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JPH0852808A - 熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物からなる伸縮フィルムのブロッキング防止方法 - Google Patents

熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物からなる伸縮フィルムのブロッキング防止方法

Info

Publication number
JPH0852808A
JPH0852808A JP20792994A JP20792994A JPH0852808A JP H0852808 A JPH0852808 A JP H0852808A JP 20792994 A JP20792994 A JP 20792994A JP 20792994 A JP20792994 A JP 20792994A JP H0852808 A JPH0852808 A JP H0852808A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
thermoplastic polyurethane
film
weight
resin composition
hardness
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP20792994A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideaki Toda
英明 戸田
Hidenori Ishizuka
英紀 石塚
Kenji Miyasaka
健司 宮坂
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tonen Chemical Corp
Original Assignee
Tonen Sekiyu Kagaku KK
Tonen Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tonen Sekiyu Kagaku KK, Tonen Chemical Corp filed Critical Tonen Sekiyu Kagaku KK
Priority to JP20792994A priority Critical patent/JPH0852808A/ja
Publication of JPH0852808A publication Critical patent/JPH0852808A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Processing And Handling Of Plastics And Other Materials For Molding In General (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物からなる伸
縮フィルムのブロッキングを防止する方法を提供する。 【構成】 熱可塑性ポリウレタン40〜60重量%と、エチ
レン−プロピレン−ジエン共重合体10〜30重量%と、低
密度ポリエチレン系樹脂10〜30重量%と、不飽和カルボ
ン酸又はその誘導体で変性されたスチレン系エラストマ
ー10〜30重量%と、未変性スチレン系エラストマー2〜
10重量%からなる樹脂組成物製の伸縮フィルムのブロッ
キング防止方法であって、(A) 前記伸縮フィルムの原反
を、巻取り物の表面からの硬さ(JIS K6301 スプリング
硬さ試験(C形)に準拠)が60度以下となるように巻き
取り、(B) 前記原反の巻取り物を60℃以下の温度で3時
間以上エージングし、(C) 前記原反を繰り出して、所定
の幅にスリットし、(D) スリットした原反を、巻取り物
の表面からの硬さが75度以下となるように巻き取る工程
からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱可塑性ポリウレタン
樹脂組成物からなる伸縮フィルムのブロッキング防止方
法に関し、特に不織布等とホットメルト貼合することに
より、使い捨てオムツ等における各種のギャザー等に使
用するのに適する伸縮フィルムのブロッキング防止方法
に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】オムツ
のウエストギャザーや生理用品のギャザー部等には、低
応力での伸縮機能、高速での良好なホットメルト接着性
等が要求されるが、現在機能面から発泡ウレタンフォー
ム、ウレタン系フィルム等が使用されている。実用例の
大半は発泡ウレタンフォームであるが、価格が高く、ま
たオムツに適用したときの性能あるいは生産性に問題が
ある。また、ウレタン系フィルムは、発泡ウレタンフォ
ームに比べ30〜100 %伸張時のヒステリシス強度及び10
0 %伸張時の残留歪が大きく、ホットメルト接着剤との
接着性が劣る等の問題とともに、特にブロッキングを起
こしやすいという問題もある。
【0003】したがって、本発明の目的は、熱可塑性ポ
リウレタン樹脂組成物からなる伸縮フィルムにおいて、
ブロッキングを防止する方法を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的に鑑み鋭意検討
した結果、本発明者らは、熱可塑性ポリウレタン樹脂組
成物からなる伸縮フィルムの原反を軟巻きし、所定の条
件でエージングすることにより調質し、スリットした後
表面からの硬さが比較的大きくなるように大量巻きする
と、長時間に渡りブロッキングが生じないことを発見
し、本発明に想到した。
【0005】すなわち、本発明の熱可塑性ポリウレタン
樹脂組成物からなる伸縮フィルムのブロッキング方法
は、(A) 前記伸縮フィルムの原反を、巻取り物の表面か
らの硬さ(JIS K6301 スプリング硬さ試験(C形)に準
拠)が60度以下となるように巻き取り、(B) 前記原反の
巻取り物を60℃以下の温度で3時間以上エージングし、
(C) 前記原反を繰り出して、所定の幅にスリットし、
(D) スリットした原反を、巻取り物の表面からの硬さが
75度以下となるように巻き取る工程からなることを特徴
とする。
【0006】以下、本発明を詳細に説明する。まず本発
明の方法に用いる熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物は以
下の通りである。
【0007】[1] 熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物の成
分 (a) 熱可塑性ポリウレタン 本発明に使用可能な熱可塑性ポリウレタンとしては、ポ
リエステル系、アジペート系、ポリエーテル系、ポリカ
プロラクトン系等の長鎖ポリオール、短鎖ポリオール、
ジイソシアネート等を原料として重付加反応により分子
内にウレタン結合を介して得られるポリウレタンエラス
トマーが挙げられる。長鎖ポリオールとしては、例えば
ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等
が挙げられ、また短鎖ポリオールとしては、例えばエチ
レングリコール、1,4-ブタンジオール、1,4-ヘキサンジ
オール等が挙げられ、さらにジイソシアネートとして
は、例えばトリレンジイソシアネート、4,4'- ジフェニ
ルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシア
ネート等が挙げられる。これらの中では、アジペート系
ポリウレタンエラストマーが特に好ましい。
【0008】熱可塑性ポリウレタンは、軟化温度が170
〜190 ℃で、軟化温度での硬さ(JIS K6301 スプリング
式硬さ試験(C形)に準拠。以下同じ。)が70〜88度で
あることが好ましい。軟化温度が170 ℃未満であるか硬
さが70度未満であると、インフレーション法等でフィル
ム製膜時にブロッキングが起こり易く、両耳スリット後
に2枚に剥すことが難しい。一方、軟化温度が190 ℃を
超えるか硬さが88度を超えると、フィルムの伸縮性、柔
軟性及びホットメルト接者性が劣るようになる。
【0009】(b) エチレン−プロピレン−ジエン共重合
体(EPDM) EPDMは、エチレン、プロピレン及びジエン化合物か
らなるエラストマー性共重合体であり、ジエン化合物と
しては、例えばエチリデンノルボルネン、1,4-ヘキサジ
エン、ジシクロペンタジエン等が挙げられる。このよう
なエチレン−プロピレン−ジエン共重合体は、エチレン
の含有率が59〜70モル%、プロピレンの含有率が29〜40
モル%、及びジエン化合物の含有率が1〜10モル%であ
ることが好ましい。より好ましくは、エチレンが62〜66
モル%、プロピレンが31〜37モル%、及びジエン化合物
が3〜6モル%である。
【0010】EPDMの数平均分子量は40万〜60万が好
ましく、密度は0.87g/cm3 以下が好ましい。更にメル
トインデックス(MI、190 ℃、2.16kg荷重)は、0.1 〜
12.0g/10分が好ましく、より好ましくは0.3 〜5.0 g
/10分である。
【0011】(c) 低密度ポリエチレン系樹脂 本発明に使用する低密度ポリエチレン系樹脂としては、
高圧法によるエチレンの単独重合体(低密度ポリエチレ
ン、LDPE)、またはエチレンを主成分とし、20重量
%以下のビニル系化合物等を含む共重合体、例えばエチ
レン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチ
ル共重合体等が挙げられる。また線状低密度ポリエチレ
ン(LLDPE)であってもよい。
【0012】LDPEの場合、密度は0.935 g/cm3 以下
が好ましく、より好ましくは0.920〜0.925 g/cm3 であ
り、またメルトインデックス(MI、190 ℃、2.16kg荷
重)は0.05〜20 g/10分が好ましく、より好ましくは0.
5 〜5 g/10分である。
【0013】LLDPEの場合、密度は0.935 g/cm3
下が好ましく、より好ましくは0.918 〜0.925 g/cm3
あり、またメルトインデックス(MI、190 ℃、2.16kg荷
重)は0.5 〜10 g/10分が好ましく、より好ましくは0.
8 〜5 g/10分である。
【0014】(d) 変性スチレン系エラストマー 変性スチレン系エラストマーは、例えばスチレン系エラ
ストマーに不飽和カルボン酸又はその誘導体を付加反応
(例えばグラフト化)させることにより得ることができ
る。スチレン系エラストマーとしては、スチレンを主体
とする重合体ブロックとブタジエンやイソプレンを主体
とする重合体ブロックとからなるスチレン−ブタジエン
のブロック共重合体、スチレン−イソプレンのブロック
共重合体、又はこれらのブロック共重合体の水添物が挙
げられる。具体例としては、スチレン−ブタジエン−ス
チレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−エチレ
ン−ブテン−スチレンブロック共重合(SEBS)、ス
チレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SI
S)、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロ
ック共重合体(SEPS)等が挙げられる。これらのう
ちでは、着色や物性の安定性から水素添加物(SEB
S、SEPS)が好ましい。
【0015】スチレン系エラストマーは、スチレンの比
率が30重量%以下とするのが好ましい。例えばスチレン
−ブタジエン−スチレンブロック共重合体を水素添加す
ることにより、スチレン−エチレン−ブテン−スチレン
ブロック共重合体(SEBS)となるが、スチレン
(S)とエチレン−ブテン(EB)との配合比率S/E
Bが30/70以下のものを使用する。他のスチレン系エラ
ストマーにおいても同様である。スチレンの比率が30重
量%(S/EBが30/70)を超えると、得られる伸縮フ
ィルムが硬く、歪みが大きくなる。
【0016】不飽和カルボン酸又はその誘導体として
は、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、アクリル酸、
クロトン酸、エンド−ビ−シクロ-[2,2,1]-5−ヘプテン
-2,3-ジカルボン酸、シス−4−シクロヘキセン−1,2
−ジカルボン酸およびそれらの無水物、イミド化物等が
挙げられるが、無水マレイン酸を使用するのが好まし
い。不飽和カルボン酸又はその誘導体を付加して酸価2
〜15mgCH3 ONa/gとするのが好ましく、より好ま
しくは5〜10mgCH3 ONa/gとする。
【0017】(e) 未変性スチレン系エラストマー 未変性スチレン系エラストマーは、熱可塑性ポリウレタ
ンとの相溶性が悪いので、フィルムの表面にミクロ的な
肌荒れを生じさせ、もってフィルムを重ね合わせたとき
の密着性を減じて、ブロッキング性を改善する作用を有
する。未変性スチレン系エラストマーとしては、上記
(d) に記載したスチレン系エラストマーを使用すること
ができる。この場合、スチレンの比率が30重量%以下の
ものを使用するのが好ましい。
【0018】熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物には、上
記成分の他に、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、無
機充填材等を適宜配合することができる。
【0019】[2] 各成分の配合割合 (a) 熱可塑性ポリウレタン 全量を100 重量%として、熱可塑性ポリウレタンを40〜
60重量%とし、好ましくは45〜55重量%とする。熱可塑
性ポリウレタンの配合量が40重量%未満では、ポリウレ
タンエラストマーの特性が失われ、伸縮柔軟性が悪く、
またポリウレタンの特長である耐摩耗性、耐熱性、機械
的強度等も低い。一方、60重量%を超えると、高速での
ホットメルト接着性が悪くなる。またインフレーション
チューブがブロッキングし易く、両耳スリット後に2枚
に剥がすことが難しくなる。
【0020】(b) エチレン−プロピレン−ジエン共重合
体 全量を100 重量%として、エチレン−プロピレン−ジエ
ン共重合体を10〜30重量%とし、好ましくは15〜25重量
%とする。配合量が10重量%未満では、フィルムの製膜
時の安定性が不十分であり、製品の伸縮柔軟性、ホット
メルト接着性、ゴム弾性(100 %伸縮後のヒステリシス
歪が大きい)等が劣る。一方、30重量%を超えるとイン
フレーションチューブがブロッキングし易く、両耳スリ
ット後に2枚に剥がすのが難しくなる。
【0021】(c) 低密度ポリエチレン系樹脂 全量を100 重量%として、低密度ポリエチレン系樹脂を
10〜30重量%とし、好ましくは15〜25重量%とする。低
密度ポリエチレン系樹脂の配合量が10重量%未満では、
インフレーションチューブがブロッキングし易いため、
両耳スリット後に2枚に剥すことが難しい。一方、30重
量%を超えると、製品の伸縮柔軟性、ホットメルト接着
性、ゴム弾性(100 %伸縮後のヒステリシス歪が大き
い)等が劣るようになる。
【0022】(d) 変性スチレン系エラストマー 全量を100 重量%として、変性スチレン系エラストマー
を10〜30重量%とし、好ましくは10〜25重量%とする。
変性スチレン系エラストマーの配合量が10重量%未満で
は、ホットメルト接着性が劣り、またフィルムの製膜が
難しい。一方、30重量%を超えると、変色したり機械的
強度が低下したりする。
【0023】(e) 未変性スチレン系エラストマー 未変性スチレン系エラストマーは、全量を100 重量%と
して2〜10重量%とし、好ましくは3〜7重量%とす
る。2重量%未満ではホットメルト性向上の効果が得ら
れず、10重量%を超えると製膜性とフィルムの機械的強
度が劣るようになる。
【0024】[3] 製造方法 前記の成分の熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物に、必要
に応じて他の成分を添加し、例えばヘンシェルミキサー
または高速ミキサー等を用いて予めドライブレンドした
後、例えば180 〜230 ℃程度の加熱下、押出機等を用い
て溶融混練して押し出し、ペレット化する。
【0025】フィルムの製造方法としては、通常のポリ
オレフィンフィルム成形方法であるT−ダイ法を使用す
ることができるが、フィルムの縦横の強度バランス及び
薄膜の高速成形性(生産性の向上)等を考慮すると、チ
ューブ状のフィルムを成形する空冷インフレーション成
形法が好ましい。空冷インフレション成形法は、樹脂温
度180 〜230 ℃、ブロー比2.0 〜5.0 で行うのが好まし
い。フィルムの厚さは、各種用途により適宜選択し得る
が、通常100 μm以下が好ましい。より好ましいフィル
ムの厚さは20〜60μmである。フィルム厚さが100 μm
を超えると、フィルムが硬くなり好ましくない。上記の
製膜方法では、例えば空冷インフレーション製膜装置に
よりフィルムを作成し、所定幅にスリットしてシート状
あるいはテープ状の巻取り製品とする。また延伸工程を
経てもよい。
【0026】[4] ブロッキング防止処理 ブロッキング防止処理は、(A) 原反の緩い巻き取り工
程、(B) エージングによる調質工程、(C) 繰り出しの後
のスリット工程、及び(D) 大量巻き取り工程からなる。
以下これらの工程を詳細に説明する。
【0027】(A) 原反巻き取り工程 上記の方法により作成したフィルム(インフレーション
フィルムの場合には両耳をスリットしたフィルム)を原
反として緩く巻き取る。このときの巻取り程度は、表面
からの硬さを60度以下とし、好ましくは20〜50度とす
る。巻取り物の表面からの硬さが60度を超えると、エー
ジングによる収縮で巻きがきつくなりすぎ、ブロッキン
グを起こしやすくなる。
【0028】(B) エージングによる調質工程 次に、巻き取ったフィルム原反をエージングして、約2
〜3%収縮させる。この収縮率を得るために、60℃以
下、好ましくは45℃〜60℃の温度で3時間以上、好まし
くは12〜48時間エージングする。エージング温度が60℃
を超えるとブロッキングが起こりやすくなり、またエー
ジング時間が3時間未満では十分な効果が得られない。
【0029】(C) スリット工程 エージングしたフィルム原反を繰り出したあと、所定の
幅にスリットする。スリット幅としては、例えば3mm以
上とすることができる。 (D) 大量巻き取り工程 調質したスリットフィルムを、巻取り物の表面からの硬
さが75度以下、好ましくは50〜60度となるように、大量
巻きして製品とする。大量巻きしたときの表面からの硬
さが75度を超えると、長期保管時に巻芯部分がブロッキ
ングすることがあるので好ましくない。
【0030】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0031】実施例及び比較例における試験方法は次の
通りである。なお、各測定値はフィルムのMD(縦)方
向について表す。
【0032】(1) 50%伸張時強度:JIS L1096 に準拠
し、下記の機器及び条件で測定した。 使用機器:ストログラフW(東洋精機(株)製) 測定サンプルサイズ:25mm×150 mm チャック間隔:100 mm 引張速度:300 mm/min 測定雰囲気:23℃、50%RH
【0033】(2) 100 %伸張時強度:JIS L1096 に準拠
し、(1) と同じ条件で測定した。
【0034】(3) 破断時強度:JIS L1096 に準拠し、下
記の機器及び条件で測定した。 使用機器:ストログラフW(東洋精機(株)製) 測定サンプルサイズ:25mm×150 mm チャック間隔:50mm 引張速度:300 mm/min 測定雰囲気:23℃、50%RH
【0035】(4) 破断時伸度:JIS L1096 に準拠し、
(3) と同じ条件で測定した。
【0036】(5) 100 %伸張後の1サイクル歪み:JIS
L1096 に準拠し、(1) と同じ条件で測定した。
【0037】(6) ホットメルト接着性:アクリル板(25
mm×150 mm)の長手方向の一端部に25mm×25mmのホット
メルト接着剤を塗布(30 g/m2 )し、その上にサンプ
ルフィルム(25mm×150 mm)を載せ、250 g荷重のゴム
ロールで軽く1回押しつけてアクリル板に貼付し、その
後(1) と同じ条件でストログラフW(東洋精機(株)
製)を使用して180 度剥離試験を行った。
【0038】(7) ヒートシール接着性(最低接着温
度):シリコンゴムシート、サンプルフィルム(200 mm
×200 mm)、サンプルフィルムと同一素材でできたパッ
チ(直径15mm)を下から順に重ねてフロロガラスシート
(厚さ0.09mm)で覆った後、フロロガラスシートの上か
ら3.5 kgの荷重で3秒間アイロンを押しつけフィルムの
温度を測定しながらパッチ及びフィルムを加熱した。そ
の後シリコンゴムシートとフロロガラスを取り除き、試
料のパッチ付きフィルムを用いて、(3) と同じ条件で25
0 %伸張するまで引張試験を行い剥離の発生を調べた。
種々の温度で実験を行い剥離が発生しなかった加熱温度
の最低値を最低接着温度とした。
【0039】(8) ブロッキング度(剥離強度):フィル
ム原反を50mm幅にスリットし、レコード巻き方法で2,00
0 mのフィルムを外径90mmの紙管に巻き取り、直径300
mmの巻きテープを得た。得られた巻きテープを40℃で1
週間放置した後に、紙管の外周から10mm離れた部分のテ
ープの剥離強度を測定した。
【0040】(9) 硬さ:JIS K6301 スプリング式硬さ試
験(C形)に準拠し、ASKER TypeC(KOBUNSHI K
EIKI Co.Ltd.製) を用いて測定した。
【0041】実施例1 アジペート系熱可塑性ポリウレタン(PU、商品名:レ
ザミンP327 、硬さ:85度、軟化温度:187 ℃、大日精
化工業(株)製)48重量%と、エチレン−プロピレン−
ジエン共重合体(EPDM、商品名:ビスタロンV370
8、エクソン化学(株)製)16重量%と、高圧法低密度
ポリエチレン(LDPE、商品名:NUCポリエチレン
NUC−8506、密度0.923 g/cm3 、日本ユニカー(株)
製)12重量%と、無水マレイン酸で変性されたスチレン
−ブタジエン共重合体の水素添加物(変性SEBS、商
品名:タフテックM−1913、S/EB比:30/70、旭化
成工業(株)製)20重量%と、スチレン−ブタジエン−
スチレンブロック共重合体の水素添加物(未変性SEB
S、商品名:タフテックH−1052、旭化成工業(株)
製)4重量%とをヘンシェルミキサーを用いてドライブ
レンドした後、押出機を用いて225 ℃で溶融混練した。
得られた混練樹脂を用いて、空冷インフレーション製膜
装置により、厚さ35μm×折幅1070mm(ブローアップ
比:4.5 )のフィルムを作成し、両耳をスリットしてシ
ート状に巻き取った。この時のフィルムの表面からの硬
さは40度であった。
【0042】巻取った原反を50℃のオーブン中で24時間
エージングすることにより調質した後、細幅スリッター
を用いてスリットして幅50mm×長さ2,000 mのテープを
作製し、レコード巻き状にした。この時のフィルムの表
面からの硬さは50〜60度であった。得られたテープの物
性を前記試験法に従って測定した。測定結果を表1に示
す。
【0043】比較例1 実施例1と同じ熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物を用い
て、実施例1と同様にしてシート状に巻き取った後、原
反を細幅スリッターを用いてスリットし、幅50mm×長さ
2,000 mのテープとして、レコード巻き状にした。この
時のフィルムの表面からの硬さは80度であった。得られ
たテープの物性を実施例1と同様にして測定した。測定
結果を表1に示す。
【0044】比較例2 未変性SEBSを添加するかわりにLDPEを16重量%
とした以外は実施例1と同様にして、シート状に巻き取
った原反を得た。得られた原反を細幅スリッターを用い
てスリットし、幅50mm×長さ2,000 mのテープをレコー
ド巻き状に巻き取った。この時のフィルムの表面からの
硬さは80度であった。得られたテープの物性を実施例1
と同様にして測定した。測定結果を表1に示す。
【0045】比較例3 変性SEBS及び未変性SEBSを配合せず、アジペー
ト系熱可塑性ポリウレタン60重量%、EPDM20重量
%、及びLDPE20重量%とした以外は実施例1と同様
にして、伸縮フィルムを作成し、シート状に巻き取り、
フィルムの物性を測定した。この時のフィルムの表面か
らの硬さは85度であった。測定結果を表1に示す。
【0046】 表1 実施例 比較例 物性 フィルム厚さ(μm) 32 32 32 35 目付(g/m2 ) 27 27 30 36 50%伸張時強度(gf/25mm) 260 270 290 320 100 %伸張時強度(gf/25mm) 320 320 350 370 破断時強度(gf/25mm) 2500 2630 2800 1500 破断時伸度(%) 540 680 650 550 100 %伸張後の歪(%) 6 10 12 15 ホットメルト接着性(gf/25mm) 50 58 35 2 ブロッキング度(gf/25mm) 10 20 40 70
【0047】表1から明らかなように、本発明のブロッ
キング防止方法を適用して製造されたフィルムは、優れ
た耐ブロッキング性を有している。
【0048】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の伸縮フィ
ルムのブロッキング防止法においては、軟巻きした熱可
塑性ポリウレタン樹脂組成物からなる伸縮フィルムの原
反をエージングして、フィルムを若干収縮させた後に、
より高い硬度に大量巻きするので、得られるフィルムは
経時変化による収縮で増し締めすることがなく、優れた
耐ブロッキング性を有する。
【0049】このような本発明の伸縮フィルムのブロッ
キング防止法により得られた伸縮フィルムは、不織布等
とホットメルト貼合し、生理用品のウィング、使い捨て
オムツ等における各種ギャザー等に好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29L 7:00

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物からな
    る伸縮フィルムのブロッキング防止方法であって、(A)
    前記伸縮フィルムの原反を、巻取り物の表面からの硬さ
    (JIS K6301 スプリング硬さ試験(C形)に準拠)が60
    度以下となるように巻き取り、(B) 前記原反の巻取り物
    を60℃以下の温度で3時間以上エージングし、(C) 前記
    原反を繰り出して、所定の幅にスリットし、(D) スリッ
    トした原反を、巻取り物の表面からの硬さが75度以下と
    なるように巻き取る工程からなることを特徴とする方
    法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の熱可塑性ポリウレタン
    樹脂組成物からなる伸縮フィルムのブロッキング防止方
    法において、前記熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物は、
    (a)熱可塑性ポリウレタン40〜60重量%、 (b)エチレン
    −プロピレン−ジエン共重合体10〜30重量%、 (c)低密
    度ポリエチレン系樹脂10〜30重量%、 (d)不飽和カルボ
    ン酸又はその誘導体で変性されたスチレンの比率が30重
    量%以下のスチレン系エラストマー10〜30重量%、及び
    (e) 未変性スチレン系エラストマー2〜10重量%からな
    ることを特徴とする方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009219639A (ja) * 2008-03-14 2009-10-01 Seiren Co Ltd 医療用フィルム基材

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