JPH09155388A - 生体触媒を用いた脱窒装置 - Google Patents
生体触媒を用いた脱窒装置Info
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- JPH09155388A JPH09155388A JP32316995A JP32316995A JPH09155388A JP H09155388 A JPH09155388 A JP H09155388A JP 32316995 A JP32316995 A JP 32316995A JP 32316995 A JP32316995 A JP 32316995A JP H09155388 A JPH09155388 A JP H09155388A
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- Japan
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- denitrifying
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- electrode
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 脱窒速度の向上と脱窒活性の安定化をは
かる水素脱窒装置を提供する。 【解決手段】 この脱窒装置は生体触媒を用いた電気化
学的脱窒装置であって、脱窒菌体を固定化した陰極と、
酸素ガスの移動を阻止しうる隔膜によって陰極から隔離
された陽極を有することを特徴としている。
かる水素脱窒装置を提供する。 【解決手段】 この脱窒装置は生体触媒を用いた電気化
学的脱窒装置であって、脱窒菌体を固定化した陰極と、
酸素ガスの移動を阻止しうる隔膜によって陰極から隔離
された陽極を有することを特徴としている。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、都市上・下水、
産業廃水、居住に伴って排出される生活水等の浄化でき
る脱窒装置に関し、特に、これらの水中に含有され、汚
染の原因物質とされる含窒素酸化物(NOx:硝酸態窒
素酸化物)を微生物によって分解除去、即ち脱窒を効率
的に行える脱窒装置に関するものである。
産業廃水、居住に伴って排出される生活水等の浄化でき
る脱窒装置に関し、特に、これらの水中に含有され、汚
染の原因物質とされる含窒素酸化物(NOx:硝酸態窒
素酸化物)を微生物によって分解除去、即ち脱窒を効率
的に行える脱窒装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】黒田ら(土木学会第48回年次学術講演
会要旨集、p1268、1993)および特開平5−3
29497号公報には、水の電気分解によって発生する
水素を還元力として微生物に供給して脱窒する方法が提
案されている。この方法は脱窒菌を含む活性汚泥懸濁液
中に炭素電極を約1ヵ月浸すことにより電極上に微生物
膜を作り、これに通電することで脱窒を起こす方法であ
り、炭素電極の使用により、陽極で発生する酸素
(O2)をCO2に変換し系内が酸化的になるのを防げる
という。
会要旨集、p1268、1993)および特開平5−3
29497号公報には、水の電気分解によって発生する
水素を還元力として微生物に供給して脱窒する方法が提
案されている。この方法は脱窒菌を含む活性汚泥懸濁液
中に炭素電極を約1ヵ月浸すことにより電極上に微生物
膜を作り、これに通電することで脱窒を起こす方法であ
り、炭素電極の使用により、陽極で発生する酸素
(O2)をCO2に変換し系内が酸化的になるのを防げる
という。
【0003】特表平6−500258号公報およびR.
B.Mellorら(Nature,vol,355,
P717−719,1992)には、微生物あるいは植
物から脱窒に関与する酸素をそれぞれ取り出し、これら
を担体上に固定化し、さらに、これら酸素群に電子伝達
を効率的に行うための色素物質、例えばメチルバイオロ
ジェン等も同時に固定化し、通電する方法が提案されて
いる。
B.Mellorら(Nature,vol,355,
P717−719,1992)には、微生物あるいは植
物から脱窒に関与する酸素をそれぞれ取り出し、これら
を担体上に固定化し、さらに、これら酸素群に電子伝達
を効率的に行うための色素物質、例えばメチルバイオロ
ジェン等も同時に固定化し、通電する方法が提案されて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】特開平5−32949
7号公報等が提案している方法は、陽極で発生した酸素
は炭素電極を用いても完全には二酸化炭素とはならず、
多くの部分が酸素ガスとして処理水中に溶け込み、系内
を酸化的にし脱窒作用に不利な環境を形成しやすい。酵
素そのものを使わず、微生物を使用し電気により脱窒さ
せる方法であるが電子即ち還元力が脱窒菌体内の脱窒酵
素に効率よく伝わらず、NOx除去速度が2mg/1/
時以下と極めて小さく実用的とは言い難い。さらに脱窒
速度を高めるためには、菌体濃度を高める必要があるも
のの、この方法では、固定化される菌種を特定化できな
いため(脱窒菌以外の微生物も含まれる)、菌体濃度を
調節できない。菌体濃度を調節できないため、流入する
処理水の違いにより、脱窒速度が安定しない、等の問題
がある。
7号公報等が提案している方法は、陽極で発生した酸素
は炭素電極を用いても完全には二酸化炭素とはならず、
多くの部分が酸素ガスとして処理水中に溶け込み、系内
を酸化的にし脱窒作用に不利な環境を形成しやすい。酵
素そのものを使わず、微生物を使用し電気により脱窒さ
せる方法であるが電子即ち還元力が脱窒菌体内の脱窒酵
素に効率よく伝わらず、NOx除去速度が2mg/1/
時以下と極めて小さく実用的とは言い難い。さらに脱窒
速度を高めるためには、菌体濃度を高める必要があるも
のの、この方法では、固定化される菌種を特定化できな
いため(脱窒菌以外の微生物も含まれる)、菌体濃度を
調節できない。菌体濃度を調節できないため、流入する
処理水の違いにより、脱窒速度が安定しない、等の問題
がある。
【0005】特表平6−500258号公報に脱窒に関
与する微生物の還元酵素を単離し適当な担体あるいは電
極に固定し脱窒処理を行う方法が提案されている。しか
し、この方法では、脱窒酵素のような還元酵素を菌体な
どから分離すると、通常、安定性が著しく損なわれ、脱
窒活性が速やかに消失、もしくは3ヵ月以内には消失し
実用には適さない。これは、溶液中の酸素の影響であ
る。脱窒酵素は一度失活すると、再活性化は困難であ
る。また、NOxをN2へ還元するには最終的に4種類
の酵素が関与しているといわれているが、それらの酵素
を純度良く単離精製することは非常に繁雑な操作が必要
でコストがかかり、実用上問題が多い。現に、4個の脱
窒酵素のうちひとつは単離できていないため、この方法
では、3つの酵素しか利用していない。実際の排水中で
は、固定化された脱窒酵素が速やかに環境中に存在する
多数の微生物によって被覆されてしまい、処理すべきN
Oxと脱窒酵素との接触が阻害されることが考えられ
る。これも、脱窒活性を低下させる原因である。
与する微生物の還元酵素を単離し適当な担体あるいは電
極に固定し脱窒処理を行う方法が提案されている。しか
し、この方法では、脱窒酵素のような還元酵素を菌体な
どから分離すると、通常、安定性が著しく損なわれ、脱
窒活性が速やかに消失、もしくは3ヵ月以内には消失し
実用には適さない。これは、溶液中の酸素の影響であ
る。脱窒酵素は一度失活すると、再活性化は困難であ
る。また、NOxをN2へ還元するには最終的に4種類
の酵素が関与しているといわれているが、それらの酵素
を純度良く単離精製することは非常に繁雑な操作が必要
でコストがかかり、実用上問題が多い。現に、4個の脱
窒酵素のうちひとつは単離できていないため、この方法
では、3つの酵素しか利用していない。実際の排水中で
は、固定化された脱窒酵素が速やかに環境中に存在する
多数の微生物によって被覆されてしまい、処理すべきN
Oxと脱窒酵素との接触が阻害されることが考えられ
る。これも、脱窒活性を低下させる原因である。
【0006】この発明は、上記のような問題点を解決し
脱窒速度の向上と脱窒活性の安定化をはかれる脱窒装置
を提供することを目的としている。
脱窒速度の向上と脱窒活性の安定化をはかれる脱窒装置
を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的は、生体触媒を
用いた電気化学的脱窒装置であって、脱窒菌体を固定化
した陰極と、酸素ガスの移動を阻止しうる隔膜によって
陰極から隔離された陽極を有することを特徴とする、含
窒素酸化物を含有する水から含窒素酸化物を分解除去す
る脱窒装置によって達成される。
用いた電気化学的脱窒装置であって、脱窒菌体を固定化
した陰極と、酸素ガスの移動を阻止しうる隔膜によって
陰極から隔離された陽極を有することを特徴とする、含
窒素酸化物を含有する水から含窒素酸化物を分解除去す
る脱窒装置によって達成される。
【0008】また、上記脱窒装置において陰極に電子伝
達物質を保持させることによってより好ましく達成され
る。
達物質を保持させることによってより好ましく達成され
る。
【0009】
【発明の実施の形態】陰極に固定化される脱窒菌の種類
は問わないが、例えばRhodobacter sha
eroides f.s. denitrificans,
Pseudomonas denitrificans
(ATCC−13867), P. stutzeri
(ATCC−17588), P. aeruginos
a,Bacillus spp, Achromobac
ter spp, Thiobacillus deni
trificans, Thiosphaera sp
p,およびこれらの混合菌を用いることができる。この
うちで特に、Rhodobacter sphaero
ides f.s. denitrificansは、脱窒
能を有する他、その生育する水環境中のBODの低減能
力も著しく高いという特徴があり、さらに病原性などの
危険性もなく好ましいものである。
は問わないが、例えばRhodobacter sha
eroides f.s. denitrificans,
Pseudomonas denitrificans
(ATCC−13867), P. stutzeri
(ATCC−17588), P. aeruginos
a,Bacillus spp, Achromobac
ter spp, Thiobacillus deni
trificans, Thiosphaera sp
p,およびこれらの混合菌を用いることができる。この
うちで特に、Rhodobacter sphaero
ides f.s. denitrificansは、脱窒
能を有する他、その生育する水環境中のBODの低減能
力も著しく高いという特徴があり、さらに病原性などの
危険性もなく好ましいものである。
【0010】脱窒菌体を陰極に固定化する方法としては
一旦担体に固定して、この担体で電極に取り付けてもよ
く、あるいは菌体を直接電極に固定化してもよい。
一旦担体に固定して、この担体で電極に取り付けてもよ
く、あるいは菌体を直接電極に固定化してもよい。
【0011】これらの脱窒微生物を担体に固定する方法
としては様々の公知の方法を用いることができる。例え
ば、包括固定化法としてポリビニールアルコール(PV
A)を用いたPVA−凍結法が好ましい。その際、PV
AゲルはPVAの最終濃度を10〜11%にすれば容易
に破壊されることはない。
としては様々の公知の方法を用いることができる。例え
ば、包括固定化法としてポリビニールアルコール(PV
A)を用いたPVA−凍結法が好ましい。その際、PV
AゲルはPVAの最終濃度を10〜11%にすれば容易
に破壊されることはない。
【0012】電極への結合固定化する方法として、脱窒
菌と電極との架橋剤として、グルタルアルデヒド、N,
N−エチレンビスマレイミド、ビスジアゾベンジジン、
N,N−ポリメチレンビスヨードアセトアミド、イソシ
アン酸誘導体など周知の物質を用いて結合させる方法が
ある。
菌と電極との架橋剤として、グルタルアルデヒド、N,
N−エチレンビスマレイミド、ビスジアゾベンジジン、
N,N−ポリメチレンビスヨードアセトアミド、イソシ
アン酸誘導体など周知の物質を用いて結合させる方法が
ある。
【0013】菌体の固定化量は電極1cm2当たり105
〜1012程度が適当である。
〜1012程度が適当である。
【0014】菌体を担体に固定化して電極に装着する場
合、菌体固定化物は電極に密着させてもよく、多少間隔
があってもよい。例えば、上記の脱窒菌を包括固定化し
たPVAゲルを電極を覆うキャップ状に整形し、電極に
被せる方法がある。その際、PVAゲルが電極から離脱
しないよう適当なサポーター例えば、ビニール、テトロ
ン等で作られたネットあるいはセルロースフィルム等で
電極に固定してもよい。
合、菌体固定化物は電極に密着させてもよく、多少間隔
があってもよい。例えば、上記の脱窒菌を包括固定化し
たPVAゲルを電極を覆うキャップ状に整形し、電極に
被せる方法がある。その際、PVAゲルが電極から離脱
しないよう適当なサポーター例えば、ビニール、テトロ
ン等で作られたネットあるいはセルロースフィルム等で
電極に固定してもよい。
【0015】電子伝達物質は公知のものを適宜選択して
用いることができるが脱窒菌に対して毒性のないものが
好ましい。毒性のない物質の例としては、クルクミン、
サフラニン、ニュートラルレッド、メチルレッドなどを
挙げることができる。
用いることができるが脱窒菌に対して毒性のないものが
好ましい。毒性のない物質の例としては、クルクミン、
サフラニン、ニュートラルレッド、メチルレッドなどを
挙げることができる。
【0016】電子伝達物質は特開平6−500258号
公報で既に述べられている如く直接架橋により、あるい
はスペーサーを介してエポキシ、シアンブロミド、ジイ
ソシアネート、カルボジイミド、グルタルアルデヒド等
により直接電極表面に固定化してもよく、脱窒菌体とと
もに包括固定化してもよい。電子伝達物質の固定化量と
しては菌体重:電子伝達物質の重量=10:1〜1:5
程度が適当である。電極または高分子ゲル中に脱窒菌と
ともに電子伝達物質も固定化することにより、還元力が
速やかに菌体中の脱窒酵素群に伝達され、脱窒活性の著
しい向上が可能となることを確認した。
公報で既に述べられている如く直接架橋により、あるい
はスペーサーを介してエポキシ、シアンブロミド、ジイ
ソシアネート、カルボジイミド、グルタルアルデヒド等
により直接電極表面に固定化してもよく、脱窒菌体とと
もに包括固定化してもよい。電子伝達物質の固定化量と
しては菌体重:電子伝達物質の重量=10:1〜1:5
程度が適当である。電極または高分子ゲル中に脱窒菌と
ともに電子伝達物質も固定化することにより、還元力が
速やかに菌体中の脱窒酵素群に伝達され、脱窒活性の著
しい向上が可能となることを確認した。
【0017】陰極および陽極の材質は通常のものでよ
く、例えばカーボン電極、等を使用できる。陰極と陽極
の間の距離は電圧を低く抑えるため5〜40mm程度が
好ましい。
く、例えばカーボン電極、等を使用できる。陰極と陽極
の間の距離は電圧を低く抑えるため5〜40mm程度が
好ましい。
【0018】発生酸素ガスによる系内の酸化を抑制する
ために、陽極に隔膜を装着することにより、還元部位を
陰極表面から周辺部分まで広げ、反応速度を高めること
ができる。隔膜として、セルロースフィルム等の透析
膜、テトロン、フルオロスルホン酸膜、ナイロン、木綿
布、不織布等を使用する。隔膜は、本来、液体や酸素分
子を通さないものが最も好ましいが、陽極から発生する
酸の気泡を拡散させないという機能しかないナイロンや
木綿布等でも有効である。膜厚5μm〜2000μm程
度が適当であるが、好ましくは10μm〜300μm程
度である。
ために、陽極に隔膜を装着することにより、還元部位を
陰極表面から周辺部分まで広げ、反応速度を高めること
ができる。隔膜として、セルロースフィルム等の透析
膜、テトロン、フルオロスルホン酸膜、ナイロン、木綿
布、不織布等を使用する。隔膜は、本来、液体や酸素分
子を通さないものが最も好ましいが、陽極から発生する
酸の気泡を拡散させないという機能しかないナイロンや
木綿布等でも有効である。膜厚5μm〜2000μm程
度が適当であるが、好ましくは10μm〜300μm程
度である。
【0019】隔膜と陽極表面との距離は0.5mm〜3
0mm程度、好ましくは10mm程度がよい。
0mm程度、好ましくは10mm程度がよい。
【0020】通電条件としては、電流密度が0.1〜1
mA/cm2程度、電圧が1〜10V程度の範囲が好ま
しい。被処理液のpHは脱窒菌の活性が充分発揮される
pH、例えばpH5〜9に維持するようにし、そのため
に適宜酸やアルカリを加える。しかし、pHの調整は、
反応が万一安定しない時に限られ、通常必要ない。
mA/cm2程度、電圧が1〜10V程度の範囲が好ま
しい。被処理液のpHは脱窒菌の活性が充分発揮される
pH、例えばpH5〜9に維持するようにし、そのため
に適宜酸やアルカリを加える。しかし、pHの調整は、
反応が万一安定しない時に限られ、通常必要ない。
【0021】本発明の装置においては、隔膜の使用によ
り、陰極周辺部全体を還元的状態にすることが可能であ
る。これにより、還元部位の拡大と脱窒活性の向上が認
められた。
り、陰極周辺部全体を還元的状態にすることが可能であ
る。これにより、還元部位の拡大と脱窒活性の向上が認
められた。
【0022】脱窒酵素のような還元酵素を空気(酸素)
に直接接触させると失活し安定性を失い易いという点か
ら、脱窒活性の高い脱窒菌を菌体のまま直接電極表面上
に固定化する、あるいは、PVA等により包括固定化す
る。これによって、脱窒酵素群の活性が安定化し、また
酵素寿命も延びる。また、電極上あるいは包括固定化担
体中で脱窒菌は増殖するので新たな脱窒酵素の補給が可
能となり、酵素のみを固定化する場合に比べて長期間の
脱窒反応が可能となる。さらに、脱窒酵素の単離と精製
の手間が省略でき大幅なコスト削減が可能となる。
に直接接触させると失活し安定性を失い易いという点か
ら、脱窒活性の高い脱窒菌を菌体のまま直接電極表面上
に固定化する、あるいは、PVA等により包括固定化す
る。これによって、脱窒酵素群の活性が安定化し、また
酵素寿命も延びる。また、電極上あるいは包括固定化担
体中で脱窒菌は増殖するので新たな脱窒酵素の補給が可
能となり、酵素のみを固定化する場合に比べて長期間の
脱窒反応が可能となる。さらに、脱窒酵素の単離と精製
の手間が省略でき大幅なコスト削減が可能となる。
【0023】脱窒菌とともに電子伝達物質も同時に固定
化する。これによって、水の電気分解によって発生する
発生期の水素(H)による還元力が速やかに生きた菌の
脱窒酵素に伝えられ、NOxのN2への還元速度すなわ
ち脱窒速度の著しい向上が計るる。
化する。これによって、水の電気分解によって発生する
発生期の水素(H)による還元力が速やかに生きた菌の
脱窒酵素に伝えられ、NOxのN2への還元速度すなわ
ち脱窒速度の著しい向上が計るる。
【0024】
実施例1 図1に示す装置を使用した。この装置は反応槽1の容積
が1lの密閉箱形をしており、内部には20×20×
0.5cmの5枚の炭素電極が電極間距離0.5cmを
おいて吊り下げられている。この電極板は交互に配置さ
れた3枚の陰極2と2枚の陽極3からなっており、それ
ぞれ直流電源4に接続されている。陰極2は図2に示す
如く、脱窒菌と電子伝達物質を固定したゲル5が被着さ
れており、その外側にはこのゲル5を保護する枠6が取
り付けられている。一方、陽極3の周囲には酸素ガスの
通過を阻止する厚さ200μmのセルロースフィルム
(透析膜)よりなる隔膜7によって取巻かれている。
(電極と隔膜の間隔は1mmである。底部は開いてい
る)反応槽1には被処理水の入口8、処理水の出口9、
被処理水の循環ライン10及びガス排出口11が設けら
れ、循環ライン10には被処理水を循環させるポンプ1
2が設けられている。直流電源4には電流計13及び電
圧計14が取り付けられている。
が1lの密閉箱形をしており、内部には20×20×
0.5cmの5枚の炭素電極が電極間距離0.5cmを
おいて吊り下げられている。この電極板は交互に配置さ
れた3枚の陰極2と2枚の陽極3からなっており、それ
ぞれ直流電源4に接続されている。陰極2は図2に示す
如く、脱窒菌と電子伝達物質を固定したゲル5が被着さ
れており、その外側にはこのゲル5を保護する枠6が取
り付けられている。一方、陽極3の周囲には酸素ガスの
通過を阻止する厚さ200μmのセルロースフィルム
(透析膜)よりなる隔膜7によって取巻かれている。
(電極と隔膜の間隔は1mmである。底部は開いてい
る)反応槽1には被処理水の入口8、処理水の出口9、
被処理水の循環ライン10及びガス排出口11が設けら
れ、循環ライン10には被処理水を循環させるポンプ1
2が設けられている。直流電源4には電流計13及び電
圧計14が取り付けられている。
【0025】常法にしたがって培養しておいた Pse
udomonas denitrificans(AT
CC−13867)の培養液を遠心分離(8000rp
m、15分間)してその上澄み液を除去した後、菌体を
0.1−PIPESバッファーに懸濁させた。菌体:バ
ッファーは1:3程度となるようにした。この懸濁液を
14%PVA溶液に1:4の割合で混合し、カーボン電
極をこの液に浸したまま−40℃で24時間凍結保存し
た。その後4℃以下で解凍した。さらに電極表面を被う
ゲルの厚さがおおよそ1mmになるようナイフ等で成形
した。
udomonas denitrificans(AT
CC−13867)の培養液を遠心分離(8000rp
m、15分間)してその上澄み液を除去した後、菌体を
0.1−PIPESバッファーに懸濁させた。菌体:バ
ッファーは1:3程度となるようにした。この懸濁液を
14%PVA溶液に1:4の割合で混合し、カーボン電
極をこの液に浸したまま−40℃で24時間凍結保存し
た。その後4℃以下で解凍した。さらに電極表面を被う
ゲルの厚さがおおよそ1mmになるようナイフ等で成形
した。
【0026】被処理液として50ppmのNO3−Nを
含む水(水道水にKNO3を溶解し、Nとして50pp
mになるように調製した水)を上記反応槽に満たし、表
1に示す電流密度となるように電流を流した。一時間
後、反応溶液中のNO3−,NO2−, NH4−Nを測定
し、反応前のNO3−N濃度(50ppm)から反応終
了後の(NO3−N+NO2−N+NH4−N)濃度を引
いた値を1時間当たりの脱窒量(ppm)とした。さら
に、陽極側の電極にセルロースフィルムを被せ、酸素の
気泡が系内に広がらないようにして、同じく1時間。反
応させた。各反応後、の脱窒量を測定した。
含む水(水道水にKNO3を溶解し、Nとして50pp
mになるように調製した水)を上記反応槽に満たし、表
1に示す電流密度となるように電流を流した。一時間
後、反応溶液中のNO3−,NO2−, NH4−Nを測定
し、反応前のNO3−N濃度(50ppm)から反応終
了後の(NO3−N+NO2−N+NH4−N)濃度を引
いた値を1時間当たりの脱窒量(ppm)とした。さら
に、陽極側の電極にセルロースフィルムを被せ、酸素の
気泡が系内に広がらないようにして、同じく1時間。反
応させた。各反応後、の脱窒量を測定した。
【0027】得られた結果を表1に示す。 比較例1 陽極に隔膜を設けなかったほかは実施例1と同様にし
て、脱窒反応を行った。得られた結果を表1に示す。
て、脱窒反応を行った。得られた結果を表1に示す。
【0028】
【表1】
【0029】実施例2 図1に示す装置を使用した。
【0030】Pseudomonas denitri
ficans(ATCC−13867)のPIPESバ
ッファー懸濁液と0.1mMクルクミン水溶液、14%
PVA溶液を5:1:20の割合で混合し、この溶液中
にカーボン平板電極を浸し、−40℃で24時間凍結保
存した。これを実指例1と同様にして陰極となる炭素電
極を被う厚さ1mmの薄いフィルム状に成形した。
ficans(ATCC−13867)のPIPESバ
ッファー懸濁液と0.1mMクルクミン水溶液、14%
PVA溶液を5:1:20の割合で混合し、この溶液中
にカーボン平板電極を浸し、−40℃で24時間凍結保
存した。これを実指例1と同様にして陰極となる炭素電
極を被う厚さ1mmの薄いフィルム状に成形した。
【0031】被処理液として50ppmのNO3−Nを
含む水(水道水にKNO3を溶解し、Nとして50pp
mになるよう調製した水)これを滞留時間1時間で反応
槽の一方から電極間を通過するように流し、電極に通電
(電流密度:0.3mA/cm)した。流出してくる溶
液中の窒素量(NO3−,NO2,NO4−N)を毎日測
定した。反応前のNO3−N濃度(50ppm)から反
応終了後の(NO3−N+NO2−N+NH4−N)濃度
を引いた値を1時間当たりの脱窒量とした。反応を18
0日間連続させた結果を表2に示すように、脱窒量はさ
ほど低下せず、高い脱窒量を維持したいた。
含む水(水道水にKNO3を溶解し、Nとして50pp
mになるよう調製した水)これを滞留時間1時間で反応
槽の一方から電極間を通過するように流し、電極に通電
(電流密度:0.3mA/cm)した。流出してくる溶
液中の窒素量(NO3−,NO2,NO4−N)を毎日測
定した。反応前のNO3−N濃度(50ppm)から反
応終了後の(NO3−N+NO2−N+NH4−N)濃度
を引いた値を1時間当たりの脱窒量とした。反応を18
0日間連続させた結果を表2に示すように、脱窒量はさ
ほど低下せず、高い脱窒量を維持したいた。
【0032】
【表2】
【0033】
【発明の効果】本発明の製造を用いることにより、脱窒
速度を飛躍的に大きくすることができる。脱窒活性が安
定していて長期的にわたり脱窒を行わせることができ
る。本装置は大幅なコンパクト化が可能である。現有の
下水処理場の最終工程に設置し脱窒率を大幅に向上させ
ることができる。
速度を飛躍的に大きくすることができる。脱窒活性が安
定していて長期的にわたり脱窒を行わせることができ
る。本装置は大幅なコンパクト化が可能である。現有の
下水処理場の最終工程に設置し脱窒率を大幅に向上させ
ることができる。
【図1】 本発明の実施例で使用した装置の構成を示す
図である。
図である。
【図2】 上記装置の陰極の側面図である。
【図3】 微生物固定化ゲルを浮遊させて使用している
装置の状態を示す図である。
装置の状態を示す図である。
1 反応槽 2 陰極 3 陽極 4 直流電源 5 包括ゲル 6 枠 7 隔膜 8 被処理水×0 9 処理水出口 10 循環ライン 11 ガス排出口 12 ポンプ 13 電流計 14 電圧計
Claims (2)
- 【請求項1】 生体触媒を用いた電気化学的脱窒装置で
あって、脱窒菌体を固定化した陰極と、酸素ガスの移動
を阻止しうる隔膜によって陰極から隔離された陽極を有
することを特徴とする、含窒素酸化物を含有する水から
含窒素酸化物を分解除去する脱窒装置。 - 【請求項2】 陰極に電子伝達物質が保持されている請
求項1記載の脱窒装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32316995A JPH09155388A (ja) | 1995-12-12 | 1995-12-12 | 生体触媒を用いた脱窒装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32316995A JPH09155388A (ja) | 1995-12-12 | 1995-12-12 | 生体触媒を用いた脱窒装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09155388A true JPH09155388A (ja) | 1997-06-17 |
Family
ID=18151855
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32316995A Pending JPH09155388A (ja) | 1995-12-12 | 1995-12-12 | 生体触媒を用いた脱窒装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09155388A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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US9963790B2 (en) | 2010-10-19 | 2018-05-08 | Matthew Silver | Bio-electrochemical systems |
US10851003B2 (en) | 2010-07-21 | 2020-12-01 | Matthew Silver | Denitrification and pH control using bio-electrochemical systems |
-
1995
- 1995-12-12 JP JP32316995A patent/JPH09155388A/ja active Pending
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