JPH09176144A - エポキシ化合物、その製造法、硬化性組成物及び硬化物 - Google Patents
エポキシ化合物、その製造法、硬化性組成物及び硬化物Info
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- JPH09176144A JPH09176144A JP20763796A JP20763796A JPH09176144A JP H09176144 A JPH09176144 A JP H09176144A JP 20763796 A JP20763796 A JP 20763796A JP 20763796 A JP20763796 A JP 20763796A JP H09176144 A JPH09176144 A JP H09176144A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】半導体パッケ−ジング用として低粘性で、耐熱
性、耐水性、強度に優れた硬化物を与えるエポキシ化合
物を提供すること。 【解決手段】式(1) 【化1】 (式中Gはグリシジル基を、Rは炭素数1〜4のアルキ
ル基をそれぞれ表す。)で表されるエポキシ化合物、該
エポキシ化合物を含有するエポキシ樹脂組成物及びその
硬化物。
性、耐水性、強度に優れた硬化物を与えるエポキシ化合
物を提供すること。 【解決手段】式(1) 【化1】 (式中Gはグリシジル基を、Rは炭素数1〜4のアルキ
ル基をそれぞれ表す。)で表されるエポキシ化合物、該
エポキシ化合物を含有するエポキシ樹脂組成物及びその
硬化物。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は低粘度で耐熱性、耐
水性であり強度に優れた硬化物を与えるエポキシ化合物
およびこのエポキシ化合物を含有する硬化性組成物に関
する。
水性であり強度に優れた硬化物を与えるエポキシ化合物
およびこのエポキシ化合物を含有する硬化性組成物に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体のパッケ−ジング材料とし
て工業的に使用されている低粘性のエポキシ樹脂とし
て、4,4’−ビス(2,3−エポキシプロピルオキ
シ)−3,3’,5,5’−テトラメチルビフェニル構
造を有するエポキシ樹脂がある。これは溶融時の粘度が
低く、高フィラ−充填が可能で、成型物の熱膨張率が低
い、熱伝導性に優れる、樹脂の使用量が少なくて済む等
の利点を有し、多用されている。しかし、前記樹脂は硬
化性が悪く、金型を汚しやすく、ガラス転移点が140
℃と低く高温下での使用に耐えられない為使用に限界が
ある。また該樹脂の強度の面の向上が望まれている。
て工業的に使用されている低粘性のエポキシ樹脂とし
て、4,4’−ビス(2,3−エポキシプロピルオキ
シ)−3,3’,5,5’−テトラメチルビフェニル構
造を有するエポキシ樹脂がある。これは溶融時の粘度が
低く、高フィラ−充填が可能で、成型物の熱膨張率が低
い、熱伝導性に優れる、樹脂の使用量が少なくて済む等
の利点を有し、多用されている。しかし、前記樹脂は硬
化性が悪く、金型を汚しやすく、ガラス転移点が140
℃と低く高温下での使用に耐えられない為使用に限界が
ある。また該樹脂の強度の面の向上が望まれている。
【0003】
【発明が解決しようとしている課題】本発明は上記の
4,4’−ビス(2,3−エポキシプロピルオキシ)−
3,3’,5,5’−テトラメチルビフェニル構造を有
するエポキシ樹脂の特長を生かしつつその欠点を改良し
たエポキシ化合物及び耐熱性、耐水性及び機械的強度の
優れた硬化物を提供することを目的とする。
4,4’−ビス(2,3−エポキシプロピルオキシ)−
3,3’,5,5’−テトラメチルビフェニル構造を有
するエポキシ樹脂の特長を生かしつつその欠点を改良し
たエポキシ化合物及び耐熱性、耐水性及び機械的強度の
優れた硬化物を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述の特
性を満たすエポキシ化合物としてトランス−4,4’−
ビス(2,3−エポキシプロピルオキシ)スチルベン誘
導体を見いだし、本発明を完成させるに至った。すなわ
ち本発明は(1)下記式(1)
性を満たすエポキシ化合物としてトランス−4,4’−
ビス(2,3−エポキシプロピルオキシ)スチルベン誘
導体を見いだし、本発明を完成させるに至った。すなわ
ち本発明は(1)下記式(1)
【0005】
【化3】
【0006】(式中Gはグリシジル基を、Rは炭素数1
〜4のアルキル基をそれぞれ表す。)で表されるトラン
ス構造を有するエポキシ化合物、(2)下記式(2)で
表されるジヒドロキシ化合物をアルカリ性物質の存在下
エピハロヒドリン類と反応させてエポキシ化し、次いで
目的物を反応混合物から分離することを特徴とする上記
式(1)で示されるエポキシ化合物の製造法、
〜4のアルキル基をそれぞれ表す。)で表されるトラン
ス構造を有するエポキシ化合物、(2)下記式(2)で
表されるジヒドロキシ化合物をアルカリ性物質の存在下
エピハロヒドリン類と反応させてエポキシ化し、次いで
目的物を反応混合物から分離することを特徴とする上記
式(1)で示されるエポキシ化合物の製造法、
【0007】
【化4】
【0008】(式中Rは式(1)におけるのと同じ意味
を表す。) (3)目的物を溶液から、結晶として分離することを特
徴とする上記(2)記載の製造法、(4)上記(1)記
載のエポキシ化合物または上記(2)もしくは(3)記
載の製造法により得られるエポキシ化合物、硬化剤、必
要により硬化促進剤を含有する硬化性組成物、(5)無
機充填剤を含有する上記(4)に記載の硬化性組成物、
(6)上記(4)または(5)に記載の硬化性組成物を
硬化してなる硬化物を提供するものである。
を表す。) (3)目的物を溶液から、結晶として分離することを特
徴とする上記(2)記載の製造法、(4)上記(1)記
載のエポキシ化合物または上記(2)もしくは(3)記
載の製造法により得られるエポキシ化合物、硬化剤、必
要により硬化促進剤を含有する硬化性組成物、(5)無
機充填剤を含有する上記(4)に記載の硬化性組成物、
(6)上記(4)または(5)に記載の硬化性組成物を
硬化してなる硬化物を提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下本発明を詳細に説明する。前
記式(2)で表されるジヒドロキシ化合物は、Lieb
igs Ann.Chem.730,31−46(19
69)等に記載された公知方法により製造することが出
来る。これを本発明のトランス構造を有するエポキシ化
合物(以下単にエポキシ化合物という)とするために
は、式(2)の化合物とエピクロロヒドリンをはじめと
するエピハロヒドリンをアルカリ性物質の存在下に反応
させ、必要に応じて精製すればよい。本発明において得
られる式(1)の化合物において置換基Rの具体例とし
ては、メチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル
基、ブチル基、ターシャリーブチル基等が挙げられ、メ
チル基、ブチル基が好ましく、また式(1)の化合物と
しては、式(1)で表され、トランス構造を有する限り
特に限定されないが、下式(3)、(4)の化合物が好
ましい。
記式(2)で表されるジヒドロキシ化合物は、Lieb
igs Ann.Chem.730,31−46(19
69)等に記載された公知方法により製造することが出
来る。これを本発明のトランス構造を有するエポキシ化
合物(以下単にエポキシ化合物という)とするために
は、式(2)の化合物とエピクロロヒドリンをはじめと
するエピハロヒドリンをアルカリ性物質の存在下に反応
させ、必要に応じて精製すればよい。本発明において得
られる式(1)の化合物において置換基Rの具体例とし
ては、メチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル
基、ブチル基、ターシャリーブチル基等が挙げられ、メ
チル基、ブチル基が好ましく、また式(1)の化合物と
しては、式(1)で表され、トランス構造を有する限り
特に限定されないが、下式(3)、(4)の化合物が好
ましい。
【0010】
【化5】
【0011】
【化6】
【0012】(式(3)及び(4)中、Gはグリシジル
基を表す。式(4)中t−Buはターシャリーブチル基
を表す。) 反応は、通常のエポキシ化反応に準じて、ジヒドロキシ
スチルベン類(式(2)の化合物)とその2〜10倍モ
ルのエピハロヒドリンとの混合物に、10〜90℃好ま
しくは30〜70℃で、アルカリ性物質を徐々に添加し
て行うのが適している。このとき生成する水は共沸脱水
により除去しながら行うこともできる。式(2)の化合
物としては、式(2)で表される限り特に限定されない
が、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’5,5’−テト
ラメチルスチルベン、4,4’−ジヒドロキシ−3,
3’−ジ−t−ブチル−6,6’−ジメチルスチルベン
等が用いうる具体例として挙げられる。
基を表す。式(4)中t−Buはターシャリーブチル基
を表す。) 反応は、通常のエポキシ化反応に準じて、ジヒドロキシ
スチルベン類(式(2)の化合物)とその2〜10倍モ
ルのエピハロヒドリンとの混合物に、10〜90℃好ま
しくは30〜70℃で、アルカリ性物質を徐々に添加し
て行うのが適している。このとき生成する水は共沸脱水
により除去しながら行うこともできる。式(2)の化合
物としては、式(2)で表される限り特に限定されない
が、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’5,5’−テト
ラメチルスチルベン、4,4’−ジヒドロキシ−3,
3’−ジ−t−ブチル−6,6’−ジメチルスチルベン
等が用いうる具体例として挙げられる。
【0013】本発明のエポキシ化合物を得る反応におい
て、用いうるアルカリ性物質の具体例としては、水酸化
リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化
カルシウム、水酸化バリウム、水酸化マグネシウム等の
水酸化アルカリ、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸
カリウム、炭酸マグネシウム等の炭酸アルカリ、重炭酸
ナトリウム、重炭酸カリウム等の重炭酸アルカリが挙げ
られ、その使用量は式(2)の化合物の1.9〜2.5
倍モルである。
て、用いうるアルカリ性物質の具体例としては、水酸化
リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化
カルシウム、水酸化バリウム、水酸化マグネシウム等の
水酸化アルカリ、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸
カリウム、炭酸マグネシウム等の炭酸アルカリ、重炭酸
ナトリウム、重炭酸カリウム等の重炭酸アルカリが挙げ
られ、その使用量は式(2)の化合物の1.9〜2.5
倍モルである。
【0014】この際反応混合物中に、メタノ−ル、エタ
ノ−ル、プロパノ−ル、メチルセロソルブ、エチルセロ
ソルブ、プロピレングリコ−ルモノエチルエ−テル等の
アルコ−ル類、アセトン、ジメチルスルフォキシド、ジ
メチルフォルムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチ
ルイミダゾリジノン等の非プロトン性極性有機溶媒、ジ
オキサン、テトラヒドロフラン等のエ−テル類等の有機
溶媒を添加すると反応がスム−ズに進行する。その使用
量は全反応混合物中において2〜30重量%を占める量
が適当である。
ノ−ル、プロパノ−ル、メチルセロソルブ、エチルセロ
ソルブ、プロピレングリコ−ルモノエチルエ−テル等の
アルコ−ル類、アセトン、ジメチルスルフォキシド、ジ
メチルフォルムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチ
ルイミダゾリジノン等の非プロトン性極性有機溶媒、ジ
オキサン、テトラヒドロフラン等のエ−テル類等の有機
溶媒を添加すると反応がスム−ズに進行する。その使用
量は全反応混合物中において2〜30重量%を占める量
が適当である。
【0015】また反応の触媒として、例えばハロゲン化
テトラメチルアンモニウム、ハロゲン化テトラブチルア
ンモニウム、ハロゲン化ベンジルトリメチルアンモニウ
ム等のいわゆる相関移動触媒として知られている化合物
が有効である。その使用量は全反応混合物中において
0.1〜5重量%を占める量が好ましい。
テトラメチルアンモニウム、ハロゲン化テトラブチルア
ンモニウム、ハロゲン化ベンジルトリメチルアンモニウ
ム等のいわゆる相関移動触媒として知られている化合物
が有効である。その使用量は全反応混合物中において
0.1〜5重量%を占める量が好ましい。
【0016】反応はアルカリ性物質の添加と共に円滑に
進行するが、アルカリ性物質の添加は好ましくは、1〜
3時間かけて行い、添加後に反応を1〜5時間行うのが
好ましい。
進行するが、アルカリ性物質の添加は好ましくは、1〜
3時間かけて行い、添加後に反応を1〜5時間行うのが
好ましい。
【0017】反応終了後、冷時、析出している目的物の
エポキシ化合物を塩類と共に濾別し、塩類を水や水とメ
タノ−ル、エタノ−ル、アセトン等水溶性溶媒の混合物
によって除去し、本発明のエポキシ化合物を取り出すこ
ともできる。また塩類だけを先に濾過して除去した後、
本発明のエポキシ化合物を濾過、ないしは、溶媒を除去
して取り出すこともできる。
エポキシ化合物を塩類と共に濾別し、塩類を水や水とメ
タノ−ル、エタノ−ル、アセトン等水溶性溶媒の混合物
によって除去し、本発明のエポキシ化合物を取り出すこ
ともできる。また塩類だけを先に濾過して除去した後、
本発明のエポキシ化合物を濾過、ないしは、溶媒を除去
して取り出すこともできる。
【0018】通常は上記エポキシ化反応終了後、常圧下
または減圧下に未反応のエピハロヒドリン及び有機溶媒
を使用した場合はこれを回収し、残留物に水と混じりあ
わない有機溶媒を添加して、水酸化ナトリウム、水酸化
カリウム等のアルカリ金属水酸化物の水溶液を加えて、
更に反応を行い閉環を確実なものにし、加水分解性ハロ
ゲンの少ないエポキシ化合物とすることが望ましい(2
段目の反応)。
または減圧下に未反応のエピハロヒドリン及び有機溶媒
を使用した場合はこれを回収し、残留物に水と混じりあ
わない有機溶媒を添加して、水酸化ナトリウム、水酸化
カリウム等のアルカリ金属水酸化物の水溶液を加えて、
更に反応を行い閉環を確実なものにし、加水分解性ハロ
ゲンの少ないエポキシ化合物とすることが望ましい(2
段目の反応)。
【0019】この際用いる、水と混じりあわない有機溶
媒の具体例としては、メチルエチルケトン、メチルイソ
ブチルケトン、ジエチルケトン、ジブチルケトン、アセ
トフェノン、シクロヘキサノン等のケトン類、ジクロロ
メタン、ジクロロエタン、クロロフォルム、クロロベン
ゼン等のハロゲン化炭化水素類、ブチルアルコ−ル、ペ
ンチルアルコ−ル、ベンジルアルコ−ル等のアルコ−ル
類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、ジイソプ
ロピルエ−テル、ジブチルエ−テル、ジグライム等のエ
−テル類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭
化水素類が挙げられる。この中でも特にケトン類、芳香
族炭化水素類が工業的に有利である。これら有機溶媒の
使用量は目的物に対して0.5重量倍〜20重量倍程度
が好ましい。
媒の具体例としては、メチルエチルケトン、メチルイソ
ブチルケトン、ジエチルケトン、ジブチルケトン、アセ
トフェノン、シクロヘキサノン等のケトン類、ジクロロ
メタン、ジクロロエタン、クロロフォルム、クロロベン
ゼン等のハロゲン化炭化水素類、ブチルアルコ−ル、ペ
ンチルアルコ−ル、ベンジルアルコ−ル等のアルコ−ル
類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、ジイソプ
ロピルエ−テル、ジブチルエ−テル、ジグライム等のエ
−テル類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭
化水素類が挙げられる。この中でも特にケトン類、芳香
族炭化水素類が工業的に有利である。これら有機溶媒の
使用量は目的物に対して0.5重量倍〜20重量倍程度
が好ましい。
【0020】加水分解性ハロゲンを減らす為の2段目の
反応を実施した後も、上記したように単に濾過、水洗に
よって塩類を除去することが出来るが、以下のような方
法で塩類や水溶性の不純物を除いた後目的物を取り出す
のが好ましい。即ち、目的物が析出しないように加熱し
た状態で塩類等の水溶性不純物を水による抽出によって
除去する。抽出は2〜4回実施するのがよい。抽出が終
了した後、溶液より溶媒を除去して目的のエポキシ化合
物を得ることが出来るが、溶液を冷却、濃縮、もしくは
目的物の貧溶媒の添加、またはこれらの併用により目的
物の結晶を析出させる方が高純度のものが得易い。晶析
は、基本的には室温〜50℃で実施するのが工業的に有
利である。
反応を実施した後も、上記したように単に濾過、水洗に
よって塩類を除去することが出来るが、以下のような方
法で塩類や水溶性の不純物を除いた後目的物を取り出す
のが好ましい。即ち、目的物が析出しないように加熱し
た状態で塩類等の水溶性不純物を水による抽出によって
除去する。抽出は2〜4回実施するのがよい。抽出が終
了した後、溶液より溶媒を除去して目的のエポキシ化合
物を得ることが出来るが、溶液を冷却、濃縮、もしくは
目的物の貧溶媒の添加、またはこれらの併用により目的
物の結晶を析出させる方が高純度のものが得易い。晶析
は、基本的には室温〜50℃で実施するのが工業的に有
利である。
【0021】ここで用いうる貧溶媒の具体例としては、
ヘキサン、ヘプタン、ノナン、シクロヘキサン等の脂肪
族炭化水素類、水および水と水溶性有機溶媒の混合物等
があげられる。その使用量は特に規定はないが、冷時に
結晶がもはや生成しなくなる点を目安にすると良い。
ヘキサン、ヘプタン、ノナン、シクロヘキサン等の脂肪
族炭化水素類、水および水と水溶性有機溶媒の混合物等
があげられる。その使用量は特に規定はないが、冷時に
結晶がもはや生成しなくなる点を目安にすると良い。
【0022】結晶を析出させる際の目的物の溶液は、水
と混じりあわない有機溶媒の溶液であっても良いが、2
段目の反応の終了後の目的物の溶液から溶媒を除去し、
残留物に水に可溶性の有機溶媒を加えたもの、または目
的物の溶液(必要により加熱濃縮したものでもよい)に
水に可溶性の有機溶媒を加えたものであっても良い。水
に可溶性の有機溶媒の用いうる具体例としてはメタノ−
ル、エタノ−ル、プロパノ−ル、メチルセロソルブ、ブ
チルセロソルブ、プロピレングリコ−ルモノエチルエ−
テル等のアルコ−ル類、アセトン、ジオキサン、テトラ
ヒドロフラン等のエ−テル類、ジメチルスルフォキサイ
ド、ジメチルフォルムアミド、ジメチルイミダゾリジノ
ン、N−メチルピロリドン等の非プロトン性極性溶媒等
が挙げられる。その使用量は目的物に対して0.5重量
倍〜20重量倍である。この場合貧溶媒を添加して目的
物を晶出させる方法が最も好ましい。この際用いる貧溶
媒としては、前記のものが使用できるが、水がもっとも
工業的に有利である。
と混じりあわない有機溶媒の溶液であっても良いが、2
段目の反応の終了後の目的物の溶液から溶媒を除去し、
残留物に水に可溶性の有機溶媒を加えたもの、または目
的物の溶液(必要により加熱濃縮したものでもよい)に
水に可溶性の有機溶媒を加えたものであっても良い。水
に可溶性の有機溶媒の用いうる具体例としてはメタノ−
ル、エタノ−ル、プロパノ−ル、メチルセロソルブ、ブ
チルセロソルブ、プロピレングリコ−ルモノエチルエ−
テル等のアルコ−ル類、アセトン、ジオキサン、テトラ
ヒドロフラン等のエ−テル類、ジメチルスルフォキサイ
ド、ジメチルフォルムアミド、ジメチルイミダゾリジノ
ン、N−メチルピロリドン等の非プロトン性極性溶媒等
が挙げられる。その使用量は目的物に対して0.5重量
倍〜20重量倍である。この場合貧溶媒を添加して目的
物を晶出させる方法が最も好ましい。この際用いる貧溶
媒としては、前記のものが使用できるが、水がもっとも
工業的に有利である。
【0023】本発明のエポキシ化合物は単独でまたは、
ビスフェノ−ル系、ノボラック系、4,4’−ビス
(2,3−エポキシプロピルオキシ)−3,3’5,
5’−テトラメチルビフェニル等の他のエポキシ樹脂と
の併用で通常のエポキシ樹脂の場合と同様に硬化剤、さ
らに必要により硬化促進剤等を添加することにより硬化
させることができる。他のエポキシ樹脂と併用する場合
は、全エポキシ樹脂中に本発明のエポキシ化合物が占め
る割合は、10重量%以上が好ましい。また、本発明の
エポキシ化合物は、特に、前記した4,4’−ビス
(2,3−エポキシプロピルオキシ)−3,3’5,
5’−テトラメチルビフェニルと併用することで、それ
単独では不足している硬化物の硬化性、強度、耐熱性の
向上に顕著な効果がある。
ビスフェノ−ル系、ノボラック系、4,4’−ビス
(2,3−エポキシプロピルオキシ)−3,3’5,
5’−テトラメチルビフェニル等の他のエポキシ樹脂と
の併用で通常のエポキシ樹脂の場合と同様に硬化剤、さ
らに必要により硬化促進剤等を添加することにより硬化
させることができる。他のエポキシ樹脂と併用する場合
は、全エポキシ樹脂中に本発明のエポキシ化合物が占め
る割合は、10重量%以上が好ましい。また、本発明の
エポキシ化合物は、特に、前記した4,4’−ビス
(2,3−エポキシプロピルオキシ)−3,3’5,
5’−テトラメチルビフェニルと併用することで、それ
単独では不足している硬化物の硬化性、強度、耐熱性の
向上に顕著な効果がある。
【0024】本発明で用いる硬化剤の例としてはアミン
系化合物、酸無水物系化合物、アミド系化合物、フェノ
−ル系化合物などである。用い得る硬化剤の具体例とし
ては、ジアミノジフェニルメタン、ジエチレントリアミ
ン、トリエチレンテトラミン、ジアミノジフェニルスル
ホン、イソホロンジアミン、ジシアンジアミド、リノレ
ン酸の2量体とエチレンジアミンとより合成されるポリ
アミド樹脂、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水
ピロメリット酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フ
タル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチル
ナジック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサ
ヒドロ無水フタル酸、フェノ−ルノボラック、及びこれ
らの変性物、イミダゾ−ル、BF3 −アミン錯体、グア
ニジン誘導体などが挙げられる。これらの硬化剤はそれ
ぞれ単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用い
てもよい。
系化合物、酸無水物系化合物、アミド系化合物、フェノ
−ル系化合物などである。用い得る硬化剤の具体例とし
ては、ジアミノジフェニルメタン、ジエチレントリアミ
ン、トリエチレンテトラミン、ジアミノジフェニルスル
ホン、イソホロンジアミン、ジシアンジアミド、リノレ
ン酸の2量体とエチレンジアミンとより合成されるポリ
アミド樹脂、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水
ピロメリット酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フ
タル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチル
ナジック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサ
ヒドロ無水フタル酸、フェノ−ルノボラック、及びこれ
らの変性物、イミダゾ−ル、BF3 −アミン錯体、グア
ニジン誘導体などが挙げられる。これらの硬化剤はそれ
ぞれ単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用い
てもよい。
【0025】これらの硬化剤の使用量は、本発明のエポ
キシ化合物及び他のエポキシ樹脂(任意成分)中のエポ
キシ基に対して、0.7〜1.2当量が好ましい。エポ
キシ基に対して、0.7当量に満たない場合、あるいは
1.2当量を超える場合、いずれも硬化が不完全となり
良好な硬化物性が得られない恐れがある。
キシ化合物及び他のエポキシ樹脂(任意成分)中のエポ
キシ基に対して、0.7〜1.2当量が好ましい。エポ
キシ基に対して、0.7当量に満たない場合、あるいは
1.2当量を超える場合、いずれも硬化が不完全となり
良好な硬化物性が得られない恐れがある。
【0026】また上記硬化剤を用いる際に硬化促進剤を
併用しても差し支えない。用いうる硬化促進剤の具体例
としては、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダ
ゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミ
ダゾ−ル類、2−(ジメチルアミノメチル)フェノー
ル、1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,0)ウンデセ
ン−7等の第3級アミン類、トリフェニルホスフィン等
のホスフィン類、オクチル酸スズなどの金属化合物など
が挙げられる。硬化促進剤は本発明のエポキシ化合物及
び他のエポキシ樹脂(任意成分)の合計量100重量部
に対して0.1〜5.0重量部が必要に応じ用いられ
る。
併用しても差し支えない。用いうる硬化促進剤の具体例
としては、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダ
ゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミ
ダゾ−ル類、2−(ジメチルアミノメチル)フェノー
ル、1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,0)ウンデセ
ン−7等の第3級アミン類、トリフェニルホスフィン等
のホスフィン類、オクチル酸スズなどの金属化合物など
が挙げられる。硬化促進剤は本発明のエポキシ化合物及
び他のエポキシ樹脂(任意成分)の合計量100重量部
に対して0.1〜5.0重量部が必要に応じ用いられ
る。
【0027】本発明の硬化性組成物は本発明のエポキシ
化合物(必要により他のエポキシ樹脂)、硬化剤、必要
により硬化促進剤を含有する。本発明の硬化性組成物は
必要により無機充填剤を含有する。用いうる無機充填剤
の具体例としてはシリカ、アルミナ、タルク等が挙げら
れる。無機充填剤は本発明の硬化性組成物中において0
〜90重量%を占める量が用いられる。さらに、本発明
の硬化性組成物には、必要に応じてシランカップリング
剤、離型剤、顔料等種々の配合剤を添加せしめることが
できる。
化合物(必要により他のエポキシ樹脂)、硬化剤、必要
により硬化促進剤を含有する。本発明の硬化性組成物は
必要により無機充填剤を含有する。用いうる無機充填剤
の具体例としてはシリカ、アルミナ、タルク等が挙げら
れる。無機充填剤は本発明の硬化性組成物中において0
〜90重量%を占める量が用いられる。さらに、本発明
の硬化性組成物には、必要に応じてシランカップリング
剤、離型剤、顔料等種々の配合剤を添加せしめることが
できる。
【0028】本発明の硬化性組成物は上記各成分を所定
の割合で均一に混合することによって得ることができ
る。本発明の硬化性組成物は従来知られている方法と同
様の方法で容易にその硬化物を得ることができる。例え
ば本発明のエポキシ化合物または他のエポキシ樹脂を併
用する場合にはこれと共に硬化剤、必要により硬化促進
剤、無機充填剤及びその他配合剤とを必要に応じて、押
出機、ニ−ダ、ロ−ル等を用いて均一になるまで充分に
混合して硬化性組成物を得、その組成物を溶融後注型あ
るいはトランスファ−成形機などを用いて成形し、さら
に80〜200℃に加熱することにより本発明の硬化物
を得ることができる。
の割合で均一に混合することによって得ることができ
る。本発明の硬化性組成物は従来知られている方法と同
様の方法で容易にその硬化物を得ることができる。例え
ば本発明のエポキシ化合物または他のエポキシ樹脂を併
用する場合にはこれと共に硬化剤、必要により硬化促進
剤、無機充填剤及びその他配合剤とを必要に応じて、押
出機、ニ−ダ、ロ−ル等を用いて均一になるまで充分に
混合して硬化性組成物を得、その組成物を溶融後注型あ
るいはトランスファ−成形機などを用いて成形し、さら
に80〜200℃に加熱することにより本発明の硬化物
を得ることができる。
【0029】また本発明の硬化性組成物を溶剤に溶解さ
せ、ガラス繊維、カ−ボン繊維、ポリエステル繊維、ポ
リアミド繊維、アルミナ繊維、紙などの基材に含浸させ
加熱乾燥して得たプリプレグを熱プレス成形して硬化物
を得ることもできる。
せ、ガラス繊維、カ−ボン繊維、ポリエステル繊維、ポ
リアミド繊維、アルミナ繊維、紙などの基材に含浸させ
加熱乾燥して得たプリプレグを熱プレス成形して硬化物
を得ることもできる。
【0030】この際用い得る溶剤の具体例としてはメチ
ルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン等
が挙げられ、その使用量は本発明の硬化性組成物と該溶
剤の混合物中で通常10〜70重量%、好ましくは15
〜65重量%を占める量である。
ルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン等
が挙げられ、その使用量は本発明の硬化性組成物と該溶
剤の混合物中で通常10〜70重量%、好ましくは15
〜65重量%を占める量である。
【0031】
【実施例】以下実施例で本発明を更に詳細に説明する
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
【0032】実施例1 1L、4口フラスコにトランス−4,4’−ジヒドロキ
シ−3,3’5,5’−テトラメチルスチルベン48.
4g、エピクロロヒドリン148g、ジメチルスルフォ
キシド80gを仕込み45℃に昇温した。反応混合物を
強く撹拌しながらここにフレ−ク状の水酸化ナトリウム
16.2gを1.5時間かけて徐々に仕込んだ。更に6
5℃にて2時間反応させ、反応終了後減圧下で未反応の
エピクロロヒドリンを留去した。ここにメチルイソブチ
ルケトン400mlを添加し、30%水酸化ナトリウム
水溶液3gを加えて、次いで70℃で1時間反応させ
た。70℃の水200mlを加えて撹拌後静置し下層の
水層を分離除去した。上記水洗を3回繰り返し水可溶性
物を除去した。次いで油層からメチルイソブチルケトン
250mlを留去し濃縮した後、30℃に冷却すること
により本発明のトランス−4,4’−ビス(2,3−エ
ポキシプロピルオキシ)−3,3’5,5’−テトラメ
チルスチルベン(式(3)の化合物)を結晶として析出
させ、これを濾別して乾燥した(エポキシ化合物
(A))。得られた結晶は58.2gであり、収率は8
4.6%であった。このもののエポキシ当量は190.
2g/当量でありほぼ理論値を示した。このものの融点
は151〜152℃であり、融点幅も非常に狭く高純度
であることが分かった。また得られた結晶の溶融時の粘
度は160℃で0.1ポイズ以下であった。またこのも
ののプロトンNMR−スペクトルは図1に示すように、
不純物のピ−クが検出されず、かつ目的の構造を支持し
た。またIR−スペクトルは図2に示す如く二重結合の
トランス水素の面外変角振動に基づく特性吸収が波数9
60cm-1に観測され、トランス構造を支持した。
シ−3,3’5,5’−テトラメチルスチルベン48.
4g、エピクロロヒドリン148g、ジメチルスルフォ
キシド80gを仕込み45℃に昇温した。反応混合物を
強く撹拌しながらここにフレ−ク状の水酸化ナトリウム
16.2gを1.5時間かけて徐々に仕込んだ。更に6
5℃にて2時間反応させ、反応終了後減圧下で未反応の
エピクロロヒドリンを留去した。ここにメチルイソブチ
ルケトン400mlを添加し、30%水酸化ナトリウム
水溶液3gを加えて、次いで70℃で1時間反応させ
た。70℃の水200mlを加えて撹拌後静置し下層の
水層を分離除去した。上記水洗を3回繰り返し水可溶性
物を除去した。次いで油層からメチルイソブチルケトン
250mlを留去し濃縮した後、30℃に冷却すること
により本発明のトランス−4,4’−ビス(2,3−エ
ポキシプロピルオキシ)−3,3’5,5’−テトラメ
チルスチルベン(式(3)の化合物)を結晶として析出
させ、これを濾別して乾燥した(エポキシ化合物
(A))。得られた結晶は58.2gであり、収率は8
4.6%であった。このもののエポキシ当量は190.
2g/当量でありほぼ理論値を示した。このものの融点
は151〜152℃であり、融点幅も非常に狭く高純度
であることが分かった。また得られた結晶の溶融時の粘
度は160℃で0.1ポイズ以下であった。またこのも
ののプロトンNMR−スペクトルは図1に示すように、
不純物のピ−クが検出されず、かつ目的の構造を支持し
た。またIR−スペクトルは図2に示す如く二重結合の
トランス水素の面外変角振動に基づく特性吸収が波数9
60cm-1に観測され、トランス構造を支持した。
【0033】実施例2 1L、4口フラスコにトランス−4,4’−ジヒドロキ
シ−3,3’5,5’−テトラメチルスチルベン48.
4g、エピクロロヒドリン160g、エタノ−ル30g
を仕込み65℃に昇温した。反応混合物を強く撹拌しつ
つここにフレ−ク状の水酸化ナトリウム16.2gを
1.5時間かけて徐々に仕込んだ。更に65℃にて1時
間反応させた。反応終了後エタノ−ル200mlを加
え、生成したトランス−4,4’−ビス(2,3−エポ
キシプロピルオキシ)−3,3’5,5’−テトラメチ
ルスチルベンを加熱溶解した後、溶解しないNaClを
加熱しながら濾別した。濾過した溶液を冷却することに
より目的物の結晶が析出した。次いで20℃で結晶を濾
過分離し、水洗乾燥して本発明のエポキシ化合物50.
8gを得た。収率は73.9%であった。また結晶を濾
別した後の濾液を濃縮し、冷却することにより収率で1
2.5%に相当する目的物の結晶を回収することが出来
た。合計の収率は86.4%であった。これら結晶の融
点はそれぞれ151〜152℃、150.5〜152℃
であり、エポキシ当量はそれぞれ190.1g/当量及
び190.8g/当量であった。
シ−3,3’5,5’−テトラメチルスチルベン48.
4g、エピクロロヒドリン160g、エタノ−ル30g
を仕込み65℃に昇温した。反応混合物を強く撹拌しつ
つここにフレ−ク状の水酸化ナトリウム16.2gを
1.5時間かけて徐々に仕込んだ。更に65℃にて1時
間反応させた。反応終了後エタノ−ル200mlを加
え、生成したトランス−4,4’−ビス(2,3−エポ
キシプロピルオキシ)−3,3’5,5’−テトラメチ
ルスチルベンを加熱溶解した後、溶解しないNaClを
加熱しながら濾別した。濾過した溶液を冷却することに
より目的物の結晶が析出した。次いで20℃で結晶を濾
過分離し、水洗乾燥して本発明のエポキシ化合物50.
8gを得た。収率は73.9%であった。また結晶を濾
別した後の濾液を濃縮し、冷却することにより収率で1
2.5%に相当する目的物の結晶を回収することが出来
た。合計の収率は86.4%であった。これら結晶の融
点はそれぞれ151〜152℃、150.5〜152℃
であり、エポキシ当量はそれぞれ190.1g/当量及
び190.8g/当量であった。
【0034】実施例3 1L4口フラスコにトランス−4,4’−ジヒドロキシ
−3,3’5,5’−テトラメチルスチルベン48.4
g、エピクロロヒドリン148g、ジメチルスルフォキ
シド80gを仕込み45℃に昇温した。反応混合物を強
く撹拌しながらここにフレ−ク状の水酸化ナトリウム1
6.2gを1.5時間かけて徐々に仕込んだ。更に65
℃にて2時間反応させた後、反応混合物を20℃に冷却
し析出した結晶を全て濾過分離した。これを少量のメタ
ノ−ルで洗浄した後、十分に温水洗を行い残った結晶を
乾燥し本発明のエポキシ化合物58.6gを得た。収率
は85.2%であり得られた結晶のエポキシ当量は19
0.5g/当量であり、融点は151℃〜152℃であ
った。
−3,3’5,5’−テトラメチルスチルベン48.4
g、エピクロロヒドリン148g、ジメチルスルフォキ
シド80gを仕込み45℃に昇温した。反応混合物を強
く撹拌しながらここにフレ−ク状の水酸化ナトリウム1
6.2gを1.5時間かけて徐々に仕込んだ。更に65
℃にて2時間反応させた後、反応混合物を20℃に冷却
し析出した結晶を全て濾過分離した。これを少量のメタ
ノ−ルで洗浄した後、十分に温水洗を行い残った結晶を
乾燥し本発明のエポキシ化合物58.6gを得た。収率
は85.2%であり得られた結晶のエポキシ当量は19
0.5g/当量であり、融点は151℃〜152℃であ
った。
【0035】実施例4 1L、4口フラスコにトランス−4,4’−ジヒドロキ
シ−3,3’−ジ−t−ブチル−6,6’−ジメチルス
チルベン60g、エピクロロヒドリン130g、ジメチ
ルスルフォキシド50g、水1.5gを仕込み50℃に
昇温した。反応混合物を強く撹拌しながらここにフレ−
ク状の水酸化ナトリウム13.8gを1.5時間かけて
徐々に仕込んだ。更に65℃にて2時間反応させ、反応
終了後、水100ml、メチルイソブチルケトン100
mlを加え充分に撹拌した。ここで生成している結晶を
濾過、乾燥して、38gの本発明のトランス−4,4’
−ビス(2,3−エポキシプロピルオキシ)−3,3’
−ジ−t−ブチル−5,5’−ジメチルスチルベン(式
(4)の化合物)を得た。得られた結晶物のエポキシ当
量は235g/当量でありほぼ理論値を示した。このも
のの融点は160℃であった。また得られた結晶の溶融
時の粘度は160℃で0.1ポイズ以下であった。また
このもののIR−スペクトルは図3に示す如く二重結合
のトランス水素の面外変角振動に基づく特性吸収が波数
960cm-1に観測され、トランス構造を支持した。ま
た、本発明のエポキシ化合物を濾過したのち、2層分離
した濾液の油層を取り、溶媒を濃縮した所、75gの樹
脂状物が得られた。得られた樹脂状物はエポキシ当量が
273g/当量であり、高分子量化した物を含むことが
わかった。
シ−3,3’−ジ−t−ブチル−6,6’−ジメチルス
チルベン60g、エピクロロヒドリン130g、ジメチ
ルスルフォキシド50g、水1.5gを仕込み50℃に
昇温した。反応混合物を強く撹拌しながらここにフレ−
ク状の水酸化ナトリウム13.8gを1.5時間かけて
徐々に仕込んだ。更に65℃にて2時間反応させ、反応
終了後、水100ml、メチルイソブチルケトン100
mlを加え充分に撹拌した。ここで生成している結晶を
濾過、乾燥して、38gの本発明のトランス−4,4’
−ビス(2,3−エポキシプロピルオキシ)−3,3’
−ジ−t−ブチル−5,5’−ジメチルスチルベン(式
(4)の化合物)を得た。得られた結晶物のエポキシ当
量は235g/当量でありほぼ理論値を示した。このも
のの融点は160℃であった。また得られた結晶の溶融
時の粘度は160℃で0.1ポイズ以下であった。また
このもののIR−スペクトルは図3に示す如く二重結合
のトランス水素の面外変角振動に基づく特性吸収が波数
960cm-1に観測され、トランス構造を支持した。ま
た、本発明のエポキシ化合物を濾過したのち、2層分離
した濾液の油層を取り、溶媒を濃縮した所、75gの樹
脂状物が得られた。得られた樹脂状物はエポキシ当量が
273g/当量であり、高分子量化した物を含むことが
わかった。
【0036】実施例5〜6、比較例1 実施例1で得られた本発明のエポキシ化合物(A)、
4,4’−ビス(2,3−エポキシプロピルオキシ)−
3,3’5,5’−テトラメチルビフェニル(エポキシ
当量193.1g/当量)(エポキシ化合物(B))、
硬化剤として軟化点83℃のフェノ−ルノボラック、硬
化促進剤としてトリフェニルフォスフィンを用い、表1
の配合物の組成の欄に示す組成で配合して、これらを1
60℃で2時間、ついで180℃で6時間硬化せしめて
試験片を作成し、ガラス転移点、吸水率、曲げ強度を測
定した。結果を表1に示す。尚、表中、配合物の組成の
欄の数値は部を表す。
4,4’−ビス(2,3−エポキシプロピルオキシ)−
3,3’5,5’−テトラメチルビフェニル(エポキシ
当量193.1g/当量)(エポキシ化合物(B))、
硬化剤として軟化点83℃のフェノ−ルノボラック、硬
化促進剤としてトリフェニルフォスフィンを用い、表1
の配合物の組成の欄に示す組成で配合して、これらを1
60℃で2時間、ついで180℃で6時間硬化せしめて
試験片を作成し、ガラス転移点、吸水率、曲げ強度を測
定した。結果を表1に示す。尚、表中、配合物の組成の
欄の数値は部を表す。
【0037】尚、熱変形温度、吸水率の測定条件は次の
通りである。 ガラス転移点 熱機械測定装置(TMA):真空理工(株)製TM−7000 昇温速度 2℃/min 吸水率 試験片(硬化物):直径 50mm 厚さ 3mm 円盤 100℃の水中で20時間煮沸した後の重量増加率(%) 曲げ強度 JIS K−6911に準拠
通りである。 ガラス転移点 熱機械測定装置(TMA):真空理工(株)製TM−7000 昇温速度 2℃/min 吸水率 試験片(硬化物):直径 50mm 厚さ 3mm 円盤 100℃の水中で20時間煮沸した後の重量増加率(%) 曲げ強度 JIS K−6911に準拠
【0038】
【表1】 表 1 実施例5 実施例6 比較例1 配合物の組成 エポキシ化合物(A) 100 25 エポキシ化合物(B) 75 100 硬化剤 54 53 53 硬化促進剤 1 1 1 硬化物の物性 ガラス転移点(℃) 58 149 140 吸水率(%) 0.72 0.98 1.42 曲げ強度(Kg/mm2 ) 11.3 9.0 8.1
【0039】表1より明かなように、本発明のエポキシ
化合物を使用して得られる硬化物は、ガラス転移点が高
く、吸水率が低いため、耐熱性、及び耐水性に優れ強度
の点でも良好な特性を兼ね備えている。
化合物を使用して得られる硬化物は、ガラス転移点が高
く、吸水率が低いため、耐熱性、及び耐水性に優れ強度
の点でも良好な特性を兼ね備えている。
【0040】試験例 実施例5、6、及び比較例1の硬化性組成物中に球状シ
リカ、破砕状シリカをそれぞれ等量、組成物中合計で8
5重量%を占めるように混合し、本発明の硬化性組成物
(C)、(D)、及び比較例の硬化性組成物(E)を得
た。この時180℃におけるスパイラルフロ−値はいず
れも大差無かった。
リカ、破砕状シリカをそれぞれ等量、組成物中合計で8
5重量%を占めるように混合し、本発明の硬化性組成物
(C)、(D)、及び比較例の硬化性組成物(E)を得
た。この時180℃におけるスパイラルフロ−値はいず
れも大差無かった。
【0041】実施例7〜8、比較例2 試験例において作製した硬化性組成物(C)、(D)、
(E)をトランスファ−成型機で20回成形した後の金
型の汚れを目視した。その結果硬化性組成物(C)、
(D)、については全く汚れがなかったが、硬化性組成
物(E)についてはやや汚れが残った。
(E)をトランスファ−成型機で20回成形した後の金
型の汚れを目視した。その結果硬化性組成物(C)、
(D)、については全く汚れがなかったが、硬化性組成
物(E)についてはやや汚れが残った。
【0042】
【発明の効果】本発明のエポキシ化合物は耐熱性、耐水
性及び強度に優れた硬化物を与えることができ、しかも
低粘度であるため成形材料、注型材料、積層材料、等の
電子材料用の用途に極めて有用である。
性及び強度に優れた硬化物を与えることができ、しかも
低粘度であるため成形材料、注型材料、積層材料、等の
電子材料用の用途に極めて有用である。
【図1】実施例1で得られたエポキシ化合物のプロトン
NMRスペクトル(CDCl3 溶液)、横軸はppm、
縦軸は強度を示す。
NMRスペクトル(CDCl3 溶液)、横軸はppm、
縦軸は強度を示す。
【図2】実施例1で得られた本発明のエポキシ化合物の
IRスペクトル
IRスペクトル
【図3】実施例4で得られた本発明のエポキシ化合物の
IRスペクトル
IRスペクトル
Claims (6)
- 【請求項1】下記式(1) 【化1】 (式中Gはグリシジル基を、Rは炭素数1〜4のアルキ
ル基をそれぞれ表す。)で表されるトランス構造を有す
るエポキシ化合物。 - 【請求項2】下記式(2)で表されるジヒドロキシ化合
物をアルカリ性物質の存在下エピハロヒドリン類と反応
させてエポキシ化し、次いで目的物を反応混合物から分
離することを特徴とする上記式(1)で示されるエポキ
シ化合物の製造法。 【化2】 (式中Rは式(1)におけるのと同じ意味を表す。) - 【請求項3】目的物を溶液から、結晶として分離するこ
とを特徴とする請求項2記載の製造法。 - 【請求項4】請求項1記載のエポキシ化合物または請求
項2もしくは3記載の製造法により得られるエポキシ化
合物、硬化剤、必要により硬化促進剤を含有する硬化性
組成物。 - 【請求項5】無機充填剤を含有する請求項4に記載の硬
化性組成物。 - 【請求項6】請求項4または5に記載の硬化性組成物を
硬化してなる硬化物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20763796A JPH09176144A (ja) | 1995-10-23 | 1996-07-19 | エポキシ化合物、その製造法、硬化性組成物及び硬化物 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29732695 | 1995-10-23 | ||
JP7-297326 | 1995-10-23 | ||
JP20763796A JPH09176144A (ja) | 1995-10-23 | 1996-07-19 | エポキシ化合物、その製造法、硬化性組成物及び硬化物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09176144A true JPH09176144A (ja) | 1997-07-08 |
Family
ID=26516372
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20763796A Pending JPH09176144A (ja) | 1995-10-23 | 1996-07-19 | エポキシ化合物、その製造法、硬化性組成物及び硬化物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09176144A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6027812A (en) * | 1997-01-24 | 2000-02-22 | Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. | Encapsulant of crystalline epoxy resin and phenolic resin-crystalline epoxy resin reaction product |
JP2005330475A (ja) * | 2004-04-20 | 2005-12-02 | Nippon Kayaku Co Ltd | 結晶性エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物およびその硬化物 |
WO2011034114A1 (ja) * | 2009-09-17 | 2011-03-24 | 住友化学株式会社 | ジエポキシ化合物、その製造方法および該ジエポキシ化合物を含む組成物 |
-
1996
- 1996-07-19 JP JP20763796A patent/JPH09176144A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6027812A (en) * | 1997-01-24 | 2000-02-22 | Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. | Encapsulant of crystalline epoxy resin and phenolic resin-crystalline epoxy resin reaction product |
JP2005330475A (ja) * | 2004-04-20 | 2005-12-02 | Nippon Kayaku Co Ltd | 結晶性エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物およびその硬化物 |
WO2011034114A1 (ja) * | 2009-09-17 | 2011-03-24 | 住友化学株式会社 | ジエポキシ化合物、その製造方法および該ジエポキシ化合物を含む組成物 |
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