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JPH09151202A - 樹脂水性分散体の製造方法 - Google Patents

樹脂水性分散体の製造方法

Info

Publication number
JPH09151202A
JPH09151202A JP7406596A JP7406596A JPH09151202A JP H09151202 A JPH09151202 A JP H09151202A JP 7406596 A JP7406596 A JP 7406596A JP 7406596 A JP7406596 A JP 7406596A JP H09151202 A JPH09151202 A JP H09151202A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polymerizable unsaturated
unsaturated monomer
group
radically polymerizable
radical
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7406596A
Other languages
English (en)
Inventor
Akihito Yamamoto
明史 山本
Yoshiki Hasegawa
義起 長谷川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd filed Critical Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
Priority to JP7406596A priority Critical patent/JPH09151202A/ja
Publication of JPH09151202A publication Critical patent/JPH09151202A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Polymerisation Methods In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 生産性に優れ、廃溶剤等の環境上の問題がな
く、更に流動性及び耐久性が良好な樹脂水性分散体を提
供する。 【解決手段】 カルボキシル基含有ラジカル重合性モノ
マー(例えばアクリル酸)と、不飽和基と非反応性の反
応性官能基を有するラジカル重合性モノマー(例えばγ
−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン)を必須
成分とする単量体成分を連鎖移動剤の存在下、乳化重合
して数平均分子量500〜20000の樹脂を得、次い
でこの樹脂の存在下、飽和基と非反応性の反応性官能基
と反応し得る基を有するラジカル重合性モノマー(例え
ばγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン)を
必須成分とする単量体成分を乳化重合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は水溶性樹脂と水分散性樹
脂の両方の特徴を兼ね備え、特に生産性、化学的耐久性
に優れた新規な樹脂水性分散体の製造方法に関するもの
であり、塗料、紙加工、繊維加工、接着、インキ、その
他コーティング用途等のバインダーまたは添加剤として
有用な樹脂水性分散体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、地球保全及び労働環境の改善が社
会的課題となっていることから、非公害型樹脂に対する
要求が大きく、それ故に非公害型樹脂である水性樹脂の
需要が急速に高まっている。
【0003】水性樹脂には水溶性樹脂と水分散性樹脂に
大別できる。前者により得られたものは成膜性、光沢が
良好、乳化剤を含まない、流動特性が溶剤型樹脂に近い
等の長所を有するが、その反面、高不揮発分化が困難、
溶液重合で合成するために転送乳化、脱溶剤工程を有
し、そのため生産性が悪い、樹脂合成の段階では有機溶
剤を用いる等の欠点を有する。一方、水分散性樹脂いわ
ゆるエマルジョン樹脂は一般的に乳化重合で合成される
ことから、分子量が高く物理的強度や耐久性に優れる、
有機溶剤を全く用いない、転相乳化、脱溶剤の工程がな
く、重合速度が速いため、生産性が良い等の長所を有す
るが、その反面、乳化剤を用いる、粒子状態であるため
に成膜性、光沢が悪い等の欠点を有する。また、エマル
ジョン樹脂はチクソ性を有するという特徴はあるが、こ
の性質は、タレには長所として働くが一方で厚塗り性、
レベリング性には欠点として働く。
【0004】即ち、水溶性樹脂、エマルジョン樹脂それ
ぞれに特徴はあるもののいずれも一長一短があり、溶剤
系樹脂から水性樹脂への転換という意味においてはまだ
いずれも充分ではないというのが現状である。従って水
溶性樹脂とエマルジョン樹脂の両方の特徴を兼ね備えた
樹脂の開発について、種々検討されている。
【0005】例えば、特開平6−145262号公報に
はアルカリ可溶性ポリマー中またはアルカリ不溶性ポリ
マー中に不飽和基を複数個有する単量体を共重合し、両
ポリマー間を架橋させることにより耐久性良好な水性樹
脂が得られる技術が開示されている。
【0006】また、特開平7−118544号公報には
反応性乳化剤の存在下で乳化重合して得られたカルボキ
シル基含有ポリマーを分散剤としてグリシジル基、アミ
ノ基またはアミド基含有単量体を含む単量体を乳化重合
することにより塗被むらがなく、耐ブロッキング性良好
な水性樹脂に関する技術が開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記特開平6
−145262号公報記載の方法では安定的に不飽和基
を残存させることは困難であることからアルカリ可溶性
ポリマーとアルカリ不溶性ポリマーとの間の架橋効率が
極めて悪く、得られる塗膜の耐水性に劣り、またアルカ
リ可溶性ポリマー中、またはアルカリ不溶性ポリマー中
で内部架橋を招来して造膜性及び流動性が低下したもの
となるという課題を有していた。
【0008】また、該公報ではアルカリ不溶性ポリマー
中にアミノ基を含有させることにより耐久性を向上させ
る旨も報告されているが、本方法は重合条件の選定が極
めて困難であるという欠点を有し、またたとえ重合でき
ても得られた樹脂の耐久性向上効果はそれほど高くな
い。
【0009】また、特開平7−118544号公報記載
の方法では、架橋反応が容易に起こる系においては、重
合反応中に架橋反応が進行してしまい、そのため、カル
ボキシル基の消失に伴い重合安定性が低下し、また架橋
反応が起こりにくい系では重合安定性は良好であっても
架橋が起こりにくいことに起因して低温硬化条件での耐
久性が向上しないといった欠点を有する。
【0010】本発明が解決しようとする課題は、極めて
生産性が高く、廃溶剤を発生すること無く、また、得ら
れる樹脂水性分散体の流動特性が良好で造膜性に優れ、
更に得られる塗膜の耐水性をはじめとする耐久性が著し
く良好な樹脂水性分散体の製造方法を提供することにあ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決すべく鋭意検討した結果、カルボキシル基含有ラ
ジカル重合性不飽和単量体(A−1)、及び不飽和基と
非反応性の反応性官能基を有するラジカル重合性不飽和
単量体(A−2)を必須とするラジカル重合性不飽和単
量体成分(A)を、水中で連鎖移動剤の存在下、乳化重
合し、数平均分子量500〜20000の共重合体とし
た後、当該共重合体を分散剤として用いて、前記共重合
体中に存在する(A−2)中の官能基と反応性を有する
官能基を有するラジカル重合性不飽和単量体(B−1)
を含むラジカル重合性不飽和単量体成分を乳化重合する
ことにより、生産性が良好で廃溶剤を発生させることな
く、かつ、流動性に優れ、然も塗膜の耐久性が著しく良
好な樹脂水性分散体が得られることを見いだし本発明を
完成するに至った。
【0012】即ち、本発明は、カルボキシル基含有ラジ
カル重合性不飽和単量体(A−1)、並びに、カルボキ
シル基以外の反応性官能基であって、不飽和基と非反応
性の反応性官能基を有するラジカル重合性不飽和単量体
(A−2)を必須の単量体成分として含有するラジカル
重合性不飽和単量体成分(A)を、水中で連鎖移動剤の
存在下、乳化重合し、数平均分子量500〜20000
の共重合体(A’)を製造した後、前記共重合体
(A’)を分散剤として用いて、(A−2)中に存在す
る官能基と反応性を有する官能基を有するラジカル重合
性不飽和単量体(B−1)を含むラジカル重合性不飽和
単量体成分(B)を乳化重合することを特徴とする樹脂
水性分散体の製造方法に関する。
【0013】以下発明の詳細について説明する。本発明
において、ラジカル重合性不飽和単量体(A)の重合
は、乳化重合で行なうことができ、特にその条件が特定
されるものではない。また、場合によっては有機溶剤を
併用することも可能ではあるが、溶剤規制、環境対策及
び生産性の点から全く使用しないか、或いは、必要最小
限の量にとどめることが好ましい。
【0014】また、この共重合体(A’)の製造におい
ては、乳化重合で行うことから、界面活性剤を使用した
方が重合安定性の観点から望ましい。使用し得る界面活
性剤としては、一般的に乳化重合で使用されているもの
であれば特に制限はない。代表的なもののみを例に挙げ
るとアルキルベンゼンスルホン酸ソーダ、アルキル硫酸
ソーダ、ナトリウムジアルキルスルホサクシネート、ア
ルキルフェニルポリオキシエチレンサルフェートソーダ
塩またはアンモニウム塩等のアニオン性乳化剤、ポリオ
キシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンア
ルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン−ポリオ
キシプロピレンブロック共重合体等のノニオン性乳化
剤、或いは分子中にラジカル重合性不飽和結合を有する
界面活性剤等が挙げられる。勿論これら以外にも一般的
に乳化重合で使用している界面活性剤であれば問題なく
用いることができる。
【0015】本発明においては、とりわけ、耐久性の観
点から分子中にラジカル重合性不飽和結合を有する界面
活性剤(以後「反応性界面活性剤」と略記する。)が好
ましく、具体例としては、例えば、ビニルスルホン酸ソ
ーダ、スチレンスルホン酸ソーダ、アクリル酸ポリオキ
シエチレン硫酸アンモニウム、メタクリル酸ポリオキシ
エチレンスルホン酸ソーダ、ポリオキシエチレンアルケ
ニルフェニルスルホン酸アンモニウム、ポリオキシエチ
レンアルケニルフェニル硫酸ソーダ、ナトリウムアリル
アルキルスルホサクシネート、メタクリル酸ポリオキシ
プロピレンスルホン酸ソーダ等のアニオン系反応性乳化
剤、ポリオキシエチレンアルケニルフェニルエーテル、
ポリオキシエチレンメタクリロイルエーテル等のノニオ
ン系反応性乳化剤が挙げられる。
【0016】また、一般的に市販されている反応性乳化
剤、例えばアクアロンHS−10,ニューフロンティア
A−229E(以上第一工業製薬(株)製)、アデカリ
アソープSE−3N、SE−5N、SE−10N、SE
−20N,SE−30N(以上旭電化工業(株)製)、
AntoxMS−60,MS−2N、RA−1120,
RA−2614(以上日本乳化剤(株)製)、エレミノ
ールJS−2,RS−30(以上三洋化成工業(株)
製)、ラテムルS−120A,S−180A,S−18
0(以上花王(株)製)等のアニオン型反応性界面活性
剤、アクアロンRN−20,RN−30,RN−50,
ニューフロンティアN−177E(以上第一工業製薬
(株)製)、アデカリアソープNE−10,NE−2
0,NE−30,NE−40(以上旭電化工業(株)
製)、RMA−564,RMA−568,RMA−11
14(以上日本乳化剤(株)製)、NKエステルM−2
0G、M−40G、M−90G、M−230G(以上新
中村化学工業(株)製)等のノニオン型反応性界面活性
剤等、一般的に乳化重合反応に用いられているものであ
れば何等問題なく用いることが出来る。勿論これら以外
の市販の反応性界面活性剤を用いることも可能である。
【0017】界面活性剤の使用量は、特に制限されるも
のではないが、一般的に乳化重合で使用されている量、
即ちラジカル重合性不飽和単量体成分(A)100重量
部あたり0.2〜10重量部であることが好ましい。
【0018】ラジカル重合性不飽和単量体成分(A)に
占めるカルボキシル基含有ラジカル重合性不飽和単量体
(A−1)の使用割合は、ラジカル重合性不飽和単量体
(A)100重量部に対し、カルボキシル基含有ラジカ
ル重合性不飽和単量体(A−1)3〜50重量部、なか
でも5〜30重量部であることが好ましい。
【0019】即ち、3重量部以上においては、分散安定
剤としての機能に優れたものとなり、また、50重量部
以下においては、耐水性が良好となる。また、5〜30
重量部とすることによりこれらの特性のバランスが極め
て良好となる。また、不飽和基以外の反応性官能基含有
ラジカル重合性不飽和単量体(A−2)の使用割合はラ
ジカル重合性不飽和単量体(A)100重量部あたり、
0.1〜50重量部、なかでも0.3〜10重量部が好
ましい。即ち10重量部以上になると重合安定性が悪く
なる場合がある。
【0020】カルボキシル基含有ラジカル重合性不飽和
単量体(A−1)としては公知のものはいずれも用いる
ことが可能であり、代表的な例を挙げるとアクリル酸、
メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、ク
ロトン酸、イタコン酸ハーフエステル、マレイン酸ハー
フエステル、無水マレイン酸、無水イタコン酸、2−メ
タクリロイルプロピオン酸、2−メタクリロイルオキシ
エチルフタル酸等長鎖末端にカルボキシル基を有するモ
ノマー類等が挙げられる。勿論これらは単独で使用して
もよいし複数併用してもよい。これらの中で特にアクリ
ル酸、メタクリル酸が良好な性質を示すため好ましい。
【0021】また、これらと共重合可能なその他のラジ
カル重合性不飽和単量体としては特に制限はなく一般的
に用いられているものであればいずれも用いることがで
きる。代表的なものを挙げるとアクリル酸メチル、アク
リル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチ
ルヘキシル等のアクリル酸エステル類;メタクリル酸メ
チル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタ
クリル酸シクロヘキシル等のメタクリル酸エステル類;
マレイン酸、フマル酸、イタコン酸の各エステル類;酢
酸ビニル、プロピオン酸ビニル、第3級カルボン酸ビニ
ル等のビニルエステル類;スチレン、ビニルトルエンの
如き芳香族ビニル化合物、ビニルピロリドンの如き複素
環式ビニル化合物;塩化ビニル、アクリロニトリル、ビ
ニルエーテル、ビニルケトン;塩化ビニリデン、フッ化
ビニリデン等ハロゲン化ビニリデン化合物;エチレン、
プロピレン等のαーオレフィン類等が挙げられる。勿論
これらを併用することも可能である。
【0022】カルボキシル基以外の反応性官能基であっ
て、不飽和基と非反応性の反応性官能基を有するラジカ
ル重合性不飽和単量体(A−2)とは、その単量体中に
存在する官能基が、カルボキシル基でなく、不飽和基と
全く反応しないか、またはたとえ反応しても極僅か、即
ち反応率が0.1%以下であって、かつ、不飽和基以外
の官能基と反応して化学結合を形成し得る官能基である
ことを特徴とするものである。具体的には、特に制限さ
れるものではないが、代表的なものを挙げると、グリシ
ジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリル
グリシジルエーテル等のグリシジル基含有ラジカル重合
性不飽和単量体、2−ヒドロキシエチルアクリレート、
2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシ
プロピルメタクリレート、アリルアルコール、ポリエチ
レングリコールモノアクリレート、グリセロールモノメ
タクリレート等の水酸基含有ラジカル重合性不飽和単量
体、アミノエチルメタクリレート、N−アルキルアミノ
エチルメタクリレート、N,N−ジアルキルアミノエチ
ルメタクリレート等のアミノ基含有ラジカル重合性不飽
和単量体、N−メチロールアクリルアミド、N−アルコ
キシメチルアクリルアミド等のアルキロールアミド基含
有ラジカル重合性不飽和単量体、アクリルアミド、メタ
クリルアミド、N−アルキルアクリルアミド等のアミド
基含有ラジカル重合性不飽和単量体、2−アセトアセト
キシエチルメタクリレート等アセトアセトキシ基含有ラ
ジカル重合性不飽和単量体、ビニルトリクロロシラン、
ビニルトリメトキシシラン、γーメタクリロキシプロピ
ルトリメトキシシラン、γーメタクリロイルプロピルジ
エトキシメチルシラン等加水分解性シリル基含有ラジカ
ル重合性不飽和単量体、アクリロイルイソシアナート、
アクリロイルイソシアナートエチルのフェノール付加物
等のイソシアナート基含有ラジカル重合性不飽和単量
体、アクロレイン、ジアセトンアクリルアミド、アルキ
ルビニルケトン、クロトンアルデヒド等カルボニル基含
有ラジカル重合性不飽和単量体、グリセリルシクロカー
ボネートアクリレート、グリセリルシクロカーボネート
メタクリレート等グリセリルシクロカーボネート基含有
ラジカル重合性不飽和単量体、2−イソプロペニル−2
−オキサゾリン、2ービニル−2−オキサゾリン等オキ
サゾリン基含有ラジカル重合性不飽和単量体が挙げられ
る。勿論上記化合物に限定されるものではなく、その他
汎用的に用いられているものは何れも使用し得る。
【0023】単量体成分(A)の重合で用いられる連鎖
移動剤としては、連鎖移動能があるものであればいずれ
も使用する事ができ、特に限定されるものではないが、
代表的なものを挙げるとn−オクチルメルカプタン、n
−ラウリルメルカプタン、t−ヘキサデシルメルカプタ
ン等のアルキルメルカプタン類、ベンジルメルカプタ
ン、ドデシルベンジルメルカプタン等のアルキルベンジ
ルメルカプタン類、チオグリコール酸、チオリンゴ酸等
のチオカルボン酸類またはその塩、n−ブチルチオグリ
コネート、ドデシル−3−メルカプトプロピオネート等
のチオカルボン酸アルキルエステル類、モノエタノール
アミンチオグリコレートに代表される含窒素チオール
類、トリメトキシシリルプロピルメルカプタンに代表さ
れる反応性官能基含有メルカプタン類、α−メチルスチ
レンダイマー等のダイマー型連鎖移動剤等が挙げられ
る。また、この他トリエチルアミン、トリブチルアミン
等の有機アミン類、n−ブチルアルコール、i−プロピ
ルアルコール等のアルコール類、四塩化炭素、アセトア
ルデヒド等の有機溶剤類等も挙げられる。
【0024】これらの中でもアルキルメルカプタン、ア
ルキルベンジルメルカプタン等が連鎖移動能が効果的で
あり好ましい。
【0025】連鎖移動剤の使用量は重合条件、単量体の
種類、連鎖移動剤の種類により異なるがラジカル重合性
不飽和単量体(A)100重量部あたり0.5〜50重
量部、好ましくは1〜20重量部用いることにより共重
合体(A’)の数平均分子量を500〜20000に調
節し易くなり、好ましい。
【0026】乳化重合の方法は、公知の方法にて行うこ
とが出来るが、例えばラジカル重合性不飽和単量体成分
(A)100重量部あたり、ラジカル重合開始剤0.1
〜5重量部用い、水媒体50〜1000重量部使用して
40〜90℃で重合することが出来る。また、上記開始
剤と還元剤0.1〜5重量部併用するレドックス重合に
ても行うことができる。この際、鉄イオンや銅イオン等
の多価金属塩イオンを生成する化合物を促進剤として併
用することも可能である。上記反応で用いることが出来
るラジカル重合開始剤としては過硫酸カリウム、過硫酸
アンモニウム、過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩類、アゾ
ビスイソブチロニトリル及びその塩酸塩等のアゾ系開始
剤、過酸化水素、ターシャリーブチルハイドロパーオキ
サイド、クメンハイドロパーオキサイド等の過酸化物系
開始剤等が挙げられる。また、これらラジカル開始剤と
併用可能な還元剤としてはナトリウムスルホオキシレー
トホルムアルデヒド、ピロ亜硫酸ソーダ、L−アスコル
ビン酸等が挙げられる。乳化重合時の固形分濃度は実用
的な観点より最終エマルジョンが10〜70重量%の固
形分濃度となるようにするのが好ましく、また、ラジカ
ル重合性不飽和単量体、ラジカル開始剤、及び還元剤は
一括仕込、連続滴下、分割添加などの公知の技術により
行うことができる。
【0027】この様にして得られる共重合体(A’)は
分散剤として用いられ、その数平均分子量は500〜2
0,000である。即ち、500未満においては水溶性
樹脂としての性質が充分に発現されにくくなる場合があ
り、また20,000を越える場合は、分散剤としての
機能が充分に発現されにくくなる。
【0028】また、共重合体(A’)は親水基を多く含
むため、低pH領域でも分散能を有し、分散剤として用
いることができるが、塩基性物質で中和することにより
さらに分散能が向上するため、高pH領域にすることに
より他に問題がない場合は共重合体(A’)を塩基性物
質でpH=7以上に中和したものを分散剤として用いた
方がよい。塩基性物質の種類としては代表的なものを挙
げると、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ボラック
ス等の無機塩基、メチルアミン、イソブチルアミン、ト
リエチルアミン等のアルキルアミン類、ジメチルエタノ
ールアミン等のアルカノールアミン類、アンモニア等が
挙げられる。
【0029】本発明においては、(B−1)中に存在す
る官能基は(A−2)中に存在する官能基と反応するこ
とにより耐久性が向上する。このとき、(B−1)中の
官能基はカルボキシル基とは重合中反応してもかまわな
いが、この場合重合安定性が悪くなる場合が多いことか
ら、重合中には反応しないか反応しても極微量であるこ
とが好ましい。
【0030】ここで(A−2)と(B−1)の組み合わ
せの具体例を以下に示す。(A−2)としてグリシジル
基含有ラジカル重合性不飽和単量体を用いる場合、グリ
シジル基と反応し得る官能基を有するラジカル重合性不
飽和単量体(B−1)としては、アルキロールアミド基
含有ラジカル重合性不飽和単量体、水酸基含有ラジカル
重合性不飽和単量体、グリシジル基含有ラジカル重合性
不飽和単量体、アセトアセチル基含有ラジカル重合性不
飽和単量体、アミノ基含有ラジカル重合性不飽和単量
体、カルボキシル基含有ラジカル重合性不飽和単量体等
が挙げられる。
【0031】(A−2)として水酸基含有ラジカル重合
性不飽和単量体を用いる場合、水酸基と反応し得る官能
基を有するラジカル重合性不飽和単量体(B−1)とし
てはアルキロールアミド基含有ラジカル重合性不飽和単
量体、カルボニル基含有ラジカル重合性不飽和単量体、
イソシアナート基含有ラジカル重合性不飽和単量体、グ
リシジル基含有ラジカル重合性不飽和単量体、グリセリ
ルシクロカーボネート基含有ラジカル重合性不飽和単量
体、オキサゾリン基含有ラジカル重合性不飽和単量体、
加水分解性シリル基含有ラジカル重合性不飽和単量体、
カルボキシル基含有ラジカル重合性不飽和単量体等が挙
げられる。
【0032】(A−2)としてアルキロールアミド基含
有ラジカル重合性不飽和単量体を用いる場合、アルキロ
ールアミド基と反応し得る官能基を有するラジカル重合
性不飽和単量体(B−1)としてはイソシアナート基含
有ラジカル重合性不飽和単量体、アルキロールアミド基
含有ラジカル重合性不飽和単量体、水酸基含有ラジカル
重合性不飽和単量体、グリシジル基含有ラジカル重合性
不飽和単量体、グリセリルシクロカーボネート基含有ラ
ジカル重合性不飽和単量体、アミド基含有ラジカル重合
性不飽和単量体、加水分解性シリル基含有ラジカル重合
性不飽和単量体、アセトアセチル基含有ラジカル重合性
不飽和単量体、カルボキシル基含有ラジカル重合性不飽
和単量体、アミノ基含有ラジカル重合性不飽和単量体等
が挙げられる。
【0033】(A−2)としてアセトアセチル基含有ラ
ジカル重合性不飽和単量体を用いる場合、アセトアセチ
ル基と反応し得る官能基を有するラジカル重合性不飽和
単量体(B−1)としては、アルキロールアミド基含有
ラジカル重合性不飽和単量体、グリシジル基含有ラジカ
ル重合性不飽和単量体、イソシアナート基含有ラジカル
重合性不飽和単量体、グリセリルシクロカーボネート基
含有ラジカル重合性不飽和単量体、アミノ基含有ラジカ
ル重合性不飽和単量体等が挙げられる。
【0034】(A−2)として加水分解性シリル基含有
ラジカル重合性不飽和単量体を用いる場合、シリル基と
反応し得る官能基を有するラジカル重合性不飽和単量体
(B−1)としては水酸基含有ラジカル重合性不飽和単
量体、アルキロールアミド基含有ラジカル重合性不飽和
単量体、加水分解性シリル基含有ラジカル重合性不飽和
単量体等が挙げられる。
【0035】(A−2)としてカルボニル基含有ラジカ
ル重合性不飽和単量体を用いる場合、カルボニル基と反
応し得る官能基を有するラジカル重合性不飽和単量体
(B−1)としては水酸基含有ラジカル重合性不飽和単
量体、アミノ基含有ラジカル重合性不飽和単量体、カル
ボキシル基含有ラジカル重合性不飽和単量体等が挙げら
れる。
【0036】(A−2)としてアミド基含有ラジカル重
合性不飽和単量体を用いる場合、アミド基と反応し得る
官能基を有するラジカル重合性不飽和単量体(B−1)
としてはメチロールアミド基含有ラジカル重合性不飽和
単量体等が挙げられる。
【0037】(A−2)としてイソシアナート基含有ラ
ジカル重合性不飽和単量体を用いる場合、イソシアナー
ト基と反応し得る官能基を有するラジカル重合性不飽和
単量体(B−1)としては水酸基含有ラジカル重合性不
飽和単量体、アルキロールアミド基含有ラジカル重合性
不飽和単量体、アセトアセチル基含有ラジカル重合性不
飽和単量体、カルボキシル基含有ラジカル重合性不飽和
単量体、アミノ基含有ラジカル重合性不飽和単量体等が
挙げられる。
【0038】(A−2)としてアミノ基含有ラジカル重
合性不飽和単量体を用いる場合、アミノ基と反応し得る
官能基を有するラジカル重合性不飽和単量体(B−1)
としてはグリシジル基含有ラジカル重合性不飽和単量
体、イソシアナート基含有ラジカル重合性不飽和単量
体、グリセリルシクロカーボネート基含有ラジカル重合
性不飽和単量体、アルキロールアミド基含有ラジカル重
合性不飽和単量体、カルボニル基含有ラジカル重合性不
飽和単量体、アセトアセチル基含有ラジカル重合性不飽
和単量体等が挙げられる。
【0039】(A−2)としてグリセリルシクロカーボ
ネート基含有ラジカル重合性不飽和単量体を用いる場
合、グリセリルシクロカーボネート基と反応し得る官能
基を有するラジカル重合性不飽和単量体(B−1)とし
ては、アルキロールアミド基含有ラジカル重合性不飽和
単量体、水酸基含有ラジカル重合性不飽和単量体、アセ
トアセチル基含有ラジカル重合性不飽和単量体、アミノ
基含有ラジカル重合性不飽和単量体、カルボキシル基含
有ラジカル重合性不飽和単量体等が挙げられる。
【0040】(A−2)としてオキサゾリン基含有ラジ
カル重合性不飽和単量体を用いる場合、オキサゾリン基
と反応し得る官能基を有するラジカル重合性不飽和単量
体(B−1)としては水酸基含有ラジカル重合性不飽和
単量体、カルボキシル基含有ラジカル重合性不飽和単量
体等が挙げられる。
【0041】以上詳述したラジカル重合性不飽和単量体
(B−1)は、単量体成分(B)中0.1〜50重量%
となる範囲が好ましい。即ち、0.1重量%以上におい
ては架橋効率が良好なものとなり、また、50重量%以
下においは重合性が良好なものとなる。
【0042】また、(B−1)中に存在する官能基とし
ては、上述の通り、重合安定性の観点よりカルボキシル
基とは反応しないか、または反応しても極微量であるも
のが好ましく、その様なラジカル重合性不飽和単量体
(B−1)としては、(A−2)との組み合わせにおい
て、以下のものが挙げられる。
【0043】即ち、(A−2)としてグリシジル基含有
ラジカル重合性不飽和単量体を用いる場合、グリシジル
基と反応し得る官能基を有するラジカル重合性不飽和単
量体(B−1)としては、アセトアセチル基含有ラジカ
ル重合性不飽和単量体、アミノ基含有ラジカル重合性不
飽和単量体、カルボキシル基含有ラジカル重合性不飽和
単量体等が挙げられる。
【0044】(A−2)として水酸基含有ラジカル重合
性不飽和単量体を用いる場合、水酸基と反応し得る官能
基を有するラジカル重合性不飽和単量体(B−1)とし
ては、加水分解性シリル基含有ラジカル重合性不飽和単
量体、カルボキシル基含有ラジカル重合性不飽和単量体
等が挙げられる。
【0045】(A−2)としてアルキロールアミド基含
有ラジカル重合性不飽和単量体を用いる場合、アルキロ
ールアミド基と反応し得る官能基を有するラジカル重合
性不飽和単量体(B−1)としてはアミド基含有ラジカ
ル重合性不飽和単量体、加水分解性シリル基含有ラジカ
ル重合性不飽和単量体、アセトアセチル基含有ラジカル
重合性不飽和単量体、カルボキシル基含有ラジカル重合
性不飽和単量体、アミノ基含有ラジカル重合性不飽和単
量体等が挙げられる。
【0046】(A−2)としてアセトアセチル基含有ラ
ジカル重合性不飽和単量体を用いる場合、アセトアセチ
ル基と反応し得る官能基を有するラジカル重合性不飽和
単量体(B−1)としてはアミノ基含有ラジカル重合性
不飽和単量体等が挙げられる。
【0047】(A−2)として加水分解性シリル基含有
ラジカル重合性不飽和単量体を用いる場合、シリル基と
反応し得る官能基を有するラジカル重合性不飽和単量体
(B−1)としては加水分解性シリル基含有ラジカル重
合性不飽和単量体等が挙げられる。
【0048】(A−2)としてカルボニル基含有ラジカ
ル重合性不飽和単量体を用いる場合、カルボニル基と反
応し得る官能基を有するラジカル重合性不飽和単量体
(B−1)としてはアミノ基含有ラジカル重合性不飽和
単量体、カルボキシル基含有ラジカル重合性不飽和単量
体等が挙げられる。
【0049】(A−2)としてイソシアナート基含有ラ
ジカル重合性不飽和単量体を用いる場合、イソシアナー
ト基と反応し得る官能基を有するラジカル重合性不飽和
単量体(B−1)としては、アセトアセチル基含有ラジ
カル重合性不飽和単量体、カルボキシル基含有ラジカル
重合性不飽和単量体、アミノ基含有ラジカル重合性不飽
和単量体等が挙げられる。
【0050】(A−2)としてアミノ基含有ラジカル重
合性不飽和単量体を用いる場合、アミノ基と反応し得る
官能基を有するラジカル重合性不飽和単量体(B−1)
としては、アセトアセチル基含有ラジカル重合性不飽和
単量体等が挙げられる。
【0051】(A−2)としてグリセリルシクロカーボ
ネート基含有ラジカル重合性不飽和単量体を用いる場
合、グリセリルシクロカーボネート基と反応し得る官能
基を有するラジカル重合性不飽和単量体(B−1)とし
ては、アセトアセチル基含有ラジカル重合性不飽和単量
体、アミノ基含有ラジカル重合性不飽和単量体、カルボ
キシル基含有ラジカル重合性不飽和単量体等が挙げられ
る。
【0052】(A−2)としてオキサゾリン基含有ラジ
カル重合性不飽和単量体を用いる場合、オキサゾリン基
と反応し得る官能基を有するラジカル重合性不飽和単量
体(B−1)としてはカルボキシル基含有ラジカル重合
性不飽和単量体等が挙げられる。
【0053】以上、列記した種々の組み合わせにおい
て、特に、重合の簡便さ、架橋皮膜の耐久性の良さ等の
観点より単量体(A−2)中に加水分解性シリル基含有
不飽和単量体、単量体(B−1)に加水分解性シリル基
含有ラジカル重合性不飽和単量体を導入した組み合わせ
が良い。
【0054】また、勿論単量体成分(B)は、上述した
単量体(B−1)のみならず、その他のラジカル重合性
不飽和単量体を併用してもよく、具体的には、アクリル
酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アク
リル酸2−エチルヘキシル等のアクリル酸エステル類;
メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル
酸ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル等のメタクリル
酸エステル類;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸の各
エステル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、第3級
カルボン酸ビニル等のビニルエステル類;スチレン、ビ
ニルトルエンの如き芳香族ビニル化合物、ビニルピロリ
ドンの如き複素環式ビニル化合物;塩化ビニル、アクリ
ロニトリル、ビニルエーテル、ビニルケトン;塩化ビニ
リデン、フッ化ビニリデン等ハロゲン化ビニリデン化合
物;エチレン、プロピレン等のαーオレフィン類等が挙
げられる。勿論これらを併用することも可能である。
【0055】上記したラジカル重合性不飽和単量体成分
(B)の乳化重合は、共重合体(A’)を分散剤として
用いて行われるが、具体的な重合方法としては特に限定
されるものではなく、公知の方法で行うことが出来る。
【0056】本発明においては、単量体(A−2)中に
存在する官能基と単量体(B−1)中に存在する官能基
と架橋させることにより耐久性が著しく向上することを
特徴とするが、架橋反応は重合時に行われる場合、皮膜
作製時に行われる場合、皮膜熱処理時に行われる場合が
考えられるが本発明においてはいずれの場合でもかまわ
ないし、段階的におこなわれてもかまわない。
【0057】また、共重合体(A’)の製造において加
水分解性シリル基含有連鎖移動剤をラジカル重合性不飽
和単量体(A)100重量部あたり0.1〜50重量部
使用し、またラジカル重合性不飽和単量体(B)に加水
分解性シリル基含有ラジカル重合性不飽和単量体をラジ
カル重合性不飽和単量体(B)100重量部あたり0.
1〜50重量部を導入した場合においても分散剤ポリマ
ーとメインポリマー間の架橋反応が可能となり、耐久性
向上のための有力な手段となる。この際、加水分解性シ
リル基含有連鎖移動剤としては1分子中に加水分解性シ
リル基とメルカプト基の両方を有する化合物であれば特
に制限は無く、具体例としてはγ−メルカプトプロピル
トリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエト
キシシラン、γ−メルカプトプロピルジメトキシメチル
シラン、γ−メルカプトプロピルメトキシジメチルシラ
ン等が挙げられる。
【0058】また、共重合体(B)の重合の際に界面活
性剤を併用することもできるが、耐水性等を考慮した場
合、併用する界面活性剤は反応性界面活性剤である方が
好ましく、さらには乳化剤は併用しない方が好ましい。
用いることができる不飽和基を有さない界面活性剤及び
反応性界面活性剤は一般的に用いられているものを用い
ることが出来、前述したものが代表的な例として挙げら
れる。
【0059】分散剤として用いる共重合体(A’)の使
用量に特に制限はないが、好ましくはラジカル重合性不
飽和単量体(B)100重量部あたり5〜1000重量
部である。即ち5重量部未満であれば水溶性樹脂の特徴
が発現されにくくなり、また1000重量部を超えると
エマルジョン樹脂としての特徴が発現されにくくなる。
【0060】重合の条件についても公知の乳化重合技術
で行うことが可能であり、前述した方法で行うことがで
き、具体的には、ラジカル重合性不飽和単量体成分
(B)100重量部あたり、ラジカル重合開始剤0.1
〜5部用い、水媒体50〜1000重量部使用して40
〜90℃で重合することが出来る。また、上記開始剤と
還元剤0.1〜5重量部併用するレドックス重合にても
行うことができる。この際、鉄イオンや銅イオン等の多
価金属塩イオンを生成する化合物を促進剤として併用す
ることも可能である。上記反応で用いることが出来るラ
ジカル重合開始剤としては前掲したものが何れも使用で
きる。乳化重合時の固形分濃度は実用的な観点より最終
エマルジョンが10〜70重量%の固形分濃度となるよ
うにするのが好ましく、また、ラジカル重合性不飽和単
量体、ラジカル開始剤、及び還元剤は一括仕込、連続滴
下、分割添加などの公知の技術により行うことができ
る。
【0061】本発明の製造方法により得られた樹脂水性
分散体は溶剤系樹脂に近い流動特性、即ちシェアを変化
させても粘度は変わらないという特徴を有する。本発明
で得られる最も好ましい樹脂水性分散体としては、下記
の条件を満たすものである。
【0062】
【式1】0.5≦η(6)/η(60)≦3.0 η(6) :B型粘度計における6回転での粘度 η(60):B型粘度計における60回転での粘度
【0063】本発明により得られた樹脂水性分散液は溶
剤系樹脂から水性樹脂への転換を考えた場合、極めて有
用であり、塗料、紙加工、繊維加工、接着、土木、イン
キ、その他コーティング用途等のバインダーまたは添加
剤として用いることが可能である。
【0064】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明
するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるもので
はない。なお、以下の部及び%はいずれも重量に基づく
値である。
【0065】また、実施例並びに比較例における各評価
試験は、以下の評価方法に従ったものである。
【0066】[評価方法] 耐水性:室温・7日の乾燥条件で作製した厚さ0.5m
mのフィルムを水道水に7日間浸漬後のフィルム吸水率
及び白化度を評価した。
【0067】フィルム白化度の評価 ○:全く白化しない。 △:青白く白化しているが、透明感あり。 X:完全に白濁。
【0068】耐溶剤性:室温・7日の乾燥条件で作製し
た厚さ0.5mmのフィルムをアセトンに24時間浸漬
した後のゲル分率を測定した。
【0069】造膜性:室温・7日の乾燥条件で作製した
厚さ0.5mmのフィルムの640nmでの透過率を測
定し、以下の基準で評価した。 ○:100〜85% △:84〜50% X:50
%以下
【0070】構造粘性度:B型粘度計で測定した6回転
での粘度(η(6))と60回転での粘度(η(60))を測
定し、以下の計算式で計算した。 構造粘性度 = η(6)/η(60)
【0071】数平均分子量:GPC分析によりスチレン
換算で測定 溶剤残存量:ガスクロマトグラフィー分析により測定 重合安定性:ブロック発生量(エマルジョンあたりの重
量百分率%)
【0072】参考例1(分散剤用ポリマーの製法) ブチルアクリレート(以後BAと略す)137部、メチ
ルメタクリレート(以後MMAと略す)93部、メタク
リル酸(以後MAAと略す)60部、γ−メタクリロキ
シプロピルトリメトキシシラン10部(以後A−174
と称す)、n−ラウリルメルカプタン(以後L−SHと
略す)30部を単量体混合液とし、この混合液をアクア
ロンHS−10(第一工業製薬(株)製反応性アニオン
乳化剤)6部を用いてイオン交換水78部中に乳化さ
せ、プレエマルジョンを作製した。
【0073】攪拌機、温度計、冷却機を取り付けた1リ
ットル反応容器にイオン交換水396部を仕込、窒素ガ
スを送入しつつ攪拌しながら反応容器内を80℃に昇温
した。昇温後、前記プレエマルジョン、過硫酸ナトリウ
ム1.5部をイオン交換水30部に溶解したもののそれ
ぞれを3時間要して反応容器内に滴下した。滴下中、釜
内温度は80℃に保持しつつ攪拌を続けた。滴下終了後
さらに2時間攪拌しつつ80℃に保持した後に冷却し、
取りだした。得られたエマルジョンは不揮発分40.1
%、粘度38cps、pH1.9だった。また、ポリス
チレン換算でのGPCによる測定で数平均分子量は49
80だった。
【0074】参考例2〜4、比較参考例1、2(分散剤
用ポリマーの製法) 以下の第1表に従い、原料を使用した他は参考例1と同
一の方法で実験した。
【0075】
【表1】 N−08:ハイテノールN−08(第一工業製薬(株)製アニオン乳化剤) β−HEMA:β−ヒドロキシエチルメタクリレート ALMA:アリルメタクリレート
【0076】実施例1(新規エマルジョンの製法) BA99部、MMA101部、A−174 10部、ア
クアロンHS−100.6部を混合したものを単量体混
合液とした。また、過硫酸ナトリウム1.5部をイオン
交換水24部に溶解したものを開始剤溶液とした。
【0077】攪拌機、温度計、冷却機を取り付けた1リ
ットル反応容器にイオン交換水279部、参考例1によ
り製造された分散剤ポリマー225部を仕込、攪拌しな
がら25%アンモニア水15部を加えた後に80℃まで
昇温した。次に単量体混合液、開始剤溶液をそれぞれ3
時間要して容器内に滴下した。滴下中は攪拌しつつ容器
内温度を80℃に保持した。滴下終了後さらに3時間同
条件で保持した後に冷却して取りだした。得られた新規
エマルジョンは不揮発分40.2%、粘度339cp
s,pH8.8だった。
【0078】実施例2〜5、比較例1〜5(新規エマル
ジョンの合成) 以下の第2表及び第3表に従い、原料を使用した他は実
施例1と同一の方法で合成した。
【0079】
【表2】 GMA:グリシジルメタクリレート
【0080】
【表3】 DM :ジメチルアミノエチルメタクリレート N−MAM:N−メチロールアクリルアミド
【0081】以下の第4表及び第5表に上記実施例及び
比較例で得られたエマルジョンの耐水性、耐溶剤性、造
膜性、構造粘性度、溶剤使用の有無、残存溶剤量につい
て調べた結果を示した。
【0082】
【表4】
【0083】
【表5】 *:フィルムが崩壊したため、測定不能
【0084】
【発明の効果】本発明により極めて生産性が高くて廃溶
剤を発生させることが無く、樹脂の流動特性が良好で造
膜性に優れ、かつ耐水性が著しく良好であり、更に化学
的耐久性に優れた樹脂水性分散体を得る事ができる。
【0085】本発明で得られる樹脂水性分散体は、塗
料、紙加工、繊維加工、接着、土木、建築材料、印刷材
料、その他コーティング用途等バインダー及び添加剤と
して有用である。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カルボキシル基含有ラジカル重合性不飽
    和単量体(A−1)、並びに、カルボキシル基以外の反
    応性官能基であって、不飽和基と非反応性の反応性官能
    基を有するラジカル重合性不飽和単量体(A−2)を必
    須の単量体成分として含有するラジカル重合性不飽和単
    量体成分(A)を、水中で連鎖移動剤の存在下、乳化重
    合し、数平均分子量500〜20000の共重合体
    (A’)を製造した後、前記共重合体(A’)を分散剤
    として用いて、(A−2)中に存在する官能基と反応性
    を有する官能基を有するラジカル重合性不飽和単量体
    (B−1)を含むラジカル重合性不飽和単量体成分
    (B)を乳化重合することを特徴とする樹脂水性分散体
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 共重合体(A’)の製造後、該共重合体
    (A’)に存在するカルボキシル基を塩基性物質で中和
    した後、ラジカル重合性不飽和単量体成分(B)を重合
    する請求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 ラジカル重合性不飽和単量体(B−1)
    中の官能基が、カルボキシル基と非反応性であることを
    特徴とする請求項1又は2記載の樹脂水性分散体の製造
    方法。
  4. 【請求項4】 ラジカル重合性不飽和単量体成分(A)
    中のカルボキシル基含有ラジカル重合性不飽和単量体
    (A−1)の含有率が3〜50重量%であって、かつ、
    カルボキシ基以外の反応性官能基であって、不飽和基と
    反応しない官能基を有するラジカル重合性不飽和単量体
    (A−2)の含有率が0.1〜50重量%である請求項
    1、2又は3記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 ラジカル重合性不飽和単量体成分(B)
    中の(A−2)中に存在する官能基と反応性を有する官
    能基を有するラジカル重合性不飽和単量体(B−1)の
    含有率が0.1〜50重量%である請求項1、2、3又
    は4記載の製造方法。
  6. 【請求項6】 カルボキシ基以外の反応性官能基であっ
    て、不飽和基と反応しない官能基を有するラジカル重合
    性不飽和単量体(A−2)が、加水分解性シリル基含有
    ラジカル重合性不飽和単量体であって、かつ、(A−
    2)中に存在する官能基と反応性を有する官能基を有す
    るラジカル重合性不飽和単量体(B−1)が、加水分解
    性シリル基含有ラジカル重合性不飽和単量体である請求
    項1〜5の何れか1つに記載の製造方法。
  7. 【請求項7】 ラジカル重合性不飽和単量体成分(A)
    の乳化重合を、ラジカル重合性不飽和結合を分子中に有
    する界面活性剤を用いて行なう請求項1〜6の何れか1
    つに記載の製造方法。
  8. 【請求項8】 共重合体(A’)の製造において、ラジ
    カル重合性不飽和単量体成分(A)100重量部あた
    り、連鎖移動剤を0.5〜50重量部用いる請求項1〜
    7の何れか1つに記載の製造方法。
  9. 【請求項9】 ラジカル重合性不飽和単量体成分(B)
    の重合において、ラジカル重合性不飽和単量体成分
    (B)100重量部あたり共重合体(A’)を5〜10
    00重量部となる割合で用いて重合を行う請求項1〜8
    の何れか1つに記載の製造方法。
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