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JPH09188617A - 徐放性医薬組成物 - Google Patents

徐放性医薬組成物

Info

Publication number
JPH09188617A
JPH09188617A JP8000727A JP72796A JPH09188617A JP H09188617 A JPH09188617 A JP H09188617A JP 8000727 A JP8000727 A JP 8000727A JP 72796 A JP72796 A JP 72796A JP H09188617 A JPH09188617 A JP H09188617A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
release
drug
sustained
granules
pharmaceutical composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8000727A
Other languages
English (en)
Inventor
Shigeki Suzuki
繁樹 鈴木
Atsushi Kawabata
敦嗣 川畑
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Pola Orbis Holdings Inc
Original Assignee
Pola Chemical Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Pola Chemical Industries Inc filed Critical Pola Chemical Industries Inc
Priority to JP8000727A priority Critical patent/JPH09188617A/ja
Publication of JPH09188617A publication Critical patent/JPH09188617A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Medicinal Preparation (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 腸溶性高分子、酸可溶性高分子及び薬物
を含有する徐放性医薬組成物。 【効果】 薬物放出を任意に制御し得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は徐放性医薬組成物に
関し、特に胃内pH領域及び腸内pH領域において薬物
放出が任意に制御された徐放性顆粒製剤として好適な徐
放性医薬組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】徐放性製剤は、製剤の服用回数を減少さ
せ、患者のコンプライアンスを向上させ、治療効果を高
める等医療上多くの利点を有する。
【0003】徐放性製剤による治療効果を高めるために
は、長時間にわたり有効血中濃度を維持させる必要があ
り、徐放性製剤として、水に対する薬物の溶解性、酸性
・塩基性度等に関わらず、経口投与後の様々な生理学的
環境下で単位時間当たり一定量の薬物を放出する、いわ
ゆる0次放出型の徐放性製剤が要望されている。更に、
胃粘膜刺激性薬物、酸性環境で不安定な薬物、初回通過
効果を受ける性質を有する薬物等を含有する徐放性製剤
では、胃内での薬物放出を抑制し小腸以降で薬物を制御
放出させることが切望されている。
【0004】そのため、従来より徐放性製剤を得るため
に種々の放出制御法の試みがなされており、その代表的
なものとして、拡散型放出制御法や溶出型放出制御法が
知られている。
【0005】拡散型放出制御法には、薬物含有核を水不
溶性皮膜で被覆した皮膜型の微透析膜顆粒剤、微透析膜
カプセル剤や水不溶性基剤中に薬物を分散したマトリッ
クス型のグラデュメット形、ワックスマトリックス形が
ある。
【0006】溶出型放出制御法には、薬物含有核を水可
溶性皮膜で被覆した皮膜型のスパンスル形や、水可溶性
基剤中に薬物を分散したマトリクッス型のスパスタブ
形、スパンタブ形、ロンタブ形がある。溶出型放出制御
法には、水可溶性基剤として腸溶性基剤を用いて、消化
管pHにより薬物放出を制御する方法もある。(医薬品
の開発 Vol.13 「薬物送達法」 廣川書店)
【0007】更に、腸溶性基剤中に薬物を分散させた核
を水不溶性皮膜で被覆した徐放性製剤(特公昭64−7
047号公報)、薬物含有核を水不溶性皮膜で被覆し更
に腸溶性皮膜を被覆した徐放性製剤(特公平6−210
66号公報)、薬物含有核を腸溶性基剤及び水不溶性基
剤からなる皮膜で被覆した徐放性製剤(特開平4−23
4812号公報)など拡散型と溶出型を組み合わせた放
出制御法も提案されている。
【0008】これらの従来の放出制御法による徐放性製
剤を経口投与したときの問題点として以下のことが挙げ
られる。
【0009】(1)水不溶性皮膜による薬物放出制御法
では0次放出は得られ易いと言われているが、薬物の溶
解性がpH依存性を示す場合消化管pHの変動(約pH
1〜pH8)により薬物放出速度が変化すること、小腸
以降での薬物放出が望ましい薬物においては胃内での薬
物放出が抑制できないおそれがある。
【0010】(2)水可溶性皮膜による薬物放出制御法
では0次放出は得られ難く、小腸以降での薬物放出が望
ましい薬物においては胃内での薬物放出が抑制できない
おそれがある。腸溶性基剤を用いた薬物放出制御法で
は、小腸以降での薬物放出が望ましい薬物においては胃
内での薬物放出を抑制し、薬物を小腸内に送達すること
は可能であるが、薬物放出は0次放出に制御されないお
それがある。
【0011】(3)水不溶性基剤及び水可溶性基剤によ
るマトリックス型放出制御法では薬物放出速度は時間の
経過と共に減少傾向を示し、0次放出は得難い。更に消
化管内においてバースト現象を引き起こすおそれがあ
る。
【0012】(4)胃内において薬物放出を抑制し、小
腸内に薬物を送達し、薬物放出を0次放出させることを
可能にした薬物放出制御法として、腸溶性基剤中に薬物
を分散させた核を水不溶性皮膜で被覆した薬物放出制御
法、薬物含有核を水不溶性皮膜で被覆し更に腸溶性皮膜
を被覆した薬物放出制御法、薬物含有核を腸溶性基剤及
び水不溶性基剤からなる皮膜で被覆した薬物放出制御法
が提案されている。しかしながら、これらの薬物放出制
御法においても小腸内pHの変動(pH5〜8)により
腸溶性基剤の溶解性が影響を受けて、薬物放出速度が小
腸内で変化してしまうおそれがある。薬物の溶解性がp
H依存性を示すときは、薬物を制御放出させることは更
に困難なものとなると推察される。
【0013】これらのことは、実際に製剤を患者に投与
した場合に、消化管の生理学的要因、特に消化液の液
性、量あるいは食事の質、量によって薬物の放出速度が
個体間、個体内で異なることにより薬物血中濃度が変動
すること、即ちバイオアベイラビリティーが変動するこ
とを示し、全ての患者において薬効の持続化が図られ、
適切な治療効果が得られているとは言い切れない原因と
なっている。即ち、薬物放出が胃内pH領域及び腸内p
H領域において任意に制御された徐放性医薬組成物は現
在のところまだ得られていない。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、薬
物放出を任意に制御し得る医薬組成物を提供することを
目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】このような実情におい
て、本発明者らは、種々の製剤用基剤を用いてより実用
的な薬物放出制御法について鋭意研究を重ねた結果、上
記従来の徐放性製剤において、薬物血中濃度推移の安定
化、薬効の持続化、及び治療効果の向上を図るために
は、種々のpH環境下での薬物放出を自由に調節し、任
意に制御放出させることが効果的であることに着目し、
薬物含有核を腸溶性皮膜で被覆し、更に酸可溶性皮膜で
被覆することにより、優れた薬物放出制御効果が得られ
ることを見出し、本発明を完成した。
【0016】即ち、本発明は、腸溶性高分子、酸可溶性
高分子及び薬物を含有することを特徴とする徐放性医薬
組成物を提供するものである。
【0017】
【発明の実施の形態】消化管のpHは、胃ではpH1〜
3.5付近、十二指腸ではpH5〜6付近、空腸ではp
H6〜7付近、回盲腸以降ではpH8付近であることが
知られている。薬物吸収性においては、胃内pHとして
pH1.2、腸内pHとしてpH6.5及びpH7.2
が、製剤からの薬物放出性に特に関与していると一般に
知られている。本発明の徐放性医薬組成物は、胃内pH
領域(pH1.2)及び腸内pH領域、特にpH6.5
及びpH7.2の近傍した両pHにおける薬物放出を任
意に制御し得るものである。
【0018】本発明で用いる腸溶性基剤としては、ヒド
ロキシプロピルメチルセルロ−スフタレ−ト(商品名:
HP−55、HP−50、信越化学社製)、メタクリル
酸−メタクリル酸メチルコポリマ−(商品名:オイドラ
ギットL100、オイドラギットL100−55、オイ
ドラギットS100、レ−ムファルマ社製)、メタアク
リル酸−アクリル酸エチルコポリマ−(商品名:オイド
ラギットL30D−55、レ−ムファルマ社製)、ヒド
ロキシプロピルメチルセルロ−スアセテ−トサクシネ−
ト(商品名:AQOAT、信越化学社製)、カルボキシ
メチルエチルセルロ−ス(商品名:CMEC、フロイン
ト産業社製)等が挙げらる。これらは一種を単独で用い
ることもでき、二種以上を組み合わせて用いることもで
きる。これらのうち、好ましいものはメタクリル酸−メ
タクリル酸メチルコポリマ−(商品名:オイドラギット
L100(別名:メタクリル酸コポリマーL)、オイド
ラギットL100−55(別名:メタクリル酸コポリマ
ーL)、オイドラギットS100(別名:メタクリル酸
コポリマーS)、レ−ムファルマ社製)またはこれらの
混合物である。
【0019】本発明の組成物における腸溶性高分子の好
ましい含有量は、薬物、徐放型、放出速度等の適用目的
によって異なるが、1〜30重量%が好ましく、3〜2
0重量%が特に好ましく、5〜15.3重量%が更に好
ましい。
【0020】本発明で用いる酸可溶性高分子としては、
医薬組成物に被覆などの目的で用いられる高分子であっ
て、酸に可溶なものであればよく、特に限定されるもの
ではない。この様な高分子としては、例えば、アミノア
ルキルメタクリレートコポリマーE(商品名:オイドラ
ギットE100、レ−ムファルマ社製)、ポリビニルア
セタールジエチルアセテート(商品名:AEA、三共社
製)などが挙げられる。これらは、一種を単独で用いて
もよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0021】本発明の組成物における酸可溶性高分子の
含有量は、薬物、徐放型、放出速度等の製剤設計により
異なるが、0.1〜10重量%が好ましく、0.5〜8
重量%が特に好ましく、0.8〜5重量%が更に好まし
い。
【0022】本発明で用いる薬物は経口投与により薬効
が期待されるものであれば特に制限されない。即ち、ベ
ンズジアゼピン等の中枢・末梢神経用剤、ニフェジピ
ン、ニカルジピン等の循環器官用剤、呼吸器官用剤、消
化器官用剤、ホルモン剤、ビタミン剤、アレルギー用
剤、解熱用剤、ケトプロフェン、ケトチフェン等の鎮痛
用剤、シスプラチン、アドレアマイシン、5−フルオロ
ウラシル等の腫瘍用剤、フォスフォマイシン、メチシリ
ン等の抗生物質製剤、ビフォナゾール、ミコナゾール等
の化学療法剤等の分野から選択され、水に対する薬物の
溶解性、酸性・塩基性度等に関わらず、通常使用されて
いる薬物を配合することができる。また、これらの薬物
の生理学的に許容される塩も用いることができる。本発
明において好適に使用される薬物としては、pH依存性
の溶解性を示す塩基性薬物が挙げられる。塩基性薬物の
中でも塩酸ニカルジピン等は、薬物の溶解性が胃内pH
領域に対して小腸内pH領域では著しく低いのにも関わ
らず、肝臓での初回通過効果を受ける性質を有するた
め、胃内での薬物放出を抑制し、高含量で薬物を小腸に
送達させ、小腸全域において一定速度で薬物放出させる
ことが望まれるため特に好ましいものである。
【0023】本発明の組成物における薬物の含有量は、
その薬物の種類と製剤設計の目的により異なるが、0.
1〜40重量%が好ましく、0.5〜30重量%がより
好ましく、1〜200重量%が更に好ましい。
【0024】本発明の医薬組成物における腸溶性高分
子、酸可溶性高分子及び薬物の配合方法は、通常、医薬
組成物の製造で用いられている方法であればよく、特に
限定されない。例えば、これらの成分と任意成分とを混
合し、造粒したり、薬物を含む核を作成し、これに腸溶
性高分子と酸可溶性高分子を被覆させたりすればよい。
これらの中でもっとも好ましい方法は、薬物を含む核の
顆粒を作成し、これを腸溶性高分子を含む溶液でコーテ
ィングし、しかる後に酸可溶性高分子を含む溶液でコー
ティングする方法である。
【0025】本発明の徐放性医薬組成物は顆粒製剤とす
ることが好ましく、この顆粒及び医薬組成物の中間生成
物となる顆粒は、日本薬局方等に記載の通常の製剤技術
またはその変法、改良法を用いて調製できる。この様な
方法としては、例えば、薬物含有核顆粒は乾式造粒法、
撹拌造粒法、流動層造粒法、溶融造粒法、押し出し造粒
法、コ−ティング造粒法等により調製される。薬物含有
核顆粒の調製に際して用いる製剤素材は賦形剤、結合
剤、滑沢剤、凝集防止剤、不活性核粒子、有機酸、界面
活性剤等であり、医薬組成物に通常使用されるものであ
ればいずれも使用できる。
【0026】中間生成物である薬物含有核顆粒は平均粒
径が100〜1200μmのものが好ましく、100〜
500μmのものが特に好ましい。本発明においては速
放性の薬物放出を示す薬物含有核顆粒が好適に用いられ
る。調製された薬物含有核顆粒における薬物含有量は好
ましくは1〜50重量%であるが、必ずしもこの量に限
定されず薬物の物理化学的性質、用量等により変えるこ
とができる。
【0027】薬物含有核顆粒を腸溶性高分子で被覆する
方法は、パンコーティング法、流動層コーティング法、
転動流動層コーティング法等が採用できる。これは、薬
物含有核顆粒を転動及び、または流動させた層に腸溶性
高分子を溶媒に溶解または懸濁したコーティング液を噴
霧し、温風により溶媒を乾燥させ、薬物含有核顆粒の外
層に腸溶性皮膜を形成させるものである。
【0028】更に、酸可溶性高分子を用いて腸溶性皮膜
を被覆するときと同様に操作して、腸溶性皮膜層の外層
に酸可溶性皮膜層を形成させる。
【0029】腸溶性高分子を被覆するとき又は酸可溶性
高分子を被覆するときに、可塑剤、滑沢剤、色素、矯味
・矯臭剤等を配合するが、これらは通常使用されるもの
であればいずれも使用できる。溶媒として、メタノ−
ル、エタノ−ル、イソプロパノ−ル、クロロホルム、ア
セトン、メチレンクロライド、水等が挙げられる。これ
らは単独で使用してもよく、適宜混合して使用してもよ
い。
【0030】このようにして調製された徐放性顆粒製剤
の好ましい平均粒子径は100〜2000μmであり、
100〜500μmが特に好ましい。
【0031】かくして得られた顆粒は一定の放出特性を
有しているため、この顆粒のみで優れた徐放性薬剤とし
て使用することが可能である。この顆粒は、高分子で被
覆していない通常の速効性顆粒や従来の徐放性顆粒等と
組み合わせて用いることができる。このうち、0次にあ
る程度の放出量が要求される、例えばニフェジピンやニ
カルジピン等の難溶性循環器用薬には、速効性顆粒との
組み合わせが有効である。
【0032】また、更に速効性薬剤組成物との組み合わ
せには、本発明の徐放性顆粒に速放性薬物層を層積して
得たものが例示できる。これは本発明の医薬組成物の上
に、速効性薬剤組成物、即ち、薬物とコーティング用の
高分子以外の製剤上の任意成分からなる組成物をコーテ
ィングすれば容易に得られる。
【0033】上記、本発明の医薬組成物と速効性薬剤の
組み合わせにおいて、本発明の医薬組成物及び従来の徐
放性薬剤組成物を徐放部、高分子被覆のない薬剤とコー
ティング用の高分子以外の製剤上の任意成分からなる速
効性の組成物を速放部とすれば、徐放部と速放部の割合
は適度な初期血中濃度及びその持続効果を得るために適
宜調整すればよい。一般的には徐放性顆粒中の薬物量と
速効性顆粒または速放層中の薬物量を重量比で、1:2
〜50:1とすることが好ましく、2:3〜30:1が
特に好ましく、1:1〜20:1が更に好ましい。
【0034】本発明の実施の形態において最良のもの
は、薬物としてニカルジピン及び/又は生理学的に許容
されるそれらの塩を用い、これを顆粒状白糖でコーティ
ングして薬物含有核顆粒とし、これにメタクリル酸コポ
リマー皮膜を作成し、しかる後この皮膜上にアミノアル
キルメタクリレートの皮膜を生成させたものである。
【0035】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明を更に詳しく説
明するが、これらは本発明を何ら限定するものではな
い。なお、特記しない限り、%は重量%を示す。
【0036】比較例1 精製白糖球状顆粒(商品名:ノンパレル103 24−
32メッシュ、フロイント産業社製)200gに塩酸ニ
カルジピン70g、ヒドロキシプロピルメチルロ−ス
(商品名:TC−5、信越化学社製)70g、ポリソル
ベ−ト80(商品名:TOー10 M、日光ケミカルズ
社製)32g、タルク40g(商品名:ビクトリーライ
トSKーC、勝光山鉱業所社製)、水178gをエタノ
−ル1610gに溶解・分散したコ−ティング液を転動
流動層コ−ティング法によりコ−ティングした後乾燥
し、薬物含有顆粒を得た。
【0037】比較例2 比較例1で得た顆粒100gにエチルセルロ−ス50g
(商品名:エトセルN−10−G、信越化学社製)、ク
エン酸トリエチル(商品名:シトロフレックス、中外貿
易社製)5g、タルク15gをエタノ−ル930gに溶
解・分散したコ−ティング液100gを転動流動層コ−
ティング法によりコ−ティングした後乾燥し、徐放性顆
粒得た。
【0038】比較例3 精製白糖球状顆粒 200gに塩酸ニカルジピン70
g、エチルセルロ−ス70g、ポリソルベ−ト80 3
2g、タルク40gをエタノ−ル1788gに溶解・分
散したコ−ティング液を転動流動層コ−ティング法によ
りコ−ティングした後乾燥し、徐放性顆粒を得た。
【0039】比較例4 比較例1で得た顆粒100gにメタクリル酸コポリマ−
L(商品名:オイドラギットL100、レ−ムファルマ
社製)70g、クエン酸トリエチル7g、タルク7g、
水100gをエタノ−ル916gに溶解・分散したコ−
ティング液120gを転動流動層コ−ティング法により
コ−ティングした後乾燥し、徐放性顆粒を得た。
【0040】比較例5 精製白糖球状顆粒200gに塩酸ニカルジピン70g、
メタクリル酸コポリマ−L70g、ポリソルベ−ト80
32g、タルク40gをエタノ−ル1788gに溶解
・分散したコ−ティング液を転動流動層コ−ティング法
によりコ−ティングした後乾燥し、徐放性顆粒を得た。
【0041】比較例6 比較例5で得た顆粒100gにエチルセルロ−ス50
g、クエン酸トリエチル5g、タルク15gをエタノ−
ル930gに溶解・分散したコ−ティング液60gを転
動流動層コ−ティング法によりコ−ティングした後乾燥
し、徐放性顆粒を得た。
【0042】比較例7 比較例1で得た顆粒100gにエチルセルロ−ス50
g、クエン酸トリエチル5g、タルク15gをエタノ−
ル930gに溶解・分散したコ−ティング液60gを転
動流動層コ−ティング法によりコ−ティングした後乾燥
し、更にメタアクリル酸コポリマ−L70g、クエン酸
トリエチル7g、タルク7g、水100gをエタノ−ル
916gに溶解・分散したコ−ティング液110gを転
動流動層コ−ティング法によりコ−ティングした後乾燥
し、徐放性顆粒を得た。
【0043】比較例8 比較例1で得た顆粒100gにメタクリル酸コポリマ−
L30g、エチルセルロース30g、クエン酸トリエチ
ル6g、タルク10g、水50gをエタノ−ル874g
に溶解・分散したコ−ティング液120gを転動流動層
コ−ティング法によりコ−ティングした後乾燥し、徐放
性顆粒を得た。
【0044】比較例9 比較例6で得た顆粒と比較例1で得た顆粒とを塩酸ニカ
ルジピン量で3:1となるように混合して徐放性顆粒を
得た。
【0045】実施例1 (1)精製白糖球状顆粒200gに塩酸ニカルジピン7
0g、ヒドロキシプロピルメチルセルロ−ス70g、ポ
リソルベ−ト80 32g、タルク40g、水178g
をエタノ−ル1610gに溶解・分散したコ−ティング
液を転動流動層コ−ティング法によりコ−ティングした
後乾燥し、薬物含有顆粒を得た。 (2)上記で得た顆粒100gにメタクリル酸コポリマ
−S(商品名:オイドラギットS100、レ−ムファル
マ社製)70g、クエン酸トリエチル7g、タルク7
g、水100gをエタノ−ル916gに溶解・分散した
コ−ティング液78gを転動流動層コ−ティング法によ
りコ−ティングした後乾燥し、更にアミノアルキルメタ
クリレートコポリマーE12g、タルク6g、水18g
をエタノ−ル364gに溶解・分散したコ−ティング液
25gを転動流動層コ−ティング法によりコ−ティング
した後乾燥し、徐放性顆粒を得た。
【0046】実施例2 実施例1(1)で得た顆粒100gにメタクリル酸コポ
リマ−S70g、クエン酸トリエチル7g、タルク7
g、水100gをエタノ−ル916gに溶解・分散した
コ−ティング液78gを転動流動層コ−ティング法によ
りコ−ティングした後乾燥し、更にアミノアルキルメタ
クリレートコポリマーE12g、タルク6g、水18g
をエタノ−ル364gに溶解・分散したコ−ティング液
165gを転動流動層コ−ティング法によりコ−ティン
グした後乾燥し、徐放性顆粒を得た。
【0047】実施例3 実施例1(1)で得た顆粒100gにメタクリル酸コポ
リマ−S70g、クエン酸トリエチル7g、タルク7
g、水100gをエタノ−ル916gに溶解・分散した
コ−ティング液240gを転動流動層コ−ティング法に
よりコ−ティングした後乾燥し、更にアミノアルキルメ
タクリレートコポリマーE12g、タルク6g、水18
gをエタノ−ル364gに溶解・分散したコ−ティング
液25gを転動流動層コ−ティング法によりコ−ティン
グした後乾燥し、徐放性顆粒を得た。
【0048】実施例4 実施例1(1)で得た顆粒100gにメタクリル酸コポ
リマ−S70g、クエン酸トリエチル7g、タルク7
g、水100gをエタノ−ル916gに溶解・分散した
コ−ティング液240gを転動流動層コ−ティング法に
よりコ−ティングした後乾燥し、更にアミノアルキルメ
タクリレートコポリマーE12g、タルク6g、水18
gをエタノ−ル364gに溶解・分散したコ−ティング
液165gを転動流動層コ−ティング法によりコ−ティ
ングした後乾燥し、徐放性顆粒を得た。
【0049】実施例5 実施例1(1)で得た顆粒100gにメタクリル酸コポ
リマ−S70g、クエン酸トリエチル7g、タルク7
g、水100gをエタノ−ル916gに溶解・分散した
コ−ティング液240gを転動流動層コ−ティング法に
よりコ−ティングした後乾燥し、更にポリビニルアセタ
ールジエチルアセテート(商品名:AEA、三共製)1
2g、タルク6g、水18gをエタノ−ル364gに溶
解・分散したコ−ティング液40gを転動流動層コ−テ
ィング法によりコ−ティングした後乾燥し徐放性顆粒を
得た。ポリビニルアセタールジエチルアセテートをコー
ティングする際、必要によりコーティング液にマクロゴ
ール6000を若干量添加することができる。
【0050】実施例6 実施例1(1)で得た顆粒100gにメタクリル酸コポ
リマ−S70g、クエン酸トリエチル7g、タルク7
g、水100gをエタノ−ル916gに溶解・分散した
コ−ティング液30gを転動流動層コ−ティング法によ
りコ−ティングした後乾燥し、更にアミノアルキルメタ
クリレートコポリマーE12g、タルク6g、水18g
をエタノ−ル364gに溶解・分散したコ−ティング液
10gを転動流動層コ−ティング法によりコ−ティング
した後乾燥し、徐放性顆粒を得た。
【0051】実施例7 実施例1(1)で得た顆粒100gにメタクリル酸コポ
リマ−S70g、クエン酸トリエチル7g、タルク7
g、水100gをエタノ−ル916gに溶解・分散した
コ−ティング液30gを転動流動層コ−ティング法によ
りコ−ティングした後乾燥し、更にアミノアルキルメタ
クリレートコポリマーE12g、タルク6g、水18g
をエタノ−ル364gに溶解・分散したコ−ティング液
330gを転動流動層コ−ティング法によりコ−ティン
グした後乾燥し、徐放性顆粒を得た。
【0052】実施例8 実施例1(1)で得た顆粒100gにメタクリル酸コポ
リマ−S70g、クエン酸トリエチル7g、タルク7
g、水100gをエタノ−ル916gに溶解・分散した
コ−ティング液400gを転動流動層コ−ティング法に
よりコ−ティングした後乾燥し、更にアミノアルキルメ
タクリレートコポリマーE12g、タルク6g、水18
gをエタノ−ル364gに溶解・分散したコ−ティング
液10gを転動流動層コ−ティング法によりコ−ティン
グした後乾燥し、徐放性顆粒を得た。
【0053】実施例9 実施例1(1)で得た顆粒100gにメタクリル酸コポ
リマ−S70g、クエン酸トリエチル7g、タルク7
g、水100gをエタノ−ル916gに溶解・分散した
コ−ティング液400gを転動流動層コ−ティング法に
よりコ−ティングした後乾燥し、更にアミノアルキルメ
タクリレートコポリマーE12g、タルク6g、水18
gをエタノ−ル364gに溶解・分散したコ−ティング
液330gを転動流動層コ−ティング法によりコ−ティ
ングした後乾燥し、徐放性顆粒を得た。
【0054】実施例10 実施例1(1)で得た顆粒100gにメタクリル酸コポ
リマ−S23.3g、メタアクリル酸コポリマ−L4
6.7g、クエン酸トリエチル7g、タルク7g、水1
00gをエタノ−ル916gに溶解・分散したコ−ティ
ング液78gを転動流動層コ−ティング法によりコ−テ
ィングした後乾燥し、更にアミノアルキルメタクリレー
トコポリマーE12g、タルク6g、水18gをエタノ
−ル364gに溶解・分散したコ−ティング液25gを
転動流動層コ−ティング法によりコ−ティングした後乾
燥し、徐放性顆粒を得た。
【0055】実施例11 実施例1(1)で得た顆粒100gにメタクリル酸コポ
リマ−S23.3g、メタアクリル酸コポリマ−L4
6.7g、クエン酸トリエチル7g、タルク7g、水1
00gをエタノ−ル916gに溶解・分散したコ−ティ
ング液78gを転動流動層コ−ティング法によりコ−テ
ィングした後乾燥し、更にアミノアルキルメタクリレー
トコポリマーE12g、タルク6g、水18gをエタノ
−ル364gに溶解・分散したコ−ティング液165g
を転動流動層コ−ティング法によりコ−ティングした後
乾燥し、徐放性顆粒を得た。
【0056】実施例12 実施例1(1)で得た顆粒100gにメタクリル酸コポ
リマ−S23.3g、メタアクリル酸コポリマ−L4
6.7g、、クエン酸トリエチル7g、タルク7g、水
100gをエタノ−ル916gに溶解・分散したコ−テ
ィング液240gを転動流動層コ−ティング法によりコ
−ティングした後乾燥し、更にアミノアルキルメタクリ
レートコポリマーE12g、タルク6g、水18gをエ
タノ−ル364gに溶解・分散したコ−ティング液25
gを転動流動層コ−ティング法によりコ−ティングした
後乾燥し、徐放性顆粒を得た。
【0057】実施例13 実施例1(1)で得た顆粒100gにメタクリル酸コポ
リマ−S23.3g、メタアクリル酸コポリマ−L4
6.7g、、クエン酸トリエチル7g、タルク7g、水
100gをエタノ−ル916gに溶解・分散したコ−テ
ィング液240gを転動流動層コ−ティング法によりコ
−ティングした後乾燥し、更にアミノアルキルメタクリ
レートコポリマーE12g、タルク6g、水18gをエ
タノ−ル364gに溶解・分散したコ−ティング液16
5gを転動流動層コ−ティング法によりコ−ティングし
た後乾燥し、徐放性顆粒を得た。
【0058】実施例14 実施例1(1)で得た顆粒100gにメタクリル酸コポ
リマ−S23.3g、メタクリル酸コポリマ−L46.
7g、、クエン酸トリエチル7g、タルク7g、水10
0gをエタノ−ル916gに溶解・分散したコ−ティン
グ液160gを転動流動層コ−ティング法によりコ−テ
ィングした後乾燥し、更にアミノアルキルメタクリレー
トコポリマーE12g、タルク6g、水18gをエタノ
−ル364gに溶解・分散したコ−ティング液65gを
転動流動層コ−ティング法によりコ−ティングした後乾
燥し、徐放性顆粒を得た。
【0059】実施例15 実施例1(1)で得た顆粒100gにメタクリル酸コポ
リマ−S23.3g、メタクリル酸コポリマ−L46.
7g、クエン酸トリエチル7g、タルク7g、水100
gをエタノ−ル916gに溶解・分散したコ−ティング
液160gを転動流動層コ−ティング法によりコ−ティ
ングした後乾燥し、更にポリビニルアセタールジエチル
アセテート(商品名:AEA、三共社製)12g、タル
ク6g、水18gをエタノ−ル364gに溶解・分散し
たコ−ティング液100gを転動流動層コ−ティング法
によりコ−ティングした後乾燥し、徐放性顆粒を得た。
ポリビニルアセタールジエチルアセテートをコーティン
グする際、必要によりコーティング液にマクロゴール6
000を若干量添加することができる。
【0060】実施例16 実施例1(1)で得た顆粒100gにメタクリル酸コポ
リマ−L70g、クエン酸トリエチル7g、タルク7
g、水100gをエタノ−ル916gに溶解・分散した
コ−ティング液78gを転動流動層コ−ティング法によ
りコ−ティングした後乾燥し、更にアミノアルキルメタ
クリレートコポリマーE12g、タルク6g、水18g
をエタノ−ル364gに溶解・分散したコ−ティング液
25gを転動流動層コ−ティング法によりコ−ティング
した後乾燥し、徐放性顆粒を得た。
【0061】実施例17 実施例1(1)で得た顆粒100gにメタクリル酸コポ
リマ−L70g、クエン酸トリエチル7g、タルク7
g、水100gをエタノ−ル916gに溶解・分散した
コ−ティング液78gを転動流動層コ−ティング法によ
りコ−ティングした後乾燥し、更にアミノアルキルメタ
クリレートコポリマーE12g、タルク6g、水18g
をエタノ−ル364gに溶解・分散したコ−ティング液
165gを転動流動層コ−ティング法によりコ−ティン
グした後乾燥し、徐放性顆粒を得た。
【0062】実施例18 実施例1(1)で得た顆粒100gにメタクリル酸コポ
リマ−L70g、クエン酸トリエチル7g、タルク7
g、水100gをエタノ−ル916gに溶解・分散した
コ−ティング液240gを転動流動層コ−ティング法に
よりコ−ティングした後乾燥し、更にアミノアルキルメ
タクリレートコポリマーE12g、タルク6g、水18
gをエタノ−ル364gに溶解・分散したコ−ティング
液25gを転動流動層コ−ティング法によりコ−ティン
グした後乾燥し、徐放性顆粒を得た。
【0063】実施例19 実施例1(1)で得た顆粒100gにメタクリル酸コポ
リマ−L70g、クエン酸トリエチル7g、タルク7
g、水100gをエタノ−ル916gに溶解・分散した
コ−ティング液240gを転動流動層コ−ティング法に
よりコ−ティングした後乾燥し、更にアミノアルキルメ
タクリレートコポリマーE12g、タルク6g、水18
gをエタノ−ル364gに溶解・分散したコ−ティング
液165gを転動流動層コ−ティング法によりコ−ティ
ングした後乾燥し、徐放性顆粒を得た。
【0064】実施例20 実施例1(1)で得た顆粒100gにメタクリル酸コポ
リマ−L70g、クエン酸トリエチル7g、タルク7
g、水100gをエタノ−ル916gに溶解・分散した
コ−ティング液125gを転動流動層コ−ティング法に
よりコ−ティングした後乾燥し、更にアミノアルキルメ
タクリレートコポリマーE12g、タルク6g、水18
gをエタノ−ル364gに溶解・分散したコ−ティング
液65gを転動流動層コ−ティング法によりコ−ティン
グした後乾燥し、徐放性顆粒を得た。
【0065】実施例21 実施例1(1)で得た顆粒100gにメタクリル酸コポ
リマ−L70g、クエン酸トリエチル7g、タルク7
g、水100gをエタノ−ル916gに溶解・分散した
コ−ティング液125gを転動流動層コ−ティング法に
よりコ−ティングした後乾燥し、更にポリビニルアセタ
ールジエチルアセテート(商品名:AEA、三共社製)
12g、タルク6g、水18gをエタノ−ル364gに
溶解・分散したコ−ティング液100gを転動流動層コ
−ティング法によりコ−ティングした後乾燥し、徐放性
顆粒を得た。ポリビニルアセタールジエチルアセテート
をコーティングする際、必要によりコーティング液にマ
クロゴール6000を若干量添加することができる。
【0066】実施例22 実施例1(1)で得た顆粒と実施例14で得た顆粒を塩
酸ニカルジピン量で3:1となるように混合して徐放性
顆粒を得た。
【0067】実施例23 実施例14で得た顆粒100gに塩酸ニカルジピン70
g、ヒドロキシプロピルメチルセルロ−ス70g、ポリ
ソルベ−ト80 32g、タルク40g、水178gを
エタノ−ル1610gに溶解・分散したコ−ティング液
156gを転動流動層コ−ティング法によりコ−ティン
グした後乾燥し、徐放性顆粒を得た。
【0068】実施例24 実施例1(1)で得た顆粒と実施例15で得た顆粒とを
塩酸ニカルジピン量で3:1となるように混合して徐放
性顆粒を得た。
【0069】実施例25 実施例15で得た顆粒100gに塩酸ニカルジピン70
g、ヒドロキシプロピルメチルセルロ−ス70g、ポリ
ソルベ−ト80 32g、タルク40g、水178gを
エタノ−ル1610gに溶解・分散したコ−ティング液
155gを転動流動層コ−ティング法によりコ−ティン
グした後乾燥し、徐放性顆粒を得た。
【0070】(試験例)実施例で得られた本発明の徐放
性顆粒及び比較例で得られた徐放性顆粒について薬物
(塩酸ニカルジピン)の放出性ならびにイヌに経口投与
した時の薬物血中動態を以下のようにして比較した。
【0071】試験例1(溶出試験) 実施例及び比較例で得られた徐放性顆粒の塩酸ニカルジ
ピン40mg相当量を用いて、日本薬局方 一般試験法
溶出試験法 第2法(パドル法)により、薬物の放出速
度を比較した。試験液は局方第1液(pH1.2)、pH
6.5リン酸緩衝液(ポリソルベ−ト80 0.1%含
有)及びpH7.2リン酸緩衝液(ポリソルベ−ト80
0.1%含有)を用い、液量は900mlとした。設定
温度は37℃、パドル回転数は100rpmとし、試験
液に溶出した塩酸ニカルジピンの定量は吸光度法(波長
355nm)により測定した。
【0072】(試験結果)比較例1〜9の徐放性顆粒に
関する試験結果を図1〜9に、実施例1〜25の徐放性
顆粒に関する試験結果を図10〜34に示す。この結果
より、本発明の徐放性顆粒は、腸溶性皮膜に用いる腸溶
性高分子の種類(メタクリル酸コポリマ−L、メタクリ
ル酸コポリマ−Sまたはこれらの混合物)、量(薬物含
有核顆粒に対して約5〜15重量%)及び酸可溶性皮膜
に用いる酸可溶性高分子の種類(アミノアルキルメタク
リレートコポリマーE、ポリビニルアセタールジエチル
アセテート)、量(薬物含有核顆粒に対して約0.8〜
5重量%)を変化させることにより、胃内pH領域(p
H1.2)及び腸内pH領域(pH6.5、pH7.
2)において薬物放出を長時間にわたり任意に制御可能
であることが明らかである。即ち、本発明の徐放製剤
は、長時間にわたり任意に制御可能なものである。
【0073】種々の薬物放出パターンを示す実施例の徐
放性顆粒中で、塩酸ニカルジピンに望まれる胃内pH領
域(pH1.2)で薬物放出を抑制し、腸内pH領域
(pH6.5、pH7.2)で同一の薬物放出速度を示
す徐放性顆粒は、実施例14、実施例15、及びこれら
と速放部と組み合わせた実施例22、実施例23、実施
例24、実施例25のものである。
【0074】試験例2(イヌ薬物血中動態試験) 12時間絶食させた雄性ビーグル犬6匹(約10kg)
に実施例22で得られた徐放性顆粒及び比較例9で得ら
れた徐放性顆粒の塩酸ニカルジピン40mg相当量をそ
れぞれ経口投与し、投与後経時的に採血して血中塩酸ニ
カルジピン濃度を高速液体クロマトグラフィー法により
求めた。
【0075】(試験結果)試験結果を図35に示す。こ
の結果より、本発明の徐放性顆粒は長時間にわたり安定
した薬物血中濃度推移を示し、更に個体間における薬物
血中濃度の変動が小さく、優れた徐放性を有しているこ
とが明らかであった。
【0076】実施例、試験例等で示したように、本発明
の徐放性顆粒は、薬物の水に対する溶解性(水、pH)
に関わらず、薬物放出を胃内pH領域(pH1.2)及
び腸内pH領域、特にpH6.5及びpH7.2の近傍
した両pHにおいて薬物放出を長時間にわたり任意に制
御することが可能であり、薬物血中濃度推移の安定化、
個体間(内)薬物血中濃度変 動の減少が図られること
が明らかである。これらのことにより、本発明の徐放性
顆粒においては、薬効の安定した持続化による治療効果
の向上、患者のQOLの改善等が期待できる。
【0077】
【発明の効果】本発明によれば、薬物放出を任意に制御
し得る医薬組成物を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】比較例1の溶出試験結果を示す図である。
【図2】比較例2の溶出試験結果を示す図である。
【図3】比較例3の溶出試験結果を示す図である。
【図4】比較例4の溶出試験結果を示す図である。
【図5】比較例5の溶出試験結果を示す図である。
【図6】比較例6の溶出試験結果を示す図である。
【図7】比較例7の溶出試験結果を示す図である。
【図8】比較例8の溶出試験結果を示す図である。
【図9】比較例9の溶出試験結果を示す図である。
【図10】実施例1の溶出試験結果を示す図である。
【図11】実施例2の溶出試験結果を示す図である。
【図12】実施例3の溶出試験結果を示す図である。
【図13】実施例4の溶出試験結果を示す図である。
【図14】実施例5の溶出試験結果を示す図である。
【図15】実施例6の溶出試験結果を示す図である。
【図16】実施例7の溶出試験結果を示す図である。
【図17】実施例8の溶出試験結果を示す図である。
【図18】実施例9の溶出試験結果を示す図である。
【図19】実施例10の溶出試験結果を示す図である。
【図20】実施例11の溶出試験結果を示す図である。
【図21】実施例12の溶出試験結果を示す図である。
【図22】実施例13の溶出試験結果を示す図である。
【図23】実施例14の溶出試験結果を示す図である。
【図24】実施例15の溶出試験結果を示す図である。
【図25】実施例16の溶出試験結果を示す図である。
【図26】実施例17の溶出試験結果を示す図である。
【図27】実施例18の溶出試験結果を示す図である。
【図28】実施例19の溶出試験結果を示す図である。
【図29】実施例20の溶出試験結果を示す図である。
【図30】実施例21の溶出試験結果を示す図である。
【図31】実施例22の溶出試験結果を示す図である。
【図32】実施例23の溶出試験結果を示す図である。
【図33】実施例24の溶出試験結果を示す図である。
【図34】実施例25の溶出試験結果を示す図である。
【図35】比較例9及び実施例22で得られた徐放性顆
粒(塩酸ニカルジピン40mg相当量)の血中動態試験
結果を示す図である。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 腸溶性高分子、酸可溶性高分子及び薬物
    を含有することを特徴とする徐放性医薬組成物。
  2. 【請求項2】 腸溶性高分子がメタクリル酸−メタクリ
    ル酸メチルコポリマ−であり、酸可溶性高分子がメタク
    リル酸メチル−メタクリル酸ブチル−メタクリル酸ジメ
    チルアミノエチルコポリマーまたはポリビニルアセター
    ルジエチルアセテートである請求項1記載の徐放性医薬
    組成物。
  3. 【請求項3】 腸溶性高分子の含有量が医薬組成物中5
    〜15.3重量%であり、酸可溶性高分子の含有量が医
    薬組成物中0.8〜5重量%である請求項1又は2記載
    の徐放性医薬組成物。
  4. 【請求項4】 薬物含有核顆粒に腸溶性高分子と酸可溶
    性高分子とを順次コーティングしたものである請求項1
    〜3のいずれか1項記載の徐放性医薬組成物。
  5. 【請求項5】 徐放性顆粒製剤である請求項〜4のいず
    れか1項記載の徐放性医薬組成物。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の徐放性顆粒と速効性顆粒
    とを含有することを特徴とする徐放性医薬組成物。
  7. 【請求項7】 請求項5記載の徐放性顆粒と速効性顆粒
    の薬物重量比が1:1〜20:1である請求項6記載の
    徐放性医薬組成物。
  8. 【請求項8】 請求項5記載の徐放性顆粒に速放性薬物
    層を薬物重量比で1:1〜20:1の割合で層積した徐
    放性顆粒製剤。
  9. 【請求項9】 薬物が塩基性薬物及び/又は生理学的に
    許容されるその塩から選ばれる一種又は二種以上である
    請求項5〜8のいずれか1項記載の徐放性医薬組成物。
  10. 【請求項10】 塩基性薬物がニカルジピン及び/又は
    生理学的に許容されるその塩である請求項9記載の徐放
    性顆粒製剤。
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