JPH08332581A - 成形性が優れたクラッド板の製造方法 - Google Patents
成形性が優れたクラッド板の製造方法Info
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- JPH08332581A JPH08332581A JP14199295A JP14199295A JPH08332581A JP H08332581 A JPH08332581 A JP H08332581A JP 14199295 A JP14199295 A JP 14199295A JP 14199295 A JP14199295 A JP 14199295A JP H08332581 A JPH08332581 A JP H08332581A
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Landscapes
- Pressure Welding/Diffusion-Bonding (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 耳率が低く、成形性が優れたアルミニウム又
はアルミニウム合金板とステンレス鋼板とのクラッド板
の製造方法を提供する。 【構成】 アルミニウム又はアルミニウム合金材を熱間
圧延後、30%以上の加工率で冷間圧延を施し、所定の
板厚とした後に、200乃至300℃の温度で焼鈍処理
してアルミニウム又はアルミニウム合金板を得る。この
アルミニウム又はアルミニウム合金板にステンレス鋼板
を合わせ、熱間又は冷間圧延により両者をクラッド化
し、その後180乃至350℃の温度で拡散焼鈍処理し
てクラッド板を製造する。
はアルミニウム合金板とステンレス鋼板とのクラッド板
の製造方法を提供する。 【構成】 アルミニウム又はアルミニウム合金材を熱間
圧延後、30%以上の加工率で冷間圧延を施し、所定の
板厚とした後に、200乃至300℃の温度で焼鈍処理
してアルミニウム又はアルミニウム合金板を得る。この
アルミニウム又はアルミニウム合金板にステンレス鋼板
を合わせ、熱間又は冷間圧延により両者をクラッド化
し、その後180乃至350℃の温度で拡散焼鈍処理し
てクラッド板を製造する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耳率が低く、成形加工
性が優れたアルミニウム又はアルミニウム合金板とステ
ンレス鋼板とのクラッド板の製造方法に関し、更に詳述
すれば、プレス成形される器物及びその応用製品用の素
材として使用されるアルミニウム又はアルミニウム合金
板とステンレス鋼板とのクラッド板において、器物等に
成形する際の深絞り成形加工で、成形加工性が優れてお
り、また、深絞り加工後の耳率が、0%耳に対し−2.
0乃至+2.0%とバラツキが極めて小さく、成形性が
優れたクラッド板の製造方法に関する。
性が優れたアルミニウム又はアルミニウム合金板とステ
ンレス鋼板とのクラッド板の製造方法に関し、更に詳述
すれば、プレス成形される器物及びその応用製品用の素
材として使用されるアルミニウム又はアルミニウム合金
板とステンレス鋼板とのクラッド板において、器物等に
成形する際の深絞り成形加工で、成形加工性が優れてお
り、また、深絞り加工後の耳率が、0%耳に対し−2.
0乃至+2.0%とバラツキが極めて小さく、成形性が
優れたクラッド板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、器物は、アルミニウム合金板又は
ステンレス鋼板の深絞り成形で加工されて商品化されて
きた。アルミニウム合金製器物は、熱伝導性が良いもの
の、強度が低く変形しやすいこと、外観が悪いこと等の
欠点があり、また、ステンレス製器物は、外観性及び強
度は良好であるが、熱伝導性が劣ること、こげやすいこ
と等の欠点がある。そこで、アルミニウム合金板とステ
ンレス鋼板とのクラッド板を用い、内側がアルミニウム
合金、外側がステンレス鋼になるようにして器物に加工
することにより、熱伝導性、保温性、強度及び外観が優
れた器物を得ることができた。従来、このアルミニウム
合金板とステンレス鋼板とのクラッド板材の製造におい
ては、一般の溶解→鋳造→均熱化処理→熱間圧延→必要
に応じて冷間圧延を施して得たアルミニウム合金板を使
用していた。
ステンレス鋼板の深絞り成形で加工されて商品化されて
きた。アルミニウム合金製器物は、熱伝導性が良いもの
の、強度が低く変形しやすいこと、外観が悪いこと等の
欠点があり、また、ステンレス製器物は、外観性及び強
度は良好であるが、熱伝導性が劣ること、こげやすいこ
と等の欠点がある。そこで、アルミニウム合金板とステ
ンレス鋼板とのクラッド板を用い、内側がアルミニウム
合金、外側がステンレス鋼になるようにして器物に加工
することにより、熱伝導性、保温性、強度及び外観が優
れた器物を得ることができた。従来、このアルミニウム
合金板とステンレス鋼板とのクラッド板材の製造におい
ては、一般の溶解→鋳造→均熱化処理→熱間圧延→必要
に応じて冷間圧延を施して得たアルミニウム合金板を使
用していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ように焼鈍処理等を実施しないで所定の板厚に製造した
アルミニウム合金板と、ステンレス鋼板とを、冷間圧延
によりクラッド化して製造したクラッド板では、アルミ
ニウム合金板とステンレス鋼板との強度及び硬度の差が
大きいという難点がある。また、これらの板には、伸び
及び成形性の相違があるため、このアルミニウム合金板
とステンレス鋼板とのクラッド板を成形加工することは
困難であり、成形加工できたとしても、耳率が高くな
る。
ように焼鈍処理等を実施しないで所定の板厚に製造した
アルミニウム合金板と、ステンレス鋼板とを、冷間圧延
によりクラッド化して製造したクラッド板では、アルミ
ニウム合金板とステンレス鋼板との強度及び硬度の差が
大きいという難点がある。また、これらの板には、伸び
及び成形性の相違があるため、このアルミニウム合金板
とステンレス鋼板とのクラッド板を成形加工することは
困難であり、成形加工できたとしても、耳率が高くな
る。
【0004】またアルミニウム合金板とステンレス鋼板
とをクラッド化した後に、このアルミニウム合金板とこ
のステンレス鋼板との接合強度を高めるために、拡散焼
鈍処理を高温で実施すると、再結晶組織が粗大となり、
得られたクラッド板を成形加工した際に、肌荒れが生じ
る等の問題がある。
とをクラッド化した後に、このアルミニウム合金板とこ
のステンレス鋼板との接合強度を高めるために、拡散焼
鈍処理を高温で実施すると、再結晶組織が粗大となり、
得られたクラッド板を成形加工した際に、肌荒れが生じ
る等の問題がある。
【0005】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであって、成形加工性が優れ、耳率が0%に近く、そ
のバラツキが小さくて成形性が優れたクラッド板の製造
方法を提供することを目的とする。
のであって、成形加工性が優れ、耳率が0%に近く、そ
のバラツキが小さくて成形性が優れたクラッド板の製造
方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る成形性が優
れたクラッド板の製造方法は、アルミニウム又はアルミ
ニウム合金材を熱間圧延後、30%以上の加工率で冷間
圧延を施し、所定の板厚とした後に、200乃至300
℃の温度で焼鈍処理してアルミニウム又はアルミニウム
合金板を得る工程と、このアルミニウム又はアルミニウ
ム合金板にステンレス鋼板を合わせ、熱間又は冷間圧延
により両者をクラッド化し、その後180乃至350℃
の温度で拡散焼鈍処理する工程とを有することを特徴と
する。
れたクラッド板の製造方法は、アルミニウム又はアルミ
ニウム合金材を熱間圧延後、30%以上の加工率で冷間
圧延を施し、所定の板厚とした後に、200乃至300
℃の温度で焼鈍処理してアルミニウム又はアルミニウム
合金板を得る工程と、このアルミニウム又はアルミニウ
ム合金板にステンレス鋼板を合わせ、熱間又は冷間圧延
により両者をクラッド化し、その後180乃至350℃
の温度で拡散焼鈍処理する工程とを有することを特徴と
する。
【0007】
【作用】以下、アルミニウム及びアルミニウム合金の双
方を総称してアルミニウム材という。先ず、アルミニウ
ム材の製造条件について説明する。アルミニウム材板の
冷間加工率は、アルミニウム材板とステンレス鋼板とを
クラッド化した後に、このクラッド板を成形加工する際
の成形性及び耳率に対して、大きな影響を与える。つま
り、熱間圧延のみで、又は、熱間圧延後に30%未満の
加工率で冷間圧延して得られたアルミニウム材板は、冷
間加工率が低すぎるために、アルミニウム材板自体、マ
イナス耳が大きくなりやすい。このようなアルミニウム
材板とステンレス鋼板とをクラッド化したクラッド板
は、マイナス耳が大きな材料となる。このため、このク
ラッド板を器物等に成形する場合に、絞り加工又はしご
き加工したときに、割れ等の欠陥が生じやすい。従っ
て、クラッド板の製造に使用するアルミニウム材板の冷
間加工率は、30%以上とする。
方を総称してアルミニウム材という。先ず、アルミニウ
ム材の製造条件について説明する。アルミニウム材板の
冷間加工率は、アルミニウム材板とステンレス鋼板とを
クラッド化した後に、このクラッド板を成形加工する際
の成形性及び耳率に対して、大きな影響を与える。つま
り、熱間圧延のみで、又は、熱間圧延後に30%未満の
加工率で冷間圧延して得られたアルミニウム材板は、冷
間加工率が低すぎるために、アルミニウム材板自体、マ
イナス耳が大きくなりやすい。このようなアルミニウム
材板とステンレス鋼板とをクラッド化したクラッド板
は、マイナス耳が大きな材料となる。このため、このク
ラッド板を器物等に成形する場合に、絞り加工又はしご
き加工したときに、割れ等の欠陥が生じやすい。従っ
て、クラッド板の製造に使用するアルミニウム材板の冷
間加工率は、30%以上とする。
【0008】アルミニウム材板の焼鈍処理は、アルミニ
ウム材板の冷間加工率と同様に、クラッド板の成形性及
び耳率に対し大きな役割を果たしている。つまり、焼鈍
処理を施さなかったり、又は、200℃未満の温度で焼
鈍処理を施した場合、アルミニウム材板が、加工を受け
たままの状態でステンレス鋼板とクラッド化されるた
め、ステンレス鋼板側に余計な加工が加わり、得られた
クラッド板の成形加工が困難となる。また、300℃よ
り高い温度で焼鈍すると、アルミニウムが再結晶組織と
なり、アルミニウム材板はマイナス耳が大きくなりやす
いものとなる。このアルミニウム材板とステンレス鋼板
とをクラッド化し、その後に拡散焼鈍処理を施すと、マ
イナス耳が大きくなりやすく、成形性が悪いクラッド板
となる。従って、アルミニウム材板の冷間加工後の焼鈍
処理温度は、200乃至300℃とする。
ウム材板の冷間加工率と同様に、クラッド板の成形性及
び耳率に対し大きな役割を果たしている。つまり、焼鈍
処理を施さなかったり、又は、200℃未満の温度で焼
鈍処理を施した場合、アルミニウム材板が、加工を受け
たままの状態でステンレス鋼板とクラッド化されるた
め、ステンレス鋼板側に余計な加工が加わり、得られた
クラッド板の成形加工が困難となる。また、300℃よ
り高い温度で焼鈍すると、アルミニウムが再結晶組織と
なり、アルミニウム材板はマイナス耳が大きくなりやす
いものとなる。このアルミニウム材板とステンレス鋼板
とをクラッド化し、その後に拡散焼鈍処理を施すと、マ
イナス耳が大きくなりやすく、成形性が悪いクラッド板
となる。従って、アルミニウム材板の冷間加工後の焼鈍
処理温度は、200乃至300℃とする。
【0009】上述の方法により製造したアルミニウム材
板とステンレス鋼板とを熱間圧接又は冷間圧接によりク
ラッド化し、所定の板厚とした後、アルミニウム材板と
ステンレス鋼板との接合面の接合強度を増加させるため
に、拡散焼鈍処理を施す。この拡散焼鈍処理温度が18
0℃未満では、アルミニウム材板とステンレス鋼板との
界面において、拡散が起こらず、充分な接合強度が得ら
れない。また、350℃を超える温度で拡散焼鈍処理を
施すと、アルミニウム材が再結晶され、結晶粒成長を起
こして、粗大な結晶粒径となる。このため、この温度で
拡散焼鈍処理したクラッド板を成形加工した場合に、ク
ラッド板にマイナス耳が生じたり、また、クラッド板を
構成しているアルミニウム材板にオレンジピール等の肌
荒れが起こる原因となる。従って、拡散焼鈍処理温度は
180乃至350℃とする。
板とステンレス鋼板とを熱間圧接又は冷間圧接によりク
ラッド化し、所定の板厚とした後、アルミニウム材板と
ステンレス鋼板との接合面の接合強度を増加させるため
に、拡散焼鈍処理を施す。この拡散焼鈍処理温度が18
0℃未満では、アルミニウム材板とステンレス鋼板との
界面において、拡散が起こらず、充分な接合強度が得ら
れない。また、350℃を超える温度で拡散焼鈍処理を
施すと、アルミニウム材が再結晶され、結晶粒成長を起
こして、粗大な結晶粒径となる。このため、この温度で
拡散焼鈍処理したクラッド板を成形加工した場合に、ク
ラッド板にマイナス耳が生じたり、また、クラッド板を
構成しているアルミニウム材板にオレンジピール等の肌
荒れが起こる原因となる。従って、拡散焼鈍処理温度は
180乃至350℃とする。
【0010】以上のようにして製造されたクラッド材
は、耳率及び成形性が優れたものとなる。
は、耳率及び成形性が優れたものとなる。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例について、その比較例
と比較して説明する。
と比較して説明する。
【0012】第1実施例 常法により溶解→鋳造→熱間圧延を施し、冷間加工率が
0%(熱間圧延のまま)乃至43%の条件で冷間圧延を
施し、組成がJIS A1100に規定される板厚5.
7mmの純アルミニウム板を製造した。この純アルミニ
ウム板を240℃の温度で24時間加熱することによっ
て、焼鈍処理を施した後に、この純アルミニウム板とス
テンレス鋼板(JIS SUS436)とを冷間圧延に
より圧接し、板厚が2.3mmのクラッド板を製造し
た。その後、200℃の温度で12時間加熱することに
より、このクラッド板に拡散焼鈍処理を施した。
0%(熱間圧延のまま)乃至43%の条件で冷間圧延を
施し、組成がJIS A1100に規定される板厚5.
7mmの純アルミニウム板を製造した。この純アルミニ
ウム板を240℃の温度で24時間加熱することによっ
て、焼鈍処理を施した後に、この純アルミニウム板とス
テンレス鋼板(JIS SUS436)とを冷間圧延に
より圧接し、板厚が2.3mmのクラッド板を製造し
た。その後、200℃の温度で12時間加熱することに
より、このクラッド板に拡散焼鈍処理を施した。
【0013】このようにして製造したクラッド板の特性
を、主として耳率を測定することにより調べた。平頭ポ
ンチのポンチの直径を40mm、また、ブランクの直径
を72mm(絞り比:1.80)として、エリクセン万
能油圧試験機によりクラッド板を絞り成形し、その後0
°、45°、90°、135°、180°、225°、
270°、315°及び360°の8方向につき耳の高
さを実測し、これらの実測値から耳率を計算した。ま
た、成形後の肌荒れ性を目視で観察した。その結果を下
記表1に示す。絞り加工時の成形性は、絞り加工時に割
れ又は破断が生じた場合等、不良が発生した場合は×、
良好に成形できた場合は○で示した。
を、主として耳率を測定することにより調べた。平頭ポ
ンチのポンチの直径を40mm、また、ブランクの直径
を72mm(絞り比:1.80)として、エリクセン万
能油圧試験機によりクラッド板を絞り成形し、その後0
°、45°、90°、135°、180°、225°、
270°、315°及び360°の8方向につき耳の高
さを実測し、これらの実測値から耳率を計算した。ま
た、成形後の肌荒れ性を目視で観察した。その結果を下
記表1に示す。絞り加工時の成形性は、絞り加工時に割
れ又は破断が生じた場合等、不良が発生した場合は×、
良好に成形できた場合は○で示した。
【0014】実施例1、2では、冷間加工率が夫々32
%、43%と30%以上であったために、耳はプラス耳
となり、しかも耳率は夫々+0.9、+1.7と小さ
く、成形性が良好であることがわかる。一方、比較例1
〜3では、純アルミニウム板の冷間加工率が、夫々0
%、14%、25%と30%未満であり、本発明にて規
定した範囲より低いために、マイナス耳が大きく、成形
加工性が悪い。
%、43%と30%以上であったために、耳はプラス耳
となり、しかも耳率は夫々+0.9、+1.7と小さ
く、成形性が良好であることがわかる。一方、比較例1
〜3では、純アルミニウム板の冷間加工率が、夫々0
%、14%、25%と30%未満であり、本発明にて規
定した範囲より低いために、マイナス耳が大きく、成形
加工性が悪い。
【0015】
【表1】
【0016】第2実施例 常法により溶解→鋳造→熱間圧延を施し、43%の加工
率で冷間圧延を施し、組成がJIS A1100に規定
される板厚5.7mmの純アルミニウム板を製造した。
この純アルミニウム板に150乃至360℃の温度で2
4時間加熱することによって焼鈍処理を施したもの、又
は、焼鈍処理を施していないものとステンレス鋼板(J
IS SUS436)とを冷間圧延により圧接し、板厚
が2.3mmのクラッド板を製造した。その後、200
℃の温度で12時間加熱することにより、このクラッド
板に拡散焼鈍処理を施した。
率で冷間圧延を施し、組成がJIS A1100に規定
される板厚5.7mmの純アルミニウム板を製造した。
この純アルミニウム板に150乃至360℃の温度で2
4時間加熱することによって焼鈍処理を施したもの、又
は、焼鈍処理を施していないものとステンレス鋼板(J
IS SUS436)とを冷間圧延により圧接し、板厚
が2.3mmのクラッド板を製造した。その後、200
℃の温度で12時間加熱することにより、このクラッド
板に拡散焼鈍処理を施した。
【0017】このようにして製造したクラッド板の特性
を、主として耳率を測定することにより調べた。耳率の
測定は第1実施例と同様の方法により測定した。また、
成形後の肌荒れ性を目視で観察した。その結果を下記表
2に示す。第1実施例と同様、絞り加工時の成形性は、
絞り加工時に割れ又は破断が生じた場合等、不良が発生
した場合は×、良好に成形できた場合は○で示した。
を、主として耳率を測定することにより調べた。耳率の
測定は第1実施例と同様の方法により測定した。また、
成形後の肌荒れ性を目視で観察した。その結果を下記表
2に示す。第1実施例と同様、絞り加工時の成形性は、
絞り加工時に割れ又は破断が生じた場合等、不良が発生
した場合は×、良好に成形できた場合は○で示した。
【0018】実施例3〜5は、純アルミニウム板の焼鈍
処理温度が、200乃至300℃であり、クラッド板の
耳率が小さく、成形性が良好であることがわかる。一
方、比較例4は純アルミニウム板が焼鈍されておらず、
また比較例5は純アルミニウム板の焼鈍処理温度が15
0℃と本発明にて規定した範囲より低いため、いずれも
成形加工性が悪かった。また、比較例6は、純アルミニ
ウム板の焼鈍処理温度が360℃と本発明にて規定した
範囲より高いため、マイナス耳が大きくなり、肌荒れが
発生していることがわかる。
処理温度が、200乃至300℃であり、クラッド板の
耳率が小さく、成形性が良好であることがわかる。一
方、比較例4は純アルミニウム板が焼鈍されておらず、
また比較例5は純アルミニウム板の焼鈍処理温度が15
0℃と本発明にて規定した範囲より低いため、いずれも
成形加工性が悪かった。また、比較例6は、純アルミニ
ウム板の焼鈍処理温度が360℃と本発明にて規定した
範囲より高いため、マイナス耳が大きくなり、肌荒れが
発生していることがわかる。
【0019】
【表2】
【0020】第3実施例 常法により溶解→鋳造→熱間圧延を施し、43%の加工
率で冷間圧延を施し、組成がJIS A1100に規定
される板厚5.7mmの純アルミニウム板を製造した。
この純アルミニウム板に240℃の温度で24時間加熱
することによって焼鈍処理を施したものとステンレス鋼
板(JIS SUS436)とを冷間圧延により圧接
し、板厚が2.3mmのクラッド板を製造した。その
後、120乃至360℃の温度で12時間加熱すること
により、このクラッド板に拡散焼鈍処理を施した。この
拡散焼鈍処理を施したクラッド板及び拡散焼鈍処理を施
していないクラッド板の特性を、主として耳率を測定す
ることにより調べた。耳率の測定及び肌荒れの観察は、
第2実施例と同様の方法により実施した。結果を下記表
3に示す。
率で冷間圧延を施し、組成がJIS A1100に規定
される板厚5.7mmの純アルミニウム板を製造した。
この純アルミニウム板に240℃の温度で24時間加熱
することによって焼鈍処理を施したものとステンレス鋼
板(JIS SUS436)とを冷間圧延により圧接
し、板厚が2.3mmのクラッド板を製造した。その
後、120乃至360℃の温度で12時間加熱すること
により、このクラッド板に拡散焼鈍処理を施した。この
拡散焼鈍処理を施したクラッド板及び拡散焼鈍処理を施
していないクラッド板の特性を、主として耳率を測定す
ることにより調べた。耳率の測定及び肌荒れの観察は、
第2実施例と同様の方法により実施した。結果を下記表
3に示す。
【0021】実施例6〜9は、180乃至350℃の温
度範囲で拡散焼鈍処理が施されたため、クラッド板の耳
率が低く、成形性が良好であることがわかる。一方、拡
散焼鈍処理を施していない比較例7、拡散焼鈍処理を1
20℃の温度で施した比較例8及びこの処理を150℃
の温度で施した比較例9では、拡散焼鈍処理を施してい
ない、又は、拡散焼鈍温度が本発明にて規定した範囲よ
り低かったために、いずれも成形加工性が悪かった。ま
た、焼鈍処理温度が360℃と本発明にて規定した範囲
より高かった比較例10では、マイナス耳が大きく、肌
荒れが発生した。
度範囲で拡散焼鈍処理が施されたため、クラッド板の耳
率が低く、成形性が良好であることがわかる。一方、拡
散焼鈍処理を施していない比較例7、拡散焼鈍処理を1
20℃の温度で施した比較例8及びこの処理を150℃
の温度で施した比較例9では、拡散焼鈍処理を施してい
ない、又は、拡散焼鈍温度が本発明にて規定した範囲よ
り低かったために、いずれも成形加工性が悪かった。ま
た、焼鈍処理温度が360℃と本発明にて規定した範囲
より高かった比較例10では、マイナス耳が大きく、肌
荒れが発生した。
【0022】
【表3】
【0023】なお、本実施例では、純アルミニウム板の
焼鈍処理時間を24時間としたが、本発明の効果を得る
ためには、6時間以上の焼鈍処理時間をとれば良い。
焼鈍処理時間を24時間としたが、本発明の効果を得る
ためには、6時間以上の焼鈍処理時間をとれば良い。
【0024】上述の各実施例は純アルミニウム板を使用
したが、アルミニウム合金板を使用しても同様の結果が
得られる。
したが、アルミニウム合金板を使用しても同様の結果が
得られる。
【0025】
【発明の効果】以上、詳述したように、本発明によれ
ば、アルミニウム又はアルミニウム合金板を、30%以
上の加工率で冷間圧延を施し、所定の板厚とした後に、
200乃至300℃の温度で焼鈍処理し、次いで、この
アルミニウム又はアルミニウム合金板にステンレス鋼板
を合わせ、熱間又は冷間圧延により両者をクラッド化
し、その後180乃至350℃の温度で拡散焼鈍処理す
るので、耳率が小さく、成形加工性が優れたクラッド板
を得ることができる。
ば、アルミニウム又はアルミニウム合金板を、30%以
上の加工率で冷間圧延を施し、所定の板厚とした後に、
200乃至300℃の温度で焼鈍処理し、次いで、この
アルミニウム又はアルミニウム合金板にステンレス鋼板
を合わせ、熱間又は冷間圧延により両者をクラッド化
し、その後180乃至350℃の温度で拡散焼鈍処理す
るので、耳率が小さく、成形加工性が優れたクラッド板
を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C22F 1/04 C22F 1/04 Z // B23K 103:20
Claims (1)
- 【請求項1】 アルミニウム又はアルミニウム合金材を
熱間圧延後、30%以上の加工率で冷間圧延を施し、所
定の板厚とした後に、200乃至300℃の温度で焼鈍
処理してアルミニウム又はアルミニウム合金板を得る工
程と、このアルミニウム又はアルミニウム合金板にステ
ンレス鋼板を合わせ、熱間又は冷間圧延により両者をク
ラッド化し、その後180乃至350℃の温度で拡散焼
鈍処理する工程とを有することを特徴とする成形性が優
れたクラッド板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14199295A JP2812898B2 (ja) | 1995-06-08 | 1995-06-08 | 成形性が優れたクラッド板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14199295A JP2812898B2 (ja) | 1995-06-08 | 1995-06-08 | 成形性が優れたクラッド板の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08332581A true JPH08332581A (ja) | 1996-12-17 |
JP2812898B2 JP2812898B2 (ja) | 1998-10-22 |
Family
ID=15304883
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14199295A Expired - Fee Related JP2812898B2 (ja) | 1995-06-08 | 1995-06-08 | 成形性が優れたクラッド板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2812898B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000312979A (ja) * | 1999-04-30 | 2000-11-14 | Sumitomo Special Metals Co Ltd | アルミニウム・ステンレス鋼クラッド材およびその製造方法 |
JP2008006496A (ja) * | 2006-05-30 | 2008-01-17 | Neomax Material:Kk | 複合金属板及びその製造方法 |
JP6347312B1 (ja) * | 2017-10-30 | 2018-06-27 | 新日鐵住金株式会社 | クラッド板 |
CN112848556A (zh) * | 2020-11-02 | 2021-05-28 | 佛山市南海煌钢金属制品有限公司 | 一种结合钢高强度和铝轻金属特性的钢铝复合板材料 |
-
1995
- 1995-06-08 JP JP14199295A patent/JP2812898B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000312979A (ja) * | 1999-04-30 | 2000-11-14 | Sumitomo Special Metals Co Ltd | アルミニウム・ステンレス鋼クラッド材およびその製造方法 |
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WO2019087265A1 (ja) * | 2017-10-30 | 2019-05-09 | 日本製鉄株式会社 | クラッド板 |
KR20200042925A (ko) * | 2017-10-30 | 2020-04-24 | 닛폰세이테츠 가부시키가이샤 | 클래드판 |
CN111372770A (zh) * | 2017-10-30 | 2020-07-03 | 日本制铁株式会社 | 复合板 |
CN111372770B (zh) * | 2017-10-30 | 2021-10-26 | 日本制铁株式会社 | 复合板 |
CN112848556A (zh) * | 2020-11-02 | 2021-05-28 | 佛山市南海煌钢金属制品有限公司 | 一种结合钢高强度和铝轻金属特性的钢铝复合板材料 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2812898B2 (ja) | 1998-10-22 |
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