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JPH09197767A - 半導電性シリコーンゴムロール - Google Patents

半導電性シリコーンゴムロール

Info

Publication number
JPH09197767A
JPH09197767A JP711596A JP711596A JPH09197767A JP H09197767 A JPH09197767 A JP H09197767A JP 711596 A JP711596 A JP 711596A JP 711596 A JP711596 A JP 711596A JP H09197767 A JPH09197767 A JP H09197767A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
silicone rubber
conductive
roll
resistance value
layer
Prior art date
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Granted
Application number
JP711596A
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English (en)
Other versions
JP3765431B2 (ja
Inventor
Seisuke Sakyo
靖介 佐京
Takashi Kanai
孝志 金井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shin Etsu Polymer Co Ltd
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Polymer Co Ltd
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shin Etsu Polymer Co Ltd, Shin Etsu Chemical Co Ltd filed Critical Shin Etsu Polymer Co Ltd
Priority to JP711596A priority Critical patent/JP3765431B2/ja
Publication of JPH09197767A publication Critical patent/JPH09197767A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3765431B2 publication Critical patent/JP3765431B2/ja
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  • Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)
  • Rolls And Other Rotary Bodies (AREA)
  • Dry Development In Electrophotography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 表面に平滑性を有し、しかも低硬度化がで
き、なおかつ硬度、抵抗値の安定性に優れた半導電性シ
リコーンゴムロールを提供する。 【解決手段】 導電性芯体2の外周面に絶縁性シリコー
ンゴム発泡体層3が形成され、さらにその外周面に導電
性シリコーンゴム層4が形成された2層構造のシリコー
ンゴムロールであって、前記絶縁性シリコーンゴム発泡
体層3の両端面に接して、かつ該絶縁性シリコーンゴム
発泡体層3よりも両端面が張り出し形成された前記導電
性シリコーンゴム層4の張り出し部の内周面と前記導電
性芯体2の外周面との間に、一対のリング状の半導電性
シリコーンゴム板5が一体に形成されてなる半導電性シ
リコーンゴムロール1。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子写真方式を利用
した複写機、レーザ・ビーム・プリンタ(LBP)、フ
ァクシミリ等として使用される半導電性(抵抗値が10
2 〜1010Ωの範囲にあるもの)シリコーンゴムロール
に係り、特に電気的特性が安定し、かつ感光体との接触
性に優れた半導電性シリコーンゴムロールに関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真方式を利用した複写機、
レーザ・ビーム・プリンタ、ファクシミリ等に用いられ
る各種機器は、帯電、露光、現像、転写および定着の各
工程の繰り返しによって印刷物を得ていた。上記各工程
において、まず帯電工程では感光体の表面に均一な電荷
を付与させる、また露光工程では原稿からの反射光、レ
ーザー光、LED光等の照射により感光体上に静電潜像
を形成させる、さらに現像工程では帯電させたトナー等
により、静電潜像を可視化する、転写工程では可視化さ
れた像を静電的に記録紙上に転写する、また定着工程で
はトナー等を記録紙上に加熱加圧定着する、という5工
程の方法により印刷物が得られるのである。
【0003】上記各工程中、帯電工程、転写工程では、
従来、コロトロンによる非接触帯電方式が主流であった
が、電源の高電圧化、オゾン発生による環境問題等の不
利があるため、これらを解決した半導電性ロールを用い
た接触帯電方式がある。さらに現像工程では、マグネッ
トロール等による非接触現像方式、あるいは弾性を有す
る導電性ロールによる接触現像方式が利用されている。
しかし、マグネットロールを使用した場合、装置を小型
化できず、また磁性トナーを用いなければならないた
め、カラー化および高品質印字には不向きである。さら
に非磁性トナーを用いた場合は、トナーが二成分系とな
り、コストやメンテナンスの面で不利である等の問題が
あり、これらを解決できる半導電性ロールを用いた接触
現像方式が採用されている。
【0004】このように上記各工程ごとの半導電性ロー
ル(以下、単にロールとする)に対する物性的要求は、
多少異なっているが、これをまとめると以下のようにな
る。すなわち、まず帯電用のロールでは均一な帯電を得
るための表面の平滑性、また帯電効率を上げるのにニッ
プ(ロール間隙)を大きくするための低硬度が要求され
る。しかし、半導電性を発揮するために導電性のカーボ
ンブラック等の導電性フィラーを高充填することもあっ
て、低硬度化には限界がある。また装置の小型化に伴い
弾性層の薄層化が進み、同じニップを確保するにも今後
ますます低硬度化が要求される。さらに金属シャフト等
からなる導電性芯体も細くなる傾向にあり、ロールのた
わみを抑制するためにも、低硬度化が不可欠である。
【0005】転写用のロールでは、転写効率を上げるの
に、ニップを大きくするための低硬度化が要求され、表
面の平滑性を犠牲にしてスポンジロールが使用される。
これは、他の2種のロールに比べると紙等の印刷媒体を
介してトナーや感光体に接するため、表面の平滑性が印
字品位に直接影響しづらいことによる。しかし、なるべ
く表面は、ある程度平滑な方がよく、スポンジのセル目
が粗くなるほど良好な転写性を発揮するための抵抗値の
範囲や外径精度の要求が厳しくなることが知られている
が、スポンジのセル目は、一般に100μm以下のもの
を得るのは困難であり、スポンジでは表面の平滑性に限
界がある。最後に、現像用のロールでも、やはり現像効
率を上げるのに、ニップを大きくするための低硬度化が
要求されている。この場合、表面はある程度平滑性があ
ればよく、多少の粗さがあってもよい。これはトナーを
搬送する能力に表面粗さが関与していることによる。し
かし、その粗さの上限は、十点の平均粗さが10μm以
下であり、スポンジロールとするには無理があり、また
その他の点については、帯電用のロールと同様の傾向が
ある。
【0006】以上、3種類のロールに共通する物性的要
求として、低硬度化が大きな割合を占めている。硬ゴム
(非発泡)ロールは低硬度化しようとしても、導電性付
与剤の添加が必要なため、ゴム硬度40°Hs(JIS
A)以下のロールを得るのは非常に困難である。しか
し、表面の平滑性を考えると、帯電用のロール、現像用
のロールはスポンジロール化が不可能である。また転写
用のロールに関してもスポンジロールではなく、硬ゴム
ロールで、低硬度化するのが理想的である。
【0007】このような上記問題点を解決するものとし
て、スポンジロールの上に硬ゴムを形成した2層構造の
ロールが考えられ、これにはスポンジ,硬ゴム共に半
導電性、スポンジは半導電性,硬ゴムは導電性、ス
ポンジは導電性,硬ゴムは半導電性、の3通りの組み合
わせが挙げられる。しかし、,の構成の場合、ただ
でさえロールの抵抗値をこの半導電性領域に調整するに
は、導電性カーボンブラック等の導電性フィラーの添加
量の調整が非常に難しい上に、特にこれをスポンジロー
ルにすると発泡により抵抗値の上昇をきたし、その上昇
率が発泡倍率により、大きく変動してしまい、半導電性
領域での抵抗値の制御が非常に難しくなってしまう。ま
たの構成の場合、スポンジロールの抵抗値管理は、容
易になるものの、導電性カーボンブラックを添加した導
電性シリコーンゴムではベンゾイルパーオキサイド等の
低温で分解する過酸化物加硫剤が使用できないため、付
加加硫系のものを配合することになり、その場合スコー
チによる発泡倍率の経時変化等、取扱いに微細さが要求
され、発泡倍率や硬度の不安定を誘発する、という問題
があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記した従
来の問題点を解決するものであり、上記各工程に適用す
ることができる、表面に平滑性を有し、しかも低硬度化
ができ、なおかつ硬度、抵抗値の安定性に優れた半導電
性シリコーンゴムロール(以下、単にゴムロールとす
る)を提供する。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、導電性芯体の
外周面に絶縁性シリコーンゴム発泡体層が形成され、さ
らにその外周面に導電性シリコーンゴム層が形成された
2層構造のゴムロールであって、前記絶縁性シリコーン
ゴム発泡体層の両端面に接して、かつ該絶縁性シリコー
ンゴム発泡体層よりも両端面が張り出し形成された前記
導電性シリコーンゴム層の張り出し部の内周面と前記導
電性芯体の外周面との間に、一対のリング状の半導電性
シリコーンゴムが一体に形成されてなるゴムロールを要
旨とするものである。
【0010】本発明のゴムロールに用いられる導電性芯
体は、いわゆるシャフトと呼ばれる部材であり、導電性
で、かつ種々の使用条件に耐えうる機械強度を持ってい
ればプラスチック、セラミック等、特に制限されるもの
ではないが、特にアルミニウム、ステンレス、ニッケル
メッキ鉄等のような金属シャフトが好適に用いられる。
【0011】次に、上記導電性芯体の外周面に形成され
る絶縁性シリコーンゴム発泡体層は、その材質としてビ
ニル基含有ジメチルポリシロキサン生ゴムと補強性シリ
カ充填剤からなるシリコーンゴムコンパウンドに有機過
酸化物加硫剤、有機発泡剤を添加したものが好適に用い
られる。有機過酸化物は、比較的低温で分解するアシル
系有機過酸化物と、比較的高温で分解する非アシル系有
機過酸化物とを適宜組み合わせて使用するのがスポンジ
ゴム硬度を制御する上で望ましい。アシル系有機過酸化
物としては、例えばベンゾイルパーオキサイド、ビス−
2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド等が挙げら
れ、非アシル系有機過酸化物としては、例えば、ジクミ
ルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、
2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキ
シ)ヘキシル等が挙げられる。有機発泡剤としては、ア
ゾジカルボン酸アミド(ADCA)、アゾビスイソブチ
ロニトリル(AIBN)等が好適に用いられ、これら有
機発泡剤の分解温度は、通常100℃〜200℃程度の
範囲であり、上記した低温分解の有機過酸化物と高温分
解の有機過酸化物の分解温度の範囲内にあり、発泡が安
定して行えるとともに、発泡倍率の制御も容易である。
【0012】本発明のゴムロールは、絶縁性シリコーン
ゴム発泡体層が直接、被接触物に接触するわけではない
ので、機械強度等はあまり関係ないが、得られるゴムロ
ールの硬度を40°Hs(JIS A)以下とするため
には、この絶縁性シリコーンゴム発泡体層の硬度を40
°Hs(アスカーC)以下となるように配合するのがよ
い。硬度を上げるには、ビニル基含有ジメチルポリシロ
キサン生ゴムのビニル基密度を上げる、補強性シリカ充
填剤の添加量を増やす、低温分解の有機過酸化物の量を
増やし発泡倍率を下げる、有機発泡剤の添加量を減らす
等の手段が挙げられ、また硬度を下げるには、前記硬度
を上げる場合とは逆の処方にすればよい。この配合物を
導電性芯体の外周面に設け、加熱することにより発泡加
硫させてシリコーンゴム発泡体層が得られる。
【0013】絶縁性シリコーンゴム発泡体層のさらに外
周面に形成される導電性シリコーンゴム層の材質として
は、ビニル基含有ジメチルポリシロキサン生ゴムと補強
性シリカ充填剤からなるシリコーンゴムコンパウンドに
導電性付与剤を添加したものをベースとしたものが挙げ
られる。この導電性付与剤としては、導電性アセチレン
ブラック、導電性ファーネスブラック、導電性サーマル
ブラック等の導電性カーボンブラック、グラファイト、
あるいは酸化錫、酸化チタン、酸化亜鉛等の金属酸化物
やその表面またはドープ等により内部を導電化処理した
もの、あるいはアルミニウム、ニッケル、錫、銅等の金
属微粒子、あるいは絶縁性微粒子または繊維状物の表面
または内部を導電化処理したもの等が例示され、これら
はその単独またはそれらの組み合わせで使用すればよ
い。なお、電子写真装置に用いられ、感光体ドラムに接
触させて使用する場合、感光体をキズ付けたり摩耗させ
たりすることを防止する観点からは、導電性カーボンブ
ラック、特には導電性ファーネスブラック、導電性アセ
チレンブラック等の高い導電性を有するものが、少ない
添加量で目的とするレベルの導電性にすることができる
のでより好ましい。
【0014】導電性カーボンブラックの添加量は、シリ
コーンゴムコンパウンド100重量部に対して、3〜1
0重量部の範囲にするのが好ましく、3重量部より少な
いと表層のシリコーンゴムの抵抗値が十分に導電性領域
に入らず、半導電性領域となってしまい、導電性カーボ
ンブラックの僅かな添加量の変動でも大きく抵抗値が変
動してしまい、本発明の課題の1つでもある抵抗値の安
定に関し不利となり、また10重量部を超えると抵抗値
は十分導電性領域で安定するが、高充填によりゴム硬度
が上がってしまい、本発明の課題である低硬度化に関し
不利となる。
【0015】また上記導電性シリコーンゴム層のゴム硬
度は50°Hs(JIS A)以下とするのが良い。5
0°Hs(JIS A)を超えると得られるロールの低
硬度化に不利になる。これは導電性付与剤の添加量を3
〜10重量部とするとともに、補強性シリカ、補強性カ
ーボンブラック(このものは添加しても導電性を付与す
るものではない)等の充填剤の添加量を5〜20重量部
とすることにより調整される。補強性充填剤の添加量が
5重量部より少ないと感光体ドラムに接触させて使用す
る場合、表面が磨滅してしまいやすいという不利があ
り、20重量部を超えると十分な導電性とするに足りる
導電性付与剤を添加したときに、ゴム硬度が50°Hs
を超えてしまうおそれがある。この導電性シリコーンゴ
ム層に用いられる加硫剤としては、導電性カーボンブラ
ックによる加硫阻害をうけるアシル系有機過酸化物以外
の非アシル系有機過酸化物、あるいは1分子中に珪素原
子と結合する水素原子を2個以上有するオルガノハイド
ロジェンポリシロキサンをビニル基含有ジメチルポリシ
ロキサン生ゴム100重量部に対して1〜10重量部
と、触媒有効量の白金系触媒とを添加して付加加硫型と
するのが好ましい。このオルガノハイドロジェンポリシ
ロキサンの添加量は、1重量部より少ないと十分なゴム
弾性を得られず、10重量部より多くてもゴム弾性ある
いは強度は向上せず経済的でなく、場合によってはそれ
ら物性値の低下をきたす虞れがある。また常温でのスコ
ーチを防止する目的で、この他に反応制御剤を適宜添加
してもよい。
【0016】このような組成からなる導電性シリコーン
ゴム層は、前記絶縁性シリコーンゴム発泡体層より、そ
の両端が僅かに張り出して形成されている。この張り出
し部において、導電性シリコーンゴム層の内周面と前記
導電性芯体の外周面との間で、かつ上記絶縁性シリコー
ンゴム発泡体層の両側には、一対のリング状の半導電性
シリコーンゴムが一体に形成されている。このリング状
の半導電性シリコーンゴムの厚さは、5mm以上あれ
ば、より安定した抵抗値を得ることができ、また導電性
シリコーンゴム層を研磨するときに強度不足から引きち
ぎられてしまったりする心配がなくなり、この厚さが1
0mmを超えると、通常の電子写真方式の現像装置に用
いられるロールは感光体ドラムより両端が約10mmず
つはみ出して使用されているが、このリング状の半導電
性シリコーンゴムが内部に存在するところが感光体ドラ
ムに接触してしまい、その両端部で充分なニップ幅が確
保できなくなるおそれがあるため、通常、厚さ5〜10
mmとされる。また、その材質としては、ビニル基含有
ジメチルポリシロキサン生ゴムと補強性シリカ、補強性
カーボンブラック等の充填剤からなるシリコーンゴムコ
ンパウンドに、導電性シリコーゴム層に例示したものと
同様の導電性付与剤を添加したものをベースとしたもの
が挙げられるが、このリング状の半導電性シリコーンゴ
ムは直接感光体に接触しないので、添加する導電性付与
剤は、導電性カーボンブラック以外のものを使用するこ
とができる。添加量はリング状の半導電性シリコーンゴ
ムを半導電性(102 〜1010Ω)とするのに適した量
とすればよく、例えば導電性カーボンブラックの場合、
シリコーンゴムコンパウンド100重量部に対し、1〜
3重量部程度である。しかし、抵抗値を半導電性領域で
制御するのは非常に難しく、後述するように導電性付与
剤の高濃度マスターバッチと絶縁材により微調整しなが
ら製造するのが望ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て、限定ではなく単なる例示として添付図面を基に説明
する。図1は、本発明のゴムロールの一例を示す断面説
明図であり、ゴムロールは、このゴムロール1の中心
に位置し、通常、金属シャフトからなる導電性芯体2、
この外周面に設けられた絶縁性シリコーンゴム発泡体層
3、これよりもその両端が僅かに張り出して形成されて
いる導電性シリコーンゴム層4、張り出し部において、
導電性シリコーンゴム層4の内周面と導電性芯体2の外
周面との間で、かつ上記絶縁性シリコーンゴム発泡体層
3の両側に設けられた一体のリング状の半導電性シリコ
ーンゴム板(以下、単にゴム板とする)5とから構成さ
れている。
【0018】このゴムロールの製造方法は、接着性を改
良する目的でプライマーを塗布した導電性芯体の外周面
にまず未発泡、未硬化の絶縁性シリコーンゴム発泡体用
組成物を押出しにより一体成形した後、加熱硬化させて
行うが、この加熱手段としては、熱風乾燥炉、赤外線加
熱炉、高周波(UHF)加熱炉等の加熱装置を用いるこ
とができる。また予めチューブ状に押出しを行ない、上
記加熱手段によってスポンジチューブとした後、導電性
芯体を圧入してもよい。この場合は導電性芯体とスポン
ジチューブとの接着のために、予めRTV等の接着剤を
導電性芯体の外周面および/またはスポンジチューブ内
周面に塗布するのが好ましい。
【0019】次に、前記絶縁性シリコーンゴム発泡体層
の両端に接触して形成されるゴム板は、予め半導電性シ
リコーンゴム組成物を、押出し、プレス等によりチュー
ブ状に成形し、これを所定厚さの板状にカットして使用
するが、寸法精度を高くするには、チューブを導電性芯
体と同じ外径を有する芯体に圧入した後、研磨するのが
よい。ゴム板の抵抗値は、所定の半導電性シリコーンゴ
ム組成物でチューブ状に成形を行ない、テスター等によ
り抵抗値を測定し、この抵抗値が所望の値より高い場合
には、原料に導電性付与剤を50〜100%多く添加し
た導電性シリコーンゴム組成物を添加し、この抵抗値が
所望の値より低い場合には、導電性付与剤を含有してい
ないシリコーンゴムコンパウンドを添加する。なおこれ
らの添加量は予め、抵抗値が高い場合と低い場合につい
て検量線を作成し、これに従って決定すればよい。
【0020】このようにして所望の抵抗値に調整された
ゴム板は、導電性芯体に圧入して用いる場合には、内径
は導電性芯体より1〜2mm程度小さくすると、回転ト
ルクの点で有利である。また外径は導電性芯体に圧入し
た状態で、所望の最終製品外径より導電性シリコーンゴ
ム層の厚さを差し引いた値とすればよい。また外径精度
を高くするには、予め研磨してもよいし、チューブをリ
ング状にカットしたのち圧入後に絶縁性シリコーンゴム
発泡体層とともに研磨するのがさらに好ましい。この段
階で外径は、最終製品外径より導電性シリコーンゴム層
の厚さを差し引いた値になっている。
【0021】次に、このようにして得られた導電性芯体
と絶縁性シリコーンゴム発泡体層およびゴム板の一体物
の外周面に、クロスヘッドを用いた押出し機により未加
硫の導電性シリコーンゴム層を最外層となるように押出
し、これを前述した加熱装置を用い、加熱加硫して導電
性シリコーンゴム層を形成する。この導電性シリコーン
ゴム層は表面を研磨することにより外径値を所望の値に
することもでき、表面の粗さも所望の値にすることもで
きるが、この層の厚さは0.5〜2mmの範囲とするの
が好適であり、0.5mm未満では表面が内層の絶縁性
シリコーンゴム発泡体層のセル目の影響を受けて平滑性
が悪くなりやすく、また2mmを超えると低硬度化に不
利となりやすい。さらに、感光体の汚染を防止するため
に、この導電性シリコーンゴム層の表面にウレタン、フ
ッ素、ナイロン樹脂等をコーティングしてもよい。
【0022】本発明のゴムロールは、上記したように、
表面が非発泡シリコーンゴムであるため平滑性に優れて
おり、その内層が絶縁性シリコーンゴム発泡体層である
ため低硬度化が可能である。さらに、導電性スポンジの
場合は発泡倍率により抵抗値が変動してしまうため、安
定した抵抗値を得られないのに対し、本願発明では内層
が絶縁性シリコーンゴム発泡体層であるため抵抗値の調
整が必要なく、非発泡のゴム板(リング状の半導電性シ
リコーンゴム)の抵抗値、またはその厚さを調整すれば
よいのであるから極めて容易にこのような問題点を解決
できる。
【0023】
【実施例】
(実施例1〜12)導電性芯体は、予め表面をプライマ
ー処理した直径10mm、長さ260mmのステンレス
製芯体を使用する。絶縁性シリコーンゴム発泡体は、シ
リコーンゴムコンパウンドKE151U(信越化学工業
社製、商品名)100重量部に、低温分解型の有機過酸
化物加硫剤C−1(信越化学工業社製、商品名)を夫々
0.3、0.5、0.7重量部、高温分解型の有機過酸
化物加硫剤C−3(信越化学工業社製、商品名)3重量
部、有機発泡剤KEP−13(信越化学工業社製、商品
名)2重量部を2本ロールにてよく混合し、押出し機を
使用してステンレス製芯体上に直径15mmに一体分出
しした。その後、250℃、30分の条件で熱風加熱炉
にて加熱加硫発泡させた。これを200℃、4時間で後
処理した後、円筒研削盤にて研磨し、外径18.5、1
9.0、19.5mmとした。絶縁性シリコーンゴム発
泡体層の端部はカッターでサイドカットし平坦に仕上げ
た。
【0024】ゴム板の調整は、まずシリコーンゴムコン
パウンドKE151U(同前)100重量部に、導電性
ファーネスブラック3重量部を加えて導電性シリコーン
ゴムコンパウンドを調整する。これに有機過酸化物加硫
剤C−3(同前)2重量部、オルガノハイドロジェンポ
リシロキサン3重量部、触媒としてCAT−PL−2
(信越化学工業社製、商品名)0.1重量部、反応制御
剤R−153A(信越化学工業社製、商品名)を1重量
部加え、押出し機で外径20.5mm、内径9mmのチ
ューブを押出しし、300℃の熱風加熱炉で加熱硬化さ
せた。
【0025】これを1000mmほどの長さに押し出し
た時に一度押し出し機を停止し、100mmの長さにカ
ットし、直径10mm、長さ140mmのステンレスシ
ャフトに圧入し、図2に示す方法で抵抗値を測定した。
図2に示す方法は、抵抗値被測定物6の両端部に突出し
た導電性芯体2に100gずつの荷重をかけ、抵抗値被
測定物6と、金属等の導電性板状物からなる電極8を圧
接し、導電性芯体2と電極8との間の抵抗値、すなわち
抵抗値被測定物6の抵抗値を測定できるように抵抗測定
器7を接続してなる装置を用いる方法である。また環境
条件により測定値が変動するので、20℃、50%RH
に10分間置いてから測定する。抵抗値が低い場合はK
E151U(同前)を残った原料に添加し抵抗値を上げ
る。抵抗値が高い場合は予めKE151U(同前)に導
電性ファーネスブラック10重量部を添加した抵抗値調
整用導電性シリコーンゴムコンパウンドを残った原料に
添加し抵抗値を下げる。
【0026】このような方法で抵抗値を8×104
1.5×105 Ωの範囲、すなわち約1×105 Ωにな
るように調整し、その後、連続的に押出し成形した。次
に、これを200℃、4時間で後処理した後、100m
mの長さにカットし、直径10mmのステンレスシャフ
トに圧入した後、上記絶縁性シリコーンゴム発泡体層と
外径値を合わせるため円筒研削盤にて研磨し、外径1
8.5、19.0、19.5mmとした。同様にして、
図2に示す方法で抵抗値を測定した時、8×103
1.5×104 Ωの範囲、すなわち約1×104 Ωとな
るような半導電性シリコーンゴムを作製した。これを厚
さ5mmにカットしてゴム板とした。
【0027】上記した絶縁性シリコーンゴム発泡体層の
両端部に、このゴム板が接触するように、上記ステンレ
ス製芯体を圧入し、次いでこれらの上にクロスヘッドを
備えた押出し機によって、KE151U(同前)とビニ
ル基含有ジメチルポリシロキサン生ゴムを夫々1:0、
2:1、1:1の比率で混合したものを100重量部と
し、導電性ファーネスブラック10重量部を添加し、こ
れに有機過酸化物加硫剤C−3(同前)2重量部、オル
ガノハイドロジェンポリシロキサン3重量部、触媒とし
てCAT−PL−2(同前)0.1重量部、反応制御剤
R−153A(同前)1重量部を加え、2本ロールで混
練し組成物からなる導電性シリコーンゴム層を、外径2
1mmになるように設けた。このようにしてできた、上
記外径21mmのロールを円筒研削盤で研磨し、外径2
0mmに仕上げた。その後端部のバリを処理して、各種
ゴムロールを得た。上記実施例中の各構成の組合せを表
1に示した。
【0028】
【表1】 上記した表1中、実施例6の構成で、ゴム板の抵抗値を
1×104 Ω(図2に示した測定方法による)としたも
のも作製し、実施例12とした。それぞれのゴムロール
に対して硬度(JIS A)、平均抵抗値、10本成形
したときの平均抵抗値の最大値/最小値、を表2に示し
た。ただし、抵抗値の測定方法は、図2に示す方法によ
り角度を90°ずつ回転させて測定し、平均抵抗値はこ
の4点のデータの平均値とした。
【0029】
【表2】 上記表2の結果から明らかなように硬度が40°Hs以
下で任意に変更可能であり、なおかつ硬度を変えても抵
抗値は一定の物が得られ、10本成形したときのその最
大値と最小値の幅も1.2倍以下となり、好ましい結果
が得られた。
【0030】(比較例)比較例として、上記実施例中の
半導電性シリコーンゴムに替えて、導電性シリコーンゴ
ムを使用した。この導電性シリコーンゴムは、シリコー
ンゴムコンパウンドKE151U(同前)100重量部
と、導電性ファーネスブラック2.5重量部を添加し、
これに有機過酸化物加硫剤C−3(同前)2重量部、オ
ルガノハイドロジェンポリシロキサン5重量部、触媒と
して塩化白金酸0.1重量部、反応制御剤1重量部を加
えたものを使用した。この導電性シリコーンゴムは、抵
抗値を1×105 Ωとし、上記実施例と同様に、ロール
に対する硬度(JIS A)、平均抵抗値、10本成形
したときの平均抵抗値の最大値/最小値を表2に示し
た。この結果から明らかなように、抵抗値が安定せず、
また低硬度化が当然得られず、実用上望ましくなかっ
た。
【0031】
【発明の効果】本発明のゴムロールは、電気的特性が非
常に安定しているとともに、表面の平滑性を有している
ため、感光体との接触性に優れており、さらに硬度や抵
抗値の調整も容易であり、産業上の利用価値のきわめて
高いゴムロールを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のゴムロールの一例を示す断面説明図。
【図2】抵抗値被測定物の抵抗値測定方法を示す説明
図。
【符号の説明】
1…ゴムロール 2…導電性芯体 3…絶縁性シリコーンゴム発泡体層 4…導電性シリコーンゴム層 5…ゴム板(半導電性シリコーンゴム) 6…抵抗値被測定物 7…抵抗測定器 8…電極

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性芯体の外周面に絶縁性シリコーン
    ゴム発泡体層が形成され、さらにその外周面に導電性シ
    リコーンゴム層が形成された2層構造のシリコーンゴム
    ロールであって、前記絶縁性シリコーンゴム発泡体層の
    両端面に接して、かつ該絶縁性シリコーンゴム発泡体層
    よりも両端面が張り出し形成された前記導電性シリコー
    ンゴム層の張り出し部の内周面と前記導電性芯体の外周
    面との間に、一対のリング状の半導電性シリコーンゴム
    が一体に形成されてなることを特徴とする半導電性シリ
    コーンゴムロール。
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