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JPH09113511A - グリコアルブミン測定用乾式試験片 - Google Patents

グリコアルブミン測定用乾式試験片

Info

Publication number
JPH09113511A
JPH09113511A JP30491995A JP30491995A JPH09113511A JP H09113511 A JPH09113511 A JP H09113511A JP 30491995 A JP30491995 A JP 30491995A JP 30491995 A JP30491995 A JP 30491995A JP H09113511 A JPH09113511 A JP H09113511A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
glycoalbumin
albumin
layer
dye
measuring
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP30491995A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Yamamoto
博司 山本
Masao Kono
昌雄 河野
Shigeru Doi
茂 土井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Arkray Inc
Original Assignee
KDK Corp
Kyoto Daiichi Kagaku KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by KDK Corp, Kyoto Daiichi Kagaku KK filed Critical KDK Corp
Priority to JP30491995A priority Critical patent/JPH09113511A/ja
Priority to EP96116778A priority patent/EP0769697A1/en
Priority to CN96121611.5A priority patent/CN1165300A/zh
Publication of JPH09113511A publication Critical patent/JPH09113511A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 血清分離の前処理を要せずに、グリコアルブ
ミン値の測定を簡単な操作で行える乾式試験片を提供す
ること。 【解決手段】 展開液を用いる乾式試験片であって、支
持体1上に装着された展開層へ、血球分離層3と,アル
ブミンを着色する第一の色素とグリコアルブミンを着色
する第二の色素と血液変性剤とを含む試薬層4と,アル
ブミンとグリコアルブミンを捕捉するために両者に対す
る特異的結合性物質を固定化した測定層5と,展開残液
を吸収する残液吸収層6の各層をこの順序で設けるグリ
コアルブミン測定用乾式試験片である。特定物質の標識
物質として色素を用いるが、その理由は色素は酵素や放
射性物質と比較しても非常に安定で安価であり、二波長
測定機能を有する測光装置があれば十分に二種類の色素
を判別できるためである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は臨床検査におけるア
ルブミンとその糖化蛋白質であるグリコアルブミンとを
同時に簡易測定する試験片に関するものである。
【0002】
【従来の技術】血中の蛋白質であるアルブミンや赤血球
中のヘモグロビンは、グルコースと非酵素的に反応し
て、各々グリコアルブミン及びグリコヘモグロビンとな
ることが知られている。このいわゆる糖化蛋白質の濃度
は、蛋白質が生体内に存在していた期間の血中糖濃度を
反映するため、その測定は糖尿病の診断や糖尿病の経過
観察に非常に有用である。
【0003】このような糖化蛋白質の指標としては、グ
リコヘモグロビンであるヘモグロビンA1C(HbA
1C),グリコアルブミン,フルクトサミン等が挙げら
れる。HbA1Cは過去1〜2ヶ月間の血中糖濃度を反
映するのに対し、グリコアルブミンやフルクトサミンは
過去1〜2週間の血中糖濃度を反映するために、それら
の濃度はHbA1C濃度よりも鋭敏に且つ大きな変動幅
で動く傾向が観察される。つまり、グリコアルブミンや
フルクトサミンの濃度はHbA1C度よりも短期間の血
糖コントロールの指標として有用である。フルクトサミ
ンの測定法は、その還元性を原理とした比色法であるた
めに、反応系に共存する還元性物質(ビリルビンやアス
コルビン酸等)の影響を受けやすい。また、フルクトサ
ミンの測定値は絶対値として表示されるために、試料中
の蛋白質量の影響を受けるという問題もある。従って、
相対的な値を測定するグリコアルブミンの方が、フルク
トサミンを測定することと比べてより信頼性が高いと言
える。
【0004】グリコアルブミンの値は、全アルブミン量
に対するグリコアルブミン量の割合を指標として表すこ
とが臨床的に一般化されており、通常百分率で11〜1
6%がその正常値の目安とされている。つまり、グリコ
アルブミンの値を知るためには、全アルブミン量とグリ
コアルブミン量とを同時に測る必要がある。
【0005】糖化蛋白質の測定法としては、従来、電気
泳動法、イオン交換クロマトグラフィー法、ボロン酸親
和性による高速液体クロマトグラフィー(HPLC)法
などにより行われているが、これらのうち臨床検査の分
野ではHPLC法が主流となっている。しかし、HPL
C法は精度・分離性は高いが、1検体あたりの測定所要
時間が長いために同時に多数の検体を処理できないとい
う欠点がある。
【0006】最近ではボロン酸親和性と免疫測定法とを
組み合わせた測定法も用いられている。一般に免疫測定
法は、糖化蛋白質に対する特異性や多量検体処理には優
れている。
【0007】上記のHPLC法とイムノアッセイ法はい
ずれも比較的大型の機器を使って検査センターや大病院
で使用されているのが現状である。よって、中小の病院
や開業医又は患者自身でも使用できる、検体を簡便な小
型機器で短時間のうちに測定できる方法が要望されてい
る。しかし、従来にはその要望を満たすものは報告され
ていない。
【0008】この要望を叶える解決策としては、乾式の
試験片が考えられる。事実、グリコアルブミンではない
ものの、血中のヘモグロビンの種類(ヘモグロビンA、
SおよびC)を判定する使い捨てタイプの乾式検査具が
報告されている(Screening3,67〜76,
1994)。
【0009】また、グルコアルブミンの測定法は検体と
して血清又は血漿を用いるため、全血から血球成分を分
離して血清又は血漿を得るための前処理が必要である。
血清分離作業は操作の煩雑さを伴うばかりでなく、感染
の危険性(バイオハザード)の問題もある。この血清分
離の作業もまた、乾式試験片での糖化蛋白質測定を妨げ
る要因となっている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】よって本発明の目的
は、大型の分析装置ではなく小型の測光装置を用い、し
かも血清分離の前処理を要せずに、中小の病院や開業医
又は患者自身が在宅でもグリコアルブミン値の測定を簡
単な操作で行える、つまりグリコアルブミンの値を知る
ために全アルブミン量とグリコアルブミン量を同時に測
定できる乾式の試験片を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的は、支持体上に
装着された展開膜へ、血球分離層と,アルブミンを着色
する第一の色素とグリコアルブミンを着色する第二の色
素を含む試薬層と,アルブミンとグリコアルブミンの両
者に対する特異的結合性物質を固定化した測定層と,展
開残液を吸収する残液吸収層との各層をこの順序で設け
た、展開液を用いて全血中のアルブミンとグリコアルブ
ミンとを同時に測定するための乾式試験片で解決でき
る。
【0012】使用する際には、血液検体を滴下して展開
液で展開するだけでアルブミンとグリコアルブミンがそ
れぞれ異なる色素で着色されるので、それを測光装置で
光学的に測定する。こうして得られたアルブミンとグリ
コアルブミンの各量からアルブミンに対するグリコアル
ブミンの比率を算出する。
【0013】この時に使用する血液検体としては、全血
は勿論のこと、あらかじめ分離された血清又は血漿も使
用できる。後者を使用する際には血球分離層は特に必要
ではないが、あってもよい。
【0014】また、アルブミン及びグリコアルブミンを
変性させてエピトープをできる限り露出させて抗体に結
合しやすくするために、試薬層へ血液変性剤を加えても
よい。
【0015】特開平5−87809号において、固相抗
体でアルブミンとグリコアルブミンの両者を捕捉し、グ
リコアルブミンのみをボロン酸誘導体で標識するとい
う、グリコアルブミンの測定方法が開示されている。し
かし、この方法はアルブミンを標識せずに、固相用の既
知抗体量よりも過剰の試料(すなわちグリコアルブミン
含有アルブミン)を適用することで一定量のアルブミン
を捕捉するものであるが、常に固相抗体の捕捉能力を一
定にしなければならず、これは種々の影響を受けやす
く、誤差の原因となる。そのため、固相の作製法や保存
にも厳しい条件が必要で、技量も要する。また、検体を
多量に必要とする。
【0016】グリコヘモグロビンならばヘモグロビン自
身が赤色を呈しているために、グリコヘモグロビンのみ
を標識すればよかったが、アルブミンは無色のために、
アルブミンとグリコアルブミンの両者を異なる標識物質
で標識しなけらばならない。よって本発明では、アルブ
ミンを敢えて標識することにより、グリコアルブミンを
含む『アルブミンの全体量』を完全に把握しようとする
ものである。
【0017】本発明では標識物質として色素を用いる
が、その理由は色素は酵素や放射性物質と比較しても非
常に安価で安定であり、二波長測定機能を有する測光装
置があれば十分に二種類の色素を判別でき、すなわちア
ルブミンとグリコアルブミンを測定できるためである。
また、色素には蛍光を発するものが多く、その点でも非
常に有用である。
【0018】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係わる実施例
を、添付図面に従って説明する。第1〜4図は、本発明
の実施態様を示す平面図および断面図である。
【0019】(試験片A)図1は、支持体1の上に、展
開液を展開可能な同一の材質からなる二つの展開層2お
よび2’を装着している、本発明による試験片の一つの
実施態様の平面図及び断面図である(以下試験片Aと呼
称する)。展開層2には順次、展開開始点Pと、試料点
着点Eと、血球分離膜からなる血球分離層3と、アルブ
ミンを着色する第一の色素である色素aと変性剤を塗布
した試薬層4と、抗アルブミン抗体又はイオン交換物質
を固定化した測定層5と、展開残液を吸収する吸収剤か
らなる残液吸収層6が設けられている。展開層2’には
順次、展開開始点P’と、試料点着点E’と、血球分離
膜からなる血球分離層3’と、グリコアルブミンを着色
する第二の色素である色素bと変性剤を塗布した試薬層
4’と、抗アルブミン抗体又はイオン交換物質を固定化
した測定層5’と、展開残液を吸収する吸収剤からなる
残液吸収層6’が設けられている。抗アルブミン抗体と
イオン交換物質は、共にアルブミンとグリコアルブミン
の両者に結合する。
【0020】試験片Aの試料点着点Eに血液検体を滴下
し、次いで展開液を展開開始点Pに加えると、血液検体
は展開され、血球分離層の血球分離膜により血球が除去
される。その中のアルブミンは試薬層4中の変性剤によ
り変性され、色素aにより着色される。その後、色素a
で着色されたアルブミンは測定層5において捕捉され、
その他の物質は展開残液吸収層6に吸収される。一方試
料点着点E’に血液検体を同量滴下し、次いで展開液を
展開開始点E’に加えると、血液検体は展開され、血球
分離層の血球分離膜により血球が除去される。その中の
グリコアルブミンは試薬層4’中の変性剤により変性さ
れ、色素bにより着色される。その後、色素bで着色さ
れたグリコアルブミンは測定層5’において捕捉され、
その他の物質は展開残液吸収層6’に吸収される。その
後、測定層5に捕捉されたアルブミンと色素aの複合体
における呈色と、測定層5′に捕捉されたグリコアルブ
ミンと色素bの複合体における呈色とから光学的検出方
法により各色素の濃度を求め、それらの結果からアルブ
ミンとグリコアルブミンの各量を求めた後、アルブミン
に対するグリコアルブミンの比率を算出する。
【0021】試験片Aは、図4のように、二個の展開層
(2と2’)の展開残液吸収層(6と6’)を共有させ
てもよい。共有させた残液吸収層が、図中7である。
【0022】図1では展開層2、2’は支持体1の一端
に寄せて配置されているが、これは測定者が支持体の一
端を指で持つことができるためのものであって、勿論支
持体1の任意の位置に配置可能である。以下に示す試験
片B、Cでも同様である。ここで材料としてはいずれも
公知のものでもよいが、具体的には次のようなものであ
る。
【0023】○支持体;ポリスチレン,ポリエステル,
酢酸セルロースなどを主成分とするフィルム,シート又
は板状体 支持体は、光透過性でも光非透過性でも良いが、展開終
了後の測定を支持体下部から行うのならば透明なもの、
例えば透明ポリエチレンテレフタレート(PET)等が
望ましい。
【0024】○展開膜;セルロース,セルロース誘導体
(酢酸セルロース,ニトロセルロースなど),ガラスフ
ァイバーなどを主成分とする濾紙状体又は多孔性マトリ
ックス 支持体上へ展開膜を配置する方法としては、各図のよう
に細長くテープ状に加工した展開膜を、両面テープや接
着剤やホットメルトを用いて物理的に固定する。テープ
状に加工する際の幅・長さは、クロマトグラフィー技術
に準ずる。
【0025】○血球分離膜;ポリテトラフルオロエチレ
ン,ポリスルオン,ポリプロピレン,ポリビニリデンジ
フロライド,セルロース混合エステルなどを主成分とす
る濾過膜
【0026】○変性剤;界面活性剤、酸、サポニン、グ
アニジン及びその塩等 変性剤は、アルブミン及びグリコアルブミンを変性させ
てエピトープをできる限り露出させ、抗体に結合しやす
くするために加えるもので、使用する抗体によっては必
ずしも必要でないが、添加しても差し支えはない。
【0027】○吸収剤;セルロース,セルロース誘導体
(酢酸セルロース,ニトロセルロースなど),ガラスフ
ァイバーなどを主成分とする濾紙状体又は多孔性マトリ
ックス 展開後の残液を吸収するための吸収剤の条件としては、
展開後の展開液を吸収するのに十分な細孔容積を持つこ
とである。
【0028】○展開液;微量の蛋白質,塩,キレート化
合物,界面活性剤等を含有する緩衝液 試料検体の展開に使用する展開液としては、通常のイム
ノアッセイ法やクロマトグラフィーで使用されるよう
な、微量の蛋白質,塩,キレート化合物,界面活性剤等
を含有する緩衝液が望ましく、一例としては、0.1ウ
シ血清アルブミンと0.9%塩化ナトリウムと0.01
%EDTAと0.01%トリトンX−100を含む0.
1Mリン酸緩衝液が挙げられる。
【0029】○色素; 色素aは、他の蛋白質とは親和
性を有さずにアルブミンに特異的親和性を有する色素が
使用できる。例としてブロムクレゾールパープル,ブロ
ムフェノールブルー,ブロムクレゾールグリーン,チバ
クロンブルーF3G−Aといった指示薬が好ましい。こ
れら色素は、アルブミンのみを選択的に染める。又は、
アルブミンに特異的親和性を特に有さない色素でも、抗
アルブミン抗体に結合させることで使用できる。例え
ば、アントラキノン類,アゾ色素,アジン色素,トリア
ジン色素,フィコエリスリン色素,クマリン類,アクリ
ジン類,ロダミン類,フルオレッセン類,フタロシアニ
ン類を抗アルブミン抗体に結合させたものが使用でき
る。ちなみにこれらの色素の中に蛍光を発するものがあ
るので、その蛍光強度を検出してもよい。アルブミンを
特異的に染色する色素は非常に安価で安定な上に、色素
とアルブミンの間を抗体等で介する必要もなく、非常に
有用である。色素bは、グリコアルブミンに特異的親和
性を有する色素が使用できる。グリコアルブミンに特異
的親和性を特に有さない色素をジヒドロキシボロン酸誘
導体や抗グリコアルブミン抗体に結合させることで使用
するとよい。例えば、アントラキノン類,アゾ色素,ア
ジン色素,トリアジン色素,フィコエリスリン色素,ク
マリン類,アクリジン類,ロダミン類,フルオレッセン
類,フタロシアニン類をジヒドロキシボロン酸誘導体や
抗グリコアルブミン抗体に結合させたものがよい。好ま
しい例としては、キシレンシアノールボロン酸やジメチ
ルアミノナフタレンスルホニル抗グリコアルブミン抗体
等が好適である。
【0030】抗アルブミン抗体及び抗グリコアルブミン
抗体は、ポリクローナル抗体又はモノクローナル抗体で
よい。抗体分子のみでもよいが、これらを酵素処理する
ことにより得られるFab,Fab’,(Fab’)
といった抗体活性フラグメントも使用できる。なお、色
素をジヒドロキシボロン酸誘導体を用いて使用する場
合、抗体は糖を有するために、あらかじめグルコペプチ
ターゼ又はN−グリカーゼといった酵素で処理すること
により、糖鎖を除去するか、前記Fab,Fab’,
(Fab’)フラグメントを使用することが望まし
い。
【0031】展開層の中へ各層を設けるために、展開膜
へ各種試薬を含浸・塗布又は結合させるわけだが、手法
としては当業者間で公知の方法でよく、施すべき物質を
一種以上の含浸溶液中へ溶かし込み、塗り付けることで
含浸したり、インクジェットプリンターで噴霧したりす
ることができる。いずれにせよ、最終的には乾燥させ
る。ただし、試薬層を形成する際には、展開液によって
始めの位置から試薬類が浮き出てクロマトされなければ
意味がないので含浸・塗布による担持でよいが、後述の
測定層を形成する際には特異的結合物質を、もとの位置
から動いてはならないように化学的に展開膜へ結合させ
て固定化させておく必要がある(「酵素免疫測定法」医
学書院 1987年)。
【0032】色素a,bは先述のものを使用すればよい
が、互いに独立してアルブミン及びグリコアルブミンに
特異的に着色する必要がある。好適な組み合わせの例と
して、色素aがブロムクレゾールパープルで色素bがキ
シレンシアノールボロン酸がよい。試験片Aの測定層は
アルブミン用とグリコアルブミン用のものが個々に用意
してあるので、各々が同じ種類又は同じ吸収波長を有す
る色素でも区別できるという利点がある。
【0033】(試験片B)図2は、支持体1の上に、展
開液を展開可能な一つの展開膜2を装着している、本発
明による試験片の一つの実施態様の平面図及び断面図で
ある(以下試験片Bと呼称する)。展開膜2には順次、
展開開始点Pと、試料点着点Eと、血球分離膜からなる
血球分離層3と、アルブミンを着色する第一の色素であ
る色素aとグリコアルブミンを着色する第二の色素であ
る色素bと変性剤を塗布した試薬層4と、抗アルブミン
抗体又はイオン交換物質を固定化した測定層5と、展開
残液を吸収する吸収剤からなる残液吸収層6が設けられ
ている。
【0034】試験片Bの試料点着点Eに血液検体を滴下
し、次いで展開液を展開開始点Pに加えると、血液検体
は展開され、血球分離層の血球分離膜により血球が除去
される。次にその中のアルブミン及びグリコアルブミン
は試薬層4中の変性剤により変性され、アルブミンは色
素aにより着色され、グリコアルブミンは色素bにより
着色される。その後、色素aで着色されたアルブミン及
び色素bで着色されたグリコアルブミンは測定層5にお
いて捕捉され、その他の物質は展開残液吸収層6に吸収
される。その後、測定層5に捕捉された色素aの呈色と
色素bの呈色から光学的に両者を区別して検出すること
により各色素の濃度を求め、結果からアルブミンとグリ
コアルブミンの各量を求めた後、アルブミンに対するグ
リコアルブミンの比率を算出する。
【0035】この試験片Bは展開膜が一つであるため、
展開膜が二つの試験片Aよりも構造が簡単であり作製に
かかるコストも少なく、検体の点着も一度で済み、測定
方法もそれだけ簡易となっている。
【0036】ここで、各構成の材質は試験片Aと同じで
あるが、色素aを染色色素にする場合、この色素aはア
ルブミンを染色するが、グリコアルブミンもまた染色す
る。つまりグリコアルブミンは二つの色素(aとb)で
着色されることになるため、一つの測定層でaとbを観
察するために互いに光学的に区別できる色素、つまり互
いに吸収波長が異なる色素でなけらばならず、この点が
試験片Aと異なる。もちろん、色素bはグリコアルブミ
ンのみを標識するものでなければならない。また、色素
a,bが抗体を介すると同時に、測定層での特異的結合
性物質が抗体を含む場合、それらの抗体は互いにエピト
ープが異なり、抗原に対して同時に結合できるものでな
ければならない。
【0037】(試験片C)図3は、支持体1の上に、展
開液を展開可能な一つの展開膜2を装着している、本発
明による試験片の一つの実施態様の平面図及び断面図で
ある(以下試験片Cと呼称する)。展開膜2には順次、
展開開始点Pと、試料点着点Eと、血球分離膜からなる
血球分離層3と、アルブミンを着色する第一の色素であ
る色素aとグリコアルブミンを着色する第二の色素であ
る色素bと変性剤を塗布した試薬層4と、抗グリコアル
ブミン抗体又はジヒドロキシボロン酸誘導体を固定した
測定層5と、抗アルブミン抗体又はイオン交換物質を固
定化した測定層5’と、展開残液を吸収する吸収剤から
なる残液吸収層6が設けられている。
【0038】試験片Cの試料点着点Eに血液検体を滴下
し、次いで展開液を展開開始点Pに加えると、血液検体
は展開され、血球分離層の血球分離膜により血球が除去
される。次にその中のアルブミン及びグリコアルブミン
は試薬層4中の変性剤に変性され、アルブミンは色素a
により着色され、グリコアルブミンは色素bにより着色
される。その後、色素bで着色されたグリコアルブミン
は測定層5において捕捉され、色素aで着色されたアル
ブミンは測定層5’において捕捉され、その他の物質は
展開残液吸収層6に吸収される。その後、測定層5及び
5’に各々捕捉された色素bの呈色と色素aの呈色から
光学的に両者を区別して検出することにより各色素の濃
度を求め、以下試験片Aと同様に結果からアルブミンと
グリコアルブミンの各量を求めた後、アルブミンに対す
るグリコアルブミンの比率を算出する。
【0039】この試験片Cも試験片Bと同様の利点があ
るが、測定層はアルブミン用とグリコアルブミン用の二
つのものが用意してあるので、各々が同じ種類又は同じ
吸収波長を有する色素でも区別できる。色素aは、試験
片Bと同様に、アルブミンのみを特異的に着色するもの
でも、アルブミンとグリコアルブミンの両者を着色する
ものでもよい。ただし、色素bはグリコアルブミンのみ
を標識するものでなければならない。
【0040】また、試験片Cは、一方の測定層に抗グリ
コアルブミン抗体を固定し、他方の測定層に抗アルブミ
ン抗体を固定し、色素としてはアルブミンとグリコアル
ブミンの両者を一度に着色する色素でよい。色素の種類
も吸収波長も全く同じだが、測定層はアルブミン用とグ
リコアルブミン用の二つのものが用意してあるので、各
々は区別できる。
【0041】以上は本発明の実施態様の一部を例示した
ものであるが、本発明の技術思想は種々の変形を包括す
る。例えば、本発明の乾式試験片は支持体なしの場合、
あるいは展開膜の一部に支持体を使用する場合等、使用
目的に応じて、構成を変えることができる。
【0042】
【発明の効果】本発明は上述の構成からなる構造体であ
るので、グリコアルブミンとアルブミンの測定を乾式試
験片で同時に行うという、斬新的で且つ実用性の高い技
術であると同時に、操作が簡易であり家庭用としても使
用可能な試験片である。
【図面の簡単な説明】
図1から図3は、各々、本発明に関わる試験片の一つの
実施態様の平面図及び断面図である(試験片A,B,
C)。図4は、図1の別態様を示した平面図及び断面図
である。
【符号の説明】
1:支持体 2,2’:展開膜 3,3’:血球分離層 4,4’:試薬層 5,5’:測定層 6,6’:残液吸収層 7:残液吸収層(二つの展開膜で共有) E,E’:試料点着点 P,P’:展開開始点

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 展開液を用いて全血中のアルブミンとグ
    リコアルブミンとを同時に測定するための乾式試験片で
    あって、支持体上に装着された展開膜へ、血球分離層
    と,アルブミンを着色する第一の色素とグリコアルブミ
    ンを着色する第二の色素を含む試薬層と,アルブミンと
    グリコアルブミンを捕捉するために両者に対する特異的
    結合性物質を固定化した測定層と,展開残液を吸収する
    残液吸収層の各層をこの順序で設けるグリコアルブミン
    測定用乾式試験片。
  2. 【請求項2】 第一の色素と第二の色素は各々異なる吸
    収波長を有するものであるか、異なる蛍光強度を有する
    ものである、特許請求の範囲第1項に記載のグリコアル
    ブミン測定用乾式試験片。
  3. 【請求項3】 第一の色素はアルブミンに対する固有の
    抗体を介してアルブミンを着色し、第二の色素はグリコ
    アルブミンに対する固有の抗体又はジヒドロキシボロン
    酸誘導体又はその組み合わせを介してグリコアルブミン
    を着色する、特許請求の範囲第1又は2項に記載のグリ
    コアルブミン測定用乾式試験片。
  4. 【請求項4】 第一の色素は、特異的にアルブミンを直
    接に着色することができる色素である、特許請求の範囲
    第1又は2項に記載のグリコアルブミン測定用乾式試験
    片。
  5. 【請求項5】 前記色素は、ブロムクレゾールパープ
    ル,ブロムフェノールブルー,ブロムクレゾールグリー
    ン,チバクロンブルーF3G−Aのうちから選ばれる、
    特許請求の範囲第4項に記載のグリコアルブミン測定用
    乾式試験片。
  6. 【請求項6】 各層は2個の展開膜上に各々に設けられ
    ており、アルブミンとグリコアルブミンが各々の試薬層
    を通過し、各々異なる測定層で捕捉される、特許請求の
    範囲第1項に記載のグリコアルブミン測定用乾式試験
    片。
  7. 【請求項7】 残液吸収層は同一のものを各展開膜が共
    有している、特許請求の範囲第6項に記載のグリコアル
    ブミン測定用乾式試験片。
  8. 【請求項8】 各層は1個の展開膜上に設けられてお
    り、アルブミンとグリコアルブミンが共に同一の試薬層
    を通過し、同一の測定層で捕捉される、特許請求の範囲
    第1項に記載のグリコアルブミン測定用乾式試験片。
  9. 【請求項9】 各層が1個の展開膜上に設けられてお
    り、アルブミンとグリコアルブミンが共に同一の試薬層
    を通過し、各々異なる測定層で捕捉される、特許請求の
    範囲第1項に記載のグリコアルブミン測定用乾式試験
    片。
  10. 【請求項10】 試薬層にさらに血液変性剤を含む、特
    許請求の範囲第1項に記載のグリコアルブミン測定用乾
    式試験片。
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