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JPH09129010A - 照明方法及び照明器具 - Google Patents

照明方法及び照明器具

Info

Publication number
JPH09129010A
JPH09129010A JP8102361A JP10236196A JPH09129010A JP H09129010 A JPH09129010 A JP H09129010A JP 8102361 A JP8102361 A JP 8102361A JP 10236196 A JP10236196 A JP 10236196A JP H09129010 A JPH09129010 A JP H09129010A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
illuminance
work area
color temperature
work
peripheral portion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8102361A
Other languages
English (en)
Inventor
Mika Sakagami
美香 坂上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP8102361A priority Critical patent/JPH09129010A/ja
Publication of JPH09129010A publication Critical patent/JPH09129010A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Non-Portable Lighting Devices Or Systems Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 作業対象物を中心とする作業エリアと周辺部
とを異なる色温度で照明し、また、照度境界部に明確な
照度勾配を設けることによって作業エリアに所望の照度
を与えるとともに集中度を高める光環境を提供する。 【解決手段】 作業エリアとその周辺部とが存在する照
明環境を持つように配置された色温度変換特性を持つ透
明ガラス4を備え、作業エリアの照度Eiと周辺部の照
度Eoの境界部において、距離に対する照度の差である
照度の勾配ΔEを80≦ΔE≦400[lx/cm]とし、ま
た、作業エリアを照明する光の色温度をMi、周辺部を
照明する光の色温度をMoとした時、100≦Mi,M
o≦400、(1.38・Mi−260)≦Mo≦(1.
38・Mi−40)とすることで作業者の集中度が高い
光環境を実現でき、エネルギー節減に貢献できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、集中を要する作業
を行う作業空間の照明方法および照明器具に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来より、事務作業や勉強等の視作業に
必要な照度は、作業者の視認性を確保するために、視称
物の見え易さと照度との関係に関する研究をもとに、J
ISZ 9110で場所や視作業の種類ごとに規定され
ており、例えばオフィスの一般事務室は750[lx]、設
計室は750〜1500[lx]、対比の少ない図形を長時
間見分ける作業では1000〜2000[lx]、家庭の勉
強部屋では500〜1000[lx]となっている。しか
し、照度の分布や光源の色温度に対する規定はない。但
し、照明学会のオフィス照明に対する技術指針(JIE
C−001(1992))では、オフィス内の照度分布
は一様であることが望ましく、最小照度/平均照度が
0.6以上となっている。また、同照明学会編「ライテ
ィングハンドブック」(昭和62年、p272)では、
机上面などの局部照明による照度分布は水平面照度の最
小値/平均値が0.8以上であることが推奨されてい
る。
【0003】また、同ハンドブック(p280)では、
作業対象物とその隣接部との輝度比が1:3以内になる
ように照度分布を設定することが推奨されている。
【0004】実態はどうかというと、一般のオフィス
は、約750[lx]の照度でほぼ均一に照明されており、
机上面の作業エリアと周辺エリアとの間、および机上面
と机上面以外の周辺部との間の照度の差はほとんどなか
った。また、照明用光源として用いられているのは大半
が蛍光ランプであり、蛍光ランプも例えば3波長域発光
型蛍光ランプ(色温度200[ミレッド]、ただし、ミレ
ッド=106/色温度[K;ケルビン]である。なお、本
明細書では特に断わらない限り色温度の単位はミレッド
とする)1種類であり、色温度にも差はなかった。
【0005】一方、家庭における勉強部屋は、部屋の天
井中央に蛍光灯器具が1灯取り付けられた照明、あるい
は、これに照明スタンドを付加した照明が大半であっ
た。部屋の中央天井に設置した蛍光灯による照明では、
照度は部屋の中央部で200〜500[lx]であり、部屋
の周辺部の照度は中央部に比べ低いものの、見た目には
明暗が感じられるほどの照度差はなかった。照明スタン
ドを付加した勉強机では机上面中央部でほぼ750[l
x]、机上面の周辺部でほぼ300[lx]であった。
【0006】また、色温度は、蛍光灯スタンドの場合は
天井に取り付けられた蛍光灯とほぼ同じであった。ま
た、机上面が室内の全般照明用蛍光ランプ(色温度15
0[ミレッド])と電球型スタンド(色温度350[ミレ
ッド])で照明されている時に色温度差が生じるが、机上
面での混光比ほぼ1:3であり、その差はほぼ100
[ミレッド]であった。
【0007】また、家庭の居間では、室内全体を蛍光灯
で照明し、本を読むなどの場合、電球を内蔵のフロアス
タンドを使用することがあった。この場合、蛍光灯によ
る照度は150〜300[lx]であり、フロアスタンドを
併用すると300〜750[lx]という照度であった。し
かしこのとき、室内において照度は緩やかに変化し、照
度の境界を感じることはなかった。色温度は電球型スタ
ンドの場合と同様に約100[ミレッド]の差があった。
【0008】ここで、勉強部屋で照明スタンドが併用し
て、あるいは居間でフロアスタンドが併用して用いられ
る最大の理由は、天井に設置の蛍光灯による照度不足を
解消するためであり、机上面と周辺との間に照度差や色
温度差を設けるためではなかった。結果として机上面と
その周辺との間に、ある照度差や色温度差が生じる場合
もあったが、あくまでも結果であり意図して設計した照
度差や色温度差ではなかった。また、机上面の中央部と
周辺部、および机上面と机上面以外の周辺部との間に生
じた照度差は、比率でほぼ2:1〜3:1であり、ま
た、その変化は境界を感じさせるような明確なものでな
く緩やかなものであった。
【0009】ところで我々は、思考を伴い注意の集中を
要するような作業を行う場合には、作業面は作業物が充
分に視認できる一定の明るさが必要であるが、周辺の明
るさは作業面に比べて幾分暗い光環境の方が、作業面と
周辺とが類似の明るさの光環境よりも集中して作業をす
ることができることを経験する場合がある。つまり、こ
の光環境は一つの室の中に照度の高い部分と低い部分が
存在する、照度の均斉度の低い光環境である。
【0010】また、例えば居間全体の蛍光灯による照明
と電球内蔵のフロアスタンドによる照明を併用した場
合、読書に集中しやすい場合があることを経験する。こ
れは、上記の周辺の照度が作業エリアに比べて低いこと
に加え、紙面(作業エリア)が色温度の低い電球で照ら
され、周辺が色温度の高い蛍光ランプで照らされている
作用によると推察される。
【0011】しかしながら、従来は室内全体が均一に明
るく照明された環境が好ましい環境であり、また、机上
面などの局部的な作業面も明るく均一に照明されている
が好ましいという考え方が一般的であり、照度差や色温
度差を設けて集中度を高めるような照明方法や照明器具
は提供されていなかった。
【0012】また、ショーウィンドゥやデパートなどで
は、ある特定の対象物に対してスポット光が照射されて
いる場合もある。この場合、周辺とスポット光で照射さ
れた境界部に知覚できる照度差が生じる場合もある。し
かしこれは、人々の注目を特定の対象物に対して集める
ためのものであり、集中度を高める目的として作業空間
においてなされた照明方法ではなかった。
【0013】
【発明が解決しょうとする課題】つまり、従来の事務作
業や勉強などのための視作業に必要な光環境は、経済的
理由などにより必要最小限の照度でオフィス内を均一に
照明したものであり、見え方が不具合な場合は、例えば
不足する照度を補う目的で照明スタンドを付加するな
ど、視対象物の見え易さだけが考慮されたものであり、
作業者の集中度や作業能率は全く考慮されていなかっ
た。
【0014】そこで、作業エリアの水平面照度を所定値
に保ちながら、作業エリアの周辺の照度を低くすること
により、その照明環境のもとで作業をすると作業者の視
認性は確保されつつ、作業者の集中度が高く、かつ、省
エネルギーとなる環境を実現させる有効な手段となる。
またさらに、作業エリアと周辺の色温度に差を設けるこ
とにより、作業者の集中度が高い照明環境の実現の有効
な手段となる。
【0015】本発明は上記問題を解決するもので、作業
者の視認性を確保しつつ、作業者の集中度が高く、かつ
エネルギーの節減にも貢献する照明方法および照明器具
を提供することを目的とするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するため、作業対象物を中心とする作業エリアと前記作
業エリアの周辺部とが存在する照明環境をもち、前記作
業エリアの照度が周辺部の照度よりも高く、前記作業エ
リアと前記周辺部の照度の境界部において、前記作業エ
リアと前記周辺部の照度差が知覚できるようにしたもの
である。
【0017】また、作業対象物を中心とする作業エリア
と前記作業エリアの周辺部とが存在する照明環境におい
て、前記作業エリアの照度Eiと前記周辺部の照度Eo
の境界部において、照度の勾配ΔEを距離[cm]に対する
照度の差とすると、ΔEを80≦ΔE≦400[lx/cm]
とするものである。
【0018】また、作業対象物を中心とする作業エリア
と前記作業エリアの周辺部とが存在する照明環境におい
て、前記作業エリアを照明する光の色温度をMi、前記
周辺部を照明する光の色温度をMoとした時、前記色温
度Mi,Moが100≦Mi,Mo≦400であり、か
つ前記色温度Moを、 (1.38・Mi−260)≦Mo≦(1.38・Mi−
40) とするものである。
【0019】また、作業エリアの水平面照度の所定値を
Ei、周辺部の水平面照度をEoとした時、前記作業エ
リアの水平面照度Eiと前記周辺部の水平面照度Eoと
の比Ei/Eoを3≦Ei/Eo≦20とし、作業エリ
アの照度Eiの範囲が直径50〜150[cm]の範囲とす
るものである。
【0020】
【発明の実施の形態】一般にある作業をする人の集中度
を評価する方法のひとつとして、作業者自身にどれくら
い作業に集中していたかを尋ねる主観的評価方法があ
る。この評価方法は誰にでも容易に行うことができるた
め非常に利用しやすい。
【0021】また一方で、作業者の集中度の他の評価方
法として、生理的な指標を用いる方法がある。これは作
業者の生理的な変化を捉えることにより、作業者の集中
度を評価する客観的な方法である。種々の生理反応のう
ち、作業者の集中度を評価する反応として、ラムダ反応
がある。ラムダ反応は、脳波の事象関連電位の一つであ
る。例えば何かを探す時や読書などのときには、人間の
目は急速に動く、止まる、急速に動く、止まるという運
動を繰り返している。この目のきょろきょろとした動き
はサッカディック眼球運動と呼ばれている。このサッカ
ディック眼球運動の中で、サッケイドと呼ばれる眼球の
急速な動きの時に惹起されるのがラムダ反応であり、眼
球が急速に動いて止まった時から約100ms後に生じ
る陽性の電位である。
【0022】文献「ジャパニーズ サイコロジカル リサ
ーチ」(Yagi,A(1982b,Japanese
Psychological Research,2
4,106−110;1982c,The 8th C
ongress of International
Ergonomics Association,38
2−383))では、視作業を行なっている場合の作業
者の集中度を評価する手段として、ラムダ反応が有効な
指標であると報告し、作業者の視覚情報処理の負荷が高
くて、作業者が注意の集中を要する作業を行っている時
には、ラムダ反応が安定して出現すること、つまりラム
ダ反応の安定度が高いことが明らかにされている。
【0023】そこで、発明者らは、先ず、作業エリアと
周辺部の照度の境界部の照度勾配と作業者の集中度との
関係について主観評価実験を行った。作業エリアの大き
さを直径60[cm]、作業エリアの色温度を300[ミレ
ッド]、周辺部の色温度を200[ミレッド]とし、作業
エリアの照度を750[lx]、作業エリアと周辺部の照度
比を5に設定し、作業エリアと周辺部の照度の境界部の
照度勾配を種々変化させた条件において、作業者に作業
を行わせ、集中できるか否かの評価を行わせた。
【0024】図4は「集中できる」と評価した作業者の
割合と作業エリアと周辺部の照度の境界部の照度勾配[l
x/cm]との関係を示したものである。縦軸が「集中でき
る」と評価した作業者の割合を示し、横軸は境界部の照
度勾配を示す。図から、境界部の照度勾配ΔEが80≦
ΔE≦400の場合に「集中できる」と評価した作業者
の割合が70%となることがわかる。したがって、照度
勾配の効果として、境界部の照度勾配ΔEが80≦ΔE
≦400の場合、つまり照度勾配ΔEが80≦ΔE≦4
00の場合よりもはっきりすれば、作業者はより集中し
て作業を行うことができ、照度勾配が80[lx/cm]未満
の場合、つまり照度勾配80[lx/cm]の場合よりもぼや
けると作業者は集中して作業しにくいと判断することが
できる。
【0025】尚、作業エリアの照度と周辺部の照度の比
が3〜20の範囲において、また、作業エリアの照度の
範囲が50〜150[cm]の範囲において行った実験にお
いても、同じ結果が得られた。
【0026】したがって、上記の照度勾配の効果によ
り、作業エリアの照度と周辺部の照度の比が3〜20で
かつ、作業エリアの大きさが直径50〜150[cm]の照
明環境の場合でも、作業面の中央部と周辺部の照度の境
界部に照度勾配ΔEが80≦ΔE≦400の範囲で存在
することにより、作業者がより集中して作業を行うこと
ができるのである。
【0027】次に作業エリアと作業エリアの周辺部の照
明の色温度が作業者の集中度に与える効果について説明
する。作業エリアの大きさを70[cm]、作業エリアの照
度を750[lx]、作業エリアと周辺部の照度比が5、作
業エリアと周辺部の照度勾配を250[lx/cm]と設定し
た条件下において、作業エリアと周辺部を照明する光の
色温度を変えた場合の作業者の集中度について主観評価
実験を行った。
【0028】図5は、作業者の集中度が高かった色温度
Miと周辺エリアの色温度Moとの関係を示したもので
ある。Mi,Moがそれぞれ100より小さいとき、ま
た400より大きいときは作業をする室内での色温度と
しては非常に不快な色温度である。そのため、まず、M
i,Moの範囲はそれぞれ100≦Mi,Mo≦400
とする。図の×印は、70%以上の作業者が集中できる
と評価した作業エリアと周辺部の色温度条件、また、●
印(黒丸)は、90%以上の作業者が集中できると評価
した色温度条件を示す。()内には、「周辺部の色温度
/作業エリアの色温度」を示す。
【0029】また、図5の実線は、90%以上の作業者
が集中できると評価した作業エリアの色温度Miと周辺
エリアの色温度Moとの関係を示したもので、Mo=
1.38Mi−184として表わされる。2本の破線に
挟まれた範囲(斜線部分)は70%以上の作業者が集中
できると評価した領域であり、 (1.38Mi−260)≦Mo≦(1.38Mi−4
0) として表わされる。以上から、作業エリアと周辺部の色
温度が、図5に示す斜線部分における色温度条件のと
き、作業者の作業に対する集中度が高い。
【0030】なお、作業エリアと周辺部の照度勾配ΔE
が80≦ΔE≦400の場合においても、集中度の高い
色温度条件は、図5に示す斜線部分の範囲であった。ま
た、作業エリアの照度と周辺部の照度の比が3〜20の
範囲において、また、作業エリアの照度の範囲が直径5
0〜150[cm]の範囲において行った実験においても同
じ結果が得られた。
【0031】したがって、上記の色温度条件の効果によ
り、作業エリアと周辺部の照度勾配ΔEが80≦ΔE≦
400の場合においても、また、作業エリアの照度と周
辺部の照度の比が3〜20でかつ、作業エリアの大きさ
が直径50〜150[cm]の照明環境の場合でも、作業エ
リアと周辺部の照度の境界部に照度勾配ΔEが80≦Δ
E≦400の範囲で存在することにより、作業者がより
集中して作業を行うことができるのである。
【0032】以上の主観評価実験を踏まえて、ラムダ反
応による集中度の評価実験を行なった。照明の条件は、
作業エリアの照明範囲を直径20〜180[cm]、作業エ
リアの照度を750[lx]、作業エリアと周辺の照度比を
5、作業エリアと周辺部の色温度をそれぞれ200[ミ
レッド]、作業エリアと周辺部の照度勾配は200[lx/c
m]とした。そして、上記の照明条件のもとで作業者に1
時間の作業を行わせて、その作業中の被験者の脳波を測
定した。測定終了後、測定した脳波を加算処理してラム
ダ反応を求め、さらにラムダ反応の安定度を求めた。図
6は実験結果であり、ラムダ反応の安定度と作業エリア
の大きさとの関係を示す。縦軸はラムダ反応の安定度を
示し、上に行くほど安定度が高いこと、つまり作業者が
集中していることを示し、下に行くほどラムダ反応の安
定度が低いこと、つまり作業者が集中していないことを
示す。
【0033】図6から明らかなように、作業エリアの大
きさが50[cm]以上でラムダ反応の安定度が高いこと、
つまり作業者の集中度が高いことがわかる。また、作業
エリアの大きさが150[cm]を越えると、ラムダ反応の
安定度が低くなること、つまり作業者の集中度が低くな
ることが判明した。
【0034】一方、作業者の目の疲れについて、作業エ
リアと作業エリアの周辺部の照度比を種々変化させた照
明環境において評価報告させた実験では、作業エリアの
照度と周辺部の照度の照度比が20より大きい時は目の
疲れを訴える作業者の割合が80%以上であった。
【0035】以上の結果から明らかなように、作業エリ
アの照度と周辺部の照度の照度比が3〜20、作業エリ
アの大きさが直径50〜150[cm]、作業エリアと周辺
部の照度勾配ΔE[lx/cm]が80≦ΔE≦400、作業
エリアの色温度Mo、周辺部の色温度Miが、100≦
Mi,Mo≦400であり、かつMoが、 (1.38・Mi−260)≦Mo≦(1.38・Mi−
40) となる照明環境のもとで作業者に作業させると、他の照
明環境下に比べて作業者が集中して作業を行なうことが
できる。したがって、この照明環境の下で作業者が作業
を行なうと、作業者が集中して作業を行なうことができ
ることから、作業者の作業能率が向上し、かつ作業エリ
アの照度はある一定以上の照度を保つものの作業エリア
の周辺部の照度を低くすることにより、エネルギー削減
にも貢献することが可能となる。
【0036】以下、本発明の一実施例を図面を用いて示
す。室内に配置された椅子に座って机上で作業を行う場
合とする。図7は、JIS照度基準における場所・作業
内容の種類に適応する照度を示したもので、机上面の水
平面照度を示す。一般事務室の場合、図8より机上面の
照度を例えば750[lx]とすると、本発明によれば、机
上面の周辺の照度は37.5〜250[lx]の範囲とな
る。また、机上面の照度を例えば1000[lx]とする
と、本発明によれば、机上の周辺の照度は、50〜33
3[lx]の範囲となる。また、机上面の照度を例えば15
00[lx]とすると、本発明によれば、机上の周辺の照度
は、75〜500[lx]の範囲となる。なお、一組以上の
机と椅子が配置された室内の場合は、それぞれの机上と
その周辺において、本発明の照度比、作業エリアの大き
さ、照度勾配、色温度の条件が満たされていればよい。
【0037】(実施例1)以下、本発明の第1の実施例
について説明する。図1は、以上の結果をもとに本発明
を実現する第1の実施例を示すスタンド照明器具の略断
面図である。図1において、1はスタンド照明器具本
体、2は光源であり、75wのクリア型ミニクリプトン
電球を用いている。3は電球のフィラメントである。4
は円筒状に成形した色温度変換特性をもつ透明材であ
り、高色温度変換特性の透明ガラスを用いている。5は
不透明なプラスチック材で円筒状に成形した円筒状の透
明ガラス4の保持物である。6はアームである。
【0038】この照明器具において、電球フィラメント
3と円筒状の透明ガラス4の下端までの長さLは10[c
m]であり、透明ガラス4の直径φは12[cm]である。こ
こで、光源2から放射される光の色温度は350[ミレ
ッド]であり、約半数の光はそのまま机上面の中央部を
照明する。残りの半数の光は、高色温度変換特性をもつ
透明ガラス4を透過して机上面の周辺部および机上外を
照明する。光源2から放射され高色温度変換特性をもつ
円筒状の透明ガラス4を透過した光は250[ミレッド]
の色温度に変換される。そのことにより透過した光は約
1/5に減衰する。
【0039】図2は、図1のスタンド照明器具本体を机
の左側前部、高さ50[cm]の位置に設置した時の机上面
の照度パターンである。図2に示すように、机上面に直
接光で照明されるエリア(作業エリア)と透過光で照明
される部分(周辺部)とが明快に分離された照度パター
ンとなっており、かつ両エリアを区分する照度境界(エ
ッジ)が存在する。作業エリアの直径は約60[cm]、作
業エリアを照明している光の色温度は350[ミレッ
ド]、作業エリアの平均照度は約750[lx]である。周
辺エリアは色温度250[ミレッド]の光で照明されてお
り、平均照度は約100[lx]である。エッジ部分の照度
勾配は約290[lx/cm]である。なお、図1において、
高色温度変換特性をもつ円筒状の透明ガラス4の代わり
に、円筒状の拡散透過ガラスまたは樹脂性の拡散透過材
を用いてもよい。
【0040】(実施例2)次に、本発明の第2の実施例
について説明する。図3は、本発明の第2の実施例であ
る照明器具の略断面図である。図3において、7は照明
器具本体、8は光源であり、100wのミニハロゲン電
球(色温度350[ミレッド])である。9は回転楕円面
の反射鏡、10は光源で20wの環型白色蛍光ランプ
(色温度240[ミレッド])、11は乳泊パネルであ
る。12は回転楕円面の反射鏡9と一体成形された鍔の
部分で、乳泊パネル11の支持材としての機能と環型蛍
光ランプ10からの光の一部を遮光する機能を持ってい
る。
【0041】ここで、光源8から放射された光は回転楕
円面反射鏡9で反射され、照明器具本体7の下方で一度
焦点を結んだ後、机上の中央部に放射される。光源10
の環型蛍光ランプから放射された光は、乳泊パネル11
で拡散透過し、机上面および机の周辺を照明する。
【0042】図3の照明器具を机の前部左端の机上面上
1.5mの位置に取り付けると、机上面に図2に示した
照度パターンと類似の照度パターンが得られる。この場
合、作業エリアの直径は約90[cm]であり、作業エリア
内の平均照度は約800[lx]である。作業エリア内を照
明している光は、光源8のミニハロゲン電球の光に光源
10の白色蛍光ランプの光が混ざったものであるので、
色温度は320[ミレッド]となる。周辺エリアの照度は
約800[lx]で、色温度は240[ミレッド]である。作
業エリアと周辺エリアとの間の照度勾配は、図3の回転
楕円面の反射鏡の鍔12による遮光効果が加わることに
よって250 [lx/cm]となっている。
【0043】なお、図3の光源10を白色蛍光ランプの
代わりに電球色蛍光ランプを用いると本発明の請求項2
の第2の実施例となる。なお、室内全般を蛍光ランプで
100[lx]程度の照度で照明し、個々の机上面を図3の
光源8と反射鏡9で構成される照明器具で照明してもよ
い。
【0044】
【発明の効果】以上のように本発明は、作業対象物を中
心とする作業エリアと前記作業エリアの周辺部との間に
照度の勾配が存在する照明環境において、作業エリアの
照度Eiと周辺エリアの照度Eoとの境界部における照
度の勾配ΔEを、80≦ΔE≦400[lx/cm]とするこ
とにより、視作業に集中しやすい光環境を形成すること
ができる。
【0045】さらに、作業エリアを照明する光の色温度
をMi、周辺エリアを照明する光の色温度をMoとする
と、Mi、Moが100≦Mi、Mo≦400であり、
かつMoを(1.38・Mi−260)≦Mo≦(1.3
8・Mi−40)とすることによって、視作業にさらに
集中しやすい光環境を形成することができる。
【0046】さらに、作業エリアの水平面照度Eiと前
記周辺エリアの水平面照度Eoとの比Ei/Eoを3≦
Ei/Eo≦20の範囲にし、作業エリアの照度Eiの
範囲を直径50〜150[cm]の範囲にすることにより、
作業者の集中度の高い照明環境を形成することができ
る。また、周辺エリアの照度を従来の1/10程度にで
きるのでエネルギーの節約にも寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例におけるスタンド照明器
具の構成図
【図2】本発明の第1の実施例による机上面の照度パタ
ーンを示す斜視図
【図3】本発明の第2の実施例における照明器具の構成
【図4】「集中できる」と評価した作業者の割合と照度
勾配との関係を示す特性図
【図5】集中度の高い作業エリアの色温度と周辺エリア
の色温度との関係を示す図
【図6】作業エリアの大きさとラムダ反応の安定度との
関係を示す特性図
【図7】JIS照度基準における場所・作業内容の種類
に適応する照度を示す図
【符号の説明】
1 スタンド照明器具本体 2 光源 3 フィラメント 4 円筒状に成形した色温度変換特性をもつ透明材 5 保持物 6 アーム 7 照明器具本体 8 光源 9 反射鏡 10 光源 11 乳泊パネル 12 反射鏡の鍔 13 ランプ保持スプリング

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】作業対象物を中心とする作業エリアと前記
    作業エリアの周辺部とが存在する照明環境をもち、前記
    作業エリアの照度が周辺部の照度よりも高く、前記作業
    エリアと前記周辺部の照度の境界部において、前記作業
    エリアと前記周辺部の照度差が知覚できることを特徴と
    する照明方法。
  2. 【請求項2】作業対象物を中心とする作業エリアと前記
    作業エリアの周辺部とが存在する照明環境において、前
    記作業エリアの照度Eiと前記周辺部の照度Eoの境界
    部において、照度の勾配ΔEを距離[cm]に対する照度の
    差とすると、ΔEが80≦ΔE≦400[lx/cm]である
    ことを特徴とする照明方法。
  3. 【請求項3】作業対象物を中心とする作業エリアと前記
    作業エリアの周辺部とが存在する照明環境において、前
    記作業エリアを照明する光の色温度をMi[単位:ミレ
    ッド、ミレッド=106/色温度[K;ケルビン]、前記
    周辺部を照明する光の色温度をMoとした時、前記色温
    度Mi,Moが100≦Mi,Mo≦400であり、か
    つ前記色温度Moが、 (1.38・Mi−260)≦Mo≦(1.38・Mi−
    40) であることを特徴とする照明方法。
  4. 【請求項4】作業エリアを照明する光の色温度をMi
    ([単位:ミレッド]、ミレッド=106 /色温度[K;
    ケルビン])、周辺部を照明する光の色温度をMoとし
    た時、前記色温度Mi,Moが100≦Mi,Mo≦4
    00であり、かつ前記色温度Moが、(1.38・Mi
    −260)≦Mo≦(1.38・Mi−40)であるこ
    とを特徴とする請求項2記載の照明方法。
  5. 【請求項5】作業エリアの水平面照度の所定値をEi、
    周辺部の水平面照度をEoとした時、前記作業エリアの
    水平面照度Eiと前記周辺部の水平面照度Eoとの比E
    i/Eoが3≦Ei/Eo≦20の範囲にあり、作業エ
    リアの照度Eiの範囲が直径50〜150[cm]の範囲に
    あることを特徴とする請求項2または3または4のいず
    れかに記載の照明方法。
  6. 【請求項6】作業対象物を中心とする作業エリアと前記
    作業エリアの周辺部とが存在する照明環境を有し、前記
    作業エリアの照度が前記周辺部の照度よりも高く、前記
    作業エリアと前記周辺部の照度の境界部において、前記
    作業エリアと前記周辺部の照度差が知覚できる構成とし
    たことを特徴とする照明器具。
  7. 【請求項7】作業対象物を中心とする作業エリアと前記
    作業エリアの周辺部とが存在する照明環境において、前
    記作業エリアの照度Eiと前記周辺部の照度Eoの境界
    部において、照度の勾配ΔEを距離[cm]に対する照度の
    差とすると、ΔEが80≦ΔE≦400[lx/cm]である
    ことを特徴とする照明器具。
  8. 【請求項8】作業対象物を中心とする作業エリアと前記
    作業エリアの周辺部とが存在する照明環境を有し、前記
    作業エリアを照明する光の色温度をMi([単位:ミレッ
    ド]、ミレッド=106/色温度[K;ケルビン])、前記
    周辺部を照明する光の色温度をMoとした時、前記色温
    度Mi,Moが100≦Mi,Mo≦400であり、か
    つ前記色温度Moが、 (1.38・Mi−260)≦Mo≦(1.38・Mi−
    40) であることを特徴とする照明器具。
  9. 【請求項9】作業エリアを照明する光の色温度をMi
    ([単位:ミレッド]、ミレッド=106 /色温度[K;
    ケルビン])、周辺部を照明する光の色温度をMoとし
    た時、前記色温度Mi,Moが100≦Mi,Mo≦4
    00であり、かつ前記色温度Moが、(1.38・Mi
    −260)≦Mo≦(1.38・Mi−40)であるこ
    とを特徴とする請求項7記載の照明器具。
  10. 【請求項10】作業エリアの水平面照度の所定値をE
    i、周辺部の水平面照度をEoとした時、前記作業エリ
    アの水平面照度Eiと前記周辺部の水平面照度Eoとの
    比Ei/Eoが3≦Ei/Eo≦20の範囲にあり、作
    業エリアの照度Eiの範囲が直径50〜150[cm]の範
    囲にあることを特徴とする請求項7または8または9の
    いずれかに記載の照明器具。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007125184A (ja) * 2005-11-02 2007-05-24 Toyota Central Res & Dev Lab Inc 眼球停留関連電位解析装置及び解析方法

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