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JPH0834671A - 窒化ケイ素質複合材料およびその製造方法 - Google Patents

窒化ケイ素質複合材料およびその製造方法

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Publication number
JPH0834671A
JPH0834671A JP6174521A JP17452194A JPH0834671A JP H0834671 A JPH0834671 A JP H0834671A JP 6174521 A JP6174521 A JP 6174521A JP 17452194 A JP17452194 A JP 17452194A JP H0834671 A JPH0834671 A JP H0834671A
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silicon nitride
less
particles
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composite material
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JP6174521A
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Inventor
Mamoru Mitomo
友 護 三
Naoto Hirosaki
崎 尚 登 広
Motohide Ando
藤 元 英 安
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Nissan Motor Co Ltd
National Institute for Materials Science
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
National Institute for Research in Inorganic Material
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Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd, National Institute for Research in Inorganic Material filed Critical Nissan Motor Co Ltd
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Publication of JPH0834671A publication Critical patent/JPH0834671A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高強度でかつ高靭性の窒化ケイ素質複合材料
を提供する。 【構成】 窒化ケイ素粉末に、周期律表第IIIa族の
酸化物,酸化アルミニウム,酸化マグネシウム,酸化カ
ルシウム,酸化ジルコニウム,窒化アルミニウムのうち
から選ばれる1種または2種以上の酸化物あるいは窒化
物を0.2重量%以上10.0重量%以下添加して平均
粒径10μm以上50μm以下に造粒し、造粒粒子の周
りに炭素を付着させた後に成形して、1気圧以上500
気圧以下の窒素ガス圧下で目標とする組織が発現するま
で1600℃以上2100℃以下の温度で焼成すること
によって、炭化ケイ素を0.2重量%以上10.0重量
%以下含み、窒化ケイ素が平均径10μm以上50μm
以下の多結晶の塊よりなる窒化ケイ素質粒子群SNを構
成し、粒子群SNと粒子群SNの間に炭化ケイ素粒子S
Cが分散した微構造を有する窒化ケイ素質複合材料を提
供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車,機械装置,化
学装置,宇宙航空機器などの幅広い分野において使用さ
れる各種構造部品の素材として利用でき、室温および高
温において高い破壊靭性値と優れた強度を有する軽量な
ファインセラミックス基複合材料である窒化ケイ素質焼
結体およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】窒化ケイ素を主成分とする焼結体は、常
温および高温で化学的に安定であり、高い機械的強度を
有するため、軸受などの摺動部材,ターボチャージャロ
ータなどのエンジン部材として好適な材料である。
【0003】従来より、高強度な窒化ケイ素質焼結体を
得るには、α型の窒化ケイ素を主成分とする原料粉末が
必要といわれており、一般に、α型含有率が90重量%
以上の市販粉末が使用されている。
【0004】高強度な窒化ケイ素質焼結体を得るに際し
てα型を主成分とする原料粉末を用いるのは、 1.α型は微粉末であり焼結性が高いこと、 2.焼結中にα型からβ型への相転移が起こり、柱状結
晶が発達した組織となることにより強度および靭性が向
上すること、 等の理由からであった。
【0005】ところが、上述したα型を出発原料とする
窒化ケイ素粉末は、α型の含有量を制御する必要がある
ため、原料粉末の合成過程が複雑になり、原料が高価な
ものになるという問題点があった。
【0006】一方、β型を主成分とする窒化ケイ素粉末
としては、耐火物の原料として使用されている粉末が知
られている。また、β型を主成分とする窒化ケイ素粉末
を原料とする焼結体としては、ジャーナル オブ アメ
リカン セラミック ソサイエティー 第57巻第25
頁(1974年)や、特開昭58−151371号公報
等に記載されたものが知られている。
【0007】しかし、β型を主成分とする粉末は粒子が
粗く、α相の含有率が低いため、柱状組織が得られず、
高強度の焼結体は得られないことから、高強度の焼結体
を製造するための原料粉末としては使用されていなかっ
た。
【0008】本発明者の一人は、先に、高窒素ガス圧下
で高温での焼結が可能となるガス圧焼結法を開発しこれ
を提案した(特許第1,247,183号明細書)。ま
た、このガス圧焼結法によると、従来は焼結性が低いと
考えられていたβ型窒化ケイ素粉末を用いても、高密度
まで焼結できることを示した(ジャーナル オブ マテ
リアルズ サイエンス 第11巻第1103頁〜第11
07頁(1976年),特公昭58−151371号公
報)。
【0009】さらに、別の特許出願(特開平2−255
573号公報)で、高純度のβ型窒化ケイ素粉末の粒度
分布を調整することにより、高強度な焼結体が得られる
ことを示した。
【0010】また、別の特許出願(特願平3−2458
68号明細書)で、低純度の粉末を用いても適度な粒度
調整により比較的高強度の焼結体が得られることを示し
た。
【0011】さらにまた、別の特許出願(特願平3−2
46113号明細書,特願平3−338844号明細
書,特願平3−339008号明細書)で、焼結助剤と
焼成条件の最適化により焼結体の機械的特性が向上する
ことを示した。
【0012】さらにまた、別の特許出願(特願平5−2
47073号明細書)で、Ybを主成分とするこ
とにより、さらに信頼性が向上することを示した。
【0013】さらにまた、別の特許出願(特願平5−2
47123号明細書)では、β型窒化ケイ素とβ型サイ
アロンとの複合組織とすることにより、強度と靭性が両
立することを示した。
【0014】さらにまた、別の特許出願(特願平3−3
39012号明細書)において、焼結体中に鉄やカルシ
ウムを含むと金属との接合性に優れることを示した。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
β型原料を出発原料として焼結体を作る手法では、破壊
靭性を優れたものとするためには柱状結晶を発達させる
必要があるが、この柱状結晶が大きくなりすぎと強度が
低下するという問題があった。このため、焼成条件の制
御により微構造を制御してきたが、粗大粒子の大きさの
制御は難しく、強度低下の原因となっていることから、
このような強度の低下を防止することが課題であった。
【0016】
【発明の目的】本発明は、上述した従来の課題にかんが
みてなされたものであって、窒化ケイ素質粒子群と炭化
ケイ素粒子とから構成される複合構造とすることによ
り、高強度でかつ高靭性を有する窒化ケイ素質複合材料
を提供することを目的としている。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明に係わる窒化ケイ
素質複合材料は、窒化ケイ素と炭素ケイ素との複合構造
を持つセラミックス焼結体において、炭化ケイ素を0.
2重量%以上10.0重量%以下含み、窒化ケイ素が平
均径10μm以上50μm以下の多結晶の塊よりなる窒
化ケイ素質粒子群を構成し、粒子群と粒子群の間に炭化
ケイ素粒子が分散した微構造を有する構成としたことを
特徴としている。
【0018】本発明に係わる窒化ケイ素質複合材料の実
施態様では、焼結体の切断面において、窒化ケイ素質粒
子群が粒径3μm以上10μm以下で長さ10μm以上
50μm以下の柱状のβ−Si粒子を含み、その
粒子の面積が窒化ケイ素質粒子群の断面積の5面積%以
上40面積%以下である構成のものとすることができ
る。
【0019】同じく、本発明に係わる窒化ケイ素質複合
材料の実施態様では、焼結体の切断面において、窒化ケ
イ素質粒子群中に含まれる長さ50μm以上の柱状のβ
−Si粒子の面積が窒化ケイ素質粒子群の断面積
の5面積%以下である構成のものとすることができる。
【0020】また、本発明に係わる窒化ケイ素質複合材
料の製造方法は、窒化ケイ素粉末に、周期律表第III
a族の酸化物,酸化アルミニウム,酸化マグネシウム,
酸化カルシウム,酸化ジルコニウム,窒化アルミニウム
のうちから選ばれる1種または2種以上の酸化物あるい
は窒化物を0.2重量%以上10.0重量%以下添加し
て平均粒径10μm以上50μm以下に造粒し、造粒粒
子の周りに炭素を付着させた後に成形して、1気圧以上
500気圧以下の窒素ガス圧下で請求項1ないし3のい
ずれかに記載の目標とする組織が発現するまで1600
℃以上2100℃以下の温度で焼成する構成としたこと
を特徴としている。
【0021】そして、本発明に係わる窒化ケイ素質複合
材料の製造方法の実施態様では、造粒体を炭素を含むガ
ス中で加熱することにより、造粒粒子の周りに炭素を付
着させるようにしたり、炭素を含むガスがプロパンガス
であり、加熱温度が500℃以上1000℃以下である
ようにしたり、炭素の付着量が造粒体の0.1重量%以
上5.0重量%以下であるようにしたり、窒化ケイ素原
料粉末中のβ型窒化ケイ素含有量が、80重量%以上で
あるようにしたりすることができる。
【0022】同じく、本発明に係わる窒化ケイ素質複合
材料の製造方法の実施態様では、窒化ケイ素原料粉末
が、原料粉末の砕分級処理ないしは数種類の原料粉末の
混合により、0.8μm以下の割合が70重量%以上9
5重量%以下でかつ1.5μm以上5.0μm以下の割
合が5重量%以上30重量%以下となるように粒度分布
を制御した原料粉末を用いるようにしたり、焼結助剤
が、酸化イットリウムと酸化ネオジムの組み合わせであ
るようにしたり、あるいは焼結助剤が、酸化イットリウ
ムと酸化アルミニウムの組み合わせであるようにしたり
することができる。
【0023】
【発明の作用】本発明に係わる窒化ケイ素質複合材料で
は、窒化ケイ素質粒子群と炭化ケイ素粒子とから構成さ
れる複合構造を持つセラミックス焼結体とし、柱状粒子
の大きさが揃っているものとすることによって、高強度
でかつ高靭性が得られることを新規に発明したものであ
る。
【0024】請求項1の説明:すなわち、本発明による
窒化ケイ素質複合材料は、窒化ケイ素と炭素ケイ素との
複合構造を持つセラミックス焼結体において、炭化ケイ
素を0.2重量%以上10.0重量%以下含み、窒化ケ
イ素が平均径10μm以上50μm以下の多結晶の塊よ
りなる窒化ケイ素質粒子群を構成し、粒子群と粒子群の
間に炭化ケイ素粒子が分散した微構造を有する構成とし
たものであり、ここで、窒化ケイ素質粒子群とは、窒化
ケイ素粒と焼結助剤成分の粒界相とから構成される多結
晶体の塊である。
【0025】また、炭化ケイ素粒子は、大部分は窒化ケ
イ素質粒子群の境界に存在する。この場合、窒化ケイ素
質粒子群の大きさは、平均径が10μm以上50μm以
下であり、粒子群と粒子群の間には炭化ケイ素粒子が分
散した微構造を有するものとなっている。そして、この
微構造をとることによって、焼結中に、粒成長している
窒化ケイ素質粒子が炭化ケイ素粒子とぶつかるとそこで
粒成長が止まるため、その結果として、窒化ケイ素質粒
子群内の窒化ケイ素粗大粒子の大きさが制御されて一定
の大きさとなり、強度の低下が防止されることによっ
て、高強度でかつ高靭性の窒化ケイ素質複合材料とな
る。
【0026】ここで、炭化ケイ素を0.2重量%以上1
0.0重量%以下の範囲で含むようにしているのは、
0.2重量%未満では粒成長抑制効果が少ないためであ
り、10.0重量%超過では焼結性が低下するためであ
る。また、窒化ケイ素質粒子群の大きさが平均径で10
μm以上50μm以下の範囲であるようにしているの
は、10μm未満であると粗大粒子の大きさが10μm
未満となるために靭性が低下するためであり、50μm
超過となると粗大粒子の大きさが50μm超過となるた
め、強度が低下するためである。
【0027】請求項2の説明:このようにして粒子群同
士の複合構造とすることにより、窒化ケイ素質粒子群内
の微構造は、焼結体の切断面を観察したとき、窒化ケイ
素質粒子群が粒径3μm以上10μm以下で長さ10μ
m以上50μm以下の柱状のβ−Si粒子を含
み、その粒子の面積が窒化ケイ素質粒子群の断面積の5
面積%以上40面積%以下であるものとしたときに、強
度と靭性の同時向上がより一層容易に達成される。
【0028】ここで、窒化ケイ素質粒子群の組織は、微
細な窒化ケイ素マトリックス粒子と粗大な窒化ケイ素柱
状粒子の複合構造となるが、粗大粒子としての靭性向上
の作用・効果は、粒径3μm以上10μm以下で長さ1
0μm以上50μm以下の柱状のβ−Si粒子が
受持ち、その粒子の面積が窒化ケイ素質粒子群の断面積
の5面積%以上40面積%以下であるときに大きい。し
かし、5面積%未満では作用・効果が少なく、40面積
%超過では強度が低下する。
【0029】請求項3の説明:さらに、強度を低下させ
るのは50μm以上の長さの焼結体であるため、焼結体
の切断面を観察したとき、窒化ケイ素質粒子群中に含ま
れる長さ50μm以上の柱状のβ−Si粒子の面
積が窒化ケイ素質粒子群の断面積の5面積%以下である
微構造が達成されると強度向上の作用・効果は大きい。
【0030】請求項4−7の説明:以上の微構造を持つ
窒化ケイ素質複合材料の製造法として、例えば、次に示
す方法がある。すなわち、窒化ケイ素粉末に、周期律表
第IIIa族の酸化物,酸化アルミニウム,酸化マグネ
シウム,酸化カルシウム,酸化ジルコニウム,窒化アル
ミニウムのうちから選ばれる1種または2種以上の酸化
物あるいは窒化物を0.2重量%以上10.0重量%以
下添加して平均粒径10μm以上50μm以下に造粒
し、造粒粒子の周りに炭素を付着させた後に成形して、
1気圧以上500気圧以下の窒素ガス圧下で、目標とす
る微構造が発現するまで1600℃以上2100℃以下
の温度で焼成する製造方法である。
【0031】ここで、造粒体に炭素を付着させる手法と
しては、例えば、造粒体をプロパンガス等の炭素を含む
ガス中でガスの分解温度(例えば、プロパンガスでは5
00℃以上1000℃以下)に加熱することにより、ガ
スが分解してできた炭素が造粒体に付着するようにした
方法である。ここで、プロパンガスは他のガスと比べて
炭素の生成特性が特に優れているので好ましい。このプ
ロパンガスの場合、500℃未満では分解が十分進ま
ず、1000℃超過では造粒体中の助剤成分が劣化する
ので好ましくない。また、炭素の付着量は造粒体の0.
1重量%以上5.0重量%以下が好ましい。この場合、
0.1重量%未満では粗大粒子の大きさの制御の作用・
効果が少なく、5.0重量%超過では焼結が阻害されて
強度が低下するので好ましくない。ここで添加した炭素
は、焼結中に焼結体のSiOまたはSiと反応
して炭化ケイ素を生成する。
【0032】焼結助剤は、周期律表第IIIa族の酸化
物,酸化アルミニウム,酸化マグネシウム,酸化カルシ
ウム,酸化ジルコニウム,窒化アルミニウムのうちから
選ばれる1種または2種以上の酸化物あるいは窒化物が
用いられる。この場合の添加量は、0.2重量%以上1
0.0重量%以下である。そして、0.2重量%よりも
少ないと焼結性が低下し、10.0重量%よりも多いと
強度が低下する。
【0033】また、造粒体の製造方法は特に規定されな
いが、スプレードライヤー等が用いられる。そして、造
粒体の大きさは、平均粒径が10μm以上50μm以下
となるように造粒される。このとき、10μm未満では
粗大粒の大きさが小さくなりすぎるため、靭性向上の作
用・効果が少なく、50μm超過では粗大粒が大きくな
りすぎるため、強度が低下するので好ましくない。
【0034】焼成は、1気圧以上500気圧以下の窒素
ガス圧下で、目標とする微構造が発現するまで1600
℃以上2100℃以下の温度で行われる。このとき、1
気圧未満では、窒化ケイ素あるいは助剤成分が熱分解を
起こして焼結性が低下する。また、500気圧超過で
は、高圧のガスが焼結体内に閉じ込められるため焼結性
が低下する。さらに、1600℃未満では緻密化せず、
2100℃超過ではマトリックスの窒化ケイ素の粒成長
のため強度が低下する。また、必要に応じてホットプレ
スまたは熱間静水圧プレスで焼成してもよい。
【0035】請求項8−9の説明:上記の製造方法で
は、窒化ケイ素原料は特に規定されないが、窒化ケイ素
原料として、原料粉末中のβ型窒化ケイ素含有量が80
重量%以上である粉末を用いると、特に組織の再現性が
よい。これは、α型含有量が多くなると、焼結中に相転
移が起こるためである。また、β型窒化ケイ素原料の粒
度分布を原料粉末の砕分級処理ないしは数種類の原料粉
末の混合により、0.8μm以下の割合が70重量%以
上95重量%以下でかつ1.5μm以上5.0μm以下
の割合が5重量%以上30重量%以下となるように制御
すると、柱状粒子が良く発達するので好ましい。これ
は、1.5μm以上5.0μm以下の粒子が粒成長の核
となるためであり、1.5μm以上5.0μm以下の核
の割合が5重量%未満では作用・効果が少なく、30重
量%を超えると粗大粒子が多くなりすぎるため強度が低
下する。
【0036】請求項10−11の説明:焼結助剤の中
で、特に、酸化イットリウムと酸化ネオジムの組み合わ
せは、粒成長を促進するため、靭性が向上する。また、
酸化イットリウムと酸化アルミニウムの組み合わせは、
低温で焼成が可能であるため、量産性に優れる。
【0037】
【実施例】次に、本発明に係わる窒化ケイ素質複合材料
およびその製造方法の実施例を比較例と共に説明する。
【0038】実施例1 表1の実施例1の欄に示すように、平均粒径0.5μ
m,酸素含有量1.5重量%でかつβ型含有量90重量
%の窒化ケイ素粉末(粉末A)98重量%に、酸化イッ
トリウム0.8重量%と酸化ネオジム1.2重量%を添
加し、エタノールを添加した湿式ボールミルにより94
時間混合粉砕した。
【0039】次に、空気中でスプレードライヤーを用い
て乾燥することにより、平均粒径30μmの造粒体を得
た。この造粒体を管状炉中でプロパンガスを毎分100
ml流しながら800℃で30分の加熱処理をした。こ
こで得られた処理造粒体中の炭素含有量を測定したとこ
ろ、0.5重量%であった。そして、この造粒粉末を2
0MPaの圧力で金型成形した後、200MPaの圧力
でラバープレスを施すことにより、6mm×6mm×5
0mmの成形体を得た。
【0040】次に、この成形体を黒鉛のガス圧炉を用い
て、100気圧の窒素ガス圧下で1900℃で4時間焼
成した。次いで、ここで得られた焼結体を800メッシ
ュのダイヤモンドホイールで平面研削し、3mm×4m
m×40mmの形状に加工したのち、JIS−R160
1に準じた室温3点曲げにより曲げ強さを求めると共
に、JIS−R1607に準じたSEPB法(試験片の
3×40mmの面にビッカース圧痕を加え、これから予
亀裂を生成し、この予亀裂から破壊する手法)により破
壊靭性値を求めた。
【0041】この結果、同じく表1の実施例1の欄に示
すように、この焼結体の気孔率は1.0%、室温3点曲
げ強さは950MPaであり、破壊靭性値は8.8MP
a√mであって、強度と靭性が両立した材料が得られ
た。また、焼結体中の炭素は全て炭化ケイ素になってお
り、その量は1.2重量%であった。
【0042】さらに、焼結体の表面を鏡面に研磨加工し
た後、7%の酸素ガスを含むCFガス中で40Wの出
力でプラズマを発生させて、2分間のエッチングを施し
た。そして、エッチングした焼結体を元素分析装置を内
蔵した走査型電子顕微鏡で観察したところ、組織は窒化
ケイ素質粒子群と炭化ケイ素粒子とから構成される複合
構造をなすものであった。また、組織の概略図を図1に
示すが、画像解析によれば、図1において符号SNで示
す窒化ケイ素質粒子群の平均径は35μmであり、その
周りを符号SCで示す炭化ケイ素粒子で取り囲まれた微
構造をなすものであった。そして、窒化ケイ素質粒子群
中の組織の観察では、窒化ケイ素の粗大粒子である粒径
3μm以上10μm以下で長さ10μm以上50μm以
下のβ−Si粒子が占める面積は、窒化ケイ素質
粒子群の断面積の12面積%であった。さらに、窒化ケ
イ素質粒子群中に含まれる長さ50μm以上の柱状のβ
−Si粒子の粗大粒子が占める面積は、窒化ケイ
素質粒子群の断面積の2.5面積%であった。
【0043】このように、窒化ケイ素質粒子群と炭化ケ
イ素粒子分散窒化ケイ素質粒子群とから構成される複合
構造とすることにより、強度と靭性を兼ね備えたセラミ
ックス焼結体を得ることができた。
【0044】比較例1 表3の比較例1の欄に示すように、平均粒径0.5μ
m,酸素含有量1.5重量%でかつβ型含有量90重量
%の窒化ケイ素粉末(粉末A)98重量%に、酸化イッ
トリウム0.8重量%と酸化ネオジム1.2重量%を添
加し、エタノールを添加した湿式ボールミルにより94
時間混合粉砕した。
【0045】次に、空気中でスプレードライヤーを用い
て乾燥することにより、平均粒径30μmの造粒体を得
たあと、この造粒粉末を20MPaの圧力で金型成形
し、その後、200MPaの圧力でラバープレスを施す
ことにより、6mm×6mm×50mmの成形体を得
た。
【0046】次に、この成形体を黒鉛のガス圧炉を用い
て、10気圧の窒素ガス圧下で1900℃で4時間焼成
した。次いで、ここで得られた焼結体を800メッシュ
のダイヤモンドホイールで平面研削し、3mm×4mm
×40mmの形状に加工したのち、JIS−R1601
に準じた室温3点曲げにより曲げ強さを求めると共に、
JIS−R1607に準じたSEPB法(試験片の3×
40mmの面にビッカース圧痕を加え、これから予亀裂
を生成し、この予亀裂から破壊する手法)により破壊靭
性値を求めた。
【0047】この結果、同じく表3の比較例1の欄に示
すように、この焼結体の気孔率は0.8%、室温3点曲
げ強さは620MPaであり、破壊靭性値は9.8MP
a√mであって、靭性は優れているものの強度が低下し
たものとなっていた。
【0048】さらに、焼結体の表面を鏡面に研磨加工し
た後、7%の酸素ガスを含むCFガス中で40Wの出
力でプラズマを発生させて、2分間のエッチングを施し
た。そして、エッチングした焼結体を元素分析装置を内
蔵した走査型電子顕微鏡で観察したところ、組織は粗大
窒化ケイ素粒子と微細窒化ケイ素粒子とから構成される
自己複合化窒化ケイ素質焼結体であった。また、画像解
析によれば、窒化ケイ素の粗大粒子である粒径3μm以
上10μm以下で長さ10μm以上50μm以下のβ−
Si粒子が占める面積は、窒化ケイ素質粒子群の
断面積の30面積%であった。さらに、窒化ケイ素質粒
子群中に含まれる長さ50μm以上の柱状のβ−Si
粒子の粒子が占める面積は、窒化ケイ素質粒子群の
断面積の6.5面積%であった。
【0049】このように、粗大粒子が成長しすぎること
により、強度が低下したものとなっていた。
【0050】実施例2 表1の実施例2の欄に示すように、平均粒径0.5μ
m,酸素含有量1.5重量%でかつβ型含有量90重量
%の窒化ケイ素粉末85重量%と、平均粒径3.5μ
m,酸素含有量0.5重量%でかつβ型含有量95重量
%の窒化ケイ素粉末10重量%の混合粉末(粉末B)
に、酸化イットリウム3.0重量%と酸化アルミニウム
2.0重量%を添加し、エタノールを添加した湿式ボー
ルミルにより94時間混合粉砕した。
【0051】次に、空気中でスプレードライヤーを用い
て乾燥することにより、平均粒径20μmの造粒体を得
た。この造粒体を管状炉中でプロパンガスを毎分150
ml流しながら950℃で60分の加熱処理をした。こ
こで得られた処理造粒体中の炭素含有量を測定したとこ
ろ、5.0重量%であった。そして、この造粒粉末を2
0MPaの圧力で金型成形した後、200MPaの圧力
でラバープレスを施すことにより、6mm×6mm×5
0mmの成形体を得た。
【0052】次に、この成形体を黒鉛のガス圧炉を用い
て、10気圧の窒素ガス圧下で1800℃で4時間焼成
した。次いで、ここで得られた焼結体を800メッシュ
のダイヤモンドホイールで平面研削し、3mm×4mm
×40mmの形状に加工したのち、JIS−R1601
に準じた室温3点曲げにより曲げ強さを求めると共に、
JIS−R1607に準じたSEPB法(試験片の3×
40mmの面にビッカース圧痕を加え、これから予亀裂
を生成し、この予亀裂から破壊する手法)により破壊靭
性値を求めた。
【0053】この結果、同じく表1の実施例2の欄に示
すように、この焼結体の気孔率は1.2%、室温3点曲
げ強さは1050MPaであり、破壊靭性値は7.8M
Pa√mであって、強度と靭性が両立した材料が得られ
た。また、焼結体中の炭素は全て炭化ケイ素になってお
り、その量は7.3重量%であった。
【0054】さらに、焼結体の表面を鏡面に研磨加工し
た後、7%の酸素ガスを含むCFガス中で40Wの出
力でプラズマを発生させて、2分間のエッチングを施し
た。そして、エッチングした焼結体を元素分析装置を内
蔵した走査型電子顕微鏡で観察したところ、組織は窒化
ケイ素質粒子群と炭化ケイ素粒子分散窒化ケイ素粒子群
とから構成される複合構造をなすものであった。また、
画像解析によれば、窒化ケイ素質粒子群の平均径は25
μmであり、その周りを炭化ケイ素粒子が分散した窒化
ケイ素粒子群で取り囲まれた微構造をなすものであっ
た。そして、窒化ケイ素質粒子群中の組織の観察では、
窒化ケイ素の粗大粒子である粒径3μm以上10μm以
下で長さ10μm以上50μm以下のβ−Si
子が占める面積は、窒化ケイ素質粒子群の断面積の30
面積%であった。さらに、窒化ケイ素質粒子群中に含ま
れる長さ50μm以上の柱状のβ−Si粒子の粗
大粒子が占める面積は、窒化ケイ素質粒子群の断面積の
0.8面積%であった。
【0055】このように、窒化ケイ素質粒子群と炭化ケ
イ素粒子分散窒化ケイ素質粒子群とから構成される複合
構造とすることにより、強度と靭性を兼ね備えたセラミ
ックス焼結体を得ることができた。
【0056】比較例2 表3の比較例2の欄に示すように、平均粒径0.5μ
m,酸素含有量1.5重量%でかつβ型含有量90重量
%の窒化ケイ素粉末85重量%と、平均粒径3.5μ
m,酸素含有量0.5重量%でかつβ型含有量95重量
%の窒化ケイ素粉末10重量%の混合粉末(粉末B)
に、酸化イットリウム3.0重量%と酸化アルミニウム
2.0重量%を添加し、エタノールを添加した湿式ボー
ルミルにより94時間混合粉砕した。
【0057】次に、空気中でスプレードライヤーを用い
て乾燥することにより、平均粒径20μmの造粒体を得
たあと、この造粒粉末を20MPaの圧力で金型成形
し、その後、200MPaの圧力でラバープレスを施す
ことにより、6mm×6mm×50mmの成形体を得
た。
【0058】次に、この成形体を黒鉛のガス圧炉を用い
て、10気圧の窒素ガス圧下で1800℃で4時間焼成
した。次いで、ここで得られた焼結体を800メッシュ
のダイヤモンドホイールで平面研削し、3mm×4mm
×40mmの形状に加工したのち、JIS−R1601
に準じた室温3点曲げにより曲げ強さを求めると共に、
JIS−R1607に準じたSEPB法(試験片の3×
40mmの面にビッカース圧痕を加え、これから予亀裂
を生成し、この予亀裂から破壊する手法)により破壊靭
性値を求めた。
【0059】この結果、同じく表3の比較例2の欄に示
すように、この焼結体の気孔率は0.2%、室温3点曲
げ強さは680MPaであり、破壊靭性値は10.3M
Pa√mであって、靭性は優れているものの強度は低下
したものとなっていた。
【0060】さらに、焼結体の表面を鏡面に研磨加工し
た後、7%の酸素ガスを含むCFガス中で40Wの出
力でプラズマを発生させて、2分間のエッチングを施し
た。そして、エッチングした焼結体を元素分析装置を内
蔵した走査型電子顕微鏡で観察したところ、組織は窒化
ケイ素質粒子群と炭化ケイ素粒子分散窒化ケイ素粒子群
とから構成される複合構造であった。また、画像解析に
よれば、自己複合化窒化ケイ素の微構造であり、窒化ケ
イ素の粗大粒子である粒径3μm以上10μm以下で長
さ10μm以上50μm以下のβ−Si粒子が占
める面積は、窒化ケイ素質粒子群の断面積の48面積%
であった。さらに、窒化ケイ素質粒子群中に含まれる長
さ50μm以上の柱状のβ−Si粒子の粒子が占
める面積は、窒化ケイ素質粒子群の断面積の7.5面積
%であった。
【0061】このように、粗大粒子が成長しすぎること
により、強度が低下したものとなっていた。
【0062】実施例3〜10,比較例3〜6 表1の実施例3〜5,表2の実施例6〜10および表3
の比較例3〜6の各欄に示すように、平均粒径0.5μ
m,酸素含有量1.5重量%でかつβ型含有量90重量
%の窒化ケイ素粉末(粉末A)に、表1ないし表3に示
す成分および量の焼結助剤を添加し、エタノールを添加
した湿式ボールミルにより94時間混合粉砕した。
【0063】次に、空気中でスプレードライヤーを用い
て乾燥することにより、表1ないし表3に示す平均粒径
の造粒体を得た。これらの造粒体を管状炉中でプロパン
ガスを毎分100ml流しながら、表1ないし表3に示
す処理温度および時間の加熱処理をした。
【0064】ここで得られた処理造粒体中の炭素含有量
を測定したところ、同じく表1ないし表3に示す量であ
った。そして、各造粒粉末を20MPaの圧力で金型成
形した後、200MPaの圧力でラバープレスを施すこ
とにより、6mm×6mm×50mmの成形体を得た。
【0065】次に、各成形体を黒鉛のガス圧炉を用い
て、表1ないし表3に示す窒素ガス圧下で同じく表1な
いし表3に示す条件でガス圧焼結した。次いで、ここで
得られた各焼結体を800メッシュのダイヤモンドホイ
ールで平面研削し、3mm×4mm×40mmの形状に
加工したのち、JIS−R1601に準じた室温3点曲
げにより曲げ強さを求めると共に、JIS−R1607
に準じたSEPB法(試験片の3×40mmの面にビッ
カース圧痕を加え、これから予亀裂を生成し、この予亀
裂から破壊する手法)により破壊靭性値を求めたとこ
ろ、各焼結体の気孔率,室温3点曲げ強さ,破壊靭性値
は表1ないし表3に示す結果であった。
【0066】表1および表2に示すように、実施例3〜
10では、いずれも、強度と靭性が両立した材料が得ら
れたのに対して、表3に示すように、比較例3〜6では
一部靭性に優れたものもあるもののいずれも強度は低い
ものとなっていた。
【0067】さらに、焼結体の表面を鏡面に研磨加工し
た後、7%の酸素ガスを含むCFガス中で40Wの出
力でプラズマを発生させて、2分間のエッチングを施し
た。そして、エッチングした各焼結体を元素分析装置を
内蔵した走査型電子顕微鏡で観察したところ、本発明実
施例3〜10の組織は窒化ケイ素質粒子群と炭化ケイ素
粒子分散窒化ケイ素粒子群とから構成される複合構造を
なすものであった。
【0068】また、画像解析によれば、窒化ケイ素質粒
子群の平均径は表1ないし表3に示す値であり、本発明
実施例3〜10のものでは周りを炭化ケイ素粒子で取り
囲まれた微構造をなすものであった。また、窒化ケイ素
質粒子群が占める面積は同じく表1ないし表3に示す値
であった。
【0069】さらに、窒化ケイ素質粒子群中の組織の観
察では、窒化ケイ素の粗大粒子である粒径3μm以上1
0μm以下で長さ10μm以上50μm以下のβ−Si
粒子が占める面積は、窒化ケイ素質粒子群の断面
積の表1ないし表3に示す値であった。さらにまた、窒
化ケイ素質粒子群中に含まれる長さ50μm以上の柱状
のβ−Si粒子の粒子が占める面積は、窒化ケイ
素質粒子群の断面積の表1ないし表3に示す値であっ
た。
【0070】この結果、表1および表2に示す本発明実
施例3〜10の焼結体では、いずれも適切なものとなっ
ていたが、表3に示す比較例3〜6の焼結体では、焼結
体中の炭化ケイ素量が過少もしくは過多であったり、窒
化ケイ素質粒子群の平均径が過大なものであったり、粒
子群中の粗大粒子の割合が過少もしくは過多であった
り、50μm以上の粗大粒子が過多であったりしたもの
となっていた。
【0071】
【表1】
【0072】
【表2】
【0073】
【表3】
【0074】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明に係わ
る窒化ケイ素質複合材料では、上記の構成としたから、
窒化ケイ素質粒子群と窒化ケイ素質粒子群の間に炭化ケ
イ素粒子が分散した微構造を有するものとなっており、
このような微構造をとることによって、焼結中に、粒成
長している窒化ケイ素質粒子が炭化ケイ素粒子とぶつか
るとそこで粒成長が止まるため、その結果として、窒化
ケイ素質粒子群内の窒化ケイ素粗大粒子の大きさが制御
されて一定の大きさとなるので、強度の低下を防止する
ことが可能となって、高強度でかつ高靭性の窒化ケイ素
質複合材料を提供することが可能になるという著しく優
れた効果がもたらされる。
【0075】そして、実施態様において、焼結体の切断
面を観察したとき、窒化ケイ素質粒子群が粒径3μm以
上10μm以下で長さ10μm以上50μm以下の柱状
のβ−Si粒子を含み、その粒子の面積が窒化ケ
イ素質粒子群の断面積の5面積%以上40面積%以下で
あるものとすることによって、強度と靭性の同時向上が
より一層確実に達成されることになるというより優れた
効果がもたらされ、同じく実施態様において、焼結体の
切断面を観察したとき、窒化ケイ素質粒子群中に含まれ
る長さ50μm以上の柱状のβ−Si粒子の面積
が窒化ケイ素質粒子群の断面積の5面積%以下である微
構造が達成されるようになすことによって強度向上の効
果はより一層大きいものとすることが可能である。
【0076】また、本発明に係わる窒化ケイ素質複合材
料の製造方法では、上記の構成としたから、高強度でか
つ高靭性の窒化ケイ素質複合材料を製造することが可能
であるという著しく優れた効果がもたらされ、実施態様
においては、造粒体に炭素を付着させる手法として、造
粒体をプロパンガス等の炭素を含むガス中でガスの分解
温度に加熱することによって、ガスが分解してできた炭
素が造粒体に容易に付着するようになすことが可能であ
り、プロパンガスを用いることによって他のガスと比べ
て炭素の生成特性をより一層優れたものとすることが可
能であるという効果がもたらされる。
【0077】同じく実施態様において、炭素の付着量を
造粒体の0.1重量%以上5.0重量%以下であるよう
になすことによって、粗大粒子の大きさの制御をより一
層有効なものとすることが可能である。
【0078】さらに、本発明の実施態様において、窒化
ケイ素原料として、原料粉末中のβ型窒化ケイ素含有量
が80重量%以上である粉末を用いることによって、特
に組織の再現性を良好なものとすることが可能であり、
β型窒化ケイ素原料の粒度分布を原料粉末の砕分級処理
ないしは数種類の原料粉末の混合により、0.8μm以
下の割合が70重量%以上95重量%以下でかつ1.5
μm以上5.0μm以下の割合が5重量%以上30重量
%以下となるように制御することによって、柱状粒子の
発達を良好なものとすることが可能であり、焼結助剤の
中で、特に、酸化イットリウムと酸化ネオジムの組み合
わせとすることによって、粒成長を促進することが可能
となって、靭性をより一層向上させることが可能であ
り、また、酸化イットリウムと酸化アルミニウムの組み
合わせとすることによって、低温で焼成が可能であるた
め、量産性に優れたものにすることができるという良好
なる効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1で得た窒化ケイ素質複合材料
の組織の概略を示す説明図である。
【符号の説明】
SN 窒化ケイ素質粒子群 SC 窒化ケイ素粒子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C04B 35/58 102 V (72)発明者 安 藤 元 英 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 窒化ケイ素と炭素ケイ素との複合構造を
    持つセラミックス焼結体において、炭化ケイ素を0.2
    重量%以上10.0重量%以下含み、窒化ケイ素が平均
    径10μm以上50μm以下の多結晶の塊よりなる窒化
    ケイ素質粒子群を構成し、粒子群と粒子群の間に炭化ケ
    イ素粒子が分散した微構造を有することを特徴とする窒
    化ケイ素質複合材料。
  2. 【請求項2】 焼結体の切断面において、窒化ケイ素質
    粒子群が粒径3μm以上10μm以下で長さ10μm以
    上50μm以下の柱状のβ−Si粒子を含み、そ
    の粒子の面積が窒化ケイ素質粒子群の断面積の5面積%
    以上40面積%以下であることを特徴とする請求項1に
    記載の窒化ケイ素質複合材料。
  3. 【請求項3】 焼結体の切断面において、窒化ケイ素質
    粒子群中に含まれる長さ50μm以上の柱状のβ−Si
    粒子の面積が窒化ケイ素質粒子群の断面積の5面
    積%以下であることを特徴とする請求項1または2に記
    載の窒化ケイ素質複合材料。
  4. 【請求項4】 窒化ケイ素粉末に、周期律表第IIIa
    族の酸化物,酸化アルミニウム,酸化マグネシウム,酸
    化カルシウム,酸化ジルコニウム,窒化アルミニウムの
    うちから選ばれる1種または2種以上の酸化物あるいは
    窒化物を0.2重量%以上10.0重量%以下添加して
    平均粒径10μm以上50μm以下に造粒し、造粒粒子
    の周りに炭素を付着させた後に成形して、1気圧以上5
    00気圧以下の窒素ガス圧下で請求項1ないし3のいず
    れかに記載の組織が発現するまで1600℃以上210
    0℃以下の温度で焼成することを特徴とする窒化ケイ素
    質複合材料の製造方法。
  5. 【請求項5】 造粒体を炭素を含むガス中で加熱するこ
    とにより、造粒粒子の周りに炭素を付着させることを特
    徴とする請求項4に記載の窒化ケイ素質複合材料の製造
    方法。
  6. 【請求項6】 炭素を含むガスがプロパンガスであり、
    加熱温度が500℃以上1000℃以下であることを特
    徴とする請求項5に記載の窒化ケイ素質複合材料の製造
    方法。
  7. 【請求項7】 炭素の付着量が造粒体の0.1重量%以
    上5.0重量%以下であることを特徴とする請求項4な
    いし6のいずれかに記載の窒化ケイ素質複合材料の製造
    方法。
  8. 【請求項8】 窒化ケイ素原料粉末中のβ型窒化ケイ素
    含有量が、80重量%以上であることを特徴とする請求
    項4ないし7のいずれかに記載の窒化ケイ素質複合材料
    の製造方法。
  9. 【請求項9】 窒化ケイ素原料粉末が、原料粉末の砕分
    級処理ないしは数種類の原料粉末の混合により、0.8
    μm以下の割合が70重量%以上95重量%以下でかつ
    1.5μm以上5.0μm以下の割合が5重量%以上3
    0重量%以下となるように粒度分布を制御した原料粉末
    を用いることを特徴とする請求項4ないし8のいずれか
    に記載の窒化ケイ素質複合材料の製造方法。
  10. 【請求項10】 焼結助剤が、酸化イットリウムと酸化
    ネオジムの組み合わせであることを特徴とする請求項4
    ないし9のいずれかに記載の窒化ケイ素質複合材料の製
    造方法。
  11. 【請求項11】 焼結助剤が、酸化イットリウムと酸化
    アルミニウムの組み合わせであることを特徴とする請求
    項4ないし9のいずれかに記載の窒化ケイ素質複合材料
    の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010001929A (ja) * 2008-06-18 2010-01-07 Nippon Steel Materials Co Ltd 流体静圧案内軸受部品、工具支持部品、およびこれらの製造方法

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