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JPH09133689A - 微小探針、該微小探針を用いたプローブ、及び該微小探針の製造方法、並びに情報処理装置 - Google Patents

微小探針、該微小探針を用いたプローブ、及び該微小探針の製造方法、並びに情報処理装置

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Publication number
JPH09133689A
JPH09133689A JP31469495A JP31469495A JPH09133689A JP H09133689 A JPH09133689 A JP H09133689A JP 31469495 A JP31469495 A JP 31469495A JP 31469495 A JP31469495 A JP 31469495A JP H09133689 A JPH09133689 A JP H09133689A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
substrate
organic compound
probe
microprobe
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP31469495A
Other languages
English (en)
Inventor
Yuuko Morikawa
有子 森川
Takayuki Yagi
隆行 八木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP31469495A priority Critical patent/JPH09133689A/ja
Publication of JPH09133689A publication Critical patent/JPH09133689A/ja
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】探針の複数化(マルチ化)が容易となるプロー
ブの製造方法およびそれらを用いた情報処理装置を提供
する。 【解決手段】本発明は、基板上に接合層を介して設置さ
れた微小力検出用の微小探針であって、該微小探針が有
機化合物層または導電性有機化合物層で形成されている
ことを特徴とする微小探針及びそれらの微小探針の製造
方法において、第1基板の表面に凹部を形成する工程
と、前記第1基板の凹部を含む基板上に剥離層を形成す
る工程と、前記第1基板の剥離層上に微小探針層として
の有機化合物層または導電性有機化合物層を被覆する工
程と、第2基板に接合層を形成する工程と、前記第1基
板における剥離層上の前記有機化合物層または導電性有
機化合物層を、前記第2基板の接合層に接合する工程
と、前記第1基板における剥離層と前記有機化合物層ま
たは導電性有機化合物層の界面で剥離を行い、前記第2
基板上の接合層に前記有機化合物層または導電性有機化
合物層を転写する工程と、を有するプローブの製造方法
およびそれらを用いた情報処理装置。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、走査型トンネル顕
微鏡、あるいは微小な力を検出する原子間力顕微鏡等、
または、走査型プローブ顕微鏡を応用して高密度記録再
生を行なう装置に用いる微小探針および該微小探針と薄
膜カンチレバーからなるプローブ及びこれらを用いた情
報処理装置に関し、特に、先端曲率が小さく上記の用途
に優れた特性を発揮し、探針のマルチ化も可能となる探
針を高い量産性で製造できる微小探針の製造方法に関す
る。 【0002】 【従来の技術】最近、導体の表面原子の電子構造を直接
観察できる走査型トンネル顕微鏡(以下、「STM」と
いう)が開発され(G.Binnig et al.P
hys.Rev.Lett.,49,57(198
3))、単結晶、非晶質を問わず実空間像の高い分解能
で測定ができるようになった。かかるSTMは、金属の
探針(tip)と導電性物質の間に電圧を加えて、1n
m程度の距離まで近付けると、その間にトンネル電流が
流れることを利用している。この電流は両者の距離変化
に非常に敏感でありかつ指数関数的に変化するので、ト
ンネル電流を一定に保つ様に探針を走査することにより
実空間の表面構造を原子オーダーの分解能で観察するこ
とができる。また、STM技術を発展させ、絶縁物質等
の表面をSTMと同様な分解能で観察可能な原子間力顕
微鏡(以下、AFMと略す。)も開発されている(米国
特許第4,724,318号明細書)。そこで、かかる
STM、AFM等の走査型プローブ顕微鏡(以下、SP
Mと略す。)の原理を応用し、記録媒体に対してプロー
ブを原子、分子スケールでアクセスし、記録、再生を行
なうことにより高密度メモリーを実現するという提案が
なされている(米国特許第4,575,822号明細
書、特開昭63−161552号公報、特開昭63−1
61553号公報)。このような情報記録再生装置への
応用を考えると、高い記録密度を達成するためにSPM
の探針の先端部の曲率半径が小さいことが望まれる。ま
た同時に、記録・再生システムの機能向上、特に高速化
の観点から、多数のプローブを同時に駆動すること(探
針のマルチ化)が提案されているが、このために同一の
基板上に特性の揃った探針を作製することが必要とな
る。 【0003】従来、上記の様な微小探針の形成方法とし
て、半導体製造プロセス技術を使い単結晶シリコンを用
いて異方性エッチングにより形成した微小探針が知られ
ている(米国特許第5,221,415号明細書)。こ
の微小探針の形成方法は図11に示すように、まず、二
酸化シリコン510、512のマスクを被覆したシリコ
ンウエハ514に異方性エッチングによりピット518
を設け、このピットを探針の雌型とし、二酸化シリコン
510、512を除去し、次に全面に窒化シリコン層5
20、521を被覆し片持ち梁(カンチレバー)及び微
小探針となるピラミッド状ピット522を形成し、片持
ち梁状にパターニングした後、裏面の窒化シリコン層5
21を除去しソウカット534とCr層532を設けた
ガラス板530と窒化シリコン層520を接合し、シリ
コンウエハ514をエッチング除去することによりマウ
ンティングブロック540に転写された窒化シリコンか
らなる探針とカンチレバーからなるプローブを作製する
ものである。最後に、裏面に光てこ式AFM用の反射膜
となる金属膜542を形成する。 【0004】また、図12(a)に示されるように、例
えば基板201上の薄膜層202を円形にパターニング
し、それをマスクにして基盤201をエッチングし、サ
イドエッチングを利用して探針203を形成する方法
(O.Wolter,et al.,¨Microma
chined silicon sensors fo
r scanning force microsco
py¨,J.Vac.Sci.Technol.B9
(2),Mar/Apr,1991,ppl353−1
357)や、図12(b)に示されるように、逆テーパ
ーをつけたレジスト205のレジスト開口部206に基
板204を回転させながら導電性材料207を斜めから
蒸着し、リフトオフすることにより探針208を形成す
るスピント(Spindt)等により提案された方法
(C.A.Spindt,et al.,¨Physi
cal properties of thin fi
lm field emission cathode
with molybdenum cones¨,
J.Appl.Phys.,47.1976,pp52
48−5263)等がある。 【0005】さらに最近では、ノボラック樹脂を用い
て、フォトリソグラフィーにより、片持ち梁を形成した
のち、エレクトロンビームデポジションによって探針を
形成する方法(R.Pechmann,etal.,¨
The Novolever:A new canti
lever for scanning forcem
icroscopy microfabricated
from polymeric materials
¨,Rev.Sci.instrum.,65(1
2).1994,pp3702−3706)が提案され
ている。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来例
の微小探針の製造方法は以下のような問題点を有してい
た。例えば、図11に示したような従来例の微小探針の
製造方法においては、つぎのような問題があった。 (1)探針の雌型となったシリコン基板は、後工程でエ
ッチング除去されてしまうため再利用ができず、生産性
が低くなり製造コストが高くなる。 (2)探針の雌型となったシリコン基板をエッチングす
るため、プローブ表面のエッチング液による探針の材料
劣化、形状劣化、及びエッチング液からの汚染等が生じ
る可能性がある。 (3)さらに、薄膜カンチレバー上に微小探針を形成す
る場合には、AFMでは反射膜をプローブの裏面の全面
に形成するため、カンチレバーが反射膜の膜応力により
反ってしまう。また、図12に示したような従来例の微
小探針の製造方法では、 (4)探針を形成する際のシリコンのエッチング条件や
レジストのパターニング条件及び導電性材料の蒸着条件
等を一定にするには厳しいプロセス管理が必要となり、
形成される複数の微小探針の高さや先端曲率半径等の正
確な形状を維持するのが難しいという問題があった。 (5)さらに、図12(b)の微小探針の材料は金属で
構成されているので、カンチレバー上に形成した場合、
高速走査には不適であり、AFMにおける高速走査に追
従するように微小探針の重量を軽量化する必要がある。 (6)さらにまた、従来の微小探針の表面は、酸化物、
金属等からなるために、微小探針と試料の間に存在する
吸着水の影響を受けやすく、摩擦力や、吸着力を感度良
く測定することが困難である。 (7)ほかに、カンチレバーをノボラック樹脂で形成し
た場合は、カンチレバーの剛性を低くすることは可能で
あるが、カンチレバー及び微小探針の材料は限られたも
のになり、カンチレバーの降伏応力が低下するという問
題がある。 【0007】そこで、本発明は、上記従来枝術の課題を
解決するため、探針材料選択の幅が広く、汎用性に富む
微小探針の製造方法を提供することを目的とする。ま
た、本発明は、雌型の再利用が可能で、生産性の向上と
製造コストの低減が可能な微小探針の製造方法を提供す
ることを目的とする。また、本発明は、エッチング液に
よる微小探針の材料劣化、形状劣化、及びエッチング液
からの汚染がなく微小探針を形成できる微小探針の製造
方法を提供することを目的とする。また、本発明は、軽
量化が可能で、共振周波数の高い、高速走査における追
従性が良好な微小探針を提供することを目的とする。ま
た、本発明は、微小探針と試料表面の間に存在する吸着
水の影響を低下することが可能な微小探針を提供するこ
とを目的とする。また、本発明は、反射膜をプローブの
裏面全面に形成する必要がないプローブを提供すること
を目的とする。さらに、本発明は、微小探針として再現
性の良い均一な形状が得られ、且つ先端を鋭利に形成で
き、探針の複数化(マルチ化)が容易となるプローブの
製造方法およびそれらを用いた情報処理装置を提供する
ことを目的とする。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するため、微小探針、該微小探針を用いたプローブ、
及び該微小探針の製造方法についてつぎのように構成し
たものである。すなわち、本発明の微小探針は、基板上
に接合層を介して設置された微小力検出用の微小探針で
あって、該微小探針が有機化合物層で形成されているこ
とを特徴としている。そして、本発明の微小探針は、金
属層を介して基板上に設置するようにしてもよく、前記
有機化合物層を、フッ素化合物、またはポリイミド化合
物で形成することができる。また、本発明の微小探針
は、基板上に接合層を介して設置されたトンネル電流、
または微小力検出用の微小探針であって、該微小探針が
導電性有機化合物層で形成されていることを特徴として
いる。そして、本発明の微小探針は、金属層を介して基
板上に設置するようにしてもよく、前記導電性有機化合
物層を、電荷移動錯体、または導電性高分子、または導
電性物質を熱硬化型樹脂に配合した導電性樹脂層で形成
することができる。また、本発明におけるこれらの微小
探針は、前記接合層との間で囲まれた中空の領域を有し
ていることを特徴としている。また、このような微小探
針を用いて、一端を基板に固定された薄膜カンチレバー
の自由端に、前記微小探針を接合層を介して圧着により
結合してプローブを構成することができる。そして、こ
の場合、前記接合層を微小力検出に用いるプローブのた
わみ変位を検出する際の光学的反射膜として用いること
が可能となる。また、本発明では、これらのものにおい
て、その微小探針と微小探針の引き出し電極の間の抵抗
値が1〜100MΩとすることが好ましい。 【0009】さらに、本発明の微小探針の製造方法は、
微小力検出用の微小探針の製造方法において、第1基板
の表面に凹部を形成する工程と、前記第1基板の凹部を
含む基板上に剥離層を形成する工程と、前記第1基板の
剥離層上に微小探針層としての有機化合物層を被覆する
工程と、 第2基板に接合層を形成する工程と、前記凹
部を含む剥離層上の前記有機化合物層を、前記第2基板
の接合層に接合する工程と、前記第1基板における剥離
層と前記有機化合物層の界面で剥離を行い、前記第2基
板上の接合層に前記有機化合物層を転写する工程と、を
少なくとも有することを特徴としている。そして、本発
明においては、前記有機化合物層を被覆する工程が、前
記第1基板の剥離層上に微小探針層としての有機化合物
層を被覆した後に該有機化合物層上に金属層を被覆する
工程を含み、また、前記接合層に前記有機化合物層を転
写する工程が、有機化合物層上の金属層を該有機化合物
層と共に転写する工程を含むようにすることができる。
また、本発明の微小探針の製造方法は、トンネル電流、
または微小力検出用の微小探針の製造方法において、第
1基板の表面に凹部を形成する工程と、前記第1基板の
凹部を含む基板上に剥離層を形成する工程と、前記第1
基板の剥離層上に微小探針層としての導電性有機化合物
層を被覆する工程と、第2基板に接合層を形成する工程
と、前記凹部を含む剥離層上の前記導電性有機化合物層
を、前記第2基板の接合層に接合する工程と、前記第1
基板における剥離層と前記導電性有機化合物層の界面で
剥離を行い、前記第2基板上の接合層に前記導電性有機
化合物層を転写する工程と、を少なくとも有することを
特徴としている。そして、本発明においては、前記導電
性有機化合物層を被覆する工程が、前記第1基板の剥離
層上に微小探針層としての導電性有機化合物層を被覆し
た後に該導電性有機化合物層上に金属層を被覆する工程
を含み、また、前記接合層に前記有機化合物層を転写す
る工程が、有機化合物層上の金属層を該有機化合物層と
共に転写する工程を含むようにすることができる。 【0010】さらに、また、本発明のプローブの製造方
法は、微小力検出用の微小探針と薄膜カンチレバーから
なるプローブの製造方法において、第1基板の表面に凹
部を形成する工程と、前記第1基板の凹部を含む基板上
に剥離層を形成する工程と、前記第1基板の剥離層上に
微小探針層としての有機化合物層を被覆する工程と、第
2基板に薄膜カンチレバーを形成する工程と、前記薄膜
カンチレバー先端上に接合層を形成する工程と、前記凹
部を含む剥離層上の前記有機化合物層を、前記薄膜カン
チレバー先端上の接合層に接合する工程と、前記第1基
板における剥離層と前記有機化合物層の界面で剥離を行
い、前記薄膜カンチレバー先端上の接合層に前記有機化
合物層を転写する工程と、前記薄膜カンチレバーの一端
が、第2基板に固定されるように前記薄膜カンチレバー
下部の前記第2基板の一部を除去する工程と、を少なく
とも有することを特徴としている。そして、本発明にお
いては、前記有機化合物層を被覆する工程が、前記第1
基板の剥離層上に微小探針層としての有機化合物層を被
覆した後に該有機化合物層上に金属層を被覆する工程を
含み、また、前記接合層に前記有機化合物層を転写する
工程が、有機化合物層上の金属層を該有機化合物層と共
に転写する工程を含むようにすることができる。また、
本発明においては、これらの探針の製造方法またはプロ
ーブの製造方法において、前記有機化合物層を被覆する
工程が、有機化合物層をコーティングし、キュアする工
程を有するように構成することができ、また、前記第1
基板が単結晶シリコン基板であり、結晶軸異方性エッチ
ングにより該第1基板表面に凹部を形成するように構成
することができる。また、本発明のプローブの製造方法
は、トンネル電流、または微小力検出用の微小探針と薄
膜カンチレバーからなるプローブの製造方法において、
第1基板の表面に凹部を形成する工程と、前記第1基板
の凹部を含む基板上に剥離層を形成する工程と、前記第
1基板の剥離層上に微小探針層としての導電性有機化合
物層を被覆する工程と、第2基板に薄膜カンチレバーを
形成する工程と、前記薄膜カンチレバー先端上に接合層
を形成する工程と、前記凹部を含む剥離層上の前記導電
性導電性有機化合物層を、前記薄膜カンチレバー先端上
の接合層に接合する工程と、前記第1基板における剥離
層と前記導電性有機化合物層の界面で剥離を行い、前記
薄膜カンチレバー先端上の接合層に前記導電性有機化合
物層を転写する工程と、前記薄膜カンチレバーの一端
が、第2基板に固定されるように前記薄膜カンチレバー
下部の前記第2基板の一部を除去する工程と、を少なく
とも有することを特徴としている。そして、本発明にお
いては、前記導電性有機化合物層を被覆する工程が、前
記第1基板の剥離層上に微小探針層としての導電性有機
化合物層を被覆した後に該導電性有機化合物層上に金属
層を被覆する工程を含み、また、前記接合層に前記導電
性有機化合物層を転写する工程が、導電性有機化合物層
上の金属層を該導電性有機化合物層と共に転写する工程
を含むようにすることができる。また、本発明において
は、これらの探針の製造方法またはプローブの製造方法
において、前記導電性有機化合物層を被覆する工程が、
導電性有機化合物層をコーティングし、キュアする工程
を有するように構成することができ、前記第1基板が単
結晶シリコン基板であり、また、前記第1基板が単結晶
シリコン基板であり、結晶軸異方性エッチングにより該
第1基板表面に凹部を形成するように構成することがで
きる。そして、またその第2基板を、単結晶Si基板と
該基板上に形成された絶縁層と該絶縁層上に形成された
単結晶Si層より形成することができる、その際、この
単結晶Si層の電気抵抗が、0.0lΩ・cm以下であ
ることが好ましい。また、本発明においては、上記した
ような微小探針又はプローブを具備し、該微小探針又は
プローブを介して記録媒体に情報の記録及び/または再
生を行なう情報処理装置を構成することができ、このよ
うな情報処理装置として、プローブを支持する弾性部材
をプローブ・記録媒体間に作用する力により変形させ、
プローブ・記録媒体間の間隔変動を補正することによっ
て、プローブ・記録媒体間隔を制御し、該制御状態で前
記プローブ・記録媒体間の電流を検出することによって
再生を行なう情報処理装置を構成することができる。 【0011】 【発明の実施の形態】本発明は、上記のように雌型に探
針材料を形成しそれを転写して微小探針を形成すること
により、探針材料選択の幅の広い、汎用性に富む微小探
針の製造が可能となる。また、本発明は、上記のように
探針材料の雌型を後工程でエッチング除去することなく
探針を形成することにより、雌型の再利用が可能で、生
産性の向上と製造コストの低減が可能となる。また、本
発明によると、エッチング液による微小探針の材料劣
化、形状劣化、及びエッチング液からの汚染がなく微小
探針を形成することが可能となる。本発明は上記のよう
な微小探針の製造方法を用いることにより、微小探針の
材料として有機化合物または導電性有機化合物を用いる
ことが可能となり、微小探針の軽量化を図り、共振周波
数の高い、高速走査における追従性が良好な微小探針の
提供を実現することが可能となる。また、本発明は、微
小探針の材料として有機化合物を用いることで、はっ水
性の高い材料を選択することが可能になり、微小探針と
試料表面の間に存在する吸着水の影響を低下することが
可能となる。また、本発明は、微小探針のみをカンチレ
バー先端の接合層上に形成することができるので、接合
層を反射膜として利用でき、反射膜をプローブの裏面全
面に形成する必要がないプローブを提供することができ
る。さらに、本発明は、微小探針として再現性の良い均
一な形状が得られ、且つ先端を鋭利に形成でき、探針の
複数化(マルチ化)が容易となるプローブの製造方法及
びそれらを用いた情報処理装置を提供することができ
る。 【0012】また、本発明においては、第1基板を単結
晶シリコン基板とし、結晶軸による異方性エッチングに
より、(111)の結晶面からなる凹部を形成した単結
晶基板上に、微小探針材料を形成することによって、微
小探針の雌型となる凹部は先端が鋭利で、また同一基板
上に複数形成した場合には形状の揃ったものとなり、そ
の結果得られる微小探針は特性の揃ったものとなる。 【0013】さらに、本発明においては、探針材料層が
有機化合物であることを特徴としており、探針を軽量化
することが可能である。本発明で用いられる有機化合物
は、成形可能で、耐熱性、耐溶剤性に優れているもので
あればよく、各種フッ素化合物や、各種ポリイミド化合
物などを用いることが可能である。本発明で用いられる
フッ素化合物としては、例えば、ポリテトラフルオロエ
チレン(商標名テフロン)や、テフロンFEP、テフロ
ンPFAとして知られるテフロン化合物が挙げられ、一
方、本発明で用いられるポリイミド化合物はカルボン酸
無水物とジアミンとを縮合反応させることによって得ら
れるポリイミド前駆体を加熱することによって得られ
る。かかるカルボン酸無水物としては例えば、ピロメリ
ット酸無水物、3、3’、4、4’−ビフェニルテトラ
カルボン酸無水物、3、3’、4、4’−ベンゾフェノ
ンテトラカルボン酸無水物、2、2−ビス(3、4−ジ
カルボキシフェニル)−1、1、1、3、3、3、ヘキ
サフルオロプロパン酸無水物等が挙げられ、ジアミンと
してはフェニレンジアミン、4、4’−オキシジアニリ
ン、4、4’−ジオキシフェニレンジアニリン、4、
4’−フェニレンジアニリン、4、4’−チオジアニリ
ン、4、4’―サルフォニルジアニリン、4、4’―メ
チレンジアニリン、2−ビス(4−アミノフェニル)−
1、1、1、3、3、3−ヘキサフルオロプロパンなど
が挙げられる。さらにかかるポリイミド前駆体はそのポ
リマー主鎖中に前述の構造単位が一部含まれていてもよ
いので2種以上のカルボン酸無水物及び/又は、2種以
上のジアミンを用いた共重合体の利用も可能である。ま
た、本発明においては、探針材料層が導電性有機化合物
であることを特徴としており、微小探針の軽量化が可能
である。 【0014】また、本発明で用いられる導電性有機化合
物は成形可能であればよく、例えば、金属フタロシアニ
ン、テトラシアニキノジメタン−テトラチオフルバレン
(TCNQ−TTF)等の電荷移動錯体、またはポリア
セチレン、ポリフェニレンビニレン(PPV)などの導
電性高分子、またはカーボンブラック、カーボンファイ
バー、電荷移動錯体等をエポキシ樹脂、シリコン樹脂、
フェノール樹脂、メラミン樹脂等の熱硬化型樹脂に3〜
30%添加した導電性樹脂等を用いることが可能であ
る。かかる導電性有機化合物の比抵抗は導電物質の種類
や配合量にもよるが、10-5〜106Ω・cmの範囲に
することが可能なので、微小探針と引き出し電極の間の
抵抗値を所望の値にすることが容易である。そのため
に、抵抗値が部分的に変化する試料を用いて、情報の記
録再生を行なうような場合、微小探針と引き出し電極の
間に流れる過大電流を抑制することが可能である。ま
た、該電荷移動錯体、該導電性高分子の伝導度を向上さ
せる為に、ドーピングを行なったり、該導電性樹脂の成
形性を向上させるための架橋剤等を添加させてもよい。 【0015】さらには、本発明においては第1基板から
第2基板への転写をし易くするために、第1基板に探針
材料層を形成する前に、剥離層を設ける。かかる剥離層
材料は探針材料との反応性・密着性が小さいことが必要
である。このような材料として、例えば、探針材料がテ
フロンのときにはSiO2、Au、Pt等が使用でき
る。これらの材料はスパッタリング法や真空蒸着法によ
り形成することができる。さらに、第一基板1にシリコ
ンを用いる場合は基板表面を酸化することにより容易に
二酸化シリコン(SiO2)を得ることができる。この
酸化による二酸化シリコンの形成方法は、放置(自然酸
化)する方法、硫酸+過酸化水素水を利用する方法、沸
騰水を用いる方法、熱酸化炉を用いる方法等があり、特
に、熱酸化炉をもちいてシリコン表面を熱酸化する方法
が再現性・制御性・成膜速度の点で優れている。また、
探針材料層を第2基板上に形成された接合層に圧着によ
って接合する際に、あらかじめ探針材料層上に金属層を
設けておくことにより、接合層を形成している金属と金
属層が金属結合することによって、より強固に探針材料
層を接合層上に転写することが可能である。なお、探針
材料層、剥離層、接合層の形成方法としては、従来公知
の技術たとえばスピナー法、デイッピング法、スプレー
法、真空蒸着法やスパッタ法、化学気相成長法等の薄膜
作製技術を用い、さらにフォトリソグラフィプロセス、
及びエッチングを適用することで所望の形状にパターニ
ングする。微小探針は第1基板上に形成した凹部上の剥
離層の表面形状を忠実に再現するため、薄膜作製方法に
制限されない。また、このようにして作製された微小探
針は接合層との間で囲まれた中空の領域を有しており、
薄膜カンチレバー等の自由端に微小探針を設ける場合、
図12(b)の形成法にて作製した探針に比べて、さら
に軽量化されており、探針付きのカンチレバーの共振周
波数の低下を抑えることができる。 【0016】また、本発明の探針材料層を有機化合物層
で形成したプローブにおいては、第2基板に薄膜カンチ
レバーとなる層をあらかじめ形成しておき、該薄膜カン
チレバーの先端上にパターニングされた接合層を設け、
剥離層上の探針材料層を接合層に接合、転写した後に、
薄膜カンチレバーの一端が第2基板に固定されるように
薄膜カンチレバー下部の第2基板の一部を除去すること
により、微小探針を自由端に有するカンチレバー型のプ
ローブを作製することが可能である。 【0017】そしてまた、本発明の探針材料層を導電性
有機化合物層で形成したプローブにおいては、第2基板
としてSi単結晶基板101上にSi酸化層103及び
Si単結晶層107が形成された基板、即ちSOI(s
ilicon on insulator)基板を用い
ることが可能である。かかるSOI基板を用いることに
より、トンネル電流取り出し電極と機械的弾性体の2つ
の役割を有することが可能になる。ここでSi単結晶層
107は不純物導入した低抵抗のものが好ましく、抵抗
値として好ましくは、0.0lΩ・cm以下のものを用
いる。Si単結晶層107の厚さは所望するレバーのバ
ネ定数に対して、レバーの形状と共に決定されるが、通
常は0.1から数μm程度である。Si酸化層103及
びSiN層108の厚さは、後のエッチング工程におい
て耐えられる厚さならばよく、通常Si酸化層103は
0.1〜1.0μm程度、SiN層108は0.1〜
0.3μmである。 【0018】 【実施例】以下、本発明の実施例について図に基づいて
説明する。 [実施例1]図1に本発明の実施例1における第1の微
小探針を用いたAFM用カンチレバー型プローブの構成
を示し、図1(a)は該プローブの上面図であり、図1
(b)は側面図である。図2は本実施例のプローブの製
造工程を示す断面図である。図2(a)において、酸化
ガスにより熱酸化して形成した二酸化シリコン膜からな
る保護層2が形成された結晶方位面が<100>のシリ
コンウエハを第1基板1として用意する。フォトリソグ
ラフィプロセスにより形成したフォトレジストをマスク
として、該保護層2の所望の箇所をHF水溶液によりエ
ッチングし、8μm平方のシリコンを露出させた。保護
層2は第1基板1を結晶軸異方性エッチングし、微小探
針の雌型となる凹部を形成する時の保護層であり、結晶
軸異方性エッチング液に対してエッチング耐性を持つ。
フォトレジストを剥離した後に第1基板を濃度27%の
水酸化カリウム(KOH)水溶液にて液温度80℃で結
晶軸異方性エッチングし、深さ5.6μmの(111)
の結晶面からなる逆ピラミッド状の凹部3を形成した。 【0019】次に保護層2をHF水溶液によりエッチン
グ除去した後に、第1基板1を酸化ガスを用いて熱酸化
し、凹部3を含む第1基板上に二酸化シリコン膜4を1
000Å形成し剥離層4とした(図2(b))。 【0020】次に図2(c)に示すように、微小探針材
料となるテフロンを主成分とするフッ素樹脂(ファイン
ケミカルジャパン(株)製、商標名 テフロン耐熱TF
Eコート)を厚さlμmになるようにスプレー法によっ
て塗布し、キュアして、テフロンからなる有機化合物層
101を形成した。引き続き探針材料層上にCr30
Å、Au400Åを真空蒸着法により形成し、金属層6
を探針材料層上にコーテイングした。該金属層をフォト
リソグラフィプロセスとエッチングにより、パターニン
グし、さらにO2による反応性イオンエッチングによ
り、該金属層6をマスクとしてエッチングし、微小探針
5を形成した。次に第二基板8として単結晶シリコン基
板を用意し、第二基板8両面に二酸化シリコン13を
0.3μm、窒化シリコン14を0.5μm成膜した。
次に表面の窒化シリコン14をフォトリソグラフィとエ
ッチングによりカンチレバー9(片持ち梁)の形状にパ
ターニングした。このとき、カンチレバーの寸法は幅5
0μm、長さ125μmとした。 【0021】次に、裏面の窒化シリコン14及び二酸化
シリコン13を同様にエッチングマスク形状にパターニ
ングした。次に、チタンTiを30Å、金Auを500
Å成膜し、フォトリソグラフィとエッチングによりパタ
ーン形成を行い、カンチレバー上に接合層7を形成し
た。次に、第一基板1上の微小探針5と第二基板8上の
接合層7とを位置合わせして対向・接触させ、更に荷重
を加えることにより微小探針5と接合層7の接合(圧
着)を行った(図2(d)参照)。 【0022】次に、第一基板1と第二基板8を引き離す
ことにより、剥離層4と微小探針5との界面で剥離させ
た(図2(e)参照)。次に、表面保護層15としてA
Zレジスト(商標名AZ1370)をスピンコートによ
り塗布し、ベークして形成した(不図示)。 【0023】次に、裏面の窒化シリコン14をエッチン
グマスクにして、90℃に加熱した30%水酸化カリウ
ム水溶液により裏面からシリコン基板8のエッチングを
行った。次に、フッ酸とフッ化アンモニウム混合水溶液
により二酸化シリコン層13を除去した。最後に、アセ
トンを用いて表面保護層を除去してカンチレバー型プロ
ーブを形成した(図7(f)参照)。 【0024】かかる本実施例のAFM用のプローブで
は、変位測定の為のレーザーの反射を薄膜カンチレバー
の先端に設けた接合層の裏面にて行う事ができ、反射膜
の代用となる。これにより、反射膜を薄膜カンチレバー
の裏面の全面に形成する必要がなく、薄膜カンチレバー
は従来問題となった反射膜の膜応力による反りをなくす
ことができる。 【0025】上述した方法により作製した微小探針5を
SEM(走査型電子顕微鏡)で観察したところ、先端は
シリコンの結晶軸異方性エッチングにてできた逆ピラミ
ッドの形状を写された形状(replicated s
hape)を有し、先端が鋭利に形成されている微小探
針である事を確認し、その微小探針の先端曲率半径は
0.03μmであった。また、本実施例で作成したプロ
ーブに外部から振動を与えることによって共振周波数を
測定したところ、50kHzであった。 【0026】本実施例の微小探針10を用いた光てこ方
式のAFM装置を作製した。本装置のブロック図を図3
に示す。AFM装置は薄膜カンチレバー51と接合層4
8と接合層に接合した微小探針50からなるプローブ
と、レーザー光61と、薄膜カンチレバー自由端の接合
層裏面にレーザー光を集光するためのレンズ62と、薄
膜カンチレバーのたわみ変位による光の反射角の変化を
検出するポジションセンサ63と、ポジションセンサか
らの信号により変位検出を行う変位検出回路66と、X
YZ軸駆動ピエゾ素子65と、XYZ軸駆動ピエゾ素子
をXYZ方向に駆動するためXYZ駆動用ドライバ−6
7とからなる。このAFM装置を用い、マイカからなる
試料64にプローブを接近させた後に、XYZ軸駆動ピ
エゾ素子65をXY方向に駆動することにより試料表面
のAFM像を観察したところ、マイカ表面のステップ像
を観察することができた。また、本実施例で用いられた
AFM装置のポジションセンサーは4分割センサーを用
いているため、摩擦力を検出することも可能であるの
で、AFM像の観察に引き続き、摩擦力を検出したとこ
ろ、感度良く検出された。さらに、フォースカーブを測
定したところ、吸着成分が少なく、吸着水の影響が軽減
されていることがわかった。 【0027】[実施例2]実施例2においては微小探針
材料に式1で表されるポリイミドの前駆体を用いた。本
実施例では実施例1と全く同様に第1基板を形成したの
ち、式1で示される微小探針材料となるポリイミドの前
駆体を厚さlμmになるようにスピナー法により塗布
し、イミド化するために300℃で加熱処理し、ポリイ
ミドからなる探針材料層7を形成した。 (式1) 引き続き探針材料層上にCr30Å、Au400Åを真
空蒸着法により形成し、探針材料層をコーテイングした
後、実施例1と同様にして第2基板上の接合層に微小探
針を接合し、カンチレバー型プローブを作成した。かか
る微小探針をSEM観察したところ、先端曲率半径は
0.03μmであり、プローブの共振周波数は46kH
zであった。かかるプローブを用いて実施例1と同様に
マイカ表面のAFM観察を行なったところ、マイカ表面
のステップ像を観察することができた。また、実施例1
と同様に摩擦力を検出したところ、感度良く検出され
た。さらに、フォースカーブを測定したところ、吸着成
分が少なく、吸着水の影響が軽減されていることがわか
った。 【0028】[実施例3]実施例3においては探針材料
に式2で表されるポリイミドの前駆体を用いた。 (式2) 本実施例では実施例1と全く同様に第1基板を形成した
のち、式2で示される微小探針材料となるポリイミドの
前駆体を厚さ1μmになるようにスピナー法により塗布
し、イミド化するために300℃で加熱処理し、ポリイ
ミドからなる有機化合物層101を形成した。続いて、
実施例1と同様にしてカンチレバー型プローブを形成し
た。但し、本実施例においては、図4に示すように探針
材料層上に金属層を設けずに、接合層上に直接探針材料
層を接合することによって、探針材料層と接合層の圧着
を行なった。また、接合層は、アルミニウムAlを真空
蒸着法により、3000Å成膜し、実施例1と同様にパ
ターニングして形成した。その後、実施例1と同様に微
小探針をSEMを用いて観察したところ、かかる微小探
針の先端曲率半径は0.03μmであり、プローブの共
振周波数は51kHzであった。かかるプローブを用い
て実施例1と同様にマイカ表面のAFM観察を行なった
ところ、マイカ表面のステップ像を観察することができ
た。また、実施例1と同様に摩擦力を検出したところ、
感度良く検出された。さらに、フォースカーブを測定し
たところ、吸着成分が少なく、吸着水の影響が軽減され
ていることがわかった。 【0029】[実施例4]実施例4に於ては、剥離層に
Auを用いた点を除いては、実施例1と同様である。本
実施例で形成したプローブを実施例1と同様に評価した
ところ、微小探針の先端曲率半径は0.04μm、プロ
ーブの共振周波数は46kHzであった。かかるプロー
ブを用いて実施例1と同様にマイカ表面のAFM観察を
行なったところ、マイカ表面のステップ像を観察するこ
とができた。また、実施例1と同様に摩擦力を検出した
ところ、感度良く検出された。さらに、フォースカーブ
を測定したところ、吸着成分が少なく、吸着水の影響が
軽減されていることがわかった。 【0030】[実施例5]図5は本発明の実施例5にお
ける第1の微小探針の製造方法の工程を示す断面図であ
る。図5(a)において、酸化ガスにより熱酸化して形
成した二酸化シリコン膜からなる保護層2が形成された
結晶方位面が<100>のシリコンウエハを第1基板1
として用意する。フォトリソグラフィプロセスにより形
成したフォトレジストをマスクとして、該保護層2の所
望の箇所をHF水溶液によりエッチングし、8μm平方
のシリコンを露出させた。保護層2は第1基板1を結晶
軸異方性エッチングし、微小探針の雌型となる凹部を形
成する時の保護層であり、結晶軸異方性エッチング液に
対してエッチング耐性を持つ。フォトレジストを剥離し
た後に第1基板を濃度27%の水酸化カリウム(KO
H)水溶液にて液温度80℃で結晶軸異方性エッチング
し、深さ5.6μmの(111)の結晶面からなる逆ピ
ラミッド状の凹部3を形成した。 【0031】次に保護層2をHF水溶液によりエッチン
グ除去した後に、第1基板1を酸化ガスを用いて熱酸化
し、凹部3を含む第1基板上に二酸化シリコン膜からな
る剥離層4を1000Å形成した(図5(b)参照)。 【0032】次に図5(c)に示すように、導電性有機
化合物層101’として銅フタロシアニンを真空蒸着法
により、全面にlμm成膜し、引き続きかかる導電性有
機化合物層上にCr30Å、Au400Åを真空蒸着法
により形成し、金属層6とした。該金属層をフォトリソ
グラフィプロセスとエッチングにより、パターニング
し、さらにO2による反応性イオンエッチングにより、
該金属層6をマスクとしてエッチングし、微小探針5を
形成した。 【0033】次に第2基板8としてシリコンウエハを用
意し、この表面にCr50ÅとAu1000Åを真空蒸
着法により順次連続して薄膜堆積し、該薄膜をフォトリ
ソグラフィプロセスとエッチングによりパターニング
し、接合層7を形成した(不図示)。 【0034】次に、第一基板1上の微小探針5と第二基
板8上の接合層7とを位置合わせして対向・接触させ、
更に荷重を加えることにより微小探針5と接合層7の接
合(圧着)を行った(図5(d)参照)。この後、第一
基板1と第二基板8を引き離すことにより、剥離層4と
微小探針5との界面で剥離することにより剥離層4上の
微小探針5のみを接合層7上に転写し、図5(e)に示
す微小探針5が製造できた。 【0035】上述した方法により作製した微小探針5を
SEM(走査型電子顕微鏡)で観察したところ、先端は
シリコンの結晶軸異方性エッチングにてできた逆ピラミ
ッドの形状を写された形状(replicated s
hape)を有し、先端が鋭利に形成されている微小探
針である事を確認し、その微小探針の先端曲率半径は
0.03μmであった。 【0036】本実施例の微小探針5を用いたSTM装置
を作製した。本装置のブロック図を図6に示す。図中、
70はバイアス電圧印加回路、12はトンネル電流増幅
回路、13はXYZ駆動用ドライバー、8は第2基板、
7は接合層、5は微小探針、11は試料、15はXYZ
軸駆動ピエゾ素子である。ここで微小探針5と試料11
との間を流れるトンネル電流Itを接合層7を通じて検
出し、Itが一定となるようにフィードバックをかけ、
XYZ軸駆動ピエゾ素子15のZ方向を駆動し、微小探
針と試料との間隔を一定に保っている。接合層はトンネ
ル電流取り出し電極として用いた。さらに、XYZ軸駆
動ピエゾ素子15のXY方向を駆動することにより試料
11の2次元像であるSTM像が観察できる。この装置
で試料11としてHOPG(高配向熱分解グラファイ
ト)基板の劈開面をバイアス電流1nA、スキャンエリ
ア100Å×100Åで観察したところ、再現性良く良
好な原子像を得ることができた。 【0037】[実施例6]図7は本発明の実施例6のプ
ローブの製造工程を示す断面図である。図7(a)にお
いて、酸化ガスにより熱酸化して形成した二酸化シリコ
ン膜からなる保護層2が形成された結晶方位面が<10
0>のシリコンウエハを第1基板1として用意する。フ
ォトリソグラフィプロセスにより形成したフォトレジス
トをマスクとして、該保護層2の所望の箇所をHF水溶
液によりエッチングし、8μm平方のシリコンを露出さ
せた。保護層2は第1基板1を結晶軸異方性エッチング
し、微小探針の雌型となる凹部を形成する時の保護層で
あり、結晶軸異方性エッチング液に対してエッチング耐
性を持つ。フォトレジストを剥離した後に第1基板を濃
度27%の水酸化カリウム(KOH)水溶液にて液温度
80℃で結晶軸異方性エッチングし、深さ5.6μmの
(111)の結晶面からなる逆ピラミッド状の凹部3を
形成した。 【0038】次に保護層2をHF水溶液によりエッチン
グ除去した後に、第1基板1を酸化ガスを用いて熱酸化
し、凹部3を含む第1基板上に二酸化シリコン膜を10
00Å形成し剥離層4とした(図7(b)参照)。次に
図7(c)に示すように、実施例5と同様に導電性有機
化合物層101’として銅フタロシアニンを真空蒸着法
により全面にlμm形成した。引き続き導電性有機化合
物層101’上にCr30Å、Au400Åを真空蒸着
法により形成し、金属層6を導電性有機化合物層10
1’上に蒸着した。該金属層をフォトリソグラフイプロ
セスとエッチングにより、パターニングし、さらにO2
による反応性イオンエッチングにより、該金属層6をマ
スクとしてエッチングし、微小探針5を形成した。 【0039】一方、第二基板として、(100)面方位
のSi基板102上に、Si酸化膜103が0.5μm
厚、及びSi単結晶膜104が1.0μm厚で形成され
ているSOI(silicon on insulat
or)基板8を用意し、LP−CVD(low pre
ssure chemical vapor depo
sition)法により窒化シリコン(SiN)膜10
5を0.2μm厚形成した(図7(d)参照)。Si単
結晶膜104は抵抗値0.0lΩ・cm以下のものを用
いた。次に、Si基板102をエッチングするために、
裏面側にレジストパターンを形成し、CF4ガスを用い
たドライエッチングによりSiN膜105をパターニン
グした。 【0040】次に、表面のSiN膜105を全面エッチ
ング除去し、続いてSi単結晶膜107をフォトリソグ
ラフィーとエッチングによりカンチレバー(片持ち梁)
状にパターニングした。このとき、カンチレバーの寸法
は幅50μm、長さ125μmとした。次に、チタンT
iを30Å、金Auを500Å成膜し、フォトリソグラ
フィとエッチングによりパターン形成を行い、カンチレ
バー上に接合層7及び引き出し電極10を形成した(図
7(e)参照)。 【0041】次に、第一基板1上の微小探針5と第二基
板8上の接合層7とを位置合わせして対向・接触させ、
更に荷重を加えることにより微小探針5と接合層7の接
合(圧着)を行った(図7(f)参照)。 【0042】次に、第一基板1と第二基板8を引き離す
ことにより、剥離層4と微小探針5との界面で剥離させ
た(図7(g)参照)。 【0043】次に、裏面のSiN膜105をエッチング
マスクにして、CF4とH2の混合ガスをもちいて裏面か
らSi基板102のドライエッチングを行った。最後
に、フッ酸とフッ化アンモニウム混合水溶液によりSi
酸化膜103を除去した(図7(h)参照)。 【0044】かかる本実施例のプローブをAFMに用い
た際、変位測定の為のレーザーの反射を薄膜カンチレバ
ーの先端に設けた接合層の裏面にて行うことができ、反
射膜の代用となる。これにより、反射膜を薄膜カンチレ
バーの裏面の全面に形成する必要がなく、薄膜カンチレ
バーは従来問題となった反射膜の膜応力による反りをな
くすことができた。上述した方法により作製した微小探
針5をSEM(走査型電子顕微鏡)で観察したところ、
先端はシリコンの結晶軸異方性エッチングにてでぎた逆
ピラミッドの形状を写された形状(replicate
d shape)を有し、先端が鋭利に形成されている
微小探針である事を確認し、その微小探針の先端曲率半
径は0.03μmであった。また、本実施例で作成した
プローブに外部から振動を与えることによって共振周波
数を測定したところ、52kHzであった。 【0045】つぎに、図8を用いて、本発明のプローブ
が適用可能なプローブ接触走査方式記録再生装置の原理
を説明する。記録媒体64に対し、先端の微小探針50
が接触するように、プローブが配置されている。プロー
ブにおいて、微小探針50は弾性変形を生じるカンチレ
バー(弾性体)51により支持されている。ここで、典
型値としては、カンチレバー51の弾性変形の弾性定数
が約0.1[N/m]、弾性変形量が約1[μm]であ
るが、このとき記録媒体に対する探針の接触力は約10
-7[N]程度となる。記録媒体64に取り付けられたx
yz軸駆動ピエゾ素子65により、プローブと記録媒体
64とは相対的に3次元方向に移動される。記録媒体6
4に対し、プローブのxy方向及びz方向位置を調節
し、記録媒体64上の所望の位置に、かつ所望の接触力
で接触させた状態にプローブが位置合わせされる。かか
る情報処理装置における記録信号は、電圧印加回路68
及び電流検知回路69から微小探針50を通じて記録媒
体64に印加され、微小探針50先端が接触する部分に
局所的に記録が行われる。上述の情報処理装置における
記録媒体は、電極基板と記録層からなり、該記録層とし
ては、電圧印加により流れる電流が変化するような材料
を用いる。具体例としては、特開昭63−161552
号公報、特開昭63−161553号公報に開示されて
いるようなポリイミドやSOAZ(ビス−n−オクチル
スクアリリウムアズレン)等電気メモリー効果を有する
LB膜(=Langmuir−Blodgette法に
より作製された有機単分子膜の累積膜)が挙げられる。
この材料は、探針−LB膜−基板間にしきい値以上の電
圧(5〜10[V]程度)を印加すると間のLB膜の導
電性が変化(OFF状態→ON状態)し、再生用のバイ
アス電圧(0.01〜2[V]程度)を印加した際に流
れる電流が増大するものである。一方、電極基板は伝導
性を有するものであればよく、例えば、Au、Pt、P
d等の金属やこれらの合金、グラファイトやシリサイ
ド、ITOなどの導電性酸化物が挙げられ、何ら制限さ
れるものではない。 【0046】本実施例の微小探針50を前述のAFMを
応用した情報処理装置に設置し、行なった記録、再生の
実験について述べる。検出電流をモニターしながらプロ
ーブと記録媒体64との距離を接近させ、この状態でx
yz駆動用ドライバーの出力を保持し、波高値9V、パ
ルス幅3msの波形を持つ三角波パルス電圧をプローブ
と記録媒体64との間に印加した後、再び100mVの
バイアスを印加して測定したところ、8μA程度の電流
が流れ、ON状態となったことを示した以外に、記録媒
体が破壊された形跡はなかった。また、かかる記録再生
実験をおこなった微小探針を再び、SEM(走査型電子
顕微鏡)で観察したところ、記録再生実験前と変わらな
い先端形状をしていた。また、微小探針と引き出し電極
10の間の抵抗値を測定したところ、10MΩであった
ことから、本実施例の微小探針によって、記録時の過大
電流が制限されていることがわかった。 【0047】[実施例7]本発明の実施例7においては
探針材料としてカーボンファイバー(商標名 トーホー
ベスロンHTA−C6−S、トーホーベスロン(株)
製)を25%配合したメチルフェニル系シリコン樹脂を
導電性有機化合物層101’として用いた。実施例6と
全く同様に第1基板を形成したのち、かかるカーボンフ
ァイバーを配合したメチルフェニル系シリコン樹脂を全
面lμmになるようにスピンコート法により塗布した
後、120℃で加熱し、導電性有機化合物層101’を
形成した。続いて、実施例6と同様にしてカンチレバー
型プローブを形成した。但し、本実施例においては、図
9に示すように導電性有機化合物層上に金属層を設けず
に、接合層7上に直接探針材料層を接合することよっ
て、探針材料層と接合層の圧着を行なった。また、接合
層7は、アルミニウムAlを真空蒸着法により、300
0Å成膜し、実施例6と同様にパターニングして形成し
た。 【0048】その後、実施例5と同様に微小探針をSE
Mを用いて観察したところ、かかる微小探針の先端曲率
半径は0.03μmであり、プローブの共振周波数は5
3kHzであった。また、実施例6と同様の記録再生実
験を行なったところ、記録媒体及び微小探針の破壊は見
られなかった。また、微小探針と引き出し電極10の間
の抵抗値を測定したところ、10MΩであったことか
ら、本実施例の微小探針によって、記録時の過大電流が
制限されていることがわかった。 【0049】[実施例8]本発明の実施例8は図10に
示すように微小探針を複数形成した例であり、それにつ
いて以下に説明する。複数形成に当り、第1基板上にマ
トリックス状に10×10の計100個の凹部を配置
し、実施例1または実施5と同様に、図2(a)〜
(e)または図5(a)〜(e)の構成及び工程により
有機化合物層または導電性有機化合物層及び金属層(C
rおよびAu)を形成した。つぎに該有機化合物層また
は導電性有機化合物層及び金属層と対になる様に第2基
板上に100個の接合層を形成し、第1基板上の有機化
合物層または導電性有機化合物層及び金属層と第2基板
上の接合層を位置合わせして対向、接触させ、実施例1
または実施5と同様に圧着、剥離を行ない、第2基板の
接合層上に100個の微小探針を形成した(図10)。
なお、微小探針のピッチは200μmとした。 【0050】こうして作製した複数の微小探針をSEM
で観察したところ、全ての微小探針の先端はシリコンの
結晶軸異方性エッチングにてできた逆ピラミッドの形状
をレプリカした形状を有し、先端が鋭利に形成されてお
り、各微小探針の先端曲率半径は0.03μm±0.0
1μmのバラツキ内に納まっていた。また、各探針の接
合層からの高さバラツキは±0.1μmの範囲に納まっ
た。本発明の微小探針の製造法を用いて、複数にした場
合に形状の揃った微小探針が得られることが分かった。 【0051】 【発明の効果】本発明は、以上のように微小探針を構成
することによって、微小探針を軽量化することができ、
カンチレバーの共振周波数を向上させることが可能とな
り、また、微小探針表面のはっ水性を向上させて、吸着
水の影響を低減させることが可能となる。また、本発明
においては、上記のように雌型に探針材料を形成しそれ
を転写して微小探針を形成することにより、探針材料の
選択の幅を広げることができる。また、本発明では、製
造工程において、探針材料層のエッチングを行う必要が
ないため、製造工程を簡略化することが可能となり、ま
た、凹部を形成した第一基板、すなわち微小ティップの
雌型は繰り返し使用ができるため、生産性の向上、製造
コストの低減を図ることができ、エッチング液による微
小探針の材料劣化、形状劣化、及びエッチング液からの
汚染のない微小探針を形成することが可能となる。ま
た、本発明は、第二基板上に接合層を有する薄膜カンチ
レバーをあらかじめ形成させておくことにより探針を有
する薄膜カンチレバーからなるプローブを作製すること
が容易になり、また、微小探針のみをカンチレバー先端
の接合層上に形成することができるので、接合層を反射
膜として利用でき、かつ、反射膜をプローブの裏面全面
に形成する必要がないため、反射膜を形成したことに伴
う薄膜カンチレバーの反りのないプローブを提供するこ
とができる。さらに、本発明は、微小探針として再現性
の良い均一な形状が得られ、且つ先端を鋭利に形成で
き、探針の複数化(マルチ化)が容易となるプローブの
製造方法及びそれらを用いた情報処理装置を提供するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の実施例1におけるプローブを示す図で
ある。 【図2】本発明の実施例1におけるプローブの製造方法
を示す図である。 【図3】本発明の実施例1におけるプローブを用いたA
FM装置のブロック図である。 【図4】本発明の実施例3におけるプローブを示す図で
ある。 【図5】本発明の実施例5における微小探針の製造方法
を示す図である。 【図6】本発明の実施例5における微小探針を用いたS
TM装置のブロック図である。 【図7】本発明の実施例6におけるプローブの製造方法
を示す図である。 【図8】本発明の実施例6におけるプローブを用いた情
報処理装置のブロック図である。 【図9】本発明の実施例7におけるプローブを示す図で
ある。 【図10】本発明の実施例8における微小探針を複数形
成した例を示す図である。 【図11】従来例による微小探針を示す図である。 【図12】従来例による微小探針を示す図である。 【符号の説明】 1 第一基板 2 保護層 3 凹部 4 剥離層 5 微小探針 6 金属層 7 接合層 8 第二基板 9 弾性体(カンチレバー) 10 引き出し電極 11 試料 12 トンネル電流増幅回路 13 二酸化シリコン 14 窒化シリコン 15 XYZ軸駆動ピエゾ素子 48 接合層 50 微小探針 51 薄膜カンチレバー 54 シリコンブロック 61 レーザー光 62 レンズ 63 ポジションセンサ 64 試料(記録媒体) 65 XYZ軸駆動ピエゾ素子 66 変位検出回路 67 XYZ駆動用ドライバー 68 電圧印加回路 69 電流検知回路 70 バイアス電圧印加回路 101 有機化合物層 101’ 導電性有機化合物層 102 Si基板 103 Si酸化膜 104 単結晶膜 105 SiN膜 201 基板 202 薄膜層 203 探針 204 基板 205 レジスト 206 レジスト開口部 207 導電性材料 208 探針 510、512 二酸化シリコン 514 シリコンウエハ 518 ピット 520、521 窒化シリコン 522 ピラミッド状ピット 532 Cr層 534 ソウカット 540 マウンティングブロック 542 金属膜

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 基板上に接合層を介して設置された微小
    力検出用の微小探針であって、該微小探針が有機化合物
    層で形成されていることを特徴とする微小探針。 【請求項2】 前記有機化合物層で形成された微小探針
    は、金属層を介して基板上に設置されていることを特徴
    とする請求項1に記載の微小探針。 【請求項3】 前記有機化合物層が、フッ素化合物から
    なることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の
    微小探針。 【請求項4】 前記有機化合物層が、ポリイミド化合物
    からなることを特徴とする請求項1または請求項2に記
    載の微小探針。 【請求項5】 基板上に接合層を介して設置されたトン
    ネル電流、または微小力検出用の微小探針であって、該
    微小探針が導電性有機化合物層で形成されていることを
    特徴とする微小探針。 【請求項6】 前記導電性有機化合物層で形成された微
    小探針は、金属層を介して基板上に設置されていること
    を特徴とする請求項5に記載の微小探針。 【請求項7】 前記導電性有機化合物層が、電荷移動錯
    体からなることを特徴とする請求項5または請求項6に
    記載の微小探針。 【請求項8】 前記導電性有機化合物層が、導電性高分
    子からなることを特徴とする請求項5または請求項6に
    記載の微小探針。 【請求項9】 前記導電性有機化合物層が、導電性物質
    を熱硬化型樹脂に配合した導電性樹脂層からなることを
    特徴とする請求項5または請求項6に記載の微小探針。 【請求項10】 前記微小探針において、その微小探針
    と微小探針の引き出し電極の間の抵抗値が1〜100M
    Ωであることを特徴とする請求項5〜請求項9のいずれ
    か1項に記載の微小探針。 【請求項11】 請求項1〜請求項10のいずれか1項
    に記載の前記微小探針は、前記接合層との間で囲まれた
    中空の領域を有していることを特徴とする微小探針。 【請求項12】 請求項1〜請求項11のいずれか1項
    に記載の微小探針を有するプローブであって、該プロー
    ブが一端を基板に固定された薄膜カンチレバーの自由端
    に、前記微小探針を接合層を介して圧着により結合して
    構成されていることを特徴とするプローブ。 【請求項13】 前記接合層が、微小力検出に用いるプ
    ローブのたわみ変位を検出する際の光学的反射膜を構成
    していることを特徴とする請求項12に記載のプロー
    ブ。 【請求項14】 微小力検出用の微小探針の製造方法に
    おいて、 第1基板の表面に凹部を形成する工程と、 前記第1基板の凹部を含む基板上に剥離層を形成する工
    程と、 前記第1基板の剥離層上に微小探針層としての有機化合
    物層を被覆する工程と、 第2基板に接合層を形成する工程と、 前記第1基板における剥離層上の前記有機化合物層を、
    前記第2基板の接合層に接合する工程と、 前記第1基板における剥離層と前記有機化合物層の界面
    で剥離を行い、前記第2基板上の接合層に前記有機化合
    物層を転写する工程と、を少なくとも有することを特徴
    とする微小探針の製造方法。 【請求項15】 前記有機化合物層を被覆する工程が、
    前記第1基板の剥離層上への有機化合物層の被覆後に該
    有機化合物層上に金属層を被覆する工程を含み、また、
    前記接合層に前記有機化合物層を転写する工程が、該有
    機化合物層上の金属層を介して該有機化合物層を前記接
    合層に転写する工程を含んでいることを特徴とする請求
    項14に記載の微小探針の製造方法。 【請求項16】 微小力検出用の微小探針と薄膜カンチ
    レバーからなるプローブの製造方法において、 第1基板の表面に凹部を形成する工程と、 前記第1基板の凹部を含む基板上に剥離層を形成する工
    程と、 前記第1基板の剥離層上に微小探針層としての有機化合
    物層を被覆する工程と、 第2基板に薄膜カンチレバーを形成する工程と、 前記薄膜カンチレバー先端上に接合層を形成する工程
    と、 前記第1基板の凹部における剥離層上の前記有機化合物
    層を、前記薄膜カンチレバー先端上の接合層に接合する
    工程と、 前記第1基板における剥離層と前記有機化合物層の界面
    で剥離を行い、前記薄膜カンチレバー先端上の接合層に
    前記有機化合物層を転写する工程と、 前記薄膜カンチレバーの一端が、前記第2基板に固定さ
    れるように前記薄膜カンチレバー下部の前記第2基板の
    一部を除去する工程と、を少なくとも有することを特徴
    とするプローブの製造方法。 【請求項17】 前記有機化合物層を被覆する工程が、
    前記第1基板の剥離層上への有機化合物層の被覆後に該
    有機化合物層上に金属層を被覆する工程を含み、また、
    前記接合層に前記有機化合物層を転写する工程が、該有
    機化合物層上の金属層を介して該有機化合物層を前記接
    合層に転写する工程を含んでいることを特徴とする請求
    項18に記載のプローブの製造方法。 【請求項18】 請求項14〜15の微小探針の製造方
    法または請求項16〜17のプローブの製造方法におい
    て、前記有機化合物層を被覆する工程が、有機化合物層
    をコーティングし、キュアする工程を有していることを
    特徴とする微小探針またはプローブの製造方法。 【請求項19】 請求項14〜15の微小探針の製造方
    法または請求項16〜17のプローブの製造方法におい
    て、前記第1基板が単結晶シリコン基板であり、結晶軸
    異方性エッチングにより該第1基板表面に凹部を形成す
    ることを特徴とする微小探針またはプローブの製造方
    法。 【請求項20】 トンネル電流、または微小力検出用の
    微小探針の製造方法において、 第1基板の表面に凹部を形成する工程と、 前記第1基板の凹部を含む基板上に剥離層を形成する工
    程と、 前記第1基板の剥離層上に微小探針層としての導電性有
    機化合物層を被覆する工程と、 第2基板に接合層を形成する工程と、 前記第1基板における剥離層上の前記導電性有機化合物
    層を、前記第2基板の接合層に接合する工程と、 前記第1基板における剥離層と前記導電性有機化合物層
    の界面で剥離を行い、前記第2基板上の接合層に前記導
    電性有機化合物層を転写する工程と、を少なくとも有す
    ることを特徴とする微小探針の製造方法。 【請求項21】 前記導電性有機化合物層を被覆する工
    程が、前記第1基板の剥離層上への導電性有機化合物層
    の被覆後に該導電性有機化合物層上に金属層を被覆する
    工程を含み、また、前記接合層に前記導電性有機化合物
    層を転写する工程が、該導電性有機化合物層上の金属層
    を介して該導電性有機化合物層を前記接合層に転写する
    工程を含んでいることを特徴とする請求項20に記載の
    微小探針の製造方法。 【請求項22】 トンネル電流、または微小力検出用の
    微小探針と薄膜カンチレバーからなるプローブの製造方
    法において、 第1基板の表面に凹部を形成する工程と、 前記第1基板の凹部を含む基板上に剥離層を形成する工
    程と、 前記第1基板の剥離層上に微小探針層としての導電性有
    機化合物層を被覆する工程と、 第2基板に薄膜カンチレバーを形成する工程と、 前記薄膜カンチレバー先端上に接合層を形成する工程
    と、 前記第1基板の凹部における剥離層上の前記導電性有機
    化合物層を、前記薄膜カンチレバー先端上の接合層に接
    合する工程と、 前記第1基板における剥離層と前記導電性有機化合物層
    の界面で剥離を行い、前記薄膜カンチレバー先端上の接
    合層に前記導電性有機化合物層を転写する工程と、 前記薄膜カンチレバーの一端が、前記第2基板に固定さ
    れるように前記薄膜カンチレバー下部の前記第2基板の
    一部を除去する工程と、を少なくとも有することを特徴
    とするプローブの製造方法。 【請求項23】 前記導電性有機化合物層を被覆する工
    程が、前記第1基板の剥離層上への導電性有機化合物層
    の被覆後に該導電性有機化合物層上に金属層を被覆する
    工程を含み、また、前記接合層に前記導電性有機化合物
    層を転写する工程が、該導電性有機化合物層上の金属層
    を介して該導電性有機化合物層を前記接合層に転写する
    工程を含んでいることを特徴とする請求項22に記載の
    プローブの製造方法。 【請求項24】 請求項20〜21の微小探針の製造方
    法または請求項22〜23のプローブの製造方法におい
    て、前記導電性有機化合物層を被覆する工程が、導電性
    有機化合物層をコーティングし、キュアする工程を有し
    ていることを特徴とする微小探針またはプローブの製造
    方法。 【請求項25】 請求項20〜21の微小探針の製造方
    法または請求項22〜23のプローブの製造方法におい
    て、前記第1基板が単結晶シリコン基板であり、結晶軸
    異方性エッチングにより該第1基板表面に凹部を形成す
    ることを特徴とする微小探針またはプローブの製造方
    法。 【請求項26】 前記第2基板が、単結晶Si基板と該
    基板上に形成された絶縁層と該絶縁層上に形成された単
    結晶Si層であることを特徴とする請求項22または請
    求項23に記載のプローブの製造方法。 【詰求項27】 前記単結晶Si層の電気抵抗が、0.
    0lΩ・cm以下であることを特徴とする請求項26に
    記載のプローブの製造方法。 【請求項28】 請求項1〜27のいずれか1項に記載
    の微小探針又はプローブを具備し、該微小探針又はプロ
    ーブを介して記録媒体に情報の記録及び/または再生を
    行なうことを特徴とする情報処理装置。 【請求項29】 前記情報処理装置は、プローブを支持
    する弾性部材をプローブ・記録媒体間に作用する力によ
    り変形させ、プローブ・記録媒体間の間隔変動を補正す
    ることによって、プローブ・記録媒体間隔を制御し、該
    制御状態で前記プローブ・記録媒体間の電流を検出する
    ことによって再生を行なうことを特徴とする請求項28
    に記載の情報処理装置。
JP31469495A 1995-11-08 1995-11-08 微小探針、該微小探針を用いたプローブ、及び該微小探針の製造方法、並びに情報処理装置 Pending JPH09133689A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008111735A (ja) * 2006-10-31 2008-05-15 Sii Nanotechnology Inc 試料操作装置
JP2008241346A (ja) * 2007-03-26 2008-10-09 Fujitsu Ltd 探針及びそれを用いた測定装置
JP2015526743A (ja) * 2012-08-31 2015-09-10 ブルカー ナノ インコーポレイテッドBruker Nano,Inc. 走査型プローブ顕微鏡検査法用の小型カンチレバー・プローブ、及びその製造方法

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