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JPH0886631A - 物体の姿勢測定装置、姿勢測定方法、姿勢制御装置および物体表面の検査装置 - Google Patents

物体の姿勢測定装置、姿勢測定方法、姿勢制御装置および物体表面の検査装置

Info

Publication number
JPH0886631A
JPH0886631A JP18558595A JP18558595A JPH0886631A JP H0886631 A JPH0886631 A JP H0886631A JP 18558595 A JP18558595 A JP 18558595A JP 18558595 A JP18558595 A JP 18558595A JP H0886631 A JPH0886631 A JP H0886631A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
optical
tilt
image
interference fringe
posture
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP18558595A
Other languages
English (en)
Inventor
Osamu Takahashi
治 高橋
Katsuichi Kitagawa
克一 北川
Hisashi Yamamoto
比佐史 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP18558595A priority Critical patent/JPH0886631A/ja
Publication of JPH0886631A publication Critical patent/JPH0886631A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Length Measuring Devices By Optical Means (AREA)
  • Investigating Materials By The Use Of Optical Means Adapted For Particular Applications (AREA)
  • Control Of Position Or Direction (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 物体表面のチルト量を高速かつ高精度に求
めることができる物体の姿勢測定装置および姿勢測定方
法ならびにこれを利用した物体の姿勢制御装置および物
体の表面検査装置を提供すること。 【解決手段】本発明の物体の姿勢測定装置は、複数の異
なるチルト姿勢における光学干渉縞画像を取り込み、干
渉縞の空間周波数を求め、チルト量を測定することによ
り、チルト量の絶対値とその向きを自動的に測定する。
また、本発明の物体の表面検査装置は、かかる物体の姿
勢測定装置を用いて物体の姿勢を制御し、この状態で表
面検査を行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばハードディ
スク用磁気ヘッド等のような物体の姿勢を測定する方法
ならびに装置、この物体の姿勢の測定装置の測定結果に
基づいて物体の姿勢を制御する装置およびかかる物体の
姿勢制御装置を備えた物体表面の検査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ハードディスク用磁気ヘッド等の
研磨された浮上面の表面形状を光学干渉を用いて測定す
るには、浮上面に形成される干渉縞の模様を目視によっ
て観察しながら手動で物体の姿勢を決定し、そのうえで
表面形状の測定を行なっていた。すなわち、浮上面に形
成される干渉縞が疎になり最終的にこの干渉縞が見えな
くなるまで姿勢を変更し、この状態で目的となる測定を
行なっていた。
【0003】また、特開平4−177108号公報に
は、干渉縞を形成する表面が曲面形状である場合の姿勢
測定方法が開示されている。
【0004】この方法は、図10に示すように、曲面形
状表面上に形成される円環状の干渉縞の重心位置を得
て、ギャップ中心101aのチルト量tをこの重心位置
と干渉縞の頂点位置のずれ量△X2より求めている。
【0005】しかしながら、前者の目視による調節で
は、経験と勘に頼る部分が大きく、調節の安定性が欠
け、ひいては形状測定が不安定になることがあった。ま
た、形状測定の自動化を阻害する要因となっていた。
【0006】また後者の技術では、表面形状が曲面であ
ることが必要があった。しかもこの曲面は、略球面状で
かつその凸形状の高低差の2倍が光学干渉を起こす光の
波長以上である必要があった。これは、干渉縞の像が円
環状であることが前提でチルト量を求めるため、測定対
象の曲面が略球面であることが必要であり、また干渉縞
が1本以上観測できるためには、その高低差が干渉を起
こす光波の波長の1/2以上であることが同時に必要で
あるためである。したがって、この方法では高低差の少
ない面(たとえば略平面)を有する物体の姿勢をとらえ
ることはできなかった。また、略球面状でない曲面を有
する物体の姿勢も、この方法では、とらえることができ
なかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、上記従来の問題点を解消し、どの様な表面形状
を持つ物体でもその姿勢を高速かつ高精度に測定する方
法および測定装置を提供することにある。
【0008】また、本発明の別の目的は、どの様な表面
形状を持つ物体でもその姿勢を高速かつ高精度に測定
し、その物体を自動的に所定の姿勢に制御する物体の姿
勢制御装置を提供することにある。
【0009】また、本発明の別の目的は、上記のような
物体の姿勢制御装置により物体の姿勢を制御し、この物
体の表面を検査する装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明の骨子は以下のとおりである。
【0011】本発明の物体の姿勢測定装置は、光源と、
光学参照面と、該光学参照面に対して光学干渉性を示す
表面を有する物体を保持する物体保持手段と、前記光源
による前記表面の光学参照面に対する光学干渉縞画像の
撮像手段と、撮像された該光学干渉縞画像の輝度変化に
基づいて前記表面の前記光学参照面に対するチルト量を
算出するチルト量算出手段とを備えてなることを特徴と
している。
【0012】また、本発明の物体の姿勢測定装置の好ま
しい態様は、前記チルト量算出手段は物体の複数のチル
ト姿勢における光学干渉縞画像の輝度変化に基づいて前
記表面の前記光学参照面に対するチルト量を算出するも
のであり、かつ、前記物体保持手段は物体の前記表面の
前記光学参照面に対する相対的チルト姿勢が変更できる
ように物体を保持するものであることを特徴としてい
る。
【0013】また、本発明の物体の姿勢測定方法は、
(イ)物体の光学干渉性を示す表面の光学参照面に対す
る第1の光学干渉縞画像を撮像し、(ロ)前記第1の光
学干渉縞画像の輝度変化に基づいて第1の絶対チルト量
を求め、(ハ)前記表面と前記光学参照面との相対的チ
ルト姿勢を変更し、(ニ)前記表面の前記光学参照面に
対する第2の光学干渉縞画像を撮像し、(ホ)前記第2
の光学干渉縞画像の輝度変化に基づいて第2の絶対チル
ト量を求め、(ヘ)求められた前記第1および第2の絶
対チルト量に基づいて前記表面の前記光学参照面に対す
るチルト量の符号を求めることを特徴としている。
【0014】また、本発明の物体の姿勢制御装置は、光
源と、光学参照面と、該光学参照面に対して光学干渉性
を示す表面を有する物体を前記光学参照面に対する相対
的チルト姿勢が変更できるように保持する物体保持手段
と、前記光源による前記表面の光学参照面に対する光学
干渉縞画像の撮像手段と、撮像された該光学干渉縞画像
の輝度変化に基づいて前記表面の前記光学参照面に対す
るチルト量を算出するチルト量算出手段と、算出された
前記チルト量に基づいて前記物体の姿勢を制御する姿勢
制御手段とを備えてなることを特徴としている。
【0015】また、本発明の物体の姿勢制御装置の好ま
しい態様は、前記物体姿勢制御手段は、前記物体のチル
ト姿勢を変更する際に前記表面上の特定の部位の位置を
保持するよう制御するものであることを特徴としてい
る。
【0016】また、本発明の物体の姿勢制御装置の好ま
しい態様は、さらに、前記表面の図形特徴を検出する図
形特徴検出手段と、検出された前記図形特徴に基づいて
前記物体の位置を制御する物体位置制御手段とを備えて
なることを特徴としている。また、本発明の物体の姿勢
制御装置のさらに好ましい態様は、前記撮像手段はさら
に前記表面上の図形特徴を含む画像を撮像するものであ
り、前記図形特徴検出手段は前記図形特徴を含む画像か
ら図形特徴を検出するものであることを特徴としてい
る。
【0017】また、本発明の物体の姿勢制御装置のさら
に好ましい態様は、前記撮像手段は、前記光学参照面を
経る光の光学的光路長と前記表面を経る光の光学的光路
長とが異なる状態において前記図形特徴を含む画像を撮
像するものであることを特徴としている。
【0018】また、本発明の物体の姿勢制御装置の好ま
しい態様は、前記光源は、準単色光を発生するものであ
ることを特徴としている。
【0019】また、本発明の物体の姿勢制御装置の好ま
しい態様は、前記光源は、単色光または準単色光を発生
する第1の光源と非単色光を発生する第2の光源とから
なることを特徴としている。
【0020】また、本発明の物体の姿勢制御装置の好ま
しい態様は、前記光源は、光学干渉縞画像の撮像時には
単色光または準単色光を発生し、図形特徴を含む画像を
撮像時には非単色光を発生するものであることを特徴と
している。
【0021】また、本発明の物体表面の検査装置は、上
記のような物体の姿勢測定装置と、物体表面の検査手段
とを備えてなることを特徴としている。
【0022】また、本発明の物体表面の検査装置の別の
態様は、上記のような物体の姿勢制御装置と、物体表面
の検査手段とを備えてなることを特徴としている。
【0023】本発明の物体の姿勢測定装置および姿勢測
定方法では、物体表面の一部または全体の比較的平坦な
面の光学参照面に対する光学干渉縞画像を撮像し、この
光学干渉縞画像の輝度変化に基づいて干渉縞の空間周波
数を算出することなどによって物体表面のチルト量を測
定する。また、好ましくは、このような測定を物体表面
と光学参照面の相対的チルト姿勢を変更した状態でも実
施し、この差異に基づいてチルトの方向を知る。
【0024】このような光学干渉縞画像は、たとえば、
物体の表面に可干渉性の光(単色光または準単色光)を
照射し、同様の光源の光を光学的参照面にも照射し、そ
れぞれの反射光または透過光を重ねあわせることによっ
て得られる。こうして得られる画像は、光の干渉による
明暗(干渉縞)を含んだ画像となる。
【0025】このとき、たとえば、可干渉性の光の中心
波長がλであり、得られた干渉縞のピッチ(明暗の周
期)が、画像の一部の領域でLであったとする。ただ
し、物体表面、参照面とも完全な平面でない場合もあ
る。したがって、たとえば複数の部位で測定した干渉縞
のピッチを平均するなどして代表値を測定値としてもよ
い。このような場合の干渉縞の空間周波数fをf=1/
Lと定義する。
【0026】この部位の光学参照面に対する傾き(これ
を「チルト量」と呼ぶ。)θとLおよびfとの関係は、
光学干渉縞画像を得るときに物体の反射光を使用した場
合は物体表面近傍で光が往復の光路を持つことから、t
anθ = λ/2Lおよびθ = arctan(f
λ/2)と表現される。また、物体の透過光を使用した
場合はtanθ = λ/Lおよびθ = arcta
n(fλ)となる。
【0027】上記のような測定によって物体表面のチル
ト量の絶対値(絶対チルト量)を得ることができる。さ
らにチルト量の符号(傾きの向き)を知るために、物体
表面の光学参照面に対する相対的なチルト姿勢を微量だ
け変更し、再び上記と同様の測定を行なってもよい。た
とえば、物体表面をある向きに微量だけ傾けて得られた
光学干渉縞画像の干渉縞の空間周波数が、最初の測定の
際より増加したならば、物体表面は上記向きに傾いてい
たのであり、減少したならば物体表面は上記向きの反対
の向きに傾いていたのであることが判定できる。
【0028】このときの実際の物体表面の傾きは物体表
面内の軸に関する回転であり、かかる軸は一般に独立に
2個存在しうる。したがって、チルト量はたとえばX方
向とY方向とにそれぞれ測定することができる。なお、
このように物体の光学参照面に対するチルト量に注目し
てとらえた物体の姿勢を物体のチルト姿勢と呼ぶ。した
がって、物体のチルト姿勢を変更するとは、物体の光学
参照面に対するチルト量が変化するように物体の姿勢を
変更することをいう。
【0029】なお、この光学干渉縞画像の全域にわたっ
て干渉縞が観測される必要はない。たとえば、物体が球
面状などの球面であっても、その一部を観察すればそこ
は略平面となっているため、その一部分に形成される干
渉縞に注目すれば良い。また、比較的平坦な面が通常の
観察で得られない場合でも、撮像倍率を低倍もしくは高
倍に変化させ、画像の一部にでも干渉縞が形成されかつ
観測可能であれば十分である。このとき、この干渉縞が
観測できることを、光学参照面に対して光学干渉性を示
すと呼ぶ。
【0030】ここで光学参照面とは、物体からの反射光
または透過光と干渉を引き起こす光を、反射または透過
によって生成する鏡面または空間中の仮想的な面などを
指す。なお、光源から物体の表面に達する光の光軸と光
学参照面に達する光の光軸とが平行でない場合がある
(後述の図3のような光学系の場合など)。この場合は
光学参照面が仮想的に物体の表面近傍の等価な位置にあ
ると考えるものとする。したがって、物体表面のチルト
量もこの等価な位置にある光学参照面に対して測定する
ものとする。
【0031】また、このような光干渉を発生させるため
には、光源は単色光または準単色光のような可干渉性の
光を発生するものである必要がある。ここで単色光とは
光の波長範囲幅が中心波長の1/500未満の光を指
す。このような光は光学参照面を経る光の光学的光路長
と物体表面に経る光の光学的光路長との差がかなり大き
い場合でも光干渉を発生させることができる。このよう
な光を発生させる光源としては、レーザ、LED、白色
光源と干渉フィルタの組み合わせなどがあげられる。ま
た、かかる可干渉性の光として、複数の独立した中心波
長を有する光を用いてもよく、中心波長を異にする複数
の光源を用いてもよい。
【0032】また、準単色光とは光の波長範囲幅が中心
波長の1/500以上1/10未満の光を指す。このよ
うな光は光学参照面を経る光の光学的光路長と物体表面
を経る光の光学的光路長との差が比較的小さい範囲にお
いて光干渉を発生させることができる。したがって、物
体面のチルト量が大きい場合は、光学干渉縞画像を撮像
した場合に物体面全体にわたる干渉縞が得られない場合
があるが、干渉縞が広範囲に存在しなくてもチルト量の
測定が可能であるため、かかる準単色光でも目的を達成
することができる。とくに十分な光量を安価に得るため
には準単色光を用いるのが好ましい。このような光源と
して白色光源と干渉フィルタの組み合わせなどが好まし
く用いられる。また、余裕ある光量と光学干渉縞画像の
物体面全体に干渉縞を得ようとする場合には、光の波長
範囲幅が中心波長の1/200以上1/30未満である
光が好ましい。また、準単色光を用いる場合は光学参照
面を経る光の光学的光路長と物体表面を経る光の光学的
光路長との差異が小さいとコントラストの高い干渉縞を
得られるため好ましい。
【0033】本発明の物体の姿勢制御装置は、上述の物
体の姿勢測定装置で測定した物体表面の光学参照面に対
するチルト量に基づいて、物体の姿勢を制御する。たと
えば、物体表面のチルト量が所要の値と異なる場合はこ
の値とほぼ一致するまで物体の保持手段を制御するとい
った制御や、連続的にチルト量を測定し、その値が特定
の時間の関数となるように物体の保持手段を制御する
(たとえば、特定の軸に関して回転させるなど)といっ
た制御を行なう。これにより、オペレータの望む姿勢を
物体にとらせることができる。物体表面の検査において
は、このチルト量が0の近傍となる(物体表面が光学参
照面とほぼ平行になる)ように制御し、この状態で所要
の検査を行なうことが好ましく行なわれる。
【0034】また、上記のような物体の姿勢の制御を行
なうときには、注目している物体表面の部位(以下「特
定部位」という。)がチルト量の変更に伴って移動せず
に、光軸方向および画像面方向(光軸に垂直な面内のX
およびYなどの2つの独立な方向)の3方向について同
一の位置を保持するものであることが好ましい。これは
連続的に物体の姿勢を制御する場合には特定部位を常に
画面内部に捕捉していることが好ましいためである。
【0035】たとえば、物体の保持手段が図2に示した
ようなチルト軸(チルトX軸およびチルトY軸)回転、
光軸(θ軸)回転、画像面(XおよびY)方向移動ある
いは光軸(Z軸、この例ではθ軸と同一となる。)方向
移動といったステージを組み合わせたものである場合に
は、チルトX軸またはチルトY軸(図でX方向またはY
方向に物体面を傾けるときの回転中心軸)の回転を行な
うだけでは、物体表面の特定部位がX方向またはY方向
およびZ方向に同時に移動してしまう。これは物体表面
の特定部位がチルト軸上にないために当該部位がチルト
軸を中心として円弧を描いて移動するためである。そこ
でこのような場合は、チルト軸の回転を行なうと同時に
この回転運動により特定部位が移動する距離をX、Yお
よびZ軸について平行移動して補償するのが好ましい。
たとえば、チルトX軸に関する元の位置がφ0 のとき
に、この軸に関して微小角度δφ傾けたときは、物体表
面の特定部位とチルトX軸とのZ方向の位置の差をrと
すると、Z軸方向に物体を rcosφ0 /cos(φ0 +δφ)−r だけ平行移動し、X軸方向に r{sin(φ0 +δφ)−sinφ0 } だけ平行移動すれば空間中の位置を保持することができ
る。これはチルトY軸方向についても同様である。こう
した制御量の計算式はステージの構成などによりことな
り、上記の計算式に特に限定されない。
【0036】また、物体の画像面内の位置を含めて制御
することが好ましい。この場合、既知の表面の概略形状
に基づいて図形特徴を定義し、物体表面の画像から図形
特徴を算出し、この図形特徴が所定のものとなるように
画像面内の方向の位置を制御するのが好ましい。ここで
図形特徴を検出する手段としては、撮像工程により取得
した物体表面の画像を2値化した2値画像のなかで、対
象物の一部または全体の領域の重心や近似楕円の長軸方
向の傾きなどの検出、濃淡画像中で図形そのものの特徴
を表す領域をテンプレートとして行うテンプレートマッ
チングや、濃淡画像の輝度情報をXおよびYそれぞれの
方向に射影した輝度プロファイル情報を用いることなど
が好ましく用いられる。物体表面が画像内の所定位置に
ある場合は、かかる図形特徴の検出結果が所定のとおり
となることを利用し、この位置に物体表面が保持される
ように画像面内の位置を制御するのが好ましい。また、
所定位置は時間的に静止していてもよく移動してもよ
い。
【0037】なお、上記のような図形特徴を捉えるため
の物体表面の画像は、チルト量の検出のために用いた光
学干渉縞画像を得るのと同じ撮像手段を用いて撮像して
もよく、別途専用の撮像手段を用いてもよい。図形特徴
を捉えるときは光学干渉縞画像の干渉縞がノイズとなる
こともあるので、このような干渉縞が発生しないように
して撮像することが好ましい。たとえば、図形特徴を捉
えるときは非単色光を発生する非干渉性の光源を用いた
り、光学干渉縞画像を得るのと同じ光学系において光学
参照面を経る光の光路を遮ることによって干渉縞の発生
を抑制することができる。また、光学干渉縞画像を得る
のと同じ光学系において、光学参照面を経る光の光学的
光路長と前記表面を経る光の光学的光路長とが異なる状
態において光の干渉が発生しないようにしてもよい。こ
の場合において、光源としては準単色光を用いるのが好
ましい。これは、上記の光学的光路長の差が小さくても
干渉縞の発生を防ぐことができるためである。また、光
学干渉縞画像を光学参照面と物体表面の相対的な高さを
変更しながら得て、これを相対的な高さで平均化するこ
とにより干渉縞の影響を相殺することによっても、実質
的に干渉縞の影響のない画像を得ることができる。
【0038】また、光学干渉縞画像を得るときの光源と
図形特徴を捉えるときの光源を、両者に求められる上記
特性を考慮して別個に用意し、これを切り替えるように
してもよい。これによりそれぞれの照明に対する制限を
緩和すると同時に、それぞれの画像をより適切に得るこ
とができる。また、同一の光源を用い、異なる特性のフ
ィルタを交換することにより、単色光または準単色光お
よび非単色光を切り替えて発生することも好ましく行わ
れる。
【0039】また、本発明の物体表面の検査装置は、上
記のような物体の姿勢制御装置を用いて物体の姿勢を制
御し、この状態で物体の表面の検査を行なう。
【0040】この場合、物体の検査対象の表面がたとえ
ば上記光学干渉縞画像を得るときに物体に照射される光
の光軸に対して垂直となるように物体の姿勢を制御した
り、光学参照面に対する物体の表面のチルト量を特定の
値(たとえば0)となるように制御したり、特定軸に対
して物体の検査対象の表面が回転するように制御するな
ど、さまざまな姿勢制御の態様が好ましく用いられる。
このように物体の姿勢を制御した上で、検査対象の表面
の検査を行なうと検査の精度が向上する場合が多い。ま
た、従来この姿勢制御の部分を手動により行なっていた
のに対して、検査に要する時間が短縮され、姿勢の再現
性が高いため検査結果の再現性も高くすることができ
る。
【0041】本発明において、物体保持手段としてはチ
ルト姿勢の変更が可能なステージを組み合わせたもの
や、日経BP社「日経メカニカル」1995年3月20
日号「特集パラレルメカニズムが機械を変える」に記載
されているパラレルメカニズムや、ロボットアーム類な
どが好ましく用いられる。必要に応じて光学参照面のチ
ルトが変更できるものでもよい。
【0042】本発明において、撮像手段としてはCCD
カメラやITVなど画像を取り込む手段ならば何でもよ
い。特に、空間周波数または干渉縞のピッチを測定する
にあたり、データの数値化が容易なCCDカメラなどが
好ましい。
【0043】本発明において、光学干渉縞画像の輝度変
化に基づいてチルト量を求めるのは、たとえば、干渉縞
の空間周波数を求めることにより行う。干渉縞の空間周
波数は1周期以上の干渉縞が得られる状態でその周期を
計測するものが好ましい。ただし、干渉縞のピッチは干
渉縞が1周期以上得られなくても計測することができ
る。たとえば、最小二乗法などのフィッティング手段に
よって決定すればよい。また、空間周波数と干渉縞のピ
ッチは1対1に対応する量であるから、算出の過程で空
間周波数を求めずに干渉縞のピッチによりチルト量を求
めることも可能である。
【0044】また、光学干渉縞画像の濃淡データからチ
ルト量を未知数として最小二乗法などのフィッティング
手段によって直接チルト量を算出することもできる。
【0045】また、本発明において、物体表面の検査手
段としては、物体表面の平坦度や欠陥等を検査する手段
が好ましく用いられる。特に、これらの検査を光学的に
行なうものがよく、光干渉を用いたものがさらによい。
また、パターンマッチングなどの画像処理により欠陥を
検出するものでもよい。
【0046】
【発明の実施の形態】以下添付図面を参照して、本発明
をハードディスク用磁気ヘッドの平坦度を測定する装置
に適用した一実施例を説明する。
【0047】図4は、検査対象のハードディスク用磁気
ヘッドチップ31の外観図である。この磁気ヘッドチッ
プ31のうち、ハードディスク面と相対してその空気流
によって浮上する面を浮上面42または、ABS(Air-B
earing-Surface) という。この面の平坦度を測定するた
めに、この面を干渉顕微鏡の光学参照面にほぼ平行にな
るように制御するのが好ましいため、本実施例ではこう
した制御を行なう。
【0048】図1は、本実施例の構成を示す図である。
個々のチップ状に切断された磁気ヘッドチップ31はヘ
ッド搬送用トレイ10のポケットに、浮上面を上にして
配置され、トレーは6自由度をもつステージ17上に固
定される。
【0049】このステージ17は、図2に示した6自由
度の物体の移動を行なうものであり、水平面内のX軸に
沿った方向の物体の平行移動を行なうXステージ1、水
平面内でかつX軸に垂直な方向の物体の平行移動を行な
うYステージ2、鉛直方向(Z軸方向)の物体の平行移
動を行なうZステージ5、Z軸方向に関する物体の回転
移動を行なうθステージ6、Y軸方向の回転軸に関する
物体の回転移動であって、X軸方向のチルト姿勢を変更
する運動を行なうチルトXステージ3およびX軸方向の
回転軸に関する物体の回転移動であって、Y軸方向のチ
ルト姿勢を変更する運動を行なうチルトYステージ4の
6個のステージを重ねたものである。本実施例では、Z
軸方向が対物レンズ系7などからなる光学系の光軸と概
略一致するよう構成されている。なお、測定対象の固定
方法如何によっては、この6軸はこの水平・垂直にのっ
とっている必要はない。また、対象物が回転方向の制約
された状態で固定され得るならば、このθステージ6は
必要ない。また、これら6個のステージは、ステージコ
ントローラ13の駆動信号をステージドライバ14で増
幅した電流により駆動されるパルスモータにより制御さ
れる。
【0050】干渉光学系を内蔵した対物レンズ系7を通
してトレー10中の磁気ヘッド31の映像は光学干渉縞
画像としてCCDカメラ9により捉えられ、その画像信
号は、画像処理機11へと送られる。この画像処理機1
1で光学干渉縞画像に含まれるX方向およびY方向の干
渉縞の空間周波数が計算され、ここから各ステージの制
御量が中央演算器12で算出される。この制御量が先の
ステージコントローラ13への駆動信号として変換・出
力される。なお、この制御量により、たとえば、チルト
Xステージ3の運動を補償して対物レンズ系7によって
捉えられている磁気ヘッドの特定部位の空間中の位置を
保持するように、Xステージ1およびZステージ5を運
動させる。チルトY軸についても同様である。
【0051】また、X方向およびY方向と磁気ヘッドの
水平方向の向きが所定の関係を持つようにθステージ6
を回転運動させるとき、磁気ヘッドチップ31の特定部
位がθステージ6の軸上にない場合は、同時にX方向お
よびY方向に物体が移動する。この移動も磁気ヘッドチ
ップ31の表面検査においては好ましくないので、チル
ト姿勢の変更の場合と同様に磁気ヘッドチップ31の特
定部位が水平面内を移動しないようにXステージ1およ
びYステージ2を運動させるようになっている。
【0052】図3は、本実施例における光学干渉を伴っ
た観察を行う顕微鏡の構成を示す図である。光源39よ
り発せられた光は照明光学系のなかにある単色フィルタ
38により赤色の準単色光(波長範囲は中心波長の1/
200〜1/30の範囲で幾つかの値をとりうる)とな
り、ハーフミラー36により観測光学系へと導かれる。
【0053】この照明光は対物レンズ35により磁気ヘ
ッドチップ31の測定対象面(ここでは浮上面42)に
結像した後、反射光として再度対物レンズ35を通り、
一部がハーフミラー36を経てCCDカメラ9の撮像素
子に像を結ぶ。このときビームスプリッタ33により経
路を異にする光が光学参照面32に結像・反射し同様に
CCDカメラ9の撮像素子に像を結ぶとき、この2つの
像は干渉し、浮上面42と光学参照面32との光路長の
差、すなわち高さの差に依存して干渉縞を形成すること
になる。たとえば参照面が非常に精度のよい平面であっ
たなら、CCDカメラ9より得られる干渉縞は、磁気ヘ
ッドチップ31の浮上面42の光学参照面32に対する
の等高線に相当することになる。
【0054】このとき磁気ヘッドチップ31の浮上面4
2の傾きでなく、たとえば、その面内の凹凸を測定する
ことが目的であるなら、磁気ヘッドチップ31の浮上面
42が光学参照面32に対して平行である(チルト量が
0となる)ように制御する方が、その測定精度の高いも
のが得やすいことになる。そこで本実施例では、上記の
手段により測定した浮上面42のチルト量を0の近傍に
制御する。
【0055】以下に、干渉縞とチルト姿勢の関係およ
び、その制御手順について説明する。図5は、ハードデ
ィスク用磁気ヘッド31のチルト量と、その測定面に観
測される干渉縞の関係概念図である。チルト量が大きく
浮上面が参照面より大きく傾いているときは、その干渉
縞は密になり、チルト量が小さくなるにしたがい縞の間
隔は疎になっていく。浮上面42がほぼ光学参照面32
と平行になった段階でその干渉縞は観測されなくなる。
これは浮上面42の工作精度が高く、浮上面42面内の
高低差が干渉光の波長より十分小さいために縞の位相変
化がわずかになることによる。この縞が見えなくなった
状態をヌルフリンジと呼ぶ。
【0056】図6および図7は、装置15における制御
手順を示すフローチャートである。先ず、ステップS1
(以下単に「S1」という。他のステップについても同
様とする。)においてトレイ10に載せた磁気ヘッドチ
ップ31を、対物レンズ直下の撮像位置に移動する。こ
のときトレイ10中の磁気ヘッドチップ31の位置が十
分な精度で事前にわからない、以降の図形特徴を利用し
たチップ位置合わせを行なう。
【0057】磁気ヘッドチップ31の図形特徴を得るた
めに、まず干渉縞の消失した画像を得る。これは、本実
施例においては干渉縞がない方が図形特徴を得やすいた
めである。本実施例ではこの画像は、光学参照面32と
磁気ヘッドチップ31の浮上面42の相対的な高さをず
らし、光学的光路長の違いによる干渉縞の消失を利用す
る。
【0058】このために、S3で光学干渉の起こる位置
からずらしたZ軸方向の第1の位置(以下「Z軸1位
置」という。)にZステージ5を移動する。S4で磁気
ヘッドチップ31の画像を取り込み、S5において、S
4で得た画像から磁気ヘッドチップ31の画像面内方向
位置(XYθ位置)を画像処理により算出する。このと
き、図形特徴として、磁気ヘッドチップ31の画像のテ
ンプレートと得られた画像とを比較し、その相関関数の
値を用いる。すなわち、得られた画像内の各部位と、磁
気ヘッドチップ31のテンプレートとの相関関数を調
べ、画像内で最も高い相関関数を与える部位に磁気ヘッ
ドチップ31が存在するとみなすというものである。
【0059】次のS6で、上述のようにして測定した磁
気ヘッドチップ31の位置を所定の測定位置に移動させ
るべく、XYθの各ステージをそれぞれ駆動する。この
とき磁気ヘッドチップ31の測定対象部位はθ軸上にあ
るとは限らないため、θ軸移動に伴うXY軸の相殺動作
も織り込んで駆動する。駆動後所定の位置に対象物が移
動しているか確認のためS7において映像を取り直し、
もし駆動誤差や外乱等により所定位置に収束していない
場合は、再度XYθ軸移動量計算および駆動制御を行
う。このループを収束するまで所定回数繰り返す。
【0060】対象チップの画像面内の位置が収束した
後、S8においてZステージ5を駆動してZ軸2位置に
移動させる。この位置は干渉縞が観測される(すなわち
光学干渉縞画像が得られる)位置である。さらに、干渉
縞のコントラストが最も高くなるまでZ軸位置の最適化
を行う。これは、通常光学系の焦点合わせ動作に相当す
る。調整時間の短縮のため走査するZ軸範囲は、磁気ヘ
ッドチップ31のZ方向位置のばらつき範囲いっぱいに
設定する。また、これをはみ出した位置でもZ軸合わせ
が可能なように、Z軸合わせが成功終了しなかった場合
には、その走査範囲を拡大して再度Z軸合わせ動作を行
う小ループを備える。これが、S9からS11の部分で
ある。
【0061】これでも良好な光学干渉縞画像が得られな
い場合は、そのチルト位置がすでにヌルフリンジの位置
にあって干渉縞が観測できない位置であることが考えら
れる。そこで、S11の判定において所定の回数及びZ
軸範囲のなかでこの干渉縞合わせの動作が終了しなかっ
た場合には、次のS12を含む大ループで、あるチルト
量を振りながらZ軸合わせ動作を再度行う。この2重の
ループにより、干渉縞を捕らえながらそのZ軸位置が最
適化される。
【0062】つづいてS13で、この干渉縞が合焦した
状態でその光学干渉縞画像の取り込みを行う。S14に
おいてこの画像情報からその干渉縞のXY方向それぞれ
の空間周波数を算出する。画像中斜め方向に干渉縞が観
測される場合にはXYそれぞれの方向において、その方
向の干渉縞のピッチLを捕らえることによって独立にそ
の空間周波数が計測できる。また、干渉縞がXまたはY
方向に平行に近く、これに垂直な方向には1周期以上の
縞が観測されない場合には、観測された方向の縞の周期
及び縞の傾きから、直接算出できない方向の干渉縞のピ
ッチLを間接的に算出する。なお、このピッチ計測の手
順の前で、干渉縞のコントラストをもとにZ軸合わせを
行っているために、この段階で縞が全く観測されない状
態はない。
【0063】また、ハードディスク用磁気ヘッド31の
浮上面42は、図4のように通常レール形状であり細長
い領域となっている。すなわち、浮上面42がレールの
ように画面中X方向方向に観察されるとき、観測される
長さが短いため画面中Y方向の干渉縞のピッチLは捕ら
えにくい場合がある。ここでは、Y方向に周期的な変化
のある干渉縞はチルトY軸の傾きに対応し、そのピッチ
がレールの領域を越えて長い場合には、X方向に周期的
な変化のあるチルトX軸の傾きを計測した後、縞の傾き
を捕らえることで、間接的にY方向の干渉縞のピッチL
y 、ひいてはチルトY軸の傾きを得るうることができ
る。ここで、X方向の干渉縞のピッチをLx 、縞の画面
内Y方向に対するの傾きをφとすると、Y方向の干渉縞
のピッチLy は、Ly = Lx tanφと表される。
【0064】このS14の段階でX方向およびY方向の
それぞれの空間周波数が算出された後、S15でその空
間周波数にある程度依存した規定のチルト量を変化させ
る。その後S16での画像取り込み、S17での干渉縞
計測をS13・14と同様に行う。このS15における
規定のチルト量とは、S14とS17で異なったチルト
姿勢での干渉縞計測が可能となるよう移動する量であ
り、この移動でヌルフリンジをまたいで移動することの
ないように大きすぎず、また少なすぎてその移動による
干渉縞の変化が捕らえられないことのないように後述の
通り計算したものを用いる。
【0065】ここで、S14とS17で算出したX方向
およびY方向の干渉縞のピッチLx、Ly からチップの
チルト姿勢を求める手順を図8および図9を参照しなが
ら説明する。図8は、横軸がチルトX軸に縦軸がチルト
Y軸に対応しており、それぞれのチルト姿勢に応じた干
渉縞の見えのパターンが図中に描画してある。例えば、
チルトX軸、チルトY軸とも正方向に傾いている場合に
は、C1のパターン領域に入り、干渉縞は左上がりに傾
いた縞パターンとなり、チルトY軸のみ傾いている場合
にはBy の領域で正負どちらでも水平に近い縞パターン
となることを示している。また、チルトX軸及びチルト
Y軸ともほとんど傾いていない場合はAのパターン領域
となり、干渉縞は観測されない。またチルトX軸、チル
トY軸とも大きく傾きその干渉縞の周期がCCD撮像素
子の空間分解能よりも小さくなってしまう領域、すなわ
ちDの領域でも干渉縞は観測されない。
【0066】さて、ある傾きを持った面を観測してBま
たはCの何れかの領域であったとすると、その観測によ
り得られる干渉縞からは、チルト量の絶対値が求められ
るだけで、いずれの方向の傾いているかは一意に断定で
きない。すなわちBy の領域であってもチルトY軸の傾
きは正でも負でもあり得るし、左上がりに傾いた干渉縞
であっても、C1もしくはC3の領域のいずれかであ
り、チルト量の絶対値がたとえばT(rad) であることま
でしか断定できない。これに対し、既知のチルト量だけ
チルト姿勢を変更して再度観測し直すことにより、その
干渉縞ピッチLの変化が既知のチルト量に対して増加す
るのか、減少するのかで、図8においていずれの領域に
属するかを一意に決めることができる。たとえば、S1
4の計測でC1またはC3のパターンであったとき、既
知のチルト量が、チルトX・チルトYとも減らす方向、
すなわち図8中で左下に移動する様な値で駆動した後、
S17での計測で、ピッチが長くなる変化を示したらC
1の領域、短くなる変化を示したらC3の領域というこ
とになる。
【0067】これらの手順をフローで表したものが図9
である。S81が図6のS13の画像取り込みに対応す
る。その情報を用いる干渉縞計測がS82であり、その
ときの結果により図8中のA〜Dの領域に対応して分岐
を行う。計測結果がAまたはDの干渉縞が得られない状
態は、Z軸方向の合焦直後(S11の状態)ではあり得
ないが、チップに対する外乱等で制御から一時逸脱した
ような場合に起きうる。このようなときには規定チルト
量を振りながら再度干渉縞が得られるチルト傾きを探す
ことになる。
【0068】この規定チルト量は、たとえば、ある方向
のチルト量の絶対値がTであったとすると、Tの1〜5
0%程度の大きさとする。本実施例の場合、さらに好ま
しい範囲である5〜20%程度を用いた。
【0069】その後、S86およびS87において光学
干渉縞画像の取り込み、干渉縞計測を行なう。その計測
結果と、S82の結果、軸移動の方向の情報とを合わせ
て、現傾き位置を認識し、図8のAの領域のわずか外
側、すなわちヌルフリンジ直前の位置までのチルト移動
量を算出・駆動する。このステップ88で、最終的にヌ
ルフリンジに制御する量を算出する。これは、画面の画
素の空間分解能を最大限生かして獲得しうる最高の精度
でヌルフリンジ状態を実現するためである。すなわち、
Aの領域のわずか外側では干渉縞のピッチLが観測され
る範囲内で(たとえば、画面の大きさとほぼ同一)最大
となる。Lの大きさは画素数に対応するため、この状態
のとき最大の精度でチルト量を決定できるのである。A
の領域内では1周期以上の干渉縞が観測されないため、
ピッチの測定の精度が低下し、傾きが大きい状態では1
周期に対応する画素数が小さくなるためやはり精度が低
くなる。
【0070】ここで図7のS20において、以上のよう
に最終的に精度良く得られたチルト量を、一気に駆動す
ることにより、高精度なヌルフリンジの状態に制御す
る。
【0071】この後、S22で本来の目的である浮上面
の凹凸形状を干渉像の輝度情報をもとに算出・計測す
る。
【0072】
【実施例】上記のような磁気ヘッドチップの表面の検査
装置を用いて、浮上面の平坦度測定に基づく磁気ヘッド
チップの検査を行なった。人手によって浮上面の傾きを
調整しながら検査を行なう場合に比べて、処理時間が1
/5程度に減少した。しかも検査時の傾きの再現性が高
いため検査結果のばらつきが大幅に減少した。
【0073】
【発明の効果】本発明の物体の姿勢測定装置および物体
の姿勢測定方法によれば、光学干渉縞画像から干渉縞の
空間周波数を求め、これから物体表面のチルト量を求め
るため、略球面などの特定の形状でない面のチルト量の
測定を高精度で行なうことができる。
【0074】本発明の物体の姿勢測定装置の好ましい態
様によれば、複数のチルト姿勢において光学干渉縞画面
の干渉縞の空間周波数を求めるため、さらに傾きの方向
を同時に測定することができる。
【0075】また、本発明の物体の姿勢制御装置によれ
ば、複数のチルト姿勢において光学干渉縞画面の干渉縞
の空間周波数を求め、これによって得られるチルト量に
基づいて物体表面の姿勢を制御するため、高速かつ高精
度で物体の姿勢を制御することができる。
【0076】また、本発明の物体の姿勢制御装置の好ま
しい態様によれば、物体のチルト姿勢を変更するにあた
り、物体表面の特定部位が画面内で移動しないように制
御するため、物体表面の注目部位を見失うことがなく、
物体の姿勢の自動的な制御が可能となる。
【0077】また、本発明の物体の姿勢制御装置の好ま
しい態様によれば、物体表面の図形特徴に基づいて物体
の位置を制御するため、物体表面の注目部位を見失うこ
とがなく、物体の姿勢の自動的な制御が可能となる。
【0078】また、本発明の物体の姿勢制御装置の好ま
しい態様によれば、異なる光学的光路長で光学参照面と
物体表面を照射するため同一の光源で干渉縞の影響のな
い位置制御をチルト量の制御とともに行なうことができ
る。
【0079】また、本発明の物体の姿勢制御装置の好ま
しい態様によれば、光源が準単色光を発生するものであ
るため、上記の光学的光路長の差異が小さくても干渉の
影響を除去することができる。
【0080】また、本発明の物体の姿勢制御装置の好ま
しい態様によれば、2種類の光源を用いて画像を撮像す
るため、それぞれ最適な条件で光学干渉縞画像と図形特
徴を得る画像を得ることができる。
【0081】また、本発明の物体表面の検査装置は、上
記のような物体の姿勢測定装置あるいは姿勢制御装置を
備えているために、再現性よく、高精度に、高速に物体
表面の検査を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の物体の姿勢制御装置を備えた物体の表
面検査装置の一実施態様の制御機構の模式図である。
【図2】図1の駆動要部の動作の模式図である。
【図3】図1の光学系要部の模式図である。
【図4】本発明の物体表面の検査装置の実施例の測定対
象である磁気ヘッドチップの模式図である。
【図5】チルト量と干渉縞の変化を説明する図である。
【図6】本発明の実施例における、姿勢制御手順の前半
の図である。
【図7】本実施例における、姿勢制御手順の後半の図で
ある。
【図8】干渉縞の見えのパターンをチルト量と関連づけ
て説明する図である。
【図9】本実施例における、干渉縞の画像処理の流れを
説明する図である。
【図10】従来の物体の姿勢測定方法の原理を示す図で
ある。
【符号の説明】
1:Xステージ 2:Yステージ 3:チルトXステージ 4:チルトYステージ 5:Zステージ 6:θステージ 7:対物レンズ系 9:CCDカメラ 10:トレイ 11:画像処理機 12:中央演算器 13:ステージコントローラ 14:ステージドライバ 31:磁気ヘッドチップ 32:光学参照面 33:ビームスプリッタ 35:対物レンズ 36:ハーフミラー 38:単色フィルタ 39:光源 41:ランプ部 42:浮上面 43:磁極部 44:コイル

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光源と、光学参照面と、該光学参照面に対
    して光学干渉性を示す表面を有する物体を保持する物体
    保持手段と、前記光源による前記表面の光学参照面に対
    する光学干渉縞画像の撮像手段と、撮像された該光学干
    渉縞画像の輝度変化に基づいて前記表面の前記光学参照
    面に対するチルト量を算出するチルト量算出手段とを備
    えてなることを特徴とする物体の姿勢測定装置。
  2. 【請求項2】前記チルト量算出手段は物体の複数のチル
    ト姿勢における光学干渉縞画像の輝度変化に基づいて前
    記表面の前記光学参照面に対するチルト量を算出するも
    のであり、かつ、前記物体保持手段は物体の前記表面の
    前記光学参照面に対する相対的チルト姿勢が変更できる
    ように物体を保持するものであることを特徴とする物体
    の姿勢測定装置。
  3. 【請求項3】(イ)物体の光学干渉性を示す表面の光学
    参照面に対する第1の光学干渉縞画像を撮像し、(ロ)
    前記第1の光学干渉縞画像の輝度変化に基づいて第1の
    絶対チルト量を求め、(ハ)前記表面と前記光学参照面
    との相対的チルト姿勢を変更し、(ニ)前記表面の前記
    光学参照面に対する第2の光学干渉縞画像を撮像し、
    (ホ)前記第2の光学干渉縞画像の輝度変化に基づいて
    第2の絶対チルト量を求め、(ヘ)求められた前記第1
    および第2の絶対チルト量に基づいて前記表面の前記光
    学参照面に対するチルト量の符号を求めることを特徴と
    する物体の姿勢測定方法。
  4. 【請求項4】光源と、光学参照面と、該光学参照面に対
    して光学干渉性を示す表面を有する物体を前記光学参照
    面に対する相対的チルト姿勢が変更できるように保持す
    る物体保持手段と、前記光源による前記表面の光学参照
    面に対する光学干渉縞画像の撮像手段と、撮像された該
    光学干渉縞画像の輝度変化に基づいて前記表面の前記光
    学参照面に対するチルト量を算出するチルト量算出手段
    と、算出された前記チルト量に基づいて前記物体の姿勢
    を制御する姿勢制御手段とを備えてなることを特徴とす
    る物体の姿勢制御装置。
  5. 【請求項5】前記物体姿勢制御手段は、前記物体のチル
    ト姿勢を変更する際に前記表面上の特定の部位の位置を
    保持するよう制御するものであることを特徴とする請求
    項4に記載の物体の姿勢制御装置。
  6. 【請求項6】さらに、前記表面の図形特徴を検出する図
    形特徴検出手段と、検出された前記図形特徴に基づいて
    前記物体の位置を制御する物体位置制御手段とを備えて
    なることを特徴とする請求項4または5に記載の物体の
    姿勢制御装置。
  7. 【請求項7】前記撮像手段はさらに前記表面上の図形特
    徴を含む画像を撮像するものであり、前記図形特徴検出
    手段は前記図形特徴を含む画像から図形特徴を検出する
    ものであることを特徴とする請求項6に記載の物体の姿
    勢制御装置。
  8. 【請求項8】前記撮像手段は、前記光学参照面を経る光
    の光学的光路長と前記表面を経る光の光学的光路長とが
    異なる状態において前記図形特徴を含む画像を撮像する
    ものであることを特徴とする請求項7に記載の物体の姿
    勢制御装置。
  9. 【請求項9】前記光源は、準単色光を発生するものであ
    ることを特徴とする請求項4〜8のいずれかに記載の物
    体の姿勢制御装置。
  10. 【請求項10】前記光源は、単色光または準単色光を発
    生する第1の光源と非単色光を発生する第2の光源とか
    らなることを特徴とする請求項4〜8のいずれかに記載
    の物体の姿勢制御装置。
  11. 【請求項11】前記光源は、光学干渉縞画像の撮像時に
    は単色光または準単色光を発生し、図形特徴を含む画像
    を撮像時には非単色光を発生するものであることを特徴
    とする請求項4〜8のいずれかに記載の物体の姿勢制御
    装置。
  12. 【請求項12】請求項1または2に記載の物体の姿勢測
    定装置と、物体表面の検査手段とを備えてなることを特
    徴とする物体表面の検査装置。
  13. 【請求項13】請求項4〜11のいずれかに記載の物体
    の姿勢制御装置と、物体表面の検査手段とを備えてなる
    ことを特徴とする物体表面の検査装置。
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