JPH09194812A - 自己接着性エマルジョン組成物 - Google Patents
自己接着性エマルジョン組成物Info
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- JPH09194812A JPH09194812A JP539796A JP539796A JPH09194812A JP H09194812 A JPH09194812 A JP H09194812A JP 539796 A JP539796 A JP 539796A JP 539796 A JP539796 A JP 539796A JP H09194812 A JPH09194812 A JP H09194812A
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- polymer
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- monomer
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Abstract
(57)【要約】
【課題】塗工面のタックが少なく、塗工面同士が良好な
自己接着性を有し、かつ耐老化性に優れた自己接着性エ
マルジョン組成物を提供する。 【解決手段】カルボン酸又は酸無水物の形態のビニル系
不飽和モノマーを必須モノマー成分とする重合体のアル
カリ中和塩からなる高分子分散剤の存在下で、炭素数1
〜8のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステル
及び炭素数1〜4のアルコキシ基を有するアクリル酸ア
ルコキシエチルエステルの少なくとも一種を70重量%
以上含むモノマー成分を乳化重合して得られ、該乳化重
合により得られた重合物のガラス転移温度が−50〜0
℃であるアクリル系エマルジョンからなることを特徴と
する自己接着性エマルジョン組成物。
自己接着性を有し、かつ耐老化性に優れた自己接着性エ
マルジョン組成物を提供する。 【解決手段】カルボン酸又は酸無水物の形態のビニル系
不飽和モノマーを必須モノマー成分とする重合体のアル
カリ中和塩からなる高分子分散剤の存在下で、炭素数1
〜8のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステル
及び炭素数1〜4のアルコキシ基を有するアクリル酸ア
ルコキシエチルエステルの少なくとも一種を70重量%
以上含むモノマー成分を乳化重合して得られ、該乳化重
合により得られた重合物のガラス転移温度が−50〜0
℃であるアクリル系エマルジョンからなることを特徴と
する自己接着性エマルジョン組成物。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塗工面のタックが
少なく、塗工面同士を重ね合わせて加圧することにより
接着可能ないわゆる自己接着性エマルジョン組成物に関
する。
少なく、塗工面同士を重ね合わせて加圧することにより
接着可能ないわゆる自己接着性エマルジョン組成物に関
する。
【0002】
【従来の技術】自己接着性を有する接着剤とは、その塗
工面同士を重ね合わせて、機械的な圧力や指圧などによ
って加圧することにより、塗工面同士を接着させること
のできるものであり、斯かる性質を有するものとして
は、天然ゴムラテックスや、スチレンブタジエンゴムラ
テックス、クロロプレンゴムラテックス等の合成ゴムラ
テツクスが知られている。特に、天然ゴムラテックス
は、塗工面のタックが少なく、かつ塗工面同士の自己接
着性に優れていることから、例えば郵便物封緘用等の両
面感圧型接着剤、両面塗布型の水性コンタクト接着剤、
個人情報に関わるプライバシ一保護のための親展性はが
き用等に用いるコールドシール型接着剤等として使用さ
れている。
工面同士を重ね合わせて、機械的な圧力や指圧などによ
って加圧することにより、塗工面同士を接着させること
のできるものであり、斯かる性質を有するものとして
は、天然ゴムラテックスや、スチレンブタジエンゴムラ
テックス、クロロプレンゴムラテックス等の合成ゴムラ
テツクスが知られている。特に、天然ゴムラテックス
は、塗工面のタックが少なく、かつ塗工面同士の自己接
着性に優れていることから、例えば郵便物封緘用等の両
面感圧型接着剤、両面塗布型の水性コンタクト接着剤、
個人情報に関わるプライバシ一保護のための親展性はが
き用等に用いるコールドシール型接着剤等として使用さ
れている。
【0003】しかしながら、天然ゴムラックスは、樹脂
の老化により経時的に性能が劣化するという基本的な欠
点があり、改良のためにアクリルによる変性、紫外線吸
収剤の配合等が試みらられているが、充分に満足できる
性能を有するものは得られていない。
の老化により経時的に性能が劣化するという基本的な欠
点があり、改良のためにアクリルによる変性、紫外線吸
収剤の配合等が試みらられているが、充分に満足できる
性能を有するものは得られていない。
【0004】一方、アクリル樹脂エマルジョンは、耐老
化性に優れており、塗料用バインダー、接着剤、繊維化
工剤等の種々の用途に用いられているが、自己接着性の
面では天然ゴムラテックスに比べて劣るものである。こ
れは、一般に、自己接着性は、接着剤の塗工面同士を圧
着した場合に、高分子鎖が接触界面において絡み合うこ
とによって生じるものと考えられるが、アクリル樹脂エ
マルジョンでは、乳化重合の際に用いる乳化剤が接触界
面に存在し、これにより高分子鎖同士の接触及び絡み合
いが大きく阻害されることによるものと考えられる。斯
かるアクリル樹脂エマルジョンについては、ガラス転移
温度を低く設定することによって、自己接着性を高くす
ることが可能であるが、ガラス転移温度を低くすると、
塗工面のタックが強くなりすぎてブロッキングが生じや
すくなるという問題点がある。一方、塗工面のタックを
少なくするためにガラス転移温度を高く設定すると、乳
化剤による接着阻害により実用的なレベルの自己接着性
が得ることができない。
化性に優れており、塗料用バインダー、接着剤、繊維化
工剤等の種々の用途に用いられているが、自己接着性の
面では天然ゴムラテックスに比べて劣るものである。こ
れは、一般に、自己接着性は、接着剤の塗工面同士を圧
着した場合に、高分子鎖が接触界面において絡み合うこ
とによって生じるものと考えられるが、アクリル樹脂エ
マルジョンでは、乳化重合の際に用いる乳化剤が接触界
面に存在し、これにより高分子鎖同士の接触及び絡み合
いが大きく阻害されることによるものと考えられる。斯
かるアクリル樹脂エマルジョンについては、ガラス転移
温度を低く設定することによって、自己接着性を高くす
ることが可能であるが、ガラス転移温度を低くすると、
塗工面のタックが強くなりすぎてブロッキングが生じや
すくなるという問題点がある。一方、塗工面のタックを
少なくするためにガラス転移温度を高く設定すると、乳
化剤による接着阻害により実用的なレベルの自己接着性
が得ることができない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の主な目的は、
塗工面のタックが少なく、塗工面同士が良好な自己接着
性を有し、かつ耐老化性に優れた自己接着性エマルジョ
ン組成物を提供することである。
塗工面のタックが少なく、塗工面同士が良好な自己接着
性を有し、かつ耐老化性に優れた自己接着性エマルジョ
ン組成物を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記した如
き課題を解決すべく、鋭意研究を重ねた結果、特定の高
分子分散剤の存在下で、特定のアクリル系モノマー、お
よび必要に応じて、該アクリル系モノマーに加えて、こ
れと共重合可能なビニル系不飽和モノマーを乳化重合し
て得られ、重合物のガラス転移温度が−50〜0℃の範
囲にあるアクリル系エマルジョンは、タックが少なく、
良好な自己接着性を有するものであり、しかも優れた耐
老化性を有することを見出し、ここに本発明を完成する
に至った。
き課題を解決すべく、鋭意研究を重ねた結果、特定の高
分子分散剤の存在下で、特定のアクリル系モノマー、お
よび必要に応じて、該アクリル系モノマーに加えて、こ
れと共重合可能なビニル系不飽和モノマーを乳化重合し
て得られ、重合物のガラス転移温度が−50〜0℃の範
囲にあるアクリル系エマルジョンは、タックが少なく、
良好な自己接着性を有するものであり、しかも優れた耐
老化性を有することを見出し、ここに本発明を完成する
に至った。
【0007】即ち、本発明は、カルボン酸又は酸無水物
の形態のビニル系不飽和モノマーを必須モノマー成分と
する重合体のアルカリ中和塩からなる高分子分散剤の存
在下で、炭素数1〜8のアルキル基を有するアクリル酸
アルキルエステル及び炭素数1〜4のアルコキシ基を有
するアクリル酸アルコキシエチルエステルの少なくとも
一種を70重量%以上含むモノマー成分を乳化重合して
得られ、該乳化重合により得られた重合物のガラス転移
温度が−50〜0℃であるアクリル系エマルジョンから
なることを特徴とする自己接着性エマルジョン組成物に
係る。
の形態のビニル系不飽和モノマーを必須モノマー成分と
する重合体のアルカリ中和塩からなる高分子分散剤の存
在下で、炭素数1〜8のアルキル基を有するアクリル酸
アルキルエステル及び炭素数1〜4のアルコキシ基を有
するアクリル酸アルコキシエチルエステルの少なくとも
一種を70重量%以上含むモノマー成分を乳化重合して
得られ、該乳化重合により得られた重合物のガラス転移
温度が−50〜0℃であるアクリル系エマルジョンから
なることを特徴とする自己接着性エマルジョン組成物に
係る。
【0008】
【発明の実施の態様】本発明の自己接着性エマルジョン
組成物は、モノマー成分として、炭素数1〜8のアルキ
ル基を有するアクリル酸アルキルエステル及び炭素数1
〜4のアルコキシ基を有するアクリル酸アルコキシエチ
ルエステル(以下、両者を「アクリル系モノマー」とい
うことがある)の少なくとも一種を用い、これを乳化重
合して得られるものである。
組成物は、モノマー成分として、炭素数1〜8のアルキ
ル基を有するアクリル酸アルキルエステル及び炭素数1
〜4のアルコキシ基を有するアクリル酸アルコキシエチ
ルエステル(以下、両者を「アクリル系モノマー」とい
うことがある)の少なくとも一種を用い、これを乳化重
合して得られるものである。
【0009】アルキル基の炭素数が1〜8のアクリル酸
アルキルエステルとしては、例えばアクリル酸メチル、
アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−
エチルヘキシル等を挙げることができる。又、アルコキ
シ基の炭素数が1〜4のアクリル酸アルコキシエチルエ
ステルとしては、例えば、アクリル酸2−メトキシエチ
ル、アクリル酸2−エトキシエチル、アクリル酸2−ブ
トキシエチル等を挙げることができる。本発明では、上
記したアクリル酸アルキルエステル及びアクリル酸アル
コキシエチルエステルから1種単独で又は2種以上組み
合わせて用いることが出来る。
アルキルエステルとしては、例えばアクリル酸メチル、
アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−
エチルヘキシル等を挙げることができる。又、アルコキ
シ基の炭素数が1〜4のアクリル酸アルコキシエチルエ
ステルとしては、例えば、アクリル酸2−メトキシエチ
ル、アクリル酸2−エトキシエチル、アクリル酸2−ブ
トキシエチル等を挙げることができる。本発明では、上
記したアクリル酸アルキルエステル及びアクリル酸アル
コキシエチルエステルから1種単独で又は2種以上組み
合わせて用いることが出来る。
【0010】上記アクリル系モノマーでは、アルキル基
の炭素数が大きくなると、塗工面のタックが強くなる傾
向があるので、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、
アクリル酸ブチル等のアルキル基の炭素数が1〜4のア
クリル酸アルキルエステルが適度なタックを有する点で
好ましく、特にアクリル酸エチルが低タック性と自己接
着性とのバランスが良好であるので好ましい。
の炭素数が大きくなると、塗工面のタックが強くなる傾
向があるので、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、
アクリル酸ブチル等のアルキル基の炭素数が1〜4のア
クリル酸アルキルエステルが適度なタックを有する点で
好ましく、特にアクリル酸エチルが低タック性と自己接
着性とのバランスが良好であるので好ましい。
【0011】本発明では、モノマー成分として、上記し
たアクリル系モノマーを、全モノマー量の70重量%以
上用いることが必要であるが、これらのアクリル系モノ
マーの他に、該アクリル系モノマーと共重合可能なビニ
ル系不飽和モノマーを、全モノマー量の30重量%以下
の範囲で用いることができる。斯かるビニル系不飽和モ
ノマーとしては、目的に応じて、非官能性モノマー、親
水性の官能基を有するモノマー等を用いることができ
る。
たアクリル系モノマーを、全モノマー量の70重量%以
上用いることが必要であるが、これらのアクリル系モノ
マーの他に、該アクリル系モノマーと共重合可能なビニ
ル系不飽和モノマーを、全モノマー量の30重量%以下
の範囲で用いることができる。斯かるビニル系不飽和モ
ノマーとしては、目的に応じて、非官能性モノマー、親
水性の官能基を有するモノマー等を用いることができ
る。
【0012】これらのビニル系不飽和モノマー内で、非
官能性モノマーとしては、例えば、酢酸ビニル、メタク
リル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチ
ル、スチレン、アクリロニトリル等のホモポリマーのガ
ラス転移温度が30℃以上になるモノマーを用いること
が好ましく、これらの非官能性モノマーを用いることに
よって、重合体のタックを低減させることができる。
官能性モノマーとしては、例えば、酢酸ビニル、メタク
リル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチ
ル、スチレン、アクリロニトリル等のホモポリマーのガ
ラス転移温度が30℃以上になるモノマーを用いること
が好ましく、これらの非官能性モノマーを用いることに
よって、重合体のタックを低減させることができる。
【0013】また、親水性の官能基を有するモノマーと
しては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタ
コン酸等のカルボキシル基を有するビニル系不飽和モノ
マー、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸
2−ヒドロキシエチル等の水酸基を有するビニル系不飽
和モノマー、アクリルアミド、メタクリルアミド等のア
ミド基を有するビニル系不飽和モノマー、N−メチロー
ルアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド等
のN−メチロール基を有するビニル系不飽和モノマー、
ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノ
エチルメタクリルレート等のアミノ基を有するビニル系
不飽和モノマー、ビニルスルホン酸ソーダ、スチレンス
ルホン酸ソーダ、2−アクリルアミド−2−プロパンス
ルホン酸等のスルホン酸基を有するビニル系不飽和モノ
マー等を例示でき、これらの親水性の官能基を有するモ
ノマーを用いることによって、得られるエマルジョンを
より安定化させることができる。
しては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタ
コン酸等のカルボキシル基を有するビニル系不飽和モノ
マー、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸
2−ヒドロキシエチル等の水酸基を有するビニル系不飽
和モノマー、アクリルアミド、メタクリルアミド等のア
ミド基を有するビニル系不飽和モノマー、N−メチロー
ルアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド等
のN−メチロール基を有するビニル系不飽和モノマー、
ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノ
エチルメタクリルレート等のアミノ基を有するビニル系
不飽和モノマー、ビニルスルホン酸ソーダ、スチレンス
ルホン酸ソーダ、2−アクリルアミド−2−プロパンス
ルホン酸等のスルホン酸基を有するビニル系不飽和モノ
マー等を例示でき、これらの親水性の官能基を有するモ
ノマーを用いることによって、得られるエマルジョンを
より安定化させることができる。
【0014】これらのアクリル系モノマーと共重合可能
なビニル系不飽和モノマーは、全モノマー量の30重量
%以下の範囲で用いることが出来るが、これらのうち
で、親水性の官能基を有するモノマーについては、使用
量が多くなりすぎると得られたエマルジョン組成物の自
己接着性が低下しやすいので、全モノマー量の5重量%
以内の範囲で使用することが好ましく、2重量%以下の
範囲で使用することがより好ましい。
なビニル系不飽和モノマーは、全モノマー量の30重量
%以下の範囲で用いることが出来るが、これらのうち
で、親水性の官能基を有するモノマーについては、使用
量が多くなりすぎると得られたエマルジョン組成物の自
己接着性が低下しやすいので、全モノマー量の5重量%
以内の範囲で使用することが好ましく、2重量%以下の
範囲で使用することがより好ましい。
【0015】本発明では、更に、上記モノマー成分は、
乳化重合により得られた重合体のガラス転移温度が−5
0〜0℃の範囲となるように、選択することが必要であ
り、ガラス転移温度をこの温度範囲内とすることによっ
て、低タック性と良好な自己接着力を両立させることが
できる。得られる重合体のガラス転移温度が−50℃を
下回ると塗工面のタックが強くなり過ぎるので好ましく
なく、一方ガラス転移温度が0℃を上回ると自己接着性
が低下するので好ましくない。
乳化重合により得られた重合体のガラス転移温度が−5
0〜0℃の範囲となるように、選択することが必要であ
り、ガラス転移温度をこの温度範囲内とすることによっ
て、低タック性と良好な自己接着力を両立させることが
できる。得られる重合体のガラス転移温度が−50℃を
下回ると塗工面のタックが強くなり過ぎるので好ましく
なく、一方ガラス転移温度が0℃を上回ると自己接着性
が低下するので好ましくない。
【0016】尚、得られる重合体のガラス転移温度は、
各モノマー成分により形成されるホモポリマーのガラス
転移温度から次式により求めることができる。
各モノマー成分により形成されるホモポリマーのガラス
転移温度から次式により求めることができる。
【0017】1/Tg=W1/Tg1+W2/Tg2+
……+Wn/Tgn 但し、Tg:重合体のガラス転移温度(絶対温度) W1〜Wn:モノマー成分1〜nの重量分率 Tg1〜Tgn:モノマー成分1〜nのホモポリマーの
ガラス転移温度(絶対温度) 計算に用いたホモポリマーのガラス転移温度の例を挙げ
ると、以下の通りである。
……+Wn/Tgn 但し、Tg:重合体のガラス転移温度(絶対温度) W1〜Wn:モノマー成分1〜nの重量分率 Tg1〜Tgn:モノマー成分1〜nのホモポリマーの
ガラス転移温度(絶対温度) 計算に用いたホモポリマーのガラス転移温度の例を挙げ
ると、以下の通りである。
【0018】アクリル酸メチル:+8℃、アクリル酸エ
チル:−19℃、アクリル酸ブチル:−52℃、アクリ
ル酸2−エチルヘキシル:−74℃、アクリル酸2−メ
トキシエチル:−45℃、アクリル酸2−エトキシエチ
ル:−50℃、メタクリル酸メチル:120℃、スチレ
ン:105℃、酢酸ビニル:29℃、アクリロニトリ
ル:104℃、アクリル酸:106℃、メタクリル酸:
185℃。
チル:−19℃、アクリル酸ブチル:−52℃、アクリ
ル酸2−エチルヘキシル:−74℃、アクリル酸2−メ
トキシエチル:−45℃、アクリル酸2−エトキシエチ
ル:−50℃、メタクリル酸メチル:120℃、スチレ
ン:105℃、酢酸ビニル:29℃、アクリロニトリ
ル:104℃、アクリル酸:106℃、メタクリル酸:
185℃。
【0019】本発明のエマルジョン組成物は、上記した
モノマー成分を、カルボン酸又は酸無水物の形態のビニ
ル系不飽和モノマーを必須モノマー成分とする重合体の
アルカリ中和塩からなる高分子分散剤の存在下で、乳化
重合させることにより得ることができる。該高分子分散
剤は、乳化重合の際の乳化剤として用いられ、乳化重合
を円滑に進行させ、得られたエマルジョンを安定に保つ
作用をするものであり、更に、それ自体が凝集力を有
し、得られるエマルジョンの塗工面同士の接触界面にお
いて自己接着性を増強する作用をするものと考えられ、
従来用いられている乳化剤の様な接触界面における接着
阻害が少なく、得られるエマルジョンは、高い自己接着
性を有し、低タック性と自己接着性のバランスのとれた
ものとなる。
モノマー成分を、カルボン酸又は酸無水物の形態のビニ
ル系不飽和モノマーを必須モノマー成分とする重合体の
アルカリ中和塩からなる高分子分散剤の存在下で、乳化
重合させることにより得ることができる。該高分子分散
剤は、乳化重合の際の乳化剤として用いられ、乳化重合
を円滑に進行させ、得られたエマルジョンを安定に保つ
作用をするものであり、更に、それ自体が凝集力を有
し、得られるエマルジョンの塗工面同士の接触界面にお
いて自己接着性を増強する作用をするものと考えられ、
従来用いられている乳化剤の様な接触界面における接着
阻害が少なく、得られるエマルジョンは、高い自己接着
性を有し、低タック性と自己接着性のバランスのとれた
ものとなる。
【0020】高分子分散剤として用いる重合体の必須モ
ノマー成分であるカルボン酸又は酸無水物の形態のビニ
ル系不飽和モノマーの具体例としては、アクリル酸、メ
タクリル酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタ
コン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸等を例示でき
る。これらの各モノマーは、単独又は適宜混合して用い
ることができる。
ノマー成分であるカルボン酸又は酸無水物の形態のビニ
ル系不飽和モノマーの具体例としては、アクリル酸、メ
タクリル酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタ
コン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸等を例示でき
る。これらの各モノマーは、単独又は適宜混合して用い
ることができる。
【0021】本発明において高分子分散剤として用いる
重合体は、上記したカルボン酸若しくは酸無水物の形態
のビニル系不飽和モノマーのみをモノマー成分とする重
合体、又は該ビニル系不飽和モノマーの他に、これに加
えて、該モノマーと共重合可能な他のビニル系不飽和モ
ノマーをモノマー成分とする共重合体である。
重合体は、上記したカルボン酸若しくは酸無水物の形態
のビニル系不飽和モノマーのみをモノマー成分とする重
合体、又は該ビニル系不飽和モノマーの他に、これに加
えて、該モノマーと共重合可能な他のビニル系不飽和モ
ノマーをモノマー成分とする共重合体である。
【0022】カルボン酸若しくは酸無水物の形態のビニ
ル系不飽和モノマーと共重合可能なビニル系不飽和モノ
マーの例としては、メタクリル酸メチル、アクリル酸エ
チル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メ
タ)アクリル酸ヒドロキシエチル等の(メタ)アクリル
酸ヒドロキシアルキル、(メタ)アクリロニトリル、ア
クリルアミド等の(メタ)アクリルアミド誘導体、ビニ
ルスルホン酸ソーダ、スチレンスルホン酸ソーダ等のス
ルホン酸系モノマー、マレイン酸ジブチル、マレイン酸
ジオクチル等のマレイン酸エステル類、酢酸ビニル、ス
チレン等を挙げることができる。
ル系不飽和モノマーと共重合可能なビニル系不飽和モノ
マーの例としては、メタクリル酸メチル、アクリル酸エ
チル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メ
タ)アクリル酸ヒドロキシエチル等の(メタ)アクリル
酸ヒドロキシアルキル、(メタ)アクリロニトリル、ア
クリルアミド等の(メタ)アクリルアミド誘導体、ビニ
ルスルホン酸ソーダ、スチレンスルホン酸ソーダ等のス
ルホン酸系モノマー、マレイン酸ジブチル、マレイン酸
ジオクチル等のマレイン酸エステル類、酢酸ビニル、ス
チレン等を挙げることができる。
【0023】高分子分散剤として用いる重合体は、数平
均分子量が400〜10000程度のものが適当であ
り、分子量がこの範囲をはずれると乳化重合時の安定性
が悪く、得られるエマルジョンの安定性も不足するので
好ましくない。又、該重合体は、酸価が200以上であ
ることが好ましく、該重合体が、カルボン酸又は酸無水
物の形態のビニル系不飽和モノマーの他に、これと共重
合可能なビニル系不飽和モノマーをモノマー成分として
含む共重合体である場合には、酸価が200以上となる
ようにモノマー成分の種類及び量を選択することが適当
である。
均分子量が400〜10000程度のものが適当であ
り、分子量がこの範囲をはずれると乳化重合時の安定性
が悪く、得られるエマルジョンの安定性も不足するので
好ましくない。又、該重合体は、酸価が200以上であ
ることが好ましく、該重合体が、カルボン酸又は酸無水
物の形態のビニル系不飽和モノマーの他に、これと共重
合可能なビニル系不飽和モノマーをモノマー成分として
含む共重合体である場合には、酸価が200以上となる
ようにモノマー成分の種類及び量を選択することが適当
である。
【0024】カルボン酸又は酸無水物の形態のビニル系
不飽和モノマーを必須モノマー成分とする重合体の内
で、本発明において好適に使用し得るものとしては、ポ
リアクリル酸、ポリメタクリル酸、(メタ)アクリル酸
・(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体、(メ
タ)アクリル酸・スチレン共重合体、(メタ)アクリル
酸・(メタ)アクリル酸アルキルエステル・スチレン共
重合体、スチレン・無水マレイン酸共重合体等を例示す
ることができる。
不飽和モノマーを必須モノマー成分とする重合体の内
で、本発明において好適に使用し得るものとしては、ポ
リアクリル酸、ポリメタクリル酸、(メタ)アクリル酸
・(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体、(メ
タ)アクリル酸・スチレン共重合体、(メタ)アクリル
酸・(メタ)アクリル酸アルキルエステル・スチレン共
重合体、スチレン・無水マレイン酸共重合体等を例示す
ることができる。
【0025】これらの重合体の内で、ポリメタアクリル
酸、メタアクリル酸共重合体等が、自己接着性の点で優
れているので、特に好適に使用できる。
酸、メタアクリル酸共重合体等が、自己接着性の点で優
れているので、特に好適に使用できる。
【0026】該カルボン酸又は酸無水物の形態のビニル
系不飽和モノマーを必須モノマー成分とする重合体は、
例えば、水中、親水性有機溶媒中、又は水と親水性有機
溶媒との混合液中において、ラジカル重合開始剤を用い
て、上記モノマーを重合することにより得ることができ
る。この際使用し得る親水性有機溶媒としては、メチル
アルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコー
ル等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等
のケトン類、エチレングリコールモノメチルエーテル、
エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリ
コールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノ
メチルエーテル等のグリコールエーテル類を挙げること
ができる。ラジカル重合開始剤としては、過硫酸アンモ
ニウム、過硫酸カリウム等の過硫酸塩、2、2’−アゾ
ビスイソブチロニトリル、2、2’−アゾビス(2,4
−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ系重合開始剤、t
−ブチルハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキ
サイド、ラウロイルパーオキサイド等の過酸化物系重合
開始剤等を使用することができる。ラジカル重合開始剤
の使用量は、重合モノマー全量に対して、0.2〜10
重量%程度、好ましくは0.5〜5重量%程度とすれば
よい。又、重合時の反応温度は通常50〜120℃程度
とすればよく、反応時間は、通常1〜16時間程度、好
ましくは2〜8時間程度とすればよい。使用した有機溶
媒は、乳化重合によりアクリル系エマルジョンを得る際
に、連鎖移動剤として作用するため、昇温及び必要に応
じて減圧することにより、重合後に留去することが好ま
しい。
系不飽和モノマーを必須モノマー成分とする重合体は、
例えば、水中、親水性有機溶媒中、又は水と親水性有機
溶媒との混合液中において、ラジカル重合開始剤を用い
て、上記モノマーを重合することにより得ることができ
る。この際使用し得る親水性有機溶媒としては、メチル
アルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコー
ル等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等
のケトン類、エチレングリコールモノメチルエーテル、
エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリ
コールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノ
メチルエーテル等のグリコールエーテル類を挙げること
ができる。ラジカル重合開始剤としては、過硫酸アンモ
ニウム、過硫酸カリウム等の過硫酸塩、2、2’−アゾ
ビスイソブチロニトリル、2、2’−アゾビス(2,4
−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ系重合開始剤、t
−ブチルハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキ
サイド、ラウロイルパーオキサイド等の過酸化物系重合
開始剤等を使用することができる。ラジカル重合開始剤
の使用量は、重合モノマー全量に対して、0.2〜10
重量%程度、好ましくは0.5〜5重量%程度とすれば
よい。又、重合時の反応温度は通常50〜120℃程度
とすればよく、反応時間は、通常1〜16時間程度、好
ましくは2〜8時間程度とすればよい。使用した有機溶
媒は、乳化重合によりアクリル系エマルジョンを得る際
に、連鎖移動剤として作用するため、昇温及び必要に応
じて減圧することにより、重合後に留去することが好ま
しい。
【0027】カルボン酸又は酸無水物の形態のビニル系
不飽和モノマーを必須モノマー成分とする重合体に含ま
れるカルボキシル基は、その一部又は全部を中和して、
アルカリ中和塩の形で高分子分散剤として用いられる。
中和に用いるアルカリ化合物としては、モノエチルアミ
ン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノエタノー
ルアミン、ジメチルアミノエタノール、モルホリン等の
アミン化合物、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化
カリウム等の無機アルカリ化合物等を例示できる。中和
の程度は、中和度30〜100%程度の範囲とすればよ
く、中和度がこれを下回ると親水性が不足して安定なエ
マルジョンを得難いので好ましくない。
不飽和モノマーを必須モノマー成分とする重合体に含ま
れるカルボキシル基は、その一部又は全部を中和して、
アルカリ中和塩の形で高分子分散剤として用いられる。
中和に用いるアルカリ化合物としては、モノエチルアミ
ン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノエタノー
ルアミン、ジメチルアミノエタノール、モルホリン等の
アミン化合物、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化
カリウム等の無機アルカリ化合物等を例示できる。中和
の程度は、中和度30〜100%程度の範囲とすればよ
く、中和度がこれを下回ると親水性が不足して安定なエ
マルジョンを得難いので好ましくない。
【0028】本発明で使用し得る高分子分散剤の具体例
としては、例えば、タフチックAD(商標:東洋紡績
(株)製)、SN−4(商標:住友ダウ(株)製)等と
して市販されているものを使用できる。又、特公昭46
−10786号公報に記載の末端にアルキルサルファイ
ド基を有するオリゴマーも高分子分散剤として使用でき
る。
としては、例えば、タフチックAD(商標:東洋紡績
(株)製)、SN−4(商標:住友ダウ(株)製)等と
して市販されているものを使用できる。又、特公昭46
−10786号公報に記載の末端にアルキルサルファイ
ド基を有するオリゴマーも高分子分散剤として使用でき
る。
【0029】上記高分子分散剤の使用量は、モノマー全
量に対して、0.1〜5.0重量%程度とすればよく、
好ましくは0.2〜2.5重量%程度とすればよい。高
分子分散剤の使用量が少なすぎると、安定なエマルジョ
ンを得ることができず、多すぎると自己接着性が低下す
るので好ましくない。
量に対して、0.1〜5.0重量%程度とすればよく、
好ましくは0.2〜2.5重量%程度とすればよい。高
分子分散剤の使用量が少なすぎると、安定なエマルジョ
ンを得ることができず、多すぎると自己接着性が低下す
るので好ましくない。
【0030】本発明では、乳化重合に際して、上記高分
子分散剤と併用して、通常の乳化重合に用いられる一般
的な乳化剤を用いることが出来る。但し、これらの乳化
剤の使用量が多すぎると、得られたエマルジョンを自己
接着性接着剤として使用する際に、乳化剤が塗工表面に
移行して自己接着性を阻害することになるので好ましく
ない。また、分子構造中にエチレンオキサイド基、プロ
ピレンオキサイド基等を有する乳化剤を用いると、乳化
重合時の連鎖移動反応により、低分子量の重合体成分を
生じ易く、この様な低分子量の重合体が形成されると、
これが塗工表面へ移行して自己接着性を阻害するという
問題がある。
子分散剤と併用して、通常の乳化重合に用いられる一般
的な乳化剤を用いることが出来る。但し、これらの乳化
剤の使用量が多すぎると、得られたエマルジョンを自己
接着性接着剤として使用する際に、乳化剤が塗工表面に
移行して自己接着性を阻害することになるので好ましく
ない。また、分子構造中にエチレンオキサイド基、プロ
ピレンオキサイド基等を有する乳化剤を用いると、乳化
重合時の連鎖移動反応により、低分子量の重合体成分を
生じ易く、この様な低分子量の重合体が形成されると、
これが塗工表面へ移行して自己接着性を阻害するという
問題がある。
【0031】従って、上記高分子分散剤以外の乳化剤の
使用量は、該高分子分散剤の使用量の同重量以下の範囲
とすることが適当である。
使用量は、該高分子分散剤の使用量の同重量以下の範囲
とすることが適当である。
【0032】この様な乳化剤の例としては、以下のもの
を挙げることができる。
を挙げることができる。
【0033】アニオン性乳化剤:オレイン酸カリウム、
ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸
ナトリウム、アルカンスルホン酸ナトリウム、アルキル
ナフタレンスルホン酸ナトリウム、ジアルキルスルホコ
ハク酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテ
ル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルアリル
エーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキル
エーテル燐酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルア
リルエーテル燐酸エステルなど。
ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸
ナトリウム、アルカンスルホン酸ナトリウム、アルキル
ナフタレンスルホン酸ナトリウム、ジアルキルスルホコ
ハク酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテ
ル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルアリル
エーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキル
エーテル燐酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルア
リルエーテル燐酸エステルなど。
【0034】ノニオン性乳化剤:ポリオキシエチレンア
ルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエ
ーテル、ポリオキシエチレンオキシプロピレンプロック
ポリマー、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポ
リオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルなど。
ルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエ
ーテル、ポリオキシエチレンオキシプロピレンプロック
ポリマー、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポ
リオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルなど。
【0035】カチオン性乳化剤:ステアリルアミン塩酸
塩、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、トリ
メチルオクタデシルアンモニウムクロライドなど。
塩、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、トリ
メチルオクタデシルアンモニウムクロライドなど。
【0036】両イオン性乳化剤:ラウリルベタイン、ラ
ウリルジメチルアミンオキサイドなど。
ウリルジメチルアミンオキサイドなど。
【0037】これらの乳化剤の内で、いわゆる反応性乳
化剤として市販されている、分子構造中に重合性の2重
結合を有する乳化剤は、重合体粒子と結合して乳化剤の
移行が抑制され、自己接着性を低下させることが少ない
ので、高分子分散剤と併用して補助的に用いる目的には
特に好ましい。斯かる反応性乳化剤の例としては、アデ
カリアソープSE−10N(商標:旭電化工業(株)
製)、ラテムルS−180(商標:花王(株)製)、エ
レミノールJS−2(商標:三洋化成工業(株)製)、
アクアロンHS−10(商標:第一工業製薬(株)
製)、アントックスMS−60(商標:日本乳化剤
(株)製)などがあげられる。
化剤として市販されている、分子構造中に重合性の2重
結合を有する乳化剤は、重合体粒子と結合して乳化剤の
移行が抑制され、自己接着性を低下させることが少ない
ので、高分子分散剤と併用して補助的に用いる目的には
特に好ましい。斯かる反応性乳化剤の例としては、アデ
カリアソープSE−10N(商標:旭電化工業(株)
製)、ラテムルS−180(商標:花王(株)製)、エ
レミノールJS−2(商標:三洋化成工業(株)製)、
アクアロンHS−10(商標:第一工業製薬(株)
製)、アントックスMS−60(商標:日本乳化剤
(株)製)などがあげられる。
【0038】本発明のアクリル系エマルジョンを製造す
るための乳化重合は、常法に従って行えば良い。すなわ
ち、高分子分散剤、および必要に応じてその他の乳化剤
の存在下において、水媒体中で攪拌下に所定温度でモノ
マー及び重合開始剤を一括で供給するか、又は連続的に
供給することにより行われる。モノマーはそのままで供
給するか、又は水と乳化剤によりモノマーエマルジョン
の状態として供給することができる。
るための乳化重合は、常法に従って行えば良い。すなわ
ち、高分子分散剤、および必要に応じてその他の乳化剤
の存在下において、水媒体中で攪拌下に所定温度でモノ
マー及び重合開始剤を一括で供給するか、又は連続的に
供給することにより行われる。モノマーはそのままで供
給するか、又は水と乳化剤によりモノマーエマルジョン
の状態として供給することができる。
【0039】モノマー濃度は、仕込量の全量に対して通
常30〜70重量%程度、好ましくは35〜65重量%
程度とすればよい。
常30〜70重量%程度、好ましくは35〜65重量%
程度とすればよい。
【0040】重合開始剤としては、一般に用いられてい
るラジカル重合開始剤、例えば、過硫酸アンモニウム、
過硫酸カリウムなどの過硫酸塩、2,2’−アゾビスイ
ソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメ
チルバレロニトリル)等のアゾ系重合開始剤、t−ブチ
ルハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイ
ド、ラウロイルパーオキサイドなどの過酸化物系合開始
剤などを用いることができる。ラジカル重合開始剤の使
用量は、重合モノマー全量に対して0.05〜5重量%
程度、好ましくは0.2〜3重量%程度とすればよい。
るラジカル重合開始剤、例えば、過硫酸アンモニウム、
過硫酸カリウムなどの過硫酸塩、2,2’−アゾビスイ
ソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメ
チルバレロニトリル)等のアゾ系重合開始剤、t−ブチ
ルハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイ
ド、ラウロイルパーオキサイドなどの過酸化物系合開始
剤などを用いることができる。ラジカル重合開始剤の使
用量は、重合モノマー全量に対して0.05〜5重量%
程度、好ましくは0.2〜3重量%程度とすればよい。
【0041】レドックス重合を行うために、ラジカル重
合開始剤と併用して還元剤を使用することもできる。還
元剤の例としては、次亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナト
リウム、ホルムアルデヒドナトリウムスルホキシラート
等が挙げられる。還元剤の使用量は、通常、重合開始剤
に対して、重量比で1/10〜1/1程度の範囲で用い
られる。
合開始剤と併用して還元剤を使用することもできる。還
元剤の例としては、次亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナト
リウム、ホルムアルデヒドナトリウムスルホキシラート
等が挙げられる。還元剤の使用量は、通常、重合開始剤
に対して、重量比で1/10〜1/1程度の範囲で用い
られる。
【0042】乳化重合時の反応温度は通常20〜90℃
程度とすればよいが、重合温度が高すぎると重合反応時
に低分子量成分が生成しやすくなるので、20〜60℃
程度の範囲とすることが好ましい。反応時間は、通常1
〜16時間程度、好ましくは2〜8時間程度とすればよ
い。
程度とすればよいが、重合温度が高すぎると重合反応時
に低分子量成分が生成しやすくなるので、20〜60℃
程度の範囲とすることが好ましい。反応時間は、通常1
〜16時間程度、好ましくは2〜8時間程度とすればよ
い。
【0043】本発明の自己接着性エマルジョン組成物
は、塗工面のタックが少なく、塗工面同士の自己接着性
に優れ、しかも耐老化性が良好であり、例えば、郵便物
封緘用等に用いる両面感圧型接着剤、両面塗布型の水性
コンタクト接着剤、コールドシール用接着剤等として有
効に使用出来る。
は、塗工面のタックが少なく、塗工面同士の自己接着性
に優れ、しかも耐老化性が良好であり、例えば、郵便物
封緘用等に用いる両面感圧型接着剤、両面塗布型の水性
コンタクト接着剤、コールドシール用接着剤等として有
効に使用出来る。
【0044】本発明のエマルジョン組成物を、両面感圧
型接着剤、両面塗布型の水性コンタクト接着剤等として
用いる場合には、該組成物に、有機溶剤、可塑剤、粘着
付与剤、増粘剤等を配合することができる。
型接着剤、両面塗布型の水性コンタクト接着剤等として
用いる場合には、該組成物に、有機溶剤、可塑剤、粘着
付与剤、増粘剤等を配合することができる。
【0045】可塑剤としては、例えば、フタル酸ジブチ
ル、フタル酸ジオクチル等の芳香族2塩基酸ジアルキル
エステル、コハク酸ジメチル、アジピン酸ジイソブチル
等の脂肪族2塩基酸ジアルキルエステルなどを用いるこ
とができる。有機溶剤としては、例えば、トルエン、キ
シレン等の芳香族系溶剤、エチレングリコールモノブチ
ルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテー
ト、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリ
コールエーテル系溶剤、シクロヘキサノン、メチルイソ
ブチルケトン等のケトン系溶剤、酢酸ブチル、酢酸イソ
ブチル等のエステル系溶剤などが挙げられる。これらの
可塑剤及び有機溶剤は、樹脂を軟化させることによって
自己接着性を向上させるために補助的に用いるものであ
り、配合量は、通常、エマルジョン組成物における不揮
発分100重量部に対して1〜50重量部程度の範囲で
用いられる。
ル、フタル酸ジオクチル等の芳香族2塩基酸ジアルキル
エステル、コハク酸ジメチル、アジピン酸ジイソブチル
等の脂肪族2塩基酸ジアルキルエステルなどを用いるこ
とができる。有機溶剤としては、例えば、トルエン、キ
シレン等の芳香族系溶剤、エチレングリコールモノブチ
ルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテー
ト、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリ
コールエーテル系溶剤、シクロヘキサノン、メチルイソ
ブチルケトン等のケトン系溶剤、酢酸ブチル、酢酸イソ
ブチル等のエステル系溶剤などが挙げられる。これらの
可塑剤及び有機溶剤は、樹脂を軟化させることによって
自己接着性を向上させるために補助的に用いるものであ
り、配合量は、通常、エマルジョン組成物における不揮
発分100重量部に対して1〜50重量部程度の範囲で
用いられる。
【0046】粘着付与剤としては、重合ロジン、水添ロ
ジン等のロジン誘導体、テルペン系樹脂、テルペンフェ
ノール樹脂等のテルペン変性体、クマロンインデン樹
脂、脂肪族系炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、フェノ
ール系樹脂、スチレン系樹脂、キシレン樹脂等を用いる
ことができる。粘着付与剤は、樹脂分と組み合わされ
て、接着剤としての基材への密着力および自己接着性を
向上させることができ、配合量は、通常、エマルジョン
組成物中の不揮発分100重量部に対して5〜100重
量部程度の範囲とすればよい。
ジン等のロジン誘導体、テルペン系樹脂、テルペンフェ
ノール樹脂等のテルペン変性体、クマロンインデン樹
脂、脂肪族系炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、フェノ
ール系樹脂、スチレン系樹脂、キシレン樹脂等を用いる
ことができる。粘着付与剤は、樹脂分と組み合わされ
て、接着剤としての基材への密着力および自己接着性を
向上させることができ、配合量は、通常、エマルジョン
組成物中の不揮発分100重量部に対して5〜100重
量部程度の範囲とすればよい。
【0047】コールドシール用接着剤は、塗工面同士を
高圧で圧着することにより接着でき、一旦剥離した場合
には通常の状態では再接着することのないという性質が
要求されるものであり、このような接着特性の調整のた
めにコンスターチ、炭酸カルシウム、シリカ、カオリ
ン、クレー、タルク、酸化チタン、酸化亜鉛、シラスバ
ルーン等の充填剤が配合される。充填剤の平均粒子径は
1〜20μm程度のものが好ましく、配合量は、通常、
エマルジョン組成物中の不揮発分100重量部に対して
充填剤5〜100重量部程度の範囲とすればよい。
高圧で圧着することにより接着でき、一旦剥離した場合
には通常の状態では再接着することのないという性質が
要求されるものであり、このような接着特性の調整のた
めにコンスターチ、炭酸カルシウム、シリカ、カオリ
ン、クレー、タルク、酸化チタン、酸化亜鉛、シラスバ
ルーン等の充填剤が配合される。充填剤の平均粒子径は
1〜20μm程度のものが好ましく、配合量は、通常、
エマルジョン組成物中の不揮発分100重量部に対して
充填剤5〜100重量部程度の範囲とすればよい。
【0048】
【実施例】以下に、参考例及び実施例を挙げて、本発明
を更に詳細に説明する。
を更に詳細に説明する。
【0049】参考例1 攪拌装置、還流冷却管、温度計及び滴下ロートを備えた
反応容器に、水700gを仕込み、95℃に昇温した。
次に、攪拌しながら、過硫酸カリウム9gを加えたの
ち、メタクリル酸300gを滴下ロートにて反応容器内
に3時間かけて連続滴下し、更に95℃で熟成反応を1
時間行った。その結果、不揮発分30%、粘度3500
0mPa・sのポリメタクリル酸の透明粘稠液が得られ
た。このポリメタクリル酸の数平均分子量は、GPCの
測定で650であり、酸価は計算値で652であった。
反応容器に、水700gを仕込み、95℃に昇温した。
次に、攪拌しながら、過硫酸カリウム9gを加えたの
ち、メタクリル酸300gを滴下ロートにて反応容器内
に3時間かけて連続滴下し、更に95℃で熟成反応を1
時間行った。その結果、不揮発分30%、粘度3500
0mPa・sのポリメタクリル酸の透明粘稠液が得られ
た。このポリメタクリル酸の数平均分子量は、GPCの
測定で650であり、酸価は計算値で652であった。
【0050】参考例2 撹拌装置、還流冷却管、温度計及び滴下ロートを備えた
反応容器に水700gを仕込み、95℃に昇温した。つ
ぎに撹拌しながら、過硫酸カリウム9gを加えたのち、
メタクリル酸210gとアクリル酸ブチル90gの混合
物を滴下ロートにて反応容器内に3時間かけて連続滴下
し、更に95℃で熟成反応を1時間行った。その結果、
不揮発分30%、粘度10mPa・sの白濁分散液が得
られた。得られた重合体の数平均分子量は、GPCの測
定で4200であり、酸価は計算値で456であった。
反応容器に水700gを仕込み、95℃に昇温した。つ
ぎに撹拌しながら、過硫酸カリウム9gを加えたのち、
メタクリル酸210gとアクリル酸ブチル90gの混合
物を滴下ロートにて反応容器内に3時間かけて連続滴下
し、更に95℃で熟成反応を1時間行った。その結果、
不揮発分30%、粘度10mPa・sの白濁分散液が得
られた。得られた重合体の数平均分子量は、GPCの測
定で4200であり、酸価は計算値で456であった。
【0051】参考例3 撹拌装置、還流冷却管、温度計及び滴下ロートを備えた
反応容器にイソプロピルアルコール500gを仕込み、
80℃に昇温した。つぎに撹拌しながら、2,2’−ア
ゾビスイソブチロニトリル2.5gを加えたのち、アク
リル酸150g、アクリル酸エチルエステル350g及
びn−ドデシルメルカプタン30gの混合物を滴下ロー
トにて反応容器内に3時間かけて連続滴下し、更に同温
度で熟成反応を2時間行った。その結果、不揮発分50
%、粘度280mPa・sの樹脂溶液が得られた。次い
で、蒸留によりこの樹脂溶液からイソプロピルアルコー
ルを留去した後、25%アンモニア水140g及び適量
の水を添加して、不揮発分50%、粘度1100mPa
・sの透明粘稠な樹脂水溶液を得た。得られた重合体の
数平均分子量は、GPCの測定で2800であり、酸価
は計算値で234であった。
反応容器にイソプロピルアルコール500gを仕込み、
80℃に昇温した。つぎに撹拌しながら、2,2’−ア
ゾビスイソブチロニトリル2.5gを加えたのち、アク
リル酸150g、アクリル酸エチルエステル350g及
びn−ドデシルメルカプタン30gの混合物を滴下ロー
トにて反応容器内に3時間かけて連続滴下し、更に同温
度で熟成反応を2時間行った。その結果、不揮発分50
%、粘度280mPa・sの樹脂溶液が得られた。次い
で、蒸留によりこの樹脂溶液からイソプロピルアルコー
ルを留去した後、25%アンモニア水140g及び適量
の水を添加して、不揮発分50%、粘度1100mPa
・sの透明粘稠な樹脂水溶液を得た。得られた重合体の
数平均分子量は、GPCの測定で2800であり、酸価
は計算値で234であった。
【0052】実施例1 攪拌装置、還流冷却管、温度計及び滴下ロートを備えた
反応容器に、水150g、参考例1のポリメタクリル酸
水溶液12.5g及び25%アンモニア水2.5gを仕
込み、60℃に昇温し、撹拌しながら、過硫酸アンモニ
ウムの10%水溶液12gを加えた。一方、アクリル酸
エチル500g、乳化剤(三洋化成工業(株)製、エレ
ミノールJS−2)6.5g及び水225gからなるモ
ノマーエマルジョンを別途調製し、これを滴下ロートに
て上記反応容器内に4時間かけて連続滴下した。この
間、重合温度は60℃に保ち、滴下終了後60℃で熟成
反応を2時間行った。反応後、反応液を30℃に放冷
し、25%アンモニア水1.5gを添加して、不揮発分
55重量%、粘度100mPa・s、pH8.6の水性
エマルジョンを得た。得られたエマルジョン中の重合体
のガラス転移温度(Tg)は、計算値で−19℃であっ
た。これを本発明品1とする。
反応容器に、水150g、参考例1のポリメタクリル酸
水溶液12.5g及び25%アンモニア水2.5gを仕
込み、60℃に昇温し、撹拌しながら、過硫酸アンモニ
ウムの10%水溶液12gを加えた。一方、アクリル酸
エチル500g、乳化剤(三洋化成工業(株)製、エレ
ミノールJS−2)6.5g及び水225gからなるモ
ノマーエマルジョンを別途調製し、これを滴下ロートに
て上記反応容器内に4時間かけて連続滴下した。この
間、重合温度は60℃に保ち、滴下終了後60℃で熟成
反応を2時間行った。反応後、反応液を30℃に放冷
し、25%アンモニア水1.5gを添加して、不揮発分
55重量%、粘度100mPa・s、pH8.6の水性
エマルジョンを得た。得られたエマルジョン中の重合体
のガラス転移温度(Tg)は、計算値で−19℃であっ
た。これを本発明品1とする。
【0053】実施例2 攪拌装置、還流冷却管、温度計及び滴下ロートを備えた
反応容器に水150g、参考例2のメタクリル酸共重合
体分散液25.0g及び25%アンモニア水5.0gを
仕込み、60℃に昇温し、撹拌しながら、過硫酸アンモ
ニウムの10%水溶液12gを加えた。一方、アクリル
酸エチル490g、80%アクリル酸12.5g、25
%アンモニア水9.5g、乳化剤(第一工業製薬(株)
製、アクアロンHS−10)2.5g及び水225gか
らなるモノマーエマルジョンを別途調製し、これを滴下
ロートにて上記反応容器内に4時間かけて連続滴下し
た。この間、重合温度は60℃に保ち、滴下終了後60
℃で熟成反応を2時間行った。反応後、反応液を30℃
に放冷し、25%アンモニア水1.5gを添加して、不
揮発分55重量%、粘度160mPa・s、pH8.6
の水性エマルジョンを得た。得られたエマルジョン中の
重合体のガラス転移温度(Tg)は、計算値で−17℃
であった。これを本発明品2とする。
反応容器に水150g、参考例2のメタクリル酸共重合
体分散液25.0g及び25%アンモニア水5.0gを
仕込み、60℃に昇温し、撹拌しながら、過硫酸アンモ
ニウムの10%水溶液12gを加えた。一方、アクリル
酸エチル490g、80%アクリル酸12.5g、25
%アンモニア水9.5g、乳化剤(第一工業製薬(株)
製、アクアロンHS−10)2.5g及び水225gか
らなるモノマーエマルジョンを別途調製し、これを滴下
ロートにて上記反応容器内に4時間かけて連続滴下し
た。この間、重合温度は60℃に保ち、滴下終了後60
℃で熟成反応を2時間行った。反応後、反応液を30℃
に放冷し、25%アンモニア水1.5gを添加して、不
揮発分55重量%、粘度160mPa・s、pH8.6
の水性エマルジョンを得た。得られたエマルジョン中の
重合体のガラス転移温度(Tg)は、計算値で−17℃
であった。これを本発明品2とする。
【0054】実施例3 攪拌装置、還流冷却管、温度計及び滴下ロートを備えた
反応容器に水400g及び参考例3のアクリル酸共重合
体水溶液25gを仕込み、60℃に昇温した。次に、撹
拌しながら、過硫酸アンモニウムの10%水溶液12g
を加えた後、アクリル酸エチル500gを滴下ロートに
て上記反応容器内に4時間かけて連続滴下した。この
間、重合温度は60に保ち、滴下終了後60℃で熟成反
応を2時間行った。反応後、反応液を30℃に放冷し、
25%アンモニア水1.5gを添加して、不揮発分55
重量%、粘度100mPa・s、pH8.7の水性エマ
ルジョンを得た。得られたエマルジョン中の重合体のガ
ラス転移温度(Tg)は、計算値で−19℃であった。
これを本発明品3とする。
反応容器に水400g及び参考例3のアクリル酸共重合
体水溶液25gを仕込み、60℃に昇温した。次に、撹
拌しながら、過硫酸アンモニウムの10%水溶液12g
を加えた後、アクリル酸エチル500gを滴下ロートに
て上記反応容器内に4時間かけて連続滴下した。この
間、重合温度は60に保ち、滴下終了後60℃で熟成反
応を2時間行った。反応後、反応液を30℃に放冷し、
25%アンモニア水1.5gを添加して、不揮発分55
重量%、粘度100mPa・s、pH8.7の水性エマ
ルジョンを得た。得られたエマルジョン中の重合体のガ
ラス転移温度(Tg)は、計算値で−19℃であった。
これを本発明品3とする。
【0055】実施例4〜6 実施例1において、アクリル酸エチルに代えて表1に記
載のモノマーを使用し、それ以外は実施例1と同様にし
て水性エマルジョンを得た。得られたエマルジョンの不
揮発分、粘度、pH、及びガラス転移温度(Tg)(計
算値)を表1に示す。これらのエマルジョンを本発明品
4〜6とする。
載のモノマーを使用し、それ以外は実施例1と同様にし
て水性エマルジョンを得た。得られたエマルジョンの不
揮発分、粘度、pH、及びガラス転移温度(Tg)(計
算値)を表1に示す。これらのエマルジョンを本発明品
4〜6とする。
【0056】
【表1】
【0057】比較例1 攪拌装置、還流冷却管、温度計および滴下ロートを備え
た反応容器に水150.g、及びポリオキシエチレンノ
ニルフェニルエーテル(三洋化成工業(株)製、ノニポ
ール200)10.0gを仕込み、60℃に昇温し、攪
拌しながら、過硫酸アンモニウムの10%水溶液12g
を加えた。一方、アクリル酸エチル490g、80%ア
クリル酸12.5g、ポリオキシエチレンノニルフェニ
ルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩(三洋化成工業
(株)製、エレミノールES−70)10.0g、及び
水225gからなるモノマーエマルジョンを別途調製
し、これを滴下ロートにて上記反応容器内に4時間かけ
て連続滴下した。この間、重合温度は60℃に保ち、滴
下終了後60℃で熟成反応を2時間行った。反応後、反
応液を30℃に放冷し、25%アンモニモア水9.5g
を添加し、不揮発分55重量%、粘度1,600mPa
・s、pH8.4の水性エマルジョンを得た。得られた
エマルジョン中の重合体のガラス転移温度(Tg)は、
計算値で−17℃であった。これを比較品1とする。
た反応容器に水150.g、及びポリオキシエチレンノ
ニルフェニルエーテル(三洋化成工業(株)製、ノニポ
ール200)10.0gを仕込み、60℃に昇温し、攪
拌しながら、過硫酸アンモニウムの10%水溶液12g
を加えた。一方、アクリル酸エチル490g、80%ア
クリル酸12.5g、ポリオキシエチレンノニルフェニ
ルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩(三洋化成工業
(株)製、エレミノールES−70)10.0g、及び
水225gからなるモノマーエマルジョンを別途調製
し、これを滴下ロートにて上記反応容器内に4時間かけ
て連続滴下した。この間、重合温度は60℃に保ち、滴
下終了後60℃で熟成反応を2時間行った。反応後、反
応液を30℃に放冷し、25%アンモニモア水9.5g
を添加し、不揮発分55重量%、粘度1,600mPa
・s、pH8.4の水性エマルジョンを得た。得られた
エマルジョン中の重合体のガラス転移温度(Tg)は、
計算値で−17℃であった。これを比較品1とする。
【0058】比較製造例2〜4 実施例1において、アクリル酸エチルに代えて表2に記
載のモノマーを使用し、それ以外は実施例1と同様にし
て水性エマルジョンを得た。得られたエマルジョンの不
揮発分、粘度、pH、及びガラス転移温度(Tg)(計
算値)を表2に示す。これらのエマルジョンを比較品2
〜4とする。
載のモノマーを使用し、それ以外は実施例1と同様にし
て水性エマルジョンを得た。得られたエマルジョンの不
揮発分、粘度、pH、及びガラス転移温度(Tg)(計
算値)を表2に示す。これらのエマルジョンを比較品2
〜4とする。
【0059】
【表2】
【0060】性能評価試験1 本発明品1〜6及び比較品1〜4のそれぞれを、塗布量
8g/m2となるようにバーコーターを用いて上質紙に
塗布し、熱風循環乾燥機を用いて105℃で2分間乾燥
した。塗工面同士を重ね合わせた上から2kg重のハン
ドロールを、毎分300mmの速度で1往復させて圧着
し、幅25mmの測定用試料を得た。これらの試料につ
いて、引張試験機で300mm/分の引張速度でT字剥
離試験により剥離強度を測定した。
8g/m2となるようにバーコーターを用いて上質紙に
塗布し、熱風循環乾燥機を用いて105℃で2分間乾燥
した。塗工面同士を重ね合わせた上から2kg重のハン
ドロールを、毎分300mmの速度で1往復させて圧着
し、幅25mmの測定用試料を得た。これらの試料につ
いて、引張試験機で300mm/分の引張速度でT字剥
離試験により剥離強度を測定した。
【0061】一方、作製した試料の塗工面のタックの状
態を指触で判定した。指触でべたつきがないものを◎、
べたつきが大きいものを×、中間程度のものを○とし
た。結果を下記表3に示す。
態を指触で判定した。指触でべたつきがないものを◎、
べたつきが大きいものを×、中間程度のものを○とし
た。結果を下記表3に示す。
【0062】
【表3】
【0063】性能評価試験2 本発明品1〜6、比較品1〜4、及び天然ゴムラテック
ス(比較品5)のそれぞれに、不揮発分100重量部に
対して、小麦粉デンプン(平均粒径30μm)とシリカ
粉末(平均粒径1.5μm)をそれぞれ50重量部と3
0重量部配合してコールドシール用接着剤組成物を得
た。
ス(比較品5)のそれぞれに、不揮発分100重量部に
対して、小麦粉デンプン(平均粒径30μm)とシリカ
粉末(平均粒径1.5μm)をそれぞれ50重量部と3
0重量部配合してコールドシール用接着剤組成物を得
た。
【0064】この接着剤組成物を上質紙に塗布量8g/
m2となるようにバーコーターを用いて塗布し、熱風循
環乾燥機を用いて105℃で2分間乾燥した後、塗工面
同士を100kgf/cmの線圧で圧着し、幅25mm
の測定用試料を得た。これらの試料について、引張試験
機で300mm/分の引張速度でT字剥離により剥離強
度を測定した。また、それぞれの塗工試料について、1
5ワットの紫外線ランプ4本で20cmの位置より照射
し、加圧しても接着しなくなるまでの照射時間を測定
し、これにより耐老化性を評価した。
m2となるようにバーコーターを用いて塗布し、熱風循
環乾燥機を用いて105℃で2分間乾燥した後、塗工面
同士を100kgf/cmの線圧で圧着し、幅25mm
の測定用試料を得た。これらの試料について、引張試験
機で300mm/分の引張速度でT字剥離により剥離強
度を測定した。また、それぞれの塗工試料について、1
5ワットの紫外線ランプ4本で20cmの位置より照射
し、加圧しても接着しなくなるまでの照射時間を測定
し、これにより耐老化性を評価した。
【0065】一方、同様にして作製した塗工試料の塗工
面と非塗工面を重ね合わせ、50℃の恒温乾燥機中で1
00gf/m2の加圧下で16時間放置した後解圧し、
標準状態において3時間放置後、手で剥離し、剥離時に
抵抗が少なく容易に剥離できるものを◎、抵抗が大きく
剥離が困難なもの又は紙質が破壊するものを×とし、中
間程度のものを○として、耐ブロッキング性を評価し
た。
面と非塗工面を重ね合わせ、50℃の恒温乾燥機中で1
00gf/m2の加圧下で16時間放置した後解圧し、
標準状態において3時間放置後、手で剥離し、剥離時に
抵抗が少なく容易に剥離できるものを◎、抵抗が大きく
剥離が困難なもの又は紙質が破壊するものを×とし、中
間程度のものを○として、耐ブロッキング性を評価し
た。
【0066】以上の結果を下記表4に示す。
【0067】
【表4】
Claims (4)
- 【請求項1】カルボン酸又は酸無水物の形態のビニル系
不飽和モノマーを必須モノマー成分とする重合体のアル
カリ中和塩からなる高分子分散剤の存在下で、炭素数1
〜8のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステル
及び炭素数1〜4のアルコキシ基を有するアクリル酸ア
ルコキシエチルエステルの少なくとも一種を70重量%
以上含むモノマー成分を乳化重合して得られ、該乳化重
合により得られた重合物のガラス転移温度が−50〜0
℃であるアクリル系エマルジョンからなることを特徴と
する自己接着性エマルジョン組成物。 - 【請求項2】高分子分散剤が、カルボン酸又は酸無水物
の形態のビニル系不飽和モノマーのみをモノマー成分と
する重合体のアルカリ中和塩及び該ビニル系不飽和モノ
マーとその他の共重合可能なビニル系不飽和モノマーと
をモノマー成分とする共重合体のアルカリ中和塩の少な
くとも一種であり、該重合体又は共重合体の酸価が20
0以上であり、数平均分子量が400〜10000であ
る請求項1に記載の自己接着性エマルジョン組成物。 - 【請求項3】高分子分散剤が、ポリアクリル酸、ポリメ
タクリル酸、(メタ)アクリル酸・(メタ)アクリル酸
アルキルエステル共重合体、(メタ)アクリル酸・スチ
レン共重合体、(メタ)アクリル酸・(メタ)アクリル
酸アルキルエステル・スチレン共重合体、及びスチレン
・無水マレイン酸共重合体のそれぞれのアルカリ中和塩
の少なくとも一種である請求項2に記載の自己接着性エ
マルジョン組成物。 - 【請求項4】高分子分散剤が、ポリメタクリル酸のアル
カリ中和塩、及びメタアクリル酸とビニル系不飽和モノ
マーとの共重合物のアルカリ中和塩の少なくとも一種で
ある請求項3に記載の自己接着性エマルジョン組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP539796A JPH09194812A (ja) | 1996-01-17 | 1996-01-17 | 自己接着性エマルジョン組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP539796A JPH09194812A (ja) | 1996-01-17 | 1996-01-17 | 自己接着性エマルジョン組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09194812A true JPH09194812A (ja) | 1997-07-29 |
Family
ID=11610026
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP539796A Pending JPH09194812A (ja) | 1996-01-17 | 1996-01-17 | 自己接着性エマルジョン組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09194812A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH11263961A (ja) * | 1998-03-16 | 1999-09-28 | Sanyo Chem Ind Ltd | エマルション型感圧接着剤組成物 |
JP2001335765A (ja) * | 2000-05-26 | 2001-12-04 | Toppan Forms Co Ltd | 耐劣化性に優れた感圧接着剤組成物およびそれを用いた情報担持用シート |
WO2006040990A1 (ja) * | 2004-10-08 | 2006-04-20 | Nisshinbo Industries, Inc. | 針状または楕円球状有機ポリマー粒子の製造方法 |
JP2006200110A (ja) * | 2004-12-09 | 2006-08-03 | Mitsubishi Paper Mills Ltd | 圧着記録用紙 |
CN114989691A (zh) * | 2022-07-21 | 2022-09-02 | 宁波腾光新材料有限公司 | 一种硅钢自粘接涂层及工艺 |
EP3781622B1 (de) * | 2018-04-20 | 2022-10-12 | Basf Se | Haftklebstoffzusammensetzung mit auf vernetzung über keto- oder aldehydgruppen beruhendem gelgehalt |
-
1996
- 1996-01-17 JP JP539796A patent/JPH09194812A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH11263961A (ja) * | 1998-03-16 | 1999-09-28 | Sanyo Chem Ind Ltd | エマルション型感圧接着剤組成物 |
JP2001335765A (ja) * | 2000-05-26 | 2001-12-04 | Toppan Forms Co Ltd | 耐劣化性に優れた感圧接着剤組成物およびそれを用いた情報担持用シート |
WO2006040990A1 (ja) * | 2004-10-08 | 2006-04-20 | Nisshinbo Industries, Inc. | 針状または楕円球状有機ポリマー粒子の製造方法 |
JP2006200110A (ja) * | 2004-12-09 | 2006-08-03 | Mitsubishi Paper Mills Ltd | 圧着記録用紙 |
EP3781622B1 (de) * | 2018-04-20 | 2022-10-12 | Basf Se | Haftklebstoffzusammensetzung mit auf vernetzung über keto- oder aldehydgruppen beruhendem gelgehalt |
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