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JPH09158254A - 掘削機の掘削制御装置 - Google Patents

掘削機の掘削制御装置

Info

Publication number
JPH09158254A
JPH09158254A JP33990095A JP33990095A JPH09158254A JP H09158254 A JPH09158254 A JP H09158254A JP 33990095 A JP33990095 A JP 33990095A JP 33990095 A JP33990095 A JP 33990095A JP H09158254 A JPH09158254 A JP H09158254A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
speed
control
excavation
penetration input
rope
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP33990095A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshitaka Ida
義隆 井田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo SHI Construction Machinery Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo SHI Construction Machinery Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo SHI Construction Machinery Co Ltd filed Critical Sumitomo SHI Construction Machinery Co Ltd
Priority to JP33990095A priority Critical patent/JPH09158254A/ja
Publication of JPH09158254A publication Critical patent/JPH09158254A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Operation Control Of Excavators (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 掘削機の実歯先荷重が制限値を越える前に定
速制御から貫入力制御に切り替えられると共に各ドラム
から等しい速度でロープが繰り出される掘削機の掘削制
御装置を安価に提供する。 【構成】 掘削速度制御値Uvaが貫入力制御値Ufaより
も小さい場合には、制御切替器51は小さい方の掘削速
度制御値Uvaを選択し、方向流量制御弁19aおよび加
算器35に掘削速度制御値Uvaを与えて掘削速度制御を
行わせる。また、貫入力制御値Ufaが掘削速度制御値U
vaよりも小さい場合には、方向流量制御弁19aおよび
加算器35に貫入力制御値Ufaを与えて貫入力制御を行
わせる。方向流量制御弁19bにはロープ速度偏差ve
に応じた同調制御値Ua が加えられる。このため、掘削
制御は、各ウインチドラム6a,bから繰出される各巻
上げワイヤロープ5a,bの移動速度vra,vrbが等し
い状態で行われる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ワイヤロープに吊られ
た掘削機の掘削速度および貫入力を制御する掘削機の掘
削制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の掘削制御装置では、ウイ
ンチドラムから繰り出されるワイヤロープ量が油圧モー
タの回転制御によって調整され、ワイヤロープに吊られ
た掘削機の地中への降下速度および貫入力が制御されて
いる。この油圧モータの回転制御は流量制御弁に供給さ
れる作動油の流量が調整されて行われている。このよう
な掘削制御装置としては、例えば、特公平7−2641
4号公報に開示されたものがある。同公報では、ウイン
チドラムを駆動する油圧モータは定速制御部と歯先荷重
制御部とによって回転制御されている。定速制御部は掘
削機が地中へ降下する掘削速度を一定に保ち、また、歯
先荷重制御部は地層から掘削機の歯先にかかる荷重を一
定範囲に保って貫入力を制御する。掘削制御は、掘削機
の歯先荷重がその制限値を越えたときに切替手段によっ
て自動的に切り替えられ、定速制御部による掘削定速制
御から歯先荷重制御部による貫入力制御に切り替えられ
る。このため、同公報に開示された掘削機の掘削制御装
置によれば、掘削機の歯先に過大な荷重がかかって歯先
が損傷することが防止される。
【0003】また、定速制御は、ワイヤロープの繰出移
動速度から検出した実掘削速度と目標掘削速度との偏差
をなくすフィードバック制御によって行われている。こ
の際、掘削速度制御の応答性を向上させるため、目標掘
削速度設定時の油圧モータの回転速度を制御基準値とす
るフィードフォワード制御が行われている。さらに、流
量制御弁へ制御信号を出力する出力部において、定速制
御のための基本制御量に油圧モータの回転数が加算され
てフィードフォワード制御が行われている。
【0004】また、掘削機の重量が大きい場合には、掘
削機は多数掛けされたワイヤロープによって吊られる。
例えば、このワイヤロープが2つのウインチドラムから
繰り出される場合、各ウインチドラムは各ウインチドラ
ムに連結した2台の油圧モータによってそれぞれ回転駆
動され、ワイヤロープの各繰り出し量が調整される。こ
の場合、上述した掘削制御装置は各油圧モータに対応し
て2組設けられる。そして、これら各掘削制御装置のそ
れぞれにおいて、上述した定速制御部および歯先荷重制
御部が切替手段によってそれぞれ適宜切り替えられるこ
とにより、各油圧モータが回転制御されて掘削機の掘削
速度および貫入力が制御される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の掘削制御装置では、定速制御から貫入力制御への掘
削制御の切り替えは、掘削機の歯先荷重がその制限値を
越えたときに行われている。つまり、この切替制御は、
歯先荷重制御部内の符号判別器によって行われており、
歯先荷重の制限値WL から実歯先荷重Wr を減算して得
られる偏差△W(=WL −Wr )の符号が負に変わって
からでないと行われない。従って、上記従来の掘削制御
装置では定速制御から貫入力制御への切り替えは、実歯
先荷重Wrが歯先荷重の制限値WL を超過してから行わ
れることになる。このため、偏差△Wの値が大きく、超
過量が大きい場合には、掘削機の掘削歯に制限値WL
越える大きな荷重が加わり、歯先が破損してしまうこと
が十分に考えられる。
【0006】また、実掘削速度は掘削機を吊っているワ
イヤロープの移動速度から検出しているが、ワイヤロー
プは、掘削機が地面を掘削する際にその掘削歯が地層か
ら力を受けることによって伸縮する。従って、ワイヤロ
ープのこの伸縮の影響を除去するため、実掘削速度の演
算時にワイヤロープ移動検出の平均時間を長くとる必要
がある。よって、実掘削速度の検出に時間がかかり、掘
削速度制御時間が長くなって掘削機の速度制御に応答遅
れが生じてしまう。
【0007】このような速度制御の応答遅れを改善する
ため、上記従来の掘削制御装置では、前述のように、油
圧モータの回転速度を制御基準値とするフィードフォワ
ード制御を定速制御に取り入れ、また、出力部において
基本制御量と油圧モータの回転数との偏差によるフィー
ドバック制御を行っている。このため、上記従来の掘削
制御装置では、ロープ移動速度を検出する掘削速度検出
器の他に油圧モータの回転数検出器が用いられており、
掘削速度検出に2系統のセンサが必要とされている。よ
って、上記従来の掘削制御装置は構成要素が増えるため
に信頼性が低下し、しかも、制御装置の製品コストは上
昇する。
【0008】また、ワイヤロープを2つのウインチドラ
ムから繰り出す場合、定速制御時には、各流量制御弁は
2組の掘削制御装置の各定速制御部によってそれぞれ別
個に制御されるため、各油圧モータは相互に独立に回転
駆動される。また、貫入力制御時にも、各流量制御弁は
2組の掘削制御装置の各歯先荷重制御部によってそれぞ
れ別個に制御されるため、各油圧モータは相互に同調さ
れることなく回転駆動される。このため、上記従来の掘
削制御装置においては、各ウインチドラムは掘削速度制
御時および貫入力制御時に等しい動きはしない。
【0009】従って、目標掘削深度まで掘削機が降下で
きるようにワイヤロープの長さを決め、このワイヤロー
プを各ウインチドラムに等しく巻き取って掘削制御を開
始しても、2つのウインチドラムから繰り出される各ワ
イヤロープ長さには時間の経過とともに差を生じる。よ
って、掘削機が目標掘削深度に達する前に、2つのウイ
ンチドラムの一方のウインチドラムに巻き取られたワイ
ヤロープは全て繰り出されてしまい、各ウインチドラム
のロープ巻き容量に差を生じる。このため、上記従来の
掘削制御装置においては、各ウインチドラムに巻き取る
ワイヤロープの長さを予め調整して各ロープ巻き容量の
差を考慮しておくことが必要となり、掘削制御操作は煩
わしくなる。また、このロープ巻き容量の調整が十分に
行われない場合には、各ウインチドラムから繰り出され
るワイヤロープ長さに大きな差が生じ、ウインチドラム
からワイヤロープが外れてしまう場合があり、危険であ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明はこのような課題
を解決するためになされたもので、ドラムを油圧モータ
によって回転駆動し、ドラムに巻かれたワイヤロープの
繰り出し量を調整してこのワイヤロープに吊られた掘削
機の掘削速度および貫入力を制御する掘削機の掘削制御
装置において、流量制御信号に応じて油圧モータに供給
する作動油の流量を調整して油圧モータの回転を制御す
る流量制御弁と、掘削機による掘削の実速度を検出する
掘削速度検出手段と、この掘削速度検出手段によって検
出された実掘削速度と予め設定された目標掘削速度との
偏差を求め、この速度偏差に応じた速度制御値を演算出
力する掘削速度制御手段と、掘削機の実貫入力を検出す
る貫入力検出手段と、この貫入力検出手段によって検出
された実貫入力と予め設定された目標貫入力との偏差を
求め、この貫入力偏差に応じた貫入力制御値を演算出力
する貫入力制御手段と、速度制御値と貫入力制御値とを
比較して小さい方の制御値を流量制御信号として流量制
御弁に与える制御切替手段とを備え、掘削制御装置を構
成した。
【0011】また、機械的連結を持たない複数のドラム
を相互に独立した複数の油圧モータによってそれぞれ回
転駆動し、これら各ドラムに巻かれたワイヤロープの繰
り出し量を調整してこのワイヤロープに吊られた掘削機
の掘削速度および貫入力を制御する掘削機の掘削制御装
置において、流量制御信号に応じて各油圧モータに供給
する作動油の流量を調整して各油圧モータの回転をそれ
ぞれ制御する複数の流量制御弁と、掘削機による掘削の
実速度を検出する掘削速度検出手段と、この掘削速度検
出手段によって検出された実掘削速度と予め設定された
目標掘削速度との偏差を求め、この速度偏差に応じた速
度制御値を演算出力する掘削速度制御手段と、掘削機の
実貫入力を検出する貫入力検出手段と、この貫入力検出
手段によって検出された実貫入力と予め設定された目標
貫入力との偏差を求め、この貫入力偏差に応じた貫入力
制御値を演算出力する貫入力制御手段と、速度制御値と
貫入力制御値とを比較して小さい方の制御値を流量制御
信号として各流量制御弁に与える制御切替手段と、掘削
速度検出手段によって検出されたワイヤロープの各繰出
速度の偏差を求め、この繰出速度偏差に応じた同調制御
値を制御切替手段から出力されるいずれかの流量制御信
号に加算する同調制御手段とを備え、掘削制御装置を構
成した。
【0012】また、上記掘削速度検出手段を、油圧モー
タの回転数からワイヤロープの繰出速度を演算する構成
とした。
【0013】また、機械的連結を持たない複数のドラム
を相互に独立した複数の油圧モータによってそれぞれ回
転駆動し、これら各ドラムに巻かれたワイヤロープの繰
り出し量を調整してこのワイヤロープに吊られた掘削機
の掘削速度および貫入力を制御する掘削機の掘削制御装
置において、流量制御信号に応じて各油圧モータに供給
する作動油の流量を調整して各油圧モータの回転をそれ
ぞれ制御する複数の流量制御弁と、各ドラムから繰り出
されるワイヤロープの各繰出速度を油圧モータの回転数
から演算するロープ速度検出手段と、このロープ速度検
出手段によって検出された各ロープ速度と予め設定され
た目標ロープ速度との各偏差を求め、これら各ロープ速
度偏差に応じた各ロープ速度制御値を演算出力するロー
プ速度制御手段と、掘削機の実貫入力を検出する貫入力
検出手段と、この貫入力検出手段によって検出された実
貫入力と予め設定された目標貫入力との偏差を求め、こ
の貫入力偏差に応じた貫入力制御値を演算出力する貫入
力制御手段と、各ロープ速度制御値および貫入力制御値
のうちで一番小さい制御値を選択し、選択した制御値が
ロープ速度制御値である場合には各ロープ速度制御値を
流量制御信号として各流量制御弁に与え、選択した制御
値が貫入力制御値である場合には貫入力制御値を流量制
御信号として各流量制御弁に与える制御切替手段とを備
え、掘削制御装置を構成した。
【0014】
【作用】掘削機の歯先に荷重がかかると実貫入力が大き
くなって貫入力偏差は減少する。従って、この貫入力偏
差に応じた貫入力制御値の初期値を速度制御値の初期値
に対して適当に設定しておけば、定速制御と貫入力制御
との切替制御は、速度制御値と貫入力制御値とのうちの
小さい方の制御値を制御切替手段によって流量制御弁に
与えることによって行える。つまり、切替制御は貫入力
偏差の減少が検出されることによって行われ、貫入力偏
差の符号が変化する前に行われる。
【0015】また、掘削速度検出手段において、油圧モ
ータの回転数からワイヤロープの繰出速度を演算するこ
とにより、伸縮するおそれのあるワイヤロープの実際の
移動速度を検出することなく、実掘削速度が求められ
る。
【0016】また、ワイヤロープを複数のドラムから繰
り出す場合に、同調制御手段により、いずれかの流量制
御弁に与えられる制御値に各ロープ繰出速度の偏差に応
じた同調制御値が加えられることにより、この同調制御
値が与えられた流量制御弁によって制御される油圧モー
タの回転は他の油圧モータの回転に等しくされ、各油圧
モータは同調制御される。
【0017】また、ロープ速度検出手段によってワイヤ
ロープの各繰出速度を演算し、ロープ速度制御手段によ
り、検出された各ロープ速度と予め設定された目標ロー
プ速度との各偏差を求め、これら各ロープ速度偏差に応
じた各ロープ速度制御値を制御切替手段を介して各流量
制御弁に与えることにより、各油圧モータの回転は各ロ
ープ速度が目標ロープ速度に一致するように制御され
る。
【0018】
【実施例】次に、本発明の一実施例による掘削機の掘削
制御装置について説明する。
【0019】図2は本実施例による掘削制御装置が適用
される掘削専用クローラクレーンの概略図である。
【0020】クローラ式下部走行体1には上部旋回体2
が旋回自在に搭載されており、この上部旋回体2の前部
にはブーム3が俯仰動可能に枢着している。ブーム3に
は地下連続壁掘削機4がフロントアタッチメントとして
装着されている。この掘削機4は巻上げワイヤロープ5
に吊り下げられており、巻上げワイヤロープ5a,bが
各ウインチドラム6a,bに巻き取られている。巻上げ
ワイヤロープ5a,bは、ブーム3の先端部に取り付け
られた各ガイドシーブ7および掘削機4の上部に取り付
けられた各シーブ8に掛け回されている。
【0021】上部旋回体2の後部にはAフレーム9が設
けられており、このAフレーム9の頂部にはベイル10
が取り付けられている。ベイル10およびブライドル1
1間には起伏ワイヤロープ12が巻回されている。起伏
ワイヤロープ12の一端は起伏ドラム13に連結されて
おり、他端は荷重センサ14につながれている。ブライ
ドル11はペンダントロープ15によってブーム3の先
端部につながれている。起伏ワイヤロープ12が起伏ド
ラム13に巻き取られるとブライドル11がベイル10
側に引き寄せられ、ペンダントロープ15が引っ張られ
てブーム3が俯仰動される。この際、起伏ワイヤロープ
12にかかる張力は荷重センサ14に検出される。ま
た、ブーム3の俯仰動によって変化するブーム角度は、
ブーム3の基端部に取り付けられた角度センサ16によ
って検出される。
【0022】図3は上記のクローラクレーンに適用され
る、本実施例による掘削制御装置の概略構成を示すブロ
ック図である。なお、同図において図2と同一部分には
同一符号を用いている。
【0023】各ウインチドラム6a,bは機械的連結を
持っておらず、相互に独立した2台の油圧モータ17
a,bによってそれぞれ回転駆動される。この際、各油
圧モータ17a,bの回転は、減速機18a,bによっ
てそれぞれ減速されて各ウインチドラム6a,bに伝達
される。各油圧モータ17a,bの回転は各方向流量制
御弁19a,bによって制御され、各方向流量制御弁1
9a,bは各油圧モータ17a,bに供給する作動油の
流量を調整する。この調整は、コントローラ20から各
方向流量制御弁19a,bに与えられる各流量制御信号
に応じて行われる。また、各油圧モータ17a,bの回
転数は、各エンコーダ21a,bの出力信号が各モータ
回転数検出器22a,bに取り込まれて検知され、コン
トローラ20に与えられる。
【0024】また、コントローラ20には、目標貫入力
設定器23から掘削機4の目標とする貫入力Ft が与え
られ、目標速度設定器24から掘削機4の目標とする掘
削速度Vt が与えられる。さらに、掘削機重量設定器2
5から掘削機4の実際の重量W0 が与えられる。また、
荷重センサ14によって検出された起伏ロープ12の張
力Tは俯仰張力検出器26で検知され、俯仰張力検出器
26はこの俯仰張力Tをコントローラ20に与える。ま
た、ブーム角度センサ16によって検出されたブーム3
の俯仰角度θはブーム角度検出器27で検知され、ブー
ム角度検出器27はこの俯仰角度θをコントローラ20
に与える。
【0025】本実施例による掘削制御装置は、方向流量
制御弁19a,b、コントローラ20、モータ回転数検
出器22a,b、目標貫入力設定器23、目標速度検出
器24、掘削機重量設定器25、俯仰張力検出器26お
よびブーム角度検出器27を備えて構成されている。
【0026】図4は、本実施例の掘削制御装置による貫
入力制御の流れ、および同調制御の流れを示すブロック
線図である。
【0027】掘削機重量設定器25,俯仰張力検出器2
6,ブーム角度検出器27,二点鎖線で示すコントロー
ラ20内の荷重演算手段31および加算器32は貫入力
検出手段を構成している。目標貫入力設定器23,コン
トローラ20内の加算器33および貫入力制御演算手段
34は貫入力制御手段を構成している。モータ回転数検
出器22a,b,およびコントローラ20内のロープ速
度演算手段36a,bは掘削速度検出手段の一部を構成
している。また、コントローラ20内の加算器35,3
7および同調制御演算手段39は同調制御手段を構成し
ている。
【0028】荷重演算手段31は俯仰張力検出器26お
よびブーム角度検出器27から俯仰張力Tおよびブーム
角度θを入力し、掘削機4を巻上げワイヤロープ5a,
bによって吊るのに必要な支持荷重F0 を算出する。こ
の支持荷重F0 は加算器32に出力される。加算器32
は、掘削機重量設定器25から入力した掘削機4の重量
Wから支持荷重F0 を減算し、実貫入力Fr (=W−F
0 )を演算する。この実貫入力Fr は掘削機4の歯先に
実際にかかる荷重に相当している。加算器33は目標貫
入力設定器23から入力した目標貫入力Ft から実貫入
力Fr を減算し、貫入力偏差Fe (=Ft −Fr )を算
出する。貫入力制御演算手段34はこの貫入力偏差Fe
に応じた貫入力制御値Ufaを算出し、この貫入力制御値
faを流量制御信号として方向流量制御弁19aへ出力
する。また、これと共に貫入力制御演算手段34は貫入
力制御値Ufaを加算器35へ出力する。
【0029】方向流量制御弁19aは入力される貫入力
制御値Ufaに応じて油圧モータ17aの回転方向および
回転数を制御する。この油圧モータ17aの回転は減速
機18aで減速されてウインチドラム6aに伝達され、
ウインチドラム6aから巻上げワイヤロープ5aが繰り
出されまたは巻き取られる。油圧モータ17aの回転数
はモータ回転数検出器22aによって検出され、ロープ
速度演算手段36aはこのモータ回転数から巻上げワイ
ヤロープ5aの実際の移動速度(繰出速度または巻取速
度)vraを後述のように算出する。このロープ速度vra
は加算器37に出力される。
【0030】一方、方向流量制御弁19bも入力される
制御値Ufbに応じて油圧モータ17bの回転方向および
回転数を制御する。この油圧モータ17bの回転は減速
機18bで減速されてウインチドラム6bに伝達され、
ウインチドラム6bから巻上げワイヤロープ5bが繰り
出されまたは巻き取られる。巻上げワイヤロープ5a,
bに伝えられた張力は加算器38で加算され、掘削機4
は加算されたこの張力によって吊り上げ下げされる。ま
た、油圧モータ17bの回転数はモータ回転数検出器2
2bによって検出され、ロープ速度演算手段36bはこ
のモータ回転数から巻上げワイヤロープ5bの実際の移
動速度vrbを後述のように算出する。このロープ速度v
rbは加算器37に出力される。
【0031】加算器37は入力した各巻上げワイヤロー
プ5a,bの移動速度vra,vrbから速度偏差ve (=
ra−vrb)を算出し、同調制御演算手段39へこのロ
ープ速度偏差ve を出力する。同調制御演算手段39は
この速度偏差ve に応じた同調制御値Ua を算出し、こ
の同調制御値Ua を加算器35へ出力する。加算器35
は貫入力制御演算手段34の出力する貫入力制御値Ufa
とこの同調制御値Uaとを加算し、この加算結果を制御
値Ufb(=Ufa+Ua )として方向流量制御弁19bへ
出力する。
【0032】従って、方向流量制御弁19aは貫入力偏
差Fe に応じた貫入力制御値Ufaを流量制御信号として
動作し、方向流量制御弁19bはこの貫入力制御値Ufa
を成分とする制御値Ufbを流量制御信号として動作す
る。このため、各油圧モータ17a,bはこれら各方向
流量制御弁19a,bによって実貫入力Fr が目標貫入
力Ft に近付くように回転駆動される。しかも、一方の
流量制御弁19bに与えられる流量制御信号には、ロー
プ速度偏差ve に応じた同調制御値Ua が成分として含
まれている。従って、流量制御弁19bは、油圧モータ
17bの回転状態が他方の油圧モータ17aの回転状態
と等しくなるようにこの油圧モータ17bを回転制御す
る。このため、貫入力制御手段は、機械的連結を持たな
い各ウインチドラム6a,bから繰出される各巻上げワ
イヤロープ5a,bの移動速度vra,vrbが等しい状態
で掘削機4の貫入力制御を行う。
【0033】次に、ロープ速度演算手段36a,bによ
る各巻上げワイヤロープ5a,bの移動速度演算につい
て説明する。
【0034】図5に示すように、ウインチドラム6のド
ラム底径をDD ,ドラム幅をWD および巻上げワイヤロ
ープ5の直径をdとする。また、減速機18の減速比を
Dとし、モータ回転数検出器22がモータ1回転当り
に出力するパルス数、つまり1回転当りの出力値をKと
する。ワイヤロープ5はウインチドラム6にドラム幅W
D 方向に巻き取られて行き、幾層にもなって巻かれる。
ここで、ドラム幅WDにわたってワイヤロープ5が1層
分だけ巻き取られる際のドラム回転数、つまり各ロープ
層数当りのドラム回転数RD は次の(1)式に表され
る。
【0035】 RD =WD /d …(1) また、ウインチドラム6が1回転してワイヤロープ5が
ウインチドラム6に巻き取られる長さ、つまり、ドラム
1回転当りのロープ巻取長さlD (n)は、層数をnと
すると次の(2)式に表される。
【0036】 lD (n)=π×{DD +d(2n−1)} …(2) また、モータ回転数検出器22の出力値をrとすると、
層数nはrの値の範囲によって(1)式を用いて次の
(3)式のように特定される。
【0037】 0≦r≦RD ×KD ×K ならば n=1 RD ×KD ×K≦r≦2×RD ×KD ×K ならば n=2 2×RD ×KD ×K≦r≦3×RD ×KD ×K ならば n=3 …(3) n=4以降も同様にして特定することが可能である。ま
た、モータ回転数検出器22の単位出力当りのロープ巻
取長さl(n)は、(2)式を用いて次の(4)式によ
って求められる。
【0038】 l(n)=lD (n)/KD /K …(4) モータ回転数検出器22の出力値がrの時の層数nは
(3)式から求められ、この層数nから(2)式によっ
てドラム1回転当りのロープ巻取長さlD (n)が求め
られる。さらに、このlD (n)から(4)式によって
モータ回転数検出器22の単位出力当りのロープ巻取長
さl(n)が求められる。従って、巻上げワイヤロープ
5の移動速度vr は、モータ回転数検出器22の出力値
rを時間tで微分することにより、次の(5)式によっ
て求められる。
【0039】 vr =l(n)×dr/dt …(5) このように、本実施例による掘削速度検出手段は、油圧
モータ17の回転数から巻上げワイヤロープ5の繰出速
度vを演算する構成となっている。
【0040】図6は、本実施例の掘削制御装置による掘
削速度制御の流れ、および前述した同調制御の流れを示
すブロック線図である。なお、同図において図4と同一
部分には同一符号を付してその説明は省略する。
【0041】モータ回転数検出器22a,b,コントロ
ーラ20内のロープ速度演算手段36a,b,加算器4
1および掘削機速度演算手段42は掘削速度検出手段を
構成している。目標速度設定器24およびコントローラ
20内の加算器43および速度制御演算手段44は掘削
速度制御手段を構成している。また、前述したように、
コントローラ20内の加算器35,37および同調制御
演算手段39は同調制御手段を構成しており、加算器3
7はロープ速度演算手段36a,bの出力するロープ移
動速度vra,vrbからロープ速度偏差ve を算出する。
同調制御演算手段39はこの速度偏差ve に応じた制御
値Uaを加算器35へ出力する。ロープ速度vra,vrb
は加算器41にも与えられており、加算器41はこられ
各ロープ速度vra,vrbを加算してこの加算値を掘削機
速度演算手段42へ出力する。掘削機速度演算手段42
はこの加算値から、ワイヤロープ5に吊られた掘削機4
が実際に降下する速度、つまり実掘削速度Vr を算出す
る。この実掘削速度Vr は加算器43へ出力される。
【0042】加算器43には目標速度設定器24から掘
削機4の目標掘削速度Vt が与えられている。加算器4
3は目標掘削速度Vt から実掘削速度Vr を減算して掘
削速度偏差Ve (=Vt −Vr )を算出する。速度制御
演算手段44はこの掘削速度偏差Ve に応じて掘削速度
制御値Uvaを算出し、方向流量制御弁19aへ出力す
る。方向流量制御弁19aは入力される掘削速度制御値
vaに応じて油圧モータ17aの回転方向および回転数
を制御する。一方、掘削速度制御値Uvaは加算器35へ
も出力されており、加算器35は同調制御演算手段39
の出力する同調制御値Ua とこの掘削速度制御値Uva
を加算し、この加算結果を制御値Uvb(=Uva+Ua
として方向流量制御弁19bへ出力する。方向流量制御
弁19bは入力される制御値Uvbに応じて油圧モータ1
7bの回転方向および回転数を制御する。
【0043】従って、方向流量制御弁19aは掘削速度
偏差Ve に応じた掘削速度制御値Uvaを流量制御信号と
して動作し、方向流量制御弁19bはこの掘削速度制御
値Uvaを成分とする制御値Uvbを流量制御信号として動
作する。このため、各油圧モータ17a,bはこれら各
方向流量制御弁19a,bによって実掘削速度Vr が目
標掘削速度Vt に近付くように回転駆動される。この場
合においても、一方の流量制御弁19bに与えられる流
量制御信号には、ロープ速度偏差ve に応じた同調制御
値Ua が成分として含まれている。従って、掘削速度制
御時においても、流量制御弁19bは、油圧モータ17
bの回転状態が他方の油圧モータ17aの回転状態と等
しくなるようにこの油圧モータ17bを回転制御する。
このため、掘削速度制御手段は、機械的連結を持たない
各ウインチドラム6a,bから繰出される各巻上げワイ
ヤロープ5a,bの移動速度vra,vrbが等しい状態で
掘削機4の掘削速度制御を行う。
【0044】図7は図6に示した掘削速度制御に関する
掘削制御装置を簡素化して構成した別の掘削制御装置に
よる掘削制御および同調制御の流れを示すブロック線図
である。なお、同図において図6と同一部分には同一符
号を付してその説明は省略する。
【0045】モータ回転数検出器22a,bおよびロー
プ速度演算手段36a,bはロープ速度検出手段を構成
している。目標速度設定器24,加算器45a,bおよ
び速度制御演算手段46a,bはロープ速度制御手段を
構成している。このロープ速度制御手段は前述した掘削
速度制御手段および同調制御手段として機能する。ロー
プ速度演算手段36aから出力されたロープ速度v
raは、加算器45aで目標掘削速度Vt から減算され、
ロープ速度偏差vea(=Vt −vra)が算出される。速
度制御演算手段46aはこのロープ速度偏差veaに応じ
たロープ速度制御値Uvaを算出し、方向流量制御弁19
aへ出力する。一方、ロープ速度演算手段36bから出
力されたロープ速度vrbは、加算器45bで目標掘削速
度Vt から減算され、ロープ速度偏差veb(=Vt −v
rb)が算出される。速度制御演算手段46bはこのロー
プ速度偏差vebに応じたロープ速度制御値Uvbを算出
し、方向流量制御弁19bへ出力する。
【0046】従って、各方向流量制御弁19a,bは、
ロープ速度偏差vea,vebに応じた制御値Uva,Uvb
流量制御信号として動作する。目標速度設定器24によ
ってコントローラ20に与える目標速度Vt をロープ移
動速度vに換算しておくことにより、ロープ速度偏差v
ea,vebは掘削速度偏差Ve に相当するものとなる。ま
た、各ロープ速度演算手段36a,bで算出されるロー
プ移動速度vra,vrbは実掘削速度Vr に相当する。こ
の結果、各油圧モータ17a,bは各方向流量制御弁1
9a,bによって実掘削速度Vr が目標掘削速度Vt
近付くように回転制御される。また、各ロープ速度
ra,vrbが同一の目標速度Vt に近付けられるため、
各油圧モータ17a,bの回転は各方向流量制御弁19
a,bによって等しくさせられる。従って、この図7に
示された掘削制御装置によっても、機械的連結を持たな
い各ウインチドラム6a,bから繰出される各巻上げワ
イヤロープ5a,bの移動速度vra,vrbが等しい状態
で掘削機4の掘削速度制御が行われる。
【0047】図1は本実施例の掘削制御装置による掘削
制御の全体の流れを示すブロック線図である。なお、同
図において図4および図6と同一部分には同一符号を付
してその説明は省略する。
【0048】コントローラ20内の制御切替器51およ
び切替スイッチ52は掘削制御切替手段を構成してい
る。制御切替器51は貫入力制御演算手段34から貫入
力制御値Ufaを入力し、速度制御手段44から掘削速度
制御値Uvaを入力する。そして、入力した各制御値Ufa
およびUvaの大きさを比較し、小さい値の方の制御値U
faまたはUvaを選択する。制御切替器51はこの選択結
果に応じて切替スイッチ52の接続状態を次のように切
り替える。
【0049】つまり、掘削速度制御値Uvaが貫入力制御
値Ufaよりも小さい場合には(Ufa>Uva)、制御切替
器51は小さい方の掘削速度制御値Uvaを選択し、切替
スイッチ52を白丸印で示される接点側に接続を切り替
える。従って、方向流量制御弁19aおよび加算器35
には掘削速度制御値Uvaが与えられる。この結果、掘削
制御は前述した掘削速度制御に切り替えられ、掘削速度
制御手段により、各ウインチドラム6a,bから繰出さ
れる各巻上げワイヤロープ5a,bの移動速度vra,v
rbが等しい状態で掘削機4の掘削速度制御が行われる。
【0050】また、貫入力制御値Ufaが掘削速度制御値
vaよりも小さい場合には(Ufa<Uva)、制御切替器
51は小さい方の貫入力制御値Ufaを選択し、切替スイ
ッチ52を黒丸印で示される図示の接点側に接続を切り
替える。従って、方向流量制御弁19aおよび加算器3
5には貫入力制御値Ufaが与えられる。この結果、掘削
制御は掘削速度制御から前述した貫入力制御に切り替え
られ、貫入力制御手段により、各ウインチドラム6a,
bから繰出される各巻上げワイヤロープ5a,bの移動
速度vra,vrbが等しい状態で掘削機4の貫入力制御が
行われる。
【0051】従って、目標貫入力設定器23および目標
速度設定器24にそれぞれ目標値を設定し、掘削機重量
設定器25に掘削機4の重量を設定した後、本実施例に
よる掘削制御装置による制御の下で掘削を行えば、掘削
開始後、掘削機4が掘削面に着底していなければ、貫入
力制御値Ufa>掘削速度制御値Uvaとなり、掘削速度制
御が行われる。
【0052】また、掘削機4が掘削面に着底すると掘削
機4の歯先に荷重がかかるため、実貫入力Fr が大きく
なって貫入力偏差Fe は減少する。従って、この貫入力
偏差Fe に応じた貫入力制御値Ufaの初期値を速度制御
値Uvaの初期値に対して適当に設定しておけば、PI制
御則を用いた本実施例による貫入力制御演算において
は、貫入力偏差Fe が負数にならなくても、貫入力制御
値Ufa<掘削速度制御値Uvaとなり、掘削制御は定速制
御から貫入力制御に速やかに切り替えられる。つまり、
制御切替手段による切替制御は貫入力偏差Fe の減少が
検出されることによって行われ、貫入力偏差Fe の符号
が正から負へ変化する前に行われる。このため、本実施
例による掘削制御装置によれば、掘削機4の実歯先荷重
r が歯先荷重の制限値WL を超過する前に、掘削制御
は定速制御から貫入力制御に切り替えられる。よって、
掘削機4の掘削歯には従来のように歯先が破損するよう
な大きな荷重は加わらなくなり、歯先の破損は確実に防
止されるようになる。
【0053】また、掘削機4の着底した掘削面が軟らか
い土質の時は、掘削機4の歯先にかかる荷重は小さいた
め、制御値の大小条件は貫入力制御値Ufa>掘削速度制
御値Uvaのままで変化せず、掘削制御は切り替わらずに
掘削速度制御が続けて行われる。また、掘削中に土質が
硬い土質から軟らかい土質へ変化した場合には、上記の
掘削機4の着底時と同様に、掘削制御は、実掘削速度V
r が目標掘削速度Vtを越えることなく、一定貫入力制
御から定速制御に切り替えられる。
【0054】また、本実施例による掘削制御装置の掘削
速度検出手段では、油圧モータ17の回転数から巻上げ
ワイヤロープ5の繰出速度vを前述のように演算して求
めており、伸縮するおそれのある巻上げワイヤロープ5
の実際の移動速度を検出することなく、実掘削速度Vr
が求められている。このため、従来のように、ワイヤロ
ープ移動検出の平均時間を長くとって巻上げワイヤロー
プ5の伸縮の影響を除去する必要はなくなり、実掘削速
度Vr は迅速に求められる。よって、制御時間が短縮さ
れて掘削機の速度制御は応答性よく行われる。しかも、
速度制御の応答を速めるために従来必要とされたフィー
ドフォワード用センサは不要となり、速度検出センサを
2系統設ける必要はなくなる。
【0055】また、巻上げワイヤロープ5a,bを2つ
のウインチドラム6a,bから繰り出す際、同調制御演
算手段39により、一方の流量制御弁19bに与えられ
る貫入力制御値Ufaまたは速度制御値Uvaに、各ロープ
繰出速度vra,vrbの偏差ve に応じた同調制御値Ua
が加えられることにより、一方の油圧モータ17bの回
転は他方の油圧モータ17aの回転に等しくされ、各油
圧モータ17a,bの回転は同調制御される。また、図
7に示す掘削制御装置においては、各ロープ速度検出手
段によって巻き上げワイヤロープ5a,bの各繰出速度
ra,vrbを演算し、ロープ速度制御手段により、検出
された各ロープ速度vra,vrbと予め設定された目標ロ
ープ速度Vt との各偏差vea,vebを求め、これら各ロ
ープ速度偏差vea,vebに応じた各ロープ速度制御値U
va,Uvbを制御切替器51によって各流量制御弁19
a,bに与えることにより、各油圧モータ17a,bの
回転は各ロープ速度vra,vrbが目標ロープ速度Vt
一致するように同調制御される。
【0056】このため、いずれの掘削制御装置において
も、各ウインチドラム6a,bは同調制御された各油圧
モータ17a,bによって回転駆動され、各ウインチド
ラム6a,bから繰り出される巻上げワイヤロープ5
a,bの各速度は等しくなる。よって、各ウインチドラ
ム6a,b間のロープ巻き容量の差は掘削制御開始時か
ら変化せず、巻き容量の調整は不要となる。つまり、各
ウインチドラム6a,bに巻き取る巻上げワイヤロープ
5a,bの長さを予め調整しておく従来の煩わしい操作
は不要となり、掘削制御は簡易に行える。また、ウイン
チドラム6a,bから巻上げワイヤロープ5a,bが外
れてしまう危険もなくなる。
【0057】また、図7に示す掘削制御装置により掘削
機4の掘削速度制御および同調制御を行う場合には、図
1に示す掘削制御切替器51に各ロープ速度制御値
va,Uvbおよび貫入力制御値Ufaを与える。そして、
これら各制御値のうちで一番小さい制御値を制御切替器
51によって選択する。選択した制御値がロープ速度制
御値UvaまたはUvbである場合には、制御切替器51は
各ロープ速度制御値Uva,Uvbを流量制御信号として各
流量制御弁19a,bに与え、掘削制御装置に掘削速度
制御を行わせる。また、選択した制御値が貫入力制御値
faである場合には、制御切替器51は切替スイッチ5
2を切り替え、貫入力制御値Ufaを流量制御信号として
各流量制御弁19a,bに与え、掘削制御装置に貫入力
制御を行わせる。従って、図7に示すロープ速度制御手
段を用いて図1に示す掘削制御装置を構成しても、前述
した切替制御と同様な切替制御が行える。
【0058】なお、上記実施例の説明においては本実施
例の掘削制御装置による掘削速度制御および貫入力制御
を2つのウインチドラムを用いた掘削機に適用した場合
について説明したが、1つのウインチドラムを用いた掘
削機に適用することも可能である。この場合においても
上記実施例と同様な効果が奏される。
【0059】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、掘
削機の歯先に荷重がかかると実貫入力が大きくなって貫
入力偏差は減少する。従って、定速制御と貫入力制御と
の切替制御は、速度制御値と貫入力制御値とのうちの小
さい方の制御値を制御切替手段によって流量制御弁に与
えることによって行える。また、各ロープ速度および目
標ロープ速度から各ロープ速度偏差を求め、これら各ロ
ープ速度偏差に応じた各ロープ速度制御値に基づいて掘
削制御を行う場合には、制御切替手段によって各ロープ
速度制御値および貫入力制御値のうちで一番小さい制御
値を選択することにより、定速制御と貫入力制御との切
替制御を行える。つまり、いずれの切替制御において
も、切替制御は貫入力偏差の減少が検出されることによ
って行われ、貫入力偏差の符号が変化する前に行われ
る。このため、実歯先荷重が歯先荷重の制限値を超過す
る前に、掘削制御は定速制御から貫入力制御に切り替え
られる。よって、掘削機の掘削歯には従来のように歯先
が破損するような大きな荷重が加わらなくなり、歯先の
破損は確実に防止される。
【0060】また、掘削速度検出手段において、油圧モ
ータの回転数からワイヤロープの繰出速度を演算するこ
とにより、伸縮するおそれのあるワイヤロープの実際の
移動速度を検出することなく、実掘削速度が求められ
る。このため、ワイヤロープ移動検出の平均時間を長く
とってワイヤロープの伸縮の影響を除去する必要はなく
なり、実掘削速度は迅速に求められる。よって、制御時
間が短縮されて掘削機の速度制御は応答性よく行われ
る。しかも、速度制御の応答を速めるために従来必要と
されたフィードフォワード用センサは不要となり、速度
検出センサを2系統設ける必要はなくなる。この結果、
掘削制御装置の構成要素が減るため、掘削制御装置の信
頼性は向上し、さらに、製品コストは低減される。
【0061】また、ワイヤロープを複数のドラムから繰
り出す場合に、同調制御手段により、いずれかの流量制
御弁に与えられる制御値に各ロープ繰出速度の偏差に応
じた同調制御値が加えられることにより、この同調制御
値が与えられた流量制御弁によって制御される油圧モー
タの回転は他の油圧モータの回転に等しくされ、各油圧
モータは同調制御される。このため、各ウインチドラム
は同調制御された各油圧モータによって回転駆動され、
各ウインチドラムから繰り出されるワイヤロープの速度
は等しくなる。よって、各ウインチドラムに巻き取るワ
イヤロープの長さを予め調整しておく従来の煩わしい操
作は不要となり、掘削制御は簡易に行える。また、ウイ
ンチドラムからワイヤロープが外れてしまう危険もなく
なる。
【0062】また、ロープ速度検出手段によってワイヤ
ロープの各繰出速度を演算し、ロープ速度制御手段によ
り、検出された各ロープ速度と予め設定された目標ロー
プ速度との各偏差を求め、これら各ロープ速度偏差に応
じた各ロープ速度制御値を制御切替手段を介して各流量
制御弁に与えることにより、各油圧モータの回転は各ロ
ープ速度が目標ロープ速度に一致するように制御され
る。このため、掘削速度制御と同調制御とが同一手段に
よって行われ、より簡略な装置構成で上記効果を奏する
掘削制御を行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の掘削制御装置による掘削制
御の全制御の流れを示すブロック線図である。
【図2】本実施例による掘削制御装置が適用される掘削
専用クローラクレーンの側面図である。
【図3】本実施例による掘削制御装置の全体の概略構成
を示すブロック図である。
【図4】本実施例の掘削制御装置による貫入力制御およ
び同調制御の流れを示すブロック線図である。
【図5】本実施例の掘削制御装置による掘削速度検出手
段の構成を示すブロック図である。
【図6】本実施例の掘削制御装置による掘削速度制御お
よび同調制御の流れを示すブロック線図である。
【図7】本実施例の掘削制御装置による掘削速度制御お
よび同調制御の流れの他の例を示すブロック線図であ
る。
【符号の説明】
4…掘削機 5a,b…巻上げワイヤロープ 6a,b…ウインチドラム 17a,b…油圧モータ 18a,b…減速機 19a,b…方向流量制御弁 20…コントローラ 22a,b…モータ回転数検出器 23…目標貫入力設定器 24…目標速度設定器 25…掘削機重量設定器 26…俯仰張力検出器 27…ブーム角度検出器 31…荷重演算手段 34…貫入力制御演算手段34 36a,b…ロープ速度演算手段 39…同調制御演算手段 42…掘削機速度演算手段 44…掘削速度制御演算手段 51…制御切替器 52…切替スイッチ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ドラムを油圧モータによって回転駆動
    し、ドラムに巻かれたワイヤロープの繰り出し量を調整
    してこのワイヤロープに吊られた掘削機の掘削速度およ
    び貫入力を制御する掘削機の掘削制御装置において、 流量制御信号に応じて前記油圧モータに供給する作動油
    の流量を調整して前記油圧モータの回転を制御する流量
    制御弁と、前記掘削機による掘削の実速度を検出する掘
    削速度検出手段と、この掘削速度検出手段によって検出
    された実掘削速度と予め設定された目標掘削速度との偏
    差を求めこの速度偏差に応じた速度制御値を演算出力す
    る掘削速度制御手段と、前記掘削機の実貫入力を検出す
    る貫入力検出手段と、この貫入力検出手段によって検出
    された実貫入力と予め設定された目標貫入力との偏差を
    求めこの貫入力偏差に応じた貫入力制御値を演算出力す
    る貫入力制御手段と、前記速度制御値と前記貫入力制御
    値とを比較して小さい方の制御値を流量制御信号として
    前記流量制御弁に与える制御切替手段とを備えて構成さ
    れたことを特徴とする掘削機の掘削制御装置。
  2. 【請求項2】 機械的連結を持たない複数のドラムを相
    互に独立した複数の油圧モータによってそれぞれ回転駆
    動し、これら各ドラムに巻かれたワイヤロープの繰り出
    し量を調整してこのワイヤロープに吊られた掘削機の掘
    削速度および貫入力を制御する掘削機の掘削制御装置に
    おいて、 流量制御信号に応じて前記各油圧モータに供給する作動
    油の流量を調整して前記各油圧モータの回転をそれぞれ
    制御する複数の流量制御弁と、前記掘削機による掘削の
    実速度を検出する掘削速度検出手段と、この掘削速度検
    出手段によって検出された実掘削速度と予め設定された
    目標掘削速度との偏差を求めこの速度偏差に応じた速度
    制御値を演算出力する掘削速度制御手段と、前記掘削機
    の実貫入力を検出する貫入力検出手段と、この貫入力検
    出手段によって検出された実貫入力と予め設定された目
    標貫入力との偏差を求めこの貫入力偏差に応じた貫入力
    制御値を演算出力する貫入力制御手段と、前記速度制御
    値と前記貫入力制御値とを比較して小さい方の制御値を
    流量制御信号として前記各流量制御弁に与える制御切替
    手段と、前記掘削速度検出手段によって検出されたワイ
    ヤロープの各繰出速度の偏差を求めこの繰出速度偏差に
    応じた同調制御値を前記制御切替手段から出力されるい
    ずれかの流量制御信号に加算する同調制御手段とを備え
    て構成されたことを特徴とする掘削機の掘削制御装置。
  3. 【請求項3】 前記掘削速度検出手段は前記油圧モータ
    の回転数からワイヤロープの繰出速度を演算することを
    特徴とする請求項1または請求項2記載の掘削機の掘削
    制御装置。
  4. 【請求項4】 機械的連結を持たない複数のドラムを相
    互に独立した複数の油圧モータによってそれぞれ回転駆
    動し、これら各ドラムに巻かれたワイヤロープの繰り出
    し量を調整してこのワイヤロープに吊られた掘削機の掘
    削速度および貫入力を制御する掘削機の掘削制御装置に
    おいて、 流量制御信号に応じて前記各油圧モータに供給する作動
    油の流量を調整して前記各油圧モータの回転をそれぞれ
    制御する複数の流量制御弁と、前記各ドラムから繰り出
    されるワイヤロープの各繰出速度を前記油圧モータの回
    転数から演算するロープ速度検出手段と、このロープ速
    度検出手段によって検出された各ロープ速度と予め設定
    された目標ロープ速度との各偏差を求めこれら各ロープ
    速度偏差に応じた各ロープ速度制御値を演算出力するロ
    ープ速度制御手段と、前記掘削機の実貫入力を検出する
    貫入力検出手段と、この貫入力検出手段によって検出さ
    れた実貫入力と予め設定された目標貫入力との偏差を求
    めこの貫入力偏差に応じた貫入力制御値を演算出力する
    貫入力制御手段と、前記各ロープ速度制御値および前記
    貫入力制御値のうちで一番小さい制御値を選択し選択し
    た制御値がロープ速度制御値である場合には前記各ロー
    プ速度制御値を流量制御信号として前記各流量制御弁に
    与え選択した制御値が貫入力制御値である場合には前記
    貫入力制御値を流量制御信号として前記各流量制御弁に
    与える制御切替手段とを備えて構成されたことを特徴と
    する掘削機の掘削制御装置。
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