JPH09115898A - 誘電体膜の成膜方法 - Google Patents
誘電体膜の成膜方法Info
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- JPH09115898A JPH09115898A JP27383895A JP27383895A JPH09115898A JP H09115898 A JPH09115898 A JP H09115898A JP 27383895 A JP27383895 A JP 27383895A JP 27383895 A JP27383895 A JP 27383895A JP H09115898 A JPH09115898 A JP H09115898A
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Landscapes
- Internal Circuitry In Semiconductor Integrated Circuit Devices (AREA)
- Formation Of Insulating Films (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 基板を加熱せずに化学的気相成長法によって
ポリパラキシリレンを成膜する従来の技術では、成膜後
のポリパラキシリレンに対して熱工程を行うと未反応材
料から半導体装置製造にとって有害なガスが放出され
る。 【解決手段】 基板1にポリパラキシリレンを主体とす
る誘電体膜を化学的気相成長法によって成膜する際に、
基板1の温度を100℃以上300℃以下の温度範囲の
所定温度に保持して、誘電体膜となるポリパラキシリレ
ン膜16を成膜する。また、化学的気相成長法によって
基板1にポリパラキシリレン膜16を成膜した後、その
基板1を150℃以上300℃以下の温度範囲の所定温
度でアニーリングする。
ポリパラキシリレンを成膜する従来の技術では、成膜後
のポリパラキシリレンに対して熱工程を行うと未反応材
料から半導体装置製造にとって有害なガスが放出され
る。 【解決手段】 基板1にポリパラキシリレンを主体とす
る誘電体膜を化学的気相成長法によって成膜する際に、
基板1の温度を100℃以上300℃以下の温度範囲の
所定温度に保持して、誘電体膜となるポリパラキシリレ
ン膜16を成膜する。また、化学的気相成長法によって
基板1にポリパラキシリレン膜16を成膜した後、その
基板1を150℃以上300℃以下の温度範囲の所定温
度でアニーリングする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体装置の製造
工程に係わる誘電体膜の成膜方法に関するものである。
工程に係わる誘電体膜の成膜方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】半導体装置の微細化、低消費電力化およ
び高速化などの要求にともない、それらを実現するため
の手段の一つとして層間絶縁膜の低誘電率化が検討され
ている。現在開示されている低誘電率材料は、炭素原子
およびフッ素原子を含有することで誘電率を下げてい
る。そして現在では誘電率が1.5〜2.5程度のもの
が実現されている。
び高速化などの要求にともない、それらを実現するため
の手段の一つとして層間絶縁膜の低誘電率化が検討され
ている。現在開示されている低誘電率材料は、炭素原子
およびフッ素原子を含有することで誘電率を下げてい
る。そして現在では誘電率が1.5〜2.5程度のもの
が実現されている。
【0003】炭素原子を含む低誘電率材料としては、有
機SOG(Spin on glass )、ポリイミド、ポリパラキ
シリレンなどが知られている。これらの材料は、炭素
原子、いわゆるアルキル基を含むことで、材料の密度を
下げること、および、分子自身の分極率を低くするこ
とで、低誘電率になっているものといわれている。ま
た、これらの材料は単に誘電率が低いだけではなく半導
体装置の材料として必要な耐熱性を有している。有機S
OGはシロキサン構造を持つことで、ポリイミドはイミ
ド結合を有することで、ポリパラキシリレンはベンゼン
環のポリマーとなることで、それぞれ耐熱性を有してい
る。
機SOG(Spin on glass )、ポリイミド、ポリパラキ
シリレンなどが知られている。これらの材料は、炭素
原子、いわゆるアルキル基を含むことで、材料の密度を
下げること、および、分子自身の分極率を低くするこ
とで、低誘電率になっているものといわれている。ま
た、これらの材料は単に誘電率が低いだけではなく半導
体装置の材料として必要な耐熱性を有している。有機S
OGはシロキサン構造を持つことで、ポリイミドはイミ
ド結合を有することで、ポリパラキシリレンはベンゼン
環のポリマーとなることで、それぞれ耐熱性を有してい
る。
【0004】一方、フッ素原子を含む低誘電体は酸フッ
化ケイ素(SiOF)が有名である。この材料は、シリ
コン(Si)−酸素(O)−シリコン(Si)結合をフ
ッ素(F)原子により終端することで、密度を下げる
こと、フッ素自身の分極率が低いことなどが原因とな
って誘電率を下げている。もちろん、この材料も耐熱性
に優れている。
化ケイ素(SiOF)が有名である。この材料は、シリ
コン(Si)−酸素(O)−シリコン(Si)結合をフ
ッ素(F)原子により終端することで、密度を下げる
こと、フッ素自身の分極率が低いことなどが原因とな
って誘電率を下げている。もちろん、この材料も耐熱性
に優れている。
【0005】また最近では、半導体装置に有害なフッ素
を用いずに既に従来の半導体装置に用いられているホウ
素(B)を用いて誘電率を下げるという検討も行われて
いる。ホウ素も前述のフッ素原子と同様に、ホウ素自
身の分極率が低いこと、シリコン(Si)−酸素
(O)−シリコン(Si)結合というネットワークを短
くすること、密度を下げることなどが原因となって誘
電率を下げている。
を用いずに既に従来の半導体装置に用いられているホウ
素(B)を用いて誘電率を下げるという検討も行われて
いる。ホウ素も前述のフッ素原子と同様に、ホウ素自
身の分極率が低いこと、シリコン(Si)−酸素
(O)−シリコン(Si)結合というネットワークを短
くすること、密度を下げることなどが原因となって誘
電率を下げている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来の低誘電率材料の
うち、ポリパラキシリレンはベンゼン環構造を有するこ
とで耐熱性を保持している。しかしながら、ポリパラキ
シリレン膜中には未反応の原料が残っているため、20
0℃〜300℃という低い温度においても炭素(C)系
のガスが脱離するという問題があった。
うち、ポリパラキシリレンはベンゼン環構造を有するこ
とで耐熱性を保持している。しかしながら、ポリパラキ
シリレン膜中には未反応の原料が残っているため、20
0℃〜300℃という低い温度においても炭素(C)系
のガスが脱離するという問題があった。
【0007】ポリパラキシリレンは、原料である粉状の
ジパラキシリレン(Di-Para-Xylylene) を250℃で昇
華させ、680℃でパラキシリレン(Para-Xylylene)に
分解し、このガスを基板に吹きつけることによって得て
いた。このとき、従来は、基板の温度を25℃程度に保
持していた。これは、ガスと基板との温度差を付けるこ
とで吸着効率を高めて、成膜速度を高めるためである。
ジパラキシリレン(Di-Para-Xylylene) を250℃で昇
華させ、680℃でパラキシリレン(Para-Xylylene)に
分解し、このガスを基板に吹きつけることによって得て
いた。このとき、従来は、基板の温度を25℃程度に保
持していた。これは、ガスと基板との温度差を付けるこ
とで吸着効率を高めて、成膜速度を高めるためである。
【0008】このような製法で成膜したポリパラキシリ
レン膜をTDS(Thermal Desorption Spectroscopy) 分
析装置(基板を加熱して脱離するガスを質量分析する装
置)を用いて分析した。その分析結果を図7によって説
明する。この図では、縦軸はm/Z=16のQ−Mas
sのイオン電流値(arbital unit)を示し、横軸は基板温
度を示す。ここで、mは分子量、Zはイオン価数を表し
ている。図7に示すように、150℃付近から250℃
付近にかけて原料ガスの脱離に相当するピークが現れ、
300℃を越えると350℃付近でポリパラキシリレン
の分解にともなうピークが現れた。この分析からもわか
るように、25℃程度の基板温度で形成した膜は、15
0℃という低温でガスが放出された。
レン膜をTDS(Thermal Desorption Spectroscopy) 分
析装置(基板を加熱して脱離するガスを質量分析する装
置)を用いて分析した。その分析結果を図7によって説
明する。この図では、縦軸はm/Z=16のQ−Mas
sのイオン電流値(arbital unit)を示し、横軸は基板温
度を示す。ここで、mは分子量、Zはイオン価数を表し
ている。図7に示すように、150℃付近から250℃
付近にかけて原料ガスの脱離に相当するピークが現れ、
300℃を越えると350℃付近でポリパラキシリレン
の分解にともなうピークが現れた。この分析からもわか
るように、25℃程度の基板温度で形成した膜は、15
0℃という低温でガスが放出された。
【0009】本発明は、ポリパラキシリレンの成膜中の
基板温度を制御することによって有害な未反応材料から
の脱ガスの防止を図るのに優れた誘電体膜の成膜方法を
提供することを目的とする。
基板温度を制御することによって有害な未反応材料から
の脱ガスの防止を図るのに優れた誘電体膜の成膜方法を
提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するためになされた誘電体膜の成膜方法である。すな
わち、第1の方法は、化学的気相成長法によって、基板
にポリパラキシリレンを主体とする誘電体膜を成膜する
際に、基板の温度を100℃以上300℃以下の温度範
囲の所定温度に保つ。
成するためになされた誘電体膜の成膜方法である。すな
わち、第1の方法は、化学的気相成長法によって、基板
にポリパラキシリレンを主体とする誘電体膜を成膜する
際に、基板の温度を100℃以上300℃以下の温度範
囲の所定温度に保つ。
【0011】第2の方法は、化学的気相成長法によっ
て、基板にポリパラキシリレンを主体とする誘電体膜を
成膜した後に、その基板を150℃以上300℃以下の
温度範囲の所定温度でアニーリングする。
て、基板にポリパラキシリレンを主体とする誘電体膜を
成膜した後に、その基板を150℃以上300℃以下の
温度範囲の所定温度でアニーリングする。
【0012】第3の方法は、化学的気相成長法によっ
て、基板にポリパラキシリレンを主体とする誘電体膜を
成膜する際に、基板の温度を100℃以上300℃以下
の温度範囲の所定温度に保って誘電体膜を成膜し、その
後、基板を150℃以上300℃以下の温度範囲の所定
温度でアニーリングする。
て、基板にポリパラキシリレンを主体とする誘電体膜を
成膜する際に、基板の温度を100℃以上300℃以下
の温度範囲の所定温度に保って誘電体膜を成膜し、その
後、基板を150℃以上300℃以下の温度範囲の所定
温度でアニーリングする。
【0013】上記第1の方法では、化学的気相成長法に
よってポリパラキシリレンを主体とする誘電体膜を成膜
する際に、基板温度を100℃以上300℃以下の温度
範囲の所定温度に保って成膜することから、誘電体膜の
内部から未反応な原料ガスが脱離する。そのため、誘電
体膜の内部には未反応なガスは残らない。また、上記温
度範囲では、ポリパラキシリレンは分解されない。一
方、成膜時の基板温度を100℃よりも低い温度にする
と、成膜時に未反応なガスの脱離が十分に行われない。
他方、300℃を超える基板温度で成膜すると、ポリパ
ラキシリレンが分解する。そのため、ポリパラキシリレ
ンを主体とする誘電体膜の成膜ができなくなる。よっ
て、上記基板温度は上記範囲に設定されるのが好まし
い。
よってポリパラキシリレンを主体とする誘電体膜を成膜
する際に、基板温度を100℃以上300℃以下の温度
範囲の所定温度に保って成膜することから、誘電体膜の
内部から未反応な原料ガスが脱離する。そのため、誘電
体膜の内部には未反応なガスは残らない。また、上記温
度範囲では、ポリパラキシリレンは分解されない。一
方、成膜時の基板温度を100℃よりも低い温度にする
と、成膜時に未反応なガスの脱離が十分に行われない。
他方、300℃を超える基板温度で成膜すると、ポリパ
ラキシリレンが分解する。そのため、ポリパラキシリレ
ンを主体とする誘電体膜の成膜ができなくなる。よっ
て、上記基板温度は上記範囲に設定されるのが好まし
い。
【0014】上記第2の方法では、化学的気相成長法に
よって基板にポリパラキシリレンを主体とする誘電体膜
を成膜した後、基板を150℃以上300℃以下の温度
範囲の所定温度でアニーリングすることから、誘電体膜
から未反応な原料ガスが脱離する。そのため、誘電体膜
の内部には未反応な原料ガスが残らない。また、上記温
度範囲では、ポリパラキシリレンは分解されない。一
方、上記アニーリングの温度を150℃よりも低い温度
にすると、誘電体膜からの未反応なガスの脱離が十分に
行われない。他方、300℃を超える温度でアニーリン
グすると、ポリパラキシリレンが分解してしまう。よっ
て、アニーリング時の基板温度は上記範囲に設定される
のが好ましい。
よって基板にポリパラキシリレンを主体とする誘電体膜
を成膜した後、基板を150℃以上300℃以下の温度
範囲の所定温度でアニーリングすることから、誘電体膜
から未反応な原料ガスが脱離する。そのため、誘電体膜
の内部には未反応な原料ガスが残らない。また、上記温
度範囲では、ポリパラキシリレンは分解されない。一
方、上記アニーリングの温度を150℃よりも低い温度
にすると、誘電体膜からの未反応なガスの脱離が十分に
行われない。他方、300℃を超える温度でアニーリン
グすると、ポリパラキシリレンが分解してしまう。よっ
て、アニーリング時の基板温度は上記範囲に設定される
のが好ましい。
【0015】上記第3の方法では、化学的気相成長法に
よって基板にポリパラキシリレンを主体とする誘電体膜
を成膜する際に、基板の温度を100℃以上300℃以
下の温度範囲の所定温度にして成膜し、その後基板を1
50℃以上300℃以下の温度範囲の所定温度でアニー
リングすることから、誘電体膜から未反応な原料ガスが
脱離する。そのため、誘電体膜の内部には未反応な原料
ガスが残らない。そして上記温度範囲に設定したのは、
上記第1,第2の方法と同様の理由からである。
よって基板にポリパラキシリレンを主体とする誘電体膜
を成膜する際に、基板の温度を100℃以上300℃以
下の温度範囲の所定温度にして成膜し、その後基板を1
50℃以上300℃以下の温度範囲の所定温度でアニー
リングすることから、誘電体膜から未反応な原料ガスが
脱離する。そのため、誘電体膜の内部には未反応な原料
ガスが残らない。そして上記温度範囲に設定したのは、
上記第1,第2の方法と同様の理由からである。
【0016】
【発明の実施の形態】第1の発明に係わる実施形態(以
下、第1実施形態という)の一例を、図1によって説明
する。図1の(1)に示すように、基板1は、シリコン
基板11とその表面に形成した例えば500nmの厚さ
の酸化シリコン膜12からなる。上記酸化シリコン膜1
2の成膜方法は、一般的なモノシラン(SiH4 )と酸
素(O2 )とを原料ガスに用いた化学的気相成長(以
下、CVDという、CVDはChemical Vapour Depositi
onの略)による。続いて例えばスパッタリングによって
酸化シリコン膜12上に配線層13を形成した。配線層
13の材料には、アルミニウム−シリコン合金を用い
た。その後、一般的なリソグラフィー技術(例えば、レ
ジスト塗布、露光、現像、ベーキング等の処理)によっ
て、レジストマスク14を形成する。
下、第1実施形態という)の一例を、図1によって説明
する。図1の(1)に示すように、基板1は、シリコン
基板11とその表面に形成した例えば500nmの厚さ
の酸化シリコン膜12からなる。上記酸化シリコン膜1
2の成膜方法は、一般的なモノシラン(SiH4 )と酸
素(O2 )とを原料ガスに用いた化学的気相成長(以
下、CVDという、CVDはChemical Vapour Depositi
onの略)による。続いて例えばスパッタリングによって
酸化シリコン膜12上に配線層13を形成した。配線層
13の材料には、アルミニウム−シリコン合金を用い
た。その後、一般的なリソグラフィー技術(例えば、レ
ジスト塗布、露光、現像、ベーキング等の処理)によっ
て、レジストマスク14を形成する。
【0017】次いで図1の(2)に示すように、上記レ
ジストマスク14を用いたエッチング技術によって、配
線層13の2点鎖線で示す部分を除去し、配線15を形
成した。その後、アッシング処理等のレジスト除去技術
によって、レジストマスク14を除去した。
ジストマスク14を用いたエッチング技術によって、配
線層13の2点鎖線で示す部分を除去し、配線15を形
成した。その後、アッシング処理等のレジスト除去技術
によって、レジストマスク14を除去した。
【0018】その後図1の(3)に示すように、上記配
線15を覆う状態に誘電体膜となるポリパラキシリレン
膜16を例えば500nmの厚さに形成した。成膜装置
には、一般的な減圧CVD装置(図示省略)を用い、原
料にはジパラキシリレンを用いた。CVD時は、原料を
200℃で昇華させ、途中、650℃でキシリレンモノ
マーに分解し、150℃に加熱して基板1上に導入し
た。その結果、およそ500nmの厚さのポリパラキシ
リレン膜16が成膜された。なお、成膜時の上記基板1
の温度は、150℃に限定されることはなく、100℃
以上300℃以下の温度範囲の所定温度に設定すればよ
い。そして好ましくは、150℃以上250℃以下の温
度範囲の所定温度に設定する。
線15を覆う状態に誘電体膜となるポリパラキシリレン
膜16を例えば500nmの厚さに形成した。成膜装置
には、一般的な減圧CVD装置(図示省略)を用い、原
料にはジパラキシリレンを用いた。CVD時は、原料を
200℃で昇華させ、途中、650℃でキシリレンモノ
マーに分解し、150℃に加熱して基板1上に導入し
た。その結果、およそ500nmの厚さのポリパラキシ
リレン膜16が成膜された。なお、成膜時の上記基板1
の温度は、150℃に限定されることはなく、100℃
以上300℃以下の温度範囲の所定温度に設定すればよ
い。そして好ましくは、150℃以上250℃以下の温
度範囲の所定温度に設定する。
【0019】さらに図1の(4)に示すように、ポリパ
ラキシリレン膜16上に、酸化シリコン膜17を上記
(1)で説明したのと同様の方法(CVD法)によっ
て、500nmの厚さに形成した。
ラキシリレン膜16上に、酸化シリコン膜17を上記
(1)で説明したのと同様の方法(CVD法)によっ
て、500nmの厚さに形成した。
【0020】上記第1実施形態で説明した成膜方法で
は、成膜する際の基板1の温度を100℃以上300℃
以下の温度範囲の所定温度にして成膜することから、ポ
リパラキシリレン膜16の内部から未反応な原料ガスが
脱離した。そのため、ポリパラキシリレン膜16の内部
には未反応なガスは残らなかった。また、上記温度範囲
では、ポリパラキシリレン膜16は分解されなかった。
一方、成膜時の基板温度を100℃よりも低い温度にす
ると、成膜時に未反応なガスの脱離が十分に行われなか
った。他方、300℃を超える基板温度で成膜すると、
ポリパラキシリレンが分解した。そのため、ポリパラキ
シリレン膜16の成膜ができなかった。よって、上記基
板温度は上記範囲に設定されるのが好ましい。
は、成膜する際の基板1の温度を100℃以上300℃
以下の温度範囲の所定温度にして成膜することから、ポ
リパラキシリレン膜16の内部から未反応な原料ガスが
脱離した。そのため、ポリパラキシリレン膜16の内部
には未反応なガスは残らなかった。また、上記温度範囲
では、ポリパラキシリレン膜16は分解されなかった。
一方、成膜時の基板温度を100℃よりも低い温度にす
ると、成膜時に未反応なガスの脱離が十分に行われなか
った。他方、300℃を超える基板温度で成膜すると、
ポリパラキシリレンが分解した。そのため、ポリパラキ
シリレン膜16の成膜ができなかった。よって、上記基
板温度は上記範囲に設定されるのが好ましい。
【0021】上記のように成膜中の基板温度を高く設定
するとは、ポリマーの重合反応を促進させる効果と、い
わゆるin-situ でアニーリングを行うという二つの効果
がある。上記第1実施形態で説明した方法によって成膜
したポリパラキシリレン膜16をTDS分析した。その
結果、150℃での原料ガスの脱離のピークは現れず、
350℃以上の分解にともなうピークだけが出現した。
するとは、ポリマーの重合反応を促進させる効果と、い
わゆるin-situ でアニーリングを行うという二つの効果
がある。上記第1実施形態で説明した方法によって成膜
したポリパラキシリレン膜16をTDS分析した。その
結果、150℃での原料ガスの脱離のピークは現れず、
350℃以上の分解にともなうピークだけが出現した。
【0022】次に第2の発明に係わる実施形態(以下、
第2実施形態という)の一例を、図2によって説明す
る。なお、上記図1で説明したのと同様の構成部品には
同一符号を付す。
第2実施形態という)の一例を、図2によって説明す
る。なお、上記図1で説明したのと同様の構成部品には
同一符号を付す。
【0023】この第2実施形態は上記図1によって説明
した第1実施形態において、ポリパラキシリレン膜16
の成膜方法以外の工程は、上記第1実施形態の他の工程
と同様である。したがって、ここではポリパラキシリレ
ン膜16の別の成膜方法を説明する。
した第1実施形態において、ポリパラキシリレン膜16
の成膜方法以外の工程は、上記第1実施形態の他の工程
と同様である。したがって、ここではポリパラキシリレ
ン膜16の別の成膜方法を説明する。
【0024】成膜装置(図示省略)には、一般的な減圧
CVD装置を用い、原料としてはジパラキシリレンを用
いた。CVD時は、原料を200℃に加熱して昇華さ
せ、途中、650℃でキシリレンモノマーに分解し、室
温(例えば、25℃)の基板上に導入した。その結果、
図2の(1)に示すように、およそ500nmの厚さの
ポリパラキシリレン膜16が堆積された。この方法の特
徴とする点は、先に説明した第1実施形態よりも成膜速
度が速いことである。
CVD装置を用い、原料としてはジパラキシリレンを用
いた。CVD時は、原料を200℃に加熱して昇華さ
せ、途中、650℃でキシリレンモノマーに分解し、室
温(例えば、25℃)の基板上に導入した。その結果、
図2の(1)に示すように、およそ500nmの厚さの
ポリパラキシリレン膜16が堆積された。この方法の特
徴とする点は、先に説明した第1実施形態よりも成膜速
度が速いことである。
【0025】その後図2の(2)に示すように、上記処
理を行った基板1を、250℃の窒素(N2 )雰囲気中
で30分間のアニーリングを行った。これにより、原料
ガスの未反応状態のものがポリパラキシリレン膜16中
から除去された。上記アニーリングの温度は、250℃
に限定されることはなく、150℃以上300℃以下の
温度範囲の所定温度に設定すればよい。そして好ましく
は、220℃以上270℃以下の範囲の所定温度に設定
する。上記アニーリングの結果、ポリパラキシリレン膜
16を300℃まで加熱しても脱ガスを発生しない膜に
なった。
理を行った基板1を、250℃の窒素(N2 )雰囲気中
で30分間のアニーリングを行った。これにより、原料
ガスの未反応状態のものがポリパラキシリレン膜16中
から除去された。上記アニーリングの温度は、250℃
に限定されることはなく、150℃以上300℃以下の
温度範囲の所定温度に設定すればよい。そして好ましく
は、220℃以上270℃以下の範囲の所定温度に設定
する。上記アニーリングの結果、ポリパラキシリレン膜
16を300℃まで加熱しても脱ガスを発生しない膜に
なった。
【0026】上記第2の方法では、基板1にポリパラキ
シリレン膜16を成膜した後、基板1を150℃以上3
00℃以下の温度範囲の所定温度(上記第2実施形態で
は250℃)でアニーリングしたことから、ポリパラキ
シリレン膜16から未反応な原料ガスが脱離した。その
ため、ポリパラキシリレン膜16の内部には未反応な原
料ガスが残らなかった。また、上記温度範囲では、ポリ
パラキシリレン膜16は分解されなかった。一方、アニ
ーリングの温度を150℃よりも低い温度に設定する
と、ポリパラキシリレン膜16からの未反応なガスの脱
離が十分に行われなかった。他方、300℃を超える温
度でアニーリングすると、ポリパラキシリレンが分解さ
れた。よって、アニーリング時の基板温度は上記温度範
囲に設定されるのが好ましい。
シリレン膜16を成膜した後、基板1を150℃以上3
00℃以下の温度範囲の所定温度(上記第2実施形態で
は250℃)でアニーリングしたことから、ポリパラキ
シリレン膜16から未反応な原料ガスが脱離した。その
ため、ポリパラキシリレン膜16の内部には未反応な原
料ガスが残らなかった。また、上記温度範囲では、ポリ
パラキシリレン膜16は分解されなかった。一方、アニ
ーリングの温度を150℃よりも低い温度に設定する
と、ポリパラキシリレン膜16からの未反応なガスの脱
離が十分に行われなかった。他方、300℃を超える温
度でアニーリングすると、ポリパラキシリレンが分解さ
れた。よって、アニーリング時の基板温度は上記温度範
囲に設定されるのが好ましい。
【0027】次にアニーリングに関し、アニーリング時
の基板温度、アニーリング時間、アニーリング雰囲気の
圧力変化等を調べた。図3はアニーリング時の基板温度
とアニーリング時間との関係を示し、この図の縦軸はア
ニーリング時の基板温度を表し、横軸はアニーリング時
間を表す。また図4はアニーリング雰囲気の圧力とアニ
ーリング時間との関係を示し、この図の縦軸はアニーリ
ング雰囲気の圧力を表し、横軸はアニーリング時間を表
す。
の基板温度、アニーリング時間、アニーリング雰囲気の
圧力変化等を調べた。図3はアニーリング時の基板温度
とアニーリング時間との関係を示し、この図の縦軸はア
ニーリング時の基板温度を表し、横軸はアニーリング時
間を表す。また図4はアニーリング雰囲気の圧力とアニ
ーリング時間との関係を示し、この図の縦軸はアニーリ
ング雰囲気の圧力を表し、横軸はアニーリング時間を表
す。
【0028】図3および図4に示すように、50℃より
およそ1.5分で150℃まで加熱し、その150℃に
温度を保持した状態でおよそ9分間のアニーリングを行
った。その結果、アニーリング雰囲気の圧力が上昇し
た。これはポリパラキシリレン膜からのガスが放出され
たのが原因といえる。さらに150℃からおよそ4分間
かけて300℃に加熱した。そして300℃に温度を保
持した状態でおよそ9分間のアニーリングを行った。そ
の結果、アニーリング雰囲気の圧力がわずかに上昇し
た。これはポリパラキシリレン膜中にまだ残っていた未
反応ガスが放出されたのが原因といえる。その後、2分
間かけてアニーリング温度を400℃に高めた。そして
400℃に温度を保持した状態でアニーリングを行っ
た。その結果、アニーリング雰囲気の圧力は上昇した。
これはポリパラキシリレンが分解されてガス化したため
である。したがって、ポリパラキシリレン膜16中から
未反応なガスを完全に放出させるには、一例として、3
00℃で5分間のアニーリングを行えばよいことがわか
った。
およそ1.5分で150℃まで加熱し、その150℃に
温度を保持した状態でおよそ9分間のアニーリングを行
った。その結果、アニーリング雰囲気の圧力が上昇し
た。これはポリパラキシリレン膜からのガスが放出され
たのが原因といえる。さらに150℃からおよそ4分間
かけて300℃に加熱した。そして300℃に温度を保
持した状態でおよそ9分間のアニーリングを行った。そ
の結果、アニーリング雰囲気の圧力がわずかに上昇し
た。これはポリパラキシリレン膜中にまだ残っていた未
反応ガスが放出されたのが原因といえる。その後、2分
間かけてアニーリング温度を400℃に高めた。そして
400℃に温度を保持した状態でアニーリングを行っ
た。その結果、アニーリング雰囲気の圧力は上昇した。
これはポリパラキシリレンが分解されてガス化したため
である。したがって、ポリパラキシリレン膜16中から
未反応なガスを完全に放出させるには、一例として、3
00℃で5分間のアニーリングを行えばよいことがわか
った。
【0029】上記第1実施形態で説明した方法によって
成膜したポリパラキシリレン膜16をTDS分析した。
その結果、150℃での原料ガスの脱離のピークは現れ
ず、350℃以上の分解にともなうピークだけになっ
た。
成膜したポリパラキシリレン膜16をTDS分析した。
その結果、150℃での原料ガスの脱離のピークは現れ
ず、350℃以上の分解にともなうピークだけになっ
た。
【0030】次に第3の発明に係わる実施形態(以下、
第3実施形態という)の一例を、図5によって説明す
る。なお、上記図1で説明したのと同様の構成部品には
同一符号を付す。
第3実施形態という)の一例を、図5によって説明す
る。なお、上記図1で説明したのと同様の構成部品には
同一符号を付す。
【0031】この第3実施形態は上記図1によって説明
した第1実施形態において、ポリパラキシリレン膜16
の成膜方法以外の工程は、上記第1実施形態の他の工程
と同様である。したがって、ここではポリパラキシリレ
ン膜16の別の成膜方法を説明する。
した第1実施形態において、ポリパラキシリレン膜16
の成膜方法以外の工程は、上記第1実施形態の他の工程
と同様である。したがって、ここではポリパラキシリレ
ン膜16の別の成膜方法を説明する。
【0032】成膜装置(図示省略)には、一般的な減圧
CVD装置を用い、原料としてはジパラキシリレンを用
いた。CVD時は、原料を200℃に加熱して昇華さ
せ、途中、650℃でキシリレンモノマーに分解し、基
板温度120℃の基板上に導入した。その結果、図5の
(1)に示すように、およそ500nmの厚さのポリパ
ラキシリレン膜16が堆積された。この方法の特徴とす
る点は、先に説明した第1実施形態よりも成膜速度が速
いことである。しかし第2実施形態より成膜速度は遅
い。なお、成膜時の上記基板1の温度は、120℃に限
定されることはなく、100℃以上300℃以下の範囲
の所定温度に設定すればよい。そして成膜速度を考慮す
ると、好ましくは、100℃以上150℃以下の範囲の
所定温度に設定する。
CVD装置を用い、原料としてはジパラキシリレンを用
いた。CVD時は、原料を200℃に加熱して昇華さ
せ、途中、650℃でキシリレンモノマーに分解し、基
板温度120℃の基板上に導入した。その結果、図5の
(1)に示すように、およそ500nmの厚さのポリパ
ラキシリレン膜16が堆積された。この方法の特徴とす
る点は、先に説明した第1実施形態よりも成膜速度が速
いことである。しかし第2実施形態より成膜速度は遅
い。なお、成膜時の上記基板1の温度は、120℃に限
定されることはなく、100℃以上300℃以下の範囲
の所定温度に設定すればよい。そして成膜速度を考慮す
ると、好ましくは、100℃以上150℃以下の範囲の
所定温度に設定する。
【0033】その後図5の(2)に示すように、上記処
理を行った基板1を、250℃の窒素(N2 )雰囲気中
で10分間のアニーリングを行った。これにより、原料
ガスの未反応状態のものがポリパラキシリレン膜16中
から除去された。上記アニーリングの温度は、250℃
に限定されることはなく、150℃以上300℃以下の
温度範囲の所定温度に設定すればよい。そして好ましく
は、220℃以上270℃以下の温度範囲の所定温度に
設定する。上記アニーリングの結果、ポリパラキシリレ
ン膜16は、さらに300℃まで加熱しても脱ガスを発
生しない膜になっていた。
理を行った基板1を、250℃の窒素(N2 )雰囲気中
で10分間のアニーリングを行った。これにより、原料
ガスの未反応状態のものがポリパラキシリレン膜16中
から除去された。上記アニーリングの温度は、250℃
に限定されることはなく、150℃以上300℃以下の
温度範囲の所定温度に設定すればよい。そして好ましく
は、220℃以上270℃以下の温度範囲の所定温度に
設定する。上記アニーリングの結果、ポリパラキシリレ
ン膜16は、さらに300℃まで加熱しても脱ガスを発
生しない膜になっていた。
【0034】上記第3の発明では、基板1にポリパラキ
シリレン膜16を成膜する際に、基板1の温度を100
℃以上300℃以下の温度範囲の所定温度(上記第3実
施形態では120℃)にして成膜し、その後、基板1を
150℃以上300℃以下の温度範囲内の所定温度(上
記第3実施形態では250℃)でアニーリングすること
から、ポリパラキシリレン膜16から未反応な原料ガス
が脱離した。そのため、ポリパラキシリレン膜16の内
部には未反応な原料ガスが残らなかった。そして上記温
度範囲に設定したのは、上記第1,第2の方法と同様の
理由からである。
シリレン膜16を成膜する際に、基板1の温度を100
℃以上300℃以下の温度範囲の所定温度(上記第3実
施形態では120℃)にして成膜し、その後、基板1を
150℃以上300℃以下の温度範囲内の所定温度(上
記第3実施形態では250℃)でアニーリングすること
から、ポリパラキシリレン膜16から未反応な原料ガス
が脱離した。そのため、ポリパラキシリレン膜16の内
部には未反応な原料ガスが残らなかった。そして上記温
度範囲に設定したのは、上記第1,第2の方法と同様の
理由からである。
【0035】ここで、ポリパラキシリレンの成膜速度と
基板温度との関係を図6によって説明する。図6は、縦
軸にポリパラキシリレンの成膜速度を示し、横軸に基板
温度を示す。
基板温度との関係を図6によって説明する。図6は、縦
軸にポリパラキシリレンの成膜速度を示し、横軸に基板
温度を示す。
【0036】図6に示すように、温度が高くなるにした
がって、ポリパラキシリレンの成膜速度は急激に減少す
ることがわかった。したがって、アニーリングを併用す
るときは、ポリパラキシリレンの成膜速度を考慮して、
基板1の温度は100℃以上150℃以下にし、成膜速
度の大幅な減少を抑えるのが好ましい。
がって、ポリパラキシリレンの成膜速度は急激に減少す
ることがわかった。したがって、アニーリングを併用す
るときは、ポリパラキシリレンの成膜速度を考慮して、
基板1の温度は100℃以上150℃以下にし、成膜速
度の大幅な減少を抑えるのが好ましい。
【0037】また上記第3の発明では、成膜の時にある
程度ガスが抜けているので、アニーリング時間が少なく
てすみ、ポリパラキシリレン膜16の収縮によるストレ
スの影響、クラックなどの問題を回避できる特徴があ
る。
程度ガスが抜けているので、アニーリング時間が少なく
てすみ、ポリパラキシリレン膜16の収縮によるストレ
スの影響、クラックなどの問題を回避できる特徴があ
る。
【0038】上記第1〜第3実施形態において、ポリパ
ラキシリレン膜16の誘電率を下げるために、ポリパラ
キシリレン膜16中に塩素またはフッ素を含ませること
も可能である。
ラキシリレン膜16の誘電率を下げるために、ポリパラ
キシリレン膜16中に塩素またはフッ素を含ませること
も可能である。
【0039】以下にその一例を説明する。以下の説明で
は、上記第1〜第3実施形態で説明した構成部品と同様
のものには同一符号を付して説明する。
は、上記第1〜第3実施形態で説明した構成部品と同様
のものには同一符号を付して説明する。
【0040】成膜装置には、一般的な減圧CVD装置を
用い、原料としてはジパラキシリレンを用いた。CVD
時は、原料を175℃に加熱して昇華させた。次いでこ
の昇華させたガスとフッ素(F2 )ガスまたは塩素(C
l2 )ガスとを混合させて、650℃のファーネス炉に
導入した。ここでフッ素または塩素で一部分が置換され
たキシリレンモノマーが生成された。それを次式に表
す。
用い、原料としてはジパラキシリレンを用いた。CVD
時は、原料を175℃に加熱して昇華させた。次いでこ
の昇華させたガスとフッ素(F2 )ガスまたは塩素(C
l2 )ガスとを混合させて、650℃のファーネス炉に
導入した。ここでフッ素または塩素で一部分が置換され
たキシリレンモノマーが生成された。それを次式に表
す。
【0041】
【化1】
【0042】これを基板温度150℃の基板上に導入し
て、およそ500nmの厚さのフッ素または塩素を含む
ポリパラキシリレン膜16を形成した。
て、およそ500nmの厚さのフッ素または塩素を含む
ポリパラキシリレン膜16を形成した。
【0043】ポリパラキシリレン中にフッ素または塩素
を含ませる成膜方法によって得られたポリパラキシリレ
ンを主体とする誘電体膜では、ポリパラキシリレンのみ
の誘電体膜よりも誘電率を下げることができる。因み
に、ポリパラキシリレンのみの誘電体膜の誘電率より
も、フッ素または塩素を含むポリパラキシリレン膜の誘
電率のほうが最大1程度低くなる。
を含ませる成膜方法によって得られたポリパラキシリレ
ンを主体とする誘電体膜では、ポリパラキシリレンのみ
の誘電体膜よりも誘電率を下げることができる。因み
に、ポリパラキシリレンのみの誘電体膜の誘電率より
も、フッ素または塩素を含むポリパラキシリレン膜の誘
電率のほうが最大1程度低くなる。
【0044】
【発明の効果】以上、説明したように本発明によれば、
化学的気相成長法によってポリパラキシリレンを主体と
する誘電体膜を成膜する際に、基板を100℃以上30
0℃以下の温度範囲における所定温度に加熱することに
よって、成膜された誘電体膜を加熱処理しても未反応の
原料ガスの脱離が無くなる。また、化学的気相成長法に
よってポリパラキシリレンを主体とする誘電体膜を成膜
した後、基板を150℃以上300℃以下の温度範囲に
おける所定温度でアニーリングする方法によっても、成
膜された誘電体膜を加熱処理しても未反応の原料ガスの
脱離が無くなる。
化学的気相成長法によってポリパラキシリレンを主体と
する誘電体膜を成膜する際に、基板を100℃以上30
0℃以下の温度範囲における所定温度に加熱することに
よって、成膜された誘電体膜を加熱処理しても未反応の
原料ガスの脱離が無くなる。また、化学的気相成長法に
よってポリパラキシリレンを主体とする誘電体膜を成膜
した後、基板を150℃以上300℃以下の温度範囲に
おける所定温度でアニーリングする方法によっても、成
膜された誘電体膜を加熱処理しても未反応の原料ガスの
脱離が無くなる。
【図1】第1の発明に係わる実施形態の製造工程図であ
る。
る。
【図2】第2の発明に係わる実施形態の製造工程図であ
る。
る。
【図3】基板温度とアニーリング時間との関係図であ
る。
る。
【図4】アニーリング雰囲気の圧力とアニーリング時間
との関係図である。
との関係図である。
【図5】第3の発明に係わる実施形態の製造工程図であ
る。
る。
【図6】ポリパラキシリレンの成膜速度と基板温度との
関係図である。
関係図である。
【図7】従来の製法による誘電体膜のTDS分析結果の
説明図である。
説明図である。
1 基板 16 ポリパラキシリレン膜
Claims (6)
- 【請求項1】 基板にポリパラキシリレンを主体とする
誘電体膜を化学的気相成長法によって成膜する誘電体膜
の成膜方法において、 前記化学的気相成長時の前記基板の温度を、100℃以
上300℃以下の温度範囲の所定温度に保つことを特徴
とする誘電体膜の成膜方法。 - 【請求項2】 基板にポリパラキシリレンを主体とする
誘電体膜を化学的気相成長法によって成膜する誘電体膜
の成膜方法において、 前記誘電体膜を成膜した基板を150℃以上300℃以
下の温度範囲の所定温度でアニーリングすることを特徴
とする誘電体膜の成膜方法。 - 【請求項3】 基板にポリパラキシリレンを主体とする
誘電体膜を化学的気相成長法によって成膜する誘電体膜
の成膜方法において、 前記化学的気相成長時の前記基板の温度を100℃以上
300℃以下の温度範囲の所定温度に保って前記誘電体
膜を成膜した後、前記基板を150℃以上300℃以下
の温度範囲の所定温度でアニーリングすることを特徴と
する誘電体膜の成膜方法。 - 【請求項4】 請求項1記載の誘電体膜の成膜方法にお
いて、 前記化学的気相成長法に用いる原料ガスは、フッ素原子
および塩素原子のうちの少なくとも一方を含むことを特
徴とする誘電体膜の成膜方法。 - 【請求項5】 請求項2記載の誘電体膜の成膜方法にお
いて、 前記化学的気相成長法に用いる原料ガスは、フッ素原子
および塩素原子のうちの少なくとも一方を含むことを特
徴とする誘電体膜の成膜方法。 - 【請求項6】 請求項3記載の誘電体膜の成膜方法にお
いて、 前記化学的気相成長法に用いる原料ガスは、フッ素原子
および塩素原子のうちの少なくとも一方を含むことを特
徴とする誘電体膜の成膜方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27383895A JPH09115898A (ja) | 1995-10-23 | 1995-10-23 | 誘電体膜の成膜方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27383895A JPH09115898A (ja) | 1995-10-23 | 1995-10-23 | 誘電体膜の成膜方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09115898A true JPH09115898A (ja) | 1997-05-02 |
Family
ID=17533256
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP27383895A Pending JPH09115898A (ja) | 1995-10-23 | 1995-10-23 | 誘電体膜の成膜方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09115898A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0949663A2 (en) * | 1998-04-08 | 1999-10-13 | Nec Corporation | Deposition of an insulating film comprising carbon |
WO1999067658A1 (fr) * | 1998-06-23 | 1999-12-29 | Hamamatsu Photonics K.K. | Panneau de scintillateur, capteur d'image de rayonnement et procede de production de ceux-ci |
US6150284A (en) * | 1997-06-20 | 2000-11-21 | Nec Corporation | Method of forming an organic polymer insulating film in a semiconductor device |
-
1995
- 1995-10-23 JP JP27383895A patent/JPH09115898A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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