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JPH0843620A - カラーフィルター用インク組成物、カラーフィルターおよびその製造方法ならびに液晶パネル - Google Patents

カラーフィルター用インク組成物、カラーフィルターおよびその製造方法ならびに液晶パネル

Info

Publication number
JPH0843620A
JPH0843620A JP17715594A JP17715594A JPH0843620A JP H0843620 A JPH0843620 A JP H0843620A JP 17715594 A JP17715594 A JP 17715594A JP 17715594 A JP17715594 A JP 17715594A JP H0843620 A JPH0843620 A JP H0843620A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink
color filter
divalent
higher valent
liquid crystal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP17715594A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsuhiro Shirota
勝浩 城田
Takeshi Miyazaki
健 宮▲崎▼
Akio Kashiwazaki
昭夫 柏崎
Shoji Shiba
昭二 芝
Hideto Yokoi
英人 横井
Hiroshi Sato
博 佐藤
Takeshi Sakaeda
毅 栄田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP17715594A priority Critical patent/JPH0843620A/ja
Publication of JPH0843620A publication Critical patent/JPH0843620A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Optical Filters (AREA)
  • Liquid Crystal (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 2価以上の無機陽イオンを除去して無機陽イ
オンの合計濃度が100ppm以下としたインク組成物
を調製し、そのインク組成物をインクジェット記録ヘッ
ドで基板上に噴射して着色層を形成するという方法でカ
ラーフィルターを形成し、そのカラーフィルターを用い
て液晶パネルを作製する。 【効果】 光学特性に優れたカラーフィルターを製造
し、そのようなカラーフィルターから画像の鮮明な液晶
パネルを得ることができる

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カラーテレビ、パーソ
ナルコンピュータ、パチンコ遊戯台等に使用されるカラ
ー液晶ディスプレイに好適に使用されるカラーフィルタ
ーに関する。
【0002】
【従来の技術】近年パーソナルコンピュータの発達、特
に携帯用のパーソナルコンピュータの発達に伴い、液晶
ディスプレイ、特にカラー液晶ディスプレイの受容が増
加する傾向にある。しかしながら、さらなる普及のため
にコストダウンが必要であり、特にコスト的に比重の高
いカラーフィルターのコストダウンに対する要求が高ま
っている。
【0003】従来からカラーフィルターの要求特性を満
足しつつ上記要求に堪えるべく種々の方法が試みられて
いるが、全ての要求性能を満足する方法は確立されてい
ないのが現状である。
【0004】以下に、それぞれの方法について説明す
る。
【0005】最も多く用いられる第1の方法は染色法で
ある。染色法は、ガラス基板上に染色用の材料である水
溶性高分子材料に感光剤を添加して感光化し、それをフ
ォトリソグラフィー工程により所望の形状にパターニン
グした後、得られたパターンを染色浴に浸漬し着色パタ
ーンを得る。これを3回繰り返してR(赤色)、G(緑
色)、B(青色)の着色層を形成するものである。
【0006】次に多く用いられている第2の方法は顔料
分散法であり、近年、染色法に取って代わりつつある。
この方法は、まず基板上に顔料を分散した感光性樹脂層
を形成し、それをパターニングすることにより単色のパ
ターンを得る。さらに、その工程をさ3回繰り返すこと
によってR、G、Bの3色の着色層を形成する。
【0007】第3の方法としては電着法がある。この方
法は、まず基板上に透明電極をパターニングする。次
に、顔料、樹脂、電解液等の入った電着塗装液に浸漬
し、第1の色を電着する。この工程を3回繰り返して、
R、G、Bの着色層を形成し、最後に焼成する。
【0008】第4の方法としては、熱硬化性樹脂に顔料
を分散させた塗料を、繰返し印刷により3色R、G、B
に塗り分けた後、着色層である樹脂を加熱硬化させ、着
色層を形成する印刷法がある。
【0009】また、各方法とも着色層の上に保護層を形
成するのが一般的である。
【0010】これらの方法に共通しているのは、R、
G、Bを形成するために同一工程を3回要することであ
り、必然的にコストが高くなる。また、工程が多ければ
多いほど歩留りが低下するという問題もある。
【0011】そこで、着色層形成の工程を減らしてコス
トを低減させる手法としては、特開昭59−75205
号公報、特開昭63−235901号公報、特開平1−
217302号公報、特開平4−123005号公報に
は、インクジェット方式を用いてカラーフィルターを製
造する方法が記載されている。
【0012】これらに記載の方法は前記の方法とは異な
り、R、G、Bの各色素を含有する着色液(以下、イン
クと称する)をフィルター基板にノズルより噴射し、そ
のインクをフィルター基板上で乾燥させて着色層を形成
させるものである。この方法によれば、R、G、Bの各
着色層の形成を一度に行うことができ、さらに、着色液
の使用量にも無駄が生じないため、大幅な生産性向上、
コストダウン等の効果を得ることができる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記の第3
の方法である電着法では、形成可能なパターンが限定さ
れるため、現状の技術ではTFTカラーには適用が困難
である。
【0014】また、第4の方法においては、解像性、平
滑性が悪いという欠点があり、ファインピッチのパター
ンの形成には不向きである。
【0015】さらに、着色剤として顔料が選択される場
合は、着色層形成後に保護膜上にスパッタリングによる
電極形成等を行うことから、耐熱性に優れた着色剤が望
ましいためであり、さらに、実際に液晶パネルに組み込
んで使用すると、長時間バックライトによる光照射を受
けることになることから、一般に染料より耐光性に優れ
た顔料が好ましいためである。
【0016】しかしながら、顔料は染料に比べて粒子性
が高いため、液晶パネルの偏光板を通過してきた偏光を
分散させるため、偏光の解消を起こす(消偏性)という
問題がある。そのため、液晶パネルの光学特性に好まし
くない影響がある。
【0017】また、染料を着色剤として用いても、形成
した着色層において染料が微粒子化(顔料化)して、同
様に消偏性が問題となる場合がある。
【0018】また、インクジェット方式で着色層形成を
行う場合に、使用するインク中でそのような微粒子形成
が生じると、インクジェットヘッドの目詰まりの原因と
なったり、特に熱エネルギーを利用してインク滴を飛翔
させるタイプのインクジェット方式の場合にはヘッドの
コゲなどの問題が生じる原因となる。
【0019】このように、従来の技術では、カラーフィ
ルターに求められる全ての性能を満足する形でカラーフ
ィルターを形成する方法は確立されていないのが現状で
ある。
【0020】そこで本発明の目的は、上記のような微粒
子化を起こさないカラーフィルター用インク組成物を提
供し、着色層形成にコスト的に有利なインクジェット方
式を用いて光学特性に優れたカラーフィルターを製造す
る方法を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明は、インク中の染
料の微粒子化が、2価以上の陽イオンの存在下に染料が
レーキ化を起こすことで生じるという知見に基づいて達
成されたものである。
【0022】すなわち本発明は、カラーフィルターの着
色層の着色に用いられるカラーフィルター用インク組成
物であって、着色剤として染料を含有し、2価以上の無
機陽イオンが合計濃度100ppm以下まで除去された
カラーフィルター用インク組成物を提供する。
【0023】さらに本発明は、それぞれ赤色、緑色およ
び青色のインク組成物を吐出するインクジェット記録ヘ
ッドの3種のノズルから基板上の所定の位置に該インク
組成物を噴射して、赤色着色層、緑色着色層および青色
着色層の順に3種の着色層が配列されてなる画素を形成
・配列するカラーフィルターの製造方法において、着色
剤として染料を含有し、2価以上の無機陽イオンを除去
して無機陽イオンの合計濃度が100ppm以下とした
インク組成物を調製し、該インク組成物をインクジェッ
ト記録ヘッドで噴射することを特徴とするカラーフィル
ターの製造方法、その方法で得られるカラーフィルター
ならびにそのカラーフィルターを組み込んだ液晶パネル
を提供する。
【0024】通常、インク組成物には種々の原因によ
り、Ca2+、Mg2+、Fe3+などの2価以上の陽イオン
が混入する。そのインク中に水溶性色素である染料分子
があると、それらイオンとレーキ化を起こして沈殿物を
生成する(顔料化)。
【0025】そこで本発明のカラーフィルター用インク
においては、その中に含有される2価以上(多価)の陽
イオン濃度を一定レベル以下として、少なくともカラー
フィルターの光学特性に悪影響を与えない程度に、顔料
化を防止する。
【0026】理想的には、そのような多価陽イオン濃度
はゼロであることが望ましいが、カラーフィルターの光
学特性に悪影響を与えないレベルとして、少なくとも1
00ppm以下とし、実用的な観点からすると0.05
〜100ppmの範囲とする。
【0027】インク中の多価陽イオンを測定する方法と
しては、誘導プラズマ発光分析法、原子吸光法などの一
般的方法を用いることができる。
【0028】消偏特性の測定法としては種々あるが、例
えば図3に示したような装置を用いて測定することがで
きる。すなわち、この図において、2枚の偏光フィルタ
を互いに光軸が直交あるいは平行になるように配置し、
その偏光フィルタの間あるいは外側に試料を置いて、図
のように光源から出た光を2枚の偏光フィルタと試料を
通過させて受光部にて受ける。
【0029】消偏特性は下記式により算出することがで
きる。
【0030】
【数1】Pf = (Tp1/Tv1)/(Tp2/Tv2) 上記式において、Pfは消偏特性、Tp1は試料が2枚の
偏光フィルタの間にある場合の偏光フィルタ平行時の透
過率、Tv1は試料が2枚の偏光フィルタの間にある場合
の偏光フィルタ直交時の透過率、Tp2は試料が2枚の偏
光フィルタの外側にある場合の偏光フィルタ平行時の透
過率、Tv2は試料が2枚の偏光フィルタの外側にある場
合の偏光フィルタ直交時の透過率を表す。
【0031】次に、インク中の多価陽イオンを除去して
本発明のカラーフィルター用インクを得る方法として
は、イオン交換樹脂法、限外濾過法、逆浸透膜法などが
ある。
【0032】そのうち、限外濾過法の1例を挙げると、
染料(10重量部)とイオン交換水(90重量部)容器
中で十分混合溶解した後、ポリオレフィン製限外濾過膜
(例えば、NTU−2006:日東電工(株)製)を用
い、排出される濾液の量だけイオン交換水を補給するこ
とによって精製を行う方法などがある。
【0033】次に、イオン交換樹脂法の例を挙げると、
染料をおよそ5重量%となるように純水に溶解させ、平
均孔径1μmのテフロン(商標名、デュポン社)製フィ
ルターで濾過して濾液を取り出す。得られた濾液を住友
化学工業(株)製陽イオン交換樹脂「C−464」の層
を通過させる。
【0034】逆浸透法は、例えばポリアミド系逆浸透膜
モジュールSU−2105(東レ製)を用い、上記の限
外濾過法の場合と同様の手順で行う。
【0035】図1に、本発明に係る液晶用カラーフィル
ターの構成の1例を示した。本図において、11は透明
基板、12は金属や黒レジストなどからなるブラックマ
トリクス、13はインク受容層、14はインクジェット
記録ヘッド、15は着色液(インク)、16は保護層で
ある。
【0036】図1のフィルターにおける透明基板11と
しては、一般にガラスが用いられるが、液晶用カラーフ
ィルターとしての透明性、機械的強度等の必要特性を有
するものであればプラスチックなどでもよく、ガラス基
板に限定されるものではない。
【0037】着色液は、インクジェット記録ヘッド14
から液滴を噴射して記録を行うインクジェット法によっ
て透明基板11上に吐出され、乾燥によってそれぞれの
着色層を形成する。その場合、着色液を受容する受容層
としてさらに着色液の定着性向上を目的として、着色部
分に予めインク吸収性の樹脂などからなる受容層13を
設けておいてもよい。
【0038】基板および/または受容層に用いるインク
吸収性の樹脂としては、ポリビニルアルコール、ポリビ
ニルピロリドン、ポリビニルアセタール、ポリウレタ
ン、カルボキシメチルセルロース、ポリエステル、ポリ
アクリル酸(エステル)、ヒドロキシエチルセルロー
ス、ヒドロキシプロピルセルロース、メラミン樹脂、あ
るいはそれらの変性物等の合成樹脂、また、アルブミ
ン、ゼラチンカゼイン、でんぷん、カチオン化でんぷ
ん、アラビアゴム、アルギン酸ソーダ等の天然樹脂を挙
げることができるが、これらに限定されるものではな
い。これらの中では特に、ヒドロキシプロピルセルロー
ス等のセルロース類が好ましく用いられる。そしてこれ
らを複数同時に用いることもできる。
【0039】また、これらの化合物の薄膜をインク付着
面に形成させるには、スピンコート、ロールコート、バ
ーコート、スプレーコート、ディップコートなどの方法
を用いることができる。
【0040】R、G、Bの着色部位の形成に使用される
インク中に含有される着色剤(色材)としては、従来の
インクジェット記録法で用いられてきた各種の染料が用
いられる。
【0041】また、本発明のカラーフィルターにおける
ブラックマトリクスの形成方法としては、基板上に直接
設ける場合はスパッタまたは蒸着により金属薄膜を形成
し、フォトリソ工程によりパターニングする方法を、ま
た、樹脂組成物上に設ける場合は、一般的なフォトリソ
工程によるパターニングの方法が挙げられるが、これら
に限定されるものではない。
【0042】着色層を形成した透明基板または受容層上
には、必要に応じて保護層6を形成してもよい。その保
護層としては、光硬化タイプ、熱硬化タイプあるいは光
熱併用タイプの樹脂材料、蒸着やスパッタ等によって形
成される無機膜などを用いることができ、カラーフィル
ターとした場合の透明性を有し、配向膜形成プロセス等
に耐え得るものであれば使用可能である。
【0043】次に、本発明のカラーフィルターを用いた
液晶表示装置の液晶パネルの例(TFTカラー液晶パネ
ル)を図2に示す。
【0044】本図において、21は偏光板、22はガラ
スなどの透明基板、23はブラックマトリクス、24は
インク受容層、25は保護層、26は共通電極、28は
液晶化合物、31はカラーフィルター、27は配向膜、
29は画素電極、32は対向基板、30はバックライト
光である。
【0045】カラー液晶パネルは一般に、カラーフィル
ター31と対向基板32とを合わせ込み、その間に液晶
化合物28を封入することにより形成される。液晶パネ
ルの一方の基板の内側には、TFT(不図示)と透明な
画素電極29がマトリクス状に形成されている。また、
もう一方の基板の内側には、画素電極29に対向する位
置にカラーフィルター31が設置され、その上に透明な
(対向)共通電極26が一面に形成されている。
【0046】さらに、両基板上の内側には配向膜33が
形成されており、これをラビング処理することによって
液晶分子を一定方向に配列させることができる。また、
それぞれの基板の外側には偏光板21が接着されてお
り、液晶化合物28は、これらの基板の間隙(2〜5μ
m程度)に充填される。また、バックライトとしては、
蛍光灯と散乱板(両者とも不図示)の組み合わせが一般
に用いられており、液晶化合物をバックライト光30の
透過率を変化させる光シャッターとして機能させること
により表示を行う。
【0047】本発明のカラーフィルターを形成する際に
用いるインクジェット記録ヘッドとしては、特にインク
ジェット方式の中でも熱エネルギーを利用して飛翔液滴
を形成し、記録を行うインクジェット方式の記録ヘッド
が好ましい。
【0048】そのインクジェット記録ヘッドの代表的な
構成や原理については、例えば、米国特許第47231
29号明細書、同第4740796号明細書に開示され
ている基本的な原理を用いて行うものが好ましい。この
方式はいわゆるオンデマンド型、コンティニュアス型の
いずれにも適用可能であるが、特に、オンデマンド型の
場合には、液体(インク)が保持されているシートや液
路に対応して配置されている電気熱変換体に、記録情報
に対応していて核沸騰を越える急速な温度上昇を与える
少なくとも一つの駆動信号を印加することによって、電
気熱変換体に熱エネルギーを発生せしめ、記録ヘッドの
熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結果的にこの駆動信号
に一対一で対応した液体(インク)内の気泡を形成でき
るので有効である。この気泡の成長、収縮により吐出用
開口を介して液体(インク)を吐出させて、少なくとも
一つの滴を形成する。この駆動信号をパルス形状とする
と、即時適切に気泡の成長収縮が行われるので、特に応
答性に優れた液体(インク)の吐出が達成でき、より好
ましい。
【0049】このパルス形状の駆動信号としては、米国
特許第4463359号明細書、同第4345262号
明細書に記載されているようなものが適している。な
お、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許
第4313124号明細書に記載されている条件を採用
すると、さらに優れた記録を行うことができる。
【0050】インクジェット記録ヘッドの構成として
は、上述の各明細書に開示されているような吐出口、液
路、電気熱変換体の組み合わせ構成(直線状液流路また
は直角液流路)の他に、熱作用部が屈曲する領域に配置
されている構成を開示する米国特許第4558333号
明細書、米国特許第4459600号明細書を用いたも
のとしてもよい。
【0051】加えて、複数の電気熱変換体に対して、共
通するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開
示する特開昭59−123670号公報や熱エネルギー
の圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開
示する特開昭59−138461号公報に基づいた構成
としてもよい。
【0052】さらに、記録装置が記録できる最大記録媒
体の幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録
ヘッドとしては、上述した明細書に開示されているよう
な複数記録ヘッドの組み合わせによってその長さを満た
す構成や、一体的に形成された1個の記録ヘッドとして
の構成のいずれでもよい。
【0053】加えて、装置本体に装着されることで、装
置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給
が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッド、あ
るいは記録ヘッド自体に一体的にインクタンクが設けら
れたカートリッジタイプの記録ヘッドを用いてもよい。
【0054】また、記録装置の構成として設けられる、
インクジェット記録ヘッドに対しての回復手段、予備的
な補助手段等を付加することは記録ヘッドによるインク
吐出を一層安定できるので好ましいものである。これら
を具体的に挙げれば、記録ヘッドに対してのキャッピン
グ手段、クリーニング手段、加圧あるいは吸引手段、電
気熱変換体あるいはこれとは別の加熱素子あるいはこれ
らの組み合わせによる予備加熱手段、記録とは別の吐出
を行う予備吐出モードを行うことも安定した記録を行う
ために有効である。
【0055】また本発明の製造方法において使用するイ
ンクとしては、常温で液体のものに限らず、室温やそれ
以下で固化するインクであって、室温で軟化するもの、
もしくは液体であるもの、あるいは上述のインクジェッ
ト方式ではインク自体を30℃以上70℃以下の範囲内
で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にある
ように温度制御するものが一般的であるから、使用記録
信号付与時にインクが液状をなすものであればよい。
【0056】加えて、積極的に熱エネルギーによる昇温
をインクの固形状態から液体状態への状態変化のエネル
ギーとして使用せしめることで防止するか、またはイン
クの蒸発防止を目的として放置状態で固化するインクを
用いるかして、いずれにしても熱エネルギーの記録信号
に応じた付与によってインクが液化し、液状インクとし
て吐出するものや、基板に到達する時点では既に固化し
始めるもの等のような、熱エネルギーによって初めて液
化する性質のインクの使用も本発明には適用可能であ
る。このような場合インクは、特開昭54−56847
号公報あるいは特開昭60−71260号公報に記載さ
れるような、多孔質シート凹部または貫通孔に液状また
は固形物として保持された状態で、電気熱変換体に対し
て対向するような形態としてもよい。本発明において
は、上述した各インクに対して最も有効なものは、上述
した膜沸騰方式を実行するものである。
【0057】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
する。
【0058】(実施例1)60μm×150μmの大き
さの光透過部を有するブラックマトリクスを有するブラ
ックマトリクスを備えたガラス基板上にインク受容層と
して、ヒドロキシプロピルセルロースHPC−H(日本
曹達製)およびメチロール化メラミンM−3(住友化学
製)の混合物からなる樹脂組成物をスピンコートし、9
0℃、10分間のプリベークを行った。
【0059】次いで、インクジェットプリンターを用い
て、下記処方のインクにより幅80μmのストライプ状
着色部を形成した。
【0060】次に、230℃、1時間のベーキングを行
ったのち、その上に2液型の熱硬化型樹脂材料を膜厚1
μmとなるようにスピンコートし、250℃、30分間
の熱処理を行って硬化させることにより、液晶用カラー
フィルターを作成した。
【0061】インク処方 エチレングリコール 20% イソプロピルアルコール 5% 下記の各R、G、B染料 3% 水 72% R(赤色)染料:C.I.アシッドレッド35/アシッ
ドイエロー23の混色 G(緑色)染料:C.I.アシッドブルー9/アシッド
イエロー23の混色 B(青色)染料:C.I.アシッドブルー9/アシッド
レッド35の混色 上記染料は、限外濾過法とイオン交換樹脂法の併用(限
外濾過法が先)にて精製したものを用い、ICPにて測
定したインク中の2価以上の無機陽イオン合計濃度は、
R染料、G染料、B染料でそれぞれ5.0ppm、3.
8ppm、2.5ppmであった。
【0062】このようにして作製した液晶用カラーフィ
ルターを光学顕微鏡で観察したところ、R、G、Bの各
着色部における偏光解消等の障害は全く観察されなかっ
た。
【0063】また、得られたカラーフィルターを用い
て、ITOおよび配向膜の形成、液晶材料の封入等の一
連の作業を行い、図2に示すようなカラー液晶パネルを
作製した。このようにして作製されたカラー液晶パネル
を用いて種々の画像パターンをパネル上に形成し、画像
の鮮明度を評価したが、良好な結果が得られた。特に、
画像鮮明度に優れていた。
【0064】(実施例2)50μm×130μmの大き
さの光透過部を有するブラックマトリクスを有するブラ
ックマトリクスを備えたガラス基板上にインク受容層と
して、ヒドロキシプロピルセルロースHPC−H(日本
曹達製)およびメチロール化メラミンM−3(住友化学
製)の混合物からなる樹脂組成物をスピンコートし、9
0℃、15分間のプリベークを行った。
【0065】次いで、インクジェットプリンターを用い
て、下記処方のインクにより幅60μmのストライプ状
着色部を形成した。
【0066】次に、230℃、1時間のベーキングを行
ったのち、その上に2液型の熱硬化型樹脂材料を膜厚1
μmとなるようにスピンコートし、250℃、30分間
の熱処理を行って硬化させることにより、液晶用カラー
フィルターを作成した。
【0067】インク処方 エチレングリコール 20% ジエチレングリコール 2% エチルアルコール 2% 下記の各R、G、B染料 各2.5% 水 73.5% R(赤色)染料:C.I.アシッドレッド35/アシッ
ドイエロー23の混色 G(緑色)染料:C.I.アシッドブルー9/アシッド
イエロー23の混色 B(青色)染料:C.I.アシッドブルー9/アシッド
レッド35の混色 上記染料は、逆浸透法にて精製したものを用い、ICP
にて測定したインク中の2価以上の無機陽イオン合計濃
度は、R染料、G染料、B染料でそれぞれ53.0pp
m、71.5ppm、97.3ppmであった。
【0068】このようにして作製した液晶用カラーフィ
ルターを光学顕微鏡で観察したところ、R、G、Bの各
着色部における偏光解消等の障害は観察されなかった。
【0069】また、得られたカラーフィルターを用い
て、ITOおよび配向膜の形成、液晶材料の封入等の一
連の作業を行い、図2に示すようなカラー液晶パネルを
作製した。このようにして作製されたカラー液晶パネル
を用いて種々の画像パターンをパネル上に形成し、画像
の鮮明度を評価したが、良好な結果が得られた。
【0070】(比較例1)実施例1で使用した染料と同
一のものを精製せずにインク調製に用いた以外は実施例
1と同様にして、カラーフィルターおよびそのカラーフ
ィルターを用いた液晶パネルを作製した。
【0071】このようにして得られた液晶パネルを介し
て得られた画像は、白ぬけが多く発生し、コントラスト
の低い、鮮明性の悪いものであった。
【0072】なお、この場合のR、G、Bの各インク中
の2価以上の陽イオンの合計濃度をICPを用いて測定
したところ、下記のようであった。
【0073】R(赤色)インク:121ppm G(緑色)インク:153ppm B(青色)インク:109ppm (比較例2)実施例2で使用した染料と同一のものを精
製せずにインク調製に用いた以外は実施例2と同様にし
て、カラーフィルターおよびそのカラーフィルターを用
いた液晶パネルを作製した。
【0074】このようにして得られた液晶パネルを介し
て得られた画像は、白ぬけが多く発生し、コントラスト
の低い、鮮明性の悪いものであった。
【0075】なお、この場合のR、G、Bの各インク中
の2価以上の陽イオンの合計濃度をICPを用いて測定
したところ、下記のようであった。
【0076】R(赤色)インク:205ppm G(緑色)インク:350ppm B(青色)インク:291ppm
【0077】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明により、微粒
子化を起こさないカラーフィルター用インク組成物を得
て、光学特性に優れたカラーフィルターを製造し、その
ようなカラーフィルターから画像の鮮明な液晶パネルを
得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】インクジェット方式によるカラーフィルターの
製造工程を示す工程図である。
【図2】液晶パネルの構成を示す模式的断面図である。
【図3】消偏特性の測定法の1例を示す模式図である。
【符号の説明】
11 透明基板 12 ブラックマトリクス 13 インク受容層 14 インクジェット記録ヘッド 15 着色液(インク) 16 保護層 21 偏光板 22 透明基板 23 ブラックマトリクス 24 インク受容層 25 保護層 26 共通電極 27 配向膜 28 液晶化合物 29 画素電極 30 バックライト光 31 カラーフィルター 32 対向基板 33 配向膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 芝 昭二 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 横井 英人 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 佐藤 博 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 栄田 毅 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カラーフィルターの着色層の着色に用い
    られるカラーフィルター用インク組成物であって、着色
    剤として染料を含有し、2価以上の無機陽イオンが合計
    濃度100ppm以下まで除去されたカラーフィルター
    用インク組成物。
  2. 【請求項2】 2価以上の無機陽イオンの除去方法が、
    イオン交換樹脂法である請求項1記載の組成物。
  3. 【請求項3】 2価以上の無機陽イオンの除去方法が、
    限外濾過法である請求項1記載の組成物。
  4. 【請求項4】 2価以上の無機陽イオンの除去方法が、
    逆浸透膜法である請求項1記載の組成物。
  5. 【請求項5】 2価以上の無機陽イオンの合計濃度が
    0.05ppm〜100ppmである請求項1ないし4
    のいずれか1項に記載の組成物。
  6. 【請求項6】 それぞれ赤色、緑色および青色のインク
    組成物を吐出するインクジェット記録ヘッドの3種のノ
    ズルから基板上の所定の位置に該インク組成物を噴射し
    て、赤色着色層、緑色着色層および青色着色層の順に3
    種の着色層が配列されてなる画素を形成・配列するカラ
    ーフィルターの製造方法において、着色剤として染料を
    含有し、2価以上の無機陽イオンを除去して無機陽イオ
    ンの合計濃度が100ppm以下としたインク組成物を
    調製し、該インク組成物をインクジェット記録ヘッドで
    噴射することを特徴とするカラーフィルターの製造方
    法。
  7. 【請求項7】 2価以上の無機陽イオンの除去方法が、
    イオン交換樹脂法である請求項6記載の方法。
  8. 【請求項8】 2価以上の無機陽イオンの除去方法が、
    限外濾過法である請求項6記載の方法。
  9. 【請求項9】 2価以上の無機陽イオンの除去方法が、
    逆浸透膜法である請求項6記載の方法。
  10. 【請求項10】 2価以上の無機陽イオンの合計濃度が
    0.05〜100ppmである請求項6ないし9のいず
    れか1項に記載の方法。
  11. 【請求項11】 請求項6ないし10のいずれか1項に
    記載の方法を用いて製造されるカラーフィルター。
  12. 【請求項12】 請求11記載のカラーフィルターと該
    カラーフィルターに対向する位置に基板を有し、両基板
    間に液晶化合物が封入されてなる液晶パネル。
JP17715594A 1994-07-28 1994-07-28 カラーフィルター用インク組成物、カラーフィルターおよびその製造方法ならびに液晶パネル Pending JPH0843620A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001354869A (ja) * 2000-04-04 2001-12-25 Bayer Ag 液晶ディスプレーのカラーフィルターに入れる有機顔料
JP2004309537A (ja) * 2003-04-02 2004-11-04 Toyo Ink Mfg Co Ltd カラーフィルタ用着色組成物およびカラーフィルタ
JP2006143768A (ja) * 2004-11-16 2006-06-08 Hitachi Chem Co Ltd 熱硬化性樹脂組成物、プリプレグ、積層板及びプリント配線板

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