【発明の詳細な説明】
タイヤ加硫機のアンローダー装置発明の背景
本発明は、タイヤ加硫機（tire vulcanizing machine）のアンローダー装置（
apparatus for unloading tires）に関するものである。
タイヤ加硫機のアンローダー装置は、加硫の完了の後、タイヤをタイヤ加硫機
のモールドから所定の位置、たとえば大抵加硫機のうしろに配置するポストキュ
ア・インフレーター（以下P.C.I.と称する）へ引き出す装置である。
タイヤ加硫機のアンローダーに関するいくつかの公知のタイプのうち、特に、
本発明と関連して加硫機ハウジングの中央に配したスウィングタイプのアンロー
ダーについて言及しておく。
アメリカ特許第4,449,903号に開示されたタイヤ加硫機用のスウィングタイプ
のアンローダーは、部分的にその加硫機の上部モールドが水平方向のスウィング
動作を伴なうことことなくただ垂直方向にだけ上下動作できるようにした新しい
タイプの加硫機が開発されたことと関連して実現したものである。
このスウィングタイプのアンローダーにおける一対のアンローディングブーム
は、ハウジングの前方に配したローディング装置におけるローディングブームと
同じく、ハウジングの中央に固着させられた一対の垂直ガイドロッド上にスライ
ドおよびスウィング可能に装着される。
第２６図および第２７図に示されたように、アメリカ特許第4,449,903号によ
るタイヤ加硫機のアンローダー装置は、基本的に、加硫機のハウジング（101）
に固着させられた、垂直方向に延びた一対のガイドロッド（100）と、駆動手段
により垂直方向に移動できるように前記ガイドロッドにスライド可能なように装
着された共通プレート（102）
と、前記共通プレート（102）と一緒に垂直方向に移動できるようにした、前記
ガイドロッド（100）を中心に回動できる一対のブーム（103）と、前記ブーム（
103）の先端に装着された複数の拡・縮自在の把持ポール（pawl、つめ）（105）
を備えたタイヤ把持手段（104）と、そしてブームの回動量を制限するための可
動量制限手段（106）とを含んでなるか、あるいは、加硫機（201）とP.C.I.（20
2）との間の所定の位置に配され垂直方向に延びたブラケット（203）を介して加
硫機に固着させられた一対のガイドロッド（200）と、加硫機のモールドの中心
とP.C.I.のP.C.I.リング中心との間を回動可能に一端部が前記ガイドロッド（20
0）上にスライド可能にまたは昇降可能に装着された一対のブーム（204）と、そ
して加硫されたタイヤのビード部を把持するために前記ブームの他の端部上に装
着された複数の拡・縮自在の把持ポールを備えたタイヤ把持手段（207）とを含
んで成り立つ。
アメリカ特許第4,449,903号によるアンローダーは、従来１サイクルの加硫工
程で２個の生タイヤを同時に加硫するために加硫機ハウジングの両サイドにそれ
ぞれ別々に設置し、またアンローダーのブームを昇降させるためのアクチュエー
ターが加硫工程の間加硫されたタイヤを昇降させるために各アンローダーごとに
設置されなければならなかった公知のアンローダーに比べて、その設備費および
維持費を節約した面である程度利点を持っている。
しかしながら、アメリカ特許第4,449,903号によるアンローディング・システ
ムには、依然として次にあげるいくつかの短所があることがわかった。
（１）ブームをそのブームと垂直方向に固着したガイドロッド（200）を中心と
して旋回させるための、流体圧シリングー（205），（206）を含むアンローディ
ング・ブーム組立体（assemblies）は、それぞれその流体圧シリングーにより一
度の旋回ストロークの間に３つの位置に止まらなければならない。
すなわち、一つの位置は加硫モールドの中心位置であり、いま一つの位置は待
機位置、そして三番目の位置はP.C.I.上のP.C.I.リング中心位置であって、一つ
の流体圧シリンダーだけではブームの止まらなければならないこれらの位置を正
確に調節することが難しい。従ってこのアンローダー装置は、ブーム（204）を
加硫機のモールドとP.C.I.の間で正確に旋回しまた止まらせるために各ブーム組
立体ごとに少なくとも二つの流体圧シリンダー（205），（206）を備えなければ
ならず、その結果、こうした設備は装置を複雑にし、設備費・維持費を増加させ
る。
（２）P.C.I.は、タイヤ加硫のあとタイヤを空冷する装置としてP.C.I.を使用す
ることにより加硫したタイヤに最終的に生産したいプロフィルを持たせることが
できる。こうした装置を使用しないと、加硫したタイヤはそのタイヤの側壁に対
し何らの支持もない状態で急激な熱の変化により変形することもある。しかし、
最近開発されているローシリーズ・タイヤ（扁平度の低い広幅タイヤ）は、その
側壁の強度がタイヤ・ボデー・プライ（body plies）内に挿入される、熱変形の
ほとんどないナイロンコードのような補強部材の開発およびタイヤトレッド幅の
増加による側壁の相対的縮小によって従来のハイシリーズ・タイヤ（扁平比の高
い狭幅タイヤ）と比べてその強度がはるかに大きくなり、その結果、たとえ加硫
したタイヤをP.C.I.を使用せずにそのまま自然空冷しても側壁に生ずる変形はと
るに足らない。従って、タイヤ材料および設計の発展と関連してP.C.I.が必須の
ものでないとする前提のもとにタイヤ加硫機の新しいアンローダーの開発を要す
る。発明の要約
かくして本発明は上記の諸問題を考慮して案出したものであり、その目的は、
構造が簡単で製造費や維持費を下げることのできるタイヤ加硫機のアンローダー
装置を提供することにある。
本発明の今一つの目的は、P.C.I.をオプションとして作動できるタイヤ加硫機
のアンローダー装置を提供することにある。
上記の目的を達成するため、本発明によるタイヤ加硫機のアンローダー装置は
、
（Ａ）付着プレートによって加硫機ハウジングの中央下部に固着した水平方向に
延びるガイドレールと、
（Ｂ）加硫機モールドの中心と所定の位置の間を水平方向に直線移動できるよう
にするために前記ガイドレール上に装着したブーム組立体と、ここでブーム組立
体は、
（ａ）プレート間に固着した一対の垂直方向に延びるガイドロッドと、
（ｂ）垂直方向に移動可能であるが水平方向には旋回できないように一端が前
記ガイドロッド上にスライド自在に装着された一対のブームと、ここでこれらの
ブームはその間に所定の固定角を形成することによって加硫機に向いているそれ
らのブームの他端間の相互距離が常に加硫機の左右側モールド間の相互距離と同
じように維持され、
（ｃ）前記ブームの他端上に配した複数の拡・縮自在の把持ポールを備えたタ
イヤ把持手段と、そして
（ｄ）前記ブームを前記タイヤ把持手段と共に同時に垂直方向に移動させるた
めの駆動手段と、
を含めて成り立ち、そして、
（Ｃ）前記ブーム組立体を前記ガイドレールに沿って水平方向に移動させるため
の駆動手段と、
を含めて成り立つことを特徴とするタイヤ加硫機のアンローダー装置が提案され
る。
本発明の上記諸目的およびその他の目的、特徴および利点は、本発明の望まし
い諸実施例を示す添付図面と共に添付した特許請求の範囲に対する記述から明白
となろう。図面の簡単な説明
第１図は本発明の第１実施例であるアンローダーの平面図である。
第２図は第１図におけるアンローダーの側面図である。
第３図は第２図のＡ−Ａ線の視点からのブーム組立体の平面図である。
第４図は第２図の矢印Ｂ方向の視点からの正面図であり、水平方向に延びたガ
イドレール、およびブーム組立体を水平方向へ直線移動させるための駆動手段を
示す。
第５図は水平方向に延びたガイドレールの側面図である。
第６図は水平方向に延びたガイドレールおよびブーム組立体を移動させるため
の駆動手段の拡大正面図である。
第７図は本発明によるタイヤ加硫機のアンローダー装置を装着する位置を示す
加硫機ハウジングの正面図である。
第８図は第１ベースプレートの平面図である。
第９図は第８図における第１ベースプレートの正面図である。
第１０〜１２図はそれぞれ連結ブラケットの平面図、側面図および正面図であ
る。
第１３図は第１ベースプレート上に配設された下部プレートの平面図である。
第１４図は第１３図における下部プレートの正面図である。
第１５図は上部プレートの平面図である。
第１６図は第１５図における上部プレートの正面図である。
第１７図は第２ベースプレートの平面図である。
第１８図は第１７図における第２ベースプレートの正面図である。
第１９図はブロッキング・プレートの平面図および正面図である。
第２０図は垂直方向に作動するシリンダーロッドの先端を調節自在に固定する
固定プレートの平面図である。
第２１図は第２０図における固定プレートの正面図である。
第２２図はブーム組立体を水平方向に直線移動させるための本発明の第２実施
例による駆動手段の平面図である。
第２３図は第２２図の矢印Ｃの視点から見たガイドレールおよび連結手段の正
面図である。
第２４図および第２５図は第２３図に示した第２実施例に適用できる、第１ベ
ースプレートを含む駆動プレート組立体の平面図および側面図である。
第２６図はアメリカ特許第4,449,903号によるタイヤ加硫機のローダー装置ま
たはアンローダー装置の平面図である。
第２７図はアメリカ特許第4,449,903号によるまたほかのタイヤ加硫機のロー
ダー装置またはアンローダー装置の平面図である。発明の望ましい態様の説明
第１図ないし第７図から明らかであろうように、加硫機のハウジング（1）に
は、多数のボルト（3）によりその下部中央に付着ブラケットを固着する。端面
形状が実質的に四角パイプ状になっている一対の平行したブラケット（4），（4
）が、その一端部がそれぞれ前記付着ブラケット（2）に熔接されることによっ
て水平方向に延びたレール組立体を装着するための基座（basic seat）をなす。
レール組立体（10）は、多数のボルト（8）によりレール座（7），（7）と共
に前記平行ブラケット（4），（4）上に固定、装着されるリニアーモーション・
ガイドレール（5）と、このガイドレールに対してスライド自在に対をなして嵌
合された二対のベアリング・ブロック（6），（6），（6'），（6'）とを含む。
図面符号（9）は、前記四角形端面の平行ブラケット（4），（4）を支えるため
に前記付着ブラケット（2）上に熔接された補強フィレット（fillets）を表わす
。
ベアリング・ブロック（6），（6），（6'），（6'）上には、多数のボルト（
12），（12）・・によって第１ベースプレート（11）が固定、装着され
る。この第１ベースプレート（11）の拡大平面図および正面図は、第８図および
第９図に示されている。
後述するブーム組立体を含む全ての上部構造は、前記第１ベースプレート上に
装着され、この第１ベースプレートは流体圧シリンダー（13）の作動により前記
ガイドレール（5）に沿って水平方向に直線移動するように構成されている。
ブーム組立体を前記ガイドレール（5）に沿って水平方向に直線移動させるた
めの手段としての流体圧シリンダー（13）は、第６図にはっきり図示したように
、上端部が前記ブラケット（4），（4）に固着したシリンダー支持プレート（14
），（14）によってその中間部分が前記四角端面ブラケット（4），（4）の下部
にピボット可能に装着されている。シリンダー（13）の作動ロッド（15）は、第
２図および第１０図ないし第１２図に図示したように、垂直プレート（16），（
16）および水平プレート（17）を介して前記第１ベースプレート（11）に連絡さ
れていることによって前記第１ベースプレート（11）はシリングー・ロッド（15
）の拡・縮作用により前記ガイドレール（5）に沿って水平方向に直線移動でき
る。
第２図および第６図に示した図面符号（18）は、四角形端面ブラケット（4）
，（4）の自由端上に熔接された塞ぎプレートを表わすものであって、ブラケッ
ト（4），（4）の一体化に寄与し、装置の外観をも良くする。また図面符号（19
）は、前記第１ベースプレート（11）の両側面上に固着させられたほかの塞ぎプ
レートであって、これもまた装置の外観を良くするほか、リニアーモーション・
ベアリング・システム内に埃の詰まるのを防ぐのに寄与する。
次に、第１図および第２図、また第１３図ないし第２１図を参照しながら、ブ
ーム組立体に対して説明する。
前記第１ベースプレート（11）上に固着する下部プレート（20）上には一対の
孔（22），（22）が形成されていて、その一端には支え壁（21）が立
てられる。
前記支え壁（21）は、第２図に示した流体圧シリンダー（33）が装着される上
部プレート（24）を支える。
第１図および第２図に示した一対の垂直に延びたガイドロッド（30），（30）
は前記下部プレート（20）と上部プレート（24）との間に固定保持され、これら
各プレート（20），（24）に形成された孔（22），（22），（26），（26）は前
記垂直ガイドロッド（30），（30）の各両端を固定的に挿着するための座（seat
s）をなす。
第１９図に示した図面符号（25）は、前記垂直ガイドロッドが前記上部プレー
ト（24）の上に抜け出るのを防ぐために、ボルト（27），（27）によって同上部
プレートに固着するストッパーを表わす。
一対のブーム（40），（40）は、その各一端側が一対のスリーブ（31），（31
）を介して前記垂直ガイド上にスライド自在に装着されることによって垂直方向
に昇降する。
本発明にあっては前記各ブーム（40），（40）はただ垂直方向にだけ昇降でき
、前記ガイドロッド（30），（30）を中心に水平方向には旋回できないように構
成され、さらにそれらのブームの間が水平面内で所定の固定角（α）を成すこと
によって、同ブームのタイヤ加硫機の方を向いている自由端間の距離が常にタイ
ヤ加硫機モールド間の距離と同一に維持される点に特に留意せねばならない。
本発明のこうした特徴は、従来の技術、特にアメリカ特許第4,449,903号に開
示されているようなスウィングタイプのアンローダーと決定的に区別されるとこ
ろであり、こうした特徴から本発明によるタイヤ加硫機のアンローダー装置は、
従来、加硫完了のタイヤをモールドから搬出する過程にあって、垂直に延びたガ
イドロッドを旋回の中心にしてブームを回動させるのになくてはならなかった４
つの流体圧シリンダーを全く必要としなくするので、それだけ装置の製造費およ
び維持費を節約するのに大いに役立つ。
第１７図および第１８図はそれぞれ第２ベースプレート（35）の平面図および
その正面図であり、第２ベースプレート上には前記ブーム（40），（40）および
スリーブ（31），（31）が固着させられる。
流体圧シリンダー（33）の作動ロッド（34）の先端が第２０図および第２１図
に示された固定プレート（37）により前記第２ベースプレート（35）上に固着さ
せられていることによって、前記各ブーム（40），（40）はスリーブ（31），（
31）と一緒に流体圧シリンダー（33）の拡・縮作動により上下に昇降する。
前記第２ベースプレート（35）上には前記ガイドロッドを中心に水平方向に旋
回するのを防止するためのストッパー（50）が設けられることによって、前記ブ
ームはその間に固定角（α）を形成する。
前記ストッパー（50）は、各下端部が前記第２ベースプレート上に固定される
一対のポスト（51），（51）と、これらポストの各上端部上に前記ブームがスリ
ーブの外周面に固定された高さと同一の高さに設けられた調整子（52），（52）
とを含む。
前記調整子は、第３図に示すように、一端がブームの各内側面に固着させられ
た捻子棒（53），（53）および捻子棒にそれぞれ対をなして結合された調整ナッ
ト（54）をもっている。こうした構成から良く知られるように、前記ブームの開
角の範囲はナットを締める位置を調整することによって容易にしかも正確に調整
できる。
本発明によるタイヤ加硫機のアンローダー装置は、加硫完了のタイヤを旋回運
動なしに前記ブーム組立体の垂直、水平運動だけでタイヤ加硫機のモールドから
加硫機の外の所定の位置まで運び出すことができるという点で、スウィングタイ
プのアンローダーを含む従来の技術と決定的に異なる。
前記ブーム（40），（40）の各自由端にはそれぞれ多数の把持ポール（61）を
備えたタイヤ把持手段が装着され、前記把持ボールは従来の
技術でと同じく油・空圧シリンダー（60）のような公知のアクチュエーターによ
って拡・縮自在に構成される。
次に、本発明の実施例によるアンローダーのまた別な実施例を第２２図ないし
第２５図を参照しつつ説明する。
図示したように端面形状が実質的に四角形状のパイプである水平方向に延びた
ブラケット（70）がその一端側が前記付着ブラケット（2）に熔接されることに
よって、その上に装着される水平方向のレール組立体（80）の基座（basic seat
s）をなす。
このレール組立体（80）は、前記四角形状のブラケット（70）の両側面上にそ
れぞれ固定、装着された一対のリニアー・モーション・ガイドレール（81）と、
このガイドレール（81）に対をなしてスライド自在に結合される二対のベアリン
グ・ブロック（82），（82），（82'），（82'）を含む。図面符号（83）は、前
記ベアリング・ブロックを装着するために垂直方向に延びて装着された一対のブ
ラケットを表わす。このブラケット（83），（83）は、その上端部が前記第１ベ
ースプレート（11）に固着させられている。図面符号（84）は、前記第１ベース
プレート（11）を支え持ち上げるかたわら前記垂直ブラケット（83），（83）と
前記第１ベースプレート（11）とを一体化するための補強フィレットを表わす。
この第２実施例によるアンローダーの最も主な技術的特徴は、前記ブーム組立
体を水平方向に移動させるためのアクチュエーターとしてダブルシリンダー（90
）を使用する点である。このダブルシリンダーは搭載ブラケット（91），（92）
およびローラー（93），（93）・・により前記四角端面ブラケット（70）の下部
にスライド自在に装着されるのであるが、同ダブルシリングーはその作動ロッド
の拡・縮作動に従って水平方向にスライドする。
前記ダブルシリンダー（90）は、互いに反対方向に延びた２つの作動ロッド（
94），（95）を有し、うち１つの作動ロッド（94）は前記付着ブラケット上に固
着し、他の１つの作動ロッド（95）は前記垂直ブラケッ
ト（83），（83）の前方端部に配した装着ブラケット（85）に固着させられる。
このダブルシリングー（90）はそのストロークを減らすことができるという点で
有益である。
ダブルシリンダー（90）を形成するシリンダー（90A），（90B）は、共通のパ
ワーラインによって互いに連通するようにも構成でき、あるいは独立したパワー
ラインを使用して個別的に作動するように構成することもできる。特に後者の場
合にはP.C.I.がアンローディング・システムの連続工程中の一つとして備えられ
るときに有用であり、これは独立したダブルシリンダーがブーム組立体の前述し
たところのある３つの停止位置を含んでシステムの正確な整列を確保するのに寄
与できるからである。
次に、本発明によるアンローダーを使用したアンローディング作動に対して説
明する。
加硫が完了すると加硫機の上部モールド（図示せず）が圧縮用流体圧シリンダ
ー（図示せず）の作用によって開く。すると、流体圧シリンダー（13）あるいは
（90）は前記各ブーム（40），（40）の各自由端に配したタイヤ把持手段を下部
モールドの中心へと水平に移動させるために伸張し、ついでこのタイヤ把持手段
はシリンダー（60）によって作動するタイヤ把持ポール（61）をしてタイヤの上
部ビードを把持することができるようにするために流体圧シリンダー（33）の作
動に従って下降する。前記ブーム組立体は前記把持ポールを使用して加硫の終っ
たタイヤを把持し、前記流体圧シリンダー（33）および（13）のそれぞれの作動
により上昇したあと所定の位置に後退する。
本発明にあっては、アンローディング・プロセスに直接連結されたP.C.I.が設
けられないため、前記流体圧シリンダー（13）により所定の位置（P）に移送さ
れた加硫済みのタイヤは、傾斜コンベヤ上に設置した一連の転びローラーのよう
な公知の移送手段の上に載せられたあと、次の工程のためにさらに他の所定の位
置へ移送される。
本発明の実施例によるアンローダーは次の利点を有する。
（１）本発明によるタイヤ加硫機のアンローダー装置は、ただ２つの流体圧シリ
ンダー（13），（33）によって作動するため、その構造が従来の装置と比べては
るかに簡単であり、従って生産費・維持費が節減できる。
（２）もし本発明がP.C.I.を採用する場合は、構造を変えることなくただ一つの
ダブルシリンダーだけでその要求条件を満たすことができる。
（３）直線運動は、旋回運動と比べて、システムの作動中システムの正確な整列
を確保するのにはるかに優越する。
上述したところは本発明を図示した実施例との関連の下に記述したものであっ
て、本発明は決して単にこれら記述されたところに局限されるものではなく、本
発明の精神と範囲を変えずになお多様な変更例が得られるものと理解されねばな
らない。
─────────────────────────────────────────────────────
【要約の続き】
組立体を前記ガイドレールに沿って水平方向に移動させ
るための駆動手段とを含んでなることを特徴とする。