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JPH09191148A - 分布帰還型半導体レーザ - Google Patents

分布帰還型半導体レーザ

Info

Publication number
JPH09191148A
JPH09191148A JP364996A JP364996A JPH09191148A JP H09191148 A JPH09191148 A JP H09191148A JP 364996 A JP364996 A JP 364996A JP 364996 A JP364996 A JP 364996A JP H09191148 A JPH09191148 A JP H09191148A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
type
semiconductor laser
contact layer
distributed feedback
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP364996A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroaki Abe
博明 阿部
Arao Satou
荒尾 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Alps Alpine Co Ltd
Original Assignee
Alps Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Alps Electric Co Ltd filed Critical Alps Electric Co Ltd
Priority to JP364996A priority Critical patent/JPH09191148A/ja
Publication of JPH09191148A publication Critical patent/JPH09191148A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 回折格子を用いた分布帰還型半導体レーザで
は、回折格子を層間に形成しているため、結晶欠陥が生
じやすく、また発振領域に電流を効果的に供給するのが
難しい。 【解決手段】 基板12上に、クラッド層13、活性層
14、クラッド層15、コンタクト層16の順に形成さ
れ、クラッド層15とコンタクト層16の両側部分が除
去されて突条部19となっており、この突条部19に規
則的な凹部19aが形成されて回折格子が構成されてい
る。電流は電極18からコンタクト層16を経て、突条
部19内を通過して発振領域βに与えられるため、電流
が発振領域β以外の他の部分に逃げにくい。また発振領
域βの真上に凹部19aの回折格子が形成されているた
め、発振領域内での波動の共振効果が高くなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、安定な縦単一モー
ド発振を可能にした分布帰還型半導体レーザに係り、特
に光を発振する領域に電流を効果的に供給して、レーザ
光の発光のしきい電流値を低下させることを可能とした
分布帰還型半導体レーザに関する。
【0002】
【従来の技術】半導体レーザの応用分野としては、光メ
モリ、光通信、光応用計測、ホログラムスキャナなどが
ある。従来の半導体レーザとしては、ミラー面間で光の
共振を生じさせるファブリペロー型が一般的に使用され
ている。しかし、ファブリペロー型にはモードホッピン
グによる発振波長の変動、使用温度による発振波長の変
動などの欠点があり、高速変調時における縦単一モード
の発振が不可能なものとなっている。
【0003】そこで、分布帰還型半導体レーザが着目さ
れている。図6は従来の分布帰還型半導体レーザの構造
を示している。n型基板2の下面にAu(金)などの電
極1が形成され、n型基板2の上にはn型下部クラッド
層3、活性層4、回折格子層5、p型上部クラッド層
6、p型コンタクト層7が順に積層されている。回折格
子層5の上には回折格子9が形成され、p型コンタクト
層7の上にAuなどの電極8が積層されている。
【0004】上記電極1と電極8の間に電界が与えられ
ると、電流は電極8からp型コンタクト層7およびp型
上部クラッド層6を経て活性層4に与えられ、活性層4
の部分において回折格子9による分布帰還が生じ、共振
が起こって縦単一モードのレーザ光が発せられる。この
レーザ光の発振波長λ1は前記回折格子9の周期および
使用される半導体材料により決定される。
【0005】この種の半導体レーザの製造工程では、有
機金属気相成長法「MOCVD(Metal Organic Chemic
al Vapor Deposition)法」により各層をエピタキシャ
ル結晶成長させる。しかし、図6に示す半導体レーザで
は回折格子9の凹凸の上にp型上部クラッド層6をエピ
タキシャル結晶成長させるものであるため、p型上部ク
ラッド層6に結晶欠陥が生じやすく、信頼性および歩留
まりが低下する欠点があった。
【0006】図7は波長λ1と出力の関係を示すグラフ
で、この図で示されているように、分布帰還型半導体レ
ーザではゲインカーブのピーク(イ)と、回折格子9の
周期により決められる発振波長λ1とを動作温度におい
て一致させることが、出力を大きくするために必要であ
り、発振を生じさせるしきい電流値を低下させるための
望ましい状態となる。しかし、図6に示す分布帰還型半
導体レーザでは、全層の積層が終了した段階でしか前記
ゲインカーブを評価することができない構造であるた
め、動作温度において、ゲインカーブのピーク(イ)と
発振波長λ1とを一致させることが困難であるという問
題が生じる。
【0007】図8は、上記欠点を解消するために、本発
明の発明者が特願平6−332529号として特許出願
した分布帰還型半導体レーザの断面図で、図8(A)が
回折格子の凹部9aが形成されていない部分の断面図
で、図8(B)が凹部9aが形成されている部分の断面
図である。凹部9aは紙面直交方向に所定の間隔を開け
て規則的に形成されている。この分布帰還型半導体レー
ザでは、電極1の上にn型基板2、n型下部クラッド層
3、活性層4、p型上部クラッド層6、p型コンタクト
層7が順に積層されている。
【0008】そしてこれらの各層がMOCVD法により
エピタキシャル結晶成長され積層された後に、ドライエ
ッチングまたはドライエッチングとウエットエッチング
の組み合わせによりp型コンタクト層7の上面側からp
型上部クラッド層6にかけて凹部9aが形成される。こ
の凹部9aはp型コンタクト層7からp型上部クラッド
層6にかけて所定の深さにて形成されている。そしてこ
の凹部9aにより回折格子が形成される。上記凹部9a
が形成された後に、絶縁層10がp型コンタクト層7の
表面の中央部分以外の部分に形成され、絶縁層10と中
央に残されたp型コンタクト層7の上に電極8が形成さ
れる。
【0009】この分布帰還型半導体レーザでは、n型下
部クラッド層3、活性層4、p型上部クラッド層6、p
型コンタクト層7が積層された後に、凹部9aがp型コ
ンタクト層7からp型上部クラッド層6にかけて形成さ
れるものであるため、回折格子の凹凸の上にp型上部ク
ラッド層6を結晶成長させる必要がなく、p型上部クラ
ッド層6に結晶欠陥が生じない。また、凹部9aを形成
する前の段階で図7で示すゲインカーブの測定ができる
ため、ゲインカーブのピーク(イ)と発振波長λ1を合
わせ易く、発振を生じさせるためのしきい電流値を低下
させやすい。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】図8(A)および
(B)で示される分布帰還型半導体レーザでは、電極1
と電極8の間に電界が与えられ、電流が電極8からp型
コンタクト層7およびp型上部クラッド層6を経て活性
層4に与えられ、活性層4では凹部9aが形成されてい
ない発振領域(α)で共振が生じ、波長λ1のレーザ光
が発振される。
【0011】図8(B)に示すように凹部9aが形成さ
れている部分では凹部9aと凹部9aの間の領域にて電
極8からp型コンタクト層7とp型上部クラッド層6を
経て、活性層4の発振領域(α)に電流が与えられる。
しかし、図8(A)に示すように凹部9aが形成されて
いない部分では、p型上部クラッド層6が発振領域
(α)に対して左右両側に広がっているため、電流が発
振領域(α)以外の部分に回り込み発振領域(α)以外
の部分に及んでしまう。このため、注入された電流の供
給効率が低くなり、レーザ発振におけるしきい電流値が
大きくなるという問題がある。
【0012】本発明は上記従来の課題を解決するもので
あり、活性層の発振領域に効率よく電流を供給でき、レ
ーザ発振のしきい電流値を低下させることのできる分布
帰還型半導体レーザを提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明は、半導体基板上に下部クラッド層、活性層、
上部クラッド層が積層され、前記上部クラッド層の表面
にコンタクト層および電極が積層された所定幅の突条部
が形成されており、この突条部に規則的な凹部が形成さ
れていることを特徴とするものである。
【0014】上記において、規則的な凹部は前記突条部
の幅方向の中心部に形成され、または、前記規則的な凹
部は前記突条部の幅方向の両側面に形成される。
【0015】規則的な凹部が突条部の幅方向の中心に形
成されているものでは、前記凹部の底面に導電性金属が
ドーピングされて低抵抗層が形成されることが好まし
い。
【0016】この分布帰還型半導体レーザでは、突条部
以外の部分にコンタクト層が形成されておらず、コンタ
クト層が形成された突条部の真下の活性層の部分が発振
領域となる。よって、電流は電極およびコンタクト層を
経て活性層の発振領域に効率的に供給され、この電極が
発振領域以外の部分に回り込みにくくなる。したがっ
て、電流の供給効率が良くなり、レーザ発振のしきい電
流値を小さくできる。
【0017】前記突条部の上面には規則的な凹部が形成
され、これにより回折格子が構成されている。この凹部
は、下部クラッド層、活性層、上部クラッド層、コンタ
クト層が積層された後に形成されるので、回折格子の上
に上部クラッド層を形成する必要がなく、上部クラッド
層に結晶欠陥が生じない。また、凹部を形成する前の段
階でゲインカーブのピークを測定できるので、発振波長
とゲインカーブのピークを合わせやすい。
【0018】また、規則的な凹部内ではコンタクト層が
除去されているため、前記突条部の幅方向の中心に凹部
が形成されていると、その下方の発振領域に効果的に電
流を与えることができない。そこで、凹部の底面に導電
性金属をドーパントして低抵抗層を形成し、さらにその
表面に電極を形成することにより、発振領域に効果的に
電流を与えることが可能になる。
【0019】
【発明の実施の形態】図1は本発明の分布帰還型半導体
レーザの第1の構成例を示す斜視図、図2は図1の分布
帰還型半導体レーザの断面図であり、図2(A)はA−
A線での断面図、図2(B)はB−B線での断面図であ
る。図1ないし図2で示す分布帰還型半導体レーザで
は、n型基板12の下面に電極11が形成され、n型基
板12の上に、n型下部クラッド層13、活性層14、
p型上部クラッド層15がMOCVD法によりエピタキ
シャル結晶成長され、順に積層されている。
【0020】p型上部クラッド層15の表面の中央に所
定幅の突条部19が一方向に連続して形成されている。
突条部19では、p型上部クラッド層15の上に低抵抗
のp型コンタクト層16が積層されている。前記突条部
19を形成する工程では、p型上部クラッド層15の上
にp型コンタクト層16がエピタキシャル結晶成長さ
れ、その後に、p型コンタクト層16の中央部表面にレ
ジスト層が形成される。そして、エッチングによりレジ
スト層が形成されていない部分のp型コンタクト層16
およびp型上部クラッド層15が除去される。このと
き、前記エッチングを、異方性を有するドライエッチン
グで行うことにより、上部クラッド層15の中央部に断
面形状が矩形状の突条部19が形成される。図2(A)
に示すように、p型コンタクト層16は突条部19の表
面にのみ残され、突条部19以外の部分では、p型コン
タクト層16が残されていない。
【0021】図2(A)に示されているように、突条部
19の表面以外の領域にはSiO2などの絶縁層17が
スパッタ成膜され、さらに、突条部19でのp型コンタ
クト層16の表面と前記絶縁層17の上にAuなどの電
極18が形成される。前記絶縁層17が設けられている
ため、電極18は突条部19の表面のp型コンタクト層
16にのみ導通している。突条部19の上面の幅方向の
中心部には、凹部19aがドライエッチングまたはドラ
イエッチングとウエットエッチングの組み合わせにより
形成されている。この凹部19aは、所定の間隔を開け
て突条部19の延びる方向に規則的に形成されている。
凹部19a,19a…の間には相対的に凸部19b,1
9b…が形成され、凹部19a,19a…と凸部19
b,19b…により回折格子が構成されている。
【0022】図2(B)に示すように、前記凹部19a
は、突条部19において、p型コンタクト層16の表面
からp型上部クラッド層15にかけて形成されている。
よって凹部19aをエッチングで加工する工程におい
て、凹部19a内ではp型コンタクト層16が除去され
る。凹部19aの底面では、p型コンタクト層16が除
去されて高抵抗の上部クラッド層15が露出しているた
め、凹部19a内の底面に電極18が形成されていて
も、凹部19aの底部では、活性層14に向けて電流を
注入することができない。
【0023】しかし、図2(B)に示す構成例では、凹
部19aの底面のp型上部クラッド層15の表面にZn
(亜鉛)などのII族の導電性金属が蒸着やスパッタリ
ングにより成膜され、その後にこの導電性金属が加熱さ
れて上部クラッド層15内に拡散させられ、凹部19a
の底面でのp型クラッド層15に低抵抗層(ドーパント
層)20が形成されている。そして、この低抵抗層20
の表面に電極18が形成されている。したがって、凸部
19bの表面に形成された電極18のみならず、凹部1
9aの底面に形成されている電極18から活性層14の
発振領域(β)へ電流を供給することができる。
【0024】上記の凹部19aの底面に低抵抗層を形成
するまでの工程を整理すると、 積層体の幅方向の両側にてコンタクト層16と上部ク
ラッド層15を除去して突条部19を形成する。 突条部19の上面の中央部に凹部19aを規則的に加
工する。 凹部19aの底面に導電性金属層を成膜し、上部クラ
ッド層15内に熱拡散させて低抵抗層20を形成する。 突条部19の上面以外の部分に絶縁層17を形成す
る。 上面全域に電極18を形成する。この電極18は、凹
部19aが形成されている部分では底面の低抵抗層20
に導通し、凹部19aが形成されていない部分ではコン
タクト層16に導通したものとなる。
【0025】前記分布帰還型半導体レーザでは、電極1
1と電極18との間に電界が与えられると、p型コンタ
クト層16とp型上部クラッド層15を経て、突条部1
9の真下の活性層14内の発振領域(β)に電流が与え
られ、突条部19に形成された凹部19aと凸部19b
の回折格子により分布帰還され、縦単一モードのレーザ
ー光が発振される。
【0026】図2(A)(B)に示すように、突条部1
9以外の部分にはp型コンタクト層16が残っておら
ず、また絶縁層17が形成されているので、電極18に
与えられる電流は、コンタクト層16または低抵抗層2
0を経てその真下の発振領域(β)に与えられ、この電
流は突条部19以外の部分に逃げにくいものとなってい
る。また、図2(B)に示すように、凹部19a内では
コンタクト層16が無くても、その底部の低抵抗層20
から電流が与えられる。したがって電極18に与えられ
る電流は突条部19の部分から効率的に発振領域(β)
に与えられ、電流の供給効率が高く、レーザ発振のしき
い電流値を低減することができる。また、発振領域
(β)は突条部19に形成された凹部19aと凸部19
bの回折格子の真下に位置している。よって、発振領域
(β)では回折格子が近接しているため、結合定数が高
くなって、発振領域(β)での発振効率がよくなる。
【0027】発振領域(β)から発振される光の波長λ
1は、回折格子の凹部19aの形成周期および半導体材
料により決定される。例えばp型上部クラッド層15お
よびn型下部クラッド層13を形成する半導体材料がI
nP(インジウム−リン)で、活性層14を形成する半
導体材料がInGaAsP(インジウム−ガリウム−砒
素−リン)のとき、波長λ1=1.3μmの赤外光が発
振される。また、p型上部クラッド層15およびn型下
部クラッド層13を形成する半導体材料がAlGaIn
P(アルミニウム−ガリウム−インジウム−リン)で、
活性層14を形成する半導体材料がGaInP(ガリウ
ム−インジウム−リン)のとき、発振領域(β)から波
長λ1=0.68μmの可視赤色光が発振される。ま
た、p型上部クラッド層15およびn型下部クラッド層
13を形成する半導体材料がAlGaN(アルミニウム
−ガリウム−窒素)で、活性層14を形成する材料がI
nGaN(インジウム−ガリウム−窒素)のとき、波長
λ1=0.41μmの青色光が発振される。
【0028】本発明の分布帰還型半導体レーザでは、突
条部19の上面に形成された凹部19aにより回折格子
が構成されており、回折格子の上にp型上部クラッド層
15を結晶成長させる必要はないため、p型上部クラッ
ド層15に結晶欠陥が生じることはない。また、凹部1
9aを形成する前の段階で図7に示すゲインカーブのピ
ーク(イ)の測定ができるため、ゲインカーブのピーク
(イ)と発振波長λ1とが合わせ易くなる。
【0029】図3は本発明の分布帰還型半導体レーザの
第2構成例の斜視図である。図1および図2(A)
(B)に示した分布帰還型半導体レーザでは、突条部1
9の断面形状が矩形であるが、図3では、突条部19の
断面形状が、裾広がりの台形に形成されている。
【0030】図3に示した分布帰還型半導体レーザの構
造は、n型基板12の下面に電極11が形成され、n型
基板12の上にn型下部クラッド層13、活性層14、
p型上部クラッド層15がエピタキシャル結晶成長され
る。そして、p型上部クラッド層15の中央に所定幅の
台形の突条部19が形成されている。この突条部19の
p型上部クラッド層15の上にはp型コンタクト層16
が積層されている。上部クラッド層15およびコンタク
ト層16が積層された後にコンタクト層16の表面にレ
ジスト層を形成し、ウエットエッチングなどの異方性の
ないエッチングによりレジスト層が形成されていない部
分を除去することにより、台形の突条部19を形成する
ことができる。
【0031】また、突条部19の両側の傾斜した面に、
凹部19aが規則的に形成されており、この凹部19a
と、凹部19a間の凸部19bとで回折格子が形成され
ている。突条部19および前記回折格子が形成された
後、p型上部クラッド層15の突条部19が形成されて
いない部分の表面に、SiO2などの絶縁層17がスパ
ッタ成膜される。さらに、突条部19の表面と絶縁層1
7の表面にAuなどの電極18が形成されるが、この電
極18は、突条部19の上部に形成されたコンタクト層
16と導通している。
【0032】図3の構成例では、凹部19aが突条部1
9の両側面に形成されているため、凹部19aを形成す
るときにp型コンタクト層16が除去されない。よって
電極18からコンタクト層16および上部クラッド層1
5を経て活性層14の発振領域(β)に効果的に電流が
与えられる。また電極18からの電流が、両側の回折格
子の中間から活性層14に与えられるため、図2(B)
に示すように凹部19aの底面に低抵抗層20を形成す
る必要がない。
【0033】この分布帰還型半導体レーザでは、コンタ
クト層16が突条部19の頂部にのみ形成されているた
め、電極18から発振領域(β)へ電流が効率良く与え
られる。また凹部19aによる回折格子が、発振領域
(β)の上方で且つ突条部19の両側面に形成されてい
るため、回折格子の結合定数が高く、効果的な発振がで
きる。
【0034】図3に示す半導体レーザにおけるクラッド
層−活性層の半導体材料の組み合わせは、InP−In
GaAsP(波長λ1=1.3μmの赤外光)、AlG
aInP−GaInP(波長λ1=0.68μmの可視
赤色光)、AlGaN−InGaN(波長λ1=0.4
5μmの青色光)などである。
【0035】図1と図2に示した第1の構成例では、凹
部19aが突条部19の幅方向の中心に1列にのみ形成
されているが、本発明の構成はこれに限るものではな
く、例えば図4に示すように、凹部19aが突条部19
の幅方向に平行に並んで2列に形成されていてもよい。
この場合、2列の凹部19aの中間部分では、凹部19
aが形成されておらず、上部クラッド層15とコンタク
ト層16が連続的に形成されている。よって凹部19a
と凹部19aの中間から発振領域(β)に電流を与える
ことができ、凹部19aの底面に導電性金属を熱拡散さ
せた低抵抗層20を必ずしも形成する必要がない。しか
し、この低抵抗層20を形成することにより、さらに電
流の供給効率が高くなる。
【0036】また、図5に示すように所定の幅と厚さを
有する突条部19がp型上部クラッド層15の表面に所
定の間隔を開けて一方向に規則的に形成されているもの
でもよい。この場合、突条部19,19…により回折格
子が構成される。このような突条部19は、n型基板1
2の上にn型下部クラッド層13、活性層14、p型上
部クラッド層15、p型コンタクト層16が積層された
段階でレジスト層を形成して、p型コンタクト層16の
上面からp型上部クラッド層15にかけてエッチングな
どによりレジスト層の形成されていない部分を除去する
ことにより形成される。したがって、突条部19以外の
部分にはp型コンタクト層16は形成されていないの
で、突条部19に注入された電流は突条部19の真下に
ある活性層14の発振領域(β)に効率よく与えられ
る。
【0037】また、突条部19と19の中間の凹部19
aの底面の部分に、導電性金属を熱拡散させた低抵抗層
20を形成し、その上に電極18を設けることにより、
突条部19が有る部分と無い部分とから活性層14に電
流を与えることが可能である。
【0038】
【発明の効果】以上のように、本発明の分布帰還型半導
体レーザでは、上部クラッド層の表面に形成された突条
部にのみコンタクト層が形成されている。これにより、
前記突条部に注入された電流は突条部以外の部分に回り
込むことなく、効率よく活性層の発振領域に供給され
る。このため、レーザ素子のしきい電流値を低減でき
る。
【0039】また、前記突条部に回折格子が設けられ、
この回折格子の真下に発振領域(β)が形成されるた
め、回折格子による回折効果すなわち結合定数を高くで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の分布帰還型半導体レーザの第1の構成
例の斜視図、
【図2】図2(A)は図1のA−A線での断面図、図2
(B)はB−B線での断面図
【図3】本発明の分布帰還型半導体レーザの第2の構成
例の斜視図、
【図4】本発明の他の構成例の分布帰還型半導体レーザ
の凹部が形成されている部分の断面図、
【図5】本発明の他の構成例の分布帰還型半導体レーザ
の斜視図、
【図6】従来の分布帰還型半導体レーザの断面図、
【図7】波長λ1と出力との関係を示す線図、
【図8】図8(A)は従来の半導体レーザの凹部が形成
されていない部分の断面図、図8(B)は凹部が形成さ
れている部分の断面図、
【符号の説明】
11 電極 12 基板 13 下部クラッド層 14 活性層 15 上部クラッド層 16 コンタクト層 17 絶縁層 18 電極 19 突条部 19a 凹部 20 低抵抗層

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に下部クラッド層、活性層、上部
    クラッド層が積層され、前記上部クラッド層の表面にコ
    ンタクト層および電極が積層された所定幅の突条部が形
    成されており、この突条部に規則的な凹部が形成されて
    いることを特徴とする分布帰還型半導体レーザ。
  2. 【請求項2】 規則的な凹部は、前記突条部の幅方向の
    中心部に形成されている請求項1記載の分布帰還型半導
    体レーザ。
  3. 【請求項3】 規則的な凹部は、前記突条部の幅方向の
    両側面に形成されている請求項1記載の分布帰還型半導
    体レーザ。
  4. 【請求項4】 規則的な凹部の底面に導電性金属が拡散
    した低抵抗層が形成されている請求項2記載の分布帰還
    型半導体レーザ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006165027A (ja) * 2004-12-02 2006-06-22 Fujitsu Ltd 半導体レーザ及びその製造方法
JP2010199158A (ja) * 2009-02-23 2010-09-09 National Institute Of Information & Communication Technology 光導波路型半導体及びその製造方法

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