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JPH09170487A - シリンダブロックの製造方法 - Google Patents

シリンダブロックの製造方法

Info

Publication number
JPH09170487A
JPH09170487A JP8058056A JP5805696A JPH09170487A JP H09170487 A JPH09170487 A JP H09170487A JP 8058056 A JP8058056 A JP 8058056A JP 5805696 A JP5805696 A JP 5805696A JP H09170487 A JPH09170487 A JP H09170487A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cylinder
liner structure
cooling water
liner
forming
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8058056A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshihiro Takami
俊裕 高見
Mitsuhiro Karaki
満尋 唐木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP8058056A priority Critical patent/JPH09170487A/ja
Priority to US08/640,653 priority patent/US5755028A/en
Priority to EP96106912A priority patent/EP0744541B1/en
Priority to DE69603229T priority patent/DE69603229D1/de
Publication of JPH09170487A publication Critical patent/JPH09170487A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B22CASTING; POWDER METALLURGY
    • B22DCASTING OF METALS; CASTING OF OTHER SUBSTANCES BY THE SAME PROCESSES OR DEVICES
    • B22D19/00Casting in, on, or around objects which form part of the product
    • B22D19/0009Cylinders, pistons
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02FCYLINDERS, PISTONS OR CASINGS, FOR COMBUSTION ENGINES; ARRANGEMENTS OF SEALINGS IN COMBUSTION ENGINES
    • F02F1/00Cylinders; Cylinder heads 
    • F02F1/02Cylinders; Cylinder heads  having cooling means
    • F02F1/10Cylinders; Cylinder heads  having cooling means for liquid cooling
    • F02F1/108Siamese-type cylinders, i.e. cylinders cast together
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02FCYLINDERS, PISTONS OR CASINGS, FOR COMBUSTION ENGINES; ARRANGEMENTS OF SEALINGS IN COMBUSTION ENGINES
    • F02F7/00Casings, e.g. crankcases or frames
    • F02F7/0002Cylinder arrangements
    • F02F7/0007Crankcases of engines with cylinders in line
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02FCYLINDERS, PISTONS OR CASINGS, FOR COMBUSTION ENGINES; ARRANGEMENTS OF SEALINGS IN COMBUSTION ENGINES
    • F02F2200/00Manufacturing
    • F02F2200/06Casting
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10TTECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
    • Y10T29/00Metal working
    • Y10T29/49Method of mechanical manufacture
    • Y10T29/49229Prime mover or fluid pump making
    • Y10T29/4927Cylinder, cylinder head or engine valve sleeve making

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Cylinder Crankcases Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】隣接するシリンダボアの間隔が狭い場合であっ
ても、十分な量の冷却水を流通可能にしたボア間冷却水
路を形成するとともに、シリンダボア間において十分な
幅のシール面を確保することのできるシリンダブロック
の製造方法を提供する。 【解決手段】互いに隣接し、かつ各々シリンダボア♯1
〜♯3を有するシリンダライナ31〜33を、少なくと
も一方に凹部の形成された連結部35,37,39にて
接合させることにより、両連結部35,37,39間に
閉空間21,22を有するライナ構成体14を形成す
る。ライナ構成体14の配置された鋳型に溶融金属を注
湯することにより、同ライナ構成体14の周囲にウォー
タジャケット16を有する鋳造体を成形する。ボア間冷
却水路17を成形すべく、閉空間21,22の両側部及
びウォータジャケット16を連通させる穴23,24を
鋳造体にあける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はエンジンのシリンダ
ブロックを製造する方法に係り、より詳しくは、隣接す
るシリンダボアの間隔が狭く、かつそのボア間に冷却水
の通路を有するシリンダブロックの製造方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、一般的なエンジンには、複数のシ
リンダボアを有するシリンダブロックが用いられる。シ
リンダブロックのシール面上にはガスケットを介してシ
リンダヘッドが取り付けられる。シリンダブロックに
は、全シリンダボアを取り囲むウォータジャケットが形
成され、ここに冷却水が流される。シリンダボアは混合
気の燃焼にともない発生する熱によって高温となるの
で、その周囲から冷却されることが重要である。そのた
めには、前述したウォータジャケットだけでなく、隣接
するシリンダボアの間を通って同ウォータジャケットに
繋がるボア間冷却水路を形成し、ここに冷却水を流通さ
せることが好ましい。しかし、シリンダボアの間隔が比
較的狭いシリンダブロックでは、そのシリンダボア間に
冷却水路を形成するのは難しい。
【0003】そこで、例えば、特開昭61−20976
3号公報では、シリンダブロックの製造に際し、複数の
シリンダライナを配置するとともに、隣接するシリンダ
ライナ間にパイプを配置してこれらを溶融金属によって
鋳ぐるむ。そして、各シリンダライナの内周面によって
シリンダボアを構成し、パイプによってボア間冷却水路
を構成している。また、実開昭59−175649号公
報では、シリンダブロックのシール面において隣接する
シリンダボア間にスリット状の溝を形成し、この溝によ
ってボア間冷却水路を構成している。そのほかにも、シ
リンダブロックのシリンダボア間においてウォータジャ
ケットに連通する孔を、ドリル等の工具によってあけ、
この孔によってボア間冷却水路を構成したものがある。
この孔は通常ドリルパスと呼ばれる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、パイプによ
ってボア間冷却水路を構成する技術では、これをシリン
ダボアの間隔の極めて狭いシリンダブロック、例えば同
間隔が5〜6 mm程度のシリンダブロックに適用するこ
とが困難である。すなわち、シリンダライナには強度確
保のために2mm程度の肉厚が必要である。シリンダボア
間の間隔が5〜6mmとなるように前記肉厚のシリンダラ
イナを配置すると、隣接するシリンダライナの外周面の
間隔は1〜2mmとなる。一方、冷却水がパイプ内を通過
するには、1mm以上の径の通路が必要である。従って、
このような径の通路を有するパイプを前記シリンダライ
ナ間に配置し、鋳ぐるむのは実質上困難である。
【0005】また、スリット状の溝によってボア間冷却
水路を構成する技術では、その溝の分だけシリンダボア
間におけるシール面の幅が狭くなる。これにともない同
シール面とガスケットとの接触面積が小さくなるので、
十分なシール性能が得られなくなる。
【0006】さらに、ドリルパスによってボア間冷却水
路を構成する技術では、広い幅のシール面を確保できる
ものの容積の大きな水路を形成することが困難である。
これは、ドリルによってあけることのできる孔の向きや
数が制約されるからである。このため、シリンダボア間
に多くの量の冷却水を流通させることが難しく、十分な
冷却効果を期待することができない。
【0007】本発明は前述した事情に鑑みてなされたも
のであり、その目的はシリンダボアの間隔が狭い場合で
あっても、十分な量の冷却水を流通可能にしたボア間冷
却水路を形成するとともに、シリンダボア間において十
分な幅のシール面を確保することのできるシリンダブロ
ックの製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1に記載の第一の発明は、ガスケットが載置さ
れるシール面と、列をなすように配置され、かつ前記シ
ール面に開口する複数のシリンダボアと、前記複数のシ
リンダボアを取り囲むウォータジャケットと、互いに隣
接するシリンダボア間に位置し、かつ自身の両側部にお
いて前記ウォータジャケットに連通するボア間冷却水路
とを備えたシリンダブロックを製造する方法であって、
互いに隣接し、かつ各々シリンダボアを有するシリンダ
ライナを、少なくとも一方に凹部の形成された連結部に
て接合させることにより、両連結部間に閉空間を有する
ライナ構成体を形成する工程と、前記ライナ構成体の配
置された鋳型に溶融金属を注湯することにより、前記ラ
イナ構成体の周囲にウォータジャケットを有する鋳造体
を成形する工程と、前記ボア間冷却水路を成形すべく、
前記閉空間の両側部及び前記ウォータジャケットを連通
させる連通部を前記鋳造体に形成する工程とを備えてい
る。
【0009】上記第一の発明においては、シリンダブロ
ックの製造に際し、互いに隣接し、かつ各々シリンダボ
アを有するシリンダライナが、それらの連結部にて接合
される。少なくとも一方の連結部には凹部が形成されて
いるので、前記のように連結部が接合されると、両連結
部間に閉空間を有するライナ構成体が形成される。
【0010】次に、前記ライナ構成体の配置された鋳型
に溶融金属が注湯され、同ライナ構成体の周囲にウォー
タジャケットを有する鋳造体が成形される。この際、隣
接する両連結部は相互に接合されているので、前記閉空
間への溶融金属の侵入が防止される。この段階では、ウ
ォータジャケット及び閉空間は互いに連通していない。
【0011】さらに、前記閉空間の両側部及び前記ウォ
ータジャケットを連通させる連通部が前記鋳造体に形成
される。すると、前記閉空間及び連通部によりボア間冷
却水路が構成される。
【0012】前記シリンダブロックの製造に際しては、
ボア間冷却水路の形成のためにパイプを用いていない。
このため、前記パイプの厚みの分を凹部の深さに含ませ
ることにより、ボア間冷却水路の幅を拡大することが可
能である。鋳造前にはパイプをシリンダボア間(シリン
ダライナ間)に配置しなくてよい。また、ボア間冷却水
路の一部が閉空間によって構成されるので、その分、シ
ール面においてボア間冷却水路の占める面積が小さくな
る。従って、スリット状の溝を形成する場合に比べ、シ
リンダボア間におけるシール面の幅が広くなる。さら
に、前記閉空間を構成する凹部を適切な大きさに設定す
ることにより、ドリルによって孔をあけた場合よりも大
きな容積のボア間冷却水路を形成することが可能であ
る。
【0013】前記シリンダブロックが組み込まれたエン
ジンの作動時には、冷却水がウォータジャケットを流れ
るとともに、同冷却水の一部がボア間冷却水路を流れ
る。混合気の燃焼によって高温となったシリンダライナ
と冷却水との間で熱交換が行われ、シリンダボアの温度
上昇が抑制される。この際、前述したようにボア間冷却
水路が大きな容積を有するように形成されていれば、ド
リルによってボア間冷却水路を形成した場合よりも効率
良くシリンダボアを冷却することが可能である。
【0014】また、シリンダボア間のシール面の幅が広
くなるので、スリット状の溝を形成した場合に比べて、
ガスケットとのシール面積が拡大し、前記混合気や燃焼
ガスに対するシール性が向上する。
【0015】また、請求項2に記載の第二の発明は、第
一の発明の製造方法において、前記ライナ構成体の形成
工程が、隣接するシリンダライナの接合に際し、前記連
通部に対応する箇所の嵌合部にて両連結部を相互に嵌合
させるとともに、両連結部間において前記嵌合部の近傍
に、溶融金属の流入を可能にした空隙を生じさせる処理
を含み、さらに前記ライナ構成体の形成工程と前記連通
部の形成工程との間に、溶融金属を前記空隙に注湯する
処理を設けている。
【0016】上記第二の発明では、ライナ構成体の形成
工程の実施に際し、嵌合部にて両連結部を嵌合させる。
すると、隣接するシリンダライナ同士が接合され、両連
結部間に閉空間を有するライナ構成体が形成される。こ
の嵌合部においては、両連結部間に隙間が生ずる場合が
ある。一方、この嵌合部は連通部に対応する箇所に位置
している。このため、シリンダブロックが組み込まれた
エンジンの作動時には、ボア間冷却水路、特にその連通
部を流れる冷却水の一部が前記隙間に入り込んで漏れ出
るおそれがある。
【0017】しかし、第二の発明では、嵌合部にて両連
結部を嵌合させたとき、両連結部間における嵌合部の近
傍に、溶融金属の流入を可能にした空隙を積極的に生じ
させる。そして、ライナ構成体の形成工程と連通部の形
成工程との間に設けられた処理に従い、前記空隙に溶融
金属を注湯する。この注湯された溶融金属が冷却・硬化
すると、空隙が金属材料によって充填された状態にな
る。鋳造体の成形工程では、ライナ構成体の周囲にウォ
ータジャケットを有する鋳造体が成形され、続く連通部
の形成工程では前記嵌合部において連通部が形成され、
その連通部によって閉空間の両側部及びウォータジャケ
ットが連通させられ、ボア間冷却水路が形成される。従
って、このようにして得られたシリンダブロックを組み
込んだエンジンの作動時に冷却水が連通部を流通して
も、その冷却水の嵌合部及びその近傍部分への侵入は、
空隙内に充填された金属によって遮られる。
【0018】請求項3に記載の第三の発明は、互いに隣
接し、かつ各々シリンダボアを有するシリンダライナ
を、少なくとも一方に凹部の形成された連結部にて接合
させることにより、同連結部の両側面にて開口する貫通
路を有するライナ構成体を形成する工程と、前記貫通路
の両開口が鋳型の一部により塞がれるようにして前記ラ
イナ構成体を同鋳型内に配置する工程と、前記鋳型内に
溶融金属を注湯した後に硬化させ、前記ライナ構成体を
鋳ぐるんで鋳造体を成形する工程と、前記鋳造体を前記
鋳型から取り出すことにより、前記ライナ構成体の周囲
にウォータジャケットを形成し、かつ、同ウォータジャ
ケットに開口するボア間冷却水路を形成する工程とを備
えている。
【0019】上記第三の発明においては、シリンダブロ
ックの製造に際し、互いに隣接し、かつ各々シリンダボ
アを有するシリンダライナが、それらの連結部にて接合
される。少なくとも一方の連結部には凹部が形成されて
いるので、前記のように連結部が接合されると、連結部
間の両側面にて開口する貫通路を有するライナ構成体が
形成される。
【0020】次に、ライナ構成体が鋳型内に配置され
る。この際には貫通路の両開口が鋳型の一部により塞が
れる。鋳型内に溶融金属が注湯される。この際、隣接す
る両連結部が相互に接合されていることに加え、貫通路
の両開口が鋳型の一部によって塞がれている。このた
め、注湯された溶融金属がこの貫通路内に侵入すること
が防止される。溶融金属が硬化すると、ライナ構成体を
鋳ぐるんでなる鋳造体が成形される。
【0021】前記鋳造体が鋳型から取り出される。する
と、ライナ構成体の周囲にウォータジャケットが形成さ
れる。また、それまで鋳型の一部によって塞がれていた
貫通路の両開口が開放される。隣接する連結部間を通り
ウォータジャケットに開口するボア間冷却水路が形成さ
れる。
【0022】従って、第三の発明の作用(製造時及び製
造後の各作用)は前述した第一の発明の作用と同様であ
る。加えて、第三の発明では、貫通路の両端が連結部の
側面において開口するライナ構成体を用い、鋳型によっ
てその開口を塞いだり開放したりしている。このため、
ボア間冷却水路の形成のために鋳造体の一部を切除しな
くてもよい。
【0023】
【発明の実施の形態】
(第一の実施の形態)以下、第一の発明を具体化した第
一の実施の形態を図1〜図13に従って説明する。
【0024】図8,9は、本実施の形態の方法を適用し
て製造した4気筒エンジン用のシリンダブロック11を
示している。シリンダブロック11はブロック本体1
2、ライナ構成体14、ウォータジャケット16及びボ
ア間冷却水路17を備えている。ブロック本体12は材
料としてアルミニウムを用い、ダイカスト、中圧鋳造、
低圧鋳造等の鋳造法によって形成されている。ブロック
本体12の上面は平らに形成され、後述するガスケット
63が載置されるシール面13となっている。ライナ構
成体14は、4つのシリンダボアからなるシリンダボア
群を有し、その大部分が前記ブロック本体12に埋設さ
れている。すなわち、ライナ構成体14の各シリンダボ
アはブロック本体12から露出しているが、それ以外の
部分、例えば同ライナ構成体14の上面15は露出して
いない。
【0025】ウォータジャケット16は、前記ブロック
本体12やライナ構成体14を冷却するための冷却水1
9の通路であり、前記シリンダボア群を取り囲むように
ライナ構成体14の周囲に形成されている。ボア間冷却
水路17は、ウォータジャケット16内の冷却水19を
シリンダボア間に導くための通路である。ボア間冷却水
路17は、ライナ構成体14において互いに隣接するシ
リンダボア間の上部に形成された3つ(図8では2つの
み図示)の閉空間21,22と、それらの両側において
閉空間21,22とウォータジャケット16とを連通す
る連通部とからなる。
【0026】図10〜図13に示すように、両閉空間2
1,22は偏平な直方体状の空間であり、その上縁はラ
イナ構成体14の上面15から下方へ離間した箇所に位
置している。連通部は、ブロック本体12及びライナ構
成体14の上部にあけられた一対の穴23,24によっ
て構成されている。両穴23,24の上端はブロック本
体12のシール面13に開口し、下端は前記閉空間2
1,22に開口し、側部はウォータジャケット16に開
口している。
【0027】図8,9に示すように、シリンダボア群は
第一シリンダボア♯1、第二シリンダボア♯2、第三シ
リンダボア♯3及び第四シリンダボア(図1参照)♯4
からなる。各シリンダボア♯1〜♯4は、ピストンリン
グ25の装着されたピストン26を往復動可能に収容す
るためのものである。隣接するシリンダボア♯1〜♯4
は互いに接近しており、その間隔は5〜6mmと非常に狭
くなっている。各シリンダボア♯1〜♯4においてピス
トン26よりも上側の空間は、燃料及び空気の混合気を
燃焼するための燃焼室27の一部を構成する。各シリン
ダボア♯1〜♯4は、前記混合気や燃焼によって生じた
ガスの気密を保つために、精度(真円度)の高い円筒面
に形成されている。
【0028】ライナ構成体14は、図1に示すように第
一シリンダライナ31、第二シリンダライナ32、第三
シリンダライナ33及び第四シリンダライナ34を一列
に並べ、隣接するシリンダライナ31〜34を相互に連
結することによって構成されている。これらのシリンダ
ライナ31〜34は後述するようにアルミニウム合金に
よって形成されている。両端に位置する第一及び第四シ
リンダライナ31,34は互いに同一形状をなし、中間
に位置する第二及び第三シリンダライナ32,33は互
いに同一形状をなしている。図1では、第四シリンダラ
イナ34が第一シリンダライナ31に対し180°回転
した状態となっており、第三シリンダライナ33が第二
シリンダライナ32に対し180°回転した状態となっ
ている。このようにライナ構成体14は、形状の異なる
二種類のシリンダライナ31,34及び32,33によ
って構成されている。
【0029】第一及び第四シリンダライナ31,34は
略円筒状をなし、各々の内周面は前記第一及び第四シリ
ンダボア♯1,♯4となっている。各シリンダライナ3
1,34には外方ヘ向けて延び、かつ先端に平坦な接合
面36を有する一つの連結部35が突設されている。ま
た、第二及び第三シリンダライナ32,33は略円筒状
をなし、各々の内周面は前記第二及び第三シリンダボア
♯2,♯3となっている。各シリンダライナ32,33
には、互いに反対方向へ向けて延び、かつ先端に平坦な
接合面38,41を有する一対の連結部37,39が突
設されている。
【0030】本実施の形態では、前記4つのシリンダラ
イナ31〜34を連結するために、以下の構造が採用さ
れている。第一及び第四シリンダライナ31,34の各
接合面36の両側部には、同シリンダライナ31,34
の全長にわたり一対の溝42が形成されている。第二及
び第三シリンダライナ32,33における接合面38の
両側部には、一対の突条43が同シリンダライナ32,
33の全長にわたり形成されている。第二及び第三シリ
ンダライナ32,33の各接合面41には、それらのシ
リンダライナ32,33の全長にわたり溝44及び突条
45が1つずつ形成されている。
【0031】前記突条43,45及び溝42,44は、
次の条件が成立するように形成されている。その条件と
は、図3に示すように、各溝42,44の深さをH1、
幅をW1とし、各突条43,45の高さをH2、幅をW
2としたとき、 H1>H2、かつ、W1<W2 である。W1<W2は、突条43,45を溝42,44
に圧入させてシリンダライナ31〜34同士を連結させ
るのに必要な条件である。H1>H2は、隣接するシリ
ンダライナ31〜34を連結したときに、それらの接合
面36,38,41を互いに密接させるのに必要な条件
である。
【0032】さらに、前記圧入により、隣接するシリン
ダライナ31〜34の接合面36,38,41が互いに
当接されたとき、ボア間冷却水路17を構成する閉空間
21,22が形成されるようになっている。これらの閉
空間21,22形成のための工夫が、以下の2点(I),(I
I)を考慮したうえでなされている。
【0033】(I) 閉空間21,22の形成のために、シ
リンダライナ31〜34に対し行う加工をできるだけ少
なくすること。 (II)隣接するシリンダボア♯1〜♯4間の中央に閉空間
21,22を位置させること。これは、各シリンダボア
♯1〜♯4からボア間冷却水路17までの距離を等しく
し、隣合うシリンダボア♯1〜♯4を均一に冷却するた
めのである。
【0034】具体的内容について説明すると、図4に示
すように、第一及び第二シリンダライナ31,32が相
互に連結されたとき、両者の接合面36,38が、シリ
ンダボア♯1,♯2間の中央を通る仮想線L2から、ボ
ア間冷却水路17(閉空間21)の幅Lの半分(=L/
2)だけ第一シリンダボア♯1側へずれるようになって
いる。図示はしないが、前記と同様に、第四及び第三シ
リンダライナ34,33が相互に連結されたとき、両者
の接合面36,38が、シリンダボア♯4,♯3間の中
央を通る仮想線から、幅Lの半分だけ第四シリンダボア
♯4側へずれるようになっている。さらに、第二及び第
三シリンダライナ32,33が相互に連結されたとき、
両者の接合面41,41が、シリンダボア♯2,♯3間
の中央を通る仮想線L1上に位置するようになってい
る。
【0035】図1,2,4に示すように、第二及び第三
シリンダライナ32,33の接合面38の上部におい
て、両突条43間には、深さDを有する凹部46が設け
られている。第一及び第四シリンダライナ31,34の
接合面36にはこのような凹部は設けられていない。そ
して、第一及び第二シリンダライナ31,32が相互に
連結されたとき、あるいは第四及び第三シリンダライナ
34,33が相互に連結されたとき、凹部46と接合面
36とによって閉空間21が形成される。
【0036】さらに、第二及び第三シリンダライナ3
2,33の各接合面41の上部において、溝44及び突
条45間には、D/2の深さを有する凹部47がそれぞ
れ設けられている。そして、第二及び第三シリンダライ
ナ32,33が相互に連結されたとき、両凹部47,4
7によって幅Lを有する閉空間22が形成される。
【0037】なお、接合面38,41の上部にのみ凹部
46,47を形成したのは、この箇所がシリンダボア♯
1〜♯4中最も高温となり、ウォータジャケット16を
流れる冷却水19のみでは十分な冷却効果が期待できな
いからである。できるだけ広い面積にわたって冷却する
ことが重要である。すなわち、エンジンの作動時には燃
焼室27で混合気が爆発・燃焼され、それにともない熱
が発生する。この熱によって燃焼室27やその近傍が高
温となる。前述したように、シリンダライナ31〜34
のうちピストン26よりも上側の空間が燃焼室27を構
成するので、同シリンダライナ31〜34の上部が高温
となる。燃焼室27から下方へ離れるほど燃焼熱による
影響を受けにくくなるので、これらの部分はウォータジ
ャケット16を流れる冷却水19によって十分冷却でき
る。この部分にはボア間冷却水路17は必ずしも必要で
ない。
【0038】ところで、アルミニウム製のシリンダライ
ナ31〜34には、通常、以下の(1)〜(3)の各種
特性が要求される。 (1)鋳鉄製ライナ同等程度の摺動特性を有すること。 (2)鋳造圧に耐える強度や靭性を有すること。 (3)鋳造時に溶融金属から受ける熱によりシリンダラ
イナ31〜34の母材の硬度が低下しにくいこと。
【0039】上記各要求特性を満足させるために本実施
の形態では、急冷凝固法による原料粉末と熱間塑性加工
を主体にした粉末冶金法によってライナを製造し、従来
の鋳造展伸法に比べ低熱膨張、高耐磨耗性、高耐熱性並
びに鋼や鋳鉄に匹敵する機械的性質等の優れた特性を得
ることを可能としている。
【0040】ライナ材料(内層)は、シリコン(Si)、鉄
(Fe)、銅(Cu)、マグネシウム(Mg)、マンガン(Mn)、ニッ
ケル(Ni)、アルミニウム(Al)等の各粉末からなるマトリ
ックス中に、アルミナ(Al2 O3 )等のセラミック粒子
及び黒鉛(Graphite)粉末を分散したものである。マトリ
ックス合金中、シリコン合金は耐摩耗性を向上させるた
めに添加され、鉄は耐熱性を向上させるために添加され
ている。アルミナは耐摩耗性の向上のために添加され、
黒鉛は耐焼付き性の向上のために添加されている。外層
はアルミニウム合金の展伸材によって形成されている。
【0041】次に、前記構成を有するシリンダブロック
11を製造する方法について説明する。この方法は、ラ
イナ構成体14を形成する工程と、鋳造体62を成形す
る工程と、連通部(穴23,24)を形成する工程とを
備えている。
【0042】まず、ライナ構成体14の形成工程につい
て説明する。この工程では最初に各シリンダライナ31
〜34を製作する。前述した材料からなるマトリックス
粉末、アルミナ及び黒鉛を均一に混合し、CIP(Cold
Isostatics Press) により、孔を有するビレット(Bille
t)を成形する。アルミニウム合金製の缶内に前記ビレッ
トを挿入して複合ビレットを作製し、これに熱を加えて
昇温させる。シリンダライナを成形するための形状を有
する金型に前記複合ビレットを挿入し、これに圧力を加
えて押出す。すると、粉末間で金属結合が起こるととも
に、二層構造をなし、かつ外層に突条43,45及び/
又は溝42,44を有する長尺状物が得られる。このよ
うに、押出し加工により突条43,45や溝42,44
が形成されるので、これらを後に加工する必要はない。
この長尺状物を所定の長さに切断した後、外層に切削加
工により凹部46,47を加工すると、図1に示すシリ
ンダライナ31〜34が得られる。
【0043】なお、本実施の形態では4つのシリンダラ
イナ31〜34を連結するために、第一及び第四シリン
ダライナ31,34の連結部35が一対の溝42を有
し、第二及び第三シリンダライナ32,33の一方の連
結部37が一対の突条43を有し、他方の連結部39が
溝44及び突条45を一つずつ有する構成を採ってい
る。すなわち、第一及び第四シリンダライナ31,34
を同一の形状にし、第二及び第三シリンダライナ32,
33を同一の形状にしている。このため、部品の共通化
を図ることができ、上記二種類のシリンダライナ31,
34及び32,33を製作するだけで、4つのシリンダ
ライナ31〜34を用意することができる。
【0044】また、シリンダボア♯1〜♯4から接合面
36,38,41までの距離を種々設定するとともに、
凹部46,47の形成位置を種々設定したことにより、
第一及び第四シリンダライナ31,34の連結部35に
は凹部を形成する必要がない。従って、閉空間21の形
成に要する工数や加工費を少なくできる。
【0045】続いて、四つのシリンダライナ31〜34
を連結してライナ構成体14を形成する。より詳しく
は、隣接するシリンダライナ31〜34を相互に接近さ
せ、突条43,45を対応する溝42,44に圧入す
る。この際、溝42,44が突条43,45の高さより
も深く形成されている(H1>H2)ことから、前記圧
入の途中で、隣合う接合面36,38及び41,41が
相互に当接する。溝42,44が突条43,45の幅よ
りも狭く形成されている(W1<W2)ことから、前記
圧入により隣合うシリンダライナ31〜34が極めて隙
間の少ない状態で連結される。
【0046】また、前記接合面36,38及び41,4
1の当接により、図4に示すように隣接するシリンダラ
イナ31〜34間に閉空間21,22が形成される。す
なわち、第一及び第二シリンダライナ31,32間に
は、接合面36と凹部46とによって閉空間21が形成
される。同様に、第四及び第三シリンダライナ34,3
3間には、接合面36と凹部46とによって閉空間21
が形成される。さらに、第二及び第三シリンダライナ3
2,33間には、一対の凹部47,47によって閉空間
22が形成される。これらの閉空間21,22はいずれ
も同じ容積を有し、しかも隣接する両シリンダボア♯1
〜♯4間の中央に位置する。このようにして、三つの閉
空間21,22,21を有するライナ構成体14が製作
される。
【0047】次に、鋳造体の成形工程について説明す
る。この工程では、前記ライナ構成体14をインサート
とし、これをアルミニウムによって鋳ぐるむ。この際、
図5に示す鋳型48が用いられる。この鋳型48は固定
型49、上部可動型51、下部可動型52、側部可動型
53及びボア入子機構54を備える。固定型49の複数
の箇所には、内径の異なる小径孔55及び大径孔56が
連続してあけられている。固定型49の側面50におい
て各大径孔56の回りには、ウォータジャケット16を
成形するための成形突部57が設けられている。
【0048】上部可動型51は前記成形突部57の上方
に配置され、下部可動型52は同成形突部57の下方に
配置されている。両可動型51,52は固定型49の側
面50上を摺接しながら垂直方向へ往復動し、前記成形
突部57に接近及び離間する。側部可動型53は水平方
向へ往復動可能に配置されており、その往復動により固
定型49に接近及び離間する。
【0049】ボア入子機構54は、シリンダボア♯1〜
♯4と同数本のロッド58と、各ロッド58の回りに配
置された複数片の入子59とを備える。各ロッド58は
前記大径孔56及び小径孔55において、固定型49に
往復動可能に挿通されている。各ロッド58の先端部
(図5の左端部)は、側部可動型53側ほど縮径するよ
うに形成されている。各入子59は長尺状をなし、成形
突部57内及び大径孔56内において、ロッド58の回
りに円環状をなすように配置されている。
【0050】各入子59の内面は、同入子59の厚みが
固定型49側ほど薄くなるようにテーパ状に形成され、
この部分において前記ロッド58の外周面に接触してい
る。従って、ロッド58の往復動にともない、そのロッ
ド58と入子59との接触部分が変化すれば、対向する
入子59が互いの間隔を大きくするように移動(拡径)
させられたり、互いの間隔を小さくするように移動(縮
径)させられたりする。なお、入子59が最も大きく拡
径したときには、同入子59は大径孔56の内周面に当
接する。
【0051】前記構成の鋳型48を用いてライナ構成体
14をアルミニウムによって鋳ぐるむ場合には、まず、
図5に示すように、三つの可動型51〜53を成形突部
57から離間させるとともに、全ロッド58を後退させ
て各入子59を縮径できる状態にしておく。各シリンダ
ライナ31〜34内に前記入子59が入り込むように、
ライナ構成体14を成形突部57内に挿入する。このと
き、各入子59が縮径していることから、これらをシリ
ンダボア♯1〜♯4へ容易に入り込ませることができ
る。
【0052】図5の状態から、全ロッド58を前進させ
ると、各ロッド58に接触している各入子59が拡径さ
れる。ロッド58によって拡径された各入子59は、対
応する大径孔56の内周面及びシリンダボア♯1〜♯4
に圧接する。このようにライナ構成体14は、その内側
から複数の入子59によって所定の位置に保持される。
【0053】図6に示すように、三つの可動型51〜5
3をそれぞれ移動させて成形突部57に接近させる。こ
のように型締めが行われると、固定型49、各可動型5
1〜53及びライナ構成体14間には、ブロック本体1
2を成形するためのキャビティ61が形成される。溶融
状態の金属材料をこのキャビティ61内に注湯する。
【0054】本実施の形態では、シリンダライナ31〜
34の連結部35,37,39同士を結合させることに
よってライナ構成体14を形成しているので、隣接する
連結部35,37,39間に隙間が生じやすい。溶融金
属がこの隙間を通り、凹部46,47内へ入り込むおそ
れがある。しかし、図4,13に示すように、連結部3
5,37,39の全長にわたって延びる溝42,44に
突条43,45が圧入され、両者の隙間は実質的に零と
なっている。このため、溶融金属がライナ構成体14の
側方から前記隙間を通って凹部46,47内へ侵入する
ことが防止される。また、接合面36,38,41は平
坦に形成されているので、前記突条43,45や溝4
2,44以外の箇所でも接合面36,38,41間の隙
間は無視できるほど小さい。このため、溶融金属がライ
ナ構成体14の上方や下方から前記隙間を通って凹部4
6,47内へ侵入することが防止される。
【0055】図6において注湯された溶融金属が凝固す
ると、その金属(アルミニウム)によって鋳ぐるまれた
ライナ構成体14と、その回りを取り囲むウォータジャ
ケット16とを有する鋳造体62が成形される。このと
き、シリンダボア♯1〜♯4には入子59が圧接してい
て、両者間に隙間のない状態となっている。
【0056】次に、図7に示すように三つの可動型51
〜53を成形突部57から離間させるとともに、全ロッ
ド58を後退させる。この後退により各入子59が縮径
可能な状態となり、シリンダボア♯1〜♯4に対する入
子59の圧接力が小さくなる。従って、シリンダボア♯
1〜♯4から入子59を離間させ、ライナ構成体14を
有する鋳造体62を固定型49から容易に取り出すこと
ができる。
【0057】ここで、仮に前述したボア入子機構54に
代えて、シリンダボア♯1〜♯4よりも若干小径で、そ
の径を変更できないタイプのボア入子を用いたとする。
この場合、シリンダボア♯1〜♯4とボア入子との間に
隙間が生じることから、鋳造時にライナ構成体14に外
側方から高い圧力が加わり、同構成体14がボア入子側
へ変形することがある。すると、鋳造後に、ライナ構成
体14からボア入子を抜くことができなくおそれがあ
る。
【0058】しかし、本実施の形態では、ボア入子機構
54の複数の入子59が拡径させられて各シリンダボア
♯1〜♯4に圧接することから、それらの間には隙間が
ないか、あっても小さい。このため、溶融金属が凝固す
る過程において収縮し、ライナ構成体14に外側から応
力が加わったとしても、その応力は各入子59やロッド
58によって受け止められ、変形が防止される。また、
たとえライナ構成体14が変形したとしても、ロッド5
8が後退させられることにより入子59が縮径可能とな
るので、同入子59をシリンダボア♯1〜♯4、すなわ
ち鋳造体62から離間させることができる。
【0059】固定型49から取り出された鋳造体62に
おいては、ライナ構成体14の各シリンダボア♯1〜♯
4が露出しているものの、それ以外の部分は鋳物によっ
て覆われている。また、鋳造体62において隣接するシ
リンダボア♯1〜♯4間には三つの閉空間21,22,
21が形成されているが、これらはウォータジャケット
16に未だ連通していない。
【0060】次に、連通部の形成工程について説明す
る。この工程では、図8,12に示すように、ライナ構
成体14における連結部35,37,39の接合部分の
両側に対応する箇所に対し、前記鋳造体62の上方から
ドリル等の穿孔具によって穴23,24をあける。する
と、各閉空間21,22の両側部及びウォータジャケッ
ト16が前記穴23,24によって連通させられる。各
閉空間21,22及び穴23,24によりボア間冷却水
路17が構成され、目的とするアルミニウム製シリンダ
ブロック11が得られる。
【0061】前記シリンダブロック11の製造に際して
は、従来技術とは異なり、ボア間冷却水路17の形成の
ためにパイプを用いていない。このため、前記パイプの
厚みの分を凹部46,47の深さDに含ませることによ
り、ボア間冷却水路17の幅Lを拡大することが可能で
ある。鋳造前には前記パイプをシリンダボア♯1〜♯4
間に配置しなくてよい。また、ボア間冷却水路17の一
部が閉空間21,22によって構成されるので、その
分、シール面13においてボア間冷却水路17の占める
面積が小さくなる。従って、従来技術におけるスリット
状の溝を形成する場合に比べ、シリンダボア♯1〜♯4
間におけるシール面13の幅が広くなる。さらに、前記
閉空間21,22を構成する凹部46,47を適切な大
きさに設定することにより、従来のドリルによってドリ
ルパスと呼ばれる孔をあけた場合よりも大きな容積のボ
ア間冷却水路17を形成することが可能である。
【0062】このようにして得られたシリンダブロック
11を構成部品としたエンジンにおいては、図9に示す
ように、同ブロック11の上にガスケット63を介して
シリンダヘッド64が組付けられ、下にオイルパン(図
示略)が取り付けられる。そして、このエンジンの作動
時には、燃焼室27で混合気が爆発・燃焼し、その燃焼
室27の近傍部分、すなわち、各シリンダライナ31〜
34が高温となる。このときには、冷却水19がウォー
タジャケット16を流れるとともに、同冷却水19の一
部がボア間冷却水路17を流れる。高温となったシリン
ダライナ31〜34と冷却水19との間で熱交換が行わ
れ、同シリンダライナ31〜34の温度上昇が抑制され
る。
【0063】本実施の形態ではボア間冷却水路17が隣
接するシリンダボア♯1〜♯4間の中央に位置してい
て、各シリンダボア♯1〜♯4からボア間冷却水路17
までの距離が等しくなっている。このため、同水路17
を流れる冷却水19によって隣接するシリンダライナ3
1〜34を均一に冷却することができる。
【0064】ウォータジャケット16に加えボア間冷却
水路17を設けたことにより、各シリンダボア♯1〜♯
4をその全周にわたって冷却することができる。この
際、前述したようにボア間冷却水路17が大きな容積を
有していることから、ドリルによってボア間冷却水路を
形成するようにした従来技術よりも効率良くシリンダボ
ア♯1〜♯4を冷却することが可能である。
【0065】前記冷却により、各シリンダボア♯1〜♯
4の周囲の温度分布がほぼ均一になり、同温度分布の不
均一に起因する各シリンダボア♯1〜♯4の歪みが少な
くなる。換言すると、エンジン作動時においても、シリ
ンダボア♯1〜♯4の形状を、円形の開口を有する円筒
状に保つ、すなわち真円度を高い値に保つことができ
る。これは、ピストン26の往復動にともなうピストン
リング25の追従性が良く、同リング25とシリンダボ
ア♯1〜♯4との間に隙間が生じにくく、エンジンオイ
ルがこの隙間を通って燃焼室27へ入り込みにくいこと
を意味する。
【0066】すると、エンジンオイルの燃焼室27での
燃焼量が少なくなるので、ピストンリング25のシリン
ダボア♯1〜♯4に対する圧接力は小さくてすむ。この
ため、ピストンリング25の張力(拡がろうとする力)
を小さくし、同ピストンリング25とシリンダボア♯1
〜♯4との間の摺動抵抗(フリクション)を小さくし
て、エンジンの出力を増大させたり、燃費を向上させた
りできる。
【0067】また、シリンダボア♯1〜♯4間のシール
面13の幅が広くなっているので、スリット状の溝を形
成した従来技術に比べて、ガスケット63とのシール面
積が拡大し、前記混合気や燃焼ガスに対するシール性が
向上する。
【0068】さらに、ライナ構成体14がブロック本体
12に埋設され、同本体12のシール面13が平坦に形
成されていることも高いシール性を確保するうえで有利
である。すなわち、仮にライナ構成体14の上面15を
露出させる構成にすると、その上面15とブロック本体
12の上面との間に境目が生ずる。これらの上面はガス
ケット63に対するシール面となる。本実施の形態で
は、ライナ構成体14とブロック本体12とが異なる線
膨張係数を有する材料によって形成されている。このた
め、たとえシリンダブロック11の製造時に、ライナ構
成体14の上面15とブロック本体12の上面とが同一
平面上に位置するように鋳造が行われても、エンジンの
作動にともなう熱によってライナ構成体14及びブロッ
ク本体12が高温になると、両上面間に段差が生ずる。
すると、この段差によりガスケット63との間に隙間が
生じ、シール性が低下する。
【0069】これに対し、本実施の形態ではライナ構成
体14がブロック本体12に埋設されていて、同ブロッ
ク本体12の上面のみによってシール面13が構成され
ている。このため、上記線膨張係数の相違によって、ラ
イナ構成体14及びブロック本体12の熱膨張量が異な
っても、シール面13は段差のない平坦面を維持するの
で、高いシール性を保つことができる。
【0070】また、前述したように隣接するシリンダボ
ア♯1〜♯4の間隔が非常に狭くなるので、シリンダブ
ロック11の全長(シリンダボア♯1〜♯4の配列方向
の長さ)が短くなり、エンジン全体の長さが短くなる。
このため、エンジンの軽量化や、車両等への搭載性の向
上を図ることができる。
【0071】さらに、シリンダをアルミニウムによって
形成する場合には、ピストン、ピストンリングとの摺動
特性を確保するために、通常、シリンダボアにニッケル
メッキを施したり、MMC(金属基複合材料、Metal Ma
trix Compositeの略)の層をシリンダボアの内側に形成
したり、高シリコンアルミ合金(A390)をエッチン
グしたりすることが行われる。この場合、シリンダボア
内面の品質を確保するために低圧鋳造、低速中圧鋳造で
製造されるが、ダイカスト法に比べ平均肉厚が厚くな
り、シリンダブロック全体が重く、鋳造サイクルも長く
なる。
【0072】しかし、本実施の形態ではシリンダライナ
31〜34を前述したような特殊な構造(内層と外層と
からなる二層構造)とすることにより、鋳鉄製のシリン
ダライナとほぼ同等の強度、靭性を確保している。この
ため、強度を上げるための後処理が不要となり、前記ダ
イカスト鋳造工程をそのまま用いてライナ構成体14を
鋳ぐるむことができる。この新規な構造のシリンダブロ
ック11を製造するのに必要な設備投資を必要最小限に
抑えることができる。また、ダイカスト法を用いること
ができるので、シリンダブロック11の平均肉厚を薄く
でき、軽量化が可能であるとともに鋳造サイクルを短く
できる。 (第二の実施の形態)次に、第一の発明を具体化した第
二の実施の形態を図14,15に従って説明する。
【0073】本実施の形態は、隣接するシリンダライナ
31〜34同士の連結構造及び方法が第一の実施の形態
と異なっている。すなわち、隣接する接合面36,38
のいずれか一方、あるいは接合面41,41のいずれか
一方に、接着剤を塗布するための溝65が設けられてい
る。溝65は図15に示すように、接合面38(36,
41)の周縁部に沿って四角環状に形成された本体部6
6と、凹部46(47)の下縁に沿って延びて前記本体
部66に繋がる直線状の仕切り部67とからなる。
【0074】隣接するシリンダライナ31〜34同士を
連結する場合には、前記溝65に接着剤を塗布し、これ
に、溝65の設けられていない方の接合面38(36,
41)を押し付ける。接着剤が固化すると、シリンダラ
イナ31〜34同士が同接着剤を介して強固に結合さ
れ、目的とするライナ構成体14が得られる。この構成
体14をインサートとして用いて鋳造する場合には、前
記接着剤は溶湯が接合面38(36,41)間を通って
凹部46(47)内に入り込むのを規制する。
【0075】なお、前述した以外の構造及び方法は第一
の実施の形態と同様であるので、ここでは説明を省略す
る。従って、本実施の形態によっても第一の実施の形態
と同様の作用及び効果を奏するほか、接着剤及び溝65
が連結部35,37,39を結合させる機能と、溶湯を
シールする機能とを発揮する。この場合、第一の実施の
形態における溝42,44や突条43,45を廃止する
ことも可能である。 (第三の実施の形態)次に、第一の発明を具体化した第
三の実施の形態を図16,17に従って説明する。
【0076】本実施の形態は、鋳型内でライナ構成体1
4が形成される点が第一及び第二の実施の形態と異なっ
ている。すなわち、接合面36,38,41において凹
部46,47を除く部分は、鏡面のように精度の高い平
坦面に形成されている。また、鋳造体62の製作に際し
ては、一対のピン71,72を有する鋳型が用いられ
る。ピン71,72は同一直線上において、それぞれ進
退可能に設けられている。
【0077】鋳造時には、鋳型から両ピン71,72を
後退させておき、シリンダライナ31〜34を一列に並
べた状態で鋳型内に配置する。ピン71を前進させて第
一シリンダライナ31を第二シリンダライナ32側へ押
圧する。また、ピン72を前進させて第四シリンダライ
ナ34を第三シリンダライナ33側へ押圧する。する
と、隣接する接合面36,38,41同士が圧接され
て、ライナ構成体14が形成される。この状態で溶融金
属を鋳型内に注湯し、鋳造体62を成形する。溶融金属
が凝固した後、両ピン71,72を後退させ、鋳型から
鋳造体62を取り出す。
【0078】前記鋳造時にピン71,72を用いている
ので、鋳造体62にはそれらのピン71,72による孔
73が生ずる。この孔73はウォータジャケット16と
鋳造体62の外側面とを連通させるので、鋳造体62の
取り出し後に栓(図示略)をして塞ぐ。
【0079】前述した以外の構造及び方法は第一及び第
二の実施の形態と同様であるので、ここでは説明を省略
する。従って、本実施の形態によっても前記各実施の形
態と同様の作用及び効果を奏するほか、溝42,44、
突条43,45及び溝65が不要となる。また、接着剤
の塗布作業も省略できる。 (第四の実施の形態)次に、第二の発明を具体化した第
四の実施の形態を図18〜図23に従って説明する。
【0080】本実施の形態は、各シリンダライナ31〜
34の連結部35,37,39の形状と、ライナ構成体
14の形成工程の処理内容と、鋳造体62の成形工程の
処理内容とが第一の実施の形態と異なっている。
【0081】次に、これらの相違点について説明する
が、このように異ならせたのは以下の理由による。溝4
2,44に突条43,45を圧入するという連結構造を
採用した場合、製造公差等により両者42,43又は4
4,45間にわずかな隙間が生ずる場合がある。一方、
これらの溝42,44及び突条43,45は、連通部と
しての穴23,24に対応する箇所に位置している。こ
のため、シリンダブロック11が組み込まれたエンジン
の作動時には、ボア間冷却水路17、特にその穴23,
24を流れる冷却水19の一部が前記隙間に入り込む。
そして、この冷却水19は隙間の下端からクランクケー
ス79(図9参照)内へ漏れ出るおそれがあるからであ
る。
【0082】なお、ここでは説明の便宜上、第一及び第
二シリンダライナ31,32の連結部35,37を例に
採っているが、他の箇所の連結部についても同様であ
る。まず、連結部35,37の相違点について説明する
と、図18,19に示すように、第一シリンダライナ3
1の接合面36の両側部には第一の実施の形態と同様な
一対の溝42が形成されている。接合面36における各
溝42の両側近傍には、一対の挟持突起80,81が一
体的に形成されている。各挟持突起80(81)の先端
部は、対向する挟持突起81(80)へ向けて膨らんだ
膨出部82,83を備えている。
【0083】一方、第二シリンダライナ32の接合面3
8の両側部には、第一の実施の形態と同様に、同シリン
ダライナ32の全長にわたって延びる一対の突条43が
設けられている。ただし、ここでの突条43は、連結部
37の両側部に溝84を形成することにより設けられて
いる。突条43は本体部85と、その先端に位置する頭
部86とからなる。本体部85の幅W3は前記両膨出部
82,83の間隔dよりも狭く設定されている。頭部8
6の幅W4は前記間隔dよりも広く、かつ前記溝42の
幅W1よりも狭く設定されている。このため、頭部86
を両膨出部82,83間に圧入し、突条43を溝42に
嵌合することが可能である。頭部86の先端は接合面3
8とほぼ同一平面上に位置している。
【0084】本実施の形態では、これらの溝42,8
4、挟持突起80,81、突条43により嵌合部87が
構成される。嵌合部87の上部は図22に示すように、
連通部の形成工程において、穴23,24のあけられる
箇所である。
【0085】さらに、溝42,84の形状や大きさは、
前記頭部86が溝42に嵌合されたとき、図21に示す
ように、両連結部35,37間において前記嵌合部87
の近傍に、溶融金属の流入可能な空隙88,89が生ず
るように工夫されている。一方の空隙88は、頭部86
が最も深い位置まで圧入されたとき(接合面36,38
同士が当接して頭部86のそれ以上の圧入が規制された
とき)、両挟持突起80,81、頭部86、溝42の壁
面等によって囲まれて形成されるものである。他方の空
隙89は、前記と同じ状態で、一方の挟持突起80、突
条43、溝84の内壁面等によって囲まれて形成される
ものである。これらの空隙88,89は、溶融金属の流
通性を考慮すると、0.2mm以上の幅を有するものであ
る必要がある。0.2mmよりも狭いと、鋳造時に溶融金
属(この場合、アルミニウム)が十分に空隙88,89
に入り込まないおそれがある。
【0086】次に、前述したシリンダライナ31,32
を用いたライナ構成体14の形成工程について第一の実
施の形態との相違点を中心に説明する。まず、図18,
19において矢印で示すように、隣接する第一及び第二
シリンダライナ31,32を相互に接近させる。この接
近の途中で、突条43の頭部86が対応する両挟持突起
80,81の先端に当接する。頭部86を、その幅W4
よりも狭い間隔dを有する膨出部82,83間に圧入す
る。頭部86を、その大部分が両膨出部82,83を通
過する位置まで圧入すると、両接合面36,38が相互
に当接する。このように嵌合部87にて両連結部35,
37を嵌合させると、図20,21に示すように、隣接
するシリンダライナ31,32同士が接合される。両連
結部35,37間に閉空間21を有し、かつ両連結部3
5,37間において嵌合部87の近傍の2箇所に、溶融
金属の流通可能な空隙88,89を有するライナ構成体
14が形成される。
【0087】続いて、鋳造体62の成形工程について第
一の実施の形態との相違点を中心に説明する。前記ライ
ナ構成体14をインサートとし、これを図5に示す鋳型
48内の所定位置に配置し、溶融状態の金属材料を所定
の圧力で加圧してキャビティ内に注湯する。注湯された
溶融金属の一部は前述した二つの空隙88,89内にも
流入する。この際、いずれの空隙88,89も十分に広
い幅(0.2mm以上)を有しているので、溶融金属は確
実に空隙88,89内に入り込む。そして、空隙88,
89内に充填された溶融金属が冷却及び凝固すると、図
23に示すように、その金属によって鋳ぐまれるととも
に両空隙88,89が金属90,91によって充填され
たライナ構成体14と、その回りを取り囲むウォータジ
ャケット16とを有する鋳造体62が形成される。その
後、この鋳造体62を鋳型48から取り出す。
【0088】この鋳型48においては、隣接するシリン
ダボア♯1,♯2間に閉空間21が形成されているが、
ウォータジャケット16には未だ連通していない。次
に、図22に示すように、ライナ構成体14における連
結部35,37の接合面36,38の両側に対応する箇
所、すなわち、前記嵌合部87に対し、前記鋳造体62
の上方からドリル等の穿孔具によって穴23,24をあ
ける。すると、閉空間21の両側部及びウォータジャケ
ット16が前記穴23,24によって連通させられる。
閉空間21及び穴23,24によりボア間冷却水路17
が形成され、目的とするアルミニウム製シリンダブロッ
ク11が得られる。
【0089】従って、このようにして得られたシリンダ
ブロック11を組み込んだエンジンの作動時に冷却水1
9が穴23,24を流通しても、その冷却水19が嵌合
部87を構成する部品間の境界部分に侵入することは、
空隙88,89内の金属90,91によって遮られる。
その結果、エンジンの作動時に、冷却水19がシリンダ
ブロック11の下端からクランクケース79内へ漏れ出
るといった不具合を未然に防止することができる。
【0090】本実施の形態は、前述した事項以外にも次
に示す特徴を有する。 (a)鋳造体62の形成のために注湯される溶融金属を
利用し、ライナ構成体14を鋳ぐるむのとほぼ同時に、
その溶融金属を空隙88,89内へ流入させている。こ
のため、鋳造体62の形成とは別に空隙88,89に溶
融金属を注湯する場合に比べ、比較的簡単に、しかも注
湯のための余分な時間を要することなく空隙88,89
に溶融金属を注湯・充填することができる。
【0091】(b)溝42,84、挟持突起80,8
1、突条43等をシリンダライナ31〜34と同時に成
形している。このため、各シリンダライナ31〜34を
連結した後の形態、すなわち、ライナ構成体14に機械
加工等の二次加工を施すことにより空隙を形成する場合
に比べ、簡単に所望の空隙88,89を得ることができ
る。
【0092】(c)各連結部35,37,39の両側部
の形状を工夫しているので、突条43の頭部86を膨出
部82,83間に圧入して接合面36,38同士を当接
させるといった一つの簡単な処理で、シリンダライナ3
1,32の連結と、空隙88,89の形成とを同時に実
現できる。 (第五の実施の形態)次に、第三の発明を具体化した第
五の実施の形態を図24〜図29に従って説明する。
【0093】本実施の形態は、凹部の形状と、ボア間冷
却水路17の形成方法とが第一〜第三の実施の形態と大
きく異なっている。なお、ここでは説明の便宜上、第一
及び第二シリンダライナ31,32を例に採っている
が、他のシリンダライナ33,34についても同様であ
る。
【0094】まず、凹部の相違点について説明すると、
図24,25に示すように、第二シリンダライナ32の
接合面38の上部(図25の右側部)には、連結部37
の一方の側面37aから延びて他方の側面37bに至る
複数の溝92が形成されている。この一形態として、図
25には第二シリンダライナ32の軸線L3が延びる方
向に直交する3本の溝92が形成されている。そして、
これらの溝92によって凹部が構成されている。
【0095】次に、ボア間冷却水路17を有するシリン
ダブロック11を製造する方法について説明する。この
方法は、ライナ構成体14を形成する工程と、ライナ構
成体14を鋳型48に配置する工程と、鋳造体62を成
形する工程と、ウォータジャケット16及びボア間冷却
水路17を形成する工程とを備えている。
【0096】ライナ構成体14の形成工程では、最初に
図24に示す各シリンダライナ31,32を製作する。
第一の実施の形態で説明したマトリックス粉末、アルミ
ナ及び黒鉛を均一に混合し、CIPにより孔を有するビ
レットを成形する。アルミニウム合金製の缶内に前記ビ
レットを挿入して複合ビレットを作製し、これに熱を加
えて昇温させる。金型に前記複合ビレットを挿入し、こ
れに圧力を加えて押し出す。すると、粉末間で金属結合
が起こり、ニ層構造をなす長尺状物が得られる。この長
尺状物を所定の長さに切断した後、外層に対し切削加工
を施す。その結果、図24に示すような、接合面38の
上部に3本の溝92を有する第2シリンダライナ32が
得られる。同様にして第1シリンダライナ31を成形す
る。
【0097】続いて、シリンダライナ31,32を連結
してライナ構成体14を形成する。この連結に際して
は、突条を溝に圧入する方法(第一の実施の形態)、連
結部間に接着剤を介在させる方法(第二の実施の形
態)、ピンによってシリンダライナ同士を圧接させてそ
の状態に保持する方法(第三の実施の形態)等を用いる
ことができる。
【0098】前記のようにしてライナ構成体14が形成
されると、接合面36,38同士が当接し、隣接するシ
リンダライナ31,32間には溝92及び接合面38に
より連結部37の両側面37a,37bにおいて開口す
る貫通路93が形成される。
【0099】次に、ライナ構成体14を鋳型48に配置
する工程について説明する。図25,27に示すように
この鋳型48は基本的には第一の実施の形態と同様に、
固定型49、上部可動型51、下部可動型52、側部可
動型53及びボア入子機構54を備える。ウォータジャ
ケット16を形成するための成形突部57は厚肉部57
a及び先端部57bからなる。厚肉部57aの間隔d1
は、連結部37の幅(側面37a,37b間の間隔)W
5よりも若干小さく設定され、先端部57bの間隔d2
は幅W5よりも大きく設定されている。
【0100】ボア入子機構54は、固定型49から側部
可動型53へ向けて突出する複数(気筒数と同数)の入
子ピン94を備えている。入子ピン94はシリンダボア
♯1,♯2よりも若干小径の丸棒状をなしている。な
お、固定型49の側面50において成形突部57の外側
には、図29に示すボルト穴96を形成するための複数
のピン95が設けられている。ボルト穴96は、シリン
ダヘッド64をシリンダブロック11に締結するための
ボルトが螺合される穴である。
【0101】前記鋳型48にライナ構成体14を配置す
るには、まず図25に示すように、三つの可動型51〜
53を成形突部57からそれぞれ離間させて型開きす
る。ライナ構成体14のシリンダライナ31,32を対
応する入子ピン94に被せ、図26に示す位置まで押し
込む。この位置は、ライナ構成体14の押し込みに際
し、連結部35,37が厚肉部57aに接触し始めると
きの位置である。
【0102】鋳型48の型締めのために三つの可動型5
1〜53をそれぞれ移動させて成形突部57に接近させ
る。この移動の途中で側部可動型53がライナ構成体1
4に当接する。さらに側部可動型53が移動すると、同
可動型53によってライナ構成体14が押され、連結部
37が厚肉部57aによって囲まれた空間に圧入され
る。そして、鋳型48が完全に型締めされると、図27
に示すように、ライナ構成体14の上端が固定型49の
側面50に当接する。この状態では、各貫通路93の両
端が厚肉部57aによって塞がれる。また、固定型4
9、各可動型51〜53及びライナ構成体14間には、
ブロック本体12を成形するためのキャビティ61が形
成される。
【0103】続いて、鋳造体62を成形する工程につい
て説明する。この工程では、溶融状態の金属を前記キャ
ビティ61内に注湯する。この際、連結部35,37同
士が結合されていて両接合面36,38の間隔が実質的
に零である。また、全貫通路93の両端が厚肉部57a
によって塞がれている。このため、溶融金属が貫通路9
3内に侵入することが防止される。
【0104】前記溶融金属が硬化すると、図28に示す
ようにその金属(アルミニウム)によって鋳ぐるまれた
ライナ構成体14と、その回りを取り囲むウォータジャ
ケット16と、同ジャケット16の外側に位置する複数
のボルト穴96とを有する鋳造体62が成形される。
【0105】続いて、ウォータジャケット16及びボア
間冷却水路17を形成する工程について説明する。この
工程では、三つの可動型51〜53を成形突部57から
離間させるとともに、押し出しピン(図示略)により鋳
型48から鋳造体62を押し出す。すると、入子ピン9
4、ピン95及び成形突部57から鋳造体62が外れ
る。それまで厚肉部57aによって塞がれていた貫通路
93の両端が開放される。その結果、隣接する連結部3
5,37間には、ウォータジャケット16に連通するボ
ア間冷却水路17が形成され、図29に示すアルミニウ
ム製シリンダブロック11が得られる。
【0106】従って、本実施の形態によっても前述した
第一〜第三の実施の形態と同様に、隣接するシリンダボ
ア♯1,♯2の間隔が狭いにもかかわらず、十分な量の
冷却水を流通可能にしたボア間冷却水路17を形成する
ことができる。また、シリンダボア♯1,♯2間におい
て十分な幅のシール面13を確保することができる。加
えて、本実施の形態では、貫通路93の両端が連結部3
7の側面37a,37bにおいて開口するライナ構成体
14を形成し、鋳型48の一部(成形突部57)によっ
てその開口を塞いだり開放したりしている。このため、
鋳造体62の成形後にボア間冷却水路17の形成のため
にその鋳造体62の一部を切除しなくてもすむ。その
分、製造工数を少なくし、シリンダブロック11の製造
コストを低減できる。
【0107】本実施の形態は、前述した事項以外にも次
に示す特徴を有する。 (a)成形突部57の全体を厚肉部57aとするのでは
なく、貫通路93の両端に対応する箇所のみを厚肉部5
7aとしている。このため、ライナ構成体14を鋳型4
8に配置して型締めしたとき、成形突部57の先端部5
7bは連結部35,37から離間する。別の表現をする
と、連結部35,37と先端部57bとの間に空間が生
じ、これがキャビティ61の一部となる。鋳造時には溶
融金属の一部が前記空間に入り込み、ライナ構成体14
において貫通路93よりも下方部分を被覆する。この被
覆部62aの部分だけ、ライナ構成体14が鋳造体62
によって保持される箇所の面積が増え、シリンダブロッ
ク11におけるライナ構成体14の保持強度が確保され
る。
【0108】(b)厚肉部57aの間隔d1が、連結部
37の幅w5よりも若干小さく設定されている。このた
め、ライナ構成体14が図27に示すように入子ピン9
4に完全に被せられた状態では、厚肉部57aが連結部
37の側面37a,37bに圧接する。同側面37a,
37bと厚肉部57aとの隙間が実質的に零となるの
で、鋳造時にこの隙間から溶融金属が貫通路93内に侵
入するのを確実に防止することができる。
【0109】(c)図26において連結部37を厚肉部
57aに圧入するには比較的大きな力が必要となる。本
実施の形態ではこの圧入のために、型締めの際の側部可
動型53の動きを利用している。このため、前記圧入に
先立ち、各シリンダライナ31,32を対応する入子ピ
ン94の先端に被せて係止すれば、型締めとほぼ同時に
ライナ構成体14が自動的に図27に示す所定の位置に
配置される。連結部37を厚肉部57aに圧入するのに
特別に機構を設けなくてもよい。
【0110】(d)ボア間冷却水路17の形成のために
切削等の加工を行わないので、切粉、ばり、かえり等の
発生がない。これらのばり等がボア間冷却水路17に入
り込んでその断面積を小さくし、冷却水の流れを遮った
り乱したりする不具合を未然に防止できる。
【0111】なお、本発明は次に示す別の実施の形態に
具体化することができる。 (1)各シリンダライナ31〜34の材質はアルミニウ
ム合金以外にも、鋳鉄や合金鋳鉄であってもよい。この
場合には、シリンダライナは鋳造によって形成される。
凹部、突条、溝等はシリンダライナの鋳造時におおまか
な形状に形成され、その後、機械加工によって仕上げら
れる。また、各シリンダライナ31〜34の材質として
MMCを用いてもよい。
【0112】(2)本発明の製造方法は、4気筒のシリ
ンダブロックに限らず、2つ以上の気筒を有するシリン
ダブロックであれば適用可能である。 (3)第一〜第四の実施の形態の穴23,24に代え、
鋳型に予め連通部形成用のピンを配置しておき、この状
態で鋳造を行う。そして、鋳型の型開き時に鋳造体から
ピンを引き抜く。このようにすれば、ピンの引き出しに
よって生じた空間を連通部とすることができる。この場
合には、ドリルによる穴あけは不要となる。
【0113】(4)ライナ構成体14を鋳ぐるむ場合に
は、これに溶湯の熱が伝達する。このため、第二の実施
の形態で説明した接着による連結部35,37,39の
結合構造では、接着剤に耐熱性が要求される。特に、前
記熱は連結部35,37,39の周囲から中心部へ向け
て伝達するので、第二の実施の形態のように接着剤が接
合面36,38,41の周縁部に沿って四角環状に塗布
されると、接着剤が高温となる。従って、接着剤の種類
によっては、すなわち、耐熱性が十分に高くない接着剤
を用いた場合には、塗布する位置を適宜変更することが
望ましい。
【0114】例えば、図15において二点鎖線で示すよ
うに、接合面38(36,41)の中央部分に溝68を
形成し、ここに接着剤を塗布して連結部35,37,3
9を結合する。このようにすれば、鋳造にともない接着
剤が受ける熱の影響を少なくできる。
【0115】(5)シリンダライナ31〜34同士を連
結してライナ構成体14を形成するのに、以下の方法を
採ってもよい。隣接するシリンダライナ31〜34の接
合面36,38,41同士を接触させた後、それらの外
周部分を溶接してもよい。
【0116】また、図30に示すように、接合面36の
両側部に、シリンダライナ31の全長にわたり一対のキ
ー溝74を形成するとともに、接合面38の両側部に、
シリンダライナ32の全長にわたって延びるキー75を
形成してもよい。この場合、シリンダライナ31,32
の少なくとも一方を紙面と直交する方向へスライドさせ
ることにより、キー75をキー溝74に差し込む。する
と、シリンダライナ31,32が相互に連結され、ライ
ナ構成体14の長さ方向へ外れなくなる。
【0117】(6)ボア間冷却水路17を構成する凹部
の形状を適宜に変更してもよい。例えば、図31に示す
ように、隣接するシリンダボア♯1,♯2の間隔が最も
狭い部分では凹部76を最も浅くし、ウォータジャケッ
ト16に近づくほど深くしてもよい。このようにすれ
ば、第一の実施の形態のように、凹部46,47の深さ
がどの部位においても一定である場合に比べ、ボア間冷
却水路17の容積が拡大するので、冷却効果を向上させ
ることができる。
【0118】また、シリンダライナの軸線L3が延びる
方向に交差する複数本の溝によって凹部46,47を構
成してもよい。図32,33には、第二シリンダライナ
32の軸線L3が延びる方向に直交する4本の凹部4
6,47が一例として示されている。この際、形状の異
なる二種類のシリンダライナ31,34及び32,33
によってライナ構成体14を構成する場合には、図34
に示すように第二シリンダライナ32(第三シリンダラ
イナ33)の接合面38に凹部46を設け、第一シリン
ダライナ31(第四シリンダライナ34)の接合面36
には同凹部46を設けない。図35に示すように、第二
及び第三シリンダライナ32,33の各接合面41に凹
部47を設ける。このように複数本の溝によって凹部4
6,47を構成すれば、シリンダライナ31〜34同士
の結合剛性を向上させ、ボア間位置でのボア剛性を向上
できる。
【0119】なお、前記凹部46,47の数は複数とい
う制限のもとで適宜変更可能である。また、凹部46,
47はシリンダライナの軸線L3が延びる方向に交差す
るものであればよく、同方向に対し斜めに交わるもので
あってもよい。凹部46,47は非直線状をなすもの、
例えば、真っ直ぐ延びず湾曲部分を有するものであって
もよい。さらに、隣接する凹部46,47は互いに平行
でなくてもよい。
【0120】(7)前記穴23,24の深さを変更する
ことによって、ウォータジャケット16と閉空間21,
22との連通部分の大きさを変え、冷却水19の流通の
しやすさを適宜設定できる。
【0121】(8)前記第一の実施の形態における突条
43,45を溝に変更し、溝42,44を突条に変更し
てもよい。このようにしても、第一の実施の形態と同様
に、二種類のシリンダライナ31,34及び32,33
を製作するだけでよい。
【0122】(9)ライナ構成体14が十分に高い強度
を有していて、注湯時に溶融金属の熱によって変形しな
い場合には、前記第一の実施の形態で用いたボア入子機
構を省略してもよい。
【0123】(10)前記各実施の形態ではブロック本
体12を構成する材料とシリンダライナ31〜34を構
成する材料とが異なっている。これらの材料の線膨張係
数が異なると、エンジン作動にともなう熱によってブロ
ック本体12とシリンダライナ31〜34との境界部分
に微小な隙間ができる場合がある。この隙間によりブロ
ック本体12とシリンダライナ31〜34とが滑るのを
防止するには、それらの外周面に凹凸を設けることが有
効である。
【0124】例えば、押出し加工によってシリンダライ
ナ31〜34を製作する場合には、その加工時に押出し
方向に沿って延びる多数本の溝あるいは突条を形成す
る。また、鋳造によってシリンダライナ31〜34を製
作する場合には、それらの外周面に沿って、互いに異な
る方向へ延びる多数本の第一の溝(又は第一の突条)
と、第二の溝(又は第二の突条)とを形成する。
【0125】(11)第二の発明は、第一の実施の形態
において説明したような、挟持突起80,81や溝84
のないタイプのシリンダブロック11にも適用可能であ
る。この場合には、図3における溝42の深さH1を、
突条43の高さH2よりも0.2mm以上大きくする(H
1≧H2+0.2)。このようにしても溝42に突条4
3が圧入された状態で、同溝42の内底面と突条43の
先端面との間に溶融金属の流通可能な一つの空隙が生ず
る。この空隙に溶融金属を注湯・充填させれば、第四の
実施の形態と同様に冷却水19の漏れを防止できる。
【0126】(12)嵌合部87の形状や、空隙88,
89の数及び形状は第四の実施の形態で説明したものに
限らず、種々変更可能である。 (13)前記第四の実施の形態において、溶融金属を空
隙88,89内へ供給する処理は、ライナ構成体14の
形成工程と連通部(穴23,24)の形成工程との間で
行われればよい。従って、鋳造体62の形成のために注
湯される溶融金属を利用せずに、別途、溶融金属を空隙
88,89内へ供給するようにしてもよい。この場合、
鋳造体62の成形のための金属材料と、空隙88,89
を充填するための金属材料とを異ならせてもよい。
【0127】(14)第五の実施の形態では第二シリン
ダライナ32の連結部37にのみ凹部として溝92を形
成したが、第一シリンダライナ31の連結部35のみ、
又は両方の連結部35,37に溝92を形成してもよ
い。
【0128】(15)第五の実施の形態において、貫通
路93に要求される要件は、その両端が連結部37の両
側面37a,37bにおいて開口していることのみであ
る。従って、それ以外の点で適宜変更可能である。例え
ば、貫通路93の数を3本未満、あるいは4本以上に変
更してもよい。また、各貫通路93はシリンダライナ3
1,32の軸線L3が延びる方向に斜めに交差していて
もよい。さらに、貫通路93の深さは部分的に他の箇所
と異なっていてもよい。
【0129】(16)ライナ上端はヘッドガスケットシ
ール性上ブロック上面に露出しないとしたが、シム付き
ヘッドガスケットのようにヘッドガスケットの面圧が高
い場合、又はブロック上面温度が高い場合においてはラ
イナ上端をブロック上面に露出してライナ上端面にてヘ
ッドガスケットを受けるようにしてもよい。これはブロ
ック材よりライナ材の方が高温時の限界面圧が高いた
め、上記のような環境においては露出した方がシール性
が向上するからである。
【0130】(17)ライナは二層構造でなくてもよ
い。以上、本発明の各実施の形態について説明したが、
各形態から把握できる請求項以外の技術的思想につい
て、以下にそれらの効果とともに記載する。
【0131】(イ)請求項1に記載の製造方法におい
て、前記各連結部には平坦な接合面が形成され、隣接す
る接合面の一方には溝が形成され、他方の接合面の前記
溝に対応する箇所には突条が形成されており、前記ライ
ナ構成体を形成する工程は、前記突条を溝に圧入し、隣
接する接合面同士を当接させる処理を含むシリンダブロ
ックの製造方法。このようにすれば、互いに隣接するシ
リンダライナを簡単な作業で連結させて、ライナ構成体
を得ることができる。
【0132】(ロ)請求項1に記載の製造方法におい
て、前記各連結部には平坦な接合面が形成されるととも
に、一方の接合面には溝が形成されており、前記ライナ
構成体を形成する工程は、前記溝に接着剤を塗布する処
理と、両接合面を相互に圧接させる処理とを含むシリン
ダブロックの製造方法。このようにすれば、特別な連結
構造、例えば上記(イ)の溝や突条を用いなくても、互
いに隣接するシリンダライナ同士を接着剤によって簡単
に連結して、ライナ構成体を得ることができる。
【0133】(ハ)上記(ロ)に記載の製造方法におい
て、前記溝は接合面の中央部分に位置するものであるシ
リンダブロックの製造方法。このようにすれば、鋳造時
の熱が接着剤に与える影響が小さくなるので、使用可能
な接着剤の種類が多くなる。
【0134】(ニ)請求項1に記載の製造方法におい
て、前記各連結部には平坦な接合面が形成されており、
前記ライナ構成体を形成する工程は、前記鋳造体を成形
する工程に先立ち、鋳型内に各シリンダライナを列をな
すように配置した後、両端に位置するシリンダライナを
ピンにより加圧し、隣接する接合面同士を密接させる処
理を含むシリンダブロックの製造方法。このようにすれ
ば、特別な連結構造、例えば上記(イ)の溝や突条を用
いなくても、互いに隣接するシリンダライナ同士を簡単
に接合させて、ライナ構成体を得ることができる。
【0135】(ホ)請求項2に記載の製造方法におい
て、前記ライナ構成体の成形工程は、0.2mm以上の幅
を有する空隙を生じさせる処理を含むものであるシリン
ダブロックの製造方法。このようにすれば、溶融金属を
確実に空隙内に流入させることができ、第2の発明の効
果を確実に奏することが可能となる。
【0136】(ヘ)請求項2に記載の製造方法におい
て、前記嵌合部はシリンダライナの成形時に形成したも
のであるシリンダブロックの製造方法。このようにすれ
ば、各シリンダライナを連結した後の状態、すなわち、
ライナ構成体の状態で機械加工等により空隙を形成する
場合に比べ、簡単に所望の空隙を得ることができる。
【0137】(ト)請求項2に記載の製造方法におい
て、前記鋳造体の成形工程の実施に際し、鋳型に注湯さ
れる溶融金属の一部を前記空隙に供給するようにしたシ
リンダブロックの製造方法。このようにすれば、比較的
簡単に、しかも余分な時間を要することなく空隙に溶融
金属を注湯・充填することができる。
【0138】(チ)請求項3に記載の製造方法におい
て、前記ライナ構成体を鋳型内に配置する工程は、前記
ウォータジャケットを成形するための成形突部に連結部
を圧入する処理を含むものであるシリンダブロックの製
造方法。このようにすれば、ライナ構成体を鋳型内に配
置したときには成形突部が連結部の両側面に圧接するの
で、鋳造時に溶融金属が貫通路内に侵入するのを確実に
防止できる。
【0139】(リ)上記(チ)に記載の製造方法におい
て、前記ライナ構成体を配置する工程は、鋳型の型締め
時に移動する可動型(側部可動型)により前記連結部を
両成形突部に押し込む処理を含むものであるシリンダブ
ロックの製造方法。このようにすれば、型締めの際の可
動型の動きを利用して、連結部を両成形突部間に押し込
むことができるので、この押し込みのための専用の機構
を別途設けなくてもすむ。
【0140】(ヌ)請求項3に記載の製造方法におい
て、前記鋳造体を成形する工程は、連結部において貫通
路の開口とは異なる箇所を鋳ぐるむ処理を含むものであ
るシリンダブロックの製造方法。このようにすれば、鋳
造体におけるライナ構成体の保持強度を確保できる。
【0141】
【発明の効果】第一の発明によれば、シリンダボア間が
狭く、かつ十分な量の冷却水が流通可能なボア間冷却水
路を有し、さらにシリンダボア間に十分な幅のシール面
を有するシリンダブロックを製造することができる。
【0142】第二の発明によれば、第一の発明の効果に
加え、冷却水がボア間冷却水路、特に連通部を流通する
際に、嵌合部及びその近傍部分から漏れ出ることのない
シリンダブロックを製造することができる。
【0143】第三の発明によれば、第一の発明と同様の
効果を奏するほか、ボア間冷却水路の形成のために、鋳
造体の成形後にその一部を切除しなくてもすみ、製造工
数を少なくできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一の実施の形態における各シリンダライナの
平面図。
【図2】図1のA−A線断面図。
【図3】図1のX部の拡大図。
【図4】隣接するシリンダライナを接合させた状態を示
す部分平面図。
【図5】鋳型を型開きした状態を示す部分断面図。
【図6】鋳型を型締めした状態を示す部分断面図。
【図7】鋳型を用いて鋳造体を成形した状態を示す部分
断面図。
【図8】シリンダブロックの部分平面図。
【図9】図8のB−B線断面図。
【図10】図8のC−C線拡大断面図。
【図11】図8のE−E線拡大断面図。
【図12】図8のF−F線拡大断面図。
【図13】図8のG−G線拡大断面図。
【図14】第二の実施の形態における各シリンダライナ
の一部を破断して示す平面図。
【図15】図14の第二シリンダライナの左側面図。
【図16】第三の実施の形態のライナ構成体を形成する
状態を示す概略平面図。
【図17】鋳造体を成形する状態を示す概略正面図。
【図18】第四の実施の形態において隣接するシリンダ
ライナを相互に接合させる前の状態を示す部分平面図。
【図19】突条を溝に圧入する前の状態を示す部分平面
図。
【図20】両シリンダライナを相互に接合させた状態を
示す部分平面図。
【図21】図20のY部の拡大図。
【図22】鋳造体におけるシリンダボア間の部分拡大平
面図。
【図23】空隙が金属によって充填された状態を示す部
分平断面図。
【図24】第五の実施の形態におけるライナ構成体の部
分平面図。
【図25】鋳型にライナ構成体を配置する前の状態を示
す断面図。
【図26】ライナ構成体の連結部を成形突部の途中まで
挿入した状態を示す断面図。
【図27】連結部を成形突部の厚肉部に圧入した状態を
示す断面図。
【図28】鋳型内で鋳造体を成形した状態を示す断面
図。
【図29】シリンダブロックの部分平面図。
【図30】シリンダライナ同士の連結構造の別の形態を
示す部分平面図。
【図31】ボア間冷却水路の別の形態を示す部分平面
図。
【図32】ボア間冷却水路の別の形態を示し、図2に対
応する断面図。
【図33】ボア間冷却水路の別の形態を示し、図13に対
応する部分断面図。
【図34】ボア間冷却水路の別の形態を示し、図10に対
応する部分断面図。
【図35】ボア間冷却水路の別の形態を示し、図11に対
応する部分断面図。
【符号の説明】
11…シリンダブロック、13…シール面、14…ライ
ナ構成体、16…ウォータジャケット、17…ボア間冷
却水路、21,22…閉空間、23,24…連通部とし
ての穴、31…第一シリンダライナ、32…第二シリン
ダライナ、33…第三シリンダライナ、34…第四シリ
ンダライナ、35,37,39…連結部、37a,37
b…側面、46,47…凹部、48…鋳型、62…鋳造
体、63…ガスケット、87…嵌合部、88,89…空
隙、93…貫通路、♯1…第一シリンダボア、♯2…第
二シリンダボア、♯3…第三シリンダボア、♯4…第四
シリンダボア。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F02F 1/14 F02F 1/14 D B

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガスケットが載置されるシール面と、列
    をなすように配置され、かつ前記シール面に開口する複
    数のシリンダボアと、前記複数のシリンダボアを取り囲
    むウォータジャケットと、互いに隣接するシリンダボア
    間に位置し、かつ自身の両側部において前記ウォータジ
    ャケットに連通するボア間冷却水路とを備えたシリンダ
    ブロックを製造する方法であって、 互いに隣接し、かつ各々シリンダボアを有するシリンダ
    ライナを、少なくとも一方に凹部の形成された連結部に
    て接合させることにより、両連結部間に閉空間を有する
    ライナ構成体を形成する工程と、 前記ライナ構成体の配置された鋳型に溶融金属を注湯す
    ることにより、前記ライナ構成体の周囲にウォータジャ
    ケットを有する鋳造体を成形する工程と、 前記ボア間冷却水路を成形すべく、前記閉空間の両側部
    及び前記ウォータジャケットを連通させる連通部を前記
    鋳造体に形成する工程とを備えたシリンダブロックの製
    造方法。
  2. 【請求項2】 前記ライナ構成体の形成工程は、隣接す
    るシリンダライナの接合に際し、前記連通部に対応する
    箇所の嵌合部にて両連結部を相互に嵌合させるととも
    に、両連結部間において前記嵌合部の近傍に、溶融金属
    の流入を可能にした空隙を生じさせる処理を含み、さら
    に前記ライナ構成体の形成工程と前記連通部の形成工程
    との間に、溶融金属を前記空隙に注湯する処理を設けた
    請求項1に記載のシリンダブロックの製造方法。
  3. 【請求項3】 ガスケットが載置されるシール面と、列
    をなすように配置され、かつ前記シール面に開口する複
    数のシリンダボアと、前記複数のシリンダボアを取り囲
    むウォータジャケットと、互いに隣接するシリンダボア
    間に位置し、かつ自身の両側部において前記ウォータジ
    ャケットに連通するボア間冷却水路とを備えたシリンダ
    ブロックを製造する方法であって、 互いに隣接し、かつ各々シリンダボアを有するシリンダ
    ライナを、少なくとも一方に凹部の形成された連結部に
    て接合させることにより、同連結部の両側面にて開口す
    る貫通路を有するライナ構成体を形成する工程と、 前記貫通路の両開口が鋳型の一部により塞がれるように
    して前記ライナ構成体を同鋳型内に配置する工程と、 前記鋳型内に溶融金属を注湯した後に硬化させ、前記ラ
    イナ構成体を鋳ぐるんで鋳造体を成形する工程と、 前記鋳造体を前記鋳型から取り出すことにより、前記ラ
    イナ構成体の周囲にウォータジャケットを形成し、か
    つ、同ウォータジャケットに開口するボア間冷却水路を
    形成する工程とを備えたシリンダブロックの製造方法。
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