JPH09126624A - ショーケースの冷却方法およびショーケース - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】 各ショーケース毎に適切に冷却可能で、本体
内部を有効利用できるショーケースの提供。 【解決手段】 ショーケース１の冷却に供された冷気の
一部を冷却源に回収し、冷却源においてショーケースの
設定温より低温に冷却された前記冷気と略等量の供給用
冷却を冷却源に回収されなかった冷気の残部とをショー
ケース１内で混合し、この混合冷気を商品陳列部３内を
通過するよう循環させてなり、ケース１内の温度が設定
温より上昇している場合にはケース１への供給用冷気量
及び冷却源に回収される回収用冷気量を多くするよう調
節し、ケース１内の温度が設定温より下降した場合に
は、供給用冷気量及び回収用冷気の通気量を０にする
か、少なくするように調節すると共に、冷却に供された
冷気の一部をケース１内のガイド空気通路２１内に回収
し、ケース１の商品陳列部３の前部を通過するようにケ
ース１内で循環させるようにしたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はショーケースの冷却
方法およびショーケースに係り、特に、大型店舗に設置
される冷凍用または冷蔵用のショーケースの冷却に好適
なショーケースの冷却方法およびショーケースに関す
る。

【０００２】

【従来の技術】大型店舗法の緩和により店舗の大型化が
進む傾向にある昨今、食品業界では冷凍食品・チルド食
品が増勢を示している。それに伴い、冷凍食品を陳列す
るためのショーケースや、冷蔵食品用のショーケース
（以下、特記しない限り、これらの冷凍・冷蔵ショーケ
ースを合わせて「ショーケース」という）が店舗の売り
場面積を占める割合も増加している。

【０００３】これらのショーケースは、冷凍サイクルを
構成する冷却ユニットにより冷却された冷却空気により
食品を冷凍または冷蔵するようになっている。

【０００４】この冷却ユニットは、圧縮機、凝縮器、膨
脹部材および蒸発器からなる冷凍サイクルを構成する各
種機器を冷媒を循環させる配管をもって接続し、ファン
により蒸発器内の冷媒と周囲の被冷却媒体との熱交換を
行って被冷却媒体を冷却するものである。

【０００５】この冷却ユニットについて、もう少し説明
を加えれば、まず、冷媒を圧縮機に吸入して圧縮し、高
温高圧の状態にする。この高温高圧の冷媒をキャピラリ
チューブのような凝縮器に通過せしめて外気との間で熱
交換して冷媒から放熱させ、冷媒を液化させる。この液
冷媒を膨脹弁のような膨脹部材において断熱膨脹させて
低温低圧の液状態とし、この低温低圧の液冷媒を蒸発器
に通過せしめて蒸発器の周囲を通過する被冷却媒体より
冷媒が熱を奪うことにより、被冷却媒体を冷却するとと
もに冷媒を気化させて元の気化状態とする。そして、冷
媒を再び圧縮機に吸入するという工程を繰り返し、被冷
却媒体を冷却する。

【０００６】つぎに、従来のショーケースの冷却装置に
ついて説明する。

【０００７】店舗内に配置された従来の各ショーケース
は、その内部に前述した膨脹部材、蒸発器、ファンおよ
び各種制御機器を有していた。一方、前記圧縮機は、こ
の圧縮機を駆動するモータとともに店舗外に設けられた
機械室に配設され、また、前記凝縮器は屋上などの風通
しのよい場所に配設されており、これらの圧縮機および
凝縮器と各ショーケース内の前記膨脹部材および蒸発器
とは、冷媒を循環させるための複数本の配管（冷媒配
管）により接続されていた。

【０００８】前記圧縮機を複数のショーケース内の機器
と接続する際には、圧縮機側から各ショーケースに至る
につれて分岐するようにして複数本の配管を冷媒が漏洩
しないように連結しなければならない。そして、その配
管が銅管からなる場合の連結手段としては隣接する配管
を熔接することによって連結したり、ねじ等の連結部材
をもって連結したりしていた。また、各配管の外周を断
熱部材により被覆していた。

【０００９】そして、従来のショーケースの冷却装置に
おいては、機械室に配置された冷却ユニットから前記配
管を通じて送られる高温高圧の冷媒を、ショーケース内
の蒸発器において、ショーケースの商品陳列部の空気と
熱交換することによりショーケースの商品陳列部を冷却
するようにしていた。

【００１０】

【発明が解決しようとする課題】ところで、ショーケー
ス内に設置されショーケースの商品陳列部の空気と熱交
換を行う蒸発器の表面温度は一般に氷点下であるため、
蒸発器の表面には霜が付着することになる。このため、
デフロストといわれる霜取り作業が３〜４時間に１回程
度の頻度で行なわれていた。このデフロストは、ショー
ケースの冷却を一時的に中断することにより、蒸発器の
着霜を除去するものであり、このため、従来、各ショー
ケースには、除霜の結果として生じるドレン水の水抜き
のための排水管を１本ずつ設置しなければならなかっ
た。

【００１１】ショーケースの設置には、前述したような
冷媒配管工事、断熱部材被覆作業の他、各ショーケース
近傍に排水管を設けるための排水管工事、各ショーケー
スの機器に給電するための電気工事などの大掛かりな工
事が必要であり、そして、一旦、ショーケースを設置し
た後は、排水管の確保や電気配線などの関係上、ショー
ケースの大幅な移動がしにくかったし、ショーケースの
配置替えを行おうとすると、大規模な工事が必要となる
ため、その費用も高額なものとなっているのが実情であ
った。

【００１２】また、前記冷媒配管工事において、前記配
管の連結を熔接をもって行なった場合、外部からの何ら
かの衝撃で接続箇所に過度に負担が掛かって配管が破損
したり、前記配管の接続をねじをもって行なった場合に
も、温度変化による銅管たる配管の収縮でねじが緩み、
フロンガスからなる冷媒が漏洩することがあったが、こ
のフロンガスの漏洩はオゾン層の破壊を招来するため、
重大な環境問題となっていた。一方、前記配管の連結箇
所は、ショーケースの数が増すほど増大し、冷媒漏洩の
可能性も高くなるため、メンテナンスも煩雑であった。

【００１３】さらに、前述したように蒸発器の着霜除去
のためデフロストを行なった場合、ショーケース内の温
度が１０〜１５℃上昇することは避けられないが、冷却
によってチルド状態に保たれている生鮮食料品のうち精
肉や鮮魚に、いわゆるドリップといわれる汁が染み出る
状態が生じるなど冷凍または冷蔵されている食品の品質
管理上の問題が生じていた。また、ショーケースに配置
された各機器に故障が生じた場合、店内での修理作業を
余儀なくされるため、営業上の支障をきたすことがあっ
た。

【００１４】また、例えば、従来のオープンショーケー
スでは、ショーケース前面に大きく開放されている商品
取りだし口からショーケース内の冷却空気がショーケー
ス外（店内）に流出する、いわゆるコールドアイルが発
生し、冷却効率が著しく悪かった。さらに、買い物客が
そのショーケース前を通過する際、または商品を物色す
る際に寒さを感じるといったことがあった。

【００１５】本発明は、前述した点に鑑みなされたもの
であり、各ショーケース毎に適切な冷却を施すことがで
き、ランニングコスト、イニシャルコストが低廉で、し
かもショーケース本体内部を商品収納のために有効に利
用することができるショーケースの冷却方法およびショ
ーケースを提供することを目的とする。

【００１６】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
本発明の請求項１に係るショーケースの冷却方法は、シ
ョーケースの冷却に供された冷却空気の一部をショーケ
ース内の冷却空気通路内に回収し、さらに、前記冷却空
気通路内に回収された冷却空気の一部を冷却空気回収ダ
クトを介して冷却源に回収し、前記冷却源においてショ
ーケースの設定温度より低温に冷却された前記冷却空気
とほぼ等しい量の供給用冷却空気をショーケース内の冷
却空気供給ダクトに供給するとともに、ショーケース内
において、前記冷却空気回収ダクトに回収されなかった
冷却空気通路内の冷却空気の残部と冷却空気供給ダクト
から放出された供給用冷却空気とを混合し、この混合さ
れた冷却空気を前記商品陳列部内を通過するように前記
ショーケース内で循環させてなり、前記ショーケース内
の温度に対応して、前記両ダクト内の通気量を制御し、
ショーケース内の温度が設定温度より上昇している場合
には、ショーケースへの供給用冷却空気量および冷却源
に回収される回収用冷却空気量を多くするように調節
し、ショーケース内の温度が設定温度より下降した場合
には、前記供給用冷却空気量および回収用冷却空気の通
気量を０にするか、少なくするように調節するととも
に、前記冷却空気通路内に回収されなかった冷却空気の
一部をショーケース内のガイド空気通路内に回収し、前
記ショーケースの商品陳列部の前部を通過するようにシ
ョーケース内で循環させるようにしたことを特徴とす
る。

【００１７】本発明に係るショーケースの冷却方法によ
れば、各ショーケースの温度を前記冷却空気の混合の割
合を調節することで、個別に、かつ安定的に設定温度内
に保持することができる。

【００１８】また、本発明の請求項２に係るショーケー
スは、冷却に供する商品を陳列する商品陳列部と、この
商品陳列部と連通しファンにより冷却空気を商品陳列部
との間で循環させる冷却空気通路と、前記冷却空気通路
より外方で商品陳列部と連通しファンによりガイド空気
を商品陳列部との間で循環させるガイド空気通路とを有
し、前記商品陳列部を通過した冷却空気の一部を回収す
る冷却空気回収ダクトと、前記冷却空気回収ダクトへ回
収された回収用冷却空気量にほぼ等しい量の供給用冷却
空気を前記ファンの上流側に形成され前記商品陳列部を
通過した冷却空気の残部と混合するための空気混合室に
供給する冷却空気供給ダクトと、前記両ダクト内にそれ
ぞれ配設され各ダクト内の通気量をそれぞれ調節する通
気量自動調節手段とをさらに有することを特徴とする。

【００１９】本発明に係るショーケースによれば、エア
カーテンとしてのガイド空気にはショーケースの冷却に
用いられた空気のみを利用し、機械室において低温に冷
却された冷却空気は、実際に商品収納部を冷却すること
となる回収された冷却空気とのみ混合させることで、よ
り効率的に冷却空気を利用することができる。

【００２０】そして、本発明の請求項３に係るショーケ
ースは、ショーケースの冷却に供された空気を前記冷却
空気通路内に吸込む冷却空気吸込口のうち少なくとも１
つの冷却空気吸込口を商品陳列部の奥部に配設したこと
を特徴とする。

【００２１】本発明に係るショーケースによれば、冷却
空気を商品陳列部内において対角に導くこととなり、商
品陳列部全体をより均等に冷却することができる。

【００２２】

【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に示す実施形
態により説明する。

【００２３】図１は本発明のショーケースの冷却方法お
よびショーケースが適用されるショーケースの冷却装置
の概略を示すものであり、スーパーマーケットなどの店
舗Ｓ内には、複数のショーケース１が設置されている。

【００２４】図２には代表する１つのみのショーケース
１が示されている。このショーケース１はいわゆるオー
プンショーケースであり、前面の一部が商品取出し口２
として広く開放された箱型に形成されたショーケース本
体１Ａを有しており、ショーケース本体１Ａの商品取出
し口２内には、商品陳列部３が商品取出し口２と連通す
るように形成されている。この商品陳列部３には、複数
枚の着脱可能な棚板４，４…が上下方向に間隔を隔てて
配設されるとともに、商品陳列部３の下端部には、箱型
の商品収納部５が形成されている。なお、このショーケ
ース本体１Ａには、従来のものにおける凝縮器、膨脹部
材、蒸発器などは設置されてなく、また、ドレン水回収
のための配水管も接続されていない。さらに、このショ
ーケース本体１Ａの商品陳列部３は、図２の構成に限定
されるものではない。

【００２５】前記ショーケース本体１Ａの商品陳列部３
の裏側には、冷却空気通路６が商品陳列部３の上壁７、
背壁８および下壁９に沿ってコ字状に配設されており、
前記冷却空気通路６の上部前端部には、前記商品陳列部
３の前部上壁７に開口し前記冷却空気通路６の冷却空気
を下方に吹出す冷却空気吹出口１０が形成されている。
そして、前記冷却空気通路６の下部前端部には、前記商
品陳列部３の前部下壁９に開口し冷却に供された冷却空
気の一部を前記空気循環通路６内に導入する第１冷却空
気吸込口１１Ａが形成されており、さらに、前記商品収
納部５内でショーケース本体１Ａの後部側には、前記商
品陳列部３の前記下壁９に開口し冷却に供されショーケ
ース１内の奥部に供給される冷却空気の一部を前記冷却
空気通路６内に導入する第２冷却空気吸込口１１Ｂが形
成されている。この第２冷却空気吸込口１１Ｂは、例え
ばパンチング部材により形成されているものとする。

【００２６】また、前記商品陳列部３の下壁９の下方
で、冷却空気通路６内の前記ショーケース本体１Ａの後
部側には、前記冷却空気通路６を区画する傾斜状の仕切
板１１３が配設されており、前記仕切板１３には、図２
において、仕切板１１Ｂの左側から右側へ冷却空気を供
給する冷却空気通路６を連通させるファン１４が設けら
れている。

【００２７】そして、前記冷却空気通路６内で冷却空気
の循環方向において前記ファン１４より上流側に区画さ
れた空間部は、前記第１冷却空気回収口１１および第２
冷却空気回収口１１Ｂから導入された冷却空気を回収す
る冷却空気回収室１５とされており、その底部には吸引
口１６を有する冷却空気回収ダクト１７が、ショーケー
ス本体１Ａの一側面（図３において左側面）内において
ショーケース本体１Ａの前部から後部へ水平状に延在
し、ショーケース本体１Ａの後部下端部から鉛直方向上
方にショーケース本体１Ａの頂壁１８を貫通するまで延
在するように配設されている。

【００２８】また、前記ファン１４より下流側の前記冷
却空気通路６の底部には、前記冷却空気通路６内の下流
側に向かって開口する放出口１９を有する冷却空気供給
ダクト２０が、ショーケース本体１Ａの前記空気回収ダ
クト１７が位置する側面と反対側の側面（図３において
右側面）内においてショーケース本体１Ａの前部から後
部へ水平状に延在し、ショーケース本体１Ａの後部下端
部から鉛直方向上方にショーケース本体１Ａの頂壁１８
を貫通するまで延在するように配設されている。

【００２９】前記ショーケース１の前記冷却空気通路６
の背部には、この冷却空気通路６に沿って同じくコ字状
に形成されたガイド空気通路２１が配設されており、前
記ガイド空気通路２１の上端部は、前記冷却空気吹出口
１０の前方隣に開口し前記ガイド空気通路２１内の空気
を下方に吹出すガイド空気吹出口２２とされている。そ
して、前記ガイド空気通路２１の下端部に連なる前端部
は、前記第１冷却空気吸込口１１Ａの前方隣に開口し、
商品陳列部３内の空気をガイド空気通路２１内に吸込む
ガイド空気吸込口２３とされている。また、ガイド空気
通路２１内で前記ガイド空気吸込口２３の近傍には、ガ
イド空気を循環させるファン２４が支持板２５に支持さ
れるようにして設けられている。

【００３０】また、前記ガイド空気吹出口２２のさらに
前方近傍には、前記ショーケース本体１Ａの商品陳列部
３をショーケース１の外部と仕切るためのロール状に巻
回されるとともに、引き出し、巻回を自在とされた図示
しないばねにより巻回方向に付勢されているナイトカバ
ー２６が配設されている。また、前記商品取出し口２の
下方となるショーケース本体１Ａの前面には、前記ナイ
トカバー２６の下端に突設されたフック２７を係止する
ための係止部材２８が取付けられている。

【００３１】図３および図４に示すように、前記ショー
ケース本体１Ａの背面側の頂壁１８の近傍の冷却空気回
収ダクト１７には、後述する機械室Ｍ内の冷気発生室４
０へショーケース１内の回収用冷却空気を回収する回収
配管２９の端部が接続されており、また前記冷却空気回
収ダクト１７の水平部３０の中央部には、ショーケース
１内から回収される回収空気量を調節するための通気量
自動調節手段としての回収空気量制御弁３１が配設され
ている。

【００３２】同じく、前記ショーケース本体１Ａの背面
側の頂壁１８の近傍の冷却空気供給ダクト２０にも、前
記冷気発生室と連通する冷却空気の供給配管３２の端部
が接続されており、また冷却空気供給ダクト２０の水平
部３３の中央部には、冷気発生室４０から供給される供
給空気量を調節するための通気量自動調節手段としての
供給空気量制御弁３４が配設されている。

【００３３】また、ショーケース本体１Ａ内には、ショ
ーケース本体１Ａ内の温度を制御するために前記回収空
気量制御弁２９および供給空気量制御弁３２の開度を調
節する図示しないサーモスタットが配設されている。

【００３４】図１に戻って、前記各ショーケース１が設
置されている店舗Ｓ内と隔離した機械室Ｍ内には、前記
各ショーケース本体１Ａ内の商品陳列部３を昼間に冷却
するための昼間冷却用冷却ユニット３５とショーケース
本体１Ａ内の商品陳列部３を夜間に冷却するための夜間
冷却用冷却ユニット３６が設置されている。

【００３５】前記昼間冷却用冷却ユニット３５は、図示
しない圧縮機、凝縮器、膨脹部材および後述する蒸発器
４１からなる冷凍サイクル３７と、前記冷凍サイクル３
７によって冷却された冷媒との熱交換により冷却された
第１ブラインの保冷を行なう蓄冷槽３８と、冷却フィン
コイルからなる熱交換器３９内を循環する第１ブライン
と周囲の被冷却媒体との熱交換を行うことにより冷却空
気を発生させる冷気発生室４０とから構成されている。
なお、本実施形態においては、前記冷凍サイクル３７の
凝縮器は屋上等にクーリングタワー等として別設されて
いるものとする。

【００３６】そして、前記冷凍サイクル３７を構成する
圧縮機、凝縮器および膨脹部材は、冷媒を循環させるた
めの図示しない２本の配管をもって順次接続されてお
り、また、前記冷凍サイクル３７と蓄冷槽３８内に配設
された冷凍サイクル３７の蒸発機器４１とは、前記冷凍
サイクル３７用の冷媒を循環させる２本の配管Ｐ１，Ｐ
１をもって接続されている。さらに、前記蓄冷槽３８
は、前記冷気発生室４０内に配設されている２つの各熱
交換器３９のそれぞれと比較的低温でも凍結しない第１
ブラインを循環させるための２本の配管Ｐ２，Ｐ２をも
って接続されている。そして、前記第２ブラインは、配
管Ｐ２に配設されたポンプ４２により蓄冷槽３８および
冷気発生室４０間を循環するようになっている。

【００３７】ここで、この昼間冷却用冷却ユニット３５
を構成する各々についてさらに説明する。

【００３８】まず、前述した冷凍サイクル３７内におい
て、冷媒は冷凍サイクル３７の膨張部材を通過すること
により低温低湿とされ、この状態で前記冷媒を循環させ
る２本の配管Ｐ１，Ｐ１をもって第１ブラインを蓄冷す
る蓄冷槽３８内の蒸発器４１に供給されるようになって
いる。なお、前記第１ブラインとしては、粘性が出にく
い特性を有する塩化カルシウム溶液を用いるか、あるい
はエチレングリコール溶液を用いることが望ましいが、
本実施形態としては、塩化カルシウム溶液を用いた場合
をもって説明する。

【００３９】前記蓄冷槽３８内には、第２ブライン、例
えば硝酸ナトリウムと水を主体とし、冷却された前記塩
化カルシウム溶液（第１ブライン）より若干高い温度
（−２５℃〜−３０℃）で凍結するようにこれにその他
の材料を調合した調合剤を容器内に封入した複数の蓄冷
部材３８Ａが外周に沿って第１ブラインが流通しうるよ
うに相互に間隔を隔てて配設されている。

【００４０】そして、前記蓄冷槽３８は、第１ブライン
を循環させる２本の配管Ｐ２，Ｐ２をもって冷気発生室
４０内に配設された冷却フィンコイルを有する熱交換器
３９、３９とそれぞれ接続されており、前記各配管Ｐ２
には、冷気発生室４０内に配設されたサーモスタットの
ような温度制御手段（図示せず）と連結されたモータ
（図示せず）により自動的に開閉される図示しない開閉
弁と、前記蓄冷槽３８に保冷された第１ブラインを循環
させるためのポンプ４２とが配設されている。この配管
Ｐ２に配設された開閉弁およびポンプ４２は、冷気発生
室４０内に配設された図示しない温度制御手段が検知し
た冷気発生室４０内における発生冷気の温度が上限設定
温度より上昇した場合に、配管Ｐ２の開閉弁を開くとと
もにポンプ４２の駆動を開始して発生冷気の温度を低下
せしめ、また、前記温度制御手段が冷気発生室４０内の
下限設定温度を検知したら、配管Ｐ２の開閉弁を閉じる
とともにポンプ４２の駆動を停止して発生冷気の温度を
上昇するように構成されている。

【００４１】なお、前記熱交換器は２基を同時に冷却動
作させることも、もちろん可能であるが、必要に応じ
て、どちらか一方の熱交換器３９を使用して空気の冷却
を行ない、着霜した他方の熱交換器３９の除霜（デフロ
スト）をおこなったり、非常時に備えた待機状態とする
等、交互に使用することが好ましい。

【００４２】図１に示すように、前記熱交換器３９に第
１ブラインを循環させる配管Ｐ２にはデフロスト用に別
設され除霜可能な温度に維持されているホットブライン
の供給・回収用の配管Ｐ３が接続されており、この配管
Ｐ３に介装されているデフロスト用ポンプ４３および図
示しないデフロスト用弁の操作をもってデフロストを行
なうようになされている。前記配管Ｐ３内には、前記第
１ブラインたる塩化カルシウム溶液が封入されており、
この配管Ｐ３内の第１ブラインは、前記冷凍サイクル３
７において図示しない凝縮器に到達する前の高温高圧の
冷媒ガスが流通するコイルと熱交換されるようになって
おり、この冷媒ガスとの熱交換によりホットブラインを
約４０℃前後の温度に保持するようになっている。な
お、このホットブラインの温度制御は配管Ｐ３に迂回通
路を設け、冷媒ガスとの熱交換を必要に応じて行なうこ
とにより達成される。

【００４３】本実施形態のショーケースの冷却装置とし
ては、前記冷気発生室４０内を熱交換器３９毎に仕切
り、各熱交換器３９が収納された２つの熱交換室を形成
することで、各熱交換器３９のデフロストの際に発生す
る暖気が他方の熱交換器３９が発生させる冷却空気に混
合しないようにできる。さらには、前述のように前記冷
気発生室４０内を熱交換器３９毎に応じて仕切って熱交
換室とすると共に、冷却された空気を収集するための冷
気収集室を配設し、熱交換室と冷気収集室との隔壁に両
室間を連通させるシャッタ付きファンを設け、前記デフ
ロストの際には、デフロストが行なわれている熱交換室
と冷気収集室とを連通させるファンに設けたシャッタを
閉ざすことにより、デフロストの際に発生する暖気が冷
気収集室へ侵入することを防止することもできるものと
する。このように冷気発生室４０に２以上の熱交換室を
配設した場合には、回収配管３１を通って回収される冷
却空気は、例えば、前記回収配管３１に配設された切換
弁を操作することによって、各熱交換室に振り分けるよ
うにすればよい。

【００４４】さらに、前記昼間冷却用冷却ユニット３５
の冷気発生室４０には、前記冷気発生室４０内の熱交換
器３９により冷却された冷却空気を前記各ショーケース
１の冷却空気供給ダクト２０に供給するための供給配管
３２が接続されている。なお、供給配管３２の冷気発生
室４０に対する接続位置は、前記熱交換器３９により冷
却された空気が吹き溜まる位置が望ましい。

【００４５】また、本実施形態においては、前記各ショ
ーケース１の冷却空気回収ダクト１７と連通する回収配
管２９が、冷却に供された空気を吸引する大型の送風機
４４と夜間冷却用冷却ユニット３６の一部を構成する蒸
発器４５とを介して前記冷気発生室４０と接続されてお
り、各ショーケース１の冷却に供された回収用冷却空気
を前記冷気発生室４０の熱交換器３９近傍に回収するよ
うに構成されている。

【００４６】前記蒸発器４５は、冷凍サイクル４６と２
本の配管Ｐ４をもって接続され、夜間冷却用冷却ユニッ
ト３６を構成している。

【００４７】前記夜間冷却用冷却ユニット３６につい
て、もう少し説明を加えれば、前記冷凍サイクル４６に
は、図示しない圧縮機、凝縮器および膨張部材が配設さ
れている。そして、冷媒を圧縮機に吸入して圧縮し、高
温高圧の状態にし、この高温高圧の冷媒をキャピラリチ
ューブのような凝縮器に通過せしめて外気との間で熱交
換して冷媒から放熱させ、冷媒を液化させる。この液冷
媒を膨脹弁のような膨脹部材において断熱膨脹させて低
温低圧の液状態とし、この低温低圧の液冷媒を蒸発器４
５に通過せしめて蒸発器の周囲を通過する回収空気から
冷媒が熱を奪うことにより、回収空気を冷却するととも
に冷媒を気化させて元の気化状態とする。そして、冷媒
を再び圧縮機に吸入するという工程を繰り返し、冷却空
気を発生させるものである。

【００４８】つまり、この蒸発器４５は、昼間は、前記
送風機４４から送り込まれる回収空気を単に通過させて
前記冷気発生室４０に回収する回収配管２９の一部とし
て機能し、外気温度が下降し、ショーケース１内の温度
管理が比較的たやすくなる夜間においては、前述したよ
うに、夜間冷却用冷却ユニット３６の一部として、冷却
空気を発生させてショーケースの保冷を行なうものであ
る。

【００４９】また、冷気発生室４０には、前述したよう
に、発生した冷気の温度を検知して配管Ｐ２に配設され
た開閉弁の開閉およびポンプ４２の駆動を制御するサー
モスタット（図示しない）が配設されている。

【００５０】次に、前記冷気発生室４０と各ショーケー
ス１とを接続する供給配管３２および回収配管２９につ
いて説明する。

【００５１】前記供給配管３２および回収配管２９は、
多数の断熱風導管４７を順次連結して構成されている。
前記断熱風導管４７は、図５に示すように、例えばグラ
スウールのような不燃断熱材料を筒状に形成した風導管
本体４７Ａを有しており、この風導管本体４７Ａの中央
部内周には、塩化ビニールその他の樹脂からなる円筒状
の芯体４８が空気抵抗を小さくするために形成されてお
り、前記風導管本体４７Ａの一端部の内周縁部には、塩
化ビニールその他の樹脂からなる円筒状の連結部材４９
が前記芯体４８と連設するように形成されている。そし
て、隣接する１対の断熱風導管４７，４７の端部間を内
側から連結部材４９により接着などにより接続すること
により前記供給配管３２および回収配管２９が形成され
ることになる。なお、隣接する１対の断熱風導管４７，
４７の外周の接続部は図示しないアルミ製テープ等の封
止材により封止することが望ましい。また、前記風導管
本体４７Ａの一例としては、長さが１〜２ｍ、内径が５
０〜６００ｃｍ、厚さが３０〜７５ｍｍ程度、望ましく
は５０〜７５ｍｍのものが考えられるが、この各種寸法
は、各冷却ユニット３５，３６側の幹管とショーケース
１側の枝管とで異なることになる。また、前記風導管本
体４７Ａの肉厚は冷気温度の低いものほど厚いものが望
ましく、この厚さは風導管本体４７Ａの外表面に結露し
ないように、前記不燃断熱材料の性能による熱伝導係数
により定められる。

【００５２】一方、前記供給配管３２および回収配管２
９の分岐部あるいは集合部には、図６に示すようなＴ字
筒状の断熱風導管５０や、図示しないＬ管、４５度Ｌ
管、Ｙ管等を使用すればよい。この断熱風導管５０やそ
の他の形状の風導管は、前記断熱風導管４７と同様、断
熱材料を筒状に形成した風導管本体５０Ａを有してお
り、その中央部内周には、図５に示す断熱風導管４７と
同様に、芯体４８が形成されている。なお、この断熱風
導管５０も前記連結部材４９のような連結部材４９Ａを
接着することにより他の断熱風導管４７，５０と連結さ
れる。

【００５３】図６に示した断熱風導管５０は、３つ端部
の全てに連結部材４９Ａを装着してあるが、この断熱風
導管５０には他の断熱風導管４７，５０の連結部材４
９，４９Ａが設けられていない端部が連結される。ま
た、必ずしも前記断熱風導管５０の３つ端部の全てに連
結部材４９Ａが設けられている必要はないことは勿論で
ある。

【００５４】そして、機械室Ｍ内に配設された各冷却ユ
ニット３５，３６と店舗Ｓ内に配設されたショーケース
１との間を循環するようなされる前記供給配管３２と回
収配管２９の配管作業は、前記連結部材４９を隣接する
断熱風導管４７，５０の端部に挿入して、接着剤により
連結部材４９を断熱風導管４７，５０と接着することに
より連結し、さらに、断熱風導管４７，５０の接続部を
アルミ製テープ等の封止材で封止させ補強をはかる。な
お、この断熱風導管４７，５０の配管は天井裏のよう
に、人目に触れにくく、買物客の歩行や商品の搬入に邪
魔にならないところに施すものとする。

【００５５】なお、本実施形態においては、芯体４８と
してステンレス等の金属部材を用いた前記断熱風導管４
７，５０は結露のおそれがあるため、供給配管３２には
一切使用しない。しかし、本発明で使用可能な断熱風導
管４７，５０としては前述した構成の断熱風導管４７，
５０に限ることはない。例えば、断熱風導管４７とし
て、熱伝導率の高い、例えばグラスウールのような断熱
材料を筒状に形成し、その内外表面に通気性を遮断する
アルミ箔を張設して風導管外管とし、その中央部内周
に、前記断熱材料より熱伝導率の低い、例えば硬質発泡
ウレタンのような断熱部材を筒状に形成して風導管内管
とする２重管状とされた断熱風導管４７を用いることも
できる。この場合、前記風導管内管を前記風導管外管の
各端面より突出または没入させ、断熱風導管４７の端部
を雌雄に形成することにより、断熱風導管４７の端部を
断熱風導管４７，４７の接続部とすることができる。

【００５６】また、断熱風導管４７，５０の接続部をさ
らに封止するために用いた封止材としての前記アルミ性
テープは、例えば不燃材料からなる断熱テープを用いて
もよい。

【００５７】また、図１に示す本実施形態においては、
ショーケース１のみでなく、冷蔵庫５１をも同様にし
て、冷気発生室４０からの冷却空気により冷却するよう
になっている。

【００５８】つぎに、前述した構成からなる本実施形態
の作用について説明する。

【００５９】まず、昼間冷却用冷却ユニット３５内の冷
凍サイクル３７を駆動することにより低温低圧とされた
液冷媒を配管Ｐ１を介して蓄冷槽３８内に配設された蒸
発器４１を循環させることにより、ポンプ４２の駆動に
より蓄冷槽３８内を流動している第１ブラインと熱交換
を行なって第１ブラインを−３０℃〜−３５℃に冷却す
る。

【００６０】蓄冷槽３８においては、−３０℃〜−３５
℃に冷却された第１ブラインたる塩化カルシウム溶液に
より、塩化カルシウム溶液よりも多少高い−２５℃〜−
３０℃で凍結するように調整された硝酸ナトリウムと水
を主体とした調合剤が封入された前記蓄冷部材３８Ａが
凍結するため、前記塩化カルシウム溶液が各ショーケー
ス１を冷却するための冷却空気の熱交換のために循環使
用されることにより冷却の度合が多少緩み、蓄冷部材３
８Ａより温度が上昇すると、前記蓄冷部材３８Ａが、今
度は逆に第１ブラインたる前記塩化カルシウム溶液を冷
却する蓄冷部材３８Ａとして機能することになる。しか
も、蓄冷部材３８Ａは容器内の第２ブラインが凍結して
いるため融解することにより熱交換の対象物から大きな
潜熱を奪うことになるので、前記冷凍サイクル３７を常
に駆動し続ける必要はない。つまり、第１ブラインたる
塩化カルシウム溶液が冷気発生室４０において所定温度
の冷却空気を発生させることができない程の温度となっ
た場合にのみ前記冷凍サイクル３７を駆動させて第１ブ
ラインたる塩化カルシウム溶液を冷却させるとともに、
配管Ｐ２に配置された開閉弁の開閉およびポンプ４２の
駆動を行って塩化カルシウム溶液の循環を行なう。

【００６１】したがって、例えば、安価な深夜電力を利
用して、２２時から翌日の８時までの１０時間で、前記
蒸発器４１内に設置されている蓄冷部材３８Ａ内の第２
ブラインたる硝酸ナトリウムと水を主体とした調合剤を
十分に凍結しておき、昼間は前記冷凍サイクル３７の運
転を停止し、第１ブラインおよび第２ブラインにおける
蓄冷利用運転を行なうようにして、第１ブライン温度が
設定温度より上回った時にのみ、冷凍サイクル３７を駆
動するようにすればよい。

【００６２】また、前記蓄冷槽３８内に、その凍結温度
を異にした複数種の第２ブラインをそれぞれ複数個の容
器に封入してなる複数種の蓄冷部材３８Ａを配設すれ
ば、各複数個ずつの蓄冷部材３８Ａの溶融温度が複数種
得られることになるため、第１ブラインたる塩化カルシ
ウム溶液から大量の熱を奪う溶融時に時間差が生じるこ
とになり、よって、長時間に亘って前記第１ブラインの
保冷を安定的に行なうことができる。

【００６３】そして、回収配管２９を介して前記送風機
４４の駆動により吸引され前記冷気発生室４０内に回収
された各ショーケース１からの回収空気を、冷気発生室
４０内の熱交換器３９たる冷却フィンコイルを通過する
第１ブラインと熱交換させることによって冷却する。そ
して、この発生された冷却空気を、供給配管３２を介し
て、その先端部が接続された冷却空気供給ダクト２０内
に供給する。前記冷却空気はこの冷却空気供給ダクト２
０を介して、前記放出口１９から前記冷却空気通路６内
へ吹き出される。

【００６４】このように、本実施形態においては、店舗
Ｓ側に配設されたショーケース１と機械室Ｍ側に配設さ
れた冷気発生室４０との間における冷却空気の循環は、
回収配管２９に配設された１台の大型の送風機４４によ
る冷却に供された空気の吸引によって行なう。

【００６５】そして、この大型の送風機４４が回収配管
２９のみに配設されていることにより、送風機４４の回
転に伴い発生するファンモータの発熱による熱や送風機
４４の各翼と空気との摩擦熱等の様々な熱は、ショーケ
ース１から回収された回収空気にのみ作用することとな
るので、冷却空気がショーケース１に供給される前に加
熱されてしまうような不都合を防ぐことができる。ま
た、大型の送風機４４は機械室Ｍ側に配設されているた
め、店舗Ｓ内に送風機４４の回転による騒音が発生する
ことを防止することができる。

【００６６】一方、前記冷却空気通路６内では、ショー
ケース１の商品陳列部３の前部下壁９に形成された第１
冷却空気吸込口１１Ａおよび第２冷却空気吸込口１１Ｂ
から冷却空気回収室１５内に吸引された商品陳列部３内
の冷却に供された冷却空気は、その一部は冷却空気回収
ダクト１７の前記吸引口１６から冷却空気回収ダクト１
７内へ回収されるとともに、残りの冷却空気は仕切板１
３に配設されたファン１４により、冷却空気通路６の下
流側に送り込まれ、前記冷却空気供給ダクト２０の放出
口１９から供給される供給用冷却空気と混合されてショ
ーケース１内の冷却に最適な温度の冷却空気に調整され
る。このとき、例えば、空気回収室１５内に回収された
空気量を１００とし、前記冷却空気回収ダクト１７に回
収される空気量（以下、回収空気量という）を３０とし
た場合、前記ファン１４により冷却空気通路６の下流方
向へ送り込まれる冷却に供した冷却空気（空気量は７０
に相当する）に、冷却空気供給ダクト１９から供給され
る前記回収空気量とほぼ等しい３０の空気量（以下、供
給空気量という）の冷却空気を冷却空気通路６内におい
て混合させるようにする。

【００６７】なお、ショーケース１の前方におけるコー
ルドアイルの問題を除去するためには冷却空気回収ダク
ト１６への回収空気量を冷却空気供給ダクト１９からの
供給空気量より若干多くするとよい。例えば、前述の例
のように、冷却空気通路６内の空気回収室１５に回収さ
れるショーケースの冷却に用いられた空気量の総量を１
００とし、冷却空気回収ダクト１６へ回収される回収空
気量を３０とした場合、冷却空気供給ダクト１９から供
給される供給空気量は２５となるように調整し、その供
給用冷却空気をショーケースの冷却に用いられた冷却空
気のうち前記冷却空気回収ダクト１６へ回収されなかっ
た残りの７０に相当する冷却空気と混合し、総量９５と
なった冷却空気を冷却空気吹出口１０より商品陳列部３
方向へ供給するようにする。このようにすることで、シ
ョーケース本体１Ａの商品取出口２の付近の冷却空気は
店舗内へ流出することなく、空気の流れにしたがって冷
却空気吸込口１１Ａから冷却空気通路６内へ吸引される
ので、コールドアイルの問題も解消されることとなる。

【００６８】なお、前記実施形態でショーケース１の冷
却に用いられた冷却空気は、前述の第１冷却空気吸込口
１１Ａと第２冷却空気吸込口１１Ｂから冷却空気通路６
内の冷却空気回収室１５へ一度回収されることは前述の
通りであるが、その時、第１冷却空気吸込口１１Ａから
回収される冷却に供された空気量と第２冷却空気吸込口
１１Ｂから回収される冷却に供された空気量は、例え
ば、第１冷却空気吸込口１１Ａおよび第２冷却空気吸込
口１１Ｂの開口面積比を違えたり前記吸込口１１Ａ，１
１Ｂに開閉調節弁を配設して回収空気量を調節すること
等によって、その比を調整することができる。本実施形
態においては、第１冷却空気吸込口１１Ａおよび第２冷
却空気吸込口１１Ｂは、予めその開口面積比が４：６と
なるように形成されており、第１冷却空気吸込口１１Ａ
から回収される空気量を若干少なくして４：６の割合で
ショーケース１内の冷却に供せられた冷却空気を空気回
収室１５に回収するように構成されているものとする。
なお、この回収空気量の回収比を５：５とするか、また
は本実施形態のように４：６程度の割合とすると、必要
以上にショーケース１外の空気をショーケース内に取込
むことにもならず、冷却空気をショーケース１の商品陳
列部３の奥部にまで容易に導引することができ、適切で
効率的な冷却を施すことができる。

【００６９】また、前記冷却空気の混合の割合や量は、
冷却に要する時間やショーケース本体１Ａ内の温度に合
せて変えることができるものとする。その方法として、
本実施形態においては、冷却空気回収ダクト１７に配設
された回収空気量制御弁３１および冷却空気供給ダクト
２０に配設された供給空気量調節弁３４の開度を調節
し、冷却空気回収ダクト１７からの回収冷却空気量と冷
却空気供給ダクト２０からの供給冷却空気量とがほぼ等
しくなるように、またはコールドアイルの問題がある時
には前記回収冷却空気量の方が供給冷却空気量より若干
多くなるようにして、冷却空気回収ダクト１７へ回収さ
れなかった残りの冷却空気に冷却空気回収ダクト１９か
らの供給冷却空気を混合すればよい。

【００７０】なお、前記回収空気量制御弁３１および供
給空気量調節弁３４の開度の調整は、ショーケース本体
１Ａ内の温度に応じて前記サーモスタットに接続された
回収空気量制御弁３１および供給空気量制御弁３４のス
テップモータＳＭを駆動させることによって行なう。そ
して、各ショーケース本体１Ａ内に配設されたサーモス
タットが、ショーケース本体１Ａ内の温度が一旦設定温
度まで下降したことを検出したら、各制御弁３１，３４
の図示しない弁板を閉じる方向に回動させることによっ
て、前記各制御弁３１，３４の開度を小さくし、ショー
ケース１へ供給する冷却空気の量を減少させるととも
に、ショーケース１から回収する回収空気の量も減少さ
せ、ショーケース１内の保冷を行なう。

【００７１】そして、ショーケース１内の温度が設定温
度以上に上昇した場合には、各制御弁３１，３４の弁板
をその開度を大きくするように開くことにより、ショー
ケース１へ供給する冷却空気の量を増大させ、ショーケ
ース１内にそれまでより多くの量の冷却空気を供給する
とともにショーケース１から回収される回収空気の量を
増大させるものとする。

【００７２】前記サーモスタットは、ショーケース１の
設定温度と実際の温度との差が一例として±１℃となっ
たときに作動するように制御されており、前記冷却空気
回収ダクト１７に配設された回収空気量制御弁３１およ
び冷却空気供給ダクト２０に配設された供給空気量調節
弁３４は、前記サーモスタットと接続されている図示し
ないステップモータによりショーケース１内の温度によ
って開度を比例制御されることになる。

【００７３】なお、前記各制御弁３１，３４は、前述し
たように開度を調節するものでなく、完全に冷気の流通
を開閉するようにオン、オフ制御なされるものとするこ
とも可能である。

【００７４】また、この冷却空気回収ダクト１７に配設
された回収空気量制御弁３１および冷却空気供給ダクト
２０に配設された供給空気量調節弁３４は、それぞれを
送風機に代え、この送風機の回転をオン、オフ制御した
り、あるいは送風機の回転数をインバーター制御するこ
とも可能である。

【００７５】さらに、前記制御弁３１，３４は、前述の
供給配管３２および回収配管２９にも配設し、流通する
空気量を調節するようにしてもよい。

【００７６】そして、ショーケース１内では、前述のよ
うにして混合された冷却空気は、前記仕切板１３に配設
されたファン１４によって前記ショーケース１の冷却空
気通路６を通り、前記商品陳列部３の冷却空気吹出口１
０から吹出される。

【００７７】前記冷却空気吹出口１０はショーケース１
の前部上壁７に設けられているため、冷却空気はショー
ケース１の商品陳列部３の上方から下方に向かって下降
することになり、その際に商品陳列部３の商品は冷却さ
れることになる。

【００７８】一方、冷却空気回収ダクト１７内へ回収さ
れた冷却空気は、前述のように、前記送風機４４の駆動
により、冷却空気回収ダクト１７、回収配管２９および
蒸発器４１を通って再び昼間冷却用冷却ユニット３５の
冷気発生室４０に戻されることになる。

【００７９】このようにして、冷却空気は冷却ユニット
３５の冷気発生室４０と各ショーケース１との間および
ショーケース１内を循環し、各ショーケース１の商品陳
列部３内の商品の冷却に供される。

【００８０】また、前記商品陳列部３の冷却に供された
冷却空気の一部は、前記第１冷却空気吸込口１１Ａの前
方隣に開口するガイド空気吸込口２１から前記ファン２
４の回転により前記ガイド空気通路２１内に吸込まれる
とともに、前記ガイド空気通路２１内を通過し、前記冷
却空気吹出口１０の前方隣に開口するガイド空気吹出口
２２からショーケース１の商品陳列部３の前方に吹出さ
れる。このように吹出される空気（以下、ガイド空気と
いう）は、ショーケース１内の冷気が店舗Ｓ内に流出す
ることを防止するエアカーテンとして機能するものであ
り、適切な冷却を施し、コールドアイルの問題も除去す
ることとなる。

【００８１】また、本実施形態においては、夜間、冷凍
サイクル３７は第１ブラインおよび第２ブラインの蓄冷
のためのみに駆動し、各ショーケース１の冷却には寄与
しない。

【００８２】通常、夜間のショーケース１は、ショーケ
ース本体１Ａに配設されロール状に形成され、引き出
し、巻回を自在に収納されたナイトカバー２６を展開
し、そのフック２７を係止部材２８に係止させることで
ショーケース本体１Ａの商品取出し口２の全面を覆い、
商品陳列部３をショーケース１外部と仕切るようにする
ことで、商品陳列部３の冷却空気がショーケース１外部
に流出することを防ぐようにされている。

【００８３】さらに、夜間においては、ナイトカバー２
６により各ショーケース１の商品取出し口２を被覆する
とともに、外気温が昼間より低下するばかりでなく人の
出入りも少なくなるため、店舗Ｓ内の温度は低温で推移
しまた温度変化も少なく、ショーケース１の温度変化の
幅も小さい。よって、店舗Ｓ全体のショーケース１の温
度管理は、夜間管理用に別設した小型の蒸発器４５およ
び小型冷凍サイクル４６により構成される夜間冷却用冷
却ユニット３６をもって発生させる冷却空気をもって足
り、前記大型の送風機４４の駆動によりこの冷却空気を
冷気発生室４０を介して前記供給配管３２から各ショー
ケース１へ供給するようにする。このときの冷却空気の
循環経路については、前述した昼間の冷却空気の循環と
同様に行なわれるものとする。

【００８４】なお、本実施形態においては夜間冷却用冷
却ユニット３６を用いた冷却方法を説明したが、前記夜
間冷却用冷却ユニット３６は必須のものではなく、前記
昼間冷却用冷却ユニット３５をもって昼間冷却用の蓄冷
を行なうとともに夜間のショーケース１の冷却を行なう
ようにすることもできる。ショーケース１の夜間におけ
る冷凍冷却の負荷は、昼間の冷凍冷却の負荷の２５％〜
３０％であることが想定されるので、その場合には、冷
凍機能力が７５％〜７０％余ることとなる。この７５％
〜７０％の冷凍機能力にて夜間の店舗閉店中、例えば、
夜２２時〜翌朝８時の１０時間で蓄冷を行なうこともで
きる。このような方法をとる場合、能力の大きい冷凍機
をわざわざ使用する必要はなく、余っている分の冷凍機
能力にて蓄冷を行なえばよい。

【００８５】また、外気温の低い冬場や寒冷地では、前
記ナイトカバーの使用のみをもってショーケース本体１
Ａの商品陳列部３内を保冷できることもある。

【００８６】しかし、前記夜間冷却用冷却ユニット３６
を配設すれば、前記昼間冷却用冷却ユニット３５の蓄冷
槽３８は小型のもので足りるので、前記昼間冷却用冷却
ユニット３５の設置スペースを削減でき、また、使用電
力の種別をはっきりさせることができる。さらに、昼間
冷却用冷却ユニット３５が昼間に、万が一、故障した場
合にも、バックアップとして機能させることができる
し、夏等の湿度の高い時期には、除湿用として昼間冷却
用冷却ユニット３５の補助として利用することが可能で
あるという利点がある。

【００８７】ところで、食品管理上、前記ショーケース
１を冷凍用ショーケースとして利用する場合にはその設
定温度は−２５℃程度が好ましく、また、精肉・鮮魚等
の生鮮食料品は３℃〜−３℃程度に、牛乳や豆腐等の日
配品は冷蔵庫として５℃〜１０℃程度に冷却することが
好ましいといわれている。

【００８８】そこで、本実施形態においては、必要な場
合には、前述した冷却ユニット３５、３６を冷凍食料品
冷凍庫用と、生鮮食料品冷蔵庫・日配品冷蔵庫共用に２
基づつ用意して、所定温度の冷却空気を所望のショーケ
ース１に供給配管３２によって導き、ショーケース１を
冷凍庫もしくは冷蔵庫として用いるものとする。

【００８９】以上述べたように、本実施形態は、各ショ
ーケース本体１Ａ内に冷却空気通路６を形成し、冷却空
気通路６の冷却空気回収室１５内の一部の冷却空気を冷
却空気回収ダクト１７および回収配管２９を介して機械
室Ｍの冷気発生室４０に回収し、再冷却するとともに、
その再冷却された冷却空気を供給配管３２および冷却空
気供給ダクト２０を介してショーケース１の冷却空気通
路６に供給し、冷却空気回収ダクト１７内に回収されな
かった残りの冷却空気と混合させてショーケース１内の
冷却に好適な温度の冷却空気を製造し、その混合された
冷却空気をもってショーケース１の冷却を施すものであ
り、ショーケース本体１Ａ内の温度は、前記冷却空気の
混合の割合を調節することで、個別に、かつ安定的に設
定温度内に保持することができる。

【００９０】また、本実施形態のショーケースの冷却方
法およびショーケースにおいては、エアカーテンとして
のガイド空気はショーケースの冷却に用いられた空気の
みを利用し、機械室Ｍにおいて低温に冷却された冷却空
気は、実際に商品収納部を冷却することとなる回収され
た冷却空気とのみ混合させることで、より効率的に冷却
空気を利用することができ、よって、冷却空気の製造に
かかるコストを削減することもできる。

【００９１】そして、本実施形態では、商品陳列部３の
冷却に供された冷却空気をショーケース１の前部下壁に
配設された第１冷却空気吸込口１１Ａと、商品収納部５
の奥部に配設された第２冷却空気吸込口１１Ｂとから冷
却空気通路６の冷却空気回収室１５にファン１４の駆動
により回収するように構成されており、よって、冷却空
気吹出口１０から商品陳列部３内に供給される冷却空気
を商品陳列部３の下方奥部にまで導くこととなり、商品
陳列部３全体をより均等に冷却することができるように
なる。

【００９２】また、本実施形態によれば、ショーケース
１の移動を希望の位置に容易に行なうことができ、機械
室Ｍの各冷却ユニット３５，３６と店舗Ｓ内のショーケ
ース１とを連結する断熱風導管４７，５０も簡単な作業
で配管することができる。

【００９３】そして、従来、ショーケース１ごとに配設
されていた冷凍サイクル３７，４６を機械室Ｍ内に一体
化したため、ショーケース１自体の製造部品が削減さ
れ、製造コストを抑えることが可能となる。さらに、シ
ョーケース自体の構造が簡素化されたことでショーケー
ス１の設置スペースが小さくなり、店舗Ｓの売場面積を
有効に利用することができる。

【００９４】また、冷凍サイクル３７，４６を機械室Ｍ
に集中させたことで、冷却ユニット３５，３６の冷媒配
管、排水管、電気配線の工事も各ショーケース１毎に行
う必要がなくなり、設備費を削減することができるとと
もに、故障を未然防止するメンテナンス等の運転維持費
も低減させることが可能となる。また、冷媒配管は機械
室Ｍ中で行われ、ほぼ常設的なものとなるため、従来の
ようにショーケース１の移動の際に冷媒としてのフロン
ガスが漏洩するといったことはなく、しかも、冷媒配管
の距離は従来より格段に短くなるため、冷媒配管の接続
箇所も少なくなり、冷媒のガス洩れも減少させることが
できる。

【００９５】また、従来の冷却装置ではかなりの距離の
冷媒配管が必要であり、例えば８０〜１００ｍの冷媒配
管を行なった場合には２０〜３０％程度の能力ダウンを
見越さなければならなかったのに対して、本実施形態の
冷却装置はコンパクトであり、しかも配管長の圧力損失
が生じないため能力ダウンを考慮しなくてよい設計とな
っている。

【００９６】さらに、本実施形態において用いるブライ
ンの冷却は、深夜電力を用いて行なうことができ、なお
かつ、蓄冷槽３８内に配設された蓄冷部材３８Ａにより
昼間冷却用冷却ユニット３５の冷凍サイクル３７の駆動
を常時行う必要がなくなり、電力用トータル費用を従来
のショーケースに比べ大幅に抑えることが可能となる。

【００９７】また、夜間のショーケース１の温度管理
は、別設の蒸発器４５および小型冷凍サイクル４６を用
いることで、昼間のショーケース１の冷却負荷熱量の約
２５％で行なうことができるので経済的である。

【００９８】そして、機械室Ｍにおける集中制御により
各ショーケース１内のデフロストを行なう必要がないの
でショーケース１内の温度管理が良好となり、よってド
リップも起こらず、商品の品質管理も万全を期すること
ができる。

【００９９】また、本発明のショーケース１としては、
前記実施形態に図示したようなオープンショーケースに
拘ることなく、平型ショーケースやクローズショーケー
ス、リーチインショーケース等を用いることができる
が、例えば、クローズショーケースを用いる場合、クロ
ーズショーケース内に収納された商品を出し入れする時
以外は、冷却空気をショーケース内に閉じ込めておくこ
とができるため、例えばオープンショーケースに比べて
熱の損失は少なく、保温状態も良好である。よって、冷
却空気の供給・回収を常に行う必要性は乏しく、特に、
頻繁にドアの開閉がなされるリーチインショーケース
と、そうでないリーチインショーケースとでは、ショー
ケース内の温度に差が生じているにも拘らず、中央で一
括管理して冷却空気を供給・回収することは電力消費の
無駄が生じる可能性があるが、本実施形態の場合には、
前述したような回収空気量制御弁および供給空気量制御
弁を備えることで、個々のショーケース１内の温度を設
定温度で一定に保つために必要な時にのみ冷却空気の供
給・回収を行うことができるようになり、ショーケース
１内の冷却にかかる消費電力をさらに大幅に節約するこ
とができ、効率的な温度管理を施すことができる。

【０１００】また、本実施形態においては、前述のよう
に、冷却空気供給ダクト２０に配設された供給空気量制
御弁３４の弁板の開度より冷却空気回収ダクト１７側に
配設された回収空気量制御弁３１の弁板の開度を大きく
し、ショーケース１からの冷却空気の回収量をショーケ
ース１への冷却空気の供給量より、例えば５％程度多く
するように制御すれば、ショーケース１の前面に開放状
態で形成された商品取出口２部分から、ショーケース１
内の冷却空気が外部（店内）に漏れることがないという
効果が生じる。このことは、ショーケース１の前の通路
に滞留する低温の冷気がなくなり客や店員が低温による
被害を受けないようになることを意味し、いわゆるコー
ルドアイルの問題を解決することもできる。

【０１０１】また、図７は前記ショーケースの第２実施
形態を示すものであり、このショーケースは、前述の第
１実施形態のショーケースとは、その商品収納部５に開
口するショーケースの冷却に供された空気を冷却空気通
路６内に取込むための吸込口として第１実施形態で示し
たショーケースにおける第２冷却空気吸込口１１Ｂのみ
が配設されている点で異なるものであり、その他の構成
部分としては変更はない。

【０１０２】つまり、前記冷却空気吹出口１０からショ
ーケース１の商品陳列部３へ供給され、商品陳列部３の
商品を冷却する。そして、その商品の冷却に供された空
気は、商品収納部５の奥部に形成された冷却空気吸込口
１１Ｂからのみ冷却空気通路６内の冷却空気回収室１５
へ回収されることになる。その後の空気の循環、再冷却
の手段等については前述の第１実施形態の場合と同様で
ある。

【０１０３】そして、ショーケース１の前記商品陳列部
３の前部付近では、第１実施形態においては、ショーケ
ース１の商品陳列部３の前部付近のショーケース１の冷
却に供された空気は、第１冷却空気吸込口１１Ａとガイ
ド空気吸込口２３から冷却空気通路６とガイド空気通路
２１とに回収していたのに対し、本実施形態において
は、ショーケース１の前部下壁９に配設されたガイド空
気吸込口２３からガイド空気通路２１内にのみ回収する
こととなる。この回収空気はファン２４の駆動によって
ガイド空気通路２１内を循環し、ガイド空気吹出口２２
からショーケース１の前面に吹出すように構成されてい
る点では、前述の第１実施形態と同様である。

【０１０４】このように構成される本実施形態のショー
ケースは、冷却空気供給ダクト２０から供給される冷却
空気を商品陳列部３の奥部にまで導くこととなり、商品
陳列部３全体の均等な冷却を施すことができる他、前記
第１実施形態とほぼ同様の作用効果を有する。

【０１０５】なお、図８は前記ショーケースの第３実施
形態を示すものであり、このショーケースは、前述の第
１実施形態のショーケースとは、その商品収納部５に開
口するショーケースの冷却に供された空気を冷却空気通
路６内に取込むための吸込口として第１実施形態で示し
たショーケースにおける第１冷却空気吸込口１１Ａのみ
が配設されている点で異なるものであり、その他の構成
部分としては変更はない。

【０１０６】つまり、前記冷却空気吹出口１０からショ
ーケース１の商品陳列部３へ供給され、商品陳列部３の
商品を冷却する。そして、その商品の冷却に供された空
気は、ショーケース本体１の前部下壁９に形成された冷
却空気吸込口１１Ａからのみ冷却空気通路６内の冷却空
気回収室１５へ回収されることになる。その後の空気の
循環、再冷却の手段等については前述の第１実施形態の
場合と同様である。

【０１０７】今まで述べてきた３つの実施形態によるシ
ョーケースは、いずれもガイド空気吹出口２２からショ
ーケース１の前面を覆うように吹出されエアカーテンと
して機能するガイド空気により冷却空気を商品陳列部３
内に滞留させるようにして流通させることによって商品
の冷却を適切に施すものであるが、特に本実施形態にお
いては、冷却空気吸込口１１がショーケースの前部にの
み配設されているため、商品陳列部３の奥部付近の冷却
空気は、商品陳列部３の前部付近の冷却空気より空気の
移動が少なく、さらに、ショーケース１外の空気温度の
影響も少ないため、結果として、商品陳列部３内の商品
の冷却を適切に行なうことができる。また、本実施形態
においても、その他の作用効果については第１実施例と
ほぼ同様である。

【０１０８】なお、本発明は前記実施形態のものに限定
されるものではなく、必要に応じて種々変更することが
可能である。例えば、前述した実施形態では、冷却空気
を発生させるときに冷却に供される空気との熱交換を行
なう媒体としてブラインを用いる場合をもって説明した
が、このブラインを介在させずに、冷凍サイクルによっ
て冷却された冷媒と直接、熱交換させることにより冷却
空気を冷却することもできる。

【０１０９】

【発明の効果】本発明のショーケースの冷却方法によれ
ば、エアカーテンとしてのガイド空気にはショーケース
の冷却に用いられた空気のみを利用し、ショーケースの
冷却に供される空気は、冷気発生室から供給される冷却
空気と回収された冷却空気の一部とを混合させた混合冷
却空気とすることで、冷気発生室から供給される冷却空
気のみにより冷却を行なうのと比較して空気の冷却にか
かる費用も抑えることができ、経済的である。

【０１１０】また、ショーケースの場合、店内において
の冷媒配管工事、電気工事あるいは排水管工事を不要に
できるし、ショーケースの店内の移動やそれに伴う配管
工事も容易に行なうことができる。

【０１１１】さらに、構造が簡略化されたショーケース
は、同一体積においては商品収納量を増大できるし、ま
た、商品収納量を同一とした場合は体積を減少できるの
で、ショーケースの場合、店舗の売り場面積を広く確保
することができる。

【０１１２】また、個々のショーケースの設定温度と実
際の温度との差をショーケース内に配設された温度制御
手段と通気量自動制御手段により、冷却空気の供給およ
び回収量を個々のショーケースの設定温度に応じて細か
く調節することができ、また、設定温度と実際の温度と
の差が生じたことに対してリアルタイムで対応すること
ができるので、ショーケース内の温度管理が良好とな
り、よってショーケース内に収納された食料品等にドリ
ップも起こらず、商品の品質管理も万全を期することが
できる。

【０１１３】そして、ショーケースの冷却空気吸込口を
商品陳列部内の奥部に配設することで、冷却空気を商品
陳列部の角の方まで導くこととなり、商品陳列部全体を
より均等に冷却することができる。

【０１１４】さらに、冷却空気の供給量よりも回収量を
若干多くすることで、ショーケースの商品取出口からシ
ョーケース内の冷却空気が外部に流れ出す、いわゆるコ
ールドアイルを防ぐことができ、特に、オープンショー
ケースおよびリーチインショーケースを用いた場合に、
買い物客が寒さを感じることを防止することができる等
の効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のショーケースの冷却方法を実施するた
めのショーケースの冷却装置の第１実施形態を示す概略
説明図

【図２】図１のショーケースを示す縦断面図

【図３】図２のショーケースのＡ−Ａ断面図

【図４】図１のショーケースを示す平面図

【図５】図１の断熱風導管の斜視図

【図６】図１の他種の断熱風導管の斜視図

【図７】本発明の第２実施形態のショーケースを示す縦
断面図

【図８】本発明の第３実施形態のショーケースを示す縦
断面図

【符号の説明】

１ ショーケース １Ａ ショーケース本体 ２ 商品取出口 ３ 商品陳列部 ４ 棚板 ５ 商品収納部 ６ 冷却空気通路 ７ 上壁 ８ 背壁 ９ 下壁 １０ 冷却空気吹出口 １１ 冷却空気吸込口 １１Ａ 第１冷却空気吸込口 １１Ｂ 第２冷却空気吸込口 １３ 仕切板 １４ ファン １５ 冷却空気回収室 １６ 吸引口 １７ 冷却空気回収ダクト １８ 頂壁 １９ 放出口 ２０ 冷却空気供給ダクト ２１ ガイド空気通路 ２２ ガイド空気吹出口 ２３ ガイド空気吸込口 ２４ ファン ２５ 支持板 ２６ ナイトカバー ２７ フック ２８ 係止部材 ２９ 回収配管 ３０ 水平部 ３１ 回収空気量調節弁 ３２ 供給配管 ３３ 水平部 ３４ 供給空気量制御弁 ３５ 冷却ユニット ３６ 冷却ユニット ３７ 冷凍サイクル ３８ 蓄冷槽 ３８Ａ 蓄冷部材 ３９ 熱交換器 ４０ 冷気発生室 ４１ 蒸発器 ４２ ポンプ ４３ ポンプ ４４ 送風機 ４５ 蒸発器 ４６ 冷凍サイクル ４７ 断熱風導管 ４８ 芯体 ４９ 連結部材 ５０ 断熱風導管 ５０Ａ 風導管本体 ５１ 冷蔵庫

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ショーケースの冷却に供された冷却空気
   の一部をショーケース内の冷却空気通路内に回収し、さ
   らに、前記冷却空気通路内に回収された冷却空気の一部
   を冷却空気回収ダクトを介して冷却源に回収し、前記冷
   却源においてショーケースの設定温度より低温に冷却さ
   れた前記冷却空気とほぼ等しい量の供給用冷却空気をシ
   ョーケース内の冷却空気供給ダクトに供給するととも
   に、ショーケース内において、前記冷却空気回収ダクト
   に回収されなかった冷却空気通路内の冷却空気の残部と
   冷却空気供給ダクトから放出された供給用冷却空気とを
   混合し、この混合された冷却空気を前記商品陳列部内を
   通過するように前記ショーケース内で循環させてなり、
   前記ショーケース内の温度に対応して、前記両ダクト内
   の通気量を制御し、ショーケース内の温度が設定温度よ
   り上昇している場合には、ショーケースへの供給用冷却
   空気量および冷却源に回収される回収用冷却空気量を多
   くするように調節し、ショーケース内の温度が設定温度
   より下降した場合には、前記供給用冷却空気量および回
   収用冷却空気の通気量を０にするか、少なくするように
   調節するとともに、前記冷却空気通路内に回収されなか
   った冷却空気の一部をショーケース内のガイド空気通路
   内に回収し、前記ショーケースの商品陳列部の前部を通
   過するようにショーケース内で循環させるようにしたこ
   とを特徴とするショーケースの冷却方法。
2. 【請求項２】 冷却に供する商品を陳列する商品陳列部
   と、この商品陳列部と連通しファンにより冷却空気を商
   品陳列部との間で循環させる冷却空気通路と、前記冷却
   空気通路より外方で商品陳列部と連通しファンによりガ
   イド空気を商品陳列部との間で循環させるガイド空気通
   路とを有し、前記商品陳列部を通過した冷却空気の一部
   を回収する冷却空気回収ダクトと、前記冷却空気回収ダ
   クトへ回収された回収用冷却空気量にほぼ等しい量の供
   給用冷却空気を前記ファンの上流側に形成され前記商品
   陳列部を通過した冷却空気の残部と混合するための空気
   混合室に供給する冷却空気供給ダクトと、前記両ダクト
   内にそれぞれ配設され各ダクト内の通気量をそれぞれ調
   節する通気量自動調節手段とをさらに有することを特徴
   とするショーケース。
3. 【請求項３】 ショーケースの冷却に供された空気を前
   記冷却空気通路内に吸込む冷却空気吸込口のうち少なく
   とも１つの冷却空気吸込口を商品陳列部の奥部に配設し
   たことを特徴とするショーケース。