JPH09142903A - 塩害及び発錆防止のセメントモルタル - Google Patents
塩害及び発錆防止のセメントモルタルInfo
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- JPH09142903A JPH09142903A JP7328385A JP32838595A JPH09142903A JP H09142903 A JPH09142903 A JP H09142903A JP 7328385 A JP7328385 A JP 7328385A JP 32838595 A JP32838595 A JP 32838595A JP H09142903 A JPH09142903 A JP H09142903A
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- C04B22/06—Oxides, Hydroxides
- C04B22/066—Magnesia; Magnesium hydroxide
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- C04B2103/61—Corrosion inhibitors
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 本発明は、塩害防止と発錆防止を目的とする
鉄筋コンクリート用のセメントモルタルである。 【解決手段】 本発明のセメントモルタルは、セメント
モルタル(セメントと砂利と水の混合物)中に含有の塩
化物イオンに対して、所定量のハイドロタルサイト系化
合物を添加して作成し、鉄筋コンクリート構造物に使用
して塩害防止をなす。
鉄筋コンクリート用のセメントモルタルである。 【解決手段】 本発明のセメントモルタルは、セメント
モルタル(セメントと砂利と水の混合物)中に含有の塩
化物イオンに対して、所定量のハイドロタルサイト系化
合物を添加して作成し、鉄筋コンクリート構造物に使用
して塩害防止をなす。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄筋コンクリート
用のセメントモルタルであって、塩害防止と発錆防止に
関する。
用のセメントモルタルであって、塩害防止と発錆防止に
関する。
【0002】
【従来の技術】本来、鉄筋コンクリート構造物は、セメ
ントコンクリートの高アルカリ性雰囲気の中に鉄筋が保
護され防錆された複合型の耐久物であるが、雨水や空気
中の炭酸ガス等によりセメントコンクリートが中性化さ
れ、鉄筋が発錆する。鉄筋が発錆するとその体積膨張に
よりコンクリートに亀裂が入り、さらに、亀裂部分から
酸素及び水分の進入により発錆が促進されるとコンクリ
ートが剥離する。その繰り返し作用により、鉄筋コンク
リート構造物の耐久性は著しく損なわれてしまう。この
ようにしてコンクリートの中性化が原因で起こる劣化鉄
筋コンクリートの補修方法としては、特公平5ー415
95号公報が知られている。
ントコンクリートの高アルカリ性雰囲気の中に鉄筋が保
護され防錆された複合型の耐久物であるが、雨水や空気
中の炭酸ガス等によりセメントコンクリートが中性化さ
れ、鉄筋が発錆する。鉄筋が発錆するとその体積膨張に
よりコンクリートに亀裂が入り、さらに、亀裂部分から
酸素及び水分の進入により発錆が促進されるとコンクリ
ートが剥離する。その繰り返し作用により、鉄筋コンク
リート構造物の耐久性は著しく損なわれてしまう。この
ようにしてコンクリートの中性化が原因で起こる劣化鉄
筋コンクリートの補修方法としては、特公平5ー415
95号公報が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、多量
の塩分を含有するセメントコンクリートを原料に用いた
場合に問題となるコンクリートの塩害腐食及びコンクリ
ートの中性化による発錆防止をするためのセメントモル
タルと鉄筋コンクリートの塩害と発錆防止方法を提供す
るものである。
の塩分を含有するセメントコンクリートを原料に用いた
場合に問題となるコンクリートの塩害腐食及びコンクリ
ートの中性化による発錆防止をするためのセメントモル
タルと鉄筋コンクリートの塩害と発錆防止方法を提供す
るものである。
【0004】
【発明を解決するための手段】そこで、本発明の請求項
1のセメントモルタルは、セメントモルタル中に含有の
塩化物イオンに対して、所定量のハイドロタルサイト系
化合物を添加してセメントモルタルを作って、鉄筋コン
クリート構造物に使用するものである。セメントモルタ
ルは、セメントと砂利と水の混合物であって、これに含
有の塩化物イオン量に対処するハイドロタルサイト系化
合物を1〜7倍当量添加することが望ましい。しかし、
海岸堤防の構築に使用する場合には、海水に曝されるた
め、更に多くの量を添加することであってもよい。又、
このハイドロタルサイト系化合物は、一般式
1のセメントモルタルは、セメントモルタル中に含有の
塩化物イオンに対して、所定量のハイドロタルサイト系
化合物を添加してセメントモルタルを作って、鉄筋コン
クリート構造物に使用するものである。セメントモルタ
ルは、セメントと砂利と水の混合物であって、これに含
有の塩化物イオン量に対処するハイドロタルサイト系化
合物を1〜7倍当量添加することが望ましい。しかし、
海岸堤防の構築に使用する場合には、海水に曝されるた
め、更に多くの量を添加することであってもよい。又、
このハイドロタルサイト系化合物は、一般式
【0005】
【化1】
【0006】ここで M2+:Mg2+,Mn2+,Fe2+,Co2+,Ni2+,Cu
2+,Zn2+などの2価金属 M3+:Al3+,Fe3+,Cr3+,Co3+,In3+などの
3価金属 An-:OH-、F-,Cl-,Br-,NO3 -,CO3 2-,S
O4 2-,Fe(CN)6 3-,CH3COO-,シュウ酸イオ
ン,サリチン酸イオンなどのn価のアニオン。 Xは、0<X≦0.33の範囲にある。
2+,Zn2+などの2価金属 M3+:Al3+,Fe3+,Cr3+,Co3+,In3+などの
3価金属 An-:OH-、F-,Cl-,Br-,NO3 -,CO3 2-,S
O4 2-,Fe(CN)6 3-,CH3COO-,シュウ酸イオ
ン,サリチン酸イオンなどのn価のアニオン。 Xは、0<X≦0.33の範囲にある。
【0007】で表される天然鉱物で、酸を吸着するメカ
ニズムを持っている。本質的に、陰イオン交換性を持っ
ているため、ハイドロタルサイト系化合物の化学構造中
にある炭酸イオンは、セメントコンクリート中に含まれ
る塩化物イオンと置換され、塩化物イオンは結晶構造中
に取り込まれる。このようにして、新たに生じた塩化物
イオン系ハイドロタルサイト系化合物は水には溶解しな
いので、コンクリート中に存在する塩化物イオンを吸着
除去することができる。
ニズムを持っている。本質的に、陰イオン交換性を持っ
ているため、ハイドロタルサイト系化合物の化学構造中
にある炭酸イオンは、セメントコンクリート中に含まれ
る塩化物イオンと置換され、塩化物イオンは結晶構造中
に取り込まれる。このようにして、新たに生じた塩化物
イオン系ハイドロタルサイト系化合物は水には溶解しな
いので、コンクリート中に存在する塩化物イオンを吸着
除去することができる。
【0008】又、請求項2のセメントモルタルは、請求
項1のセメントモルタルに、多塩基酸類とアミン類の組
成物をセメントモルタルに対して0.1〜5重量%添加
させることによって、多量の塩分を含むコンクリート中
の塩分の吸着除去とコンクリートへの水、酸素、炭酸ガ
ス等の浸透による炭酸化や鉄筋の発錆を防止するもので
ある。多塩基酸類とアミン類の組成物は還元作用がある
ため、コンクリート中に水、酸素、炭酸ガス等が進入
し、炭酸化や塩化物の移動侵入による鉄筋の腐食等を防
止するものである。
項1のセメントモルタルに、多塩基酸類とアミン類の組
成物をセメントモルタルに対して0.1〜5重量%添加
させることによって、多量の塩分を含むコンクリート中
の塩分の吸着除去とコンクリートへの水、酸素、炭酸ガ
ス等の浸透による炭酸化や鉄筋の発錆を防止するもので
ある。多塩基酸類とアミン類の組成物は還元作用がある
ため、コンクリート中に水、酸素、炭酸ガス等が進入
し、炭酸化や塩化物の移動侵入による鉄筋の腐食等を防
止するものである。
【0009】尚、本発明に使用する多塩基酸とアミン類
およびそれらの組成物として以下のものがある。多塩基
酸には、有機多塩基酸と無機多塩基酸があるが、有機多
塩基酸が望ましい。無機多塩基酸として、硫酸塩、リン
酸塩等があるが、硫酸塩等はコンクリートを化学的に侵
食することが知られている。有機多塩基酸には、脂肪族
低級多塩基酸として蓚酸、マロン酸、マレイン酸、酒石
酸、コハク酸、リンゴ酸、クエン酸等があり、その1種
又は2種以上の混合物を使用する。又、アミン類には、
低級アルコール性脂肪族アミンとして、メタノールアミ
ン、エタノールアミン、イソプロパノールアミン等があ
り、更に、低級脂肪族アミンとして、メチルアミン、エ
チルアミン、プロパノールアミン等がある。尚、これら
のアミンには、第1アミン、第2アミン、第3アミンの
形態の他、第4アンモニューム塩がある。
およびそれらの組成物として以下のものがある。多塩基
酸には、有機多塩基酸と無機多塩基酸があるが、有機多
塩基酸が望ましい。無機多塩基酸として、硫酸塩、リン
酸塩等があるが、硫酸塩等はコンクリートを化学的に侵
食することが知られている。有機多塩基酸には、脂肪族
低級多塩基酸として蓚酸、マロン酸、マレイン酸、酒石
酸、コハク酸、リンゴ酸、クエン酸等があり、その1種
又は2種以上の混合物を使用する。又、アミン類には、
低級アルコール性脂肪族アミンとして、メタノールアミ
ン、エタノールアミン、イソプロパノールアミン等があ
り、更に、低級脂肪族アミンとして、メチルアミン、エ
チルアミン、プロパノールアミン等がある。尚、これら
のアミンには、第1アミン、第2アミン、第3アミンの
形態の他、第4アンモニューム塩がある。
【0010】又、低級ポリメチレンアミンとして、エチ
レンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテ
トラミン、3・ジエチルアミノプロピルアミン等があ
る。更に、芳香族アミンとしては、アニリン、メチルア
ニリン、ジメチルアニリン、エチルアニリン、ジエチル
アニリン等がある。脂肪族不飽和アミンとして、アリル
アミン、ジアリルアミン等があり、脂環式アミン、複素
環アミンには、ピリジン、ピコリン等がある。尚、前記
アミン類の他に、ヒドラジン、ヒドラジン水化物、ヒド
ロキシルアミン等があり、これらのアミン類の1種又は
2種以上の混合物を使用する。
レンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテ
トラミン、3・ジエチルアミノプロピルアミン等があ
る。更に、芳香族アミンとしては、アニリン、メチルア
ニリン、ジメチルアニリン、エチルアニリン、ジエチル
アニリン等がある。脂肪族不飽和アミンとして、アリル
アミン、ジアリルアミン等があり、脂環式アミン、複素
環アミンには、ピリジン、ピコリン等がある。尚、前記
アミン類の他に、ヒドラジン、ヒドラジン水化物、ヒド
ロキシルアミン等があり、これらのアミン類の1種又は
2種以上の混合物を使用する。
【0011】前記多塩基酸類とアミン類の組成物は、通
常、水を溶媒として得られるが、水を溶媒とせず、多塩
基酸類及びアミン類を各々、その性状に応じて適宜配合
することにより高濃度の組成物としてもよい。尚、具体
的な例を示せば、 (1)組成物1:トリエタノールアミン(70部)と蓚
酸(30部) (2)組成物2:トリエタノールアミン(50部)とジ
エチレントリアミン(7部)と蓚酸(30部) (3)組成物3:βアミノエチルアルコール(50部)
とエチルアミン(10部)と蓚酸(20部)と酒石酸
(10部) (4)組成物4:硫酸ヒドロキシルアンモニウム(50
部)とβアミノエチルアルコール(10部) (5)組成物5:硫酸ヒドロキシルアンモニウム(60
部)とトリエタノールアミン(5部)とβアミノエチル
アルコール(5部) 等である。
常、水を溶媒として得られるが、水を溶媒とせず、多塩
基酸類及びアミン類を各々、その性状に応じて適宜配合
することにより高濃度の組成物としてもよい。尚、具体
的な例を示せば、 (1)組成物1:トリエタノールアミン(70部)と蓚
酸(30部) (2)組成物2:トリエタノールアミン(50部)とジ
エチレントリアミン(7部)と蓚酸(30部) (3)組成物3:βアミノエチルアルコール(50部)
とエチルアミン(10部)と蓚酸(20部)と酒石酸
(10部) (4)組成物4:硫酸ヒドロキシルアンモニウム(50
部)とβアミノエチルアルコール(10部) (5)組成物5:硫酸ヒドロキシルアンモニウム(60
部)とトリエタノールアミン(5部)とβアミノエチル
アルコール(5部) 等である。
【0012】請求項3のセメントモルタルは、ハイドロ
タルサイト系化合物や還元性の強い多塩基酸類とアミン
類の組成物で対処するものであるが、更に、水溶性防錆
剤を添加することにより、コンクリート中への水、酸
素、炭酸ガスの浸透による炭酸化と、塩分による鉄筋の
腐食を防止効果の一層の向上と持続性を維持するもので
ある。
タルサイト系化合物や還元性の強い多塩基酸類とアミン
類の組成物で対処するものであるが、更に、水溶性防錆
剤を添加することにより、コンクリート中への水、酸
素、炭酸ガスの浸透による炭酸化と、塩分による鉄筋の
腐食を防止効果の一層の向上と持続性を維持するもので
ある。
【0013】水溶性防錆剤については、腐食抑制剤とし
て多数あり、これら腐食抑制剤は腐食環境として、水溶
液中、酸性溶液中、アルカリ性溶液中、或いは有機溶液
中で金属の腐食を防止するものであるが、本発明に用い
る水溶性防錆剤は水溶性で且つセメントモルタルと凝固
しないものである。その水溶性防錆剤の具体例として、
有機系として窒素を含む脂肪族アミン、芳香族アミン、
イミダゾリン、ピリジン、ロジンアミン等や硫黄を含む
メルカプタン、酸素を含むアルデヒド、ケトン類及び亜
硝酸やチオ亜硝酸を含む有機エステルがある。また、無
機系として中性あるいはアルカリ性溶液中における無機
系抑制剤として、例えば、クロム酸塩、縮合リン酸等が
ある。
て多数あり、これら腐食抑制剤は腐食環境として、水溶
液中、酸性溶液中、アルカリ性溶液中、或いは有機溶液
中で金属の腐食を防止するものであるが、本発明に用い
る水溶性防錆剤は水溶性で且つセメントモルタルと凝固
しないものである。その水溶性防錆剤の具体例として、
有機系として窒素を含む脂肪族アミン、芳香族アミン、
イミダゾリン、ピリジン、ロジンアミン等や硫黄を含む
メルカプタン、酸素を含むアルデヒド、ケトン類及び亜
硝酸やチオ亜硝酸を含む有機エステルがある。また、無
機系として中性あるいはアルカリ性溶液中における無機
系抑制剤として、例えば、クロム酸塩、縮合リン酸等が
ある。
【0014】又、請求項4は、請求項1〜3のセメント
モルタル(防錆セメントモルタル)を用いて補修するも
のであって、防錆セメントモルタルをはつり部に塗布す
ることによって、塩害及び鉄筋の発錆を防止する。
モルタル(防錆セメントモルタル)を用いて補修するも
のであって、防錆セメントモルタルをはつり部に塗布す
ることによって、塩害及び鉄筋の発錆を防止する。
【0015】
(第1実施例)セメントモルタルは、セメントと標準砂
を1対3の割合で混合し、それに水を加えて得る。尚、
このセメントモルタルには、0.1%のNaClを含有
している。多塩基酸類とアミン類の組成物として、前記
した組成物1(トリエタノールアミン(70部)と蓚酸
(30部))と組成物4(硫酸ヒドロキシルアンモニウ
ム(50部)とβアミノエチルアルコール(10部))
を使用する。又、図1は、NaClの0.5%溶液10
00mlにハイドロタルサイト系化合物(KWー100
0、KWー2000(協和化学工業(株)製))を添加
した場合のNaClの吸着曲線を示し、NaClが定量
的に吸着されている。
を1対3の割合で混合し、それに水を加えて得る。尚、
このセメントモルタルには、0.1%のNaClを含有
している。多塩基酸類とアミン類の組成物として、前記
した組成物1(トリエタノールアミン(70部)と蓚酸
(30部))と組成物4(硫酸ヒドロキシルアンモニウ
ム(50部)とβアミノエチルアルコール(10部))
を使用する。又、図1は、NaClの0.5%溶液10
00mlにハイドロタルサイト系化合物(KWー100
0、KWー2000(協和化学工業(株)製))を添加
した場合のNaClの吸着曲線を示し、NaClが定量
的に吸着されている。
【0016】セメントモルタル(1Kg)を基準に、防
錆効果を確認する為に、表1の処方に従い、ハイドロタ
ルサイト系化合物(KWー1000、KWー2000)
と前記組成物1(又は組成物4)と水溶性防錆剤を混合
したセメントモルタル(2)を、図2に示す中心部に鉄
筋(3)を垂設した容器(1)に流し込んで硬化させ、
12カ月後にコンクリートを鉄筋に沿って2分割して、
鉄筋(3)の錆具合を、図3に腐食面積の割合として示
す。
錆効果を確認する為に、表1の処方に従い、ハイドロタ
ルサイト系化合物(KWー1000、KWー2000)
と前記組成物1(又は組成物4)と水溶性防錆剤を混合
したセメントモルタル(2)を、図2に示す中心部に鉄
筋(3)を垂設した容器(1)に流し込んで硬化させ、
12カ月後にコンクリートを鉄筋に沿って2分割して、
鉄筋(3)の錆具合を、図3に腐食面積の割合として示
す。
【0017】
【表1】
【0018】前記表中、 (1)KWー1000:ハイドロタルサイト系化合物 (Mg4.5Al2(OH)13CO3・mH2O) m=3〜3.5 Clの吸着量・3.8mg当量 (2)KW・2000:ハイドロタルサイト系化合物 (Mg0.7Al0.3O1.15) Clの吸着量・6.4mg当量 尚、KWー1000およびKWー2000の添加量は、
セメントモルタル中に含有のNaCl(0.1%)に対
して、理論吸着量の1.2倍量を添加した。従って、セ
メントモルタル(1Kg)中にKWー1000(5.5
g),KWー2000(3.3g)を添加した。 (3)組成物1 :トリエタノールアミン70部・蓚酸30部 固形分2.5g,5g/セメントモルタル1Kg (4)組成物4 :硫酸ヒドロキシルアンモニウム50部・βアミノエチル アルコール10部 固形分2.5g,5g/セメントモルタル1Kg 5)水溶性防錆剤 :ノプコチェックスRD(水乳化型防錆剤)(サンノプコ (株))
セメントモルタル中に含有のNaCl(0.1%)に対
して、理論吸着量の1.2倍量を添加した。従って、セ
メントモルタル(1Kg)中にKWー1000(5.5
g),KWー2000(3.3g)を添加した。 (3)組成物1 :トリエタノールアミン70部・蓚酸30部 固形分2.5g,5g/セメントモルタル1Kg (4)組成物4 :硫酸ヒドロキシルアンモニウム50部・βアミノエチル アルコール10部 固形分2.5g,5g/セメントモルタル1Kg 5)水溶性防錆剤 :ノプコチェックスRD(水乳化型防錆剤)(サンノプコ (株))
【0019】前記各試料の12カ月後の腐食具合は、試
料No1(ブランク)は、ほぼ全域にわたって錆の発生
が見られた。又、試料No4、5、7、8、11、1
2、14、15はセメントモルタルに、ハイドロタルサ
イト系化合物に組成物1(又は組成物2)及び水溶性防
錆剤を混合したものであり、錆具合は10%以下である
効果を確認した。又、組成物1(組成物2)の添加量を
増やすと、試料4(5)と7(8)及び11(12)と
14(15)を比較すると明らかなように、防錆効果が
増大する。
料No1(ブランク)は、ほぼ全域にわたって錆の発生
が見られた。又、試料No4、5、7、8、11、1
2、14、15はセメントモルタルに、ハイドロタルサ
イト系化合物に組成物1(又は組成物2)及び水溶性防
錆剤を混合したものであり、錆具合は10%以下である
効果を確認した。又、組成物1(組成物2)の添加量を
増やすと、試料4(5)と7(8)及び11(12)と
14(15)を比較すると明らかなように、防錆効果が
増大する。
【0020】又、ハイドロタルサイト系化合物の添加量
を増加させると、定量的に塩素イオンの吸着が増加し、
塩害に対して効果的である。しかし、ハイドロタルサイ
ト系化合物は水不溶性であるため、水分移動に伴って移
動する塩化ナトリウムを完全に補足することができない
ので、多塩基酸類とアミン類の組成物を介して塩害を防
止する。多塩基酸類とアミン類の組成物は、還元性を有
し、鉄筋の水、酸素による酸化を抑制して発錆を防止す
る。尚、この多塩基酸類とアミン類の組成物は、水溶性
であるため、コンクリート内の水分移動に伴って移動
し、その効果を発揮する。水溶性防錆剤は、鉄筋の表面
に直接塗布することで防錆効果が得られるが、セメント
モルタルに添加した場合には、コンクリート内の水分移
動に伴って移動し、鉄筋の表面に濃縮して遅効性ではあ
るが効果を発揮する。
を増加させると、定量的に塩素イオンの吸着が増加し、
塩害に対して効果的である。しかし、ハイドロタルサイ
ト系化合物は水不溶性であるため、水分移動に伴って移
動する塩化ナトリウムを完全に補足することができない
ので、多塩基酸類とアミン類の組成物を介して塩害を防
止する。多塩基酸類とアミン類の組成物は、還元性を有
し、鉄筋の水、酸素による酸化を抑制して発錆を防止す
る。尚、この多塩基酸類とアミン類の組成物は、水溶性
であるため、コンクリート内の水分移動に伴って移動
し、その効果を発揮する。水溶性防錆剤は、鉄筋の表面
に直接塗布することで防錆効果が得られるが、セメント
モルタルに添加した場合には、コンクリート内の水分移
動に伴って移動し、鉄筋の表面に濃縮して遅効性ではあ
るが効果を発揮する。
【0021】尚、既に建築された鉄筋コンクリートが塩
害に曝された場合の補修は、その劣化部分をはつり、そ
の部分に、前記セメントモルタルとハイドロタルサイト
系化合物と多塩基酸類とアミン類の組成物(及び水溶性
防錆剤)を混合したセメントモルタルを塗布する。この
様に補修することによって、セメントモルタル中からコ
ンクリート内に逐次水溶性還元剤や水溶性防錆が浸透し
て、鉄筋の腐食や炭酸化を抑制する。尚、水溶性防錆剤
は、前記したはつり部にむき出した鉄筋に直接塗布する
ことによっても、腐食抑制を図ることができる。
害に曝された場合の補修は、その劣化部分をはつり、そ
の部分に、前記セメントモルタルとハイドロタルサイト
系化合物と多塩基酸類とアミン類の組成物(及び水溶性
防錆剤)を混合したセメントモルタルを塗布する。この
様に補修することによって、セメントモルタル中からコ
ンクリート内に逐次水溶性還元剤や水溶性防錆が浸透し
て、鉄筋の腐食や炭酸化を抑制する。尚、水溶性防錆剤
は、前記したはつり部にむき出した鉄筋に直接塗布する
ことによっても、腐食抑制を図ることができる。
【0022】
【発明の効果】本発明は、セメントコンクリート中にハ
イドロタルサイト系化合物、又は及び、多塩基酸類とア
ミン類の組成物、更には水溶性防錆剤を混合することに
よって、多量の塩分を含むセメントコンクリート中の塩
分の吸着除去及びコンクリートへの水、酸素、炭酸ガス
の浸透による炭酸化と内部鉄筋の腐食を防止することが
できる。
イドロタルサイト系化合物、又は及び、多塩基酸類とア
ミン類の組成物、更には水溶性防錆剤を混合することに
よって、多量の塩分を含むセメントコンクリート中の塩
分の吸着除去及びコンクリートへの水、酸素、炭酸ガス
の浸透による炭酸化と内部鉄筋の腐食を防止することが
できる。
【手続補正書】
【提出日】平成8年1月26日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】追加
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】ハイドロタルサイト系化合物を添加した場合の
NaClの吸着曲線を示す図である。
NaClの吸着曲線を示す図である。
【図2】腐食試験の概要を示す図である。
【図3】12カ月後の鉄筋の腐食面積の割合を示す図で
ある。
ある。
【符号の説明】 1 容器 2 モルタル 3 鉄筋
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C04B 22:06 24:12 24:04 22:14) 103:60 103:61 111:24 111:72
Claims (4)
- 【請求項1】 セメントモルタル中に含有の塩化物イオ
ン量に対して、1〜7倍当量のアニオン交換容量を持つ
ハイドロタルサイト系化合物を添加させることを特徴と
するセメントモルタル。 - 【請求項2】 セメントモルタルに、多塩基酸類とアミ
ン類の組成物を0.1〜5重量%添加させることを特徴
とする請求項1のセメントモルタル。 - 【請求項3】 セメントモルタルに、水溶性防錆剤を
0.1〜5重量%添加させることを特徴とする請求項1
又は請求項2のセメントモルタル。 - 【請求項4】 鉄筋コンクリートの修復工程において、
劣化部位のコンクリートをはつり、請求項1、請求項2
又は請求項3のセメントモルタルを塗布することを特徴
とする塩害及び鉄筋の発錆防止方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7328385A JPH09142903A (ja) | 1995-11-22 | 1995-11-22 | 塩害及び発錆防止のセメントモルタル |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7328385A JPH09142903A (ja) | 1995-11-22 | 1995-11-22 | 塩害及び発錆防止のセメントモルタル |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09142903A true JPH09142903A (ja) | 1997-06-03 |
Family
ID=18209663
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7328385A Pending JPH09142903A (ja) | 1995-11-22 | 1995-11-22 | 塩害及び発錆防止のセメントモルタル |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09142903A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
1995
- 1995-11-22 JP JP7328385A patent/JPH09142903A/ja active Pending
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