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JPH09156246A - 感熱孔版印刷原紙用ポリエステルフィルム - Google Patents

感熱孔版印刷原紙用ポリエステルフィルム

Info

Publication number
JPH09156246A
JPH09156246A JP31533295A JP31533295A JPH09156246A JP H09156246 A JPH09156246 A JP H09156246A JP 31533295 A JP31533295 A JP 31533295A JP 31533295 A JP31533295 A JP 31533295A JP H09156246 A JPH09156246 A JP H09156246A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
polyester film
polyester
perforation
printing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP31533295A
Other languages
English (en)
Inventor
Takashi Ueda
隆司 上田
Yuzo Shimizu
有三 清水
Yukichi Deguchi
雄吉 出口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP31533295A priority Critical patent/JPH09156246A/ja
Publication of JPH09156246A publication Critical patent/JPH09156246A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Manufacture Or Reproduction Of Printing Formes (AREA)
  • Printing Plates And Materials Therefor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【解決手段】厚みが0.2〜5.0μmの二軸延伸ポリ
エステルフィルムであって、該ポリエステルフィルムの
融点が240℃以下であり、該ポリエステルフィルム中
に含まれるマグネシウム元素量が10ppm以上であ
り、かつ下記式を満足することを特徴とする感熱孔版印
刷原紙用ポリエステルフィルム。 M/P≦1.0 (ここで、M/Pはポリエステルフィルム中に含有され
るマグネシウム元素とリン元素のモル比を示す。) 【効果】低エネルギーでも穿孔性が良好で、かつエネル
ギーレベルの変化に応じた穿孔径をあけることで優れた
階調性を出し、しかも耐刷性と耐カール性に優れた感熱
孔版印刷用原紙とすることができるため、この原紙を用
いた孔版印刷では、印字性能に優れた印刷物が得られ、
取り扱い性も良好な孔版原紙が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハロゲンランプ、
キセノンランプ、フラッシュランプなどによる閃光照射
や赤外線照射、レーザー光線等のパルス的照射、あるい
はサーマルヘッド等によって穿孔製版される感熱孔版印
刷原紙用ポリエステルフィルムに関し、特に穿孔特性
(穿孔感度、独立穿孔性)、印刷鮮明性(文字印刷、ベ
タ印刷、階調性)に優れ、かつ耐刷性と搬送性(耐カー
ル性)に優れた感熱孔版印刷原紙用ポリエステルフィル
ムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より感熱孔版印刷用原紙としては、
塩化ビニリデンフィルム、ポリエステル、ポリプロピレ
ンフィルム等の熱可塑性樹脂フィルムに天然繊維、化学
繊維または合成繊維あるいはこれらを混抄した薄葉紙、
不織布、紗等によって構成された多孔性支持体を接着剤
で貼り合わせた構造のものが知られている(例えば、特
開昭51−2512号公報、特開昭57−182495
号公報など)。これらの感熱孔版印刷原紙用フィルム
は、ハロゲンランプ、キセノンランプ、フラッシュラン
プなどによる閃光照射や赤外線照射、レーザー光線等の
パルス的照射、あるいはサーマルヘッド等によって穿孔
され、上記した多孔性支持体を通してインキが通過する
印刷用の版となる。
【0003】しかしながら、昨今では、印刷物に対して
高い解像度(階調性)が要求されており、特にカラーで
階調性を出すためには、ヘッドに与えるエネルギー、す
なわちヘッドの温度分布を変えることによってフィルム
の穿孔径が変化できることが必要となってきている。そ
のためには、上記した熱可塑性フィルムに対して、与え
るエネルギー範囲を幅広く変化させる必要があり、低エ
ネルギーでは小さく穿孔し、高エネルギーでは大きく穿
孔し、かつ孔が連結せずに独立状態を保持すること(独
立穿孔性)が重要である。
【0004】また一方で、サーマルヘッド等を使用した
印刷方式では、高い解像度を得るために個々のヘッドを
小さくし、単位面積当たりのヘッドの数を増やす試みが
なされている。しかしながら、ヘッドを小さくすると、
たとえ単位面積当たりにヘッドに供給するエネルギーを
従来のヘッドと同じにしてもヘッドの寿命が低下してし
まう。ヘッドの寿命を従来と同程度とするためには、個
々のヘッドに供給するエネルギーを低減させる必要があ
り、上記した熱可塑性フィルムが低エネルギーで十分に
穿孔されることが必要となる。
【0005】さらに、孔版原紙が、温湿度の変化により
カールしないことが必要である。カールが大きくなる
と、孔版印刷機内で原紙の搬送性が不良となり、原紙詰
まり等のトラブルが生じる。
【0006】従来、かかる用途に用いるフィルムとし
て、二軸延伸ポリエステルフィルムの熱的特性を規制す
ることによって印刷特性と耐刷性を改善したフィルム
(特開昭62−282984号公報)や熱収縮特性を規
定したフィルム(特開昭62−282983号公報、特
開昭63−160895号公報、特開平1−97691
号公報、特開平1−168494号公報、特開平2−3
07788号公報、特開平3−30996号公報、特開
平3−99890号公報、特開平3−288695号公
報、特開平3−182395号公報、特開平4−125
190号公報、特開平4−185489号公報、特開平
4−224952号公報、特開平5−77572号公
報、特開平6−305015号公報、特開平7−525
72号公報、特開平7−68964号公報)等が提案さ
れている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来技術では低エネルギー領域において穿孔感度が十分
ではなく、また高エネルギー領域では独立穿孔性に劣る
などの問題で文字印刷およびベタ印刷の印刷鮮明性が低
下するなどの欠点がある。すなわち、温度の違いに敏感
に反応して穿孔することが必要とされているにも関わら
ず、従来のフィルムは、温度に対する反応が鈍いという
問題があった。
【0008】本発明は、かかる従来技術の問題点を解決
し、低エネルギーでも穿孔性が良好で、かつエネルギー
レベルの変化に応じた穿孔径をあけることで優れた階調
性を出し、しかも耐刷性と耐カール性に優れた感熱孔版
印刷原紙用フィルムを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、厚
みが0.2〜5μmの二軸延伸ポリエステルフィルムで
あって、該ポリエステルフィルムの融点が240℃以下
であり、該ポリエステルフィルム中に含まれるマグネシ
ウム元素量が10ppm以上であり、かつ下記式を満足
することを特徴とする感熱孔版印刷原紙用ポリエステル
フィルムとするものである。
【0010】M/P≦1.0 (ここで、M/Pはポリエステルフィルム中に含有され
るマグネシウム元素とリン元素のモル比を示す。)
【0011】
【発明の実施の形態】本発明におけるポリエステルフィ
ルムに用いられるポリエステルとは、芳香族ジカルボン
酸または脂肪族ジカルボン酸とジオールを主たる構成成
分とするポリエステルである。芳香族ジカルボン酸とし
ては、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、
1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレン
ジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,
4′−ジフェニルジカルボン酸、4,4′−ジフェニル
エーテルジカルボン酸、4,4′−ジフェニルスルホン
ジカルボン酸等を挙げることができる。脂肪族ジカルボ
ン酸としては例えばアジピン酸、スベリン酸、セバシン
酸、ドデカンジオン酸等を挙げることができる。中でも
好ましくはテレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフ
タレンジカルボン酸を挙げることができる。また、ジオ
ール成分としては例えば、エチレングリコール、1,2
−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ネオ
ペンチルグリコール、1,3−ブタンジオール、1,4
−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6
−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノ
ール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−
シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、
トリエチレングリコール、ポリアルキレングリコール、
2,2′ビス(4′−β−ヒドロキシエトキシフェニ
ル)プロパン等を挙げることができる。中でもエチレン
グリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサ
ンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールが好
ましく用いられる。
【0012】本発明のポリエステルには、本発明の効果
を阻害しない範囲において、本発明を構成するジカルボ
ン酸成分、ジオール成分以外の他の成分が共重合されて
いても良い。このような成分としては、トリメリト酸、
トリメシン酸、ピロメリト酸、トリカルバリル酸、トリ
メチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリトリット
等の多官能化合物、p−オキシ安息香酸等のオキシカル
ボン酸等を挙げることができる。
【0013】本発明のポリエステルフィルムに用いられ
るポリエステルとして好ましくは、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリヘキサメ
チレンテレフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレン
テレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリエ
チレン−2,6−ナフタレート、ポリブチレン−2,6
−ナフタレート、ポリヘキサメチレン−2,6−ナフタ
レート等またはこれらの共重合ポリエステルやブレンド
等を挙げることができる。
【0014】本発明のポリエステルを共重合ポリエステ
ルとして用いる場合は、ジカルボン酸成分がテレフタル
酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸
で、ジオール成分としてエチレングリコール、1,4−
ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−
シクロヘキサンジメタノールからなるポリエステルが好
ましく、より好ましくはジカルボン酸成分としてテレフ
タル酸あるいは2,6−ナフタレンジカルボン酸の一方
が60〜95モル%、イソフタル酸5〜40モル%、ジ
オール成分としてエチレングリコールあるいは1,4−
ブタンジオールの一方が100モル%からなるポリエス
テルであり、さらに好ましくは、ジカルボン酸成分とし
てテレフタル酸あるいは2,6−ナフタレンジカルボン
酸の一方が70〜90モル%、イソフタル酸10〜30
モル%、ジオール成分としてエチレングリコールあるい
は1,4−ブタンジオールの一方が100モル%からな
るポリエステルである。
【0015】本発明におけるポリエステルは従来公知の
方法で製造することができる。例えば、ジカルボン酸成
分をジオール成分と直接エステル化反応させた後、この
反応の生成物を減圧下で加熱して余剰のジオール成分を
除去しつつ重縮合させることによって製造する方法や、
ジカルボン酸成分としてジアルキルエステルを用い、こ
れとジオール成分とでエステル交換反応させた後、上記
と同様に重縮合させることによって製造する方法等があ
る。この際、必要に応じて、反応触媒を適宣用いること
ができる。
【0016】本発明に用いるポリエステルには、例えば
各種飽和ポリエステル樹脂、ポリオレフィン、ポリアミ
ド、ポリカーボネート、ポリエーテル等がブレンドされ
ていても良い。
【0017】また、本発明に用いるポリエステルには、
必要に応じて、難燃剤、熱安定剤、可塑剤、酸化防止
剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、顔料、脂肪酸エステ
ル、ワックス等の有機滑剤あるいはポリシロキサン等の
消泡剤等を配合してもよく、これら2種以上を併用して
も良い。
【0018】さらには必要に応じて易滑性を付与するこ
ともできる。易滑性付与方法としては特に制限はない
が、例えば、クレー、マイカ、酸化チタン、炭酸カルシ
ウム、カオリン、タルク、湿式あるいは乾式シリカなど
の無機粒子、アクリル酸系ポリマ類、ポリスチレン等を
構成成分とする有機粒子等を配合する方法、ポリエステ
ル重合反応時に添加する触媒等が失活して形成される、
いわゆる内部粒子による方法、界面活性剤を塗布する方
法等がある。
【0019】本発明のポリエステルフィルム中のM/P
(ここで、M/Pはポリエステルフィルム中に含有され
るマグネシウム元素とリン元素のモル比を示す。)は
1.0以下、好ましくは0.05〜1.0であり、より
好ましくは0.1〜0.9である。M/Pが1.0を超
える場合は、穿孔感度の向上と耐カール性が得られな
い。
【0020】さらに、本発明のポリエステルフィルム中
に含まれるマグネシウム元素量は10ppm以上が必要
であり、好ましくは30ppm以上、さらに好ましくは
50ppm以上である。10ppm未満では穿孔感度の
向上が十分ではない上、マグネシウム化合物をポリエス
テル製造時の触媒として用いる場合、ポリエステル中に
異物が発生するため好ましくない。
【0021】また、ポリエステルフィルム中に含まれる
リン元素量は10ppm以上が好ましく、より好ましく
は30ppm以上、特に好ましくは50ppm以上であ
る。10ppm未満では、ポリエステルの耐熱性を低下
させ、溶融押出する際にポリエステルの熱劣化により、
フィルムの生産安定性が保てなくなることがある。
【0022】本発明におけるマグネシウム元素およびリ
ン元素の添加方法は特に問わないが、マグネシウム元素
はエステル交換反応、エステル化反応、重縮合反応の触
媒として、もしくは析出粒子生成のために使用する水素
化物、アルコラート、塩化物およびモノカルボン酸塩の
形であることが好ましく、酢酸塩もしくは塩化物の形で
あることがより好ましい。また、リン元素は、リン酸、
亜リン酸、ホスホン酸、ホスフィン酸もしくはこれらの
エステル、ハーフエステルからなる群から選ばれた1種
以上のリン化合物の形であることが好ましく、特にホス
ホン酸もしくはこのエステル、ハーフエステルからなる
群から選ばれた1種以上のリン化合物の形であることが
好ましい。なお、本発明において穿孔感度や印刷鮮明性
の向上や耐カール性が優れる理由は、定かではないが、
ポリエステル中のM/Pを特定量とすることにより、フ
ィルム内部に結晶核を生じさせ、微結晶のある状態で延
伸させることによって、フィルム内部の非晶鎖が高度に
配向し、ガラス転移温度以上の高温での熱収縮特性を大
幅に向上させることによって穿孔感度が向上し、さら
に、得られた二軸延伸フィルムの非晶鎖が、点在する結
晶核によって擬結晶化し、ガラス転移温度以下の低温で
の熱収縮性を押さえる結果、耐カール性が向上するもの
と推定される。
【0023】本発明のポリエステルフィルムは、インフ
レーション同時二軸延伸法、ステンター同時二軸延伸
法、ステンター逐次二軸延伸法のいずれの処方によって
製膜しても良いが、製膜安定性、厚み均一性の点でステ
ンター逐次二軸延伸法が好ましい。
【0024】本発明のポリエステルフィルムの厚さは、
0.2〜5μmである必要がある。フィルム厚みが0.
2μm未満では低エネルギー領域において穿孔感度は向
上するが、耐刷性が劣り、フィルムの製造においても製
膜安定性、巻取性が悪化し、また得られたフィルムと薄
葉紙等の多孔性支持体とのラミネート工程においても歩
止まりが悪くなる。一方、フィルム厚みが5μmを超え
ると穿孔感度が劣り、印刷鮮明性が低下する。より好ま
しい厚みは0.3〜2.5μm、特に好ましい厚みは
0.5〜2μmである。
【0025】本発明の二軸延伸ポリエステルフィルム
は、長手方向の屈折率(nMD)と幅方向の屈折率(n
TD)の和(nMD+nTD)が3.2以上とすること
が好ましい。さらにnMD+nTDが3.25以上であ
ればより好ましく、3.28以上であれば特に好まし
い。このような範囲にフィルムを延伸し、配向させるこ
とにより、低エネルギーでの穿孔特性が良好でかつ階調
性に優れた印刷物が得られる。nMD+nTDが3.2
未満では、穿孔の形状が安定せず、低エネルギーでの穿
孔において未穿孔部が頻発するばかりか、高エネルギー
での穿孔においても隣り合う穿孔部が連結する頻度が高
くなり、いずれも印刷鮮明性が悪くなることがある。
【0026】さらに、長手方向の屈折率(nMD)と幅
方向の屈折率(nTD)が同じ値の場合、穿孔の形状は
フィルムの長手方向に伸びる傾向がある。すなわち、本
発明のポリエステルフィルムにおいて、穿孔の形状が真
円に近く、独立穿孔性を維持できる上限のエネルギレベ
ルを高くし、穿孔エネルギの適正範囲を広げるには下記
式の関係にあることが好ましい。
【0027】nMD≦nTD
【0028】また、本発明のポリエステルフィルムの融
点は240℃以下である必要があり、好ましくは230
℃以下である。融点が240℃を超えるフィルムでは穿
孔に必要なエネルギーが多量となり、低エネルギーでの
穿孔特性が悪くなる。
【0029】また、本発明のフィルムの結晶融解エネル
ギー(ΔHu)は、好ましくは12〜46J/g、より
好ましくは21〜42J/gである。フィルムの結晶融
解エネルギーが12J/g未満ではフィルムの穿孔形状
が安定せず、鮮明な文字印刷が得られない場合があり、
さらに耐刷性も悪くなる傾向になる。一方、46J/g
を超えるとフィルム内部の結晶を融解させるのに多量の
エネルギーが必要になるため、低エネルギーでの穿孔が
悪くなる傾向がある。
【0030】また、本発明において得られたフィルムの
表面特性、すなわち中心線平均粗さ、最大粗さが後述の
範囲としたとき本発明の効果がより顕著に発現するので
好ましい。
【0031】本発明における二軸延伸フィルムの中心線
平均粗さ(Ra)が、0.01〜0.5μmが好まし
く、製膜から原紙作成工程の安定生産性および穿孔特
性、印刷鮮明性の点でより好ましくは0.05〜0.4
μmである。Raが0.01μm未満では、巻取性や取
扱性が困難となり、折れジワが入り生産性が低下する場
合がある。一方、Raが0.5μmを超えると、表面の
粗面化が大きすぎて穿孔感度が大幅に低下し、目標の穿
孔径が得られない場合がある。
【0032】本発明における二軸延伸フィルムの最大粗
さ(Rt)が、0.3〜5μmが好ましく、より好まし
くは、0.5〜4μmである。Rtが0.3μm未満で
は、滑り性が悪化し、空気抜けが悪く縦ジワ等が入り、
巻取性や取扱性が低下する場合がある。一方、Rtが5
μmを超えると、表面の粗面化が大きすぎて穿孔感度が
低下するのみならず、フィルム破れが生じ、生産性が低
下する場合がある。
【0033】本発明の二軸延伸ポリエステルフィルム
は、上記ポリエステルを用いて、従来公知の方法によっ
て製造することができる。例えば、Tダイ押し出し法に
よってポリマーをキャストドラム上に押し出すことによ
って未延伸フィルムを製造できる。口金のスリット幅、
ポリマーの吐出量、キャストドラムの回転数を調整する
ことによって、所望の厚さの未延伸フィルムを作ること
ができる。
【0034】本発明のポリエステルフィルムに用いられ
るポリエステルの固有粘度は、通常好ましくは0.5以
上、より好ましくは0.6以上である。固有粘度が0.
5より低いと製膜安定性が低下し、特に薄物のキャスト
が困難となる。
【0035】延伸方法は特に限定はしないが、長手方向
の延伸を下記式 Tg≦Tmd≦Tg+25 (ただし、Tgはフィルムを構成する樹脂のガラス転移
温度(℃)、Tmdは延伸温度(℃)である)で示され
る温度(Tmd)範囲において行うことによってフィル
ムが高配向に延伸されるため好ましい。さらに好ましい
延伸温度としては、Tg≦Tmd≦Tg+20の範囲で
あり、もっとも好ましくはTg≦Tmd≦Tg+15で
ある。延伸温度をTg未満で行うと延伸斑を起こし、安
定して製膜することが困難となることがある。一方、延
伸温度をTg+25(℃)を超えて行うと延伸によるフ
ィルムの配向があまり進まず、本発明の穿孔特性の向上
効果が見られなくなることがある。
【0036】またさらに、好ましい延伸方法としては未
延伸フィルムを一度Tg以下に冷却して上記した延伸温
度で長手方向に延伸すると配向がより顕著に進むため、
望ましい。
【0037】さらには、未延伸フィルムを使用するポリ
エステルの結晶化温度領域の温度で0.5〜60秒間保
持した後、上記した延伸温度で長手方向に延伸すると配
向がより顕著に進むため、好ましい。
【0038】長手方向の延伸倍率は特に限定されるもの
ではなく、用いるポリエステルフィルム用ポリマーの種
類やフィルムに要求される感度等によって適宜決定され
るが、通常は2〜5倍程度が適当である。
【0039】幅方向の延伸は特に限定されるものではな
いが、長手方向に延伸後、一度100℃から用いたポリ
エステルの融解開始温度以下の温度で0.5秒以上熱処
理したのちに行うと、さらに配向が顕著に進むため好ま
しい。
【0040】幅方向の延伸倍率は特に限定されるもので
はなく、用いるポリエステルフィルム用ポリマーの種類
やフィルムに要求される感度等によって適宜決定される
が、通常は2〜5倍程度が適当である。
【0041】また、二軸延伸後、フィルムの長手方向ま
たは幅方向、あるいはそれら両方を再延伸してもかまわ
ない。
【0042】さらに、二軸延伸後の本発明のフィルムに
熱処理を施すことが好ましい。熱処理温度は、ポリエス
テルのガラス転移点(Tg)以上の温度で時間は0.5
〜60秒間行なうのが好ましい。
【0043】本発明におけるポリエステルフィルムにお
いて、多孔性支持体を熱圧着した状態で共延伸して印刷
用原紙を一挙に製造することもできる。熱圧着した状態
でフィルムと支持体とが一体となって延伸することによ
り、多孔性支持体が補強体の役目をなし、フィルムが破
れたりすることがなく、極めて製膜安定性に優れ、結果
として低コストの原紙を得ることができるので好まし
い。
【0044】さらに製膜安定性を良好にするために他の
熱可塑性ポリマーとの積層フィルムから剥離分離して二
軸延伸フィルムを得る方法をとることができる。
【0045】他の熱可塑性ポリマーとは、特に限定され
ないが、好ましくは本発明のポリエステルフィルム層と
剥離するときの剥離力が10g/cm以下、さらには
0.1〜2g/cm、さらには0.2〜0.8g/cm
であることが好ましい。さらに具体的には、本発明のポ
リエステルフィルムを構成しているポリエステルと異な
るものであればよく、具体的にはポリエステル、ポリア
ミド、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリカーボネー
ト、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール、ポ
リフェニレンスルフィド、ポリアセタール、ポリエーテ
ルおよびこれらの共重合体、フッ素系ポリマー等を用い
ることができる。なかでもポリオレフィン、ポリフェニ
レンスルフィド、フッ素系ポリマー等が好ましい。ポリ
オレフィンの代表例としては、低密度ポリエチレン、中
密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、低密度ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリブテン−1、ポリ−4−
メチル−ペンテン−1、あるいはこれらの共重合体や混
合物を用いることができるが、プロピレンを80〜97
モル%とプロピレン以外のオレフィンを3〜20モル%
の共重合体がさらに好ましい。また、これらのポリオレ
フィン中には、公知の各種離型剤、例えば、シリコン、
石油樹脂、テルペン樹脂、高級脂肪酸ワックス類等を添
加しても良い。さらには、公知の各種添加剤、例えば、
酸化防止剤、帯電防止剤、着色用顔料、ブロッキング防
止剤、紫外線吸収剤などが添加されていても良い。
【0046】具体的に剥離分離して二軸延伸フィルムを
得る方法としては、本発明にポリエステルフィルムに用
いるポリエステルと他の熱可塑性ポリマーを各々別々の
押し出し機に供給し、溶融後口金内で合流せしめ、シー
ト状に成形し、キャストドラムに押し出し、未延伸フィ
ルムを製造する。この際、口金のスリット幅、ポリマー
の吐出量、キャストドラムの回転数を調整することによ
って、所望の厚さの未延伸フィルムを作ることができ
る。なお、この際に、本発明の二軸延伸ポリエステルフ
ィルムを構成するポリエステル(Aとする)と他の熱可
塑性ポリマー(Bとする)がA/Bの二層構造や、A/
B/Aの三層構造のいずれをとっても構わない。このよ
うにして得られた未延伸フィルムは、前記したような単
層製膜と同様の方法で二軸延伸フィルムを得ることがで
きる。その後、(A)層と(B)層を剥離することで目
的とする(A)層のフィルムを得ることができる。な
お、この際に多孔質支持体と張り合わせた後剥離しても
構わない。
【0047】本発明のポリエステルフィルムにおいては
サーマルヘッド等との融着防止のため、フィルムの延伸
前または延伸後、あるいはその途中の工程において、ポ
リエステルフィルムの片面に離型剤を塗布することがで
きる。塗布方法は特に限定されないが、ロールコータ
ー、グラビアコーター、リバースコーター、バーコータ
ー等を用いて塗布するのが好ましい。
【0048】また、塗布する前に必要に応じて、塗布面
に空気中その他種々の雰囲気中でコロナ放電処理を施し
ても良い。
【0049】また、本発明のポリエステルフィルムにお
いて離型剤層に用いる離型剤としては、シリコーンオイ
ル、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、界面活性剤等か
らなる従来公知のものを用いることができるが、以下に
示す離型剤が特に好ましい。すなわち、水に溶解、乳化
または懸濁する石油系ワックス(a)、植物系ワックス
(b)およびオイル状物質(c)の混合物を主成分とす
る離型剤が特に好適である。ここで、主成分とは上記
(a)、(b)および(c)の混合物の占める重量比率
が50%以上、好ましくは60%以上であることを言
う。ワックス系組成物とは市販の各種のワックス、例え
ば石油系ワックス、植物系ワックス、鉱物系ワックス、
動物系ワックス低分子量ポリオレフィン類などを使用す
ることができ、特に制限されるものではないが、石油系
ワックスとしてはパラフィンワックス、マイクロクリス
タリンワックス、酸化ワックスなどが挙げられる。また
植物性ワックスとしてはキャンデリラワックス、カルナ
ウバワックス、木ロウ、オリキューリーワックス、さと
うきびロウ、ロジン変成ワックスなどが挙げられる。石
油系ワックス/植物性ワックスの混合重量比率は10/
90〜90/10、好ましくは20/80〜80/2
0、さらに好ましくは30/70〜70/30とする。
植物性ワックスを10重量%以上とするのは高温時にお
ける易滑性、および離形性の付与、および水に乳化ある
いは懸濁させる場合の均一分散性が良好で均一な塗布膜
を得るのに好適であることによる。また、上記ワックス
系組成物に更にオイル状物質を加えた混合物とした時に
は印字走行性が特に優れたものとすることができる。こ
こでオイル状物質とは常温で液体あるいはペースト状の
オイルであり、植物油、油脂、鉱物油、合成潤滑油など
を挙げることができる。植物油としてはアマニ油、カヤ
油、サフラー油、大豆油、シナギリ油、ゴマ油、トウモ
ロコシ油、ナタネ油、ヌカ油、綿実油、オリーブ油、サ
ザンカ油、つばき油、ヒマシ油、落花生油、バーム油、
椰子油などが挙げられる。油脂としては牛脂、豚油、羊
油、カカオ油などであり、鉱物油としてマシン油、絶縁
油、タービン油、モーター油、ギヤ油、切削油、流動パ
ラフィンなどが挙げられる。合成潤滑油としては化学大
辞典(共立出版社)に記載の要件を満たすものを任意に
使用することが出来、例えばオレフィン重合油、ジエス
テル油、ポリアルキレングリコール油、シリコーン油な
どが挙げることができる。これらの中でも高パルス幅領
域での走行性の良好な鉱物油、合成潤滑油が好適であ
る。またこれらの混合系であって良い。
【0050】上記オイル状物質は前期ワックス系組成物
100重量部に対し1〜100重量部添加するのが好ま
しく、特に好ましくは3〜50重量部である。オイル状
物質が1重量部未満の場合には昇華型プリンターのよう
な高パルス幅領域での走行性が低下する傾向にあり、1
00重量部を超える場合には逆に低パルス幅領域での走
行性が低下する傾向にある。上記範囲とした場合には広
範囲のパルス幅のプリンターでスティックが起こらず走
行性が良好となり特に好ましい。
【0051】上記組成物中には本発明の効果を阻害しな
い範囲内で各種添加剤を併用することができる。例えば
帯電防止剤、耐熱剤、酸化防止剤、有機、無機の粒子、
顔料などが挙げられる。
【0052】離型剤層の厚みは好ましくは0.005μ
m以上0.4μm以下、より好ましくは0.01μm以
上0.4μm以下である。離型剤層の厚みが0.4μm
以下であれば穿孔時の走行性が良好で、ヘッドの汚染も
少ない。
【0053】
【物性および効果の評価方法】本発明で用いている各特
性は次の方法により測定、評価した。
【0054】(1)融点、ガラス転移温度、結晶化温度
領域、融解開始温度の測定 セイコー電子工業(株)製示差走査熱量計RDC220
型を用い、フィルム試料5mgを採取し、室温より昇温
速度20℃/分で昇温した時の吸熱曲線のピークの温度
より融点を求めた。なお、吸熱曲線のピークが2つ以上
ある場合は相対的に吸熱曲線の面積の大きい方のピーク
温度を融点とした。また、融解開始温度は、該吸熱曲線
でベースラインから立ち上がる温度(低温側)として求
めた。また、ガラス転移温度と結晶化温度領域はフィル
ム試料を280℃まで昇温し、280℃で5分間保持し
た後、液体窒素で急冷し、再度室温より昇温速度20℃
/分で昇温して測定した。
【0055】(2)フィルム中の金属分析 マグネシウム元素の定量分析は原子吸光法によって行
い、リン元素の定量分析は蛍光X線分析法で行った。
【0056】 (3)フィルムの結晶融解エネルギー(ΔHu) セイコー電子(株)製示差走査熱量計RDC220型を
用いて、フィルムの溶融時の面積から求める。この面積
は、昇温することによりベースラインから吸収側にず
れ、さらに昇温を続けるとベースラインの位置まで戻る
までの面積であり、溶融開始温度位置から終了位置まで
を直線で結び、この面積(a)を求める。同じDSCの
条件でIn(インジウム)を測定し、この面積(b)を
28.5J/gとして次式により求める。
【0057】ΔHu=28.5×a/b(J/g)
【0058】(4)フィルムの屈折率の測定 JIS−K7105に規定された方法に従って、ナトリ
ウムD線を光源としてアッベ屈折率計を用いて測定し
た。なお、マウント液はヨウ化メチレンを用い、25
℃、65%RHにて測定した。
【0059】なお、フィルムの厚みが薄くアッベの屈折
率計で屈折率の値が正確に求めることが困難な場合は、
偏光顕微鏡を用いたインマージョン法により測定した。
屈折率が既知な標準液として、液体ベントラクタムとα
−クロルナフタレンの混合溶液を用いた。
【0060】 (5)中心線平均粗さ(Ra)、最大粗さ(Rt) JIS−B0601に従って、触針式表面粗さ計を用い
て測定した。なお、小坂研究所(株)製、高精度薄膜段
差測定器(型式:ET−10)を使用し、触針径円錐型
0.5μmR、荷重5mg、カットオフは0.08mm
とした。
【0061】(6)固有粘度 試料を105℃×20分乾燥した後、6.8±0.00
5gを秤量し、o−クロロフェノール中で160℃×1
5分間撹拌して溶解した。冷却後、ヤマトラボティック
(株)製AVM−10S型自動粘度測定器により25℃
における粘度を測定した。
【0062】(7)延伸温度の測定 タスコジャパン(株)製非接触赤外温度計THI−30
0を用いて、10点の平均値を取り測定値とした。
【0063】(8)フィルムの厚み(μm) サンプルの任意の10箇所を断面方向に切り出し電子顕
微鏡で倍率2000倍で10枚の写真撮影を行い、フィ
ルムの厚みを測定した。これを10枚の写真について行
い、その平均値で表わした。
【0064】(9)穿孔特性 作成した原紙を理想科学工業(株)製“RISOGRA
PH”RC115に供給して、サーマルヘッド式製版方
式(400dpi)により、JIS第1水準の●(丸で
中が黒く塗りつぶされたもの)で10mmφのものを原
稿として製版した。この際、サーマルヘッドに投入する
エネルギーを1ドット当たり50μJ、40μJ、30
μJ、20μJ、10μJの5通りとした。この状態で
穿孔し、走査型顕微鏡で100倍の倍率でフィルムの穿
孔部分200個を観察し、穿孔特性を以下の項目で評価
した。
【0065】[穿孔感度] ◎:所定の穿孔が確実に行われ良好であった ○:ごく一部に所定の穿孔が得られない部分があった
が、実用上問題ない △:所々に所定の穿孔が得られない部分があった ×:所定の穿孔が全く得られない
【0066】[独立穿孔性] ◎:ドットごとに独立して穿孔されており、良好であっ
た ○:ごく一部にドットごとに独立して穿孔されていない
部分があったが、実用上は問題ない △:所々にドットごとに独立して穿孔されていない部分
があった ×:隣どうしでドットが連結しているところが多い
【0067】(10)印刷鮮明性 理想科学工業(株)製テストチャートNO.8を原稿と
し、400dpiのサーマルヘッドを用いて作成した原
紙を製版し、黒インキで印刷サンプルを作成し、文字、
画像(ベタ印刷)について下記の特性を目視で観察し判
定した。
【0068】[文字印刷の鮮明性] ○:文字の欠落、太さムラが全くない △:文字の欠落、太さムラがあるものの実用上問題ない ×:文字の欠落、太さムラがあり、使用不可能
【0069】[ベタ印刷の鮮明性] ○:濃淡ムラや白抜けが全くない △:濃淡ムラや白抜けがあるものの実用上問題ない ×:濃淡ムラや白抜けがあり使用不可能
【0070】(11)耐刷性の評価 印刷機でフィルムが破損するまでに刷れる枚数で表し
た。1000枚以上ではあれば実用上問題ない。
【0071】(12)耐カール性の評価 作製した孔版原紙を50℃で湿度90%RHの恒温恒湿
槽中で1週間処理した後、印刷機を用いて原紙の搬送試
験を行い、下記の基準で評価した。
【0072】 ○:ややカールがあるものの、良好に搬送できる ×:カールが大きく、搬送トラブルが頻発に発生する
【0073】
【実施例】
実施例1 テレフタル酸ジメチル78.7重量部、イソフタル酸ジ
メチル17.3重量部、エチレングリコール61.3重
量部およびエステル交換反応触媒として酢酸マグネシウ
ム0.086重量部、重縮合反応触媒として三酸化アン
チモン0.029重量部、および酸化防止剤として“イ
ルガノックス”1010(チバガイキー(株)製)0.
1重量部、消泡剤としてシリコーンTSF433(東芝
シリコーン(株)製)0.2重量部を加え、常法に従っ
て、150℃から次第に240℃まで昇温しながら、理
論量のメタノールを系外に留出させエステル交換を反応
せしめた後、フェニルホスホン酸ジメチル0.307重
量部を加えた後、エチレングリコール中に均一に分散せ
しめた平均粒径1.2μmのシリカ粒子のスラリーをシ
リカ粒子として重縮合したポリエステルに対して0.5
重量部添加し過剰のエチレングリコールを系外に留出さ
せた。その後、240℃から徐々に昇温、減圧し、最終
的に285℃、1mmHg以下で重縮合反応を行い、固
有粘度0.68のポリエステルを得た。
【0074】得られたポリエステルを150℃で24時
間真空乾燥した後、押出機に供給して285℃で溶融
し、T型口金よりシート状に押出し、冷却固化せしめ、
未延伸フィルムを得た。次いで、未延伸フィルムを95
℃に加熱して長手方向に3.5倍延伸し、さらに100
℃に加熱して幅方向に3.5倍に延伸後、115℃で5
秒間熱処理を施し、冷却して1.7μmの二軸延伸フィ
ルムを得た。該フィルムの片面には、ステンター入口部
においてワックス系離型剤をバーコーターを用いて乾燥
の後の重さで0.1g/m2 塗布した。
【0075】得られたフィルムの離型剤未塗布面側に酢
酸ビニルを接着剤としてマニラ麻を原料とする天然繊維
100%の繊維目付量10g/m2 の和紙と貼り合わせ
て感熱孔版印刷用原紙を作製した。なお接着剤塗布量は
1g/m2 とした。前記した方法に基づき穿孔テスト、
印刷テストおよび耐刷性の評価を実施し、結果を得られ
たフィルムの特性と共に表1に示した。
【0076】比較例1 エステル交換触媒として酢酸マグネシウムの代わりに酢
酸亜鉛を同じ重量部用いた以外は実施例1と同様にして
感熱孔版印刷用原紙を得た。前記した方法に基づき穿孔
テスト、印刷テストおよび耐刷性の評価を実施し、結果
を得られたフィルムの特性と共に表1に示した。
【0077】実施例2 原料の仕込量をテレフタル酸ジメチル72.0重量部、
イソフタル酸ジメチル24.0重量部、エチレングリコ
ール61.3重量部とした以外は実施例1と同様に重縮
合反応を行い、固有粘度0.74のポリエステルを得
た。
【0078】得られたポリエステルを用いて実施例1と
同様にして感熱孔版印刷用原紙を得た。前記した方法に
基づき穿孔テスト、印刷テストおよび耐刷性の評価を実
施し、結果を得られたフィルムの特性と共に表1に示し
た。
【0079】実施例3 酢酸マグネシウムの添加量を0.215重量部とした以
外は実施例1と同様にして感熱孔版印刷用原紙を得た。
前記した方法に基づき穿孔テスト、印刷テストおよび耐
刷性の評価を実施し、結果を得られたフィルムの特性と
共に表1に示した。
【0080】実施例4 原料の仕込量をテレフタル酸ジメチル86.4重量部、
イソフタル酸ジメチル9.6重量部、エチレングリコー
ル61.3重量部とした以外は実施例1と同様にして感
熱孔版印刷用原紙を得た。前記した方法に基づき穿孔テ
スト、印刷テストおよび耐刷性の評価を実施し、結果を
得られたフィルムの特性と共に表1に示した。
【0081】実施例5 実施例1のポリエステルと固有粘度が0.88でM/P
が0.4であるポリブチレンテレフタレートを重量比で
1:1にブレンドし、140℃で24時間真空乾燥後、
押出機に供給し、長手方向の延伸温度を85℃にした以
外は実施例1と同様にして感熱孔版印刷用原紙を得た。
前記した方法に基づき穿孔テスト、印刷テストおよび耐
刷性の評価を実施し、結果を得られたフィルムの特性と
共に表1に示した。
【0082】比較例2 原料の仕込量をテレフタル酸ジメチル91.2重量部、
イソフタル酸ジメチル4.8重量部、エチレングリコー
ル61.3重量部とした以外は実施例1と同様にして感
熱孔版印刷用原紙を得た。前記した方法に基づき穿孔テ
スト、印刷テストおよび耐刷性の評価を実施し、結果を
得られたフィルムの特性と共に表1に示した。
【0083】実施例6 酢酸マグネシウムの添加量を0.038重量部、フェニ
ルホスホン酸ジメチルの添加量を0.137重量部とし
た以外は実施例1と同様にして感熱孔版印刷用原紙を得
た。前記した方法に基づき穿孔テスト、印刷テストおよ
び耐刷性の評価を実施し、結果を得られたフィルムの特
性と共に表2に示した。
【0084】実施例7 長手方向への延伸前に未延伸フィルムを加熱したロール
で120℃で5秒間熱処理した後、95℃で長手方向に
延伸した以外は実施例1と同様にして感熱孔版印刷用原
紙を得た。前記した方法に基づき穿孔テスト、印刷テス
トおよび耐刷性の評価を実施し、結果を得られたフィル
ムの特性と共に表2に示した。
【0085】実施例8 酢酸マグネシウムの添加量を0.019重量部、フェニ
ルホスホン酸ジメチルの添加量を0.044重量部とし
た以外は実施例1と同様にして感熱孔版印刷用原紙を得
た。前記した方法に基づき穿孔テスト、印刷テストおよ
び耐刷性の評価を実施し、結果を得られたフィルムの特
性と共に表2に示した。
【0086】比較例3 酢酸マグネシウムの添加量を0.150重量部とした以
外は実施例1と同様にして感熱孔版印刷用原紙を得た。
前記した方法に基づき穿孔テスト、印刷テストおよび耐
刷性の評価を実施し、結果を得られたフィルムの特性と
共に表2に示した。
【0087】実施例9、比較例4、5 T型口金への溶融ポリマーの供給量と製膜速度を変更
し、フィルムの厚みを変更した以外は実施例1と同様に
して感熱孔版印刷用原紙を得た。前記した方法に基づき
穿孔テスト、印刷テストおよび耐刷性の評価を実施し、
結果を得られたフィルムの特性と共に表2に示した。
【0088】
【表1】
【表2】
【0089】
【発明の効果】本発明は、低エネルギーでも穿孔性が良
好で、かつエネルギーレベルの変化に応じた穿孔径をあ
けることで優れた階調性を出し、しかも耐刷性と耐カー
ル性に優れた感熱孔版印刷用原紙を提供することができ
たものである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 厚みが0.2〜5μmの二軸延伸ポリエ
    ステルフィルムであって、該ポリエステルフィルムの融
    点が240℃以下であり、該ポリエステルフィルム中に
    含まれるマグネシウム元素量が10ppm以上であり、
    かつ下記式を満足することを特徴とする感熱孔版印刷原
    紙用ポリエステルフィルム。 M/P≦1.0 (ここで、M/Pはポリエステルフィルム中に含有され
    るマグネシウム元素とリン元素のモル比を示す。)
JP31533295A 1995-12-04 1995-12-04 感熱孔版印刷原紙用ポリエステルフィルム Pending JPH09156246A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6649260B2 (en) 2000-12-08 2003-11-18 Toyo Boseki Kabushiki Kaisha Optical coating film

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6649260B2 (en) 2000-12-08 2003-11-18 Toyo Boseki Kabushiki Kaisha Optical coating film

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