[go: up one dir, main page]

JPH09187883A - 有機複合被覆鋼板 - Google Patents

有機複合被覆鋼板

Info

Publication number
JPH09187883A
JPH09187883A JP8002295A JP229596A JPH09187883A JP H09187883 A JPH09187883 A JP H09187883A JP 8002295 A JP8002295 A JP 8002295A JP 229596 A JP229596 A JP 229596A JP H09187883 A JPH09187883 A JP H09187883A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
ethylene
steel sheet
weight
epoxy group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8002295A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenichi Sasaki
健一 佐々木
Yoshiharu Sugimoto
芳春 杉本
Masaaki Yamashita
正明 山下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NKK Corp, Nippon Kokan Ltd filed Critical NKK Corp
Priority to JP8002295A priority Critical patent/JPH09187883A/ja
Priority to TW085116282A priority patent/TW365576B/zh
Priority to US08/779,324 priority patent/US5846660A/en
Priority to CNB971020027A priority patent/CN1136097C/zh
Priority to EP19970410005 priority patent/EP0783924B1/en
Priority to KR1019970000341A priority patent/KR100219971B1/ko
Priority to DE1997625906 priority patent/DE69725906T2/de
Publication of JPH09187883A publication Critical patent/JPH09187883A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
    • C23C28/00Coating for obtaining at least two superposed coatings either by methods not provided for in a single one of groups C23C2/00 - C23C26/00 or by combinations of methods provided for in subclasses C23C and C25C or C25D

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)
  • Chemical Treatment Of Metals (AREA)
  • Other Surface Treatments For Metallic Materials (AREA)
  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】良好な耐食性を維持しつつ、耐黒変性、塗料密
着性に優れ、かつ潤滑性にも優れた有機複合被覆鋼板を
提供すること。 【解決手段】亜鉛または亜鉛系合金めっき層が施された
鋼板と、該鋼板のめっき層上に形成され、金属クロム換
算で1〜200のmg/m2 の範囲の付着量を有するクロ
メート処理層と、クロメート処理層上に厚さ0.1乃至
5μmの範囲で形成された樹脂皮膜とを具備し、前記樹
脂皮膜が、(A)エチレン系アイオノマー樹脂とエポキ
シ基含有化合物との反応物:40〜98重量%、(B)
シリカ微粒子:1〜40重量%、(C)有機系潤滑剤:
1〜30重量%からなる複合化樹脂を主成分とする有機
複合被覆鋼板が提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、亜鉛系めっきが
施された鋼板の上にクロメート処理層及び樹脂被膜を形
成した有機複合被覆鋼板に関する。このような有機複合
被覆鋼板は、家電製品または建材等に用いられる。
【0002】
【従来の技術】亜鉛または亜鉛系合金めっき鋼板(以
下、亜鉛系めっき鋼板と略記する)の上にクロメート処
理層および樹脂皮膜を形成した有機複合被覆鋼板は、耐
食性、耐指紋性に優れていることから、各種産業分野に
おいて広く利用されている。
【0003】このような有機複合被覆鋼板は、無塗装で
使われることが多く、無塗装での耐食性はもちろんのこ
と、無塗装での良好な外観が要求される。耐食性につい
ては、下層にクロメート層を有し、上層に樹脂被覆層を
有する有機複合被覆鋼板を用いることにより、ある程度
要求が満たされている。
【0004】しかし、これら有機複合被覆鋼板が未塗装
状態で保管される場合、特に高温・湿潤環境下に保管さ
れる場合、表面が部分的にあるいは全体に亘って経時的
に黒っぽく変色する、いわゆる黒変現象が発生すること
があり、外観的に商品価値を著しく損なうといった問題
が生じる。さらに、有機複合被覆鋼板は塗装した後使用
する場合もあるため、同時に塗料密着性も必要である。
加えて、スリット加工、運搬あるいは成形加工等の肯定
において皮膜表面に疵がつくことによって、その部分の
耐食性が劣化したり、外観が損なわれることを防ぐため
に潤滑性が求められる。
【0005】このような背景において以下のような技術
が提案されている。
【0006】(1)特開平5−220445号公報(以
下、先行技術1と記す) (2)特開平7−52310号公報(以下、先行技術2
と記す) これらには、エチレン系アイオノマー樹脂をベースとす
る樹脂層を上層に有することにより、有機複合被覆鋼板
の耐黒変性を向上させる技術が開示されている。
【0007】(3)特開平4−61966号公報(以
下、先行技術3と記す) (4)特開平4−290582号公報(以下、先行技術
4と記す) これらには、エチレンと不飽和カルボン酸の共重合体を
ベースとし、潤滑剤を含有する樹脂層を上層に有するこ
とにより、有機複合被覆鋼板の塗料密着性および潤滑性
を向上させる技術が開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た先行技術には以下に示すような問題がある。
【0009】すなわち、先行技術1および2には、エチ
レン系アイオノマー樹脂をベースとする樹脂層を上層に
有することにより、有機複合被覆鋼板の耐黒変性を向上
させることはできるものの、これらの技術で製造された
鋼板では、塗料密着性、潤滑性が不十分である。
【0010】また、先行技術3および4には、エチレン
と不飽和カルボン酸の共重合体をベースとし、潤滑剤を
含有する樹脂層を上層に有することにより、有機複合被
覆鋼板の塗料密着性および潤滑性を向上させることはで
きるものの、これらの技術で製造された鋼板では、耐黒
変性が不十分である。
【0011】このように、従来技術では、耐食性、耐黒
変性、塗料密着性および潤滑性をすべて満足させる有機
複合被覆鋼板は未だ提供されていない。
【0012】この発明は、かかる事情に鑑みてなされた
ものであって、良好な耐食性を維持しつつ、耐黒変性、
塗料密着性に優れ、かつ潤滑性にも優れた有機複合被覆
鋼板を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記課題を
解決するために、亜鉛または亜鉛系合金めっき層が施さ
れた鋼板と、該鋼板のめっき層上に形成され、金属クロ
ム換算で1〜200のmg/m2 の範囲の付着量を有する
クロメート処理層と、クロメート処理層上に厚さ0.1
乃至5μmの範囲で形成された樹脂皮膜とを具備し、前
記樹脂皮膜が、(A)エチレン系アイオノマー樹脂とエ
ポキシ基含有化合物との反応物:40〜98重量%、
(B)シリカ微粒子:1〜40重量%、(C)有機系潤
滑剤:1〜30重量%からなる複合化樹脂を主成分とす
ることを特徴とする有機複合被覆鋼板を提供する。
【0014】また、前記樹脂皮膜におけるエチレン系ア
イオノマー樹脂中の不飽和カルボン酸が、メタクリル酸
であることを特徴とする有機複合被覆鋼板を提供する。
【0015】さらに、前記樹脂皮膜におけるエポキシ基
含有化合物が多価アルコールのジグリシジルエーテルま
たはポリグリシジルエーテルであることを特徴とする記
載の有機複合被覆鋼板を提供する。
【0016】さらにまた、前記樹脂被膜におけるエチレ
ン系アイオノマー樹脂とエポキシ基含有化合物との反応
物において、エポキシ基含有化合物の割合がエチレン系
アイオノマー樹脂100重量部に対して0.1〜30重
量部であることを特徴とする有機複合被覆鋼板を提供す
る。
【0017】本発明者らは、有機複合被覆鋼板における
上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、亜鉛系め
っき鋼板のめっき層上に、クロメート処理層を形成し、
その上に、特殊な樹脂層を形成することによって、良好
な耐食性を維持しつつ、耐黒変性、塗料密着性に優れか
つ潤滑性にも優れた有機複合被覆鋼板が得られることを
見出した。すなわち、所定厚さのクロメート処理層の上
に、特定範囲の厚さを有し、主成分がエチレン系アイオ
ノマー樹脂とエポキシ基含有化合物との反応物である皮
膜を形成することにより、その分子構造に起因した密着
力の高さによって、耐黒変性と共に塗料密着性も向上す
ることを見出した。この発明は、本発明者らのこのよう
な知見に基づいてなされたものである。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明においては、亜鉛系めっき
鋼板の表面にクロメート処理層が形成され、その上に
(A)エチレン系アイオノマー樹脂とエポキシ基含有化
合物との反応物:40〜98重量%、(B)シリカ微粒
子:1〜40重量%、(C)有機系潤滑剤:1〜30重
量%からなる複合化樹脂を主成分とする樹脂皮膜が形成
される。
【0019】本発明において、上層として形成される樹
脂の主成分は、エチレン系アイオノマー樹脂とエポキシ
基含有化合物との反応物である。
【0020】エチレン系アイオノマー樹脂は、主として
炭化水素から構成される高分子主鎖からなり、側鎖にカ
ルボキシル基を有し、カルボキシル基の少なくとも1部
が金属陽イオンで中和された重合体である。このアイオ
ノマー樹脂の具体例として、エチレンと不飽和カルボン
酸との共重合体であって、含有するカルボキシル基の少
なくとも一部が金属陽イオンで中和されてなる部分中和
物が挙げられる。
【0021】エチレン−不飽和カルボン酸共重合体の成
分である不飽和カルボン酸としては、炭素数3〜8のも
の等が挙げられる。この炭素数3〜8の不飽和カルボン
酸の具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレ
イン酸、フマール酸、イタコン酸、クロトン酸、イソク
ロトン酸、アリルコハク酸、メサコン酸、グルタコン
酸、ナジック酸(エンドシス−ビシクロ[2,2,1]
ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン酸)、メチルナ
ジック酸、テトラヒドロフタール酸、メチルヘキサンヒ
ドロフタール酸等が挙げられる。これらの中でも、特
に、メタクリル酸が好ましい。
【0022】また、このエチレン系アイオノマー樹脂の
主骨格を構成するエチレン−不飽和カルボン酸共重合体
は、エチレンと不飽和カルボン酸に加えて第3成分を含
んでいてもよい。この第3成分としては、(メタ)アク
リル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)ア
クリル酸イソプロピル等の不飽和カルボン酸エステル、
酢酸ビニル等のビニルエステル等が挙げられる。
【0023】このエチレン−不飽和カルボン酸共重合体
におけるエチレンの含有量は、通常、95〜60重量%
であり、好ましくは92〜75重量%である。また、不
飽和カルボン酸の含有量は、通常、5〜40重量%であ
り、特に、8〜25重量%の範囲が好ましい。また、エ
チレン−不飽和カルボン酸共重合体が第3成分を含む場
合には、第3成分は40重量%以下の量で存在すること
が好ましい。
【0024】本発明のエチレン系アイオノマー樹脂にお
いて、エチレン−不飽和カルボン酸共重合体が側鎖に有
する、カルボキシル基の少なくとも一部を中和している
金属陽イオンとしては、例えば1〜3価の金属陽イオン
が挙げられ、良好な乳化性を有するアイオノマー樹脂が
得られる点で1価の金属陽イオンが好ましい。この1価
の金属陽イオンの中でも、特に、ナトリウム、カリウム
が好ましい。
【0025】エチレン−不飽和カルボン酸共重合体が側
鎖に有するカルボキシル基全部に対する、金属陽イオン
で中和されたカルボキシル基の割合、すなわち中和度
は、塗膜の密着性が優れるとともに、良好な安定性を有
する水分散体が得られる点で、通常、20〜100%で
あり、好ましくは30〜80%である。
【0026】このエチレン系アイオノマー樹脂は、例え
ば、エチレンと不飽和カルボン酸、および必要に応じて
用いられる前記第3成分を高圧ラジカル重合法により共
重合させ、得られるエチレン−不飽和カルボン酸共重合
体のカルボキシル基を前記金属陽イオンを有する化合物
で中和処理する方法、ポリエチレンに不飽和カルボン酸
をグラフト共重合し、得られる共重合体のカルボキシル
基を前記金属陽イオンを有する化合物で中和処理する方
法等によって製造することができる。また、この製造の
際に、押出機に所要の成分を供給して溶融混練して反応
させてもよいし、適当な溶液中で反応を行わせてもよ
い。
【0027】エチレン系アイオノマー樹脂と反応させる
エポキシ基含有化合物としては、カルボン酸と2,3−
エポキシプロパノール等の反応によって得られるグリシ
ジルエステル類、およびエピクロルヒドリンと1価また
は多価の金属アルコキシドとの反応等によって得られる
グリシジルエーテル類などを挙げることができる。
【0028】グリシジルエステル類を得るためのカルボ
ン酸としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉
草酸等の飽和モノカルボン酸;マロン酸、コハク酸、グ
ルタル酸、アジピン酸等の飽和ジカルボン酸;安息香
酸、フタル酸等の芳香族カルボン酸;アクリル酸、メタ
クリル酸等の不飽和モノカルボン酸;マレイン酸、フマ
ール酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、シ
トラコン酸、アリルコハク酸、メサコン酸、グルタコン
酸、ナジック酸(エンドシス−ビシクロ[2,2,1]
ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン酸)、メチルナ
ジック酸、テトラヒドロフタール酸、メチルヘキサンヒ
ドロフタール酸等の不飽和ジカルボン酸が挙げられる。
これらカルボン酸の1種単独または2種以上がグリシジ
ルエステル類中に含まれていてもよい。
【0029】エポキシ基含有化合物として用いられるグ
リシジルエステル類の具体例としてはアジピン酸ジグリ
シジルエステル、フタル酸ジグリシジルエステル、テレ
フタル酸ジグリシジルエステル等が挙げられる。
【0030】エポキシ基含有化合物として用いられるグ
リシジルエーテル類を得るための1価または多価の金属
アルコキシドは、1価または多価のアルコールと金属と
の反応によって得られる化合物である。ここで用いられ
る1価のアルコールとしては、例えば、メタノール、エ
タノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール等
が挙げられ、多価アルコールとしては、例えば、エチレ
ングリコール、レゾルシン、グリセリン等が挙げられ
る。また、ここで用いられる金属としては、例えば、リ
チウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシ
ウム等のアルカリ金属またはアルカリ土類金属等が挙げ
られる。
【0031】この1価または多価の金属アルコキシドの
具体例として、ナトリウムアルコキシド等が挙げられ
る。これらの金属アルコキシドの1種単独または2種以
上グリシジルエーテル類に含まれていてもよい。
【0032】エポキシ基含有化合物として用いられるグ
リシジルエーテル類の具体例としては、ソルビトールポ
リグリシジルエーテル、ソルビタンポリグリシジルエー
テル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ペン
タエリスリトールポリグリシジルエーテル、ジグリセロ
ールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシ
ジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジル
エーテル、ネオペンチルグリコールポリグリシジルエー
テル、エチレングリコールポリグリシジルエーテル、ポ
リエチレングリコールポリグリシジルエーテル、テトラ
エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレン
グリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリ
コールジグリシジルエーテル、2,2−ビス(4´−グ
リシジルオキシフェニル)プロパングリシジルエーテル
等が挙げられる。
【0033】また、本発明においてエチレンアイオノマ
ー樹脂と反応させるエポキシ基含有化合物としては、前
記グリシジルエステル類およびグリシジルエーテル類を
1種単独で含んでいてもよいし、2種以上を含んでいて
もよい。
【0034】このエポキシ基含有化合物は、加熱により
エチレン系アイオノマー樹脂のカルボキシル基と反応し
て、塗料密着性に優れた塗膜を形成する点で、特に多価
アルコールのジグリシジルエーテルまたはポリグリシジ
ルエーテルが好ましい。
【0035】さらに、このエポキシ基含有化合物の粘度
は、25℃で5〜30000cps、特に10〜200
00cpsの範囲にあることが好ましい。
【0036】本発明において、エポキシ基含有化合物
は、通常、エポキシ当量が80〜2500g、特に、1
20〜2000gの範囲にあるものが用いられる。ここ
でエポキシ当量とは、エポキシ基1グラム当量あたりの
エポキシ基含有化合物のグラム数をいう。例えば、分子
量100のエポキシ基含有化合物が1分子内に1つのエ
ポキシ基を有する場合には、このエポキシ基含有化合物
のエポキシ当量は100gとなる。また、分子量100
のエポキシ基含有化合物が1分子内に2つのエポキシ基
を有する場合には、このエポキシ基含有化合物のエポキ
シ当量は50gとなる。
【0037】エチレン系アイオノマー樹脂とエポキシ基
含有化合物との反応物の調製は、例えば、エチレン系ア
イオノマー樹脂の水分散体にエポキシ基含有化合物を溶
解する方法、エチレン系アイオノマー樹脂、エポキシ基
含有化合物、および水の混合物を混合する方法、エチレ
ン系アイオノマー樹脂、エポキシ基含有化合物、および
水の混合物を加熱溶融し一括乳化する方法等に従って行
うことができる。
【0038】エチレン系アイオノマー樹脂の水分散体は
容易に調製することができ、通常、水に対して1〜60
重量%の固形分量のエチレン系アイオノマー樹脂を混合
して100〜270℃の温度で加熱溶融し、分散させる
方法によって調製することができる。
【0039】また、複合化樹脂の塗布液中におけるエチ
レン系アイオノマー樹脂とエポキシ基含有化合物の濃度
は、特に制限されず、塗布方法、塗布に使用する装置等
に従って適宜調製される。通常、エチレン系アイオノマ
ー樹脂とエポキシ基含有化合物の合計量で5〜50重量
%であるのが適当であり、好ましくは10〜40重量%
である。
【0040】さらに、エチレン系アイオノマー樹脂とエ
ポキシ基含有化合物との反応物において、エチレン系ア
イオノマー樹脂とエポキシ基含有化合物の含有割合は、
使用するエポキシ基含有化合物の分子量、エポキシ当量
等によって異なるが、複合化樹脂をクロメート処理層の
上に塗布した際に、耐水性および上塗り塗料との密着性
に優れた樹脂被覆層を得る観点から、エチレン系アイオ
ノマー樹脂100重量部に対して、エポキシ基含有化合
物0.05〜50重量部の割合が好ましく、さらに好ま
しくは0.1〜30重量部であり、0.5〜20重量部
が一層好ましい。
【0041】本発明で用いるシリカ微粒子としては、一
次粒子径が5〜50nm、二次粒子径が500nm以下
の超微細な無定形のシリカ粒子を好適である。一次粒子
が50nmを超えると乾燥後皮膜にクラックが入ってし
まうため、緻密な皮膜を形成し難く、耐食性が劣化しや
すい。シリカ微粒子は、粒子表面にシラノール基を有し
ており、市場ヘの供給形態によって例えば以下の3種類
に分類され、いずれも本発明に適用することができる。
【0042】(1)シリカ微粉末 一般に乾式シリカと称され、一次粒子径が50nm以下
のものであり、四塩化ケイ素の燃焼によって製造され
る。このシリカ微粉末は水分散液または有機溶剤分散液
のいずれかの形態で使用される。
【0043】(2)有機溶剤分散性シリカ いわゆるオルガノシリカゾルであって、例えば米国特許
第2,285,449号に記載されている製造方法によ
って有機溶剤に分散されたものが挙げられる。すなわ
ち、コロイダルシリカ水分散液における水を有機溶剤で
置換したシリカゾルであって、メタノール、イソプロパ
ノール、ブチルセロソルブなどのアルコール類を分散媒
体にしたものが特に有用である。
【0044】(3)水分散性シリカ いわゆるコロイダルシリカであって、水ガラスの脱ナト
リウム(イオン交換法、酸分解法、解膠法などによる)
によって製造され、一次粒子径が5〜50nmである。
この水分散性シリカは通常水性分散液として供給され
る。
【0045】本発明において、樹脂皮膜の主成分である
複合化樹脂中に占めるシリカ微粒子の割合は、耐食性お
よび皮膜の脆さの点から、1〜40重量%の範囲とす
る。1重量%未満の場合には、耐食性が低下する。一
方、40重量%を超えると皮膜が脆くなってしまうため
耐食性向上効果が認められず、また、樹脂液が増粘しす
ぎてコーティングしにくくなるため皮膜形成が不完全と
なり、耐食性および耐黒変性が低下し、さらに塗料密着
性も低下する。
【0046】本発明においては、上記シリカとクロム酸
塩化合物などのクロム化合物を併用して、合計で50重
量%以下の範囲で添加してもよい。この場合のクロム化
合物としては、無水クロム酸(CrO3 )、クロム酸ス
トロンチウム(SrCrO4)、クロム酸バリウム(B
aCrO4 )、クロム酸鉛(PbCrO4 )、塩基性ク
ロム酸亜鉛(ZnCrO4 ・4Zn(OH)2 )等の6
価クロム酸化合物、およびクロム酸クロム化合物などを
適用することができる。
【0047】本発明においては、樹脂皮膜の潤滑性を付
与するために、上記複合化樹脂に、必須成分として有機
系潤滑剤が含有される。有機系潤滑剤としては、平均粒
径20μm以下の樹脂微粉末、例えばポリオレフィン系
樹脂粉末が有効である。ポリオレフィン系樹脂粉末は、
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等のオレフ
ィン系炭化水素の重合体からなるものであればいずれで
もよいし、これらを組み合わせて用いてもよい。また、
上記ポリオレフィン系樹脂粉末は、品質上の観点から、
重量平均分子量が500〜5000のものが好ましい。
重量平均分子量が5000を超えると潤滑性が低下する
傾向にある。また、500未満では樹脂皮膜の表面にべ
とつきを生じ、コイル貯蔵時等においてブロッキングを
じることがあり好ましくない。上記ポリオレフィン系樹
脂粉末の他に、フッ素系樹脂、例えばポリ四フッ化エチ
レン樹脂、ポリ六フッ化プロピレン樹脂、ポリフッ化ビ
ニリデン樹脂等の微粉末を使用してもよいし、これらを
ポリオレフィン系樹脂粉末と組み合わせて用いてもよ
い。
【0048】上記有機系潤滑剤の代わりに、グラファイ
ト、二硫化モリブデン等の無機系の固体潤滑剤を用いる
ことも考えられるが、この場合には樹脂液との相溶性が
不十分で貯蔵安定性に乏しく、また皮膜形成後の潤滑性
も劣るので好ましくない。
【0049】有機系潤滑剤の添加量は、樹脂皮膜の主成
分である複合化樹脂に対して1〜30重量%の範囲であ
る。1重量%より少ないと潤滑性が発揮されないし、3
0重量%を超えると樹脂皮膜の強度が低下しやすくな
り、塗膜密着性が低下してしまう。さらに好ましい範囲
は2〜15重量%である。2重量%以上であれば潤滑性
が一層向上するし、15重量%以下であれば塗膜密着性
が一層向上する。
【0050】上記シリカ部粒子および有機系潤滑剤の合
計量は複合樹脂に対して60重量%以下である必要があ
る。これは、60重量%を超えると樹脂皮膜の主成分で
ある複合化樹脂のもつ下地との密着力が低下し、耐黒変
性が低下してしまうからである。さらに、60重量%を
超えると樹脂皮膜の主成分である複合化樹脂のもつ上塗
塗料との密着力も低下してしまい、塗料密着性も低下し
てしまうからである。
【0051】このようなシリカ微粒子および有機系潤滑
剤の含有量の制限から、エチレン系アイオノマー樹脂と
エポキシ基含有化合物との反応物の複合化樹脂に対する
割合は、必然的に40〜98重量%となる。
【0052】本発明において、樹脂皮膜の厚さは0.1
〜5μmの範囲、好ましくは、0.3〜3μmの範囲で
ある。0.1μm未満では樹脂皮膜の耐黒変性を抑制す
るためのバリヤー効果を全く期待することができないば
かりか、ハンドリング等による擦傷の発生を防止するこ
とができず好ましくない。また、5μmを超えると厳し
い加工を受けた際に被膜剥離を招き易くなるため好まし
くない。
【0053】なお、本発明における樹脂皮膜中には、必
要に応じて、金属酸化物、顔料や染料、その他各種機能
付与のための添加剤を加えても構わない。
【0054】複合化樹脂皮膜の形成は、例えば以下の方
法によって行うことができる。すなわち、まず、上記複
合樹脂を主成分とする組成物の塗液を、ロールコータ
ー、カーテンロールコーター、またはスプレーなどの公
知の塗装方法によって塗布するか、またはこれらの塗液
中にクロメート処理を施した亜鉛系めっき鋼板を浸漬し
た後ロールや空気吹付けによって付着量をコントロール
して膜を形成し、次いでこれを乾燥させるといった方法
である。乾燥は常温でも構わないが、通常、熱風炉や誘
導加熱装置などにより鋼板の温度が約60℃以上に、好
ましくは80〜200℃になるように加熱することによ
ってなされる。
【0055】本発明の亜鉛系めっき鋼板としては、黒変
発生が特に懸念される電気純亜鉛めっき鋼板、および電
気めっき法または溶融めっき法によってめっき層が形成
された他の亜鉛系めっき鋼板または亜鉛系合金めっき鋼
板が挙げられる。
【0056】クロメート処理層は、鋼板に優れた耐食性
を付与すると共に、樹脂皮膜の形成を容易ならしめる効
果を有する。この層を形成するクロメート処理として
は、反応型、塗布型、電解型等公知のクロメート処理に
よればよいが、クロム付着量が金属クロム換算で1〜2
00mg/m2 であるクロメート層を形成する必要があ
る。付着量が1mg/m2 未満では耐食性が不十分であ
り、また200mg/m2 を超えると、その量に見合っ
た耐食性向上効果を得ることができないのみならず、鋼
板の変形を伴う曲げ加工などが施された場合に、クロメ
ート処理層の凝集破壊が発生しやすくなる。クロメート
処理層のより好ましい付着量は、金属クロム換算で、鋼
板片面当たり10〜100mg/m2 の範囲内である。
【0057】具体的例を挙げるならば、反応型クロメー
ト処理液の組成としては、金属クロム換算で1〜100
g/lの水溶性クロム化合物と、0.2〜20g/lの
硫酸とを主成分とするものが挙げられ、かつ全クロム中
の3価クロムの含有量が50重量%以下、このましくは
20〜35重量%以下であって、必要に応じてこれらに
適量の金属イオン、例えばZn2+、Co2+,Fe3+等と
他の鉱酸例えばりん酸、フッ酸等を加えたものであって
もよい。
【0058】塗布型クロメート処理液の具体例として
は、上記反応型クロメート処理と同様の組成の液中に、
分子中に多量のカルボキシル基を含有する水溶性でかつ
上記反応型クロメート処理液と同様の組成の液中に、分
子中に多量のカルボキシル基を含有する水溶性でかつ上
記反応型クロメート処理液と同様の組成の液と相溶性の
ある有機高分子樹脂を添加し、pHを2.0〜3.5に
調整したものが挙げられる。この有機高分子としては、
平均分子量1000〜500000であることが好まし
い。その添加量は一般に樹脂分に換算して0.02〜3
0g/lの範囲である。
【0059】いずれにしても、第1層としてのクロメー
ト層の付着量は、上述したように、金属クロム換算で1
〜200mg/m2 の範囲であればよい。
【0060】
【実施例】以下、比較例と対比しつつこの発明の実施例
について説明する。なお、以下の説明中「部」及び
「%」はいずれも重量基準によるものとする。
【0061】(複合化樹脂の合成例1)まず、ベース樹
脂の合成法から述べる。部分的に中和されたエチレン−
メタクリル酸共重合体(メタクリル酸含有量15%、中
和度50%、中和剤:水酸化ナトリウム)100gを2
50℃で溶融してエチレン系アイオノマー樹脂溶融物を
調製した。
【0062】このエチレン系アイオノマー樹脂溶融物
を、水300gを装入して170℃に加熱した内容積1
リットルの耐圧ホモミキサーに、1000rpmで攪拌
しながら、約2時間かけて装入した。さらに、30分間
攪拌しながら室温まで冷却し、エチレン系アイオノマー
樹脂の水分散体を得た。得られたエチレン系アイオノマ
ー樹脂の水分散体の樹脂濃度は25%、粘度は600c
ps(25℃)、平均粒径は1μm以下であった。
【0063】次に、テトラエチレングリコールジグリシ
ジルエーテルの50%の水溶液を調製し、この水溶液を
エチレン系アイオノマー樹脂の水分散体100gに対し
て、5.0g添加し、攪拌することによって水分散型樹
脂液Aを得た。
【0064】また、共重合体の種類、エポキシ基含有化
合物の種類、含有率の異なる樹脂液も基本的に同様の条
件で合成した。
【0065】なお、比較例に使用するベース樹脂の異な
る樹脂についても同様にして合成した。また、樹脂につ
いては、後述する表1、2に明示した。
【0066】これらの樹脂にシリカ微粒子と有機系潤滑
剤を加えて複合化樹脂組成物を得た。以下に一例を示
す。
【0067】樹脂A100部をフラスコ中に装入し、常
温で十分に攪拌しながら、ヒュームドシリカ(日本アエ
ロジル製:商品名アエロジル300、一次粒径7nm)
3.4gと、有機潤滑剤として、分子量2000のポリ
エチレン微粉末(粒径0.6μm)3.4gを約10分
間に徐々に加えて、複合化樹脂組成物を得た。
【0068】(実施例1〜29)板厚0.8mm、めっ
き量20g/m2 の電気亜鉛めっき鋼板のめっき層上
に、反応型クロメート処理、または塗布型クロメート処
理を施し、乾燥することによって付着量10〜200m
g/m2 のクロメート処理層を形成した。
【0069】次いで、クロメート処理層上に、前記合成
例で合成した各種複合化樹脂組成物をロールコーターに
よって塗布し、その後誘導加熱装置によって鋼板の温度
が140℃に到達するまで加熱して塗液を乾燥させ、樹
脂皮膜を形成した。各実施例における条件を表1に示
す。
【0070】(比較例1〜18)これら比較例では、実
施例と同一の電気亜鉛めっき鋼板を用い、めっき層上に
反応型クロメート処理により付着量25mg/m2 のク
ロメート処理層を形成した。クロメート処理層上に、本
発明の範囲外の各種樹脂皮膜を表2に示す条件で形成し
た。
【0071】なお、表1、2中のクロメート付着量は、
金属クロム換算量を表示し、また、エポキシ基含有化合
物の含有量はエチレン系アイオノマー樹脂100重量部
に対する重量部で表示し、さらに、樹脂皮膜中のシリカ
含有量および有機系潤滑剤の含有量は、樹脂、シリカ、
有機系潤滑剤の合計を100%とした場合の%で表示し
ている。
【0072】また、表1、2中、樹脂の種類の欄の記号
は以下に示すとおりである。
【0073】A:エチレン−メタクリル酸共重合体、N
a中和アイオノマー(合成例の樹脂A) B:エチレン−アクリル酸共重合体、Na中和アイオノ
マー C:エチレン−フマル酸共重合体、Na中和アイオノマ
ー D:エチレン−イタコン酸共重合体、Na中和アイオノ
マー E:エチレン−マレイン酸共重合体、Na中和アイオノ
マー F:エチレン−アクリル酸共重合体 G:アクリル樹脂エマルジョン H:水溶性ウレタン樹脂 I:酢酸ビニル−アクリル酸共重合体 J:エチレン−酢酸ビニル共重合体 また、エポキシ基含有化合物の種類の欄の記号は以下に
示すとおりである。
【0074】 a:テトラエチレングリコールジグリシジルエーテル b:2,2−ビス(4´−グリシジルオキシフェニル)
プロパングリシジルエーテル c:アジピン酸ジグリシジルエステル d:フタル酸ジグリシジルエステル このようにして得られた実施例および比較例の有機複合
被覆鋼板について、耐黒変性、耐食性、塗料密着性およ
び潤滑性を以下に示す試験方法によって評価した。その
結果も表1、2に示す。
【0075】(1)耐黒変性 50℃,95%RHの高温湿潤環境に60日間放置し、
試験前後の鋼板のL値(JIS Z8730 6.6.
2(1980),ハンターの色差式における明度指数)
の変化から耐黒変性を評価した。評価基準は以下のとお
りである。
【0076】 ◎: L値変化が1未満 ○: L値変化が1〜3 Δ: L値変化が3〜5 ×: L値変化が5を超える。
【0077】(2)耐食性 JIS Z2371に基づく塩水噴霧試験を実施し、2
40時間後の白錆発生面積率を測定し、耐食性を評価し
た。評価基準は以下のとおりである。
【0078】 ◎: 10%未満 ○: 10%以上30%未満 Δ: 30%以上50%未満 ×: 50%以上。
【0079】(3)塗料密着性 メラミンアルキッド系塗料(大日本塗料製:デリコン#
700)をスプレーにて30μmの膜厚になるように塗
装し、130℃で30分間焼き付けたサンプルを試験片
とし、沸騰水に30分間浸漬した後碁盤目テープ法(J
IS K5400 8.5.2)に基づいて、1mm×
100の碁盤目を入れ、これをテープ剥離した後の塗料
の状態により塗料密着性を評価した。評価基準は以下の
とおりである。
【0080】 ◎: 全く以上なし ○: はがれ面積が10%未満 Δ: はがれ面積が10%以上、50%未満 ×: はがれ面積が50%以上。
【0081】(4)潤滑性 引張り試験機によって、面圧:50kg/cm2 、引き
抜き速度:100m/分の条件で、平板状の試験片を引
き抜き、その際の動摩擦係数を調べて潤滑性を評価し
た。評価基準は以下のとおりである。
【0082】 ◎: 動摩擦係数0.10未満 ○: 動摩擦係数0.10〜0.15未満 Δ: 動摩擦係数0.10〜0.25未満 ×: 動摩擦係数0.25以上。
【0083】
【表1】
【0084】
【表2】
【0085】表1から明らかなように、実施例1〜29
では、いずれも良好な耐黒変性、耐食性、塗料密着性、
潤滑性を示した。なかでも、ベース樹脂としてエチレン
−メタクリル酸共重合体、Na中和アイオノマーを用い
た実施例1〜18の耐黒変性が特に優れており、またエ
ポキシ基含有化合物が、多価アルコールのジグリシジル
エーテルまたはポリグリシジルエーテルであり、その含
有率がエチレン系アイオノマー樹脂100部に対して
0.5〜20部であり、さらに有機系潤滑剤含有率が2
〜15%である実施例1〜6、8、9、11、13、1
4、18、19においては、耐黒変性、耐食性、塗料密
着性、潤滑性の全てが特に優れる。
【0086】これに対して、表2から明らかなように、
比較例1〜18では耐黒変性、耐食性、塗料密着性、潤
滑性の全てを同時に満足することはできなかった。すな
わち、比較例1、2はエポキシ基含有化合物の含有量が
エチレン系アイオノマー樹脂100部に対して1〜30
部としている本発明の範囲を外れるために耐食性が劣
る。比較例3、4はシリカ含有率が本発明の範囲外であ
るために耐食性が劣る。比較例5は、樹脂膜厚が下限よ
り小さいために耐食性が劣る。比較例6は樹脂膜厚が上
限より大きいために耐黒変性が劣る。比較例7は有機系
潤滑剤の含有率が下限より低いために潤滑性が劣る。比
較例8は有機系潤滑剤の含有率が上限より大きいために
塗料密着性が劣る。比較例9〜18では樹脂の種類が異
なるために、耐黒変性、耐食性、塗料密着性が不十分で
ある。
【0087】
【発明の効果】この発明によれば、良好な耐食性を維持
しつつ、耐黒変性、塗料密着性に優れ、かつ潤滑性にも
優れた有機複合被覆鋼板が提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 63/02 NJP C08L 63/02 NJP C09D 163/02 PKE C09D 163/02 PKE C23C 22/24 C23C 22/24 28/00 28/00 C

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 亜鉛または亜鉛系合金めっき層が施され
    た鋼板と、該鋼板のめっき層上に形成され、金属クロム
    換算で1〜200のmg/m2 の範囲の付着量を有するク
    ロメート処理層と、クロメート処理層上に厚さ0.1乃
    至5μmの範囲で形成された樹脂皮膜とを具備し、 前記樹脂皮膜が、(A)エチレン系アイオノマー樹脂と
    エポキシ基含有化合物との反応物:40〜98重量%、
    (B)シリカ微粒子:1〜40重量%、(C)有機系潤
    滑剤:1〜30重量%からなる複合化樹脂を主成分とす
    ることを特徴とする有機複合被覆鋼板。
  2. 【請求項2】 前記樹脂皮膜におけるエチレン系アイオ
    ノマー樹脂中の不飽和カルボン酸が、メタクリル酸であ
    ることを特徴とする請求項1に記載の有機複合被覆鋼
    板。
  3. 【請求項3】 前記樹脂皮膜におけるエポキシ基含有化
    合物が多価アルコールのジグリシジルエーテルまたはポ
    リグリシジルエーテルであることを特徴とする請求項1
    または請求項2に記載の有機複合被覆鋼板。
  4. 【請求項4】 前記樹脂被膜におけるエチレン系アイオ
    ノマー樹脂とエポキシ基含有化合物との反応物におい
    て、エポキシ基含有化合物の割合がエチレン系アイオノ
    マー樹脂100重量部に対して0.1〜30重量部であ
    ることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか
    1項に記載の有機複合被覆鋼板。
JP8002295A 1996-01-10 1996-01-10 有機複合被覆鋼板 Pending JPH09187883A (ja)

Priority Applications (7)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8002295A JPH09187883A (ja) 1996-01-10 1996-01-10 有機複合被覆鋼板
TW085116282A TW365576B (en) 1996-01-10 1996-12-30 Organic composite coated steel plate
US08/779,324 US5846660A (en) 1996-01-10 1997-01-06 Organic composite coated steel plate
CNB971020027A CN1136097C (zh) 1996-01-10 1997-01-08 有机复合被覆钢板
EP19970410005 EP0783924B1 (en) 1996-01-10 1997-01-09 Organic composite coated steel plate
KR1019970000341A KR100219971B1 (ko) 1996-01-10 1997-01-09 유기 복합 피복 강판
DE1997625906 DE69725906T2 (de) 1996-01-10 1997-01-09 Mit einem organischen Verbundstoff beschichtete Stahlplatte

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8002295A JPH09187883A (ja) 1996-01-10 1996-01-10 有機複合被覆鋼板

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09187883A true JPH09187883A (ja) 1997-07-22

Family

ID=11525387

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8002295A Pending JPH09187883A (ja) 1996-01-10 1996-01-10 有機複合被覆鋼板

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09187883A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2792324B2 (ja) 複層亜鉛系めっき鋼板
CA2264004A1 (en) Aqueous dispersion composition and process for producing the same, and rust-preventive agent, rust preventive treatment method and rust-preventive treated metal product
JP4416645B2 (ja) 耐食性に優れた耐熱処理金属板、有機被覆金属板及びリン酸塩処理亜鉛系めっき金属板
KR100219971B1 (ko) 유기 복합 피복 강판
JP2003251743A (ja) 樹脂被覆表面処理鋼板
JP4970773B2 (ja) 金属表面処理剤、金属材の表面処理方法及び表面処理金属材
JP3216536B2 (ja) 有機複合被覆鋼板
JP2000273659A (ja) 金属表面用防錆処理剤および表面処理金属製品
JPH09187883A (ja) 有機複合被覆鋼板
JPH09187884A (ja) 有機複合被覆鋼板
JP3216537B2 (ja) 有機複合被覆鋼板
JP3831120B2 (ja) 防錆処理方法および防錆処理金属製品
JPH0762268A (ja) プライマー塗装鋼板およびこのものに用いられるプライマー組成物
JP4502687B2 (ja) 耐テープ剥離性に優れた表面処理亜鉛系メッキ鋼板とその製法、および表面処理剤
JPH09290478A (ja) 有機複合被覆鋼板
JP2004307755A (ja) 防錆用コート剤および積層金属材料
JP3336947B2 (ja) 有機複合被覆鋼板
JP2900762B2 (ja) 有機複合被覆鋼板
JPH09290479A (ja) 有機複合被覆鋼板
JPH07331163A (ja) 水系塗料組成物及び該組成物で被覆したアルミニウム材
JP3075091B2 (ja) 有機複合被覆鋼板
JP4694164B2 (ja) 防錆用コート剤および積層金属材料
JPS632310B2 (ja)
JP3250515B2 (ja) 有機複合被覆鋼板
JP3098097B2 (ja) 積層体