(以下、入力エネルギ
と定義する)は、バネ性レバーの歪みエネルギ、圧電素
子の歪みエネルギ、および圧電素子の発電により蓄電部
に蓄えられる電気エネルギの3つに主に分けられる。こ
れらの内、発電装置として最も重要な電気エネルギは、
圧電素子の電気機械結合係数、圧電素子の充電しない時
の出力電圧(以下、起電圧という)および静電容量、蓄
電部の電圧(以下、コンデンサ電圧という)等により変
動するが、圧電素子の歪みエネルギの数%にしかならな
い。しかしながら、レバーが振動を繰り返すため圧電素
子に何度も歪みが与えられるので、バネ性レバーと圧電
素子の歪みエネルギを徐々に電気エネルギに変換でき
る。従って、最終的には、1回の振動で電気エネルギに
変換される量より多くの電気エネルギを得ることができ
る。しかし、入力エネルギに対する取り出した電気エネ
ルギのトータル量である変換効率は低く、変換効率を向
上することが実用上必要とされる。
る電力を用いる発電装置においては、バネ性レバーおよ
び圧電素子に加えられるエネルギ(以下、入力エネルギ
と定義する)は、バネ性レバーの歪みエネルギ、圧電素
子の歪みエネルギ、および圧電素子の発電により蓄電部
に蓄えられる電気エネルギの3つに主に分けられる。こ
れらの内、発電装置として最も重要な電気エネルギは、
圧電素子の電気機械結合係数、圧電素子の充電しない時
の出力電圧(以下、起電圧という)および静電容量、蓄
電部の電圧(以下、コンデンサ電圧という)等により変
動するが、圧電素子の歪みエネルギの数%にしかならな
い。しかしながら、レバーが振動を繰り返すため圧電素
子に何度も歪みが与えられるので、バネ性レバーと圧電
素子の歪みエネルギを徐々に電気エネルギに変換でき
る。従って、最終的には、1回の振動で電気エネルギに
変換される量より多くの電気エネルギを得ることができ
る。しかし、入力エネルギに対する取り出した電気エネ
ルギのトータル量である変換効率は低く、変換効率を向
上することが実用上必要とされる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このように、特公昭5
1−17393号公報に記載された圧電素子を用いた発
電装置は発電は可能であるが、携帯用としては形状が著
しく大きくなる。そこで、本発明においては、圧電素子
を用いた発電装置を実用化するために、本願発明者らは
以下のような項目を検討し、さらに変換効率の高い小型
の発電装置を提供可能にすることを目的としている。
1−17393号公報に記載された圧電素子を用いた発
電装置は発電は可能であるが、携帯用としては形状が著
しく大きくなる。そこで、本発明においては、圧電素子
を用いた発電装置を実用化するために、本願発明者らは
以下のような項目を検討し、さらに変換効率の高い小型
の発電装置を提供可能にすることを目的としている。
【0005】第1に、バネ性レバーおよび圧電素子から
なる片持ち梁においては、バネ性レバーおよび圧電素子
の歪みエネルギが固定部から逃げ易い。このため、エネ
ルギ損失(以下、振動漏れという)が大きくなり、変換
効率の向上が難しい。この振動漏れを少なくするために
は、固定部の剛性を高くすれば良いが、固定部が大型化
し、携帯用には限界がある。
なる片持ち梁においては、バネ性レバーおよび圧電素子
の歪みエネルギが固定部から逃げ易い。このため、エネ
ルギ損失(以下、振動漏れという)が大きくなり、変換
効率の向上が難しい。この振動漏れを少なくするために
は、固定部の剛性を高くすれば良いが、固定部が大型化
し、携帯用には限界がある。
【0006】第2に、圧電素子は、それ自体に与えられ
た圧縮または引張のみの歪みエネルギを圧縮あるいは引
張に応じた効率で電気エネルギに変換する。この際、バ
ネ性レバーの歪みエネルギの僅かな部分しか圧電素子の
歪みエネルギとして与えられないので変換効率が非常に
低い。特に、最も歪みの大きなバネ性レバーの根元の部
分の歪みエネルギが圧電素子に与えられていないので変
換効率が非常に低い。また、バネ性レバーと圧電素子は
接着層を介して接合されているので、この接着層が緩衝
材になり圧電素子に加わる歪みを減少させたり、接着層
でのエネルギ損失を発生する。従って、入力エネルギは
殆ど振動漏れとして損失してしまう。
た圧縮または引張のみの歪みエネルギを圧縮あるいは引
張に応じた効率で電気エネルギに変換する。この際、バ
ネ性レバーの歪みエネルギの僅かな部分しか圧電素子の
歪みエネルギとして与えられないので変換効率が非常に
低い。特に、最も歪みの大きなバネ性レバーの根元の部
分の歪みエネルギが圧電素子に与えられていないので変
換効率が非常に低い。また、バネ性レバーと圧電素子は
接着層を介して接合されているので、この接着層が緩衝
材になり圧電素子に加わる歪みを減少させたり、接着層
でのエネルギ損失を発生する。従って、入力エネルギは
殆ど振動漏れとして損失してしまう。
【0007】第3に、圧電素子の静電容量が小さいた
め、圧電素子を用いた発電装置は、高電圧は容易に得ら
れるが、発生する電流は非常に小さく携帯用の電子機器
で使用する数Vレベルの電源の充電に用いるには効率が
悪い。
め、圧電素子を用いた発電装置は、高電圧は容易に得ら
れるが、発生する電流は非常に小さく携帯用の電子機器
で使用する数Vレベルの電源の充電に用いるには効率が
悪い。
【0008】第4に、振動片の構成上、弾性波の伝搬方
向と電圧の方向が直交する横効果を用いて発電するのが
便利であるが、電気機械結合係数の大きな伝搬方向と電
圧の方向が同じ縦効果を用いて発電できればさらに変換
効率を向上できる。しかしながら、従来の振動片の構成
では縦効果を利用しにくい。
向と電圧の方向が直交する横効果を用いて発電するのが
便利であるが、電気機械結合係数の大きな伝搬方向と電
圧の方向が同じ縦効果を用いて発電できればさらに変換
効率を向上できる。しかしながら、従来の振動片の構成
では縦効果を利用しにくい。
【0009】このように、本願発明においては、圧電素
子を用いた発電装置の変換効率を向上し、小型で携帯用
として実用化可能な発電装置を提供することを目的とし
ている。そして、振動漏れが少なく、歪みのエネルギを
効率良く利用でき、さらに、電流値の大きな発電装置を
提供することを目的としている。また、縦効果を用いて
発電可能な発電装置を提供することも本発明の目的の1
つである。さらに、振動の減衰が少なく、機械エネルギ
を効率良く電気エネルギに変換可能な発電装置を提供す
ることも目的としている。そして、携帯用の電子機器に
好適な発電装置、および発電装置を備えた携帯用電子機
器を提供することを目的としている。
子を用いた発電装置の変換効率を向上し、小型で携帯用
として実用化可能な発電装置を提供することを目的とし
ている。そして、振動漏れが少なく、歪みのエネルギを
効率良く利用でき、さらに、電流値の大きな発電装置を
提供することを目的としている。また、縦効果を用いて
発電可能な発電装置を提供することも本発明の目的の1
つである。さらに、振動の減衰が少なく、機械エネルギ
を効率良く電気エネルギに変換可能な発電装置を提供す
ることも目的としている。そして、携帯用の電子機器に
好適な発電装置、および発電装置を備えた携帯用電子機
器を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の圧電体を用いた
発電装置においては、圧電体を振動片の根元まで延ば
し、さらに、バネ性レバーなどの支持層の占める割合を
所定の範囲に限定することにより、歪みエネルギを有効
に活用して発電できるようにしている。すなわち、本発
明の圧電体発電装置は、支持層を挟んで積層された少な
くとも2つの圧電体部と、これら圧電体部の少なくとも
1部を覆う電極とを備え、これらの電極から交流を出力
可能な発電部を有しており、この発電部が自由振動を行
う自由端と、この自由端を支持する支持端とを備えた振
動片の少なくとも支持端の側に設けられていることを特
徴としている。さらに、この発電部における支持層の断
面積の比率を約60%以下に止めている。2つの圧電体
部が直に、あるいは電極を挟んで積層されていてももち
ろん良い。
発電装置においては、圧電体を振動片の根元まで延ば
し、さらに、バネ性レバーなどの支持層の占める割合を
所定の範囲に限定することにより、歪みエネルギを有効
に活用して発電できるようにしている。すなわち、本発
明の圧電体発電装置は、支持層を挟んで積層された少な
くとも2つの圧電体部と、これら圧電体部の少なくとも
1部を覆う電極とを備え、これらの電極から交流を出力
可能な発電部を有しており、この発電部が自由振動を行
う自由端と、この自由端を支持する支持端とを備えた振
動片の少なくとも支持端の側に設けられていることを特
徴としている。さらに、この発電部における支持層の断
面積の比率を約60%以下に止めている。2つの圧電体
部が直に、あるいは電極を挟んで積層されていてももち
ろん良い。
【0011】このような圧電体発電装置においては、歪
みが最も大きく、歪みエネルギの逃げやすい振動片の支
持端の側、すなわち、振動片の根元に圧電体部を設ける
ことにより、この部分の歪みエネルギを圧電体部に効率
良く伝達し、電気エネルギに変換できるようにしてい
る。さらに、バネ性レバーなどの支持層に歪みエネルギ
のほとんどが集中すると、これを圧電体部に回収し、電
気エネルギに変換するのが難しくなる。従って、後述す
る実験結果に基づき支持層の断面積の比率を高い変換効
率の得られる範囲に止めるようにしている。
みが最も大きく、歪みエネルギの逃げやすい振動片の支
持端の側、すなわち、振動片の根元に圧電体部を設ける
ことにより、この部分の歪みエネルギを圧電体部に効率
良く伝達し、電気エネルギに変換できるようにしてい
る。さらに、バネ性レバーなどの支持層に歪みエネルギ
のほとんどが集中すると、これを圧電体部に回収し、電
気エネルギに変換するのが難しくなる。従って、後述す
る実験結果に基づき支持層の断面積の比率を高い変換効
率の得られる範囲に止めるようにしている。
【0012】薄い支持層を圧電体部で挟んだサンドイッ
チ構造の振動片は、支持層に伝わる歪みエネルギの量を
少なくすることができる。また、支持層にエネルギを入
力する際の衝突面などの打撃を受ける部分を設けること
ができるので圧電体部に対する直接の衝撃を回避でき、
信頼性の高い発電装置を実現できる。振動片の自由端の
先に重りを付加し、この重りに打撃を与えて自由振動を
行わせることにより、さらに衝撃などによるトラブルを
防止できる。
チ構造の振動片は、支持層に伝わる歪みエネルギの量を
少なくすることができる。また、支持層にエネルギを入
力する際の衝突面などの打撃を受ける部分を設けること
ができるので圧電体部に対する直接の衝撃を回避でき、
信頼性の高い発電装置を実現できる。振動片の自由端の
先に重りを付加し、この重りに打撃を与えて自由振動を
行わせることにより、さらに衝撃などによるトラブルを
防止できる。
【0013】また、支持層を含めたサンドイッチ構造を
採用することにより、支持層を圧電体部の電気経路とし
ても利用可能である。従って、支持層を用いて圧電体部
を直列および並列に接続したり、整流装置への接続用の
電極として用いることができる。
採用することにより、支持層を圧電体部の電気経路とし
ても利用可能である。従って、支持層を用いて圧電体部
を直列および並列に接続したり、整流装置への接続用の
電極として用いることができる。
【0014】さらに、振動片の振動方向に直交する圧電
体部の幅方向の寸法を、自由端の側の対し支持端の側の
方が広くなるほぼ三角形あるいは台形状の振動片とする
ことが望ましい。これにより、振動に起因する応力を圧
電体部にほぼ均等に分散できるので、変換効率を高める
ことができる。
体部の幅方向の寸法を、自由端の側の対し支持端の側の
方が広くなるほぼ三角形あるいは台形状の振動片とする
ことが望ましい。これにより、振動に起因する応力を圧
電体部にほぼ均等に分散できるので、変換効率を高める
ことができる。
【0015】振動片の支持端の側を固定部材に固定する
場合には、その固定する部分と、この固定する部分から
自由端の方向に向かって伸びた部分とに圧電体部を設け
ることによって、振動片の根元の歪みエネルギを電気エ
ネルギに変換し易くなる。この場合、電極は少なくとも
圧電体部の一部を覆うように形成されていればよく、伸
びた部分、固定する部分のいずれにも設けることがで
き、また圧電体部の全面を覆うように形成しても良い。
ただし、電極は伸びた部分に設け、固定する部分にはで
きるだけ設けないようにすることが望ましい。圧電体部
を延在させた部分に電極を設けることで、振動片の根元
を発電部として活用でき、ここに加わる歪みエネルギを
より一層効率的に活用することができる。その一方で、
振動片を固定する部分は発電には寄与しないので、この
部分には電極を設けず、電荷が分散されるのを防止して
起電圧の低下を抑制できる。一方、圧電体部を固定する
部分まで延ばすことにより、圧電体部の端部に加わる応
力を緩和できる。つまり、圧電体部を固定する部分まで
延ばすことにより、自由端から支持端を経て固定する部
分まで圧電体部が存在し、応力が圧電体部の根元側の一
箇所に集中するのを避けられるので、圧電体部の破損等
を防止できる。
場合には、その固定する部分と、この固定する部分から
自由端の方向に向かって伸びた部分とに圧電体部を設け
ることによって、振動片の根元の歪みエネルギを電気エ
ネルギに変換し易くなる。この場合、電極は少なくとも
圧電体部の一部を覆うように形成されていればよく、伸
びた部分、固定する部分のいずれにも設けることがで
き、また圧電体部の全面を覆うように形成しても良い。
ただし、電極は伸びた部分に設け、固定する部分にはで
きるだけ設けないようにすることが望ましい。圧電体部
を延在させた部分に電極を設けることで、振動片の根元
を発電部として活用でき、ここに加わる歪みエネルギを
より一層効率的に活用することができる。その一方で、
振動片を固定する部分は発電には寄与しないので、この
部分には電極を設けず、電荷が分散されるのを防止して
起電圧の低下を抑制できる。一方、圧電体部を固定する
部分まで延ばすことにより、圧電体部の端部に加わる応
力を緩和できる。つまり、圧電体部を固定する部分まで
延ばすことにより、自由端から支持端を経て固定する部
分まで圧電体部が存在し、応力が圧電体部の根元側の一
箇所に集中するのを避けられるので、圧電体部の破損等
を防止できる。
【0016】発電装置は、充電する系統の電圧より高い
電圧を発生する必要がある。さらに、振動片を用いた発
電装置では振動の減衰に伴って起電圧が低下するので、
初期にある程度の起電圧が必要となる。従って、上述し
たように電極の面積を不必要に広げないようにすると共
に、発電装置に用いられる圧電体部の第1および第2の
圧電体部の分極方向を逆方向とし、これら第1および第
2の圧電体部を直列に接続することによって高い起電圧
を得られるようにすることが望ましい。分極方向を逆方
向にすることによって、第1および第2の発電体部が支
持層を介して直列に接続されるので、振動片の両面から
高い起電圧を得ることができる。従って、振動片の初期
の変位が小さくとも十分な起電圧が得られるので、振動
の減衰によるエネルギ損失を小さくすることができ、変
換効率を上げられる。
電圧を発生する必要がある。さらに、振動片を用いた発
電装置では振動の減衰に伴って起電圧が低下するので、
初期にある程度の起電圧が必要となる。従って、上述し
たように電極の面積を不必要に広げないようにすると共
に、発電装置に用いられる圧電体部の第1および第2の
圧電体部の分極方向を逆方向とし、これら第1および第
2の圧電体部を直列に接続することによって高い起電圧
を得られるようにすることが望ましい。分極方向を逆方
向にすることによって、第1および第2の発電体部が支
持層を介して直列に接続されるので、振動片の両面から
高い起電圧を得ることができる。従って、振動片の初期
の変位が小さくとも十分な起電圧が得られるので、振動
の減衰によるエネルギ損失を小さくすることができ、変
換効率を上げられる。
【0017】また、発電装置としては、発生電流の値を
上げることも重要である。特に、圧電素子を用いた発電
装置は、電圧に比べ電流を得難いので、電流値を増加さ
せることが望ましい。本発明の圧電体発電装置において
は、分極した方向に積層された複数の圧電体層によって
圧電体部を構成し、電極を挟んでこれらの圧電体層を並
列に接続するようにしている。これによって、発電に寄
与する部分の電極面積を広げることができ、さらに、薄
い発電体層を積層することによって圧電体部の断面を確
保できる。このため、発電部の容量を大幅に増加できる
ので、大きな電流値が得られる。
上げることも重要である。特に、圧電素子を用いた発電
装置は、電圧に比べ電流を得難いので、電流値を増加さ
せることが望ましい。本発明の圧電体発電装置において
は、分極した方向に積層された複数の圧電体層によって
圧電体部を構成し、電極を挟んでこれらの圧電体層を並
列に接続するようにしている。これによって、発電に寄
与する部分の電極面積を広げることができ、さらに、薄
い発電体層を積層することによって圧電体部の断面を確
保できる。このため、発電部の容量を大幅に増加できる
ので、大きな電流値が得られる。
【0018】圧電体部が振動片の自由端および支持端を
結ぶ方向とほぼ直交する方向に分極している場合は、横
効果を用いた発電が可能であり、また、圧電体部が振動
片の自由端および支持端を結ぶ方向にほぼ沿って分極し
ている場合は、縦効果を用いた発電が可能である。特
に、縦効果を用いて発電することにより、高い結合係数
を利用して発電できるので、変換効率を大幅に向上でき
る。
結ぶ方向とほぼ直交する方向に分極している場合は、横
効果を用いた発電が可能であり、また、圧電体部が振動
片の自由端および支持端を結ぶ方向にほぼ沿って分極し
ている場合は、縦効果を用いた発電が可能である。特
に、縦効果を用いて発電することにより、高い結合係数
を利用して発電できるので、変換効率を大幅に向上でき
る。
【0019】さらに、発電部を備えた2つの振動片を音
叉型に組み合わせることにより、振動の継続性に優れた
構造となるので、振動の減衰が小さくなり、変換効率を
向上できる。振動の減衰を抑制し、変換効率を向上する
ためには、音叉型に組み合わせた2つの振動片に逆方向
の変位を加える加振機構を用いることが望ましい。この
ような加振機構によって、音叉としての振動モードを発
生させることができる。
叉型に組み合わせることにより、振動の継続性に優れた
構造となるので、振動の減衰が小さくなり、変換効率を
向上できる。振動の減衰を抑制し、変換効率を向上する
ためには、音叉型に組み合わせた2つの振動片に逆方向
の変位を加える加振機構を用いることが望ましい。この
ような加振機構によって、音叉としての振動モードを発
生させることができる。
【0020】加振機構としては、2つの振動片のいずれ
か一方の自由端の側を他方の振動片の方向に向かって打
つ打撃部と、一方の振動片に打撃が与えられると他方の
振動片の自由端の側が衝突する壁部とを備えたものを採
用でき、音叉型に組み合わされた2つの振動片を打撃部
および壁部によって挟み込むことで加振できる。この打
撃部は、振り子状に動く重りによって動かすことが可能
である。
か一方の自由端の側を他方の振動片の方向に向かって打
つ打撃部と、一方の振動片に打撃が与えられると他方の
振動片の自由端の側が衝突する壁部とを備えたものを採
用でき、音叉型に組み合わされた2つの振動片を打撃部
および壁部によって挟み込むことで加振できる。この打
撃部は、振り子状に動く重りによって動かすことが可能
である。
【0021】さらに、音叉型に組み合わされた2つの振
動片は振り子状に動くように支持され、加振機構として
振動片の一方の自由端の側が衝突する壁部を設けておけ
ば、音叉型に組み合わされた2つの振動片が振り動かさ
れることによって、2つの振動片には逆方向の変位が与
えられるので、減衰の少ない音叉の振動モードにでき
る。また、加振機構によって、音叉型に組み合わされた
2つの振動片の支持端の側を連絡する部材のほぼ中央を
振動片の側から打撃を与えても2つの振動片に逆方向の
変位を印加できる。さらに、加振機構として、音叉型に
組み合わされた2つの振動片の自由端の側の間隔を広げ
る第1の部分と、2つの振動片の自由端の間に納まる第
2の部分とを備えた加振部材を設け、第1の部分および
第2の部分を交互に2つの振動片の自由端の側の間に挿
入することによっても2つの振動片に逆方向の変位を与
えられる。
動片は振り子状に動くように支持され、加振機構として
振動片の一方の自由端の側が衝突する壁部を設けておけ
ば、音叉型に組み合わされた2つの振動片が振り動かさ
れることによって、2つの振動片には逆方向の変位が与
えられるので、減衰の少ない音叉の振動モードにでき
る。また、加振機構によって、音叉型に組み合わされた
2つの振動片の支持端の側を連絡する部材のほぼ中央を
振動片の側から打撃を与えても2つの振動片に逆方向の
変位を印加できる。さらに、加振機構として、音叉型に
組み合わされた2つの振動片の自由端の側の間隔を広げ
る第1の部分と、2つの振動片の自由端の間に納まる第
2の部分とを備えた加振部材を設け、第1の部分および
第2の部分を交互に2つの振動片の自由端の側の間に挿
入することによっても2つの振動片に逆方向の変位を与
えられる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に基づいてさ
らに詳しく説明する。
らに詳しく説明する。
【0023】〔実施例1〕図1に本発明の実施例1に係
る発電装置を備えた腕時計装置の概要を示してある。本
例の腕時計装置10は、ケース1の内部に収納された発
電装置20、これを駆動する駆動系11、発電装置20
から得られた交流電流を整流する整流回路2、整流され
た電流を蓄積する蓄電回路4、さらに、発電された電流
によって計時処理を行う処理装置6を備えている。処理
装置6は、時計部7を駆動したりアラーム処理を行うな
どの計時処理の他にラジオ、ページャーあるいパソコン
などの機能を備えているものであってももちろん良い。
また、本例では、蓄電回路4にコンデンサ5を用いてい
るが、2次電池などの電力蓄積能力を備えたものであれ
ば良い。整流回路2は、本例のようにダイオード3を用
いた全波整流に限定されず、半波整流回路であっても良
く、インバータなどを用いた整流回路であってももちろ
ん良い。図1では本例の腕時計装置を概念図を用いて示
してあるが、整流回路2、蓄電回路4および処理装置6
などは、後述する駆動系11と平面的に重なる様に配置
されており、装置全体の小型化が図られている。
る発電装置を備えた腕時計装置の概要を示してある。本
例の腕時計装置10は、ケース1の内部に収納された発
電装置20、これを駆動する駆動系11、発電装置20
から得られた交流電流を整流する整流回路2、整流され
た電流を蓄積する蓄電回路4、さらに、発電された電流
によって計時処理を行う処理装置6を備えている。処理
装置6は、時計部7を駆動したりアラーム処理を行うな
どの計時処理の他にラジオ、ページャーあるいパソコン
などの機能を備えているものであってももちろん良い。
また、本例では、蓄電回路4にコンデンサ5を用いてい
るが、2次電池などの電力蓄積能力を備えたものであれ
ば良い。整流回路2は、本例のようにダイオード3を用
いた全波整流に限定されず、半波整流回路であっても良
く、インバータなどを用いた整流回路であってももちろ
ん良い。図1では本例の腕時計装置を概念図を用いて示
してあるが、整流回路2、蓄電回路4および処理装置6
などは、後述する駆動系11と平面的に重なる様に配置
されており、装置全体の小型化が図られている。
【0024】本例の腕時計装置10に用いられている発
電装置20は、片持ち梁(カンチレバー)状に地板12
に固定された振動片21を備えている。振動片21の両
側に圧電体部22が設けられており、これらの圧電体部
22aおよび22bによって発電部が構成されている。
また、振動片21の先端23には重り25が取り付けら
れており、先端の重り25が駆動系11によって動かさ
れることにより振動片21が加振される。駆動系11に
よって加振されると、振動片21の先端が自由端23と
なり、地板12にネジ27で固定された側が支持端24
となって自由振動し、これに伴って圧電体部22に起電
力が発生する。
電装置20は、片持ち梁(カンチレバー)状に地板12
に固定された振動片21を備えている。振動片21の両
側に圧電体部22が設けられており、これらの圧電体部
22aおよび22bによって発電部が構成されている。
また、振動片21の先端23には重り25が取り付けら
れており、先端の重り25が駆動系11によって動かさ
れることにより振動片21が加振される。駆動系11に
よって加振されると、振動片21の先端が自由端23と
なり、地板12にネジ27で固定された側が支持端24
となって自由振動し、これに伴って圧電体部22に起電
力が発生する。
【0025】本例の駆動系11は、ケース1の内部で回
転運動を行う回転錘13を備えており、腕時計として装
着された際にこの回転錘13がユーザーの腕や体の動き
などと連動して回転し、その力を利用して振動片21に
振動を与えられるようにしている。このため、図2に示
すような構成の輪列を用いて回転錘13の運動を振動片
の先端の重り25に伝達している。まず、回転錘13の
動きは、回転錘車14によって中間車15に伝達され増
速される。この中間車15および後述する歯車やカム
は、ケース1内の地板12と、回転錘13を支持する回
転錘受16に挟まれて狭い空間にも輪列を構成できるよ
うにしている。中間車15の動きはカム駆動車17に伝
達され、このカム駆動車17によってカム19が左右に
駆動され、カム19の振動片の重り25の内部に納めら
れた突出部18が動く。従って、ユーザーが腕や体を動
かすなど、回転錘13に回転力が与えられるとその力に
よってカム19が左右に振動し、カム19の突出部18
が振動片の重り25を左右に打つ。この打撃によって、
振動片21には所定の変位が与えられ、歪みエネルギと
なって蓄積される。そして、カム19が中央に戻ると振
動片21が振動し、その振動によって圧電体部22に起
電力が発生する。なお、本例の駆動系11に用いられて
いるカム19には、駆動系の負荷を小さくするために慣
性モーメントの小さな柄タイプのカムが採用されてい
る。また、カム19を小型化できるようにカム駆動車1
7を中間車15に加えて設けてある。
転運動を行う回転錘13を備えており、腕時計として装
着された際にこの回転錘13がユーザーの腕や体の動き
などと連動して回転し、その力を利用して振動片21に
振動を与えられるようにしている。このため、図2に示
すような構成の輪列を用いて回転錘13の運動を振動片
の先端の重り25に伝達している。まず、回転錘13の
動きは、回転錘車14によって中間車15に伝達され増
速される。この中間車15および後述する歯車やカム
は、ケース1内の地板12と、回転錘13を支持する回
転錘受16に挟まれて狭い空間にも輪列を構成できるよ
うにしている。中間車15の動きはカム駆動車17に伝
達され、このカム駆動車17によってカム19が左右に
駆動され、カム19の振動片の重り25の内部に納めら
れた突出部18が動く。従って、ユーザーが腕や体を動
かすなど、回転錘13に回転力が与えられるとその力に
よってカム19が左右に振動し、カム19の突出部18
が振動片の重り25を左右に打つ。この打撃によって、
振動片21には所定の変位が与えられ、歪みエネルギと
なって蓄積される。そして、カム19が中央に戻ると振
動片21が振動し、その振動によって圧電体部22に起
電力が発生する。なお、本例の駆動系11に用いられて
いるカム19には、駆動系の負荷を小さくするために慣
性モーメントの小さな柄タイプのカムが採用されてい
る。また、カム19を小型化できるようにカム駆動車1
7を中間車15に加えて設けてある。
【0026】図3に、本例の発電装置20に採用されて
いる振動片21の概要を、振動片の上方から、すなわ
ち、図2に示した振動片を90°旋回させた状態で示し
てある。本例の振動片21は、先端に重り25のついた
自由端23の方が支持端24に比べて細い、全体がほぼ
台形をした板状であり、幅の広い支持端24の側にネジ
27によって地板12に固定された固定部28が設けら
れている。振動片21は、中心の金属性の支持層26を
2層の圧電体部22aおよび22bで挟んだサンドイッ
チ構造であり、支持端24の側の地板12と接触する箇
所から自由端23にわたって電極31が設けられてい
る。本例の振動片21は、先端についたコの字型の重り
25の内部をカムの突出部18によって駆動されるの
で、矢印Aで示す上下方向に加振される。そして、本例
の振動片21は、振動方向と直角な方向に広い板状にな
っているので、振動方向には比較的柔らかく、振動と直
交する方向には比較的固い構造となっている。このた
め、カム19によって印加された上下方向Aの歪みに呼
応して上下方向Aに安定した振動が励起されるようにな
っている。
いる振動片21の概要を、振動片の上方から、すなわ
ち、図2に示した振動片を90°旋回させた状態で示し
てある。本例の振動片21は、先端に重り25のついた
自由端23の方が支持端24に比べて細い、全体がほぼ
台形をした板状であり、幅の広い支持端24の側にネジ
27によって地板12に固定された固定部28が設けら
れている。振動片21は、中心の金属性の支持層26を
2層の圧電体部22aおよび22bで挟んだサンドイッ
チ構造であり、支持端24の側の地板12と接触する箇
所から自由端23にわたって電極31が設けられてい
る。本例の振動片21は、先端についたコの字型の重り
25の内部をカムの突出部18によって駆動されるの
で、矢印Aで示す上下方向に加振される。そして、本例
の振動片21は、振動方向と直角な方向に広い板状にな
っているので、振動方向には比較的柔らかく、振動と直
交する方向には比較的固い構造となっている。このた
め、カム19によって印加された上下方向Aの歪みに呼
応して上下方向Aに安定した振動が励起されるようにな
っている。
【0027】本例の振動片21は、支持層26の両側に
圧電体部22aおよび22bが設けられており、それぞ
れの圧電体部22aおよび22bが自由端23から支持
端24の側まで延びており、さらに、固定部28まで延
びている。従って、最も歪みの加わる振動片21の根元
の部分は圧電体部22aおよび22bによって覆われて
おり、その根元の部分の歪みエネルギを圧電体部22a
および22bによって電気エネルギに変換できるように
している。このため、同じ自己減衰率を持った梁状の振
動片であっても、1回の変位で取り出す電気エネルギを
大きくでき、変換効率を向上できる。この振動片21の
支持側24の固定部28から自由端23の側に向かって
延びる根元の部分は、振動漏れが生じ、歪みエネルギの
漏れやすい部分である。本例の発電装置では、このエネ
ルギの漏れの大きな部分に圧電体部を設け、その圧電体
部内に蓄積された歪みエネルギを圧電体部22aおよび
22bによって利用でき、さらに、支持層26に蓄積さ
れた歪みエネルギも利用して電気エネルギに変換でき
る。このため、大幅に変換効率を向上できる。
圧電体部22aおよび22bが設けられており、それぞ
れの圧電体部22aおよび22bが自由端23から支持
端24の側まで延びており、さらに、固定部28まで延
びている。従って、最も歪みの加わる振動片21の根元
の部分は圧電体部22aおよび22bによって覆われて
おり、その根元の部分の歪みエネルギを圧電体部22a
および22bによって電気エネルギに変換できるように
している。このため、同じ自己減衰率を持った梁状の振
動片であっても、1回の変位で取り出す電気エネルギを
大きくでき、変換効率を向上できる。この振動片21の
支持側24の固定部28から自由端23の側に向かって
延びる根元の部分は、振動漏れが生じ、歪みエネルギの
漏れやすい部分である。本例の発電装置では、このエネ
ルギの漏れの大きな部分に圧電体部を設け、その圧電体
部内に蓄積された歪みエネルギを圧電体部22aおよび
22bによって利用でき、さらに、支持層26に蓄積さ
れた歪みエネルギも利用して電気エネルギに変換でき
る。このため、大幅に変換効率を向上できる。
【0028】さらに、本例の発電装置の振動片21は、
支持側24の幅が広い形状となっている。このため、歪
みエネルギが最も大きい根元の部分に位置する圧電体部
22aおよび22bの断面積が大きくなっており、振動
片全体の圧電体部でほぼ均等な発電能力を発揮できるよ
うになっている。すなわち、振動片が振動する際の歪み
の量は自由端23の方向から支持端24の側に徐々に増
加し、本例の振動片においては、断面積も自由端23の
方向から支持端24の側に徐々に増加している。従っ
て、振動片に発生する応力は各断面によってほぼ等しく
なり、圧電体部の各部分がほぼ均等な発電能力を有する
ことになる。このため、電荷の分布や起電圧にばらつき
が少なくなり、効率の良い発電が行われる。
支持側24の幅が広い形状となっている。このため、歪
みエネルギが最も大きい根元の部分に位置する圧電体部
22aおよび22bの断面積が大きくなっており、振動
片全体の圧電体部でほぼ均等な発電能力を発揮できるよ
うになっている。すなわち、振動片が振動する際の歪み
の量は自由端23の方向から支持端24の側に徐々に増
加し、本例の振動片においては、断面積も自由端23の
方向から支持端24の側に徐々に増加している。従っ
て、振動片に発生する応力は各断面によってほぼ等しく
なり、圧電体部の各部分がほぼ均等な発電能力を有する
ことになる。このため、電荷の分布や起電圧にばらつき
が少なくなり、効率の良い発電が行われる。
【0029】また、圧電体部22aおよび22bが振動
片21の自由端23の側から支持端24の側に固定部2
8にわたって形成されているので、圧電体部の端に応力
が集中することはなく、圧電体部全体に応力を分散でき
る。従って、圧電体部に加わる応力集中が緩和でき、圧
電体部のはがれなどのトラブルも防止できる。
片21の自由端23の側から支持端24の側に固定部2
8にわたって形成されているので、圧電体部の端に応力
が集中することはなく、圧電体部全体に応力を分散でき
る。従って、圧電体部に加わる応力集中が緩和でき、圧
電体部のはがれなどのトラブルも防止できる。
【0030】図4に示すように、本例においては、それ
ぞれの圧電体部22aおよび22bが、振動方向に各々
3層の圧電体層が積層された層構造をなしている。これ
ら3層の圧電体層30a、30bおよび30cは、矢印
Xで示すように向かい合った方向に分極しており、3層
の圧電体層30a、30bおよび30cが電極31によ
って並列に接続し易い分極配置としてある。さらに、そ
れぞれの圧電体層の分極方向は、上下の圧電体部22a
および22b全体としては矢印Yで示すように分極方向
が支持層26を挟んで向かい合うように選択されてお
り、導電性のある金属性の支持層26によって上下の圧
電体部22aおよび22bが直列に接続されている。
ぞれの圧電体部22aおよび22bが、振動方向に各々
3層の圧電体層が積層された層構造をなしている。これ
ら3層の圧電体層30a、30bおよび30cは、矢印
Xで示すように向かい合った方向に分極しており、3層
の圧電体層30a、30bおよび30cが電極31によ
って並列に接続し易い分極配置としてある。さらに、そ
れぞれの圧電体層の分極方向は、上下の圧電体部22a
および22b全体としては矢印Yで示すように分極方向
が支持層26を挟んで向かい合うように選択されてお
り、導電性のある金属性の支持層26によって上下の圧
電体部22aおよび22bが直列に接続されている。
【0031】本例の振動片21は、上下方向Aの振動に
よって、例えば、支持層26の上方の圧電体部22aは
圧縮され、下方の圧電体部22bは引っ張られる。従っ
て、本例の振動片21は、電圧の発生する分極方向Yと
直角な方向に弾性波が伝搬する横効果を用いた発電用の
振動片である。また、支持層26を挟んで振動方向の上
下に圧電体部22aおよび22bが取り付けられている
ので、バイモルフタイプの圧電体を用いた発電用素子で
ある。
よって、例えば、支持層26の上方の圧電体部22aは
圧縮され、下方の圧電体部22bは引っ張られる。従っ
て、本例の振動片21は、電圧の発生する分極方向Yと
直角な方向に弾性波が伝搬する横効果を用いた発電用の
振動片である。また、支持層26を挟んで振動方向の上
下に圧電体部22aおよび22bが取り付けられている
ので、バイモルフタイプの圧電体を用いた発電用素子で
ある。
【0032】本例の振動片21は、図4からも判るよう
に、支持層26が振動片21の中で占める厚みの割合を
60%以下、望ましくは約20%となるようにしてい
る。すなわち、圧電体部22aおよび22bの合計の厚
みTpに対する支持層26の厚みTsの比を1:1ある
いはそれ以下にしている。すなわち、圧電体部22aお
よび22bの総断面積に対する支持層26の断面積の比
を1:1あるいはそれ以下にしている。図5に、燐青銅
を支持層26として採用し、セラミック系の圧電材料で
あるPZT(商標)を用いて圧電体部22aおよび22
bを構成した振動片において、支持層26の相対厚みに
よって振動片の電気機械結合係数(以下、結合係数と呼
ぶ)の変化する様子を示してある。結合係数は、圧電素
子における電気−機械の変換効率を表すものであり、本
例では機械的な形で入力されたエネルギに対し電気出力
に変換されるエネルギの比の平方根を示す。
に、支持層26が振動片21の中で占める厚みの割合を
60%以下、望ましくは約20%となるようにしてい
る。すなわち、圧電体部22aおよび22bの合計の厚
みTpに対する支持層26の厚みTsの比を1:1ある
いはそれ以下にしている。すなわち、圧電体部22aお
よび22bの総断面積に対する支持層26の断面積の比
を1:1あるいはそれ以下にしている。図5に、燐青銅
を支持層26として採用し、セラミック系の圧電材料で
あるPZT(商標)を用いて圧電体部22aおよび22
bを構成した振動片において、支持層26の相対厚みに
よって振動片の電気機械結合係数(以下、結合係数と呼
ぶ)の変化する様子を示してある。結合係数は、圧電素
子における電気−機械の変換効率を表すものであり、本
例では機械的な形で入力されたエネルギに対し電気出力
に変換されるエネルギの比の平方根を示す。
【0033】図5から判るように、相対的な支持層の厚
みが約20%程度で結合係数は最も大きくなり、その後
徐々に減少する。そして、相対厚みが約60%程度にな
ると支持層26がないもの、すなわち、圧電体部22a
および22bが直に接続された振動片と同等の結合係数
になり、支持層の相対厚みが60%程度を超えると結合
係数はほぼ単調に減少する。このような実験結果より、
支持層26の相対厚みは、振動片の厚みの60%程度以
内に納めることが望ましいことが判る。さらに、結合係
数を上げて変換効率の高い振動片とするには支持層の相
対厚みを20%程度とすることが望ましいことが判る。
支持層が厚くなると、支持層に蓄えられる歪みエネルギ
が大きくなり、圧電体部で電気エネルギに変換される割
合が減少すると考えられるので、支持層の厚みは上記の
範囲に止めることが望ましい。一方、支持層がない場合
は、歪みのエネルギが全て圧電体部に蓄積されるので変
換効率は向上する。しかし、与えられた衝撃力を歪みエ
ネルギとして蓄積する効率や振動の減衰などの要因を考
慮すると薄い支持層を設けた振動片の方が変換効率が高
くなっているものと考えられる。
みが約20%程度で結合係数は最も大きくなり、その後
徐々に減少する。そして、相対厚みが約60%程度にな
ると支持層26がないもの、すなわち、圧電体部22a
および22bが直に接続された振動片と同等の結合係数
になり、支持層の相対厚みが60%程度を超えると結合
係数はほぼ単調に減少する。このような実験結果より、
支持層26の相対厚みは、振動片の厚みの60%程度以
内に納めることが望ましいことが判る。さらに、結合係
数を上げて変換効率の高い振動片とするには支持層の相
対厚みを20%程度とすることが望ましいことが判る。
支持層が厚くなると、支持層に蓄えられる歪みエネルギ
が大きくなり、圧電体部で電気エネルギに変換される割
合が減少すると考えられるので、支持層の厚みは上記の
範囲に止めることが望ましい。一方、支持層がない場合
は、歪みのエネルギが全て圧電体部に蓄積されるので変
換効率は向上する。しかし、与えられた衝撃力を歪みエ
ネルギとして蓄積する効率や振動の減衰などの要因を考
慮すると薄い支持層を設けた振動片の方が変換効率が高
くなっているものと考えられる。
【0034】また、圧電体部22aおよび22bの間に
挟み込まれた金属製などの支持層26はほとんどの歪み
の加わらない中央付近に位置するため、機械的に入力さ
れた歪みの大部分は圧電体部22aおよび22bに蓄積
されると考えられる。すなわち、振動片21が変位した
場合を考えると、圧電体部22aおよび22bの設けら
れた上下の表面に近い部分の方が変位が大きく、支持層
26のある中央の付近の変位は小さい。従って、上記の
範囲の相対厚みの支持層であれば、歪みのエネルギを吸
収するマイナス側の寄与に対し、歪みのエネルギを振動
に変えるなどのプラス側の寄与の方が大きいと考えられ
る。従って、適当な厚みの支持層は1回の振動で発生で
きる電気エネルギの増大に役立ち、変換効率の向上を図
ることができると考えられる。また、振動片21には、
回転錘のような可動部材の衝撃によりエネルギが入力さ
れるケースが多く、このため、衝突面などを圧電素子で
構成すると圧電素子に損傷が発生し易い。特に、現在多
く利用されている圧電素子はセラミック系の素材であ
り、直接印加される衝撃は小さい方が望ましい。この
点、本例の発電装置であれば、支持層26に割れにくい
金属など用いることができ、この支持層26を介して機
械エネルギを振動片21に入力することができる。ま
た、導電性のある支持層26に、その両側に設けられた
圧電体部を電気的に接続する機能を持たせることも可能
である。衝撃によるトラブルを防止する点では、本例の
振動片21においては、先端に重り25を設け、この重
りに駆動系11から自由振動を行うための打撃が与えら
れるようにしてあり、圧電体部に対し直に衝撃が印加さ
れないようにしている。
挟み込まれた金属製などの支持層26はほとんどの歪み
の加わらない中央付近に位置するため、機械的に入力さ
れた歪みの大部分は圧電体部22aおよび22bに蓄積
されると考えられる。すなわち、振動片21が変位した
場合を考えると、圧電体部22aおよび22bの設けら
れた上下の表面に近い部分の方が変位が大きく、支持層
26のある中央の付近の変位は小さい。従って、上記の
範囲の相対厚みの支持層であれば、歪みのエネルギを吸
収するマイナス側の寄与に対し、歪みのエネルギを振動
に変えるなどのプラス側の寄与の方が大きいと考えられ
る。従って、適当な厚みの支持層は1回の振動で発生で
きる電気エネルギの増大に役立ち、変換効率の向上を図
ることができると考えられる。また、振動片21には、
回転錘のような可動部材の衝撃によりエネルギが入力さ
れるケースが多く、このため、衝突面などを圧電素子で
構成すると圧電素子に損傷が発生し易い。特に、現在多
く利用されている圧電素子はセラミック系の素材であ
り、直接印加される衝撃は小さい方が望ましい。この
点、本例の発電装置であれば、支持層26に割れにくい
金属など用いることができ、この支持層26を介して機
械エネルギを振動片21に入力することができる。ま
た、導電性のある支持層26に、その両側に設けられた
圧電体部を電気的に接続する機能を持たせることも可能
である。衝撃によるトラブルを防止する点では、本例の
振動片21においては、先端に重り25を設け、この重
りに駆動系11から自由振動を行うための打撃が与えら
れるようにしてあり、圧電体部に対し直に衝撃が印加さ
れないようにしている。
【0035】さらに、本例の振動片21においては、そ
れぞれの圧電体部22aおよび22bを3層の圧電体層
30a、30bおよび30cを積層することによって構
成してある。そして、これらの圧電体層30a、30b
および30cを電極31によって並列に接続している。
従って、各々の圧電体部22aおよび22bの電極面積
は積層しない場合と比較し3倍となるので静電容量は9
倍となり、開放状態での起電圧は1/3となる。さら
に、積層することによって、圧電体部22aおよび22
bの厚みを確保し易くなるので、支持層の相対的な厚み
を減らすことが容易となる。
れぞれの圧電体部22aおよび22bを3層の圧電体層
30a、30bおよび30cを積層することによって構
成してある。そして、これらの圧電体層30a、30b
および30cを電極31によって並列に接続している。
従って、各々の圧電体部22aおよび22bの電極面積
は積層しない場合と比較し3倍となるので静電容量は9
倍となり、開放状態での起電圧は1/3となる。さら
に、積層することによって、圧電体部22aおよび22
bの厚みを確保し易くなるので、支持層の相対的な厚み
を減らすことが容易となる。
【0036】また、本例の振動片21は、圧電体部22
aおよび22bの全体の分極方向Yを向かい合わせにし
てあるので、支持層26を介してこれらの圧電体部22
aおよび22bが直列に接続されている。従って、起電
圧は分極方向を同じにした振動片の2倍になる。
aおよび22bの全体の分極方向Yを向かい合わせにし
てあるので、支持層26を介してこれらの圧電体部22
aおよび22bが直列に接続されている。従って、起電
圧は分極方向を同じにした振動片の2倍になる。
【0037】圧電素子を用いた発電装置において、充電
しない場合は圧電素子に歪みを加えて発生する電気エネ
ルギは電気機械結合係数のみできまる。すなわち、どの
ような圧電素子でも電気機械結合係数が同じならば、同
じ入力エネルギに対して同じ電気エネルギを発生する。
しかしながら、充電によってコンデンサなどの蓄電回路
に蓄えられる電気エネルギは、電気機械結合係数に加
え、圧電素子の起電圧、静電容量およびコンデンサなど
の蓄電回路の電圧の関数になる。例えば、静電容量が大
きく起電圧が蓄電回路の電圧より低い発電装置を使用し
ても充電は不可能である。一方、静電容量が限りなく0
に近く、起電圧が無限大に近い発電装置を使用すると、
電荷が殆ど発生しないため充電量は僅かであり、現実的
には充電できない。従って、これらの条件の間で充電に
最も適した起電圧および静電容量を見いだすことが重要
となる。
しない場合は圧電素子に歪みを加えて発生する電気エネ
ルギは電気機械結合係数のみできまる。すなわち、どの
ような圧電素子でも電気機械結合係数が同じならば、同
じ入力エネルギに対して同じ電気エネルギを発生する。
しかしながら、充電によってコンデンサなどの蓄電回路
に蓄えられる電気エネルギは、電気機械結合係数に加
え、圧電素子の起電圧、静電容量およびコンデンサなど
の蓄電回路の電圧の関数になる。例えば、静電容量が大
きく起電圧が蓄電回路の電圧より低い発電装置を使用し
ても充電は不可能である。一方、静電容量が限りなく0
に近く、起電圧が無限大に近い発電装置を使用すると、
電荷が殆ど発生しないため充電量は僅かであり、現実的
には充電できない。従って、これらの条件の間で充電に
最も適した起電圧および静電容量を見いだすことが重要
となる。
【0038】本願発明者らの実験および検討によると圧
電体を用いた発電装置の起電圧が、蓄電回路の電圧の2
倍程度のときに最も充電量が大きくなることが判明して
いる。例えば、図1に示したコンデンサ5の電圧が1.
5Vであり、整流回路に用いているダイオードの損失が
0.5Vの合計2Vの系統に充電するには、起電圧が4
Vの発電装置が望ましい。さらに、振動片を用いた発電
装置においては、初期振動による起電圧が最も大きく、
振動が減衰するにつれて起電圧は減少する。従って、最
も充電量が大きくなるように初期起電圧を設定すること
が望ましい。
電体を用いた発電装置の起電圧が、蓄電回路の電圧の2
倍程度のときに最も充電量が大きくなることが判明して
いる。例えば、図1に示したコンデンサ5の電圧が1.
5Vであり、整流回路に用いているダイオードの損失が
0.5Vの合計2Vの系統に充電するには、起電圧が4
Vの発電装置が望ましい。さらに、振動片を用いた発電
装置においては、初期振動による起電圧が最も大きく、
振動が減衰するにつれて起電圧は減少する。従って、最
も充電量が大きくなるように初期起電圧を設定すること
が望ましい。
【0039】図6に、2V系の充電系統に充電する際の
効率と初期振動電圧との関係を示してある。この図から
判るように、2V系の充電系統に対しては初期振動電圧
が約10Vとなるように発電装置を設定することが望ま
しい。このように、同じ電気エネルギを蓄える能力があ
る発電装置であっても、発生する電流能力を大きくする
ためには、静電容量を大きくすることが不可欠であり、
その一方で、適当な初期起電圧が必要とされる。
効率と初期振動電圧との関係を示してある。この図から
判るように、2V系の充電系統に対しては初期振動電圧
が約10Vとなるように発電装置を設定することが望ま
しい。このように、同じ電気エネルギを蓄える能力があ
る発電装置であっても、発生する電流能力を大きくする
ためには、静電容量を大きくすることが不可欠であり、
その一方で、適当な初期起電圧が必要とされる。
【0040】さらに、振動片を用いた発電装置において
は、初期変位を大きくすることによって大きな初期起電
圧を得ることが可能である。しかしながら、図7に示す
ように振幅が大きくなると振動エネルギ損失率が大きく
なるので、トータルの充電量は減少してしまう。従っ
て、振幅はできるかぎり小さくして、適当な初期起電圧
を得ることが望ましい。
は、初期変位を大きくすることによって大きな初期起電
圧を得ることが可能である。しかしながら、図7に示す
ように振幅が大きくなると振動エネルギ損失率が大きく
なるので、トータルの充電量は減少してしまう。従っ
て、振幅はできるかぎり小さくして、適当な初期起電圧
を得ることが望ましい。
【0041】本例の振動片を用いた発電装置において
は、まず、各々の圧電体部22aおよび22bを積層構
造にして静電容量を大きくし、出力電流を増大してい
る。さらに、圧電体部22aおよび22bを直列に接続
することによって初期起電圧を高く保ち、小さな振幅で
あっても所定の初期起電圧が得られるようにしてある。
このように、本例の発電装置は、積層構造を採用するこ
とによって静電容量および起電圧の大きさを最適化する
ことが可能となり、変換効率が大きく、高い充電性能を
備えた発電装置を実現することができる。
は、まず、各々の圧電体部22aおよび22bを積層構
造にして静電容量を大きくし、出力電流を増大してい
る。さらに、圧電体部22aおよび22bを直列に接続
することによって初期起電圧を高く保ち、小さな振幅で
あっても所定の初期起電圧が得られるようにしてある。
このように、本例の発電装置は、積層構造を採用するこ
とによって静電容量および起電圧の大きさを最適化する
ことが可能となり、変換効率が大きく、高い充電性能を
備えた発電装置を実現することができる。
【0042】なお、本例においては、3層の積層構造を
示してあるが、蓄電回路の電圧や振動片の大きさ、変位
量などを考慮して積層する層の数は自由に設定可能であ
り、充電に最適な構造の圧電体部を備えた発電装置を提
供することができる。さらに、本例の発電装置は、振動
片のサイズを変更しないで圧電体部の静電容量を変更し
最適化できるという効果を備えている。上述したよう
に、積層する数は、入力機構の大きさや方式、充電回路
の電圧といった様々な要因により最適なものを選択する
設計事項ではある。しかしながら、現実には携帯用の電
子機器では発電部のサイズに限界があり、静電容量を調
整するために発電部のサイズを変更することは困難であ
るが、本例の発電装置を採用すればこれらの問題は解決
する。また、圧電素子は電圧が大きく静電容量が小さい
のが特徴であり、電荷を多く取ることが難しかったがこ
の問題も解決できる。
示してあるが、蓄電回路の電圧や振動片の大きさ、変位
量などを考慮して積層する層の数は自由に設定可能であ
り、充電に最適な構造の圧電体部を備えた発電装置を提
供することができる。さらに、本例の発電装置は、振動
片のサイズを変更しないで圧電体部の静電容量を変更し
最適化できるという効果を備えている。上述したよう
に、積層する数は、入力機構の大きさや方式、充電回路
の電圧といった様々な要因により最適なものを選択する
設計事項ではある。しかしながら、現実には携帯用の電
子機器では発電部のサイズに限界があり、静電容量を調
整するために発電部のサイズを変更することは困難であ
るが、本例の発電装置を採用すればこれらの問題は解決
する。また、圧電素子は電圧が大きく静電容量が小さい
のが特徴であり、電荷を多く取ることが難しかったがこ
の問題も解決できる。
【0043】また、図3に示すように、本例の発電装置
は、圧電体部22aおよび22bを覆う電極31を圧電
体部22aおよび22bと同様に振動片21の支持端2
4の側に延ばし、振動片21の固定部28に若干かかる
程度まで設けてある。もちろん、電極31を固定部28
にも設けるようにしても良いのであるが、本例において
は一層発電効率を高めるために固定部28には電極31
を設けていない。
は、圧電体部22aおよび22bを覆う電極31を圧電
体部22aおよび22bと同様に振動片21の支持端2
4の側に延ばし、振動片21の固定部28に若干かかる
程度まで設けてある。もちろん、電極31を固定部28
にも設けるようにしても良いのであるが、本例において
は一層発電効率を高めるために固定部28には電極31
を設けていない。
【0044】なぜならば、固定部28は、振動片21が
地板12に固着されている部分なのでほとんど歪みは発
生せず、従って、固定部28の圧電体部はわずかしか発
電に寄与しない。この発電にわずかしか寄与しない圧電
体の部分にまで電極31を設けておくと、発電に寄与す
る圧電体の部分で発生した電荷が分布してしまう可能性
があり、起電圧を低下させてしまうことが懸念される。
このため、本例においては、発電の大部分に寄与する圧
電体の部分に対応して電極31で覆い、起電圧を低下さ
せることなく発生電圧を高く保てるようにしている。こ
のように、本例の発電装置においては、静電容量を大き
くでき、さらに十分に高い起電圧が得られるので、振動
片の変位を小さくでき、振動の振幅も少なくて良い。従
って、振動片に励起される初期応力が小さくなるので、
振動片の耐久性が増し、長期間にわたって安定した発電
の可能は発電装置を提供することができる。
地板12に固着されている部分なのでほとんど歪みは発
生せず、従って、固定部28の圧電体部はわずかしか発
電に寄与しない。この発電にわずかしか寄与しない圧電
体の部分にまで電極31を設けておくと、発電に寄与す
る圧電体の部分で発生した電荷が分布してしまう可能性
があり、起電圧を低下させてしまうことが懸念される。
このため、本例においては、発電の大部分に寄与する圧
電体の部分に対応して電極31で覆い、起電圧を低下さ
せることなく発生電圧を高く保てるようにしている。こ
のように、本例の発電装置においては、静電容量を大き
くでき、さらに十分に高い起電圧が得られるので、振動
片の変位を小さくでき、振動の振幅も少なくて良い。従
って、振動片に励起される初期応力が小さくなるので、
振動片の耐久性が増し、長期間にわたって安定した発電
の可能は発電装置を提供することができる。
【0045】なお、本例においては、電極31の振動片
の上部に露出した部分を延ばして整流回路への接続部3
1aとしてある。また、振動片の下部に露出した部分を
地板12に接触させ、地板12を介して整流回路への接
続部31bに繋げてある。このように、本例の発電装置
においては、圧電体部によって発生した電気エネルギを
圧電体部の振動の受けにくいところ、すなわち、自由端
23とは逆側の支持端24の側、特に固定部28に設け
た出力線を介して取り出すようにしている。これは、圧
電体部の振動している部分に導線を配置すると、導線か
ら振動漏れを起こすことが考えられるからであり、本例
のように支持端の側、特に、固定部28から電力を取り
出すことにより、出力線に起因する振動漏れをほぼ完全
に防止することができる。
の上部に露出した部分を延ばして整流回路への接続部3
1aとしてある。また、振動片の下部に露出した部分を
地板12に接触させ、地板12を介して整流回路への接
続部31bに繋げてある。このように、本例の発電装置
においては、圧電体部によって発生した電気エネルギを
圧電体部の振動の受けにくいところ、すなわち、自由端
23とは逆側の支持端24の側、特に固定部28に設け
た出力線を介して取り出すようにしている。これは、圧
電体部の振動している部分に導線を配置すると、導線か
ら振動漏れを起こすことが考えられるからであり、本例
のように支持端の側、特に、固定部28から電力を取り
出すことにより、出力線に起因する振動漏れをほぼ完全
に防止することができる。
【0046】さらに、本例の振動片21は、その両側に
設けられた圧電体部22aおよび22bを支持層26に
蒸着あるいはスパッタリングなどの手法を用いて積層し
てある。従って、支持層26に接着剤などを用いて圧電
体部を設けた圧電装置と比較し、接着剤の厚みや硬度等
の影響よって接着剤が緩衝材になり圧電体部に加える歪
みが減少されたり、接着層でエネルギ損失を発生するこ
とはない。このため、支持層の歪みが効率良く圧電体部
に伝達され、変換効率を向上できる。また、接着強度差
や位置ズレがなく、梁の厚み及び幅の変動要因を削減で
きるので、対称度に優れており、自己減衰率の小さなも
のを安定して量産することが可能である。また、コスト
上のメリットもある。
設けられた圧電体部22aおよび22bを支持層26に
蒸着あるいはスパッタリングなどの手法を用いて積層し
てある。従って、支持層26に接着剤などを用いて圧電
体部を設けた圧電装置と比較し、接着剤の厚みや硬度等
の影響よって接着剤が緩衝材になり圧電体部に加える歪
みが減少されたり、接着層でエネルギ損失を発生するこ
とはない。このため、支持層の歪みが効率良く圧電体部
に伝達され、変換効率を向上できる。また、接着強度差
や位置ズレがなく、梁の厚み及び幅の変動要因を削減で
きるので、対称度に優れており、自己減衰率の小さなも
のを安定して量産することが可能である。また、コスト
上のメリットもある。
【0047】なお、振動片に初期の変位を与えるための
駆動系は、上記の回転錘を用いたものに限定されないこ
とはもちろんである。発電装置の振動片に対して歪みエ
ネルギを与えることができるものであれば特に制限はな
く、例えば、ばね自身、ばねを用いた揺動部材、振り
子、ハンマーなどでもよい。このような駆動系は、携帯
用の機器に適したできるだけ小型・軽量であることが望
ましい。
駆動系は、上記の回転錘を用いたものに限定されないこ
とはもちろんである。発電装置の振動片に対して歪みエ
ネルギを与えることができるものであれば特に制限はな
く、例えば、ばね自身、ばねを用いた揺動部材、振り
子、ハンマーなどでもよい。このような駆動系は、携帯
用の機器に適したできるだけ小型・軽量であることが望
ましい。
【0048】〔実施例2〕図8に、本発明の異なった実
施例に係る振動片を用いた発電装置を示してある。本例
の発電装置20の振動片21は、実施例1と同様にバイ
モルフタイプであり、共通する部分については同じ符号
を付して説明を省略する。本例の振動片21は、支持層
26の両側に構成された圧電体部22aおよび22bの
分極方向Xが振動片21の幅方向に分布し、振動方向A
に対しほぼ直角に傾いている。従って、電圧の発生方向
は上記の実施例1では振動片の上下の面33aおよび3
3bであるのに対し、本例の振動片21では左右の面3
4aおよび34bとなっている。このため、本例の振動
片21においては、一方の側方の面34bに整流回路に
接続するための電極31aおよび31bを設け、図8に
は示されていない他方の側方の面34aに圧電体部22
aおよび22bを直列に接続するための電極を設けてあ
る。また、本例の発電装置においても、振動によって発
生する弾性波の伝搬方向と電圧の方向は直交するので、
圧電素子の横効果を用いて発電が行われる。
施例に係る振動片を用いた発電装置を示してある。本例
の発電装置20の振動片21は、実施例1と同様にバイ
モルフタイプであり、共通する部分については同じ符号
を付して説明を省略する。本例の振動片21は、支持層
26の両側に構成された圧電体部22aおよび22bの
分極方向Xが振動片21の幅方向に分布し、振動方向A
に対しほぼ直角に傾いている。従って、電圧の発生方向
は上記の実施例1では振動片の上下の面33aおよび3
3bであるのに対し、本例の振動片21では左右の面3
4aおよび34bとなっている。このため、本例の振動
片21においては、一方の側方の面34bに整流回路に
接続するための電極31aおよび31bを設け、図8に
は示されていない他方の側方の面34aに圧電体部22
aおよび22bを直列に接続するための電極を設けてあ
る。また、本例の発電装置においても、振動によって発
生する弾性波の伝搬方向と電圧の方向は直交するので、
圧電素子の横効果を用いて発電が行われる。
【0049】本例の振動片21の圧電体部22aおよび
22bの各々は、実施例1に示した発電装置と同様に3
つの層35a、35bおよび35cから構成されてい
る。本例の発電装置においては、分極方向が振動片21
の幅方向、すなわち左右の方向であるので、実施例1で
は振動方向Aと同じ上下方向に3つの層が積層されてい
たのに対し、本例では、振動方向Aと直交する左右の方
向に3つの層35a、35bおよび35cが積層されて
いる。そして、これらの各層35a、35bおよび35
cは電極31によって並列に接続されている。また、圧
電体部22aおよび22bは、全体の分極方向が対峙す
る方向になっており、実施例1と同様に圧電体部22a
および22bが電極31によって直列に接続されてい
る。
22bの各々は、実施例1に示した発電装置と同様に3
つの層35a、35bおよび35cから構成されてい
る。本例の発電装置においては、分極方向が振動片21
の幅方向、すなわち左右の方向であるので、実施例1で
は振動方向Aと同じ上下方向に3つの層が積層されてい
たのに対し、本例では、振動方向Aと直交する左右の方
向に3つの層35a、35bおよび35cが積層されて
いる。そして、これらの各層35a、35bおよび35
cは電極31によって並列に接続されている。また、圧
電体部22aおよび22bは、全体の分極方向が対峙す
る方向になっており、実施例1と同様に圧電体部22a
および22bが電極31によって直列に接続されてい
る。
【0050】このような構成の本例の発電装置21は、
実施例1と同様に、振動片21の根元の部分まで圧電体
部が延びているので、振動片21の歪みエネルギを効率
良く電気エネルギに変換できる変換効率の高い発電装置
である。さらに、各圧電体部22aおよび22bに積層
構造を採用しているので、静電容量と起電圧の最適化が
容易に行え、効率の良く蓄電回路に充電できる。さら
に、電極31は、実際に発電に寄与する部分に設けられ
ているだけなので、起電圧を十分に高くとることがで
き、小さな振幅で十分な電力を確保できる。また、耐久
性も高いなど、実施例1に説明した発電装置と同様の効
果を備えている。
実施例1と同様に、振動片21の根元の部分まで圧電体
部が延びているので、振動片21の歪みエネルギを効率
良く電気エネルギに変換できる変換効率の高い発電装置
である。さらに、各圧電体部22aおよび22bに積層
構造を採用しているので、静電容量と起電圧の最適化が
容易に行え、効率の良く蓄電回路に充電できる。さら
に、電極31は、実際に発電に寄与する部分に設けられ
ているだけなので、起電圧を十分に高くとることがで
き、小さな振幅で十分な電力を確保できる。また、耐久
性も高いなど、実施例1に説明した発電装置と同様の効
果を備えている。
【0051】〔実施例3〕図9に、上記と異なる発明の
実施例に係る発電装置を振動片を中心に示してある。本
例の発電装置20は、ほぼ三角形をした振動片21を備
えており、この振動片21は2層の圧電体部22aおよ
び22bを張り合わせた構成にしてある。さらに、各々
の圧電体部22aおよび22bの分極方向は振動方向A
に沿った同じ方向に揃えてある。このため、本例の振動
片21の上下の面33aおよび33bには同じ極の電位
が発生し、圧電体部22aおよび22bの境界面に設け
られた電極31aによってこれらの圧電体部22aおよ
び22は並列に接続された状態になる。従って、圧電体
部22aおよび22bの境界に設けられた電極31aに
整流回路に電力を供給する電源線を接続してある。さら
に、圧電体部22aおよび22bの上下の面33aおよ
び33bに電極31を設けてあり、これらと振動片21
を地板12に固定するネジ27を電気的に接続し、上下
の面33aおよび33bの電極を接続してある。そし
て、地板12を経由して整流回路に電力を供給してい
る。
実施例に係る発電装置を振動片を中心に示してある。本
例の発電装置20は、ほぼ三角形をした振動片21を備
えており、この振動片21は2層の圧電体部22aおよ
び22bを張り合わせた構成にしてある。さらに、各々
の圧電体部22aおよび22bの分極方向は振動方向A
に沿った同じ方向に揃えてある。このため、本例の振動
片21の上下の面33aおよび33bには同じ極の電位
が発生し、圧電体部22aおよび22bの境界面に設け
られた電極31aによってこれらの圧電体部22aおよ
び22は並列に接続された状態になる。従って、圧電体
部22aおよび22bの境界に設けられた電極31aに
整流回路に電力を供給する電源線を接続してある。さら
に、圧電体部22aおよび22bの上下の面33aおよ
び33bに電極31を設けてあり、これらと振動片21
を地板12に固定するネジ27を電気的に接続し、上下
の面33aおよび33bの電極を接続してある。そし
て、地板12を経由して整流回路に電力を供給してい
る。
【0052】本例の発電装置20は、上記の実施例と同
様に歪みのエネルギの最も大きな振動片21の根元の部
分を有効に活用して発電が行えるようになっており、高
い変換効率を備えている。また、振動での圧縮する側も
引っ張られる側も圧電素材単体で構成されているため、
金属等の支持層に1層の圧電体層を接合したユニモルフ
タイプに比べ、1回の振動で圧電素子に加えられる歪み
エネルギの総量を大きくし易い。従って、本例の発電装
置は、1回の振動でより多く機械エネルギを電気エネル
ギに変換できるので効率の良い発電装置を実現し易い構
成であると言える。
様に歪みのエネルギの最も大きな振動片21の根元の部
分を有効に活用して発電が行えるようになっており、高
い変換効率を備えている。また、振動での圧縮する側も
引っ張られる側も圧電素材単体で構成されているため、
金属等の支持層に1層の圧電体層を接合したユニモルフ
タイプに比べ、1回の振動で圧電素子に加えられる歪み
エネルギの総量を大きくし易い。従って、本例の発電装
置は、1回の振動でより多く機械エネルギを電気エネル
ギに変換できるので効率の良い発電装置を実現し易い構
成であると言える。
【0053】さらに、2層の圧電部材22aおよび22
bを接着剤などを用いて接合しなくても良く、電極31
aの両側にスパッタリングなどによって圧電体層を形成
できるので、接着層でのエネルギ損失を防止できる。こ
の点でも、変換効率を向上できる。また、接着強度差や
位置ズレがなく、梁の厚み及び幅の変動要因が少なくで
きるので、自己減衰率の少ない発電装置を安価に量産す
ることができる。
bを接着剤などを用いて接合しなくても良く、電極31
aの両側にスパッタリングなどによって圧電体層を形成
できるので、接着層でのエネルギ損失を防止できる。こ
の点でも、変換効率を向上できる。また、接着強度差や
位置ズレがなく、梁の厚み及び幅の変動要因が少なくで
きるので、自己減衰率の少ない発電装置を安価に量産す
ることができる。
【0054】本例の発電装置20に示すように、圧電体
部を構成する圧電素子の特性から十分に高い起電圧が得
られ、蓄電回路の充電電圧が低い場合などにおいては、
振動片の自由端23に重りを取り付けなくとも十分な起
電圧を発生する発電装置を提供できる。さらに、それほ
ど大きな発生電流を必要としない場合などでは、圧電体
部を積層する必要はなく、2つの圧電体部22aおよび
22bを並列に接続することによって十分な静電容量を
確保できる。
部を構成する圧電素子の特性から十分に高い起電圧が得
られ、蓄電回路の充電電圧が低い場合などにおいては、
振動片の自由端23に重りを取り付けなくとも十分な起
電圧を発生する発電装置を提供できる。さらに、それほ
ど大きな発生電流を必要としない場合などでは、圧電体
部を積層する必要はなく、2つの圧電体部22aおよび
22bを並列に接続することによって十分な静電容量を
確保できる。
【0055】〔実施例4〕図10に、本発明の異なった
実施例に係る振動片を用いた発電装置を示してある。本
例の発電装置20の振動片21は、実施例1と同様にバ
イモルフタイプであり、共通する部分については同じ符
号を付して説明を省略する。本例の振動片21は、支持
層26の両側に構成された圧電体部22aおよび22b
の各々が振動片の自由端23および支持端24の方向に
積層された8つの圧電体層36a〜36hによって構成
されている。各々の圧電体層36a〜36hの分極方向
Xは振動片21の自由端23および支持端24を結ぶ方
向に分布しており、振動方向Aに対しほぼ直角に傾いて
いる。従って、電圧の発生方向も自由端23および支持
端24の方向を向いており、櫛歯状に上下方向に交互に
突き出た電極37aおよび37bを用いて圧電体層36
a〜36hを並列に接続してある。そして、圧電体部2
2aおよび22b全体の分極の方向Yは発生する電位が
対峙するように設定してあり、導電性の支持層26を介
して圧電体部22aおよび22bを直列に接続してあ
る。
実施例に係る振動片を用いた発電装置を示してある。本
例の発電装置20の振動片21は、実施例1と同様にバ
イモルフタイプであり、共通する部分については同じ符
号を付して説明を省略する。本例の振動片21は、支持
層26の両側に構成された圧電体部22aおよび22b
の各々が振動片の自由端23および支持端24の方向に
積層された8つの圧電体層36a〜36hによって構成
されている。各々の圧電体層36a〜36hの分極方向
Xは振動片21の自由端23および支持端24を結ぶ方
向に分布しており、振動方向Aに対しほぼ直角に傾いて
いる。従って、電圧の発生方向も自由端23および支持
端24の方向を向いており、櫛歯状に上下方向に交互に
突き出た電極37aおよび37bを用いて圧電体層36
a〜36hを並列に接続してある。そして、圧電体部2
2aおよび22b全体の分極の方向Yは発生する電位が
対峙するように設定してあり、導電性の支持層26を介
して圧電体部22aおよび22bを直列に接続してあ
る。
【0056】本例の振動片21も、上記の実施例の振動
片と同様に上下方向Aに振動する。このため、圧電体部
22aおよび22bには、自由端23と支持端24を結
んだ方向に伝搬する弾性波が発生する。そして、電圧方
向を示す分極方向も自由端23と支持端24を結んだ方
向であるので、本例の発電装置20は、圧電体の縦効果
を利用して発電を行うことができる。縦効果を用いた場
合の電気機械結合係数は、横効果を用いた場合のほぼ3
倍程度になるので、本例の発電装置の変換効率を非常に
高くできる。単層の圧電体部を用いて縦効果を利用した
発電を行うことももちろん可能であるが、単層の圧電体
部では電極間の距離が非常に長くなり、静電容量が小さ
く電荷を多く得ることができない。従って、変換効率は
良くなっても実際に充電に用いられる発電装置を実現す
ることは困難である。これに対し、本例の発電装置にお
いては、積層型にして起電圧と静電容量を最適化してい
るので、1回の振動で得られる電気エネルギが増加し、
高い変換効率で効率良く充電を行うことができる。
片と同様に上下方向Aに振動する。このため、圧電体部
22aおよび22bには、自由端23と支持端24を結
んだ方向に伝搬する弾性波が発生する。そして、電圧方
向を示す分極方向も自由端23と支持端24を結んだ方
向であるので、本例の発電装置20は、圧電体の縦効果
を利用して発電を行うことができる。縦効果を用いた場
合の電気機械結合係数は、横効果を用いた場合のほぼ3
倍程度になるので、本例の発電装置の変換効率を非常に
高くできる。単層の圧電体部を用いて縦効果を利用した
発電を行うことももちろん可能であるが、単層の圧電体
部では電極間の距離が非常に長くなり、静電容量が小さ
く電荷を多く得ることができない。従って、変換効率は
良くなっても実際に充電に用いられる発電装置を実現す
ることは困難である。これに対し、本例の発電装置にお
いては、積層型にして起電圧と静電容量を最適化してい
るので、1回の振動で得られる電気エネルギが増加し、
高い変換効率で効率良く充電を行うことができる。
【0057】さらに、本例の発電装置20は、振動片2
1の根元の部分まで圧電体部を設けてあり、振動片21
の根元の部分の歪みエネルギも効率良く電気エネルギに
変換できるようになっている。また、各圧電体部22a
および22bは積層構造を採用しているので、静電容量
と起電圧の最適化を容易に行えることも上記の実施例と
同様である。このように、本例の発電装置20は、自由
端から支持端の方向に圧電体が積層されているので、振
動片の自由端から支持端を経て固定部まで連続した圧電
体の層を形成できない点を除けば、上記の実施例と同様
の様々な効果を備えており、特に、縦効果を用いた非常
に変換効率の高い発電装置である。
1の根元の部分まで圧電体部を設けてあり、振動片21
の根元の部分の歪みエネルギも効率良く電気エネルギに
変換できるようになっている。また、各圧電体部22a
および22bは積層構造を採用しているので、静電容量
と起電圧の最適化を容易に行えることも上記の実施例と
同様である。このように、本例の発電装置20は、自由
端から支持端の方向に圧電体が積層されているので、振
動片の自由端から支持端を経て固定部まで連続した圧電
体の層を形成できない点を除けば、上記の実施例と同様
の様々な効果を備えており、特に、縦効果を用いた非常
に変換効率の高い発電装置である。
【0058】〔実施例5〕図11に、本発明の異なる実
施例に係る振動部材を備えた発電装置を示してある。本
例の発電装置は、上述した各実施例の振動片21を2つ
音叉型に連絡した振動部材40を用いて発電を行うよう
にしている。
施例に係る振動部材を備えた発電装置を示してある。本
例の発電装置は、上述した各実施例の振動片21を2つ
音叉型に連絡した振動部材40を用いて発電を行うよう
にしている。
【0059】圧電体部を設けた振動片を用いて歪みエネ
ルギから電気エネルギに変換するときの効率を考察す
る。振動片21の振動は電気エネルギを取り出さなくて
も、振動片内部の自己損失や、振動片を固定する固定部
からの振動漏れ(以下、自己減衰という)により徐々に
減衰する。この時、1回の振動で自己減衰する歪みエネ
ルギ減衰率をa%とする。また、振動片の振動から圧電
体部を介して歪みエネルギを電気エネルギに変換するこ
とによっても、出力した電気エネルギに相当する歪みエ
ネルギが減衰する。この歪みエネルギの減衰率をb%と
する。振動片の1回の振動で自己減衰と電気エネルギへ
の変換によって(a+b)%の歪みエネルギが失われ、
b%の電気エネルギが得られたことになる。従って、電
気エネルギへの変換効率はb/(a+b)となり、自己
減衰のない振動片であれば、歪みエネルギを100%電
気エネルギに変換可能であることが判る。また、電気エ
ネルギへの変換効率を向上させるためには、自己減衰を
できるだけ抑制することが有効であることが判る。
ルギから電気エネルギに変換するときの効率を考察す
る。振動片21の振動は電気エネルギを取り出さなくて
も、振動片内部の自己損失や、振動片を固定する固定部
からの振動漏れ(以下、自己減衰という)により徐々に
減衰する。この時、1回の振動で自己減衰する歪みエネ
ルギ減衰率をa%とする。また、振動片の振動から圧電
体部を介して歪みエネルギを電気エネルギに変換するこ
とによっても、出力した電気エネルギに相当する歪みエ
ネルギが減衰する。この歪みエネルギの減衰率をb%と
する。振動片の1回の振動で自己減衰と電気エネルギへ
の変換によって(a+b)%の歪みエネルギが失われ、
b%の電気エネルギが得られたことになる。従って、電
気エネルギへの変換効率はb/(a+b)となり、自己
減衰のない振動片であれば、歪みエネルギを100%電
気エネルギに変換可能であることが判る。また、電気エ
ネルギへの変換効率を向上させるためには、自己減衰を
できるだけ抑制することが有効であることが判る。
【0060】図12に振動部材の構造別にみた歪みエネ
ルギの自己減衰を示す実験値を示してある。図中、実線
は、上記の実施例で説明した片持ち梁タイプの振動片を
変位させた後に自由振動させた時の歪みエネルギの減衰
を示してある。片持ち梁においては、自由振動させた時
の振幅の自乗に比例する歪みエネルギ量が、振動回数に
対しほぼ単調に減少する。一方、破線は、音叉型の振動
部材に通常の振動を印加した際の歪みエネルギの減衰を
示してある。この図から判るように音叉の一方の梁のみ
を一方向に変位させたのでは、両方の振動片が対峙する
方向に振動する音叉モードの振動にほぼ半分のエネルギ
しか与えられず、初期の歪みエネルギが片持ち梁のほぼ
半分になってしまう。
ルギの自己減衰を示す実験値を示してある。図中、実線
は、上記の実施例で説明した片持ち梁タイプの振動片を
変位させた後に自由振動させた時の歪みエネルギの減衰
を示してある。片持ち梁においては、自由振動させた時
の振幅の自乗に比例する歪みエネルギ量が、振動回数に
対しほぼ単調に減少する。一方、破線は、音叉型の振動
部材に通常の振動を印加した際の歪みエネルギの減衰を
示してある。この図から判るように音叉の一方の梁のみ
を一方向に変位させたのでは、両方の振動片が対峙する
方向に振動する音叉モードの振動にほぼ半分のエネルギ
しか与えられず、初期の歪みエネルギが片持ち梁のほぼ
半分になってしまう。
【0061】これに対し、図中の一点鎖線は、図11に
示す音叉型に組み合わせた両方の振動片21aおよび2
1bを逆方向に、すなわち、相互に対峙する方向に変位
させたときの歪みエネルギの減衰傾向を示してある。こ
のように、振動片21aおよび21bを逆方向に変位さ
せると、そのエネルギが全て音叉モードの振動に変換さ
れ、振動初期から音叉としての振動モードで振動する。
このため、初期から自己減衰が非常に少なく、音叉型に
振動片を組み合わせることによって発電装置全体として
歪みエネルギの自己減衰をかなり低下できることが判
る。従って、歪みエネルギから電気エネルギへの変換効
率をさらに向上できる。
示す音叉型に組み合わせた両方の振動片21aおよび2
1bを逆方向に、すなわち、相互に対峙する方向に変位
させたときの歪みエネルギの減衰傾向を示してある。こ
のように、振動片21aおよび21bを逆方向に変位さ
せると、そのエネルギが全て音叉モードの振動に変換さ
れ、振動初期から音叉としての振動モードで振動する。
このため、初期から自己減衰が非常に少なく、音叉型に
振動片を組み合わせることによって発電装置全体として
歪みエネルギの自己減衰をかなり低下できることが判
る。従って、歪みエネルギから電気エネルギへの変換効
率をさらに向上できる。
【0062】図11に戻って、本例の振動部材40を説
明する。本例の振動部材40は、2本の平行に延びた部
分40aおよび40bと、これらの延びた部分40aお
よび40bの一方の側を連絡する部分40cとがコの字
型に成形された支持部材41を備えており、この支持部
材41の平行に延びた部分40aおよび40bを支持層
として2つの振動片21aおよび21bが構成されてい
る。従って、これら2つの振動片21aおよび21b
は、連絡する部分40cによって音叉型に組み合わされ
ていることになり、本例の振動部材40は音叉としての
振動モードで振動を励起することができる。また、連絡
する部分40cのほぼ中央には、この振動部材40を地
板などにネジを用いて固定する固定孔42が設けられて
いる。
明する。本例の振動部材40は、2本の平行に延びた部
分40aおよび40bと、これらの延びた部分40aお
よび40bの一方の側を連絡する部分40cとがコの字
型に成形された支持部材41を備えており、この支持部
材41の平行に延びた部分40aおよび40bを支持層
として2つの振動片21aおよび21bが構成されてい
る。従って、これら2つの振動片21aおよび21b
は、連絡する部分40cによって音叉型に組み合わされ
ていることになり、本例の振動部材40は音叉としての
振動モードで振動を励起することができる。また、連絡
する部分40cのほぼ中央には、この振動部材40を地
板などにネジを用いて固定する固定孔42が設けられて
いる。
【0063】それぞれの振動片21aおよび21bは上
記にて説明した振動片のいずれであっても良く、例え
ば、図11には、実施例1で説明した振動片と同様の構
成の振動片21aおよび21bがコの字型の支持部材4
0の両側に形成されている。それぞれの振動片21aお
よび21bの詳しい構成は上記にて説明したので以下で
は省略し、共通する部分には同じ符号を付して説明を省
略する。ただし、音叉型に組み合わされた振動片21a
および21bでは、個々の振動片21aおよび21b毎
に変位が印加されることはないので、自由端23に設け
てある重り25の形状は上述した実施例と異なり、音叉
型に組み合わされた振動部材40の外側に位置してお
り、外側からの衝撃を受けやすい形状にしてある。ま
た、圧電体部22aおよび22bは、共に自由端23か
ら支持端24の側にわたって形成されており、振動片の
根元の歪みエネルギの大きな部分で効率良く発電できる
ようになっている。さらに、音叉型に組み合わされた振
動片21aおよび21bの外側に位置する圧電体部22
aは、上述した振動片では固定部に相当するコの字型の
部材40の連絡する部分40cまで延びており、圧電体
部に応力が集中して剥離するなどのトラブルを未然に防
止している。一方、電極31は、上記の振動片と同様に
支持端24の振動する部分までを覆っており、発電にあ
まり寄与しない圧電体の部分にまで電荷が分布し起電圧
が低下するのを防止している。電極31の位置および形
状は、図11に示したものに限定されず、圧電体部22
aおよび22bの分極の方向によって振動片21aおよ
び21bの側面34aあるいは34bに設けることも可
能である。例えば、図11に示した例と異なり、圧電体
部22aおよび22bの分極の方向が振動方向Aに対し
実施例2に示した振動片のように配置されていると、電
極はコの字型の支持部材40に沿って設けられる。そし
て、この電極は、支持部材40の表裏同一形状であって
も良く、あるいは、例えば、裏面側の電極を全面電極に
変更することも可能である。そして、この場合は、2つ
の表面電極のみを整流回路へ接続すればよく、表裏同一
形状の4つの電極を接続する場合より製造が容易にな
り、圧電体部22aおよび22bが直列に接続されるの
で、小さな歪みで大きな電圧を出すことができる。
記にて説明した振動片のいずれであっても良く、例え
ば、図11には、実施例1で説明した振動片と同様の構
成の振動片21aおよび21bがコの字型の支持部材4
0の両側に形成されている。それぞれの振動片21aお
よび21bの詳しい構成は上記にて説明したので以下で
は省略し、共通する部分には同じ符号を付して説明を省
略する。ただし、音叉型に組み合わされた振動片21a
および21bでは、個々の振動片21aおよび21b毎
に変位が印加されることはないので、自由端23に設け
てある重り25の形状は上述した実施例と異なり、音叉
型に組み合わされた振動部材40の外側に位置してお
り、外側からの衝撃を受けやすい形状にしてある。ま
た、圧電体部22aおよび22bは、共に自由端23か
ら支持端24の側にわたって形成されており、振動片の
根元の歪みエネルギの大きな部分で効率良く発電できる
ようになっている。さらに、音叉型に組み合わされた振
動片21aおよび21bの外側に位置する圧電体部22
aは、上述した振動片では固定部に相当するコの字型の
部材40の連絡する部分40cまで延びており、圧電体
部に応力が集中して剥離するなどのトラブルを未然に防
止している。一方、電極31は、上記の振動片と同様に
支持端24の振動する部分までを覆っており、発電にあ
まり寄与しない圧電体の部分にまで電荷が分布し起電圧
が低下するのを防止している。電極31の位置および形
状は、図11に示したものに限定されず、圧電体部22
aおよび22bの分極の方向によって振動片21aおよ
び21bの側面34aあるいは34bに設けることも可
能である。例えば、図11に示した例と異なり、圧電体
部22aおよび22bの分極の方向が振動方向Aに対し
実施例2に示した振動片のように配置されていると、電
極はコの字型の支持部材40に沿って設けられる。そし
て、この電極は、支持部材40の表裏同一形状であって
も良く、あるいは、例えば、裏面側の電極を全面電極に
変更することも可能である。そして、この場合は、2つ
の表面電極のみを整流回路へ接続すればよく、表裏同一
形状の4つの電極を接続する場合より製造が容易にな
り、圧電体部22aおよび22bが直列に接続されるの
で、小さな歪みで大きな電圧を出すことができる。
【0064】また、振動片21aおよび21bの形状は
三角形あるいは台形の自由端23の側が狭く、支持端2
4の側、すなわち、根元の部分が広くなっているなど、
上述した実施例と同様に高い変換効率で歪みエネルギを
電気エネルギに変換できるようにしてある。また、詳し
くは図示してないが、それぞれの圧電体部22aおよび
22bは多層の積層構造を採用することができるなど、
上述した片持ち梁型の振動片と同様の効果を発揮する構
成を採用することができる。さらに、音叉型に組み合わ
された2つの振動片21aおよび21bは、直列に接続
することも並列に接続することも可能である。図11に
示した音叉型の振動部材40においては、コの字型の支
持部材40が伝導性であり、これによって直列に接続さ
れた各々の振動片の圧電体部22aおよび22bの中間
電位が接続されており、全体として2つの振動片21a
および21bからなる発電装置を並列に接続できる。従
って、さらに大きな静電容量を備えた発電装置を提供す
ることが可能である。
三角形あるいは台形の自由端23の側が狭く、支持端2
4の側、すなわち、根元の部分が広くなっているなど、
上述した実施例と同様に高い変換効率で歪みエネルギを
電気エネルギに変換できるようにしてある。また、詳し
くは図示してないが、それぞれの圧電体部22aおよび
22bは多層の積層構造を採用することができるなど、
上述した片持ち梁型の振動片と同様の効果を発揮する構
成を採用することができる。さらに、音叉型に組み合わ
された2つの振動片21aおよび21bは、直列に接続
することも並列に接続することも可能である。図11に
示した音叉型の振動部材40においては、コの字型の支
持部材40が伝導性であり、これによって直列に接続さ
れた各々の振動片の圧電体部22aおよび22bの中間
電位が接続されており、全体として2つの振動片21a
および21bからなる発電装置を並列に接続できる。従
って、さらに大きな静電容量を備えた発電装置を提供す
ることが可能である。
【0065】さらに、圧電体部22aおよび22bは、
支持部材40に対し接着を必要としないスパッタリング
などの手法により形成してある。このような方法で圧電
体部を形成することにより、音叉型の様に対称度が自己
減衰率に寄与する構造においては、接着強度差や位置ズ
レがなく、また、一体型で成形することも可能なので、
振動片の厚みおよび幅の変動要因が少なくでき、自己減
衰率の量産上の安定化が容易であり、さらに、コスト上
も安価である。
支持部材40に対し接着を必要としないスパッタリング
などの手法により形成してある。このような方法で圧電
体部を形成することにより、音叉型の様に対称度が自己
減衰率に寄与する構造においては、接着強度差や位置ズ
レがなく、また、一体型で成形することも可能なので、
振動片の厚みおよび幅の変動要因が少なくでき、自己減
衰率の量産上の安定化が容易であり、さらに、コスト上
も安価である。
【0066】図12に基づき説明したように、本例の音
叉型の振動部材を用いた発電装置においては、2つの振
動片21aおよび21bに対し逆方向の変位、すなわち
向かい合った方向の変位を与えることが重要である。片
側の腕のみに変位を与えると、そのエネルギの半分程度
しか音叉の振動モードで振動が起きず、減衰が少ないと
いう音叉型のメリットを生かすことができないからであ
る。
叉型の振動部材を用いた発電装置においては、2つの振
動片21aおよび21bに対し逆方向の変位、すなわち
向かい合った方向の変位を与えることが重要である。片
側の腕のみに変位を与えると、そのエネルギの半分程度
しか音叉の振動モードで振動が起きず、減衰が少ないと
いう音叉型のメリットを生かすことができないからであ
る。
【0067】図13に、振動片21aおよび21bに対
し逆方向の変位を与える加振機構の例を示してある。本
例の加振機構50は、腕時計装置などで用いられるケー
ス内で回転する回転錘51と、振動部材40を回転錘5
1に対し反対側から支持する壁52によって音叉型の振
動部材40を挟み込み、それぞれの振動片21aおよび
21bに逆方向の変位を与えて音叉の振動モードを励起
するものである。回転錘51は、回転運動を行う可動部
材である重りの機能を果たし、この回転錘51が図面上
の下側に回転すると、回転錘51の側方で左側の振動片
21bの先端の重り25に打撃を与える。これによっ
て、反対側の振動片21aの先端の重り25が壁に衝突
し、振動片21aおよび21bの両方にほぼ同時に内側
に向かった変位が与えられ、回転錘51が元に戻って振
動片21aおよび21bの自由端23が開放されると音
叉の振動モードによる自由振動が開始される。従って、
振動片21aおよび21bの振動の自己減衰は非常に小
さく、歪みエネルギが浪費されないので、歪みエネルギ
を効率良く電気エネルギに変換することが可能となる。
また、時計のような携帯型電子機器の位置が再び変化し
て回転錘51が振動部材40に衝突すると、振動部材4
0は回転錘51と壁52に挟まれ、逆方向に歪みが繰り
返し印加される。このため、振動部材40の振動片21
aおよび21bには、再び歪みエネルギが入力され、発
電が連続して行われる。
し逆方向の変位を与える加振機構の例を示してある。本
例の加振機構50は、腕時計装置などで用いられるケー
ス内で回転する回転錘51と、振動部材40を回転錘5
1に対し反対側から支持する壁52によって音叉型の振
動部材40を挟み込み、それぞれの振動片21aおよび
21bに逆方向の変位を与えて音叉の振動モードを励起
するものである。回転錘51は、回転運動を行う可動部
材である重りの機能を果たし、この回転錘51が図面上
の下側に回転すると、回転錘51の側方で左側の振動片
21bの先端の重り25に打撃を与える。これによっ
て、反対側の振動片21aの先端の重り25が壁に衝突
し、振動片21aおよび21bの両方にほぼ同時に内側
に向かった変位が与えられ、回転錘51が元に戻って振
動片21aおよび21bの自由端23が開放されると音
叉の振動モードによる自由振動が開始される。従って、
振動片21aおよび21bの振動の自己減衰は非常に小
さく、歪みエネルギが浪費されないので、歪みエネルギ
を効率良く電気エネルギに変換することが可能となる。
また、時計のような携帯型電子機器の位置が再び変化し
て回転錘51が振動部材40に衝突すると、振動部材4
0は回転錘51と壁52に挟まれ、逆方向に歪みが繰り
返し印加される。このため、振動部材40の振動片21
aおよび21bには、再び歪みエネルギが入力され、発
電が連続して行われる。
【0068】なお、コの字型の支持部材40を地板など
に回転可能に取り付け、振動片21aおよび21bの間
に回転防止用の回転止めを設けておいても良い。また、
本例では振動片21aおよび21bの一方の側に打撃を
加えるようにしてあるが、振動片21aおよび21bの
両側から回転錘51を衝突させ、逆方向に変位を与える
ように加振機構を構成することも可能である。この場
合、上記の回転止は回転錘51の衝突の邪魔にならない
ような位置で両方の振動片の近傍に配置することが必要
である。
に回転可能に取り付け、振動片21aおよび21bの間
に回転防止用の回転止めを設けておいても良い。また、
本例では振動片21aおよび21bの一方の側に打撃を
加えるようにしてあるが、振動片21aおよび21bの
両側から回転錘51を衝突させ、逆方向に変位を与える
ように加振機構を構成することも可能である。この場
合、上記の回転止は回転錘51の衝突の邪魔にならない
ような位置で両方の振動片の近傍に配置することが必要
である。
【0069】図14に、上記と異なった加振機構の例を
示してある。本例の音叉型の振動部材40は振り子状に
旋回可能なように取り付けられており、さらに、ある方
向に振動部材40が回転すると、その振動片21aおよ
び21bの一方の自由端23の先端が衝突する壁55を
設けてある。一方の振動片の自由端23が壁55に衝突
すると、その自由端23が内側に変位すると共に、他方
の振動片の自由端23も自己の質量による慣性によって
内側に変位する。従って、両方の振動片21aおよび2
1bの自由端23は共に内側に、すなわち逆方向に変位
し、音叉の振動モードが励起される。振動部材40が衝
突する壁55は、本例のように一方の振動片の側に設け
ておいても良いし、両方の振動片が衝突して次々に振動
が励起されるように双方の振動片の外側に壁を設けてお
いても良い。また、振動部材40は、重力によって落下
するように旋回させても良いし、あるいは、上述した時
計の回転錘51のようにユーザーの動きに応じて旋回さ
せることも可能である。
示してある。本例の音叉型の振動部材40は振り子状に
旋回可能なように取り付けられており、さらに、ある方
向に振動部材40が回転すると、その振動片21aおよ
び21bの一方の自由端23の先端が衝突する壁55を
設けてある。一方の振動片の自由端23が壁55に衝突
すると、その自由端23が内側に変位すると共に、他方
の振動片の自由端23も自己の質量による慣性によって
内側に変位する。従って、両方の振動片21aおよび2
1bの自由端23は共に内側に、すなわち逆方向に変位
し、音叉の振動モードが励起される。振動部材40が衝
突する壁55は、本例のように一方の振動片の側に設け
ておいても良いし、両方の振動片が衝突して次々に振動
が励起されるように双方の振動片の外側に壁を設けてお
いても良い。また、振動部材40は、重力によって落下
するように旋回させても良いし、あるいは、上述した時
計の回転錘51のようにユーザーの動きに応じて旋回さ
せることも可能である。
【0070】図15に、上記とさらに異なった加振機構
の例を示してある。本例の加振機構60は、音叉型にな
った振動部材40のいわゆる又の部分に打撃を与えて振
動片21aおよび21bに逆方向の変位を与えようとす
るものである。そのため、本例の加振機構においては、
回転錘51の外周側に突起61を設けておき、回転錘5
1が回転すると、この突起61がコの字型の支持部材の
連絡する部分40cのほぼ中央と衝突するように振動部
材40を配置してある。これによって回転錘51が回転
すると両方の振動片21aおよび21bに衝撃が加わ
り、これらの振動片の自由端23が内側に変位するの
で、音叉の振動モードが励起され、減衰の少ない振動が
開始される。
の例を示してある。本例の加振機構60は、音叉型にな
った振動部材40のいわゆる又の部分に打撃を与えて振
動片21aおよび21bに逆方向の変位を与えようとす
るものである。そのため、本例の加振機構においては、
回転錘51の外周側に突起61を設けておき、回転錘5
1が回転すると、この突起61がコの字型の支持部材の
連絡する部分40cのほぼ中央と衝突するように振動部
材40を配置してある。これによって回転錘51が回転
すると両方の振動片21aおよび21bに衝撃が加わ
り、これらの振動片の自由端23が内側に変位するの
で、音叉の振動モードが励起され、減衰の少ない振動が
開始される。
【0071】図16(a)に上記と異なる加振機構の例
を側面を用いて示してあり、図16(b)に加振機構を
下から見た様子を示してある。本例の加振機構65は、
音叉型に組み合わされた振動片21aおよび21bの間
で旋回する円盤66を備えており、この円盤66に高低
に断続的に変化するスロープ67を設けてある。このス
ロープ67は、その高い部分から低い部分への傾斜を図
16(b)に一点鎖線の矢印で示してあるように徐々に
低い部分から高い部分に向かって変化する緩い斜面と、
高い部分から低い部分に急激に変化する急角度の面とを
備えている。従って、この円盤66が振動片21aおよ
び21bの間で回転すると、振動片21aおよび21b
の自由端23がスロープ67に沿って動き、低い部分か
ら高い部分に移動することにより自由端23同士の距離
が広がる。そして、円盤66の高い部分から低い部分に
急減に変化する部分になると、自由端23が円盤66か
ら開放されるので同時に内側に変位し、音叉の振動モー
ドでの振動が開始される。本例のスロープのある円盤を
用いた加振機構60では、円盤66あるいは振動部材4
0が多少上下に変化できるように固定することによっ
て、2つの振動片21aおよび21bをほぼ等しく変形
させることができる。従って、より均等な振動を振動片
21aおよび21bに発生させることができるので、減
衰が少なく変換効率の高い振動モードを励起させること
が可能となる。
を側面を用いて示してあり、図16(b)に加振機構を
下から見た様子を示してある。本例の加振機構65は、
音叉型に組み合わされた振動片21aおよび21bの間
で旋回する円盤66を備えており、この円盤66に高低
に断続的に変化するスロープ67を設けてある。このス
ロープ67は、その高い部分から低い部分への傾斜を図
16(b)に一点鎖線の矢印で示してあるように徐々に
低い部分から高い部分に向かって変化する緩い斜面と、
高い部分から低い部分に急激に変化する急角度の面とを
備えている。従って、この円盤66が振動片21aおよ
び21bの間で回転すると、振動片21aおよび21b
の自由端23がスロープ67に沿って動き、低い部分か
ら高い部分に移動することにより自由端23同士の距離
が広がる。そして、円盤66の高い部分から低い部分に
急減に変化する部分になると、自由端23が円盤66か
ら開放されるので同時に内側に変位し、音叉の振動モー
ドでの振動が開始される。本例のスロープのある円盤を
用いた加振機構60では、円盤66あるいは振動部材4
0が多少上下に変化できるように固定することによっ
て、2つの振動片21aおよび21bをほぼ等しく変形
させることができる。従って、より均等な振動を振動片
21aおよび21bに発生させることができるので、減
衰が少なく変換効率の高い振動モードを励起させること
が可能となる。
【0072】なお、円盤66は、腕時計のように回転錘
51の回転エネルギを用いて回転させることが可能であ
る。また、スロープを備えた円盤を回転させる代わり
に、音叉型に組み合わされた振動片21aおよび21b
を動かし、スロープによって上下に断続的に変形させて
ももちろん良い。
51の回転エネルギを用いて回転させることが可能であ
る。また、スロープを備えた円盤を回転させる代わり
に、音叉型に組み合わされた振動片21aおよび21b
を動かし、スロープによって上下に断続的に変形させて
ももちろん良い。
【0073】上記にて、幾つかの実施例に基づき本発明
を説明したが、これらの実施例に本発明が限定されるも
のではない。例えば、幾つかのタイプの振動片を実施例
として示したが、これらの振動片のいずれでも音叉型に
組み合わせることが可能である。また、音叉型に組み合
わせた場合、圧電体を振動片の両面に形成した例を示し
たが、圧電体を振動片の片面のみに形成しても良い。
を説明したが、これらの実施例に本発明が限定されるも
のではない。例えば、幾つかのタイプの振動片を実施例
として示したが、これらの振動片のいずれでも音叉型に
組み合わせることが可能である。また、音叉型に組み合
わせた場合、圧電体を振動片の両面に形成した例を示し
たが、圧電体を振動片の片面のみに形成しても良い。
【0074】また、実施例では、振動片の根元の部分の
歪みエネルギを効率良く電気エネルギに変換できるよう
にほぼ台形あるいは三角形の形状の振動片を用いて説明
してあるが、台形や三角形でなくてももちろん良く、圧
電体部を根元まで延ばしたり、あるいは圧電体部を積層
化するなど、上述したそれぞれの構成によって変換効率
の向上を図ることが可能である。また、圧電体層は上述
したようなスパッタリングによるものでなくとも良く、
バルク状の圧電体を用いて振動片を製造することももも
ちろん可能である。さらに、圧電体部を構成する素材は
PZT(商標)に限定されず、水晶、チタン酸バリウム
系やチタン酸鉛系などのセラミック素材、さらに、PV
DF(ポリフッ化ビニリデン))などの高分子素材であ
ってももちろん良い。
歪みエネルギを効率良く電気エネルギに変換できるよう
にほぼ台形あるいは三角形の形状の振動片を用いて説明
してあるが、台形や三角形でなくてももちろん良く、圧
電体部を根元まで延ばしたり、あるいは圧電体部を積層
化するなど、上述したそれぞれの構成によって変換効率
の向上を図ることが可能である。また、圧電体層は上述
したようなスパッタリングによるものでなくとも良く、
バルク状の圧電体を用いて振動片を製造することももも
ちろん可能である。さらに、圧電体部を構成する素材は
PZT(商標)に限定されず、水晶、チタン酸バリウム
系やチタン酸鉛系などのセラミック素材、さらに、PV
DF(ポリフッ化ビニリデン))などの高分子素材であ
ってももちろん良い。
【0075】また、本発明は上記の実施例で説明した時
計装置に限定するものではない。時計以外の携帯型電子
機器としては、例えばページャー、電話機、無線機、補
聴器、万歩計、電卓、電子手帳などの情報端末、ICカ
ード、ラジオ受信機などに本発明の発電装置を適用する
ことが可能である。そして、これらの携帯用機器に本発
明の発電装置を採用することにより、人間の動きなどに
連動して絶えず蓄電装置に充電を行うことが可能であ
り、電池の消費を抑制したり、あるいは電池そのものを
不要にすることも可能である。従って、ユーザーは電池
切れを心配せずに、これらの携帯用機器を使用すること
ができ、電池切れによってメモリーに記憶した内容が失
われるなどのトラブルも未然に防止できる。さらに、電
池や充電装置が容易に入手できない地域や場所、あるい
は災害などによって電池の補充が困難な事態であっても
携帯用電子機器の機能を発揮させることが可能となる。
計装置に限定するものではない。時計以外の携帯型電子
機器としては、例えばページャー、電話機、無線機、補
聴器、万歩計、電卓、電子手帳などの情報端末、ICカ
ード、ラジオ受信機などに本発明の発電装置を適用する
ことが可能である。そして、これらの携帯用機器に本発
明の発電装置を採用することにより、人間の動きなどに
連動して絶えず蓄電装置に充電を行うことが可能であ
り、電池の消費を抑制したり、あるいは電池そのものを
不要にすることも可能である。従って、ユーザーは電池
切れを心配せずに、これらの携帯用機器を使用すること
ができ、電池切れによってメモリーに記憶した内容が失
われるなどのトラブルも未然に防止できる。さらに、電
池や充電装置が容易に入手できない地域や場所、あるい
は災害などによって電池の補充が困難な事態であっても
携帯用電子機器の機能を発揮させることが可能となる。
【0076】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明の圧電体
発電装置は、片持ち梁構造の振動片の支持端の根元の部
分まで圧電体部を延ばして形成することによって1回の
振動で多くの電気エネルギを取り出すことが可能とな
り、変換効率の高い発電装置を提供できる。さらに、振
動片の形状を三角形あるいは台形のように支持端の側に
多くの圧電体部を設け、振動片の根元の部分に集中する
歪みエネルギを効率良く用いて発電できるようにしてい
る。また、縦効果を用いて機械エネルギを電気エネルギ
に変換可能にするなど、上記にて開示してあるように本
発明の圧電体発電装置は、振動片に蓄えられた機械エネ
ルギを非常に効率良く電気エネルギに変換することがで
きる。このため、本発明により、小型で携帯用として実
現可能な圧電体を用いた発電装置を提供できる。
発電装置は、片持ち梁構造の振動片の支持端の根元の部
分まで圧電体部を延ばして形成することによって1回の
振動で多くの電気エネルギを取り出すことが可能とな
り、変換効率の高い発電装置を提供できる。さらに、振
動片の形状を三角形あるいは台形のように支持端の側に
多くの圧電体部を設け、振動片の根元の部分に集中する
歪みエネルギを効率良く用いて発電できるようにしてい
る。また、縦効果を用いて機械エネルギを電気エネルギ
に変換可能にするなど、上記にて開示してあるように本
発明の圧電体発電装置は、振動片に蓄えられた機械エネ
ルギを非常に効率良く電気エネルギに変換することがで
きる。このため、本発明により、小型で携帯用として実
現可能な圧電体を用いた発電装置を提供できる。
【0077】さらに、本発明の発電装置においては、圧
電体部を積層構造にして、発電装置の重要な特性である
静電容量と起電圧を充電系統に合わせて最適に設定でき
るようにしてある。また、これらの特性を、発電装置の
サイズを変えずに小型で携帯用に適した状態で最適に設
定できるようにしている。従って、本発明により、実際
にコンデンサなどに高い充電効率で電気エネルギを蓄積
可能な圧電体を用いた発電装置を提供することが可能と
なる。
電体部を積層構造にして、発電装置の重要な特性である
静電容量と起電圧を充電系統に合わせて最適に設定でき
るようにしてある。また、これらの特性を、発電装置の
サイズを変えずに小型で携帯用に適した状態で最適に設
定できるようにしている。従って、本発明により、実際
にコンデンサなどに高い充電効率で電気エネルギを蓄積
可能な圧電体を用いた発電装置を提供することが可能と
なる。
【0078】また、本発明においては、振動の自己減衰
にも着目し、音叉型に振動片を組み合わせることによっ
て自己減衰が少なく、電気エネルギへの変換効率の高い
発電装置を実現している。そして、音叉型に組み合わさ
れた振動片には逆方向の変位を与えることにより、振動
初期から振動漏れの少ない音叉モードで振動させること
ができ、初期の振動エネルギ損失も低減でき、いっそう
高い変換効率で発電を行える。
にも着目し、音叉型に振動片を組み合わせることによっ
て自己減衰が少なく、電気エネルギへの変換効率の高い
発電装置を実現している。そして、音叉型に組み合わさ
れた振動片には逆方向の変位を与えることにより、振動
初期から振動漏れの少ない音叉モードで振動させること
ができ、初期の振動エネルギ損失も低減でき、いっそう
高い変換効率で発電を行える。
【0079】このように、本発明によって、小型・携帯
用の機器に適した高効率の圧電体発電装置を実現するこ
とができ、この圧電体発電装置を用いて何時でも何処で
も安心して確実に使用できる多種多用な機能を備えた携
帯用電子機器を実現することが可能となる。
用の機器に適した高効率の圧電体発電装置を実現するこ
とができ、この圧電体発電装置を用いて何時でも何処で
も安心して確実に使用できる多種多用な機能を備えた携
帯用電子機器を実現することが可能となる。
【図1】本発明の実施例1に係る圧電体を用いた発電装
置および携帯用機器の概略構成を示す概念図である。
置および携帯用機器の概略構成を示す概念図である。
【図2】図1に示す発電装置の駆動系の概略構成を示す
断面図である。
断面図である。
【図3】図1に示す振動片を用いた発電装置を示す斜視
図である。
図である。
【図4】図3に示す振動片の構造を示す断面図である。
【図5】図3に示す圧電体部を備えた振動片の支持層の
相対厚みに対して結合係数の変化する様子を示すグラフ
である。
相対厚みに対して結合係数の変化する様子を示すグラフ
である。
【図6】図3に示す発電装置によって充電する際の充電
効率が初期振動電圧によって変化する様子を示すグラフ
である。
効率が初期振動電圧によって変化する様子を示すグラフ
である。
【図7】図3に示す圧電体部を備えた振動片を用いた発
電装置において、エネルギ損失率が振幅によって変化す
る様子を示すグラフである。
電装置において、エネルギ損失率が振幅によって変化す
る様子を示すグラフである。
【図8】本発明の実施例2に係る圧電体部を備えた振動
片を用いた発電装置の概略を示す斜視図である。
片を用いた発電装置の概略を示す斜視図である。
【図9】本発明の実施例3に係る圧電体部を備えた振動
片を用いた発電装置の概略を示す斜視図である。
片を用いた発電装置の概略を示す斜視図である。
【図10】本発明の実施例4に係る圧電体部を備えた振
動片を用いた発電装置の概略を示す斜視図である。
動片を用いた発電装置の概略を示す斜視図である。
【図11】本発明の実施例5に係る振動片を音叉型に組
み合わせた発電装置の概略を示す斜視図である。
み合わせた発電装置の概略を示す斜視図である。
【図12】圧電体を備えた振動体の構造別にみた歪みエ
ネルギの自己減衰を示すグラフである。
ネルギの自己減衰を示すグラフである。
【図13】音叉型の振動部材に逆方向に変位を与える加
振機構の一例を示す概念図である。
振機構の一例を示す概念図である。
【図14】音叉型の振動部材に逆方向に変位を与える加
振機構の異なった例を示す概念図である。
振機構の異なった例を示す概念図である。
【図15】音叉型の振動部材に逆方向に変位を与える加
振機構の異なった例を示す概念図である。
振機構の異なった例を示す概念図である。
【図16】音叉型の振動部材に逆方向に変位を与える加
振機構の異なった例を示す概念図であり、図16(a)
はその側面を示し、図16(b)は下から見た様子を示
してある。
振機構の異なった例を示す概念図であり、図16(a)
はその側面を示し、図16(b)は下から見た様子を示
してある。
2・・整流回路 4・・蓄電回路 6・・処理部 10・・携帯用電子機器 13・・回転錘 15・・中間車 17・・カム駆動車 19・・カム 20・・発電装置 21・・振動片 22・・圧電体部 23・・自由端 24・・支持端 25・・先端の重り 26・・支持層 27・・ネジ 28・・固定部 30、35、36・・積層された圧電体層 31、37・・電極 33・・上下の面 34・・左右の面 40・・音叉型の振動部材 50、60、65・・加振機構
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 舩坂 司 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内 (72)発明者 永坂 栄一 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内
Claims (20)
- 【請求項1】 自由振動を行う自由端と、この自由端を
支持する支持端とを備えた振動片を有し、 支持層を挟んで積層された少なくとも2つの圧電体部
と、これらの圧電体部の少なくとも1部を覆う電極とを
備え、これらの電極から交流を出力可能な発電部が前記
振動片の少なくとも前記支持端の側に形成された圧電体
発電装置であって、 この発電部における前記支持層の断面積の比率が約60
%以下であることを特徴とする圧電体発電装置。 - 【請求項2】 請求項1において、前記2つの圧電体部
が直に、あるいは前記電極を挟んで積層されていること
を特徴とする圧電体発電装置。 - 【請求項3】 請求項1において、前記振動片の振動方
向と直交する前記圧電体部の幅方向の寸法が、前記自由
端の側に対し前記支持端の側の方が広いことを特徴とす
る圧電体発電装置。 - 【請求項4】 請求項1において、前記振動片の支持端
の側は、前記振動片を固定部材に固定する部分と、この
固定する部分から前記自由端の方向に向かって伸びた部
分とを備えており、前記圧電体部は少なくとも前記固定
する部分および伸びた部分に設けられていることを特徴
とする圧電体発電装置。 - 【請求項5】 請求項4において、前記電極は前記伸び
た部分に設けられていることを特徴とする圧電体発電装
置。 - 【請求項6】 請求項1において、前記圧電体部の第1
および第2の圧電体部の分極方向が逆方向であり、これ
ら第1および第2の圧電体部が直列に接続されているこ
とを特徴とする圧電体発電装置。 - 【請求項7】 請求項1において、各々の前記圧電体部
は、分極した方向に積層された複数の圧電体層を備えて
おり、これらの圧電体層が並列に接続されていることを
特徴とする圧電体発電装置。 - 【請求項8】 請求項7において、前記圧電体部は、前
記振動片の前記自由端および前記支持端を結ぶ方向とほ
ぼ直交する方向に分極していることを特徴とする圧電体
発電装置。 - 【請求項9】 請求項7において、前記圧電体部は、前
記振動片の前記自由端および前記支持端を結ぶ方向にほ
ぼ沿って分極していることを特徴とする圧電体発電装
置。 - 【請求項10】 請求項1において、前記振動片の自由
端の先に重りが付加されており、この重りに加えられる
打撃によって前記自由振動が励起されることを特徴とす
る圧電体発電装置。 - 【請求項11】 自由振動を行う自由端と、この自由端
を支持する支持端とを備えた2つの振動片を有し、 各々の振動片の少なくとも前記支持端の側に、圧電体部
と、この圧電体部の少なくとも1部を覆う電極とを備
え、これらの電極から交流を出力可能な発電部が設けら
れており、 前記2つの振動片は、前記支持端が連絡された音叉型に
組み合わされていることを特徴とする圧電体発電装置。 - 【請求項12】 請求項1に記載の圧電体発電装置と、
前記発電部から出力された交流を整流する整流装置と、
整流された電流を蓄積する蓄電装置とを有する携帯型電
力供給装置。 - 【請求項13】 請求項1に記載の圧電体発電装置と、
前記発電部から出力された交流を整流する整流装置と、
整流された電流を蓄積する蓄電装置と、この蓄電装置か
ら供給された電力によって処理を行う処理装置とをを有
する携帯型電子機器。 - 【請求項14】 請求項11に記載の圧電体発電装置
と、前記音叉型に組み合わせた2つの振動片のそれぞれ
に逆方向の変位を加える加振機構と、前記発電部から出
力された交流を整流する整流装置と、整流された電流を
蓄積する蓄電装置とを有する携帯型電力供給装置。 - 【請求項15】 請求項14において、前記加振機構
は、前記2つの振動片のいずれか一方の前記自由端の側
を他方の振動片の方向に向かって打つ打撃部と、前記一
方の振動片に打撃が与えられると前記他方の振動片の前
記自由端の側が衝突する壁部とを備えており、前記音叉
型に組み合わされた2つの振動片が前記打撃部および前
記壁部によって挟み込まれることにより加振されること
を特徴とする携帯型電力供給装置。 - 【請求項16】 請求項15において、前記加振機構は
振り子状に動く重りを備えており、この重りの動きによ
って前記打撃部が前記振動片の一方を打つことを特徴と
する携帯型電力供給装置。 - 【請求項17】 請求項14において、前記音叉型に組
み合わされた2つの振動片は、それらの前記自由端の側
が振り子状に動くように支持され、前記加振機構は前記
振動片の一方の自由端の側が衝突する壁部を備えてお
り、前記音叉型に組み合わされた2つの振動片が振り動
かされ、前記振動片の少なくとも一方の振動片の前記自
由端が前記壁部に衝突することにより加振されることを
特徴とする携帯型電力供給装置。 - 【請求項18】 請求項14において、前記加振機構は
前記音叉型に組み合わされた2つの振動片の前記支持端
の側を連絡する部材のほぼ中央を前記振動片の側から打
つ打撃部を備えており、この打撃部によって前記連絡す
る部材に打撃が与えられることにより前記音叉型に組み
合わされた2つの振動片が加振されることを特徴とする
携帯型電力供給装置。 - 【請求項19】 請求項14において、前記加振機構
は、前記音叉型に組み合わされた2つの振動片の前記自
由端の側の間隔を広げる第1の部分と、前記2つの振動
片の前記自由端の間に納まる第2の部分を備えた加振部
材とを有しており、前記第1の部分および前記第2の部
分を交互に前記2つの振動片の前記自由端の側の間に挿
入することにより加振することを特徴とする携帯型電力
供給装置。 - 【請求項20】 請求項11に記載の圧電体発電装置
と、前記音叉型に組み合わせた2つの振動片に逆方向の
変位を加える加振装置と、前記発電部から出力された交
流を整流する整流装置と、整流された電流を蓄積する蓄
電装置と、この蓄電装置から供給された電力によって処
理を行う処理装置とをを有する携帯型電子機器。
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