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JPH0837604A - 画像処理装置 - Google Patents

画像処理装置

Info

Publication number
JPH0837604A
JPH0837604A JP7114939A JP11493995A JPH0837604A JP H0837604 A JPH0837604 A JP H0837604A JP 7114939 A JP7114939 A JP 7114939A JP 11493995 A JP11493995 A JP 11493995A JP H0837604 A JPH0837604 A JP H0837604A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
image
color
unit
data
conversion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP7114939A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuhiro Atono
和弘 後野
Hideki Tanaka
秀樹 田中
Tetsuo Nonami
徹緒 野波
Hiroichi Nishimura
博一 西村
Kazunari Nakamura
一成 中村
Yoshitaka Miyoshi
義孝 三好
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Olympus Optical Co Ltd filed Critical Olympus Optical Co Ltd
Priority to JP7114939A priority Critical patent/JPH0837604A/ja
Publication of JPH0837604A publication Critical patent/JPH0837604A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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  • Facsimile Image Signal Circuits (AREA)
  • Color Image Communication Systems (AREA)
  • Controls And Circuits For Display Device (AREA)
  • Endoscopes (AREA)
  • Closed-Circuit Television Systems (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 撮像手段からの映像信号を入力する画像表示
手段に再現された画像の色と、画像記録再生手段により
再現される画像の色の差を測色的に改善し、鮮鋭感の差
をMTFの差に於いて改善する。 【構成】 画像処理装置3は、処理を実行する中央処理
装置40と、処理によるデータ等の格納を行う主記憶装
置42と、画像データを入力する画像入力I/F43
と、画像処理されたデータを記憶する外部記憶装置44
と、内視鏡画像を記録する内視鏡画像記録装置と接続さ
れデータの入出力を行う画像記録装置I/F46とを備
え、中央処理装置40の画像処理部47は、画像記録装
置により再現される画像の色が観察用モニタ8に表示さ
れる画像の色と一致するように色変換を行う色変換部と
内視鏡画像記録装置により再現される画像の鮮鋭感補正
を行う鮮鋭感補正部等からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、撮像手段により被写体
を撮像して得られた画像信号を画像記録再生装置に記録
する場合に、画像記録再生装置で再現される画像の画質
を改善する画像処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より管腔内に挿入する細長な挿入部
を備え、この挿入部の先端の被写体を撮像し、被写体画
像をモニタに表示し、観察、治療する電子内視鏡が広く
用いられている。
【0003】この電子内視鏡により撮像された電子内視
鏡画像を記録するための画像記録装置があり、例えば内
視鏡画像を記録するビデオプリンタ、又は画像記録装置
内に内蔵したCRT上に再現された内視鏡画像を撮影し
フィルム画像として記録するフィルムレコーダ等が使わ
れていた。
【0004】そして、従来例にあっては、ビデオプリン
タ又はフィルムレコーダ等多様な画像記録装置が使われ
ている一方で、作業者は通常、電子内視鏡に接続された
モニタに再現された内視鏡画像を観察している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、作業者
が通常観察している内視鏡画像の色、又は鮮鋭感と、多
様な画像記録装置で再現される色、又は鮮鋭感の間に
は、多様な画像記録装置に於ける画像再現過程の違いに
より、人間が知覚する色の差(色差)、又は鮮鋭感の差
が発生する。この色差、又は鮮鋭感の差によって、作業
者は画像記録装置により再現される画像に違和感を感じ
ることがあった。
【0006】又、以上のような色差を測色的に改善し、
画像記録装置による周波数伝達特性(以下、MTF)の
劣化を改善したとしても、モニタに再現された内視鏡画
像に対する作業者の記憶等によって、作業者が所望する
色と鮮鋭感が、測色的に色差を改善し、MTFの劣化を
改善した結果とは異なる場合もある。このような場合、
作業者が所望する色、又は鮮鋭感を得るため画質調整を
行うが、画像記録装置に入力される複数の映像信号は電
子内視鏡に依存した色空間であって、人間の知覚色を表
す知覚色空間でないこと、又画像記録装置の画像再現過
程が複雑であることから、作業者が複数の映像信号を調
整して所望の色、及び鮮鋭感を再現するのは容易ではな
かった。
【0007】さらに、特に内視鏡画像のように、色分布
に特徴がある画像で、微妙な色調の変化の再現を必要と
する分野については、補正対象となる画像の色分布に関
して集中的により高精度の補正及び微妙な調整が必要で
ある。近年では、色差の補正を行う汎用装置が提案され
ているが、風景や人物像等、広範囲の色に関して平均的
に画質を改善する装置であり、内視鏡画像に求められて
いる高精度な補正、及び微妙な調整は十分であるとは言
い難い。
【0008】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
であり、撮像装置からの映像信号を入力するモニタに再
現された画像の色と、画像記録装置により再現される画
像の色の差を測色的に改善し、又はモニタに再現された
画像の鮮鋭感と、画像記録装置により再現される画像の
鮮鋭感の差をMTFの差に於いて改善する画像処理装置
の提供を目的とする。
【0009】又、モニタに再現された画像に対する作業
者の記憶、観察条件等によって、作業者が目標とする画
質が、測色的に色差が改善され、又は鮮鋭感が補正され
た結果から変動した場合にも、作業者が目標とする好ま
しい色、又は好ましい鮮鋭感を再現することを可能にす
る画像処理装置の提供を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明の画像処
理装置は、被写体を撮像して画像信号を出力する撮像手
段と、前記撮像手段の出力する画像信号を記録媒体に記
録する画像記録手段と、前記撮像手段から出力される画
像信号が入力されて前記被写体の画像を表示する画像表
示手段とを備えた画像処理装置において、前記撮像手段
から出力された画像信号に基づき前記画像表示手段に表
示される画像と、前記画像記録手段から得られた画像と
の画質を等価にする画像処理データに基づき、前記撮像
手段から出力される画像信号を処理する画像信号処理手
段を備え、画像信号処理手段が、前記撮像手段から出力
された画像信号に基づき前記画像表示手段に表示される
画像と、前記画像記録手段から得られた画像との画質を
等価にする画像処理データに基づき、前記撮像手段から
出力される画像信号を処理することで、撮像手段からの
映像信号を入力する画像表示手段に再現された画像の色
と、画像記録手段により再現される画像の色の差を測色
的に改善し、又は表示手段に再現された画像の鮮鋭感と
画像記録手段により再現される画像の鮮鋭感の差をMT
Fの差に於いて改善することを可能にすると共に、画像
表示手段に再現された画像に対する作業者の記憶等によ
って、作業者が目標とする画質が、測色的に色差が改善
され、又は鮮鋭感が補正された結果から変動した場合に
も、作業者が目標とする好ましい色、又は好ましい鮮鋭
感を再現することを可能にするを可能とする。
【0011】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。
【0012】図1ないし図11は本発明の第1実施例に
係り、図1は第1実施例の画像処理装置を備えた内視鏡
システムの構成を示す構成図、図2は図1の内視鏡シス
テムの詳細な構成を示すブロック構成図、図3は図1の
画像処理装置の構成を示す構成図、図4は図3の中央処
理装置の画像処理部のソフトウエアの構成を示すソフト
ウエア構成図、図5は図4の色変換部のソフトウエアの
構成を示すソフトウエア構成図、図6は図4の色変換部
の処理の流れを説明するフローチャート、図7は図4の
色変換部で使用されるCIE1976(L***)色
空間に於ける一般的な内視鏡画像の色分布を説明する概
念図、図8は図4の鮮鋭感補正部のソフトウエアの構成
を示すソフトウエア構成図、図9は図4の鮮鋭感補正部
による鮮鋭感補正の概念を説明する説明図、図10は図
4の鮮鋭感補正部の処理の流れを説明するフローチャー
ト、図11は図4の鮮鋭感補正部による鮮鋭感補正を説
明する説明図である。
【0013】図1に示すように、内視鏡システム1は、
被写体を撮像する撮像部を備えた電子内視鏡装置2(撮
像手段)と、撮像された内視鏡画像に対して色変換処理
及び/又は鮮鋭感補正処理を行う画像処理装置3(画像
信号処理手段)と、内視鏡画像を記録する内視鏡画像記
録装置4(画像記録再生手段)から構成される。
【0014】電子内視鏡装置2は、被写体を撮像する撮
像手段である電子内視鏡6と、この電子内視鏡6に照明
光を供給する光源部7A及び撮像手段に対する信号処理
を行う信号処理部7Bを内蔵した観察装置7と、この観
察装置7から出力される画像信号を表示する観察用モニ
タ8(画像表示手段)とから構成される。
【0015】上記電子内視鏡6は生体9内に挿入される
細長の挿入部11と、この挿入部11の後端に形成され
た操作部12と、この操作部12から延出されたユニバ
ーサルケーブル13とから構成され、このユニバーサル
ケーブル13の先端に設けたコネクタ14を観察装置7
に接続することができる。
【0016】上記挿入部11内にはライトガイド15が
挿通され(図1の円内の電子内視鏡6の先端拡大図参
照)、コネクタ14を観察装置7に接続することによ
り、光源部7Aから照明光が入射端面に供給される。そ
して照明光がライトガイド15によって伝送され、電子
内視鏡6の先端部16側の端面から前方に出射され、生
体9内の対象部位を照明する。この照明された対象部位
は先端部16に設けた対物レンズ17によってその結像
位置に配置されたCCD18に結像され、光電変換され
る。この対物レンズ17とCCD18とで撮像手段とし
ての撮像部19を形成する。
【0017】上記CCD18で光電変換された画像信号
は、観察装置7内の信号処理部7Bにより、信号処理さ
れて画像信号が生成され、この画像信号は観察用モニタ
8に出力されると共に、画像処理装置3に出力され、画
像処理装置3により画像処理された画像が内視鏡画像記
録装置4に記録される。
【0018】次に、観察装置7に於ける光源部7Aと信
号処理部7Bの構成について説明する。
【0019】図2に示すように、光源部7Aは、紫外光
から赤外光に至る広帯域の光を発光するランプ21を備
えている。このランプ21としては、一般的なキセノン
ランプやストロボランプ等を用いることができ、このキ
セノンランプやストロボランプ等は、可視光のみならず
紫外光及び赤外光を大量に発光する。
【0020】このランプ21は、電源22によって電力
が供給されて発光するようになっている。そして、上記
ランプ21の前方には、モータ23によって回転駆動さ
れる回転フィルタ24が配設されている。この回転フィ
ルタ24には通常観察用の赤(R)、緑(G)、青
(B)の各波長領域の光を透過するフィルタが周方向に
沿って配列されている。
【0021】又、モータ23はモータドライバ25によ
って回転が制御されて駆動されるようになっている。上
記回転フィルタ24を透過し、R,G,Bの各波長領域
の光に時系列的に分離された光は、さらにライトガイド
15の入射端に入射され、このライトガイド15を介し
て電子内視鏡6の先端部16側の出射端面に導かれ、こ
の出射端面から前方に出射されて、観察部位等を照明す
るようになっている。
【0022】この照明光による観察部位等の被検体(被
写体)からの戻り光は、対物レンズ17によって、CC
D18上に結像され、光電変換されるようになってい
る。このCCD18には、信号線26を介して信号処理
部7B内のドライバ31からの駆動パルスが印加され、
この駆動パルスによって光電変換された被検体の画像に
対応した電気信号(映像信号)の読み出しが行われるよ
うになっている。
【0023】このCCD18から読み出された電気信号
は、信号線27を介して、信号処理部7B内に設けられ
たプリアンプ32に入力されるようになっている。尚、
このプリアンプ32は電子内視鏡6内に設けて構成して
も良い。
【0024】信号処理部7Bでは、プリアンプ32で増
幅された映像信号は、プロセス回路33に入力されてγ
補正及びホワイトバランス等の信号処理を施され、A/
Dコンバータ34によって、ディジタル信号に変換され
るようになっている。
【0025】このディジタルの映像信号は、セレクト回
路35によって、例えば赤(R)、緑(G)、青(B)
の各色に対応する3つのメモリ(1)36a、メモリ
(2)36b、メモリ(3)36cに選択的に記憶され
るようになっている。上記メモリ(1)36a、メモリ
(2)36b、メモリ(3)36cに記憶されたR,
G,B色信号は、同時に読み出され、D/Aコンバータ
37によって、アナログ信号に変換され、入出力インタ
ーフェース38を介してR,G,B色信号として観察用
モニタ8に出力され、この観察用モニタ8によって、観
察部位がカラー表示されるようになっている。尚、以
下、インターフェースという表現をI/Fと表す。
【0026】又、信号処理部7B内には、システム全体
のタイミングを作るタイミングジェネレータ39が設け
られ、このタイミングジェネレータ39によってモータ
ドライバ25、ドライバ31、セレクト回路35等の上
記の各回路間の同期がとられている。
【0027】この実施例では、メモリ(1)36a、メ
モリ(2)36b、メモリ(3)36cの出力端及びタ
イミングジェネレータ39の同期信号出力端は、画像処
理装置3と接続されている。
【0028】次に、画像処理装置3の構成を説明する。
図3に示すように、画像処理装置3は、プログラム等が
格納されたROM45と、このROM45に格納された
プログラムに従って処理を実行する中央処理装置40
と、中央処理装置40に対してデータ等を入力する情報
入力装置41と、中央処理装置40の処理によるデータ
等の格納を行うRAMより構成される主記憶装置42
と、信号処理部7BからのR,G,B画像データを入力
する画像入力I/F43と、画像処理装置3により画像
処理されたデータを記憶する外部記憶装置44と、内視
鏡画像を記録する内視鏡画像記録装置4と接続されデー
タの入出力を行う画像記録装置I/F46とを備えて構
成され、これらの各装置はバス48によって接続されて
いる。
【0029】上記情報入力装置41は、キーボード等で
構成され、電子内視鏡6の種別等のデータ等を入力でき
るようになっている。画像入力I/F43は、画像処理
部7B内のメモリ(1)36a、メモリ(2)36b、
メモリ(3)36cに接続され、タイミングジェネレー
タ39によって同期がとられ、これらの画像データの受
信を行うようになっている。
【0030】中央処理装置40は、ROM45に記憶さ
れたプログラムにより動作する画像処理部47を有し、
この画像処理部47は、図4に示すように、内視鏡画像
記録装置4により再現される画像の色が観察用モニタ8
に表示される画像の色と一致するように色変換を行う色
変換部50と、及び又は内視鏡画像記録装置4により再
現される画像の鮮鋭感補正処理を行う鮮鋭感補正部51
等からなる。
【0031】尚、図4では、色変換部50が、鮮鋭感補
正部51の前段に位置するが、この位置を逆にすること
も可能である。
【0032】ところで、主記憶装置42に比べ外部記憶
装置44は、記憶可能なデータの容量が大きいが、デー
タの入出力の速度は遅いという特徴がある。従って、外
部記憶装置44には、色変換処理や鮮鋭感補正処理等で
必要な大量のパラメータデータ等を記憶しておき、必要
なときにだけに読み出されたり、或いは色変換処理や鮮
鋭感補正処理等で発生した大量のデータを記憶しておく
ために使用される。尚、外部記憶装置44は、例えばハ
ードディスク、光磁気ディスク、フラッシュメモリ等に
より構成され、主記憶装置42はRAM等の半導体メモ
リにより構成される。
【0033】次に、中央処理装置40の画像処理部47
における色変換部50について説明する。
【0034】図3に於いて、画像処理装置3では、画像
入力I/F43を介して入力された画像データは、一旦
主記憶装置42内に記憶される。又、画像データを構成
するRGBデータを主記憶装置42から読み出した後、
さらに中央処理装置40に転送され、中央処理装置によ
り色変換部50が実行され、色変換結果は一旦主記憶装
置42に記憶された後、画像記録装置I/F46を介し
て画像記録装置4へ出力される。
【0035】色変換処理を図3の中央処理装置40で実
行する場合に於いて、ROM45内に記憶されたプログ
ラムに相当する色変換部50のソフトウエア構成は、図
5に示すように、RGBデータR,G,BをCIE19
76(L***)色空間座標L*,u*,v*へ変換し出
力する色空間座標変換部60と、色空間座標変換部60
から出力されたCIE1976(L***)色空間座
標L*,u*,v*に対して3×3の行列演算を実行しC
IE1976(L***)色空間座標L*',u*',
*'を出力する行列演算部61と、行列演算部61から
出力されたCIE1976(L***)色空間座標
*',u*',v*'を規格化されたRGBデータR',
G',B'へ変換する色空間座標逆変換部62とから構成
される。
【0036】尚、RGBデータは、8ビットに規格化さ
れているものとして以下説明するが、規格化数は8ビッ
トに限定されるものではなく、8ビットより多くても、
又は少なくてもよい。
【0037】そして、色変換部50の色空間座標変換部
60は、入力されたRGBデータR,G,Bを、観察用
モニタ8上で知覚される色を表現するところの、CIE
1976(L***)色空間座標L*,u*,v*へ変換
する。
【0038】詳細には、色空間座標変換部60では、図
6に示すように、ステップS1でRGBデータR,G,
BからCIE(XYZ)三刺激値X,Y,Zへの変換を
行い、続いてステップS2でCIE(XYZ)三刺激値
X,Y,ZからCIE1976(L***)色空間座
標L*,u*,v*への変換を行う。この時のステップS
1での変換式を式(1)(文献1:東京大学出版会,色
彩科学ハンドブック,936ページ)及びステップS2
での変換式を式(2)(文献1:東京大学出版会,色彩
科学ハンドブック,139〜140ページ)に示す。
【0039】
【数1】
【数2】 尚、式(1)に於ける行列要素は、NTSCが定める受
像三原色のxy色度座標を使った場合の係数であり、受
像三原色が変化すれば、それに応じて行列要素は改めて
決定される。そしてモニタのγ特性を考慮して、RGB
データを補正し、補正後のRGBデータを式(1)に適
用することもできる。
【0040】次に、色空間座標変換部60から行列演算
部61に処理が移行し、図6のステップS3に示すよう
に、CIE1976均等色空間内に於ける3×3の行列
Mによる行列演算により、CIE1976(L*
**)色空間座標L*,u*,v*をCIE1976(L*
**)色空間座標L*',u*',v*'へ変換する。この
時の変換式を式(3)に示す。
【0041】
【数3】 続いて、行列演算部61から出力されるCIE1976
(L***)色空間座標L*',u*',v*'は、色空間
座標逆変換部62に於いて、図6のステップS4及びス
テップS5を経て、RGBデータR',G',B'へ変換
される。つまりステップS4では、ステップS2の逆変
換が行われ、CIE1976(L***)色空間座標
*',u*',v*'からCIE(XYZ)三刺激値X',
Y',Z'への変換が行われる。そしてステップS5で
は、ステップS1の逆変換が行われ、CIE(XYZ)
三刺激値X',Y',Z'からRGBデータR',G',B'
への変換が行われる。
【0042】続いて、ステップS6ではRGBデータ
R',G',B'が、所定の範囲内(例えば、規格化数が
8ビットの場合、0〜255等)に収まるかを判定し、
RGBデータR',G',B'が所定の範囲内であれば、
そのままRGBデータR',G',B'を出力して処理を
終了する。また、RGBデータR',G',B'が所定の
範囲外であった時ステップS7に進み、ステップS7で
四捨五入、或いは規格化範囲の下限、上限に於ける切り
捨て、切り上げ等の規格化処理が行われ、最終的には、
色空間座標逆変換部62から規格化されたRGBデータ
R',G',B'が出力され処理を終了する。
【0043】次に、式(3)に於ける行列Mの行列要素
(mij)を決定する方法を、図7を用いて説明する。
【0044】図7は、RGBデータR',G',B'によ
り、観察用モニタ8上に表示される画像の色と、画像記
録装置4に同じRGBデータR',G',B'を入力して
再現される再現画像の色との関係を、CIE1976
(L***)色空間座標で表現したものである。
【0045】図7に於いて、点P(L*',u*',v*')
は、RGBデータR',G',B'を、観察用モニタ8に
入力し表示された色を観察した時に知覚される色を表現
するところの、CIE1976(L***)色空間座
標である。又、点Q(L*,u*,v*)は、RGBデー
タR',G',B'を画像記録装置4に入力して、再現さ
れた再現画像を観察した時に知覚される色の、CIE1
976(L***)色空間座標である。又、点Q
(L*,u*,v*)を観察用モニタ8上に表示するため
に、観察用モニタ8へ入力しなければならないRGBデ
ータは、R,G,Bであるとする。
【0046】ここで、CIE1976(L***)色
空間に於ける2点間のユークリッド距離が表す意味につ
いて簡単に説明する。
【0047】CIE1976(L***)色空間は均
等知覚色空間とも呼ばれており、CIE1976(L*
**)色空間に於ける2点間のユークリッド距離は、
人間が知覚する色差に相当する。つまり、同じRGBデ
ータR',G',B'を観察用モニタ8と画像記録装置4
に入力しても、点Pと点Q間のユークリッド距離に相当
する色差が発生する。
【0048】そこで、点Pと点Qの関係を言い換える
と、RGBデータR,G,Bを観察用モニタ8に入力し
て表示される色を表わすところのCIE1976(L*
**)色空間座標Qを、再現画像上に於いて再現する
には、点Pで表わされる色を観察用モニタ8上で表示す
るためのRGBデータR',G',B'を画像記録装置4
に入力すればよいことになる。したがって、CIE19
76(L***)色空間座標Qで表わされているとこ
ろの、観察用モニタ8に表示されている色を、再現画像
上でも再現するには、CIE1976(L***)色
空間座標Pを予測し、CIE1976(L***)色
空間座標Pを、観察用モニタ8で表示するためのRGB
データR',G',B'へ変換し、このRGBデータR',
G',B'を画像記録装置4に入力すればよい。
【0049】そして、点Qから点Pを予測するには、点
Qと点Pの関係に代表される、CIE1976(L**
*)色空間全域にわたる多数の色空間座標データをデ
ータ1、及びデータ2として、予め用意しておき、デー
タ1からデータ2への予測係数を公知の技術である重回
帰分析によって求め、決定された行列を使った行列演算
を行えばよい。このとき、データ1及びデータ2は、各
々、重回帰分析に於ける、説明変数、及び目的変数に相
当する。
【0050】データ1とデータ2の写像関係は、フィル
ムの現像処理等を含む画像記録装置4の色再現過程と観
察用モニタ8の色再現過程等の違いにより、CIE19
76(L***)色空間では、一般に非線型写像モデ
ルで表わされる。したがって、重回帰分析には、2次以
上の項を含んだ非線型重回帰モデルが一般的に用いられ
る。
【0051】ところが、一般的な内視鏡画像(染色剤が
塗布されていない内視鏡画像等)を多数サンプルとして
用意し、これらの画像について、CIE1976(L*
**)色空間に於ける度数分布を調べると、図7に於
いて一般的な内視鏡画像の色分布として示すように、あ
る範囲内に集中することがわかる。このようなCIE1
976(L***)色空間内のある限定された範囲内
では、データ1とデータ2に関する写像関係を線型とし
て近似することが可能となる。したがって、重回帰分析
に於ける重回帰モデルとして、1次項だけを使った線型
重回帰モデルを使うことができる。
【0052】次に、各々、重回帰分析に於ける説明変数
と目的変数に相当する、データ1とデータ2の作成方法
について説明する。
【0053】一般的な内視鏡画像の色分布を含む、多数
の再現画像の色票を作成し、そして測色計等によってC
IE1976(L***)色空間座標を測定してお
き、このデータを基にデータ1を作成する。一方、色票
を作成する際に画像記録装置4に入力されたRGBデー
タから、観察用モニタ8上のCIE1976(L**
*)色空間座標を式(1)、及び式(2)により算出
し、データ2とする。
【0054】作成されたデータ1とデータ2を使って、
線型重回帰モデルに基づいた重回帰分析により、行列M
を算出し、行列演算部61では、算出された行列Mを使
った行列演算が行われる。そして、重回帰分析により決
定された行列Mを使った行列演算を行う行列演算部61
は、色差最小の意味に於いて作用することになる。
【0055】次に、中央処理装置40の画像処理部47
における鮮鋭感補正部51について説明する。
【0056】鮮鋭感補正処理を図3の中央処理装置40
で実行する場合に於いて、ROM45内に記憶されたプ
ログラムに相当する鮮鋭感補正部51のソフトウエアの
構成は、図8に示すように、入力されたR,G,B各原
画像データに対してフィルタリングを適用するフィルタ
リング実行部65と、処理結果の値を調整するデータ変
換部66とから構成されている。
【0057】以下に、内視鏡画像をCRT画面上に表示
し、写真・スライドとして撮影する装置の鮮鋭感補正処
理について説明する。ここで、画像に於ける各画素の値
をR(x,y),G(x,y)及びB(x,y)とす
る。
【0058】画像撮影装置に於いて、周波数伝達特性
(Modulation Transfer Function:以下、MTFと記
す)は、図9(a)に示すようにすべての周波数帯域に
於いて1.0となることが望まれる(これを以下、理想
MTFとする)。一方、例えばCRT画面上に表示した
原画像を写真・スライドに撮影する装置(以下、写真撮
影装置とする)等に於いては、そのMTFは一般に図9
(b)に示すようなものとなる。このようなMTFの劣
化は画質の鮮鋭感不足の原因となる。
【0059】そこで、鮮鋭感補正部51では、原画像に
対しフィルタリングを用いてMTFを補正し、より観察
に適した画像を得ることを可能にする処理を行う。
【0060】はじめに、図9(b)に示したMTFを図
9(a)に示した理想MTFに補正する方法について説
明する。ここでは、公知の技術である逆フィルタリング
を空間周波数領域上に於いて適用する。
【0061】原画像をf(x,y)、写真撮影装置のM
TFを与える点広がり関数(PointSpread Function:以
下、PSFと記す)をh(x,y)とすると、得られる
撮影画像g(x,y)は g(x,y)=f(x,y)*h(x,y) … (4) と表される。*はたたみ込み演算を表す。又、ここでは
PSFを位置に不変と仮定する。これを空間周波数領域
上での演算として表すと G(u,v)=F(u,v)・H(u,v) … (5) となる。ここで、F(u,v),H(u,v)及びG
(u,v)は、それぞれf(x,y),h(x,y)及
びg(x,y)のフーリエ変換を示す。又、H(u,
v)は図9(b)に示したMTFと同等である。式
(5)の両辺に1/H(u,v)を乗ずると、 G′(u,v)=G(u,v)/H(u,v) =(F(u,v)・H(u,v))/H(u,v) =F(u,v) … (6) が得られ、これは図9(a)のMTFを備える写真撮影
装置による撮影結果と一致する。すなわち、写真撮影装
置の撮像系に於けるPSFと逆の空間周波数特性をもつ
フィルタ(以下、補正フィルタと記す) M(u,v)=1/H(u,v) … (7) を予め原画像f(x,y)のフーリエ変換であるF
(u,v)に乗じ、その処理結果 F′(u,v)=F(u,v)・M(u,v) … (8) を逆フーリエ変換した撮影用原画像f′(x,y)を撮
影することで、理想MTFによる撮影画像を実現するこ
とが可能となる。
【0062】写真撮影装置のPSFは、予め点画像或い
は線画像等を撮影した結果より導出しておけばよい。
【0063】そこで、図8に示したフィルタリング実行
部65に於いては、RGB各原画像データに対し、空間
周波数領域上に於けるフィルタリングを実行する。
【0064】その処理の流れを図10を用いて説明す
る。図10に示すように、フィルタリング実行部65に
於いては、それぞれRGB各原画像データが入力され、
ステップS11に於ける2次元フーリエ変換が適用され
る。これは、前出の式(4)中のf(x,y)から式
(5)中のF(u,v)への変換に対応する。続いて、
ステップS12に於いてフィルタリングを行う。
【0065】ステップS12に於いて用いるフィルタの
係数値は、図3におけるROM45または外部記憶装置
41に予め記憶されており、ここでは、図9(b)に於
けるMTFを補正することにより理想MTFを実現する
ために、図11(a)に示す周波数伝達特性をもつ補正
フィルタM(u,v)(いわゆる逆フィルタに相当す
る)を用いる。フィルタの係数値は、各周波数帯域に於
いて式(7)を満たすように定められている。
【0066】尚、 H(u,v)=0 … (9) すなわち、撮影画像に於いて完全に失われる周波数帯域
が存在する場合は、例えば M(u,v)=1.0 … (10) にする等の例外処理を行えばよい。ステップS12に於
ける処理は、前出の式(8)に対応し、フィルタリング
処理結果F′(u,v)を生成する。
【0067】続いて、F′(u,v)に対し、ステップ
S13に於いて逆フーリエ変換を適用することにより撮
影用原画像f′(x,y)を得る。
【0068】以上に示したステップS11〜S13に於
ける処理を、RGB各データの原画像r(x,y),g
(x,y)及びb(x,y)と、それぞれのデータに対
するPSFであるhr(u,v),hg(u,v)及び
hb(u,v)に対して適用し、撮影用原画像R′,
G′及びB′を得る。
【0069】続いて、データ変換部66に対し、RGB
各データに於ける撮影用原画像R′,G′及びB′を入
力する。データ変換部66に於いては、フィルタリング
により表示範囲を超えた値をもつデータを変換するため
の後処理を実行する。すなわち、小数点以下のデータに
対する四捨五入や、表示可能範囲が例えば0〜255で
ある場合の0未満又は256以上の値の切り捨て等を行
う。この処理を適用後の各撮影用画像R′,G′及び
B′を処理結果として出力する。
【0070】このように本実施例の電子内視鏡システム
によれば、色空間座標変換部60に於いては、入力され
たRGBデータR,G,Bを、観察用モニタ8上に於け
る再現色を表わす、CIE1976(L***)色空
間座標L*,u*,v*に変換し、行列演算部61により
CIE1976(L***)色空間座標L*,u*,v*
をCIE1976(L***)色空間座標L*',
*',v*'へ変換し、行列演算手段61から出力される
CIE1976(L***)色空間座標L*',u*',
*'を色空間座標逆変換部62により、RGBデータ
R',G',B'へ変換し、そして、このRGBデータ
R',G',B'をRGBデータR,G,Bの代わりに、
画像記録装置4へ入力することにより、観察用モニタ8
に再現される色と再現画像の色の色差が、CIE197
6(L***)色空間に於ける色差最小の意味に於い
て改善される。
【0071】また、内視鏡画像のCIE1976(L*
**)色空間に於ける色分布は局在するという特性を
利用することで、行列演算部61に於ける行列演算を3
×3の小規模な演算で実行することが可能となり、演算
コストを低減することが可能となる。
【0072】尚、本実施例に於いては、CIE1976
(L***)色空間を用いているが、CIE1976
(L***)色空間や、さらに、CIEが推奨する色
空間の代わりに、例えば、文献2((出版)ADDISION W
ESLEY,INTERRACTVE COMPUTERGRAPHICS,BURGER,GILLIES
333〜338ページ)に記載されている、色の三属
性、すなわち色相、彩度、明度の3軸で構成されるHS
VやHLS色空間等の知覚色空間を用いても、同様に、
観察用モニタ8に再現される色と再現画像の色差が改善
される。
【0073】また、鮮鋭感補正部51においては、図1
0に示したステップS11〜S13に於ける処理を、R
GB各データの原画像r(x,y),g(x,y)及び
b(x,y)と、それぞれのデータに対するPSFであ
るhr(x,y),hg(x,y)及びhb(x,y)
に対して適用し、撮影用原画像R′,G′及びB′を得
ているので、観察用モニタ8に再現される内視鏡画像の
鮮鋭感と、内視鏡画像記憶装置4により再現される内視
鏡画像の鮮鋭感との差をMTFの差において改善するこ
とができる。
【0074】尚、原画像f(x,y)に於いてノイズ成
分が混入している場合には、理想的な逆フィルタを適用
した場合にノイズ成分を強調する結果となることがあ
る。この場合は、ノイズ成分は一般に高周波帯域に含ま
れることより、適用するフィルタの空間周波数特性を、
例えば図11(b)に示すように変更する。高周波帯域
に於ける補正の度合いを制御することにより、不要なノ
イズ成分の強調を防ぎつつ、実用上必要な周波数帯域に
於けるMTFの補正を行うことが可能となる。
【0075】上記鮮鋭感補正部51に於いては、写真撮
影装置のMTFを理想MTF或いはそれに近似したMT
Fとすることにより、撮影画像の鮮鋭感を補正する方法
について説明したが、ここで、フィルタ係数を変更し、
より積極的にMTFを制御することにより、観察に好適
な画像を得る方法について説明する。
【0076】一般に、低周波成分は画像全体の明暗情報
を構成し、画像の鮮鋭感に影響を与える周波数成分はあ
る程度の高周波帯域に存在する。又、さらなる高周波帯
域では画像情報成分よりもノイズ成分が支配的となる。
そこで、フィルタリング実行部65に於いて使用するフ
ィルタの空間周波数特性(M′(u,v)とする)を、
低周波帯域では理想MTFに、鮮鋭感に影響を与える高
周波帯域では、 H(u,v)・M′(u,v)≧1.0 … (11) となるように、ノイズ成分が支配的となる高周波帯域で
は H(u,v)・M′(u,v)≦1.0 … (12) となるように設定する。図11(c)はこのような性質
を備える空間周波数特性の例である。図9(b)に於い
て示したMTFに対し図11(c)の空間周波数特性を
もつフィルタを適用した結果、得られるMTFは図11
(d)に示すようなものとなり、撮影画像はより鮮鋭感
が強調されたものとなる。
【0077】M′(u,v)は、前述した写真撮影装置
に於いて使用するカメラ、フィルムの違いによるPSF
の変更に加え、周波数帯域及び空間周波数特性の増減分
が調整される。
【0078】さらに、原画像が例えば内視鏡による撮像
画像であれば、使用した内視鏡の機種に基づく個体撮像
素子の画素数等の情報によりM′(u,v)の制御を行
ってもよい。解像度の違いに基づき式(11)及び式
(12)をそれぞれ適用する周波数帯域を変更すること
から、より好ましい撮影画像が得られる。
【0079】尚、フィルタリング実行部65の変形例と
して、以下に説明するデジタルフィルタであるFIRフ
ィルタを用いることができる。すなわち、フィルタリン
グ実行部65に於いては、RGB各原画像データに対
し、FIRフィルタによるフィルタリングを実行する。
【0080】はじめに、フィルタリングの原理の概略を
説明する。FIRフィルタによるフィタリングは、上述
した空間周波数領域でのフィルタリングに於ける、式
(6)或いは式(8)に対応する演算処理を、空間領域
にて行うものである。
【0081】画像のたたみ込み定理により、式(8)は f′(x,y)=f(x,y)*m(x,y) … (13) と表せる。*はたたみ込み演算を表す。すなわち、撮影
用原画像f′(x,y)は、原画像f(x,y)と、補
正フィルタM(u,v)の逆フーリエ変換m(x,y)
とのたたみ込み演算により実現される。m(x,y)は
本実施例に於けるFIRフィルタの係数値に相当するも
のである。実際のFIRフィルタによるフィルタリング
は、マスクサイズn1×n2(n1,n2は0でない正
数)のマスク演算となる。これは、m(x,y)から、
M(u,v)の空間周波数特性を実用上十分な精度で再
現し得る大きさのウィンドウを切りだしたものに相当す
る。フィルタリング実行部65は、それぞれRGB各原
画像データが入力され、式(13)に対応するフィルタ
リングを行う。
【0082】続いて、データ変換部66に対し、RGB
各データに於ける撮影用原画像R′,G′及びB′を入
力する。データ変換部66に於いては、フィルタリング
により表示範囲を超えた値をもつデータを変換するため
の後処理を実行する。すなわち、小数点以下のデータに
対する四捨五入や、表示可能範囲が例えば0〜255で
ある場合の0未満又は256以上の値の切り捨て等を行
う。この処理を適用後の各撮影用画像R′,G′及び
B′を処理結果として出力する。
【0083】フィルタリング実行部65の変形例に於い
て適用するFIRフィルタの係数を設定する際は、例え
ば、写真撮影装置のMTFを理想MTFに補正する場合
には、前述の補正フィルタMr(u,v),Mg(u,
v)及びMb(u,v)のそれぞれの逆フーリエ変換で
あるmr(x,y),mg(x,y)及びmb(x,
y)をFIRフィルタの係数として、フィルタリング実
行部65に送出する。
【0084】尚、原画像f(x,y)に於いてノイズ成
分が混入している場合には、理想的な逆フィルタを適用
した場合にノイズ成分を強調する結果となることがあ
る。この場合は、ノイズ成分は一般に高周波帯域に含ま
れることにより、適用するFIRフィルタの空間周波数
特性を例えば図11(e)に示すように変更する。高周
波帯域に於ける補正の度合いを制御することにより、不
要なノイズ成分の強調を防ぎつつ、実用上必要な周波数
帯域に於けるMTFの補正を行うことが可能となる。
【0085】さらに、ノイズに対する統計的な性質が既
知の場合、逆フィルタの適用ではなく、ウィーナフィル
タ或いは最小2乗フィルタ等を適用してもよい。
【0086】又、FIRフィルタの係数を変更し、より
積極的にMTFを制御することにより、観察に好適な画
像を得ることができる。
【0087】一般に、低周波成分は画像全体の明暗情報
を構成し、画像の鮮鋭感に影響を与える周波数成分はあ
る程度の高周波帯域に存在する。又、さらなる高周波帯
域では画像情報成分よりもノイズ成分が支配的となる。
そこで、フィルタリング実行部65に於いて使用するF
IRフィルタの空間周波数特性(M′(u,v)とす
る)を、低周波帯域では理想MTFに、鮮鋭感に影響を
与える高周波帯域では前出の式(11)となるように、
ノイズ成分が支配的となる高周波帯域では式(12)と
なるように設定する。すなわち、図11(c)に示した
空間周波数特性をもつFIRフィルタを用いればよい。
図9(b)に於いて示したMTFに対し図11(c)の
空間周波数特性をもつFIRフィルタを適用した結果、
得られるMTFは上記と同様に図11(d)に示すよう
なものとなり、撮影画像はより鮮鋭感が強調されたもの
となる。
【0088】M′(u,v)は、前述した写真撮影装置
に於いて使用するカメラ、フィルムの違いによるPSF
の変更に加え、周波数帯域及び空間周波数特性の増減分
が調整される。
【0089】さらに、原画像が例えば内視鏡による撮影
画像であれば、使用した内視鏡の機種に基づく個体撮像
素子の画素数等の情報によりM′(u,v)の制御を行
ってもよい。解像度の違いに基づき式(11)及び式
(12)をそれぞれ適用する周波数帯域を変更すること
から、より好ましい撮影画像が得られる。
【0090】従って、この変形例においても同様な効果
を得ることができる。
【0091】次に第2実施例について説明する。図12
及び図13は第2実施例に係り、図12は第2実施例の
鮮鋭感補正部による鮮鋭感補正を説明する説明図、図1
3は図12の鮮鋭感補正を行う鮮鋭感補正部のソフトウ
エアの構成を示すソフトウエア構成図である。第2実施
例は第1実施例と鮮鋭感補正部51の処理構成が異なる
のみであるので、異なる点のみ説明する。
【0092】第2実施例の鮮鋭感補正部51は、鮮鋭感
の補正処理にともない発生する、撮像画像のSN比の劣
化を抑制するものであり、以下にこの第2実施例の鮮鋭
感補正部51について説明する。
【0093】画像f(x,y)に対するノイズ成分の混
入は、f(x,y)に対して無相関で、加法的であるも
のと仮定する。すなわち、ノイズのない原画像をf0
(x,y)、ノイズをν(x,y)とすると f(x,y)=f0(x,y)+ν(x,y) … (14) と表される。ノイズ成分は主として高周波帯域に分布し
ており、画像の鮮鋭感を与える周波数帯域に混在してい
る場合が多々ある。この場合には鮮鋭感の増強はノイズ
の強調を引き起こすこととなる。原画像に於けるSN比
が十分高ければ、この問題は無視できるものであるが、
加法的ノイズの性質により、SN比は画像中の明るい部
位(明部)と暗い部位(暗部)により異なっている。し
たがって、画像中の明部では無視できる程度のノイズ感
の増加でも、暗部では目立つものとなり、撮影画像の画
質をかえって劣化させる結果となる場合がある。
【0094】一方、画像中に於いて鮮鋭感が望まれる部
位は、ある程度の明るさをもつ領域であるものが一般的
である。
【0095】そこで本実施例の鮮鋭感補正部51では、
画像の明部では鮮鋭感を十分に補正し、暗部では補正の
程度を抑制することによりノイズ感の少ない撮影画像を
得るように処理がなされる。
【0096】はじめに、鮮鋭感補正部51での処理概念
について説明する。
【0097】本実施例に於いては原画像に対して、後に
詳述する鮮鋭感補正成分画像を重み付け加算する構成と
し、重み係数値を画像の明るさに関する情報に基づき制
御する。
【0098】原画像をf(x,y)、鮮鋭感補正成分画
像をfs(x,y)、重み係数値をwとする。鮮鋭感補
正成分とは、理想MTFに対して写真撮影装置のMTF
により失われた周波数帯域成分であり、第1実施例で説
明した図9(b)のMTFを例とした場合、図12
(a)に於ける斜線部に該当する画像情報を示す。又、
図11(c)に於いて示したMTFに対しては、図12
(d)に於ける斜線部に該当する画像情報を示す。
【0099】鮮鋭感補正成分画像は、フィルタリングに
より容易に得られる。第1実施例では補正フィルタM
(u,v)の作成について説明したが、本実施例に於い
ては、M(u,v)に基づく帯域通過フィルタリングを
原画像に対して適用する。すなわち、図11(a)に示
したM(u,v)を例とした場合、使用する帯域通過フ
ィルタMp(u,v)の空間周波数特性は図12(b)
に示すものとなる。これらは、 Mp(u,v)=M(u,v)−1.0 … (15) とすることにより得られるものである。
【0100】作成したMp(u,v)を用いた帯域通過
フィルタリングの処理結果である鮮鋭感補正成分画像f
s(x,y)を、原画像f(x,y)に対し重み付け加
算した処理結果画像をf′(x,y)とすれば、f′
(x,y)は f′(x,y)=f(x,y)+w・fs(x,y) … (16) となり表される。式(16)に於いて、w=1.0とす
ればf′(x,y)は第1実施例の鮮鋭感補正部65及
びその変形例に於いて説明した理想MTFを得るための
撮影用原画像f′(x,y)に一致する。又、w<1.
0とすれば、鮮鋭感補正効果は抑制される結果となる。
したがって、wを各画素に対して画像の明るさに関する
情報に基づき変更することにより、画像中の明部と暗部
で鮮鋭感補正効果を制御することが可能となる。
【0101】図12(c)は、重み係数値wの設定例で
ある。ここでは、明るさに関する情報成分として、次式
で表される画素ごとの輝度を用いるものとする。
【0102】 Y=0.3R+0.59G+0.11B … (17) 図12(c)に於いて、横軸は輝度Y(明るさ情報)、
縦軸は重み係数wを表しており、Yに対する閾値をTと
定め、Y<Tではw<1.0とし、Y≧Tではw=1.
0とすることにより、暗部のノイズ感の増加を抑制する
ことができる。このようなwの与え方は、wの値をYに
対する関数として例えば w=(1/2)×{1−cos(Y・π/T)} (0≦Y<T) w=1.0 (T≦Y) … (18) とすることにより実現される。式(17)及び(18)
を画素ごとに適用する。又、明るさに関する情報とし
て、輝度Yではなく例えばRGBいずれかの画像データ
を使用してもよい。
【0103】次に、本実施例に於ける鮮鋭感補正部51
のソフトウエア構成について説明する。
【0104】図13に示すように、第2実施例の鮮鋭感
補正部51は、入力されたRGB各データに対し、フィ
ルタリングを施すフィルタリング部71と、原画像とフ
ィルタリング処理結果画像との合成を行う合成部72
と、処理結果出力値を調整するデータ変換部73からな
っている。
【0105】フィルタリング部71に於いては、入力さ
れた原画像に於けるRGB各データに対し、前述の鮮鋭
感補正成分画像Rs(x,y),Gs(x,y)及びB
s(x,y)を生成するためのフィルタリングを適用す
る。フィルタリングの具体的な実現手段は、第1実施例
に於いて説明した空間周波数領域でのフィルタリング及
び第1実施例の鮮鋭感補正部の変形例に於いて説明した
デジタルフィルタであるFIRフィルタによるフィルタ
リングのいずれかを使用すればよい。
【0106】重み係数値wは、画像の明るさに関する情
報に基づき設定され、ここでは、明るさに関する情報と
して、G画素の値を用いる構成とする。wの設定につい
ては、例えば関数 w=(1/2)×{1−cos(G(x,y)・π/T)} (0≦G(x,y)<T) w=1.0 (T≦G(x,y)) … (19) を用いればよい。
【0107】合成部72に於いては、原画像に於けるR
GB各データ、フィルタリング部71より出力された鮮
鋭感補正成分画像Rs(x,y),Gs(x,y)及び
Bs(x,y)、重み係数値wを用いた演算 R′(x,y)=R(x,y)+w・Rs(x,y) … (20) G′(x,y)=G(x,y)+w・Gs(x,y) … (21) B′(x,y)=B(x,y)+w・Bs(x,y) … (22) が行われる。
【0108】また、データ変換部73に於いては、各々
に対し入力されたR′(x,y),G′(x,y)及び
B′(x,y)が表示範囲を超えたデータを変換するた
めの後処理を実行する。すなわち、小数点以下のデータ
に対する四捨五入や、表示可能範囲が例えば0〜255
である場合の0未満又は256以上の値の切り捨て等を
行う。
【0109】その他の構成及び作用は第1実施例と同じ
である。
【0110】このように第2実施例によれば、第1実施
例の効果に加え、合成部72で重み係数値wを用いた演
算処理を行うことで、鮮鋭感の補正処理にと伴う、撮影
画像のSN比の劣化を防止することができる。
【0111】尚、本実施例に於けるフィルタリング部7
1に於いて適用するフィルタの係数は、例えば空間周波
数領域でのフィルタリングを用いるのであれば帯域通過
フィルタMpr(u,v),Mpg(u,v)及びMp
b(u,v)に於ける各値に、ディジタルフィルムによ
るフィルタリングを用いるのであれば各補正フィルタの
特性を与えるフィルタ係数mpr(x,y),mpg
(x,y)及びmpb(x,y)に於ける各値にする。
【0112】また、原画像が例えば内視鏡による撮像画
像であれば、使用した内視鏡の機種に基づく個体撮像素
子の画素数等の情報によりMp′(u,v)或いはm
p′(x,y)の制御を行ってもよい。解像度の違いに
基づき式(11)及び式(12)をそれぞれ適用する周
波数帯域を変更することから、より好ましい撮影画像が
得られる。
【0113】尚、本実施例に於いては鮮鋭感補正成分画
像を帯域通過フィルタリングにより生成したが、第1実
施例の鮮鋭感補正部及びその変形例に於いて説明した補
正フィルタM(u,v)による処理結果画像を用いて同
様の効果を実現することも可能である。
【0114】すなわち、原画像f(x,y)と補正フィ
ルタによる処理結果である鮮鋭感補正成分画像fs
(x,y)との、重み係数値wによる重み付け演算に於
いて、前出の式(16)を f′(x,y)=(1.0−w)・f(x,y)+w・fs(x,y) … (23) と置き換え、画像の明るさを表す情報成分により重み係
数値wを制御すればよい。重み係数値wの制御方法及び
設定方法は前述の方法により実現すればよい。
【0115】又、本実施例に於いては重み係数値wの制
御を画像の画素ごとに行うものとしたが、例えば画像を
複数のブロックに分割し、明るさを表す情報成分の各ブ
ロックに於ける平均値により制御してもよい。この場合
は1つのブロック内に於ける各画素には同じ重み係数値
wが適用される。
【0116】次に第3実施例について説明する。図14
及び図15は第3実施例に係り、図14は色変換部のソ
フトウエアの構成を示すソフトウエア構成図、図15は
図14の色変換部の処理の流れを説明するフローチャー
トである。第3実施例は第1実施例とほとんど同じであ
るので、異なる構成のみ説明し、同一の構成には同じ符
号をつけ説明は省略する。
【0117】本実施例の第1実施例との主たる相違は、
第1実施例の色変換部50の色空間座標逆変換部62
(図5参照)の後段に異常値処理部を設けたことにあ
る。
【0118】第1実施例で述べたように、図7に示され
ている一般的な内視鏡画像の色分布の色に関して色変換
の対象となるように、行列Mが決定されるが、内視鏡画
像には一般的な内視鏡画像の色分布とは異なる点が含ま
れる場合がある。このような色に対して色変換処理を行
った結果、RGBデータの規格化範囲を越えたRGBデ
ータ(異常値)が出力され、極端な色変わりを起こす可
能性がある。特に、ハレーション等が、極端な色変わり
の結果、赤い色に変換された場合、再現された再現画像
は、相当な違和感を与えるであろう。このような、再現
画像の印象が、ハレーション等の色変わり等により損な
われるのは望ましくない。
【0119】そこで、本実施例では、簡単な構成で、色
変換の対象とならない色を判定し、色変換対象外の色に
ついては、もとのRGBデータR,G,Bを出力するこ
とで、極端な色変わりを防止する。
【0120】図14に示すように、本実施例の色変換部
50は、色空間座標逆変換部62から出力されるRGB
データR',G',B'が、規格化範囲内であるかを判定
し、規格化範囲内である場合は、RGBデータR',
G',B'を出力し、規格化範囲外である場合は、RGB
データR,G,Bを出力する異常値処理部81を備えて
構成される。その他の構成は第1実施例と同じである。
【0121】次に、このように構成された本実施例の作
用について、異常値処理部81を中心に説明する。
【0122】図15に示すように、色変換部50におけ
る処理は、第1実施例の図6で説明したステップS1〜
S5までは同一であるので説明は省略する。そして、ス
テップS5で色空間座標逆変換部62から出力されたR
GBデータR',G',B'が、ステップS21に於い
て、予め定められた規格化範囲内(例えば、8ビットに
規格化されている場合、0〜255等)に入っているか
どうかの判定が行われ、もし範囲外であれば、ステップ
S22に於いて、RGBデータR',G',B'はRGB
データR,G,Bに置き換えられて、結局、異常値処理
部81からは、もとのRGBデータR,G,Bが出力さ
れることになる。
【0123】一方、色空間座標逆変換部62から出力さ
れたRGBデータR',G',B'が、規格範囲内の時
は、RGBデータR',G',B'がそのまま出力され
る。
【0124】その他の作用は第1実施例と同じである。
【0125】このように本実施例によれば、第1実施例
の効果に加え、色変換の対象となる色については色変換
処理により色差の改善が可能となり、図14に示したよ
うに異常値処理部81を色空間座標逆変換部62の後段
に設け、RGBデータR,G,Bを異常値処理部81に
入力することで、色変換の対象とならない色について
は、RGBデータR',G',B'が規格化範囲内である
かの判定により識別し、もとのRGBデータR,G,B
を出力することで、極端な色変わりの防止を簡単な構成
で実現することが可能となる。
【0126】次に第4実施例について説明する。図16
は第4実施例に係る色変換部の処理の流れを説明するフ
ローチャートである。第4実施例は第1実施例とほとん
ど同じであり、本実施例の第1実施例との相違は、第1
実施例の色変換部50の行列演算部61に於いて3×3
の行列演算を実行する代わりに、2次以上の項まで含め
た、例えば3×10の行列演算を実行することである。
その他の構成及び作用は第1実施例と同じであるので、
行列演算部61の作用についてのみ説明し、同一の構成
には同じ符号をつけ説明は省略する。
【0127】第1実施例に於いて説明したように、一般
的な内視鏡画像に関するCIE1976(L***
色空間に於ける色分布は、図7の一般的な内視鏡画像の
色分布に示すように、ある限定された範囲内に存在する
傾向にある。しかし、状況によっては、メチレンブルー
等の染色剤が散布された画像が入力されることもあり、
このような画像は、前述した色分布とは異なる傾向を示
すことが明らかである。
【0128】したがって、一般的な内視鏡画像、及び染
色剤が散布された画像等、特定の状況にも対応した、行
列演算手段101に於ける行列要素を決定するには、3
×3の線型重回帰モデルでは、予測誤差が大きくなる可
能性がある。
【0129】そこで本実施例の色変換部50では、染色
剤が散布された場合等、一般的な内視鏡画像が占有する
色空間以外の色分布をもつ画像が入力された場合にも対
応する、色差の改善を行う。
【0130】すなわち、図5を参照すると共に図16を
用いて、本実施例の行列演算部61に於ける作用を説明
すると、図16に示すように、色空間座標変換部60か
ら出力されたCIE1976(L***)色空間座標
*,u*,v*は、ステップS31に於いて、2次項、
或いは3次項以上の値が作成される。続いて、ステップ
S32に於いて、以下に示す式(24)に示す行列演算
が実行され、CIE1976(L***)色空間座標
*',u*',v*'が出力される。
【0131】
【数4】 尚、式(24)では、定数項を含めた2次項までの例を
示している。
【0132】行列演算手段101に於ける行列Mは、重
回帰モデルに2次以上の高次項を含めた、非線型重回帰
モデルを使って決定される。その他の作用は第1実施例
と同じである。
【0133】このように本実施例によれば、第1実施例
の効果に加え、2次以上の高次項に基づく非線型重回帰
モデルを、行列決定の際に用いることにより、一般的な
内視鏡画像、及び染色剤が散布された画像等、特定の状
況にも対応した、行列Mを求めることができ、又、この
行列Mを使った、高次行列演算を行列演算部61に於い
て実行することにより、観察用モニタ8に再現される色
と再現画像の色の色差が、CIE1976(L*
**)色空間に於ける色差最小の意味に於いて、一般的
な内視鏡画像、及び染色剤が塗布された画像等、特定の
状況にも対応した、色差の改善が達成できる。
【0134】次に第5実施例について説明する。図17
ないし図21は第5実施例に係り、図17は色変換部の
ソフトウエアの構成を示すソフトウエア構成図、図18
は図17の色変換部に適用される観察用モニタ色域と画
像記録装置色域の関係をu**平面で説明する概念図、
図19は図17の色変換部の処理の流れを説明するフロ
ーチャート、図20は図17の色変換部に適用される内
視鏡画像記憶装置色域データの構成と色相(H)彩度
(C)明度(V)の意味をCIE1976(L*
**)色空間で説明する概念図、図21は図17の色域
圧縮部の変形例の構成を示すソフトウエア構成図であ
る。
【0135】第5実施例は第1実施例とほとんど同じで
あり、本実施例の第1実施例との相違は、図17に示す
ように、本実施例の色変換部50ではの色空間変換部6
0と行列演算部61との間に色域圧縮部86を付加した
ことにある。本実施例に於いて、色域圧縮部86以外の
構成、及び作用については、第1実施例と同じであるの
で、色域圧縮部86の作用を中心に説明する。
【0136】観察用モニタ8で再現できる色の範囲(以
下、観察用モニタ色域)と、画像記録装置4によって再
現画像上の再現できる色の範囲(以下、画像記録装置色
域)を、CIE1976(L***)色空間のあるL*
に於ける切断平面(以下、u**平面)上に模式的に表
わしたのが、図18である。
【0137】図18に示すように、画像記録装置色域
が、観察用モニタ色域より狭い場合、観察用モニタ8上
に表示されている色のうち、画像記録装置色域外に位置
する色は、画像記録装置4では、CIE1976(L*
**)色空間座標に於いて表現できない。
【0138】そして、このようなデータに対して、第1
実施例で述べた色変換処理を実行すると、行列演算部6
1に於ける行列Mを決定するための説明変数として、画
像記録装置色域外のデータを用いていないため、著しい
色再現誤差が発生する場合がある。
【0139】そこで本実施例では、観察用モニタ色域が
画像記録装置色域に含まれるように、観察用モニタ色域
の圧縮処理を行い、画像記録装置4の色域内で適切な色
再現を行い、入力された内視鏡画像全体として、色差を
改善する。
【0140】以下、第5実施例の作用について色域圧縮
部86を中心に説明する。
【0141】本発明で説明している観察用モニタ8と画
像記録装置4のように、色域が互いに異なる装置間に於
ける、色域の圧縮方法には、大きく分けて画像記録装置
色域外に存在する色に関してのみ座標変換を行う場合
と、全ての色に関して座標変換を行う場合がある。さら
に各々の場合について、色相、及び明度を変化させない
で、彩度方向に座標変換を行う場合、色相だけを保存し
たまま、明度、及び彩度方向に座標変換を行う場合等が
あり、そして座標変換の方法にも、線形変換、或いは非
線型変換があり、これらの組み合わせによる様々な方法
が提案されている。
【0142】以下、色域圧縮部86の動作の説明では、
例として、画像記録装置色域外の色に関してのみ、その
色相、及び明度を変化させないで、彩度方向に座標変換
を行う方法について説明する。
【0143】図19に示すように、色域圧縮部86で
は、色空間座標変換手段60から出力されたCIE19
76(L***)色空間座標L*,u*,v*は、ステッ
プS41に於いて、極座標変換によりH,C及びVへ変
換される。変換式を式(25)に示す。
【0144】
【数5】 極座標H,Cは図20に示すように、各々、u**平面
に於けるu*軸からの回転角、及びu**平面に於ける
原点からのユークリッド距離に相当する。極座標Hはメ
トリック・ヒューアングル(文献1:東京大学出版会,
色彩科学ハンドブック,142〜143ページ)と呼ば
れており、色の三属性の内、色相に相当し、又極座標C
はメトリック・クロマ(文献1:東京大学出版会,色彩
科学ハンドブック,142〜143ページ)と呼ばれて
おり、色の三属性の内、彩度に相当する。Vはメトリッ
ク・ライトネスと呼ばれており、V=L*であり、色の
三属性の内、明度に相当する。
【0145】図14に於けるステップS45から入力さ
れる画像記録装置色域データは、画像記録装置4の色域
データを表わしており、図3に於ける主記憶装置42、
或いは外部記憶装置44から読み出される。
【0146】画像記録装置色域データは、図20に示す
ように、L*(V)方向に量子化されたu**平面毎
に、H方向にθ間隔で量子化されたu**平面に於ける
原点からのユークリッド距離Cg(H,V)のデータで
構成されている。このCg(H,V)が、各u**平面
に於ける画像記録装置4の色域を表すデータとなる。
【0147】ステップS41から出力されたH,C,V
と、ステップS45からの画像記録装置色域データとを
使って、ステップS42に於いて、色空間座標変換部6
1から出力されたCIE1976(L***)色空間
座標L*,u*,v*が画像記録装置4の色域に含まれて
いるか、それとも含まれていないかを判定する。
【0148】判定はステップS41から出力されたH,
Vによって、ステップS45での画像記録装置4の色域
データを参照する。
【0149】そして参照された色域データCg(H,
V)とステップS41から出力されたCを比較して、C
g(H,V)<Cであれば、色空間座標変換部60から
出力されたCIE1976(L***)色空間座標
*,u*,v*は、画像記録装置4の色域外に存在する
ことになり、彩度の変換が行われる。
【0150】又、Cg(H,V)≧Cであれば、色空間
座標変換部60から出力されたCIE1976(L**
*)色空間座標L*,u*,v*は、画像記録装置4の色
域内に存在することになり、CIE1976(L**
*)色空間座標L*,u*,v*が、そのままL*,u*,v
*として色域圧縮部86から出力される。
【0151】ステップS42に於いて、色空間座標変換
部60から出力されたCIE1976(L***)色
空間座標L*,u*,v*が画像記録装置4の色域外にあ
ると判定された場合には、ステップS43で、極座標C
がC'へ変換される。
【0152】変換方法は、画像記録装置色域データS1
5から参照したCg(H,V)をCとする。つまり、画
像記録装置4の色域外に存在する色は全て、画像記録装
置色域の最外郭へ、色相(H)、及び明度(V)を保存
したまま、彩度(C)方向へ移動することに相当する。
【0153】ステップS44では、極座標H,C,Vに
対してCIE1976(L***)色空間座標L*,u
*,v*への逆変換を行い、行列演算部61へCIE19
76(L***)色空間座標L*,u*,v*を出力す
る。
【0154】その他の作用は第1実施例と同じである。
【0155】このように本実施例によれば、第1実施例
の効果に加え、色域圧縮部86に於いて、CIE197
6(L***)色空間座標L*,u*,v*が、画像記録
装置色域に含まれるかを判定し、画像記録装置色域内に
含まれないデータに関しては、色相、及び明度を保存し
たまま、画像記録装置色域外郭へ移動するように、彩度
を変更することにより、画像記録装置色域外データに対
する色変換実行の結果、著しい色再現誤差を発生するこ
とを防止し、画像記録装置色域内で全体として、適切な
色再現を得ることができる。
【0156】尚、その他の色域圧縮方法を色域圧縮部8
6で用いても同様に、画像記録装置色域外データに対す
る色変換実行の結果、著しい色再現誤差を発生すること
を防止し、画像記録装置色域内で全体として、適切な色
再現を得ることができる。
【0157】又、各々の色域圧縮方法には特有の性質が
あるため、変形例としての色域圧縮部86aを図21に
示すように構成しても良い。すなわち、図21に示すよ
うに、使用者が状況に応じて、例えば作業者はキーボー
ド等の情報入力装置41により色域圧縮方法を選択し、
選択された色域圧縮方法がパラメータ入力部91を介し
て切替部92に入力され、切替部92は入力されたパラ
メータにより、例えば圧縮方法が異なる3つの第1〜第
3圧縮部93、94、95の中から作業者が選択した圧
縮方法を実行する圧縮部を選択するように構成すること
も可能である。
【0158】その結果、画像記録装置色域外データに対
する色変換実行により、著しい色再現誤差を発生するこ
とを防止し、画像記録装置色域内で全体として、作業者
の目的に応じて、色域圧縮の方法を切り換えることによ
り、適切な色再現を得ることができる。
【0159】尚、図21では、例として3つの色域圧縮
方法を切り換える場合について示したが、3つに限定さ
れるものではない。
【0160】次に第6実施例について説明する。図22
及び図23は第6実施例に係り、図22は色変換部の行
列演算部の構成を示すソフトウエア構成図、図23は図
22の行列演算部に適用されるCIE1976(L**
*)色空間に於いて複数に分割された領域について説
明する概念図である。
【0161】第6実施例は第1実施例とほとんど同じで
あり、本実施例の第1実施例との相違は色変換部50の
行列演算61の構成であり、図22に示すように、本実
施例の行列演算部61は、行列演算を行う第1〜第3行
列演算部101、102、103を複数かつ並列に設
け、又複数かつ並列に設けられた第1〜第3行列演算部
101、102、103からの複数の結果を、重み係数
設定部104によって設定された重み係数をW使った重
み付線形和演算により、1つの結果に合成出力する合成
部105を付加したことにある。したがって、本実施例
に於いては、第1〜第3行列演算部101、102、1
03、重み係数設定部104及び合成部105につい
て、その構成、作用を中心に説明する。
【0162】行列演算部61に於いて使われる、行列M
を決定するのに公知の技術である重回帰分析を使うこと
は、第1実施例で述べた。この重回帰分析に於いては、
説明変数に相当するデータと目的変数に相当するデータ
の関係に、非線型な特性が強く存在する場合、少なから
ず予測誤差が発生することが考えられ、この予測誤差が
色変換装置に於ける色差改善の精度を決定する主要な要
因の一つとなる。したがって、重回帰分析に於いて、よ
り高精度の予測を行うには、より高次の項を使った非線
型重回帰モデルを使うことが考えられるが、行列Mの要
素数が増加するに伴い、演算コストが増大する。
【0163】そこで、本実施例では、CIE1976
(L***)色空間を複数の領域に分割し、各々の領
域内に於ける、説明変数と目的変数に相当するデータ対
の線形性を高めることにより、精度を維持しつつ、色変
換部50の演算コストを抑える。
【0164】図22に示すように、第5実施例の行列演
算部61は、色空間座標変換手段60から出力されたC
IE1976(L***)色空間座標L*,u*,v*
入力として行列演算を行う第1〜第3行列演算部10
1、102、103と、重み係数Wを設定する重み係数
設定部104と、第1〜第3行列演算部101、10
2、103から出力される複数のCIE1976(L*
**)色空間座標を入力とし、重み係数設定部104
から出力される重み係数Wを使った、重み付線形和演算
を行うことにより、CIE1976(L***)色空
間座標L*',u*',v*'を出力する合成部105とを備
えて構成される。その他の構成は第1実施例と同じであ
る。
【0165】尚、本実施例の説明に於いては、3つの行
列演算部を設定しているが、3つに限定されるものでは
なく、3つ以上、或いは3つ以下でもよい。
【0166】以下、本実施例の作用について、第1〜第
3行列演算部101、102、103、重み係数設定部
104と合成手部105を中心に説明する。
【0167】色空間座標変換部60から出力されたCI
E1976(L***)色空間座標L*,u*,v*は、
第1〜第3行列演算部101、102、103へ入力さ
れ、行列演算が実行される。第1〜第3行列演算部10
1、102、103から、CIE1976(L*
**)色空間座標L*1 ,u*1 ,v*1 とL*2 ,u*2
,v*2 とL*3 ,u*3 ,v*3 が出力される。
【0168】次に、重み係数設定部104では、重み係
数Wが設定され、出力される。CIE1976(L**
*)色空間座標L*1 ,u*1 ,v*1 とL*2 ,u*2 ,
*2とL*3 ,u*3 ,v*3 及び重み係数Wが、合成部
105に入力され、式(26)に基づいた演算が行わ
れ、色空間座標逆変換手段102へ出力される。
【0169】
【数6】 続いて、重み係数設定部104に於ける、重み係数W=
[w1,w2,w3]の設定方法について、図23を使っ
て説明する。
【0170】図23は、CIE1976(L***
色空間であるL*で切断してできるu**平面に於い
て、複数に分割された領域を表わす。なお実際には、C
IE1976(L***)色空間に於いて領域が分割
されるため、各々の領域は立体となる。ここでは、簡便
のため、u**平面で説明を行う。又、図22に於い
て、3つの第1〜第3行列演算部101、102、10
3を設定しているため、図23に於いても、3つの領
域、領域1、領域2、領域3、及び各々の領域が接する
境界領域に分割して図示した。
【0171】重み係数設定部104では、色空間座標変
換部60から出力されるCIE1976(L***
色空間座標L*,u*,v*がアドレスとなって、各々の
領域毎に設定されている、重み係数Wを参照する。各々
の領域で固有に設定されている重み係数wが、領域1で
は、w1 =1.0、w2 =w3 =0.0に設定されてい
る、又領域2では、w2 =1.0、w1 =w3 =0.0
に設定されている、そして領域3では、w3 =1.0、
w1 =w2 =0.0に設定されている。
【0172】第1〜第3行列演算部101、102、1
03に於ける行列は、分割された各々の領域内に存在す
るデータを使って決定されており、したがって、色空間
座標変換部60から出力されるCIE1976(L**
*)色空間座標L*,u*,v*が領域1に存在する場
合、重み係数設定部104からはwL1=wu1=wv1=
1.0でそれ以外が0.0である重み係数が出力され、
結局、領域1に存在するデータを使って決定された行列
による演算が行われる第1行列演算部101の出力が、
そのまま色空間座標逆変換部62へ入力されることにな
る。同様に、色空間座標変換部60から出力されるCI
E1976(L***)色空間座標L*,u*,v*が領
域2、又は領域3に存在する場合も各々、第2行列演算
部102、及び第3行列演算部103の出力がそのま
ま、色空間座標逆変換部62へ入力されることになる。
【0173】以上のように、重み係数が各領域で設定さ
れた場合、内視鏡画像の色分布が各々の領域の内、一つ
に集中して存在する場合は、問題がないが、内視鏡画像
の色分布が複数の領域にまたがる場合、各領域の境界付
近の色では、疑似輪郭が発生する可能性がある。これは
各領域に於ける色変換に相当する写像方向が異なるた
め、領域間で滑らかに変化しないためである。
【0174】したがって、各領域が接する境界領域を設
け、境界領域に於いては、重み係数を、例えば、w1 =
w2 =w3 =1/3というように、領域1と領域2と領
域3が等しく影響するように設定する等、予め決定して
おくことで、各領域間に於ける写像方向の不連続性を平
滑化することができる。
【0175】このように本実施例によれば、第1実施例
の効果に加え、CIE1976(L***)色空間内
に設定した複数領域に対応した、第1〜第3行列演算部
101、102、103からの複数の出力を、各々の領
域に対応して設定された重み係数を使った線形和演算を
行うことにより、高精度な色差の改善を行う色変換部5
0のコストを低減することができる。
【0176】又、各領域間に境界領域を設けて、境界領
域に於いては、例えば、w1 =w2=w3 =1/3とい
うように決定された重み係数を用いることによって、各
領域に於ける色変換結果を滑らかにつなぐことができ、
疑似輪郭の発生を抑えることができる。
【0177】次に第7実施例について説明する。図24
は第7実施例に係る色変換部のソフトウエアの構成を示
すソフトウエア構成図である。
【0178】第7実施例は第1実施例とほとんど同じで
あり、本実施例の第1実施例との主たる相違は色変換部
50の構成であり、本実施例の色変換部50は、第1実
施例の色変換部50に於ける色空間座標変換部60と行
列演算部61と色空間座標逆変換部62を、RGB行列
演算部だけで構成したことにある。
【0179】図5に於いて色空間座標変換部60へ入力
するRGBデータR,G,Bと、色空間座標逆変換部6
2から出力されるRGBデータR',G',B'とは1対
1の関係にある。したがって、RGBデータR,G,B
からRGBデータR',G',B'を予測する行列を作成
すれば、色空間座標変換部60、及び色空間座標逆変換
部62を省略でき、全体の構成を簡略化することができ
る。
【0180】そこで、本実施例では、RGBデータR,
G,BからRGBデータR',G',B'へ変換する行列
を作成し、この行列を使った行列演算により、全体とし
て簡単な構成で、色差を改善する。
【0181】第7実施例の色変換部50は、図24に示
すように、RGBデータを入力とし、RGBデータ
R',G',B'を出力するRGB行列演算部111で構
成される。その他の構成は第1実施例と同じである。
【0182】次に、本実施例に於ける作用について、R
GB行列演算部111を中心に説明する。
【0183】主記憶装置42から入力されたRGBデー
タは、RGB行列演算部111に於いて、式(27)に
基づいて、3×3の行列演算が行われ、RGBデータ
R',G',B'が出力される。
【0184】
【数7】 続いて、RGB行列演算部111に於ける行列要素の決
定方法について説明する。
【0185】第1実施例で述べたように、CIE197
6(L***)色空間に於ける予測行列を作成するの
に使用した、データ1及びデータ2は、観察用モニタ8
上に再現されるCIE1976(L***)色空間座
標に関して、データ1はRGBデータR,G,Bと対応
しており、又データ2はRGBデータR',G',B'に
対応している。したがって、第1実施例では、データ1
とデータ2を使って、CIE1976(L***)色
空間に於いて行列を予測したが、RGBデータR,G,
B及びRGBデータR',G',B'を使って予測して、
RGB行列演算部111で使用する行列を決定する。そ
の他の作用は第1実施例と同じである。
【0186】このように本実施例によれば、第1実施例
の効果に加え、色変換部50を第1実施例における色空
間CIE1976(L***)色空間座標変換部部6
0と行列演算部61と色空間座標逆変換部62とを、R
GB行列演算手段111で構成することにより、簡略化
した構成で、色差を改善することができる。
【0187】次に第8実施例について説明する。図25
及び図26は第8実施例に係り、図25は色変換部のソ
フトウエアの構成を示すソフトウエア構成図、図26は
図25の行列演算部の構成を示すソフトウエア構成図で
ある。
【0188】第8実施例は第1実施例とほとんど同じで
あり、本実施例の第1実施例との主たる相違は、色変換
部50の構成であり、パラメータ入力部と行列要素読出
し部、及び行列要素変更部を付加したことにある。な
お、本実施例に於ける構成は、パラメータ入力部と行列
要素変更部と行列要素読出し部以外、第1実施例と同じ
であるので、パラメータ入力部と行列要素変更部と行列
要素読出し部を中心に、その構成、作用について説明す
る。
【0189】行列演算部61の行列要素は、第1実施例
で述べたように、CIE1976(L***)色空間
に於いて、観察用モニタ8に再現される色と再現画像に
再現される色の色差が最小となるように決定されたが、
行列を決定するときに使ったデータ1、及びデータ2の
CIE1976(L***)色空間座標は、観察条
件、観察用モニタ8の発光特性、画像記録装置4に使わ
れる感光材料の種類等が異なると、それぞれ違ったCI
E1976(L***)色空間座標をもつことにな
り、その結果、データ1とデータ2を使って求めた行列
も違ったものになる。したがって、観察条件、観察用モ
ニタ8の発光特性、画像記録装置4に使われる記録材料
の種類等の組み合わせ毎に、異なった行列を用意する必
要がある。
【0190】そこで、本実施例では、観察条件、観察用
モニタ8の発光特性、画像記録装置4に使われる記録材
料の種類等をパラメータとして入力し、このパラメータ
に基づいて、行列演算に於ける行列Mを、適切な行列に
書換えることによって、観察条件、観察用モニタ8の発
光特性、画像記録装置4に使われる感光材料の種類等が
変化した場合にも対応した色差の改善を行う。
【0191】本実施例の色変換部50は、図25に示す
ように、作業者がキーボード等の情報入力装置41によ
り入力した観察条件、観察用モニタ8の発光特性、画像
記録装置4に使われる記録材料の種類等のデータをパラ
メータとして入力する、パラメータ入力部121と、パ
ラメータ入力部121から出力されるパラメータを受け
て、外部記憶装置44或いは主記憶装置42に記憶され
ている、観察条件、観察用モニタ8の発光特性、画像記
録装置4に使われる感光材料の種類等のパラメータの組
み合わせ毎に決定された、複数の行列から、適切な行列
を読み出す行列要素読出し部122と、行列演算部61
に使われる行列を行列要素読出し部122が読出した行
列に変更する行列要素変更部123とを備えて構成され
る。その他の構成は第1実施例と同じである。
【0192】次に、本実施例の作用について説明する。
キーボード等の情報入力装置41から入力された観察条
件、観察用モニタ8の発光特性、画像記録装置4に使わ
れる感光材料の種類等のデータは、パラメータ入力部1
21に於いて、パラメータとして色変換部50に入力さ
れる。そして、パラメータ入力部121を介して入力さ
れたパラメータに基づいて、行列要素読出し部122
が、磁気ディスクや光ディスク等の外部記憶装置44、
或いは主記憶装置42から適切な行列要素を読出し、行
列要素変更部123が、行列演算部61で使われる行列
を、パラメータに基づいて読み出された適切な行列に変
更する。この結果、行列演算部61に於ける行列は、観
察条件、観察用モニタ8の発光特性、画像記録装置4に
使われる記録材料の種類等の組み合わせに適応した状態
になる。その他の作用は第1実施例と同じである。
【0193】このように本実施例によれば、第1実施例
の効果に加え、観察条件、観察用モニタ8の発光特性、
内視鏡画像記録装置に使われる記録材料の種類等の組み
合わせが変化しても、パラメータ入力部121に於い
て、パラメータとしてこれらの条件を入力することによ
り、行列要素読出し部122が、外部記憶装置44、或
いは主記憶装置42からパラメータデータに基づいて適
切な行列要素を読出し、行列要素変更部123が行列演
算部61に使われる行列を行列要素読出し部122によ
り読み出された行列に変更することにより、観察用モニ
タ8と画像記録装置4との色差を改善できる。
【0194】又、行列演算部61の行列を書換えるので
はなく、図26に示すように行列演算部61を構成して
もよく、予め、観察条件、観察用モニタ8の発光特性、
画像記録装置4に使われる記録材料の種類等の組み合わ
せに対応した、複数の行列演算部126を設けて、これ
をパラメータ入力部121、及び切替手段127によ
り、複数の行列演算部126の中から、パラメータ入力
部121から入力されたパラメータに応じて、適切な行
列演算部を選択することによって、行列要素を読出して
変更するよりも高速に行列演算部61を動作させること
ができ、観察条件、観察用モニタ8の発光特性、内視鏡
画像記録装置に使われる記録材料の種類等の組み合わせ
に適用した色差の改善を行うことができる。
【0195】なお、図26では、3つの行列演算部を並
列に設けた例を示してあるが、これに限定されるもので
はない。
【0196】次に第9実施例について説明する。図27
ないし図30は第9実施例に係り、図27は色変換部の
ソフトウエアの構成を示すソフトウエア構成図、図28
は図27の色変換部の処理の流れを説明するフローチャ
ート、図29は図27の色変換部の処理の変形例の流れ
を説明するフローチャート、図30は図29のフローチ
ャートによる明度の好ましい変換について説明する概念
図である。
【0197】第9実施例は第1実施例とほとんど同じで
あり、本実施例の第1実施例との主たる相違は、色変換
部50の構成であり、本実施例の色変換部50では、色
空間座標変換部60と行列演算部61の間に、色相
(H)、彩度(C)、明度(V)変更部とパラメータ入
力部を付加したことにある。本実施例に於いて、色相
(H)、彩度(C)、明度(V)変更部とパラメータ入
力部以外の構成、及び動作については、第1実施例と同
じであるので、色相(H)、彩度(C)、明度(V)変
更部とパラメータ入力部を中心に、その構成、及び動作
について説明する。
【0198】第1実施例では、再現画像の色と観察用モ
ニタ8の色が、CIE1976(L***)色空間に
於いて色差最小となるように色変換を行ったが、このよ
うな色変換が必ずしも最適でない場合がある。内視鏡画
像の観察目的、観察者のもつ内視鏡画像の記憶、観察者
の内視鏡画像観察に関する経験年数等により、目標とな
る色再現は、CIE1976(L***)色空間に於
ける色差最小を目標とする色再現から変動することが知
られており、一般的に好ましい色再現として呼ばれてい
る。
【0199】そこで、本実施例では、色変換部50にお
いて行列演算手段61の前段の色調整のための手段を設
けることにより、画像記憶装置4に於いて、好ましい色
再現を実現する。
【0200】図27に示すように、本実施例の色変換部
50は、色空間座標変換部60からの出力であるCIE
1976(L***)色空間座標L*,u*,v*を入力
し、CIE1976(L***)色空間に於ける色相
(H)、彩度(C)、明度(V)の変更を行い、CIE
1976(L***)色空間座標L*d ,u*d ,v*d
を出力する、色相(H)、彩度(C)、明度(V)変更
部131と、色相(H)、彩度(C)、明度(V)の変
更量を入力し、色相(H)、彩度(C)、明度(V)変
更部131へ出力する、パラメータ入力部132とを備
えて構成され、その他の構成は第1実施例と同じであ
る。
【0201】続いて、本実施例に於ける色相(H)、彩
度(C)、明度(V)変更部131、及びパラメータ入
力部132の動作について、図28を用いて説明する。
【0202】図28に於いてステップS50は、パラメ
ータ入力部132に於ける動作であり、それ以外は、色
相(H)、彩度(C)、明度(V)変更部131に於け
る動作である。
【0203】ステップS51で、色空間座標変換部60
から出力されたCIE1976(L***)色空間座
標L*,u*,v*をu**平面に於ける極座標を表すH
とCに変換する。変換式は上述した式(25)である。
【0204】第4実施例で述べたように、極座標Hは人
間が知覚する三属性の内、色相に相当し、極座標Cは彩
度に相当する。又L*は色の三属性の内、明度に相当す
るように変換されているので、L*を明度Vとして扱
う。
【0205】以上のようにCIE1976(L*
**)色空間座標L*,u*,v*を色の三属性、色相
(H)、彩度(C)、明度(V)に変換するのは、人間
にとって最も直観的に理解しやすい色の調整方法だから
である。
【0206】ステップS50では、キーボード等の情報
入力装置41により作業者が入力した色相(H)、彩度
(C)、明度(V)の変更量をパラメータ入力部132
を介して、ΔH,ΔC,ΔVとして入力し、変更量Δ
H,ΔC,ΔVをステップS52へ出力する。
【0207】ステップS52では、色相(H)、彩度
(C)、明度(V)の変更が行われ、変更後の色相
(H′)、彩度(C′)、明度(V′)を出力する。ス
テップS53で、色相(H′)、彩度(C′)、明度
(V′)からCIE1976(L***)色空間座標
*d ,u*d ,v*d への変換が行われ、行列演算部6
1へ出力される。
【0208】行列演算部61では、色相、彩度、明度変
更後のCIE1976(L***)色空間座標L*d ,
*d ,v*d が再現画像に再現されるように、CIE1
976(L***)色空間に於いて色差最小の意味で
色変換が行われる。
【0209】ステップS52に於ける変更に伴って、C
IE1976(L***)色空間座標L*d ,u*d ,
*d が観察用モニタ8の色域外に出る色かの判定がス
テップS54に於いて行われ、CIE1976(L**
*)色空間座標L*d ,u*d,v*d が観察用モニタ8
の色域外に出る色については、ステップS55に於い
て、第4実施例の述べたように、色相、明度を変化させ
ずに、彩度方向に観察用モニタ色域の最外郭まで移動す
る等の色域圧縮処理が行われ、観察用モニタ色域内への
移動が行われる。そして、移動後のCIE1976(L
***)色空間座標が改めて、CIE1976(L*
**)色空間座標L*d ,u*d ,v*d として、行列演
算部61へ出力される。
【0210】一方、ステップS53から出力されたCI
E1976(L***)色空間座標L*d ,u*d ,v*
d が観察用モニタ8の色域内であれば、そのままCIE
1976(L***)色空間座標L*d ,u*d ,v*d
が行列演算部61へ出力される。
【0211】尚、ステップS50、及びステップS52
では、色相、彩度、明度の変更は単なる加法的な変更に
とどまっていたが、この部分を図29に示すステップS
61及びS62に置き換えることで、非線型な変更を含
めた関数で行うことも可能である。
【0212】内視鏡画像が記録された再現画像に関し
て、どのような明度変更が好まれるかを官能評価によっ
て求めた結果、図30に示すように、明度Vを全体に3
等分して、暗い方から暗部、中間部、明部とした場合、
暗部とした場合、暗部では比較的、コントラストが強め
(硬調)で、より明るくする傾向が、中間部では若干コ
ントラストを弱める(軟調)傾向が、明部では、硬調か
つ暗くする傾向が好まれることが分かった。このような
官能評価実験の結果に基づいて、図29のステップS6
1では色相、彩度、明度変更の基本関数形(変更関数)
を定義し、パラメータ入力部132で色相、彩度、明度
の変更関数に対応した、fH ,fC ,fVの変曲点の位
置等、関数形の形を変更するパラメータPH ,PC ,P
V を入力する。そしてステップS62で色相、彩度、明
度の変更が変更関数fH ,fC ,fV に基づいて行われ
る。その他の作用は第1実施例と同じである。
【0213】このように本実施例によれば、第1実施例
の効果に加え、パラメータ入力部132、及び色相
(H)、彩度(C)、明度(V)変更部131を行列演
算部61の前段に設けることにより、内視鏡像が記録さ
れた再現画像を観察する者にとってより好ましい方向へ
色を調整することが可能となり、好ましい色再現を実現
することができる。
【0214】又、色相(H)、彩度(C)、明度(V)
変更を官能評価実験に基づいた変更関数のパラメータ調
整によって行うことで、好ましい色再現を実現すること
ができる。
【0215】次に第10実施例について説明する。図3
1は第10実施例に係る色変換部の行列演算部の構成を
示すソフトウエア構成図である。
【0216】第10実施例は第1実施例とほとんど同じ
であり、本実施例の第1実施例との主たる相違は、行列
演算部61の構成であるので、異なる構成のみ説明し、
同一構成には同じ符号をつけ説明は省略する。
【0217】行列演算手段61で実行される3×3の行
列演算の行列Mは、内視鏡画像の色分布がCIE197
6(L***)色空間に於いて局在する性質を利用
し、線形重回帰モデルを使った重回帰分析によって決定
されることは、第1実施例で説明した。
【0218】そこで、本実施例では、1つの行列Mでは
対応できない、内視鏡画像の色分布が変化した場合を想
定し、入力される内視鏡画像の色分布に適応した行列M
を作成し、この行列を使った色変換を行い、色差の改善
を行う。
【0219】本実施例の行列演算部61は、図31に示
すように、色空間座標変換部60から出力されたCIE
1976(L***)色空間座標L*,u*,v*を使っ
て、CIE1976(L***)色空間に於けるヒス
トグラムを作成するヒストグラム作成部141と、ヒス
トグラム作成部141で作成されたヒストグラムを使っ
て主記憶装置42或いは外部記憶装置44に記憶されて
いるヒストグラムデータの更新を行うヒストグラムデー
タ更新部142と、主記憶装置42或いは外部記憶装置
44に記憶されている更新されたヒストグラムを読み出
すヒストグラムデータ読出し部143と、ヒストグラム
データ読出し部143により読み出されたヒストグラム
データを使って行列Mを決定するための色票データを選
択する色票データ選択部144と、色票データ選択部1
44から出力される説明変数と目的変数の組を使って重
回帰分析により行列Mを決定する行列決定部145と、
行列決定部145に於いて決定された行列要素を変更す
る行列要素変更部146と、行列要素変更部146によ
り変更された行列要素により実際に演算を実行する行列
演算実行部147とを備えて構成される。その他の構成
は第1実施例と同じである。
【0220】次に、本実施例の動作について説明する。
色空間座標変換手段60から出力されたCIE1976
(L***)色空間座標L*,u*,v*を使って、ヒス
トグラム作成部141が、ヒストグラムデータを作成す
る。そして、ヒストグラムデータ更新部142は、内視
鏡画像のCIE1976(L***)色空間に於ける
ヒストグラムデータを更新する。更新されたヒストグラ
ムデータは、ヒストグラムデータ読出し部143により
読み出され、色票データ選択部144は、読み出された
ヒストグラムデータを使って、行列を決定するための適
切なデータを選択する。
【0221】ヒストグラムデータの構造は、適当な精度
で量子化された、CIE1976(L***)色空間
の単位空間に分布する、内視鏡画像の画素数がデータと
して記録されている。
【0222】色票データ選択部144に於いて、度数に
対する閾値処理により、閾値以上の度数をもつ単位空間
の中心座標が色票データを参照するアドレスとなる。
【0223】色票データのデータ構造は、色票データ選
択部144で決定された参照アドレスに、第1実施例で
説明した、各々、説明変数、及び目的変数に相当するデ
ータ1、及びデータ2が組となって記録されている。
【0224】色票データ選択部144から出力されたデ
ータを使って、行列決定部143では重回帰分析によ
り、行列を決定する。決定された行列を行列要素変更部
146を経て行列演算実行部147へ出力することによ
り、行列演算部61は、現在入力されている内視鏡画像
の色分布に適応した状態になる。その他の作用は第1実
施例と同じである。
【0225】このように本実施例によれば、第1実施例
の効果に加え、ヒストグラム作成部141とヒストグラ
ムデータ更新部142とヒストグラムデータ読出し部1
43と色票データ選択部144と行列決定部145と行
列要素変更部146とを設け、入力された内視鏡画像の
色分布に応じた、色票データを選択し、行列決定部14
5により行列演算実行部147で使われる行列を決定
し、行列要素変更部146で行列を変更することで、入
力された内視鏡画像に適応的に変化する色変換部50を
実現することができ、色差を改善することができる。
【0226】以上、第1実施例から第10実施例までを
説明したが、第3実施例で説明した、異常値処理部82
の付加は、第4実施例、第5実施例、第6実施例、第7
実施例、第8実施例、第9実施例、第10実施例にも適
用が可能であり、極端な色変わりを防止しつつ、色変換
対象の色については色差を改善する効果がある。
【0227】又、第4実施例で説明した、行列演算部6
1に於ける行列演算を3×3の線形演算から、2次以上
の高次項を使った非線型行列演算へ変更は、第3実施
例、第5実施例、第6実施例、第7実施例、第8実施
例、第9実施例、第10実施例にも適用が可能であり、
観察用モニタ8に再現される色と再現画像の色の色差
が、CIE1976(L***)色空間に於ける色差
最小の意味に於いて、一般的な内視鏡画像、及び染色剤
が散布された画像等、特定の状況にも対応した、高精度
の色差の改善が達成できる。
【0228】又、第5実施例で説明した、色域圧縮部8
6の付加は、第3実施例、第4実施例、第6実施例、第
8の実施例、第9実施例、第10実施例にも適用が可能
であり、画像記録装置色域外データに対する色変換実行
の結果、著しい色再現誤差を発生することを防止し、画
像記録装置色域内で全体として、適切な色再現を得るこ
とができる。
【0229】又、第6実施例で説明した、複数の行列演
算部101〜103を設け、重み係数設定ぶ104と合
成ぶ105の付加は、第3実施例、第4実施例、第5実
施例、第7実施例、第8実施例、第9実施例、第10実
施例にも適用が可能であり、高精度な色差の改善を行う
色変換部50の演算コストを低減することができる。
【0230】又、第7実施例で説明した、色変換部50
に於ける色空間座標変換部0と行列演算部61と色空間
座標逆変換手段部62をRGB行列演算部111で置き
換えることは、第3実施例、第4実施例、第6実施例、
第8実施例、第10の実施例にも適用が可能であり、簡
略化した構成で、色差を改善することができる。
【0231】又、第8実施例で説明した、パラメータ入
力部121と行列要素変更部123と行列要素読出し部
122の付加は、第3実施例、第4実施例、第5実施
例、第6実施例、第7実施例、第9実施例にも適用が可
能で、観察条件、観察用モニタ8の発光特性、内視鏡画
像記憶装置に使われる記憶材料の種類等の組み合わせが
変化しても色差の改善が可能である。
【0232】又、第9の実施例で説明した、色相
(H)、彩度(C)、明度(V)変更部131とパラメ
ータ入力部132の付加は、第3実施例、第4実施例、
第5実施例、第6実施例、第8実施例、第10実施例に
も適用が可能で、好ましい色再現を実現することができ
る。
【0233】又、第10実施例で説明した、ヒストグラ
ム作成部141とヒストグラムデータ更新部142とヒ
ストグラムデータ読出し部143と色票データ選択部1
44と行列決定部145と行列要素変更部146を付加
したことは、第3実施例、第4実施例、第5実施例、第
9実施例にも適用することが可能で、入力された内視鏡
画像に適応的に変化する色変換部50を実現することが
でき、色差を改善することができる。
【0234】上記第1ないし第10実施例では、画像処
理装置3における処理を中央処理装置40によりソフト
ウエアにより実現する実施例について説明したが、以下
においては、画像処理装置3における処理をハードウエ
アで構成した場合の実施例について説明する。
【0235】まず、第11実施例について説明する。図
32ないし図36は第11実施例に係り、図32は画像
処理装置の構成を示すブロック図、図33は図32の画
像処理装置の変形例の構成を示すブロック図、図34は
図32の色変換回路の構成を示すブロック図、図35は
図32の鮮鋭感補正回路の構成を示すブロック図、図3
6は図35のフィルタリング部の構成を示すブロック図
である。
【0236】第11実施例は第1実施例とほとんど同じ
であり、本実施例の第1実施例との主たる相違は画像処
理装置3の構成であるので、異なる構成のみ説明し、同
一構成には同じ符号をつけ説明は省略する。
【0237】本実施例の画像処理装置3では、観察装置
7の信号処理部7A内のメモリ(1)36a、メモリ
(2)36b、メモリ(3)36c(図2参照)に記録
された画像データR,G,Bは、図32に示すように、
入力I/F160を介して、一旦メモリ161に記憶さ
れる。記憶された画像データを用いて、セレクタ16
2、164を介して色変換回路163及び/又は鮮鋭感
補正回路165により画像の色変換処理及び/又は鮮鋭
感補正処理を行う。そして、色変換処理及び/又は鮮鋭
感処理を受けた画像データをメモリ166に記憶する。
【0238】メモリ166に記憶された画像データが読
み出され、D/Aコンバータ167によってアナログ信
号に変換され、出力用I/F168aを介して画像記録
装置4に画像データを出力する。
【0239】或いは、メモリ166に記憶された画像デ
ータは読み出され、出力用I/F168bを介して、デ
ィジタル画像データが画像記録装置4に出力される。
【0240】以上のように、メモリ161とメモリ16
6との間でシリアルに信号処理を行うことで、回路構成
を1系統にまとめることができ、コストを削減できる。
【0241】また、画像処理装置3には、色変換回路1
63と鮮鋭感補正回路165の演算を制御するための演
算処理用コントローラ169と、メモリ161、166
のデータの読み書きを制御するためのメモリコントロー
ラ170が設けられている。セレクタ162はパラメー
タ入力装置用I/F171を介してパラメータ入力装置
172から出力された制御信号によって、色変換回路1
63、セレクタ164の一方が、選択的にメモリ161
に接続されるようになっている。
【0242】セレクタ164はパラメータ入力装置用I
/F171を介してパラメータ入力装置172から出力
された制御信号によって、鮮鋭感補正回路165、メモ
リ166の一方が、選択的にセレクタ164に接続され
るようになっている。
【0243】パラメータ入力装置用I/F171を介し
てパラメータ入力装置172から出力された制御信号は
演算処理用コントローラ169に入力しており、パラメ
ータ入力装置172から入力されるパラメータによって
色変換回路163、及び/又は鮮鋭感補正回路165の
動作を制御することが可能である。
【0244】ここで、色変換回路163及び/又は鮮鋭
感補正回路165にデータを入力したり、又は色変換回
路163、及び/又は鮮鋭感補正回路165からデータ
を出力したりすることを可能にするため、第11実施例
の画像処理装置3の変形例の構成を図33に示す。
【0245】すなわち、第11実施例の画像処理装置3
の変形例は、色変換回路163及び/又は鮮鋭感補正回
路165で実行される処理で使用されるパラメータや各
種係数データ等を変更する場合、パラメータや各種係数
データを複数種類記憶する記憶手段を設け、必要に応じ
てパラメータや各種係数データを読みだして、色変換回
路163及び/又は鮮鋭感補正回路165の処理方法を
変更することを可能にし、色変換回路163及び/又は
鮮鋭感補正回路165から出力されるデータを記憶する
ことを可能とするものである。
【0246】第11実施例の画像処理装置3の変形例で
は、図33に示すように、RAM等より構成されるメモ
リ175及び磁気ディスクや光磁気ディスク等から構成
される外部記憶装置173は、色変換回路163及び/
又は鮮鋭感補正回路165で実行される処理で使用され
る複数種類のパラメータや各種係数データ記憶する。メ
モリ175及び外部記憶装置173は、キーボード等の
情報入力装置172及び情報入力装置用I/F171を
介してコントローラ176に入力した信号によりコント
ローラ176で制御される。そしてコントロール信号に
よりメモリ175及び外部記憶装置173は、色変換回
路163及び/又は鮮鋭感補正回路165にデータを出
力したり、色変換回路163及び/又は鮮鋭感補正回路
165からデータを入力したりする。
【0247】この実施例では電子内視鏡6で得た内視鏡
画像に対し、画像処理装置3で処理を行い、画像記録装
置4に処理結果を出力する。又、色変換回路163を鮮
鋭感補正回路165の前段に位置するように示したが、
この位置は逆にすることも可能である。
【0248】画像記録装置4は、例えばビデオプリン
タ、或いはフィルムレコーダ等で構成される。
【0249】次に、色変換回路163について説明す
る。尚、RGBデータ、及びCIE1976(L**
*)色空間座標信号は、各々8ビットに規格化されてい
るものとするが、規格化数は8ビットに限定されるもの
でなく、8ビット以下、或いは8ビット以上でもよい。
【0250】図34に示すように、色変換回路163
は、セレクタ162からのRGBデータを入力としCI
E1976(L***)色空間座標L*,u*,v*信号
を出力するL*用LUT181a、u*用LUT181b
及びv*用LUT181cで構成される色空間座標変換
用LUT181と、色空間座標変換用LUT181から
出力されたCIE1976(L***)色空間座標
*,u*,v*信号をCIE1976(L***)色空
間座標L*',u*',v*'信号へ変換する、L*'用LUT
182a、u*'用LUT182b及びv*'用LUT18
2cで構成される色変換用LUT182と、色変換用L
UT182から出力されたCIE1976(L*
**)色空間座標L*',u*',v*'信号をRGBデータ
R',G',B'へ変換するセレクタ164に出力するR'
用LUT183a、G'用LUT183b及びB'用LU
T183cで構成される色空間座標逆変換用LUT18
3とを備えて構成される。
【0251】又、各々のLUT181〜183は、図3
3に示した画像処理装置3の変形例に於けるメモリ17
5、或いは外部記憶装置173からLUTデータを入力
することができる構成になっている。
【0252】次に、鮮鋭感補正回路165について説明
する。
【0253】図35に示すように、鮮鋭感補正回路16
5は、入力されたRGB各画像データに対しフィルタリ
ングを施すフィルタリング部201と、フィルタリング
の係数値を設定する係数値設定部202、係数値設定の
ためのデータを入力するデータ入力部203及び各ブロ
ックを制御する制御部204から構成される。
【0254】尚、この鮮鋭感補正回路165は、第1実
施例の鮮鋭感補正部51をハードウエアにより実現した
ものであり、鮮鋭感補正の原理については、第1実施例
(図9及び図11)で説明したので、説明は省略する。
【0255】フィルタリング部201は、図36に示す
ように、RGBデータ各々に対してのR,G,B用のフ
ィルタリング実行部210r、210g、210bより
なるフィルタリング実行部210と、処理結果の値を調
整するR,G,B用のデータ変換手段211r、211
g、211bよりなるデータ変換手段211から構成さ
れている。
【0256】フィルタリング実行部210に於いては、
RGB各原画像データに対し、空間周波数領域上に於け
るフィルタリングを実行する。。
【0257】フィルタリング実行部210によるフィル
タリング処理は、第1実施例で示した図10のステップ
S11〜S13に於ける処理であり、この処理によりR
GB各データの原画像r(x,y),g(x,y)及び
b(x,y)と、それぞれのデータに対するPSFであ
るhr(x,y),hg(x,y)及びhb(x,y)
に対して適用し、撮影用原画像R′,G′及びB′を得
る。
【0258】続いて、データ変換部211がRGB各デ
ータに於ける撮影用原画像R′,G′及びB′を入力
し、データ変換部211に於いては、フィルタリングに
より表示範囲を超えた値をもつデータを変換するための
後処理を実行する。すなわち、小数点以下のデータに対
する四捨五入や、表示可能範囲が例えば0〜255であ
る場合の0未満又は256以上の値の切り捨て等を行
う。この処理を適用後の各撮影用画像R′,G′及び
B′を処理結果として出力する。
【0259】この処理の詳細については第1実施例のフ
ィルタリング実行部65で説明しているので省略する。
【0260】次に、係数設定部202の動作について説
明する。係数設定手段202に於いては、フィルタリン
グ部201に於いて適用するフィルタの係数、すなわち
補正フィルタMr(u,v),Mg(u,v)及びMb
(u,v)に於ける各値をフィルタリング部201に送
出する。
【0261】又、データ入力部203は、係数設定に対
する情報を係数設定手段に送信する。写真撮影装置に於
いては、使用するカメラ、フィルム等によりPSFは異
なるため、各データを係数設定のために使用する情報と
し、適切な補正フィルタを設置するようにする。鮮鋭感
補正回路165のその他の作用は、第1実施例の鮮鋭感
補正部51と同じであるので、説明は省略する。
【0262】続いて、本実施例に於ける色変換回路16
3の動作について説明する。尚、色変換原理は第1実施
例で説明したので省略する。
【0263】まず、RGBデータR,G,Bが色空間座
標変換用LUT125に入力し、CIE1976(L*
**)色空間座標L*,u*,v*信号に変換される。
【0264】色空間座標変換用LUT181は、式
(1)と式(2)に基づいて(第1実施例参照)、RG
Bデータと、それに対するCIE1976(L*
**)色空間座標信号とが対になったデータを作成す
る。そして、色空間座標変換用LUT181へ、RGB
データが参照アドレスとなるように前記CIE1976
(L***)色空間座標L*,u*,v*データ予め書き
込んでおくことで作成する。
【0265】続いて、行列演算用LUT182に於い
て、式(3)に於ける演算を、CIE1976(L**
*)色空間座標L*,u*,v*が参照アドレスとなっ
て、CIE1976(L***)色空間座標L*',
*',v*'を出力することで実行する。
【0266】行列演算用LUT126は、CIE197
6(L***)色空間に於けるデータについて、式
(3)或いは式(4)に基づいた演算により、CIE1
976(L***)色空間座標L*,u*,v*とCIE
1976(L***)色空間座標L*',u*',v*'と
が対になったデータを作成し、CIE1976(L**
*)色空間座標L*,u*,v*が参照アドレスとなっ
て、CIE1976(L***)色空間座標L*',
*',v*'を出力するように作成される。
【0267】色空間座標逆変換用LUT183では、C
IE1976(L***)色空間座標L*',u*',
*'を規格化されたRGBデータR',G',B'へ変換
する。
【0268】このように本実施例によれば、第1実施例
の効果に加え、色変換回路163を色空間座標変換用L
UT181と行列演算用LUT182と色空間座標逆変
換用LUT183でハードウエアにて構成することによ
り、第1実施例におけるソフトウエア構成より高速に色
変換装置を動作させることが可能となり、観察用モニタ
8と再現画像との色差を改善する色変換回路163を高
速に動作させることができる。
【0269】尚、第3及び第5ないし第9実施例を以下
のように、構成することでハードウェアで実現すること
が可能となる。
【0270】すなわち、図14に於ける異常値処理部8
1をLUTで構成すれば、本実施例と同様に、第3実施
例をハードウェアで実現することが可能となる。
【0271】図17に於ける色域圧縮部86をLUTで
構成すれば、本実施例と同様に、第5実施例をハードウ
ェアで実現することが可能となる。
【0272】図22に於ける複数の行列演算部101,
102,103をLUTで構成し、合成部105を乗算
器と和算器で構成し、重み係数設定部104を色空間座
標変換用LUT181から出力されるCIE1976
(L***)色空間座標L*,u*,v*データをコント
ロール信号とする図33に示した画像処理装置3の変形
例におけるメモリ175或いは外部記憶装置173から
重み係数を読み出すコントローラとすることで、第6実
施例をハードウェアで実現することができる。
【0273】図24に於けるRGB行列演算部111を
LUTで構成することにより、第7実施例をハードウェ
アで実現することができる。
【0274】図25に於ける行列要素変更部123と行
列要素読出し部122とを、図33に示した画像処理装
置3の変形例におけるメモリ175或いは外部記憶装置
173からLUTデータを読み出すコントローラで構成
し、パラメータ入力部121をパラメータ入力装置用I
/F171で構成することにより、第8実施例をハード
ウェアで実現することができる。
【0275】図27に於ける色相(H)、彩度(C)、
明度(V)変更部131を色空間座標変換用LUT18
1から出力されるCIE1976(L***)色空間
座標L*,u*,v*データ及びパラメータデータをコン
トロール信号とする図33に示した画像処理装置3の変
形例におけるメモリ175、或いは外部記憶装置173
からLUTデータを読み出すコントローラとし、パラメ
ータ入力部132をパラメータ入力装置用I/F171
で構成することにより、第9実施例をハードウェアで実
現することができる。
【0276】次に第12実施例について説明する。図3
7は第12実施例に係る色変換回路の構成を示すブロッ
ク図である。
【0277】第12実施例は第11実施例とほとんど同
じであり、本実施例の第11実施例との相違は、色変換
回路の構成であるので、異なる構成のみ説明し、同一構
成には同じ符号をつけ説明は省略する。
【0278】例えば、入力信号が8ビットに規格化され
ている場合、第11実施例の図34に示されている行列
演算用LUT182は、24ビットのメモリ容量が必要
となり、色変換回路163全体のコストが高いものとな
る。そこで、LUTに入力する信号のビット数を低減す
ることで、色変換回路163の色差改善の精度を許容範
囲内で維持しつつ、色変換回路163全体のコストを下
げる。
【0279】第12実施例の色変換回路163は、図2
4に示した第7実施例の色変換部50をLUTで構成し
た例に相当し、図37に示すように、RGBデータR,
G,Bを入力し、RGBデータR′を出力するR′用L
UT221と、RGBデータG′を出力するG′用LU
T222と、RGBデータB′を出力するB′用LUT
223とより構成される。
【0280】尚、各々のLUT221,22,223の
動作は、演算用コントローラ169によって制御され
る。また、LUT221,22,223は、図33に示
した第11実施例の画像処理装置3の変形例におけるメ
モリ175、或いは外部記憶装置173からLUTデー
タを入力することができるようになっている。
【0281】各LUT221,22,223に関する動
作は、第7実施例に於けるRGB行列演算部111と同
じであるので、ここでは、各LUT221,222,2
23の入力ビット数の設定方法を中心に説明する。
【0282】第7実施例でも述べたが、RGBデータ
R,G,BからRGBデータR′,G′,B′を求める
行列を決定するには、公知の技術である重回帰分析が用
いられる。例えば、線形重回帰モデルを用いた重回帰分
析に於いて、目的変数R′を予測するのに、説明変数R
とGとBの重み付線形和が使われ、重回帰分析の結果求
められたRとGとBの重み係数は、各々説明変数R,
G,Bの目的変数R′に対する寄与の度合に相当するこ
とは周知の事実である。
【0283】そこで、目的変数に対する寄与の度合が低
い説明変数に対しては、その入力ビットを低減しても、
全体の色変換処理に対する影響は低いことから、R′用
LUTはR,G,B各8ビットの入力ではなく、R′に
対する寄与の度合に応じて入力ビットを、例えば8ビッ
ト、7ビット、7ビットというように変化させる。
G′,B′用LUTに対しても同様である。
【0284】以上、第7実施例に於けるRGB行列演算
部111をLUTで構成した例について説明してきた
が、第7実施例以外でも、構成要素がLUTで置き換え
られる場合は、全て適用が可能である。
【0285】このように本実施例によれば、第11実施
例の効果に加え、各LUTの入力ビットを出力信号に対
する、入力信号の寄与の度合に応じて変化させ、全体と
してより少ない入力ビットで構成されたLUTを用いる
ことで、全体のメモリ容量の低減が可能となり、色変換
回路163のコストを低減することができる。
【0286】次に第13実施例について説明する。図3
8は第13実施例に係る色変換回路の構成を示すブロッ
ク図である。
【0287】第13実施例は第12実施例とほとんど同
じであり、本実施例の第12実施例との相違は、色変換
回路の構成であるので、異なる構成のみ説明し、同一構
成には同じ符号をつけ説明は省略する。
【0288】第13実施例の色変換回路163は、図2
5に示した第8実施例の色変換部50をLUTで構成し
た例に相当し、第8実施例で説明した各種条件に適応さ
せた色変換や色三属性を変更し、好ましい色再現の実現
を、LUTで構成された色変換回路163で行うには、
行列演算部61のLUTデータを演算内容が変更する度
に書換えるか、或いは、複数並列に各種変更に対応した
行列演算用LUTを設けて、パラメータ入力に対して切
り換える必要があり、LUTデータの容量によっては、
書換え時間や色変換回路163のコストが無視できない
恐れがある。
【0289】一方、各種条件や色の三属性の変更度合に
よっては、もとの色変換に対して比較的簡単な低次の行
列演算により置き換えることが可能である。
【0290】そこで、本実施例では、各種条件や色の三
属性の変更等、もとの色変換からの変更を比較的簡単な
低次の行列演算により置き換えることができる場合、各
種条件や色の三属性の変更等を色変換用LUTの前段、
又は後段に設けた行列演算回路(以下、スペースコンバ
ータ)によって対応し、簡単な構成によって、色変換回
路163を各種条件や色三属性の変更等に対応できるよ
うする。
【0291】第13実施例の色変換回路163は、図3
8に示すように、各々色変換を行うR′用LUT221
とG′用LUT222及びB′用LUT223から出力
されるRGBデータに対して、行列演算を実行するスペ
ースコンバータ231と、スペースコンバータ231か
らの出力データが規格化範囲内を越えた場合、規格化処
理を行い、予め定められた規格化範囲内に写像するリミ
ッタ232とを備えて構成され、その他の構成は第12
実施例と同じであるである。
【0292】第13実施例の色変換回路163では、色
変換用LUT221、222及び223は、メモリ16
1から入力されたRGBデータを参照アドレスとし、R
GBデータR′,G′,B′を出力する。色変換用LU
T221、222及び223から出力されたRGBデー
タR′,G′,B′は、スペースコンバータ231によ
って行列演算が実行され、RGBデータR″,G″,
B″に変換される。そして、スペースコンバータ231
から出力されたRGBデータR″,G″,B″が予め定
められた規格化範囲を越えるデータについては、リミッ
タ232でデータの反転による色変わりを防止するた
め、規格化範囲内への丸め処理等の規格化処理に相当す
る写像が行われる。
【0293】一方、パラメータ入力装置用I/F171
を介して入力されたパラメータに基づいて、図33に示
した第11実施例の画像処理装置3の変形例における外
部記憶装置173或いはメモリ175からスペースコン
バータ231の係数データを読出し、書換えることが可
能である。
【0294】図38では、スペースコンバータ231と
リミッタ232を色変換用LUT221、222及び2
23の後段に設けた例について示してあるが、スペース
コンバータ231とリミッタ232を色変換用LUT2
21、222及び223の前段に設けても、同様の動作
である。
【0295】このように本実施例によれば、第12実施
例の効果に加え、各種条件や色三属性の変更等を色変換
用LUTの前段、又は後段に設けたスペースコンバータ
231によって対応し、簡単な構成によって、色変換回
路163を各種条件や色の三属性の変更等に対応できる
ようすることが可能となる。
【0296】次に第14実施例について説明する。図3
9は第14実施例に係る色変換回路の構成を示すブロッ
ク図である。
【0297】第14実施例は第11実施例とほとんど同
じであり、本実施例の第11実施例との相違は、色変換
回路の構成であるので、異なる構成のみ説明し、同一構
成には同じ符号をつけ説明は省略する。
【0298】第12実施例を説明する図37の構成で
は、LUTの内容をデータ線を使って書換えることが可
能であるが、LUTのメモリ容量によっては、書換え時
間がかかる。そこで、本実施例では、LUTへ入力する
コントロール信号によって切り換えることで、LUTの
内容を高速に変更する。
【0299】第14実施例の色変換回路163は、第7
実施例の色変換部50をLUTで構成した例に相当し、
図39に示すように、RGBデータR,G,Bとコント
ロール信号を入力し、RGBデータR′を出力するR′
用LUT241と、RGBデータG′を出力するG′用
LUT242と、RGBデータB′を出力するB′用L
UT243とより構成される。
【0300】R′用LUT241、G′用LUT242
及びとB′用LUT243の動作は第12の実施例の
R′用LUT221、G′用LUT222及びとB′用
LUT223の動作とほとんど同じであるので、ここで
はR′用LUT241、G′用LUT242及びとB′
用LUT243に入力するコントロール信号の動作につ
いて説明する。
【0301】R′用LUT241、G′用LUT242
及びとB′用LUT243には、予め複数系統のデータ
を記憶させておく。コントロール信号は、R′用LUT
133とG′用LUT134とB′用LUT135に記
憶させておいた複数系統のデータを切換えられるだけの
ビット数が確保されている。
【0302】コントロール信号は図32に示す演算処理
用コントローラ169から出力されており、例えばキー
ボード等のパラメータ入力装置172から入力された信
号である。
【0303】作業者は各種条件や色の三属性の変更等に
よる色変換方法に切替を、パラメータ入力装置172で
入力し、演算処理用コントローラ169は、パラメータ
に基づいて複数係数のLUTデータを切り換えるコント
ロール信号を色変換回路163に出力する。このコント
ロール信号は、R′用LUT241、G′用LUT24
2及びとB′用LUT243に入力され、複数系統のL
UTデータの中から適切なLUTデータを参照するよう
にLUTの動作を制御する。
【0304】以上、第14実施例の動作について説明し
たが、本実施例で示した構成以外でも、LUTで構成可
能な実施例については、本実施例と同じ構成及び動作を
適用することが可能である。
【0305】このように本実施例によれば、第12実施
例の効果に加え、複数系統のLUTデータを予め記憶さ
せておいた各LUTにコントロール信号を入力するため
の信号線を設け、LUTの参照動作をコントロール信号
により制御することで、高速に色変換方法を切り換える
ことが可能となる。
【0306】次に第15実施例について説明する。図4
0は第15実施例に係る鮮鋭感補正回路のフィルタリン
グ部の構成を示すブロック図である。
【0307】第15実施例は第11実施例とほとんど同
じであり、本実施例の第11実施例との相違は、鮮鋭感
補正回路165の構成であるので、異なる構成のみ説明
し、同一構成には同じ符号をつけ説明は省略する。
【0308】第15実施例の鮮鋭感補正回路165は、
図8に示した第1実施例の鮮鋭感補正部51の変形例を
ハードウエアで構成した例に相当し、この鮮鋭感補正の
原理については、第1実施例(図11)で説明したの
で、説明は省略する。
【0309】本実施例に於ては、フィルタリング実行部
を、ディジタルフィルタにより構成しており、ディジタ
ルフィルタによるフィルタリングは、リアルタイムでの
処理の実現に於いて有利となる。ここでは、ディジタル
フィルタとして、FIRフィルタを用いるものとする。
【0310】フィルタリング部201は、図40に示す
ように、RGBデータ各々に対してのR,G,B用のF
IRフィルタリング実行部250r、250g、250
bよりなるFIRフィルタリング実行部250と、処理
結果の値を調整するR,G,B用のデータ変換手段25
1r、251g、251bよりなるデータ変換手段25
1とを備えて構成されている。その他の構成は第11実
施例と同じである。
【0311】フィルタリング実行部250に於いては、
RGB各原画像データに対し、空間周波数領域上に於け
るフィルタリングを実行する。その処理の流れは第1実
施例の変形例で説明しているので、省略する。
【0312】次に、本実施例に於ける係数設定部202
の動作について説明する。係数設定部202に於いて
は、フィルタリング部201に於いて適用するFIRフ
ィルタリング実行部250r、250g、250bの係
数を設定する。例えば、写真撮影装置のMTFを理想M
TFに補正する場合には、前述の補正フィルタMr
(u,v),Mg(u,v)及びMb(u,v)のそれ
ぞれの逆フーリエ変換であるmr(x,y),mg
(x,y)及びmb(x,y)をFIRフィルタの係数
として、フィルタリング部201に送出する。
【0313】又、データ入力部203は、係数設定に対
する情報を係数設定部202に送信する。写真撮影装置
に於いては、使用するカメラ、フィルタ等によりPSF
は異なるため、各データを係数設定のために使用する情
報とし、適切な補正フィルタの空間周波数特性を与える
FIRフィルタを設定するようにする。その他の作用は
第11実施例と同じである。
【0314】従って、第15実施例によれば、第11実
施例の効果に加え、リアルタイムでの処理の実現に於い
て有利となる。
【0315】尚、図3における構成にて鮮鋭感補正を実
現する際には、以上に示した一連の処理または処理の一
部を、図3における中央処理装置40において動作させ
れば良い。
【0316】次に第16実施例について説明する。図4
1ないし図44は第16実施例に係り、図41は鮮鋭感
補正回路の構成を示すブロック図、図42は図41の合
成部の構成を示すブロック図、図43は図41のデータ
変換部の構成を示すブロック図、図44は図41の合成
部の変形例の構成を示すブロック図である。
【0317】第16実施例は第11実施例とほとんど同
じであり、本実施例の第11実施例との相違は、鮮鋭感
補正回路165の構成であるので、異なる構成のみ説明
し、同一構成には同じ符号をつけ説明は省略する。
【0318】第16実施例に於いては、鮮鋭感の補正処
理にともない発生する、撮像画像のSN比の劣化を抑制
するものであり、第15実施例の鮮鋭感補正回路165
は、図13に示した第2実施例の鮮鋭感補正部51をハ
ードウエアで構成した例に相当し、この鮮鋭感補正の原
理については、第2実施例で説明したので、説明は省略
する。
【0319】次に、本実施例に於ける鮮鋭感補正回路1
65の構成及び動作について説明する。
【0320】第16実施例の鮮鋭感補正回路165は、
図41に示すように、入力されたRGB各データに対し
フィルタリングを施すフィルタリング部261と、重み
係数値wを設定する重み係数値w設定手段262と、重
み係数値wにより原画像とフィルタリング処理結果画像
とを合成する合成部263と、処理結果出力値を調整す
るデータ変換部264とを備えて構成される。その他の
構成は第11実施例と同じである。
【0321】フィルタリング部261に於いては、入力
された原画像に於けるRGB各データに対し、鮮鋭感補
正成分画像Rs(x,y),Gs(x,y)及びBs
(x,y)を生成する(第2実施例参照)ためのフィル
タリングを適用する。フィルタリングの具体的な実現手
段は、第11実施例に於いて説明した空間周波数領域で
のフィルタリング及び第15実施例に於いて説明したデ
ィジタルフィルタであるFIRフィルタによるフィルタ
リングのいずれかを使用すればよい。
【0322】重み係数値w設定部262は、画像の明る
さに関する情報に基づき、第2実施例で説明した重み係
数値wを設定する。
【0323】合成部263に於いては、原画像に於ける
RGB各データ、フィルタリング部261より出力され
た鮮鋭感補正成分画像Rs(x,y),Gs(x,y)
及びBs(x,y)、重み係数値wを用いた演算(式
(20)〜(22)参照)が行われる。
【0324】そこで、図42に示すように、合成部26
3では、R,G,B用の乗算部281rないしbに於い
ては、鮮鋭感補正成分画像Rs(x,y),Gs(x,
y)及びBs(x,y)に対する重み係数値wの乗算が
行われる。続いて、R,G,B用の加算部282rない
しbに於いて、R,G,B用の乗算部281rないしb
からの出力であるw・Rs(x,y),w・Gs(x,
y)及びw・Bs(x,y)と原画像によるR(x,
y),G(x,y)及びB(x,y)との加算が行われ
る。これらの演算結果R′(x,y),G′(x,y)
及びB′(x,y)を続くデータ変換部264に出力す
る。
【0325】データ変換部264は、図43に示すよう
に、R,G,B用のデータ変換部291rないしbによ
り構成される。データ変換部291rないしbに於いて
は、各々に対し入力されたR′(x,y),G′(x,
y)及びB′(x,y)が表示範囲を超えたデータを変
換するための後処理を実行する。すなわち、小数点以下
のデータに対する四捨五入や、表示可能範囲が例えば0
〜255である場合の0未満又は256以上の値の切り
捨て等を行う。この処理を適用後の各撮影用画像R″,
G″及びB″を処理結果として出力する。データ変換手
段264は、例えばROM(読出し専用メモリ)による
LUT(ルックアップテーブル)により構成してもよ
い。
【0326】次に、本実施例に於ける係数設定部202
の動作について説明する。係数設定部202に於いて
は、フィルタリング部261に於いて適用するフィルタ
の係数、すなわち空間周波数領域でのフィルタリングを
用いるのであれば帯域通過フィルタMpr(u,v),
Mpg(u,v)及びMpb(u,v)に於ける各値
を、ディジタルフィルムによるフィルタリングを用いる
のであれば各補正フィルタの特性を与えるフィルタ係数
mpr(x,y),mpg(x,y)及びmpb(x,
y)をフィルタリング部261に送出する。
【0327】又、データ入力203は、係数設定に対す
る情報を係数設定部102に送信する。写真撮影装置に
於いては、使用するカメラ、フィルム等によりPSFは
異なるため、各データを係数設定のために使用する情報
とし、適切な補正フィルタを設定するようにする。さら
に、原画像が例えば内視鏡による撮像画像であれば、使
用した内視鏡の機種に基づく個体撮像素子の画素数等の
情報によりMp′(u,v)或いはmp′(x,y)の
制御を行ってもよい。解像度の違いに基づき式d8及び
式d9をそれぞれ適用する周波数帯域を変更することか
ら、より好ましい撮影画像が得られる。その他の作用は
第11実施例と同じである。
【0328】従って、本実施例では、第11実施例の効
果に加え、第2実施例同様に、鮮鋭感の補正処理にとも
ない発生する、撮像画像のSN比の劣化を抑制すること
ができる。
【0329】尚、本実施例に於いては鮮鋭感補正成分画
像を帯域通過フィルタリングにより生成したが、第2実
施例と同様に、第11及び15実施例に於いて説明した
補正フィルタM(u,v)による処理結果画像を用いて
同様の効果を実現することも可能である。
【0330】すなわち、原画像f(x,y)と補正フィ
ルタによる処理結果である鮮鋭感補正成分画像fs
(x,y)との重み係数値wによる重み付け演算を第2
実施例で説明した式(23)に置き換え、画像の明るさ
を表す情報成分により重み係数値wを制御すればよい。
重み係数値wの制御方法及び決定した前述の方法により
実現すればよい。
【0331】これにともない、図41に於ける合成部2
63を図44に示すものに変更する。すなわち、図44
に示すように、フィルタリング部261より出力された
鮮鋭度補正成分画像Rs(x,y),Gs(x,y)及
びBs(x,y)に対し、第1乗算部301に於いて重
み係数値wとの乗算が行われる。又、入力された原画像
R(x,y),G(x,y)及びB(x,y)に対し、
第2乗算部302に於いて(1.0−w)との乗算が行
われる。そして、加算部303に於いては第1乗算ぶ3
01及び第2乗算手段302の各々の演算結果を加算
後、R′(x,y),G′(x,y)及びB′(x,
y)としてデータ変換手段264に送出する。
【0332】尚、本実施例に於いて説明した合成部26
3の実現に関しては、その構成要素である乗算部及び加
算部を、例えばRAM(読出し専用メモリ)を用いたL
UT(ルックアップテーブル)を使用してもよい。
【0333】又、本実施例に於いては重み係数値wの制
御を画像の画素ごとに行うものとしたが、例えば画像を
複数のブロックに分割し、明るさを表す情報成分の各ブ
ロックに於ける平均値により制御してもよい。この場合
は1つのブロック内に於ける各画素には同じ重み係数値
wが適用される。
【0334】尚、図3における構成にて鮮鋭感補正を実
現する際には、以上に示した一連の処理または処理の一
部を、図3における中央処理装置40において動作させ
れば良い。
【0335】次に第17実施例について説明する。図4
5及び図46は第17実施例に係り、図45はFIRフ
ィルタのマスクサイズを説明する説明図、図46は図4
5のFIRフィルタを備えたフィルタリング部の構成を
示すブロック図である。
【0336】第17実施例は第11実施例とほとんど同
じであり、本実施例の第11実施例との相違は、鮮鋭感
補正回路165の構成であるので、異なる構成のみ説明
し、同一構成には同じ符号をつけ説明は省略する。
【0337】第17の実施例は、第15及び16の実施
例に於けるフィルタリング部250及び261に係り、
特にFIRフィルタを用いた構成に於いて関連する。
【0338】2次元のFIRフィルタは、マスクサイズ
n1×n2(n1,n2は0でない正数)により構成さ
れる。ここでは、簡単のためn1=n2=nとし、マス
クサイズn×nのFIRフィルタを例とし、説明する。
【0339】一般に、FIRフィルタのハードウェアに
よる実現に於いては、そのマスクサイズがハードウェア
コストに対して大きく影響する。例えば、マスクサイズ
9×9のFIRフィルタは、マスクサイズ5×5(ハー
ドウェアデバイスとしては、このサイズが一般的であ
る)のFIRフィルタによるフィルタリングを実行可能
であるデバイスでの構成に4個を要し、RGB3系統の
データに対しては、合計12個を要することとなる。
又、デバイスの数の増加にともないディレイ等の周辺ハ
ードウェアも多数が必要となる。したがって、FIRフ
ィルタに於けるマスクサイズの大型化は、ハードウェア
コストの増大なる問題を招く。
【0340】そこで、FIRフィルタを用いたフィルタ
リング部に於いて、マスクサイズが大型化した場合で
も、それにともなうハードウェアコストの増加を最小限
にとどめる構成を実現する。
【0341】本実施例に於いては、1個のFIRフィル
タがもつ空間周波数特性を、複数のより小さいマスクサ
イズのFIRフィルタ(以下、分割フィルタ)のカスケ
ード接続により実現することで、上記目的を達成する。
【0342】マスクサイズ(4k+1)×(4k+1)
(ただし、k=1,2,3,…)のFIRフィルタの係
数は、マスクサイズ(2k+1)×(2k+1)のFI
Rフィルタ2個のたたみ込み演算により表現できる。
【0343】例えば、図45は、k=1のとき、すなわ
ちマスクサイズ5×5のFIRフィルタm0(x,y)
(図45(a))の係数を、マスクサイズ3×3のFI
Rフィルタm1(x,y)(図45(b))及びm2
(x,y)(図45(c))との間に於けるたたみ込み
演算により構成した例である。
【0344】これらのマスクサイズ3×3のFIRフィ
ルタを原画像f(x,y)に対してカスケード接続的に
適用した処理結果画像f′(x,y)は、 f′(x,y)=(f(x,y)*m1(x,y))*m2(x,y) … (28) となる。ただし、*はたたみ込み演算を表す。一方、 m0(x,y)=m1(x,y)*m2(x,y) … (29) より、式(28)は f′(x,y)=f(x,y)*(m1(x,y)*m2(x,y)) =f(x,y)*m0(x,y) … (30) と表せ、フィルタm0(x,y)による処理結果と一致
することがわかる。
【0345】又、空間周波数特性の上では、式(28)
は F′(u,v)=(F(u,v)・M1(u,v))・M2(u,v) … (31) と表せ、さらに M0(u,v)=M1(u,v)・M2(u,v) … (32) より F′(u,v)=F(u,v)・(M1(u,v)・M2((u,v)) =F(u,v)・M0(u,v) … (33) が示される。
【0346】ここで、F(u,v),F′(u,v),
M0(u,v),M1(u,v)及びM2(u,v)は
それぞれf(x,y),f′(x,y),m0(x,
y),m1(x,y)及びm2(x,y)のフーリエ変
換である。
【0347】以上の説明と同様に、マスクサイズ9×9
のFIRフィルタ(k=2)の係数は、マスクサイズ5
×5の2個のFIRフィルタのたたみ込み演算から構成
可能である。又、それらのFIRフィルタのカスケード
接続的な適用からマスクサイズ9×9のFIRフィルタ
でのフィルタリング1回の処理と同等の処理結果が得ら
れる。
【0348】したがって、必要となるマスクサイズ5×
5のFIRフィルタによるフィルタリングを実行するデ
バイスは2個となり、ハードウェアコストの大幅な低減
となる。
【0349】ここでは、第15実施例の鮮鋭感補正装置
201に於けるフィルタリング部250に適用した例に
説明する。適用するFIRフィルタのマスクサイズは9
×9とし、これをマスクサイズ5×5のFIRフィルタ
2個(それぞれ、第1のFIRフィルタ及び第2のFI
Rフィルタとする)のカスケード接続により実現する。
【0350】本実施例に於けるフィルタリング部201
は、図46に示すように、R,G,B用の第1フィルタ
リング実行部310rないしbからなる第1フィルタリ
ング実行部310と、R,G,B用の第2フィルタリン
グ実行部311rないしbからなる第2フィルタリング
実行部310と、処理結果の値を調整するR,G,B用
のデータ変換部211rないしbからなるデータ変換部
211より構成される。
【0351】第1フィルタリング実行部310に於いて
は、入力されるRGB各原画像データに対し、第1のF
IRフィルタmr1(x,y)ないしmb1(x,y)
によるフィルタリングを実行する。
【0352】第2フィルタリング実行部311に於いて
は、第1フィルタリング実行部310によるフィルタリ
ング処理結果によるR′G′B′各画像データに対し、
第2のFIRフィルタmr2(x,y)ないしmb2
(x,y)によるフィルタリングを実行する。
【0353】mr1(x,y)及びmr2(x,y),
mg1(x,y)及びmg2(x,y),mb1(x,
y)及びmb2(x,y)は、それぞれカスケード接続
的に適用した場合に補正フィルタの周波数特性Mr0
(u,v),Mg0(u,v)及びMb0(u,v)を
実現するように設定する。
【0354】データ変換部211に於いては、第2フィ
ルタリング実行部311によるフィルタリング処理結果
であるR″G″B″各画像データが入力される。ここで
はフィルタリングにより表示範囲を超えた値をもつデー
タを変換するための後処理を実行する。すなわち、小数
点以下のデータに対する四捨五入や、表示可能範囲が例
えば0〜255である場合の0未満又は256以上の値
の切り捨て等を行う。この処理を適用後の各撮影用画像
R"',G"'及びB"'を処理結果として出力する。データ
変換部211は、例えばROM(読出し専用メモリ)に
よるLUT(ルックアップテーブル)により構成しても
よい。
【0355】次に、本実施例に於ける係数設定部202
の動作について説明する。係数設定部202に於いて
は、第1フィルタリング実行部310及び第2フィルタ
リング実行部311に於いて適用するFIRフィルタの
係数を設定する。例えば、写真撮影装置のMTFを理想
MTFに補正する場合には、前述の補正フィルタMr
(u,v),Mg(u,v)及びMb(u,v)のそれ
ぞれの空間周波数特性を実現するためのFIRフィルタ
の組み合わせであるmr1(x,y)及びmr2(x,
y),mg1(x,y)及びmg2(x,y),mb1
(x,y)及びmb2(x,y)を、第1フィルタリン
グ実行部310及び第2フィルタリング実行部311に
送出する。
【0356】又、データ入力部203は、係数設定に対
する情報を係数設定部202に送信する。写真撮影装置
に於いては、使用するカメラ、フィルム等によりPSF
は異なるため、各データを係数設定のために使用する情
報とし、適切な補正フィルタの空間周波数特性を与える
FIRフィルタを設定するようにする。
【0357】なお、原画像f(x,y)に於いてノイズ
成分が混入している場合には、理想的な逆フィルタを適
用した場合にノイズ成分を強調する結果となることがあ
る。このような場合に於いては、第15実施例に於いて
説明したように、適用する補正フィルタM0(u,v)
の空間周波数特性を変更し、高周波帯域に於ける補正の
度合いを制御すればよい。第1及び第2のFIRフィル
タm1(x,y)及びm2(x,y)は、カスケード接
続的に適用した場合にM0(u,v)の空間周波数特性
を与えるように設定すればよい。これにより、不要なノ
イズ成分の強調を防ぎつつ、実用上必要な周波数帯域に
於けるMTFの補正を行うことが可能となる。
【0358】さらに、ノイズに対する統計的な性質が既
知の場合、逆フィルタの適用ではなく、ウィーナフィル
タ或いは最小2乗フィルタ等を作成し、それらの空間周
波数特性を与える第1及び第2のFIRフィルタを設定
してもよい。
【0359】又、第11実施例に於いて説明したものと
同様に、係数設定部202に於いて設定するFIRフィ
ルタの係数を変更し、より積極的にMTFを制御するこ
とにより、観察に好適な画像を得ることができる。
【0360】すなわち、図11(c)に示した空間周波
数特性を与えるように、第1及び第2のFIRフィルタ
を設定することにより、撮影画像はより鮮鋭感が強調さ
れたものとなる。
【0361】M0′(u,v)は、データ入力手部20
3により、前述した写真撮影装置に於いて使用するカメ
ラ、フィルムの違いによるPSFの変更に加え、周波数
帯域及び空間周波数特性の増減分が調整される。
【0362】さらに、第11ないし16実施例に於いて
説明したように、原画像が例えば内視鏡による撮像画像
であれば、使用した内視鏡の機種に基づく個体撮像素子
の画素数等の情報によりM′(u,v)の制御を行って
もよい。
【0363】又、第16実施例に於いて説明した鮮鋭感
補正回路263の構成に於いても、フィルタリング部2
61の構成を複数のFIRフィルタによるフィルタリン
グ実行部のカスケード接続により実現可能であることは
明らかである。
【0364】なお、本実施例に於いて分割フィルタの個
数を2個としたが、3個以上の分割フィルタによる構成
も可能である。例えば、マスクサイズ13×13のFI
Rフィルタの空間周波数特性は、マスクサイズ5×5の
FIRフィルタの3個のカスケード接続的な適用により
実現される。
【0365】尚、図3における構成にて鮮鋭感補正を実
現する際には、以上に示した一連の処理または処理の一
部を、図3における中央処理装置40において動作させ
れば良い。
【0366】次に第18実施例について説明する。図4
7は第18実施例に係るフィルタリング部の構成を示す
ブロック図である。
【0367】第18実施例は第17実施例とほとんど同
じであり、本実施例の第17実施例との相違は、鮮鋭感
補正回路165のフィルタリング部201の構成である
ので、異なる構成のみ説明し、同一構成には同じ符号を
つけ説明は省略する。
【0368】FIRフィルタによるフィルタリングの実
行に使用するハードウェアデバイスの入力データの語長
に依存する問題が発生する場合がある。例えば、第17
実施例の図46に於いて、ハードウェアデバイスの入力
データの語長が8ビット、すなわち0〜255であるも
のとする。又、入力されるRGB原画像データも又各々
0〜255の値をとるものとする。第1FIRフィルタ
リング実行部310の係数値が、例えばすべて0以上1
以下であり、かつ係数値の総和が1であれば、第2フィ
ルタリング実行部311への入力となるR′G′B′各
画像データの値も又0〜255の範囲をとる。しかしな
がら、第1FIRフィルタリング実行部310の係数に
よっては、フィルタリング処理結果のデータに対し、ハ
ードウェアデバイスの出力データの語長が十分に長けれ
ば、第1FIRフィルタリング実行部310rないしb
より出力される処理結果は、第2FIRフィルタリング
実行部311rないしbへの入力として許容される0〜
255の範囲を超えることが考えられる。
【0369】そこで、本実施例では、鮮鋭感補正回路1
65のフィルタリング部201の構成を、例えば図47
に示すように構成する。すなわち、第1のFIRフィル
タによるフィルタリングを実行する第1フィルタリング
実行部330rないしbよりなる第1フィルタリング実
行部330と、第2のFIRフィルタによるフィルタリ
ングを実行する第2フィルタリング実行手段332rな
いしbよりなる第2フィルタリング実行部332との間
に、データ変換部331rないしbよりなるデータ変換
部331を設ける。
【0370】データ変換部331rないしbは、第1フ
ィルタリング実行部330rないしbからの出力データ
の語長を第2フィルタリング部332rないしbに対す
る入力データの語長に合致するように丸め、切り捨て或
いは圧縮等の処理を行う。データ変換部331rないし
bの実現に関しては、例えばRAM(読出し専用メモ
リ)を用いたLUT(ルックアップテーブル)を使用し
てもよい。 第2フィルタリング部332rないしbに
よる処理結果は、データ変換部211rないしbにそれ
ぞれ入力され、フィルタリングにより表示範囲を超えた
値をもつデータを変換するための後処理を実行する。す
なわち、小数点以下のデータに対する四捨五入や、表示
可能範囲が例えば0〜255である場合の0未満又は2
56以上の値の切り捨て等を行う。データ変換部211
rないしbは、例えばROM(読出し専用メモリ)によ
るLUT(ルックアップテーブル)により構成してもよ
い。
【0371】以上により、第18実施例では、ハードウ
ェアデバイスの入力語長に依存するデータ分布範囲の制
限に関する問題を解決しつつ、FIRフィルタのカスケ
ード接続構成によるハードウェアコストの低減が実現さ
れる。
【0372】尚、図3における構成にて鮮鋭感補正を実
現する際には、以上に示した一連の処理または処理の一
部を、図3における中央処理装置40において動作させ
れば良い。
【0373】次に第19実施例について説明する。図4
8は第19実施例に係るフィルタリング部の構成を示す
ブロック図である。
【0374】第19実施例は第17実施例とほとんど同
じであり、本実施例の第17実施例との相違は、鮮鋭感
補正回路165のフィルタリング部201構成であるの
で、異なる構成のみ説明し、同一構成には同じ符号をつ
け説明は省略する。
【0375】FIRフィルタによるフィルタリングの実
行に使用するハードウェアデバイスの入力データの語長
に依存する問題が発生する場合がある。例えば、第17
実施例の図46に於いて、ハードウェアデバイスの入力
データの語長が8ビット、すなわち0〜255であるも
のとする。又、入力されるRGB原画像データも又各々
0〜255の値をとるものとする。第1のFIRフィル
タの係数値が、例えばすべて0以上1以下であり、かつ
係数値の総和が1であれば、第2のフィルタリング手段
への入力となるR′G′B′各画像データの値も又0〜
255の範囲をとる。
【0376】しかしながら、第1のFIRフィルタの係
数によっては、フィルタリング処理結果のデータに対
し、ハードウェアデバイスの出力データの語長が十分に
長ければ、第1フィルタリング実行部310rないしb
より出力される処理結果は、第2フィルタリング実行部
311rないしbへの入力として許容される0〜255
の範囲を超えることが考えられる。
【0377】そこで、本実施例では、フィルタリング部
201を図48に示すように構成する。
【0378】すなわち、図48に於いては、第2のFI
Rフィルタによるフィルタリング実行手段を、第2フィ
ルタリング実行部335r1及びr2ないしb1及びb
2より構成する。つまり、RGB各データに対し、それ
ぞれ第2のフィルタリング実行手段として2個のハード
ウェアデバイスを設ける。又、第2フィルタリング実行
部335r1及びr2ないしb1及びb2による処理結
果をそれぞれ入力する合成部336rないしbを備えて
いる。
【0379】第2フィルタリング実行部335r1及び
r2ないしb1及びb2のそれぞれに対しては、第1フ
ィルタリング実行部334rないしbによるフィルタリ
ング処理結果R′G′B′画像データの下位8ビットデ
ータであるR′l,G′l,B′l及び残りの上位ビッ
トデータであるR′h,G′h,B′hがそれぞれ入力
される。下位及び上位ビットデータへの分割は、第1フ
ィルタリング実行部334rないしbの後段にそれぞれ
設けられた分配部341rないしbにより実現する。そ
して、第2のFIRフィルタによるフィルタリングを各
々で実行し、R″G″B″画像データの下位及び上位ビ
ットの処理結果を後段の合成部336rないしbに入力
する。
【0380】合成部336rないしbに於いては、下位
及び上位ビットに対する処理結果を合成し、第2のFI
Rフィルタによる処理結果とする。合成部336rない
しbによる処理結果は、データ変換部337rないしb
にそれぞれ入力され、フィルタリングにより表示範囲を
超えた値をもつデータを変換するための後処理を実行す
る。すなわち、小数点以下のデータに対する四捨五入
や、表示可能範囲が例えば0〜255である場合の0未
満又は256以上の値の切り捨て等を行う。データ変換
手段336rないしbは、例えばROM(読出し専用メ
モリ)によるLUT(ルックアップテーブル)により構
成してもよい。
【0381】又、合成部336rないしb及びデータ変
換部337rないしbに於ける処理を、一括してLUT
(図示せず)により実行する構成にしてもよい。
【0382】以上により、第1のFIRフィルタによる
フィルタリング処理結果データに対し、データ語長の制
限に基づく精度の低下を防ぎつつ、FIRフィルタのカ
スケード接続構成によるハードウェアコストの低減が実
現される。
【0383】尚、図3における構成にて鮮鋭感補正を実
現する際には、以上に示した一連の処理または処理の一
部を、図3における中央処理装置40において動作させ
れば良い。
【0384】次に第20実施例について説明する。図4
9は第20実施例に係るフィルタリング部の構成を示す
ブロック図である。
【0385】第20実施例は第17実施例とほとんど同
じであり、本実施例の第11実施例との相違は、鮮鋭感
補正回路165のフィルタリング部201構成であるの
で、異なる構成のみ説明し、同一構成には同じ符号をつ
け説明は省略する。
【0386】第11ないし19実施例に於いては、フィ
ルタリング部201の構成に関してRGB各画像データ
に対し3系統の並列構成とした。
【0387】本実施例に於いてはフィルタリング手段3
01を、RGB各画像データごとに時系列的に一連の処
理を適用することにより、1系統の処理構成により実現
することに特徴を有し、ハードウェアコストの低減を図
る。
【0388】本実施例の鮮鋭感補正回路165のフィル
タリング部201は、図49に示すように、入力される
RGB各原画像データのいずれか1つを選択する選択部
338と、フィルタリングを実行するフィルタリング実
行部339と、フィルタリング部339による処理結果
の値を調整するデータ変換部340からなっている。
【0389】次に、本実施例に於けるフィルタリング部
201の動作について説明する。選択部338は制御部
304に接続され、入力されるRGB各原画像データの
いずれか1つを選択する。
【0390】フィルタリング実行部339に於いては、
選択部338により選択されたRGBいずれかの原画像
データが入力され、フィルタリングを適用する。
【0391】データ変換部340に対しては、フィルタ
リング実行部339による処理結果が入力され、フィル
タリングにより表示範囲を超えた値をもつデータを変換
するための後処理を実行する。すなわち、小数点以下の
データに対する四捨五入や、表示可能範囲が例えば0〜
255である場合の0未満又は256以上の値の切り捨
て等を行う。この処理を適用後の各撮影用画像R′又は
G′又はB′を処理結果として出力する。データ変換部
340は、例えばROM(読出し専用メモリ)によるL
UT(ルックアップテーブル)により構成してもよい。
【0392】選択部338は、選択されたRGB画像デ
ータのいずれか1つに対する一連の処理が終了すると、
次の画像データを選択する。
【0393】又、係数設定部202に於いては、フィル
タリング実行部339に対し、選択されているRGB画
像データのいずれか1つに対応する補正フィルタの係数
を送信する。
【0394】以上に於いては、第11実施例に於けるフ
ィルタリング部201を例として説明した。第12ない
し第19に於けるフィルタリング部201に対しても、
同様にRGB各画像データごとに時系列的に一連の処理
を適用することにより、1系統の処理構成により実現可
能である。
【0395】次に第21実施例について説明する。
【0396】以降の実施例では、図3に示した画像処理
装置3に設けられる中央処理装置40の画像処理部47
において、機能構成を変更した例を説明する。
【0397】画像記録装置4により再現された画像(再
現画像)の色と、観察用モニタ8に再現される画像の色
とは、CIEで定義される表色値において異なる場合が
ある。この表色値の差(色差)を減少させることで、色
再現の向上が可能となる。そこで第21実施例では、画
像記録装置4に入力される画像信号に対し、色変換処理
を行うことにより色調の改善が可能な色変換手段の構成
例を示す。
【0398】図50は中央処理装置における画像処理部
のソフトウェアの概念構成を示すブロック図、図51は
第21実施例に係る色変換手段の機能構成を示すブロッ
ク図、図52は第21実施例における色変換手段の動作
を説明するフローチャート、図53はCIE1976
(L***)色空間における観察用モニタと画像記録
装置の色域の関係を説明する概念図、図54は色域圧縮
の方法の一例を示すフローチャート、図55は色域圧縮
の概念をCIE1976(L***)色空間において
説明した説明図、図56は機器に依存しない色変換シス
テムの構成を説明する概念図である。
【0399】中央処理装置40の画像処理部47は、図
50に示すように、内視鏡画像記録装置4により再現さ
れる画像の色が観察用モニタ8に表示される画像の色と
一致するように、又は観察者の好みの色になるように色
変換を行う色変換手段350と、及び又は内視鏡画像記
録装置4により再現される画像の鮮鋭感補正処理を行う
鮮鋭感補正手段351と、及び又は内視鏡画像記録装置
4の色再現特性の変動を吸収するための機器特性補正手
段352等を有してなる。
【0400】なお、図50では、色変換手段350が、
鮮鋭感補正手段351の前段に位置するが、この位置を
逆にすることも可能である。また、色変換手段350と
鮮鋭感補正手段351は、どちらか一つとすることも可
能である。この場合、機器特性補正手段352は、色変
換手段350又は鮮鋭感補正手段351のすぐ後段に位
置することとなる。
【0401】図3の画像処理装置3において、画像入力
I/F43を介して入力された画像データは、一旦主記
憶装置42内に記憶される。また、画像データを構成す
るRGBデータは主記憶装置42から読み出された後、
さらに中央処理装置40に転送され、中央処理装置40
の画像処理部47に設けられた色変換手段350により
色変換処理が実行される。色変換結果は一旦主記憶装置
42に記憶された後、画像記録装置I/F46を介して
画像記録装置4へ出力される。
【0402】次に画像処理部47の具体的な例として色
変換手段350の概略構成を説明する。図51は色変換
処理を図3の中央処理装置40で実行する場合におい
て、ROM45内に記憶されたプログラムに相当する色
変換手段350のソフトウェア構成を示した図である。
【0403】色変換手段350は、RGBデータR,
G,Bを、観察用モニタ8に入力した際に該観察用モニ
タ8に表示される色を表すところの数値であるCIE1
976(L***)色空間座標L*,u*,v*へ変換
し、出力する色空間座標変換手段400と、色空間座標
変換手段400から出力されたCIE1976(L**
*)色空間座標L*,u*,v*に対して、観察用モニタ
8の色域が画像記録装置4の色域に包含されるまで観察
用モニタ8の色域を圧縮する写像操作を行い、CIE1
976(L***)色空間座標L*′,u*′,v*′を
出力する色域圧縮手段401と、色域圧縮手段401か
ら出力されたCIE1976(L***)色空間座標
*′,u*′,v*′に対し、画像記録装置4の出力画
像を観察した際に知覚される色がCIE1976(L*
**)色空間座標においてL*′,u*′,v*′とな
るための画像記録装置4への入力信号RGBデータ
R′,G′,B′を出力する色空間座標逆変換手段40
2と、を有して構成される。
【0404】なお、RGBデータは、8ビットに規格化
されているものとして以下説明するが、規格化数は8ビ
ットに限定されるものではなく、8ビットより多くて
も、又は少なくてもよい。
【0405】以下、第21実施例の作用について、色変
換手段350を中心に説明する。
【0406】図51に示すように、色空間座標変換手段
400では、入力されたRGBデータR,G,Bを、観
察用モニタ8上で知覚される色を表現するところの、C
IE1976(L***)色空間座標L*,u*,v*
変換する。図52に色変換手段350の動作を説明する
フローチャートを示す。
【0407】ここでCIE1976(L***)色空
間について、その概要を以下に説明する。
【0408】純粋知覚量である色感覚を正確に外部へ伝
達するには、色感覚を定量化することが必要となる。色
感覚を定量化する試みは従来から行われており、幾つか
の手法が提唱されている。その中でも国際照明委員会
(CIE)が提唱するCIE表色系は、最も一般的に用
いられている定量化方法の一つである。ここでは、CI
E表色系で定義されているCIE1976(L*
**)均等色空間(以下、CIE1976(L*
**)色空間と呼ぶ)の取り扱い方法について説明す
る。
【0409】CIE1976(L***)色空間は、
物体面の心理的明るさを表す心理計測明度L*と、色み
平面を構成するu*及びv*との直交する3軸で構成され
る。CIE1976(L***)色空間における任意
の2点間のユークリッド距離は色差と相関が強い。従っ
て、CIE1976(L***)色空間は色差に関し
て均等性の良い色空間(均等色空間)とみなすことがで
きる。
【0410】色空間座標変換手段400の内部動作であ
る、RGBデータR,G,BからCIE1976(L*
**)色空間座標L*,u*,v*への座標変換方法に
ついて以下に説明する。
【0411】色空間座標変換手段400においては、図
52に示すように、まずステップS101で、RGBデ
ータR,G,BからCIE(XYZ)三刺激値X,Y,
Zへの変換を行う。続いて、ステップS102で、CI
E(XYZ)三刺激値X,Y,ZからCIE1976
(L***)色空間座標L*,u*,v*への変換を行
う。
【0412】ステップS101におけるRGBデータ
R,G,BからCIE(XYZ)三刺激値X,Y,Zへ
の変換は、式(34)に示すように3次の正方行列の行
列演算によって行われる。
【0413】
【数8】 ここでgmR (R),gmG (G),gmB (B)は、
γ特性によりRGBデータR,G,Bを観察用モニタ8
のRGB各蛍光体の発光輝度に変換した値である。な
お、式(34)における行列要素は、観察用モニタ8に
おけるRGB原色のxy色度座標から決定される。
【0414】また、ステップS101における変換は、
式(34)で定義された計算式による方法以外に、RG
BからXYZへの参照テーブル(ルックアップテーブ
ル、以下、LUTと略記)による方法もある。以下にR
GBデータR,G,Bを参照アドレスとしてCIE(X
YZ)三刺激値X,Y,Zを出力するLUTの作成方法
について説明する。
【0415】RGBデータR,G,Bを観察用モニタ8
に入力して、ある面積をもった均一なカラーパッチを呈
示する。このカラーパッチの色光をターゲットに、色彩
輝度計等によるCIE(XYZ)三刺激値測定を行い、
X,Y,Zを記録する。以上の手順を、RGBデータで
構成される色空間(以下、観察用モニタ信号色空間と呼
ぶ)全域で繰返すことで、RGBデータR,G,Bを参
照アドレスとしてCIE(XYZ)三刺激値X,Y,Z
を出力するLUTを作成することができる。
【0416】一般には、観察用モニタ信号色空間を完全
に充填する数のRGBデータとCIE(XYZ)三刺激
値の組み合わせを用意することは、CIE(XYZ)三
刺激値の測定時間、及びLUTのデータ量の観点から考
えて現実的ではない。従って、観察用モニタ信号色空間
は、適当な間隔でサンプリングが行われ、格子点に位置
するRGBデータに対してだけCIE(XYZ)三刺激
値を出力するようなLUTを作成する。なお、格子点以
外のアドレスに相当するRGBデータがLUTに入力さ
れた場合は、近傍サンプリング点の出力値から補間によ
って求める。
【0417】ステップS101でRGBデータR,G,
BからCIE(XYZ)三刺激値X,Y,Zへ変換され
た後、次にステップS102でCIE(XYZ)三刺激
値X,Y,ZはCIE1976(L***)色空間座
標L*,u*,v*に変換される。このステップS102
における変換は式(2)に示した変換式によって行うこ
とができる。式(2)においてYn ,u'n,v'nはそれ
ぞれ、基準白色の輝度,CIE1976UCS色度座標
u′,v′である。
【0418】このように予めRGBデータR,G,Bを
参照アドレスとし、CIE1976(L***)色空
間座標L*,u*,v*を出力するLUTを作成しておく
ことにより、ステップS101,S102による色空間
座標変換手段400の動作を一つのLUTで実行するこ
とが可能である。
【0419】次に、色域圧縮手段401において、図5
2のステップS103で示すように、CIE1976
(L***)色空間座標L*,u*,v*からCIE19
76(L***)色空間座標L*′,u*′,v*′への
変換を行う。色域圧縮手段401における内部動作を図
53ないし図55を用いて説明する。
【0420】図53は、観察用モニタ8で再現可能な色
の範囲(以下、観察用モニタ色域と呼ぶ)と、画像記録
装置4によって再現画像上に再現可能な色の範囲(以
下、画像記録装置色域と呼ぶ)の関係を、CIE197
6(L***)色空間における切断平面上に模式的に
表したものであり、(a)はL*−u*平面を、(b)は
*−v*平面をそれぞれ示している。
【0421】図53に示すように、画像記録装置色域が
観察用モニタ色域より狭い場合、観察用モニタ8上に表
示されている色の内、画像記録装置色域外に位置する色
は、画像記録装置4ではCIE1976(L***
色空間座標において表現できない。しかも、色域圧縮手
段401の後段に位置する色空間座標逆変換手段402
における逆変換では、画像記録装置色域内に関しては変
換精度が保証されるが、色空間座標逆変換手段402に
入力されるCIE1976(L***)色空間座標が
画像記録装置色域外の色の場合は、周囲の色と極端に異
なった色に変換されるおそれがある。
【0422】従って、画像記録装置色域外の色に関して
は、CIE1976(L***)色空間において色空
間座標逆変換手段402が変換精度を保証する領域まで
移動する必要がある。また、CIE1976(L**
*)色空間における位置を移動する際には、できるだけ
階調と色調を維持するような方法が望ましい。そこで、
できるだけ階調及び色調を変化させずに、観察用モニタ
色域を画像記録装置色域に含まれるようにする写像操作
(以下、色域圧縮と呼ぶ)が必要となる。
【0423】このような色域圧縮方法の一例を図54及
び図55を用いて説明する。図54は色域圧縮によるデ
ータ変換方法のフローチャート、図55は色域圧縮の概
念図である。
【0424】まず最初に、図54のステップS106に
示すように、心理計測明度L* 方向の再現範囲(以下、
* ダイナミックレンジと呼ぶ)の圧縮を行う。このと
きの変換式を式(35)に示す。
【0425】
【数9】 式(35)において、L* MAX ,L* MIN は観察用モニ
タ8のL* 最大値と最小値で、この幅が観察用モニタ8
のL* ダイナミックレンジとなる。一方、L*max ,L*
min は画像記録装置4のL* 最大値と最小値で、この
幅が画像記録装置4のL* ダイナミックレンジとなる。
ここでL* は変換前、L*sは変換後の心理計測明度を表
している。
【0426】図53及び図55から分かるように、一般
に観察用モニタ8のL* ダイナミックレンジより画像記
録装置4のL* ダイナミックレンジの方が狭い。このよ
うな場合、上記L* ダイナミックレンジの圧縮を行い、
明度階調を調整する必要がある。
【0427】図55に示すように、L* ダイナミックレ
ンジの圧縮に伴って、観察用モニタ色域はL* ダイナミ
ックレンジ圧縮後の色域となる。色域の移動に伴い、C
IE1976(L***)色空間座標L*,u*,v*
CIE1976(L***)色空間座標L*s,u*s,
*sに移動する。
【0428】次に、ステップS107で円筒座標変換に
よるVHC、すなわち明度、色相、彩度への変換を行
う。このステップS107における座標変換は式(2
5)に示した変換式によって行うことができる。
【0429】そして、ステップS108で彩度の圧縮を
行う。一般に色相を移動させることで色域圧縮を行うよ
り、彩度を移動させることで色域圧縮を行う方が色調バ
ランスの崩れは少ないことが知られている。従って、こ
こでは色相を維持し、彩度を圧縮することで色域圧縮を
行う。このときの変換式を式(36)に示す。
【0430】
【数10】 式(36)において、Cmax は画像記録装置色域におけ
るH,Vでの最大彩度である。Cは彩度圧縮前、C′は
彩度圧縮後の彩度を表している。
【0431】なお、式(36)に示した彩度の変換式
は、線形変換であるが、画像記録装置色域に含まれてい
る色の移動を最小限に抑えるために、適当な非線形関数
によって変換することも可能である。
【0432】最後にステップS109で、式(25)の
逆変換により、VHC′からL*′,u*′,v*′を求
める。図55に示すように、L* ダイナミックレンジ圧
縮後の色域は、最終的には彩度圧縮によって画像記録装
置色域に一致し、CIE1976(L***)色空間
座標はL*′,u*′,v*′となる。
【0433】続いて、色空間座標逆変換手段402にお
ける内部動作について説明する。色域圧縮手段401か
ら出力されるCIE1976(L***)色空間座標
*′,u*′,v*′は、色空間座標逆変換手段402
において、画像記録装置4へ入力するRGBデータ
R′,G′,B′へ変換される。
【0434】色空間座標逆変換手段402では、図52
におけるS104で、まずCIE1976(L*
**)色空間座標L*′,u*′,v*′からCIE(X
YZ)三刺激値X′,Y′,Z′への変換を行い、続い
てS105で、CIE(XYZ)三刺激値X′,Y′,
Z′からRGBデータR′,G′,B′への変換を行
う。ステップS104における変換は、式(2)に示し
た変換式の逆変換を行えばよい。
【0435】ステップS105におけるCIE(XY
Z)三刺激値X′,Y′,Z′からRGBデータR′,
G′,B′への変換は、LUTを使った方法、あるいは
画像記録装置4の色再現モデルに基づく色予測式を使っ
た方法などが考えられる。以下、LUTを使った変換方
法について説明する。
【0436】CIE(XYZ)三刺激値からRGBデー
タへの変換を行うには、画像記録装置4に入力されるR
GBデータを入力アドレスとして三刺激値XYZを出力
するLUTを予め作成しておく。まず、CIE(XY
Z)三刺激値X′,Y′,Z′とLUT出力値X″,
Y″,Z″のユークリッド距離最小の条件で最小値探索
を行う。探索の結果、得られた入力アドレスR″,
G″,B″を中心に適当な幅を持つ領域内を、前記第1
の探索間隔より細かい幅で詳細な探索を前記最小条件で
行う。この結果得られた入力アドレスをR′,G′,
B′とする。このようにRGBデータから画像記録装置
4の出力画像のCIE(XYZ)三刺激値を推定するL
UTを使用して、最小値探索を行うことにより、CIE
(XYZ)三刺激値からRGBデータへの変換が行われ
る。
【0437】前記逆変換のためのLUTは、画像記録装
置4に入力されるRGBデータを変化させて画像を出力
し、この出力画像(以下、色票と呼ぶ)に対する色彩輝
度計によるCIE(XYZ)三刺激値測定を例えば約5
000組のデータについて行うことにより、RGBデー
タとCIE(XYZ)三刺激値の組をRGBデータ色空
間内において適当な間隔で充填することで作成すること
ができる。
【0438】なおこのとき、色空間座標変換手段400
で使用されるLUTの作成方法と同様に、LUT作成に
使ったRGBデータ以外のデータがアドレスとしてLU
Tに入力された場合には、近傍サンプリング点を使った
補間演算によりCIE(XYZ)三刺激値を求めること
ができる。
【0439】また、色空間座標逆変換手段402におい
て、RGBデータを入力アドレスとしCIE1976
(L***)色空間座標L*′,u*′,v*′を出力す
るLUTを予め作成しておき、ステップS104とS1
05を一つのLUTで実行することも可能である。
【0440】以上述べてきたように、色空間座標変換手
段400において、入力されたRGBデータR,G,B
を、観察用モニタ8上における再現色を表すところのC
IE1976(L***)色空間座標L*,u*,v*
変換し、色域圧縮手段401により色域圧縮を行ってC
IE1976(L***)色空間座標L*,u*,v*
CIE1976(L***)色空間座標L*′,
*′,v*′へ変換し、色域圧縮手段401から出力さ
れるCIE1976(L***)色空間座標L*′,u
*′,v*′を、色空間座標逆変換手段402によりRG
BデータR′,G′,B′へ変換し、そして、このRG
BデータR′,G′,B′をRGBデータR,G,Bの
代わりに、画像記録装置4へ入力することにより、観察
用モニタ8に再現される画像と画像記録装置4により再
現される画像との色差が改善される。
【0441】本実施例で示したように、CIE表色系を
用いることによって、観察用モニタ8と画像記録装置4
等の異なる機器間で統一的に色を取り扱うことができ
る。このような機器に依存しない色変換システムの概念
を図56に示す。
【0442】機器A駆動信号色空間は、本実施例におけ
る観察用モニタ8へ入力される観察用モニタ色空間に相
当する。機器B駆動信号色空間は、本実施例における画
像記録装置4へ入力される画像記録装置色空間に相当す
る。これらの色空間は機器固有の色表現であって、色空
間座標が同じであっても、同じ色を表現しているとは限
らない。これは、機器Aと機器Bが異なる機器特性を持
つためである。
【0443】そこで、機器特性、及び機器固有の色再現
方法とは関係がない色空間(以下、標準色空間と呼ぶ)
との変換方法を記述した色空間変換プロファイルを、各
々の機器毎に用意しておき、この色空間変換プロファイ
ルを作用させることで、標準色空間で色を取り扱うこと
が可能となる。
【0444】上述した実施例において前記色変換プロフ
ァイルに相当するのが、色空間座標変換手段400と色
空間座標逆変換手段402である。色変換手段350を
図56に示したような構成にすることで、観察用モニタ
8や画像記録装置4の機器特性が変化しても、それに対
応した色空間変換プロファイルを用意することで、シス
テム全体を大きく変更することなく柔軟に対応させるこ
とができる。
【0445】なお、本実施例においては、標準色空間と
して、CIE1976(L***)色空間を用いてい
るが、CIE1976(L***)色空間や、さら
に、CIEが推奬する色空間の代わりに、例えば、前述
した色の三属性、すなわち色相、彩度、明度の3軸で構
成されるHSVやHLS色空間等の知覚色空間を用いた
場合においても、同様に、観察用モニタ8に再現される
画像と画像記録装置4の出力画像との色差を改善するこ
とができる。
【0446】次に第22実施例について説明する。図5
7は第22実施例に係る色変換手段の機能構成を示すブ
ロック図、図58は第22実施例において設けられる色
補正効果調整手段の内部構成を示すブロック図、図59
は色補正効果調整手段の作用を説明する概念図である。
【0447】第22実施例における色変換手段350
は、図51に示した第21実施例のものとほぼ同様に構
成され、第21実施例との主たる相違は、色域圧縮手段
401の後段に色補正効果調整手段403を設けたこと
にある。本実施例において、色補正効果調整手段以外の
構成及び作用は、第21実施例と同じであるので、同様
な部分の説明は省略し、異なる部分についてのみ説明す
る。
【0448】第21実施例で述べたように、色変換手段
350によって色調の改善が行われるが、色感覚は極め
て主観的なものであり、標準的な観察者を対象に設計さ
れた色変換手段では、その色補正結果を許容することが
できない観察者の存在が考えられる。また、図51に示
した構成で行った色変換結果より、むしろ色変換を行わ
ずに出力した結果の方が比較的良好な評価を示す観察者
の存在も考えられる。そこで第22実施例では、第21
実施例における効果に加えて、簡単な構成で色補正効果
を調整することができ、観察者の意図する色変換結果を
出力することが可能な色変換手段の構成例を示す。
【0449】第22実施例における色変換手段の概略構
成を図57に示す。色変換手段350は、色域圧縮手段
401の後段に、色域圧縮手段401から出力されるL
*′,u*′,v*′に対して、情報入力装置41から入
力される補正効果パラメータCeに従って補正効果を調
整することで、CIE1976(L***)色空間座
標L*c ,u*c ,v*c を出力する色補正効果調整手段
403を有して構成される。
【0450】以下、第22実施例の作用について、図5
8及び図59を用いて色補正効果調整手段403を中心
に説明する。
【0451】図58に色補正効果調整手段403の内部
構成を示す。RGBデータR,G,Bは、画像記録装置
出力色推定手段405において、画像記録装置4にRG
BデータR,G,Bを入力し、出力される色を表すとこ
ろのCIE1976(L***)色空間座標L*b ,u
*b ,v*b に変換される。そしてCIE1976(L*
**)色空間座標L*b ,u*b ,v*b は、内分点計
算手段404に入力される。内分点計算手段404で
は、色域圧縮手段401から出力されたCIE1976
(L***)色空間座標L*′,u*′,v*′と画像記
録装置出力色推定手段405から出力されたCIE19
76(L***)色空間座標L*b ,u*b,v*b と情
報入力装置41から出力される補正効果調整パラメータ
Ceとを用いて、(L*′,u*′,v*′)と(L*b ,
*b ,v*b )の内分点(L*c ,u*c ,v*c )を内
分比Ceを基に計算する。
【0452】図59は、前記(L*′,u*′,
*′)、(L*b ,u*b ,v*b )、(L*c,u*c ,
*c )の3点の位置関係をCIE1976(L*
**)色空間において示したものである。
【0453】補正効果パラメータCeが1.0の場合
は、内分点(L*c ,u*c ,v*c )が(L*′,
*′,v*′)と一致し、補正効果最大とする。一方、
Ceが0.0の場合は、内分点(L*c ,u*c ,v*c
)が(L*b ,u*b ,v*b )と一致し、色変換を行わ
ない場合と同じ結果となる。
【0454】なお、画像記録装置出力色推定手段405
における内部動作については、第21実施例の色空間座
標逆変換手段402におけるRGBデータからCIE
(XYZ)三刺激値、及びCIE1976(L*
**)色空間座標を推定する方法と同様に、予め作成さ
れたLUT等によってRGBデータからCIE1976
(L***)色空間座標への変換が行われる。
【0455】以上のように、色補正効果調整手段403
を色域圧縮手段401と色空間座標逆変換手段402の
間に設けることにより、第21実施例における効果に加
えて、情報入力装置41から入力される単一パラメータ
Ceによって、簡便に未補正の状態と第21実施例の構
成で得られる色変換結果との間で色補正効果を調整する
ことが可能となり、標準設定で色変換結果を許容できな
い観察者にも対応することが可能となる。
【0456】次に第23実施例について説明する。図6
0は第23実施例に係る色変換手段の機能構成を示すブ
ロック図、図61は第23実施例において設けられる光
源効果調整手段の作用を説明する概念図である。
【0457】第23実施例における色変換手段350
は、図51に示した第21実施例のものとほぼ同様に構
成され、第21実施例との主たる相違は、情報入力装置
41から光源効果パラメータLeを入力し、色空間座標
逆変換手段402で使用されるLUTを書換える光源効
果調整手段406を付加したことにある。本実施例にお
いて、光源効果調整手段以外の構成及び作用は、第21
実施例と同じであるので、同様な部分の説明は省略し、
光源効果調整手段の動作を中心に説明する。
【0458】図51に示した色空間座標逆変換手段40
2において使われるRGBデータからCIE(XYZ)
三刺激値を推定するLUTは、画像記録装置4の出力画
像を観察する際の光源で、色票を色彩輝度計により測色
することで作成されている。
【0459】しかし、画像記録装置4から出力される画
像を実際に観察するときの光源が、LUT作成のため色
票を測色する際に使われた光源とは異なる場合も考えら
れる。このような場合、色票を新たな光源下で測色し、
LUTを再作成する必要があるが、多数の光源に対応し
ようとするとき、その都度LUTを再作成するのは現実
的でない。また、予め多数の光源に対応したLUTを作
成したとしても、設定した光源の数が増えると、LUT
を格納するためのメモリ領域も増大する。
【0460】そこで第23実施例では、第21実施例に
おける効果に加えて、簡便な光源効果調整方法により、
画像記録装置4から出力された画像を観察する際の光源
の変化に対応することが可能な色変換手段の構成例を示
す。
【0461】第23実施例における色変換手段の概略構
成を図60に示す。色変換手段350は、情報入力装置
41から光源効果調整パラメータLeを受け取ってこの
光源効果調整パラメータLeに従って適切なLUTを作
成し、色空間座標逆変換手段402で使われるLUTを
書換える光源効果調整手段406を有して構成される。
【0462】以下、図61を用いて光源効果調整手段4
06における作用について説明する。図61は、複数種
の光源で測定された色票のCIE(XYZ)三刺激値を
XYZ空間において示したものである。
【0463】図61において、P1(X1 ,Y1 ,Z1
)は第1の光源で測定された色票のCIE(XYZ)
三刺激値、P2(X2 ,Y2 ,Z2 )は第2の光源で測
定された色票のCIE(XYZ)三刺激値、P3(X3
,Y3 ,Z3 )は第3の光源で測定された色票のCI
E(XYZ)三刺激値である。ここで、LUTを作成す
る際に使用される色票数の数だけ、P1とP2とP3の
組が用意される。
【0464】第1の光源から第2の光源を経て第3の光
源の間で光源色が変化することを想定した場合、三刺激
値が変化する軌跡は、P1→P2→P3への移動距離L
e(光源効果調整パラメータ)をパラメータとして、式
(37)に示す関係式で表される。
【0465】Xi =fi X(Le) Yi =fi Y(Le) …(37) Zi =fi Z(Le) ここで、Xi ,Yi ,Zi はi番目の色票の光源効果調
整パラメータLeで指定される新たな光源下で測定され
る三刺激値の近似値を表す。fi X(Le),fi Y(L
e),fi Z(Le)は、i番目の色票における光源効
果調整パラメータLeを変数とする軌跡である。
【0466】このような光源変化を表す軌跡を関数とし
て式(37)に示す形のデータで予め保有しておくこと
により、光源効果調整パラメータLeを指定するだけで
第1の光源から第3の光源の間の仮想光源で色票を測定
した場合の測定結果を近似する色票データを得ることが
可能となる。一旦、色票データが揃えば、第21実施例
で説明したように、RGBデータから画像記録装置4の
出力画像のCIE(XYZ)三刺激値を推定するLUT
の作成が可能となる。
【0467】なお、近似精度の考慮によっては、関数f
i X(Le),fi Y(Le),fiZ(Le)の最も簡単
な形として、2つの光源下で測定された三刺激値の内分
点を計算することが考えられる。この場合、内分比は光
源効果調整パラメータLeになる。
【0468】光源効果調整手段406は、情報入力装置
41から出力された光源効果調整パラメータLeを入力
し、この光源効果調整パラメータLeに基づいて式(3
7)により色票データを新たに作成する。そして、光源
効果調整パラメータLeによって設定された仮想光源下
での色票の三刺激値をRGBデータから推定するLUT
を作成し、色空間座標逆変換手段402において使われ
ているLUTと置き換える。
【0469】以上のように、光源効果調整手段406を
付加することにより、第21実施例における効果に加え
て、色変換手段350を、情報入力装置41から入力さ
れる光源効果調整パラメータLeにより、色票を再測定
することなしに、かつ式(37)で示した関数データの
分のメモリを設けるだけで、画像記録装置8の出力を観
察する際の光源の変化にも対応させることが可能とな
る。
【0470】次に第24実施例について説明する。図6
2は第24実施例に係る色変換手段の機能構成を示すブ
ロック図、図63は第24実施例において設けられる色
順応変換手段の作用を説明する概念図である。
【0471】第24実施例における色変換手段350
は、図51に示した第21実施例のものとほぼ同様に構
成され、第21実施例との主たる相違は、色順応変換手
段407を付加したことにある。本実施例において、色
順応変換手段以外の構成及び作用は、第21実施例と同
じであるので、同様な部分の説明は省略し、色順応変換
手段の動作を中心に説明する。
【0472】観察者により、観察用モニタ8上で知覚さ
れる白も、画像記録装置4の出力画像をハロゲン光源下
で観察した場合に知覚される白も、各々の観察環境下で
は同じ白と感じる。このような視覚の仕組は色順応と呼
ばれている。つまり、色順応という視覚の仕組によっ
て、各々の観察環境で同じ色に知覚される対応点が色空
間上で存在する。この対応点が分かれば、観察環境の違
いと視覚の仕組を積極的に利用した色補正が可能とな
る。
【0473】そこで第24実施例では、第21実施例に
おける効果に加えて、色順応の仕組を色変換手段に組み
込むことにより、観察用モニタを観察するときと画像記
録装置から出力された画像を観察するときの観察環境の
差を考慮した色補正を行うことが可能な色変換手段の構
成例を示す。
【0474】第24実施例における色変換手段の概略構
成を図62に示す。色変換手段350は、色空間座標変
換手段400の後段に、色空間座標変換手段400から
出力されるCIE1976(L***)色空間座標
*,u*,v*を受け取って、このL*,u*,v*の色順
応対応点であるCIE1976(L***)色空間座
標L*′,u*′,v*′を色域圧縮手段401に出力す
る色順応変換手段407を有して構成される。
【0475】以下、図63を用いて第24実施例の作用
について色順応変換手段407を中心に説明する。
【0476】図63は、色順応の対応点をCIE197
6(L***)色空間において示したものである。図
63において、(L*b ,u*b ,v*b )はRGBデー
タR,G,Bを画像記録装置4に入力して得られた画像
のCIE1976(L***)色空間座標である。
(L*,u*,v*)はRGBデータR,G,Bを観察用
モニタ8に入力した場合のCIE1976(L*
**)色空間座標である。
【0477】本実施例の色変換手段350の作用を図6
3におけるCIE1976(L***)色空間で説明
する。色変換を行わない場合、画像記録装置4の出力画
像の色は(L*b ,u*b ,v*b )であり、観察用モニ
タ8に表示される色とは(L*b ,u*b ,v*b )と
(L*,u*,v*)の間のユークリッド距離に相当する
色差が発生する。従って色補正は、(L*b ,u*b ,v
*b )を(L***)に近付けることを目標に行われ
る。
【0478】ここで、色順応を考えた場合、色再現目標
が(L*,u*,v*)から(L*′,u*′,v*′)に置
き換わる。この(L*′,u*′,v*′)は、画像記録
装置4から出力された画像を観察する環境に視覚が十分
順応している場合に、観察用モニタ8上の(L*,u*
*)と同じ色に知覚される点であり、この点を対応色
と呼ぶ。
【0479】色順応変換手段407は、色空間座標変換
手段400から出力されたCIE1976(L*
**)色空間座標L*,u*,v*を対応色L*′,
*′,v*′に変換し、色域圧縮手段401へ出力す
る。
【0480】この対応色を求める方法については、例え
ば、文献3(応用物理学会光学懇話会、色の性質と技
術、100〜106ページ)に記載されている、 von-K
ries式やCIE予測式等のモデルによって近似的な対応
色を求めることが可能である。あるいは、色空間を適当
にサンプリングを行い、各サンプリング点について対応
色を主観評価実験によって求め、サンプリング点以外の
対応色は周囲のサンプリング点から補間によって求める
こともできる。
【0481】以上のように、色空間座標変換手段400
と色域圧縮手段401の間に色順応変換手段407を付
加することにより、第21実施例における効果に加え
て、観察用モニタ8と画像記録装置4の出力画像をそれ
ぞれ観察する際の観察条件の差を考慮した色補正が可能
となる。
【0482】次に第25実施例について説明する。図6
4は第25実施例に係る色変換手段の機能構成を示すブ
ロック図、図65は第25実施例において設けられる色
域圧縮中心変更手段の作用を説明する概念図である。
【0483】第25実施例における色変換手段350
は、図51に示した第21実施例のものとほぼ同様に構
成され、第21実施例との主たる相違は、色域圧縮中心
変更手段208を付加したことにある。本実施例におい
て、色域圧縮中心変更手段以外の構成及び作用は、第2
1実施例と同じであるので、同様な部分の説明は省略
し、色域圧縮中心変更手段の動作を中心に説明する。
【0484】前述の実施例では、観察用モニタ8で再現
される白と画像記録装置4の出力画像の観察条件下にお
ける白(通常光源の色)とは、対応色の関係にあり、色
空間上では同じ座標を占めるものとした。しかし、観察
者によっては、順応状態が完全でなく観察モニタのイメ
ージが強く残存している場合が考えられる。このような
場合、単純に白色点を合わせるのではなく、観察者の好
みに応じて、意図的に白色点を調整する必要がある。ま
たこれに応じて、色域圧縮中心の変更を行う必要があ
る。
【0485】そこで第25実施例では、第21実施例に
おける効果に加えて、観察者の好みに応じて白色点の調
整を行い、それに応じて色域圧縮中心の変更を行うこと
で、所望の色補正を行うことが可能な色変換手段の構成
例を示す。
【0486】第25実施例における色変換手段の概略構
成を図64に示す。色変換手段350は、色空間座標変
換手段400の後段に、情報入力装置41から入力され
る圧縮中心変更パラメータCtrを受け、色空間座標変
換手段400から出力されるCIE1976(L**
*)色空間座標L*,u*,v*に対して、圧縮中心変更後
の観察用モニタ色域変更に伴う写像操作を行い、CIE
1976(L***)色空間座標L*′,u*′,v*
を色域圧縮手段401へ出力する色域圧縮中心変更手段
408を有して構成される。
【0487】以下、第25実施例の作用について、図6
4及び図65を用いて色域圧縮中心変更手段408を中
心に説明する。
【0488】色域圧縮の圧縮中心は、最初は図65にお
けるPmax とPmin を結ぶ無彩色軸に設定されている。
しかし、観察者の観察環境に対する不完全な順応状態
や、また観察者の好みによって白色点を調整する場合、
それに伴って、Pmax とPminを結ぶ圧縮中心を変更し
なければならない。
【0489】色域圧縮中心を変更する方法について以下
に説明する。ここで、観察用モニタ8の順応視野である
基準白色と黒のxy色度座標を各々xmax p ,ymax p
,xmin p ,ymin p とする。また、画像記録装置4
の出力画像を観察する際の基準白色と黒のxy色度座標
を各々xmax q ,ymax q ,xmin q ,ymin q とす
る。まず、情報入力装置41から色域圧縮中心変更手段
408が受け取る圧縮中心変更パラメータCtrを用い
て、下に示す式(38)により画像記録装置4の出力画
像を観察する際の基準白色と黒のxyの色度座標を各々
xmax n ,ymax n,xmin n ,ymin n に変換する。
【0490】 xmax n =xmax q +Ctr・(xmax p −xmax q ) ymax n =ymax q +Ctr・(ymax p −ymax q ) xmin n =xmin q +Ctr・(xmin p −xmin q ) …(38) ymin n =ymin q +Ctr・(ymin p −ymin q ) この関係式(38)は、内分比Ctrで指定される内分
点を求めることに他ならない。
【0491】次に、色度座標xmax n ,ymax n ,xmi
n n ,ymin n とPmax とPmin の輝度から図65に示
すようにQMmax とQMmin を求める。QMmax とQM
minを結ぶ線分が画像記録装置色域と交差する点を、各
々QNmax ,QNmin とすると、QNmax とQNmin を
結ぶ線分が新たな色域圧縮中心となる。
【0492】色域圧縮中心変更手段408では、前記色
域圧縮中心Pmax 〜Pmin からQNmax 〜QNmin へ変
換する写像操作を、色空間座標変換手段400から入力
されるCIE1976(L***)色空間座標L*,u
*,v*に作用させることで、変換後のCIE1976
(L***)色空間座標L*′,u*′,v*′を色域圧
縮手段401へ出力する。
【0493】以上のように、色域圧縮中心変更手段40
8を色空間座標変換手段400と色域圧縮手段401の
間に設け、情報入力装置41から入力された圧縮中心変
更パラメータCtrによって、色域圧縮中心変更手段4
08において色域圧縮中心変更に伴う写像変換を、色空
間座標変換手段400から出力されたCIE1976
(L***)色空間座標L*,u*,v*に対して行うこ
とにより、第21実施例における効果に加えて、色変換
手段350を、観察者が画像記録装置4の出力画像観察
環境に完全に順応していない場合や、観察者の好みに応
じて白色点を調整したい場合に、簡便に対応させること
が可能となる。
【0494】以上、第21実施例から第25実施例まで
を説明したが、第22実施例で説明した、色補正効果調
整手段403の付加は、第23実施例,第24実施例,
第25実施例にも適用が可能であり、簡便に未補正の状
態と第21実施例で示した構成で得られる色変換結果と
の間で補正効果を調整することができ、標準設定で色変
換結果を許容できない観察者にも対応することが可能と
なる。
【0495】また、第23実施例で説明した、光源効果
調整手段406の付加は、第22実施例,第24実施
例,第25実施例にも適用が可能であり、色変換手段3
50を、情報入力装置41から得られた光源効果調整パ
ラメータLeにより、色票を再測定することなしに、か
つ式(37)で示した関数データ分のメモリを設けるだ
けで、画像記録装置4の出力を観察する際の光源の変化
にも対応させることが可能となる。
【0496】また、第24実施例で説明した、色順応変
換手段407の付加は、第22実施例,第23実施例,
第25実施例にも適用が可能であり、観察用モニタ8と
画像記録装置4の出力画像をそれぞれ観察する際の観察
条件の差を考慮した色補正が可能となる。
【0497】また、第25実施例で説明した、色域圧縮
中心変更手段408の付加は、第22実施例,第23実
施例,第24実施例にも適用が可能であり、色変換手段
350を、観察者が画像記録装置4の出力画像観察環境
に完全に順応していない場合や、観察者の好みに応じて
白色点を調整したい場合に、簡便に対応させることが可
能となる。
【0498】次に第26実施例について説明する。図6
6は第26実施例に係る機器特性補正手段の機能構成を
示すブロック図、図67は第26実施例における機器特
性補正手段の動作を説明するフローチャートである。
【0499】第26実施例は、第21実施例の構成にお
いて、機器特性補正手段352を色変換手段350又は
鮮鋭感補正手段351の後段に付加した場合の第1の構
成例を示したものである。本実施例において、機器特性
補正手段以外の構成及び作用は、第21実施例と同じで
あるので、同様な部分の説明は省略し、機器特性補正手
段を中心に説明する。
【0500】画像処理装置3は、画像記録装置4の標準
となる出力特性(以下、標準出力特性と呼ぶ)を定め、
標準出力特性を前提にして設計された色変換手段350
又は鮮鋭感補正手段351により作成される画質補正映
像信号を、画像記録装置4に出力するように構成されて
いる。
【0501】しかし、画像記録装置4の出力特性は、た
とえ同機種であっても個々の機体において異なってい
る。このような機器の画像再現特性(以下、機器特性と
呼ぶ)が機体毎に変動することに起因して、安定した画
質補正結果が得られずに、機体毎の出力結果の差が主観
的に許容できない場合が発生するおそれがある。
【0502】そこで第26実施例では、第21実施例に
おける効果に加えて、画像記録装置の出力特性を変えず
に、画像記録装置に入力させる映像信号を加工すること
によって、その加工前の映像信号に対する画像記録装置
の出力特性が、標準出力特性に近似するように補正する
ことが可能な機器特性補正手段の構成例を示す。
【0503】画像処理部47において色変換手段350
等の後段に設けられる機器特性補正手段352の概略構
成を図66に示す。第26実施例の機器特性補正手段3
52は、RGBデータを入力として演算を行い、輝度デ
ータYR ,YG ,YB を出力する標準機器特性再現手段
411と、前記標準機器特性再現手段411からの輝度
データYR ,YG ,YB を入力として演算を行い、輝度
データYR ′,YG ′,YB ′を出力するゲイン調整手
段412と、前記ゲイン調整手段412からの輝度デー
タYR ′,YG ′,YB ′を入力として演算を行い、得
られたRGBデータR′,G′,B′を画像記録装置4
へ出力する機器特性逆再現手段413と、を有して構成
される。
【0504】以下、第26実施例の作用について図67
に示した処理の流れに沿って説明する。
【0505】機器特性補正手段352は、まずステップ
S110で、標準機器特性再現手段411においてRG
BデータR,G,Bそれぞれの演算を行い、輝度データ
YR,YG ,YB を算出する。ステップS110での演
算式を式(39)に示す。
【0506】 YR =FR (R) YG =FG (G) …(39) YB =FB (B) ここで、式(39)中のFR (R),FG (G),FB
(B)は、画像処理装置3の設計に際し任意に決められ
た画像記録装置4の標準出力特性を表す関数(以下、標
準出力特性関数と呼ぶ)である。なお本実施例において
は、FR (0)=FG (0)=FB (0)=0となるよ
う設計されている。
【0507】前記演算により求められた輝度データYR
,YG ,YB はゲイン調整手段412へ出力される。
【0508】次にステップS111で、ゲイン調整手段
412において輝度データYR ,YG ,YB それぞれに
対して以下の演算を行うことで、輝度の線形変換を行っ
て輝度データYR ′,YG ′,YB ′を算出する。この
ゲイン調整手段412において行われるステップS11
1での処理の演算式を式(40)に示す。
【0509】 YR ′=YR /h YG ′=YG /h …(40) YB ′=YB /h ここで、式(40)中で用いられるパラメータhの算出
方法について説明する。まず、画像処理装置3に接続す
る画像記録装置4の、RGBデータR,G,Bに対する
出力輝度YR ,YG ,YB の特性を、輝度測定、及び公
知の技術である回帰分析により求める必要がある。こう
して得られた画像記録装置4の出力特性が以下の式(4
1)に示す関数(以下、出力特性関数と呼ぶ)により満
たされるとする。
【0510】 YR =GR (R) YG =GG (G) …(41) YB =GB (B) なお、出力特性関数を求めるにあたり、画像記録装置4
の出力特性をGR (0)=GG (0)=GB (0)=0
としても、実用上差し支えない。
【0511】本実施例においてRGBデータの表現に8
ビットを用いているとすると、RGBデータのとり得る
値の範囲は0〜255となる。つまり、RGBデータが
255であるときが画像記録装置4においての出力輝度
の最高点となる。そこでhを以下に示す式(42)のよ
うに定義する。
【0512】 h=max[FR (255)/GR (255), FG (255)/GG (255), FB (255)/GB (255)] …(42) ここで式(42)は、FR (255)/GR (25
5),FG (255)/GG (255),FB (25
5)/GB (255)のうち最も大きいものをhとす
る、ということを示している。
【0513】このようにしてhを算出し、輝度データY
R ,YG ,YB を式(40)に従ってhで除算すること
によりYR ′,YG ′,YB ′が求められる。この演算
は、標準出力特性のとり得る範囲での輝度を線形変換し
て、式(41)の出力特性をとり得る範囲での輝度に圧
縮または拡大したことを意味する。
【0514】前記演算により求められた輝度データYR
′,YG ′,YB ′は機器特性逆再現手段413に出
力される。
【0515】そしてステップS112で、機器特性逆再
現手段413において輝度データYR ′,YG ′,YB
′それぞれに対して以下の演算を行うことで、RGB
データR′,G′,B′を算出する。このステップS1
12での処理の演算式を式(43)に示す。
【0516】 R′=GR -1(YR ′) G′=GG -1(YG ′) …(43) B′=GB -1(YB ′) 式(43)で用いられている関数GR -1,GG -1,GB
-1は、式(41)で用いられているGR ,GG ,GB の
逆関数である。すなわち、この式(43)の演算処理に
より、輝度データYR ′,YG ′,YB ′は、ある画像
記録装置4に対してそのような輝度を出力させるRGB
データR′,G′,B′に変換されることを意味する。
【0517】こうして求められたRGBデータR′,
G′,B′は画像記録装置4に出力される。以上の処理
により、観察用モニタ8に再現される画像と画像記録装
置4に再現される画像との色差を改善するための色変換
を行う際に、機体間で変動する出力特性が標準出力特性
に近似するように補正される。
【0518】前記標準機器特性再現手段411で用いら
れる関数FR ,FG ,FB 、ゲイン調整手段412で用
いられる定数h、及び機器特性逆再現手段413で用い
られる関数GR -1,GG -1,GB -1は、図66に示すよ
うに情報入力装置41より入力することによって設定を
変更することが可能である。
【0519】以上のように、機器特性補正手段352に
おいて、RGBデータR,G,Bを一旦画像記録装置4
の標準出力特性関数に基づく輝度データYR ,YG ,Y
B に変換し、この輝度データYR ,YG ,YB を画像記
録装置4の出力特性の範囲に収まるように線形変換し、
さらに画像記録装置4の出力特性関数の逆関数を用いて
RGBデータR′,G′,B′に変換して、画像記録装
置4に出力することにより、異なる出力特性を持つ画像
記録装置4の出力を、標準出力特性による出力に近似さ
せることができる。
【0520】なお、標準機器特性再現手段411、ゲイ
ン調整手段412、機器特性逆再現手段413において
それぞれ行われている演算を結合して1つにまとめ、R
GBデータR,G,BをRGBデータR′,G′,B′
に直接変換する関数を用意し、演算の工数を1つにする
ことも可能であり、同様の効果を得ることができる。
【0521】次に第27実施例について説明する。図6
8は第27実施例に係る機器特性補正手段の機能構成を
示すブロック図、図69は第27実施例における機器特
性補正手段の動作を説明するフローチャート、図70は
画像記録装置の出力特性関数の決定方法を説明する概念
図である。
【0522】第27実施例は、機器特性補正手段352
を付加した第2の構成例であり、第26実施例の機器特
性補正手段352においてタイマ416と切換手段41
5を付加し、切換手段415,ゲイン調整手段412,
機器特性逆再現手段413に前記タイマ416の出力値
を入力して時間経過に応じて動作特性を変更するように
したものである。本実施例において、機器特性補正手段
以外の構成及び作用は、第21実施例と同じであるの
で、同様な部分の説明は省略し、機器特性補正手段を中
心に説明する。
【0523】画像記録装置4は、電源オン時から予備運
転時間(以下、ウォーミング時間と呼ぶ)Tを経過する
ことでその出力特性が安定する。このときの画像記録装
置4の出力特性が安定した状態を、以下では安定状態と
呼ぶ。予備運転中の出力は安定状態時の出力に比べて偏
位を生じており、この偏位が時間を経るごとに小さくな
って安定状態時の出力に漸近し、ウォーミング時間Tを
過ぎると安定状態になる。以下では予備運転中の画像記
録装置4の状態を非安定状態と呼ぶ。
【0524】画像処理装置3は、画像記録装置4が安定
状態であることを想定して画質補正処理を行うよう構成
されている。しかし実使用においては、画像記録装置4
の電源投入後、ウォーミング時間を待たずにこれを使用
したい、すなわち非安定状態でも使用したい状況が発生
する。画像記録装置4が非安定状態であるときの、画像
処理装置3が出力する色データによる画像記録装置4の
出力結果は、画像記録装置4の安定状態のそれと比較す
るとズレを生じている。このように非安定状態では時間
経過に伴って機器特性が変動するため、安定した画質補
正結果が得られず、安定状態での出力結果とのズレが主
観的に許容できない場合が発生するおそれがある。
【0525】そこで第27実施例では、第21実施例に
おける効果に加えて、電源オン後まもない非安定状態で
の画像記録装置の出力が安定状態時での画像記録装置の
出力と等しくなるように、色データを変換して色調のズ
レを補正することが可能な機器特性補正手段の構成例を
示す。
【0526】第27実施例における機器特性補正手段の
概略構成を図68に示す。機器特性補正手段352は、
第26実施例の構成に加えて、画像記録装置4の電源オ
ン時からの経過時間τを出力とするタイマ416と、R
GBデータR,G,B及び前記タイマ416から出力さ
れた経過時間τを入力として2系統の出力切り換えを行
う切換手段415と、を有して構成される。
【0527】切換手段415の2系統の出力の内、1系
統は標準機器特性再現手段411に接続され、もう1系
統はそのまま機器特性補正手段352の出力部に接続さ
れており、両系統の一方にRGBデータR,G,Bを出
力するようになっている。また、タイマ416から出力
される経過時間τは、切換手段415だけでなく、ゲイ
ン調整手段412及び機器特性逆再現手段413にも供
給されるようになっている。
【0528】前記標準機器特性再現手段411以降のR
GBデータR,G,Bの演算処理の手順は、第26実施
例に示したものに準じて実行され、最終的にRGBデー
タR′,G′,B′が画像記録装置4に出力されるよう
になっている。機器特性補正手段352におけるその他
の構成は第26実施例と同様であり、ここでは説明を省
略する。
【0529】以下、第27実施例の作用について図69
及び図70を用いて説明する。
【0530】タイマ416は、画像記録装置4の電源オ
ン時からの経過時間τを保持している。経過時間τは、
画像記録装置4の電源オンと同時に0にセットされ、時
間経過とともに更新される。この経過時間τは切換手段
415,ゲイン調整手段412,及び機器特性逆再現手
段413に出力される。
【0531】第27実施例の機器特性補正手段352に
おける処理の流れを図69に示す。まずステップS11
3において、切換手段415はタイマ416から入力さ
れた経過時間τがウォーミング時間Tより大きいかどう
かにより、入力されたRGBデータR,G,Bの出力先
を、標準機器特性再現手段411又は画像記録装置4に
切り換える。ここで、τがTより小さい場合はRGBデ
ータR,G,Bの出力先は標準機器特性再現手段411
となり、τがT以上であればRGBデータR,G,Bの
出力先は画像記録装置4となる。
【0532】前記ウォーミング時間Tは、画像記録装置
4が電源オン時から安定状態となるまでの実測時間の定
数データであり、情報入力装置41より切換手段415
に入力され、保持されている。
【0533】なお切換手段415で行われる出力切り換
えにより、画像記録装置4の方に出力されたRGBデー
タR,G,Bは、以下に示す本実施例の機器特性補正手
段352による演算処理が全く施されていないものとな
る。
【0534】ここで図70を用いて、ステップS114
以降の説明に必要となる、以下の式(44)に示す出力
特性関数の算出方法について説明する。
【0535】
【数11】 式(44)において、KR(t),KG(t),KB
(t),gR(t),gG(t),gB(t)は、時間t
を入力とする関数であり、かつ、RGBデータに対する
画像記録装置4の出力輝度を、その電源オン時からの経
過時間とともに測定して、以下の手法を用いることによ
り、求めることができるものである。この式(44)を
画像記録装置4の出力特性関数と呼ぶ。
【0536】図70は時間tの経過とRGBデータR,
G,Bに対応する輝度Yとの関係を示したものである。
なおここではRのデータについてのみ示している。
【0537】図70に示されるRYt座標系に広がる曲
面は、G=0,B=0でのRの変化に対応する画像記録
装置4の出力の輝度Yを時刻tごとに計測し、それをプ
ロットしたものである。なお、t=0は電源をオンにし
たときの時刻であり、前記ウォーミング時間Tを用いて
t=Tにおいて画像記録装置4が安定状態になることを
示している。また、G,Bについても、それぞれGYt
座標系、BYt座標系において同様の曲面を描くことが
できる。
【0538】このRYt座標系において、ある時刻tで
のRの変化に対応するYの変化の関係を、以下の式(4
5)に示すように、公知の技術である非線形回帰法を用
いて推定する。
【0539】
【数12】 式(45)において、at=tc,bt=tcは、時刻t=tc
における推定パラメータである。この推定を適当数のt
について行い、数列at ,bt を求める。
【0540】そして、tの変化に対応するa,bの変化
の関係を、それぞれa=KR(t),b=gR(t)なる
tの線形または非線形関数となるように、線形回帰法ま
たは非線形回帰法により推定し、KR(t),gR(t)
を求める。このようにして式(44)で用いられるKR
(t),gR(t)を求めることができる。
【0541】同様にして、KG(t),gG(t)に対し
てはGYt座標系上の曲面を、KB(t),gB(t)に
対してはBYt座標系上の曲面をそれぞれ適用すること
により、KG(t),gG(t),KB(t),gB(t)
を求めることができる。
【0542】次に、前述した式(44)の出力特性関数
を用いて、図69におけるステップS114以降の作用
について説明する。
【0543】ステップS114では、標準機器特性再現
手段411において、入力されるRGBデータR,G,
Bそれぞれに対して演算を行い、輝度データYR ,YG
,YB を算出する。ステップS114での演算式を式
(46)に示す。
【0544】
【数13】 この式(46)は、式(44)のtにウォーミング時間
Tを代入したものに等しい。従って、RGBデータR,
G,Bは、画像記録装置4が安定状態時である場合に出
力されるであろう輝度YR ,YG ,YB にそれぞれ変換
されることになる。
【0545】標準機器特性再現手段411には、KR
(t),KG(t),KB(t),gR(t),gG
(t),gB(t)が情報入力装置41から入力され、
これを定数データとして保持している。また、YR
(R,t),YG (G,t),YB (B,t)は、第2
6実施例で説明した機器特性補正手段352中の標準機
器特性再現手段411での演算に用いられる式(39)
のFR (R),FG (G),FB (B)にそれぞれ対応
する。この演算により求められた輝度データYR ,YG
,YBはゲイン調整手段412に出力される。
【0546】次にステップS115で、ゲイン調整手段
412において、第26実施例で説明した機器特性補正
手段352中のゲイン調整手段412で行われる演算と
同様の演算を行う。ただし本実施例のゲイン調整手段4
12では、前記タイマ416が出力する経過時間τを用
いるようにする。
【0547】本実施例においてもRGBデータの表現に
8ビットを用いているとすると、第26実施例において
hの算出に用いられるFR (255),FG (25
5),FB (255)に対して、それぞれ式(44)と
前記Tを用いて、YR (255,T),YG (255,
T),YB (255,T)を代わりに使用する。また、
GR (255),GG (255),GB (255)に対
して、それぞれ式(44)と前記τを用いて、YR (2
55,τ),YG (255,τ),YB (255,τ)
を代わりに使用する。
【0548】この定数YR (255,T),YG (25
5,T),YB (255,T)及び関数YR (255,
τ),YG (255,τ),YB (255,τ)は、情
報入力装置41より入力される。
【0549】こうして得られたhを基に、輝度データY
R ′,YG ′,YB ′が第26実施例と同様に算出さ
れ、機器特性逆再現手段413へ出力される。
【0550】そしてステップS116で、機器特性逆再
現手段413において、輝度データYR ′,YG ′,Y
B ′それぞれに対して以下の演算を行うことで、RGB
データR′,G′,B′を算出する。このステップS1
16での処理の演算式を式(47)に示す。
【0551】
【数14】 式(47)は、式(44)の出力特性関数のtを定数と
みたときの逆関数として計算されるもので、前記YR
′,YG ′,YB ′及び前記τを入力とする。この式
(47)の演算処理は、輝度データYR ′,YG ′,Y
B ′を、電源オン時からの経過時間τにおける画像記録
装置4の出力輝度とみなして、そのような輝度を出力さ
せるRGBデータR′,G′,B′を求めることを意味
する。ここで、関数R(YR ′,τ),G(YG ′,
τ),B(YB ′,τ)は、情報入力装置41より入力
される。
【0552】こうして求められたRGBデータR′,
G′,B′は画像記録装置4に出力される。以上の処理
により、電源オン直後の非安定状態の際に時間経過と共
に変動する出力特性が安定状態時の出力特性と等しくな
るように補正される。
【0553】以上のように、機器特性補正手段352に
おいて、画像記録装置4の電源オン時からの経過時間に
より画像記録装置4が安定状態にあるか、非安定状態に
あるかを判断し、非安定状態にある場合は、安定状態に
ある画像記録装置4の出力と等価な出力を得られるよう
にRGBデータを変換して出力することにより、非安定
状態においても画像記録装置の出力が安定状態であると
きの出力と同等の結果が得られ、非安定状態時における
色調のズレをなくすことができる。
【0554】なお本実施例において、画像記録装置4の
安定状態を電源オン時からの経過時間により判断した
が、画像記録装置4の内部温度等他の判断パラメータを
用いるようにしてもよい。
【0555】また、内視鏡システムの電源をオンにした
後に加えられた画像記録装置4の電源オンを感知する電
源オン感知手段と、この電源オンを感知したことを示す
信号を伝送する信号線とを画像処理装置3内に設けると
共に、前記信号を検知する検知手段を前記タイマ416
に設けて、内視鏡システムへの画像記録装置4の追加を
示す信号の感知と同時に、前記タイマ416において保
持するtを0にセットする構成にしてもよい。
【0556】また、式(44)、式(46)、式(4
7)には、前述したものに限らず、画像記録装置4の出
力特性をより高く近似できるものを使ってもよい。
【0557】[付記] (1) 前記画像記録手段は、前記記録媒体に記録され
た画像を再生する機能を有することを特徴とする請求項
1に記載の画像処理装置。
【0558】(2) 被写体を撮像して画像信号を出力
する撮像手段(図1の電子内視鏡6)と、前記撮像手段
の出力する画像信号に基づき前記被写体の画像を表示す
る画像表示手段(図1の観察用モニタ8)と、前記撮像
手段が出力する画像信号を画像信号記録媒体に記録する
画像記録手段(図1の内視鏡画像記録装置4)とを備え
た画像信号記録装置において、前記撮像手段から出力さ
れた画像信号に基づき前記画像表示手段に表示される画
像と、前記画像信号記録媒体に記録された画像信号に基
づき表示される画像との画質を等価にする画像処理デー
タに基づき、前記撮像手段から出力される画像信号を処
理して前記画像記録手段に入力する画像信号変換手段
(図1の画像処理装置)を備えたことを特徴とする画像
信号記録装置。
【0559】(3) 前記画像信号変換手段は、前記画
像信号記録媒体に記録される画像信号の色について処理
する付記2に記載の画像信号記録装置。
【0560】(4) 撮像手段で撮像した被写体像を記
録媒体に記録する画像信号記録装置において、前記撮像
手段の出力に基づき、複数の色信号を生成する色信号生
成手段(図1の信号処理部7B)と、前記複数の色信号
に基づき、前記被写体像を表示する表示手段(図1の観
察用モニタ8)と、前記色信号生成手段で生成された色
信号に基づき、前記表示手段に表示される画像と、前記
記録媒体から再生された被写体像の画質を等価にする画
像処理データを記録する記録手段(図1の内視鏡画像記
録装置4)と、前記画像処理データに基づき、前記複数
の色信号を処理して前記記録媒体に画像信号を記録させ
る記録制御手段(図1の画像処理装置3)と備えた画像
信号記録装置。
【0561】(5) 被写体を撮像する撮像手段の出力
に基づき、複数の色信号を生成する色信号生成手段(図
1の信号処理部7B)と、前記色信号生成手段で生成さ
れた色信号に基づく画像データを記録する記録手段(図
1の内視鏡画像記録装置4)と、前記記録手段から再生
される画像の画質が、前記色信号生成手段で生成された
色信号に基づく画像と等価の画質となる前記画像データ
を、前記色信号生成手段で生成された色信号を信号処理
して生成する画像データ生成手段(図1の画像処理装置
3)とを備えた画像信号処理装置。
【0562】(6) 撮像手段により撮像された複数の
映像信号を入力する入力手段(図3の画像入力I/F4
3または図32の入力I/F160)と、前記入力手段
により入力された複数の映像信号に対し画質補正を行う
補正手段(図3の画像処理部47または図32の色変換
回路163及び/または鮮鋭感補正回路165)と、前
記補正手段により画質補正が行われた前記複数の映像信
号を画像記録装置へ出力する出力手段(図3の画像記憶
装置I/F46または図32の出力用I/F168
a))と、を備えた画像処理装置。
【0563】(7) 前記補正手段は、複数の映像信号
に対し色変換及び鮮鋭感補正の少なくとも一方を行う付
記6に記載の画像処理装置。
【0564】(8) 前記入力手段により入力された複
数の映像信号に基づき前記補正手段を制御する制御手段
(図3の中央処理装置40または図32の演算処理用コ
ントローラ169)を備えた付記6または7に記載の画
像処理装置。
【0565】(9) 前記補正手段の補正内容を指示す
るパラメータを入力するパラメータ入力手段(図3の情
報入力装置41または図32のパラメータ入力装置用I
/F171)を備え、制御手段は、前記入力手段により
入力された複数の映像信号及び前記パラメータに基づき
前記補正手段を制御する付記8に記載の画像処理装置。
【0566】(10) 前記補正手段は、前記入力手段
により入力された複数の映像信号による画像を写像変換
する複数の写像変換手段を直列に1つ以上設けた付記9
に記載の画像処理装置。
【0567】(11) 前記入力手段から入力された複
数の映像信号による画像又は前記写像変換手段により写
像変換された画像の内、いずれか1つから出力された画
像又は前記パラメータ入力手段により入力された前記パ
ラメータを制御信号として用いることにより、前記写像
変換手段の動作を制御する写像変換制御手段を備えた付
記6に記載の画像処理装置。
【0568】(12) 前記複数の写像変換手段の内、
少なくとも1つが並列に設けられ、前記並列に1つ以上
設けた写像変換手段からの複数の出力を1つの出力に合
成する合成手段を備え、前記写像変換制御手段は、前記
並列に設けられた少なくとも1つの写像変換手段に入力
する信号が、前記入力手段から入力される複数の映像信
号が形成する信号空間、又は前記直列に1つ以上設けた
写像変換手段の内、前記並列に1つ以上設けた写像変換
手段の前段に位置する写像変換手段から出力される信号
が形成する信号空間のどの領域に含まれるかの領域判定
を行う領域判定手段と、前記領域判定手段に於いて判定
された結果により前記合成手段に於ける動作を決定する
動作決定手段と、動作決定手段に於いて決定された動作
を前記合成手段に適用する動作変更手段とを備えて構成
される付記10に記載の画像処理装置。
【0569】(13) 前記複数の写像変換手段の内、
少なくとも1つが並列に1つ以上設けられ、前記並列に
1つ以上設けた前記複数の写像変換手段の前段に設けた
切替手段を備え、前記制御手段が、前記切替手段を制御
し、前記並列に1つ以上設けた写像変換手段の内、動作
する写像変換手段を選択する付記10に記載の画像処理
装置。
【0570】(14) 直列に1つ以上設けた前記写像
変換手段の内、最後段の写像変換手段は、前記最後段の
写像変換手段の前段の写像変換手段の出力が前記画像記
録装置のダイナミックレンジ内であるかを判定し、ダイ
ナミックレンジ外であれば前記最後段の写像変換手段の
前段の写像変換手段の出力が異常値であるとして、ダイ
ナミックレンジ内への写像変換を行う付記10に記載の
画像処理装置。
【0571】(15) 直列に1つ以上設けた前記写像
変換手段の内、前記入力手段に最も近い位置に設けた写
像変換手段は、入力された信号を知覚色空間座標に変換
する色空間座標変換手段であり、又前記色空間座標変換
手段より後段に設けた写像変換手段の内1つは、知覚色
空間座標を記録装置が入力可能な信号へ変換する色空間
座標逆変換手段である付記10に記載の画像処理装置。
【0572】(16) 前記色空間座標変換手段の後段
に設けた写像変換手段は、色域圧縮処理に伴う写像変換
を行う色域圧縮手段であり、前記色域圧縮手段より後段
に設けた写像変換手段は、前記色空間座標逆変換手段で
ある付記15に記載の画像処理装置。
【0573】(17) 直列に1つ以上設けた前記写像
変換手段の内、少なくとも1つは、複数系統の写像変換
を実行することが可能な写像変換手段であり、前記制御
手段は、前記複数系統の写像変換を実行することが可能
である写像変換手段に於ける写像変換方法の切替を制御
する付記10に記載の画像処理装置。
【0574】(18) 直列に1つ以上設けた前記写像
変換手段の内、少なくとも1つの前記写像変換手段は、
複数の入力信号の量子化精度を、入力信号の出力信号に
対する寄与の度合に応じて変化させる付記10に記載の
画像処理装置。
【0575】(19) 前記制御手段は、入力する複数
の信号が形成する信号空間に於ける、信号の度数分布を
計算する計数手段と、前記計数手段に於いて計算された
信号の度数分布に基づいて、直列に1つ以上設けた前記
写像変換手段の内、少なくとも1つの前記写像変換手段
の動作を決定する動作決定手段と、前記動作決定手段に
於いて決定された動作を、直列に1つ以上設けた前記写
像変換手段の内少なくとも1つの前記写像変換手段に適
用する動作適用手段とを備えて構成される付記10に記
載の画像処理装置。
【0576】(20) 前記補正手段は、入力された前
記映像信号に対し、フィルタを設定するフィルタ設定手
段と、フィルタリングを適用するフィルタリング手段
と、フィルタリング結果を出力する出力手段を備えて構
成される付記6に記載の画像処理装置。
【0577】(21) 前記フィルタリング手段が空間
周波数領域上に於けるフィルタリング実行手段を備えて
構成される付記20に記載の画像処理装置。
【0578】(22) 前記フィルタリング手段が デ
ィジタルフィルタリング実行手段からなる付記20に記
載の画像処理装置。
【0579】(23) 前記フィルタ設定手段が前記画
像記録装置の周波数特性に対する逆フィルタを設定する
逆フィルタ設定手段からなる付記20に記載の画像処理
装置。
【0580】(24) 前記補正手段は、入力された前
記映像信号に対し、フィルタを設定するフィルタ設定手
段と、フィルタリングを適用するフィルタリング手段
と、入力された前記映像信号とフィルタリング処理結果
を合成する合成手段と、前記合成手段により合成された
信号を出力する出力手段とを備えて構成されるからなる
付記6に記載の画像処理装置。
【0581】(25) 前記フィルタリング手段が空間
周波数領域上に於けるフィルタリング実行手段を備えて
構成される付記24に記載の画像処理装置。
【0582】(26) 前記フィルタリング手段が デ
ィジタルフィルタリング実行手段からなる付記24に記
載の画像処理装置。
【0583】(27) 前記補正手段は、入力された前
記映像信号に基づき前記合成手段を制御する制御手段を
備えた付記24に記載の画像処理装置。
【0584】(28) 前記補正手段は、入力された前
記映像信号に対し、フィルタを設定するフィルタ設定手
段と、フィルタリングを適用するフィルタリング手段
と、入力された前記映像信号とフィルタリング処理結果
を合成する写像変換手段とを備えて構成される付記6に
記載の画像処理装置。
【0585】(29) 前記補正手段は、前記合成手段
の出力を写像変換する写像変換手段を備えて構成される
付記24に記載の画像処理装置。
【0586】(30) フィルタリング手段は、複数の
ディジタルフィルタのカスケード接続からなる付記22
または26に記載の画像処理装置。
【0587】(31) フィルタリング手段は、前段の
前記ディジタルフィルタからの出力信号を写像変換し、
後段の前記ディジタルフィルタへの入力信号とする写像
変換手段を備えて構成される付記30に記載の画像処理
装置。
【0588】(32) 前記写像変換手段は、入力され
た前記映像信号を後段の前記ディジタルフィルタに入力
可能な量子化領域に分布するように変換するを備えて構
成される付記31に記載の画像処理装置。
【0589】(33) フィルタリング手段は、前段の
前記ディジタルフィルタに対して、後段の前記ディジタ
ルフィルタを並列に複数接続した付記30に記載の画像
処理装置。
【0590】(34) フィルタリング手段は、後段に
並列に接続された前記複数のディジタルフィルタに対し
て、前段のディジタルフィルタからの出力信号を分割し
て入力する分配手段と、前記複数のディジタルフィルタ
による処理結果を合成する合成手段とを備えた付記33
に記載の画像処理装置。
【0591】(35) 出力手段より前段に入力された
複数の映像信号による画像を写像変換する写像変換手段
を備えたことを特徴とする請求項20ないし34のいず
れか1つに記載の画像処理装置。
【0592】(36) 撮像手段により撮像された複数
の映像信号に対し画質補正を行う補正ステップ(図4の
色変換部50または鮮鋭感補正部51)を備えた画像処
理方法。
【0593】(37) 前記補正ステップは、前記入力
ステップで入力された複数の映像信号に対し写像変換す
る写像変換ステップ(図5の色空間座標変換部60)
と、前記写像変換ステップで写像変換された映像信号に
対して、色変換を行う色変換ステップ(図5の行列演算
部)と、前記色変換ステップで色変換された映像信号に
対して、逆写像変換する逆写像変換ステップ(図5の色
空間逆座標変換部60)とを備えて構成される付記36
に記載の画像処理方法。
【0594】(38) 前記補正ステップは、前記入力
ステップで入力された複数の映像信号に対しフィルタリ
ングを行うフィルタリングステップ(図8のフィルタリ
ング実行部65)を備えて構成される付記36に記載の
画像処理方法。
【0595】(39) 請求項1に記載の画像処理装置
において、前記画像信号処理手段は、予め作成され前記
撮像手段から出力された画像信号を表現する基底ベクト
ルが張る3次元空間である入力色空間の各点を、知覚色
空間の各点に対応させる変換参照テーブルを有し、該撮
像手段から出力された画像信号を知覚色空間に写像する
色空間座標変換手段と、この知覚色空間内で前記処理
(請求項1の画像信号処理手段がする処理)を行い被処
理画像信号とする色空間内変換手段と、予め作成され前
記画像記録装置に入力可能な画像信号を表現する基底ベ
クトルが張る3次元空間である出力色空間の各点を、前
記知覚色空間の各点に対応させる逆変換用参照テーブル
を、出力色空間から知覚色空間の写像方向(以下順写像
方向)とは反対の写像方向(以下逆写像方向)に使用す
ることにより知覚色空間と出力色空間の対応付けをする
色空間座標逆変換手段と、を有することを特徴とする画
像処理装置。
【0596】(40) 前記色空間逆変換手段は、入力
色空間内の点を走査する入力点走査手段と、前記逆変換
用参照テーブルにて変換された前記走査された点と、前
記撮像手段から出力された画像信号を前記知覚色空間内
で処理した点のユークリッド距離を検出する距離検出手
段と、該ユークリッド距離の最小値を算出する最小値算
出手段と、を有し、前記ユークリッド距離の最小値を与
える前記走査点を前記知覚色空間内で処理した点とする
ことにより前記知覚色空間と出力色空間の対応付けをす
ることを特徴とする付記39に記載の画像処理装置。
【0597】(41) 前記入力点走査手段は、走査領
域が設定可能で前記入力色空間内の走査ピッチが順次小
さくなる複数の走査モードと、前記最小値算出手段の結
果に基づき、前記入力色空間内の走査領域を設定する走
査領域設定手段と、を有し、順次走査領域を小さくして
前記ユークリッド距離の最小値を与える走査点を探索す
ることを特徴とする付記40に記載の画像処理装置。
【0598】前記付記39乃至41は第21実施例の開
示内容である。
【0599】(42) 付記39に記載の画像処理装置
は、更に、参照カラー画像入力手段と、補正量入力手段
と、前記参照カラー画像入力手段から入力された参照カ
ラー画像信号に応答して、前記補正量入力により入力さ
れた補正量により、前記色空間座標変換手段にて処理さ
れた被処理画像信号を補正する処理量補正手段と、を有
することを特徴とする。
【0600】(43) 前記参照カラー画像信号は、前
記撮像手段から出力され前記色空間内変換手段にて処理
される前のオリジナル画像信号を、前記色空間座標逆変
換手段の逆変換用参照テーブルを前記順写像方向に使用
して得られる画像信号であることを特徴とする付記42
に記載の画像処理装置。
【0601】(44) 前記補正量入力手段は、前記参
照カラー画像信号と前記色空間内変換手段にて処理され
た被処理画像信号を重み付け加算する重率を入力する手
段であり、前記処理量補正手段は、色を3次元表示する
色空間内にて、前記参照カラー画像信号を表す参照点と
前記被処理画像信号を表す被処理点とを結ぶ曲線上の前
記重率に対応する点を補正された被処理画像信号として
出力することにより、前記被処理画像信号を補正するこ
とを特徴とする付記43に記載の画像処理装置。
【0602】(45) 前記処理量補正手段において、
前記参照点と被処理点を結ぶ曲線は線分であり、該線分
を前記重率によって内分した内分点を前記補正された被
処理画像信号として出力する付記44に記載の画像処理
装置。
【0603】前記付記42乃至45は第22実施例の開
示内容である。
【0604】(46) 付記39に記載の画像処理装置
において、更に、入力される補正量に基づいて、前記逆
変換用参照テーブルを書き換える参照テーブル書換え手
段を有することを特徴とする。
【0605】(47) 前記参照テーブル書換え手段に
入力される補正量は、前記画像記録装置から出力される
画像を観察するための光源の種類に基づくことを特徴と
する付記46に記載の画像処理装置。
【0606】(48) 前記変換テーブル書換え手段
は、複数の光源の色彩輝度に基づく複数の変換テーブル
を格納していることを特徴とする付記47に記載の画像
処理装置。
【0607】前記付記46乃至48は第23実施例の開
示内容である。
【0608】(49) 付記39に記載の画像処理装置
において、前記色空間内変換手段は、入力された画像信
号を色順応対応点に写す色順応変換手段を有することを
特徴とする。
【0609】付記49は第24実施例の開示内容であ
る。
【0610】(50) 付記39に記載の画像処理装置
において、更に、入力される補正量に基づいて、前記色
空間内変換手段の処理動作を補正する処理動作補正手段
を有することを特徴とする。
【0611】(51) 前記処理動作補正手段に入力さ
れる補正量は、前記色空間内変換手段が行う知覚色空間
における前記処理によって、変換されない不動点を指定
するデータであることを特徴とする付記50に記載の画
像処理装置。
【0612】前記付記50及び51は第25実施例の開
示内容である。
【0613】(52) 付記39に記載の画像処理装置
において、更に、前記色空間座標逆変換手段の出力信号
が入力され、該出力信号を複数の輝度データに変換する
輝度する輝度データ変換手段と、該複数の輝度データを
各々独立に利得調整するゲイン調整手段と、該ゲイン調
整手段の出力信号を、前記色空間座標逆変換手段の出力
色空間座標に変換する輝度逆変換手段と、を具備する機
器特性補正手段を有することを特徴とする。
【0614】(53) 付記52に記載の画像処理装置
において、更に、前記画像記録手段の入出力特性に基づ
き、前記ゲイン調整手段のゲインを設定するゲイン設定
手段を有することを特徴とする。
【0615】(54) 付記53に記載の画像処理装置
において、更に、前記画像記録装置の動作状態をモニタ
するモニタ手段を有し、前記ゲイン設定手段はゲインの
設定値を前記モニタ手段が測定する動作状態に従って変
化させることを特徴とする。
【0616】(55) 前記モニタ手段は、前記画像記
録装置の動作温度を測定する温度測定手段であり、前記
ゲイン設定手段はゲインの設定値を前記温度測定手段が
測定する動作温度に従って変化させることを特徴とする
付記54に記載の画像処理装置。
【0617】(56) 前記モニタ手段は、前記画像記
録手段の電源投入からの経過時間を測定するタイマ手段
であり、前記ゲイン設定手段はゲインの設定値を前記タ
イマ手段が測定する経過時間に従って変化させることを
特徴とする付記54に記載の画像処理装置。
【0618】(57) 前記機器特性補正手段は、前記
輝度データ変換手段の前段に、前記色空間座標逆変換手
段の出力信号を切り換える切り換え手段を有し、該切り
換え手段は、前記タイマ手段の制御のもとで、経過時間
が所定の時間以下のとき前記色空間座標逆変換手段の出
力信号を前記輝度データ変換手段に送り、経過時間が前
記所定の時間を越えるとき、前記画像記録手段に直接送
るように切り換え動作を行うことを特徴とする付記56
に記載の画像処理装置。
【0619】前記付記52乃至57は第26及び第27
実施例の開示内容である。
【0620】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の画像処理
装置によれば、画像信号処理手段が、撮像手段から出力
された画像信号に基づき画像表示手段に表示される画像
と、前記画像記録再生手段から再生された画像信号と基
づき画像表示手段に表示される画像との画質を等価にす
る画像処理データに基づき、撮像手段から出力される画
像信号を処理するので、撮像手段からの映像信号を入力
する画像表示手段に再現された画像の色と、画像記録再
生手段により再現される画像の色の差を測色的に改善
し、又は表示手段に再現された画像の鮮鋭感と画像記録
再生手段により再現される画像の鮮鋭感の差をMTFの
差に於いて改善することを可能にすると共に、画像表示
手段に再現された画像に対する作業者の記憶等によっ
て、作業者が目標とする画質が、測色的に色差が改善さ
れ、又は鮮鋭感が補正された結果から変動した場合に
も、作業者が目標とする好ましい色、又は好ましい鮮鋭
感を再現することを可能にするという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例に係る画像処理装置を備えた内視鏡
システムの構成を示す構成図
【図2】図1の内視鏡システムの詳細な構成を示すブロ
ック構成図
【図3】図1の画像処理装置の構成を示す構成図
【図4】図3の中央処理装置の画像処理部のソフトウエ
アの構成を示すソフトウエア構成図
【図5】図4の色変換部のソフトウエアの構成を示すソ
フトウエア構成図
【図6】図4の色変換部の処理の流れを説明するフロー
チャート
【図7】図4の色変換部で使用されるCIE1976
(L***)色空間に於ける一般的な内視鏡画像の色
分布を説明する概念図
【図8】図4の鮮鋭感補正部のソフトウエアの構成を示
すソフトウエア構成図
【図9】図4の鮮鋭感補正部による鮮鋭感補正の概念を
説明する説明図
【図10】図4の鮮鋭感補正部の処理の流れを説明する
フローチャート
【図11】図4の鮮鋭感補正部による鮮鋭感補正を説明
する説明図
【図12】第2実施例に係る鮮鋭感補正部による鮮鋭感
補正を説明する説明図
【図13】図12の鮮鋭感補正を行う鮮鋭感補正部のソ
フトウエアの構成を示すソフトウエア構成図
【図14】第3実施例に係る色変換部のソフトウエアの
構成を示すソフトウエア構成図
【図15】図14の色変換部の処理の流れを説明するフ
ローチャート
【図16】第4実施例に係る色変換部の処理の流れを説
明するフローチャートである。
【図17】第5実施例に係る色変換部のソフトウエアの
構成を示すソフトウエア構成図
【図18】図17の色変換部に適用される観察用モニタ
色域と画像記録装置色域の関係をu**平面で説明する
概念図
【図19】図17の色変換部の処理の流れを説明するフ
ローチャート
【図20】図17の色変換部に適用される内視鏡画像記
憶装置色域データの構成と色相(H)彩度(C)明度
(V)の意味をCIE1976(L***)色空間で
説明する概念図
【図21】図17の色域圧縮部の変形例の構成を示すソ
フトウエア構成図
【図22】第6実施例に係る色変換部の行列演算部の構
成を示すソフトウエア構成図
【図23】図22の行列演算部に適用されるCIE19
76(L***)色空間に於いて複数に分割された領
域について説明する概念図
【図24】第7実施例に係る色変換部のソフトウエアの
構成を示すソフトウエア構成図
【図25】第8実施例に係る色変換部のソフトウエアの
構成を示すソフトウエア構成図
【図26】図25の行列演算部の構成を示すソフトウエ
ア構成図である。
【図27】第9実施例に係る色変換部のソフトウエアの
構成を示すソフトウエア構成図
【図28】図27の色変換部の処理の流れを説明するフ
ローチャート
【図29】図27の色変換部の処理の変形例の流れを説
明するフローチャート
【図30】図29のフローチャートによる明度の好まし
い変換について説明する概念図
【図31】第10実施例に係る色変換部の行列演算部の
構成を示すソフトウエア構成図
【図32】第11実施例に係る画像処理装置の構成を示
すブロック図
【図33】図32の画像処理装置の変形例の構成を示す
ブロック図
【図34】図32の色変換回路の構成を示すブロック図
【図35】図32の鮮鋭感補正回路の構成を示すブロッ
ク図
【図36】図35のフィルタリング部の構成を示すブロ
ック図
【図37】第12実施例に係る色変換回路の構成を示す
ブロック図
【図38】第13実施例に係る色変換回路の構成を示す
ブロック図
【図39】第14実施例に係る色変換回路の構成を示す
ブロック図
【図40】第15実施例に係る鮮鋭感補正回路のフィル
タリング部の構成を示すブロック図
【図41】第16実施例に係る鮮鋭感補正回路の構成を
示すブロック図
【図42】図41の合成部の構成を示すブロック図
【図43】図41のデータ変換部の構成を示すブロック
【図44】図41の合成部の変形例の構成を示すブロッ
ク図
【図45】第17実施例に係るFIRフィルタのマスク
サイズを説明する説明図
【図46】図45のFIRフィルタを備えたフィルタリ
ング部の構成を示すブロック図
【図47】第18実施例に係るフィルタリング部の構成
を示すブロック図
【図48】第19実施例に係るフィルタリング部の構成
を示すブロック図
【図49】第20実施例に係るフィルタリング部の構成
を示すブロック図
【図50】図3の中央処理装置における画像処理部のソ
フトウェアの概念構成を示すブロック図
【図51】第21実施例に係る色変換手段の機能構成を
示すブロック図
【図52】第21実施例における色変換手段の動作を説
明するフローチャート
【図53】CIE1976(L***)色空間におけ
る観察用モニタと画像記録装置の色域の関係を説明する
概念図
【図54】色域圧縮の方法の一例を示すフローチャート
【図55】色域圧縮の概念をCIE1976(L**
*)色空間において説明した説明図
【図56】機器に依存しない色変換システムの構成を説
明する概念図
【図57】第22実施例に係る色変換手段の機能構成を
示すブロック図
【図58】第22実施例において設けられる色補正効果
調整手段の内部構成を示すブロック図
【図59】図58の色補正効果調整手段の作用を説明す
る概念図
【図60】第23実施例に係る色変換手段の機能構成を
示すブロック図
【図61】第23実施例において設けられる光源効果調
整手段の作用を説明する概念図
【図62】第24実施例に係る色変換手段の機能構成を
示すブロック図
【図63】第24実施例において設けられる色順応変換
手段の作用を説明する概念図
【図64】第25実施例に係る色変換手段の機能構成を
示すブロック図
【図65】第25実施例において設けられる色域圧縮中
心変更手段の作用を説明する概念図
【図66】第26実施例に係る機器特性補正手段の機能
構成を示すブロック図
【図67】第26実施例における機器特性補正手段の動
作を説明するフローチャート
【図68】第27実施例に係る機器特性補正手段の機能
構成を示すブロック図
【図69】第27実施例における機器特性補正手段の動
作を説明するフローチャート
【図70】第27実施例の機器特性補正手段における画
像記録装置の出力特性関数の決定方法を説明する概念図
【符号の説明】
1…電子内視鏡システム 2…電子内視鏡装置 3…画像処理装置 4…内視鏡画像記録装置 6…電子内視鏡 7…観測装置 7A…光源部 7B…信号処理部 8…観察用モニタ 40…中央処理装置 41…情報入力装置 42…主記憶装置 43…画像入力I/F 44…外部記憶装置 45…ROM 46…画像記憶装置I/F 47…画像処理部 50…色変換部 51…鮮鋭感補正部 60…色空間座標変換部 61…行列演算部 62…色空間逆座標変換部 65、71…フィルタリング部 66、73…データ変換部 72…合成部 81…異常処理部 86、86a…色域圧縮部 160…入力I/F 163…色変換回路 166…鮮鋭感補正回路 168a、168b…出力用I/F 169…演算用コントローラ 171…パラメータ入力装置用I/F 350…色変換手段 351…鮮鋭感補正手段 352…機器特性補正手段 400…色空間座標変換手段 401…色域圧縮手段 402…色空間座標逆変換手段 411…標準機器特性再現手段 412…ゲイン調整手段 413…機器特性逆再現手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H04N 1/409 1/46 7/18 U H04N 1/46 Z (72)発明者 西村 博一 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内 (72)発明者 中村 一成 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内 (72)発明者 三好 義孝 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被写体を撮像して画像信号を出力する撮
    像手段と、 前記撮像手段の出力する画像信号を記録媒体に記録する
    画像記録手段と、 前記撮像手段から出力される画像信号が入力されて前記
    被写体の画像を表示する画像表示手段とを備えた画像処
    理装置において、 前記撮像手段から出力された画像信号に基づき前記画像
    表示手段に表示される画像と、前記画像記録手段から得
    られた画像との画質を等価にする画像処理データに基づ
    き、前記撮像手段から出力される画像信号を処理する画
    像信号処理手段を備えたことを特徴とする画像処理装
    置。
JP7114939A 1994-05-17 1995-05-12 画像処理装置 Withdrawn JPH0837604A (ja)

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